【アイマス】とあるバーとアイドル達

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49 : ◆b2/ys3/tgw [saga]:2017/06/03(土) 23:03:01.61 ID:vaSvTruRo

少し広めのボックス席に二人を案内する。

私の後に続く彼女の後ろに、もう一人の女性。

「うっひょー……本当にバーだ……」

短めの髪を一つに纏め、短い尻尾を小さく揺らす。

「そんな緊張するなって」

夏樹が振り返り彼女をなだめるが効果は少なく、
不安げに背を丸めて、うろうろ瞳を泳がせる。
50 : ◆b2/ys3/tgw [saga]:2017/06/03(土) 23:03:54.16 ID:vaSvTruRo

「こちらのお席へ」

彼女達はギターを隣に立てかけ、席に着いた。

「初めまして、ですね?」

「は、はい!初めまして!私、ロックなアイドルをしています!」

「だりーっていうんだ。私の相棒」

「ほほぅ。だりーさんですね」

「ち、違います!」

夏樹はくすくすと笑う。

「多田李衣菜、です」
51 : ◆b2/ys3/tgw [saga]:2017/06/03(土) 23:04:44.45 ID:vaSvTruRo

私は彼女を知っていた。

「多田様ですね。木村様よりお話は伺っております」

夏樹は以前からこの店に何度か来ていた。
その度に話していたのが、李衣菜の話だった。

私の言葉に李衣菜はまた顔を赤くする。

「何話したのなつきち!」

「別に大したことじゃないって」

夏樹はまたケタケタと笑う。
52 : ◆b2/ys3/tgw [saga]:2017/06/03(土) 23:05:33.38 ID:vaSvTruRo

ひとしきり笑ってから、夏樹は指を立てる。

「じゃあ、私はノンアルコールで。今日は運転しなきゃなんだ。
 だりーにはカッコいいのを作ってくれ」

李衣菜は少し不満げだったが、頬を膨らませて、

「ロックなカクテルがいいです」と付け加えた。

ふいと顔を背けるが、耳はしっかり赤くなっていた。
53 : ◆b2/ys3/tgw [saga]:2017/06/03(土) 23:06:03.79 ID:vaSvTruRo

「かしこまりました」

机に背を向け、仕事場へ向かおうとすると、後ろからこそこそと話し声が聞こえる。

「もー!ロックなカクテル注文してくれるって言ったじゃん!」

「だから、注文したろ?"カッコいいやつ"って」

「そうだけどさ!」

その会話の応酬に、思わず私もくすりと笑ってしまった。
54 : ◆b2/ys3/tgw [saga]:2017/06/03(土) 23:06:32.49 ID:vaSvTruRo

「さて」

カクテルグラスとロックグラスをそれぞれ用意し、氷で冷やす。

彼女達の席はカウンターを挟んで、ちょうど私の目の前。

李衣菜の瞳がキラキラと輝いているのが見える。

その姿をまるで母親のような瞳で見つめる夏樹。

この数分間で、彼女達の普段もなんとなくわかった気がする。

「では、多田様のカクテルから」
55 : ◆b2/ys3/tgw [saga]:2017/06/03(土) 23:07:17.61 ID:vaSvTruRo

まず、シェイカーに氷を詰める。

そこにウオッカを30cc、オレンジキュラソーを15cc、ライムジュースを15cc注ぐ。

蓋をし、シェイク。小気味の良い音が店内に響く。

大ぶりの氷をひとつ入れたロックグラスに注ぎ、カットライムを添えて、完成。

向かいで李衣菜が小さく拍手をしていた。
56 : ◆b2/ys3/tgw [saga]:2017/06/03(土) 23:08:04.44 ID:vaSvTruRo

「次は木村様」

先程と同様にシェイカーに氷を詰める。

今度はオレンジジュース、パインジュース、レモンジュースをそれぞれ20ccずつ。
もちろん、アルコールは入れない。

シェイクしてカクテルグラスに注げば、

「出来上がり、と」

2つのグラスをトレイに乗せ、二人の待つボックス席へ戻る。
57 : ◆b2/ys3/tgw [saga]:2017/06/03(土) 23:08:52.58 ID:vaSvTruRo

