海未「小料理屋の園田海未です」

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221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/05(火) 01:46:45.52 ID:UEBgE5ON0
「ぐおお…………!!」
「こ、古鉄のかしらぁ……あいつら俺らの手に負えません……!!」

古鉄と呼ばれたヤクザは全身をわなわなと震わせながら

古鉄「な、何だお前ら!!たった9人に倒れやがって!!」

にこ「アンタ達が弱いんでしょ!さっさと帰りなさい!」

絵里「そうね、これ以上はナンセンスよ?」

海未「それとも……地獄を見たいですか?」ニコッ

『ひいっ!!』

海未の鬼を思わせる笑顔に下っ端達は怯え、古鉄も身体を更に震わせながら叫ぶ

古鉄「て、てめえら覚えてろ!!行くぞ野郎共!!」

「あ、待って下さいかしら!」
「痛え……まさかガキにやられるとは」
「散々だ……何時間もコンテナに居たのに」

地面で呻く下っ端を放って古鉄は逃げ帰る、それに身体を引き摺りながら下っ端達も倉庫を出た
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/05(火) 02:01:35.52 ID:UEBgE5ON0
海未「まったく……少々睨んだだけでしょう」

にこ「いや〜、アンタに睨まれたら誰でもそうなるわ」

ほののぞりん『うんうん』

絵里「まあ何とか2人も助かったし、帰りましょう?」

花陽「そうだね、花陽お腹空いちゃいました……///」クウー

海未「もうお昼ですからね、帰って食事にしましょう」

真姫「ヘリの準備ならバッチリよ」

にこ「は、あんたらヘリで来たの?」

ことり「うん♡すっごい大きいんだよー♡」

希「へえー、楽しみやなあ♡」

〜小料理屋〜

にこ「揺れが凄かったわ……」

絵里「大丈夫?」サスサス

真姫「はい、酔い止めよ」

にこ「ありがと……」ゴクッ

希「いや〜楽しかったなあ」ツヤツヤ

凛「やっぱり慣れないにゃ〜……」

海未「約数名がフラフラしてますがお昼にしますよ」トントン

花陽「わーい♪」

穂乃果「穂乃果は大盛りにしてね!」

ことり「海未ちゃん何作るの?」

海未「ホイコーローですよ」ジュージュー

花陽「わあー!ご飯に合うんだよねー♪」
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/05(火) 02:44:15.40 ID:UEBgE5ON0
キャベツ・豚肉・ピーマンを食べやすく切って醤油ベースのタレを絡め炒める
ことりがニンニクを嫌うので香り付けに生姜とごま油を使い完成

海未「出来ましたよ皆さん!」

食欲をそそる香りが店内に広がり皆の胃袋は一斉に食事を求める
特に希とにこは昨夜からの疲れもあり

にこ「頂きまーす!」シュバッ
希「あっにこっちずるい!」パシッ

それに続き6人も動いた

穂乃果「頂きまーす……美味しいなー!」パクパク

花陽「うーん……ご飯が進みます♪」モグモグ

ことり「あっ、海未ちゃんニンニク抜いてくれた?」

海未「勿論ですよ」

ことり「ありがとう海未ちゃん♡」パクッ

絵里「ハラショー……海未の手料理は最高ね♪」モグモグ

真姫「ちょっと濃い味付けね、でも美味しいわ」モグモグ

凛「海未ちゃんご飯お代わりー!」バッ

にこ「あっにこも頼むわ」サッ

海未「はいはい、少々お待ち下さい」スッ

各々海未の手料理に舌鼓を打ちながら雑談を交えた楽しい昼を過ごした
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/05(火) 03:37:11.37 ID:UEBgE5ON0
ここはある事務所
古鉄の目の前に居る強面の男は古鉄の上司に当たる人物らしかった
男はワインを注ぎ、一口だけ飲み静かにグラスを置いて古鉄を睨んだ

「…………」

古鉄「あ……その」

「なんじゃ?さっさと用件を話さんか」

古鉄「は、はい実は――――――」





「……で、ノコノコと帰ってきおったのか」

古鉄「いえ……ですがあの2人はやっぱり園田組と繋がりがありまして……」

「そんな事聞いとるんじゃないんじゃ!!」ドン!

古鉄「っ!!」ビクッ

強面の男が机を叩くと古鉄という者は身体を強張らせた

「わしが聞きたいのはお前ら何人やられた?そして何人やった?それだけじゃ」

古鉄「で、ですから101人やられて1人もやれず……」

「何じゃ?それでおめおめと引き返した言うんか?」

古鉄「そ……それは」

「もうええわ……ワレの始末は後で付けるけえの」

古鉄「な、もう一度チャンスを!!」

「黙れ馬鹿タレ」

「この鉄くず処刑箱へ連れて行かんか……はよせえ!!」ドン

頭に血が上っているのか男は銃をぶっ放す
そんな彼に後ろの連中は急いで古鉄をある場所に連行した

古鉄「ま、待って下さいおやっさん!!今一度、今一度チャンスを下さ…いやだああああああああああ!」

古鉄「処刑箱だけは処刑箱だけはあああああああ!!!!!」

「やっぱり園田組には適わん様やったのお……まあ良い頃合を見てやるけえの」

「待っとれよ園田海未、ワレの命頂くけえの!!」
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/05(火) 03:57:14.96 ID:UEBgE5ON0
小料理屋

海未「何でしょう、なにやら寒気がします……」

にこ「そう?まあ最近寒いからそのせいじゃない」

絵里「確かに寒いわね……まあロシアに比べたら暖かいぐらいだけど」

凛「ロシアってそんなに寒いの?」

花陽「多分カイロいっぱい必要なんじゃないかなあ?」

絵里「うふふ♡可愛い考え方ね」ナデナデ

花陽「ふわあ……///」

にこ「あんまりにこの舎弟口説くんじゃないわよー?」

希「んー?嫉妬してるん?」ニヤニヤ

海未「舎弟……もしかしてにこって」

にこ「いや、そういう意味で使ってないわよ?」

絵里「にこの事だから分かってなかったんでしょ」

凛「多分カッコ付けたかっただけにゃー」

にこ「ぬわんですってぇ〜!」グリグリ

凛「痛いにゃー!」

希「ふふっ、仲良しさんやな♡」

その時、店のドアが乱暴に開けられた
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/05(火) 04:27:18.72 ID:UEBgE5ON0
「久し振りじゃの、園田組若頭の店は」バン

海未「……貴方は!」バッ

「ほーう、5人も先客が居るとは失敬したのお」

にこ「はあ?アンタ誰よ?」

「何、昼間はウチの若いのが粗相をしたようで済まんかったわ」

希「っ!貴方まさか……!」

「そうじゃワシもその世界に居るもんじゃ」

凛「や、ヤクザの人!?」

「ヤクザ?極道と言うてくれんか……なあ?」

花陽「ひっ!……誰か助けて……」

「……くく、お前さんからは気迫を感じるのお?」

絵里「あまり騒がしくしないでくれるかしら……極道のおじさん?」

「かっかっか……!度胸のある若人じゃあ……!」

海未「……何か用ですか?」

「いやいや、ワシの名は新銅と言うんじゃがな」

凛「しんどう?」

新銅「そうじゃ、今日は若頭さんに挨拶に来ただけでの」

新銅「特に何かするわけじゃないんでえ」

海未「……なら早急にお帰り下さい」

海未「さもないと……」

新銅「分かっておる分かっておるよ海未さん」

新銅「邪魔したの、お若いの」

口調こそ穏やかだが確実にさっきを込めた目で新銅は

新銅「あんまりウチのもんに手出さんといてやあ」

新銅「お前さんらの血で事務所が汚れるからのお」

そう告げて店を出て帰っていった
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/06(水) 01:13:56.63 ID:sJbBEpt10
海未「……帰った様ですね」

絵里「海未、あの人誰なの?」

海未「清水組若頭の新銅ですよ」

希「えっ、清水組ってあの清水組?」

海未「そうですが……何か知ってるのですか?」

希「いやー、ウチが前々から生業にしてた物の怪の関係者が清水組に関わりがあるって言ってたんよ」

にこ「マジで!?」

凛「物の怪って前ににこちゃんが倒してたって言ってたやつだよね」

にこ「そうそう、物の怪って言っても幽霊とかの類だって希が言ってたけど」

希「それなんよ」

希「本来なら人型の筈だからあんな化物みたいなのはおかしいと思ってたんよね」

花陽「花陽の田んぼを襲ってたやつかな?」

希「そうそれよ、あの時は内心吃驚したけど冷静に考えたらなーってね」
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/06(水) 01:22:20.98 ID:sJbBEpt10
凛「でもそんな不思議そうなの良くにこちゃんが倒せたよね」

にこ「物の怪に関しては私も希に協力してるのよ」

海未「何故です?」

にこ「さっき私が言った幽霊の類が関係してるって事よ」

花陽「え、どういう事なの?」

にこ「んー、まああんまり気持ちの良い話じゃないわよ?」

絵里「あ、そうそう海未達はあんまり聞かない方が良いわ」

凛「んー?何で?」

海未「凛、余り詮索は止しておきましょう」

にこ「ごめんね凛……」

そう言いながらにこは顔を伏せる
普段の彼女からは思いも寄らない憂いた表情に凛の直感は喉まで出かかった言葉を飲みこませ

凛「分かったよ、聞かないから安心してにこちゃん」

にこ「ええ、何かごめんなさいね」

一瞬気まずい空気が流れるが希の言葉がそれを破った


229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/06(水) 01:31:55.27 ID:sJbBEpt10
希「ごめん話続けて良い?」

にこ「良いわよ、悪いわね希」

希「気にしないでにこっち」

希「それで清水組の事なんだけどね」

海未「そうです、それと物の怪と何が関係するのです?」

希「どうもウチが今まで仕事の依頼を受けてきた場所がある一箇所から集中してる様な気がするんよ」

凛「どういう事?」

希「例えばどこかの地域に居る物の怪をウチに退治してくれって言う依頼が出てきたとするでしょ?」

花陽「うんうん」

希「そして次は違う地域の物の怪っていう依頼も前のと全く同じ場所から来てる様な気がしてなあ」

にこ「要するに仕事の依頼主が今まで同じ住所から来てるって事なのよ」

海未「それは怪しい話ですね……!」

凛「もしかしてそれが清水組と何か関係あるって事なのかな?」

希「そうそう!凛ちゃん賢いやーん!」ナデナデ

凛「ふにゃあ〜♡」
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/06(水) 02:15:32.57 ID:sJbBEpt10
花陽「でもそうだとしたら清水組がもう一個分ぐらいあるって事になるかも……」

希「その可能性は捨てきれないんよね」

海未「確かにそこまで大掛かりな事が出来るなら規模の大きい組織しかなさそうですね」

にこ「その場合になったら確実に清水組と希の言うやつらが結託する可能性も考えられるのよ」

凛「そうなったらまずいにゃ……」

絵里「皆の言う通りよ、清水組というのに既に私達はマークされてるもの」

海未「とにかく今は清水組に対する対策を練る必要がありますよ」

にこ「……というか海未は過去にあいつらと闘った事あるでしょ?」

凛「あー!そういえば1人だけ知ってる感じだったよね!」

海未「実を言うとそうなんです……あの新銅という者と一戦交えた事が」

絵里「やっぱりね、詳しく教えて貰える?」

海未「それは山々なのですが今晩も遅いですからまた9人集まってからにしませんか?」

凛「賛成ー!」

花陽「いっぱい居た方が心強いもんね」

にこ「よーし、あんたら帰るわよー」スクッ

りんぱな『はーい』スタスタ

希「じゃあウチもー♡」

にこ「くっつくなー!!」

絵里「私も護衛させてもらうわ♡」

凛「凛もー!」モギュ

花陽「は、花陽も///」ギュー

にこ「うがー!!アンタら重いわー!!」ギャーギャー


海未「さてと……おや、にこー!リボン忘れてますよー!」タタタ
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/12(火) 02:53:59.98 ID:JV1e4mB50
海未「ふう……まったく慌しい人達です」カララ

プルル

海未「おや、お父様からですね」カチャ

海未「もしもし」

『海未、そちらの様子はどうだ?』

海未「はい、絵里の事なら心配ありません」

海未「堅気として生活しておられる様ですよ」

『そうか…しかしもしもの事があるならその時は……』

海未「……分かっております」

海未「それとお父様、こちらからも質問があるのですが」

『何だ?』

海未「清水組の事なのですが……」


232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/12(火) 03:00:16.26 ID:JV1e4mB50
帰り道

にこ「まったく……重過ぎるのよアンタら!」プンプン

『ごめんなさい』

絵里「でも暖かかったでしょ?」

にこ「ええ?まあ確かに……」

希「じゃーあ……ウチがもっと暖めてあげる!」モギュ

凛「あー!凛もー!」モギュ

にこ「やめろー!同じ流れになるわ!」


希「(−ω−)」

凛「(ーωー)」

絵里「凄い顔」

にこ「ごねてもダメよ」

のぞりん『ごめんなさい』

にこ「よろしい」

花陽「にこちゃんお姉ちゃんみたいだね♡」

にこ「まったくよ、うちには3人兄弟が居るってのに」
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/12(火) 03:26:31.86 ID:JV1e4mB50
凛「こころちゃんとーここあちゃんとー」

