エルフ「ダンジョン荒らして金稼ぎ!」戦士「不安しかないが……」

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501 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 22:33:12.48 ID:0RyjLfBAO

・・・

エルフ「まあ、何はともあれ無事に合流できたわけだけど、1000G人形を取るくらいしたわけだよね? まさか失態を晒して手持ち無沙汰とかないのねえ?」


赤魔「こっちだって大変だったんだからな!」


エルフ「やかましい! 私たちの方が大変だったよ! どんだけ走ったと思ってるの!」


商人「そうですね……」


盗賊「(赤魔が無事ならそれでいい)」


銃士「まあまあ、全くの手ぶらってわけやないんや。ところで、手ぶらって何か卑猥やな?」


赤魔「?」


盗賊「……」ゴゴゴ…


銃士「なんでもないのね」


戦士「ところで商人、あの少女がこれを落としていったんだが」すっ


商人「これは『カースドレイン』ですね。一度だけ時計塔の封印を解けます。売値はつきません」
502 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/27(日) 22:38:03.26 ID:0RyjLfBAO


銃士「お、これがあれば時計塔の中に進めるんやな」


戦士「もう即死して盗賊に蘇生魔法(物理)やられることもないな」


銃士「思い出させんといて。とにかく即死の心配はないわけや」


盗賊「赤魔の前で不用意なことを言ってると私の即死魔法(物理)がとぶかもな」


銃士「おぅふ」


赤魔「銃士は嫌なところもあるけど良いところもあるからやらないであげてな?」くいくいっ


銃士「天使がおるぅ……」


盗賊「赤魔は本当に天使よ(……仕方ないな)」


エルフ「盗賊も大概アレだよねー」



商人「あの、そろそろ気を引き締めて進みません?」


戦士「まったく……魔物が蠢くダンジョンってことを忘れそうだ」



to be continued...
503 :1週間以上お休みするよ [saga]:2017/08/27(日) 22:46:29.99 ID:0RyjLfBAO


○戦士メモ

・合流:騒ぎを聞きつけて合流できたが、何とも緩い雰囲気だった。魔物がいつ急襲してくるか分からないのに呑気なものだ。盗賊はふざけたようにしていても警戒しているだろうが、俺も気を張っておこう。

・美形プレミアム:『美醜が全て』という言葉には全く説得力がないが、『美醜は関係ない』という言葉もまた同様だ。俺たちが生物である以上は美人を好ましく感じるのは仕方ないことだろうが、それを認識した上で出来る限り公平性を失なわず接するように配慮したいものだ。



○エルフメモ

・メンヘラ:エルフちゃんはメンヘラじゃない。むしろ可愛いエルフちゃんならメンヘラなくらいでちょうどいいすらあると思うんだ。

・退魔師:戦士が『魔物の洞穴』で拾ってきた『ファンタジーRPG:キル・ゴッデス』を赤魔とかとやってて、私は退魔師をプレイヤーとして使ってるよ。魔法職のくせに肉弾戦が得意なあたり私と似てるかも。



○商人の鑑定

・RPG改造キット・R16ver.:売値は4G。ダンジョンで拾える既存のRPG(別アイテム)を主に成人向けに拡張できます。実は改造といいつつも本体の隠された領域に既に内蔵されていてそれを表示できるようにしてるだけだったりします。

・簡易医療缶:売値は30G。簡易といえど、異世界の医薬品は現代の技術では高価なものを当然のように入ってたりします。国立研究機関等が買い取ることが多いようです。

・グレートハチマキ:売値は2G。これを額に巻くと気分が高揚するようです。『いざビッグサイトーー最高の夏』という異世界文字が刻まれているそうですが、解釈に困っているようです。
504 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/08/27(日) 22:46:59.55 ID:qO1Hz+ZG0
休んじゃうのかー
505 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/28(月) 03:20:08.36 ID:4o5YU9wg0
商人の鑑定眼すごい便利だな
506 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/28(月) 06:05:53.71 ID:9oiUrMz3o
ファンタジーRPG:キル・ゴッデスにRPG改造キット・R16ver.使って戦士とエルフと赤魔が気まずくなる展開はよ
507 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/28(月) 21:14:43.67 ID:JtYv4VFcO
商人がキモいなあいつ今こんなこと考えてるんだろうなぁとか想像力してるのか……
508 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/28(月) 22:43:47.32 ID:xa9FBRaio
>>507
お前が一番きもいから大丈夫だよ
509 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/28(月) 23:19:28.87 ID:ubQxWXMBO
(夏休みが終わるまで後少し耐えるんだ)
510 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/30(水) 02:09:41.81 ID:X8wfhteO0
追いついた
とある所でオススメされて飛んで来て一気に読破したわ、すっげぇ面白い
511 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/01(金) 22:50:03.03 ID:jI0sPvpo0
・・・

銃士は『TS薬』を手に入れた!


銃士「こ、これは……!」


商人「何か見つけました?」ひょこっ


銃士「お、おう……しー」


商人「……それは『TS薬』ですね。服用すると24時間ほど性別が逆転します。売値は50Gです」


銃士「やっぱし『TS薬』やったか……しかし高い価格で売れるっちゅうことは需要があるんやなぁ」


商人「まあ、銃士さんが隠し持とうとしたくらいですしね」


銃士「ま、まさか、わはは」


商人「そうですか? まあ、いつも通り僕が預かりますよ」


銃士「……いくら欲しい?」


商人「50Gですね」


銃士「高いわぁ……売値やん」


商人「パーティが得るはずの金額です。買値よりは安いでしょう?」


銃士「……仕方あらへんな」


銃士は50Gを商人に払った!
512 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/01(金) 22:51:50.47 ID:jI0sPvpo0


商人「確かに受け取りました。悪用はやめてくださいね」


銃士「犯罪はせえへんよ。秘密にしといてな」


商人「顧客のプライバシーに関しては守秘義務がありますから」


銃士「さっすが」


エルフ「なにやってんのー?」ひょこっ


赤魔「面白いものであったかー?」ひょこっ


商人「じゅ、銃士さんの猥談に付き合わされていただけですよ」


銃士「うおいっ!?」


エルフ「こんなとこまで来て銃士きもちわる……」


赤魔「わいだん?」


エルフ「エロ話してたんだって」


赤魔「エっ……お、俺は盗賊のトラップ解除を見てくる!」ぴゅー
513 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/01(金) 22:53:42.71 ID:jI0sPvpo0


エルフ「逃げたねぇ」


商人「赤魔さんはそういうの耐性なさそうですもんね」


エルフ「むっつりスケベだよね。やれやれ、これだから子どもは」


銃士「エルフはんも耳年増なだけのくせにー」


エルフ「は、はぁ!? 違うしー! 超違うしー! だ、だいたい変態キモ童貞にとやかく言われたくないしー!」


銃士「じゃあビッチなん?」


エルフ「んなわけあるか! キモいからもう口を開くな! 息を吸うな! 心臓を動かすなぁ!」


銃士「わはは、必死か」


エルフ「〜〜!」


商人「銃士さん、セクハラ発言はよろしくないですよ」


エルフ「はっ、モテないわけだよ! 話してて不快だもん!」


銃士「そ、そこまでか……堪忍な」
514 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/01(金) 22:55:33.83 ID:jI0sPvpo0

