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【安価】京太郎「冥球島?」美穂子「ズバッと三振毎度ありっ!」【咲-Saki-】

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118 :>>116 この後の夕方や、試合まではあと1日あるので余裕はあります。 ◆0RbUzIT0To [saga sage]:2017/04/29(土) 23:15:12.96 ID:XHZ61O6U0
>美穂子

京太郎「まあ、とりあえず一旦寮に戻ってから考えようかな。そろそろ昼食の時間だし」

何はともあれ、まずは腹ごしらえである。
そう判断した京太郎は睦月と共に寮に戻ると、着替えを済ませて昼食を頂く。
なお、今日の昼食担当は霞とやえで、特にこれといって問題は無かったもよう。
――やはりコレステロール値は気になるが。

京太郎「さてと、飯も食い終わったし……ん?」

美穂子「よいしょ、よいしょ……」セッセセッセ

昼食を取り終え、本格的に何をしようかなと考えていた京太郎。
そんな京太郎の目に飛び込んできたのは、大きな洗濯籠を抱えた美穂子の姿であった。
因みに、三角巾にエプロン――なんとも家庭的で、
京太郎は思わずこんな人が将来お嫁さんになってくれたらなぁとポヤヤンと妄想するのだが……。
ひとまずそんな妄想を振り払いつつ、駆け寄って話しかける。

京太郎「美穂子さん、何してるんですか?」

美穂子「京太郎くん。 替えのシーツやカバーのお洗濯よ、みんな自分の分はお洗濯をしてくれてるけれど、
    こういったものは全体で管理をしているから……」

京太郎「あー……」

この寮に入る際、まず決めた住まうにあたってのルール。
食事は当番制、掃除などについても当番制。とは決めたが、洗濯については決めていなかった。
それは先ほど美穂子自身が言った通り、各自汚れ物は自分たちで洗濯をしているから。
京太郎がいる為に誰かがまとめてという事も出来なかったというのもあるが、
それぞれ自室に洗濯機と乾燥機があった為に自然とそのように決まったのだ。

が、それ以外のもの――ベッドのシーツやカバーなどといったものは別物である。
これらは汚れたりした場合は保管室から予備のものを持ち出す事となっており、洗い物は大カゴへと入れる決まりとなっていた。
京太郎はてっきり知らない間に業者か誰かに頼んでいたと思っていたのだが、これも美穂子が洗濯をしていたらしい。
119 : ◆0RbUzIT0To [saga sage]:2017/04/29(土) 23:25:27.72 ID:XHZ61O6U0
京太郎「いつも美穂子さんがやってくれてたんすね、ありがとうございます」

美穂子「ふふ、どういたしまして」

京太郎「でも美穂子さん、以前、俺が言った事覚えてますか?」

美穂子「ええ。 でも……」

洗濯籠を持つ美穂子に対し、京太郎は感謝の意を述べると同時に苦言を呈する。
以前、夜にまでわざわざグラウンドへと出向き、ボールを磨いていた美穂子。
その際に京太郎は、これからは出来る限り美穂子の雑用の手伝いをしたいから声をかけてくれと言ったのだ。
特に力仕事が必要なら、いつでも呼んでくれとも言っている。

そして、今、美穂子は――何度も言うようだが洗濯籠を持っている。
中身はベッドのシーツなど大型のもの……それが、多量に含まれているのだ。重くない訳がない。
どこか口ごもる美穂子に対して、京太郎は溜息をつきつつ……。

京太郎「よっと」

美穂子「あ、京太郎くん。 悪いわ」

京太郎「悪くないです、っていうかこんな重いものをずっと目の前で持たれてた方が嫌です。 お願いですから遠慮しないでください」

美穂子「あう……ごめんなさい」

京太郎「怒ってる訳じゃないですよ。
    ……そういや美穂子さん、ずっと雑用に追われててここ来てからどこか行ったりしました?」

美穂子「えっと……近所のスーパーに、お買い物とか」

京太郎「そういうのじゃなくて……って、俺が言うのもあれか」

半ば強引に洗濯籠を奪いながら、干す場所へと歩いていく京太郎。
その横を美穂子は申し訳なさそうにしながらついてきつつ、2人は談笑。
しかしながら、内容はどこか物悲しい。京太郎は練習に、美穂子は雑用に追われていたせいか、お互いあまり外出をした記憶が無い。
120 : ◆0RbUzIT0To [saga sage]:2017/04/29(土) 23:33:01.44 ID:XHZ61O6U0
美穂子「あまり、そういうのが得意じゃなくて……風越にいた時は後輩が誘ってくれたりもしたし、
    久と知り合ってからはお互い一緒に出かける事も多かったんだけど」

京太郎「久先輩ならこの寮にもいるじゃないですか」

美穂子「久もこっちに来てからまだ日が浅いし、周囲に何があるかあまり把握出来てないみたいなの。
    それに、私も色々やる事が多かったしね……」

京太郎「なるほど……っと、よし、それじゃ干しましょうか」

美穂子「あ、そこまでは……後は私がやるから京太郎くんはもう戻ってくれても」

京太郎「いーえ、どうせですから最後までやりますよ。 2人でやった方が早く済むでしょ」

美穂子「……ありがとう、助かるわ」

その後、一旦会話は中断され2人は洗濯物を干す事に勤しんだ。
とはいえ、量が多いとはいえそこは美穂子も手慣れたものである。
京太郎も手伝ったとはいえ、ものの数分で終わってしまう。

美穂子「うん、これでよし。京太郎くんが手伝ってくれたお蔭で早く済んだわ」

京太郎「いや、殆ど美穂子さんがやってたじゃないですか」

美穂子「そんな事ないわ。 さて……これからどうしようかしら。
    今日は天気がいいからすぐ乾くでしょうけど、それまで……」

京太郎「この後予定無いんですか?」

美穂子「お夕飯の当番だからその準備はしなくちゃいけないけれど、それまではとくには」

京太郎「そうなんすか(……って、待てよ)」
121 : ◆0RbUzIT0To [saga]:2017/04/29(土) 23:45:45.64 ID:XHZ61O6U0
ここまでの会話で、美穂子も京太郎も殆どこの島に来てから外出をしていない事がわかった。
そして、お互いこれからの予定は特にないという事もわかった。

京太郎「(どうせだから一緒にどこかに出かけませんか?って誘う口実が出来るんじゃないか?
     美穂子さん、たまには気分転換しましょうよって感じで上手くいけば……よし!)」

ここはいわゆる、デートに誘ってみるべきだろうかと一案する京太郎。
良子にベジタリアン系と言われるくらいには、女好きの癖に奥手なのだが、
それでも彼はなけなしの勇気を振り絞って美穂子に声をかける。

京太郎「あ、あの……美穂子さん!」

美穂子「はい?」

京太郎「こっ、これから一緒に出かけませんかっ?」

誘う際、思わず声が裏返ったのはご愛嬌である。むしろ裏返っても言い切った事を賞賛してあげたいくらいだ。
そんな京太郎の誘いに対して、美穂子は……。

美穂子「ええ、勿論」

京太郎「えっ、いいんですか!?」

あっさりと承諾した。思わず京太郎も拍子抜け、なのだが……。

美穂子「ふふ、どうして驚いてるの? 誘ったのは京太郎くんでしょう?」

京太郎「いや、まあ、そうですけど……なんというか……」

美穂子「おかしな京太郎くん。 それで、何を買いに行くのかしら?」

京太郎「……ん?」

美穂子「夕飯の材料……はストックはあるはずだけど、何かリクエストがあるなら食材を買い足さないといけないわね。
    備品なんかについても在庫はあったと思うけれど、切れそうなものもあったと思うからそれも……」

京太郎「(あれ? これってもしかして……)」

どうやら美穂子は、京太郎が「買い出し」に同行してくれるようにお願いしたものと思っているらしく、
思わず京太郎はがっくりと肩を落としかけるのだが……。

京太郎「(まあ、出かけるは出かけるに越した事ないんだしいい……のか? いや、でも……)」

1.「そうですね、夕飯の食材を……食べたいものがあるんですよ」
2.「ちょっと部屋の電球が切れかかってるみたいなんで、後他にもこまごましたものが欲しいんですよ」
3.「買い出しじゃなくて、デートのお誘いしてるんです。 その……受けて貰えますか?」

↓1
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/29(土) 23:47:19.45 ID:8VfqZLyJ0
3

たまには積極的に
123 : ◆0RbUzIT0To [saga sage]:2017/04/30(日) 00:07:50.33 ID:20uMnhTr0
>3.「買い出しじゃなくて、デートのお誘いしてるんです。 その……受けて貰えますか?」