希「虎太郎君だよね?」

絵里「そういえば久しく顔を見せてないわね」

にこ「予定が開いたらいつでも会いにくれば良いわよ」

花陽「でもにこちゃんのお母さんとかに気遣わせちゃうかな……?」

にこ「大丈夫よ、アンタらならマ……お母さんも大歓迎だし」

希「じゃあ今度顔を見せに行くわ♪」

にこ「お母さんには伝えておくわね」

にこ「それより……にこは亜里沙ちゃんの事が気になるわね」

絵里「あら、最近会ってなかったかしら?」

希「ウチもしばらくよー、凛ちゃん達は知らないよね?」

花陽「うん、絵里ちゃんの妹さん?」

絵里「正解よ♪私の3つ下なの」

凛「凛の後輩だにゃ」

にこ「凛と花陽ならすぐに打ち解けると思うわ」

絵里「そうね、どうせならことり達にも伝えておきましょう」

こうして絵里の妹、亜里沙と8人は会う事になった
234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/12(火) 03:37:30.22 ID:JV1e4mB50
絢瀬家


絵里「亜里沙、分かってるわね?」

亜里沙「うん、お姉ちゃんの友達が来るんだよね」

絵里「ハラショー、良く覚えてるわ♡」ナデナデ

亜里沙「もう、子供扱いしないでよ!」

絵里「そう言いながら振り払わないのね」

亜里沙「まあ……お姉ちゃんに撫でられると落ち着くし……///」

絵里「ふふっ♡可愛い妹だわ♪」

ピンポーン

亜里沙「あっ!私が出迎えるね!」タタタ


絵里「亜里沙……まだお姉ちゃん離れは出来なさそうね」クスッ


コンニチハー!
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/12(火) 04:05:13.55 ID:JV1e4mB50
穂乃果「いやー!やっぱり絵里ちゃんの家は立派だねー!」

海未「穂乃果、人の家ですよ」

絵里「自分の家の様に寛いでくれて良いわよ♡」

凛「亜里沙ちゃん初めましてー!」

ことり「やあーん♡やっぱり可愛いー♡」ナデナデ

亜里沙「わわっ、皆さん初めまして!」ペコッ

海未「初めまして、なるほど絵里に似て美人さんですね」ニコッ

亜里沙「な……ななな……ありがとうございます//」プシュー

絵里「あら…海未ったら誑しさんね♪」

にこ「絵里、ここに荷物置いて良い?」

絵里「あ、良いわよ」


凛「ええー!亜里沙ちゃんモデルやってるのー!?」

花陽「ほんとだ……ネットニュースでも美人モデルとして名が出てる!」

亜里沙「はい!お姉ちゃんも警察官で頑張っていますから」

希「成る程なあ、それでモデルを頑張ろうって思ったんやな♪」

真姫「私は一人っ子だから良く分からないけど……亜里沙ちゃんは偉いわね」ニコ

絵里「にこの現場と近いのよね」

にこ「そうそう、たまに亜里沙ちゃんとは会うわ」

亜里沙「この前もご飯行きましたよね」

希「何それーにこっち羨ましいなー」

凛「凛にもラーメン奢るにゃー!」

にこ「何でやねん」ピシッ


絵里「そろそろお昼にしましょう」

海未「私が作りますよ」

亜里沙「あっ、私も手伝います!」
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/14(木) 02:36:19.78 ID:TbgyJVpT0
穂乃果「いやー、海未ちゃんの料理はやっぱり美味しいねー!」

亜里沙「とってもハラショーでした♪」

海未「有難う御座います、亜里沙」




絵里「…あ、そういえば夜に皆で寝るのに布団が足りないわね」

にこ「えー?何とか出来ない訳?」

希「ウチはソファーでも良いよ♪」フカフカ

ことり「確かにこのソファー柔らかいから寝られそうだね♪」フカフカ

絵里「それはお客様に悪いわ……花陽、この辺に何か旅館的なの無い?」

花陽「うーん……あっ!ここから3kmぐらいの所に大部屋ありの所がありますよ!」ピッピッ

真姫「お金は足りるの?」

絵里「大丈夫よ、それなりに貯金はあるから」

花陽「料金は1人5000円ぐらいだって!」

にこ「へえー、中々安いじゃない!」

凛「おおー!旅館でお泊りだにゃー!」

穂乃果「よーし!折角だから雪穂も連れて行こー!」ピッピッ



雪穂『えー!?今から旅館!?』

穂乃果「そうそう!行くよー!」

雪穂『ちょ、ちょっと待ってて姉ちゃん!』

穂乃果「早く来てねー!」
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/14(木) 02:43:22.57 ID:TbgyJVpT0
清水旅館


雪穂「お、お姉ちゃーん!!」タッタッタ

穂乃果「あー!雪穂遅いぞー!」

にこ「急に呼ばれたらそうなるでしょ」ハァ

絵里「ふふっ、慌しい姉妹ね♪」

凛「早くお部屋に行くにゃー!」ドタドタ

花陽「あっ凛ちゃん待ってー!」タタタ

真姫「ちょっ、私を置いてかないでよ!」タタタ

希「チェックインは済ませたよね?」

ことり「うんっ♪海未ちゃん達も早くいこ♡」タタタ

ワイワイ








?「園田組の連中が入りました……はい、すぐに手配します」スッ

?「てめえら行くぞ!!」

?『はっ!』




238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/14(木) 02:53:59.13 ID:TbgyJVpT0
凛「広いにゃー!」

亜里沙「す、凄い……竹から水が出てる……!」キラキラ

真姫「ふうん、急に決めたにしては結構良い部屋ね」クルクル

絵里「はい、雪穂ちゃんお茶よ」

雪穂「あ、ありがとうございます絵里さん」

ことり「やーん、この座布団フカフカー♡」

希「ほんまや……えりちのソファーと5:5ぐらいやんな」フカフカ

にこ「何それ……あっ、このせんべい美味しいわね」サクサク

花陽「ここの旅館のご飯も美味しそうだったよお♪」

穂乃果「うわー!楽しみだなー!」


中居「お食事の用意が出来ましたよ」

絵里「あらありがとう、じゃあ皆行きましょ」
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/14(木) 03:01:25.55 ID:TbgyJVpT0
中居に案内され、11人は宴会場に向かう

皆が賑やかに騒ぐ中凛は疑問を抱いていた

凛(あれ、でもご飯早くないかな?)

凛「希ちゃーん」

希「どうしたん、そんなに声潜めて」

凛「いやー、実はあの中居さん怪しくないかなーって」

希「そう?でも確かに時間早いなあ」

宴会場へは7時を予定していたのだが

凛「今5時だよね」

希「何か予定変更でもあったんやないの?」

凛「うーん……」

勘の鋭い凛は先頭を歩く中居に嫌な予感を感じ取っていた
そしてその予感は最悪な方向へと当たっていく

中居「こちらでございます」

中居「さて、皆さん」

中居「せいぜい楽しんでください……よ!」ニヤッ

中居の不穏な空気と共に会場の扉が開けられた

そこには……
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/14(木) 03:23:14.68 ID:TbgyJVpT0
「おうおう!やっぱりてめえらだったか!!」

海未「貴方は……古鉄!」

宴会場の中央には古鉄が居座っており、下っ端達がその周りを取り囲む
まるで海未達を迎えるごとくドアから一直線に道を開けていた

古鉄「へっへっへ、この宴会場に誘き寄せる作戦は成功だったな!」

にこ「な、何でアンタがここにいるのよ!」

古鉄「お前らここの旅館の名前知らねーのか?」

花陽「旅館の名前……清水旅館?」

絵里「清水って、まさか!」

古鉄「正解、ここは清水組が管理している旅館だ」

古鉄「まさかヤクザが管理している旅館に入ってくるとは思わなかったが……まあ功名って所だな!」

ただのお泊りで来ていた海未達は当然武器など持っていなかった
しかし海未は気を奮い立たせ、皆を鼓舞する

海未「……武器を所持していないからとはいえ貴方達に負ける気はしません、そうですよね!」

にこ「フン、またこの前みたいにブッ飛ばせば良い話でしょ?」

にこ「にこ達を敵に回した事を後悔しなさいよ!」ビシッ

穂乃果「そうだよっ、早くここから出ていってよ!」

希「そうやなあ……この前より数も少ないし、いけるやん♪」

絵里「さっさとこの人達片付けて楽しい夜にしましょう?」

海未「さあ、かかってきなさい古鉄!!」
241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/14(木) 03:26:15.10 ID:TbgyJVpT0
古鉄(な、何なんだコイツら……まるで怯まないとは)

古鉄「だがな、ここはオレ達のフィールドなんだよ!行くぞお前ら!!」

『おう!!』
242 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/14(木) 03:45:46.83 ID:TbgyJVpT0
海未(…援軍でも居るのでしょうか?)

海未「ですが今は戦いに集中しましょう!」グッ

「死ね!」

海未「おっと」バキッ

「ぐわ!」ドサッ


雪穂「ど、どうしよう亜里沙!」

亜里沙「は、始めてヤクザ見た……私も分かんないよ雪穂!」

「くらえ!」ブン

ことり「雪穂ちゃん、亜里沙ちゃん危ないよ!」

雪穂「あっ」

亜里沙「ひっ!」


穂乃果「とうっ!」バキッ

「どわっ!」

雪穂「お姉ちゃん!」

穂乃果「危ないから奥に行ってて!」

亜里沙「雪穂、ことりさん、ここに隠れて!」

ことり「あ、ありがとう穂乃果ちゃん!」タタタ
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/14(木) 03:57:29.18 ID:TbgyJVpT0
真姫「離れないでよ?」

凛「分かってるにゃー」

花陽「あ、来たよ!」

『うおお!!』

3人は出来るだけ身を寄せ合い、八方から来るヤクザ達を誘き寄せ

真姫「ふんっ!」
凛「やああー!」
花陽「えいっ!」

『ぎゃあああー!!』ドカカ

息の合った連携で下っ端を倒していき、気が付けば半数を倒していた

凛「やったにゃー!」
真姫「まあ、私のおかげね」
花陽「うんうん、作戦成功だね♪」
244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/14(木) 04:08:02.54 ID:TbgyJVpT0
にこ「ちょっとー!にこの分無くなるじゃないの!」ドゴッ

希「そんな事良いながら15人ぐらい倒してるんやからええやん」サッ

絵里「あら、気を抜いたらダメよ?」バキッ

こちらの3人は連携を取るまでもなく上手い連携で下っ端を片付けていく
そんな絵里達にやられていく下っ端達を見て古鉄は歯軋りをする

古鉄「くそ……やはりこの数じゃダメか……!!」ギリッ


数分と経たずに戦いは終わりを迎え

「ぐおお……!」
「こいつら強ええ……!」
「古鉄さんどうします……!?」

絵里「終わったわよ?」パンパン

気が付けば下っ端達は全員倒れ、戦っていた8人の誰にも傷は付いていなかった
まるで相手にならないと言わんばかりに絵里は手を叩く

古鉄「くっくっく……」

古鉄「これで終わりと思ったか……?」

海未「っ!?」

絵里「どういう事?」

古鉄「てめえら出て来い!!」

前回同様大きな声で叫んだ古鉄
すると宴会場の空間に存在する全ての扉が開けられた

海未「な、何ですかこの数は……!?」

にこ「や、やば……!」
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/14(木) 04:34:22.19 ID:TbgyJVpT0
その数600を越える下っ端が海未達の周りを取り囲む

古鉄「園田組を相手にするのにこれだけなんて少ない方だ」

古鉄「それに今回は清水のおやっさんもここに来ている」

古鉄「お前らを倒さないとオレの面子が潰れるんだよ!」カチャ

組の上層部が来ている事に多少の焦りがあるのか銃を構える手が震える古鉄
そんな古鉄を前に今まで顔を伏せていた絵里が顔を上げ

絵里「……これだけかしら?」クスッ

古鉄「何だと?」

にこ「確かにやばいわ……数だけはね!」

絵里に続きにこが啖呵を切る
それに続き達も構える

凛「そうだよ、みーんな倒すにゃー!」

穂乃果「雪穂達に手は出させないよ!」

希「ウチらに喧嘩売った事を後悔し?」

真姫「あんまり怪我させないでよね」

花陽「ちょっと多いけど、頑張るよ!」

それぞれが奮起する中、ことりは海未を見つめ

ことり「う、海未ちゃん……大丈夫?」

海未「問題ありません、しかし敵のボスが居るとなれば見過ごせませんよ!」

ことり「え?」

海未「絵里!ちょっと宜しいですか?」

絵里「あら、どうしたの?」
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/14(木) 04:45:31.94 ID:TbgyJVpT0
絵里「……成る程、それは良い考えね」

海未「にこ達には悪いですがここは任せましょう」

にこ「ちょっとー?何話してるのー?」

絵里「あら、丁度良いわ、にこ耳貸して」

にこ「あー?こんな状況で……」スッ

絵里は小声でにこに作戦を話した

にこ「ふんふん……よーし!このにこにーに任せなさい!」

海未「すみませんにこ、少々大変かと思いますが」

にこ「ふん、アンタらより先に倒すかもね……さ、行くわよ!」

そして作戦を聞いたにこは古鉄の前に出て叫ぶ



にこ「こらー!!アンタはにこがブッ飛ばすわよ!!」

古鉄「何だと……てめえらやっちまえ!」

『うおおおお!!』

挑発に乗った古鉄は下っ端を仕掛ける

希「何しとんにこっち!?」

凛「やっすい挑発だにゃー……」

希と凛の批判も気にせずにこはこっそり海未と絵里にサインを送った

にこ(今よ!)サッ

絵里(了解よ)

海未(感謝します!)