李衣菜は興奮気味に手元の小さな拍手で、
夏樹は無言のまま、口元の微笑みと瞳で私を迎えた。

「お待たせしました」

李衣菜の前に、仄かな緑色に染まったロックグラスを置く。

「こちら、カミカゼです」

続けて、夏樹の前には淡いオレンジ色のカクテルグラスを置いた。

「こちらはシンデレラです」
58 : ◆b2/ys3/tgw [saga]:2017/06/03(土) 23:09:32.51 ID:vaSvTruRo

「ありがとう」

そう言って夏樹はグラスを傾けた。

「カミカゼ……」

李衣菜は目の前のグラスを色々な角度から観察する。

ひんやりと僅かに結露したグラスに、新緑を思わせる爽やかな色合いがおぼろげに滲む。

「いただきます」

緑茶でも飲むかのようにグラスを両手で支え、恐る恐る一口含む。
59 : ◆b2/ys3/tgw [saga]:2017/06/03(土) 23:10:13.26 ID:vaSvTruRo

一口を飲み込み、グラスから口を離すと、李衣菜の表情に花が咲く。

「これおいしい…!
 爽やかで、キリッとしてて……
 お酒感はあるんだけどそんなに強くなくて、
 でもお酒って感じで、えーっと…」

「落ち着けよ、だりー」

グラスをなんども指差しながらまくし立てる李衣菜を、夏樹はそっとなだめる。
60 : ◆b2/ys3/tgw [saga]:2017/06/03(土) 23:11:06.52 ID:vaSvTruRo

「うん……おいしい」

何度か味を確かめながら含み、李衣菜は頷く。

「そりゃよかった」

夏樹は自分のグラスを傾けながら笑う。

「爽やかだけどほんのり甘い……なんだろ?」

「マスター、何が入ってるんだっけ?」

「ウオッカとライムとオレンジキュラソーです。おそらくキュラソーの甘味かと」
61 : ◆b2/ys3/tgw [saga]:2017/06/03(土) 23:11:37.56 ID:vaSvTruRo

「オレンジキュラソー…へぇ…」

李衣菜はグラスをじっと見つめ、呟く。

「そのライムも絞ってみたらどうだ?」

「あ、うん!」

添えられたライムをグラスの上で絞る。滴る液が一滴二滴と溶けていく。

「ライムはそのままグラスに入れて大丈夫ですよ」

一言添えると二人はこちらに笑顔を向けた。
62 : ◆b2/ys3/tgw [saga]:2017/06/03(土) 23:12:25.38 ID:vaSvTruRo

絞ったライムをそのままグラスに沈め、一口。

「うん、おいしい!今度は少しほろ苦くなった!」

李衣菜は満面の笑みを夏樹に、そして私に向けた。

「皮ごとなのでライムの油分が苦味を出します」

その明るい笑顔に、思わずこちらも笑顔で返してしまう。

これが彼女のアイドルの素質とやらなのだろうか。
63 : ◆b2/ys3/tgw [saga]:2017/06/03(土) 23:13:56.49 ID:vaSvTruRo

そんな李衣菜を夏樹は穏やかな表情で見つめる。

口元に笑みを浮かべながら、ゆっくりカクテルを楽しむ。

「なつきちのは?おいしい?」

「ああ、飲んでみるか?」

「じゃあ、一口だけ!」

夏樹は自らのグラスを差し出す。

李衣菜もお返しに、と自分のグラスを差し出したが、夏樹は笑って李衣菜に返した。
64 : ◆b2/ys3/tgw [saga]:2017/06/03(土) 23:14:29.72 ID:vaSvTruRo

「えーっと、シンデレラ……でしたっけ?」

李衣菜は私に向かい、首を傾けた。

「はい。オレンジ、パイン、レモンのノンアルコールカクテルです」

そう答えると、彼女は嬉しそうに笑い、淡いオレンジ色の液を含んだ。

「ほわぁ……おいしい……酸味と甘みが丁度いい…」

目を閉じ、口元を緩める。
65 : ◆b2/ys3/tgw [saga]:2017/06/03(土) 23:15:26.50 ID:vaSvTruRo

そんな李衣菜を見て、夏樹はクスリと笑う。

「ああ、本当においしい。それぞれの尖ってる部分をお互いが補いあって、良いバランスになってる」

流石マスターだな、とこちらに目線を寄越す。

照れ隠しに喉を鳴らし、

「シェイクすることで氷の粒が弾け、まろやかになります」

一つ付け加えた。
66 : ◆b2/ys3/tgw [saga]:2017/06/03(土) 23:19:50.54 ID:vaSvTruRo

「シンデレラかぁ」

グラスを夏樹に返しながらも、李衣菜の瞳は、姫の名を冠する酒を追っていた。

「私達もなれるかな?」

今までとは違って真剣な、少し焦りも混ざった表情で李衣菜は言う。

「なれるさ」

不安げな李衣菜の問いかけに対して、夏樹は自信たっぷりに答えた。その口元は不敵に笑う。
67 : ◆b2/ys3/tgw [saga]:2017/06/03(土) 23:20:58.98 ID:vaSvTruRo