しかし、ここで果たしてそのまま買い出しに行ったとしてどうなるというのか。
京太郎はなけなしの勇気を振り絞った後の、勇気の出涸らしを使って更なる追撃を与える。

美穂子「デート……デート? ふぇっ!?」

美穂子「あ、あの……私と?」

京太郎「はい」

これには美穂子も思わず狼狽。
赤面し、あたふたする美穂子を見て、逆に京太郎としては頭が落ち着いてきた。

美穂子「で、でも私、手がお洗濯で汚れてるしこんな恰好だし……」

京太郎「いや、洗って着替えれば済む話じゃないですか」

美穂子「私でいいの?」

京太郎「俺は美穂子さんを誘ってるんです」

美穂子「そ、そう……ええ、それじゃあ……一緒にその、お出かけしましょう」

京太郎「はい(我が世の春がきたああああああああああああああああああ!!!!)」

コクリ、と頷きながら、一旦着替える為にと部屋へと戻る美穂子。
その後ろ姿を見送りながら、京太郎は内心叫びながらガッツポーズを取るのだった。

京太郎「……ところでどこに出かけよう」

なお、特にプランは無いもよう。
124 : ◆0RbUzIT0To [saga sage]:2017/04/30(日) 00:16:05.31 ID:20uMnhTr0
………
……


美穂子「お、お待たせしました」

京太郎「ああいえ、待ってないです」

その後、しばらくしてから2人は合流をする。
幸いにして他の誰にも見つからず、京太郎は内心ホッとしていた。
正直、久あたりに見つかっていたらまた必ずからかわれていた所である。

着替えてきた美穂子であるが、その服装は決して派手なものではない。
ラフな格好という程でもないが、いわゆる、友達とちょっと遊びに行く程度のお洒落をした格好だ。
それにしたって、京太郎にとっては美穂子の珍しい私服姿である(寮内では基本的にみんな制服、一部巫女服)。
素材がいいのも相まって、それを見るだけで割とくらくらする。

美穂子「それで、その……どこに?」

京太郎「夕飯の準備までに戻らなきゃいけないですし、あんまり遠出って訳にもいかないんで。
    さっきこれで調べたんですけど……」ポチポチ

美穂子「すまーとほんね。 ええっと、それで?」

スマホを操作する京太郎に対し、その画面をのぞき込んでくるように身を乗り出す美穂子。
丁度美穂子の頭が京太郎の顔の下に来て、なんというか、非常にいい匂いがする。

京太郎「(生きててよかった!)」

美穂子「京太郎くん?」

京太郎「あ、ああ。 コホン、実は寮から10分程度歩いた場所にちょっとした公園があるみたいなんですよ。
    ちょっとそこで散歩って感じでどうです?」

美穂子「ええ、勿論」
125 : ◆0RbUzIT0To [saga sage]:2017/04/30(日) 00:26:36.12 ID:20uMnhTr0
遠出をする訳にはいかず、近場で。
そして、さっき言った手前、スーパーに買い物などというのはなんとも情けない。
結局、京太郎が提案したのは近くにある公園での散歩という、割と高校生2人としてはのんびりした選択肢だった。

とはいえ、京太郎としては美穂子と一緒に行動をする事に意味がある。
美穂子としても、別に散歩は嫌いではない。
2人は早速寮を出て公園へと向かう。

京太郎「にしても、美穂子さんが受けてくれるなんて思わなかったです」

美穂子「あら、どうして?」

京太郎「いや……美穂子さんとかならモテるでしょうから、俺なんか気にかけてくれないかなぁと」

美穂子「……街中で声をかけられた事はなんどかあるけれど、風越は女子高だし、そういう事は無いわ。
    逆に京太郎くんは、共学だから……」

京太郎「いやいや、共学だからってモテる訳じゃないですよ。 俺なんて地味ですし」

美穂子「でも、久に聞いたら麻雀部の皆とはとても仲良しだって……」

京太郎「まあ、仲はいいですけど。 そういう事は無いですよ」

京太郎「(和は脈なしだし、優希とは悪友だし、咲とは幼馴染だしなぁ)」

美穂子「あの、だからその……」

京太郎「はい?」

美穂子「私、こういう風に男の子と一緒にお出かけするっていうのは初めてだから……。
    もしも何かおかしな事をしたら、注意してね?」

京太郎「え、ええ。 でもおかしな事って言っても、まあ、ただの散歩ですから!
    (とでも言っておかないと、俺の方が意識をし過ぎて色々えらい事になりそうだ)」

京太郎「あ、つきましたよ」

照れたように、恥ずかしそうに上目遣いで言ってくる美穂子の攻撃に、
既に京太郎はノックアウトされそうになりながらもデートはデートだけど気軽な散歩だからと自分に言い聞かせるように言った。
やはり、ベジタリアン系はどこまで行ってもベジタリアン系である。
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/30(日) 00:30:29.14 ID:BWqdob/O0
>京太郎「(和は脈なしだし、優希とは悪友だし、咲とは幼馴染だしなぁ)」


鈍感主人公だな……原作はともかくこのスレだと和の好感度は結構ある
やっぱり、和のことは意識しているのね
127 : ◆0RbUzIT0To [saga sage]:2017/04/30(日) 00:46:45.32 ID:20uMnhTr0
美穂子「大きな公園なのね」

京太郎「ですね」

公園と言っても、遊具がある子供の遊び場といったそれではなく、
並木道や花壇のあるいわゆる自然公園的なものだ。
ついた途端、美穂子はパァッと目を輝かせ、京太郎も悪いチョイスではなかったかと安堵する。
2人は早速並木道を歩きながら、暖かい陽だまりの中を散歩するのだが――。

京太郎「暖かい、っていうよりはちょっと暑いですかね」

美穂子「お天気がいいから……」

京太郎「(これは悪いチョイスだったか? いやでも……)」

美穂子「あ、丁度あそこの木陰にベンチがあるわ。 ちょっと休みましょうか?」

京太郎「あっと……そうですね」

流石に今は真夏。しかも昼間である。
暑い、とにかく暑い。
ここまでくる中でもそこそこ歩いていた為、2人は一旦散策を中断して休憩。
木陰のベンチに座ると、ほっと息を吐く。

因みに、ベンチに座った2人の距離はなんとも言えない微妙な距離感。丁度拳2つ分くらいである。

美穂子「京太郎くん、どうぞ」

京太郎「あ、ども……って、水筒持ってきてたんですか!?」

美穂子「ええ、今日は暑いから喉も乾くだろうって思って」

京太郎「(本当に準備がいいというかなんというか……)」

いずれにせよありがたい事であり、京太郎は一言礼を言ってからカップを受け取り中身を飲み乾した。
ただの麦茶だが、とてもよく冷えており、やけに美味しい。
128 : ◆0RbUzIT0To [saga]:2017/04/30(日) 00:55:47.33 ID:20uMnhTr0
近くの広場では、中学生くらいのグループがバトミントンをして遊んでいる。
遊歩道を見てみれば、ペットの散歩に来ている人や自分たちと同じく散歩をしているらしい人々。
遠くの方からはキャッキャとはしゃいでいる、子供たちの声を聞こえてくる。

緩く風が、少しだけ生暖かい風が京太郎達に吹く。
ただ、それもどこか心地よい。

京太郎「平和ですね」

美穂子「ふふ、そうね」

京太郎「あれ? なんかおかしい事言いましたかね俺」

美穂子「なんだか、その……おじいさんみたいで。 ごめんなさい」

京太郎「おじいさん……それは流石にショックですね」

落ち着いたのか、京太郎と美穂子の間に流れる空気も穏やかなものだ。
先ほどまでの激しい緊張はどこへやら――もっとも、まるでドキドキしていないという訳ではない。
実際、京太郎の心臓は今も尚、ドキドキといつもよりも早く鼓動を打っている。

美穂子「…………」コクコク

隣では、美穂子が可愛らしい音を立てながら麦茶を飲んでいた。
やはり、彼女も喉が渇いていたのだろう。

京太郎「………………」

1.「また誘ってみてもいいですか? 今度も公園でもいいですし、別の場所にでも……」
2.「あ、間接キスですね」
3.「あの……手を繋いでみてもいいですか?」

↓1
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/30(日) 00:58:49.78 ID:x+pMklZWo
2
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/30(日) 01:01:25.78 ID:BWqdob/O0
あー、ここは1にしたかったわー。ちくしょー
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/30(日) 01:02:21.96 ID:xFzzHk+F0
グイグイ行きすぎかな
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/30(日) 01:03:40.71 ID:BWqdob/O0
>>131
まあ、監督に草食系と言われていたしたまにはいいかな?とは思う
133 : ◆0RbUzIT0To [saga sage]:2017/04/30(日) 01:17:30.20 ID:20uMnhTr0
>2.「あ、間接キスですね」