タタタ……
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/14(木) 05:02:29.07 ID:TbgyJVpT0
古鉄「!?あの2人どこに行きやがった!!」

にこ「ふふ、アンタの上司に文句付けに行ったわよ!」

古鉄「て、てめえら……オレはともかくあの2人に喧嘩売る事がどれだけ恐ろしい事か分かってんのか!」

穂乃果「うーん、海未ちゃんに喧嘩売った君の方が恐ろしいかな?」

凛「言えてるにゃ」

古鉄「ククク……あの2人はお陀仏だがお前らを先に屍にしてやる!くらえ!!」バッ

にこ「ウダウダ言う前にかかってきなさい、アンタらの相手は私達よ!」バッ


『ふんっ!!』ガン!

古鉄とにこは拳を振りかぶり、お互いにぶつけ合った
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/14(木) 05:06:04.59 ID:TbgyJVpT0
希「にこっちやるやん♪よし!ウチらも行くで!!」

『おーっ!!』


「古鉄さんに続け、全員やっちまえ!!」

『うおおおお!!』




両軍が士気を高める中雪穂はそっと様子を見る

雪穂「だ、大丈夫かなこの戦い……」

亜里沙「お姉ちゃんも海未ちゃんと何処か行っちゃったよ……」

そんな2人を不安にさせまいとことりは2人を抱きしめた

雪穂「わっ!」

亜里沙「ことりさん?」

ことり「大丈夫、海未ちゃん達もにこちゃん達も勝てるよ!」

ことり「私達はここで見守っていよう?」

雪穂「ことりちゃん……」

亜里沙「分かってます、お姉ちゃん達なら大丈夫……ねっ雪穂!」

雪穂「……ふふ、そうだね姉ちゃん力持ちだし」

3人はくすっと笑い合って、にこ達の戦いを見守る
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/14(木) 05:27:19.12 ID:TbgyJVpT0
その頃海未と絵里は清水を探しに2階の部屋を探し回った

海未「覚悟!」

「な、何だお前ら!」

絵里「そーれ♪」グイッ

唐突に部屋を開けられた下っ端は絵里に背負い投げされる

「かはっ…!」

海未「清水の居場所を教えなさい」カチャ

1階の戦闘で絵里が敵から奪っていた銃を下っ端の口に捻じ込む海未

「もごっ!もががっ!!」

絵里「そう慌てないで、居場所を教えてちょうだい?」

「ぶはっ!!あ、あっちだ……!」プルプル

震える手で右方向を指す、その奥に扉があった

海未「情報感謝します」ドンッ

「ごはっ!!」

絵里「あら、撃たなくても良いんじゃないの?」

海未「ここはヤクザのアジトです、我々が敵である事の意思表示になりますから」

絵里「成る程ね」

2人は扉の前に立ち、海未が開けようとする
しかし鍵が閉まっているのかドアは開かない

海未「開きませんね……」ギギギ

絵里「ちょっと下がってて」スッ

絵里「はっ!」バキッ

絵里の飛び蹴りで開かれた扉の奥に1人男が座っていた


清水「おや、客人かな?」
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/14(木) 05:37:28.29 ID:TbgyJVpT0
初老と思わしき男は乱暴に破られた扉にも動揺せず、2人をじっくり観察する

海未「どうも、清水さん」カチャ

絵里「一階の騒ぎに気付かないかしら?」

清水「……成る程、そうかそうかうちの古鉄君が迷惑かけた様じゃな」

海未「理解が早くて助かります」

絵里「……私達じゃなかったら犯罪ものよ?」

清水「それもそうだな、堅気に手を掛けるわけには行かないのが裏社会のルール」

清水「しかし古鉄君は気が短くてな、客人をまともに迎えられん様じゃ」

海未「なら……貴方には責任を取って貰いましょうか」

清水「ふむ、このじじいに何をさせる気かな」

それまでゆっくりと落ち着いた雰囲気であった清水は

清水「もしかして……命を取るなんて言うのか?」ギロッ

海未と絵里を殺気を込めた目で睨んだ

251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/14(木) 11:36:32.92 ID:u6bkjz+pO
おお、更新来てたのか
待ってた
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/15(金) 17:35:47.51 ID:r7OaXFEf0
海未「……っ!!」

絵里「……!!」

清水の気迫に一瞬気圧される2人、しかし清水はすぐ何事も無かったかの様に

清水「いやいや、これでも組の長でな、私が居なくなると部下達が路頭に迷う事になる」

清水「それでは上司失格だと思わないかね?」

海未「……おっしゃる通りです」

絵里「中々部下思いなのね……」

清水「はっはっは…………しかし客人に迷惑を掛けてしまった事は詫びなければならない」

清水「こちらとしては貴方達の条件を飲もうと思うが良いかな?」

海未「条件などありません、いち早く我々の前から去って下さい」

清水「それは勿論だ、それ以外で何か無いかね」

絵里「……この旅館には正規の従業員が居ないのかしら?」

清水「ふむ、こちらに泊まる気かな?」

絵里「割とあの部屋気にいってるのよ、ヤクザさえ居なかったらね」

清水「当然、ここの旅館にも堅気の従業員は居る」

清水「そちらの望み通りに手配しよう」

海未「宜しいのですか絵里?」

絵里「大丈夫よ、邪魔者が居なくなるんだし」

海未「という事です清水さん、突然押しかけてしまい申し訳ありませんでした」

海未「それでは行きましょう絵里」

絵里「ええ」


話し合いを終え、2人は清水が居る部屋を後にした


清水「園田海未……また会えると良いのだが」

一人呟く清水は壁に掛けられているカレンダーを確認し

清水「……後一週間か、友愛会は」

そう言ってワインを流し込んだ
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/16(土) 00:29:07.45 ID:2XYctxlo0
所変わって宴会場ではにこ達との戦いで多くの下っ端達が地面に倒れていた

「痛え……!」
「またやられた……」
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/16(土) 00:35:11.98 ID:2XYctxlo0
雪穂「やっば……」

亜里沙「は、ハラショー……」

ことり「ね、皆なら大丈夫だったでしょ?」


古鉄「こ、こいつら本当に堅気なのかよ……!?」

にこ「何人連れても一緒よ!私達に勝てるわけないでしょ!」

希「あんなに威勢良かったのになあ、皆やられてもうたやん」

穂乃果「さあ、早くここから出て行ってよ!」

古鉄「ぐ、まだオレはやられたとは言ってねえぞ!」ダッ

凛「やあっ!」バキッ

古鉄「ぐはっ!」ドサッ

凛に倒されてなお古鉄の目には闘志があった
しかし

清水「……まだやってるのか?古鉄君」

古鉄「し、清水のおやっさん!!」
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/16(土) 00:44:49.73 ID:2XYctxlo0
清水が現れると同時に古鉄は地面に頭を付け深く土下座をする

古鉄「も、申し訳ございません!!!」バッ

清水「何を謝っている?頭を上げなさい」

古鉄「いえ……園田海未やその他の連中を追い返せず……」

清水「君は何を言っているのだ?いつ私が追い返せと命令したかな」

古鉄「は……?」

清水「全く君は人の話が聞けない様だな……なあ?」

古鉄「……はい」

清水「上司の言う事は最後まで理解してから動きなさい」

清水「分かったかね?」

穏やかな中に怒りを込めた口調で清水は古鉄を諭す

古鉄「す、すみませんでした!!」


凛「やばいにゃー……」ヒソ

にこ「あのお爺ちゃん絶対強いわよ……」ヒソ

希「ウチもそれを考えとったわ……」ヒソ
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/16(土) 00:56:33.05 ID:2XYctxlo0
清水「さてと……君達ウチの古鉄君がすまなかったね」

にこ「そ、そうよ!いきなり襲い掛かって来て!」

清水「本当に申し訳無い……君も謝りなさい」

古鉄「へい……すいませんでした」

希「ええよ別に、そういえば海未ちゃん達はどうしたん?」

清水「あの2人なら心配しなくて良い、私と話を付けに来ただけだからな」

凛「話?」

清水「我々の組がこの旅館から去ると言う約束だ、私はこの条件を飲んでいる」

清水「という事で古鉄君、早く部下達を連れて帰りなさい」

古鉄「わ、分かりました!」

古鉄「帰るぞお前ら!!」

古鉄は下っ端達を引き上げ、自らも事務所へと帰っていった

清水「さて……私も帰るとするかな」

にこ「さっさと帰りなさい!」

清水「そう年寄りを急かさないでくれ……では」


257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/16(土) 01:11:20.51 ID:2XYctxlo0
清水が帰った後、海未と絵里も宴会場に戻ってきた

海未「おや、にこ達の方は大丈夫だったみたいですね」

にこ「そういうアンタも平気そうね」

絵里「500人以上居たのに良く倒せたわね」

穂乃果「うーん、穂乃果はもっと戦えるよっ!」

凛「同じくだにゃ」

亜里沙「皆さん強いです!」キラキラ

雪穂「ほんとだよ……良くやるよ」

海未「おや、ことり達も平気ですか?」

ことり「うん、雪穂ちゃんも亜里沙ちゃんも怪我は無いよ」

絵里「あら良かったわ♡」
258 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/16(土) 01:35:58.28 ID:2XYctxlo0
大部屋

中居「皆さん、宴会の準備が出来るまで入浴はいかがですか?」

絵里「だって皆、行きましょ?」


女湯

チャポン

花陽「良い湯ですう〜……」

希「いや〜、疲れたなあ〜……」

ことり「ほんとだね〜……ん?」

にこ「ぐぬぬ……」
凛「うにゃあ〜……」


海未「……ふう」

穂乃果「海未ちゃーん!」バッ

海未「せいっ!」ビシッ

穂乃果「ごふっ!」

真姫「何やってるのよ……」


雪穂「はあ……子供っぽいんだから」

絵里「あら、お姉ちゃんの事は嫌いかしら?」ギュッ

雪穂「絵里さん!?」

亜里沙「雪穂〜♪」ギュッ

雪穂「亜里沙まで……」

亜里沙「雪穂は穂乃果さんの事好きだよね♡」

雪穂「な……そんな事は……///」カァー

絵里「あらあら♡お顔が真っ赤よ?」

亜里沙「ハラショー!トマトみたいだね♡」

雪穂「か、からかわないでよ///」カァー

259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/16(土) 01:46:47.87 ID:2XYctxlo0
穂乃果「卓球行こうよ!」

絵里「まだ宴会まで時間あるし良いわよ♡」


卓球場

穂乃果「よーし!行くよ絵里ちゃん亜里沙ちゃん!」

雪穂「何で私がお姉ちゃんとタッグなの!?」

絵里「あら、姉妹対決ってテンション上がらない?」

亜里沙「うんうん、覚悟してよ雪穂!」

穂乃果「雪穂!2人を倒して牛乳を奢ってもらおう!」

雪穂「……牛乳のためだからね!仕方なくね!」


凛「りんりんスマーッシュ!」バコン

にこ「ちょおっ!もはや凶器よ!」

花陽「避けれるにこちゃん凄い♡」

真姫「凛、真面目にやりなさい……あっ!」スカッ

凛「真姫ちゃんは打つ所から頑張れにゃ」


海未「あの4人は相変わらずですね」

希「海未ちゃ〜ん、負けたらわしわしMAXやで?」

海未「さて本気で参りますか」ゴウッ

ことり「海未ちゃん!?オーラ出てる!」

希「頑張るよことりちゃん♡」

海未「というか1対2は卑怯じゃありません?」

希「海未ちゃんスポーツ出来るし……後海未ちゃんをわしわししたい」ポソッ

海未「ん?何か言いました?」
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/16(土) 01:51:03.24 ID:2XYctxlo0
大部屋

希「いや〜良い揉み心地やったな♪」

海未「う〜ん……」グッタリ

穂乃果「逆に奢らされたー!」

絵里「うふふご馳走様♡」

賑やかに会話しながら部屋に戻り、程無くして中居がやってきた


中居「宴会の準備が出来ましたよ」

海未「有難う御座います、皆さん行きましょう」

『はーい』


宴会場


穂乃果「おおー!!ご馳走がいっぱいある!」

中居「いつもより腕によりをかけました、ごゆっくりお楽しみ下さい」ペコ

絵里「ありがとうね♡」


花陽「ふわあ……ご飯の炊き加減が最高です♪」モグモグ

にこ「く〜!戦いの後のビールは最高だわ!」

凛「おっさんみたいだにゃー」ヒョイ

真姫「ちょっと凛!私の皿に魚移さないで!」

希「しゃあないなあ、ウチが食べたげるよ」モグモグ

海未「亜里沙、伊勢海老の殻は剥けますか?」

亜里沙「うーん……固いです」シュン

絵里「お姉ちゃんが割ってあげるわよ」バキッ

穂乃果「おー、良い姉妹愛……という事で雪穂〜♡」アーン

雪穂「何やってるのさ……」

ことり「茶碗蒸し美味しい♡」
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/16(土) 02:14:43.34 ID:2XYctxlo0
しばらくして


にこ「いえ〜〜〜い!!にこにーのライブ楽しんでるう〜?」

穂乃果「うえーい!!歌え歌えー!」アハハ

凛「か、かよちんもう飲めないにゃ……うええ」

真姫「私も無理ぃ〜……」

花陽「何でえ〜?私の酒が飲めないってえ〜?」トクトク

絵里「希……まだ飲めるでしょ?」ゴクゴク

希「勿論よ……んっんっ……あぁ〜〜♡」グデーン

絵里「今回は私の勝ちねえ〜……うふふふ♡」

雪穂「ううーん……頭がぐるぐるする……」

亜里沙「ゆきほぉ〜♡」

ことり「んっ……んうぅ〜」スヤスヤ

海未「皆さん飲み過ぎですよ……」ゴクゴクッ

にこ「うみぃ〜ぬういっこぬういっこぬうぃ〜♡」

海未「呂律が回ってませんよ?」

にこ「いいでしょぉ〜♡んー♡」

海未「な、何ですか?」

にこ「ちゅーしましょお……うみぃ♡」

海未「な、なな破廉恥な///」

にこ「ねぇぇ〜〜ちゅう〜〜」

海未「しませんよ!」

にこ「おかあさあ〜〜ん……ぐっううっ……」ポロ

海未「……にこ?」
262 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/16(土) 02:42:08.77 ID:2XYctxlo0
にこ「……ままぁ……にこがんばったよ……」