戦士「お前ら、何度でも言うが、ここはダンジョンだからな?」


銃士「ダンジョンだからって全員が常に気を張っとる必要もないやろ。柔軟性に欠けるパーティは脆いで」


エルフ「それっぽいこと言ってるー」


戦士「相変わらず口達者なやつだな」


盗賊「それで本音は?」


銃士「めんどいことは他人に任せたい」キリッ


盗賊「死ね」


銃士「わずかに不快そうな表情と声音から繰り出される、シンプルかつ洗練された罵倒……うーん、マンダム」


エルフ「ソムリエかな?」


盗賊「……」


商人「(無表情こわっ!)」
515 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/01(金) 22:56:43.33 ID:jI0sPvpo0


赤魔「なーなー、銃士ってたまに変だよな?」


戦士「あいつはだいたい変だぞ」


エルフ「街中で見かけても目を合わせちゃいけないタイプの人だよ」


商人「無益な危険に近寄らない、それも賢く生きていくのに必要なスキルです」


銃士「ちょいちょい、危ない人扱いせんどいて。んまっ、時代を先取りし過ぎて時代が俺に付いてこれへんのかもな」


盗賊「自意識過剰のバカか死ね。まずは自分をもっと客観的に見ろバカか死ね」


銃士<<ゾククッ


エルフ・商人「(うわぁ、あの表情は喜んでる……)」


盗賊「救いようがないな」ゴリリッ


戦士「まあ、落ち着こうか」
516 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/01(金) 22:58:39.24 ID:jI0sPvpo0


商人「アイテムトラップの解除はどうです? 進捗ありました?」


盗賊「解除に成功したから呼びに来たんだ」


エルフ「レアいレアい? お金になりそう?」


盗賊「……これよ」スッ


商人「……これは『秘蔵のポルノ本』ですね。売値は1.5Gです」


盗賊「やっぱりレアアイテムでも何でもなかったか……」


戦士「どうしてあれだけ厳重なトラップの中にこれがあるんだか」


エルフ「ある意味では納得だけど時間を返して欲しいよ」


銃士「俺としては本の中身がめっちゃ気になるわ」わくわく


赤魔「無駄に良い目をしてる……」


盗賊「はっ」バリィッ


銃士「んああ!?」


エルフ「本を横に引き裂くとかどんな握力だよぉ……」
517 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/01(金) 23:00:20.14 ID:jI0sPvpo0

銃士「いいや、まだ読める! 封された本の僅かな隙間を除いて妄想で補っていた頃に比べればこの程度……!」


盗賊「焚書だ。有害図書は燃やすに限る」


銃士「ちょっ、表現の自由を守れ! 本の遺棄は文明の衰頽を招く!」


盗賊「赤魔、やれ。華氏451度だ」


赤魔「か、火炎魔法!」メラッ


パチパチッ…


銃士「あ、ああ、ご無体な……お前はPTAか!」


エルフ「必死かよー、えろー」


銃士「男はみんなエロなんや! なあ、戦士!?」


戦士「沈黙は金」ふいっ


銃士「裏切り者めッッ! なあ、商人くん!?」


商人「僕は分別があります」ふいっ


銃士「なんでちょっとカタコトなん!?」
518 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/01(金) 23:04:41.60 ID:jI0sPvpo0

盗賊「ふん」


銃士「戦士と商人くんが裏切ろうと俺が世の男どもを代表して言っちゃる! 男はなぁ! いくつになろうとポルノの前では純情な少年なんや! いくつになろうと捨てられたゴミ捨て場や河川敷でポルノを探した青春の日々を忘れられへんのや!」


盗賊「何の話だ」


エルフ・赤魔「えろー」


盗賊「救えないやつだな。生まれ直して来たらどう?」


銃士「俺が罵倒されると喜ぶと知っときながらそれでも罵倒する。それはもうセックスなのでは?」


盗賊「即死魔法(物理)」ズドッ


銃士「うぼぁ」


銃士は力尽きた!



エルフ「童貞を拗らせるとこうなるのか……」


戦士「(銃士は目を合わせただけでも同じことを言いそうだ)」


商人「(女性にイかされて、銃士さん的には本望かもしれませんねー)」
519 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/01(金) 23:08:55.23 ID:jI0sPvpo0
・・・
【幻惑の街・時計塔前】



商人は『カースドレイン』を使った!


即死トラップが解除された!


赤魔「これで時計塔の中に入れるぜ!」


エルフ「ここに1000Gドールがあるといいね。あとパチスロの杖」


盗賊「エルフは金の亡者よね」


エルフ「マニーイズパワーだよ」


銃士「はぁ、いてて……戦士もう下ろせ」


戦士「まだ無理しない方がいいんじゃないか」


銃士「男におんぶされるとか何の罰ゲームっちゅう話や」


戦士「そうかよ」すっ


エルフ「運んであげたのにそんな口の利き方されたら、私なら足掴んだまま回転させて頭から落とすけどねぇ」


銃士「戦士やからな」


戦士「そうかよ……」
520 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/01(金) 23:10:51.31 ID:jI0sPvpo0

・・・

盗賊「魔物はいないようだ」


エルフ「さくさく快適だね」


赤魔「どんどん進もうか!ふんふーん♪」


戦士「油断し過ぎだぞ」


赤魔「盗賊がいるから大丈夫だ! なんてたって俺の盗賊だからな!」


盗賊「アンタのものになった覚えはないわよ」


商人「……『セフィロトの杖』です!」


赤魔「おお!」


エルフ「なんだ、さくっと見つかったね」


銃士「えぇ……『解放の宝玉』に比べてこのチョロさは何なん?」


エルフ「ふっ、美少女エルフちゃんの前にはアイテムが進んで出てくるのさ」


戦士「商人がアイテム発見の天才だからな」


盗賊「道中のアイテムもあらかた商人が見つけるものね」
521 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/01(金) 23:12:17.56 ID:jI0sPvpo0


エルフ「〜〜」


赤魔「……」ぷっ


エルフ「……!」バッ


赤魔「!?」ガシッ


ジタバタ…ゴロゴロ……


ゴチッ、ゴチッ


エルフ・赤魔「……」ぐすっ


銃士「さっ、取ってまうか」


商人「はい」


戦士「(今のエルフたちは流すのか)」
522 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/01(金) 23:14:13.53 ID:jI0sPvpo0

商人「うーん……歯車に引っかかってますね」


盗賊「よく折れないな」


銃士「時計が止まっとるみたいやけど、これを引き抜けば動くんちゃうん?」


戦士「流石にそんなに単純な機構じゃないだろ。というか、これ抜けるのか?」



「……抜いてはダメよ」



幻惑の少女が出現!



エルフ「また出たね! 現れたり消えたり君は何がしたいのかな!?」


「みんなと友だちになりたいのよ。あなたたちとも」


エルフ「はあ!? なんで!?」


「むしろ何で友だちになりたいと思わないの? 私の気持ちが分からないの?」


エルフ「はああ!? 分かんねえから聞いてんだろ! なぞなぞマンかよぉ!?」


戦士「落ち着け」
523 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/01(金) 23:18:27.02 ID:jI0sPvpo0

「とにかく時を動かしてはいけないわよ。この街は……ダンジョンが地獄と化してしまうから」


銃士「誰にとっての地獄なんやろねぇ。ところで、お嬢ちゃんはダンジョンのボスなん?」


「私は選ばれたの、このダンジョンを統べる者として」


戦士「選ばれた? 誰に?」


「人外の理よ。そうとしか言えないわ」


エルフ「はあーん? 毒電波受信しちゃった系女子なの?」


商人「(選ばれたという言い方からすると、元はただの人間だったんですかね。ダンジョンによって異質な存在に変容した? それにしてはあまり気にしていないようですが、開き直りでしょうか? それとも人間だった頃にいい思い出がない? やたらと友だちが欲するあたり孤独だったのかもしれません)」


「本当は時計塔に貴方たちを入れたくなかった……けれどこれも理なの。そういう呪縛のもとにダンジョンは成り立つの」


盗賊「(……制約条件か? そうするとダンジョンは魔法によって築かれたのか? サモナー? それとも別の誰か?)」


「質問に答えたのだから抜こうとしないで。人間に抜けるわけはないけれど」


盗賊「制止しているのに悪いが必要なんでな」がっ……


すぽんっ


「えっ」

524 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/01(金) 23:21:55.66 ID:jI0sPvpo0


『セフィロトの杖』を手に入れた!