他意はない、ただ、ほんの油断―― 一瞬の油断である。
思わず、そんな事を口走ってしまった。

美穂子「ふぇっ!?」ポトリ

ただ、そんな言葉を聞いては美穂子も動揺しない訳もない。
先ほどまでは落ち着いていたのだが、再び表情は赤面一色。
持っていたカップを落とし、あわわと手を振って京太郎に対して弁明をする。

美穂子「あ、あの、違うの。 そんな……私、そんなはしたなくないわ!」

京太郎「ちょ、お、落ち着いて! すみません、そうですね、1つしかカップ無いんですからそうなりますよね、普通!!」

美穂子「え、ええ、そうなの。 仕方ない事だったの、わかってくれる?」

京太郎「勿論です!」

正直、間接キスではしたないという言葉が出てくるあたりにも美穂子の育ちの良さが出てるなぁ、と思うが、
しかし、言った当人である京太郎としてもなんだか気恥ずかしくなってきた。
京太郎の謝罪を聞いて美穂子はやはり恥ずかしそうではあるが、落としてしまったカップを拾い、
それをハンカチで拭き直しながら水筒に蓋をすると、勢いよく立ち上がる。

美穂子「い、行きましょう、京太郎くん!」

京太郎「え、もう休憩終わりですか!?」

美穂子「あ、ほら、あちらの方に花壇があるみたい。 ね、見に行きましょう」

京太郎「は、はい……」

その後、珍しく強引に美穂子に押され、結局その場は終了となった。

美穂子「(恥ずかしい……言われるまで全然気づかなかったわ。 ああ、京太郎くんにはしたない女の人だって思われてる……)」

なお、強引に話題を転換した美穂子の内心は大荒れだったもよう。
134 : ◆0RbUzIT0To [saga sage]:2017/04/30(日) 01:34:56.01 ID:20uMnhTr0
………
……


その後は、なんとか持ち直し、ぎくしゃくした空気になる事もなく散歩を楽しんだ。
京太郎としては当初はやはりもっと派手な遊び場の方がいいかと思いもしたが、
こうしてのんびりとした場所で落ち着いた女性と過ごすというのも悪くは無い――というか、楽しい。

京太郎「楽しかったです、ありがとうございました」

美穂子「こちらこそ、あの……えっと、私、変じゃなかったかしら?」

京太郎「いえ、何も!」

公園からの帰り道、もう寮が見えてきたという所で、京太郎が口を開く。

京太郎が感謝の念を伝えると美穂子もまた返してくるが、それにしても彼女も気にしがちな性格である。
結局、男性とのお出かけという事で何か粗相をしていないかと心配をするのだが、
京太郎はブンブンと首を振って否定。

美穂子「で、でも、その……あの、か、か、かか……かん……」

京太郎「ああ、いや……あれはもう全面的に俺が悪いんで」

真っ赤になって言い淀む美穂子を見て、何が言いたいのかわかった京太郎は素直に頭を下げた。
どう考えてもあの場面、ツッコミを入れた京太郎が悪い。悪いのだが、美穂子は気にしているらしく……。

ギュッ

京太郎「ふぁい!?」

いきなり京太郎の手を両手で握ってきた。そして、そのまま上目遣いで口を開く。顔を上気させて。

美穂子「あの、ごめんなさい! お願いだから、みんなには言わないでくれるかしら?」

京太郎「わ、わかりました!(なんだこれ柔らかい!手柔らかい!っていうか間接キス恥ずかしがるのに手を握るのはいいの!?)」

美穂子としてはテンパるあまり、手を握るという大事をしている感覚が無いのだろう。
ただ、京太郎が動揺をするのには十分であり――京太郎が首を縦に振りながら了承すると、ホッと安堵の溜息を吐きながら美穂子は微笑む。

美穂子「ありがとう京太郎くん……その、やっぱり、みんなに知られたりしたら恥ずかしいから……」

京太郎「(天使かこの人は)」

福路美穂子、この寮にやってきて3回目か4回目になる京太郎からの天使認定。
そんな天使も、割と男性には不慣れでテンパる時もある。
京太郎はそれでも、というかむしろそういう一面もまた可愛いなぁと非常にだらしない顔をしながら、美穂子と共に寮へと戻るのだった。
なお、美穂子の方が前を歩いていた為に情けない京太郎の顔は見られる事がなかったもよう。

※1回目+2(×3で+6)、2回目+1(×3で+3)で+9され、美穂子の好感度が37になりました。
135 : ◆0RbUzIT0To [saga]:2017/04/30(日) 01:37:18.11 ID:20uMnhTr0
………

京太郎「ふへぇ、なんというか……俺はもしかしたら今年一年分の運気を使い切ってしまったかもしれない。
    美穂子さんの手柔らかかったなぁ……誘って良かった。散歩自体も凄く楽しかったしな。
    思えば毎日練習の連続だったし、ああやってゆっくりするのもたまにはありだな。

    さて、帰ってきてみれば夕方だ。 この後は何するかな」


昼行動1回目(1/2)

1.会話(チームメイトと交流します)
2.練習(練習をして京太郎・チームメイトの経験値を貯めます)
3.お出かけ(チームメイトと出かけます。2回分行動を消費します)

↓1
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/30(日) 01:37:29.88 ID:uoBbQTnA0
2
137 : ◆0RbUzIT0To [saga]:2017/04/30(日) 01:38:39.64 ID:20uMnhTr0
>2.練習(練習をして京太郎・チームメイトの経験値を貯めます)

経験値一覧

京太郎 4
睦月 4
美穂子 2
やえ 2
霞 3
久 5
哩 0

【京太郎・睦月・美穂子・やえ・霞】
【久・哩】

↓1 練習対象選択
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/30(日) 01:39:28.95 ID:iltHiOv6o
京太郎
139 : ◆0RbUzIT0To [saga]:2017/04/30(日) 01:52:15.48 ID:20uMnhTr0
>京太郎

京太郎「よーし、やる気は十分だしこの後は練習に勤しむとしよう!!」

美穂子とのデートにより、今の京太郎はやる気満々だった。やる気満々マンだった。
このやる気を、京太郎は練習にぶつけるしか発散の方法を知らない。
自身の部屋の机の上で眠っている課題に対してはやる気が持続しないから仕方ない。

ともかく、再びグラウンドへと向かった京太郎は、
改めて準備運動をすると早速とばかりにマウンドへと向かおうとする。

ザコプロ「おお、気合入ってるな須賀!」

京太郎「はい! もう、俺はバリバリやりますよ!!」

良子「大変結構ですね。 モチベーションは最高潮のようで」

京太郎「あ、監督。 あれ? どうしてここに?」

良子「さっきまで主力メンバーも練習していましてね、君とは行き違いになりましたが。
   さて、それではそのやる気がどれだけ投球に現れるか見せてもらいましょうか」

京太郎「はい!」

01〜32 経験値1
34〜65 経験値2
67〜98 経験値3
ゾロ目 経験値5

↓1
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/30(日) 01:52:33.78 ID:FzMxNq5tO
はい
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/30(日) 01:53:14.78 ID:BWqdob/O0
一オオイ
142 : ◆0RbUzIT0To [saga]:2017/04/30(日) 01:56:20.91 ID:20uMnhTr0
>コンマ78 獲得経験値3
>京太郎合計経験値7

経験値が5に達したので、スキルを習得or削除できます。

京太郎スキル群
【バントが上手い】pt5
バント選択時、バント判定を+20する。

【高さを生かす】pt5
身長が149cm以下の打者を相手にした際、球威+20。

【持ってる男】pt10
投手時能力。勝利投手の権利を得ていない際発動。
自身を除く全野手の巧打力+5。勝利投手の権利を得た際この効果は消える。

【攻撃に繋がるリズム】pt10[テンポ○発展形]
ランナーを出さないまま2アウトを取った際、次の打者との対戦時に球威・変化+20。
その回が終わる、ランナーを出すとリセットされる。

攻撃に繋がるリズムが生まれ、ランナーを一度も出さないまま3アウトを取った際発動。
次の回、打者の巧打力+10。

習得or削除するスキルを選択してください。

1.【バントが上手い】
2.【高さを生かす】
3.【持ってる男】※選択出来ません
4.【攻撃に繋がるリズム】[テンポ○発展形]※選択出来ません
5.サブポジ習得(覚えるサブポジ併記)
6.保留

↓1
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/30(日) 01:58:30.84 ID:x+pMklZWo
6
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/30(日) 01:58:36.63 ID:uoBbQTnA0
6
145 : ◆0RbUzIT0To [saga sage]:2017/04/30(日) 02:12:26.03 ID:20uMnhTr0
>6.保留

ズバァンッ!!

