エルフ「ダンジョン荒らして金稼ぎ!」戦士「不安しかないが……」

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154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/07(月) 21:13:18.30 ID:UNzRRQAjO



エルフは『トレントの果実』を二つ手に入れた!


エルフ「ふへ、ふへへ……800G。しかも2個。おーい、商人……っ!?」


商人「エ、エルフさん……戦士さん……っ」ガタガタ…



ならず者冒険者A「へへっ、動くなよ、てめーら」


ならず者冒険者B「このガキが死んでもいいのか?」


戦士「……お前ら、どういうつもりだ」


ならず者冒険者C「なーに、ちょっとしたお願いだよ。俺たち、金に困ってんだわ。そんで可哀想な俺たちに『膵島草』とその『トレントの果実』とやらを譲って欲しいんだわ」ニヤニヤ…


エルフ「ああ?」


冒険者D「逆らわないでよぉ。仲間の首が飛んじゃうよぉ?」


商人「ひっ……!」ブルブル…

155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/07(月) 21:27:00.24 ID:UNzRRQAjO


戦士「……分かった。エルフ、それを」


エルフ「……ちっ!」ぽいぽいっ


ならず者冒険者A「へへっ、これが800Gもすんのか。膵島草が奪えればめっけもんだと思ってたが、こいつは思いがけない報酬だぜ」


エルフ「……アンタら、ロクな死に方しないよ」


戦士「早く商人を離せ」


ならず者冒険者A「いやいや、考えてみろよ? このまま無事なら俺たちは同じ船で帰るんだぜ? 臆病でか弱い俺たちは怖くて怖くて仕方ないわけだ」


ならず者冒険者B「だからお願いだよ。そこのお嬢ちゃんに魔法を使われちゃ困るからまず杖を置いて貰おうか? 戦闘を見てると杖を使わなきゃ魔法使えないみたいだしなぁ?」


エルフ「(こいつら、どうせ私たちをここで始末する気だ! それなのに武器を手放したら……)」


戦士「……エルフ」


エルフ「……ちっ」コロンッ


ならず者冒険者A「次にそこの大男くん、両腕を折らせてくれや」


エルフ「お前らぁ……!」


ならず者冒険者C「おいおいこのガキが死ぬぞ? ほら、ナイフが首に食い込んでるよ?」グイッ


商人「あ、あ……!」ツゥ……

156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/07(月) 21:29:17.37 ID:UNzRRQAjO


戦士「……分かった」



エルフ「……このバカっ」



ならず者冒険者A「ほら、そこにうつ伏せになれよ。抵抗するとこのチビが余計痛い目見るぜ」


戦士「……」どさっ


ならず者冒険者D「えへへぇ、もう冒険できないねぇ?」


ならず者冒険者B「へへへ……」


エルフ「…………」ギリッ



ならず者冒険者BとDは戦士の腕を武器で何度も叩きつけた……!



戦士「…………ッッ」



商人「ぁ……ひっ……」


エルフ「…………」
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/07(月) 21:35:13.63 ID:UNzRRQAjO


戦士「っぅ……」


ならず者冒険者B「なんだこいつ、やけに頑丈だな」はぁはぁ…


ならず者冒険者D「本当に人間かなぁ?」


ならず者冒険者A「(まあ、これであの男は無力化したか。エルフは高く売れそうだし殺すには惜しいが、まあ、殺す前にこの人質使って愉しませてもらうか)」


ならず者冒険者A「じゃあ、次はお嬢ちゃん? そんな睨むなよ? ちょっと仲良くしようぜ?」


エルフ「…………」


ならず者冒険者B「おっ、この男、なんか持ってるぞ?」


ならず者冒険者D「木の箱だぁ」


エルフ「……!」


ならず者冒険者A「おい、あれはなんだ」


商人「あ、あれは……『祝福のオルゴール』です。き、聞いた人を幸せにする音色を鳴らします。う、売値は1000Gです」


ならず者冒険者B「てめえ! レアアイテムを隠し持ってやがったのかよ! ふざけんな!」ガンッ


戦士「っ……」



ならず者冒険者A「へっ、高いもんだな。どれ、聞いてみるか」カチチッッ……カチチッ


商人「……」ゴクッ
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/07(月) 21:36:37.50 ID:UNzRRQAjO


パカッ


『狂気のオルゴール』が鳴り始めた!


商人「うわぁぁぁっっ!」だっ


ならず者冒険者C「てめ……なんだこの音……は」グラッ


ならず者冒険者たちは混乱した!


ならず者冒険者たちは同士討ちを始めた!


戦士「しょ、商人……大丈夫か……」ぜぇぜぇ…


商人「ごめ、ごめんなしゃ……」えぐっ…



エルフの『回復魔法』!


戦士「いだだっ!」


エルフ「我慢しろ! くそっ……ムカつく……ムカつく……!」シュゥゥ…
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/07(月) 21:39:32.39 ID:UNzRRQAjO

・・・

ならず者冒険者Aを倒した!

ならず者冒険者Dを倒した!

ならず者冒険者Bを倒した!


ならず者冒険者C「……っ? なっ、おい、何がどうなって……!」


エルフ「はっ、同士討ちしたんだよ。お仲間同士のチャンバラは楽しかったかい?」


ならず者冒険者C「て、てめぇらぁ……!」バッ



エルフの『爆杖殴打』!


ならず者冒険者Cを倒した!



ならず者冒険者C「ぅ……」


エルフ「……」すっ


ゲシッゲシッゲシッ!


エルフ「お前らなんか死ね! 死んじまえ! このゴミどもがっ!」げしっ


ならず者冒険者C「ぅぅ……」ピクピクッ
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/07(月) 21:41:08.12 ID:UNzRRQAjO

戦士「やめろ!」ぐいっ


ズキッ


戦士「いつつ……」


エルフ「完治してないんだから無茶すんな!」


戦士「……とにかくやめろ」


エルフ「でもこいつら……」ギリッ


戦士「腹が立つのは分かる。でもお前が同じことするな」ぽふっ


エルフ「……ちっ。気安く頭に触んないでよ変態」ぷいっ


商人「……」


戦士「商人の首の血も止まったな。無事で良かった」ぽふっ


商人「ほんとに、ごめんなさい……っ」ぼろぼろ…


戦士「お前は悪くないから……むしろ俺が……」


エルフ「……ああもう! この話はもういい! みんな悪い! 私も戦士も商人も悪い! 後で反省会するからね!」


戦士「……ああ」


商人「はい……」ぐすっ
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/07(月) 21:43:45.43 ID:UNzRRQAjO



エルフ「500G草と800Gの実は回収、と。こいつら縛って放置でいいよね?」


戦士「いやだが、そうしたら魔物に襲われて死ぬんじゃ?」


エルフ「こいつらが死のうがどうでもいいよ。むしろ死んでくれって感じ」


商人「生きてたら絶対に仕返しに来ますよ……」


エルフ「あっちから仕掛けてきた分際で復讐とかどこまでもカスだね。魔物の肥やしにでもなってろ」


戦士「官憲につき出すにも連れてくのがまず無理だろう。俺もまだ腕が万全じゃないしな」ぐっ


エルフ「ばかっ! 無理に動かすな!」


戦士「無茶はできないが少しは戦えるさ」


商人「が、頑丈ですね……」


戦士「それだけが取り柄だからな」ぐっ


エルフ「だから無理に動かすな! ほんとバカ!」


162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/07(月) 21:49:36.45 ID:UNzRRQAjO


