エルフ「ダンジョン荒らして金稼ぎ!」戦士「不安しかないが……」

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538 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/06(水) 21:40:35.54 ID:tCvHWQIA0
>>537
お前みたいに皆暇じゃねーんだよハゲ
539 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/06(水) 22:13:28.58 ID:ZvEe+eQ6O
荒らしにふれちゃだめ
540 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/07(木) 15:13:30.85 ID:h+ct4O1do
age指摘が荒らしでしかないのにそんな事言ってもww
541 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/07(木) 15:17:45.87 ID:93ovHOZxO
hageろsage
542 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/07(木) 16:19:26.44 ID:c1kM42USO
自演
543 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/07(木) 18:16:18.26 ID:8E9ZF/xA0
大文字ww
544 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/09(土) 21:01:55.31 ID:BKhOa13Jo
また忙しいのかね
545 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/11(月) 19:20:41.75 ID:n1HjQZOOO
とうとう10日目
546 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 09:41:14.74 ID:PNZJdIla0
【死霊の街・時計塔前】


エルフ「……なんじゃこりゃ!」


<<フヨフヨ……


銃士「んー? 人魂かしらん?」


商人「い、至る所に浮いてますね」


赤魔「ゆ、幽霊……!?」ひしっ


盗賊「赤魔かわいい」


<<アー……アウー……


エルフ「なんかアンデッドっぽいのもいっぱいいるんだけど」


赤魔「もうやだぁ……!」


<<ズゥゥゥン……ズゥゥゥンッッ……!


戦士「それより後ろの巨大人骨が一番まずいだろ!」


銃士「ほんとデカいわぁ……」


エルフ「んもう、次から次へと忙しないなぁ」カシャッ
547 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 09:43:25.12 ID:PNZJdIla0

ステータス解析マシン<<ピピッ……ピロンッ


・ドレッド・ダド
HP:100000
こうげき:500
まほう:0
ぼうぎょ:400
すばやさ:100


エルフ「んん!? カルシウムをいっぱい摂ったのかな!?」


商人「た、体力オバケなガイコツですね……」


赤魔「こっちくんなぁ……」


銃士「いうて防御も攻撃も大したことあらへんようやし、焦らずに観察して対処法を見つければええやろ」


戦士「ああ、少し下がるか」


盗賊「……そうもいかないだろう」



ドレッドダド「ォォォォォォーー」グパァッッ


戦士「(口を開いて何をする気だ?)」



ズルルルゥゥッッ……!



ドレッド・ダド<<グチュグチュ……!


ドレッド・ダドは死霊を貪る!


銃士「なんや? 魔物どうしで共喰いかいな?」
548 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 09:45:32.40 ID:PNZJdIla0

赤魔「周りの幽霊っぽいのが減った!」ほっ


戦士「嫌な予感しかしないんだが……」


盗賊「同感ね」



ドレッド・ダド<<ボココ……



赤魔「ひゃぁぁぁ……!?」


商人「あばばばばば……」


戦士「に、肉がついたぞ……っ?」


銃士「おぞましいわぁ」


盗賊「エルフ、ステータスをもう一度確認して」


エルフ「ったく、皮もつけてよ。剥き出しでキモいなぁ……」カシャッ
549 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 09:46:35.39 ID:PNZJdIla0

ステータス解析マシン<<ピピッ……ピロンッ


・ドレッドダド
HP:150000
こうげき:1500
まほう:100
ぼうぎょ:1000
すばやさ:300



エルフ「成長してるしぃ……死霊を食べると強い子になれるのかな?」


商人「僕もいっぱい食べたいですね。あははははは」


銃士「逃げるで! 商人くんしっかりしいや!」


戦士「盗賊!」


盗賊「ああ」


エルフたちは逃げ出した!



ドレッドダド「アァ……ウナァァァ……」ズゥゥゥン……グチャ……ズゥゥゥン……グチュュ……



赤魔「音が気持ち悪いっ!もうやだぁ!」


盗賊「……」ほっこり

550 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 09:48:17.80 ID:PNZJdIla0


・・・
【死霊の街・出口】


銃士「よっしゃ、出口やん」


エルフ「1000Gドールは無理だったかぁ」


商人「命あっての物種です!」


銃士「消費できへんもんな」


戦士「最後まで気を抜くなよ……!」


赤魔「やっと逃げれるぅ……」えぐえぐっ



盗賊「……ちくしょう!」


「「「「!?」」」」



エルフ「え、な、なに……」


盗賊「……即死トラップで封鎖されてる。このままじゃ出られない」


赤魔「そ、そんなぁ……!」


ドレッド・ダド<<ズゥゥゥン……グチャチャ……ッ


戦士「このままだと追い詰められるぞ……!」


銃士「しゃあない、あっちの建物群に逃げようや」
551 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 09:50:54.04 ID:PNZJdIla0


ドレッド・ダド「……クナァァァーーッッ」コォォ…!


ドレッド・ダドの『エゴイックプラズマ』!


銃士「あれはあかん……!」



戦士「くっ!」



戦士はパーティをかばった!



戦士「うぉっ……がぁぁ……ッッ!?」ドガァッ!



戦士は力尽きた!




エルフ「うおい!?」


商人「せ、戦士さんが一撃で撃沈なんて……!」


エルフ「あー、もう! 重いんだから勘弁してよね!」ぐいっ


盗賊「私が背負う! さっさとしろ!」ひょいっ


エルフ「力持ちぃ」
552 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 10:01:05.08 ID:PNZJdIla0
・・・
【死霊の街・住宅区跡地】


死霊<<フヨフヨ……


赤魔「……」ぶるぶる…


エルフ「ここならあっちも見つけるのに手間取るかな」


商人「そ、そうですね。浮いてるのがいっぱいいますけど」


盗賊「直接の害はなさそうに思われるが……まあ、触れない方が無難ね」


銃士「あのデカ屍肉はんよりマシやけども、得体がしれへんからな」



エルフ「とにかく戦士さんを蘇生させますね」ぐいっ


戦士<<グビッ


戦士「ぐふっ…!?」ごほっ



戦士は復活した!



戦士「おえっ……」


エルフ「気付け薬マズイよねぇ」


銃士「戦士には蘇生魔法(物理)じゃないん?」


商人「あれは銃士さんの勝手な自爆でしたからね」


銃士「否定できひんな」


盗賊「そんなことより脱出するための方法を見つけ出すぞ」
553 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 10:03:11.91 ID:PNZJdIla0


死霊<<フヨフヨ……


赤魔「早く帰りたい」ほけぇ…


商人「気持ちは痛いほど分かりますけど、気をしっかり持ってください」


「もし」


盗賊「っ!」バッ


「ああ、お辞めください。私は悪いドールではありません」


エルフ「悪いドールはみんなそう言うんだよ」


「暴論です。まずはお話だけでもお聞きください」


盗賊「……」


エルフ「そう言って呪詛だったりしないの」


商人「トラップかもしれませんよね」


「潔白を晴らすにもどうすればよいのやら……ひとまず旦那様はこの一帯にはまだお入りになれない筈です。こちらにどうぞ」


銃士「エルフはん、どうするん?」

554 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 10:05:16.99 ID:PNZJdIla0


戦士「悪者には見えないけどな」


エルフ「君のその発言にはカケラも説得力がないよね」


商人「前例もありますからね」


銃士「せやね」


戦士「……」



エルフ「とりあえず測ってみよう。迷ったらまず計測」


ステータス解析マシン<<カシャッ……ピピッ……ピロンッ



・バウンデッドバトラー
HP:1200
すばやさ:640
まほう:420
こうげき:430
ぼうぎょ:210



赤魔「……順番がぐちゃぐちゃ」


エルフ「あるぇ?」

555 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 10:09:10.12 ID:PNZJdIla0

盗賊「……」ピッピッ…



・バウンデッドバトラー
HP:1200
こうげき:430
ぼうぎょ:210
まほう:420
すばやさ:640



エルフ「あ、直った……直った? まあ、いいや」


盗賊「これでボタンロックできそうね。うん、確かにかかってる」カチッ…ポチッポチッ


エルフ「どもども。……しかし、判断に困る。普通に強いから不意打ちされると危険だよねぇ」


バトラー「そう言われるのでしたら、多色の無力化は甘んじて受け入れましょう。私としてもあなた方の他に頼れる方もおりません」


銃士「頼る、ねぇ」



バトラー「みだりに留まっていると流石に旦那様がいらっしゃいます」


<<ズゥゥゥンーーッッ


銃士「あかんな」


戦士「(旦那様というのはあの魔物のことみたいだな)」


赤魔「よしっ、行こう! 早く行こう! はやくぅ……!」


商人「(赤魔さんは正常な判断が出来そうにありませんね)」
556 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 10:13:46.29 ID:PNZJdIla0


バトラー「こちらです。どうしても信頼できないと言うのならば諦めざるを得ませんが」


盗賊「エルフ、どうする?」


エルフ「えー……うーん……」


商人「あっ、中に『ビスクドール』がありますよ!?」


エルフ「1000Gドール!?」


バトラー「ビスクドールならば屋敷内にも幾つかあります」


エルフ「ついてくついてく! 金は命よりも重い!」


盗賊「清々しいまでの拝金主義ね」


エルフ「当たり前じゃん!? お金で買えないものはあるけど、それ以外のものはお金で買えるんだよ!?」


戦士「生命は金じゃ買えないだろ……」


銃士「売ることはできるんやけどな」


赤魔「はやく入ろぉ……」ぶるぶる…


商人「(産まれたての子鹿みたいです)」



to be continued...
557 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 10:15:32.67 ID:PNZJdIla0
○戦士メモ

・死霊の街:俺たちが『セフィロトの杖』を引き抜いたことで『幻惑の街』は変貌を遂げた。しかし大賢者が杖を安置したことを考えると死霊の街こそがこのダンジョンの本当の姿だったのかもしれない。

・ドレッドダド:巨大な骨の魔物。街に漂っている死霊を取り込むことで血肉を纏い、恐ろしい見た目となっている。非常に強力な魔物で正攻法では勝てそうにない。

・バウンデッドバトラー:執事のような姿をしたドール。非常に理性的な魔物のようだが……。



○エルフメモ

・お金:10億Gほしい。



○赤魔の似顔絵ノート

エルフ
・ぶき:セフィロトの杖(その前はマジックワンドだった)
・からだ:魔道士のケープ
・アクセサリ:理力のペンダント
・小憎たらしい笑顔のエルフの似顔絵が添えられている…


戦士
・ぶき:ディフェンダー(その前はショートソードだった)
・たて:ウインドシールド
・からだ:鉄の鎧
・アクセサリ:天使のペンダント(その前は堅身のアミュレットだった)
・少し美化された戦士の似顔絵が添えられている…


商人
・ぶき:チキンナイフ
・からだ:魔防の前掛け
・アクセサリ:大容量バックパック
・困り笑顔の商人の似顔絵が添えられている…


銃士
・ぶき:汎用型魔導銃
・からだ:ハンタージャケット
・アクセサリ:鷹目のイヤリング
・軽薄そうな笑顔の銃士の似顔絵が添えられている…


盗賊
・ぶき:バトルブーツ
・からだ:アサシンの服
・アクセサリ:身躱しマント
・優しそうに微笑む盗賊の似顔絵が添えられている…
558 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/17(日) 10:33:14.01 ID:jr1lzWGcO
乙ー。復帰おめ。

赤魔の萌え度がどんどん上がっていく…
559 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/17(日) 11:56:50.35 ID:05wpvicDO
投下乙
なんか役割上仕方ないとはいえ戦士が気絶しまくってる気が
560 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/17(日) 12:18:18.16 ID:khOaokCwo
はー赤魔保護してえ
561 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/18(月) 07:01:02.34 ID:uFa1ZNfn0
エルフかわいいすこ
562 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/18(月) 07:13:01.41 ID:B2ZxrFtZ0
死んでも死体を盾にすればいい
563 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/18(月) 07:21:46.07 ID:NBfwMWcyo
>>552
>エルフ「とにかく戦士さんを蘇生させますね」ぐいっ

ここエルフじゃなくて商人か?
敬語エルフもそれはそれで可愛いけども
564 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/19(火) 11:39:02.18 ID:FKAQKiVRO
生命もお金で買えてるんだよなぁ本来なら亡くなってるのに気付け薬で命吹き替えしてるんやから
565 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/20(水) 18:51:11.05 ID:e94nvo34o
力尽きたからの蘇生だから実はぎりぎり死んでないって可能性もある
566 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 00:24:46.56 ID:P8I9KBp3O

【死霊の街・名家地下】



エルフ「はー、地下さむぅ……」


戦士「これを羽織るといい」ひらっ


エルフ「うむうむ、でも私が寒がる前に出さないとダメだよもう」


戦士「へいへい。赤魔も羽織るものいるか?」


赤魔「もう盗賊にもらったぜ! あったかい♪」


盗賊「……」どやっ


戦士「お、おう」


銃士「(ふむふむ、こういうところで差が出るんやな。俺は学習した)」


銃士「商人くん、寒いなら俺の……」


商人「防寒着を用意してるのでお気遣いなく」


銃士「あ、はい」
567 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 00:26:52.67 ID:P8I9KBp3O

バトラー「ふむ、身動きが取れませんな」ギチッ


銃士「完全に信用は置けへんから堪忍してや」


戦士「少し我慢してくれ。すまないな」


バトラー「仕方ありません。譲歩いただいて頼みを聞いていただけるならば有り難いですから」


エルフ「うぇいうぇい、まだ聞くとは言ってないよ?」


バトラー「そうでしたか?」


盗賊「魔物のくせに調子に乗るなよ」ごりっ


赤魔「盗賊、そういう言い方はイヤだ」


盗賊「む……」


バトラー「私なりのアイスブレイクですよ」


商人「むしろ場が凝ったのでは……?」


バトラー「それは失敬」


銃士「アイスブレイクでもテクノブレイクでも何でもええねん。まずは色々と説明をして欲しいわ」


エルフ「いちいち下ネタを挟まないでよ。やれやれ、これだから拗らせた童貞は」


銃士「どどどど童貞ちゃうわ!」


商人「(それはやめるんじゃなかったんですか?)」
568 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 00:30:41.37 ID:P8I9KBp3O