京太郎「っしゃあ!」

ザコプロ「おおう……マジで気合入ってんなー」

有言実行。
京太郎はその気合を空回りさせる事なく、ビシビシとボールを投げ込んでいく。
捕手を務めるザコプロも、思わず手を痺れさせる程の豪球だ。
何よりいつになく、マウンド上の京太郎は吠えている。
気合が入っている――というよりは、何か一皮むけたような気がするような気迫のピッチングだ。

ズバァァンッ!!

ザコプロ「よーし、そろそろここらで休憩と行こうぜ! 流石にそんだけ投げたら疲れただろ」

京太郎「いえ、俺はまだまだいけますよ!」

良子「いけませんよ、オーバーワークは。 言いましたよね、それを止める為に私が重点的に見ると」

京太郎「監督……」

良子「一旦休憩です、異論は認めません。オーケイ?」

京太郎「わかりました」

そのやる気故に、いつも以上にハードに練習を重ねようとするが、流石にこれには良子がストップをかける。
京太郎としても、良子に言われれば従わざるを得ず、また、実際には相当疲労はしている。
ドリンクを飲みながら、ベンチに座って休憩をしていると……。
146 : ◆0RbUzIT0To [saga sage]:2017/04/30(日) 02:27:27.76 ID:20uMnhTr0
良子「それにしても、凄いモチベーションの高さですね須賀くん」

京太郎「ええ、まあ……」

隣に良子が座り、そっと語りかけてくる。
京太郎も、何の気なしに対応をするのだが……。

良子「そんなに福路さんとのデートは楽しかったですか?」

京太郎「ブフーーッ!!」

いきなり、美穂子との事を問いかけられ、思わず口に含んでいたドリンクを噴出した。
一体何故それを、と言わんばかりに、口元を拭いながら良子へと視線を向けてみれば……。
良子はクスクスと笑いながら、肩を竦めて答える。

良子「私服姿で戻ってくるお二人の姿が、丁度このグラウンドから見えてましたからね。
   ああ……他の人たちには言っていませんので、ご安心を」

京太郎「そ、そうですか……ならまあ……」

良子「福路さんのような女性がお好みです?」

京太郎「……いや、美穂子さんみたいな女性がタイプじゃない男性っていうのがそもそもいないんじゃないですかね」

良子「まあ、それはそうですか」

美人。気立て良し。スタイル抜群。
とんでもない機械オンチという事を除けば、まさに理想の彼女・お嫁さんである。

良子「いずれにせよ、以前にも言いましたように異性交遊は大いに結構。むしろ推奨ですから。
   どんどんとアグレッシブに行ってくれて構いませんよ」

京太郎「そう言われると逆にやりにくいですよ!」

良子「ああ、それとですね……避妊だけはしっかりするんですよ?」

京太郎「そういうレベルの所まで行ってないですから!!」

焚き付ける良子に、ツッコミを入れ続ける京太郎。
結局、京太郎はこうしてザコプロ達が何事かと集まってくるまで良子にからかわれ続けるのだった。

※良子の好感度が+1され、37になりました。
147 : ◆0RbUzIT0To [saga]:2017/04/30(日) 02:29:35.38 ID:20uMnhTr0
………
……


京太郎「ふぅ……いや、しかし見つかったのが監督でよかったと思うべきか。
    これが久先輩とかだったら言いふらされてからかわれてるのは明白。
    俺はいいけど、美穂子さんがその場合心配だもんなぁ……間接キスって指摘しただけであたふたしてたし。
    やべ、思い出して来たら俺も恥ずかしくなってきた。

    と、とにかく今は一旦忘れよう。夕食まで時間はあるし、次は何するかな」

夕方行動2回目(2/2)

1.会話(チームメイトと交流します)
2.練習(練習をして京太郎・チームメイトの経験値を貯めます)
×.お出かけ(チームメイトと出かけます。2回分行動を消費します)

↓1
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/30(日) 02:31:28.30 ID:uoBbQTnA0
2
149 : ◆0RbUzIT0To [saga]:2017/04/30(日) 02:34:37.15 ID:20uMnhTr0
>2.練習(練習をして京太郎・チームメイトの経験値を貯めます)

経験値一覧

京太郎 7
睦月 4
美穂子 2
やえ 2
霞 3
久 5
哩 0

【京太郎・睦月・美穂子・やえ・霞】
【久・哩】

↓1 練習対象選択
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/30(日) 02:35:57.91 ID:ysXQbc9U0
151 : ◆0RbUzIT0To [saga sage]:2017/04/30(日) 02:38:21.00 ID:20uMnhTr0
霞さんに決定、という所で一旦ここで区切らせていただきます。
前スレ>>1000(睦月の投手能力強化)について考えましたが、
次の試合ではスキル【高さ危険太郎/低め安全花子】のうち、安全花子の方だけが作動するって事で手打ちにしてもらえればと思います。
数値を上げたり新スキル取得とかになるとちょっとやりすぎかなとも思えるので。
それではお疲れ様でした。
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/30(日) 02:40:56.06 ID:iltHiOv6o
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/30(日) 02:47:58.11 ID:z9Fu8Wwq0
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/30(日) 02:50:28.37 ID:uoBbQTnA0
乙です

予告先発無しなら意表を突いて睦月先発もありかな
投手能力が横浜愛で27アップ(金城も対象なら30?)で投手3枚の京太郎とそんなに変わらないんだよな
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/30(日) 03:04:10.73 ID:iltHiOv6o
横浜愛は
>試合に出場中の横浜所属カードを持った選手の数×3、全能力上昇。
だから京太郎、睦月、美穂子、久、霞の5人、15UPじゃねえかな
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/30(日) 03:25:15.78 ID:uoBbQTnA0
>>155
1回戦で能力が12上がってるので枚数じゃなくて人数でしたね
金城で能力上がるならブランコ竜華引き抜きも有りかな
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/30(日) 10:00:44.58 ID:FTrYWW2BO
あとは夜行動2回と1日か
哩の好感度25まで上げたいし、攻撃に繋がるリズムも欲しいし、他のキャラのスキルも取っておきたい
ああ悩ましい
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/01(月) 00:09:50.39 ID:LhZoGIAn0
今日はやらのかね。深夜に
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/01(月) 00:10:49.37 ID:klgeLCLro
そういやこの時間まで予告すらないのは初めてか
素直に寝るか
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/01(月) 01:12:03.54 ID:SsRPnn7A0
>>1は7-0からのパットン劇場で胃がやられてダウンしちゃったか
161 : ◆0RbUzIT0To [saga sage]:2017/05/01(月) 01:34:03.28 ID:ncMXqNJl0
ごめんなさい、帰ってきてから仮眠してたらこの時間になりました。
今日はお休みして、また明日続きを書かせてもらおうと思います。
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/01(月) 01:50:18.43 ID:JiBoQYo+0
了解
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/01(月) 02:07:40.68 ID:LhZoGIAn0
仮眠する場合は目覚まし時計か携帯の時計をセットしておいた方がいいよ
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/01(月) 11:31:17.87 ID:klgeLCLro
パットン将軍は地獄でしたね 了解
165 : ◆0RbUzIT0To [saga sage]:2017/05/01(月) 20:59:34.68 ID:ncMXqNJl0
こんばんわ。昨日はお休みしてしまいましたが、基本毎日やれればなと思っているので、よろしくお願いします。

>>160>>164
私は実際には見てないのですが、試合を見ていた人や現地にいた人は生きた心地しなかったんだろうなと思います。
何より一番驚いたのは石川がレフト方向にホームラン打ったという事ですが。
>>163
ちょっと軽く横になるつもりがすやすやでした。

もう少ししたら再開します。
166 : ◆0RbUzIT0To [saga sage]:2017/05/01(月) 21:30:55.25 ID:ncMXqNJl0
>霞

霞「あら? 京太郎くんも、練習かしら」

京太郎「霞先輩」

さてこれからどうしようかと思いながらベンチで過ごしていると、グラウンドには霞が姿を現す。
日が落ちるまで数刻と無いが、それでも僅かな時間の合間を縫って練習にやってきたのだろう。
ここら辺に関しては、霞も非常に真面目である。
忘れられがちであるがキャプテンとしての面目も、多分にあるのかもしれない。

京太郎「はい、丁度そろそろ練習再開しようとしてた所なんで……折角ですし、ご一緒してもいいですか?」

霞「ええ、勿論。 私からお願いしたいくらいだわ」

霞が打撃練習をするにも、捕手としての練度を上げるにも、京太郎が付き合ってくれた方が効率はいい。
京太郎の言葉に霞は快く承諾しながら、少し苦笑を浮かべつつ口を開く。

霞「でも、本当に京太郎くんはいつも練習しているわね」クスクス

京太郎「はぁ……」

霞「練習熱心なのはいいけれど、息抜きも必要よ? たまには、ね」

京太郎「は、はい」

よもやついさっき美穂子と公園デートをしてきました、とは言えない。
制服ではなく普段着のMIHOKOを本日お披露目され、それはそれは非常に有意義な時間を過ごせたのだが、
ふと京太郎は目の前で練習に備えてストレッチをする霞へと視線を向ける。