エルフ「ったく……こいつらを丸腰にしてもダンジョンなら武器も手に入るし、やっぱり縛って放置が正解だよ。仕方ないじゃん」


商人「僕もそうするべきだと思います」


戦士「ううむ……」


エルフ「こいつらは悪事を働いたんだよ? 運が良ければ生き残れるだけ優しさじゃん。それか、全員の両腕を折ってく?」


戦士「……分かったよ。俺たちの身の安全のためにも拘束しておくしかないな」


商人「このトレントの燃え残りにでも押し込んでおきましょう」


戦士「もう少し目立たないところに……いや、魔物は寄ってくるかもしれないが、隠れてることに気付きはしないか?」


エルフ「なんでもいいよ。こんなゴミたちにこれ以上時間を取られるのが苦痛だよ」



戦士たちはならず者冒険者たちを拘束して、トレントの亡骸に隠した



エルフ「……だいぶ陽が落ちてきたね。海岸まで戻ろうか」


商人「そうですね。小島なら魔物に出くわさな……いや、襲われましたね」


戦士「ここよりはマシだろ」



エルフ「さて、早く行こうか」


to be continued...
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/07(月) 22:02:10.29 ID:UNzRRQAjO


○戦士メモ

・メイジマッシュ:キノコ型の魔物。集団で行動している。複数で魔法を連発してくるため危険。

・トレント:非常に手強い魔物だった。おそらく果実を餌に寄ってきた魔物や冒険者を養分にして成長してきたのだろう。相変わらずエルフの魔法には助けられてばかりだ。



○エルフメモ

・人質:次からは人質になったら自己責任ということにしたい。でも、お人好しバカが従うわけないし、商人にもっと自衛するように鍛えるのが一番現実的かな。

・ならず者冒険者たち:地味に良い装備してたから羽振りはいいんだろうね。おそらく同じような手口を今までも行なってきたんだろう、ムカつく。戦士がゴネるから直接始末はしなかったけど、どうせ魔物に喰い殺されるはず。『いんがおーほー』というやつだ。

・回復魔法:外傷の治りを促進するけどひどい怪我には痛みも伴う。仕方ないね。

・反省会:帰ったら戦士の奢りでご飯を食べながらお説教タイムだよ。



○商人の鑑定

・狂気のオルゴール:売値5G。聞くものを混乱させる代わりに攻撃力を上げる危険なオルゴールです。1度使うと壊れます。耳を塞いで大声をあげたりするなどして音色を聞かなければ効果はありません。今回は助けられました。

・トレントの果実:売値800G。トレントは大地の栄養と数多の生物の養分を吸って育ちます。この果実にはその養分が凝縮されていて、その芳醇な甘さは既存の果物で比肩するものがないと評されます。王侯貴族が大事な祝いの席で食べる貴重な果物です。
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/08/07(月) 22:08:59.26 ID:Vssv4X310
>>129>>135
が当たってたな
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/07(月) 22:14:02.70 ID:F2eSsEDco
ようするにネタ潰し野郎が二人もいたってことでいい?
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/07(月) 22:54:58.39 ID:R/1SKMsA0
ageカスが居るって事も追加かな
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/08/07(月) 22:59:14.00 ID:Vssv4X310
お前ら性格と態度と口悪いな
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/07(月) 23:27:42.57 ID:LtKHi486o
この後反省会シーンが入るだろうから何とも言い難いが戦士はよくこの世界で生きてこれたな

ステータスで『かしこさ』やら『アイデア』が見えていたらゾッとするような数値なんだろうか
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/08(火) 00:20:18.34 ID:/IWW1NNIo
>>167
あのさ、今のところ君が荒らしだよ
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/08(火) 00:30:02.50 ID:Gt7atxdmo
ダンジョン荒らしスレ荒らしということか
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/08/08(火) 00:39:18.84 ID:NBFLDxFb0
エルフが光り物で釣れる……?
なるほど
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/08(火) 01:20:14.97 ID:vFAGiJq2o
>>17
sageろks
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/08(火) 01:20:59.39 ID:vFAGiJq2o
安価先間違えた

>>171
sageろks
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/08(火) 04:00:53.52 ID:bjtazE8u0
これエルフがレイプされかけた方が戦士の為にはなったな
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/08(火) 05:45:34.95 ID:eEj93Qleo
>>167
メル欄にsageって入力して
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/08/08(火) 09:43:38.47 ID:2v69t8/aO
sage厨大発狂w
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/08(火) 09:48:36.81 ID:+BnfOHsP0
C
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/08(火) 10:26:58.20 ID:v4CyVJfdO
ageてるバカも何回もsageを主張するやつもいるし夏休み真っ盛りって感じですね!
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [ssage]:2017/08/08(火) 17:30:16.39 ID:Zz87XUwwO
まー夏休みだし外野は放置でいいだろう時間の無駄だ
次も期待してよっと
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/08(火) 21:38:03.93 ID:WSfkZgqmO
・・・

エルフ「目印を消えづらいものにしておいて良かったよ」


商人「本当ですね」


戦士「暗くなる前に行くぞ」


カサ……


エルフ「……ちっ」


エルフは杖に魔力を溜めている!


「ま、待てよ! 魔物じゃねえ!」ガササッ


エルフ「……んん? 黒チビじゃん」


赤魔「はぁはぁ……」


商人「(Aルートと僕たちのBルートはかなり道が隔たってるはずなんですけどね)」


戦士「傷だらけじゃないか。どうした? 盗賊は?」


商人「……話をするにしてもまずは急ぎませんか」


戦士「あ、ああ」


エルフ「それじゃ」スタスタ…


赤魔「あ、おい……っ」

181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/08(火) 21:39:13.02 ID:WSfkZgqmO


エルフ「…………」スタスタ…


赤魔「…………」スタスタ…



エルフ「……なんでついて来てんの?」


赤魔「べ、別にいいだろ!」


エルフ「こちとら、今は他所と馴れ合う気分じゃないんだよね。さっさとどっか行ってくれる? じゃなきゃ、追っ払うよ?」


戦士「エルフ、どう見ても赤魔は迷子だ」


赤魔「うっ……」


戦士「さっきの今で気が立ってるのは分かるが仕方ないだろ」


エルフ「……ちっ」スタスタッ


赤魔「くそっ……いだっ」ズキッ…


戦士「足ケガしてるのか?」


赤魔「べ、別にこれくらい……くそっ、盗賊がいれば回復してくれるのに……!」ズルズル…


エルフ「黒エルフのくせに回復魔法も使えないの?」ぷっ


赤魔「お、俺が使えなくても盗賊が使えるからいいんだっての!」
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/08(火) 21:40:41.74 ID:WSfkZgqmO


戦士「俺に乗れ。背負ってやる」


エルフ「はあ!? 君さぁ、腕が完治してないっていってるでしょ!?」


戦士「赤魔くらいなら背負えるだろ。これ以上歩けないようだしな」


赤魔「い、いや、俺はまだ歩ける! ……っ」ズキズキッ


戦士「こういう時は助け合いだろ。ほら」


赤魔「……ありがと」


エルフの『回復魔法』!


