提督「秋月、手を出してくれ」

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74 : ◆DaDaZF1cqw [saga]:2017/06/06(火) 21:49:54.77 ID:2BogwIJTo
投下しますぞ
75 : ◆DaDaZF1cqw [saga]:2017/06/06(火) 21:50:50.54 ID:2BogwIJTo

翔鶴「しかし、金剛型の皆さんで無いとなれば」

提督「まあ残るは明石になるんだが、言うほど執務室に顔出す奴でもないんだよなぁ」

翔鶴「そうでしたっけ?」

提督「大体が扉から顔出して要件伝えては帰るような奴だからな、あとは大淀と一緒にくるし」

翔鶴「そういえば」

榛名「工廠に行かれるんですか?」

提督「ああ、明石が一応容疑が掛けられてるからな」

霧島「結局何をお探しで」

金剛「紅茶とお菓子の用意ができたデース!」

提督「おお、美味そうな匂いだ、ありがとう」

比叡「このお菓子すっごく美味しいんですよ、でもすっごい高いんですよねぇ」

翔鶴「よろしいんですか?」

金剛「yes! moneyは関係アリマセーン、楽しく食べる、それだけデース」

比叡「ぶっちゃけお金なら沢山ありますしね」

霧島「こほん、それで一体何を」

榛名「あぁっ!」ガチャン

金剛「oh、零しちゃったデスカ! 火傷はnothing?」

榛名「だ、大丈夫です……ごめんなさい」

金剛「大丈夫デース、すぐに入れなおしマース」

榛名「お手伝いします!」タッタカター

霧島「……」

提督「霧島?」

霧島「何を! お探しでしょうか!」ズイ

提督「お、おう……しかし」チラ

チャバドーンデース!

比叡「ん?」

翔鶴(まあ言いにくいですよねぇ、金剛さんの手前では)

翔鶴「ちょっとしたアクセサリーですよ」トントン

霧島「……あー」

比叡「ふーん、なるほどねぇ」
76 : ◆DaDaZF1cqw [saga]:2017/06/06(火) 21:51:29.36 ID:2BogwIJTo

霧島「分かりました、では詳しくはお聞きしません」

比叡「まあ野暮ですもんね、大変ですねー」ニヨニヨ

提督「比叡ってホントいい性格してるよな」

比叡「それ程でもないですよー」

提督「褒めてねえんだよなぁ」

翔鶴「提督はこの後工廠に行かないといけないのであまりゆっくりはできませんよ?」

提督「分かっているよ、ティータイムが終わったらすぐに行くさ」

翔鶴「お話し好きの提督がすぐにティータイムを終わらせると思えないんですけどね」

提督「そしたら翔鶴が無理やりにでも連れてってくれ」

翔鶴「容赦はしませんよ?」ニコ

提督「……お手柔らかに頼む、ぞ?」

翔鶴「はい、お任せください」

比叡「司令も大変ですね」

金剛「さぁ準備完了デース! ティータイムを始めマショー!」
77 : ◆DaDaZF1cqw [saga]:2017/06/06(火) 21:52:06.27 ID:2BogwIJTo

――工廠近く

提督「痛いぞ、だが悪くない」ヒリヒリ

翔鶴「なんですかそれは」

提督「言わないといけない気がしたんだ、でもマジで痛い」

翔鶴「提督がいつまでもお話ししているからです」

提督「だからって耳を引っ張んなくても、金剛たちが青い顔してたぞ」

翔鶴「容赦はしないと言いましたよね?」

提督「だとしても艦娘に耳を引っ張られるのはキツイって、お前はカスミか」

翔鶴「そこでどうして霞ちゃんが……確かにやりそうですけど」

提督「気にしないでくれ」

翔鶴「……?」

提督「しかし、明石はいるだろうが他に誰かいたら話がしづらいな」

翔鶴「その場合は場所を移す事にしましょう」

提督「だな、明石はいるかー」

明石・夕張「!」ビク

提督「んー、おっいたいた」
78 : ◆DaDaZF1cqw [saga]:2017/06/06(火) 21:52:39.37 ID:2BogwIJTo

明石「ど、どうしましたか提督?」ガチャガチャ

夕張「建造? 開発? それとも改修かしら?」タッタッタ

提督「夕張もいたか、建造とかじゃあなくてちょっと明石に用がな」

明石「私ですか? えっもしかして装備に問題でもありました?」

提督「いや装備は問題ない、素晴らしい仕事をしてくれているよ」

明石「ええ勿論、鎮守府一のスーパーエンジニアですから!」

翔鶴「なんで自分で聞いて自分で言ってるんですかね」

明石「はて、では何用でしょうか?」

提督「それは……明石を疑うわけじゃあ無いんだが、執務室からある物がなくなってな」

明石「あー紛失ですかぁ、提督が忘れたとかじゃあないんですか?」

提督「何度も何度も探したし俺じゃあないと思うんだ」

夕張「……」

明石「……だから誰かが持って行った可能性があると」

提督「そういうことなんだ」
79 : ◆DaDaZF1cqw [saga]:2017/06/06(火) 21:53:21.69 ID:2BogwIJTo

夕張「それはいつ頃無くなったの?」

提督「えっと……秋月に贈り物を始めた次の日に探し始めたから」

明石・夕張(贈り物!?)