盗賊「まあ、こんなものだ」


赤魔「俺の盗賊を舐めるなよ!」どやっ


エルフ「はぁ……こういう時こそ図体の無駄に大きい戦士が活躍するところじゃないの? 毎回黒チビに無駄にドヤ顔されてムカつくぅ」


戦士「そんなこと言われてもな」



歯車<<ガガガ……



銃士「お、歯車が動き出しよった。ずっと動ける歯車を止めてた杖の強度どないなってんねや」


商人「まあ、ダンジョンですから」


戦士「便利な言葉だ」



「あ……ああ……!」


エルフ「ねえ、どんな気持ち? ドヤ顔で抜けないだろとかほざいてあっさり抜かれてどんな気持ち? 笑わないから言ってみなよ?」にやにや


赤魔「既に笑ってるだろ!」


「……嘘、いや、いや……お父様、いや……閉じ込めないで……仕返しなんかじゃなかったの……私はただ友だちが……ごめんなさい、ごめんなさい……」ガタガタ…


エルフ「ど、どうしたの? 大丈夫……?」
525 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/01(金) 23:27:30.30 ID:jI0sPvpo0


「やだ、やだ……あぁ……っ!」



ギィィィィィンーーーーッッ!



「「「「「「……っ!?」」」」」」



『幻惑の街』は『死霊の街』へと変容するーー!



「たすけーー」


幻惑の少女は姿を消した!


エルフ「ちょ、ちょっと……!」



ズゥゥゥンッッ……! ズゥゥゥンッッ……!


商人「ひっ!?」


赤魔「な、何の音だ!?」


盗賊「……足音か!? 」


銃士「はあ、あきまへんな。嫌な予感しかせえへん」


戦士「さっさと時計塔を出るぞ!」



エルフ「何がどうなってるんだよー!」



to be continued...
526 :次は火曜日以降 [saga]:2017/09/01(金) 23:30:29.28 ID:jI0sPvpo0


○戦士メモ

・時計塔:セフィロトの杖により時計が止まっていたが俺たちが取ってしまったことで動き出した。この止まった時計も一つのトラップだったのだろうか。

・人外の理:少女はおそらく特定の人物ではなく、何か超自然的な力を示しているのだろう。やはりダンジョンの出現は超自然的な力によるものなのだろう。

・足音:時計塔の外に響く巨大な足音だ。どうやら二足歩行のようだが、少しもたついてるようにも聞こえる。



○エルフメモ

・秘蔵のポルノ本:銃士って何であんなに気持ち悪いんだろう。童貞やら非モテを拗らせると異性との接触の全てを性的に解釈してそうで怖い。そういう人がやがて「楽器は男根のメタファー」とか言い出すのかもね。

・PTA:子どもへの悪影響絶対に排除するマンたちの別名。結構な頻度で物事に過敏だったりする。全く関係ないけど、暇を持て余した人間はろくなことしない。全く関係ないけどね。

・毒電波:メンヘラがよく受信したふりをする。本当に受信したら受診だ。お薬はちゃんと処方された通りに飲もうね。



○商人の鑑定

・セフィロトの杖:売値は貴重なためつけられません。異世界に生える生命の樹から作られた杖です。その力は明らかにこの世界の理から逸脱しており、使用者に莫大な力を与えます。
527 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/01(金) 23:31:36.93 ID:CaElPLhm0
セフィロトの杖は装備できるんかな
528 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/01(金) 23:42:36.30 ID:ozG1AEnDo
るっ!のネタがあった
529 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/02(土) 00:38:12.39 ID:S23AGNXY0
何が起こるか分からない怖さ
530 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/02(土) 02:24:19.10 ID:0r0uVsSMo
>>524
馬鹿にする気満々だったのに相手が尋常じゃなく冷静さ失ってるの見て心配しちゃうエルフかわいい
531 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/03(日) 10:54:24.85 ID:fHeInavD0
見ただけでアイテムの詳細わかるとかすごい商人
532 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/03(日) 21:24:47.93 ID:opFp6TgD0
全員の装備とか今どんななのか気になる
533 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/03(日) 21:42:09.88 ID:qjossYDA0
sageろhage
534 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/04(月) 05:12:27.93 ID:EZXFcDQYo
ステータスの防御と魔法の位置がいつの間にか入れ替わっている
535 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/06(水) 20:29:24.30 ID:J/mRiXQC0
そうだな
536 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/06(水) 20:31:53.95 ID:+MTAbQ4Ko
>>535
sageろks
537 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/06(水) 20:46:30.53 ID:h55qMLzzO
age指摘は1分以内にやれ
538 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/06(水) 21:40:35.54 ID:tCvHWQIA0
>>537
お前みたいに皆暇じゃねーんだよハゲ
539 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/06(水) 22:13:28.58 ID:ZvEe+eQ6O
荒らしにふれちゃだめ
540 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/07(木) 15:13:30.85 ID:h+ct4O1do
age指摘が荒らしでしかないのにそんな事言ってもww
541 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/07(木) 15:17:45.87 ID:93ovHOZxO
hageろsage
542 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/07(木) 16:19:26.44 ID:c1kM42USO
自演
543 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/07(木) 18:16:18.26 ID:8E9ZF/xA0
大文字ww
544 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/09(土) 21:01:55.31 ID:BKhOa13Jo
また忙しいのかね
545 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/11(月) 19:20:41.75 ID:n1HjQZOOO
とうとう10日目
546 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 09:41:14.74 ID:PNZJdIla0
【死霊の街・時計塔前】


エルフ「……なんじゃこりゃ!」


<<フヨフヨ……


銃士「んー? 人魂かしらん?」


商人「い、至る所に浮いてますね」


赤魔「ゆ、幽霊……!?」ひしっ


盗賊「赤魔かわいい」


<<アー……アウー……


エルフ「なんかアンデッドっぽいのもいっぱいいるんだけど」


赤魔「もうやだぁ……!」


<<ズゥゥゥン……ズゥゥゥンッッ……!


戦士「それより後ろの巨大人骨が一番まずいだろ!」


銃士「ほんとデカいわぁ……」


エルフ「んもう、次から次へと忙しないなぁ」カシャッ
547 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 09:43:25.12 ID:PNZJdIla0

ステータス解析マシン<<ピピッ……ピロンッ


・ドレッド・ダド
HP:100000
こうげき:500
まほう:0
ぼうぎょ:400
すばやさ:100


エルフ「んん!? カルシウムをいっぱい摂ったのかな!?」


商人「た、体力オバケなガイコツですね……」


赤魔「こっちくんなぁ……」


銃士「いうて防御も攻撃も大したことあらへんようやし、焦らずに観察して対処法を見つければええやろ」


戦士「ああ、少し下がるか」


盗賊「……そうもいかないだろう」



ドレッドダド「ォォォォォォーー」グパァッッ


戦士「(口を開いて何をする気だ?)」



ズルルルゥゥッッ……!



ドレッド・ダド<<グチュグチュ……!


ドレッド・ダドは死霊を貪る!