海未(過去に何かあったのでしょうか……酔ってるだけですよね……)

にこ「ぎゅーってして……がんばったって……」

海未「……まったくしょうがないですね」

海未(そう言って私はにこに抱きつきました)

にこ「ん……ままぁ?」

海未「にこは良く頑張りましたね、撫でてあげます」

にこ「えへへぇ……ありがとう♡」

海未(普段はあんなに気丈なにこがここまで甘えるなんて……)

海未(しかし私はにこに何か聞く気にはなりませんでした)

海未(今はただ優しく撫でてあげるのが良いでしょう)

にこ「ん……おやすみまま……」

海未「はい、お休みなさいにこ」



にこ「ん……海未、もう良いわよ」

海未「にこ?」

にこ「ありがとうね……あっ!」

凛「くふふ……」プルプル
希「り、凛ちゃん……ぷふっ」プルプル
穂乃果「おおー……2人ともカップルみたいだね!」
絵里「あら……妬けちゃうわね♡」

にこ「あ、アンタ達……///」

花陽「珍しいので撮っちゃいました♡」
ことり「やーん、良く撮れてるね♡」
亜里沙「おおー……ハラショー……//」
真姫「まったく………貴方達趣味が悪いわよ」ジー
雪穂「そういう真姫さんも見てるじゃないですか」ジー

にこ「やめろー!!」

恥ずかしさからくるにこの怒号が宴会場に響き渡った
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/16(土) 02:55:06.70 ID:2XYctxlo0
大部屋

にこ「まったく……頭も痛いし散々だわ……!」

凛「にこちゃ〜ん♪」ギュッ
花陽「に、にこちゃん///」ギュッ

にこ「な、何アンタ達抱きついて来てんのよ!///」

海未「いえ、にこが寂しがってると言ったらですね」

にこ「アンタね……!」プルプル

真姫「……///」

希「んー、真姫ちゃんは行かんの?」

絵里「恥ずかしいんでしょ」ニヤニヤ

真姫「な、違うわよ!」

真姫「……にこちゃん!」ギュッ

にこ「ちょっ真姫も!?」


穂乃果「にこちゃん良いなあ……よし、雪穂来なさい!」バッ

雪穂「……///」ギュッ

穂乃果「お、素直になった?」

雪穂「別に……ちょっと羨ましいなって思っただけ……///」

絵里「うちも負けていられないわ……亜里沙!」バッ

亜里沙「うん、お姉ちゃん!」ギュッ


希「ことりちゃんおいで?」

ことり「うん♡」ギュッ

希「うんうん可愛いなあ♡」

希「海未ちゃんも、ほら」

海未「……失礼します///」

希「ふふ、妹みたいで良いなあ♪」
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/16(土) 03:12:00.38 ID:2XYctxlo0
メンバー達が親睦を深める中、清水組の事務所では古鉄が正座をさせられていた


古鉄「…………」

新銅「おう、お前またやらかした様やの」

古鉄「し、新銅さん……!」

新銅「喋るなバカタレ、お前の様な鉄クズが幹部になれると思うとんか?」

古鉄「な、何故それを……!?」

新銅「お前さんが幹部を目指しとって躍起になっとるんは皆知っとるんじゃ」

新銅「その癖、園田組の連中に泡を吹かせる所か大量の下っ端共を使い物にならなくさせるとは……ほんとに役立たずじゃの」

古鉄「で、でも五百人以上の若衆がやられるなんて誰が思うか……」

新銅「やかましい!!!若衆のリーダー如きがワシに口答えするんじゃないわ!!!」

古鉄「ひ……ひいっすみませんでした!!」

新銅「本来ならもう一度処刑箱に連れてくんじゃが……もうそんな気も無いわ」

新銅「鉄クズがどうなろうとワシはもう構わん、ただお前にはもう下っ端を派遣させん」

古鉄「そ、それはつまり……」

新銅「ほうじゃ、ワシらの靴磨きでもしたらええわ、お前は今日から若衆以下の便所掃除係じゃ」

古鉄「も、もう一度だけチャンスを……!!」

新銅「あ?何寝言いいよるんじゃ、何度チャンスやったと思っとる」

新銅「おう、コイツをはよ摘みだせ」

「はっ」

古鉄「ま、待って下さい!!もう一度だけ…………いやだああああああああ!!!!」



新銅「園田海未……いつか殺っちゃるけえの待っとれよ!!」
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/16(土) 03:35:14.39 ID:2XYctxlo0
翌朝、海未達は旅館を出た


海未「しかし良い旅館でしたね」

絵里「そうね、また泊まりたいわ♡」

にこ「じゃあ帰りましょ」

『はーい』

小料理屋

凛「いやー、やっぱりここが落ち着くにゃ」

花陽「〜♪」

真姫「何してるの花陽?」

花陽「食べログの旅館版サイトに書き込みしてるの」

絵里「へえ、マメなのね」

にこ「花陽は日本各地の人と交流してるから影響力も凄いのよね」

希「え、何でなん?」

凛「ふっふっふ、それは凛から話すにゃ!」

266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/16(土) 03:47:54.70 ID:2XYctxlo0
凛「なんとかよちんはね……白米協会の会長さんなんだよ!!」

『おおー!!』

穂乃果「……って白米協会って何?」

海未「知らずに驚いてたのですか!?」

ことり「白米協会って言うのはね、分かりやすく言うとお米関係を取り扱う大企業の集まりみたいなものかな?」

凛「そうだにゃ!かよちんはその企業の会長さんなんだにゃー!」

花陽「えへへ……///」

雪穂「まさか花陽さんが……!?」

亜里沙「そういえばお姉ちゃんが買ってくるお米にもそんな名前があった様な……」

にこ「そうよ、今市場に出回っているお米製品の6、7割が白米協会の商品なの」

希「凄いなあー……でも何で白米だけなん?」

花陽「花陽は白米しか認めていないの」

絵里「あら、五穀米とかあるのに」

花陽「ギリギリ玄米は認めますっ」

にこ「こうなると花陽は頑固なのよね」

花陽の以外な一面に皆の顔に笑みが生まれた

267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/16(土) 04:45:43.46 ID:2XYctxlo0
にこ「あら、もう夜なのね」

絵里「そうねじゃあ帰りましょうか」

亜里沙「お邪魔しました!」

各々が帰り、静まり返った小料理屋に一本の電話が鳴り響いた

海未「おや、またお父様からですか……もしもし」

『海未、お前今まで何をしていた?』

海未「な、何ですか藪から棒に?」

『今朝うちの方に清水組から電報が届いたんだが……まさかお前』

海未「い、いえ何もしておりませんが……」

『そうか……しかし今回はそれ以上の事が起きた』

海未「はい……?」

『単刀直入に言うとお前には1週間後にシルバーズホテルに行ってもらう』

『その時はあの絢瀬絵里にも上手い事言って連れて来い』

海未「…………どういう事ですか?」
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/16(土) 04:56:37.85 ID:2XYctxlo0
海未が組長と話をしている間、絢瀬姉妹は帰宅しながら話をしていた

絵里「亜里沙、昨日今日とどうだった?」

亜里沙「うん、皆優しい人ばっかりだったし私楽しかったよ」

絵里「それに強いし安心よね♡」

亜里沙「うん!……お姉ちゃんにもやっと良い友達が出来たね」

絵里「ちょっとそれどういう意味?」

妹に痛い所を付かれ頬を膨らませる絵里
それに亜里沙は笑顔で答える

亜里沙「だって……にこさんや希さんだけだったお姉ちゃんがあんなに沢山の友達に囲まれて」
亜里沙「私嬉しかったな♪」

絵里「そうね……でも私にとってにこや希は特に大切な人だわ」

絵里「尖っていた私と仲良く接してくれた大事な……ね」

亜里沙「うん……分かってるよお姉ちゃん」

お互いに感傷に浸る間もなく、絵里のスマホに海未からのLINEが届いた

亜里沙「出てあげてお姉ちゃん」

絵里「ええ………1週間後にシルバーズホテルに来てください?」

絵里「私が待っていますので見つけて下さい……もしかしてお誘いかしら♡」

亜里沙「……お姉ちゃん顔がにやけてるよ?」
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/24(日) 22:33:54.76 ID:8wtQvEcO0
清水組事務所


新銅「おやっさん、会合は一週間後じゃったかの?」

清水「おお、そうだ……だが今回は私が直々に迎えようと思っている」

新銅「何でですかいな、若頭のワシに任せてええんじゃ……」

清水「ふむ……今回の会合は例年より荒れそうな気がしてな」

清水「清水組組長、そして友愛会の会長でもある私が出向く事で」

清水「少なくとも他勢力への牽制にはなるだろう」

新銅「成る程……会合頑張ってつかぁさい、それでは」

ガチャ……バタン

清水は部屋を出る新銅の違和感に気付いていた

清水「新銅君……何か企んで居ないか……気のせいかな」

そう言って清水はある人物に電話を掛けた

清水「もしもし……独王会の副会長さんか?」

清水「そうだ、永金さん……久し振りだな」
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/24(日) 22:51:01.46 ID:8wtQvEcO0
小料理屋

凛「ひまー」
穂乃果「ひまだー」
希「ひまやなー」

絵里「何やってるの貴方達……」ズズッ

二日後に会合を控えているとは思えないほどこの空間は平和であった

凛「だって皆忙しいって」

絵里「当たり前じゃない、皆仕事してるのよ」

穂乃果「絵里ちゃんが羨ましいよー、長期の休暇だって」

絵里「穂乃果も和菓子屋継いでるんでしょ?もっと真面目になりなさいな」

穂乃果「まだお父さんが現役だから大丈夫だよー」

希「ええなー……」

それまでだらけていた希は穂乃果を見つめ

希「……ねえ穂乃果ちゃん……お父さんの事は好き?」

穂乃果「うん!」

絵里「……そう」

希「それなら良いよ」

凛「え、ええ?どうしたの2人とも?」

希と絵里の急な態度の変わり様に戸惑う凛、しかしその空気は一瞬で元に戻った

希「さー!トランプでもやろうやん」シャシャシャ

絵里「良いわね!凛、穂乃果、やりましょ?」

穂乃果「よーし!負けた人がジュース奢りだよっ!」

凛「あっ、ずるいにゃー!」

そして何事も無かったかのようにトランプは盛り上がった
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/24(日) 23:18:16.57 ID:8wtQvEcO0
海未「シルバーズホテル……名前に反して目立たない建物ですね」

ことりの車を借りた海未は店から数十分の街に出ていた

そして二日後に開かれる会合の場所であるシルバーズホテルの前に立ち、ホテルを眺めていた

海未「いつもならお父様が会合に出るのですが……今回は私ですか」

海未「若頭となって長いですし、お父様なりの試練と言うわけですね……無事に済むと良いのですが」

海未が考え事をしながら車に戻ろうとすると一人の男とぶつかった

海未「きゃっ」ドン

?「おや、すみません」ペコリ

海未「こちらこそ……」ペコ

?「いえいえ、良ければこれをお使い下さいな」

海未「あ、ありがとうございます」

?「それでは……また会いましょう」タッタッタ


海未「ティッシュとは親切ですね……おや、紙の裏に何か書いています」

海未「どれどれ……っ!?」

そこには

【園田海未を狙え】と書かれていた

海未「ど……どういう事です!?」

海未「……とにかくいち早く店に戻らないと!」
272 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/24(日) 23:30:49.63 ID:8wtQvEcO0
絵里「あら、外が騒がしいわね……?」

凛「ヤンキーが暴れてるんじゃないのかにゃー?」

穂乃果「おおー、喧嘩なら買うよ!」

希「……にしては聞こえる足音が多くない?」

バタバタ

「おーい!!店に4人居るぞー!!」

「マジかよ、店荒らしに来ただけなのに!」

「構わねえ!殺せ殺せ!」

どこからか来たヤクザと思わしき集団が小料理屋前を囲んだ

絵里達はすぐに戦闘態勢に入り、集団に近づいてく

絵里「ねえ、貴方達の目的は何?」

「園田海未の店を荒らしに来た!抵抗するなら殺す!」

凛「凛達の敵って事だにゃ?」

「園田海未はどこに居る!てめえら隠して無いだろうな!」

穂乃果「海未ちゃんは出かけて行ったよ!」

希「君達、急に来て荒っぽいなー、お茶でも飲んだらどう?」

「舐めてんじゃねえ!お前らやっちまうぞ!」

『ウオー!!』

絵里「やる気ね……準備は良い?」

穂乃果「勿論だよっ!」

凛「喧嘩にゃ喧嘩にゃー!」

希「早く片付けるやん?」

絵里「決まりね、行くわよ!!」
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/24(日) 23:51:29.05 ID:8wtQvEcO0
海未「やっと見えて来ました……あっ!」