赤魔「!」


エルフ「自分で歩け!」


赤魔「あ、ああ。…………ありがとよ」


エルフ「あとで治療代100Gね」


赤魔「んな!?」


183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/08(火) 21:42:01.09 ID:WSfkZgqmO

・・・
【異形の島・メジャールート分岐路】


盗賊「……赤魔!」タタッ


赤魔「盗賊!」


盗賊「……このバカが!」ガチッ


赤魔「いだだだだ……!?」


盗賊「危険だっていったろうが! 無茶するな!」


赤魔「ご、ごめんって……!」


エルフ「〜〜♪」


商人「あ、あの、早く小島まで戻りましょうよ」


戦士「もうかなり薄暗いもんな」


184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/08(火) 21:44:00.00 ID:WSfkZgqmO

・・・
【最寄の小島】


盗賊「うちのバカを保護してくれて本当に感謝する」


エルフ「ほんとだよ。治療代と面倒を見た料金として200Gね」


赤魔「てめっ……」


盗賊「今はあいにく持ち合わせがないが……何か金になるアイテムはあったろうか」ごそごそ…


戦士「いや、こいつの冗談だ。1Gも払う必要はない」


エルフ「冗談じゃないけど」


商人「うーん……」


戦士「こういうのはお互い様だろう」


赤魔「アンタいい奴だな! 気に入ったぜ!」にっ


盗賊「……だが助けられっぱなしは性に合わないんだ。これとか価値がありそうだけど」すっ


商人「これは『絹蛇の皮』ですね。売値は1Gです」


盗賊「ぐ……じゃあ、こっちのアイテムはどうだ。初めて見る食べ物だし高いんじゃないか?」すっ


商人「これは『透明煎餅』ですね。売値は0.1Gです」


盗賊「0.1G......」

185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/08(火) 21:44:54.14 ID:WSfkZgqmO


赤魔「盗賊は腕はいいんだけど、アイテムを見る目がゼロなんだよ」


盗賊「キラキラしてるものは高いでしょ」


赤魔「そう言っていつも安く買い叩かれてるだろ」


エルフ「というかキラキラしてる食べ物って不味そうなんだけど」


盗賊「…………」いじいじ…


赤魔「ああ、拗ねた」


エルフ「君たち実力の割にはあんまり実入りはよくなさそうだね」


商人「……それにしても他の冒険者たちはどうしたんでしょう? 来た時はあんなにいたのに」


戦士「ビバークするなら小島に来そうなもんだがな」


赤魔「魔物にみんなやられたよ。情報で聞いていたよりもずっと魔物が多かったよ」


盗賊「しかも情報にない種類の魔物ばかりだったわね。未開の奥地から出てきたか」


戦士「もしくは新種かもな」


盗賊「新種?」
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/08(火) 21:46:12.27 ID:WSfkZgqmO


商人「飛竜の塔に行った時に普段いない魔物がいたんです。そいつらは大きな黒くて丸い球体から出てきていました」


赤魔「マジかよ」


商人「その時の欠片も取って来たのですが、アイテムじゃないんでしょう。頭に特に何も浮かびません」


盗賊「ちょっと見せてもらえるか?」


商人「あ、どうぞ」


盗賊「…………」


赤魔「心当たりあるのか?」


盗賊「いや。見せてくれてありがとう」


商人「いえいえ」


エルフ「もし飛竜の塔と同状況じだとしたら、このダンジョンの生存率は更に下がるかもねぇ」


戦士「冒険者ギルドに伝えておくか」
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/08(火) 21:50:50.57 ID:WSfkZgqmO


赤魔「やれやれ、今回は収穫が無かったな。もう少し奥まで探索できてりゃ……」


盗賊「そうやって勇み足だからトラップで吹き飛ばされるんでしょ」


赤魔「うぐ……」


エルフ「なに? どんなトラップ」


盗賊「踏んだ瞬間、バネ付き床でポーンッと」


エルフ「だっさ」


赤魔「う、うるせー! 盗賊もベラベラ言うな!」


戦士「無事でよかったじゃないか」


赤魔「だよな!? いやぁ、お前ほんとにいいやつだ! そんな性悪女よりも俺たちと組まないか?」


エルフ「はあ!?」


戦士「悪いがそれは断るよ。共闘なら喜んで受けるが」


エルフ「さっきの今でその発言って、君は反省や学習という言葉を知らないのかなぁ!?」


戦士「さっきの追い剥ぎたちのことか? そうだな……運が悪かったな」


エルフ「なにそれだけですませてんの!? 下手したら全員死んでたんだからね! 分かってる!?」


盗賊「リスクには適切に対処するべきだ」


エルフ「ほんとだよ!」


戦士「わ、悪かったよ。俺が迂闊だった」


戦士「(どうすればよかったんだか……まあ、いい)」

188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/08(火) 21:53:19.84 ID:WSfkZgqmO


赤魔「このまま手ぶらで帰りたくねえなぁ……」


盗賊「気持ちは分かるけど仕方ないだろ」


エルフ「(商人、ちゃんと管理してよ?)」ヒソヒソ…


商人「(エルフさんの方もお願いします)」ヒソヒソ…


赤魔「そっちは何か収穫はあったか?」


エルフ「え、い、いやぁ、大したアイテムはなかったよ」えへっ


商人「(嘘つくのヘタ!?)」


赤魔「ふーん……あーあ、異形の島も稼げねえな。次はどうする盗賊?」


盗賊「…………」


赤魔「盗賊?」


盗賊「ん、ああ、いや。ぼーっとしてただけ」


赤魔「…………」
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/08(火) 21:55:30.91 ID:WSfkZgqmO

・・・
【翌日】


商人「とくに魔物が襲ってくることもありませんでしたね」


戦士「海風も大したことないし、地面も柔らかいからテントも快適だったな。おかげで身体も万全だ」


エルフ「今回の帰還者は私たちだけかな?」


盗賊「もう少しくらい島の中でなんとか生き延びてるかも」


赤魔「お、船が来たぞ!」



冒険者たち<<ゾロゾロ……


エルフ「今回も多いねぇ」


商人「危険なダンジョンなんですけどね」


赤魔「さ、帰ろうぜ」


戦士「二人は帰りも船酔いだな」


赤魔・エルフ「うっ……」

190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/08(火) 21:59:16.13 ID:WSfkZgqmO


<<それでは出航します!


エルフ「やっと帰れるぅ」


戦士「疲れたが、前評判ほどじゃなかったな」


商人「ふぅ……船内がスカスカで気楽ですね」


赤魔「なぁ、盗賊見なかったか!?」


エルフ「あん? 知らんがな」


戦士「トイレでもしに行ったか?」


商人「デリカシー……」


赤魔「いなかった! あいつが言伝なしに単独行となると……ちっ! また独りで何か抱え込んでやがるな!」


赤魔は船を降りた!


<<お客さん!?



エルフ「2日連続でダンジョン攻略とかしんどいでしょ。なに考えてるんだか」


戦士「……」スクッ

191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/08(火) 22:01:48.60 ID:WSfkZgqmO


エルフ「おいおい待ちなよ。ウェイウェイ」


商人「せ、戦士さん、もしかして……」


戦士「お前らは先に帰っていてくれ」


エルフ「出たよ悪い病気! ダメですー! チームのリーダーとして拒否しますー!」


商人「少し考え無しすぎますよ!」


戦士「……悪いな。明日には帰る」ダッ



戦士は船を降りた!



エルフ「あ、あのバカぁ……!」


商人「戦士さんはどうして今まで生きて来られたんでしょうね……」


エルフ「…………〜〜〜〜っ!」


ダンッ!


エルフ「……」ズカズカッ



エルフは船を降りた!



商人「えぇ……」


192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/08(火) 22:04:58.88 ID:WSfkZgqmO


<<あわわ、今回の帰還者1名!?