エルフ「やーい、非モテー」


銃士「くぅぅ、戦士、商人くん、言い返しちゃれ!」


戦士「商人、LEDライトをもう一つ出してくれないか」


商人「はい」


銃士「シカトせんどいてぇな!」


盗賊「エルフも耳年増なだけで初心だろ」


エルフ「想定外の横槍だ!? ……いやいや、むしろ付加価値だしー? プレミアムつくしー? 明らかにキズモノっぽいクールぶったお姉さんとは一緒にしないで欲しいね」


盗賊「……そう」


エルフ「え、なに、えっ?」


商人「(藪蛇ですよエルフさん。盗賊さんは経歴的にそういう点でも不幸な目に遭っててもおかしくないんですから。あまり他人を信頼しない辺りとかからも察しておくべきですよ)」


エルフ「(エルフちゃん重い話は嫌いじゃないけど好きでもないよ)」


赤魔「……」バシッ


エルフ「いだっ! 何すんだ黒チビ!」


赤魔「……お前のそういうところ本当にイヤだ!」ムスッ


エルフ「んぐっ……べ、べつに私わるいことしてないのに……そりゃ、ちょぉっと軽率だったかもしれないけどさぁ……ちぇ……」


盗賊「(……ん、もしかして妙な勘繰りをされている?)」


569 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/23(土) 00:32:07.44 ID:3etKmvUG0
LEDが作れるほど技術が進んでるのか
570 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 00:32:30.51 ID:P8I9KBp3O

銃士「バトラーはん、ダンジョンについて質問タイムね」


戦士「ああ。このダンジョンについて詳しく教えて欲しい」


商人「そ、そうですね。この街の変わりようは一体何なんですか?」


バトラー「時計塔の時計が動き始めて、旦那様がお目覚めになったのです」


銃士「旦那様っちゅうのはあのデカ骨からゴッツい肉塊に変化した魔物やんね?」


バトラー「ええ。元々は魔物ではなかったのですが、20年前に街がダンジョン化すると共に魔物にお変わりになられました」


戦士「もしかして、ここの魔物たちも元は人間だったのか……?」


バトラー「私などはそうですが、多くは新しく湧き出た者たちかと。死霊……浮遊している淡い赤い光などは元は街の住人かと存じます」


商人「ど、どうして街はダンジョン化したんですか!? ご存知!? ご存知ですか!?」


銃士「(商人くんがやけに興奮しとるな。まあ、誰も知らない謎の答えがあるかもしれへん状況やし無理もないか)」


バトラー「それは私が与り知るところではございません」


商人「そ、そうですか……」

571 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 00:34:02.32 ID:P8I9KBp3O


盗賊「ダンジョン発生の経緯はおそらく私のほうが詳しい」


エルフ「ほわっつ?」


盗賊「それよりも聞きたいのは『セフィロトの杖』と大賢者だ」


商人「え、ま、待って! 待ってください! ダンジョン誕生について何か知っているんですか!?」


盗賊「それは後で話す。私も全てを知ってるわけではない」


エルフ「えぇ……もっと早く話してよ」


赤魔「ふふん、そんな大切な情報を俺の盗賊がそう簡単に話すわけないだろ」ドヤッ


エルフ「次に盗賊は『なんであなたがイキるのよ。それに私はあなたのものじゃないわ』と言う!」


盗賊「ダンジョン化してから最初のうちは逆に現在の状態だったのよね?」


エルフ「ノリが悪いなぁ」


エルフ「(まだ怒ってるかな……?)」


572 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 00:40:04.44 ID:P8I9KBp3O


戦士「エルフ、飴をやるから少し大人しくしてろ」


エルフ「君、ちょっとエルフちゃんを安く見過ぎじゃない?」コロコロ…


銃士「そう言いつつ舐めるんかい」


赤魔「あめ……」クイクイッ


戦士「ああ、ほら」


赤魔「やった♪」


盗賊「(可愛過ぎる。箱にしまいたい。私だけのものにしたい)……こほっ、どうして大賢者はセフィロトの杖をこのダンジョンに安置した? ダンジョンを様変わりさせた目的は?」


バトラー「私には皆目見当がつきません。ただダンジョンの魔物と化して分かりましたが、私たちはあくまでギミックに過ぎないのです」


商人「……どういうことですか?」


バトラー「上手く表現できませんが、ダンジョンはどこかでその存在を壊して欲しがっているような……言うなれば攻略されたがっているように思うのです」


銃士「RPGじゃあるまいしアホか……とは言えんわな。難易度はどうあれトラップには解除する手段が存在しとる」


商人「ダンジョンは攻略されたがっている……うーん……?」


盗賊「解釈を間違えているだけで、別にそれは不自然な話ではないわ」


銃士「解釈違い……ダンジョンはドMっちゅうことかいな……?」


戦士「それはお前だろ」


エルフ「戦士も大概じゃん」コロコロ…
573 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 00:43:14.10 ID:P8I9KBp3O


盗賊「大賢者は重要なギミックに歪みを与えることで、この場合はあの少女と時計塔に魔法を用いることでダンジョンを変容させた」


バトラー「そのようですね。もうどれほど前かは私には分かりません」


商人「『憤怒の火山』の封印は18年前ですから、それよりは後ですね」


盗賊「18年前……ドレッドダドが邪魔だった……ダンジョンがこのままだと不都合だった……時を止めたかった……あの少女に力を与えたかった……これだけじゃ絞り切れないな……」ぶつぶつ…


商人「大賢者は何を考えてたんでしょうね」


銃士「『なぜ?』を考えるとダンジョンの出自やら発生原因が謎過ぎて分からへん。盗賊はん、はよ情報をくださいな」


戦士「それもいいが、俺たちの一番の目的は街から出るために即死トラップを解除することだ。そこを誤るなよ」


エルフ「やっぱり青リンゴ味が一番美味しいよ」


赤魔「レモン味の方が美味いだろー」


盗賊「(盗賊の口は今レモン味盗賊の口は今レモン味盗賊の口は今レモン味盗賊の口は今レモン味盗賊の口は今レモン味盗賊の口は今レモン味盗賊の口は今レモン味盗賊の口は今レモン味盗賊の口は今レモン味盗賊の口は今レモン味)」


戦士「(俺の言葉は聞いてくれていただろうか。しかしあの真剣な面持ち……邪魔はしないでおこう)」


商人「(赤魔さんのことしから考えてなさそうですね)」


銃士「(おっぱいや、ああおっぱいや、おっぱいや)」


574 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 00:45:30.47 ID:P8I9KBp3O


バトラー「個人的な……これはあくまで私個人の当てずっぽうに過ぎないのですが、その方は純粋にお嬢様を救おうと考えたのではないかと存じます」


銃士「お嬢様?」きらんっ


戦士「あの少女だろ」


エルフ「女の子に対してすぐ反応するよねぇ。下半身に脳みそがあるのかな?」


銃士「否定できひんのが男の悲しいところやな」


盗賊「それなら邪な思考をしないように抉ってやろうか?」


銃士「ひぇ……いや、でも盗賊はんほどの女の子に去勢されるなら…………アリかもしれへん!」クワッ


盗賊「こわ……」


赤魔「盗賊を怖がらせた!? 銃士やるな!?」


エルフ「褒めるところじゃない。一切褒めるところじゃないからね」


商人「あはは……」


戦士「うちのが下品ですまん」


バトラー「いえいえ」


to be continued...
575 :短し [saga]:2017/09/23(土) 00:51:05.35 ID:P8I9KBp3O

○戦士メモ

・LEDライト:『魔物の洞穴』で手に入るアイテム。商人によると、大量に獲れて従来の照明器具をほとんど駆逐してしまったらしく今では流通に制限がかかっている。異界の技術であり極めて有用であるらしいのだが、原理を深く理解して応用する段階にはまだまだ至っていない。




○エルフメモ

・アイスブレイク:あれだよね。イチゴ味が美味しいよね。あと体力回復するよね。……すぐに横文字を使うのは思考停止なんじゃないの!?

・耳年増:盗賊はただの年増だ! おばさんめ!ばーか! ……メモを見られたら頭を潰されちゃう。
576 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/24(日) 11:07:09.08 ID:y5rn42Sl0
流石に話の脱線が多過ぎてちょっと読みにくいな
577 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/24(日) 11:10:58.32 ID:j7AK3C+7o
>赤魔「あめ……」クイクイッ

んんんんんん可愛い
578 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/25(月) 00:02:57.52 ID:mpoU9NgkO

盗賊「また随分と話が逸れた。お嬢様……幻惑の少女を救うとはどういうことだ?」


バトラー「その前にかつてのお話を致しましょう」


エルフ「別に興味ないけどね。まあ、続けて」


バトラー「私がお仕えしたマーチャント家は由緒あるものの先代の御当主様よりも以前は細々と続く家系でございました」


銃士「ふうん、親近感わくわ」


戦士「旧家の末っ子だったな」


銃士「お前に言ってたか? よう覚えとるな」


商人「本当なんですか?」


銃士「せやせや、やんごとなきお家の出なんやで」


赤魔「へー! すげー!」


盗賊「こんなのが上流階級か……」


銃士「辛辣や。んまっ、今は完全に名ばかりな上に、末っ子にゃ家に関する権利はほぼほぼ存在しとらん。ご覧の通り俺はやくざな仕事しとるパンピーや」


商人「(発言はアレですけど所作などがどことなく上品な感じなのはそういうことですか)」



バトラー「お話を続けさせていただきます」


戦士「いちいち話の腰を折ってばかりですまないな」
579 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/25(月) 00:06:02.77 ID:mpoU9NgkO

バトラー「先代さまは類稀なる才能と努力の方であり、一代でマーチャント家およびこの街の発展に寄与した偉大な方でした。稀代の大商人と人口に膾炙なされたほどです」


商人「すごい……」


赤魔「商人もそうならないとな!」


商人「あはは……頑張りマス……」


盗賊「その話がなんだと言うんだ?」


エルフ「分かりづらいなぁ。どうダンジョンと結びつくの?」


バトラー「これはその後の背景となる話なのです」


エルフ「なるほど、君は説明をするのがヘタクソなんだね。時系列にそって仔細に話すよりも全体の概要をまず話してくれないかな?」


銃士「せやな。話の鳥瞰図がある方が理解しやすいんや」


バトラー「左様でございますか。結論から言ってしまいますと、御当主さまとお嬢様の間には悲劇がございまして、それが街のダンジョン化の際にギミックとなったようです」


戦士「無知ですまん、ダンジョンのギミックの意味がイマイチ掴めていないんだが」


バトラー「なんといえば良いのでしょうか」


盗賊「ギミックは、ダンジョンを特徴付けるものだ。そのダンジョン固有のトラップや固有の魔物などがあげられる」
580 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/25(月) 00:10:48.75 ID:mpoU9NgkO

戦士「ダンジョンを特徴付けるもの……なぜギミックはダンジョンで異なってどのようにしてそれが決まるんだ」


商人「ダンジョンが何たるかをはっきりさせない以上、今は外生変数とすべきでしょう」


エルフ「分かりづらい」


商人「……今は既にそう決まっていて僕たちには変えられないものとして扱うべきでしょう」


銃士「ホントに噛み砕いて表現するなんて商人くんはぶきっちょ真面目くんやね」


赤魔「難しい言葉は分かんないから最初から易しく言って欲しいな」


商人「すみません……」


銃士「ギミックいう表現がメタな上に、ちゅーしょー的やから俺や戦士みたいなおバカには分かりづらいんや。要はパパと娘の問題を解決して欲しいという話やろ?」


バトラー「乱暴にまとめれば左様でございますね」


戦士「なんだ、そういうことか。ようやく腑に落ちた」


赤魔「解決すればこの怖い……い、いや怖くはない! うん! この怖くないダンジョンから出られるんだな!?」


バトラー「ええ、そうでしょう」


エルフ「ご都合主義の塊だね」


盗賊「ダンジョンは仕様上そうなっているんだ」
581 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/25(月) 00:14:26.16 ID:mpoU9NgkO


エルフ「父親と娘の問題ね……具体的に何をしろって?」


バトラー「お嬢様を旦那様より救い出して欲しいのです」


エルフ「……ふうん」


戦士「任せてくれていい。しかし具体的に何をすればいい?」


バトラー「ダンジョン化前のお話をしますと、旦那様は先代さまの偉大な御栄光もございまして過大な期待をお背負いになられておりました。それは清廉潔白であった旦那様を患わせ、とうとう旦那様は凶行とも狂行ともいえる恐ろしい所業をなさったのです」


銃士「チャカポコチャカポコ」


赤魔「急にどうした?」



盗賊「……当主は具体的に何をしたんだ?」


バトラー「お嬢様を軟禁……いいえ監禁なさり、そして……ああ、これ以上は私の口からは到底申せませぬ」


商人「ダンジョン化前の話ですよね? 事後はどうなったんです?」


バトラー「あなた方も旦那様を目の当たりにしましたでしょう? そういうことです」


商人「変わらないということですか。大賢者はその現状を是正したいから死霊の街を幻惑の街に変化させたというのがバトラーさんの意見でしたね」


バトラー「はい」


エルフ「つまり魔物となった後も娘を抑圧して悦に入ってるわけ? クソ変態最低鬼畜ゴミクズ親父じゃん。滅びろ」


バトラー「しかし、旦那様がお狂いになってしまったのは先に話したような経緯がございまして……」


赤魔「辛い目にあったからって、それを誰かにぶつけちゃダメだろ! 腹が立ってきた!」


銃士「女性陣がお怒りや。くわばらくわばら」
582 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/25(月) 00:17:49.92 ID:mpoU9NgkO

戦士「救い出すにしてもどうすればいい? 正直、ドレッド・ダドを倒すのは厳しいぞ」


バトラー「お嬢様は何処かに囚われているはずです。お嬢様が救われることでダンジョン周囲に存在するトラップは解けるでしょう」


商人「何処に囚われているんでしょうか?」


バトラー「かつてはこの屋敷の地下部屋でした。しかし現在は何処なのか存じません」


エルフ「使えないねぇ」


バトラー「何せ、私はかつてお嬢様をお逃しになろうとしたことが旦那様に見破られ、拷問の末に死んでしまったのです。おそらく私の死後、監禁なさる場所をお変えになりましたでしょう」


エルフ「おおう……」


赤魔「なんだよ、それ……!」



バトラー「一度は朽ちたこの身、こうしてギミックとして復活したのは此度こそお嬢様を救い、そして旦那様をその狂気から解放致すためと存じております」


戦士「死んで尚、その忠誠と慈悲深い心に感服した。俺たちがお前の悲願を達成してみせる」


商人「(すぐ人の言葉を鵜呑みにしますよね)」


エルフ「お人好しめぇ。というか、リーダーは私なんだから勝手に決めないでよ、もう」
583 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/25(月) 00:20:50.96 ID:mpoU9NgkO

バトラー「ありがとうございます。旅の方々」


エルフ「街荒らしみたいなもんだけどね。ところで何か報酬はないわけ?」


銃士「銭ゲバやなぁ」


バトラー「このお屋敷マーチャント家の私有財産です。しかし今では新たに出現したものがほとんどであり、それをあなた方が獲得することは私が関知するところではございません」


赤魔「???」


盗賊「屋敷内のアイテムは持って行っていいそうよ」


エルフ「商人、1000Gドールの確保!」


商人「6つ確保しました!」


戦士「仕事が早い……」



エルフたちは『ビスクドール』を6つ手に入れた!



