みほ「フリースタイルバトル?」

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155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/30(火) 05:53:40.66 ID:CoaWBJ6Zo

役人「ではこれより判定に入ります!先攻REZE、後攻レッドスター……勝ったと思う方の札を上げてください」

亜美「………………」

千代「………………」

理事長「………………」

香音「………………」

新三郎「………………」

役人「…………決まったようです。それでは…………どうぞ!」

ババン!

亜美:REZE

千代:REZE

理事長:REZE

香音:REZE

新三郎:REZE

役人「クリティカルヒット!勝者、先攻REZEーーーー!!!!」

ワァァァァ!

役人「決勝戦第1試合のラウンド1からクリティカルが出ましたが、蝶野さん、いかがでしたでか?」

亜美「REZEさんがすごく安定していたわね。ナイスクールベリーグッドよ!でも結構ツッコめるところはあったから、そこをレッドスターさんが上手くアンサーで返していれば、って感じね」

役人「ありがとうございました。では試合を終えた2人に大きな拍手を!」

パチパチパチパチ!

役人「……続きまして、黒森峰の次鋒、入場してください!」

エリカ「…………」ザッ!

ワァァ!

役人「それでは先攻後攻…」

エリカ「絶対に負けないわよ!」

麻子「…………こっちもそのつもりだ」

役人「…じゃんけんを……あの……」

ジャンケンポイ

エリカ「……後攻で」

役人「OK!決勝戦第2試合、先攻REZE、後攻エリカ!ラウンド1!DJルミ、かまーせー!!」

ルミ「っ!」キュッ!
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/30(火) 05:56:04.08 ID:CoaWBJ6Zo

http://youtu.be/2H2kboYLd8E?list=RDuHJ5J5lk3-g

♪Wild For The Night / A$AP ROCKY

<先攻REZE VS 後攻エリカ ラウンド1>

麻子「出会い頭 いきなりかましてきた勝利宣言」

麻子「正味全然 恐怖感じない 脳に伝令 もう危険ねぇ」ワァァァ!

麻子「あれただのメンチ切り 全く反応ない強敵検知器に」ワァァァ!!

麻子「私の望みはもちろんオジロばりに元気が出る 電気 VILI VILI」ワァァァァ!

麻子「思えば初対面の時から嫌味な印象 チンピラ風」

麻子「レッドスターには土瓶蒸し 栄養足りないお前はきんぴら食う?」ワァァ!

麻子「目を引ん剥けばビビると勘違いしてる お前はやっぱり」

麻子「♪アッパラパッパッパー バッカなラッパーだったんだー」ワァァァァァァ!



エリカ「韻にしか頼れないワックMCね REZE 平々凡々」

エリカ「あんたが踏むのはクソがお似合いよ せいぜいどんどん踏めば?」ワァァ!

エリカ「クールで賢いのが自慢なら パッパラパーにしてやるわよ私が」

エリカ「状況判断つかなくなった あんたを放り込む盛(さか)り場」ワァァ!

エリカ「そういう容赦ないことが 躊躇なくできるワイルドさがあんたには無い」

エリカ「手始めにマイクで殴ろうか? とりあえず鼻血出しなさい」ワァ!

エリカ「恐怖を感じられるようにしてやるわよ 今日は記念日」

エリカ「許してくれって言うまでやめない 最終的にはなるかも事件に」ワァァァ!



麻子「物騒なワードを ブスそうなアホ がすっごくやばそう にぶっこんだあと」ワァァァァ!

麻子「何も残らない 上っ面だけ クラップ無さげ クラックラだね」ワァァァ!

麻子「ただのバイオレンス 周りの連中 も引いてるはず」

麻子「そのうち加わるかもしれない 脅迫罪の逮捕件数」ワァァァァ!!

麻子「レッドスターの説得が 必要なのは 結局はエリカだ」ワァァァ!

麻子「手に肩 力みすぎ 足りない目力 風格付けるべきだな」ワァァァ!

麻子「クールぶってるつもりは無い これが私、標準につき」

麻子「というか鼻血出すのはあなたの方かも だって 興奮しすぎ」ワァァァ!
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/30(火) 06:01:30.30 ID:CoaWBJ6Zo

エリカ「興奮とは全然違う これは獲物を前にした高揚感」

エリカ「あんたへの怒りと憎しみと 高揚の相乗効果」ワァ!

エリカ「なんでかわかんないわよ あんたへの高評価」ワァァ!

エリカ「あんたが泣き叫んで 土下座するまで 追い詰めたいそんな状況下」ワァァ!

エリカ「聖グロの時は かなり顔も上気して赤かったくせに」

エリカ「次に出て来たら ツーンって澄ました表情したビチクソに」

エリカ「もっと真剣にやれっつってんのよ!舐めんなクズ女!」

エリカ「楽勝とか思ってるんでしょうが このちくしょうが!!」



麻子「用意しときな代弁者 お前のラップは愛せんな」ワァァァ!

麻子「際限ない 頭の配線が変だ ちゃんとした箇所に繋いでるか?」ワァァァ!

麻子「相手を威圧するだけの攻撃一辺倒」

麻子「基本に忠実なだけの定石に転倒」ワァァァ!

麻子「スローなフロウで踏もうとか無し」ワァァァ!

麻子「そして早口でスピードアップなんて テクも見せず怒鳴るだけなんて悲しい」ワアァァァ!

麻子「なんの影響だ 任侠映画?アウトレイジ?ならアウトレンジから」

麻子「攻撃するREZE 目指すは韻を正確に 吐く著名人」ワァァァァァ!!



エリカ「影響とか いちいちどうでもいいでしょうがうるせぇのよ」

エリカ「勝手に威圧されてるだけ ただの弱肉強食」

エリカ「攻撃一辺倒だから何? 文句言われる筋合い全くねぇ」

エリカ「私のパンチラインに あご打たれたショックによる錯覚ね」ワァ!

エリカ「別にあんたに愛してもらうために ラップしてねぇからバカ野郎」

エリカ「配線が繋がってるから こうやってここに立ってる てめぇのがアホ」

エリカ「無表情で韻ばかり踏んでる てめぇはアホの1つ覚え」

エリカ「ごちゃごちゃうるせぇ REZEはせいぜい地獄へ行け!」



役人「終了ーーーーーー!!!!」

ワァァァ!

エリカ「くっ……!」

麻子「………………」

麻子(この人は赤星さんが負け続けたせいでずっと戦ってきた。だから体力も消耗していたしストックも減っていた)

麻子(言葉遣いはアレだが、決して弱くない。万全の状態で戦ってみたかったな)
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/30(火) 06:03:43.31 ID:CoaWBJ6Zo

役人「ではこれより判定に入ります!先攻REZE、後攻エリカ……勝ったと思う方の札を上げてください」

亜美「………………」

千代「………………」

理事長「………………」

香音「………………」

新三郎「………………」

役人「…………決まったようです。それでは…………どうぞ!」

ババン!

亜美:REZE

千代:REZE

理事長:REZE

香音:REZE

新三郎:REZE

役人「クリティカルヒット!勝者、先攻REZEーーーーーー!!!!!」

ワァァァァァ!

エリカ「…………っ」ガクリ

役人「またもクリティカルヒットが出ました。理事長、いかがでしたか?」

理事長「REZEさんのライミングはもはや言うことなしでしょう。私的な注目点は、2バース目でREZEさんが『これが私、標準につき』と、北野武監督の映画『この男、凶暴につき』を連想させる言い方で、エリカさんの凶暴性を揶揄したのが上手だと思いました」

理事長「でもそれだけではなく、REZEさんの3バース目の最後で、同じく北野武監督の映画アウトレイジというワードが出たのですが、今度は自分の攻撃性を表現するために使うというのがなかなか面白かったですな」

役人「ありがとうございました。蝶野さんはいかがでしたか?」

亜美「このバトルではやっぱりREZEさんに挙げるんだけど、個人的にはエリカさんの超攻撃的な戦い方は好きなのよ。アンサーも返せてるし、語尾でライミングも入れてる。それにバイブスがとにかくすごい。素質は充分に感じられるわ。なので今後大いに期待出来ると思うわ」

役人「ありがとうございました。それではみなさん、2人に大きな拍手を!」

パチパチパチパチ!

エリカ「……負けたわ」ガシッ(握手)

麻子「ああ……」ガシッ

エリカ(1人でも倒して……まほ先輩の負担を減らしたかったけど……)
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/30(火) 06:04:49.15 ID:CoaWBJ6Zo

役人「さあ!それでは決勝戦第3試合を始めます!黒森峰の大将、入場してください!」


まほ「………………」ザッ

ワァァァァァァァアァ!!


麻子「っ!?」

麻子(登場しただけでこの大歓声……過去のバトル内容の評価に加え……やはり持って生まれたカリスマ性か)

まほ「………………」チラリ

麻子「……っ!」ゾワッ

麻子(私は何を慌てている?ただ目が合っただけだ。脅える必要なんてない。こちらも見つめ返して気迫を示すんだ)ジッ..

まほ「………………」

役人「では先攻後攻のじゃんけんをお願いします!」

ジャンケンポイ!

麻子(!負けた……できれば後攻を取りたかったが)

まほ「………………」

麻子(?何故すぐ宣言しない?逡巡しているのか?もしかして先攻を取るつもりか?)

まほ「……………………後攻で」

麻子「!」

役人「OK!」

麻子(今の間は私を惑わすためにわざと?いや、そんなことするタイプか?では本当に迷った?)

役人「第3試合、先攻REZE、後攻西住まほ…」

麻子(…っていかん。それどころじゃない。集中しないと……)フゥー..

役人「ラウンド1!DJルミ、かまーせー!!」

ルミ「っ!」キュリッ!
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/30(火) 06:07:03.43 ID:CoaWBJ6Zo

http://www.youtube.com/watch?v=DySynW7_0DI

♪100 / JAZEE MINOR feat.AKLO

<先攻REZE VS 後攻西住まほ ラウンド1>

麻子「先攻REZE 願ったり叶ったり 飛ばしてやるか星の彼方に」ワァァ!

麻子「逆立ち したって追いつけないスキル でも罪じゃないから問い詰めない」ワァァ!

麻子「西住まほ 整った顔立ち 出来過ぎ不気味 宝塚歌劇団?」

麻子「ライム過激派 お前なんか撃破 楽勝で弱点刺激だ」ワァァ

麻子「エリカが私に言ったけど 私以上にあんた無表情」

麻子「まるで機械だな ガンダムのよう」ワァァ!

麻子「韻を踏まない 質素な賄い料理」

麻子「お客さんも そんなの沸かない興味」ワァァァ!



まほ「私は無表情じゃない 証拠にお前に勝って笑顔見せてやる」ワァァ!