提督「七日前だな」

明石・夕張(一週間前ッ!)

翔鶴「どうかされましたか?」

明石「いえっ」ビクンチョ

明石「しかし心当たりは無いですね、私あまり執務室内に入ったことないですし」

提督「だよなぁ、でも扉から顔だけ出して要件投げつけて帰るのはどうかと思うぞ?」

明石「すみません、何分工廠管理と酒保で忙しいもので」

夕張「提督は明石さんを酷使しすぎですよ」

提督「分かってはいるんだが人員がなぁ」

翔鶴「妖精さんがいるため指揮を執り行う者だけ鎮守府に配属する規則ですからね」

提督「整備員数人いれられれば大分マシになりそうなもんだけど」

明石「まあ予算ですよね」

提督「深海棲艦の勢力拡大で鎮守府や艦娘の数も増えてるから仕方ないのかね」

明石「仕方ないですね」

提督「予算と言えばだが、申請書に偽造書類があったんだが」

明石・夕張「あ"」

提督「……言っておくがこれって十分処罰に値するからな?」

明石・夕張「はい」

提督「今回は見逃すが、二度とするなよ?」

明石・夕張「承知しました」

提督「何かあるなら直接俺に言ってくれればできる限り譲歩するから」

明石「ホントですか!? ありがとうございます、テイトクダイスキ!」

提督「うわぁなんて心のこもっていない言葉なんだろうか」
80 : ◆DaDaZF1cqw [saga]:2017/06/06(火) 21:54:37.87 ID:2BogwIJTo

提督「しかし明石でもないとなるといよいよ行方が分からないぞ」

翔鶴「そしてあっという間にお昼時ですね」

提督「仕方ない、飯食ったらあと少し聞いて回ってから指令室に行くか」

翔鶴「私は艦隊の皆さんとお昼にします」

明石「提督も食堂で?」

提督「そうだが、明石達は?」

明石「午後の演習に向けての艤装整備が早く終わればいいですねー」トオイメ

夕張「そうですねー」トオイメ

提督「あっ」

明石「最近はやけに多いですからねぇ」

提督「最近は作戦規模も広がっててな、すまない」

明石「仕方ないですよ、そういう仕事ですから」

夕張「昼食はここで取るわ、差し入れもあるしね」

提督「そうか、じゃあ俺たちは食堂に行ってくる」

翔鶴「艤装、よろしくお願いします」

明石「まっかせてくださーい!」

キョウノコンダテハナンダッケカ
キンヨウビデスヨ
アアソッカ
ソノマエニワタシハスコシヨウガ
81 : ◆DaDaZF1cqw [saga]:2017/06/06(火) 21:55:42.82 ID:2BogwIJTo

明石「……」

夕張「…………」

明石・夕張「ふぅ」

夕張「て、いやいや明石さんダメでしょう嘘ついたら」

明石「そ、それなら夕張だって何も言わなかったし」

夕張「いやまぁ……そりゃ言えないわよね」

明石「でしょう」

夕張「どうするの?」

明石「……執務室にこっそり戻しておく」

夕張「大丈夫かなぁ」

明石「ちょっとどういう仕組みなのか知りたかっただけ、興味本位だから……ってことで」

夕張「偽造書類も含めて、バレたらただじゃすまない気が」

明石「どどどどうしよう」

夕張「でも隠し続けて更に罪を重ねるか、潔く謝罪して営倉に入るか……よね」

明石「結局営倉入りは避けられない、かなぁ……魔が差したんだァー!!」

夕張「そんな罪を認めない犯人みたいな……」

明石「私はやっていない、信じてくれー」

翔鶴「なにをやっていないんですか?」

明石・夕張「……」

明石「ひょっ!?」

夕張「あっ」

翔鶴「話してくださいな」ニコニコ
82 : ◆DaDaZF1cqw [saga]:2017/06/06(火) 21:57:51.15 ID:2BogwIJTo
やはり短いですがここまで
ラストスパート頑張ります
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/07(水) 07:26:14.07 ID:bsGbh2hgO
乙です
84 : ◆DaDaZF1cqw [saga]:2017/06/08(木) 02:12:18.49 ID:ebns5SJIo
めちゃんこ遅れました
あとちょっと確認したら再開です
85 : ◆DaDaZF1cqw [saga]:2017/06/08(木) 02:28:14.70 ID:ebns5SJIo

