海未「小料理屋の園田海未です」

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272 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/24(日) 23:30:49.63 ID:8wtQvEcO0
絵里「あら、外が騒がしいわね……?」

凛「ヤンキーが暴れてるんじゃないのかにゃー?」

穂乃果「おおー、喧嘩なら買うよ!」

希「……にしては聞こえる足音が多くない?」

バタバタ

「おーい!!店に4人居るぞー!!」

「マジかよ、店荒らしに来ただけなのに!」

「構わねえ!殺せ殺せ!」

どこからか来たヤクザと思わしき集団が小料理屋前を囲んだ

絵里達はすぐに戦闘態勢に入り、集団に近づいてく

絵里「ねえ、貴方達の目的は何?」

「園田海未の店を荒らしに来た!抵抗するなら殺す!」

凛「凛達の敵って事だにゃ?」

「園田海未はどこに居る!てめえら隠して無いだろうな!」

穂乃果「海未ちゃんは出かけて行ったよ!」

希「君達、急に来て荒っぽいなー、お茶でも飲んだらどう?」

「舐めてんじゃねえ!お前らやっちまうぞ!」

『ウオー!!』

絵里「やる気ね……準備は良い?」

穂乃果「勿論だよっ!」

凛「喧嘩にゃ喧嘩にゃー!」

希「早く片付けるやん?」

絵里「決まりね、行くわよ!!」
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/24(日) 23:51:29.05 ID:8wtQvEcO0
海未「やっと見えて来ました……あっ!」

海未が店に辿り着く頃には4人の周りに集団が倒れていた

海未「まさか店に来ていたとは……でも心配は無さそうですね」

海未「皆さん!ただいま帰りましたよ!」タタタ

絵里「あら、お帰り海未♡」

穂乃果「おー!遅いよ海未ちゃん!」

凛「もう戦えるやつ居ないにゃー」

希「うーん……?」チラッ

希は倒れている下っ端の制服に付いているマークに疑問を持っていた

希「……んー、何かどこかで見た事あるようなマークやな」

「ぐおお……」
「あぐっ、痛え……」

海未「はて、この者達は何かの組の者ですかね?」

絵里「ええ……でも清水組では無さそうよ」

海未「もしかして、神田組の者でしょうか」

希「……神田組?」

凛「何それ?」

海未「友愛会に属しているヤクザグループですよ、ですがあの組は今まで暴力行為等を行ってきた様な覚えは無かった筈ですが……」

穂乃果「ちょっと待って海未ちゃん、友愛会って何?」

絵里「あら、そうねそこから聞きたいわ」

すると集団の一人が立ち上がり、顔を上げた
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/25(月) 00:14:18.52 ID:/T2tseOP0
「……バレたか」

海未「何と?」

「お初に海未さん、オレは友愛会所属神田組の幹部……仏樹だよ」

仏樹「確かにオレ達神田組は今まで慈善事業に力を注いできた……でもそれは建前なんだよ」

海未「建前……?」キッ

仏樹「逆に聞くが……ヤクザが慈善事業を何も見返りなく行うと思うか?」

絵里「思わないわ」

海未「絵里……!」

仏樹「いや、正解だ。その証拠にオレ達は市場相場以上の価値をあらゆる施設に付けてきた」

仏樹「だけどこんな世界だ、カタギですら喧嘩や争いの絶えない日々で特にオレ達の管理している施設は黒字が続いている」

仏樹「だが最近良くない噂を耳にしてな……それがアンタ、海未さんだよ」

海未「私ですか?」

仏樹「そうだ、何でも清水組のところと揉めてると聞いてるじゃないか」

仏樹「だからオレがこうして駆り出されたわけだ、多少怪我をさせて圧を掛けて来いとな」

海未「それが貴方達のボスの命令だったのですか……!!」

仏樹「ああ、海未さんも気付いていただろう?ティッシュの紙の裏の文字に」

仏樹「あれもウチの若衆がやった事だ、アンタなら何か感付いてくれるだろうとな」

海未「…………っ!」ギリッ

希「……ちょっと良い?」
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/25(月) 00:33:39.47 ID:/T2tseOP0
仏樹「何だ?」

希「ウチ……神田組って名前聞いた事あるんやけど……」

仏樹「……その関西弁……!」

仏樹(そうか、コイツがあの父親の子か)

海未「希……?」

希「ウチ……物心付いた時からお父さんがおらんかったんよ」

ほのりん『えっ!?』

海未「っ!?」

絵里「…………」

仏樹「……それがどうした?」

希「もしかして……貴方達がお父さんを……?」

仏樹「何の事か分からんな、何故顔も知らないやつの父親に手を掛ける必要がある?」

希「神田組の組長の名前当てて良い?」

仏樹「組長の名前は神田だ、それ以外に何が分かる」

希「それは2代目の名前でしょ?神田組の前には初代があった筈よ」

仏樹「……何だその初代とは」

希「初代の組の名前は……」




「東條組」
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/25(月) 01:11:20.90 ID:/T2tseOP0
『!?』

海未「希の苗字は……東條」

希「……そうよ、私のお父さんはヤクザだったの」

凛「そ、そんな事……嘘だよっ!」

穂乃果「今までそんな話一度も……!」

絵里「……残念ながら本当よ」

海未「絵里!?」

絵里「東條組、希の父親はそこの組長だったわ」

絵里「そうでしょ希?」

希「…………うん」コクン

仏樹「いやはや……驚いたな、オレは新参の方だがまさか目の前に組の関係者が居たとは」

仏樹「しかし今は神田組が組の中心だ、お前が前任組長の子供であろうがオレ達には関係無い」

海未「話が飲み込み辛いですが……仏樹さんは神田と直接的に関わった事は?」

仏樹「無いな、オレは精々幹部程度だ、組長と早々に面会する事など出来ない」

絵里「……何か隠してない?」

仏樹「無い、じゃあオレ達は手を引こうと思う……じゃあな」

277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/25(月) 13:46:19.02 ID:/T2tseOP0
希(お父さん……)

希「…………」

絵里「希……」

凛「希ちゃん元気出して……?」

穂乃果「そうだよ……」

海未(希の事も気になりますが、二日後の会合に参加する私を知らないとはいえ襲うとは……)
海未(もしかして神田組の独断で……?)

海未「ふむ……」

穂乃果「ん、海未ちゃんどうしたの?」

海未「いえ……ですが希、私達に隠し事があるのなら話してみると少しは気が紛れますよ?」

希「いや、大丈夫だよ……皆に心配掛けたくないし」

希「……ウチの事は気にせんで良いからね?」ニコッ

穂乃果「希ちゃん……」
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/25(月) 13:54:40.50 ID:/T2tseOP0



にこ「……ふーん、この店にヤクザがねえ」

凛「そうだよー、いきなり来たからビックリしたにゃ」

真姫「その割には5人とも平気そうね」

穂乃果「へへ、喧嘩なら慣れてるからね!」

希「そうそう……大した事無かったよ」

花陽(ん?希ちゃんが関西弁じゃない……?)