銃士「なんや? 魔物どうしで共喰いかいな?」
548 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 09:45:32.40 ID:PNZJdIla0

赤魔「周りの幽霊っぽいのが減った!」ほっ


戦士「嫌な予感しかしないんだが……」


盗賊「同感ね」



ドレッド・ダド<<ボココ……



赤魔「ひゃぁぁぁ……!?」


商人「あばばばばば……」


戦士「に、肉がついたぞ……っ?」


銃士「おぞましいわぁ」


盗賊「エルフ、ステータスをもう一度確認して」


エルフ「ったく、皮もつけてよ。剥き出しでキモいなぁ……」カシャッ
549 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 09:46:35.39 ID:PNZJdIla0

ステータス解析マシン<<ピピッ……ピロンッ


・ドレッドダド
HP:150000
こうげき:1500
まほう:100
ぼうぎょ:1000
すばやさ:300



エルフ「成長してるしぃ……死霊を食べると強い子になれるのかな?」


商人「僕もいっぱい食べたいですね。あははははは」


銃士「逃げるで! 商人くんしっかりしいや!」


戦士「盗賊!」


盗賊「ああ」


エルフたちは逃げ出した!



ドレッドダド「アァ……ウナァァァ……」ズゥゥゥン……グチャ……ズゥゥゥン……グチュュ……



赤魔「音が気持ち悪いっ!もうやだぁ!」


盗賊「……」ほっこり

550 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 09:48:17.80 ID:PNZJdIla0


・・・
【死霊の街・出口】


銃士「よっしゃ、出口やん」


エルフ「1000Gドールは無理だったかぁ」


商人「命あっての物種です!」


銃士「消費できへんもんな」


戦士「最後まで気を抜くなよ……!」


赤魔「やっと逃げれるぅ……」えぐえぐっ



盗賊「……ちくしょう!」


「「「「!?」」」」



エルフ「え、な、なに……」


盗賊「……即死トラップで封鎖されてる。このままじゃ出られない」


赤魔「そ、そんなぁ……!」


ドレッド・ダド<<ズゥゥゥン……グチャチャ……ッ


戦士「このままだと追い詰められるぞ……!」


銃士「しゃあない、あっちの建物群に逃げようや」
551 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 09:50:54.04 ID:PNZJdIla0


ドレッド・ダド「……クナァァァーーッッ」コォォ…!


ドレッド・ダドの『エゴイックプラズマ』!


銃士「あれはあかん……!」



戦士「くっ!」



戦士はパーティをかばった!



戦士「うぉっ……がぁぁ……ッッ!?」ドガァッ!



戦士は力尽きた!




エルフ「うおい!?」


商人「せ、戦士さんが一撃で撃沈なんて……!」


エルフ「あー、もう! 重いんだから勘弁してよね!」ぐいっ


盗賊「私が背負う! さっさとしろ!」ひょいっ


エルフ「力持ちぃ」
552 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 10:01:05.08 ID:PNZJdIla0
・・・
【死霊の街・住宅区跡地】


死霊<<フヨフヨ……


赤魔「……」ぶるぶる…


エルフ「ここならあっちも見つけるのに手間取るかな」


商人「そ、そうですね。浮いてるのがいっぱいいますけど」


盗賊「直接の害はなさそうに思われるが……まあ、触れない方が無難ね」


銃士「あのデカ屍肉はんよりマシやけども、得体がしれへんからな」



エルフ「とにかく戦士さんを蘇生させますね」ぐいっ


戦士<<グビッ


戦士「ぐふっ…!?」ごほっ



戦士は復活した!



戦士「おえっ……」


エルフ「気付け薬マズイよねぇ」


銃士「戦士には蘇生魔法(物理)じゃないん?」


商人「あれは銃士さんの勝手な自爆でしたからね」


銃士「否定できひんな」


盗賊「そんなことより脱出するための方法を見つけ出すぞ」
553 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 10:03:11.91 ID:PNZJdIla0


死霊<<フヨフヨ……


赤魔「早く帰りたい」ほけぇ…


商人「気持ちは痛いほど分かりますけど、気をしっかり持ってください」


「もし」


盗賊「っ!」バッ


「ああ、お辞めください。私は悪いドールではありません」


エルフ「悪いドールはみんなそう言うんだよ」


「暴論です。まずはお話だけでもお聞きください」


盗賊「……」


エルフ「そう言って呪詛だったりしないの」


商人「トラップかもしれませんよね」


「潔白を晴らすにもどうすればよいのやら……ひとまず旦那様はこの一帯にはまだお入りになれない筈です。こちらにどうぞ」


銃士「エルフはん、どうするん?」

554 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 10:05:16.99 ID:PNZJdIla0


戦士「悪者には見えないけどな」


エルフ「君のその発言にはカケラも説得力がないよね」


商人「前例もありますからね」


銃士「せやね」


戦士「……」



エルフ「とりあえず測ってみよう。迷ったらまず計測」


ステータス解析マシン<<カシャッ……ピピッ……ピロンッ



・バウンデッドバトラー
HP:1200
すばやさ:640
まほう:420
こうげき:430
ぼうぎょ:210



赤魔「……順番がぐちゃぐちゃ」


エルフ「あるぇ?」

555 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 10:09:10.12 ID:PNZJdIla0

盗賊「……」ピッピッ…



・バウンデッドバトラー
HP:1200
こうげき:430
ぼうぎょ:210
まほう:420
すばやさ:640



エルフ「あ、直った……直った? まあ、いいや」


盗賊「これでボタンロックできそうね。うん、確かにかかってる」カチッ…ポチッポチッ


エルフ「どもども。……しかし、判断に困る。普通に強いから不意打ちされると危険だよねぇ」


バトラー「そう言われるのでしたら、多色の無力化は甘んじて受け入れましょう。私としてもあなた方の他に頼れる方もおりません」


銃士「頼る、ねぇ」



バトラー「みだりに留まっていると流石に旦那様がいらっしゃいます」


<<ズゥゥゥンーーッッ


銃士「あかんな」


戦士「(旦那様というのはあの魔物のことみたいだな)」


赤魔「よしっ、行こう! 早く行こう! はやくぅ……!」


商人「(赤魔さんは正常な判断が出来そうにありませんね)」
556 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 10:13:46.29 ID:PNZJdIla0


バトラー「こちらです。どうしても信頼できないと言うのならば諦めざるを得ませんが」


盗賊「エルフ、どうする?」


エルフ「えー……うーん……」


商人「あっ、中に『ビスクドール』がありますよ!?」


エルフ「1000Gドール!?」


バトラー「ビスクドールならば屋敷内にも幾つかあります」


エルフ「ついてくついてく! 金は命よりも重い!」


盗賊「清々しいまでの拝金主義ね」


エルフ「当たり前じゃん!? お金で買えないものはあるけど、それ以外のものはお金で買えるんだよ!?」


戦士「生命は金じゃ買えないだろ……」


銃士「売ることはできるんやけどな」


赤魔「はやく入ろぉ……」ぶるぶる…


商人「(産まれたての子鹿みたいです)」



to be continued...
557 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 10:15:32.67 ID:PNZJdIla0
○戦士メモ

・死霊の街:俺たちが『セフィロトの杖』を引き抜いたことで『幻惑の街』は変貌を遂げた。しかし大賢者が杖を安置したことを考えると死霊の街こそがこのダンジョンの本当の姿だったのかもしれない。

・ドレッドダド:巨大な骨の魔物。街に漂っている死霊を取り込むことで血肉を纏い、恐ろしい見た目となっている。非常に強力な魔物で正攻法では勝てそうにない。

・バウンデッドバトラー:執事のような姿をしたドール。非常に理性的な魔物のようだが……。



○エルフメモ

・お金:10億Gほしい。



○赤魔の似顔絵ノート

エルフ
・ぶき:セフィロトの杖(その前はマジックワンドだった)
・からだ:魔道士のケープ
・アクセサリ:理力のペンダント
・小憎たらしい笑顔のエルフの似顔絵が添えられている…