エルフ「6000G……1人頭1000G……ふへへ……!」


銃士「女の子がしちゃダメな顔しとる」


戦士「男でもダメだろ」


エルフ「うるさいよ!」
584 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/25(月) 00:23:40.28 ID:mpoU9NgkO

赤魔「うう、また外に出なきゃダメか? あのデカい魔物どうするんだ? 白いフヨフヨもいっぱいだろうし……」


盗賊「その必要はないわよ」コンコンッ……カリッカリッ


エルフ「ん?」


盗賊「はっ」バゴッ…!



盗賊は隠し通路を見つけた!



バトラー「!!」


商人「流石ですね!」


エルフ「やるねぇ……」


銃士「……このパーティ、盗賊はんと商人くんだけでほぼほぼ回りそうや」


赤魔「俺だって必要だろ!?」


戦士「全員がそれぞれのやるべきことをやる。それが大事だろ」


エルフ「そういうことだよ、肉壁二枚たち」


戦士「相変わらず言い方がひどいな……」


銃士「俺はエルフはんより華奢なんやけどね」


エルフ「私が太ましいみたいに聞こえるからやめてくれる?」
585 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/25(月) 00:25:43.66 ID:mpoU9NgkO


バトラー「おそらくこの先には再び旦那様……旦那様の御分身がお出になるかもしれません。私はこのお屋敷からあまり離れることはできませんからついていくことは出来ません。お気をつけて」


エルフ「あの肉塊、分身すんのかよぉ……」


赤魔「うぅ、やだなぁ……」


銃士「あたち、怖いのキライー!」


エルフ「きっも」


銃士「ふえぇ……」


盗賊「こんなのが上流階級か……」


銃士「それはちょっとやめてくだはる?」


赤魔「銃士はなー、もう少ししっかりしてたらなー」


銃士「えっ、なになに? 素敵なお話聞けそうな感じかいな?」


盗賊「ない。死ね」


銃士「女性陣は辛辣やわー」


戦士「すぐに死ねとか言うのはダメだぞ」


盗賊「……」


商人「(戦士さんはすっかりパーティの保護者ですね)」


赤魔「早く帰りたい……」
586 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/25(月) 00:28:35.04 ID:mpoU9NgkO

・・・
【死霊の街・地下道】


死霊の大群<<フヨフヨ…


赤魔「……」ぶるぶる…


エルフ「地下深いだけじゃなくてこんなに広いとはね。フヨフヨのせいで仄かに明るいけどさ」


戦士「崩れたりしたら生き埋めだぞ……崩落しないだろうか」


盗賊「おそらく大丈夫だとは思うが……この広さは何なんだ? 街全体に広がっていそうだ。それにあまりにも分岐が多い」


商人「道順の記録は任せてください」


銃士「俺も一応やっとくわ。それにしても、地下道はダンジョン化で新しく生まれた場所やと思うんやけど 」


商人「そう考えた方が妥当ですよね。普通の都市にこんな広大な地下があったとは少し考えられません」


エルフ「作る意味も分からないしね」
587 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/25(月) 00:30:23.17 ID:mpoU9NgkO

赤魔「怖くない、怖くなんてない……俺は最強、俺は無敵……」ぶつぶつ…


エルフ「……」ニヤッ


エルフ<<ススス…


赤魔「……オバケなんていないさ、オバケなんてうーそさ」ぶつぶつ…


エルフ「わぁっ!」


赤魔「ひゃぁぁっっ!?」


エルフ「ぷっぷくぷー♪」


赤魔「う……」


エルフ「随分かわいい悲鳴ですこと♪」


赤魔「うう……」ぷるぷる…


エルフ「おこなの? ねえねえ、おこなの?」
588 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/25(月) 00:35:52.76 ID:mpoU9NgkO


赤魔「うぅぅ……っ」ぐすっぐすっ


エルフ「えぇっ、ガチ泣き……?」


盗賊「赤魔……」なでなで…


戦士「大丈夫だぞ」さすさす…


銃士「せんせー、エルフはんが赤魔はんを泣かせましたー」


商人「エルフさん……」


戦士「エルフ、なんでこんなことしたんだ?」


エルフ「つい出来心で……」


盗賊「人の嫌がることをするのはそんなに楽しいか?」


赤魔「……」ぐすぐすっ


エルフ「えと……」


商人・銃士「……」
589 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/25(月) 00:38:39.69 ID:mpoU9NgkO

戦士「エルフ、赤魔に謝るんだ」


エルフ「は?」


盗賊「謝れ!」ぐいっ


エルフ「いたっ!」


赤魔「と、盗賊、やめ、やめて……」ぐすっ…


盗賊「……」チッ…


エルフ「……」


戦士「エルフ、今回は全面的にお前が悪いぞ。チームのリーダーならふざけたりせず、もう少し責任感を持った行動をするべきじゃないのか? それに他人の嫌がることを人にするのは……」


エルフ「……うっさいな」ボソッ


戦士「……エルフ」


エルフ「はいはい、ごめんなさいってば」


戦士「エルフ」ぎゅっ


エルフ「腕つかまないでよっ! 変態なのッ!?」


戦士「エルフ」


エルフ「う……ぅぅ……っ」ぽろっ…


ぐすぐす……



商人「(なんというか、十代前半って感じですね)」


銃士「(エルフはん、自分で考えて判断できる賢い娘なんやろうけど、こういうところはまだまだ子どもなんやなぁ……俺の視点、完全にオッさんや)」
590 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/25(月) 00:39:32.48 ID:mpoU9NgkO


エルフ「……ごめんなさい」


赤魔「うん、いいよ……」


戦士「よしっ、謝れて偉いな。許せて偉いな」ぽんぽんっ


エルフ「子ども扱いすんな……」


赤魔「そ、そうだ!」


戦士「すまんな」


盗賊「……」


銃士「盗賊はんも謝っておいた方がええんちゃう?」


盗賊「はあ?」


銃士「いやぁ、ちょっと感情的になり過ぎやん? エルフはんの胸ぐら?みかかるのは適切やないやろ?」


盗賊「……」


銃士「エルフはんが謝ったのなら、盗賊はんも謝っておいた方があと腐れなくてええ。年下やから頭下げるのを嫌がるとか言っとるど俺みたいにロクな大人にならへんぞ」


盗賊「……銃士みたいにはなりたくないな」


銃士「わっはっは」
591 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/25(月) 00:47:57.90 ID:mpoU9NgkO


盗賊「悪かった。すまない」


エルフ「べつにいいよ……」




戦士「さて、進むか」


エルフ・赤魔・盗賊「…………」


商人「(空気が重いです……)」


銃士「戦士ー、おいちゃんあまり恐ろしうておしっこチビりそうやわー」


商人「絶対にやめてくださいねっ!」


銃士「いざとなったら商人くんにかけるわ」


商人「『最も強い言葉』で非難します!」


戦士「(具体的にどんな言葉なんだ?)」
592 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/25(月) 00:49:45.65 ID:mpoU9NgkO


銃士「はー、こわこわ。はよ帰りたいわ」


赤魔「銃士も怖いんだな」


銃士「年取っても怖いもんは怖いでほんま。まんじゅう怖い。一杯のお茶が怖い」


盗賊「それは本当に怖がってるのか?」


銃士「おっぱい怖い」


エルフ「下ネタを挟まないと死ぬの?」


銃士「俺の熱き魂が死ぬんや」キリッ



えろー

男はみんなエロなんや!



商人「……」ほっ


戦士「(……ここからは波乱なく事が運べばいいが)」」ふぅ…




「ふふふ……ついに来たみたいだね……!」


to be continued...
593 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/25(月) 00:51:55.60 ID:mpoU9NgkO

○戦士メモ

・ギミック:各ダンジョンによって固有なトラップや魔物などのことを差す。どうして様々なギミックが存在するのかは分からない。ダンジョンの存在と関係があるんだろうか。

・マーチャント家:現在の死霊の街にかつて栄えた名家。ドレッド・ダドの父にあたる人物が交易にて隆盛させたが、ドレッド・ダドはその偉大な父と比較されて心を病んだようだ。そして自身の娘に非道な振る舞いをしたようだ。単純で愚かしい話だ。

・地下道:死霊の街の地下に広がる幾つにも分岐した通路が続く。地図をしっかりと残さなければ道迷いになりかねないが商人と銃士が記録を取るならば問題はないだろう。



○エルフメモ

・上流階級:べつに良いことばかりでもないでしょ

・謝罪:ぷっぷくぷー



○商人の鑑定

・ビスクドール:売値は1000G。非常に精巧な陶器の人形であり、その品質や技術は現在のドール製造の技術とは全く異なっており謎に包まれています。あまりに精巧すぎて本物の小人にすら見えます……あれ、いま目が動いたような……気のせいですかね?
594 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/28(木) 17:23:35.44 ID:ICTnHTVP0
そろそろパワーアップイベントが欲しいかな
595 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/17(火) 00:28:37.91 ID:munm4aVY0
はよ
596 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/27(金) 11:02:34.14 ID:TagWX7vwo
舞ってる
597 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/12(日) 06:07:26.99 ID:G+ICnRzCo
はよ
598 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/10(日) 01:04:40.35 ID:uJGfHq7A0
まだか?
599 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/15(金) 18:51:45.01 ID:L+p8/a3pO
・・・


『乙女の涙』を手に入れた!

『黒色クレジットカード』を手に入れた!

『魚っとっと』を手に入れた!


商人「地下にもアイテムがあるんですね」


銃士「ダンジョン化が地下にも及んどる証拠やな」


戦士「それはつまり地下にも魔物がいるってことだろう?」


<<ゥゥゥ……


ファザーシャドウが出現!



エルフ「はいはい、噂をしたら出てくるよね」カシャッ


ステータス解析マシン<<ピピ……ピロンッ


・ファザーシャドウ
HP:100
こうげき:0
ぼうぎょ:0
まほう:400
すばやさ:0


銃士「また特殊そうな敵やな」
600 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/15(金) 18:53:00.05 ID:L+p8/a3pO

盗賊の『加速蹴り』!


しかし効果は無かった…


盗賊「ちっ……」



赤魔の『火炎魔法』!


ファザーシャドウ<<メラメラ……シュゥゥ……


ファザーシャドウを倒した!


赤魔「いよっし!」


戦士「物理的な攻撃は効かないのか? 俺と盗賊は力になれなそうだな」


赤魔「俺とエルフに任せろ! 二人の分も倒してやるさ!」


エルフ「しっかたないなぁ」


銃士「俺も魔法攻撃できるから忘れんどいて」
601 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/15(金) 18:53:49.96 ID:L+p8/a3pO

・・・


『ミスリルナイフ』を手に入れた!


商人「わっ、魔法金属ミスリルでできたナイフです!」


赤魔「ミスリル!?」


エルフ「ミスリルかぁ。RPGなら冒険も中盤に差し掛かったって感じだよね」


銃士「おいくらで売れますのん?」


商人「400Gです。ミスリルはまだまだ希少ですから」


エルフ「ふへへ、がっぽしがっぽし」


赤魔「ミスリルのナイフかぁ。魔法剣にピッタリなんだよな」キラキラ…


戦士「エルフ……」


エルフ「へいへい……ちゃんと価格分の働きをしてよね」


赤魔「えっ、私が使っていいの!?」


エルフ「要らないなら売るけど」


赤魔「要る要る! すごく要る! これで私もミスリル持ちだ! やったぁ! 」


戦士「良かったな」


赤魔「うん!」にこにこ


銃士「(盗賊はんはこの赤魔はんを見てどんな表情してるんやろか)」ちらっ


商人「(盗賊さん、もしかして鼻血を出してたりしてないでしょうね?)」ちらっ


盗賊「……」


銃士・商人「し、死んでる……」
602 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/15(金) 18:55:07.23 ID:T4MsWnLao
遅すぎてどんな展開だったかもう覚えてねーよ
最初から読みなおしてきます
603 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/15(金) 18:58:50.48 ID:L+p8/a3pO
・・・

赤魔「さあー、敵出てこい! ミスリル魔法剣で八つ裂きだー!」ふんすふんすっ


エルフ「さっきまであんなに怖がってたくせに……現金なやつ」


戦士「お前が言うか」


盗賊「……トラップがあるな」


商人「た、宝箱?」



宝箱?「……」



銃士「デカい箱やなぁ。誰か入っとるんやないの?」


宝箱?「……!」ぎくっ


エルフ「というか宝箱って……他のアイテムは宝箱に入ってないじゃん……」


赤魔「盗賊、これはトラップなのか?」


盗賊「間違いなくトラップね。何故宝箱なのかはちょっとよく分からないけど」


エルフ「こんなアホらしいトラップ、誰が引っかかるの?」


戦士「まあ、そのまま馬鹿正直に開けようとする奴はいないだろうな」


商人「でも中身はなんでしょう? やっぱり魔物ですかね」


エルフ「そうなんじゃない? けど、爆弾とかだったら嫌だし、アイテムじゃないならスルー安定でしょ」


赤魔「そっかー、魔物以外の可能性もあるんだよな。攻撃しないでおこ」


銃士「こういうタイプは魔物でも移動しないやろうし、放置で構わへんやろ。ほな進みましょ」


ぞろぞろ…


宝箱?「……」
604 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/15(金) 19:02:31.93 ID:L+p8/a3pO