ことり「皆頼もしいね♡……どうしたのかよちゃん?」

花陽「あ、いや何でも無いよ?」

絵里「お腹空いたんじゃないの、海未何か作ってあげて」

海未「そうですね、ではチャーハンでも」

穂乃果「やった!海未ちゃんのチャーハン美味しいんだよね♪」


海未が腕を振るう毎にパラパラとチャーハンが炒められていく
食欲をそそる良い香りが店内に広がるとともに9つの皿にチャーハンが盛られた

海未「出来上がりましたよ」

穂乃果「わー、美味しそう!それじゃあ……」

『いただきます!』

279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/25(月) 14:16:56.52 ID:/T2tseOP0
穂乃果「ごちそうさまでした〜、美味しかったー♪」

にこ「ほんとアンタ中華は特にプロ並みね」

海未「いえいえ、お粗末様でした」

花陽「美味しかったな♪……あれ、このホテル予約いっぱいなんだ」スッスッ

絵里「ホテル……?」

花陽「シルバーズホテルって言うんです、協会の人が旅行の泊まりで使うからって」

海未(友愛会の仕業ですかね)

凛「何か凄そうなホテルだにゃー」

希「シルバーズホテル……もしかしてあそこの?」

花陽「え、希ちゃんどうしたの?」

希「いや、何か聞いた事あるなって」

にこ「ああ、そこならにこも泊まった事あるわよ、まあ大した事無いけど」

真姫「見た目ボロなのよね、中はそこそこ広いって所かしら」クルクル

希「ふーん、そうなんや……」



希(……やっぱりか、お父さんが言ってた事は)

希(シルバーズホテルには絶対入ってはいけないって)

凛(希ちゃんどうしたんだろう……?)



絵里「まあ私達には縁が無さそうね」

にこ「そうね、噂じゃヤクザが裏家業の溜り場にしてるって話だけど」

穂乃果「えー!?普通のホテルにそれは無いでしょー」

海未「いわゆるカモフラージュというやつです、見た目が古いのもそれが逆に良いのでしょう」

海未「ですがせいぜい噂ならそこまで気にする事は無いでしょう……今夜はもうお開きにしますか?」

絵里「そうね、そろそろ良い時間だし」

にこ「じゃ、帰るわよー」
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/25(月) 14:32:59.64 ID:/T2tseOP0
帰り道、にこは舎弟の3人と別れた後希、絵里と帰宅をしていた
しかし普段は盛り上がる3人も今日は大人しかった

希「…………」

絵里「…………」

にこ「…………ねえ」

にこ「何か喋りなさいよ」

希「……うん」

絵里「……そうね」

にこ「あー!アンタら2人して何急に黙ってんのよ!さっきまで楽しそうだったじゃないの!!」

希「……いや、なんでもないよ」

にこ「嘘付け、あからさまにテンション下がってんじゃないの」

絵里「にこ、希だっていつも明るいわけじゃないのよ?」

にこ「それは分かるわよ、でもせめて暗い雰囲気だけでも何とかしたいじゃない」

絵里「……希、昼の事言って良い?」

希「…………ええよ、今のにこっちなら」

にこ「何何、何があったの?」


にこ「……はあ?」

絵里「つまり、希はヤクザの娘だったの」

希「……」

にこ「何それ…………もっと早く言いなさいよ!!」

希「にこ……?」

にこ「しかも何で絵里だけ知ってて私が知らないのよ!」

絵里「それは……希が前に私だけ教えてくれたのよ……」

にこ「ハァ……アンタって前からそうよね、変な所で気遣いって言うか」

希「だって……にこのお父さんだって……」

にこ「そんな事言ってるんじゃないの、アンタにつっかかりがあるなら私に遠慮せず話しなさいって言ってるのよ」

にこ「それが親友じゃないの?」

絵里「にこ、希は貴方の過去を知ってるからこそ言えなかったのよ。絶対バレたらいけないって」

にこ「アンタね……私はもう子供じゃないの。25の大人なんだから自分の中で冷静な処理ぐらい出来るわよ」

にこ「……で、希アンタこれからどうするの?」

希「え……?」
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/26(火) 19:24:30.32 ID:h4Ka5xkL0
にこ「神田組とかいうのにお父さんの事探り入れるのかって事よ」

希「それは……まあするかも分からないけど」

希「でもこれは私の問題だから……」




にこ「何言ってるのよ、何年アンタの親友やってると思ってるの?」

希「にこ……?」

絵里「そうよ。希はもっと私達を頼りなさい」

絵里「私達親友でしょ?」

希「……にこっち、えりち……ありがと……」ポロポロ

にこ「泣いてんじゃないわよ」ポンポン

絵里「可愛い顔が台無しよ、ほら」スッ

希「ん……」フキフキ
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/26(火) 19:36:48.59 ID:h4Ka5xkL0
にこ「……にしても私にしても希にしてもヤクザと変な因縁があるわね」

希「そうやね、でもウチはまだ確証が無いけど」

絵里「探りを入れて結果を見てみるのも大事よ」

絵里「それに希が今までやってきた物の怪退治にも何か関わりがありそうだし」

希「それは怪しいなあ……明日ぐらいにでも海未ちゃんに神田組の事聞いてみようかな」

にこ「あ、じゃあにこが聞いておくわ」

にこ「にこも聞きたい事あるし」

希「そう?じゃあ頼むわ」


――――――――――――――

海未「神田組ですか?」

にこ「そう、何か知ってる事ある?」

海未「そうですね……施設の運営や、何やら宗教的な活動を行っているとか」

にこ「っ!!それそれ!」ガタッ

海未「どうしました!?」

にこ「その宗教的な活動の事もっと詳しく教えて!」

海未「わ、分かりました」

海未「ですが私の発言が全てでは無いですが宜しいですか?」

にこ「構わないわ」
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/26(火) 20:01:12.95 ID:h4Ka5xkL0
海未「これは噂なのですが、シルバーズホテルには地下が存在するらしいのです」

にこ「地下?」

海未「はい、その地下はある人物がヤクザとの争いから逃げ隠れるために使っていた場所だったのです」

にこ「ヤクザと争うって何があったのよ……」

海未「どうもヤクザ側に何か知られてはいけない秘密があったらしいのです、その人物はその秘密を探っていたとか」

にこ「ふーん」

海未「ちなみにその方は既に亡くなっています」

にこ「え、何で?」

海未「いつもの様にヤクザから逃げようとその場所に隠れたら待ち伏せしていたヤクザに射殺されたのですよ」

にこ「ええ……ていうか良く知ってるわね海未」

海未「そういった噂があるのですよ、そもそも整合も取れていないので嘘だろうと言われているのですが」

にこ「にこも信じがたいわねその話……」

にこ「で、その話と神田組の宗教と何が関係あるの?」

海未「一説にはそのヤクザは神田組の関係者で」

海未「ヤクザが居場所を突き止めたのも地下のある部屋に神田組の祭壇が存在していたとか」

にこ「ふーん……つまりヤクザのホームで上手く隠れ続けていたって事だったのね」

海未「そういう事です、どうもその祭壇は普段から使っているものでは無いのでそれまで奇跡的に隠れ続けられていたと」

にこ「そんな事情があったのね……」
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/26(火) 20:24:01.04 ID:h4Ka5xkL0
にこ「ほんとにシルバーズホテルに地下があるとしたら行きたくないわね」

海未「そうですね……私もその筋の人に聞いただけなので全てを信用してるわけではないのです」

にこ「そうね……あ、そうだもう一つ良い?」

海未「はいなんでしょう?」

にこ「清水組についてなんだけど……あの組って普段は何してるの?」

海未「そうですね、金融関係が中心でしょうか」

にこ(金融……!?もしかして……)