――

明石「――と、いう訳です」セイザ

夕張「はい」セイザ

翔鶴「なるほど、話は分かりました」

明石「はい」

翔鶴「つまり"大本営"から支給された提督の"所有物"を」

明石「うっ」ショウハ

翔鶴「仕組みが知りたいからという私欲で"盗んで"」

明石「ヴッ」チュウハ

翔鶴「色々弄って調べ、更にヘンテコな研究をするために"偽造書類"を使って資源を多く入手しようとしたと」

明石「ぐはぁ」タイハ

夕張「あはは……は」

翔鶴「笑いごとでは無いですよ夕張さん」

夕張「……はい」

明石「誠に申し訳ございませんでした」ドゲザ

翔鶴「はぁ……じゃあ夕張さん、罪状は分かりますか?」

夕張「えっと、無断持ち出しと偽造書類提出?」

翔鶴「窃盗罪と文書偽造罪です、あまりふざけているとパラオの海に沈めますよ?」

夕張「ごめんなさい!(でもふざけては無いです、大真面目です)」ドゲザ

翔鶴「私これでも怒っているんですよ?」

明石「見ればわかります」

翔鶴「とにかく、十分営倉入りもあり得る問題ですが、最終的には提督の判断に任せます」

夕張「はぃ」

翔鶴「しばらく時間はありますから、昼食後に時間を作ってもらいましょう」

翔鶴「私は今から食堂に向かいます、くれぐれもどこかにいかないように」スタスタ

明石・夕張「……」

明石「じゃあ、ご飯食べよっか」

夕張「……最後の晩餐」
86 : ◆DaDaZF1cqw [saga]:2017/06/08(木) 02:29:11.73 ID:ebns5SJIo

――執務室

明石・夕張「誠に申し訳ございませんでした」ドゲザ

提督「えっなになにどういう事? え、翔鶴?」

翔鶴「つまるところ、件の犯人ですよ」

提督「明石と夕張が?」

明石「はい……私がやりました」

夕張「それに加担しました」

提督「……そうか、お前らがやったのか」

明石「うぅ、すみません」

夕張「強い興味が沸いてしまったんです、勿論悪い事は承知でした」

明石「すぐに戻して、バレなければ良いかなという気持ちが、あったので」

提督「はぁー」

明石・夕張「っ」ビク

提督「成程ね、まあそういう技術者魂っていうの? 知らない事を知ろうとする、そういうのは分かる」

提督「分かるんだが、まあ事が事なわけだ」

明石「はい」

提督「偽造書類もそうだが、そういうのは言ってくれれば譲歩はする、今日ここまでやってきたら分かるだろ?」

夕張「おっしゃる通りです」
87 : ◆DaDaZF1cqw [saga]:2017/06/08(木) 02:30:12.02 ID:ebns5SJIo

提督「とにかくこの件に関しては見逃すことはできない」

明石「はい、どんな罰も謹んでお受けします」

夕張「私もです」

提督「俺個人としては重い罰則等はさせたくないが、これってば信用問題に関わる事だ」

提督「これで軽い罰則で済まされたら、これぐらいならやってもいいんだ何て事にもなりかねない」

翔鶴「犯罪に対する抑止力を失う事にもなりますしね」

提督「というわけだから、丸一日営倉には入ってもらう、流石に今日の演習は止められないからその整備はしてもらうが」

明石「分かりました」

提督「明石と夕張がいない以上明日の出撃と演習は全面無しにする」

翔鶴「色々とやるべき事が増えますね」

提督「鎮守府としての主たる活動を全体的に止める、ということだ、その事の大きさは分かるよな?」

明石「分かります……すみませんでした」

提督「反省しろよ?」

明石・夕張「はい!」
88 : ◆DaDaZF1cqw [saga]:2017/06/08(木) 02:31:23.78 ID:ebns5SJIo

提督「さて、とにかく返してくれ……ここ毎日探し続けて割と疲れた、ほんとよかったよ」

明石「はい……ごめんなさい」スッ

提督「……確かに……ふぅ」

翔鶴「これで一段落つきましたね」

提督「ほんとだよ、いやまあ本当に一段落なんだけどさ」

翔鶴「そうですね、この次はついに本番ですか?」

提督「状況とか理由がなんにせよ練習はできたしな」

夕張「本番? ってまさか渡すの!?」

提督「な、なんだよっ……まさかって」

明石「提督って鈍感で優柔不断ですから渡す相手がいるとは思わなかったって夕張は思ってるんですよ」

夕張「それ明石さんも同感だったじゃない!」

提督「優柔不断を否定できる気はしないが、鈍感ってなんだよ、そもそも関係もないだろう」

明石・夕張(うわ、鈍感だ)

夕張「あ! 相手は!? 相手は誰なの?」グイグイ

提督「食いつくなぁ」

翔鶴「まあ鎮守府は女所帯ですからね、気になるのも仕方ないでしょう」

提督「そういうものなのか」

夕張「そうそう!」

提督「でもなぁ、お前ら口が軽そうでなぁ」

夕張「うっ……全面否定はできない、んだけども! 教えて! 協力するからぁ!」

提督「これから丸一日営倉に入るやつがよく言う」

明石「でもどうせ今日明日伝えられる程の根性ないですよね?」

提督「超失礼! 反省してんのかお前らは!!」
89 : ◆DaDaZF1cqw [saga]:2017/06/08(木) 02:32:07.44 ID:ebns5SJIo

提督「とにもかくにも、だ。 お前らには言いたくない」

夕張「まあ、予想はついてるんだけどね?」

提督「うっ……なんだよ、言ってみろよ」

明石「隠しきれてると思ってるんですかね、あのアプローチ」

翔鶴「さあ? 本人は隠しきれてると思っているようですが」

提督「おい」

夕張「あの秋月型の一番艦よねー? ねー?」

提督「おいおい」

明石「ねー」

提督「おいおいおい」

夕張「あーでもそっかぁ……秋月ちゃんねぇ?」

提督「……なんだ、言いたいことがあるなら言えよ」

明石「駆逐艦」

提督「仕方がないだろう! す、好きになってしまったんだから」

明石・夕張「ひゅーひゅー」

提督「……明石覚えてろよ」

明石「なんで私だけなんですかっ!?」

提督「俺とお前の仲じゃないか!」

明石「うわ絶望的に似てない!」

提督「減給」

明石「職権乱用はんたーい!!」

提督「もういいからお前ら整備に行ってこいや!」
90 : ◆DaDaZF1cqw [saga]:2017/06/08(木) 02:33:24.34 ID:ebns5SJIo