霞「よいしょ、よいしょ」グニーン

京太郎「(そういえば霞先輩の私服も見た事が無いんだよなぁ……どんなんなんだろ)」

寮内では巫女服。グラウンドではユニフォーム。
他のチームメイトもそうではあるが、彼女の場合は特に私生活やそういった面がベールに包まれているきらいがある。
167 : ◆0RbUzIT0To [saga]:2017/05/01(月) 21:40:35.95 ID:ncMXqNJl0
京太郎「(今度はちょっと霞先輩をデートに誘ってみて、私服姿を拝めれば……。
     ああいや、でもこの前散歩に行った時も巫女服なんだっけ。 そもそも霞先輩は私服を持ってるのだろうか?)」

良子「須賀くん、須賀くん」

京太郎「うぇっ!? あ、はい?」

なんてことを考えていると、ちょんちょんと肩を突かれ、良子から声がかかる。
思わず驚いた声を上げながら意識を戻すと、既に霞はストレッチを終えグラウンドへ。

良子「何か考え事ですか?」

京太郎「ああいえ、なんでも! そ、それじゃ俺も練習してきます!」スタター

京太郎「(いかんいかん、邪な考えをしてちゃ……今は練習に集中しないとな!)」

頬を叩き、グラウンドへと駆けだす京太郎。

良子「(ふむ、福路さんとお出かけして色々と積極的になりかけているんですかね。よい傾向です。
    ただまぁ、最終的には1人に決めなさいと言っておく必要はありますか)」

なお、良子にはバレバレだったもよう。

01〜32 経験値1
34〜65 経験値2
67〜98 経験値3
ゾロ目 経験値5

↓1
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/01(月) 21:41:00.72 ID:RCvKlepuO
はい
169 : ◆0RbUzIT0To [saga]:2017/05/01(月) 21:43:25.27 ID:ncMXqNJl0
>コンマ72 獲得経験値3
>霞合計経験値6

経験値が5に達したので、スキルを習得or削除できます。

霞スキル群
【強気なリード】pt5
捕手時能力。読みを外した際、打者の巧打力−10。一致した際、長打力+10。

【高速スローイング】pt5
捕手時能力。ランナーが盗塁した際守備力+10。

【意外性】pt5
打順が6〜8番、ビハインド時に発動。巧打力+20、長打力+20。

【いぶし銀】pt5
7回以降の同点・2点差以内のビハインドの際巧打力+20。

習得or削除するスキルを選択してください。

1.【強気なリード】
2.【高速スローイング】
3.【意外性】
4.【いぶし銀】
5.サブポジ習得(覚えるサブポジ併記)
6.保留

↓1
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/01(月) 21:47:42.91 ID:UzwbycM90
4
171 : ◆0RbUzIT0To [saga sage]:2017/05/01(月) 22:02:36.14 ID:ncMXqNJl0
>4.【いぶし銀】

今日の練習において、霞は打撃練習を選択した。
基本的に守備が得意な霞だが、ザコプロよりはバッティングもマシ。
おまけに新たなカードを手に入れてからはその打撃にも多少なりと磨きがかかっている。

守備は勿論重要だが、まだまだ主力選手が少ないのが現状だ。
恐らく今後霞が入る打順は6番以降となるのが有力だが、前のクリーンナップを返せる程度の打力は身に着けておきたい。
そう考えた末の打撃練習であるが――。

グギンッ!

霞「つうっ……! どうしても、差し込まれてしまうわね」

京太郎「そう簡単に打たせる訳にもいかないですからね」

今日の京太郎は先ほどの練習の時から好調である。
その速球のスピードに霞はバットを当てるだけが精いっぱい。
差し込まれ、ボールは前に飛ばず、前に飛んでも内野ゴロが関の山だ。

霞「(どうしても速球には手も足も出ない……というか、まともにヒットにしようとしても無理ねこれは。
   なら……私に出来る事は……)」

ビュッ!!

霞「んっ!」

カァンッ!!

京太郎「おっと……(うまく当てられた……けどこれは内野フライか?)」
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/01(月) 22:03:42.40 ID:JiBoQYo+0
高速スローイングって取ったら役立つのかな?
ランナーが盗塁を試みた場面がまだないんで判断つかない
173 : ◆0RbUzIT0To [saga sage]:2017/05/01(月) 22:16:05.28 ID:ncMXqNJl0
強く振っては差し込まれる、よって霞は軽くバットを振るだけにして当てるだけにした。
当てるだけが精いっぱいならば、その精一杯をすればいい。
そして、問題はその打球をどちらへと飛ばすかである。

霞「(引っ張るのは難しい、なら流すしかない。 京太郎くんの球威のせいでフライにはなっているけれど……)」

ポーンッ

ザコプロ「おおう? こ、これは……」

霞「(あそこの位置なら、落ちる!)」

流して打った打球は、丁度サードの後方へと飛んでいく。
サードを守っていたザコプロがバック走をしながら追いかけるも追いつけず、
レフトを守っていたザコプロが前進しても届かない。

ポテンッ

京太郎「うわ……」

霞「ふふ、なんとか……ようやくヒットが打てたわね」

京太郎「ヒット性じゃないですよ今の、打ち取った当たりです」

霞「それでもヒットはヒットだわ。
 (こうするしか格上の投手からヒットを狙うのは難しそうだものね……それに、打ち取った筈の当たりがヒットになれば、投手の方が受けるショックも大きい)」

サードとレフトの間に上手く落ちた白球に悔しそうにする京太郎を見ながら、そっと霞は笑みを浮かべる。
まともには打てない、ならばまともでなくてもヒットにすればいい。
そうした方が対戦投手にやりきれなさを与えるというのならば、尚のこと良しだ。
ヒットに出来ない球をヒットにする、その技術に手ごたえを覚える霞だったが……。

ザコプロ「すげぇ! 流石霞さん、老獪なヒットだ!!」

ザコプロ「ああ、なんていぶし銀なんだ! ベテランの渋味を感じるぜ!」

霞「…………」クスン

ザコプロ達の言葉を聞いて軽くしょげもした。
実際、老獪で狡猾で技ありと言えるヒットなのだからしょうがない。

※霞の好感度が+1され、28になりました。
※霞が【いぶし銀】を習得し、更に新スキルが解放されました。

【一族の誇り】pt5
ヒットが出れば同点・勝ち越しの場面で発動。巧打力+20、長打力+10。
174 : ◆0RbUzIT0To [saga sage]:2017/05/01(月) 22:28:03.91 ID:ncMXqNJl0
京太郎「大丈夫ですか、霞先輩?」

霞「ええ、なんでもないわ……(私ってやっぱり老けて見えるのかしら……)」

その後、京太郎はしょげていた霞に暖かく声をかけながら寮へと帰り着いた。
寮では美穂子と睦月が食事の支度をしてくれており、今日も無事に美味しい夕食にありつけそうだとホッと安堵する。

久「そういえば京太郎くん」

京太郎「なんです?」

そして、食事の席である。
和やかに談笑しながら食を進めていた京太郎は、不意に久から声をかけられた。

久「お昼終わってからどこ行ってたの? 部屋にもグラウンドにもいなかったみたいだけど」

京太郎「うぇっ!?」

美穂子「!!」

睦月「うむ……てっきり、午後も練習をしにやってくると思っていたんだけど」

どうやら今日、昼から練習に参加をしていたのは久と睦月だったらしい。
練習の虫、練習魔、三度の飯より練習が好きと言える京太郎。
そんな彼がグラウンドにもいない、後で話を聞けば寮にもいなかったという。
そうなれば一体どこに行っていたのか、そう疑問に思うのは自然の事であった。
あったのだが、京太郎としては返答に困る。

京太郎「(まさか美穂子さんとデートしてましたと答える訳にはいかないし……)」

良子「…………」ニヤニヤ

京太郎「さ、散歩ですよ散歩。 たまには気晴らしにそこらへんを歩いてみようかと」

霞「あら、そうだったの? なら、練習の時に私が声をかけるまでもなかったわね」

やえ「京太郎は少し根を詰め過ぎる所があるからな。 これからも適度に息抜きはするんだぞ」

京太郎「は、はい。 あはは……」

美穂子「…………」ホッ

どうやら京太郎の答えには、一同納得はしてくれたようだ。
ちら、と視線を動かせば美穂子はどこかホッとした様子。やはり彼女としてもバレるのは本意ではないのだろう。

京太郎「(別に悪い事してる訳じゃないけど……久先輩は絶対からかってくるもんなぁ……特に美穂子さんの事だし)」

久「ん、どうかした? 私の顔に何かついてる?」

京太郎「いえ、何も!」

とにかく、なんとか誤魔化せた事に京太郎自身も安堵しつつ、そのまま食を進めていくのだった。
175 : ◆0RbUzIT0To [saga]:2017/05/01(月) 22:29:57.20 ID:ncMXqNJl0
………