まほ「宝塚に興味ないが お前には無理だと目星はついてる」

まほ「華が無い 笑顔曇り空 お守り付きでないと人生の終着点行(ゆ)き」

まほ「つまり星 花 月 雪 宙(そら) どの組にも入れない」ワァァァァァ!

まほ「お前こそ『韻踏め』とインプットされた機械」ワァァ!

まほ「踏まないと不安だろ? そうプログラムされたんだ」ワァァァ!

まほ「弱点を刺激するらしいな だったら頼みがある」

まほ「私の弱点を教えてくれよ ずっと探しているのに見つからないんだ」ワァァァァ!!!!



麻子「宝塚の組み分け 理解してもらおうと丁寧に解説」

麻子「意味が通じなかったら レスポンス無く終わっちゃうからな」

麻子「ということは さすがの森組トップスターも歓声がないと不安か?」ワァァァ!

麻子「ナイトプランを怖がって 安定求めるホワイトプラン」ワァァ!

麻子「意外と小心者 押韻もそう 踏めないから難癖つける」ワァァ!

麻子「ライミング好きだから踏むだけ 勝手に勘繰れ」

麻子「弱点はわかってるだろ? 韻踏む相手に牙をむく時点で」

麻子「踏めないコンプレックスだ そんぐれぇすぐ 気付け」ワァァァ!
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/30(火) 06:07:47.56 ID:CoaWBJ6Zo

まほ「歓声関係ない 宝塚の説明は自分勝手じゃない証明」

まほ「ようはお前より私の方が ちょっと大人なだけだ」ワァァ!

まほ「ホワイトプラン?ソフトバンクよりもauのCM 三太郎シリーズ」

まほ「お前も出れば?寝坊で遅刻魔 枠空いてるぞ?三年寝太郎!」ワァァァァァ!!!

まほ「前の試合でも言ったぞ韻にこだわらないだけだ」

まほ「韻に執着しすぎる 凡人に収まらないわけさ」ワァァァァ!

まほ「最初から最後まで韻ってのは ある意味ワンパターンだ」

まほ「爆破シーンばかりのアクション映画は うるさいだけで退屈だ」ワァァァァ!!



麻子「宝塚も三年寝太郎だの 何だのあんたのアンサーは」

麻子「言ってることがラッパーって言うよりかは落語家?」ワァァ!

麻子「むしろ落伍者 覚悟が足りない 凡人だ」

麻子「渾身のライム吐いてしたり顔 したいんだろ?凡人だ」

麻子「私はライムの製造マシン 踏みすぎてしまう傾向あり」ワァァ!

麻子「誰の影響下に あるわけでもないけどなるのさ成功者に」ワァァァ!

麻子「ライムがワンパターンに聴こえるなら お前きっと感性が鈍い」

麻子「REZEのライムに沸く お客さんの歓声が憎い!」ワァァァ!



まほ「プログラムされた機械を否定しないどころか自分で認定」ワァァァ!

まほ「ミニスカートのライム製造マシン 精密機器だが軽装らしい」ワァァァ!!!

まほ「そんな精密機器の壊し方 誰でも知ってる簡単だ」

まほ「核心付いた言葉で冷や水ぶっかければ すぐに終わるってな」ワァァァァ!!!

まほ「落語家は私に不向き お客さんをサゲないアゲるだけ」ワァァ!

まほ「それよりREZE お前の方が向いてるよ落語家」

まほ「だって大好きなんだろう? 朝起きられないくらいマクラが」

まほ「寝坊しすぎで留年しそうだった お前の方が落伍者」ワァァァァ!!!



役人「終了ーーーーーー!!!!」

ワァァァァァァ!!
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/30(火) 06:11:34.50 ID:CoaWBJ6Zo

役人「これより判定に入ります!先攻REZE 、後攻西住まほ……勝ったと思う方の札を上げてください」

亜美「………………」

千代「………………」

理事長「………………」

香音「………………」

新三郎「………………」

役人「…………決まったようです。それでは判定をどうぞ!」

ババン!

亜美:西住まほ

千代:西住まほ

理事長:西住まほ

香音:西住まほ

新三郎:西住まほ

役人「クリティカルヒット!勝者、西住まほーーーーー!!!!」ワァァァァァ!!!

麻子「っ……!」

麻子(やはり強い……)

役人「島田さん、今のバトルはいかがでしたか?」

千代「非常にいい戦いでした。西住みほさんが宝塚歌劇団のくだりで、『目星』、『華が無い』、『曇り空』、『お守り付き』、『終着点行(ゆ)き』という風に、宝塚の組み分け……つまり、星組、花組、月組、といったものですね。それらを散りばめるという細かい芸当をしているんですが、聴いてるだけだとかなりわかりづらいですよね」

千代「でもそれを『星 花 月 雪 宙(そら) どの組にも入れない』と説明することで聴いてる方に理解を促すのですが、REZEさんはそこを突いて『あんたでもレスポンスが無いと不安か?』のようなアンサーをしていて、素晴らしかったですね。そこからナイトプラン、ホワイトプランと踏んでいく流れもスムーズでした」

千代「ただ、西住まほさんがその『ホワイトプラン』を拾って、ソフトバンクからauの桃太郎、浦島太郎、金太郎のあのCM、あれになぞらえて『三年寝太郎の枠が空いてる』というパンチラインを決めました。どちらも優れていましたが、私は西住まほさんが一枚上手だったと判断しました」

役人「ありがとうございます。理事長、いかがでしたか?」

理事長「えー、2人のやりとりの中で落語家というワードが出てきました。そして西住まほさんは落語にまつわる秀逸な返しをしているのですが、これは落語を知らない方にはちょっとわかりにくかった部分があるかと思いますので説明します」

理事長「落語では最後のオチのことをサゲとも言います。オチを付ける、話を落としどころで落とす。意味は同じですね。で、REZEさんにアンサーの返し方を『落語家か』と言われた西住まほさんは『落語家に不向き。お客さんをサゲないアゲるだけ』と言う風に落語の言葉を使いつつ返しました。これはいい表現でした。そしてもう1つ」

理事長「『お前の方が落語家に向いてる。マクラが大好き』というのは、落語では演目……つまり本題に入る前の喋りのことをマクラと言います。そのマクラを眠る時の枕にかけている。そして最後に『お前の方が落伍者』と韻を踏んで締める。お見事です。感嘆しましたな」

役人「ありがとうございます。熱い戦いを繰り広げてくれた2人に大きな拍手を!」

パチパチパチパチ!
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/30(火) 06:13:36.63 ID:CoaWBJ6Zo

【舞台袖】

みほ「麻子さん……」

麻子「……強かった。せめてラウンド2に持ち込みたかったが」

杏「いやいや、2人抜きしてくれただけで大助かりってやつだよ」

麻子「会長、西住さん、あとは任せた」

みほ「う、うん!」

杏「まー、ここで私が勝っちゃえばいいんだけどねー」

杏「…………西住ちゃん」

みほ「?はい」

杏「一応さ、色んなパターンで攻めてみるからさ。もし私が勝てなかったら、参考にしてよ」

みほ「!は、はい!」

杏「……ま、勝っちゃうかもだけどねぃ」ニカッ



【ステージ】

杏「」ザッ

ワァァァ!

杏(……さっき負けたとはいっても、少しは歓声もらえてるみたいだね)

杏(最初から完全アウェイで会場の空気を持っていかれてる状態ではない、と。うん、いいね)

役人「さあ!第4試合を始めたいと思います!先攻後攻じゃんけんをお願いします」

ジャンケンポイ

杏「………………」

杏(ここで先攻とって空気を作るか……いや、それより後攻渡す方が危険か)

杏「後攻でー」

役人「OK!では行きます!先攻西住まほ、後攻アンジー、ラウンド1!DJルミ、かまーせー!!」

ルミ「っ!」ギュリリ
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/30(火) 06:16:33.58 ID:CoaWBJ6Zo

http://www.youtube.com/watch?v=c94IanGYqrQ

♪A Rapper got killed again / DJ HONDA × BLAHRMY

<先攻西住まほ VS 後攻アンジー ラウンド1>

まほ「さっきまでは戦うのを 待ちわびていたアンジー」

まほ「お前が一番強いと思ってたからな」ワァァ!

まほ「なのに いち戦闘員みたいなレベルのやつに負けやがって」ワァァ!

まほ「もう興味はない 中古じゃ下がるどころかゼロだろ懸賞金」ワァァァァ!!!

まほ「REZEより踏めない MIHOよりディスも弱い」

まほ「どっちつかずでヘラヘラ笑ってる いつもチャラい」ワァァァァ!!

まほ「この勝負で徹底的にやって 笑えないようにしてやるか」ワァァァ!

まほ「その笑顔の化けの皮 剥いで焼野原みたいになる末路」ワァァァ!



杏「確かに負けた ペパロニに支払われたかも懸賞金」

杏「でも今 獲物が目の前にいる 一番高い賞金首!」ワァァァァ!

杏「っていうかペパロニのこと 馬鹿にすんなっての」

杏「あの子マジでヤバいくらい 熱い戦いするカッケーよ?」ワァァァ!

杏「ステージ外の相手 ディスっちゃ片手落ち」ワァァ!

杏「BC自由学園に勝ったっていうのも 夢オチかもよ?」ワァァァ!

杏「っていうか最初よりも 韻踏むようになったねキミ」

杏「そうしないと大洗に勝てないって 逆に証明してるよー!?」ワァァァ!!



まほ「一番高い賞金首 その通りケタが1つ上だ」ワァァ!

まほ「しかもお前は円 私はユーロ お前のラップは中身は空洞」ワァァァ!

まほ「ペパロニの実力が そこそこなのは事実」

まほ「心にもないこと言って 好感度アップ狙ってるんじゃねぇ!」ワァァァ!

まほ「お客さんや審査員の印象操作のための演出」

まほ「人の目ばかり気にしてしんどそうだな 渡すか引導をさ」ワァァァ!

まほ「韻が増えたのは 踏みたい気分だっただけだ」ワァァ!

まほ「人の反応に過敏すぎるところが 自意識過剰」ワァァァ!
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/30(火) 06:19:38.75 ID:CoaWBJ6Zo

杏「印象操作?したつもり 全くないんだけど」

杏「そう勘違いしちゃうくらい 影響力あるって褒めてくれてる」ワァァ!

杏「私の中身が空洞なら 戦いたがってたのはなんでー?」ワァァ!

杏「ユーロ圏で賞金首 でもこの大会日本人ばっかだけど?」ワァァ!

杏「踏みたい気分とか言ってるけど あんた気分屋だったっけ?」

杏「堅物寄りでしょ すぐ見抜けるよ 自分が気分屋だからね」ワァァァ!