海未が店に辿り着く頃には4人の周りに集団が倒れていた

海未「まさか店に来ていたとは……でも心配は無さそうですね」

海未「皆さん!ただいま帰りましたよ!」タタタ

絵里「あら、お帰り海未♡」

穂乃果「おー!遅いよ海未ちゃん!」

凛「もう戦えるやつ居ないにゃー」

希「うーん……?」チラッ

希は倒れている下っ端の制服に付いているマークに疑問を持っていた

希「……んー、何かどこかで見た事あるようなマークやな」

「ぐおお……」
「あぐっ、痛え……」

海未「はて、この者達は何かの組の者ですかね?」

絵里「ええ……でも清水組では無さそうよ」

海未「もしかして、神田組の者でしょうか」

希「……神田組?」

凛「何それ?」

海未「友愛会に属しているヤクザグループですよ、ですがあの組は今まで暴力行為等を行ってきた様な覚えは無かった筈ですが……」

穂乃果「ちょっと待って海未ちゃん、友愛会って何?」

絵里「あら、そうねそこから聞きたいわ」

すると集団の一人が立ち上がり、顔を上げた
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/25(月) 00:14:18.52 ID:/T2tseOP0
「……バレたか」

海未「何と?」

「お初に海未さん、オレは友愛会所属神田組の幹部……仏樹だよ」

仏樹「確かにオレ達神田組は今まで慈善事業に力を注いできた……でもそれは建前なんだよ」

海未「建前……?」キッ

仏樹「逆に聞くが……ヤクザが慈善事業を何も見返りなく行うと思うか?」

絵里「思わないわ」

海未「絵里……!」

仏樹「いや、正解だ。その証拠にオレ達は市場相場以上の価値をあらゆる施設に付けてきた」

仏樹「だけどこんな世界だ、カタギですら喧嘩や争いの絶えない日々で特にオレ達の管理している施設は黒字が続いている」

仏樹「だが最近良くない噂を耳にしてな……それがアンタ、海未さんだよ」

海未「私ですか?」

仏樹「そうだ、何でも清水組のところと揉めてると聞いてるじゃないか」

仏樹「だからオレがこうして駆り出されたわけだ、多少怪我をさせて圧を掛けて来いとな」

海未「それが貴方達のボスの命令だったのですか……!!」

仏樹「ああ、海未さんも気付いていただろう?ティッシュの紙の裏の文字に」

仏樹「あれもウチの若衆がやった事だ、アンタなら何か感付いてくれるだろうとな」

海未「…………っ!」ギリッ

希「……ちょっと良い?」
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/25(月) 00:33:39.47 ID:/T2tseOP0
仏樹「何だ?」

希「ウチ……神田組って名前聞いた事あるんやけど……」

仏樹「……その関西弁……!」

仏樹(そうか、コイツがあの父親の子か)

海未「希……?」

希「ウチ……物心付いた時からお父さんがおらんかったんよ」

ほのりん『えっ!?』

海未「っ!?」

絵里「…………」

仏樹「……それがどうした?」

希「もしかして……貴方達がお父さんを……?」

仏樹「何の事か分からんな、何故顔も知らないやつの父親に手を掛ける必要がある?」

希「神田組の組長の名前当てて良い?」

仏樹「組長の名前は神田だ、それ以外に何が分かる」

希「それは2代目の名前でしょ?神田組の前には初代があった筈よ」

仏樹「……何だその初代とは」

希「初代の組の名前は……」




「東條組」
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/25(月) 01:11:20.90 ID:/T2tseOP0
『!?』

海未「希の苗字は……東條」

希「……そうよ、私のお父さんはヤクザだったの」

凛「そ、そんな事……嘘だよっ!」

穂乃果「今までそんな話一度も……!」

絵里「……残念ながら本当よ」

海未「絵里!?」

絵里「東條組、希の父親はそこの組長だったわ」

絵里「そうでしょ希?」

希「…………うん」コクン

仏樹「いやはや……驚いたな、オレは新参の方だがまさか目の前に組の関係者が居たとは」

仏樹「しかし今は神田組が組の中心だ、お前が前任組長の子供であろうがオレ達には関係無い」

海未「話が飲み込み辛いですが……仏樹さんは神田と直接的に関わった事は?」

仏樹「無いな、オレは精々幹部程度だ、組長と早々に面会する事など出来ない」

絵里「……何か隠してない?」

仏樹「無い、じゃあオレ達は手を引こうと思う……じゃあな」

277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/25(月) 13:46:19.02 ID:/T2tseOP0
希(お父さん……)

希「…………」

絵里「希……」

凛「希ちゃん元気出して……?」

穂乃果「そうだよ……」

海未(希の事も気になりますが、二日後の会合に参加する私を知らないとはいえ襲うとは……)
海未(もしかして神田組の独断で……?)

海未「ふむ……」

穂乃果「ん、海未ちゃんどうしたの?」

海未「いえ……ですが希、私達に隠し事があるのなら話してみると少しは気が紛れますよ?」

希「いや、大丈夫だよ……皆に心配掛けたくないし」

希「……ウチの事は気にせんで良いからね?」ニコッ

穂乃果「希ちゃん……」
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/25(月) 13:54:40.50 ID:/T2tseOP0



にこ「……ふーん、この店にヤクザがねえ」

凛「そうだよー、いきなり来たからビックリしたにゃ」

真姫「その割には5人とも平気そうね」

穂乃果「へへ、喧嘩なら慣れてるからね!」

希「そうそう……大した事無かったよ」

花陽(ん?希ちゃんが関西弁じゃない……?)

ことり「皆頼もしいね♡……どうしたのかよちゃん?」

花陽「あ、いや何でも無いよ?」

絵里「お腹空いたんじゃないの、海未何か作ってあげて」

海未「そうですね、ではチャーハンでも」

穂乃果「やった!海未ちゃんのチャーハン美味しいんだよね♪」


海未が腕を振るう毎にパラパラとチャーハンが炒められていく
食欲をそそる良い香りが店内に広がるとともに9つの皿にチャーハンが盛られた

海未「出来上がりましたよ」

穂乃果「わー、美味しそう!それじゃあ……」

『いただきます!』

279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/25(月) 14:16:56.52 ID:/T2tseOP0
穂乃果「ごちそうさまでした〜、美味しかったー♪」

にこ「ほんとアンタ中華は特にプロ並みね」

海未「いえいえ、お粗末様でした」

花陽「美味しかったな♪……あれ、このホテル予約いっぱいなんだ」スッスッ

絵里「ホテル……?」

花陽「シルバーズホテルって言うんです、協会の人が旅行の泊まりで使うからって」

海未(友愛会の仕業ですかね)

凛「何か凄そうなホテルだにゃー」

希「シルバーズホテル……もしかしてあそこの?」

花陽「え、希ちゃんどうしたの?」

希「いや、何か聞いた事あるなって」

にこ「ああ、そこならにこも泊まった事あるわよ、まあ大した事無いけど」

真姫「見た目ボロなのよね、中はそこそこ広いって所かしら」クルクル

希「ふーん、そうなんや……」



希(……やっぱりか、お父さんが言ってた事は)

希(シルバーズホテルには絶対入ってはいけないって)

凛(希ちゃんどうしたんだろう……?)



絵里「まあ私達には縁が無さそうね」

にこ「そうね、噂じゃヤクザが裏家業の溜り場にしてるって話だけど」

穂乃果「えー!?普通のホテルにそれは無いでしょー」

海未「いわゆるカモフラージュというやつです、見た目が古いのもそれが逆に良いのでしょう」

海未「ですがせいぜい噂ならそこまで気にする事は無いでしょう……今夜はもうお開きにしますか?」

絵里「そうね、そろそろ良い時間だし」

にこ「じゃ、帰るわよー」
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/25(月) 14:32:59.64 ID:/T2tseOP0
帰り道、にこは舎弟の3人と別れた後希、絵里と帰宅をしていた
しかし普段は盛り上がる3人も今日は大人しかった

希「…………」

絵里「…………」

にこ「…………ねえ」

にこ「何か喋りなさいよ」

希「……うん」

絵里「……そうね」

にこ「あー!アンタら2人して何急に黙ってんのよ!さっきまで楽しそうだったじゃないの!!」

希「……いや、なんでもないよ」

にこ「嘘付け、あからさまにテンション下がってんじゃないの」

絵里「にこ、希だっていつも明るいわけじゃないのよ?」

にこ「それは分かるわよ、でもせめて暗い雰囲気だけでも何とかしたいじゃない」

絵里「……希、昼の事言って良い?」

希「…………ええよ、今のにこっちなら」

にこ「何何、何があったの?」


にこ「……はあ?」

絵里「つまり、希はヤクザの娘だったの」

希「……」

にこ「何それ…………もっと早く言いなさいよ!!」

希「にこ……?」

にこ「しかも何で絵里だけ知ってて私が知らないのよ!」

絵里「それは……希が前に私だけ教えてくれたのよ……」

にこ「ハァ……アンタって前からそうよね、変な所で気遣いって言うか」

希「だって……にこのお父さんだって……」

にこ「そんな事言ってるんじゃないの、アンタにつっかかりがあるなら私に遠慮せず話しなさいって言ってるのよ」

にこ「それが親友じゃないの?」

絵里「にこ、希は貴方の過去を知ってるからこそ言えなかったのよ。絶対バレたらいけないって」

にこ「アンタね……私はもう子供じゃないの。25の大人なんだから自分の中で冷静な処理ぐらい出来るわよ」

にこ「……で、希アンタこれからどうするの?」

希「え……?」
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/26(火) 19:24:30.32 ID:h4Ka5xkL0
にこ「神田組とかいうのにお父さんの事探り入れるのかって事よ」

希「それは……まあするかも分からないけど」

希「でもこれは私の問題だから……」




にこ「何言ってるのよ、何年アンタの親友やってると思ってるの?」

希「にこ……?」

絵里「そうよ。希はもっと私達を頼りなさい」

絵里「私達親友でしょ?」

希「……にこっち、えりち……ありがと……」ポロポロ

にこ「泣いてんじゃないわよ」ポンポン

絵里「可愛い顔が台無しよ、ほら」スッ

希「ん……」フキフキ
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/26(火) 19:36:48.59 ID:h4Ka5xkL0
にこ「……にしても私にしても希にしてもヤクザと変な因縁があるわね」

希「そうやね、でもウチはまだ確証が無いけど」

絵里「探りを入れて結果を見てみるのも大事よ」

絵里「それに希が今までやってきた物の怪退治にも何か関わりがありそうだし」

希「それは怪しいなあ……明日ぐらいにでも海未ちゃんに神田組の事聞いてみようかな」

にこ「あ、じゃあにこが聞いておくわ」

にこ「にこも聞きたい事あるし」

希「そう?じゃあ頼むわ」


――――――――――――――

海未「神田組ですか?」

にこ「そう、何か知ってる事ある?」

海未「そうですね……施設の運営や、何やら宗教的な活動を行っているとか」

にこ「っ!!それそれ!」ガタッ

海未「どうしました!?」

にこ「その宗教的な活動の事もっと詳しく教えて!」

海未「わ、分かりました」

海未「ですが私の発言が全てでは無いですが宜しいですか?」

にこ「構わないわ」
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/26(火) 20:01:12.95 ID:h4Ka5xkL0
海未「これは噂なのですが、シルバーズホテルには地下が存在するらしいのです」

にこ「地下?」

海未「はい、その地下はある人物がヤクザとの争いから逃げ隠れるために使っていた場所だったのです」

にこ「ヤクザと争うって何があったのよ……」

海未「どうもヤクザ側に何か知られてはいけない秘密があったらしいのです、その人物はその秘密を探っていたとか」

にこ「ふーん」

海未「ちなみにその方は既に亡くなっています」

にこ「え、何で?」

海未「いつもの様にヤクザから逃げようとその場所に隠れたら待ち伏せしていたヤクザに射殺されたのですよ」

にこ「ええ……ていうか良く知ってるわね海未」

海未「そういった噂があるのですよ、そもそも整合も取れていないので嘘だろうと言われているのですが」

にこ「にこも信じがたいわねその話……」

にこ「で、その話と神田組の宗教と何が関係あるの?」

海未「一説にはそのヤクザは神田組の関係者で」

海未「ヤクザが居場所を突き止めたのも地下のある部屋に神田組の祭壇が存在していたとか」

にこ「ふーん……つまりヤクザのホームで上手く隠れ続けていたって事だったのね」

海未「そういう事です、どうもその祭壇は普段から使っているものでは無いのでそれまで奇跡的に隠れ続けられていたと」

にこ「そんな事情があったのね……」
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/26(火) 20:24:01.04 ID:h4Ka5xkL0
にこ「ほんとにシルバーズホテルに地下があるとしたら行きたくないわね」

海未「そうですね……私もその筋の人に聞いただけなので全てを信用してるわけではないのです」

にこ「そうね……あ、そうだもう一つ良い?」

海未「はいなんでしょう?」

にこ「清水組についてなんだけど……あの組って普段は何してるの?」

海未「そうですね、金融関係が中心でしょうか」

にこ(金融……!?もしかして……)

海未「おや、どうしました?」

にこ「いや何でもないわ……」

海未「そうですか、後組員が多いって事くらいですかね」

にこ「今までにも結構な数の下っ端寄越してきたわよね」

海未「ええ、少なくとも若衆だけでも2000は居ます」

にこ「2000!?多くない?」

海未「まあ友愛会を設立した組でもありますし、何より組長の清水は友愛会の会長ですからね」

にこ「その友愛会ってさ表向きは普通の企業なんでしょ?」

海未「そうですよ、あの神田組も友愛会に所属しています」

にこ「あれ、アンタんとこは?」

海未「組長の父上が入会を拒否しているのです、なので所属はしていません」

にこ「何でよ?」

海未「理由は分かりません。ですが父上にも考えがあるのでしょう」

にこ「ふーん……」
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/26(火) 20:36:07.16 ID:h4Ka5xkL0


希「やっほーにこっち」

にこ「よっ」

にこ「そうそうアンタが聞きたい事海未に聞いてきたわよ」

希「ほんと?」




にこ「――という事なのよ」

希「そっか、ありがとうにこっち」ガタッ

にこ「ん、どうしたの?」

希「ちょっと出かけてくる……」

カランコロン

にこ「行っちゃったわね……」

カランコロン

にこ「ん?ああ花陽か」

花陽「こんばんはにこちゃん、希ちゃんと何かあったの?」

にこ「へ、どうして?」

花陽「……何か希ちゃん悲しそうな顔してたから」

にこ「……え?」

―――――――

希「ハァ……ハァ……ハァ……!」

希は店を出てすぐある場所へと走っていた
その顔は何かを思い出したかのように

希(まさか本当に一緒だったなんて……!)