グラスの結露で両手を濡らしながら、李衣菜は頷いた。

「そうだよね。なれないと思ってたら、なれないよね」

夏樹も目を閉じ、頷く。

「ああ、アタシ達ならな」

李衣菜の表情に笑みが戻った。

すると夏樹は悪戯っぽい笑みを浮かべる。

「そのためにも、そろそろ弾けるようにならなきゃな」李衣菜の脇のギターを顎で指した。
68 : ◆b2/ys3/tgw [saga]:2017/06/03(土) 23:21:56.45 ID:vaSvTruRo

「ち、ちゃんと練習するもん!」

夏樹のからかいに、李衣菜はそっぽを向き、自分のグラスを飲み干した。

そしてそのままの勢いで私の方を向くと、

「マスター!おかわりください!ロックなカクテルを!」

グラスを掲げて叫んだ。

よく見ると顔が赤く染まっている。

知らぬ間に酔いは回っていたようだ。
69 : ◆b2/ys3/tgw [saga]:2017/06/03(土) 23:22:31.98 ID:vaSvTruRo

夏樹を見ると申し訳なさそうに手を挙げ、苦笑いをしている。

どうやら次の一杯で最後にした方が良さそうだ。

「さて、ロックなカクテルですか」

実は彼女達が入店した時から浮かんでいたカクテルが一つある。

しかし、度数が少しばかり高いので口に合うかわからず、躊躇っていた。

私は少し考えた。
70 : ◆b2/ys3/tgw [saga]:2017/06/03(土) 23:23:06.60 ID:vaSvTruRo

ロックなカクテルについて思案しつつ、李衣菜の前に冷水を置く。

彼女の様子を伺うと、少しテンションが上がっているだけでそれほど酔いが回っているようではなかった。

先程のカミカゼも、李衣菜は特段強い酒だとは感じなかったように見えた。

ならば、と考えをまとめる。

「さて、私の見せ場ですね」
71 : ◆b2/ys3/tgw [saga]:2017/06/03(土) 23:24:28.98 ID:vaSvTruRo

カクテルグラスを冷やしつつ、ステアグラスに氷を入れる。

バースプーンで氷を回して角を取り、材料を注いでいく。

ジンを50cc、ベルモットを10cc、そしてステア。素早く、確実に酒と酒を混ぜ合わせる。

グラスに注ぎ、パールオニオンを沈める。

最後にレモンピールの香りを纏わせ、完成。
72 : ◆b2/ys3/tgw [saga]:2017/06/03(土) 23:27:05.84 ID:vaSvTruRo

そしてもう一つ。これは私なりの工夫です。

出来上がったカクテルの隣にもう一つショットグラスを。

そこにはチェリーブランデーを注ぐ。

とろけたルビーのような液が芳醇な香りで誘惑する。

また、そのショットグラスには小さなマドラーを添え、提供する。

冷えた酒が温まらないうちに、楽しげな笑い声の出所へと急ぐ。
73 : ◆b2/ys3/tgw [saga]:2017/06/03(土) 23:27:44.35 ID:vaSvTruRo

私がテーブルの脇に着くと、夏樹は片手で顔を覆って、
必死に笑いを抑えようとしていた。

李衣菜はといえば腹を抱え、テーブルに頭を打ち付け、
まさに言葉の通り笑い転げていた。

「ご、ごめんな、ちょっと一悶着あってさ」

夏樹が息を切らしながら謝る。

李衣菜もようやく過呼吸から復活したようだ。
74 : ◆b2/ys3/tgw [saga]:2017/06/03(土) 23:28:14.96 ID:vaSvTruRo

目尻に涙を残したまま、二人はこちらを見る。

ごほん、と一つ咳うち。カクテルを差し出す。

「お待たせしました。こちらギブソンです」

言い終わるが早いか、二人の目の色が変わったのを感じた。

どこまでも澄み切った透明な液の中に、純白の宝石が一つ沈む。

そのカクテルは有名なギターメーカーと同じ名を冠していた。
75 : ◆b2/ys3/tgw [saga]:2017/06/03(土) 23:28:43.29 ID:vaSvTruRo