杏「会いたかったなら知ってるはずでしょ?パーソナルデータ」

杏「まさかファンのフリしてたんじゃあるめぇなぁ〜!?」ワァァ!



まほ「言ったはずだ お前に興味はないと」

まほ「脳にヤバイの 分泌してないか?妄想が暴走してるぞ」ワァァァ!

まほ「一部だけで性格を決め付けるな 早とちりだ 準決勝は」

まほ「ペパロニが弱いと早合点してナメてたから負けたんだ!そうだろ!?」ワァァァァァ!!!

まほ「心証悪いから客前では善人ぶる シンプルなクズ」ワァァァ!

まほ「気分次第で変わるんだよ 韻踏む画数」ワァァァァ!

まほ「チョウチンアンコウと同じ 明るいのはチョウチンだけ」

まほ「内面は砂の中 アンジーここら辺でもう死んどけ!」ワァァァァ!



杏「『チョウチンだけ』と『もう死んどけ』って微妙に踏み外し」

杏「そんなんじゃ ちっとも沸かないね付き合う気」ワァァ

杏「脳にヤバイのは出てるかもね アドレナリンとかさ」

杏「原因はこの出会い パッと出た韻とか嬉しくなるね」ワァァ!

杏「内面は砂の中 そうつまり秘密めいてるアンジー今日も」

杏「スマホぐらいにしか 教えないんだよね位置情報」ワァ!

杏「そして磨いていくスキル上がってく日々上昇」ワァァ!

杏「私とやるには時期尚早 西住まほに もうじき勝訴」ワァァァ!!



役人「終了ーーーーーー!!!!」

ワァァァァァァ!!
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/30(火) 06:22:39.90 ID:CoaWBJ6Zo

杏「…………………」

まほ「………………」

杏(やっぱり相性は悪くない……でも…)


まほ『準決勝はペパロニが弱いと早合点してナメてたから負けたんだ!そうだろ!?』ワァァァァァ!!!


杏(っ……引きずっちゃダメだ、うん……冷静に……)

役人「それではこれより判定に入ります!先攻西住まほ、後攻アンジー……勝ったと思う方の札を上げてください」

亜美「………………」

千代「………………」

理事長「………………」

香音「………………」

新三郎「………………」

役人「…………決まったようです。それでは判定をどうぞ!」

ババン!

亜美:アンジー

千代:アンジー

理事長:西住まほ

香音:西住まほ

新三郎:西住まほ

役人「先攻3、後攻2、勝者、先攻西住まほーーーーーー!!!!」

ワァァァァァ!!

杏(2−3か……クリティカルは無いとは思ってたけど)ホッ
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/30(火) 06:25:43.82 ID:CoaWBJ6Zo

役人「新三郎さん、いかがでしたか?」

新三郎「そうですねー、まず西住まほさんが『戦うのを待ちわびていた』という本音のリスペクトから入って、でも負けたからもう懸賞金はゼロ、な感じのディスになった」

新三郎「で、そのディスが準決勝のペパロニさんの方へも向くんですけど、アンジーさんが『ステージ外の人間をディスるな』って風に返せば西住まほさんは『心にもないくせに好感度アップ狙ってるんじゃねぇ』って返す。この一連のやりとりがよかったと思います」

新三郎「あとは『一番高い賞金首』のところで『ケタが1つ上』というのはよくあるパターンですけど、それだけにとどまらず『私はユーロ』というさらにプラスアルファを乗せてきたところとか、かなりヤバイです」

新三郎「アンジーさんも、西住まほさんの以前の試合の『片手落ち』のラインを引用したりして上手く返してはいますし、最後の怒濤のライミングも決まってるんですけど、最後まで西住まほさんの勢いに押されていたかな、という感じですね」

役人「ありがとうございました」

杏(……このまま普通に戦ったらラウンド2も負けが濃厚っぽいね)

杏(だったら)ギラリ

杏(次に戦う西住ちゃんが有利になるよう、西住ちゃんのおねーちゃんの弱点を探りながら戦う!)

杏(……となるとアニメとかゲームネタで攻めるのがいいのかな?とはいえマニアックではダメ。一定数以上のお客さんが認知してないと意味ないし……)

杏(BC自由学園とのバトルでドラえもんネタ使ってたけど、だからってアニメネタに強いとも思えない。なら…)

役人「それではラウンド2に入ります!先攻後攻じゃんけんをお願いします」

ジャンケンポイ

杏「先攻で」ワァァ!

役人「OK!先攻アンジー、後攻西住まほ、ラウンド2!DJルミ、かまーせー!!」

ルミ「っ!」キュキュ!
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/30(火) 06:27:13.26 ID:CoaWBJ6Zo

http://www.youtube.com/watch?v=0pa34RJhNPQ

♪Shine On / DJ HONDA × B.I.G.JOE

<先攻アンジー VS 後攻西住まほ ラウンド2>

杏「好敵手 起こそうか ジャイアントキリング」

杏「まるでジャイアンとリビング に二人きりくらい気まずい空気」ワァァ!

杏「でもこの使い方は誤用 だって私は弱者じゃない」ワァァ!

杏「バトル上ではね ただ悲しいほどの胸囲の格差社会」ワァァァァ!

杏「スリーサイズどんくらい? まるで峰不二子」

杏「お前なんかリア充と一緒に ひでぶしろ!」ワァァァ!

杏「そっちが峰不二子なら 私はさしずめルパンザサード」

杏「ずさんなアートは無視 盗んじゃうよあなたの荒んだハート!」ワァァァ!!



まほ「この状況で気になるのかよスリーサイズ」

まほ「もっと集中しろよ これフリースタイルバトルだろ」ワァァァァ!

まほ「何がルパンザサードだ 韻踏むために気取った言い方」

まほ「ルパン三世って言ってるんだろ?なぁ 普段はちゃんと」ワァァァァ!

まほ「あとモンキーって言ったら パンチじゃなくてルフィだろ今時は」ワァァ!

まほ「パンチがそんなに好きなら 私のパンチライン食らっときな」ワァァァ!

まほ「ジャイアンとリビングで 2人きりでも問題はない」

まほ「場所がカラオケルームだったら遠慮するけどな」ワァァァァ!



杏「残念 今じゃリビングでもカラオケできるんだなぁ」

杏「プレステ4 WiiU Xbox 3DSとか」

杏「ゲームと言えばFPSとかDPS 色々あるけど」

杏「Wiiスポーツで必要なのはリズム感や手首です」ワァァア!

杏「RPG ラスボス変身お約束 勝負は2度目だ」

杏「その厄介さ まるでFF6の神竜にオメガ」ワァァァ!

杏「このMCバトル 2人で交わす言葉の弾丸シューティング」ワァァ!

杏「焦りの感情 浮かぶ雑念 ガンガン封印中」ワァァァァ!!
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/30(火) 06:31:34.08 ID:CoaWBJ6Zo

まほ「焦ってるのか 弱点こぼす時点でラスボス失格」ワアァ!

まほ「焦って長所まで封印するなよ?シューティングがブーイングになる」ワァァァァ!!

まほ「変身して2度目が お約束とか ほざくボス」ワァ!

まほ「1度負けること前提 悔しさとかプライドが無いらしい」ワァァァ!

まほ「引き込まれる気は無いよ 負けの美学」

まほ「いくらピックアップしても 所詮負けは負けだからな」ワァァ!

まほ「ゲームネタは本戦と関係ない 抜くぞコンセント」ワァァァ!

まほ「小さく見えるまで遠くに行ってくれBダッシュで」ワァァァァァ!



杏「Bダッシュ つまり加速装置 ゲームで遊ぶ行為」ワァァ!

杏「コンセント抜くとか言いつつ望んでるの?混戦を」ワァァァ!

杏「でもごめん もう次行きたいそういうタイプ そうニュータイプ」

杏「アムロ・レイばりの才能 余裕で食べるシューアイス」ワァァ

杏「気付けばビームサーベルが懐に届き」

杏「避けたとしても そのあとコロニー落とし!」ワァァ!

杏「そんな感じ ネタは豊富 あんたの5倍飛べる」

杏「戦果挙げて帰ろう ホワイトベース!」ワァァァ!



まほ「ガンダムはあまり知らないが 1つ気になることがある」

まほ「戦争中にシューアイス 物資にそんな余裕があるのか?」ワァァァァ!!

まほ「こっちには興味ない知らない話ばかりどころか」

まほ「MCバトルの要素が1つも無くなったぞ!何が言いたい?」ワァァァ!

まほ「5倍飛べても 目的地が わからないやつは ただの迷子」ワアァ!

まほ「大事なのはネタの数より 使いどころだしな」ワァァァ!!

まほ「お前がアムロ・レイなら 私は赤い彗星」

まほ「お客さんは3倍満足 私の勝ち方にアガりすぎて」ワァァァァ!!



役人「終了ーーーーーー!!!!」

ワァァァァァァァ!!!

杏「…………っ」

杏(ゲームネタは弱そうだけど拾い方が上手い……ガンダムも大まかな知識だけであの返し……)
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/30(火) 06:35:22.28 ID:CoaWBJ6Zo

役人「ではこれより判定に入ります!先攻アンジー、後攻西住まほ……勝ったと思う方の札を上げてください」

亜美「………………」

千代「………………」

理事長「………………」

香音「………………」

新三郎「………………」

役人「…………決まったようです。それでは…………どうぞ!」

ババン!

亜美:西住まほ

千代:西住まほ

理事長:西住まほ

香音:アンジー

新三郎:西住まほ

役人「先攻1、後攻4!勝者、西住まほーーーー!!!!」

ワァァァァァァァ!!!

杏(…………しょうがない)フー..

役人「蝶野さん、いかがでしたか?」

亜美「アンジーさんがラウンド1とは打って変わって最後まで攻めの姿勢を崩さなかったのは良かったわ。先攻と後攻の違いはあっても、さすがの安定感だったと思う。ただその全てを西住まほさんは跳ね返していて、パンチラインをバチッと決めてくる」

亜美「ゲームネタもアニメネタも、多分知識はアンジーさんに全く及ばないと思うけれど、それでもあれだけのアンサーができるというのは……グッジョブベリーナイスとしか言えないわね!」

役人「ありがとうございました。では試合を終えた2人に大きな拍手を!」

パチパチパチパチ!
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/30(火) 06:37:18.87 ID:CoaWBJ6Zo

【2階席】

オレンジペコ「やっぱり強いですね西住さん……これはこのまま黒森峰の優勝になってしまうのでしょうか?」

ダージリン「ペコ。その判断は早計よ。確かにまほさんは強い。無意識で醸し出している威圧感は相手を呑もうとしてくるでしょう。しかし……」

オレンジペコ「『やっかいなのは、恐怖心そのものだけだ』ということですね」

ダージリン「え、ええ。それに、今のバトルを観ているとふいに…」

オレンジペコ「ちなみにフランシス・ベーコンの格言です」

ダージリン「もちろん知っているわ。そして今のバトルで…」

オレンジペコ「お紅茶のおかわりをどうぞ」コポポ

ダージリン「……ありがとう。でも人が喋っている時は無言で注ぎなさい?」

アッサム「ダージリンはどちらが勝つと思いますか?」

ダージリン「……そうね、私は……」

ケイ「私はマホだと思うわ!」

ナオミ「私はミホさんだね」

アッサム「サンダースのお2人!?いつの間に!」

ケイ「だってだって!ここだけスペースが空いてるんだもん!」アッハハ!