――

提督「はぁ」

翔鶴「お疲れですか」

提督「長い秘書艦だろう見てわからないか」

翔鶴「もっとお疲れの提督を知っていますから」フフ

提督「……そうか、だろうな……本当にアイツらは、女三人寄れば姦しいとかいうやつか?」

翔鶴「私も入ってます?」

提督「どう思う?」

翔鶴「提督が女所帯で肩身が狭いのも知ってますので、そういうことです」

提督「翔鶴は意地悪だな、ははっ、面倒くさいものだ」

翔鶴「提督の形式ばったお堅い言葉遣いも相当に、面倒だと思うのですが」

提督「はっ……」

翔鶴「めんどくさいモノなんですね、人間とは」

提督「その通りだね」

翔鶴「斯くも時が経とうと、人は形式を重んじる、規則を遵守する。 統一するため統治するため」

翔鶴「このたった一つの道具も然り、理由を統一するための形式に過ぎないのに」

提督「だが浪漫はあるじゃないか、そんな形式の一つにも意味を付けてやる、ほんのちょっとの反逆さ」

翔鶴「小さくないですか?」

提督「どうだろう、人は誰しもがロマンチストだと聞いた、たった一つの世界がその人の全てなんだ、どうだ広いだろう」

翔鶴「……視野の差、なのでしょうかね」
91 : ◆DaDaZF1cqw [saga]:2017/06/08(木) 02:34:52.02 ID:ebns5SJIo

提督「視野?」

翔鶴「どうするのですか? もう渡すのでしょうか」

提督「え? あ、いや、どうしようか……踏ん切りがつかないのは確かでな」

翔鶴「考え込むと足が竦みますよ? 勿体ぶると機会を逃しますよ?」

提督「随分と畳みかけてくる」

翔鶴「提督は秋月さんの事、本当に好きなのですか?」

提督「な、なんだ急に……当たり前だろう、正直この気持ちは初めて感じた物だ」

提督「今まで感じてきた恋が好意による興味だったなら、これこそが本当の恋なのだろうと俺は…………俺は何を言っているだっ、お前は何を聞いているんだ」

翔鶴「……やはり視野でしょうね」

提督「だから視野とは何なんだ」

翔鶴「例え話をします」

提督「例え話?」

翔鶴「私は貴方が好きです、お慕いしています」

提督「は、はぁっ!?」ガタ

翔鶴「私以外にも多くの艦娘が提督を慕っているでしょう」

提督「なにを」

翔鶴「ですが提督はどこまで行っても秋月さんを好きでいるでしょう」

提督「翔鶴?」

翔鶴「視野が、違うからです」

提督「なにが……?」
92 : ◆DaDaZF1cqw [saga]:2017/06/08(木) 02:37:05.36 ID:ebns5SJIo

翔鶴「提督は鎮守府の提督で、みな艦娘の女所帯にいて、そして多くの艦娘と絆を深めています」

翔鶴「人間は情の生き物で、きっと皆を好きになっていく」

翔鶴「ですが提督はその多くの艦娘の中から一人を選ぶでしょう」

翔鶴「ですが私たち艦娘は皆、提督を好きになるでしょう」

翔鶴「その選択しかないから、ここに一つしかないから、貴方一人しかいないから」

提督「……それが、視野か?」

翔鶴「提督は人として広い浪漫とやらを、そして広い世界を見ることができます」

翔鶴「しかし私たち艦娘が見るものはここしかない、広がる糸の集まる一点、そこに広がる海原」

提督「そんな言い方をするな」

翔鶴「その先の歪な深海」

提督「翔鶴」

翔鶴「それが私達の視野……どうされましたか?」

提督「この話はやめよう」

翔鶴「…………」

翔鶴「そうですね、例え話、ですものね」
93 : ◆DaDaZF1cqw [saga]:2017/06/08(木) 02:37:42.66 ID:ebns5SJIo

提督「…………」

翔鶴「…………」

提督「もうじき演習の時間になる、翔鶴はもう行ったほうが良いだろう」

翔鶴「そういえば頃合いですね、分かりました」

提督「演習だからと手を抜くなよ」

翔鶴「勿論です……ああ、それと」

提督「なんだ?」

翔鶴「瑞鶴が提督と秋月さんの後押しといってちょっかいを出そうとしています、今日は演習もあるので何もしないでしょう」

翔鶴「でも明日からは分かりませんよ?」

提督「そうか、アイツは何を」ヤレヤレ

翔鶴「吉報を期待しています」

提督「……善処する」

翔鶴「ふふ、では失礼します」ガチャ

パタン

提督「……」パカ

提督「決心はしていた、そのはずなんだがなぁ」
94 : ◆DaDaZF1cqw [saga]:2017/06/08(木) 02:42:19.96 ID:ebns5SJIo
今回はここまで