海未「おや、どうしました?」

にこ「いや何でもないわ……」

海未「そうですか、後組員が多いって事くらいですかね」

にこ「今までにも結構な数の下っ端寄越してきたわよね」

海未「ええ、少なくとも若衆だけでも2000は居ます」

にこ「2000!?多くない?」

海未「まあ友愛会を設立した組でもありますし、何より組長の清水は友愛会の会長ですからね」

にこ「その友愛会ってさ表向きは普通の企業なんでしょ?」

海未「そうですよ、あの神田組も友愛会に所属しています」

にこ「あれ、アンタんとこは?」

海未「組長の父上が入会を拒否しているのです、なので所属はしていません」

にこ「何でよ?」

海未「理由は分かりません。ですが父上にも考えがあるのでしょう」

にこ「ふーん……」
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/26(火) 20:36:07.16 ID:h4Ka5xkL0


希「やっほーにこっち」

にこ「よっ」

にこ「そうそうアンタが聞きたい事海未に聞いてきたわよ」

希「ほんと?」




にこ「――という事なのよ」

希「そっか、ありがとうにこっち」ガタッ

にこ「ん、どうしたの?」

希「ちょっと出かけてくる……」

カランコロン

にこ「行っちゃったわね……」

カランコロン

にこ「ん?ああ花陽か」

花陽「こんばんはにこちゃん、希ちゃんと何かあったの?」

にこ「へ、どうして?」

花陽「……何か希ちゃん悲しそうな顔してたから」

にこ「……え?」

―――――――

希「ハァ……ハァ……ハァ……!」

希は店を出てすぐある場所へと走っていた
その顔は何かを思い出したかのように

希(まさか本当に一緒だったなんて……!)

希が前々から疑問に思っていた物の怪の依頼が届く住所
何とそこは神田組の本拠地であるシルバーズホテルの地下のある部屋と一致していたのだ


286 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/26(火) 20:51:25.81 ID:h4Ka5xkL0
希「……着いた」ハァハァ

希は自宅に着いていた。部屋に入り、希はタンスをゴソゴソと探す

希「あった!」

希の手に握られているのは今まで物の怪の目撃情報が綴られている手紙
その手紙が入っていた封筒を希は細かく観察する

希(やっぱりシルバーズホテル付近の住所が書いてある……)

封筒に書かれた住所を見てにこから聞いた話と自分が今までに体験してきた出来事を照らし合わせる


希「……やっぱりお父さんは神田組に……」フルフル

涙こそ出ないものの怒りで身体を震わせる希


そして

希(にこっち……えりち……やっぱり2人は巻き込めないよ)

希(ごめん……ごめんね)
287 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/27(水) 09:25:36.45 ID:Ko5rNI+Z0
希「でも今、神田組があそこに居るかな……?」

希「……行くだけ行ってみよう」ガチャ



希「ここがシルバーズホテルか……」

希「開いてるかな……?」

ガチャガチャ

希「開いてないな……帰ろう」


落胆し家に帰ろうとする希
その一瞬の隙を狙って一人の男が近づいてくる


?「東條……死ね!!」ギラ

希「……え!?」


男の持ったナイフが希の胴体に……刺さらなかった
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/27(水) 09:39:21.70 ID:Ko5rNI+Z0
?「危ない!」シュッ

?「ぐっ……!」

どこからか投げられたナイフが男の肩に刺さる

希「に、にこっち!?」

にこ「私だけじゃないわ!」

絵里「その通りよ!」ドゴッ

?「ぐほっ!!」

いつの間にか男の背後に回っていた絵里の蹴りが背中に命中し、男は地面に倒れた

?「……やっぱり一筋縄ではいかんな」

希「あ、貴方誰?」

?「俺は神田組の若衆だ、東條の命を狙いに来た」

にこ「随分素直に吐くのね」

若衆「ああ、だがバレた以上もうお前らに勝ち目なんて無いここは手を引こうと思う」

希「ちょっと待って、何でウチの苗字知ってるの?」

若衆「東條組は知ってるな?俺はその代から居たもんだからな」

希「そ、そうなんだ……」

目の前の男は確かに若者というよりはむしろ年は40代ぐらいに見えた
初代東條組からの組員というのにも納得がいく

絵里「という事は貴方は東條組長にも関わりがあるの?」

若衆「勿論だ、ちなみに俺は藤山という」
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/27(水) 10:07:42.29 ID:Ko5rNI+Z0
藤山「東條組長は優しい人でね、俺の様な下っ端にも等しく関わってくれたもんだ」

藤山「しかし東條組が神田組に変わってからというものの組全体がおかしな方向にいっちまった」

希「おかしな方向?」

藤山「そうだ、どうも神田はあの世に居る魂をこっちの世界に呼び操る事が出来るらしく」

藤山「それから神田はその奇妙な能力で物の怪とかいうこれまた不気味なものを組を挙げて開発しはじめたんだ」

にこ「魂を呼ぶ?どういう事??」

藤山「分かりやすく言うなら死人を復活させる技が使える様なものだな」

にこ「ザオラル的な?」

藤山「それだ、しかし肉体という器が無い以上魂だけ……つまり一般的に呼ばれる幽霊の状態として呼ばれる」

藤山「当然幽霊の状態では何も出来ない。だからこそあの男は物の怪という器の開発によって自らの能力を悪用しはじめたという事だ」

絵里「……まるでファンタジーの様ね」

藤山「信用出来ないか?だが西洋では悪魔や悪霊などの文化は今でも残っている」

藤山「それに、東條希は今まで物の怪退治を生業としてきた。お前なら信じてくれるな?」

希「私は……信じる」

絵里「この男の妄言という可能性も捨てきれないわよ?」

希「良いの。それに貴方はお父さんの代から居た人なんでしょ?」

希「神田組の事にも詳しいし、信用してみるよ」

藤山「それなら良い……あと俺が話していた事は神田組の連中にはオフレコで頼む」

にこ「分かったわ、アンタにまた命狙われるのも嫌だし」

藤山「俺こそお前らのようなチンピラに狙われるのはごめんだ……じゃあな」

タッタッタ……
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/27(水) 10:18:33.42 ID:Ko5rNI+Z0
にこ「行ったわね……」

絵里「ええ、それにしてもあの男が言った事は本当なのかしら」

希「分かんないわ。とりあえず助けてくれてありがとうな2人とも」

にこ「良いって事よ……でもアンタまさか一人で神田組潰す気じゃないでしょうね?」

絵里「そうよ、また奇襲かけられたらどうするの?」

希「ごめんな……やっぱり大事な2人を巻き込む事は出来んのよ」

絵里「それは違うわよ希。大事だからこそ私達も希に協力したいの」

にこ「そうそう。どうでも良かったらさっきだって助けて無いわよ」

希「……ありがとうな」ニコッ

希「でもやっぱりお父さんの敵はウチが取りたいわ、その時は2人とも……」

にこ「分かってるわよ」

絵里「雑魚のお掃除は任せときなさい♡」

希「……ふふっ」
希(2人とも優しくってウチは本当に幸せ者やな……)
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/27(水) 10:27:40.58 ID:Ko5rNI+Z0
絵里「そういえば私は明日用事があるから居ないわ」