宝箱?<<パカッ


「こら〜! 無視はダメ、絶対!」


赤魔「うわ、箱から出てきた!?」


銃士「女の子! 女の子や!」


エルフ「うるさいよ童貞」


少女?「あのさ〜、君たちさ〜。ダンジョン冒険者ともあろうものが目の前の宝箱を開けないってどうなの?」


商人「だってトラップだって分かってますし……」


少女?「か〜、ひよってるな〜。ひよってるよ〜。たとえ中身が私みたいにミミックだって開けて見るのが真の冒険者ってもんじゃないの? これだから最近の若人は〜」


エルフ「そんな何千年も前から使い古されてるフレーズで暴論を言われてもね」


銃士「いやしかし、トラップでも箱の中身が女の子やったら、確かに開けるべきやね! これからもトラップと分かっても開けていく強い意志を持つわ!」


エルフ「危ない目に遭ったらどうせどっかのアホ戦士が助けに行くからダメ」


銃士「ああ、せやな」


戦士「……」
605 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/15(金) 19:05:03.39 ID:L+p8/a3pO


戦士「それで何か用か」


ミミックガール「そりゃ、ミミックは宝箱を開けた相手に襲いかかるでしょ」


盗賊「開けてない。そっちが勝手に出てきたんでしょ」


ミミックガール「……確かに」



「「「「「「「…………」」」」」」」



ミミックガール「あ、じゃあ一度引っ込むから開けてもらっていい?」


赤魔「なんでだよ!?」


ミミックガール「じゃあ、このまま私との戦闘になってもいいの!? グダグダじゃん!」


赤魔「もう既にグダグダだよ!」


ミミックガール「それ確かに〜!」


エルフ「もう、何なの……」げんなり…


銃士「わはは、面白い魔物ちゃんやな」チャキッ


ミミックガール「んにゃ?」
606 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/15(金) 19:06:40.88 ID:L+p8/a3pO

銃士の『クリティカルショット』!


ミミックガール「ミミック相手に不意打ちなんて効くわけないじゃん?」ピシッ


ミミックは指先で弾丸を弾いた!


銃士「!?」


ミミック「ばーん」ぱしっ


ミミックの『究極指弾』!


銃士「ぐぶっ……」


銃士は力尽きた!


戦士「銃士!?」


エルフ「もしかして……強い?」カシャッ


ステータス解析マシン<<ピピ……ピロンッ


・ミミックガール(?)
HP:N/A
こうげき:N/A
ぼうぎょ:N/A
まほう:N/A
すばやさ:N/A


エルフ「えぇ……」


ミミックガール「……さあて、楽しいケンカの始まりだね」にやっ

607 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/15(金) 19:07:34.73 ID:lpmJLBvZO
おお、再開きたw
608 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/15(金) 19:07:36.00 ID:+WQvrK430
強さバグってるな
609 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/15(金) 19:08:15.19 ID:L+p8/a3pO


商人「待ってください!」


ミミックガール「うん?」


商人「僕たちは貴女を一度スルーしたはずです。それなのに襲いかかるというのは一般的なミミックとしては有り得ない行為です。ダンジョンにも一定の法則があるはずなのに貴女はそれに違反していませんか?」


ミミックガール「え〜、積極的に襲いかかるミミックがいてもいいじゃんいいじゃん?」


エルフ「良くないっ」


ミミックガール「なんでよ?」


エルフ「私たちが困るから」びしっ


ミミックガール「……」


エルフ「……」ふんすっ


ミミックガール「それ確かに〜!」


赤魔「なんなんだコイツ……」
610 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/15(金) 19:14:48.89 ID:L+p8/a3pO


銃士「」ちーん…


盗賊の『蘇生魔法(物理)』!


銃士「とげっびゃぁぁっ!」


銃士は蘇生した!


戦士「……変わった魔物もいるんだな。ずっとこの地下にいたのか?」


ミミックガール「うんにゃ。私は回遊する魔物なんで〜。ミミックなのに回遊するとか面白いでしょ?」


赤魔「普通のミミックだってたまには移動するだろ。……しないのか?」


ミミックガール「さあ? 普通のミミックの生態なんて私の知るところじゃないし〜興味もないんで〜」



赤魔「なんか適当なやつだな……」


商人「(そもそも知る限りの他のミミックは宝箱に入ってなければ人型でもないんですけどね……)」


ミミックガール「とにかく私は色んなダンジョンを行き来できて、それなりに奥じゃないと出現できないんだよね」


商人「一体なぜです?」


ミミックガール「そりゃ情報エネルギーの濃度の問題でしょ」


エルフ「あん?」


ミミックガール「あれ? もしや情報空間のこととかご存知でない感じ? それなら、このお話はやめやめ」


盗賊「貴様、何を知ってる? 話しなさい」


ミミックガール「うっせ〜、自分で調べろ魔人やろ〜」べーっ


盗賊「!」
611 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/15(金) 19:18:54.51 ID:L+p8/a3pO


戦士「魔人……?」


銃士「神話に出てくる滅びた伝説の種族やで。かつて大陸を支配したものの神の怒りをかって滅んだいわれとる種族や」


エルフ「歴史の教科書の初めのコラムとかに神話の話って出るよね。……で、マジなの?」


赤魔「……」


盗賊「……何故私が魔人だと分かった?」


ミミックガール「ミミックガールだからねっ」パチンッ☆


エルフ「ウインクで星を飛ばしてんじゃないよ。幼児向け作品か」


商人「えーと……色々と聞きたいことがあるのですが」


ミミックガール「私を倒したら教えてあげてもいいけどねー。言っておくけど私はめちゃんこ強いよ?」にやっ


戦士「(自惚れでも冗談でもなさそうだな……ふざけた態度をとってるが、正統派の強者の風格だ)」


赤魔「RPGなら負けバトルなやつじゃないか?」


エルフ「むしろランダムでたまに出てくるレア敵って感じ」


盗賊「……」


戦士「盗賊。やめておけ。おそらく勝てない」


盗賊「……そうね」


ミミックガール「ありゃ、やらないんだね。ざーんねんっ」


商人「(色々とダンジョンのことについて深く知っていそうなのに……)」
612 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/15(金) 19:23:39.67 ID:L+p8/a3pO


ミミックガール「……ところでお嬢ちゃん」にゅっ


エルフ「うぎゃっ」


ミミックガール「『セフィロトの杖』に『解放の宝玉』? ははあ、『憤怒の火山』に行くつもりだ? ここを脱出したらあとは『蠢く砂漠』だけじゃん〜、やるじゃ〜ん」ベタベタ


エルフ「ちょ、離れ……やめろっ!」べしっ


ミミックガール「あいた〜!」


エルフ「はあはあ……」


ミミックガール「ひどいな〜。せっかくアイテムを合成してあげたのに」


エルフ「はあ?」


商人「エルフさん! アイテムが変化してます!」


エルフは『破魔の杖』を手に入れた!


エルフ「え、勝手に何してくれてんの?」


エルフ「(なんかすごく強力になってるんだけど……)」


ミミックガール「『開闢の台座』を持ってる時にまた会ったらまた合成してあげるよ〜。合成しなくても大賢者の封印は破れるけどね」
613 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/15(金) 19:27:19.52 ID:L+p8/a3pO

銃士「……つかぬことをお聞きしますが、ダンジョン全体の黒幕さんだったりしますぅ?」


ミミックガール「んっふっふ」


盗賊「……」


赤魔「……」ごくっ


商人「……」どきどきっ


ミミックガール「ざんねん! それは私じゃないんだな!」


商人「あ、違うんですか」


ミミックガール「まあ〜、もしかしたらいつかはちゃんとした態で会うかもね〜」


エルフ「ちゃんとした態?」


ミミックガール「じゃねじゃね〜」


ミミックガールは逃げ出した!



戦士「……嵐みたいなやつだったな」

614 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/15(金) 19:38:12.77 ID:L+p8/a3pO

盗賊「……」


エルフ「魔人なんだ?」


盗賊「ああ。……忌避するか?」


エルフ「は、なんで?」


盗賊「……私はかつて恐怖の象徴だった種族の末裔だ」


エルフ「いや、魔人だから何だって感じだけど。むしろその事実を話してくれてなかったことの方がムカつくよ」


銃士「珍しい亜人なんや、ぐらいの印象やな、ぶっちゃけ。エルフはん、盗賊はんにも事情があるやろし」


商人「神話で滅んだ種族が実在して、今も生き残ってることは驚きますけどね」


戦士「魔人族がどうだとかは置いておいて、盗賊が本当はとても仲間思いで真面目な良いやつってことは知ってる」


エルフ「すぐまたそういうクサいこと言う……」


赤魔「俺の盗賊なんだから口説いちゃダメだぞ!」


盗賊「……いつアンタのものになったのよ」ふっ


戦士「別に口説いてるつもりはないんだが……まあ、いい」


銃士「はいはい、積もる話はあれどまずは進みましょか。戦士は往ね」



to be continued...
615 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/15(金) 19:39:42.80 ID:L+p8/a3pO

○戦士メモ

・情報空間:ミミックガールの発言に含まれていた不可解な言葉。情報エネルギーとも言っていた。どうやらダンジョンに関わる用語のようだがその定義は不明なままだ。

・魔人:神の子が生まれる遥か以前に世界を手中に収めていたとされる伝説の種族。非常に獰猛で悪の象徴として創作のモチーフになることもある。神へと至る塔を建設し始めた結果、神の不興をかって滅んだとも、力に驕れて滅んだともいわれるが真相は定かではない。盗賊が本当に魔人族ならば神話は拡大解釈を多分に含んでいるのかもしれない。



○エルフメモ

・ミミックガール:今まで魔物とは色々と異質な人型の魔物(?)。目的もよく分からないし、色々とダンジョンのこととかにも詳しそうだけど何なんだろうね。正面衝突にならなくて良かったよね。

・究極指弾:いわゆる跳ぶデコピン。たぶん相手に9999ダメージを与える。チートだ!
616 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/15(金) 19:43:29.37 ID:L+p8/a3pO
○商人の鑑定


・乙女の涙:売値は20G。乙女の涙というロマンチックな名前が付けられた赤い小石。とてつもない悲恋に打ちひしがれたためにその涙が赤くなったという噂話のためにそれなりの価値がついています。実際はガーネットなんですけどね。

・黒色クレジットカード:売値は0.1G。ただのプラスチック製の黒いカードですが、僕には分かるんです。このカードは本当は0.1G以上の価値があることを……しかし0.1Gでしか売れません。

・魚っとっと:売値は0.1G。軽やかな食感でさくさく食べられるスナック菓子です。様々な魚介類の形は見て楽しく、また爽やかな塩味にもマッチしてます。袋は小分けされていて食べる量の調節がしやすく持ち運びも便利ですよ。僕の働いてるお店でも取り扱ってますから是非お試しください、と宣伝しておきます。

・ミスリルナイフ:売値は400G。魔法金属ミスリルは原料も少なく、精製も加工も複雑で熟練の冶金職人によってのみ行われます。高純度のミスリルは非常に貴重でかなり高価になるためほとんど工業用に用いられており、日常的にミスリル金属を使うことはあまりありません。応用の有名な例としては高い魔法伝導性とエネルギー変換に対する柔軟性、耐久性から魔法を動力源とした炉の開発などがあげられるでしょうか。魔法剣としてはこれ以上適した金属はそうないでしょうね。

・破魔の杖:売値は貴重なためつけられません。ミミックガールさんによって『セフィロトの杖』と『解放の宝玉』を合成して得られた杖です。とんでもない力を秘めていて、使用者の魔法を非常に強力なものにするでしょうが、扱いは非常に難しいでしょう。エルフさんなら大丈夫だと思いますが。
617 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/15(金) 20:00:49.74 ID:lpmJLBvZO
おつおつ。忙しいだろうが無理せんといてなー。
618 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/15(金) 20:07:52.45 ID:QL4J8Cy3o
久しぶりに言わせてもらうぞ

赤魔可愛い
619 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/15(金) 21:39:18.52 ID:bEupp7neo
久々に読めて嬉しい!乙!
620 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/16(土) 02:25:32.38 ID:TaqTH4RU0
待ってた
621 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/16(土) 17:30:14.00 ID:iptKsD+b0
これからは装備だけじゃなく本人のレベル上げも必要だな
622 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/16(土) 21:19:55.94 ID:j0jZ2ouA0
>>621
sageろハゲ
623 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/18(月) 13:43:24.22 ID:c1y7PfnIO
エルフ「魔人族は本当にかつて大陸を支配してたの?」


盗賊「そうらしいけど、正直言って私はほとんど知らないのよね」


エルフ「またどうして?」


盗賊「私が10歳にも満たないうちに家族も住んでいたところも無くなったから」


エルフ「あー……サモナーね」


銃士「はいはーい。俺たちヒトとの違いはどこなん?」


盗賊「バケモノに変身できる」


銃士「どういうこっちゃ」


盗賊「そのままの意味だが」


赤魔「盗賊が魔人化するとびっくりするくらい強いぞ!」どやっ


盗賊「……」


戦士「それは頼もしいな」


商人「それなら常に変身していて欲しいですけどね。そうしないということは何かデメリットがあるんですよね?」


盗賊「体力の消耗が激しいから3秒が限界なのよ」


エルフ「みじかっ。せめてカップラーメンがわく時間くらいは頑張ろうよ」


盗賊「しかも解除後は大抵気絶するわね」


商人「そうなると確かに変身場面が限られそうですね」


赤魔「で、でも本当に強いからな! 本当だぞ!」
624 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/18(月) 13:44:50.13 ID:c1y7PfnIO