色々考えましたがキリの良い所がないで一気に書きます
なので次の更新は一日空くと思います、絶対空きます

ではまた
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/08(木) 03:09:42.44 ID:nTLINraV0
重婚しちゃえw
今は悪魔が微笑む時代なんだw
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/08(木) 09:21:30.24 ID:h0ihQB+FO
おつ
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/08(木) 10:48:15.53 ID:b7tqjkwpO
秋月ちゃん一筋が良いな
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/08(木) 10:55:20.76 ID:pH32+4g7O
翔鶴から秋月に秘書艦が変わったのに一悶着あった感じか?
99 : ◆DaDaZF1cqw [saga]:2017/06/10(土) 00:25:51.61 ID:B1htpwnCo
投下します
100 : ◆DaDaZF1cqw [saga]:2017/06/10(土) 00:26:40.05 ID:B1htpwnCo

――――

提督「奇しくも今日は秋月が来てから一周年の時でコイツも手元に戻ってきちまった訳だ」

提督「はぁぁ……なんだこれはぁぁ」ツップシ

提督(こうも綺麗に収まってしまうと運命とやらを再確認させられる)

提督「…………まあ、今日か」

提督(こうなっては独り言もすらすら出てくるなぁ、平静でない証拠か)

提督(よし落ち着こう)スーハー

提督「ああああああああああ落ち着けるかああぁぁ!!」ダン

ガタッ

提督「ん?」

秋月「あ、あのー……大丈夫ですか、司令?」トビラカラノゾキ

提督「秋月か……大丈夫だ、ちょっと大声を出したくなっただけだよ」

秋月「どうして執務室で……びっくりしましたよ、ノックしようと思ったら突然で」

提督「悪い悪い、それで?」

秋月「えっと、作戦結果のご報告を」

提督「あーそうだな、頼む」
101 : ◆DaDaZF1cqw [saga]:2017/06/10(土) 00:27:22.59 ID:B1htpwnCo

秋月「報告は以上です」

提督「分かった、まあ大きな問題も無くて何よりだ、お疲れ様」

秋月「はい」

提督「秋月は無傷か、ならこのまま秘書艦を頼めるか? 翔鶴はちょっと……まあ手が離せなくてな」

提督(とある二人から)

秋月「了解しました! 秋月、秘書艦任務に移行します!」

提督「作戦後で疲れているだろう、とりあえずはお茶でも飲んで休憩しよう」

秋月「では秋月がお茶を入れますね!」

提督「任せてくれてもいいんだぞ?」

秋月「秋月に任せてください! 秘書艦ですから」

提督「なら、頼むよ」

秋月「少々お待ちください」

提督(いつ……切り出すか)
102 : ◆DaDaZF1cqw [saga]:2017/06/10(土) 00:28:27.93 ID:B1htpwnCo

――――

提督「じゃあそれで加賀は中破した訳か」

秋月「はい、赤城さんを守る加賀さんはとてもかっこよかったです」

提督「今日は瑞鶴が演習で戦犯だったからと入渠施設の掃除係になったんだ、荒れるぞぉ」

秋月「それは瑞鶴さんもあまり強く言えないんじゃぁ」

提督「いや、それでも突っかかるのが瑞鶴だ、まあ元気なら良いんだよ」

秋月「一緒に入渠しているお二人が大変そうです」

提督「ま、陸奥と響なら大丈夫だろ」

秋月「照月は演習どうでしたか?」

提督「ああ、大活躍だったらしいぞ、対空射撃で相手の艦載機を殆ど落としたそうだ」

提督「俺は向こうの提督から嫌味を言われたがな、鼻で笑ってやったよ」

秋月「あはは……あのー、司令?」

提督「ん?」

秋月「気のせいなら、それで良いんですが」

提督「どうした?」

秋月「なんだか今日の司令は落ち着きが無いように、見えるんです……何かありましたか?」

提督「…………分かってしまうもんか、けっこう隠してたつもりなんだが」
103 : ◆DaDaZF1cqw [saga]:2017/06/10(土) 00:29:15.03 ID:B1htpwnCo

秋月「やっぱり何か」

提督「いや、無い、まだ無い」

秋月「え、まだ?」

提督「いや、何でもないさ」

提督(これからある、だなんて言ってしまえばやりにくいもんな)