希が前々から疑問に思っていた物の怪の依頼が届く住所
何とそこは神田組の本拠地であるシルバーズホテルの地下のある部屋と一致していたのだ


286 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/26(火) 20:51:25.81 ID:h4Ka5xkL0
希「……着いた」ハァハァ

希は自宅に着いていた。部屋に入り、希はタンスをゴソゴソと探す

希「あった!」

希の手に握られているのは今まで物の怪の目撃情報が綴られている手紙
その手紙が入っていた封筒を希は細かく観察する

希(やっぱりシルバーズホテル付近の住所が書いてある……)

封筒に書かれた住所を見てにこから聞いた話と自分が今までに体験してきた出来事を照らし合わせる


希「……やっぱりお父さんは神田組に……」フルフル

涙こそ出ないものの怒りで身体を震わせる希


そして

希(にこっち……えりち……やっぱり2人は巻き込めないよ)

希(ごめん……ごめんね)
287 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/27(水) 09:25:36.45 ID:Ko5rNI+Z0
希「でも今、神田組があそこに居るかな……?」

希「……行くだけ行ってみよう」ガチャ



希「ここがシルバーズホテルか……」

希「開いてるかな……?」

ガチャガチャ

希「開いてないな……帰ろう」


落胆し家に帰ろうとする希
その一瞬の隙を狙って一人の男が近づいてくる


?「東條……死ね!!」ギラ

希「……え!?」


男の持ったナイフが希の胴体に……刺さらなかった
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/27(水) 09:39:21.70 ID:Ko5rNI+Z0
?「危ない!」シュッ

?「ぐっ……!」

どこからか投げられたナイフが男の肩に刺さる

希「に、にこっち!?」

にこ「私だけじゃないわ!」

絵里「その通りよ!」ドゴッ

?「ぐほっ!!」

いつの間にか男の背後に回っていた絵里の蹴りが背中に命中し、男は地面に倒れた

?「……やっぱり一筋縄ではいかんな」

希「あ、貴方誰?」

?「俺は神田組の若衆だ、東條の命を狙いに来た」

にこ「随分素直に吐くのね」

若衆「ああ、だがバレた以上もうお前らに勝ち目なんて無いここは手を引こうと思う」

希「ちょっと待って、何でウチの苗字知ってるの?」

若衆「東條組は知ってるな?俺はその代から居たもんだからな」

希「そ、そうなんだ……」

目の前の男は確かに若者というよりはむしろ年は40代ぐらいに見えた
初代東條組からの組員というのにも納得がいく

絵里「という事は貴方は東條組長にも関わりがあるの?」

若衆「勿論だ、ちなみに俺は藤山という」
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/27(水) 10:07:42.29 ID:Ko5rNI+Z0
藤山「東條組長は優しい人でね、俺の様な下っ端にも等しく関わってくれたもんだ」

藤山「しかし東條組が神田組に変わってからというものの組全体がおかしな方向にいっちまった」

希「おかしな方向?」

藤山「そうだ、どうも神田はあの世に居る魂をこっちの世界に呼び操る事が出来るらしく」

藤山「それから神田はその奇妙な能力で物の怪とかいうこれまた不気味なものを組を挙げて開発しはじめたんだ」

にこ「魂を呼ぶ?どういう事??」

藤山「分かりやすく言うなら死人を復活させる技が使える様なものだな」

にこ「ザオラル的な?」

藤山「それだ、しかし肉体という器が無い以上魂だけ……つまり一般的に呼ばれる幽霊の状態として呼ばれる」

藤山「当然幽霊の状態では何も出来ない。だからこそあの男は物の怪という器の開発によって自らの能力を悪用しはじめたという事だ」

絵里「……まるでファンタジーの様ね」

藤山「信用出来ないか?だが西洋では悪魔や悪霊などの文化は今でも残っている」

藤山「それに、東條希は今まで物の怪退治を生業としてきた。お前なら信じてくれるな?」

希「私は……信じる」

絵里「この男の妄言という可能性も捨てきれないわよ?」

希「良いの。それに貴方はお父さんの代から居た人なんでしょ?」

希「神田組の事にも詳しいし、信用してみるよ」

藤山「それなら良い……あと俺が話していた事は神田組の連中にはオフレコで頼む」

にこ「分かったわ、アンタにまた命狙われるのも嫌だし」

藤山「俺こそお前らのようなチンピラに狙われるのはごめんだ……じゃあな」

タッタッタ……
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/27(水) 10:18:33.42 ID:Ko5rNI+Z0
にこ「行ったわね……」

絵里「ええ、それにしてもあの男が言った事は本当なのかしら」

希「分かんないわ。とりあえず助けてくれてありがとうな2人とも」

にこ「良いって事よ……でもアンタまさか一人で神田組潰す気じゃないでしょうね?」

絵里「そうよ、また奇襲かけられたらどうするの?」

希「ごめんな……やっぱり大事な2人を巻き込む事は出来んのよ」

絵里「それは違うわよ希。大事だからこそ私達も希に協力したいの」

にこ「そうそう。どうでも良かったらさっきだって助けて無いわよ」

希「……ありがとうな」ニコッ

希「でもやっぱりお父さんの敵はウチが取りたいわ、その時は2人とも……」

にこ「分かってるわよ」

絵里「雑魚のお掃除は任せときなさい♡」

希「……ふふっ」
希(2人とも優しくってウチは本当に幸せ者やな……)
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/27(水) 10:27:40.58 ID:Ko5rNI+Z0
絵里「そういえば私は明日用事があるから居ないわ」

にこ「あらそう、まあ適当に海未の所で溜まっとくわ」

絵里「あ、その事だけど海未も明日は居ないわよ」

希「え、何かあるん?」

絵里「裏の仕事があるって……私も連れていくって」

希「えりちも?」

にこ「ふーん、まあ店自体には入れないわけじゃないから適当にやっとくわよ?」

絵里「それならこっちも安心だわ」

にこ「一応花陽にでもLINEで知らせとくわ……海未から聞いてると思うけど」



海未「あ、花陽明日はこの店に来ても私は居ませんので」

花陽「え、仕事?」

海未「ええですので皆さんにもそう伝えておいて下さい」

花陽「うん♪」

海未「そういえば希達はどこに?」

花陽「さあ……事件に巻き込まれてないと良いけど」

花陽「あ、にこちゃんから連絡だ……ふんふん、絵里ちゃんも仕事なんだね」

海未(……ホテルの件は教えられていない様ですね)

花陽「どうしたの海未ちゃん?」

海未「あ、ああ何でも無いです」
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/27(水) 10:37:11.96 ID:Ko5rNI+Z0
そして会合当日

海未は以前皆で寝た大部屋で身支度をしていた

身支度を終え、部屋の隅にある一枚の写真を眺め海未は呟く

海未「……本来は貴方の役目だったのでしょうね」

その写真には海未に似た女性が海未と一緒に写っていた

海未「一体どこにいったのですか……」


海未「お姉様……」

プルルル

海未「!」

絵里『ハーイ♡おはよう海未』

海未「ああ、絵里ですか。おはよう御座います」

絵里『準備は出来てるけど……もうホテルに向かった方が良い?』

海未「そうですね。現地集合にしましょう」

絵里『分かったわ、あまり待たせないでね♡』

海未「分かっております。では」ピッ


海未「はぁ……少々気が落ち込んでしまいました……いけません昔に惑わされていては」

海未「絵里を待たせない様にもう行きますか」


ガチャ……パタン


写真に写っている2人はこの世で一番仲の良い姉妹だと言うかの様に良い笑顔だった
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/27(水) 11:00:40.41 ID:Ko5rNI+Z0
海未「お待たせしました絵里」

絵里「大丈夫よ今来たから♡」

海未「流石こなれていますね」

絵里「クスッ♪じゃあ中入りましょ?」

2人がホテルに入る直前、車を運転していたことりが海未達を目撃する

ことり「……?今海未ちゃんと絵里ちゃんが居たような……?」

ことり「あの古いホテル……あれがシルバーズホテルっていうのかな」

ことり「ホテル……ホテル……ええっ!?///」

ことり「だ、ダメー!!穂乃果ちゃん達に連絡しないと!!」

変なスイッチが入ってしまったことり

穂乃果『どしたのことりちゃん?』

ことり「かくかくしかじか……」

穂乃果『ええっ!?とにかくことりちゃん戻ってきて!』

ことり「うんっ!」

294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/27(水) 15:25:09.62 ID:Ko5rNI+Z0
凛「穂乃果ちゃんどうしたにゃ?」

穂乃果「やばいんだよ!とにかくシルバーズホテル?に行かないと!」

真姫「ヴぇぇ、何かあったの?」

希「海未ちゃんとえりち居らんしその関係やないの?」


ブウゥゥン……キキィーッ!!

ことり「皆!乗って!!」バタン

花陽「ひゃあっ!」

にこ「な、何だって言うのよ!」

穂乃果「とにかく皆急ごう!!」

バタバタ……


ブイーン

ことり「やんやん……」

にこ「アンタずっとそれ言いながら運転してるけどどうしたのよ」

ことり「だって海未ちゃんと絵里ちゃんが……今頃ホテルで///」

穂乃果「そうだよ!絵里ちゃんが海未ちゃんを誑かしてるかもっ!」

花陽「えええー!?」

希「無い無い」

凛「希ちゃんと同意見だにゃー」

真姫「右に同じ」
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/27(水) 15:42:42.72 ID:Ko5rNI+Z0
シルバーズホテル 5F


海未「失礼します」ペコ

絵里「呼ばれたから来たわよ」

清水「おお、良く来てくれたな。2人の事は組長さんから伺っているよ」

海未「話が早くて感謝します……まだ全員は集まってないようですね」

清水「向こうも忙しいからな、まあのんびりと待っていようじゃないか」

清水「これお前達、お茶の用意をしてあげなさい」

風丸「了解」

大石「こちらをどうぞ」

清水に呼ばれた2人は海未と絵里の目の前にお茶を置く

海未「頂きます」

絵里「ありがとうね」

?「私は水で結構だ」

清水「おや何時の間に来てたかな……永金さん」

永金「最初から居たのだがな……」

永金と呼ばれた男は海未の目の前に座っており、清水より若い見た目で同じかそれ以上の風格を纏っていた

絵里(この人……!)

海未「本日は宜しくお願いします……絵里?」

絵里「……宜しく」

永金「こちらこそ……しかし若いのに大変だな」

海未「どうも」

そして男の後ろには絵里に似た女性が立っていた
その女性は永金に近寄りロシア語で会話を始めた

296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/27(水) 16:00:00.23 ID:Ko5rNI+Z0
?『永金副会長』

永金「どうした?」

?『目の前に居る金髪の女性は……』

永金『おそらくレイの姉だろう』

絵里(レイ……どういう事よ!?)

永金『あまりこれ以上喋るな、ボロが出てしまうぞ……エレン』

エレン『失礼致しました副会長』

2人の会話にひっかかりを覚えた絵里はロシアの言葉で会話を切り出す

絵里『……ちょっと良いかしら?』

永金『おっと、どうかしたか?』

エレン『……全て筒抜けでしたか』

絵里『余り貴方は賢くない様ね、もっと言語を学びなさい』

エレン『すみません……学が無い者で』

口調こそ喜劇的だがお互いに緊迫した雰囲気を保ちながらの会話だった

永金『これ以上はこちらの詮索はしないで貰えるか……絢瀬絵里』

絵里『……貴方達は何者なの?』

エレン『耳が聞こえないのですか?副会長の言う事を聞きなさい』

絵里『質問に応えなさい』

永金『その義理は無い』


清水「おやおや、何やら揉め事かな?」

永金『……これ以上の会話はせんぞ』

絵里『分かってるわ……でも覚悟はしておきなさい』

エレン『……っ!』

絵里「……勝手な会話失礼しました清水さん」

清水「いやいや、会合とはいえ雑談ぐらいは構わない」

清水「後は神田組が来るまで皆でまったりしていようでは無いか……」

バタン

神田「遅れてすまない」

仏樹「どうもすみませんね」ペコ

清水「おっと君達を待っていたよ……では友愛会と独王会の会合を始めよう」
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/27(水) 16:25:55.19 ID:Ko5rNI+Z0
海未達が会合を進めている一方でことり達はホテル前に辿り着く


ことり「着いたー!」

穂乃果「よーし、待っててよ海未ちゃん絵里ちゃん!」

真姫「待って、ホテルの真ん前に誰か居るわ」

希「あれ絶対ヤクザ系の人やな……」

凛「お、喧嘩かにゃ?」


登美「もー、青葉ちゃんのせいで会合に遅れちゃったじゃないの」

青葉「ていうか僕がトミーさんを連れてきたんですよ?」

登美「あらそう、それにしても清水ちゃん怒るかしら」

青葉「組長は優しいですから大丈夫ですよ……それより急ぎましょう」

登美「はーい♡」


にこ「げっ、アイツ居るの……」

花陽「どうしたのにこちゃん?」

凛「顔がアイドルっぽくないにゃ」

にこ「な、何でもないわよ……」

そういうにこの頭には昔の記憶、背中には冷や汗が流れていた

希「それより中に絶対ヤクザの人居るよ、どうする?」

穂乃果「勿論海未ちゃんと絵里ちゃんを助けるよ!」

凛「さんせーい!」

にこ「まあそれしかないわね……真姫も花陽も良いわね?」

真姫「勿論よ」

花陽「足を引っ張らない様に頑張ります!」

ことり「あ、じゃあことりは中で待ってるね」

にこ「アンタ戦えないもんね……鍵は掛けといててね」

穂乃果「無事に連れ戻して来るからね!」

ことり「うん♪皆頑張ってきてね♪」

かくして穂乃果達のうみえり救出作戦が始まった
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/27(水) 16:48:27.68 ID:Ko5rNI+Z0
「門番も暇だよなー」