商人「(僕は足手まといだし帰ろう……)」


商人「(……でも、もしかしたら未知のアイテムが見つかるかも?)」


商人「(今回の失態で、次はもうダンジョンに連れていってくれないかもしれないし)」


ポコポコポコポコ……



再び島を訪れる確率<二度と来ない確率

このことから

船に留まることで確実に得られる満足<船を降りることで得られる満足の期待値

よって

船に留まる<自分も降りる

よって

船を降りるのが最適である



チーン!


商人「みなさん待ってください!」ダッ



商人は船を降りた!



<<今日も帰還者ゼロ!?

193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/08(火) 22:10:53.22 ID:WSfkZgqmO

to be continued...



○戦士メモ

・トラップ:生命の危機に繋がるモノからふざけたモノまで幅広い。ふざけながら生命の危機に繋がるモノもあるから要注意だ。

・テント:海岸だと身体がベタつくが、まだコンディションがいい。岩場で傾斜だと目も当てられない。



○エルフメモ

・お人好し:戦士はこれだと思っていたけど最近は本当にバカなだけだと気付いた。アイツと1年も一緒にいた仲間とやらがすごい。今度グチ大会でも開きたい。



○商人の鑑定

絹蛇の皮:売値1G。蛇の皮には金運を上げる効果があると言われています。そのためこの実用性のない蛇の抜け殻にも価格がつくのです。信仰を売り物にするのは“うまい”ビジネスだなぁと思います。もっと課税しろ。

・透明煎餅:売値0.1G。この煎餅を食べると我々は食事の際に見た目を含めて美味しさを感じるのだなぁと実感します。味はよくある煎餅です。
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/09(水) 22:52:33.29 ID:D3g4hYJSO

・・・

盗賊「……」タンッ


ハンニャレプタイルの『噛み付き』!


ミス!


盗賊の『死の針』!


全ての生物を殺す猛毒!


ハンニャレプタイルを倒した!


盗賊「はぁはぁ……長引かせてくれたわね」


ズゥゥン……


盗賊「!」


ハンニャドラゴン「シュー……」


盗賊「(……これは相手したくないわね。やり過ごしていきたいけれど……)」


ハンニャレプタイルの群れ<<シュルルル……


盗賊「(結構まずいな……)」
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/09(水) 22:55:49.22 ID:D3g4hYJSO

盗賊「……くっ、やるしかないか」



赤魔「ーーやっと見つけた!」ザッ



盗賊「赤魔!? なんで残ってるの!?」


赤魔「それはこっちのセリフだ! このアホ!」


戦士「ちょうどいいタイミングだな。特にケガはないようで良かった」ボロッ


エルフ「……」つんっ


盗賊「(むしろそちらが重傷なように見えるけど……)」


商人「あわわ、またギルドの報告にない魔物ですよ! つ、強そうです……!」ささっ


エルフ「ちっ……とりあえず倒すよ!」


エルフは杖の先に魔力を溜めている!

196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/09(水) 22:56:56.84 ID:D3g4hYJSO

エルフ「冬眠してろ爬虫類!」



エルフの『氷点零』!



パキキキキ……ッッ


ハンニャレプタイルの群れは凍えている!



赤魔の『疾風剣』!



盗賊の『加速蹴り』!


盗賊は更に加速する!



戦士の攻撃!



商人「(……戦士さんの攻撃だけなんか地味だなぁ)」

197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/09(水) 22:59:58.67 ID:D3g4hYJSO


ハンニャドラゴン「シュルルル……」


ハンニャドラゴンの『尻尾薙ぎ』!


戦士「やらせるかっ!」ガキィッ


戦士はパーティを庇った!



ハンニャレプタイルの群れは赤魔に襲いかかって来た!


戦士「効くかぁぁっ!」


戦士は赤魔を庇った!



エルフの『氷点零』!


赤魔の『地震剣』!


盗賊の『加速蹴り』!

盗賊の素早さは最高潮に達する!


戦士の攻撃!

クリティカル!



ハンニャレプタイルの群れを倒した!



エルフ「すぐいいとこ取りする!」


戦士「そう言うなって……!」
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/09(水) 23:06:14.62 ID:D3g4hYJSO


ハンニャドラゴン「シュゥゥゥ……ッッ」


ハンニャドラゴンの『麻痺の魔眼』!

戦士は麻痺した!


戦士「ぅぁ……!?」


エルフ「うおいっ!?」



盗賊「……崩す!」


盗賊の『神風蹴り』!


ハンニャドラゴン「シュ……!?」グラグラ…


ハンニャドラゴンは無防備だ!

盗賊の素早さが元に戻った!



エルフ「がら空きだ!」


エルフの『氷結突き』!

クリティカル!



赤魔の『火炎剣』!

クリティカル!


赤魔「今のは相当効いてるぜ!」



戦士は痺れて動けない!


戦士「(攻め時なのにすまん……というかこのままじゃ庇えない。俺を狙え! 頼むからエルフを狙うなよ……!)」ビリビリ…


199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/09(水) 23:09:10.80 ID:D3g4hYJSO


ハンニャドラゴン「シャアアアアッッ!」ギロリッ


エルフ「げっ……」


ハンニャドラゴンの『諸刃鞭打』!


クリティカル!


エルフ「みゃふぎゃっ!」


エルフは力尽きた!


ハンニャドラゴン「シュゥゥ……!」


ハンニャドラゴンは反動でダメージを負った!



戦士「ぐっ……エルフ!」ぐぐっ……


戦士の麻痺が治った!
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/09(水) 23:11:16.56 ID:D3g4hYJSO


エルフ<<チーン……


商人「エルフさぁん……!」ずるずる…


商人はエルフを安全地帯まで運んだ!



盗賊の『加速蹴り』!


盗賊は更に加速する!



赤魔「これで倒れろ……!」


赤魔の『流水剣』!


ハンニャドラゴン<<ズルズル……


赤魔「……まだか!」



戦士「でやぁっ!」


戦士の攻撃!



ハンニャドラゴン<<グラァ……バタタ……ッ!



ハンニャドラゴンを倒した!
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/09(水) 23:12:56.14 ID:D3g4hYJSO


赤魔「よしっ!」


盗賊「ふう……」



戦士「エルフは大丈夫か!」


商人「は、はい。今、気付薬を飲ませます」クイッ


エルフ<<グビッ


エルフ「へびゃぁっ!?」バッ


エルフは復活した!