にこ「あらそう、まあ適当に海未の所で溜まっとくわ」

絵里「あ、その事だけど海未も明日は居ないわよ」

希「え、何かあるん?」

絵里「裏の仕事があるって……私も連れていくって」

希「えりちも?」

にこ「ふーん、まあ店自体には入れないわけじゃないから適当にやっとくわよ?」

絵里「それならこっちも安心だわ」

にこ「一応花陽にでもLINEで知らせとくわ……海未から聞いてると思うけど」



海未「あ、花陽明日はこの店に来ても私は居ませんので」

花陽「え、仕事?」

海未「ええですので皆さんにもそう伝えておいて下さい」

花陽「うん♪」

海未「そういえば希達はどこに?」

花陽「さあ……事件に巻き込まれてないと良いけど」

花陽「あ、にこちゃんから連絡だ……ふんふん、絵里ちゃんも仕事なんだね」

海未(……ホテルの件は教えられていない様ですね)

花陽「どうしたの海未ちゃん?」

海未「あ、ああ何でも無いです」
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/27(水) 10:37:11.96 ID:Ko5rNI+Z0
そして会合当日

海未は以前皆で寝た大部屋で身支度をしていた

身支度を終え、部屋の隅にある一枚の写真を眺め海未は呟く

海未「……本来は貴方の役目だったのでしょうね」

その写真には海未に似た女性が海未と一緒に写っていた

海未「一体どこにいったのですか……」


海未「お姉様……」

プルルル

海未「!」

絵里『ハーイ♡おはよう海未』

海未「ああ、絵里ですか。おはよう御座います」

絵里『準備は出来てるけど……もうホテルに向かった方が良い?』

海未「そうですね。現地集合にしましょう」

絵里『分かったわ、あまり待たせないでね♡』

海未「分かっております。では」ピッ


海未「はぁ……少々気が落ち込んでしまいました……いけません昔に惑わされていては」

海未「絵里を待たせない様にもう行きますか」


ガチャ……パタン


写真に写っている2人はこの世で一番仲の良い姉妹だと言うかの様に良い笑顔だった
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/27(水) 11:00:40.41 ID:Ko5rNI+Z0
海未「お待たせしました絵里」

絵里「大丈夫よ今来たから♡」

海未「流石こなれていますね」

絵里「クスッ♪じゃあ中入りましょ?」

2人がホテルに入る直前、車を運転していたことりが海未達を目撃する

ことり「……?今海未ちゃんと絵里ちゃんが居たような……?」

ことり「あの古いホテル……あれがシルバーズホテルっていうのかな」

ことり「ホテル……ホテル……ええっ!?///」

ことり「だ、ダメー!!穂乃果ちゃん達に連絡しないと!!」

変なスイッチが入ってしまったことり

穂乃果『どしたのことりちゃん?』

ことり「かくかくしかじか……」

穂乃果『ええっ!?とにかくことりちゃん戻ってきて!』

ことり「うんっ!」

294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/27(水) 15:25:09.62 ID:Ko5rNI+Z0
凛「穂乃果ちゃんどうしたにゃ?」

穂乃果「やばいんだよ!とにかくシルバーズホテル?に行かないと!」

真姫「ヴぇぇ、何かあったの?」

希「海未ちゃんとえりち居らんしその関係やないの?」


ブウゥゥン……キキィーッ!!

ことり「皆!乗って!!」バタン

花陽「ひゃあっ!」

にこ「な、何だって言うのよ!」

穂乃果「とにかく皆急ごう!!」

バタバタ……


ブイーン

ことり「やんやん……」

にこ「アンタずっとそれ言いながら運転してるけどどうしたのよ」

ことり「だって海未ちゃんと絵里ちゃんが……今頃ホテルで///」

穂乃果「そうだよ!絵里ちゃんが海未ちゃんを誑かしてるかもっ!」

花陽「えええー!?」

希「無い無い」

凛「希ちゃんと同意見だにゃー」

真姫「右に同じ」
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/27(水) 15:42:42.72 ID:Ko5rNI+Z0
シルバーズホテル 5F


海未「失礼します」ペコ

絵里「呼ばれたから来たわよ」

清水「おお、良く来てくれたな。2人の事は組長さんから伺っているよ」

海未「話が早くて感謝します……まだ全員は集まってないようですね」

清水「向こうも忙しいからな、まあのんびりと待っていようじゃないか」

清水「これお前達、お茶の用意をしてあげなさい」

風丸「了解」

大石「こちらをどうぞ」

清水に呼ばれた2人は海未と絵里の目の前にお茶を置く

海未「頂きます」

絵里「ありがとうね」

?「私は水で結構だ」

清水「おや何時の間に来てたかな……永金さん」

永金「最初から居たのだがな……」

永金と呼ばれた男は海未の目の前に座っており、清水より若い見た目で同じかそれ以上の風格を纏っていた

絵里(この人……!)

海未「本日は宜しくお願いします……絵里?」

絵里「……宜しく」

永金「こちらこそ……しかし若いのに大変だな」

海未「どうも」

そして男の後ろには絵里に似た女性が立っていた
その女性は永金に近寄りロシア語で会話を始めた

296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/27(水) 16:00:00.23 ID:Ko5rNI+Z0
?『永金副会長』

永金「どうした?」

?『目の前に居る金髪の女性は……』

永金『おそらくレイの姉だろう』

絵里(レイ……どういう事よ!?)

永金『あまりこれ以上喋るな、ボロが出てしまうぞ……エレン』

エレン『失礼致しました副会長』

2人の会話にひっかかりを覚えた絵里はロシアの言葉で会話を切り出す

絵里『……ちょっと良いかしら?』

永金『おっと、どうかしたか?』

エレン『……全て筒抜けでしたか』

絵里『余り貴方は賢くない様ね、もっと言語を学びなさい』

エレン『すみません……学が無い者で』

口調こそ喜劇的だがお互いに緊迫した雰囲気を保ちながらの会話だった

永金『これ以上はこちらの詮索はしないで貰えるか……絢瀬絵里』

絵里『……貴方達は何者なの?』

エレン『耳が聞こえないのですか?副会長の言う事を聞きなさい』

絵里『質問に応えなさい』

永金『その義理は無い』


清水「おやおや、何やら揉め事かな?」

永金『……これ以上の会話はせんぞ』

絵里『分かってるわ……でも覚悟はしておきなさい』

エレン『……っ!』

絵里「……勝手な会話失礼しました清水さん」

清水「いやいや、会合とはいえ雑談ぐらいは構わない」

清水「後は神田組が来るまで皆でまったりしていようでは無いか……」

バタン

神田「遅れてすまない」

仏樹「どうもすみませんね」ペコ

清水「おっと君達を待っていたよ……では友愛会と独王会の会合を始めよう」
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/27(水) 16:25:55.19 ID:Ko5rNI+Z0
海未達が会合を進めている一方でことり達はホテル前に辿り着く


