北沢志保「どうしよう、家に帰れなくなった…」P「…またか」【ミリマスSS】

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1 : ◆kBqQfBrAQE [saga]:2017/06/14(水) 00:03:13.35 ID:9Hat92fs0

ミリマスSSです。プロデューサーはP表記。

矢吹可奈「どうしよう、お家に帰れないです〜!」P「・・・」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1404203513
これの一応続きっぽいもの。




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1497366192
2 : ◆kBqQfBrAQE [saga]:2017/06/14(水) 00:04:32.40 ID:9Hat92fs0

19時前 プロデューサー宅


ガチャ

P「よーし、着いた着いた」

P「遠慮なく入っていいよ」

志保「……お、お邪魔します」

P「しかし本当に雨強かったなあ…。志保、タオル取って来るからちょっと待ってて」

P「えっと…はいっ」スッ

志保「ありがとうございます。少し濡れてたので助かりました」

P「それはよかった。志保、自分の家だと思ってくつろいでていいからな?」

志保「じゃあ、お言葉に甘えますね」ニコ

志保(…そうは言ったけど、やっぱり少し落ち着かない。というかちょっと緊張する)


志保(……今日はプロデューサーさんのお家にお泊りすることになりました)

志保(どうしてこんなことになったのかというと、それは一時間ほど前のお話……)


・・・・・・・・・・

3 : ◆kBqQfBrAQE [saga]:2017/06/14(水) 00:06:28.66 ID:9Hat92fs0

18時過ぎ 駅にて


志保「……どうしよう、電車止まっちゃった」

『只今、大雨の影響で電車を見合わせております。復旧のめどは…』

志保「途中で運転打ち切りになるなんて……」

ザアアアァァァ

志保「でも、すごい雨…」

志保「プロデューサーさん、まだ電話してるのかな?」チラッ


P「はい…はい…ええっ!?」

P「ま、まあ、そうですけど。でも…」

P「そう、ですね…。一応聞いてみます、はい」ピッ

志保「?」

志保(そういえば以前、こんな雨の日に可奈が…)

4 : ◆kBqQfBrAQE [saga]:2017/06/14(水) 00:08:44.60 ID:9Hat92fs0


志保「プロデューサーさん、小鳥さんからは何と?」

P「他のアイドルたちはみな無事で連絡は取れてる。音無さんも社長も事務所を出たから事務所には誰もいない、ってさ」

P「あと、雨もこのまま降り続けるから、電車も復旧しないんじゃないかって」

志保「そう、ですか。私の家ここからまだ距離あるし、どうしたら……」

P「それで志保が良かったらだけど、その……俺ん家、泊まる?」

志保「……はい?」

P「い、いや! この〇〇駅って、俺の家の最寄りなんだよ」

P「それで、この雨でタクシーもバスも乗れそうにないならいっそ泊めてやれ、って音無さんが…」

志保「…思い出しました。そう言って、あの時も可奈をプロデューサーさんの家に連れ込んだのですね」ジトー

P「まってちがう」

5 : ◆kBqQfBrAQE [saga]:2017/06/14(水) 00:12:16.85 ID:9Hat92fs0

P「そうじゃなくてですね志保さん、その…」オロオロ

志保「クスッ…冗談ですよ。流石にこの雨だと、私もどうしようか困ってましたから。正直、背に腹変えられません」

志保「でもプロデュサーさん、本当にいいんですか?」

P「そりゃもう、最終手段だし。大丈夫だよ」

志保「ありがとうございます」

志保「そうだ、家に連絡入れていいですか? もしかしたら家に弟一人だけ、っていうこともあり得るので……」

P「うん、もちろん」

志保「それじゃあ…」スッ

志保「……もしもし。あっ、お母さん。良かった……あのね?」カクカクシガジカ

P(そうか、志保の家ってお父さんが……)

P「…あっ、俺も社長に連絡入れておかないと」


・・・・・・

6 : ◆kBqQfBrAQE [saga]:2017/06/14(水) 00:13:53.60 ID:9Hat92fs0

P「……はい、勿論です!今回もしっかり面倒見ます! はい、それでは」ピッ

P「よし、社長に報告は終わり、と」

P(志保は…)チラ

志保「うん…うん、分かった。ありがとう、お母さん」

志保「え?……そ、そんなんじゃないから! 本当だって!」

志保「もう電話切るよ? …うん、ちゃんと伝えておくから。じゃあ、また明日ね」ピッ

志保「ふぅ……」

P「志保、お母さんは何って?」

志保「はい。お母さんも仕事早く切り上げさせてもらえたみたいで、家に帰って今は夕飯の支度をしてるそうです。だから安心していいよ、と言われました」

P「それなら弟君も安心だな」

志保「はい。あと…今日はウチの娘をよろしくお願いします、と」

P「ああ、任せてくれ」

P「よし、それじゃあ行くか! あ、でもその前にショッピングセンターだな。色々買ってかないと」

志保「…はいっ」クスッ

7 : ◆kBqQfBrAQE [saga]:2017/06/14(水) 00:14:45.25 ID:9Hat92fs0

・・・・・・・・・・

志保(……ということで、今日はプロデューサーさんのお家にお泊りすることになりました)