「ギブソン!?ギブソンだって!なつきち!」

「へぇ、そんな名前のカクテルがあったんだな」

夏樹は少し感心した風に顎に手を当て、グラスを見る。

「残念ながら、あちらとは名前の由来が異なりますが」

どうぞ、と李衣菜に勧める。

「い、いただきます」

少し緊張ぎみに、李衣菜はグラスを傾けた。
76 : ◆b2/ys3/tgw [saga]:2017/06/03(土) 23:29:19.59 ID:vaSvTruRo

口に含み、舌で転がしたのち、李衣菜の目が輝いた。

「うん、ちょっと辛いけど、美味しい!
 シンプルなんだけど、香りがすごく複雑で、深みがある!気がする!」

「ジンは香りが特徴的ですから。
 さらにそこに香りをつけたワインであるベルモットを加えていますので、
 より複雑な味わいになっています」
77 : ◆b2/ys3/tgw [saga]:2017/06/03(土) 23:29:46.23 ID:vaSvTruRo

「この白いのは?」

「パールオニオンです。小さな玉葱のピクルスと思っていただければ。
 おつまみ代わりにどうぞ」

「へぇーそうなんだ……」

ちびりちびりとグラスに口をつける李衣菜の向かいで、夏樹が一つ聞く。

「なぁ、こっちのグラスは何なんだ?」

同時に提供したショットグラスのことだ。
78 : ◆b2/ys3/tgw [saga]:2017/06/03(土) 23:30:26.45 ID:vaSvTruRo

「これは後のお楽しみです。ギブソンが半分まで減ったらまたお呼びください」

「へぇ、期待させるね」

「なんだろ、楽しみだね!なつきち!」

そう言って身を乗り出しつつも、李衣菜はギブソンを減らしていく。

私がまた呼ばれるまでには数秒もない気がしたので、私はここに留まることにした。
79 : ◆b2/ys3/tgw [saga]:2017/06/03(土) 23:30:54.41 ID:vaSvTruRo

「マスターは何年前からマスターなんですか?」

李衣菜がオニオンを齧りながら聞く。

「さぁ、何年前でしたか……」

「歳聞いても教えてくれないんだよな」

「いくつに見えますかね?」

「うーーーん30!か50!もしくは70くらい!」

「随分と範囲が広いな」

「惜しいですねぇ」

そうこうしている間に、李衣菜のグラスは半分を切っていた。
80 : ◆b2/ys3/tgw [saga]:2017/06/03(土) 23:31:36.16 ID:vaSvTruRo

「マスター!お酒半分になりました!」

「では、こちらを」

ショットグラスの中身をギブソンのグラスに注ぐ。

透明な液にじわりじわりと赤い液が染みていく。

「普通はしないのですが、今日は私のオリジナルということで」

グラスの中身を、小さなマドラーで混ぜる。

全体が赤茶色になれば、完成。
81 : ◆b2/ys3/tgw [saga]:2017/06/03(土) 23:32:31.47 ID:vaSvTruRo

少し多めのジンとベルモットでギブソン。

そして、ジンとベルモット、そこにチェリーブランデーを加えれば、

「お待たせしました。こちら、キッス・イン・ザ・ダークです」

それはまた、別のカクテルとなる。

李衣菜はグラスに顔を近づけ、香りを確かめる。

「うわぁ……さっきまでと全然違う……いい香り」
82 : ◆b2/ys3/tgw [saga]:2017/06/03(土) 23:33:02.32 ID:vaSvTruRo

飴色のグラスを口元に近づけ、一口。

「甘くて美味しい……!
 さくらんぼの甘さがじんわり口の中に残って、後から香りが抜けてく…」

「チェリーブランデーは少し甘めのリキュールですので。
 ジンの辛口を抑えて、飲みやすくしてくれます」

「こんなカクテルもあるんだな」

夏樹は頬杖をついて言う。
83 : ◆b2/ys3/tgw [saga]:2017/06/03(土) 23:33:31.95 ID:vaSvTruRo

「名前も多田様好みかと思いまして」

「キッス・イン・ザ・ダーク……」

「暗闇の中でのキス、だな」

李衣菜は両手でグラスを持ち、少し赤い顔で見つめてから、含む。

「今あるものに、更に加えて、新しいものを作る……ロックだ……」

李衣菜の言葉に、夏樹は口元に笑みを浮かべながら頷いた。
84 : ◆b2/ys3/tgw [saga]:2017/06/03(土) 23:34:13.19 ID:vaSvTruRo