秋月「何でもないって、そんな……何か隠してますよね」

提督「隠し事ならそりゃ沢山、そこまでフルオープンな人間にはなれない」

秋月「それは、そうですけど」

提督「いやな……隠してるよ、でも今じゃないっていうかさ、いや今でも良いんだけど、でもなんか」

秋月「え? えっと?」

提督「そうだ!」ガタ

秋月「!?」

提督「少し散歩でもしないか?」

秋月「あ……はい、はい?」
104 : ◆DaDaZF1cqw [saga]:2017/06/10(土) 00:31:09.42 ID:B1htpwnCo

――波止場

提督「夜の海を見るのも好きだなぁ」

秋月「この時期は肌寒いですけどね」

提督「まあ今日はそんなに風は無い、いい日和さ」

秋月「そう言えば、今日って私がこの鎮守府に来て」

提督「丁度一年だな」

秋月「そうでした……そうかぁ」

提督「感慨深いな」

秋月「司令、あそこに行きましょう!」

提督「おー、おう」

秋月「さあ!」

提督「まあゆっくり行こうじゃないか、今日は逃げたりはしないんだ」

秋月「でももう半日と無いんですよ!」

提督「それもそうか」
105 : ◆DaDaZF1cqw [saga]:2017/06/10(土) 00:32:31.79 ID:B1htpwnCo

秋月「司令と初めてお会いしたのはこの波止場でしたね」

提督「ああ、懐かしいな」

秋月「渾作戦が成功してすぐに配属されてこの波止場で……もう一年なんですね」

提督「色々あったものだ」

秋月「はい……随分と長いようで、でもあっという間の短さでもありました」

秋月「それは、きっと楽しかったからなのでしょう」

提督「楽しかったか、そう思ってくれてたのなら嬉しいな」

秋月「実りがあったと言いますか、充実していたと言いますか、秘書艦に任命されていたのも大きいと思います」

提督「おうそうだな、秘書艦にした意味もあったというものだ」

秋月「……そういえば、どうして着任してすぐの秋月を秘書艦に? それまではずっと翔鶴さんだとお聞きしましたが」

提督「あー、そうだな……まぁその話もしなくちゃな」

提督(まあ、今か)

秋月「?」

提督「なんだ、その、な……秋月が来たときな、大規模作戦の後処理や色々でかなり滅入っていてな」

提督「新しく着任する艦との顔合わせはちゃんとするよう翔鶴に言われたから波止場に行ったわけだ」

秋月「疲労の様子は顔に出ていました」

提督「なんだ知られていたか、隠せてると思ってたんだが」

秋月「隈まで隠せる人がいたら驚きです」

提督「まあ、そうだな」
106 : ◆DaDaZF1cqw [saga]:2017/06/10(土) 00:34:01.35 ID:B1htpwnCo

提督「とにかく、そこで秋月と初めて会ったわけだな」

秋月「この波止場の丁度この場所ですね」タッタッ

提督「俺は、その時の秋月の笑顔を見たときに……何というか、何も考えられなくなったんだ」

秋月「え?」

提督「歓迎の品……まあ今思うと何で手作り勲章なんだって話だが、俺が投げやりに言ったそれを駆逐艦娘達が本気にしてしまったわけで」

秋月「はい、最初は不思議でしたけど、でも嬉しくて……今でも宝物です」

提督「それなんだよな、その時の笑顔に俺は何も考えられなくなった」

提督「疲れすらも飛んで消えたかのような、得も言われぬ感覚だった」

提督「結局どうしてなのか、なんでなのかも分からずにいたが、鎮守府内で秋月を見かける度にその笑顔を目で追っていたな」

提督「あれは今思えば勝手な期待だったんだろうな、いつまでも暗い職務の日々を照らしてくれる光だとでも思っていたんだ」

提督「妄信的で勝手極まる我儘な暴挙だ、笑っておいてくれ」

秋月「……いえ」

提督「違うな、こんな自分語りはどうでもいいんだ」

提督「つまり秋月を秘書艦にしたのはそんな淡い期待に縋ってしまったってだけなんだ」

秋月「そういう事、だったのですね……秋月はその期待に応えられていたのでしょうか」

提督「どうだろうな、期待といっても俺だって自覚してなかったんだ……でも、楽しかった」

秋月「それなら良かったです!」

提督「……やっぱり、秋月の笑顔は良いな」

秋月「え?」
107 : ◆DaDaZF1cqw [saga]:2017/06/10(土) 00:34:44.26 ID:B1htpwnCo

提督「秋月」

秋月「はい、どうされましたか?」

提督「俺は秋月の笑顔が好きだよ」

秋月「っえと、あ、ありがとうございます! ……そう言われるのは照れますね」

提督「何に対しても一生懸命な所とか礼儀正しく規律を重んじる所も凄いよ」

秋月「あ、の、褒めすぎですっ司令!」

提督「美味しそうに食べている姿なんて本当に可愛い」

秋月「かわっ!!」

提督「そう思うのもきっと、最初の笑顔の時から惹かれていた結果なんだろうって」

秋月「司令っ……え?」

提督「つまりな、秋月」

秋月「は、はいっ」


提督「好きだ」
108 : ◆DaDaZF1cqw [saga]:2017/06/10(土) 00:35:58.38 ID:B1htpwnCo

秋月「あ、ぅ……えーっと」

提督「秋月の笑顔も好きだし、今はもう秋月の全てが好きになってしまった」

秋月「っもう言わなくていいです!! 分かりましたからぁっ! あの、その……心の整理を……少し」

提督「そうか?」

秋月「なんで司令はそんな余裕そうなんですかぁ……こっちはこんなにドキドキしているのにぃ」

提督「そんな余裕そうに見えるか?緊張で心臓がどっかに遊びに行ったような感覚なんだ、俺も」

秋月「どんな状態ですか、それ……ふぅ、でもそれで大分落ち着きました」

秋月「えっと、それで返事……ですよね」

提督「そうだな、貰えると、嬉しい」

秋月「わ、分かりました……えーと」

秋月「……司令は、そもそも深く考え過ぎなんです、回りくどい言い方で言葉は濁して、そのくせ気持ちには何とか理由を付けようとして」

秋月「正直言ってることは面倒臭い感じでした」

提督「えっ」

秋月「す、好きになるのに明確な理由なんていらないんですっ! 一目惚れでも気付いたらでも……です」

秋月「秋月も、よく分かりませんでした……司令に対して好意を持っているのは、分かっていたんです」

秋月「でもそれが親愛なのか恋愛、なのか」

秋月「でも司令から、好きと言ってもらえて、そしたら胸が熱くなってドキドキして……嬉しかったんです、今まで以上に一番、だがら分かりました」

秋月「秋月も、 司令の事がずっと好きだったみたいです」

提督「…………」

秋月「好きです、秋月も司令の事が、好きです」
109 : ◆DaDaZF1cqw [saga]:2017/06/10(土) 00:36:41.65 ID:B1htpwnCo