エルフ「まっず!? まっずーッ!?」


戦士「良薬は口に苦いからな」


エルフ「やかましいわ! ちゃんと私を庇えよ! なに麻痺ってんだ!」ゲシッ


戦士「すまんな……」
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/09(水) 23:15:58.67 ID:D3g4hYJSO


盗賊「……」


赤魔「おい盗賊! どうして勝手に船を降りたんだよ!」


盗賊「あの黒石が置かれてないか気になったのよ」


商人「黒石……昨日見せたあの欠片ですか?」


盗賊「そうだ。あれに心当たりがあってね。ずっと追いかけているヤツと繋がってるはず」


赤魔「それって……そうだったらお前だけの問題じゃない!俺たちの問題だ! 俺たちは親友だろうが!」


盗賊「…………」


エルフ「取り敢えずもう少し詳しく説明してもらえる? 私たちも探索ついでに黒石探すのを手伝うからさ」


戦士「ああ……」ぼろぼろっ


盗賊「あ、ああ。……大丈夫か?」


戦士「ああ。丈夫な体だけが取り柄だからな」


盗賊「……そう」



203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/09(水) 23:20:08.85 ID:D3g4hYJSO

・・・

盗賊「転移石。それが例の黒石の名前だ」


商人「転移というと……別の場所に移動することができると? 未知の魔物たちは石が生み出してるわけでなく、別の場所から移ってきたと?」


盗賊「まあ、大体そう考えていい。ただし重要なポイントが二つある」


戦士「何だ?」


盗賊「一つは原則として転移が機能する場所がごく限られていること」


エルフ「ダンジョンでしか使えないの?」


盗賊「それは十分条件だ。ダンジョンが出現しうる場所でしか反応しないんだ」


赤魔「とびきりエネルギーが溜まりやすい場だな」


盗賊「そういうこと」


エルフ「そういえばダンジョンってそうだよね。魔法が使いやすい」


戦士「そうだったのか」←魔法の才能皆無
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/09(水) 23:21:35.78 ID:D3g4hYJSO


商人「それが何故かも気になりますけど、もう一つは何ですか?」


盗賊「もう一つは転移石による転移の対象は異世界の物質に限るということだ」


エルフ「うお、ブチこんできたね」


戦士「異世界……?」


盗賊「この世のものじゃないアイテムやら魔物やらがどんどんと湧いてくるのもダンジョン自体が異世界から移動した異物で、未だに異世界との接点となってるからだ。むしろ異世界が存在しない方がよほど不自然だろう」


商人「異世界はないのが不自然ってすごい言葉ですね。でも、まあ確かにそうかも」


エルフ「そんで? そのナントカ石が何だっていうの?」


盗賊「転移石は人工物なんだ。そして転移石を作ったのが、私の探してる人間だ」


商人「ああ、それでもし石があればその探してる人の手がかりが見つかるという話になるわけですね。痕跡が残ってたらだとか」


盗賊「察しがよくて助かるわ」
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/09(水) 23:23:48.77 ID:D3g4hYJSO


戦士「なんでその人を探してるんだ? 大切な人なのか?」


盗賊「……まあ、そうね」


赤魔「……」


エルフ「あれでしょ? 探してるのは元カレで未練タラタラで元サヤ狙いか復讐なんでしょ?」


商人「ソープオペラですね!」


赤魔「きゅ、急に下ネタ言うなよ!」


エルフ「いや、下ネタじゃないから。戦士がよく行く“たまたま”女性と出会ってイイコトしてもらうお風呂屋さんとは無関係だから」


戦士「行ったことねえよ!」


エルフ「え、まだ童貞なの?」


戦士「なぜそうなる……いや、ノーコメント」


商人「(戦士さん……)」
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/09(水) 23:28:02.14 ID:D3g4hYJSO



赤魔「……ど、童貞とかそういうのは声を大きくして言うことじゃないだろ」カァァ…


エルフ「カマトトぶってるねぇ……それで探してる人とはどう言う関係?」


盗賊「今の話の流れで言うのはちょっと憚られるわ」ハァ…


エルフ「あーあ、戦士のせいだよ」


商人「戦士さん……」


戦士「なんでだよ!? 俺は悪くないだろ!」


赤魔「そ、そんなことより先に進もうぜ!」カァ…


エルフ「ぷぷっ、これくらいで顔を赤くしてるとかウブだね」


盗賊「赤魔は相変わらず天使ね(さっさと進むぞ)」キリッ


商人「(これは本音と建て前が逆なあれですかね……)」」


戦士「生存率25%の危険なダンジョンだというに、どうしてこんな暢気な会話をしてるんだか……」
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/09(水) 23:31:46.80 ID:D3g4hYJSO

to be continued...



○戦士メモ

・ハンニャドラゴン:まさか麻痺させられるとは俺も情けない。簡単に崩されないように気を付けねばいけない。

・ハンニャレプタイルの群れ:四人で戦えば大したことないが、俺とエルフだけだったら手こずっただろう。

・転移石:異世界から物質を転移させる人口石らしい。使用可能場所はダンジョンのようにエネルギーに溢れている場所に限るそうだ。報告にない魔物がダンジョンに多くいるため、設置されている可能性がある。



○エルフメモ:


・気付薬:苦いのか甘いのか辛いのかはっきりしないがマズいことだけは確かだね。あれだけマズければ嫌でも目を覚ますよ。

・異世界:いきなり異世界とか言われても正直困るよ。なんでも有りじゃん……そもそもダンジョンがそうか。

・泡のお風呂屋さん:ギャンブルの借金が返せなきゃここに沈められるところだった。怖い怖い。

・童貞:戦士のことだね!
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/10(木) 00:14:18.96 ID:UkxXihqQ0
赤魔や盗賊にも鑑定士がいるな
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/10(木) 01:08:00.39 ID:5tZUrcxA0
確かにこんな戦士とはパーティー組みたくないな
一年保った奴は凄いな
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/10(木) 01:36:47.91 ID:4JhOmI4Oo

更新おわりのメモ好きやで
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/10(木) 05:49:32.68 ID:hDlD++Ddo
戦士はそういう雰囲気になっても手を出せなさそうだよな
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/08/10(木) 16:46:43.30 ID:Uzq9hS860
上条や士郎と同じタイプだな
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/11(金) 00:52:55.01 ID:mkTpdPNaO

・・・

商人は『瞬足シューズ』を手に入れた!

商人は『鯨油の無限壺』を手に入れた!

商人は『限定ICカード』を手に入れた!



商人「わぁ……珍しいアイテムがいっぱいですね!」むふーっ


戦士「(キワモノばっかりな気がするが……)」


エルフ「500G草や800Gの果実はないかな」



赤魔「アイテム見つけるの早いなー、俺たちよりはるかに目敏いな」


盗賊「私たちだけだと警戒に気を割くから仕方ないわよ」



商人「あそこにもアイテムです!」


戦士「うお、本当だ」


エルフ「よくあんなの気付くね」



盗賊「……やっぱり単純に見つけるのが上手いわね」

214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/11(金) 00:55:44.85 ID:mkTpdPNaO



盗賊「ストップ。その大岩は変だ」


戦士「ん?」


エルフ「そう?」


盗賊「形状と色味が他と違う。『爆弾岩』だな」


商人「爆弾岩というと……近くに火気があると引火して辺り一帯を火の海にするトラップですね」


赤魔「こわっ……」


エルフ「もし岩陰で野営したら、大惨事だね。黒チビ、火炎使わないでよ」


赤魔「その呼び方やめろよ!」


戦士「爆弾岩が他にも存在するかもしれないと考えると恐ろしいな。さっさと岩山地帯から抜けてしまいたい」


商人「販売されている地図だと岩山地帯を抜けた辺りで途切れてますね」


エルフ「奥に謎のオブジェがあって、それを囲ってる巨大なボスがいるんでしょ」


盗賊「このルート上に報告にない魔物が多く出てくるということは転移石があるとしたらそこだろう」


エルフ「お約束みたいに奥地にあるねぇ」


赤魔「やっこさんはそれだけ転移石を壊されたくないんだろ」
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/11(金) 00:57:24.65 ID:mkTpdPNaO


エルフ「……!」サッ


戦士「敵か……!」チラッ



ヒトクイムシ<<バリッバリツ…


<<ぎゃぁぁぁ……っっ



商人「ひゃぁぁ……っ」ガクガク…


エルフ「冒険者? 数日間迷っていたのかな? あれはもう助から……」



戦士はヒトクイムシへと駆け出した!