「な、こんなボロいホテルに誰が来る……なっ!」

穂乃果「とりゃー!!」ボゴッ

「ごはっ!!」

「な、なな何だお前ら!」

にこ「正義のヒーロー達よ!そこをどきなさい!」

希(多分ウチらの方が悪人やと思うけど……)

「ク、クソ!ここは通さねえぞ!!」

凛「突撃にゃー!!」



清水「という事で会議は一旦休憩、少し息抜きしなさい」

海未「ふう……中々気が張って疲れますね」

絵里「肩揉んであげる♡」ギュッギュッ

海未「ああ〜……気持ち良いです……」

会議が休憩になり、皆がそれぞれ休憩を取る中、部屋のドアが慌しく開けられた

「し、清水組長!!」

清水「おや、どうした?」

「侵入者です!!数は6人!」

清水「一般の方かな?」

「それが……妙に戦い慣れした者達で……」

清水「そうか……会議は一旦中止、客人達を持て成すぞ」

清水「皆、大石と風丸そして今連絡が入った青葉に付いて2階の大部屋に控えなさい」

清水「登美には既に3階に付いて貰っている、急ぐのだ」

『はっ!!』

永金「独王会も臨時体勢を取れ……エレンは4階、私は少し侵入者の様子を見てくる」

『承知』

神田「俺達はバラバラに行く。俺はこの部屋前に構えておくから仏樹は若衆達と1階大部屋にいけ」

『了解!』


各組織が戦闘体勢に入る中、海未と絵里は狐につままれた様な顔で慌しい状況を眺めていた


海未「ま、まさか……」ポカーン

絵里「はぁ……あの子達勘違いしたわね……」ヤレヤレ
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/27(水) 17:06:45.60 ID:Ko5rNI+Z0
そんな上の騒動と連動するかの様に1階にゾロゾロと若衆が集まってくる
その様子を見て穂乃果達は更に士気を高めていく

「てめえら止まれ!!」
「上に行かせるな!」

穂乃果「おおー、いっぱい居るね!」

希「まだ下っ端ぐらいやから今の内に突っ走るよ」

にこ「さあ、カモーン!ドンドンブッ飛ばして行くわよ!」

破竹の勢いで若衆を倒していく穂乃果達、その前方を仏樹達が遮る



仏樹「お前ら止まれ!俺達は仕事中だ!!」

にこ「あ!アンタこの間は良くもにこが居ない時に店を襲おうとしたわね!」

仏樹「うるさい!とにかく上の階には行くな!!」

凛「また凛の足技を喰らうかにゃー?」

仏樹「っち、ガキ共め……!!」

恐怖半分、怒り半分と言った感情で叫ぶ仏樹

仏樹「泣いて詫びても許さ……ぐはっ!!」ザクッ

真姫「邪魔よ」

しかし真姫の投げたメスがアキレス腱に刺さりアッサリと倒れた仏樹

「仏樹さん!!」
「馬鹿な……幹部だぞ!!」

真姫「あんまり雑魚が粋がるんじゃないわよ」ギロッ

『ひっ!!』

真姫の冷たい視線に怯えた若衆達はあっさりと道を開けた

凛「真姫ちゃんかっちょいいー!」
にこ「真姫ちゃんこわーい♡」

真姫「茶化さないで!」プンプン
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/27(水) 17:19:36.55 ID:Ko5rNI+Z0
穂乃果「上の階に行くよ!」

希「おっけーい!」

階段を登り、2階のドアを開く穂乃果
その一瞬の隙を狙った拳が穂乃果の眼前を掠った

大石「喰らえ!」ビュッ

穂乃果「うおっ!危ないなー!」サッ

風丸「大石の拳を避けるとは……!」

青葉「やはり只の侵入者では無い……雑魚じゃ相手にならないわけだな」

穂乃果「貴方達誰?」

青葉「2人は清水組幹部……僕は若頭補佐の青葉だ」

青葉と名乗った男はインテリな雰囲気とは裏腹に鍛え上げられた拳を合わせながら穂乃果達を挑発している

希「若頭補佐……!?」

凛「それって強いの?」

花陽「新銅の右腕って事だよ!」

にこ「ふーん……でもこの階に居るって事は大した事なさそうだけど」

真姫「いや……実力者だからこそ私達を早く片付けようって事も考えられるわ」

青葉「赤髪の君は中々冷静だな……その通り我々はこれまでの様にはいかないぞ」

青葉「悪いがここで君達にはリタイアだ……大石、風丸。行くぞ!」

大石「おう!」

風丸「分かってるよ」

穂乃果達を潰さんとこちらに向かってくる3人
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/28(木) 12:01:30.29 ID:hLudp9Jq0
しかしその勢いは3人によって止められた


真姫「喰らいなさい!」シュシュ
風丸「早……ぐわっ!」ザクッ

真姫は風丸の動きを先読みしメスを投げる

花陽「やーっ!」ドガッ
大石「何っ!……がはっ!!」ザザッ

花陽は大石の胴に渾身のパンチを放つ

凛「とりゃー!」バキッ
青葉「ぐっ!」ガッ

そして凛の蹴り攻撃をギリギリ両腕で防ぐ青葉


ピンチと思われた状況が若い3人組によって逆転した瞬間であった


穂乃果「凛ちゃん!真姫ちゃん!花陽ちゃん!」

凛「へへ、ここは凛達に任せるにゃ!」

真姫「さっさと先に行きなさい!」

花陽「花陽達は大丈夫ですから!」

青葉「く……!」

凛「さあー!かかってくるにゃあ!」


希「ウチも残る……うわっ」グイッ

にこ「いいから早く行くわよ!」タッタッタ


立ち止まる希を引っ張りながらにこ達は3階へと走る


希「何するんにこっち!」

穂乃果「ほんとに大丈夫なの、にこちゃん!」

にこ「大丈夫よ!にこの舎弟よ?」

にこ「あんな奴等コテンパンだわ!」グッ

穂乃果「にこちゃん……!」

希「……そうやな、にこっちの舎弟やもんね」クスッ
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/28(木) 12:18:04.65 ID:hLudp9Jq0
3F

希「よいしょ!」ガチャ

登美「あらー、侵入者ちゃ〜ん♡」

穂乃果「うおっ、おじさん!?」

登美「何よ失礼ね!これでも女よ女!!」

希達の目の前に居る人物は女口調とは裏腹に明らかに40代の男の風貌でソファーに座っていた

にこ「……やっぱり居るのね」

登美「あら、にこちゃーん♡久し振り〜」

希「知り合いなん?」

にこ「前に戦った事あるのよ……」

登美「そこのにこちゃんとは熱い拳を交わしたのよ♡」

穂乃果「うおお……にこちゃんなんか凄いね」

登美「良ければ3人で掛かって来ても構わないわよ?アタシ激しいの好きだから♡」

にこ「ふん!アンタはまたにこが相手してやるわよ!!」

にこ「希、穂乃果」

希「はいはい、分かっとるよ」

穂乃果「気をつけてねにこちゃん!」

タッタッタ……

登美「あらー、行っちゃったわね……でもまた熱い戦いが出来るわねにこちゃん♡」バッ

にこ「今度こそ参ったと言わせてやるわよ!とりゃー!!」ダダダ
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/28(木) 12:28:09.33 ID:hLudp9Jq0
4F

穂乃果「よっこいしょ……」ガチャ

エレン「……侵入者?」

希「えりち!?」

エレン「違う……私はエレン。独王会の若頭」

穂乃果「若頭……強いんだね」フルフル

希「随分口が軽いんやね……組織の名前なんてそう簡単に言ってええもんじゃないやろ?」

エレン「私の素性を明かした所で貴方達に勝ち目は無い……それに私は頭が良いほうじゃないのよ」

穂乃果「へへ、穂乃果と似てるね……君」

希「穂乃果ちゃん……さっきからウズウズしてるね?」

穂乃果「うん、希ちゃん。ここは任せてくれないかな」

エレン「1対1で戦うって言うの……馬鹿か無謀か……それとも勇者か」

エレン「良いわ、相手してあげる掛かって来なさい」

穂乃果「よーし!やっと強そうなやつと戦えるよ……行くぞー!!」ダダダ


希「……多分次が最上階やね」

希「待ってて海未ちゃん、えりち!」タッタッタ

304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/28(木) 12:50:43.55 ID:hLudp9Jq0
小部屋

永金は騒動に紛れて小部屋である人物と電話をしていた

永金「……新銅、計画は順調だ」

永金「ああ、もう少し時を待て」スッ

スマホをポケットに仕舞い、怪しく微笑む永金

永金(……もう少しだ、もう少しで我等の計画が達成する)ニヤリ



5F


ガチャ

希「……やっぱり敵が居るんやね、門番さん?」

神田「お前!……東條の娘がここに来るとはな」

希「貴方が……神田?」

神田「正解だ。だが永金さんに会わずにここまで来れるとは運が良いな」

希「永金?誰なんそれは」

神田「俺より数倍強えぞ……しかし俺も門番の役目を果たさなければな」

希「貴方にはこんな慌しい状況で会いたく無かったけど……仕方ないよね」
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/28(木) 13:15:25.90 ID:hLudp9Jq0
希「そこを通してもらうよ、仲間を助けるために!」ダッ

神田「フン……来い!!」ガバッ

神田の掴みかかりを避けながら希は神田の足を払う
その攻撃を避けきれず倒れこむ神田

神田「ぐ……やるな」

希「ふふ、喧嘩は嫌いじゃないんよ♡」

希「さあ、ここからや……行くよ!」ダッ
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/28(木) 13:26:41.76 ID:hLudp9Jq0
希が神田と戦っている一方、下の階でも戦いは激しくなっていた

凛「やーっ!!」ブン

青葉「ぐおっ……!!」バキッ

凛「まだまだ、足払い!」サッ

青葉「危ない……動きが速いな」ヒョイ

凛「これでも元金メダル選手なんだよ!」ブイ

青葉「成る程……手強いな」ニッ


凛の素早い攻撃にギリギリで回避や防御を繰り返す青葉
中々攻撃に転じる事が出来ない上、長期戦で体力を削られていく

青葉(まるで体力に差があるな……ただの下っ端だと思っていたがここまでとは)

青葉「ここは……大石!風丸!僕の援護を……!?」


真姫「誰を呼んでるの?」

風丸「が……はっ!」

花陽「幹部なのに手応えが無いですね」

大石「ぐう……ゼェ……ゼェ……!!」


いつの間にか真姫と花陽も幹部の2人を倒していた

青葉「どういう事だ……!!清水組の幹部だぞ!!」

凛「凛達だって園田組と繋がりあるにゃー!!」

真姫「所詮数が多いだけのリーダーなんて大した事無いわ」

花陽「花陽達は負けられないんですよ、頭に期待されてますから」


青葉「頭……あのツインテールか……?」

凛「そうだよっ!」

凛「にこちゃんは黙って凛達に任してくれたんだよ。それで負けたなんて言えないよ!」

青葉「……言葉の無い信頼関係か……ウチの組には存在しないな」

青葉「ふん……君達は強い。これ以上の戦いはこちらが消耗するだけの無駄試合だ」

真姫「あら、潔いわね」

花陽「びびってるんですか?」

青葉「何、状況を見極めて撤退するだけだ。次はこうはいかない」

青葉「……先に行け」

凛「よし!行くよ2人とも」

真姫「はいはい」

花陽「分かってるよ」

タッタッタ……

青葉(あの3人……まだ強くなるだろうな……)

青葉「さ……倒れた2人を片付けるか」
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/28(木) 15:00:24.90 ID:hLudp9Jq0
にこ「そい!」ビッ

登美「あん♡強くなってるわねにこちゃん♡」

にこ「一々気色悪いわ!」

登美「……でもこれは避けられるかしら……それっ!」ババッ

登美は右腕を振りかぶりにこの頭を狙う

にこ「!!」サッ

登美「そこっ!」ドゴッ

開いた左手の拳をにこの鳩尾に叩きつけた

にこ「ぐはっ!?」ドサッ

登美「あらあら、まともに喰らっちゃったわね……」

にこ「げほっげほっ……!!はぁはぁ……くそっ!!」ギロッ

登美「そう睨まないでちょうだい。アタシも上の命令には逆らえないのよ」

そう言いながら登美はソファーに座る
未だダメージの抜けないにこはその一瞬を見逃さずゆらゆらと立ち上がる


にこ「……だったらこれはどうかしらね!!」

にこ「はぁっ!!」ドカッ

登美「きゃっ!」ゴロゴロ

にこはソファーを蹴り飛ばし、登美を転ばせる


にこ「動くんじゃないわよ!」スチャ

不意を付かれた登美の首ににこはナイフを突きつける

登美「……ほんと強くなってるわにこちゃん……」

登美「強くて諦めない心を持ってる。そういう子アタシは大好きよ」

にこ「アンタなんかに好かれても全く嬉しくないわよ」

登美「うふふ、この先に行きなさいな。もうアタシは貴方を止める気は無いから」

にこ「……感謝するわよ」タッタッタ……


登美(そろそろアタシも真面目に生きるべきかしら……)