京太郎「ふぅ、焦ったなぁ。 いや、本当に悪い事をしてる訳じゃないんだけど……やっぱりからかわれるのは辛いしな。
    特に俺だけじゃなく美穂子さんの事もある事だし。

    さてと、それはそれとして……寝るまでまだ時間はあるな。 何をしよう?」

夜行動1回目(1/2)

チームメイト
【睦月・美穂子・やえ・霞・良子】
【久・哩】

入手連絡先
【優希・まこ・和・咲・穏乃】

↓1 交流or電話する相手
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/01(月) 22:30:18.66 ID:SsRPnn7A0
シズ
177 : ◆0RbUzIT0To [saga sage]:2017/05/01(月) 22:49:18.90 ID:ncMXqNJl0
>穏乃

京太郎「そうだな……久しぶりに高鴨に電話してみようかな」

ここに来て知り合った、唯一のチーム関係者ではない少女。
以前全国大会終了後に会った時とはまた違う印象を与えられた少女が、果たして今どうしているのか。
咲や優希とはまた違った意味で喋りかけやすい彼女と連絡を取ってみるのもいいだろうと考えると、京太郎は迷わずコール。
数秒後、電話の先からは元気な声が届いてくる。

穏乃『やっほー、久しぶり!』

京太郎「おう、久しぶり!……って言うほど久しぶりか?」

穏乃『気にしない気にしない! でも結構連絡くれるね、何かあった?』

京太郎「いや、今日も別に何もないんだけどな。 暇だったからちょっと電話してみた……大丈夫だったか?」

穏乃『いいよー、こっちもスマホ弄ってただけだし』

京太郎「(やっぱりスマホは弄ってるのか……まぁ、電話出るのが速かった分、ある程度予想してたけど)」

天真爛漫、という言葉がよく似合う声を聞きながら、京太郎はやはりギャップに苦しむ。
果たしてこんなにこの少女は現代っ子的だっただろうか。
見た目のインパクト的にも、山登りが趣味という言葉的にも、野生児系かと思っていたのだが。

穏乃『そういえば須賀くんやっぱりSNSやってくれてないんだね。 残念だなぁ』

京太郎「どうにも億劫でなぁ……」

穏乃『こっちは今日も更新したよ。 基本的に毎日更新してるんだけどね』

京太郎「すげーな」

穏乃『そんな事ないよー、凄い人は数時間置きに呟いたりしてるし』ウェヒヒ
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/01(月) 22:51:31.51 ID:LhZoGIAn0
さりげなく声が同じ別キャラネタ入ってる
179 : ◆0RbUzIT0To [saga]:2017/05/01(月) 23:01:32.91 ID:ncMXqNJl0
実際穏乃の言う通りなのだろうが、それでも京太郎からすれば毎日更新するだけでも大変だと思う。
そもそも、それだけネタが見つかるとは思えない。

京太郎「どんな事呟いたりしてるんだよ? そんなに毎日ネタってあるのか?」

穏乃『そうだね、勿論、どこかに遊びに行ったりしたときとかに撮るのは当然として……。
   日常でも、割と面白い事って転がってるんだよ?
   あとは他の人と一緒に映ったりとかさ、ほら、須賀くんと丁度会った時みたいにね』

京太郎「あー……」

言われて、京太郎は穏乃とこの島で初めて会った時の事を思い出す。
あの時は驚いたが、京太郎はいきなり穏乃に写真を撮ってもいいかと聞かれたのだ。
果たしてそんな事でネタになるのか?と京太郎としては思わないでもないが、
あれもまた日常の中のちょっとした非日常ではある。

そういったとりとめのない事でも、記録し、SNSサイトに投稿して、穏乃は楽しんでいるのだろう。

穏乃『こんなことで? って思うような事でも、割と喜んでくれるんだよね、見てくれてる人。
   それに何も無ければ、思った事を綴ったりしてもいいし』

京太郎「ポエム的な?」

穏乃『そこまでじゃないけど! 例えば最近だったら、試合が終わった後とか、対戦相手についてとかかなぁ。
   あっ、対戦相手については名前は公表してないんだけどね!』

京太郎「お、おう……(しかしそうか、色々ネタってあるもんなんだな。 それにしても……)」

1.「遊びに行ったりって、どこに遊びに行ったりしたんだ?」
2.「日常での面白い事って例えば?」
3.「対戦相手と言えば、今度の試合はどうだ? 勝てそうか?」

↓1
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/01(月) 23:07:43.01 ID:LhZoGIAn0
アゲ。安価↓
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/01(月) 23:07:55.64 ID:3CWAMJ8wo
3
182 : ◆0RbUzIT0To [saga sage]:2017/05/01(月) 23:25:10.68 ID:ncMXqNJl0
>3.「対戦相手と言えば、今度の試合はどうだ? 勝てそうか?」

穏乃『もっちろん!!』

京太郎「即答かぁ……よっぽど自信あるんだな」

穏乃『あるよー! なんたってうちのチームは本当に穴が無いもん!』

京太郎の問いかけに対して即答する穏乃の鼻息は荒い。
余程、己のチームの強さというものに自信があるようだ。

穏乃『私ってさー、あんまり野球とかは見てなかったんだよ』

京太郎「そうなのか? 結構そういうのには詳しそうに思えたけど」

穏乃『野球見るより山に登る方が楽しいし!』

京太郎「(また山か……)」

穏乃『でも、そんな私でも知ってるくらいのピッチャーがいるからね! しかも2人!!』

京太郎「マジか……」

これは京太郎としても予想外である。
勿論、以前戦った二条泉の手持ちカードのように、有名=強力という訳ではない。
しかし、基本的に一般人にも知名度がある選手というのは一流選手である事ものだ。
それがピッチャー、しかも2人もいるとなれば京太郎としては思わず構えてしまう。

何せ、こちらのピッチャーは誰もかれもが1.5軍クラスなのだ。
183 : ◆0RbUzIT0To [saga]:2017/05/01(月) 23:38:09.25 ID:ncMXqNJl0
穏乃『野球ってさ、ようは打たれなければ負けないでしょ?
   うちはエースが2人いるようなものだし、だからまあ、かなり自信あるよ!!』

京太郎「そりゃそうだろうなぁ」

野球は投手という言葉がある。
穏乃の言う通り、相手に点を与えさえしなければ負けないのが野球というスポーツ。
逆に言えば、どれだけ点を取ってもそれ以上にとられてしまえば負けてしまうのだ。
野手は、どれだけ打席が回ってきたとしても、多くて5打席といった所が限度だろう。
そして、その中でヒットを打てても、打線がつながらなければ点にはならない。
1人だけ優秀な野手が――打者がいたところで、どうにもならないのが打線だ。

しかし、投手は違う。27のアウトを取るまで、マウンドに立つのは1人。
その投手の良しあしで、試合が決まると言っても過言ではないのだ。

穏乃『打線だって、爆発力あるからね! 投手だけじゃないから!』

京太郎「(チームカラーは読めないけど……相当自信ありそうだし、こりゃ当たったら厄介そうだなぁ)」

勿論、京太郎とて負けるつもりはない。
京太郎自身、最初の頃に比べて大きく成長出来たつもりであるし、頼もしいチームメイトたちもいる。
前回の試合での完封勝ちも自信になっており、当たったら厄介だとは思うが、それでも気持ちの上では負けてはいなかった。

穏乃『たださぁ、やっぱり阿知賀の皆とは会えないんだよね』

京太郎「そうなのか? ……前にも言ってたけど、高鴨の方からはあんまりみんなとは連絡とってないんだよな?」

穏乃『うん、直接会うまではあんまりね。 早くみんなと、野球で目いっぱい遊びたいんだけどな……』

京太郎「うーん……」

1.「そういえば、今度俺は松実さん……松実玄さんと戦う事になったぞ」
2.「まあ勝ち進めばいずれ会えるだろ。 みんなまだ敗けてないんだろ?」
3.「和はこの前の試合も勝ったみたいだったな」

↓1
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/01(月) 23:39:25.44 ID:47pURXYDO
3
185 : ◆0RbUzIT0To [saga sage]:2017/05/01(月) 23:49:46.60 ID:ncMXqNJl0
>3.「和はこの前の試合も勝ったみたいだったな」

穏乃『あ、そうなんだ!』

京太郎「おう、この前電話してな。 確か和もチームメイトに阿知賀の人がいるって言ってたし、その人も勝ち上がったんだろ。
    高鴨が勝ち上がっていけば、いずれ和やその人とも当たるだろうさ」