戦士「話は変わるがさっきの変わった魔物は何者だったんだ? 色々とダンジョンの謎について詳しそうだったが」


商人「異様に強い上に、貴重なアイテムを変化させたりもしてましたよね。盗賊さんは情報エネルギーや情報空間という言葉はご存知ですか?」


盗賊「遥か昔に聞いたような……いや、何も分からないわね」


商人「そうですか……」


商人「(『不帰の虚』に来いと言ってましたよね。あとは情報エネルギーの濃度とやらが出現に影響を及ぼしているといったことを言ってました。……基本的には不帰の虚にいるのでしょうか。……色々と推測は出来そうですけど、流石に情報が断片的過ぎて頑健な推論はできないですね)」


エルフ「しかし『不帰の虚』なんて行くわねないじゃん。生還者ゼロは流石に尻込みするよ。そりゃあ10億G貰えるなら考えるかもだけど」


商人「盗賊さんは『不帰の虚』について何か詳しく知っていることはありますか?」


盗賊「……特にないが、おそらくダンジョンの中では一番特別なものだろう」


戦士「重要?」


盗賊「説明が難しいな……この際だから言ってしまうが、ダンジョンの発生には私たちの一族が関わっているんだ」


銃士「えっ!」


エルフ「まあ、何となく予想はついてたよ」


商人「それでダンジョンについて詳しかったんですね」


赤魔「待て! それは聞いてなかった!」


盗賊「言ってなかったから」


赤魔「お、俺とお前の仲だろぉ……」


盗賊「な、泣くことないじゃない」


盗賊「(赤魔の涙! 甘露にも等しい奇跡の雫! 見ているだけで浄化されそう。この世のありとあらゆる穢れをそそぎ落としてしまいそう。もしも舐めとったら……いや、私の穢れきった心身では化学反応が起きて爆発する。いや、そもそも天使を泣かせるなんて私はなんてことを……)」
625 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/18(月) 14:02:58.89 ID:c1y7PfnIO


戦士「ということはイカサマ師も魔人で、ダンジョンの発生に関わってるわけか」


盗賊「アイツもまだまだ赤子だったから直接は関係ないがな。とりわけ大きく関わっていたのは……というかダンジョン発生の提案と指揮をしたのはサモナーだった。当時私は生まれていなかったが、そう聞いている」


銃士「(あら、ということは20よりも下なんか。やっぱ俺が一番年長みたいやな)」


エルフ「とんでもない事実を隠していたよね。じゃあサモナーも魔人?」


盗賊「ああ。一族の有力者だった。急進的で、対立した者たちを村ごと焼くような奴だがな」


赤魔「……」


商人「そもそもどうして魔人族の方々はダンジョンを生み出そうとしたのですか?」


盗賊「再び世界を支配するための手段としてと聞いた……最初は強大な兵器を生み出す計画だったらしい。出てきたのは何故かこのような奇妙なダンジョンだったが」


エルフ「サモナーの陰謀かな。おかげで稼がせてもらってます!」


赤魔「おい!」


戦士「そんな危険人物がまだ野放しなのは気がかりだな。転移石のことを考えると、近いうちにダンジョンだけでなくて市街地にも被害が出るようなことをしそうだ」


商人「その人を見つけるためにもまずは火山に行ってイカサマ師さんに会わないといけませんね」


銃士「そんで、その為には蠢く砂漠で『開闢の台座』を手に入れる必要があるわけやね」


赤魔「さらにさらにそのためには、まずはこの幽霊だらけのダンジョンから脱出する!」


エルフ「それには、街の中を暴れてるあのデカい魔物を何とかしなきゃいけないわけで」


盗賊「そのヒントが隠されているだろう監禁部屋がこれか」バキィッ


盗賊は隠し部屋の扉を蹴り破った!
626 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/18(月) 14:06:39.36 ID:c1y7PfnIO

エルフ「この部屋は一際ホコリっぽいね」ごほっ


盗賊「魔物が潜んでいる気配はないわね。トラップもないだろう」



戦士「6畳ほどか。古ぼけたベッドと机、本棚……これだけか」


赤魔「……ここにあの娘はずっと閉じ込められていたのか? そんなのひどいよ……」


戦士「……本棚には小説が数冊か。申し訳程度の気晴らしだな」


銃士「お、机の引き出しに日記が入っとるな」


赤魔「人の日記を勝手に呼んじゃダメだろぉ……」


銃士「こちらも命かかってるんやから堪忍な」ぺらぺらっ


エルフ「ホコリっぽいから静かにめくってくれる?」こほっ


銃士「すんまへん」ぺらっ
627 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/18(月) 14:08:12.70 ID:c1y7PfnIO

戦士「これは少女が書いた絵か。家族の絵か?」


戦士「(母親とおそらく執事だろう老人は普通に描かれているが……父親の絵は目がやたらと怖いし、少女は顔も書いてないし、体の輪郭が大幅に歪んでる。他の絵もあるが色使いといい、少し常軌を逸してるな)」


エルフ「うわぁ……流石にちょっと怖くなってきたかも」


商人「ここに一人で来たら泣き出しそうです……」


赤魔「ほんと帰りたい……」


盗賊「銃士、日記の中身は?」


銃士「創作の物語やな。少女がお供を連れて色んなところに冒険に出る物語や」


エルフ「なに、私の話?」


銃士「この日記の持ち主の話やろ。体はこの狭い部屋にあっても想像の力で世界に飛び立とうとしたんやね」


エルフ「銃士にしてはやけにエモいこと言うね」


銃士「不憫すぎておセンチにもなるわ」
628 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/18(月) 14:10:21.32 ID:c1y7PfnIO

商人「と、ところで、先程から気になってるんですけど、この布団、やけに膨らんでますよね……?」


赤魔「ま、魔物か……?」


銃士「動いてるようには見えへんけどな?」


盗賊「違うとは思うが……」


エルフ「あー、銃士くん、ちょっとめくってみたら?」ひしっ


商人「銃士さん、お願いします」すっ


赤魔「……」ぶるぶる…がしっ


戦士「俺と盗賊はこの通りだから、手ぶらなお前に任せろ」


銃士「くそっ、商人くんは俺にくっついてくれる思うとったんに!」チャキッ


盗賊「重要なアイテムかもしれないから撃つな」


銃士「えぇ……」


盗賊「もしも即死したら蘇生はしてやる」


銃士「あれ、えろう痛うから堪忍してほしいんやけどなぁ」
629 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/18(月) 14:12:32.23 ID:c1y7PfnIO


ドクンドクンッ……


銃士「ほ、ほな、めくりまっせ。ほんまめくりまっせ?」


エルフ「しつこいよっ」



バクンバクンッ……



銃士「……」そーっ



バクンバクンッ……



エルフ「……っ」ゴクッ



ーーバッ



銃士「ひっ…………女の子の人形? 他は特に何もない」



エルフ「……なんだ」ふぅ





「それは私の人形」ピトッ





エルフ「」

630 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/18(月) 14:49:09.81 ID:c1y7PfnIO


銃士の『アルカナショット』!


ミス!


少女「すぐに撃つのね……私は何もできないのに」


銃士「ヘタレやからね」



エルフ「」←腰砕け


赤魔「」←失神


商人「」←思わず死んだふり



盗賊「……現れただけでパーティが半壊だ」


少女「少しだけ驚かそうと思ったんだけど」


銃士「(さっき外で見たんと同じ少女のはずなんに、今は痣やら傷やらでボロボロやな……父親にやられた傷か?)」


戦士「……君がこの部屋の少女でいいんだな?」


少女「そう。私はここにずっと閉じ込められてここで死んだの。最期はお父様に首を絞められて」


銃士「ひどいパパもいるもんやな。この人形は?」


少女「お父様が私を殺した後に作ったのよ。私の死体を詰めてね」


盗賊「狂ってるな」


戦士「俺たちは君を父親から救いに来た。来たが、どうすればいい? どうすれば君を救える?」


少女「あはは、私を救う? 私はもう死んでいるのに?」


戦士「……そうだとしても、死して尚、こうして囚われている君を解放したい」


少女「綺麗事ね。私のことなんか本当はどうでも良くて自分たちが助かりたいだけのくせに。それとも人を救った気分になって悦に入りたいの? どうせみんな汚い心をもって生きてるのよ。誰も私に本当の優しさなんてくれないのよ」
631 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/18(月) 15:01:38.15 ID:c1y7PfnIO

エルフ「めんどくさいやつだなー。そっちも解放される。私たちも解放されるでウィンウィンじゃんかよ。本当の優しさとか無償の奉仕とか真実の愛とかほざいてぐずってるヒマがあったら立ちあがれよ」ぷるぷる…すくっ


少女「私の苦しみが分からないからそう言えるのよ……」


エルフ「わかるわけないじゃん。みんな別の人間なんだよ。少しでも幸せになりたいなら幸せになれるよう自分からもがいてみなよ」


銃士「天は自ら助くる者を助く、やね」


少女「……私はもう死んでしまっているのに、幸せになんてなれないわよ。私の人生は絶望しかなかった。もう救われないのに何をもがくのよ……!」


戦士「でも、君はここにいるじゃないか」


少女「けれど私は……」


エルフ「私から言わせれば、君は生前も全く生きてなんかいなかったね。死んでいなかっただけだよ」


少女「……」


エルフ「だから私たちがもう一度、君に生命をあげるよ。あのクソ馬鹿親父をぶっ倒してね」


少女「……そんなことできるわけがない」


エルフ「自由を求めて立ち向かう。きっとその時はどんな時よりも確かに生きてるでしょ。君が君でいるうちにもう一度生きるべきじゃないの」


少女「……」


エルフ「分かったら協力して! 分からなくても協力して!」


少女「……本当に自分勝手なのね。こんな人知らない」


エルフ「私は主人公だからね」ふんすっ


少女「主人公……私は……私だって……」


エルフ「……」


少女「……もし、いつかまた会えたら今度は本当に友だちになってくれる?」


エルフ「えー、それは別の話かな」


少女「ふふ、本当にひどい人ね」


エルフ「……ま、考えておくよ」


少女「……」にこっ
632 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/18(月) 15:11:28.26 ID:c1y7PfnIO


少女「……その人形の中」


エルフ「ん?」


銃士「……」ぶちっ…ごそごそっ


『おもちゃの剣』を手に入れた!


少女「……きっと私の力だけじゃ足りないだろうけど、私にできるのはこれくらい」


エルフ「……ま、足りない分は貸しにしておいてあげる」


少女「ええ……」すぅ…


少女は姿を消した



銃士「エルフはんにしてはやたら熱く語ってたなぁ」


エルフ「うるさいよ。ちょっと思うところがあったんだよ」


戦士「(……思うところ、か)」



エルフ「さて、最低変態親父の妄執を終わらせにいきますか」


盗賊「赤魔と商人を起こしてからな」


エルフ「いつまでくたばってんの、もう」



to be continued...
633 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/18(月) 15:16:59.41 ID:c1y7PfnIO
○戦士メモ

・アルカナショット:魔力で生成された弾丸は実体のない魔物にも効く……はずだが幻惑の少女には全く効かなかった。地下通路では実体のない魔物を数多く倒していたのだが、どういうわけか攻撃が無効化されている印象が強い。


○エルフメモ

・死んだふり:一部の動物は身の危険を感じると『擬死』といって実際に身体が硬直して動かないような状態になるらしい。……商人、君は人間だから擬死しないでしょ! ヘタな言い訳すんな!

・主人公:私は私の物語の主人公だし、他の人は私を引き立てる物語の主人公だ。


○商人の鑑定

・おもちゃの剣:売値はつけられません。誰も傷付けられそうにないハリボテの剣ですが、それでもある虐げられた少女のささやかな反抗はその少女にとって会心の一撃たりえるでしょう。
634 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/18(月) 16:14:43.58 ID:YRdDN2cTO
おつおつ。核心に近付いてきたかな。
635 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/19(火) 02:38:00.54 ID:MJ4wPsG00
特効技や即死級の技は話を盛り上げるため無効化されるお約束
636 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/19(火) 16:39:26.15 ID:27sRh9490
エルフ優遇されてるなぁ、さすが主人公
637 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/21(木) 03:43:04.06 ID:bOxyqSh7O

エルフ「さて、死んだふり名人な商人くんの による鑑定の結果、『おもちゃの剣』はドレッドダドに有効そうだと分かったね」


商人「擬死なんだから仕方ないです……」


エルフ「タヌキか昆虫かよ……まあ、だからこれを活用してドレッドダドを倒しちゃおう」


銃士「しっかしほんまにあの巨大魔物を倒すだけで外に出れるんやろか? いくらダンジョンはそういうもんと言われてもな」


戦士「お前が悪魔の湿原で『解放の宝玉』を手に入れた時はこういうことはなかったのか?」


銃士「あらへんかったね。……せやかて、ほかに当てもないし……まずは試してみましょ」


エルフ「それなら冷や水をかけるようなこと言わないで欲しいよ」


銃士「あれ? これだけでシラけてまうん?」


エルフ「心の機微が分からないからモテないんだよ」


銃士「それ言われると説得力はんぱないわ」


赤魔「銃士はそういうとこあるよな」


盗賊「ああ」


銃士「oh...」
638 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/21(木) 03:46:29.50 ID:bOxyqSh7O

戦士「作戦はどうする?」


赤魔「刺せば終わりじゃないのか?」


盗賊「あの少女の話だとそれだけで決定的な一撃になり得るわけではないみたいよ」


エルフ「まあ、けど刺せば弱るでしょ」


戦士「作戦はどうする?」


商人「挟み撃ちにしてしまったほうが、おそらく敵も対処し辛くて有利かと」


銃士「デカブツ相手に固まっとったら不利やろうしな」


盗賊「……とりあえず地下から出るべきだ。ここは監禁のためのスペースだけあって袋小路だ。加えて息苦しいし黴くさい」


エルフ「さんせー」


赤魔「よしっ、脱出だ……ひゃぁぁっ!?」




ドレッドダド「……」ジィィ……




ドレッドダドの一部分が出現!



戦士「ここまで来たか!」


エルフ「ここには入れないんじゃなかったの!? ほんと気持ち悪い見た目しちゃって!」


商人「(逃げ場がないです、これはまずいです)」ゴクッ
639 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/21(木) 03:47:34.39 ID:bOxyqSh7O

ドレッドダド「おもちゃの剣を取ったな?」


エルフ「うわ、喋るのかよ!」


商人「(敵は間違いなくパワーアップしてますね。僕たちが地下にいる間もさらに死霊を喰らっていたのでしょう)」


ドレッドダド「俺の娘を奪うやつは許さん。俺の娘は俺のものだ。どこにもやらせん。永遠に俺の愛と共にあるのだ」


赤魔「……っ、いい加減にしろぉぉっ!」


赤魔の『火炎魔法』!