提督「…………」

秋月「……司令?」

提督「ぇ、あ……あー、何だこれ、嬉しいな……だめだ、凄く嬉しい」

秋月「ふふ、なんですかそれ」

提督「それは、良いって事なんだよな? イエスなんだよな?」

秋月「それ以外に聞こえたんですか? 恥ずかしいんですよ、凄く」

提督「よかったぁ……ここまで来るのにすげぇ悩んだんだ、遠回りしまくってたんだよ」

秋月「確かに、そのようでしたね」

提督「ん? 分かるのか?」

秋月「ここ暫く何かを渡して頂いたの、そういうことなんです……よね?」

提督「あぁ……まあ練習的なやつね、そういう奴、つっても本当はそんな事せずに渡すつもりだったんだ」

提督「……何処かの馬鹿二人が馬鹿しなければ」

秋月「二人?」

提督「秋月」

秋月「はい」

提督「もうちょっとこっちに」

秋月「はい……?」
110 : ◆DaDaZF1cqw [saga]:2017/06/10(土) 00:39:08.88 ID:B1htpwnCo

提督「えっと、いいか?」

秋月「あっ! は、はい……そうですよねっ! そう、なりますよね」

秋月「ちょっと待ってください、心の準備を……あの」

秋月「ふぅ…………はい、大丈夫、です」

提督「秋月、好きだ」

秋月「んっ……っ」

提督「………………ど、どうなのだろうか」

秋月「言ってするのは、ズルイです」

提督「仕方がないだろ、セオリーが分からないんだ」

秋月「そうですけど」

提督「どうだろうか、上手く出来ていただろうか」

秋月「あっ秋月に聞かないでください……分からないですよ」

提督「そうだよなっ、分からないよな! とりあえず」ギュッ

秋月「と、とととりあえずって、なんで抱き着くのですか!?」

提督「いや、順番的に……こうじゃないかと」

秋月「不器用過ぎですよ、順番的ならそもそも逆だと思いますし……まぁ」

秋月「嬉しいです、暖かくて司令を感じられて」ギュッ

提督(なんかやらしいフレーズ)

秋月「でもでも! する時は事前に言ってください! 驚いたんですよ!」

提督「なんだそれは」ハナレ

秋月「うぅ」
111 : ◆DaDaZF1cqw [saga]:2017/06/10(土) 00:40:21.33 ID:B1htpwnCo

提督「なんと言うか、まだ距離感の掴めない感じだけど、一緒に往こう」

秋月「……なんですか、それ」

提督「意趣返しか? まあそういうことだよ」

秋月「説明になってません……なってませんが、分かりました」

提督「流石秘書艦と言った所か」

秋月「言葉足らず口足らずなのは直した方が良いと思いますけどね」

提督「手痛いなぁ、善処するよ」

秋月「一緒に往きましょう、この戦いの先も、その先も」

提督「……あぁ、絶対に」

提督「もう、こんな時間か」

秋月「そういえば、月が出ていますね」

提督「ああそうだな……凄いな」

秋月「凄い?」

提督「やっぱり運命って言うものはちゃんと形作ってそこにあるらしい」

秋月「どういう意味でしょうか」

提督「水面に照る秋の三日月だぞ」

秋月「はい……えっと三日月ですよね? 運命……ですか?」
112 : ◆DaDaZF1cqw [saga]:2017/06/10(土) 00:41:35.90 ID:B1htpwnCo