ガチャ

凛「あっ、敵が居たにゃ!」

真姫「本当ね。油断しちゃダメよ」

登美「あら、にこちゃんならもう先に行っちゃったわよ」

花陽「え、にこちゃんと戦ったんですか?」

登美「ええ……貴方達も先に行きなさい、通してあげる」

凛「何だか良く分からないけど、ありがとうにゃ!」タッタッタ……


登美(……可愛い子分が居るのね……)
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/28(木) 15:26:01.20 ID:hLudp9Jq0
にこ「ぜぇぜぇ……」タッタッタ

にこ(アイツ強かったわね……)


凛「おーい、にこちゃーん!」フリフリ

にこ「あ、アンタ達も終わったの?」

真姫「そうよ。大した事無かったわ」

花陽「もっと手応えのある人は居ないんですか……」

にこ「花陽……いつのまに戦闘モードになってたのね」

凛「おにぎりあげたら落ち着くにゃー、はいかよちん」

花陽「もぐもぐ……美味しい♡」


穂乃果「やーっ!」バキッ

エレン「ぐっ」ガッ

穂乃果「とうっ」ドゴッ

エレン「っ!!」サッ

穂乃果「まだまだ!!」

穂乃果「てーい!」バキ

エレン「ぐ……!」ドサッ

1発目、2発目と穂乃果の攻撃を防いだエレン
しかし3回目のパンチを見切れず床に膝を突く

エレン(……コイツ、強い!)ハァハァ

穂乃果「ハァ……ハァ……君強いね……!」

穂乃果「えへへ、まだまだ戦えるよね?」

エレン「勿論……!」

しかしエレンは穂乃果の後ろにある扉から気配が上がってくるのを感じ取り

エレン「待って、もうすぐ援軍が来る……」

穂乃果「へ?」

ガチャ

にこ「ほ、穂乃果!」

凛「あー穂乃果ちゃん!」

真姫「そいつは……敵ね」

花陽「だ、大丈夫穂乃果ちゃん?」

穂乃果「おー!皆こそ大丈夫?」

エレン(……全員負けたか……何て強さ……!)
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/01/01(月) 14:00:42.95 ID:SXEVa9Kb0
穂乃果「おっと、穂乃果は君を倒さないとダメなんだよ!」

穂乃果「ささ、続きやろ!」

エレン「……私の負けよ。ここは通って良いわ」

穂乃果「え、良いの?」

エレン「ええ。早く行きなさい」

穂乃果「分かったよ、ありがとう!」

にこ「ちょちょ、待ちなさいよ穂乃果!」

凛「ありがとうにゃ絵里ちゃんに似てる人!」

タッタッタ……



エレン「あのオレンジ髪……楽しい勝負だったわね」
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/01/01(月) 14:14:19.73 ID:SXEVa9Kb0
神田「ゼェゼェ……やるな貴様」

希「ハァ……ハァ……貴方も中々やるね」

神田「これでも友愛会の2大巨頭の組長なんでな……」

希「強いわけだね……」

希と神田が対峙をしていると下の階から足音が聞こえてきた
希「……ん?」

神田「……どうやらお前達の勝ちのようだ」

希「という事は……」


にこ「希!!」バタン

希「にこっち!」

希「穂乃果ちゃん達も……皆勝ったんやね」

穂乃果「へへ、結構相手も強かったよ!」

凛「ちなみににこちゃんだけボロボロだにゃー!」

にこ「りーん?」グリグリ

凛「痛いにゃー!」

穂乃果「おおー、にこちゃん名物ぐりぐり攻撃だっ!」

アハハハ
311 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/01/01(月) 14:37:20.81 ID:SXEVa9Kb0
神田(こいつらが東條の……成る程)

希「あ、ウチも貴方を倒さんと!」

にこ「何よー?まだ決着付いて無かったの?」

神田「……良い、ここは通してやる。いけ」スッ

穂乃果「え、良いの?」

神田「もはや会合をする意味も無い、なら俺が止める意味も無いだろう」

真姫「……筋は通ってるわね」クルクル

希「そうやね。皆行くよ」ガチャ


海未「あ、貴方達!」

絵里「良くここまで来れたわね……」

希「へへ、えりち達の事心配したんよ?」

にこ「後は……アンタ一人だけね」スッ

清水「おやおや、やっぱり君達が客人だったか」

穂乃果「おおー、強そうな人だね」サッ

花陽「こ、この人が……ここのボス?」

真姫「コイツが清水組の組長なのね……」

清水「おっと私は君達と戦う心算は無い。だから武器をしまってくれ」

凛「そういって後で銃でバーンとかやる気でしょー!」

清水「私はそんな卑怯な真似はしないさ。むしろ君達の事は個人的に興味を持っている」

清水「私は強い者が大好きでね……特に若者の生き生きとした姿は惚れ惚れとしてしまうよ」

海未「どうも……」ペコ

絵里「私達の仲間は強いでしょ♡」


にこ「あのおっさんあんなキャラだったかしら……」ヒソヒソ

凛「分かんないにゃ……」ヒソヒソ

穂乃果「そういう時もあるんじゃないの?……」ヒソヒソ






312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/01/01(月) 14:48:18.35 ID:SXEVa9Kb0
清水「会合は中止になったが、君達とはまた会いたいものだな」

海未「すみませんでした。我々が連絡していなかったばっかりに」

清水「何、人生は全てが上手く行くわけではない。今回の事も良い刺激になったよ」

清水「良ければ君達には私の組の下っ端達を鍛えて貰いたいものだ」

絵里「面白そうね、ウチには喧嘩好きが結構居るし」

清水「はっはっは。血の気が多いのは良い事だ……それでは皆気をつけて帰りなさい」

海未「また会合があれば宜しくお願いします……それでは」

絵里「じゃあ皆帰りましょう」



清水「帰ったか……それにしても面白い若者達だった」

清水「時代が違えば園田海未も私の組の幹部として働いてくれたかもしれん……」

清水「あの子はすぐにでも組長として活躍するはずだ……その時までに私が生きていれば更に刺激のある人生だったかもな」

清水「……」
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/01/01(月) 15:03:34.77 ID:SXEVa9Kb0
「……えー!あの海未ちゃんが!?」

「そうだよ♡あの時の海未ちゃんは可愛かったなー」


海未「ことり。お待たせしました……ヒデコ!?」

「ん?あ、海未ちゃん、穂乃果!久し振り!!」

穂乃果「お、ヒデコ久し振りだねー!」

ヒデコ「って……絢瀬先輩!?」

絵里「あら、貴方がどうしてここに?」

ヒデコ「パトロールをしていたらことりちゃんを偶々見かけたんですよ」

ことり「そうそう。それでことりとずっとお喋りしてたの♡」

海未「そうなのですか……しかし懐かしいですねヒデコ」

ヒデコ「そうだねー、でも皆があそこのホテルから出てきたっていう事は……」

ヒデコ「喧嘩でもしてきました?」

にこ「あら、良く分かったわね」

ヒデコ「そりゃ分かりますよ。特に矢澤先輩はボロボロですし」

希「あれ、にこっちも面識あるんやね」

花陽「多分希ちゃんと真姫ちゃんは会った事無いよね?」

真姫「そうね、ヒデコちゃんって言うのね」

ヒデコ「ええ、これから宜しくお願いします」ペコリ



314 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/01/01(月) 15:08:27.19 ID:SXEVa9Kb0
凛「でも凛も久し振りだよー、ヒデコちゃんと会うの」

ヒデコ「最近はヤクザが前以上に抗争が多くて警察も忙しいんですよねー」

絵里「あらあら、署内で何か変わった事は無いかしら?」

ヒデコ「特には無いですかね、そちら側は?」
315 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/01/01(月) 15:22:45.46 ID:SXEVa9Kb0
海未「こちら側も特には無いですね」

ヒデコ「そっか、まあ平和なら良かったよ」

絵里「それじゃあ私達は帰るわ。ヒデコちゃんはパトロール頑張ってね♡」

ヒデコ「はい!先輩もゆっくり休んでくださいね」

ヒデコ「あ、一応これ渡しておきます」

絵里「あら、名刺ありがとう。じゃあね」

ヒデコ「では」ビシ

ヒデコは絵里達に敬礼してパトロールを続けに行き、絵里達は小料理屋に戻った


小料理屋


海未「……しかし何故貴方達はホテルに殴り込みに来たのですか?」

海未「私がちゃんと理由は説明したはずですが」

ことり「だって海未ちゃんと絵里ちゃんがホテルで……あの」

絵里「あら、詳しく聞かせて?」


絵里「……ふふふ……あははは!」

海未「そ、そんな事は絶対ありえません!!///」

絵里「私と海未が……ふふふっ」

にこ「まったく……あんなボロいホテルでそんなムード作れるかって話よ」

凛「その2つ隣ぐらいにあったホテルの方がおしゃれだったにゃー」

真姫「しっかり見てるわね」クルクル

穂乃果「だって海未ちゃんってそういうの弱いし……絵里ちゃんに襲われちゃうかも!」

花陽「ぴゃあ!」

希「ふふ、そうなったら面白そうやね♡」

絵里「あらあら、人想いの幼馴染持って海未は幸せものね♡」

海未「そ、そんな心配は要りませんよ!」


316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/01/01(月) 15:30:39.34 ID:SXEVa9Kb0
海未「それに……そんな事のために貴方達はヤクザの集会所に殴り込んで大丈夫なのですか?」

にこ「平気よ、にこ達喧嘩好きだし」

凛「そうにゃそうにゃ!あの清水っておっさんも凛達の事怒ってなかったよ!」

絵里「それはそうだけど……チンピラの喧嘩とヤクザの抗争はまるで別物よ?」

海未「軽い気持ちで始めた事が後々大きな解れが起きる事はあり得ます」

海未「貴方達が強いのは分かっていますが……向こうから仕掛けて来ない限りはこちらから刺激する事は出来るだけ控えましょう」

穂乃果「はあーい……」

ことり「な、なんかごめんね海未ちゃん」

海未「構いませんよ、ただ今後向こうから仕掛けて来る事も覚悟しなければなりませんよ」

希「大丈夫よ。ウチが皆を守るからね」

絵里「あら、じゃあ私も」

にこ「あ、じゃあにこに任せなさい」

のぞえり『どうぞどうぞ』

にこ「ぬわんでよ!」

アハハハハ
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/01/01(月) 15:47:32.51 ID:SXEVa9Kb0



にこ「ほれほれ海未ちゃ〜ん♡」

穂乃果「おおー!えっちな漫画だね!」

海未「や、やめて下さい破廉恥です///」


ことり「海未ちゃん……」チラッ

ことり「……」

希「どうしたんことりちゃん?」

ことり「……もしかしてことりってとんでもない事しちゃったかなって……」

希「昼の事?」

ことり「うん……海未ちゃんと絵里ちゃんを助けたくて希ちゃん達の事まで巻き込んじゃって……」

希「……そんなの気にせんでええよ」ギュッ

ことり「希ちゃん……?」

希「穂乃果ちゃんから聞いたよ。本当は2人を助けたくて穂乃果ちゃんに電話したんやろ?」

ことり「う、うん……かよちゃんからLINEの事は聞いたんだけど、ほんとに海未ちゃん達大丈夫かなって」

希「まあヤクザの本拠地かもしれないって知ってる場所に2人が入っていったら普通は心配するよね」

ことり「そうなの……特に海未ちゃんは穂乃果ちゃんとずっと3人で仲良くしてきた大事な幼馴染だから……」

希「……その気持ち分かるよ、ウチもにこっちとえりちがヤクザに絡まれるって分かったら周りを巻き込んでも助けたいって思うもん」

ことり「の、希ちゃん……」ポロッ

希「ああ、もう泣いたらあかんよ。可愛い顔なんだから笑顔笑顔!」ニコッ

ことり「……うん」ニコッ
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/09(金) 14:34:18.54 ID:zItoi82e0
ガタン

希「ん?」



「……!!」ダッ

希「あ、待って!」タッタッタ



シルバーズホテル

「……まさかここまで来るとは」

新銅「東條希……!!」

希「……店の前で聞き込み?趣味悪いなあ」

新銅「そんな事はどうでもええ、お前さん達昼間はようもやってくれたな?」

希「仲間が死ぬかもしれないって状況ならカチコミかけるんは当たり前でしょ?」

新銅「ふん、その心意気は結構。だが相手を考えんとな」

新銅「ワシらの事甘く見とる言うんは勝手じゃが、親っさん達に迷惑掛けるんはワシ自身許せん」

希「……で?ウチをどうするの?」

新銅「本来ならワシが[ピーーー]所だが……あんたの良く知ってるやつがこの中に居る」

希「…………」

新銅「付いて来い」
319 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/09(金) 14:40:52.57 ID:zItoi82e0
ホテル地下室

ピッピッピ……ウィーン

新銅「こっちじゃ」

希「…………」

スタスタスタ


神田「……来たな」

希「……さっき振りやね」

神田「ああ、どうしてもお前に会いたくてな」

新銅「じゃあワシは帰るわ」

神田「……お前、最近忙しいな」

新銅「気のせいじゃろ。それじゃ」
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/09(金) 14:44:50.07 ID:zItoi82e0
神田「さて、本題に入ろうか」

希「ウチに会いたいってどういう事?」

神田「単刀直入に言うと、お前の父親……東條組長を殺したのは俺だ」

希「……やっぱりね」

神田「お前は知らないと思うが、15年前にウチの組……いや東條組長が生きていた時に起きたある事件が関わっていたんだ」

希「事件?」
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