戦士
・ぶき:ディフェンダー(その前はショートソードだった)
・たて:ウインドシールド
・からだ:鉄の鎧
・アクセサリ:天使のペンダント(その前は堅身のアミュレットだった)
・少し美化された戦士の似顔絵が添えられている…


商人
・ぶき:チキンナイフ
・からだ:魔防の前掛け
・アクセサリ:大容量バックパック
・困り笑顔の商人の似顔絵が添えられている…


銃士
・ぶき:汎用型魔導銃
・からだ:ハンタージャケット
・アクセサリ:鷹目のイヤリング
・軽薄そうな笑顔の銃士の似顔絵が添えられている…


盗賊
・ぶき:バトルブーツ
・からだ:アサシンの服
・アクセサリ:身躱しマント
・優しそうに微笑む盗賊の似顔絵が添えられている…
558 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/17(日) 10:33:14.01 ID:jr1lzWGcO
乙ー。復帰おめ。

赤魔の萌え度がどんどん上がっていく…
559 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/17(日) 11:56:50.35 ID:05wpvicDO
投下乙
なんか役割上仕方ないとはいえ戦士が気絶しまくってる気が
560 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/17(日) 12:18:18.16 ID:khOaokCwo
はー赤魔保護してえ
561 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/18(月) 07:01:02.34 ID:uFa1ZNfn0
エルフかわいいすこ
562 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/18(月) 07:13:01.41 ID:B2ZxrFtZ0
死んでも死体を盾にすればいい
563 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/18(月) 07:21:46.07 ID:NBfwMWcyo
>>552
>エルフ「とにかく戦士さんを蘇生させますね」ぐいっ

ここエルフじゃなくて商人か?
敬語エルフもそれはそれで可愛いけども
564 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/19(火) 11:39:02.18 ID:FKAQKiVRO
生命もお金で買えてるんだよなぁ本来なら亡くなってるのに気付け薬で命吹き替えしてるんやから
565 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/20(水) 18:51:11.05 ID:e94nvo34o
力尽きたからの蘇生だから実はぎりぎり死んでないって可能性もある
566 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 00:24:46.56 ID:P8I9KBp3O

【死霊の街・名家地下】



エルフ「はー、地下さむぅ……」


戦士「これを羽織るといい」ひらっ


エルフ「うむうむ、でも私が寒がる前に出さないとダメだよもう」


戦士「へいへい。赤魔も羽織るものいるか?」


赤魔「もう盗賊にもらったぜ! あったかい♪」


盗賊「……」どやっ


戦士「お、おう」


銃士「(ふむふむ、こういうところで差が出るんやな。俺は学習した)」


銃士「商人くん、寒いなら俺の……」


商人「防寒着を用意してるのでお気遣いなく」


銃士「あ、はい」
567 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 00:26:52.67 ID:P8I9KBp3O

バトラー「ふむ、身動きが取れませんな」ギチッ


銃士「完全に信用は置けへんから堪忍してや」


戦士「少し我慢してくれ。すまないな」


バトラー「仕方ありません。譲歩いただいて頼みを聞いていただけるならば有り難いですから」


エルフ「うぇいうぇい、まだ聞くとは言ってないよ?」


バトラー「そうでしたか?」


盗賊「魔物のくせに調子に乗るなよ」ごりっ


赤魔「盗賊、そういう言い方はイヤだ」


盗賊「む……」


バトラー「私なりのアイスブレイクですよ」


商人「むしろ場が凝ったのでは……?」


バトラー「それは失敬」


銃士「アイスブレイクでもテクノブレイクでも何でもええねん。まずは色々と説明をして欲しいわ」


エルフ「いちいち下ネタを挟まないでよ。やれやれ、これだから拗らせた童貞は」


銃士「どどどど童貞ちゃうわ!」


商人「(それはやめるんじゃなかったんですか?)」
568 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 00:30:41.37 ID:P8I9KBp3O

エルフ「やーい、非モテー」


銃士「くぅぅ、戦士、商人くん、言い返しちゃれ!」


戦士「商人、LEDライトをもう一つ出してくれないか」


商人「はい」


銃士「シカトせんどいてぇな!」


盗賊「エルフも耳年増なだけで初心だろ」


エルフ「想定外の横槍だ!? ……いやいや、むしろ付加価値だしー? プレミアムつくしー? 明らかにキズモノっぽいクールぶったお姉さんとは一緒にしないで欲しいね」


盗賊「……そう」


エルフ「え、なに、えっ?」


商人「(藪蛇ですよエルフさん。盗賊さんは経歴的にそういう点でも不幸な目に遭っててもおかしくないんですから。あまり他人を信頼しない辺りとかからも察しておくべきですよ)」


エルフ「(エルフちゃん重い話は嫌いじゃないけど好きでもないよ)」


赤魔「……」バシッ


エルフ「いだっ! 何すんだ黒チビ!」


赤魔「……お前のそういうところ本当にイヤだ!」ムスッ


エルフ「んぐっ……べ、べつに私わるいことしてないのに……そりゃ、ちょぉっと軽率だったかもしれないけどさぁ……ちぇ……」


盗賊「(……ん、もしかして妙な勘繰りをされている?)」


569 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/23(土) 00:32:07.44 ID:3etKmvUG0
LEDが作れるほど技術が進んでるのか
570 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 00:32:30.51 ID:P8I9KBp3O

銃士「バトラーはん、ダンジョンについて質問タイムね」


戦士「ああ。このダンジョンについて詳しく教えて欲しい」


商人「そ、そうですね。この街の変わりようは一体何なんですか?」


バトラー「時計塔の時計が動き始めて、旦那様がお目覚めになったのです」


銃士「旦那様っちゅうのはあのデカ骨からゴッツい肉塊に変化した魔物やんね?」


バトラー「ええ。元々は魔物ではなかったのですが、20年前に街がダンジョン化すると共に魔物にお変わりになられました」


戦士「もしかして、ここの魔物たちも元は人間だったのか……?」


バトラー「私などはそうですが、多くは新しく湧き出た者たちかと。死霊……浮遊している淡い赤い光などは元は街の住人かと存じます」


商人「ど、どうして街はダンジョン化したんですか!? ご存知!? ご存知ですか!?」


銃士「(商人くんがやけに興奮しとるな。まあ、誰も知らない謎の答えがあるかもしれへん状況やし無理もないか)」


バトラー「それは私が与り知るところではございません」


商人「そ、そうですか……」

571 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 00:34:02.32 ID:P8I9KBp3O


盗賊「ダンジョン発生の経緯はおそらく私のほうが詳しい」


エルフ「ほわっつ?」


盗賊「それよりも聞きたいのは『セフィロトの杖』と大賢者だ」


商人「え、ま、待って! 待ってください! ダンジョン誕生について何か知っているんですか!?」


盗賊「それは後で話す。私も全てを知ってるわけではない」


エルフ「えぇ……もっと早く話してよ」


赤魔「ふふん、そんな大切な情報を俺の盗賊がそう簡単に話すわけないだろ」ドヤッ


エルフ「次に盗賊は『なんであなたがイキるのよ。それに私はあなたのものじゃないわ』と言う!」


盗賊「ダンジョン化してから最初のうちは逆に現在の状態だったのよね?」


エルフ「ノリが悪いなぁ」


エルフ「(まだ怒ってるかな……?)」


572 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 00:40:04.44 ID:P8I9KBp3O