アリサ「ライブハウスで何やってるんだって遠巻きに見て警戒してるんですよ」ハァ

ダージリン・アッサム・オレンジペコ「…………」

ナオミ「ま、いいじゃないか。知り合いの近くで観戦する方が楽しい」

ダージリン「その通りよ。オレンジペコ、2人にも紅茶をお出ししてあげて」

オレンジペコ「はい」

アリサ「2人?あれ?あ、あの……私、悪気があったわけじゃ……」

ダージリン「うふふ。ジョークよ。アリサさんの分も用意するわ」ニッコリ

アリサ「あ、ありがとうございます!」

アリサ(笑顔のわりに目が笑ってなかったような……サンダースすぎる軽いノリは気を付けよう)ドキドキ..
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/30(火) 06:46:22.13 ID:CoaWBJ6Zo

カチューシャ「ずいぶん見知った連中が集まっているじゃない」ザッ

ダージリン「あら、カチューシャ。それにノンナさんとクラーラさんも」

ノンナ「私たちもご一緒してよろしいでしょうか?」

ダージリン「ええ、もちろん」

カチューシャ「べ、別にみんなと一緒に観たかったわけじゃないんだからね!」

ケイ「そういえばアンツィオの子たちは来ないの?」

オレンジペコ「あの人たちはあっちの方の席にいますよ。さっきから普通にお客さんとして歓声と手を上げてます」

ナオミ「それも正しい観戦の仕方だね」ウンウン

クラーラ「ノンナ様……!カチューシャ様の至高のツンデレがスルーされました!私は悪夢を見ているのでしょうか?(ロシア語)」

ノンナ「現実を見てくださいクラーラ。私たちがすべきことは、自分の強がりを流された悔しさにほっぺたを膨らませながら目を潤ませ、しかもそれを誰にも言えずにプルプル震えるカチューシャの愛らしさを網膜に焼き付けることです(ロシア語)」

クラーラ「ノンナ様!!さすがです……(ロシア語)」

ノンナ「カチューシャには捨てるところなど全くありませんから。いつ何時であれ、愛らしいです(ロシア語)」フッ


役人「いよいよ最後の試合が始まるぞー!!」


ワァァァァ!


ダージリン「……いよいよね」

ケイ「ミホとマホ……」

ナオミ「一体どちらが勝つんだろうね……」

カチューシャ「優勝できるのはどっちかだけ。そう……大洗ーシャと黒森峰ーシャのどっちか」

オレンジペコ「いや、その『シャ』は変でしょう」

ダージリン「うふふふ」

カチューシャ「な、なによ!笑うんじゃないわよっ!」

ケイ「あっははは!」

ナオミ「どうも締まらないね」クス

オレンジペコ「はい。でも……この場と違ってステージ上の緊張感は凄まじいです」

ナオミ「……確かにね」

オレンジペコ「戦車道全国大会、終盤の再来……それを個人間で争う」

ナオミ「しかもそれが西住姉妹だ」

オレンジペコ「はい……どう決着するにせよ…」

ナオミ「刺激的で熱い勝負が観られるだろうね」
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/30(火) 06:48:55.51 ID:CoaWBJ6Zo

【舞台袖】

杏「……ダメだったよ。ごめんね西住ちゃん」

みほ「そんな……会長が謝ることなんてありません」

杏「一応さ、知識が薄いだろうアニメとゲームネタぶつけてみたけどダメだった。なんとなく知ってる知識でも上手く返してくるねー。強敵だ」

麻子「でも今までの相手の中では一番接戦だった。唯一クリティカルで負けてないんだからな」

杏「負けは負けだよ………………ねぇ、西住ちゃん」

みほ「?はい」

杏「戦車道の時と一緒で、最後は西住ちゃん頼りになっちゃって情けないけどさ、よろしくね」

みほ「……はい!」

杏「西住ちゃんのおねーちゃん、苦手なジャンルはあると思うけど、こっちが付け焼刃だと簡単に跳ね返される。可能性があるとすれば、西住ちゃんだけが知ってるお姉ちゃんの情報から弱点を突く、ぐらいかもね」

みほ「お姉ちゃんの弱点………」

杏「……ま、でも西住ちゃんの好きなように戦っちゃってよ。勝ちは義務じゃないんだからあまり固くならずにね」ポンポン

みほ「はい……」


役人「大洗の大将、うぇいよー!」


麻子「……役人メガネからコールが入ったぞ」

みほ「うん……じゃあ……行ってきます」

杏「よろしくぅ」

みほ(……お姉ちゃん……)
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/30(火) 06:52:14.01 ID:CoaWBJ6Zo

【ステージ】

みほ「………………」ザッ

ワァァァ!

まほ「………………」

役人「それでは両者が揃ったところで……決勝戦第5試合を始めたいと思います!」

ワァァァァァ!!

役人「この試合で優勝が決まります!」

ワァァァァァァ!!

まほ「………………」ジッ

みほ「っ……………」

みほ(お姉ちゃん、すごい迫力……でも目を反らしちゃダメ!睨み返すくらいの気持ちじゃないと勝てない!)キッ

まほ「!…………」

役人「さあ、それでは先攻後攻を決めるじゃんけんをお願いします」

ジャンケンポイ!

みほ(やった!勝った!ここは…………)

みほ「……………………」

みほ(普通なら後攻をとるべき。でも……ここで退いたら、連勝してるお姉ちゃんの勢いに押されちゃう。だから……)

みほ「先攻でお願いします」

ワァァァ!

役人「OK!ではDJルミ、ビートを聴かせてください」

ルミ「っ」

♪〜

みほ(!この曲は知ってる。『I REP』だ。それなら…)

役人「OK!……では決勝戦第5試合……先攻MIHO、後攻西住まほ、ラウンド1!DJルミ、かまーせー!!」

ルミ「っ!」キュルッ!
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/30(火) 06:53:09.86 ID:CoaWBJ6Zo

http://www.youtube.com/watch?v=uBaAAxn7Bpc

♪I REP / DABO,ANARCHY,KREVA

<先攻MIHO VS 後攻西住まほ ラウンド1>

みほ「気が付けば アイツもアイツもアイツも」ワアァァァ

みほ「アイツもアイツも いなくなって」ワァァァ

みほ「勝ち上がり決勝戦 姉妹対決」

みほ「緊張 プレッシャーで 胃が痛いです」ワァァァ!

みほ「でも一歩も引けない ここ正念場」

みほ「大洗 倒してきた人たちの 心 背負う(しょう)メンバー」ワァァァ!

みほ「ビート上にラップ乗せる I REPのノリで」

みほ「実感する 姉との 歳月と思い出」ワァァァ!



まほ「敗者の魂背負うのは こちらも同じだ」

まほ「でもお前はつまずいた 魂を落としてる」ワァァァ!

まほ「そして アイツとアイツとアイツと」ワァァァ!

まほ「アイツに連なって MIHOもくたばってる」ワァァァ!

まほ「鋼の心持たず ブレる軟弱者」

まほ「サンダースのお情けで弱点補強」ワァァ!

まほ「素で強い私との格の違いを知るんだな」ワァァァア!

まほ「『アイツら』がいなくなったのは REZEとアンジーのおかげだぞ?」ワァァァア!



みほ「その通り 2人のおかげである今」

みほ「結果決勝で 飛ばせてます韻が」ワァァァ!

みほ「軟弱なりに続ける TRYと詞込めてく」

みほ「っていうか仲間の2人が素で 弱いと認めてる!」ワァァァ!

みほ「一人相撲 ひどい不毛 結局ワンマンチーム」

みほ「チーム内に問題抱えちゃってる まるで湾岸地区」ワァァァァ!!

みほ「ラップが正論ばっかで イヤミーな言い方」

みほ「こんな搭乗者じゃ可哀想 ティーガーI」ワァァァァ!!
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/30(火) 06:54:16.24 ID:CoaWBJ6Zo

まほ「私が強いイコール2人が弱いという謎の理論」

まほ「視野狭い あんこう同様で視覚が発達してないらしい」ワァァァ!

まほ「今日はティーガーI 一度すらも乗ったり してない」

まほ「ノるのはビート 手に持つマイクは もちろんシュアの58(ゴッパチ)」ワァァァァ!!! ※Shure社のマイク。SM58。ゴッパなどとも呼ばれる

まほ「正論というより ただ 真実を指摘してる」ワアァ!

まほ「どいつもこいつも 韻に苦労してきてる」ワァァァ!

まほ「努力は買うしリスペクトはするが構成やら」

まほ「内容に齟齬ばかりじゃ メッセージ性も無くなるぞ」ワァァ!



みほ「狭苦しい理屈 まるで完璧主義」

みほ「勘でディスりも ありなんて気付きもしない」ワァァァ!

みほ「なんかやりにくそう 理由は妹が相手?」

みほ「遠慮無用 猛練習したから全くの 素人じゃないんで」ワァァァ!

みほ「大体姉の割りに言葉がありきたり語彙普通」

みほ「あえて年齢訊ねたくなる 年はおいくつ?」ワアァ!

みほ「小理屈なんて消し飛ばす ライムセンスで」

みほ「MCに必要なのは最低限 マイク、ペン、筆」ワァァァ!



まほ「服を着ろ、靴を履け ペンと筆はどちらかにしろ」ワァァァ!

まほ「典型的な韻の犠牲 取っ散らかした言葉」ワァァ!

まほ「プロ気取りか? 素人に毛が生えた程度で」ワァァ!

まほ「両腕に鳥肌 お前のうぶ毛が触れてくすぐったいよ」ワァァァ!!

まほ「知ってるだろ年齢 一緒に生きてきたんだから」

まほ「わかるはずだろ?忘れたなら調べなウィキペディア」ワァァッァ!

まほ「お前が韻踏むのが 上手いのはわかってたけど最後の」

まほ「ライムセンスで決め損ねて 失ったな だいぶ点数」ワァァァァァア!



役人「終了ーーーーーー!!!!」

ワァァァァァァァア!