ことり「着いたー!」

穂乃果「よーし、待っててよ海未ちゃん絵里ちゃん!」

真姫「待って、ホテルの真ん前に誰か居るわ」

希「あれ絶対ヤクザ系の人やな……」

凛「お、喧嘩かにゃ?」


登美「もー、青葉ちゃんのせいで会合に遅れちゃったじゃないの」

青葉「ていうか僕がトミーさんを連れてきたんですよ?」

登美「あらそう、それにしても清水ちゃん怒るかしら」

青葉「組長は優しいですから大丈夫ですよ……それより急ぎましょう」

登美「はーい♡」


にこ「げっ、アイツ居るの……」

花陽「どうしたのにこちゃん?」

凛「顔がアイドルっぽくないにゃ」

にこ「な、何でもないわよ……」

そういうにこの頭には昔の記憶、背中には冷や汗が流れていた

希「それより中に絶対ヤクザの人居るよ、どうする?」

穂乃果「勿論海未ちゃんと絵里ちゃんを助けるよ!」

凛「さんせーい!」

にこ「まあそれしかないわね……真姫も花陽も良いわね?」

真姫「勿論よ」

花陽「足を引っ張らない様に頑張ります!」

ことり「あ、じゃあことりは中で待ってるね」

にこ「アンタ戦えないもんね……鍵は掛けといててね」

穂乃果「無事に連れ戻して来るからね!」

ことり「うん♪皆頑張ってきてね♪」

かくして穂乃果達のうみえり救出作戦が始まった
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/27(水) 16:48:27.68 ID:Ko5rNI+Z0
「門番も暇だよなー」

「な、こんなボロいホテルに誰が来る……なっ!」

穂乃果「とりゃー!!」ボゴッ

「ごはっ!!」

「な、なな何だお前ら!」

にこ「正義のヒーロー達よ!そこをどきなさい!」

希(多分ウチらの方が悪人やと思うけど……)

「ク、クソ!ここは通さねえぞ!!」

凛「突撃にゃー!!」



清水「という事で会議は一旦休憩、少し息抜きしなさい」

海未「ふう……中々気が張って疲れますね」

絵里「肩揉んであげる♡」ギュッギュッ

海未「ああ〜……気持ち良いです……」

会議が休憩になり、皆がそれぞれ休憩を取る中、部屋のドアが慌しく開けられた

「し、清水組長!!」

清水「おや、どうした?」

「侵入者です!!数は6人!」

清水「一般の方かな?」

「それが……妙に戦い慣れした者達で……」

清水「そうか……会議は一旦中止、客人達を持て成すぞ」

清水「皆、大石と風丸そして今連絡が入った青葉に付いて2階の大部屋に控えなさい」

清水「登美には既に3階に付いて貰っている、急ぐのだ」

『はっ!!』

永金「独王会も臨時体勢を取れ……エレンは4階、私は少し侵入者の様子を見てくる」

『承知』

神田「俺達はバラバラに行く。俺はこの部屋前に構えておくから仏樹は若衆達と1階大部屋にいけ」

『了解!』


各組織が戦闘体勢に入る中、海未と絵里は狐につままれた様な顔で慌しい状況を眺めていた


海未「ま、まさか……」ポカーン

絵里「はぁ……あの子達勘違いしたわね……」ヤレヤレ
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/27(水) 17:06:45.60 ID:Ko5rNI+Z0
そんな上の騒動と連動するかの様に1階にゾロゾロと若衆が集まってくる
その様子を見て穂乃果達は更に士気を高めていく

「てめえら止まれ!!」
「上に行かせるな!」

穂乃果「おおー、いっぱい居るね!」

希「まだ下っ端ぐらいやから今の内に突っ走るよ」

にこ「さあ、カモーン!ドンドンブッ飛ばして行くわよ!」

破竹の勢いで若衆を倒していく穂乃果達、その前方を仏樹達が遮る



仏樹「お前ら止まれ!俺達は仕事中だ!!」

にこ「あ!アンタこの間は良くもにこが居ない時に店を襲おうとしたわね!」

仏樹「うるさい!とにかく上の階には行くな!!」

凛「また凛の足技を喰らうかにゃー?」

仏樹「っち、ガキ共め……!!」

恐怖半分、怒り半分と言った感情で叫ぶ仏樹

仏樹「泣いて詫びても許さ……ぐはっ!!」ザクッ

真姫「邪魔よ」

しかし真姫の投げたメスがアキレス腱に刺さりアッサリと倒れた仏樹

「仏樹さん!!」
「馬鹿な……幹部だぞ!!」

真姫「あんまり雑魚が粋がるんじゃないわよ」ギロッ

『ひっ!!』

真姫の冷たい視線に怯えた若衆達はあっさりと道を開けた

凛「真姫ちゃんかっちょいいー!」
にこ「真姫ちゃんこわーい♡」

真姫「茶化さないで!」プンプン
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/27(水) 17:19:36.55 ID:Ko5rNI+Z0
穂乃果「上の階に行くよ!」

希「おっけーい!」

階段を登り、2階のドアを開く穂乃果
その一瞬の隙を狙った拳が穂乃果の眼前を掠った

大石「喰らえ!」ビュッ

穂乃果「うおっ!危ないなー!」サッ

風丸「大石の拳を避けるとは……!」

青葉「やはり只の侵入者では無い……雑魚じゃ相手にならないわけだな」

穂乃果「貴方達誰?」

青葉「2人は清水組幹部……僕は若頭補佐の青葉だ」

青葉と名乗った男はインテリな雰囲気とは裏腹に鍛え上げられた拳を合わせながら穂乃果達を挑発している

希「若頭補佐……!?」

凛「それって強いの?」

花陽「新銅の右腕って事だよ!」

にこ「ふーん……でもこの階に居るって事は大した事なさそうだけど」

真姫「いや……実力者だからこそ私達を早く片付けようって事も考えられるわ」

青葉「赤髪の君は中々冷静だな……その通り我々はこれまでの様にはいかないぞ」

青葉「悪いがここで君達にはリタイアだ……大石、風丸。行くぞ!」

大石「おう!」

風丸「分かってるよ」

穂乃果達を潰さんとこちらに向かってくる3人
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/28(木) 12:01:30.29 ID:hLudp9Jq0
しかしその勢いは3人によって止められた


真姫「喰らいなさい!」シュシュ
風丸「早……ぐわっ!」ザクッ

真姫は風丸の動きを先読みしメスを投げる

花陽「やーっ!」ドガッ
大石「何っ!……がはっ!!」ザザッ

花陽は大石の胴に渾身のパンチを放つ

凛「とりゃー!」バキッ
青葉「ぐっ!」ガッ

そして凛の蹴り攻撃をギリギリ両腕で防ぐ青葉


ピンチと思われた状況が若い3人組によって逆転した瞬間であった


穂乃果「凛ちゃん!真姫ちゃん!花陽ちゃん!」

凛「へへ、ここは凛達に任せるにゃ!」

真姫「さっさと先に行きなさい!」

花陽「花陽達は大丈夫ですから!」

青葉「く……!」

凛「さあー!かかってくるにゃあ!」


希「ウチも残る……うわっ」グイッ

にこ「いいから早く行くわよ!」タッタッタ


立ち止まる希を引っ張りながらにこ達は3階へと走る


希「何するんにこっち!」

穂乃果「ほんとに大丈夫なの、にこちゃん!」

にこ「大丈夫よ!にこの舎弟よ?」

にこ「あんな奴等コテンパンだわ!」グッ

穂乃果「にこちゃん……!」

希「……そうやな、にこっちの舎弟やもんね」クスッ
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/28(木) 12:18:04.65 ID:hLudp9Jq0
3F