ゴオオオ……ッッ!!



エルフ「(え、なにその威力……)」
640 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/21(木) 03:50:17.31 ID:bOxyqSh7O

ドレッドダド<<ズズズ……


ドレッドダドは逃げ出した!



赤魔「はあはあ……」


エルフ「こんなとこで火炎魔法使うなよー」げほっ


赤魔「ごめん……なんかもう恐怖を通り越して怒りしかわいて来なくなった」


銃士「分かるわ。恐怖が続くと余裕がなくなるもんな」


戦士「赤魔のお陰で退却できたようだし、まずは地下から脱出だな」


盗賊「おそらく待ち伏せされてるだろうな」


戦士「……バトラーは大丈夫なんだろうか」


銃士「あんまり良い予感はせえへんな」

641 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/21(木) 03:51:27.88 ID:bOxyqSh7O

・・・


バウンテッドバトラー「……」


盗賊「おい、大丈夫か? ドレッドダドにやられたのか?」


バトラー「ぅ……」


盗賊「少しまっていろ。回復できる奴を呼んでくる」


バトラー「そ、それより、階上に旦那様が……街の全ての死霊を吸収……隙を作らなければ勝機は……」


盗賊「……そうか」


バトラー「……お嬢様を救っていただいて……ありが……」


バウンテッドバトラーは事切れた……


盗賊「……」
642 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/21(木) 03:55:58.72 ID:bOxyqSh7O

赤魔「バトラーは良いやつだったのに……っ」


戦士「ドレッドダドを倒して決着をつけよう。犠牲になった全てのものたちのために」


エルフ「……隙を作らないとダメっぽいの?」


盗賊「ああ」


商人「強化されたドレッドダドが上に待ち構えているんですよね……どうしましょう……」


銃士「そら、出て行くしかないやろ」


戦士「……先に俺が行く。銃士、支援を頼む」


銃士「しゃーない」


赤魔「あ、危なくないか?」


戦士「それは全員同じだ」


エルフ「……」


銃士「んまっ、そんな心配そうな顔せんどいてや。戦士の死にたがりを死なずにすんのが俺やからな」


エルフ「別にしてないっての」


銃士「あら、そう。俺の見間違いかぁ」


エルフ「うっといな……」


戦士「先制でやられても俺が一番耐えられるからな。それがベターだろう。他は俺の後に続いてくれ。商人は安全を確保してくれ」


エルフ「……君たちが死んだら取り分が増えるね」


戦士「残念だがそうはならない」



商人「ところで『おもちゃの剣』なんですけど……相手の知能と先入観を利用しませんか?」



643 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/21(木) 04:11:50.34 ID:bOxyqSh7O

・・・

ドレッドダド<<ズズズ……


ドレッドダド「ふん、やはり最初は捨て駒か」


戦士「(デカいなっ……!)」ドドドッ……


戦士「うぉぉっ!」


ドレッドダドは無数の触手で戦士を絡めとろうとする!


銃士の『クリティカルバースト』!


触手がわずかに怯む!


銃士「巨大なアンモナイトみたいな見た目に化けよって!」


ドレッドダドの『ぶん回し』!


戦士は銃士を庇った!


戦士「ぐぅぅ……っ!」


銃士「戦士! 右に展開しろ!」


ドレッドダド「(挟撃するつもりか? 恐らくこいつらはデコイだ。後続がナイフを持っているだろう)」


戦士の攻撃!


触手がわずかに怯んだ!
644 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/21(木) 04:13:19.29 ID:bOxyqSh7O


銃士に向かって触手が伸ばされる!


赤魔の『火炎魔法』!


触手が大きく怯む!


赤魔「炎が嫌いか! もっと燃やしてやる!」


ドレッドダド「(こいつは始めからナイフを装備している上に女児だ。こいつは要警戒だ)」


戦士「赤魔! こっちだ! 右に来い!」


赤魔「あ、ああ!」


エルフ「おりゃぁぁぁっ!」


エルフはナイフを持って直線的にドレッドダドへ駆ける!
645 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/21(木) 04:16:55.56 ID:bOxyqSh7O


ドレッドダド「(特攻……に見せかけたフェイクかもしれないが、こいつは無力化しなければいけない)」


エルフは触手に絡め取られた!


エルフ「やめて……! 私に乱暴する気でしょう! 同人みたいに!」


ドレッドダド「愚かな。あの娘の些細な抵抗では私をどうにもできないというに……」


エルフ「エルフの美少女だからって! エルフの美少女だからって! このロリコンど変態野郎!」


ドレッドダド「うるさいぞ小娘……! 死ね死ね死ね死ね死ね死ね!」ギチチッ


エルフ「んぎっ……!」



戦士の攻撃!


赤魔の『火炎魔法』!



触手が怯んだ!


エルフへの拘束が解かれた!


エルフ「あいてて……かわいいエルフちゃん相手にこのグロど変態ロリコン狂気化け物野郎め」


エルフは右に移動した!
646 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/21(木) 04:24:52.28 ID:bOxyqSh7O


ドレッドダド「ふん……しかしナイフは奪った。後は貴様らも始末して取り込んでやる!」


ドレッドダド「(……待て!? これは、おもちゃのナイフじゃない!?)」


赤魔「落書きした俺のミスリルナイフちゃんと返せよ!」


ドレッドダド「(それでは本物はどこだ……)」ザワザワ…


盗賊の『魔人化』!



魔人「……」スッ


エルフ「盗賊選手ー!」


赤魔「大きく振りかぶってー!」


ドレッドダド「(全力でナイフを投げるつもりか!? だが……これなら防御で防げる! 他の小娘二人と大男も警戒できている!)」


銃士「まあ、おもちゃのナイフを持ってるのは俺なんだけどな」バスッ


ドレッドダド「はっ?」ズドッ


ドレッドダドは大幅に弱体化した!



銃士「武器を弩に替えたんやけど気づかんかったか? 女の子に刺されたい気持ちは叶えさせませーん」


ドレッドダド「な……きさま……っ!」


エルフ「子どもは厳しい親相手には見てないところで反抗するもんなんだよ」
647 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/21(木) 04:28:25.78 ID:bOxyqSh7O


魔人「……吹き飛べ」



魔人の『魔導砲』!



ーードレッドダドの半身を消し飛ばした!



盗賊の魔人化が解けた!


盗賊「……後は任せるわね」パタッ


盗賊は気絶した!



商人「盗賊さんは任せてください!」


商人は盗賊を安全地帯に避難させた!



ドレッドダド「アァァ……崩レ……マダ……マダマダァ……消エヌ……マダァ……ッ!」



エルフ「いや、消えろよ」



エルフの『滅撃・炎』!


ドレッドダド「ンギャッ!?」



赤魔「魔法剣うぃずミスリルナイフだ! 倒れるまで何度でも攻撃してやる!」


赤魔の『火炎剣』!


ドレッドダド「ギィィ……ッ!」


648 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/21(木) 04:36:03.31 ID:bOxyqSh7O


ドレッドダド「メスガキ風情ガ……!」


ドレッドダドの『ぶん回し』!


戦士はパーティを庇った!


戦士「これ程度の攻撃では俺一人倒せないな」


ドレッドダド「貴様ァァッ!」ウゾゾッ


銃士の『アルカナショット』!


ドレッドダドの触手は大きく怯んでいる!


銃士「お兄さん、後はサポート役に徹しますぅ」パシュッ……ガチャッ……ギギィ……パシュッ


ドレッドダド「グ……コノ……ッ!」


エルフ「これで好き放題全力攻撃できるね」


赤魔「……何度でも焼き切ってやる!」


ドレッドダド「ヒ……ッ!」


649 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/21(木) 04:38:38.84 ID:bOxyqSh7O


エルフの『滅撃・炎』『滅撃・炎』『滅撃・炎』……!


赤魔の『火炎剣』『火炎剣』『火炎剣』……!


銃士は反撃しようとする触手を撃ち落とす!


戦士はパーティを庇い続けている!



ドレッドダド「タ、タスケ……イヤダ……」


エルフ「ふざけんなよ……!」ドゴォォッ!!


銃士「助けを求めるにはだいぶ手遅れやなぁ。ドレッドダドさんの来世にご期待ください」パシュッ


ドレッドダド「イヤダ……死ニタクナイ……死ニタク……」


赤魔「あの娘だって、おんなじこと思ってたんだよッ!」ザクッ、メララ…ッ!


戦士「還る前に痛みを知れて良かったな、贖って安らかに眠れ」キィンッ


ドレッドダド「ゥォォォォ……」
650 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/21(木) 04:41:14.97 ID:bOxyqSh7O


エルフ「はあはあ……どりゃぁっ! これでラストだぁ……ッ!」ググッ……!



戦士の攻撃!


触手<<スパッ



ドレッドダドを倒した!



赤魔「あっ」


エルフ「…………」


戦士「……俺たちの勝ちだな」にこっ


エルフ「この振り上げた『破魔の杖』、どこに振り下ろすべきかな……どこに振り下ろすべきかなぁ!?」ジリッ


戦士「いやいや、仕方ないだろ……」


銃士「わはは、カッコつかんな主人公(笑)」


エルフ「ふんっ」


銃士「あぶなっ!?」
651 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/21(木) 04:43:30.41 ID:bOxyqSh7O



赤魔「盗賊! 大丈夫か!」ダダッ


商人「眠ってるだけでおそらく問題ないです」


エルフ「商人、意識がないからっていかがわしいことしてないよね?」


商人「銃士さんじゃあるまいしあり得ませんよ」


銃士「いや、俺かてせんけどね!?」


戦士「しかし、すごい技だったな」


銃士「なぁ? 魔人ってすごいんやな」


赤魔「な、なあ!」


エルフ「あんだよ?」


赤魔「その、盗賊のこと、できれば、怖がったりしないでほしいんだ……盗賊だって必死だったから……」


ぽんっ


戦士「誰も感謝こそすれ怖がってなんかないさ」


商人「そうですよ。魔人というからもっと恐ろしい姿かと構えていたらそうでもありませんでしたしね」


銃士「せやせや。あの姿で冷たい目で罵られたら気持ち良さそうや」


エルフ「君はちょっと黙ってようか。別に今までの人がどういう反応してきたか分からないけどさ、この最強で最高に可愛くて有能なリーダー率いるチームエルフのメンバーがたかがそれくらいでビビったりしないよ」


赤魔「……エルフ」がばっ


エルフ「ちょっ……」


赤魔「口が悪くて態度が悪くて意地が悪くてもお前はやっぱり良いやつだなぁ!」ぎゅぅぅ…


エルフ「やかましいよ!」


銃士「盗賊はん、この光景を見られず残念やなぁ」
652 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/21(木) 04:45:25.11 ID:bOxyqSh7O


スゥゥゥ……


商人「あ、帰れるようになったみたいですね」


エルフ「このダンジョンってもしかしてもう機能しない? それとも私たちが出た後で全て元通りになるの? ……下手したら今回の親娘も」



商人「ど、どうなんでしょうか? ボスを倒した事例はありませんからね。ダンジョンは攻略されたがっている、というのならもう戻らないのかもしれませんね」


エルフ「……下手したら稼ぎ場が一つなくなっちゃうじゃん! 商人! アイテム! レアアイテムの確保だ! 赤魔! 銃士も! 戦士なら一人背負おうが探索ぐらい余裕だよね!?」


商人「持っていけるだけ持っていきます!」


銃士「よっしゃ、荒らしたろ!」


赤魔「レアアイテムが待ってるぜ!」


戦士「元気な奴らだな……」



Chapter4:幻惑の街
ーーーーーーーー
653 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/21(木) 04:50:59.90 ID:bOxyqSh7O

○戦士メモ


・ドレッドダド(完全体):最初の出現時は人間の骨のような姿をしていたが、決着をつけた時は触手と甲殻を持つ異様な巨大怪物と化していた。『おもちゃの剣』によって弱体化していなければ間違いなく勝てなかった。あっさりと勝てたのは運が良かったのと、相手に高度な知能があったためにむしろ騙しやすかったことに起因する。

・ダンジョン制覇:この後、聞くところによると幻惑の街はダンジョンでなくなってしまい、アイテムはおろか、魔物も出なくなってしまったらしい。おそらく称賛ばかりされることではないが、今後に出たであろう犠牲者がいなくなること、そして、少女と街の人々が安らかに眠れることは、間違いなく良いことだと俺は信じている。



○エルフメモ

・魔人化:盗賊は3秒だけ魔人に変化できる。魔力の爆発的な増加量を考えると3秒の持続でも大したものだと思う。見た目も恐ろしいバケモノになるかと思ったら、肌の色が変わってツノが生えて目が紅くなったくらいの変化だった。どうでもいいけど、盗賊が男だったら絶対にいかついバケモノの姿になってた。100万G賭けてもいい。そんなに持ってないけど。

・魔導砲:莫大な魔力を収束させて、エネルギー弾を放つ盗賊の必殺技。弱体化してもまだ体力オバケだったドレッドダドを一気に追い込んだ。使用後戦闘を離脱することもあってまさに対ボス決戦技って感じ。

・ダンジョン荒らし:幻惑の街を荒らしたことで累計で9万G近く稼いだ。これだけの金額があれば6等分しても戦士の年収よりも多い。ダンジョンってやっぱり儲かるんだなぁ。幻惑の街がもうダンジョンとして機能しないのが残念でしょうがない。商人、しっかりと換金して、盗まれないようにしてよ!