戦士「エルフ、飴をやるから少し大人しくしてろ」


エルフ「君、ちょっとエルフちゃんを安く見過ぎじゃない?」コロコロ…


銃士「そう言いつつ舐めるんかい」


赤魔「あめ……」クイクイッ


戦士「ああ、ほら」


赤魔「やった♪」


盗賊「(可愛過ぎる。箱にしまいたい。私だけのものにしたい)……こほっ、どうして大賢者はセフィロトの杖をこのダンジョンに安置した? ダンジョンを様変わりさせた目的は?」


バトラー「私には皆目見当がつきません。ただダンジョンの魔物と化して分かりましたが、私たちはあくまでギミックに過ぎないのです」


商人「……どういうことですか?」


バトラー「上手く表現できませんが、ダンジョンはどこかでその存在を壊して欲しがっているような……言うなれば攻略されたがっているように思うのです」


銃士「RPGじゃあるまいしアホか……とは言えんわな。難易度はどうあれトラップには解除する手段が存在しとる」


商人「ダンジョンは攻略されたがっている……うーん……?」


盗賊「解釈を間違えているだけで、別にそれは不自然な話ではないわ」


銃士「解釈違い……ダンジョンはドMっちゅうことかいな……?」


戦士「それはお前だろ」


エルフ「戦士も大概じゃん」コロコロ…
573 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 00:43:14.10 ID:P8I9KBp3O


盗賊「大賢者は重要なギミックに歪みを与えることで、この場合はあの少女と時計塔に魔法を用いることでダンジョンを変容させた」


バトラー「そのようですね。もうどれほど前かは私には分かりません」


商人「『憤怒の火山』の封印は18年前ですから、それよりは後ですね」


盗賊「18年前……ドレッドダドが邪魔だった……ダンジョンがこのままだと不都合だった……時を止めたかった……あの少女に力を与えたかった……これだけじゃ絞り切れないな……」ぶつぶつ…


商人「大賢者は何を考えてたんでしょうね」


銃士「『なぜ?』を考えるとダンジョンの出自やら発生原因が謎過ぎて分からへん。盗賊はん、はよ情報をくださいな」


戦士「それもいいが、俺たちの一番の目的は街から出るために即死トラップを解除することだ。そこを誤るなよ」


エルフ「やっぱり青リンゴ味が一番美味しいよ」


赤魔「レモン味の方が美味いだろー」


盗賊「(盗賊の口は今レモン味盗賊の口は今レモン味盗賊の口は今レモン味盗賊の口は今レモン味盗賊の口は今レモン味盗賊の口は今レモン味盗賊の口は今レモン味盗賊の口は今レモン味盗賊の口は今レモン味盗賊の口は今レモン味)」


戦士「(俺の言葉は聞いてくれていただろうか。しかしあの真剣な面持ち……邪魔はしないでおこう)」


商人「(赤魔さんのことしから考えてなさそうですね)」


銃士「(おっぱいや、ああおっぱいや、おっぱいや)」


574 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 00:45:30.47 ID:P8I9KBp3O


バトラー「個人的な……これはあくまで私個人の当てずっぽうに過ぎないのですが、その方は純粋にお嬢様を救おうと考えたのではないかと存じます」


銃士「お嬢様?」きらんっ


戦士「あの少女だろ」


エルフ「女の子に対してすぐ反応するよねぇ。下半身に脳みそがあるのかな?」


銃士「否定できひんのが男の悲しいところやな」


盗賊「それなら邪な思考をしないように抉ってやろうか?」


銃士「ひぇ……いや、でも盗賊はんほどの女の子に去勢されるなら…………アリかもしれへん!」クワッ


盗賊「こわ……」


赤魔「盗賊を怖がらせた!? 銃士やるな!?」


エルフ「褒めるところじゃない。一切褒めるところじゃないからね」


商人「あはは……」


戦士「うちのが下品ですまん」


バトラー「いえいえ」


to be continued...
575 :短し [saga]:2017/09/23(土) 00:51:05.35 ID:P8I9KBp3O

○戦士メモ

・LEDライト:『魔物の洞穴』で手に入るアイテム。商人によると、大量に獲れて従来の照明器具をほとんど駆逐してしまったらしく今では流通に制限がかかっている。異界の技術であり極めて有用であるらしいのだが、原理を深く理解して応用する段階にはまだまだ至っていない。




○エルフメモ

・アイスブレイク:あれだよね。イチゴ味が美味しいよね。あと体力回復するよね。……すぐに横文字を使うのは思考停止なんじゃないの!?

・耳年増:盗賊はただの年増だ! おばさんめ!ばーか! ……メモを見られたら頭を潰されちゃう。
576 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/24(日) 11:07:09.08 ID:y5rn42Sl0
流石に話の脱線が多過ぎてちょっと読みにくいな
577 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/24(日) 11:10:58.32 ID:j7AK3C+7o
>赤魔「あめ……」クイクイッ

んんんんんん可愛い
578 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/25(月) 00:02:57.52 ID:mpoU9NgkO

盗賊「また随分と話が逸れた。お嬢様……幻惑の少女を救うとはどういうことだ?」


バトラー「その前にかつてのお話を致しましょう」


エルフ「別に興味ないけどね。まあ、続けて」


バトラー「私がお仕えしたマーチャント家は由緒あるものの先代の御当主様よりも以前は細々と続く家系でございました」


銃士「ふうん、親近感わくわ」


戦士「旧家の末っ子だったな」


銃士「お前に言ってたか? よう覚えとるな」


商人「本当なんですか?」


銃士「せやせや、やんごとなきお家の出なんやで」


赤魔「へー! すげー!」


盗賊「こんなのが上流階級か……」


銃士「辛辣や。んまっ、今は完全に名ばかりな上に、末っ子にゃ家に関する権利はほぼほぼ存在しとらん。ご覧の通り俺はやくざな仕事しとるパンピーや」


商人「(発言はアレですけど所作などがどことなく上品な感じなのはそういうことですか)」



バトラー「お話を続けさせていただきます」


戦士「いちいち話の腰を折ってばかりですまないな」
579 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/25(月) 00:06:02.77 ID:mpoU9NgkO

バトラー「先代さまは類稀なる才能と努力の方であり、一代でマーチャント家およびこの街の発展に寄与した偉大な方でした。稀代の大商人と人口に膾炙なされたほどです」


商人「すごい……」


赤魔「商人もそうならないとな!」


商人「あはは……頑張りマス……」


盗賊「その話がなんだと言うんだ?」


エルフ「分かりづらいなぁ。どうダンジョンと結びつくの?」


バトラー「これはその後の背景となる話なのです」


エルフ「なるほど、君は説明をするのがヘタクソなんだね。時系列にそって仔細に話すよりも全体の概要をまず話してくれないかな?」


銃士「せやな。話の鳥瞰図がある方が理解しやすいんや」


バトラー「左様でございますか。結論から言ってしまいますと、御当主さまとお嬢様の間には悲劇がございまして、それが街のダンジョン化の際にギミックとなったようです」


戦士「無知ですまん、ダンジョンのギミックの意味がイマイチ掴めていないんだが」


バトラー「なんといえば良いのでしょうか」


盗賊「ギミックは、ダンジョンを特徴付けるものだ。そのダンジョン固有のトラップや固有の魔物などがあげられる」
580 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/25(月) 00:10:48.75 ID:mpoU9NgkO