希「よいしょ!」ガチャ

登美「あらー、侵入者ちゃ〜ん♡」

穂乃果「うおっ、おじさん!?」

登美「何よ失礼ね!これでも女よ女!!」

希達の目の前に居る人物は女口調とは裏腹に明らかに40代の男の風貌でソファーに座っていた

にこ「……やっぱり居るのね」

登美「あら、にこちゃーん♡久し振り〜」

希「知り合いなん?」

にこ「前に戦った事あるのよ……」

登美「そこのにこちゃんとは熱い拳を交わしたのよ♡」

穂乃果「うおお……にこちゃんなんか凄いね」

登美「良ければ3人で掛かって来ても構わないわよ?アタシ激しいの好きだから♡」

にこ「ふん!アンタはまたにこが相手してやるわよ!!」

にこ「希、穂乃果」

希「はいはい、分かっとるよ」

穂乃果「気をつけてねにこちゃん!」

タッタッタ……

登美「あらー、行っちゃったわね……でもまた熱い戦いが出来るわねにこちゃん♡」バッ

にこ「今度こそ参ったと言わせてやるわよ!とりゃー!!」ダダダ
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/28(木) 12:28:09.33 ID:hLudp9Jq0
4F

穂乃果「よっこいしょ……」ガチャ

エレン「……侵入者?」

希「えりち!?」

エレン「違う……私はエレン。独王会の若頭」

穂乃果「若頭……強いんだね」フルフル

希「随分口が軽いんやね……組織の名前なんてそう簡単に言ってええもんじゃないやろ?」

エレン「私の素性を明かした所で貴方達に勝ち目は無い……それに私は頭が良いほうじゃないのよ」

穂乃果「へへ、穂乃果と似てるね……君」

希「穂乃果ちゃん……さっきからウズウズしてるね?」

穂乃果「うん、希ちゃん。ここは任せてくれないかな」

エレン「1対1で戦うって言うの……馬鹿か無謀か……それとも勇者か」

エレン「良いわ、相手してあげる掛かって来なさい」

穂乃果「よーし!やっと強そうなやつと戦えるよ……行くぞー!!」ダダダ


希「……多分次が最上階やね」

希「待ってて海未ちゃん、えりち!」タッタッタ

304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/28(木) 12:50:43.55 ID:hLudp9Jq0
小部屋

永金は騒動に紛れて小部屋である人物と電話をしていた

永金「……新銅、計画は順調だ」

永金「ああ、もう少し時を待て」スッ

スマホをポケットに仕舞い、怪しく微笑む永金

永金(……もう少しだ、もう少しで我等の計画が達成する)ニヤリ



5F


ガチャ

希「……やっぱり敵が居るんやね、門番さん?」

神田「お前!……東條の娘がここに来るとはな」

希「貴方が……神田?」

神田「正解だ。だが永金さんに会わずにここまで来れるとは運が良いな」

希「永金?誰なんそれは」

神田「俺より数倍強えぞ……しかし俺も門番の役目を果たさなければな」

希「貴方にはこんな慌しい状況で会いたく無かったけど……仕方ないよね」
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/28(木) 13:15:25.90 ID:hLudp9Jq0
希「そこを通してもらうよ、仲間を助けるために!」ダッ

神田「フン……来い!!」ガバッ

神田の掴みかかりを避けながら希は神田の足を払う
その攻撃を避けきれず倒れこむ神田

神田「ぐ……やるな」

希「ふふ、喧嘩は嫌いじゃないんよ♡」

希「さあ、ここからや……行くよ!」ダッ
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/28(木) 13:26:41.76 ID:hLudp9Jq0
希が神田と戦っている一方、下の階でも戦いは激しくなっていた

凛「やーっ!!」ブン

青葉「ぐおっ……!!」バキッ

凛「まだまだ、足払い!」サッ

青葉「危ない……動きが速いな」ヒョイ

凛「これでも元金メダル選手なんだよ!」ブイ

青葉「成る程……手強いな」ニッ


凛の素早い攻撃にギリギリで回避や防御を繰り返す青葉
中々攻撃に転じる事が出来ない上、長期戦で体力を削られていく

青葉(まるで体力に差があるな……ただの下っ端だと思っていたがここまでとは)

青葉「ここは……大石!風丸!僕の援護を……!?」


真姫「誰を呼んでるの?」

風丸「が……はっ!」

花陽「幹部なのに手応えが無いですね」

大石「ぐう……ゼェ……ゼェ……!!」


いつの間にか真姫と花陽も幹部の2人を倒していた

青葉「どういう事だ……!!清水組の幹部だぞ!!」

凛「凛達だって園田組と繋がりあるにゃー!!」

真姫「所詮数が多いだけのリーダーなんて大した事無いわ」

花陽「花陽達は負けられないんですよ、頭に期待されてますから」


青葉「頭……あのツインテールか……?」

凛「そうだよっ!」

凛「にこちゃんは黙って凛達に任してくれたんだよ。それで負けたなんて言えないよ!」

青葉「……言葉の無い信頼関係か……ウチの組には存在しないな」

青葉「ふん……君達は強い。これ以上の戦いはこちらが消耗するだけの無駄試合だ」

真姫「あら、潔いわね」

花陽「びびってるんですか?」

青葉「何、状況を見極めて撤退するだけだ。次はこうはいかない」

青葉「……先に行け」

凛「よし!行くよ2人とも」

真姫「はいはい」

花陽「分かってるよ」

タッタッタ……

青葉(あの3人……まだ強くなるだろうな……)

青葉「さ……倒れた2人を片付けるか」
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/28(木) 15:00:24.90 ID:hLudp9Jq0
にこ「そい!」ビッ

登美「あん♡強くなってるわねにこちゃん♡」

にこ「一々気色悪いわ!」

登美「……でもこれは避けられるかしら……それっ!」ババッ

登美は右腕を振りかぶりにこの頭を狙う

にこ「!!」サッ

登美「そこっ!」ドゴッ

開いた左手の拳をにこの鳩尾に叩きつけた

にこ「ぐはっ!?」ドサッ

登美「あらあら、まともに喰らっちゃったわね……」

にこ「げほっげほっ……!!はぁはぁ……くそっ!!」ギロッ

登美「そう睨まないでちょうだい。アタシも上の命令には逆らえないのよ」

そう言いながら登美はソファーに座る
未だダメージの抜けないにこはその一瞬を見逃さずゆらゆらと立ち上がる


にこ「……だったらこれはどうかしらね!!」

にこ「はぁっ!!」ドカッ

登美「きゃっ!」ゴロゴロ

にこはソファーを蹴り飛ばし、登美を転ばせる


にこ「動くんじゃないわよ!」スチャ

不意を付かれた登美の首ににこはナイフを突きつける

登美「……ほんと強くなってるわにこちゃん……」

登美「強くて諦めない心を持ってる。そういう子アタシは大好きよ」

にこ「アンタなんかに好かれても全く嬉しくないわよ」

登美「うふふ、この先に行きなさいな。もうアタシは貴方を止める気は無いから」

にこ「……感謝するわよ」タッタッタ……


登美(そろそろアタシも真面目に生きるべきかしら……)