>>654
コンマ下2桁
ゾロ目:ヤンデレンジェル
ゾロ目以外:通常進行
654 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/21(木) 04:59:16.10 ID:GlVHoG29o
ゾロ目ァ!!
655 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/21(木) 04:59:47.28 ID:GlVHoG29o
イチタリナイいいいいい!
んぬあああああああ!
656 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/21(木) 09:12:34.04 ID:wHYhHIY9O
>>654
この無能野郎がぁ!
私の手本を見てろゾロ目ってこうやるんだよ
657 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/21(木) 09:15:39.25 ID:9H+9V4vgo
おつ
658 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/21(木) 11:41:05.17 ID:QP6HEJlDO
おつおつ。ヤンデレンジェル……赤魔ちゃん?
659 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/21(木) 22:02:17.88 ID:UfXab4MEo


ゾロ目…どこ?
660 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/21(木) 22:04:48.70 ID:sIlJYvSlO
>>659
654でしょ。てかあんたがゾロ目やんw
661 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/24(日) 16:05:17.46 ID:6jXz8hWS0
ダンジョン制覇ってことは飛竜の塔は飛竜を倒すことがゴールなのかね、なんぁ戦士とはギリギリ友好っぽかったけど
魔物の洞窟の20年間倒されてないボスなんてのも示唆されてるし、気になりますねぇ
662 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/26(火) 12:35:00.38 ID:UaMyiEniO

【戦士の自宅】


エルフ「ぐへへ、9万G……ぐへへ……笑いが止まんないね」


戦士「パーティの共有財産だけどな」


エルフ「しばらく遊んで暮らせるよ……うへへ……」


戦士「換金するにも額が大きいから分割して払われるけどな」


エルフ「……人が気分よく富の悦楽に入ってるのに邪魔しないでくれる?」


戦士「すまん」


エルフ「……月割の支払いで一人1250Gか。大成功といっていいくらいなのに、ダンジョン冒険者ってあまり稼げないのかもね」


戦士「費用ほとんどなしで9万Gを一気に稼いだら大したもんだろ。死ぬリスクは負ってるとはいえ」


エルフ「まあ、世の中、労苦と報酬が釣り合ってない仕事って結構あるしね」


戦士「どこでそういう差が出てくるんだろうな」


エルフ「そりゃあ大原則は『需要と供給』でしょ。そして、需要と供給が歪むからその差が不当に大きくなったりするのさ。例えば特権を与えるような規制だとか、学歴や身分による違いだけでプレミアムがついたりだとか、『この仕事の報酬相場はこんなもの!』って根拠のない偏見が世の中に定着したりとかね。相手の足下を見て決めることも多々あるだろうし」


戦士「……商人みたいなこと言うんだな」


エルフ「基本的に私と商人は思考の論理と前提が一緒だからね。話してるとつくづくそう思うよ」


戦士「……」


エルフ「お、なに嫉妬? 嫉妬してるの?」


戦士「嫉妬? 何にだ?」


エルフ「うるせー、ばーか」


戦士「なんなんだよ……」
663 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/26(火) 12:38:08.86 ID:UaMyiEniO

エルフ「……」むすっ


戦士「……俺が悪かった」


エルフ「私がなんで怒ってるか分かる?」


戦士「えぇ……」


エルフ「エルフちゃん激おこだよ。『なんで怒ってるか分かる?』なんて聞いちゃう檄おこメンヘラ構ってちゃん状態だよ」


戦士「自分で言っちゃうのか」


エルフ「相当機嫌悪いよー、簡単には治らないよー。夕食に『アシナガ豆と仙人豚のポークビーンズ』を奢ってもらわないとどうしようもないね?」


戦士「いや怒ってないだろ」


エルフ「怒ってるよ。だから奢ってもらわないと鎮まらないね。戦士の金でタダ飯が食べたい。ポークビーンズと同じくらい評判のいいクロワッサンも食べたい!」


戦士「相変わらず欲望に素直過ぎだし、欲望を素直に話し過ぎるやつだな……」


エルフ「遠慮するような仲じゃないでしょ?」


戦士「親しき仲にもだな……中央区に新しく出来た店だよな?そこそこ高いと聞くんだが」


エルフ「ごちそう様でっす♪」


戦士「既に奢ってもらう前提かよ。奢らんからな」


エルフ「しみったれてるなぁ」


戦士「そういう対応する仲でも無いだろ……」


エルフ「はいはい、けちんぼけちんぼ。じゃあ今日の夕飯はそこでいいよね?」


戦士「……奢らんからな?」


エルフ「それなら1000Gも返さないからね」


戦士「どんな理屈だ!?」


エルフ「ポークビーンズとクロワッサン〜♪」


戦士「お前に一生勝てない気がする……」
664 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/26(火) 12:40:39.29 ID:UaMyiEniO

・・・
【中央区・レストラン】


エルフ「〜〜♪」もぐもぐ


戦士「美味そうに食うよな」


エルフ「美味しいからね♪」


戦士「確かに美味い」


エルフ「そういえば、戦士、引っ越ししない?」


戦士「は?」


エルフ「だって今の部屋ボロいし狭いじゃん。少なくとも1年間は定期的な収入がみこめるし、もっと広くて綺麗な場所に引っ越したい」


戦士「……いや、お前が独りで引っ越せば良くないか?」


エルフ「……本気で言ってる?」


戦士「……どうせまた一文無しになって転がり込んで来るのが目に見えてるし、引っ越すか。1000Gを踏み倒されても困るしな」


エルフ「わー、借金を理由に美少女を囲おうとしてる。なんて最低な男なんだ」


戦士「お前な……!」


エルフ「クロワッサンのおかわり貰えるらしいよ? 戦士もいる?」


戦士「……ああ」
665 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/26(火) 12:43:02.28 ID:UaMyiEniO

戦士「それでどこか引っ越しの当てでもあるのか?」


エルフ「……やっぱりメンドイから良いや」


戦士「はあ?」


エルフ「引っ越しってめんどくさいじゃん? それにどうせならもっと稼いで不動産買おうよ不動産。賃貸収入で働かずに暮らせるよ!」


戦士「いや、そんなに甘い世の中じゃないだろ。しかも不動産って……少なくとも30万Gは必要じゃないか?」


エルフ「まあ、そうだろうね。30万G……あと27万Gかぁ」


戦士「俺の財産まで含めて計算すんな!」


エルフ「30万G稼いで不労所得で生活したい。どうせならもっとデカいハコから収入を得てウハウハな生活がしたい」


戦士「夢は大きいな……」


エルフ「小さな可愛らしく整った体に大きな夢……ってやかましいよ筋肉ダルマめっ」


戦士「何も言ってないが!?」
666 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/26(火) 12:48:05.83 ID:UaMyiEniO


・・・
【帰り道】


エルフ「はー、食べた食べた」


戦士「見かけによらず結構食べるよな」


エルフ「身体は資本だよ。強い胃腸を持つものが勝つ世界さ」ふんす


戦士「ご先祖さまたちはそんな世界から逸脱するために文明を築いてきたんじゃないのかよ…………うん?」


<<いいから、俺たちと来いよ


少女?「や、やめてください……!」


<<おいおい、仲良くしようってだけじゃん?



エルフ「すぐ近所だってのに、頭悪そうな迷惑やろーどもがいるね」


戦士「……!」ずかずか


エルフ「あーあー……まあ、そうなると思ったけど」すたすた…



<<おら、来いよ!


少女?「ひっ……あっ、そこの人、助けてください……あっ!?」


戦士「おい、お前ら」ギロッ


<<あ? げっ、な、なんだよ……

<<べ、別に俺たちは何にもしてない


戦士「痛い目に遭いたくなければすぐに手を離せ……すぐにだ!」


<<ひっ……!


男たちは瞬く間に逃げ出した!


エルフ「(……なんか戦士らしくないね)」
667 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/26(火) 12:49:17.49 ID:UaMyiEniO


戦士「……何もされてないよな?」


少女?「う、うん……」


戦士「……」ほっ


エルフ「(やけに距離が近くない?)」


エルフ「戦士……誰? 知り合い?」べたっ


戦士「お、おい、やめろって」


少女?「えっ、えっ?」


エルフ「大丈夫だった?」


少女?「は、はい。ご心配おかけしましたっ」ペコペコッ


戦士「怖かったろ? とりあえず家に上がるか」


エルフ「は?」


戦士「ん? ああ、紹介してなかったな。妹だ」


妹「お、お手紙にあったエルフさんですよね? は、初めまして。兄がお世話になってます」


エルフ「あ、妹さん……」ぱっ
668 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/26(火) 12:58:54.82 ID:UaMyiEniO
・・・
妹「お、お邪魔します」


戦士「適当に座ってくれ」


エルフ「飲み物は紅茶でいい?」


妹「お紅茶! そ、そんなハイカラなものはいただけないです!」


戦士「ダンジョンからいくらでも取れるからな。そう気にしなくていい」


妹「け、けど……」


エルフ「……とりあえず入れるね」



戦士「どうして夜に一人でうろついていた。危なかったんだぞ」


妹「ご、ごめん。もっと早く着いたんだけど、道に迷っちゃって。さ、さっきも道を聞いたら少し遠いから案内してくれるって……でもこの近所のはずだしって……それで……」


戦士「……そうだったか。それで、そもそもどうして来たんだ?」


妹「……お手紙届いてなかった?」


戦士「いや」


妹「……あっ、そういえば祝日挟んだから来週になっちゃうのか。ごめんね……」


戦士「それはいいが」


エルフ「……」ことっ


妹「ご、ごめんなさい……! ありがとうございます! 本当にごめんなさい!」ぺこぺこっ


エルフ「う、うん。戦士はコーヒーでいいんだよね? 夜だけどさ」


戦士「ああ。ありがとう」
669 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/26(火) 13:06:14.48 ID:UaMyiEniO


妹「……」ほうっ


エルフ「……なに?」


妹「こんな美人さん見るの初めてで……なんか自分が恥ずかしいです……」


エルフ「まあ、私は世界一可愛いからね」ふふん


妹「世界一! すごいなぁ……! けどエルフさんなら確かに……!」キラキラッ


エルフ「……この子は純粋過ぎる子なの? 腹黒演技派過ぎる子なの?」ひそっ


戦士「困ったことに前者なんだ……優しくしてやってくれ」ひそっ


エルフ「エルフちゃんどっちも苦手……仕方ないな」



妹「あ、それで上京してきた理由なんだけど」
670 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/26(火) 13:07:51.99 ID:UaMyiEniO
・・・

戦士「奉公先の下見か」


妹「うん。この街の商家に来年から下女として奉公することになったの。今は畑も忙しくないし、一回は街に行こうと思って」


戦士「なるほどな」


エルフ「奉公って……仕送りが足りてないの? 戦士は結構仕送りしてるみたいなんだけど」ひそっ


戦士「こっちの地域だと年頃の娘は大体奉公に出されるもんだ。もしくはすぐに嫁入りするかだな」ひそっ


エルフ「ふーん……どこも自由がないなぁ」



妹「……あと、お兄ちゃんに話があってね」


戦士「……ん?」


妹「最近、仕送り額が急に増えて、お母さんも大兄も心配してるんだよ。無理してるんじゃないかって」


戦士「そんなことはないさ。今は色々と仕事が上手くいってるだけだ」


妹「……本当に?」


戦士「ああ」


妹「……お兄ちゃん。私も奉公に出るし、もう糊口のために傭兵さんなんて危ない仕事しないで。また大工さんのところで堅実に生きて欲しいの」


エルフ「……大工だったの?」


戦士「丁稚奉公でな」


エルフ「そこから道を踏み外してダンジョン冒険者か……」


戦士「言うな……あと本職は傭兵だ」


エルフ「でもダンジョン冒険者としての方が稼いでるじゃん」


戦士「それを言われると耳が痛いな……」
671 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/26(火) 13:14:32.26 ID:UaMyiEniO


妹「お兄ちゃん……」


戦士「そうだな……俺は体が丈夫なことくらいしか取り柄がないし、まだしばらくは今のまま行こうかと思う。末妹がもう少し大きくなるまではな」


妹「でもお兄ちゃんが死んだらどうするの!? お父さんだけじゃなくてお兄ちゃんまで……!」


戦士「……心配するな。俺はまだまだ生きるつもりだ。よぼよぼの爺さんになるまでな」


妹「だけど……」


戦士「それより泊まっていくんだろう?」


妹「うん。そう手紙に書いてたのに届いてないんだもんね」


戦士「やっぱりそうだよな……」


妹「ダメかな? 寝床ふたつあるし大丈夫そう……ふたつ?」


戦士「……」


エルフ「……もしかして私が転がり込んでること言ってない?」こそっ


戦士「言えるわけないだろ……」


妹「……」ボボボ…ッ


妹「あの、お兄ちゃんとエルフさんて……あの……ご、ごめんなさい! 宿とります! ごめんなさいっ!」


エルフ「待った待った! これは……あれだよ。そう、たまたま私の借屋が改装中でね、それで戦士のところに少しの間だけお邪魔させてもらってるんだ。特に君が想像してるようなことはないよ」


妹「だ、だけど結婚もしてない男女の同じ部屋で……もしかして既に結婚……!?」


エルフ「いやいや! いやいやいやいや! 純粋に頼るところが他になくてさ。戦士ってアホみたいに優しいから助けてもらってるんだって」


妹「……そ、そうなんですか。あ、で、でもそういえばさっきすごい密着していたような……」


エルフ「え、えと、あれは怖かったからくっついてただけ! あ、体調も悪かったんだよ!」


妹「そうなんですか……って、今は大丈夫なんですか……? 体調不良なのにお紅茶淹れてもらってすみません本当にごめんなさい……!」ぺこぺこっ


エルフ「いや、いいから! もう良くなったから! うん!」


エルフ「(め、めんどくさい)」

672 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/26(火) 13:16:15.96 ID:UaMyiEniO


戦士「ま、まあ狭いが少しだけなら泊まれるから大丈夫だ。何日くらいこっちにいる予定だ?」


妹「し、明々後日の朝に帰るから3泊させてもらえないかな?」


エルフ「(3泊もかよー……)」


戦士「ああ、分かった。エルフ、大丈夫だよな」


エルフ「そりゃ、家主の妹さんならね。私が文句言える立場じゃないよね」


妹「ほんと申しわけないです……手際悪くて恥ずかしいなぁ……」


エルフ「ほんといいから……」


戦士「それでベッドなんだが……」
673 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/26(火) 13:18:55.26 ID:UaMyiEniO