みほ「はぁ……はぁ……」

まほ「……ふー…………」

みほ(なんか……体が熱い……それに興奮が止まらない)

みほ(でも頭は冷静で……なんだろう、この不思議な状態は……)ドクン..ドクン..
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/30(火) 06:55:27.86 ID:CoaWBJ6Zo

役人「ではこれより判定に入ります!先攻MIHO、後攻西住まほ……勝ったと思う方の札を上げてください」

亜美「………………」

千代「………………」

理事長「………………」

香音「………………」

新三郎「………………」

役人「…………決まったようです。それでは…………どうぞ!」

ババン!

亜美:西住まほ

千代:MIHO

理事長:西住まほ

香音:MIHO

新三郎:西住まほ


役人「先攻2、後攻3!ラウンド1の勝者は西住まほーーーーー!!!!」

ワァァァァァ!!

みほ「っ!」

みほ(1ポイント差……!)

役人「篠川さん、今のバトルいかがでしたか?」

香音「MIHOさんが出だしで、KREVAさんのバースである『アイツもアイツも〜』から入って、そしてそこからも固いライミングで畳みかけました。『姉妹対決』というこの2人でしか出てこないワードでも踏んでて素晴らしかったんですけれど、西住まほさんのアンサーがMIHOさんの独走を許さなかったですね」

香音「特に最後のバースで強烈なパンチライン。『ペンと筆はどちらかにしろ』、『素人に毛の生えた程度で』から『うぶ毛でくすぐったい』という辺が決まったかな、と思います」

役人「ありがとうございました。ではラウンド2に入りたいと思います」

みほ(……ラウンド2はどうしよう?さっきまでの戦い方でいくか、それともお姉ちゃんの弱点を狙うか……)

みほ(お姉ちゃんの弱点…………確信は無いけど、思い当たるモノがないでもない……)

役人「先攻後攻じゃんけんをお願いします」

みほ「あっ、はい」

ジャンケンポイ!

みほ(…………勝っちゃった)

みほ(どうしよう……このままやるか、それとも……)

役人「それでは先攻後攻どちらを選びますか?」

みほ(………………ここで普通にやって負けたら、きっと後悔する)

みほ(だったら、イチかバチか……)

みほ「……先攻でお願いします」

まほ「!……」

ワァァァァ!!

役人「OK!それでは決勝戦第5試合!先攻MIHO、後攻西住まほ、ラウンド2!DJルミ、かまーせー!!」

ルミ「っ!」キュッ!
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/30(火) 06:56:16.29 ID:CoaWBJ6Zo

http://www.youtube.com/watch?v=Gj3JsKB1ZOQ

♪日本語ラップ is DEAD? / D.O ,JBM ,VIKN, SIMON feat.DEN&DJ MISSIE

<先攻MIHO VS 後攻西住まほ ラウンド2>

みほ「先手必勝 さっきは鋼の心に打ち砕かれた」

みほ「納得しちゃうくらい 上手くやられた」ワァ!

みほ「この際 確かめようか 強引に両手伸ばし」

みほ「敗北とボディが 正真正銘のヴァージンだと」ワァァァァ!

みほ「浮いた話ない鋼鉄の処女 アイアンメイデン」

みほ「してるとしたら 自室でひっそり快感経験」ワァァァ!

みほ「私手伝うよ 中指立てて上げずに突き入れる」

みほ「そして叫ばせるあえぎ声 これが姉貴越え!」ワァァァァ!



まほ「…………姉貴呼びなんて過去一度もない」

まほ「内容も下品でくだらないとしか言えない」

まほ「小さい頃は あんなに可愛かった妹」

まほ「今じゃ体重は重く 貞操は軽くなったようだ」ワアァァ!!

まほ「危険なワードを入れれば カッコいいと勘違いしてる」

まほ「それが『パンチラインです』な態度がダサいと気付け」ワアァァ!

まほ「何触ったかわからない指で私に触るな」ワァァ!

まほ「調子乗るからお客さんも こいつにあんまり騒ぐな」ワァァ!



みほ「否定しないのは 肯定ととっていいですか?」

みほ「中指の件も OKと思っていいですか?」ワァァァ!

みほ「お姉ちゃんみたいなタイプに限って 案外エロい」

みほ「だから何回でもしちゃう 参加してもいい?」ワァッァア!

みほ「次の日何度寝過ごそうと 構わない休日前は」

みほ「夜な夜な激しくしすぎて 酸素欠乏症」ワァァァ!

みほ「狭量で堅物な姉への ディスリスペクト」

みほ「きっとアソコは キツキツですよー!?」ワァァァァ!!
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/30(火) 06:57:57.58 ID:CoaWBJ6Zo

まほ「ヒッチコックよりも ホラーなビッチ女」

まほ「バトルじゃなかったら 縁切って逃げたいな 一目散」ワァァァ!

まほ「実力差を恐れた奇策にしても笑えない」

まほ「感度熱暴走した お前の方が酸素欠乏症」ワァァァァ!

まほ「ビッチの楽園でかじってろ 禁断の果実」ワァァ!

まほ「今までの全てが台無しだぞ 淫乱のライム」ワァァァァ!!

まほ「最終的に なんかの体液で 服汚したまま」

まほ「たどり着くのは 袋小路だからな」ワァァァ!



みほ「韻が乱舞するなんて珍しい 取り乱し方」

みほ「まるでヒッチコック映画の『鳥』みたいだなぁ」ワァァァァァ!!!

みほ「握るマイク 58(ゴッパチ) それよりも69(シックスナイン)」ワァァ!

みほ「ヒンヤリさせてあげようか ヴィックス並にさ!」ワァァァ! 

みほ「袋小路で 姉を追いつめてゆく夜通し」ワァァァ!!

みほ「復路工事中にして 一方通行 破棄するよ童心」ワァァァ!!

みほ「なんてね 下ネタで慌てる 姉が超可愛い」

みほ「姉妹で越えちゃおうか? 派手なボーダーライン」ワァァァァ!!!



まほ「笑えない冗談言う 身内に撃つ散弾銃 ボーダーラインの」

まほ「遥か手前で 服装上下ストライプ柄にしてやろうか?」ワァァ!

まほ「下ネタばかりの妹は 可愛く思えないな」ワァァ!

まほ「苦情殺到で大洗PTAのボーダーライン越えるぞ」ワァァ!

まほ「廃校阻止のために廃校の危機を呼び込んでるのか?」ワァァ!

まほ「目的が逆転 ただのマッチポンプじゃないか」ワァァ!

まほ「下品な真似はやめろ 姉と母の 面汚しのこのブス」

まほ「ここで敗退 地元 熊本に泥を塗る」ワァァァァ!!



役人「終了ーーーーーー!!!!」

ワァァァァァ!!
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/30(火) 06:59:21.45 ID:CoaWBJ6Zo

役人「……ではこれより判定に入ります!先攻MIHO、後攻西住まほ……勝ったと思う方の札を上げてください」

亜美「………………」

千代「………………」

理事長「………………」

香音「………………」

新三郎「………………」

役人「…………全員決まったようです。それでは判定を…………どうぞ!」

ババン!

亜美:MIHO

千代:西住まほ

理事長:MIHO

香音:西住まほ

新三郎:MIHO

役人「先攻3、後攻2!勝者、MIHOーーーーー!!!!!」

ワァァァァァァ!!!

みほ「!」

まほ「………………」

みほ(……思った通りお姉ちゃんは下ネタが苦手だった)

みほ(って、私も全然得意じゃないし苦手だけど///)

みほ(だからこそ私が言いそうにない下ネタで攻めれば有効だと思った。そしてそれは効果てきめんではあったけど……)

みほ(……さすがお姉ちゃん、最初のバースこそ驚きと戸惑いでちょっとだけ乱れたけど、すぐ立て直して崩すまでには至らなかった)

みほ(上手くいけばクリティカルも狙えるかもとか考えてたけど、甘かった。やっぱりお姉ちゃんはすごい)

役人「新三郎さん、今のラウンドはいかがでしたか?」

新三郎「先攻のMIHOさんが……そうっすね、豹変と言えるような変わり方で、絶対言わなそうな言葉を使って攻めてきて、こっちの審査員席もビックリしてざわつきました」

新三郎「うちらでもそれだけ驚くんですから、対戦相手の西住まほさんも同等かそれ以上の衝撃だったと思うんですよね。実際最初のバースで若干硬直してましたから」

新三郎「それでも見事なアンサーをしているのはさすがと言ったところなんですが、MIHOさんのアンサーも決まっていて、掴みから最後までリードを保ったっていう感じですね」

役人「ありがとうございました」
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/30(火) 07:01:51.64 ID:CoaWBJ6Zo

【2階席】

オレンジペコ「……ラウンド2はすごかったですね。中指をどうとかシックスナインとか、意味のわからない言葉も多かったですが。ダージリン様は今の戦いをどう見ますか?」

ダージリン「……///」

オレンジペコ「ダージリン様?」

ダージリン「え?な、なにかしらペコ//」

オレンジペコ「…………顔、赤いですけど……どうしてですか?」

ダージリン「べ、別に赤くないわ///」

オレンジペコ「いや、赤いですから。もしかしてダージリン様は意味をご存じなのですか?」

ダージリン「……そ、そんなわけないじゃない。わたくしがそんな……///」

オレンジペコ「そうですか……ダージリン様の博識な部分も尊敬していたんですが……残念です」ハァ

ダージリン「!?う、嘘よ嘘!知ってるわ!だから尊敬を続けなさいペコ!」

オレンジペコ「では教えてください」

ダージリン「うっ……///」

オレンジペコ「耳打ちでいいですから」

ダージリン「………///」ヒソヒソヒソ

オレンジペコ「あらあらなるほどー。そうだったのですか。ダージリン様はやはり物知りで尊敬しますね。うふふ……」ニコニコ

ダージリン「///」

ケイ「あっははは!微笑ましいやり取りね〜」

ナオミ「そうだね。シックスナインなんて、サンダースでは毎日誰かが言っているよ」フフフ

アッサム「そ、それは……また……なんというか……すごい学校ですね色々と……」

アリサ「無い無い!今のはジョークだから本気にしないで!サンダースが誤解されるわ!」

カチューシャ「ねえノンナ。しっくすないんって何?」

ノンナ「カチューシャが大人になるために必須であり、そのサポートは私にしか務まらない儀式です」

カチューシャ「ノンナ以外としたらどうなるの?」

ノンナ「行為をする以前に、私以外の人間と行為に及ぶ想像をするだけでカチューシャの身長が1ミリずつ縮みます」

カチューシャ「ひっ!じゃ、じゃあしっくすないんはノンナとしかしないわ!」

ノンナ「ええ、それが正義です」ポタポタ

カチューシャ「の、ノンナ!鼻血が出てるわ!」

ノンナ「それも正義です」

カチューシャ「意味わかんないわ!拭きなさい!」

ノンナ「はい」フキフキ

クラーラ「ノンナ様、独り占めはずるいです!カチューシャの幼い頃の写真を提供したりと、カチューシャ様への愛は2人で共有しているじゃありませんか!(ロシア語)」

カチューシャ「?ノンナ、クラーラはなんて言ったの?」

ノンナ「言ったといいますか、テレサ・テンの『愛人』という曲の一部をロシア語で歌ったのです」

カチューシャ「そんなメロディラインには全く聴こえなかったけど……脈絡も無いし」

ノンナ「……申し訳ありません同志クラーラ。欲望が先立ち過ぎました。もし行為に及ぶ時があったのなら、3人でするようにしましょう(ロシア語)」

クラーラ「おお……感謝します、ノンナ様(ロシア語)」
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/30(火) 07:08:28.94 ID:CoaWBJ6Zo