エルフ「あ、あのバ……ッ!」パクパク…


盗賊「彼は随分と危なっかしい行動を取るな。ダンジョン冒険者には向いてないだろ」


赤魔「でも助けるのには賛成だぜ!」



エルフ「…………」


商人「(ま、魔物よりも、こ、こわ……っ)」
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/11(金) 00:59:11.85 ID:mkTpdPNaO

・・・

ヒトクイムシを倒した!



戦士「大丈夫か!」


返事がない
ただの屍のようだ


盗賊「……間に合わなかったか」


エルフ「ふう……戦士くん、ちょっとお話をしましょうか」


商人「……」ガクガク…


戦士「あー……急に飛び出して悪かった」


エルフ「謝ればそれで済むと思ってるのかな?」


戦士「……すまん」


エルフ「…………ふう。君さ、自己犠牲で自尊心を満たしたいとでも考えてる?」


戦士「そんなつもりは……いや、それでいい」


エルフ「あ? ふざけんな。ちゃんと答えろ」


赤魔「(ガチギレかよ……怖っ)」

217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/11(金) 01:00:57.09 ID:mkTpdPNaO


戦士「……助けられる命は救いたい。困っているやつを助けたい。俺はそうした信念をもって生きていて、それを達成しようと努めている」


エルフ「そうした生き方をするために君は私たちを危険な目に遭わせたり、私たちを不当に傷付けるんだね?」


戦士「そんなつもりは……すまんな」


エルフ「だから謝ってほしいわけじゃねえんだよ。分かんねえのか。そうした欺瞞に満ちた利他心で行動すんのをやめろって言ってんだ。脳みそガバガバかよ」


戦士「…………」


エルフ「どうして同じ認知能力を持ってる私たちが、ここまで噛み合わないかな? 私が悪いの?」


戦士「そんなことはない。……俺たちはもう組まない方がいいかもな」


エルフ「なんでそうなるんだよ!」


商人「あ、あの……少し良いですか!?」


盗賊「(あの空気に割り込むとはやるわね)」


商人「えっと……えーっと……ちょっとだけ僕の話をさせてください」


エルフ「…………」
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/11(金) 01:03:11.39 ID:mkTpdPNaO


商人「この前、アイテムの交易のお手伝いとして港に行ったんです」


商人「そこで僧侶さんの集団に出くわしたんです。彼ら彼女らはバケツを持っていました」


商人「バケツの中には水と生きた魚が数匹入っていました」


商人「彼らはお祈りをした後に魚を海に返しました。お店の先輩によると毎週お馴染みの光景だそうです」


商人「僕は気になったから彼らに何をしてるか聞きました」


商人「『神の御許において収奪されんとした生命を救っている』と彼らは言いました」


商人「その魚は市場で10Gで買われた魚でした。彼らは10G分の死ぬ定めにあった魚たちを海に逃がしてあげていたんです」



赤魔「……えーと? どういうことだ?」

219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/11(金) 01:06:46.56 ID:mkTpdPNaO


商人「善意って美しいと思います。彼らはその信念に従って魚を助けていました。彼らの善意は本物だったと僕は思います」


商人「戦士さんがいかに捉えていようと、戦士さんの誰かを助けようとすふ行動は美しい善意に違いないも思います」


商人「同時に思うのです。彼らは毎週20Gを支払って数匹の魚を逃している」


商人「もしもその2倍のお金を漁師に払って今日は魚を捕らないでくれと頼んだら、きっと購入した以上の魚を助けられたでしょう」


商人「善意は美しいです。けれど、美しいだけじゃダメなんですよ」


商人「いっぱい考えて上手いやり方を探さなきゃダメなんです。それをしないなら……やっぱりそれは怠惰な心が生み出した自己満足になっちゃうんです」


商人「……戦士さんはそういう人じゃないと思うんです」


戦士「……つまり今の俺の行動は思考が停止した安直で非効率な自己満足に過ぎないと?」


商人「この際、自己満足とかどうでもいいんです。非効率なのがダメなんです」


盗賊「へえ……言い切るわね」
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/11(金) 01:08:18.37 ID:mkTpdPNaO


商人「せ、戦士さんの身体は一つなんです。その身体で守れるものはきっと戦士さんが思ってるよりもずっと少ないんです」


商人「それなら戦士さんは実行可能な上手いやり方を見つけなきゃいけないんです」


商人「エルフさんはそれを怠ってる戦士さんを怒ってるんですよ。出来ないことをやろうとして非効率になってるのが許せないんです」


エルフ「ん、んー……? そうなのかな……? そうかも?」


戦士「頭の悪い俺には難しいが、何となく言いたいことは分かった……のか?」


盗賊「理想は持っても良いが、もっと地に足をつけて現実的に考えて行動しろってことだろう」


商人「そ、そうです」


戦士「……なるほどな。確かにそういう考えは俺にはなかったかもしれない……そうか……」


商人「戦士さんは、話し合えば人は分かり合えると思ってるんですよね?」


盗賊「……」


戦士「ああ」


商人「僕たちももっと分かり合う必要があると思います。帰ったらチームエルフの原則を議論して作りましょう。きっと僕たちには必要なことだと思います」


戦士「そうだな……」
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/11(金) 01:09:53.40 ID:mkTpdPNaO


エルフ「暫定ルールは『チームのメンバーの命を優先する』ね。分かった?」


戦士「ああ。……エルフ、悪かった。すまん」


エルフ「……まあ、私だって戦士のそういうところ嫌いじゃないけどさ。パーティーを危険に晒して欲しくないよ。生命あってなんぼなんだからさ」


戦士「……そうだな」


赤魔「俺は戦士のそういう人情に厚いところ好きだから、無茶しすぎなきゃこれからもそのままでいて欲しいけどな」にっ


戦士「ありがとな……」


商人「(丸く収まって良かったです)」ほっ



エルフ「あと、帰ったらここにいる全員にグランドホテルレストランのフルコース奢ってね」


戦士「無茶を言うな! 破産するわ!」


赤魔「ほんとか!?」キラキラッ


戦士「無理だからな!?」


エルフ「無い袖を振ろうとしてる戦士さんに不可能はないよ!」


戦士「いや、ほんと悪かったって……」


to be contonued...
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/11(金) 01:11:31.67 ID:mkTpdPNaO
○戦士メモ

・爆弾岩:ダンジョンで大爆発の音と振動に出くわしたら爆弾岩が爆発した可能性がある。威力は凄まじく、半径100メートルにいる生物は致命傷を負うため探索の際には用心しなければいけない。

・ヒトクイムシ:イモムシのうよな大型の魔物だ。人さえも捕食する危険な魔物であるため、注意する必要がある。



○エルフメモ

・謎のオブジェ:ダンジョンの奥にあるらしいよ。ご都合主義だなあと思わないでもないけど、奥まで行って何もないというのも虚しいから良しとしようじゃん?

・善意:商人のエピソードは基本的にパクリだそうだ(戦士にはナイショ)。まあ、商人にしては叙情的だったしそんな気はしてたよ。


○商人の鑑定

・瞬足シューズ:売値15G。ゴテゴテした意匠のスポーツシューズ。小学生男子垂涎の逸品です。コーナーで差をつけろ!