ガチャ

凛「あっ、敵が居たにゃ!」

真姫「本当ね。油断しちゃダメよ」

登美「あら、にこちゃんならもう先に行っちゃったわよ」

花陽「え、にこちゃんと戦ったんですか?」

登美「ええ……貴方達も先に行きなさい、通してあげる」

凛「何だか良く分からないけど、ありがとうにゃ!」タッタッタ……


登美(……可愛い子分が居るのね……)
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/12/28(木) 15:26:01.20 ID:hLudp9Jq0
にこ「ぜぇぜぇ……」タッタッタ

にこ(アイツ強かったわね……)


凛「おーい、にこちゃーん!」フリフリ

にこ「あ、アンタ達も終わったの?」

真姫「そうよ。大した事無かったわ」

花陽「もっと手応えのある人は居ないんですか……」

にこ「花陽……いつのまに戦闘モードになってたのね」

凛「おにぎりあげたら落ち着くにゃー、はいかよちん」

花陽「もぐもぐ……美味しい♡」


穂乃果「やーっ!」バキッ

エレン「ぐっ」ガッ

穂乃果「とうっ」ドゴッ

エレン「っ!!」サッ

穂乃果「まだまだ!!」

穂乃果「てーい!」バキ

エレン「ぐ……!」ドサッ

1発目、2発目と穂乃果の攻撃を防いだエレン
しかし3回目のパンチを見切れず床に膝を突く

エレン(……コイツ、強い!)ハァハァ

穂乃果「ハァ……ハァ……君強いね……!」

穂乃果「えへへ、まだまだ戦えるよね?」

エレン「勿論……!」

しかしエレンは穂乃果の後ろにある扉から気配が上がってくるのを感じ取り

エレン「待って、もうすぐ援軍が来る……」

穂乃果「へ?」

ガチャ

にこ「ほ、穂乃果!」

凛「あー穂乃果ちゃん!」

真姫「そいつは……敵ね」

花陽「だ、大丈夫穂乃果ちゃん?」

穂乃果「おー!皆こそ大丈夫?」

エレン(……全員負けたか……何て強さ……!)
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/01/01(月) 14:00:42.95 ID:SXEVa9Kb0
穂乃果「おっと、穂乃果は君を倒さないとダメなんだよ!」

穂乃果「ささ、続きやろ!」

エレン「……私の負けよ。ここは通って良いわ」

穂乃果「え、良いの?」

エレン「ええ。早く行きなさい」

穂乃果「分かったよ、ありがとう!」

にこ「ちょちょ、待ちなさいよ穂乃果!」

凛「ありがとうにゃ絵里ちゃんに似てる人!」

タッタッタ……



エレン「あのオレンジ髪……楽しい勝負だったわね」
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/01/01(月) 14:14:19.73 ID:SXEVa9Kb0
神田「ゼェゼェ……やるな貴様」

希「ハァ……ハァ……貴方も中々やるね」

神田「これでも友愛会の2大巨頭の組長なんでな……」

希「強いわけだね……」

希と神田が対峙をしていると下の階から足音が聞こえてきた
希「……ん?」

神田「……どうやらお前達の勝ちのようだ」

希「という事は……」


にこ「希!!」バタン

希「にこっち!」

希「穂乃果ちゃん達も……皆勝ったんやね」

穂乃果「へへ、結構相手も強かったよ!」

凛「ちなみににこちゃんだけボロボロだにゃー!」

にこ「りーん?」グリグリ

凛「痛いにゃー!」

穂乃果「おおー、にこちゃん名物ぐりぐり攻撃だっ!」

アハハハ
311 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/01/01(月) 14:37:20.81 ID:SXEVa9Kb0
神田(こいつらが東條の……成る程)

希「あ、ウチも貴方を倒さんと!」

にこ「何よー?まだ決着付いて無かったの?」

神田「……良い、ここは通してやる。いけ」スッ

穂乃果「え、良いの?」

神田「もはや会合をする意味も無い、なら俺が止める意味も無いだろう」

真姫「……筋は通ってるわね」クルクル

希「そうやね。皆行くよ」ガチャ


海未「あ、貴方達!」

絵里「良くここまで来れたわね……」

希「へへ、えりち達の事心配したんよ?」

にこ「後は……アンタ一人だけね」スッ

清水「おやおや、やっぱり君達が客人だったか」

穂乃果「おおー、強そうな人だね」サッ

花陽「こ、この人が……ここのボス?」

真姫「コイツが清水組の組長なのね……」

清水「おっと私は君達と戦う心算は無い。だから武器をしまってくれ」

凛「そういって後で銃でバーンとかやる気でしょー!」

清水「私はそんな卑怯な真似はしないさ。むしろ君達の事は個人的に興味を持っている」

清水「私は強い者が大好きでね……特に若者の生き生きとした姿は惚れ惚れとしてしまうよ」

海未「どうも……」ペコ

絵里「私達の仲間は強いでしょ♡」


にこ「あのおっさんあんなキャラだったかしら……」ヒソヒソ

凛「分かんないにゃ……」ヒソヒソ

穂乃果「そういう時もあるんじゃないの?……」ヒソヒソ






312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/01/01(月) 14:48:18.35 ID:SXEVa9Kb0
清水「会合は中止になったが、君達とはまた会いたいものだな」

海未「すみませんでした。我々が連絡していなかったばっかりに」

清水「何、人生は全てが上手く行くわけではない。今回の事も良い刺激になったよ」

清水「良ければ君達には私の組の下っ端達を鍛えて貰いたいものだ」

絵里「面白そうね、ウチには喧嘩好きが結構居るし」

清水「はっはっは。血の気が多いのは良い事だ……それでは皆気をつけて帰りなさい」

海未「また会合があれば宜しくお願いします……それでは」

絵里「じゃあ皆帰りましょう」



清水「帰ったか……それにしても面白い若者達だった」

清水「時代が違えば園田海未も私の組の幹部として働いてくれたかもしれん……」

清水「あの子はすぐにでも組長として活躍するはずだ……その時までに私が生きていれば更に刺激のある人生だったかもな」

清水「……」
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/01/01(月) 15:03:34.77 ID:SXEVa9Kb0
「……えー!あの海未ちゃんが!?」

「そうだよ♡あの時の海未ちゃんは可愛かったなー」


海未「ことり。お待たせしました……ヒデコ!?」

「ん?あ、海未ちゃん、穂乃果!久し振り!!」

穂乃果「お、ヒデコ久し振りだねー!」

ヒデコ「って……絢瀬先輩!?」

絵里「あら、貴方がどうしてここに?」

ヒデコ「パトロールをしていたらことりちゃんを偶々見かけたんですよ」

ことり「そうそう。それでことりとずっとお喋りしてたの♡」

海未「そうなのですか……しかし懐かしいですねヒデコ」

ヒデコ「そうだねー、でも皆があそこのホテルから出てきたっていう事は……」

ヒデコ「喧嘩でもしてきました?」

にこ「あら、良く分かったわね」

ヒデコ「そりゃ分かりますよ。特に矢澤先輩はボロボロですし」

希「あれ、にこっちも面識あるんやね」

花陽「多分希ちゃんと真姫ちゃんは会った事無いよね?」

真姫「そうね、ヒデコちゃんって言うのね」

ヒデコ「ええ、これから宜しくお願いします」ペコリ



314 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/01/01(月) 15:08:27.19 ID:SXEVa9Kb0
凛「でも凛も久し振りだよー、ヒデコちゃんと会うの」