戦士「ダンジョンを特徴付けるもの……なぜギミックはダンジョンで異なってどのようにしてそれが決まるんだ」


商人「ダンジョンが何たるかをはっきりさせない以上、今は外生変数とすべきでしょう」


エルフ「分かりづらい」


商人「……今は既にそう決まっていて僕たちには変えられないものとして扱うべきでしょう」


銃士「ホントに噛み砕いて表現するなんて商人くんはぶきっちょ真面目くんやね」


赤魔「難しい言葉は分かんないから最初から易しく言って欲しいな」


商人「すみません……」


銃士「ギミックいう表現がメタな上に、ちゅーしょー的やから俺や戦士みたいなおバカには分かりづらいんや。要はパパと娘の問題を解決して欲しいという話やろ?」


バトラー「乱暴にまとめれば左様でございますね」


戦士「なんだ、そういうことか。ようやく腑に落ちた」


赤魔「解決すればこの怖い……い、いや怖くはない! うん! この怖くないダンジョンから出られるんだな!?」


バトラー「ええ、そうでしょう」


エルフ「ご都合主義の塊だね」


盗賊「ダンジョンは仕様上そうなっているんだ」
581 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/25(月) 00:14:26.16 ID:mpoU9NgkO


エルフ「父親と娘の問題ね……具体的に何をしろって?」


バトラー「お嬢様を旦那様より救い出して欲しいのです」


エルフ「……ふうん」


戦士「任せてくれていい。しかし具体的に何をすればいい?」


バトラー「ダンジョン化前のお話をしますと、旦那様は先代さまの偉大な御栄光もございまして過大な期待をお背負いになられておりました。それは清廉潔白であった旦那様を患わせ、とうとう旦那様は凶行とも狂行ともいえる恐ろしい所業をなさったのです」


銃士「チャカポコチャカポコ」


赤魔「急にどうした?」



盗賊「……当主は具体的に何をしたんだ?」


バトラー「お嬢様を軟禁……いいえ監禁なさり、そして……ああ、これ以上は私の口からは到底申せませぬ」


商人「ダンジョン化前の話ですよね? 事後はどうなったんです?」


バトラー「あなた方も旦那様を目の当たりにしましたでしょう? そういうことです」


商人「変わらないということですか。大賢者はその現状を是正したいから死霊の街を幻惑の街に変化させたというのがバトラーさんの意見でしたね」


バトラー「はい」


エルフ「つまり魔物となった後も娘を抑圧して悦に入ってるわけ? クソ変態最低鬼畜ゴミクズ親父じゃん。滅びろ」


バトラー「しかし、旦那様がお狂いになってしまったのは先に話したような経緯がございまして……」


赤魔「辛い目にあったからって、それを誰かにぶつけちゃダメだろ! 腹が立ってきた!」


銃士「女性陣がお怒りや。くわばらくわばら」
582 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/25(月) 00:17:49.92 ID:mpoU9NgkO

戦士「救い出すにしてもどうすればいい? 正直、ドレッド・ダドを倒すのは厳しいぞ」


バトラー「お嬢様は何処かに囚われているはずです。お嬢様が救われることでダンジョン周囲に存在するトラップは解けるでしょう」


商人「何処に囚われているんでしょうか?」


バトラー「かつてはこの屋敷の地下部屋でした。しかし現在は何処なのか存じません」


エルフ「使えないねぇ」


バトラー「何せ、私はかつてお嬢様をお逃しになろうとしたことが旦那様に見破られ、拷問の末に死んでしまったのです。おそらく私の死後、監禁なさる場所をお変えになりましたでしょう」


エルフ「おおう……」


赤魔「なんだよ、それ……!」



バトラー「一度は朽ちたこの身、こうしてギミックとして復活したのは此度こそお嬢様を救い、そして旦那様をその狂気から解放致すためと存じております」


戦士「死んで尚、その忠誠と慈悲深い心に感服した。俺たちがお前の悲願を達成してみせる」


商人「(すぐ人の言葉を鵜呑みにしますよね)」


エルフ「お人好しめぇ。というか、リーダーは私なんだから勝手に決めないでよ、もう」
583 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/25(月) 00:20:50.96 ID:mpoU9NgkO

バトラー「ありがとうございます。旅の方々」


エルフ「街荒らしみたいなもんだけどね。ところで何か報酬はないわけ?」


銃士「銭ゲバやなぁ」


バトラー「このお屋敷マーチャント家の私有財産です。しかし今では新たに出現したものがほとんどであり、それをあなた方が獲得することは私が関知するところではございません」


赤魔「???」


盗賊「屋敷内のアイテムは持って行っていいそうよ」


エルフ「商人、1000Gドールの確保!」


商人「6つ確保しました!」


戦士「仕事が早い……」



エルフたちは『ビスクドール』を6つ手に入れた!



エルフ「6000G……1人頭1000G……ふへへ……!」


銃士「女の子がしちゃダメな顔しとる」


戦士「男でもダメだろ」


エルフ「うるさいよ!」
584 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/25(月) 00:23:40.28 ID:mpoU9NgkO

赤魔「うう、また外に出なきゃダメか? あのデカい魔物どうするんだ? 白いフヨフヨもいっぱいだろうし……」


盗賊「その必要はないわよ」コンコンッ……カリッカリッ


エルフ「ん?」


盗賊「はっ」バゴッ…!



盗賊は隠し通路を見つけた!



バトラー「!!」


商人「流石ですね!」


エルフ「やるねぇ……」


銃士「……このパーティ、盗賊はんと商人くんだけでほぼほぼ回りそうや」


赤魔「俺だって必要だろ!?」


戦士「全員がそれぞれのやるべきことをやる。それが大事だろ」


エルフ「そういうことだよ、肉壁二枚たち」


戦士「相変わらず言い方がひどいな……」


銃士「俺はエルフはんより華奢なんやけどね」


エルフ「私が太ましいみたいに聞こえるからやめてくれる?」
585 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/25(月) 00:25:43.66 ID:mpoU9NgkO


バトラー「おそらくこの先には再び旦那様……旦那様の御分身がお出になるかもしれません。私はこのお屋敷からあまり離れることはできませんからついていくことは出来ません。お気をつけて」


エルフ「あの肉塊、分身すんのかよぉ……」


赤魔「うぅ、やだなぁ……」


銃士「あたち、怖いのキライー!」


エルフ「きっも」


銃士「ふえぇ……」


盗賊「こんなのが上流階級か……」


銃士「それはちょっとやめてくだはる?」


赤魔「銃士はなー、もう少ししっかりしてたらなー」


銃士「えっ、なになに? 素敵なお話聞けそうな感じかいな?」


盗賊「ない。死ね」


銃士「女性陣は辛辣やわー」


戦士「すぐに死ねとか言うのはダメだぞ」


盗賊「……」


商人「(戦士さんはすっかりパーティの保護者ですね)」


赤魔「早く帰りたい……」
586 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/25(月) 00:28:35.04 ID:mpoU9NgkO

・・・
【死霊の街・地下道】


死霊の大群<<フヨフヨ…


赤魔「……」ぶるぶる…


エルフ「地下深いだけじゃなくてこんなに広いとはね。フヨフヨのせいで仄かに明るいけどさ」


戦士「崩れたりしたら生き埋めだぞ……崩落しないだろうか」


盗賊「おそらく大丈夫だとは思うが……この広さは何なんだ? 街全体に広がっていそうだ。それにあまりにも分岐が多い」


商人「道順の記録は任せてください」


銃士「俺も一応やっとくわ。それにしても、地下道はダンジョン化で新しく生まれた場所やと思うんやけど 」


商人「そう考えた方が妥当ですよね。普通の都市にこんな広大な地下があったとは少し考えられません」


エルフ「作る意味も分からないしね」
587 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/25(月) 00:30:23.17 ID:mpoU9NgkO