・鯨油の無限壺:売値50G。手のひらサイズの小瓶ですが、鯨の油がこれでもかというくらい出てきます。成分的には食用には適さないため、ランプや松明として使うのに適しています。

・限定ICカード:売値10G。限定と言われていますが、むしろ通常版の方が流通数が少なかったりします。そのデザイン性からコレクターが少なからずいます。端を削って武器として使えないこともないかも?
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/11(金) 01:12:26.33 ID:7uSaTHBso

戦士が痛い目見る前に丸く収まって良かったわ
これから痛い目みないとは限らんが
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/11(金) 01:27:01.80 ID:plXhoa4A0
今回助けに行ったときに爆弾岩作動させて残ったメンバー傷付いていたら戦士も理解できたかもな
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/11(金) 01:40:49.74 ID:6W+Iqlso0
丸く収まってよかった(´・ω・`)
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/11(金) 06:06:47.56 ID:9RY12aRgo
戦士は話し合いのあとも内心あんまり納得行かなくてエルフの片腕吹き飛ぶくらいしないと考え方変わんないと思う
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/12(土) 22:45:17.28 ID:WboWBQuVO


・・・

盗賊「ところでさっきの冒険者がこんなアイテムを持っていた。懐の奥に隠していたから汚いが、レアアイテムだったりしないか?」


戦士「遺体から追い剥ぎするなよ……」


盗賊「そう言われると思ったから、ここまで黙っていた」


商人「これは『真実の鏡』です。幻などを見破り、また防ぐことができます。値段が付けられないほど貴重なアイテムです。大事にしてください」


エルフ「(むむ……解析マシンと一緒の扱いか。あっちに取られたの痛いな。商人も馬鹿正直に答えなくていいのに)」


盗賊「真実の鏡……大層な名前ね」


赤魔「かっけー!」


戦士「何処かで必要になるかもな」


エルフ「はいはいフラグフラグ……」
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/12(土) 22:47:02.78 ID:WboWBQuVO

・・・
【異形の島・フロンティアライン】


商人「ここが異形の島の地図最奥です。ここから先は冒険者がまだ入っていないということになっています」


赤魔「なんでこれより奥に行かねえんだろうとは思ってたけど納得だぜ」


<<ドロドロ……


盗賊「ここを越えていくにはあの銀色のヘドロを倒さないと無理ね。見事に道を塞いでやがる」


戦士「回避しようにも左右は急崖だからな、どうしても無防備なところを狙われる」


エルフ「逆に言えば、こいつを倒せば奥にある未知のお高いアイテムに出会えると……」


戦士「あれに勝てる算段がつかないが……」


盗賊「……! オブジェの上に転移石があるわね」


赤魔「どれどれ……うへ、あのヘドロに完全に覆われてるじゃん」


商人「あそこに到達するのは大変そうですね……」



転移石<<ズブズブ……



エルフ「ちょうど魔物が転移してきたみたいだよ。こっち来ないといいけど……」
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/12(土) 22:50:26.75 ID:WboWBQuVO

ハンニャレプタイル<<ズブズブ……ボタッ


ジュプゥゥ……


赤魔「うおっ? 魔物がヘドロに食われてぞ……」


エルフ「助けようとか考えないでよ?」


戦士「そこまで無差別でもないって」


商人「エルフさん、強さを測ってみましょう」


エルフ「やれやれ、見たいような、見たくないような」スッ


ステータス解析マシン<<カシャッ……ピピッ……ピロンッ


エルフ「どれどれ……」


・悪食粘獣
HP:9999
こうげき:1000
まほう:0
ぼうぎょ:9999
すばやさ:100



悪食粘獣<<ドロドロ……


エルフ「ううん……?」


戦士「なんだこのふざけたステータスは?」


商人「どうも正攻法じゃ無理みたいですね……」
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/12(土) 22:51:48.91 ID:WboWBQuVO

盗賊「おそらく隙はある」


赤魔「えー、ほんとかよ?」


盗賊「転移石から出てきただろう魔物が実際にダンジョンの中にいるならあのヘドロが転移石から離れる瞬間があるはずだ」


エルフ「他の場所にも黒石がある可能性は?」


盗賊「それもあり得るが……しかし新種魔物の移動方向を見るにあのヘドロから生存してる確率が大きい」


戦士「暫く観察してみるか」


商人「帰りはどうしましょう……」


エルフ「結構な数の魔物が出てきてるから割と時間はかからないかも。……まあ、日没前に小島まで戻りたいからあまり時間はないけど」


赤魔「夜に寝てるとかだったらどうしようもねえな……」


戦士「祈るしかないな」
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/12(土) 22:55:39.48 ID:WboWBQuVO

・・・

悪食粘獣<<ズズズズズズ……



戦士「オブジェの中に入って行ったぞ……」


エルフ「これは隙だらけなのかな? ちょっと怖いね」


盗賊「……私が行く。おそらく私なら不意打ちでも回避できるはずだ」


赤魔「おいおい……!」


盗賊「大丈夫だ。無茶はしない」


戦士「俺も行く」


盗賊「気持ちだけ受け取っておく。鈍足は足手まといだ」


戦士「……」しょぼん…


エルフ「へっ」


商人「き、気を付けてくださいね……」


エルフ「(というか、今ならダンジョンの奥に進めんじゃない? ……ヘドロの引きこもりが頻繁に起きるならこいつを避けるのはそこまで問題にならないはず……奥にもっとヤバいのがいるのかな)」
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/12(土) 22:56:43.29 ID:WboWBQuVO


転移石<<ブブブブ……


盗賊「……」


盗賊の『加速蹴り』!


転移石には効果がないようだ……



エルフ「やっぱり物理的な攻撃じゃ壊せないみたいだね」


商人「それで飛竜も転移石自体は放置していたんですね」


戦士「やはりこの転移石も壊しておくべきだろう」


エルフ「そう? 放置してたらアイテムの価格が更に高くなっていいんじゃない?」


赤魔「それだけこのダンジョンが更に危険になるってことだろ?」


エルフ「リスクをとる代わりに儲ける仕事なんだからそれくらい仕方ないじゃん」


戦士「……まあ、俺に壊せない上に危険な以上は無理強いはできない」


商人「戦士さんにもそういう分別があったんですねー」


戦士「お前は俺をどんな人間だと思ってるんだ……」
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/12(土) 22:58:36.12 ID:WboWBQuVO


盗賊「すまない、待たせた」


戦士「何か手がかりは?」


盗賊「……転移石に名前が刻まれていた。私が追っている奴の名前だった」


赤魔「……そうか」


エルフ「そいつはなんでダンジョンに転移石を設置してんの?」


盗賊「……分からない。ただそいつはおそらく多くのものにとって望ましくないことをするだろう」


戦士「盗賊がその人物を追っている理由は……」


盗賊「正義のためとかじゃない。復讐だよ」


エルフ「血生臭い話? 見つけ出してコロコロするぜ的なノリ?」


盗賊「……そうね」


赤魔「むう……」


234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/12(土) 23:01:33.65 ID:WboWBQuVO


悪食粘獣<<ズズズ……


戦士「おっと」


商人「わわ、また出てきちゃいましたね」



悪食粘獣<<ボコボコボコボコ……!



エルフ「ちょいちょい……どんどん膨張してるんだけど……!」


赤魔「……なあ、この辺りに草が生えてないのって、そこまでがこいつの生息域だったりしないよな?」


盗賊「……いや、岩山地帯は生物がいたから違うだろう。だがこの辺りは……」



悪食粘獣<<ーーーードッバァァッッ……!



エルフ「に、逃げろー!」



エルフたちは逃げ出した!



to be continued...