志保(そうして今に至ります)

志保(大雨で家に帰れなくなるなんて……そんな経験、初めてで不安だったから少し安心です)

志保(でも、お母さんからは「むしろラッキーじゃない?」って余計なことを言われたから、ちょっと意識してしまう…かも)

志保(でも可奈が言ってた通り、お部屋綺麗にしてるなあ)

志保「…」キョロキョロ

P「そんなに部屋をいろいろ見られても、変なものとか置いてないよ?」

志保「そ、そんな理由じゃありません!」///

P「あはは、ごめんごめん。初めて来た他所の家って妙に緊張するもんな」

志保「はい……」コクッ

志保(それに男の人の家って初めてだから、余計に……)

志保(ハッ!......変な意識したらダメ!)ブンブン

P「?」

8 : ◆kBqQfBrAQE [saga]:2017/06/14(水) 00:15:29.64 ID:9Hat92fs0

P「よし、ご飯にしようか。それとも風呂にする?」

志保「少しお腹が空いたので、ご飯の方が……」

P「OK。実は俺もかなり腹が減っててさ」

志保「私も手伝いますよ」

P「別にくつろいでいていいぞ?」

志保「泊めてもらってる身ですから、少しは手伝わせてください。それに一緒に作った方が早く料理も出来上がりますし」

P「確かにそうだな。じゃあ志保、お言葉に甘えてお願いするよ」

志保「はいっ」
9 : ◆kBqQfBrAQE [saga]:2017/06/14(水) 00:16:28.06 ID:9Hat92fs0

志保「それで、一体何を作るんですか? いつの間にか食材買ってましたよね?」

P「結構悩んだけど、ハンバーグとナポリタンにしようかなーと思ってさ」

P「冷蔵庫ににハムとタマネギが残ってたの思い出してな」

志保「プロデューサーさんって、料理するんですね」

P「それは失敬だな。学生の頃から自炊はよくやってたんだぞ?」

P「可奈が泊まりに来た時も一緒に作ったし」

志保「あ、そういえば…中華を食べたって言ってましたね」

P「そうそう」

10 : ◆kBqQfBrAQE [saga]:2017/06/14(水) 00:17:41.65 ID:9Hat92fs0

P「それじゃあ志保、ハンバーグ作ってもらっていい?」

志保「分かりました。プロデューサーさんはナポリタン作りますか?」

P「うん。ナポリタンでちょっとやってみたいことがあってさ」

志保「やってみたいこと?」

P「そうそう。昔行きつけてた洋食屋さんのナポリタンを再現しようかなーって」

P「店主のおじさんが年でやめちゃったけどさ、美味かったんだよなあ。学生の頃はそればっか食ってて、思い出の味だよ」

志保「へえ、楽しみにしてますね」

P「ああ、任せて」

志保(……私も頑張らないと)

11 : ◆kBqQfBrAQE [saga]:2017/06/14(水) 00:19:17.79 ID:9Hat92fs0

P「……」トントントン

志保「……」トントントン

P「そのタマネギ切り終わったらピーマンも頼む」

志保「はい。中の種取りたいので、スプーンもらえますか?」

P「うん。えっと…はいっ」

志保「ありがとうございます」

志保「……本当に手際いいですね」

P「だろ? 伊達に包丁握ってなかったからな」

志保「でも、もう少し野菜を見分ける力を鍛えた方がいいと思います。ヘタが少ししなびたピーマンが多いです」

P「うが…わ、悪かったな……」

12 : ◆kBqQfBrAQE [saga]:2017/06/14(水) 00:20:07.00 ID:9Hat92fs0

P「しかし話には聞いてたけど、志保も料理し慣れてるよなあ。何だかお母さんの域だし」

志保「お母さんって…。私、まだ14ですよ?」

P「それだけ嫁力が高いってことだよ」

志保「嫁力?」

P「嫁力は、嫁力だよ」

志保「何ですか、それ。高い方がいいんですか?」クスッ

P「そりゃあもちろん。俺も、嫁力高い人と結婚したいし」

志保「!…そ、そうですか……」


志保(……危なかった、ピーマンが変な形に切れそうになった)