赤魔「怖くない、怖くなんてない……俺は最強、俺は無敵……」ぶつぶつ…


エルフ「……」ニヤッ


エルフ<<ススス…


赤魔「……オバケなんていないさ、オバケなんてうーそさ」ぶつぶつ…


エルフ「わぁっ!」


赤魔「ひゃぁぁっっ!?」


エルフ「ぷっぷくぷー♪」


赤魔「う……」


エルフ「随分かわいい悲鳴ですこと♪」


赤魔「うう……」ぷるぷる…


エルフ「おこなの? ねえねえ、おこなの?」
588 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/25(月) 00:35:52.76 ID:mpoU9NgkO


赤魔「うぅぅ……っ」ぐすっぐすっ


エルフ「えぇっ、ガチ泣き……?」


盗賊「赤魔……」なでなで…


戦士「大丈夫だぞ」さすさす…


銃士「せんせー、エルフはんが赤魔はんを泣かせましたー」


商人「エルフさん……」


戦士「エルフ、なんでこんなことしたんだ?」


エルフ「つい出来心で……」


盗賊「人の嫌がることをするのはそんなに楽しいか?」


赤魔「……」ぐすぐすっ


エルフ「えと……」


商人・銃士「……」
589 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/25(月) 00:38:39.69 ID:mpoU9NgkO

戦士「エルフ、赤魔に謝るんだ」


エルフ「は?」


盗賊「謝れ!」ぐいっ


エルフ「いたっ!」


赤魔「と、盗賊、やめ、やめて……」ぐすっ…


盗賊「……」チッ…


エルフ「……」


戦士「エルフ、今回は全面的にお前が悪いぞ。チームのリーダーならふざけたりせず、もう少し責任感を持った行動をするべきじゃないのか? それに他人の嫌がることを人にするのは……」


エルフ「……うっさいな」ボソッ


戦士「……エルフ」


エルフ「はいはい、ごめんなさいってば」


戦士「エルフ」ぎゅっ


エルフ「腕つかまないでよっ! 変態なのッ!?」


戦士「エルフ」


エルフ「う……ぅぅ……っ」ぽろっ…


ぐすぐす……



商人「(なんというか、十代前半って感じですね)」


銃士「(エルフはん、自分で考えて判断できる賢い娘なんやろうけど、こういうところはまだまだ子どもなんやなぁ……俺の視点、完全にオッさんや)」
590 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/25(月) 00:39:32.48 ID:mpoU9NgkO


エルフ「……ごめんなさい」


赤魔「うん、いいよ……」


戦士「よしっ、謝れて偉いな。許せて偉いな」ぽんぽんっ


エルフ「子ども扱いすんな……」


赤魔「そ、そうだ!」


戦士「すまんな」


盗賊「……」


銃士「盗賊はんも謝っておいた方がええんちゃう?」


盗賊「はあ?」


銃士「いやぁ、ちょっと感情的になり過ぎやん? エルフはんの胸ぐら?みかかるのは適切やないやろ?」


盗賊「……」


銃士「エルフはんが謝ったのなら、盗賊はんも謝っておいた方があと腐れなくてええ。年下やから頭下げるのを嫌がるとか言っとるど俺みたいにロクな大人にならへんぞ」


盗賊「……銃士みたいにはなりたくないな」


銃士「わっはっは」
591 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/25(月) 00:47:57.90 ID:mpoU9NgkO


盗賊「悪かった。すまない」


エルフ「べつにいいよ……」




戦士「さて、進むか」


エルフ・赤魔・盗賊「…………」


商人「(空気が重いです……)」


銃士「戦士ー、おいちゃんあまり恐ろしうておしっこチビりそうやわー」


商人「絶対にやめてくださいねっ!」


銃士「いざとなったら商人くんにかけるわ」


商人「『最も強い言葉』で非難します!」


戦士「(具体的にどんな言葉なんだ?)」
592 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/25(月) 00:49:45.65 ID:mpoU9NgkO


銃士「はー、こわこわ。はよ帰りたいわ」


赤魔「銃士も怖いんだな」


銃士「年取っても怖いもんは怖いでほんま。まんじゅう怖い。一杯のお茶が怖い」


盗賊「それは本当に怖がってるのか?」


銃士「おっぱい怖い」


エルフ「下ネタを挟まないと死ぬの?」


銃士「俺の熱き魂が死ぬんや」キリッ



えろー

男はみんなエロなんや!



商人「……」ほっ


戦士「(……ここからは波乱なく事が運べばいいが)」」ふぅ…




「ふふふ……ついに来たみたいだね……!」


to be continued...
593 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/25(月) 00:51:55.60 ID:mpoU9NgkO

○戦士メモ

・ギミック:各ダンジョンによって固有なトラップや魔物などのことを差す。どうして様々なギミックが存在するのかは分からない。ダンジョンの存在と関係があるんだろうか。

・マーチャント家:現在の死霊の街にかつて栄えた名家。ドレッド・ダドの父にあたる人物が交易にて隆盛させたが、ドレッド・ダドはその偉大な父と比較されて心を病んだようだ。そして自身の娘に非道な振る舞いをしたようだ。単純で愚かしい話だ。

・地下道:死霊の街の地下に広がる幾つにも分岐した通路が続く。地図をしっかりと残さなければ道迷いになりかねないが商人と銃士が記録を取るならば問題はないだろう。



○エルフメモ

・上流階級:べつに良いことばかりでもないでしょ

・謝罪:ぷっぷくぷー



○商人の鑑定

・ビスクドール:売値は1000G。非常に精巧な陶器の人形であり、その品質や技術は現在のドール製造の技術とは全く異なっており謎に包まれています。あまりに精巧すぎて本物の小人にすら見えます……あれ、いま目が動いたような……気のせいですかね?
594 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/28(木) 17:23:35.44 ID:ICTnHTVP0
そろそろパワーアップイベントが欲しいかな
595 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/17(火) 00:28:37.91 ID:munm4aVY0
はよ
596 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/27(金) 11:02:34.14 ID:TagWX7vwo
舞ってる
597 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/12(日) 06:07:26.99 ID:G+ICnRzCo
はよ
598 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/10(日) 01:04:40.35 ID:uJGfHq7A0
まだか?
599 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/15(金) 18:51:45.01 ID:L+p8/a3pO
・・・


『乙女の涙』を手に入れた!

『黒色クレジットカード』を手に入れた!

『魚っとっと』を手に入れた!


商人「地下にもアイテムがあるんですね」


銃士「ダンジョン化が地下にも及んどる証拠やな」


戦士「それはつまり地下にも魔物がいるってことだろう?」


<<ゥゥゥ……


ファザーシャドウが出現!



エルフ「はいはい、噂をしたら出てくるよね」カシャッ


ステータス解析マシン<<ピピ……ピロンッ


・ファザーシャドウ
HP:100
こうげき:0
ぼうぎょ:0
まほう:400
すばやさ:0


銃士「また特殊そうな敵やな」
600 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/15(金) 18:53:00.05 ID:L+p8/a3pO

盗賊の『加速蹴り』!


しかし効果は無かった…


盗賊「ちっ……」



赤魔の『火炎魔法』!


ファザーシャドウ<<メラメラ……シュゥゥ……


ファザーシャドウを倒した!


赤魔「いよっし!」


戦士「物理的な攻撃は効かないのか? 俺と盗賊は力になれなそうだな」


赤魔「俺とエルフに任せろ! 二人の分も倒してやるさ!」


エルフ「しっかたないなぁ」


銃士「俺も魔法攻撃できるから忘れんどいて」
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