カチューシャ「…………今はなんて言ったの?」

ノンナ「私たち3人の絆は永遠、と」

カチューシャ「ふーん……結局歌はなんだったのよ。ま、いいけど」

ケイ「で、真面目な話、みんなは今のラウンドをどう思った?」

ナオミ「ふふっ、まさか隊長が本筋に戻す方に回るとはね」

アリサ「いつもかき乱す側だものね……」ハァ

ダージリン「こほん。今のラウンドは明らかにみほさんの作戦勝ちね」

オレンジペコ「と言いますと?」

ダージリン「ラウンド1は普通に戦い、負けた。接戦だったけれど、ラウンド2も同じ戦い方では勝てないと思ったのでしょうね。まほさんも言っていたけれど、奇策に出たのよ」

ナオミ「突然下ネタを放り込んできた、と」

ケイ「マホもビックリしたでしょうね」

ダージリン「でもみほさんも決してそっち方面の話は得意ではないはずよ。現に、ラウンド2ではまほさんの目を見たまま、客席に一切目をくれなかった。自ら視野を狭めて、恥ずかしい気持ちを押し殺していたのね」

オレンジペコ「なるほど……その作戦が功を奏し、西住まほさんから初めて勝利を得たわけですが、ラウンド3も同じように攻めるつもりでしょうか?」

カチューシャ「それは無いわね。何を言ってるか意味のわからないところはあったけれど、マホーシャは後半かなり冷静になっていたわ。この審査と解説の時間で対処法を考えているはず。ミホーシャが次も同じ手を使うなら返り討ちに遭うでしょうね」

アッサム「同じ手は通用しないと」

ケイ「それにしてもミホは私たちとやった時よりも強くなった感じがするわね」

ナオミ「そうだな……あの時以上にバイブスが高まっているようだ。勝てば優勝という状況と相手が姉であること、そしてステージ上の熱に浮かされているからだろうが、それらがマイナスどころか…」

アリサ「プラスになってるってわけ?」

ナオミ「ああ」

ケイ「それはマホにも言えるけれどね。あんなにライミングが上手だったなんてね。今までそんなに踏んでなかったのに」

ナオミ「……踏もうと思えばあれぐらい踏める力はあるというわけか……大した人だよまったく」

ダージリン「……とにかく全ては次のラウンドで決まるわ。どちらが勝つか」

オレンジペコ「はい…………で、あの……ダージリン様」

ダージリン「何かしらペコ」ウフフ

オレンジペコ「中指を突き入れるってどういう意味でしょうか?」

ダージリン「な……っ、し、知らないわ……///」カァァァ!

オレンジペコ「へぇー……そうなんですかー」

ノンナ(何か同じ匂いを感じる気がしますね)

カチューシャ「あ!それはカチューシャも聞きたかったわ!ノンナ!一体どういう…」

ノンナ「今度必ず教えます!!」

クラーラ「お供します!!」

カチューシャ「え?う、うん……」

アッサム「………………」ハァ..

ケイ「………………」

ケイ(ミホとマホ……さて、どうなることやら。楽しみだわ)ワクワク
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/30(火) 07:10:16.89 ID:CoaWBJ6Zo

【ステージ上】

役人「それでは……正真正銘最後のバトルとなります!決勝戦第5試合、ラウンド3です!」

ワァァァァァァ!!!!

役人「先攻後攻のじゃんけんをお願いします!」

まほ「…………」

みほ「!」

みほ(お姉ちゃん……今まで見たことないくらい真剣な目してる)

みほ(……でもそれは多分私もそうだ)

みほ(会場の熱気、そして西住流に関係ない1対1の勝負、優勝のかかった一戦……その決着が付くんだから)ゴクリ

ジャンケンポイ!

まほ「!先攻で」

みほ「…………」

みほ(意地?いや、違う。勝つための先攻だ。私が作った勢いと流れを変えるため……)

役人「OK!それでは……最後です!先攻西住まほ、後攻MIHO、ラウンド3!DJルミ、かまーせー!!」
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/30(火) 07:13:15.90 ID:CoaWBJ6Zo

http://www.youtube.com/watch?v=XVVRBSEz7js

♪蜂と蝶 / SOUL SCREAM

<先攻西住まほ VS 後攻MIHO ラウンド3>

まほ「ラウンド2 お前はひたすら下ネタオンリー」

まほ「2度目はもういい 最後はまともにかかってこいよ」ワァァ!

まほ「下ネタ続けるなら増加する 大洗のマイナスイメージ」

まほ「あんこう踊りも 伏字付きで紹介されるぞ?」ワァァァァ!

まほ「ガラにもなく無理して そういうフリしてるならやめとけ」

まほ「もし夜の蝶になるつもりなら 蜂のように刺す」ワァァァ!

まほ「それと私が快感を得るのは 勝利とお客さんの歓声だ」ワァァァァ!

まほ「沸かすと騒がすを勘違いするなよ?MIHO」ワァァァ!



みほ「お客さんがどうとかって 狙ってるじゃん好感度アップ」ワァァッァ!

みほ「歓声得るなら股間ドアップ なんてネタはもう終わり」ワァァァ!

みほ「あれはどうしても勝ちたかったから 使った荒業」

みほ「最後は私自身をぶつけて 勝敗を決する覚悟しかない!」ワァァ

みほ「あんこうもカメもウサギもレオポンもいない」

みほ「カモもアリクイもカバもアヒルも 仲間はそばにいない!」ワッァア

みほ「大洗背負ってる 特殊カーボンで守られてないステージ上」

みほ「純粋な1対1の勝負で勝ちたいと思ってるよ!」ワァァァ!!



まほ「全て受け止めた上で潰してやる妹よ」

まほ「昨日今日の付き合いじゃない 生まれた瞬間から一緒だ」ワァァ!

まほ「妹が強いほど 姉も嬉しく誇らしくなる」

まほ「そしてさらに 上の境地があると見せてやるのが 姉の矜持だ」ワァァァ!

まほ「戦車道での 敗北噛みしめ 悔しさを」

まほ「たぎらせここにいる あの戦いを無駄にしねぇ」ワァァァ!!

まほ「流れはMIHOかもしれないが 最後覆す」

まほ「前のめりのお前の目に映らない 背後突くライム」ワァアァァ!!
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/30(火) 07:15:33.25 ID:CoaWBJ6Zo

みほ「私がずっと追ってるのは 姉の背中」

みほ「その差はなかなか埋まらない まるでカメとメダカ」ワァァ!!

みほ「それぐらいリスペクトしてるのに 突くのは私の背後?」

みほ「同じ場所ぐるぐる回る バカな姉妹じゃ意味ないよ!」ワァァァアァァ!!

みほ「右脳と左脳 苦悩と葛藤」ワァァ!

みほ「フロウと発想でデスロード闊歩(かっぽ)」ワァァァァ!!

みほ「それも全て ここで大洗を優勝に導くため!」

みほ「切り傷や大ケガしても このまま行ききるだけ!」ワァァァァ!



まほ「お前らだけが優勝 したいと思うなよ」

まほ「みんな勝ち取りたい ヤラセなど 一切拒むだろう」ワァァア!

まほ「姉妹だろうとやられたらやり返す 報復が順当」

まほ「デスロードは黒森峰のホームグラウンド!」ワァァァ!!

まほ「ライムとディスだろ お前の最大の武器」

まほ「そこに気付けないなら 流れるのは敗退の空気」ワァァァ!

まほ「私の武器こそが フロウと発想だ 間違いない」ワァァァ!!

まほ「MIHOがどれだけ手と首 振ろうと圧勝!」ワァァッァ!!



みほ「あのお姉ちゃんが 本気で潰しに来てくれてるこの現状」

みほ「恐怖よりなによりも 嬉しさが勝ってるよ本当!」ワァァァ!

みほ「大学選抜の時も どれだけ勇気づけられたことか!」ワァァァ!

みほ「心から思うよ お姉ちゃんの妹でよかった!」ワァァァア!!

みほ「でもいつまでも追うだけじゃ ダメだってわかってる!」ワァァァ!

みほ「『なにか』で超える必要がある その1つがこのMCバトル!」ワァァァ!

みほ「今まで見て聞いて過ごして 生きてきた人生の全て!」ワァァ!

みほ「ぶつけて 吐き出して 叶えてみせる そして新たな夢へ!」ワァァァァ!!!



役人「終了ーーーーーー!!!!」

ワァァァァァァ!!!

みほ「はぁ、はぁ、はぁ……」

まほ「……………………」フゥゥ...
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/30(火) 07:16:00.46 ID:CoaWBJ6Zo

役人「……最後のバトルが今、終了しました。そして、最後の判定に入ります」

みほ「………………」

まほ「………………」

役人「この判定の勝者が所属する学校が優勝となります…………それでは、判定をお願いします!」

亜美「………………」

千代「………………」

理事長「………………」

香音「………………」

新三郎「………………」

役人「…………決まったようです」

役人「先攻西住まほ、後攻MIHO。勝利したのはどっちでしょうか」
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/30(火) 07:18:51.84 ID:CoaWBJ6Zo

役人「………………判定をどうぞ!」

ババン!

亜美:西住まほ

千代:MIHO

理事長:西住まほ

香音:MIHO

新三郎:MIHO

みほ「!!」

役人「先攻2、後攻3…………勝者……MIHOーーーー!!!」

ワァッァアアァァァァ!!!!

役人「そして優勝は大洗女子〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!」

ワァァァァアァァァァァァァ!!!!