ヒデコ「最近はヤクザが前以上に抗争が多くて警察も忙しいんですよねー」

絵里「あらあら、署内で何か変わった事は無いかしら?」

ヒデコ「特には無いですかね、そちら側は?」
315 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/01/01(月) 15:22:45.46 ID:SXEVa9Kb0
海未「こちら側も特には無いですね」

ヒデコ「そっか、まあ平和なら良かったよ」

絵里「それじゃあ私達は帰るわ。ヒデコちゃんはパトロール頑張ってね♡」

ヒデコ「はい!先輩もゆっくり休んでくださいね」

ヒデコ「あ、一応これ渡しておきます」

絵里「あら、名刺ありがとう。じゃあね」

ヒデコ「では」ビシ

ヒデコは絵里達に敬礼してパトロールを続けに行き、絵里達は小料理屋に戻った


小料理屋


海未「……しかし何故貴方達はホテルに殴り込みに来たのですか?」

海未「私がちゃんと理由は説明したはずですが」

ことり「だって海未ちゃんと絵里ちゃんがホテルで……あの」

絵里「あら、詳しく聞かせて?」


絵里「……ふふふ……あははは!」

海未「そ、そんな事は絶対ありえません!!///」

絵里「私と海未が……ふふふっ」

にこ「まったく……あんなボロいホテルでそんなムード作れるかって話よ」

凛「その2つ隣ぐらいにあったホテルの方がおしゃれだったにゃー」

真姫「しっかり見てるわね」クルクル

穂乃果「だって海未ちゃんってそういうの弱いし……絵里ちゃんに襲われちゃうかも!」

花陽「ぴゃあ!」

希「ふふ、そうなったら面白そうやね♡」

絵里「あらあら、人想いの幼馴染持って海未は幸せものね♡」

海未「そ、そんな心配は要りませんよ!」


316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/01/01(月) 15:30:39.34 ID:SXEVa9Kb0
海未「それに……そんな事のために貴方達はヤクザの集会所に殴り込んで大丈夫なのですか?」

にこ「平気よ、にこ達喧嘩好きだし」

凛「そうにゃそうにゃ!あの清水っておっさんも凛達の事怒ってなかったよ!」

絵里「それはそうだけど……チンピラの喧嘩とヤクザの抗争はまるで別物よ?」

海未「軽い気持ちで始めた事が後々大きな解れが起きる事はあり得ます」

海未「貴方達が強いのは分かっていますが……向こうから仕掛けて来ない限りはこちらから刺激する事は出来るだけ控えましょう」

穂乃果「はあーい……」

ことり「な、なんかごめんね海未ちゃん」

海未「構いませんよ、ただ今後向こうから仕掛けて来る事も覚悟しなければなりませんよ」

希「大丈夫よ。ウチが皆を守るからね」

絵里「あら、じゃあ私も」

にこ「あ、じゃあにこに任せなさい」

のぞえり『どうぞどうぞ』

にこ「ぬわんでよ!」

アハハハハ
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/01/01(月) 15:47:32.51 ID:SXEVa9Kb0



にこ「ほれほれ海未ちゃ〜ん♡」

穂乃果「おおー!えっちな漫画だね!」

海未「や、やめて下さい破廉恥です///」


ことり「海未ちゃん……」チラッ

ことり「……」

希「どうしたんことりちゃん?」

ことり「……もしかしてことりってとんでもない事しちゃったかなって……」

希「昼の事?」

ことり「うん……海未ちゃんと絵里ちゃんを助けたくて希ちゃん達の事まで巻き込んじゃって……」

希「……そんなの気にせんでええよ」ギュッ

ことり「希ちゃん……?」

希「穂乃果ちゃんから聞いたよ。本当は2人を助けたくて穂乃果ちゃんに電話したんやろ?」

ことり「う、うん……かよちゃんからLINEの事は聞いたんだけど、ほんとに海未ちゃん達大丈夫かなって」

希「まあヤクザの本拠地かもしれないって知ってる場所に2人が入っていったら普通は心配するよね」

ことり「そうなの……特に海未ちゃんは穂乃果ちゃんとずっと3人で仲良くしてきた大事な幼馴染だから……」

希「……その気持ち分かるよ、ウチもにこっちとえりちがヤクザに絡まれるって分かったら周りを巻き込んでも助けたいって思うもん」

ことり「の、希ちゃん……」ポロッ

希「ああ、もう泣いたらあかんよ。可愛い顔なんだから笑顔笑顔!」ニコッ

ことり「……うん」ニコッ
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/09(金) 14:34:18.54 ID:zItoi82e0
ガタン

希「ん?」



「……!!」ダッ

希「あ、待って!」タッタッタ



シルバーズホテル

「……まさかここまで来るとは」

新銅「東條希……!!」

希「……店の前で聞き込み?趣味悪いなあ」

新銅「そんな事はどうでもええ、お前さん達昼間はようもやってくれたな?」

希「仲間が死ぬかもしれないって状況ならカチコミかけるんは当たり前でしょ?」

新銅「ふん、その心意気は結構。だが相手を考えんとな」

新銅「ワシらの事甘く見とる言うんは勝手じゃが、親っさん達に迷惑掛けるんはワシ自身許せん」

希「……で?ウチをどうするの?」

新銅「本来ならワシが[ピーーー]所だが……あんたの良く知ってるやつがこの中に居る」

希「…………」

新銅「付いて来い」
319 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/09(金) 14:40:52.57 ID:zItoi82e0
ホテル地下室

ピッピッピ……ウィーン

新銅「こっちじゃ」

希「…………」

スタスタスタ


神田「……来たな」

希「……さっき振りやね」

神田「ああ、どうしてもお前に会いたくてな」

新銅「じゃあワシは帰るわ」

神田「……お前、最近忙しいな」

新銅「気のせいじゃろ。それじゃ」
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/09(金) 14:44:50.07 ID:zItoi82e0
神田「さて、本題に入ろうか」

希「ウチに会いたいってどういう事?」

神田「単刀直入に言うと、お前の父親……東條組長を殺したのは俺だ」

希「……やっぱりね」

神田「お前は知らないと思うが、15年前にウチの組……いや東條組長が生きていた時に起きたある事件が関わっていたんだ」

希「事件?」
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/02/09(金) 15:11:30.29 ID:zItoi82e0
15年前


希父「神田君、清水さんに上納金は送ったか?」

神田「バッチリです組長」

希父「よしよし、しかし神田君は真面目に活動してくれているね」

神田「いえ……一応若頭として東條組に貢献しているだけですから」

希父「そうか……ウチの娘も君くらいしっかりした子になってくれると良いな」

神田「組長の娘さんというと……希ちゃん?」

希父「そうだ、今は友愛会の経営する施設に預けているんだが」

神田「組長お忙しいから、寂しい思いをさせているんじゃないですか?」

希父「ははは……厳しい所を突いてくるな」

希父「しかし君の言う通りだ。希には父親らしい事をしてあげられていない……」



神田「……組長、水臭いですよ?」

希父「ん?」

神田「組の事は俺に任せて明日でも希ちゃんに会って来てください!」

希父「神田君……!」

希父「悪いな、私の我が儘を聞いて貰って」

神田「気にしないで下さい!組長は俺に取って親みたいなもんですから」


希父「じゃあ私は希に会ってくるよ」

神田「はい、お気を付けてー!」
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