提督「運命は誰にも分からないが、俺が思うに全て決まっているように感じるんだ」

提督「今は秋月だろ?」

秋月「そうですね、秋の月です……何だか自分の事のようで恥ずかしいですが」

提督「今日は天気も良い、空気が良いのか月も良く輝いて見える」

秋月「はい」

提督「ああいう月を照り輝く月、照月という」

秋月「なるほど、秋月型の名前に準えて……しかし三日月である意味は」

提督「詳しい事を多くは知らないが、三日月とは初月とも言うらしい」

秋月「ちょっと押し付けがましくはありませんか?」

提督「そうだろうか」

秋月「でも……何だか綺麗です」

提督「どうやら応援してくれていたらしい照月や初月に見守られているようで良いもんじゃないか」

秋月「初月はまだ居ませんけどね」

提督「大本営で話には上がってるようだが、まだ分からないところだ」

秋月「そのためには艦隊をもっと強くしないといけません」

提督「そうだな、俺が頑張らないと行けないところだな……迷惑をかける、事になりそうだ」

秋月「長く秘書艦やって来たんですよ、これからも変わりません」

提督「いや……今までは翔鶴を秘書艦にする事もあったけど、これからはそう言うのはどうなんだ、と……ケッコン、した訳だし」

秋月「…………嫉妬して欲しいですか?」

提督「え、えぇ?」
113 : ◆DaDaZF1cqw [saga]:2017/06/10(土) 00:42:45.97 ID:B1htpwnCo

秋月「えっと、ずっと自分の事を見ていてほしいとか、独り占めしたいとか……そういう人間らしい事ってまだ良く分からないです」

秋月「絶対思わない、なんて言えないんですけど……秋月は翔鶴さんや瑞鶴さんが好きですし、照月の事は大切で」

秋月「鎮守府のみんなの事が、大事で護りたくて……みんなの事を差し置いて秋月が一番に、なんて事も正直嫌なんです」

秋月「上手くまとめられないんですが、司令にはみんなと仲良くあって欲しくて、秋月はみんなに司令の事をもっと知って欲しいんです! つまりそういうことです、はい!!」

提督「存外に秋月も深く考え過ぎるよな」

秋月「す、すみません……そういう考えは、司令は嫌でしょうか」

提督「いや、凄く秋月らしくてさ、なんか嬉しいし良かったって思う」

秋月「良かった、ですか?」

提督「似たような考えだったからな、どうやら似たもの同士らしいな」

秋月「似たもの同士……何だか嬉しいです」

提督「知ってるか? 似たもの同士って長続きしないらしいぞ」

秋月「司令のそういう面倒臭い所、何だか慣れてしまいました」

提督「そうだったか」

秋月「あっ、翔鶴さんの件ですが、秘書艦は今までと同じで良いです、そもそも秋月がずっとという訳にもいきませんし」

提督「あぁ出撃もあるからな、それもそうか」

秋月「司令と翔鶴さんはかなり長い付き合いなんですよね?」

提督「そうだな、まあそうなるか、この鎮守府始動のすぐからだもんな」

秋月「なので、秋月の事は気にせず、これからも変わらずにいて下さい……秋月の所為でお二人の接し方が変わってしまうの、嫌です」

提督「ありがとう、そう言ってくれて……俺はやっぱり秋月が大好きだ」

秋月「秋月もです、負けないくらい好きになってます」
114 : ◆DaDaZF1cqw [saga]:2017/06/10(土) 00:43:16.92 ID:B1htpwnCo

提督「…………」

秋月「…………えっと」

提督「冷えてきたな」

秋月「そうですね、もう戻りましょうか、照月も心配している事でしょうし」

提督「瑞鶴もうるさそうだ、翔鶴に任せるとしても、あまり長居しては風邪を引いてしまう」

秋月「ふふ、これから大変そうですね」

提督「他人事みたいに言うな、秋月もその中に居るんだぞ」

秋月「分かってます、さあ戻りましょう、夕食の時間も近いですからね」

提督「……そうだな」

秋月「今日の夕食は何にしましょう、良いことありましたし豪勢にいっても良いでしょうか」テクテク
115 : ◆DaDaZF1cqw [saga]:2017/06/10(土) 00:43:48.70 ID:B1htpwnCo

提督「あー、秋月」

秋月「はい、司令?」

提督「なんというか、色々あって振り回されて、色々絡まって空回って、遠回りも経て順番も可笑しい訳だけどさ」

提督「…………」

秋月「……いつもの、ですか?」

提督「いいや、最初のだ」

秋月「そういえばそうでした」

提督「平じゃないぞ?」

秋月「分かってます!」

提督「ははは」

秋月「ふふ」
116 : ◆DaDaZF1cqw [saga]:2017/06/10(土) 00:44:21.03 ID:B1htpwnCo



提督「秋月、手を出してくれ」



            おわり。
117 : ◆DaDaZF1cqw [saga]:2017/06/10(土) 00:46:50.23 ID:B1htpwnCo
完結です

まとめようと意気込んでいたら最後早足でしたね
もっと文章考えるが上手くなりたいと思いました
118 : ◆DaDaZF1cqw [saga]:2017/06/10(土) 01:27:13.16 ID:B1htpwnCo
過去話とかほぼ全部カットしたのを少しと
矛盾や蛇足でボツにした部分をいくつか投下しようかと思いましたが
それこそ蛇足になりそうなので止めときます

ではもう少ししたら依頼出しておきます
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/10(土) 01:29:28.01 ID:cbefXxdA0
翔鶴放置かーい な点が気になるぐらいでまぁ後はいいんでない?
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/10(土) 01:33:36.62 ID:kN+2a9vd0
おつおつ、面白かった。初ssでこのクオリティはナイスですわ。
121 : ◆DaDaZF1cqw [saga]:2017/06/10(土) 02:28:21.58 ID:B1htpwnCo
>>119
ありがとうございます
書いてる段階では>>93の時に翔鶴の話は完結していました
その後ちょっとした翔鶴との話はあったんですけど秋月のSSなのでカットしましたし
ハーレム系を好まないのでその勢いで翔鶴は完全な話を盛る為の役割になってましたね
次はもっと登場人物を大事に扱うよう気を付けます

>>120
ありがとうございます
色々なSSのプロットを書いたり実際に本文書いたりして全部ポイしてきたので初SSと言っていいのかすら謎です
個人的にはもっとクオリティ上げられたかなぁ(特に最後)と思ったので、次の作品はもっと練り上げたいです


何かすごい長文……寝るので依頼出しますが、次は艦これの短編集のようなものを考えているので
ポイしなければこの酉でまたどこかで
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/10(土) 07:21:40.25 ID:A6TeT83uo
おつ
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/10(土) 13:55:09.00 ID:bfpXa5a0O
乙です
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