志保(でも…何だかこういうの、いいかも)

志保(お母さんや弟と一緒に料理をする時とは、ちょっと違う感じ)

・・・・・・
13 : ◆kBqQfBrAQE [saga]:2017/06/14(水) 00:21:59.56 ID:9Hat92fs0

P「……よしっ。ナポリタンの出来上がり!」

志保「ハンバーグも出来あがりましたよ。ソースも出来てます」

P「おっ、ベストタイミングだな」

志保「ハンバーグのお皿はこれでいいですか?」

P「いや。このナポリタンをよそった上に、ハンバーグも乗せるんだ」

志保「えっ」

P「よし、じゃあ乗っけるぞー」ノソッ

P「あとはソースをハンバーグにかけて……よしっ、ハンバーグナポリタンの完成!!」

志保「は、はあ…」

志保(ちょっとガサツな感じだけど、男の人の料理ってこんな感じなのかな……?)

14 : ◆kBqQfBrAQE [saga]:2017/06/14(水) 00:22:49.31 ID:9Hat92fs0

P「冷めないうちに早速食べよう。飲み物はお茶でいい? ジュースもあるぞ?」

志保「いえ、お茶で構いません」

P「それじゃあ…」

P志保「「いただきます」」

P「アムッ……うん、美味いっ。我ながらうまく仕上がったなぁ」

志保「じゃあ、私もナポリタンから……」アムッ

15 : ◆kBqQfBrAQE [saga]:2017/06/14(水) 00:23:55.27 ID:9Hat92fs0

志保「んっ!……美味しいっ!」キラン

P(何か目が光った)

P「気に入ってくれたら嬉しいよ」アハハ

志保「本当に美味しいです。麺がちょっと太めで柔らかいですけど、逆にそれが良くて…」

P「少し太めの麺使って、それを長く茹でたんだ。麺が柔らかくなることでソースとの絡みも良くなるって、洋食屋のおじさんが言ってたからな」

志保「なるほど…。家で作るときにも少し参考にしようかな……」アムッ

志保「…んっ!」キラン

P(何この子かわいい)

16 : ◆kBqQfBrAQE [saga]:2017/06/14(水) 00:25:04.15 ID:9Hat92fs0

P「よし、次は志保が作ったハンバーグを…」

志保「!」

P「アムッ……んっ、美味い!」

志保「お口に合ったのなら良かったです」

P「お口に合うも何も、本当に美味しいよ」

志保「弟がハンバーグ好きで、家でよく作ってますからね」フフン

P「こんな美味しいハンバーグなら、弟君も幸せだな」

志保「…そう、ですね」

志保(気に入ってくれて、よかった)ホッ

17 : ◆kBqQfBrAQE [saga]:2017/06/14(水) 00:25:46.35 ID:9Hat92fs0

P「ちょっと上品じゃないけど、ハンバーグの一部を崩してナポリタンと絡めて食べると美味しいぞ」

志保「へえ。じゃあ、ちょっとやってみます」

志保「パクッ……んんっ!」キラッ

志保「また少し味が変わった…。なるほど、一つのお皿だからこうして味が複雑に……プロデューサーさん?」

P「ングッ……」プルプル

志保「? プロデューサーさん、どうしたんですか?」

P「いや、食べるたびに目がキラッて光って……かわいいなあって」

志保「か、かわっ」

志保(そういえば、お母さんから時々『志保は美味しそうに食べるわね』って言われてたけど、もしかして……)

志保「……あぅ」カアァ

18 : ◆kBqQfBrAQE [saga]:2017/06/14(水) 00:26:34.87 ID:9Hat92fs0

P志保「「……ごちそうさまでした」」

P「いやあ、食べた食べた」

志保「本当に美味しかったです」ニコ

P「あれだけ目を輝かせて食べてくれたら、俺も嬉しいよ」

志保「なっ...そ、それは忘れてください!」///

P「あはは、悪い悪い」

19 : ◆kBqQfBrAQE [saga]:2017/06/14(水) 00:27:13.22 ID:9Hat92fs0

P「……よしっ、風呂入れてくるか。ちょっと準備してくる」

志保「それじゃあ、その間にお皿洗っておきますね」

P「気にせずゆっくりしてて良いぞ?」

志保「洗われてないお皿がある方が落ち着かないので…」

P「ありがとう。じゃあ、お願いしようかな」

志保「はいっ」

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