みほ(やった…………やった!!!)グググッ

役人「……理事長、いかがでしたか?」

理事長「私は西住まほさんに票を入れたのですが、やはり彼女らしいワードが光っていて『妹が強いほど姉も誇らしい』と言ったあとに『さらに上の境地があると見せてやるのが姉の矜持』などであったり。アンサーでも『デスロードは黒森峰のホームグラウンド』、これは痺れましたね」

役人「ありがとうございました。では……島田さん、いかがでしたか?」

千代「今までの両者のスタイルで言いますと、簡単に言えばMIHOさんがライミング、西住まほさんが的確なディスとアンサー、という感じだったのですが、それがこの決勝戦では入れ替わったかのようでしたね。特にラウンド3では顕著でした」

千代「MIHOさんの1バース目はライミングはほとんど無しでメッセージ強烈に叩き込み、西住まほさんはアンサーをしつつも固いライミングを見せていきました」

千代「そして両者のバイブスがぐんぐんと高まっていくなか、ラストバースでのMIHOさんらしからぬ……と言ったら失礼かもしれませんが、頭1つ抜きん出るほど熱い魂の叫びのようなラップが、見てるこっちまで巻き込む熱量で……もう圧倒されました。なので私はMIHOさんに入れました」

役人「ありがとうございました。最終戦、ラウンド3までもつれ込む激闘を繰り広げてくれた両者に大きな拍手を!!」

パチパチパチパチ!

まほ「……みほ、おめでとう」

みほ「お姉ちゃん……あ、ありがとう」

まほ「とても……充実した時間だった。こんな風に言い争うことなどなかったからな」フッ

みほ「あ、うん。私も!楽しくて……嬉しくて……」

まほ「私も同じ気持ちだよ」フフ
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/30(火) 07:19:34.09 ID:CoaWBJ6Zo

役人「うぇいよー!それじゃあ優勝校の大洗女子学園!REZEとアンジーもステージ上に来てくれぃ!」

麻子「」ザッ
杏「」ザッ

ワァァァァァッァァ!!

杏「西住ちゃんありがとー!」ダキッ!

みほ「わわっ…///」

麻子「見事な勝利だった。さすが西住さん」

みほ「そ、そんなこと……」テレテレ

役人「そして優勝のトロフィーを……理事長うぇいよー!」

理事長「うむ。代表者は……?」

みほ「あ、かいちょ…」
杏「西住ちゃんでーす!」

みほ「ふぇ!?」

理事長「ではMIHOさん。優勝おめでとう。素晴らしい戦いだったよ」

みほ「あ、ありがとうございます……//」

ワァァァァッァア!

役人「トロフィーうぇいよー!授与うぇいよー!」

ワァァァァ!

麻子「やかましいメガネだなまったく…」

役人「最高のバトルだったぜー、うぇいよー!」

ワァァァァ!
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/30(火) 07:23:26.55 ID:CoaWBJ6Zo

役人「……こうなったら最後にサイファーいっとくかぁ〜!?」

ワァァァァァアァァッァアァ!!

みほ「サイファー?」

杏「輪になってラップするアレか……というか、優勝後のフリースタイルを大洗のメンバーでやるってことかな」

役人「お客さんのレスポンス最高だぜ〜!よし!もう負けたヤツらもやりたいヤツはステージに上がれーーーーー!!!」

ワァァァァァ!!!!

麻子「……おいおい。いくら本家のラッパーのバトルイベントと違うとはいえ、負けた人間を呼ぶなんて失礼な…」

ケイ「よぉーし!それじゃあ私からいっちゃおうかなー!?」

麻子「っていつの間にかステージ上にいるぞ」

杏「おケイらしいねえ。タイミング的に、うちらの優勝が決まってすぐに舞台袖まで来てたんだね」

みほ「でもそこから躊躇なくステージに上がるのがケイさんらしくて面白い」ウフフ



まほ「………………」

エリカ「た、隊長」タタタ

まほ「ん?どうした?」

エリカ「戻りましょう。負けた上でサイファーに参加することないです。参加は義務ではないでしょうから」

まほ「確かにな。だが私は精一杯戦った。負けて悔いがないわけではないが、それ以上にこの空気、雰囲気を楽しみたい」

エリカ「隊長……」

まほ「エリカと過ごせる数少ない時間の1つだしな」フッ

エリカ「た、た、たいちょぉぉぉ〜……///」



アンチョビ「楽しいことならアンツィオはどこにでも顔を出すぞぉ!」ザッ!

ペパロニ「さすが姐さんっす!」

カルパッチョ「ドゥーチェたるゆえんですね」



カチューシャ「ほら!2人とも!最後にプラウダの凄さを見せつけてやるのよ!」

ノンナ・クラーラ「はい」



ダージリン「見てるだけも寂しいものね」ザッ

オレンジペコ「ダージリン様のような方はプライドが無駄に高いので傍観者に回ると思っていましたが……さすがダージリン様、器が大きいですね」

アッサム「オレンジペコ?最近自然と毒舌を吐いてるようだけれど……優雅にね?」



役人「OK!それじゃあ最後に盛り上がっていくぜ〜!DJルミ、かまーせー!!」

ルミ「っ!」
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/30(火) 07:24:54.23 ID:CoaWBJ6Zo

http://www.youtube.com/watch?v=5TgPNb-gFPI
※ちょい長いので途中で切れます。動画を右クリックしてループ再生推奨

♪ONCE AGAIN / RHYMESTER

<ラストサイファー>

ケイ「ハッピーなバトルだったわ 何回もワンスアゲイン」ワァァ!

ケイ「大満足 もっと聴きたいアゲアゲライン!」ワァァァ!

ケイ「いち、にい、サンダース!風はまた吹く」ワァ!

ケイ「だからすぐゴー!ゴー! 日常のタスク!」ワァァァ!

ナオミ「甘いマスクで 口説きを助(たす)く」ワァァ!

ナオミ「サンダースのモテ女 スナイパーでライマー」ワァァ!

ナオミ「大洗おめでとう華やかな優勝」ワァァ!

ナオミ「バラの花束忘れてゴメンよ?」ワァァ!


アリサ「今日のイベント体験はある意味 記念品」

アリサ「だけどこの借り いつかはリベンジ」ワァァァ!

アリサ「私の想い人 タカシかヒロシ?」ワァァァ!

アリサ「…違うタカシ!だからいつかはきっと!」ワァァ!

ダージリン「まるで秘めた想い込めて綴った歌詞」ワァァ!

ダージリン「わたくしもアリサさんと同様 作られた貸し」ワァァァ!

ダージリン「みなさんのバトルを観ていて技術とか韻の」

ダージリン「レパートリーの差 感じたわ それが敗因」ワァァ!


オレンジペコ「はいぃ〜? 今さらですかそれ」ワアァ

オレンジペコ「いい意味でスロースターターな お方だからまぁ」ワァァ!

オレンジペコ「それはそれとして やむをえず納得」

オレンジペコ「切れかけてた 茶葉を早めに買っとく」ワァァ!

アッサム「そうそう 茶葉の調達には四苦八苦」

アッサム「でも協力して揃える優れたチームワーク」ワァァァ!!

アッサム「証明したい対象は 全国のみなさん」

アッサム「優雅に振る舞う 聖グロリアーナ」ワァァァ!


アスパラガス「ここで突然現れてはこんなフロウでかますざます」ワァァァ!

アスパラガス「アスパラガス活躍する鳴かず飛ばずじゃなく飛ばす」ワァァァ!

アスパラガス「からのスロー 不動のエース」ワァァア!

アスパラガス「そして最後にまた速度上げる次があるなら勝つ」ワァァァァ!

ムール「上手い具合使いこなしてる 緩急自在」

ムール「一度負けたくらいじゃ バタンキューしない」ワァァ

ムール「自由に振る舞うまるで黒猫」

ムール「ブラックキャット うちのエースやばいフロウでしょ?」ワァァ
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/30(火) 07:26:55.17 ID:CoaWBJ6Zo

ボルドー「MCバトル参戦 他校との対戦」

ボルドー「まさか負けると思わなかった ピンと来ないね」ワァァ!

ボルドー「でも悔しさと同時に胸を占める充実感」

ボルドー「この場の一体感が宙にフワンと浮いた」ワアァァ!

ノンナ「敗北の味 つらさ マイナスは凍りつかす」

ノンナ「そして明日への糧にするために効率化する」ワァァァ!

ノンナ「結果はともかく見せたプラウダ魂」

ノンナ「褒美はチューか ハグでしょう? 同志カチューシャ」ワァァァ!


クラーラ「傷をいやすのは愛情に限る」

クラーラ「会場にたぎる情熱と そしてもちろんカチューシャ様」ワァァ

クラーラ「氷解かすマイク1本 火事の元」

クラーラ「カチューシャ様の全てが味の素」ワァァァ!

カチューシャ「負けを素直に認めるのが 大人の証拠」

カチューシャ「私のスキルは確実よ 言葉の宝庫」ワァァァ!

カチューシャ「プラウダは負けたけど 相手は優勝校」

カチューシャ「つまりは2位タイよね?この場でそれを言いたい!」ワァァァ!


まほ「その意見は横暴だね 全然王道じゃねぇ」ワァァァ!

まほ「脳筋思考 まるでゴーゴーカレーのゴリラ」ワァァァ!

まほ「ここ一番で優勝校とその他の差が出る お互い」

まほ「P&Gで洗顔 出直して食べに行こうC&C」ワァァァ!

エリカ「私もお供しますカレー行脚(あんぎゃ)に」

エリカ「REZE!負けたけど次は勝つあんたに!」ワァァ!

エリカ「負けたままじゃ終われない!ぶちかませる!」ワアッァ!

エリカ「次回があるなら見せてやる エリカのフェイズ!」ワァァァ!


小梅「ふがいない状態で終わってしまったレッドスター」

小梅「足りなかった努力は積み上げていくしかないから」ワァァ!

小梅「ワンスアゲイン ワンスアゲイン 何度も言う」

小梅「心に刻みつけるように ステップアップ狙う!」

アンチョビ「気が付いたら我々飛ばしてる黒森峰!」

アンチョビ「いや、順番関係ないのか?ならここからアンツィオだ!」ワァァ!

アンチョビ「好物はあん肝 じゃなかった人じゃない方のカルパッチョ」

アンチョビ「おめでとう大洗女子 そのうちしようパーティー!」ワァァァ!
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/30(火) 07:28:03.29 ID:CoaWBJ6Zo

ペパロニ「その時の料理は任せてほしいっすよ!」

ペパロニ「めっちゃめちゃ美味いのを用意するっすから!」

ペパロニ「出来ててホヤホヤの超がつく大盛りで」

ペパロニ「タダでおごるっすよ 名物鉄板パスタ!」ワァァ!

カルパッチョ「そんな絶品な鉄板パスタで感覚が」

カルパッチョ「磨かれて乱されてパンパースが いるほど」

カルパッチョ「感じてるアモーレ 熱が超出る」ワァァァ!