穏乃『そうだね! うーん、和とも早く遊びたいな。 でも一緒にいるのって誰なんだろ』

或いはここで京太郎が、玄と次に当たる事を言っていれば、和と共にいる阿知賀メンバーについて穏乃もわかったかもしれない。
和が阿知賀にいた頃、深くつながりがあったのは穏乃、憧、玄の3人なのだ。
ただ、悲しいかな京太郎がそれを知る由も無い。

京太郎「俺も、和とは約束したからな。 麻雀の前に、まずは野球で勝つってさ」

穏乃『そうなんだ。 じゃあ、私と須賀くん、どっちが先に和たちと当たるか競争だね!』

京太郎「ははは、対戦相手はランダムだし……その前にまずは目の前の試合だけどな」

なんとも気が早い穏乃の言葉に京太郎も思わず笑ってしまう。
が、目の前に試合が迫っているのにそう言うあたり、負ける気が微塵も無いあたりがなんとも穏乃らしい。

穏乃『もしもその前に私と須賀くんが当たる事があったら、須賀くんを引き抜けるようにキャプテンにも言ってみるよ』

京太郎「何言ってんだ、俺だって負ける気はないぞ」

穏乃『へへへ、楽しみだなぁ』ウェヒヒ

その後、しばらくああでもないこうでもないと言いながら、
そろそろいい時間という事で電話を切る事となった。

京太郎「うーん、相変わらず元気な奴だ……」

どこか無尽蔵のエネルギーを持ってるのかと錯覚するほど、とにかく元気な穏乃。
彼女の言葉を聞いて、京太郎も少し元気を分けてもらったような気持ちとなるのだった。
186 : ◆0RbUzIT0To [saga sage]:2017/05/02(火) 00:06:35.10 ID:/m3JFxiu0
………
……


穏乃「ふぅ〜、いやー、話した話した! 話したら喉乾いちゃったなぁ。
   何か飲み物でももらおっと」

一方その頃、電話を終えた穏乃は部屋を出て食堂に向かっていた。
向かっていたのだが――既に夕食を終え、誰もいないはずの食堂から、何やら声が聞こえてくる。
それは声、というよりも歌だったのだが――。

穏乃「あれ? 誰かいるのかな?」ヒョコッ

穏乃が覗いてみると、そこには食堂に取り付けられた大型テレビが点けられ、
画面にはお茶の間でそこそこの人気を持つアイドルグループが映っている。
そしてそれを見ているのが、2名。

いちご「いつかちゃちゃのんもこれくらい有名になりたいのう……」

小蒔「わぁ、すごく可愛い衣装ですね。 着てる人たちもとっても綺麗です」

佐々野いちご、神代小蒔。
穏乃のチームメイトにして、先ほど京太郎に言った誰もが知る有名人のカード。
そのカードを持つ、このチームの2枚看板、ダブルエースだった。

穏乃「佐々野さん、神代さん、何してるんです?」

いちご「ああ、穏乃ちゃん。 いや……ちょっと小蒔ちゃんと話をしてただけじゃけ」

小蒔「佐々野さんがアイドルさんに詳しいそうなので、色々教えてもらいながらテレビを見てました」

いちご「詳しいというか、ちゃちゃのんもアイドルなんじゃがの……」シュン

この2人、ダブルエースとあって互いに意識をしあうかと思われたが、まるでそんなことはない。
そもそも小蒔の性格上あり得ない話ではあるのだが、チーム内でもかなりの仲良しである。
この事をチーム内の野球に詳しい人に聞いてみたら、『まあ元々カード自体がチームメイトじゃけぇ、フィーリングが合うんかもしれんのう』と言っていた。
穏乃としては、単純に小蒔の純真さにいちごが色々面倒を見てあげているように見えるのだが。
187 : ◆0RbUzIT0To [saga sage]:2017/05/02(火) 00:18:53.50 ID:/m3JFxiu0
穏乃「それにしても、アイドルですか? 神代さんあんまりこういうの興味ないと思ったんだけどなぁ」

穏乃はキッチンへと入り、飲み物を片手にしながら小蒔たちの隣に座った。
テレビの中では、相変わらずアイドル達が歌って踊ってしている。
穏乃はあまりこういった事には興味が無いが、好きな人は好きなのだろう。
実際、小蒔はキラキラした瞳でテレビに夢中といった様子だった。

小蒔「アイドルに興味が無かった、というよりは詳しくなかった、あまり知らなかった……というのが正しいと思います。
   私のおうちにもテレビはありましたけど、あまり見る事はありませんでしたから」

穏乃「そうなんですか?」

いちご「なんでも色々と修行とかで忙しくてそんな暇は無かったそうじゃけ……小蒔ちゃんも苦労しとるのう」

小蒔「お勤めを大変だと思った事は一度もありませんけど、でも、離れてみて色々新しい発見があって、凄く楽しいです!」

色々と特殊な家庭環境上、小蒔の生活スタイルは一般的な女子高生とはかけ離れている。
そんな彼女はテレビを見る機会というのもあまりなく、
だからこそそこで輝くアイドル達に強く惹かれたのかもしれない。

小蒔「野球をするのも楽しいですし、本当に参加してよかったですね」パァァ

いちご「うおっ、まぶしっ!」

穏乃「(凄いいい笑顔……佐々野さんより神代さんの方がアイドルに向いてるんじゃないかなぁ)」

純粋無垢という言葉しかつけられないような笑顔を浮かべる小蒔。
これには思わずいちごも眩しさのあまり目を瞑り、穏乃は割と失礼な事を考える。

小蒔「でも、本当に綺麗ですね……私もああやって歌って踊ってとかしてみたいです」

穏乃「私はあんなフリフリの服は無理だなぁ……」

いちご「服はともかく、歌って踊ってなら出来るけぇ、やってみる小蒔ちゃん?」

小蒔「え? 本当ですか?」

いちご「ここに取り出すはちゃちゃのんのスマホ。 音量を上げてスピーカーモードにして音を流せば……」

〜〜♪

いちご「ちゃちゃのん音頭のはじまりじゃ!」
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 00:26:13.54 ID:edDfWeZA0
出た!ちゃちゃのん音頭!
和な雰囲気を持つ小蒔さんは音頭系のナンバーとの相性は良さそうですが
189 : ◆0RbUzIT0To [saga sage]:2017/05/02(火) 00:26:47.74 ID:/m3JFxiu0
言いながら、スマートフォンから流れてくる大音量の音楽。
それと同時にいちごは立ち上がり、その場を1人でくるくる回り始める。

いちご「ちゃっちゃっちゃっちゃ、ちゃ〜っちゃのん♪」

小蒔「わぁ……♪」

穏乃「えぇ……」

これを見て小蒔はやはり目を輝かせるが、穏乃はドン引きだ。
何せ、ただその場でくるくると回っているだけである。踊りでもなんでもない。
なんでもないが、小蒔は喜んでいるようだ。

いちご「さぁ小蒔ちゃんも輪に入るんじゃ!」

小蒔「私が入ってもいいんですか?」

いちご「大丈夫じゃけぇ。 手はこう、角度をつけて! ……そう、そうじゃ!」

小蒔「ちゃっちゃっちゃっちゃ、ちゃ〜っちゃのん♪」

穏乃「(うわぁ、大変な事になっちゃったぞ)」

いちご「穏乃ちゃんも入るんじゃ。 これは人が多ければ多い程、見栄えがええけぇ」

穏乃「えぇぇ……」

そのまま、小蒔と共に強制参加させられる穏乃。
いちごは小蒔の為を想い、一心不乱に踊っている――というか、回っている。
小蒔は小蒔で非常に楽しそうに、歌を口ずさみながら回っている。
穏乃だけは割と困惑状態だ。穏乃をこのような状態にするあたり、割とダブルエースの天然度・ボケ度は高い。

いちご「逆回転!」クルッ

小蒔「わぁ、今度は私が先頭ですね! 全力以上で頑張ります!!」

穏乃「(輪になって回ってるんだから、先頭も何もないんじゃ……誰か、助けて……)」

その後、このチームのキャプテン――の補佐を務める少女に、夜中に騒ぐなと注意されるまでこの宴は続いた。
こんな2人だが、れっきとしたエース、らしい。

※穏乃の好感度が1回目+1、2回目+2(ゾロ目で+4)され17になりました。
190 : ◆0RbUzIT0To [saga]:2017/05/02(火) 00:30:14.73 ID:/m3JFxiu0
………

視点は戻って、京太郎へ。

京太郎「うーむ、なんだか高鴨がえらく苦労しているような気がする。
    なんというか、慣れない突っ込み役に回された結果、突っ込み切れずに色々と巻き込まれている気が……。

    まあ気のせいだろう。さてと、まだ寝るまでに時間はあるけどどうしようかな」

夜行動2回目(2/2)