「そうだな、既存概念に囚われない。それがロックだ」

そう言って夏樹は自らのグラスを飲み干した。

「あ、なつきち。なんか今のカッコよかった」

「そうか?ははっ、そう見えたのならよかったぜ」

李衣菜のグラスも着実に量を減らしていき、

残った最後の一口も舌の上で躍らせ、名残惜しく飲み干した。
85 : ◆b2/ys3/tgw [saga]:2017/06/03(土) 23:34:40.98 ID:vaSvTruRo

「今日はありがとうな」

そう言って夏樹は札を差し出す。

財布を出そうとする李衣菜を、夏樹は片手で静止した。

「美味しかったです!また連れて来てもらいます!」

小さく頭を下げる李衣菜に、

「また来ます、じゃないのかよ。」

夏樹はそう言って李衣菜の髪をくしゃくしゃと撫でつけ、笑った。
86 : ◆b2/ys3/tgw [saga]:2017/06/03(土) 23:35:09.65 ID:vaSvTruRo

李衣菜は最後にもう一つお辞儀をして、
夏樹はじゃあまた、と片手を上げ、店を出た。

ギターを背にした二人を見送ると、外からバイクの排気音が聞こえた。

その音が聞こえなくなるまで、私は外の空気を感じていた。

店に入り、私は埃のかぶったレコードを回す。

たまにはロックも良いものだと思った。
87 : ◆b2/ys3/tgw [saga]:2017/06/03(土) 23:35:36.37 ID:vaSvTruRo

しばらくしてから、とあるお客様が夏フェスのポスターを置いていった。

宣伝のため貼らせてほしいとのこと。

私は少し迷ったが、出演者の欄に見覚えのある名前を見つけた。

今でもそのポスターは、店の一番目立つ所に貼ってある。

『Rock the Beat -Natuki & Riina-』
88 : ◆b2/ys3/tgw [saga]:2017/06/03(土) 23:36:12.33 ID:vaSvTruRo

私はとあるバーのマスター。長年この仕事を続けていると、時折珍しいお客様も訪れる。

今日のお客様は、ギターを背負った小柄な女性。

以前より伸びた髪を一つに束ねる。

「久しぶり、マスター」

「お久しぶりです。何を飲みますか?」

サングラスを外しながら彼女は笑った。

「ロックなカクテルを一つ!」
89 : ◆b2/ys3/tgw [saga]:2017/06/03(土) 23:36:40.46 ID:vaSvTruRo

【とあるバーとロックな二人】
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/03(土) 23:36:47.81 ID:Fhj5CssnO
李衣菜はシンデレラ飲んだことなかったっけ…
jewelriesで
91 : ◆b2/ys3/tgw [saga]:2017/06/03(土) 23:39:38.15 ID:vaSvTruRo

多田李衣菜、木村夏樹編 これで終わりです。

書き溜めは以上です。

また新しくお客様が来店した時はまた、
スレを立ててご紹介したいと思います。

読んでくださった方々、ありがとうございます。

ご意見ご感想頂ければとても嬉しいです。
92 : ◆b2/ys3/tgw [saga]:2017/06/03(土) 23:40:27.75 ID:vaSvTruRo
>>90
すいません勉強不足でした……!
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/03(土) 23:42:28.94 ID:fckB1j+Wo
医者から禁酒しろと言われてるのに酒が飲みたくなった。訴訟
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/03(土) 23:44:06.46 ID:zCGUeDO4O
何にしてもこういう良い雰囲気出せてるSSは好き
95 : ◆b2/ys3/tgw [saga]:2017/06/04(日) 00:29:13.33 ID:ro1zcB15o
>>93
僕も禁酒中です……
頑張りましょう……
96 : ◆b2/ys3/tgw [saga]:2017/06/04(日) 00:30:05.87 ID:ro1zcB15o
>>94
雰囲気を感じてもらえたらとても嬉しいです!
ありがとうございます!
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/04(日) 01:25:35.72 ID:Uu8tBm1Z0
こういう雰囲気のSS大好き


そういやゆくm@sくるm@sで武内君がシンデレラ作ってたのをなんとなく思い出した
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/04(日) 01:26:41.49 ID:xwZ8uOgTo
禁酒中に書くなよw

また続きが読める日を待ってるよ
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