カルパッチョ「今度はナポリタン以外も馳走しようペスカトーレ」ワァァァ!


麻子「ペスカトーレよりか別な方で 例えばカルボナーラ」ワァァ!

麻子「張るお腹 つまり満腹になる 感服しちゃう」ワァァァ!

麻子「だがデザートは別腹 キッシュとデニッシュでフィニッシュ」ワァァ!

麻子「胃のギミックにビックリしシックに決めるリリック」ワァァァア!!

杏「そんな踏まれたら立つ瀬〜無い」

杏「でも優勝 目的は達成だーい!」ワァァァ!

杏「ここまで来たらこの人も参加してもらおうか!」

杏「出番だよぅ?企画立案張本人のメガネ!」ワァァァ!


役人「そう言われたら握るぜマイクロフォン」ワァァ!

役人「見た目以上に頭固いぜ 参るほど」ワァァ!

役人「俺が最強のメガネ レペゼン文科省」

役人「マジでヤバすぎるだろう?こんなショー」ワァァ!

役人「バトルは最高だ!またやりたいぜ」ワァァァ!

役人「センキュー!審査員とお客さん!あとDJルミ!」ワァァァ!!

役人「残りの8小節はファイナリストのMIHO!」

役人「ラスト決めてくれバッチリと!」


みほ「このはじけっぷり 溜ま っていた スト レスが」

みほ「引き金かバトルに ハマっ て今 ずっと ヘブンだ」ワアァァ!

みほ「普段はきっとイライラして 愚痴吐く即」

みほ「でもしないよ?同情と 口約束!」ワァァァ!

みほ「それはともかく こんな風に周りに戦車無い」

みほ「MCバトルなんてあまりにも縁が無い状態だった」ワァァ!

みほ「でも最高だった 今日はきっと眠れない」ワァァァァ!

みほ「あのバトル この景色 私は一生忘れない!!」ワァァァァ!!



役人「うぇいよーーーーーーー!!!!!」

ワァァァァアァァァ!!!

役人「さわげーーーーーーーー!!!!!」

ワァァァァァ!!!!
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/30(火) 07:30:44.47 ID:CoaWBJ6Zo



アキ「ねぇミカ。私たちはサイファーに参加しなくてよかったの?」

ミカ「………………」

ミッコ「みんなが出てるわけじゃないけどさぁ……せっかくだしやってもよかったんじゃないか?」

ミカ「………………」

アキ「はぁ……またいつものだんまりだよ…………ん?」チラ

エミ「…………」

アキ(あの人はベルウォール学園の……エミさんだっけ?)

アキ「……あのー」

エミ「はい?」

アキ「失礼ですけど、あなたは何故サイファーに参加しなかったんですか?」

エミ「え?わ、私はチームメイトが負けて落ち込んでるのを放って1人でステージに上がる気は無いから……」

アキ「そうなんですか……うん、確かにそうですよね……」

アキ(ミカも同じ気持ちなのかな?いや、でも私もミッコも落ち込んでないし……ミカはどうして……)チラ

ミカ「ふっ、目は口程に物を言うってやつだね…………アキ、私がサイファーに参加しなかったことに特に意味は無いよ」

アキ「それって、MCバトルとかサイファーをすることが無意味ってこと?」

ミカ「違う」

ミッコ「へ?」

ミカ「MCバトルも戦車道と同様、人生に必要なものが全て詰まっていると感じたよ」

アキ「え……だったらどうして……?」

ミカ「……この場に来るまで、私はそのことに気付けなかったのさ。だから大会に出場するにあたって特別努力もしていないし、MCバトルがなんなのかを理解していなかった。そんな私にあのステージに立つ資格はないのさ」

ミッコ「いや、普通に大会には出てたじゃんか」

アキ「ね?見事な惨敗だったよね。それに大会までの期間だってミカにあちこち振り回されたおかげで私たちまで全然練習も出来なくて…」

ミカ「…………風で何言ってるか聞こえないな」

アキ「屋内だよここ……」

ミカ「…………まあ、次があるのかはわからないけど…」

アキ「?」

ミカ「もしまたこういったイベントがあったとしたら、今度こそ真剣に向き合わないといけないね」キラリ

アキ「ミカ……」
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/30(火) 07:35:28.67 ID:CoaWBJ6Zo



新三郎「いい大会でしたね。観ててウズウズするくらい」

理事長「そうですな。血が騒ぎますよ」

千代「…………」

香音「?島田さん?どうされました?」

千代「……いえ、なんでもないわ」フフ

香音「はあ……」

新三郎「もしかして、CHIYO CARLITO(チヨカリート)時代のことを思い出していたんですか?」

千代「……そういうわけではないわ。あとその呼び方はやめてちょうだい」

千代「………………」

千代(……さすがしぽりんの娘ね。戦車道以外でもこれほどの才能を発揮するなんて)

千代(…………でも、だとしたら愛里寿がもしフリースタイルを……)

千代(……いえ、やめましょう。考えても仕方のないことだわ)フフ


こうして、フリースタイルバトル大会は大洗女子学園の優勝で幕を閉じた――――
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/30(火) 07:37:25.99 ID:CoaWBJ6Zo

数日後

【大洗女子学園 体育館】

桃「みんなも知っての通り、我々大洗女子はフリースタイルバトル大会で優勝を成し遂げた!マスコミの取材も入り、これからしばらくの間忙しくなるだろう!だが、これはチャンスだ!大洗女子の良さをアピールして、来年以降の入学者を増やせば二度と廃校の危機を迎えずにすむかもしれんしな!」

典子「つまりは……バレー部復活か!やった!」

妙子・忍「はい!」

あけび「あのー……入学者が増えても新入生がバレー部に入ってくれたなきゃダメですし……」

典子「根性ーーー!!」

あけび「あ、これは聞いてないですね」

ツチヤ「直接会場に行けなかったのは残念だけど、動画で活躍は観られたし、ほんとすごかったよ!」

ナカジマ「西住さんの試合の時はちょっと寄りすぎてて観づらかったけどね」

優花里「すみません!つい力が入ってしまって……しかし!それだけ西住殿やみなさんが大活躍されて興奮したということです!」

桃「秋山の言う通りだな。では、大洗優勝の立役者である3人に登場してもらおうか!みんな、拍手!」

パチパチパチパチ!

杏「ほいほーい。早く真ん中にレッツゴー!」

みほ「か、会長!押さないでください」アワワ

麻子「眠い……」トテトテ

桃「では一言挨拶を……柚子、マイクを」

柚子「うん…………ええと……会長」

杏「違う違う。挨拶は西住ちゃんがするから」

みほ「ふぇっ!?さ、さっき舞台袖では会長がやるから立ってるだけでいいって……」

杏「そんなこと言ったっけ?冷泉ちゃん聞いた?」

麻子「眠くて何も覚えてない」ユーラユラ

みほ「そ、そんな……」

杏「みんなー!大洗を優勝に導いた大将が挨拶するから、ちゃんと聞くんだよー!?」

シィィィィィイン...
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/30(火) 07:39:13.08 ID:CoaWBJ6Zo

杏「……よし。じゃあよろしくぅ」

みほ「うぅ……」

杏「事実っしょ?西住ちゃんのおかげで優勝できた。感謝してるんだよ?」ヒソヒソ

みほ「会長……」

杏「ありがとね」ニコリ

みほ「い、いえ……///」

柚子「西住さん。じゃあこれ、マイク」

みほ「あ、は、はい……」

シィィィィィイン...

みほ「う」

みほ(みんなが真剣な目で、じっと私を見つめてる……私の言葉を待ってる……)ゴクリ

みほ(挨拶は会長がするって言ってたから何も考えてないよ、どうしよう?)

みほ(ラップでやった方がいいのかな?ううん、この空気でそれはよくない)

みほ(でも何を言ったらいいか……)グラグラ

全員「…………………………」ジィーーーーッ..

みほ(う……うぅぅぅぅぅ〜……)

みほ「ぱ…」

みほ「パンツァー・フォー!!」

ワァァァァアァァァァァァァ!!!!

沙織「結局それなのねみぽりん」クスッ

華「みほさんらしいです」ニコリ

優花里「にしずみどのぉ!痺れましたあ!」ワハァイ!

麻子「ふふ……」クス
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/30(火) 07:40:16.25 ID:CoaWBJ6Zo


杏「あっはは。やっぱこうなったかぁ。西住ちゃんらしいなあ」

柚子「会長、あんまりからかうのは可哀想ですよ?」

杏「そっかな?あたふたしてる西住ちゃん、かぁいーじゃん」

柚子「男子小学生みたいなこと言わないでくださいよ……」ハァ

桃「……会長、例の件はどうされますか?」ヒソ

杏「んー?」

桃「すでにフリースタイルバトルの第2回大会の開催が決まりそうだという件、そしてそれとは別のフリースタイルバトルの企画も動き出しているという話らしいですが……」ヒソヒソ

杏「ここで言わなくてもいいっしょ。本決まりの時に突然伝えればいーよ」

桃「はあ……」

杏「西住ちゃん慌てるだろうなぁ」ニッヒヒ

桃(一体どうなることやら……)



みほ「パンツァー・フォー!!!」

全員「フォー!」



【おわり】
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/05/30(火) 07:41:24.58 ID:CoaWBJ6Zo

以上です。読んでくれた人、どうもありがとう


そしてバトルビート動画を投稿されている

man lazyさん、MC Battle Beatsさん、Puni23PPKさん、shima nagaさん、so was Redさん

リンクを貼らせていただきました。ありがとうございました
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/30(火) 08:26:51.66 ID:8f0RDK3xO
何だこの怒涛の投稿は。すげえ。


ラップ全く興味なくて殆ど読み飛ばしてたんだけど、チラッとマホvsミホ読んでみたところ結構面白いなこれと気づかせてもらった。
最初からちゃんと読んでみるわ。
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/30(火) 08:41:22.51 ID:3ugvUN/SO
>>181
ペコおねえさん
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/30(火) 08:45:07.21 ID:3ugvUN/SO
気付いたら200やん
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/31(水) 09:26:53.30 ID:RuAS+QbA0

このボリュームを半日で終わらせるとは驚いた

西住姉妹と麻子カルパッチョの熱の熱さが良かった
ナオミのもよかった
補欠の活躍も見たかったな
気になるのは審査員だな。なぜあの面子なんどうか?
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/15(木) 04:23:18.62 ID:Tjn8Q6Yuo
<iframe width="640" height="360" src="https://www.youtube.com/embed/B7rSSzyXcto" frameborder="0" allowfullscreen></iframe>
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/15(木) 04:37:45.36 ID:Tjn8Q6Yuo
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