>>236コンマ2桁
ゾロ目:バトル・メイドロイド
ゾロ目以外:通常進行
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/12(土) 23:03:40.56 ID:WboWBQuVO


○戦士メモ

・悪食粘獣:巨大で不定形な銀色の魔物だ。普通の攻撃では倒せないため、何かしら工夫が必要だろう。



○エルフメモ

・ステータス:しかしこの数値ってどれだけアテになるんだろう? このステータスは今の強さを表すだけで時間と共に変わっていくと思うんだよね。あと多分特殊な能力とかが測れてないんじゃないかな。何にせよ参考程度だよね。

・復讐:そんなことしてる暇があったらお金を稼いでゼイタクしたい。



○商人の鑑定

・真実の鏡:売値は貴重なため付けられません。悪意ある幻を打ち消し、真実を人にもたらします。ところで、その鏡が定義する真実と僕たちの信じる真実が食い違ったとき、それは本当に私たちにとっての真実になり得るのでしょうか。
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/12(土) 23:50:28.93 ID:Llo3JZqqO
ほい
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/13(日) 00:51:11.65 ID:B/PStSVk0
ぞろ目の展開気になる(´・ω・`)
238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/13(日) 09:51:52.05 ID:fOFy/gLjo
そのままバトル展開だと確実に負けイベントっぽそう
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/08/13(日) 12:19:29.37 ID:liAPTBDy0
>>131
鏡が必要になりそうなダンジョン
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/13(日) 12:25:48.82 ID:Ashw4SsBO
まあ街だろ
241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/13(日) 13:28:49.89 ID:6lLjpqMA0
>>239
荒れるからsageろよ
242 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/13(日) 15:26:16.88 ID:iSsEKLf1O
ただ戦士にはまだ痛い目に見てもらわないとな余りにも甘すぎる心では思ってても行動出来ない位のトラウマ受け付けないと
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/13(日) 17:23:49.56 ID:PbKt6SB4O
>>241
sage厨が荒らしてる自覚持とうなw
244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/13(日) 17:45:25.95 ID:GQXhHK9yo
>>243
俺もだけどいちいちそういうのに反応するから荒れるんだよ
つまりお前が荒らしてるも同然
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/13(日) 19:30:48.38 ID:Yra3CovBO
無限ループかな?
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/13(日) 21:01:17.41 ID:Gf0seSxgO
面白い
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/13(日) 21:31:35.85 ID:bPSk5Nbm0
世界樹みたいで面白い
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/13(日) 22:10:08.30 ID:WqzGoYryO
・・・
【翌日・帰還船内】



戦士「今回の帰還者も俺たちを除いて僅か数名か……」


商人「そろそろ噂になってるかもですね」


エルフ「この調子だと生存率が下に変動しそうだね」



赤魔「あの銀色のヘドロさえいなけりゃ転移石を壊してやっても良かったんだけどな。そうすりゃ強い魔物も出てこねえだろうし」


盗賊「場所は分かってるんだ。何とでもなるだろう」


エルフ「このダンジョンは暫くいいや。他の冒険者に襲われたり散々だったしぃ」


戦士「……あいつらは結局ダメだったようだな」


商人「自業自得ですよ」


戦士「……あいつらも生きる為に仕方なくやってたのかもしれない」


エルフ「知らん知らん。そんなこと言い始めたらキリがないし後味が悪い」


戦士「そうか……そうだな」
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/13(日) 22:14:08.53 ID:WqzGoYryO

赤魔「そういや、エルフ。勝負は俺の勝ちだな!」


エルフ「何の話かな」


赤魔「ダンジョンに来る前に勝負しようって話しただろうが! より高いアイテムを手に入れた方が負けた方の言いなりになるって約束でよ!」


エルフ「ああ、そういえば……どうして君たちの勝ちになるのかな?」


赤魔「こっちには『真実の鏡』がある! 値段がつけられないほど貴重なアイテムなんだから俺たちの勝ちだ!」


エルフ「おいおい、値段がついてないってことは0Gに等しいだろ?」


赤魔「はあ!? むしろ∞Gだろ!」


エルフ「私たちは実数値の中で争ってるつもりなのにプライスレスだから価値とか言われてもねぇ……」


赤魔「んな……」


エルフ「というわけで、やっぱり私たちの勝ちでしょ?」


赤魔「いや待てよ! 俺たちのは貴重アイテムなんだぞ!?値段もつけられないほど貴重なんだ! やっぱり私たちの勝ちだ!」


エルフ「駄々をこねないの」


赤魔「なんで私が間違ってるみたいに言うんだよ! そもそも実数値だけなんて条件付いてなかったろ!」


エルフ「いや、そこは暗黙裡にさぁ……」
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/13(日) 22:16:25.30 ID:WqzGoYryO


戦士「引き分けでいいだろ、もう。実際に価値はあっちの方が上のようだしな」


エルフ「むむむ……」


盗賊「死体から取ったものだからあまり威張れたもんじゃないだろ」


赤魔「うぐぐ……」


商人「仲良くグランドホテルのレストランで食事しましょう! 戦士さんの奢りで!」


戦士「それ本気だったのかよ!?」


エルフ「ごちそーさまでーす♪」


戦士「無理だっての!」


赤魔「あそこのパイ包みは貴族もうなるって聞いたぜ!」キラキラッ


戦士「いや、あの……」


盗賊「肉料理が楽しみね」


戦士「…………」



紹介状なしでは入店できませんでした
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/13(日) 22:18:52.47 ID:WqzGoYryO

・・・
【大衆食堂】


エルフ「まさかお金があっても紹介状なしでは入れないとは……お高くとまりやがってぇ……」


戦士「俺は助かった……」


エルフ「ちっ、戦士がもっとコネを持ってたらなぁ……はぁー、エルフちゃん不幸で可愛そう」チュー…


戦士「さいですか」グビッ


エルフ「おらっ!」ズゴッ


戦士「頭突きはやめろ! 飲み物が溢れるだろ!」


盗賊「こいつらはいつもこうイチャついてるのか?」


商人「一緒に暮らしてるくらいですからね」


赤魔「んなっ! そ、そういうのってどうなんだよ……!」カァッ


盗賊「何赤くなってるのよ。可愛いわね」


エルフ「好き勝手言ってるけどイチャついてないからね! ふざけんな!」


戦士「俺のセリフだ……」


エルフ<<ズゴッ


戦士「無言の頭突きはやめろっての!」
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/13(日) 22:22:43.59 ID:WqzGoYryO


エルフ「はーい! 戦士くんの説教会を始めまーす!」


戦士「もう説教はさんざんされたような……」


エルフ「まだまだ反省が足りないからダメですぅ!」


戦士「お前、もしかして酔ってないか?」


エルフ「はあっ? 酔ってないなんかないれすぅ!」



盗賊<<グビッ


盗賊「……しまったわね。これがエルフのジュースで私のサワーがそっちか」


赤魔「色が同じだから間違えたんだな」



エルフ「戦士のあほやろー!」ヒック


戦士「またメンドくさいやつが酔ったな……」


商人「お酒弱いんですね」


エルフ「戦士はもっと可愛いエルフちゃんを特別扱いしろこらー! 他のやつ守ってる暇があったら私を守れこらー! もっと私に構えこらー!」ヒック…


戦士「はいはい」


エルフ「なんだその生返事はー!」ズゴッ


戦士「なんでそんなに頭突きが好きなんだよ!」



ぎゃーぎゃー……!
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/13(日) 22:25:27.38 ID:Ashw4SsBO
砂糖吐きそう
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