チームメイト
【睦月・美穂子・やえ・霞・良子】
【久・哩】

入手連絡先
【優希・まこ・和・咲・穏乃】

↓1 交流or電話する相手
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 00:31:05.26 ID:oyQpaCDKo
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/02(火) 00:31:21.13 ID:iwQ0V2pO0
193 : ◆0RbUzIT0To [saga sage]:2017/05/02(火) 00:34:15.56 ID:/m3JFxiu0
哩さんに決まった所で、本日は一旦ここまで。
今まで大体23:00〜2:00くらいまでで更新していましたが、
ちょっと仕事の関係上、前倒しになって今後は全体的に早く初めて早く終わるようになると思います。
今までと開始時間が変わるので、参加しにくくなる人もあると思いますが、ご了承下さい。

それでは。
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 00:37:43.07 ID:edDfWeZA0
乙です
哩ぶちょーと言えば課題等で困ると美子さんに電話して居ますが
今回はどうして居ますかね?
やっぱり久部長やミッポさんややえさんに頼るんでしょうかね?
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 00:38:33.48 ID:OI8RTCgL0
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 00:43:24.94 ID:oyQpaCDKo
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 00:48:04.55 ID:0RyXTtIA0
乙です
もしカードが広島の投手だったら一般人にも知名度ある2人って黒田とマエケンやん
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 01:29:55.08 ID:Kpqpcajfo

すっげえあの巫女さん、落ちながら踊ってる
あとちゃちゃのんも
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/05/02(火) 08:34:48.30 ID:4ZnLetQI0
マエケン黒田がこの2人なら誰が京ちゃんの相手の???なんですかね?
200 : ◆0RbUzIT0To [saga sage]:2017/05/02(火) 20:14:46.76 ID:/m3JFxiu0
こんばんわ。乙ありです。
菅野相手に勝てる訳ないのでもう少ししたら再開します。
対戦相手候補のカードについては、一応私からはヒントは出しているつもりなので、推理してもらえれば面白いなと思います。
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 20:21:21.36 ID:bz0VPj0Ao
石川のエラーが失点に繋がり懐かしさを覚える始末
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 21:25:58.53 ID:iwQ0V2pO0
もう少し(1時間以上)
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 23:20:25.01 ID:UWBePuY4o
キサマ!寝ているな!m9
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 23:31:43.40 ID:bz0VPj0Ao
眠いんやろ ワイもねよ
205 : ◆0RbUzIT0To [saga sage]:2017/05/03(水) 00:35:21.82 ID:A2ol4BF/0
ごめんなさい、今日もお休みさせていただきます。
また明日お願いします。
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/03(水) 00:49:06.81 ID:hjCb60a60
了解!
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/03(水) 02:07:10.94 ID:uADkSjNyo
ええんやで。
ほぼ毎日更新してるだけでも、大したもんだし。
208 : ◆0RbUzIT0To [saga sage]:2017/05/03(水) 21:13:24.84 ID:A2ol4BF/0
どうもです。もう少ししたら再開します。
209 : ◆0RbUzIT0To [saga sage]:2017/05/03(水) 21:37:19.20 ID:A2ol4BF/0
>哩

京太郎「ん?」

哩「はぁ……む」

さてこれからどうしようか、と思いながら京太郎が食堂でのんびりしていると、そこにやってきたのは哩であった。
どことなく気落ちした様子であった彼女は、京太郎の姿を見るとすぐに表情を取り繕うのだが、
不意に周囲をきょろきょろと見回し他に人影が無い事を確認すると、
こそこそと隠れるようにしながら京太郎の座る席までやってくる。

哩「須賀しかおらんと?」

京太郎「ええ、さっきからここにいましたけど俺以外の人は誰もいませんよ。 何かありました?」

哩「監督には直接ば聞けんとやし、強いて言えば津山くらいやけど……わざわざ部屋におるんを引っ張りだすんもな。
  丁度よか、聞きたかこつばあるばい」

京太郎「聞きたい事ですか?」

哩「ん」

鸚鵡返しに問いかければ、哩はこくりと頷いて肯定。
果たして聞きたい事とはなんだろうと考えながらも、京太郎は哩に席に座るよう促し、自身は立ち上がった。
食堂に来たという事は大よそ、何かを飲みに来たという事。
男須賀、リクエストを聞いてしっかりと上級生には給仕をするファインプレー。

哩「悪いな」

京太郎「いや、丁度俺もおかわり貰おうと思ってましたし……それで、聞きたい事ってなんです?」

哩「私は回りくどいこつば嫌いやけん、単刀直入に言う。 ……次の試合」

京太郎「はい」

哩「私たちが勝って、姫子ばこっちのチームに引き入れると思うか?」

京太郎「……あー」
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/03(水) 21:42:57.36 ID:8pgFl5Hro
石川美穂子が普通に強いからなあ
リアルにも適合されてくれよ
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/03(水) 21:47:23.64 ID:5WJwdU4zO
リザベが姫子の方にもあるだろうし普通にキャップコンバート前提でもありだと思う
守備30上昇だし
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/03(水) 21:48:31.00 ID:5Nt3lMtO0
空きポジションの関係からすると智葉と竜華と漫の三人からやしな
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/03(水) 21:52:43.87 ID:8pgFl5Hro
ttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1491581198/743
ttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1493222546/7

美穂子も開眼以外の能力が死んでる
姫子も二遊間いれても守備+30 リザベが残り枠取ってるかどうかも問題か
コンバートにpt使うより空いてるポジいれて打撃強いの入れたほうが代打にも出来て強そうにもみえるんだよねww
214 : ◆0RbUzIT0To [saga]:2017/05/03(水) 21:53:36.05 ID:A2ol4BF/0
哩の言葉を聞いて、京太郎は思わずそんな声を出していた。
単刀直入に、と前置きをしてのその台詞は、確かに単刀直入――だが、言いたい意図はわかる。
先ほど言っていた監督……良子や睦月に聞こうとしていた、という事もわかる。
食堂に入ってきた時、どこか気落ちした様子だった事もまた、わかる。

次の試合に勝った際、哩や久と同じく、点差にもよるが相手チームからは選手を引き抜ける事になる。
果たして彼女の大事な大事な後輩――鶴田姫子がこのチームに引き抜かれるか。
監督である良子がその選択を取るかどうか、試合を前にして哩も不安になってきた、という事なのだろう。

そして――。

京太郎「(その可能性が、割と低いって事にも気づいたのかな……)」

ある程度の知識を得てきたとはいえ、京太郎と睦月以外のチームメイトたちは基本的に野球については素人だ。
だが、それでも現状のチームの態勢と補強ポイントについては考えがつくのだろう。

哩「姫子のポジションばセカンドばい。 私と一緒に組めれば、二遊間の球ば全部取っちゃるくらいには働ける。
  須賀や津山の負担もかなり減らせるとは思うばい」

彼女の言う通り、仮に哩と姫子が二遊間を守ればそれは投げる京太郎にとって非常に心強い事だろう。
ただでさえ守備力の高い哩と姫子だが、彼女たちにはカードの力とそれ以上に2人の間にある強い絆がある。
声をかけなくても、目を見なくても、まさに阿吽の呼吸でボールを捌く姿が目に浮かぶ。
安打性の当たりすらアウトに取る、そんな事も夢では無いに違いない。

哩「ばってん、うちには既に福路がセカンド守ってるけん……。空いてるポジションはサードか外野、もしくはファーストばい」

京太郎「そうですね」

問題点は、既にセカンドは美穂子が守っているという事だ。
彼女の場合、守備に関しては特有のステップこそ治ったものの、そこまで得意という訳ではない。
しかし、持っているカードからは考えられない程の巧打力。
次の試合でも恐らくは1番として抜擢されるだろう、不動のリードオフマンとして定着をしつつあった。

逆に、現状のチームで空いているポジションはサード・ファースト・外野のいずれか。
次の対戦チームで考えれば、智葉・竜華・漫のいずれかの方が補強ポイントとしては合致する。

京太郎「(白水さんはそれに気付いたから、こうやって落ち込んでたんだろうけど……)」

1.「確かに。 鶴田さんが引き抜き候補に選ばれる可能性は、低いと思います」
2.「美穂子さんをコンバートするという手もあると思います。 二遊間の守備を高める為にも、鶴田さんを引き込む可能性は十分あるかと」
3.「こればかりは俺からはなんとも……監督に直談判してみるのはどうです?」

↓1
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/03(水) 21:55:29.45 ID:hRtQxilA0
2
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/03(水) 21:57:54.23 ID:5WJwdU4zO
石川も倉本も横校時代は三だったし何とか思いだして欲しいものよ
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/05/03(水) 22:01:19.91 ID:8lSRnuyXO
キャップは去年センターとかやってたしヘーキヘーキ
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