・・・

戦士「……」←エルフのベッド


エルフ&妹「……」←戦士のベッド



エルフ「(なんでこの配置……初めて会った人と同じ布団とか気まずいんだけど……眠れない……)」


戦士「……」...zzz


エルフ「(あっちはお気楽に寝入ってるし……!)」いらぁっ


妹「……あの、起きてます?」


エルフ「あ、うん」


妹「ほんとうにごめんなさい……。ご不便おかけして……」


エルフ「いや、大丈夫だって」


エルフ「(そんなに申し訳なさそうにされるとこっちの居心地が悪いんだよねぇ)」


妹「……お兄ちゃんがよくエルフさんのこと手紙に書いてます。『とても頼りになる』って……」


エルフ「(内緒話のつもりなんだろうけど、その手紙結構な頻度で中身見てるんだよね。実は君の手紙も怒られない範囲でたまに覗き見してるんだよね。なんかごめん)」


エルフ「……兄妹仲が良いんだね」


妹「……はい。昔からお兄ちゃんの後ろを追いかけ回してました。お兄ちゃんはいつも優しくて頼りになるし、私のこと大切にしてくれて、味方でいてくれて……」


エルフ「うんうん」


妹「……お兄ちゃんに危険なことして欲しくないんです。ダンジョン冒険者なんかやめていっそ村に戻って来て欲しいんです」


エルフ「それはさっき戦士が否定してたじゃん」


妹「けど本当に心配で……お兄ちゃんには幸せになって欲しいんです。いっつも損ばっかりして、自分のことよりも他のみんなのことばかり考えて、たびたび都合よく使われて、それでも怒ったりなんかしないで……幸せになって欲しいんです」ぐすっ


エルフ「……」



エルフ「(どうでもいいけど、この娘おっぱい大きいな)」
674 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/26(火) 13:25:22.45 ID:UaMyiEniO
・・・
【赤魔と盗賊の部屋】


エルフ「……そんな訳で昨日は全然眠れなかった」


赤魔「それでそんなに眠そうなのか」



エルフ「今日は二人で買い物に行くんだってさ。邪魔者扱いされた可愛そうなエルフちゃんはここに追いやられてしまったわけ」


赤魔「家族か。俺も久しぶりに……ひいおじーちゃんとひいおばーちゃんとお祖父ちゃんとお祖母ちゃんとお母さんとお父さんとイチ姉とイチ兄とジロ兄とサブ兄とシロ兄とポチとタマとタビに会いたいな」


エルフ「……大家族だね?」


赤魔「俺も入れて12人家族で、村でも一番だったなー」


エルフ「その末っ子か……よく冒険に出してもらえたよね」


赤魔「盗賊が一緒ならいいかってなった」


エルフ「そこはどういう経緯なんだい……そういえば盗賊は今いないの?」


赤魔「調べものだってさ。最近は図書館によく行ってるみたいだ。ついてこうとすると怒られるんだよな」


エルフ「君って活字とか読まなそうだし、落ち着きなさそうだもんね」


赤魔「そんなことないぞ! 冒険の本とか読んだりするし、色々と図鑑を見たりもするっての! あとは外でおじさんの紙芝居見たり!」


エルフ「その年で紙芝居って……」


赤魔「別にいいだろ! 面白いものはいくつになっても面白いんだよ!」


エルフ「はいはい……ちょっと君のベッド貸して。ガマンしてあげるから」


赤魔「何のガマンだよ!」
675 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/26(火) 13:29:49.47 ID:UaMyiEniO


エルフ「……」もぞもぞ…


赤魔「なーなー、寝る前にRPGやろうぜ。せっかくエルフが持ってきたわけだし」ゆさゆさ…


エルフ「えー、眠いよー」


赤魔「ちょっとだけ! な? な? ほら、この前ダンジョンで拾ったRPGを改造できるやつ! 商人から買ったんだ」ワクワク


エルフ「なんかやたらソレ売るの渋ってたよねぇ……改造って言っても、そのRPG自体は結構遊び尽くしたし多少の改造くらいじゃね……はあ、仕方ないなぁ」


エルフは『RPG改造キット・R16ver.』を使った!


エルフはRPGを起動した!


赤魔「……どうなるのかな! クリア後のストーリー追加とかがいいな!」


エルフ「地味にプレイアブルキャラの追加とかじゃない?」


赤魔「それも良いなー!」


エルフ「……今のところあまり変わりなさそう?」


赤魔「うーん……お、魔物とエンカウントした……魔物が女の子になってる!? しかもなんで裸なんだ!?」


エルフ「えぇ……うわ、敵めっちゃ強い。え、待って待って強い強い」


赤魔「何もできず負けた……難易度上がり過ぎだろ。ゲームオーバー……じゃない!? えっ? はっ? えっ?」


エルフ「ああ、そういう……」

・・・

エルフはRPGを終了した…
676 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/26(火) 13:32:18.85 ID:UaMyiEniO


赤魔「……」ぽかん


エルフ「……世界は広いね。さて、私は寝る」


赤魔「なんだったんだよぉ……」


エルフ「知らん知らん。おやすみ」もぞもぞ…


赤魔「……お前が寝るなら俺も寝る」もぞもぞ…


エルフ「入ってくんな!」


赤魔「いやだ!」


エルフ「盗賊の方で寝て!」


赤魔「これは俺のベッドだぞ!」


エルフ「今は私のもんだ! というか君のものは私のものだから!」


赤魔「なんだと!」もぞもぞ…


エルフ「やーめーろー! 寝させろー!」
677 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/26(火) 13:37:34.03 ID:UaMyiEniO

【図書館】


商人「……」ぺらっ…ぺらっ…


商人「(この本にも情報エネルギー、情報空間といった概念は載っていませんね。司書さんにも聞いて物理学や数学の本も漁ってみてもハズレ……うーん……)」パタンッ


商人「(この棚、届きそうで微妙に届かない……背がもう少し大きかったらなぁ……戦士さんや銃士さんくらい大きかったら女に間違われることもきっと減るのに)」ぐぐっ


ぴとっ…


商人「!」びくっ


本<<すっ……


商人「あ、ありがとうございます」


ぐいっ……ぴたっ


商人「っ……!?」


商人「(も、もしかして女と間違われてる!?)」あたふた


商人「ちょっーーむぐっ」


商人「(ひぃ……!)」
678 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/26(火) 13:40:12.50 ID:UaMyiEniO

「館内では静かに……」ぱっ


商人「えっ……あ、その声、盗賊さん……?」


盗賊「正解。そんなに怯えてどうした?」ぱっ


商人「いや、危ない人かと……」くるっ


盗賊「……確かに商人は女に見えるものね。それに加虐性を煽るような姿態を見せる」ずいっ


商人「い、いや、あの、ち、近いです……」


商人「(盗賊さん、僕よりかなり大きいからこう迫られるとちょっと怖い……けど)」どきどきっ


盗賊「……」


商人「あ、あの……」


盗賊「やっぱり男ね」すっ


商人「え、はい……」


盗賊「……ここじゃ迷惑だし少し談話室にでも行かないか?」


商人「あ、はい」
679 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/26(火) 13:44:08.20 ID:UaMyiEniO

・・・

盗賊「はい。ミルクティで良かったか」


商人「ありがとうございます。お幾らでした?」


盗賊「別に払わなくていいわよ。安かった」


商人「でも……ありがとうございます」


盗賊「今日は店が休みなのね?」


商人「午後から仕事なんです。その前に色々と調べておこうと思いまして」


盗賊「大変だな。……それで、何について調べていた?」


商人「ミミックガールさんの残した謎の言葉です。それと不帰の虚、大賢者についてなどですね」


盗賊「何か分かったことは?」


商人「ミミックガールさんの言葉については何も分かりませんでした」


盗賊「そうか……」


商人「ただし『不帰の虚』と大賢者については新しく知ったことがありました。不帰の虚はダンジョン化する前には遺跡があって、大賢者さんは遺跡について調査をしていたようです。当時は国立研究所の研究員だったと記録にあります」


盗賊「……よくそんな情報を見つけて来るな。感心する」


商人「大したことはしてないです。それで、文化人類学と魔法学を修めている優秀な人のようでしたが、大賢者と呼ばれ始めたのはこの遺跡の調査を終えた後ですね」
680 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/26(火) 13:47:21.13 ID:UaMyiEniO

盗賊「その遺跡に関しては?」


商人「それがほとんど言及がないんですよね。出土してから半世紀経ってないらしいですが……何度か調査はされたもののどういった遺跡なのか不明だったようです。今は遺跡自体が失われてしまったため詳細は分かりません」


盗賊「……怪しいな」


商人「怪しいですよね」


盗賊「記憶だとサモナーは出戻りだったと聞く。おそらく、その遺跡で何かを発見したのかもしれない」


商人「ええ……その遺跡がもしかしたらミミックガールさんのいう『情報エネルギー』や『情報空間』という言葉と関連するかもと推測して調べてみたものの、ハズレでした」


盗賊「……大した進捗だ。流石ね」


商人「そう言っていただけると幸いです。ダンジョン探索の際は僕は足手まといになってばかりですから、それ以外の部分でくらい仕事しないとエルフさんに怒られちゃいますから」


盗賊「……アナタは私たちのパーティの根幹に関わってると思うわ。冒険の手配、事前調査、アイテムの発見、理性的な判断ーー高く評価してる」


商人「……」てれっ


盗賊「エルフもとやかく言うけれど、やっぱり評価してると思うわ。……引き抜かれたり独立したりするなよ?」顎クイッ


商人「あわわ……な、なんですか?」


盗賊「……色仕掛け?」


商人「色々とおかしいですよっ!」
681 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/26(火) 13:49:03.24 ID:UaMyiEniO


獣人「……」ガチャッ…


<<ちっ、ケモノくせぇ……


獣人「……!」



盗賊「……」

商人「……」


獣人「……」おろおろ…がちゃっ


獣人は談話室から出て行った…



盗賊「……この前のテロ、まだ犯人グループが捕まってなかったわね」


商人「ありましたね。獣人たちの関与を否定する公式声明は出されましたが世論は中々……」


盗賊「……多数派による差別や弾圧、ヘイトスピーチ。理性を用いてる獣じみた所業……私たちはどこまで行っても動物に過ぎないな?」


商人「……世の中は良くなっていく余地がありますし、そうしようとしている人もたくさんいますよ」


盗賊「……そうだといいわね」
682 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/26(火) 13:54:25.15 ID:UaMyiEniO


<<さっきから何だお前たち? 女同士で気持ちわりい。消えろや


盗賊「お前が消えたらどうだ?」


商人「ちょっと、盗賊さん」


<<女が生意気いってんじゃねえぞ! これだから半端知識にかぶれた女は嫌いなんだよ! なにが啓蒙だ! 女なんて家の中で男の機嫌とってりゃ良いんだよ!


盗賊「息をしないで欲しいわ。不快な臭いがする」


<<てっめぇ!


盗賊「きゃぁっ!」スッ


メキャッ


<<ごふっ……


盗賊「あら、大変。悪漢が迫ってきたから思わず肘を突き出したら、“偶然にも事故で”急所に入ってしまったわ」しれっ


商人「(相変わらず達人だなぁ……本当に怯えて身を守ってるようにしか見えませんでしたよ)」


<<て、てめぇ……訴えてやる……


商人「……女性に殴りかかって乱暴しようとしたこと罪を白状するんですか? 殊勝なんですね」


<<て、てめぇら……!


ボソボソ…あのオッサン、官憲に渡すか……ボソボソ……いや、まず司書員に……さっきの獣人族への差別的発言も伝えて出禁にするように要求した方が……というかアイツ、前も騒いでたよなお前が迷惑だっての老害……ボソボソ……


<<っ……バカどもが……!



盗賊「面倒ごとにそうだし帰るか」


商人「はい。……もっと良くなると思うんですけどね」
683 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/26(火) 13:58:25.42 ID:UaMyiEniO
・・・

盗賊「……ただいま」


盗賊「(……この挨拶は、いつまで経っても慣れない)」


しーん……


盗賊「(赤魔は出かけてるのかしら……ん?)」


赤魔「……」すやすや…

エルフ「……」くぅくぅ…



盗賊「…………」

盗賊「…………」

盗賊「…………」



エルフ「ふわぁ……あー、結構寝ちゃってたかな」


赤魔「……んあ? あれ、盗賊帰ってたんだ」


盗賊「ああ、だいぶ前にな」


盗賊「(それからずっと寝顔を見てた)」


エルフ「あー、お腹すいた」


赤魔「なんか食べに行こうぜ」


盗賊「ああ」
684 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/26(火) 14:06:01.57 ID:UaMyiEniO

・・・
エルフ「スライム春雨は安定してるよね。もはやこの地域のソウルフードって感じ」


赤魔「〜〜♪」ちゅるる…


エルフ「はあ、今日も戦士の妹とベッドインかぁ」


赤魔「いっそ俺たちのところに泊まっちゃえよ。お泊まり会やろうぜ。お菓子買ってさ」


エルフ「やっちゃうかー」


盗賊「別にいいけれど戦士にちゃんと伝えて起きなさいよ」


エルフ「……あ、でも泊まるのも問題があるか。言い訳に失敗したなー。でもあの娘ならコロッと騙せそう……」


赤魔「あ、噂をすれば戦士だ」


盗賊「大きいからやっぱり目立つわね。隣の娘が戦士の妹か」


エルフ「そうそう。おっぱいが大きいんだよ。イカサマ師には敵わないけど」


赤魔「何言ってんだよ! ……でも確かにここから見ても分かるくらい大きい」


盗賊「そうね。商人を含めて私たちは四人とも小さいのに」


エルフ「私はこれから大きくなるから」


赤魔「大きいのも不便そうだけどな。動き辛そう」


盗賊「(……もしや、商人が男であることを二人とも忘れている?)」


赤魔「というか商人は男だろ!」


盗賊「……」ナデナデ…


赤魔「な、なんだよ?」
685 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/26(火) 14:09:27.45 ID:UaMyiEniO


【大通り】


銃士「(暇やなぁ……まあ、のんびりすんのも気持ちええ)」



<<……これがターニングポイントだな。手はずは整っている


イカサマ師「ふふ……明日は楽しいショーになりそうね」


<<……ショーと一緒にして貰っては困るな



銃士「(……あんなフェロモンむんむんな女の人がこの街にもおるんやなぁ)」


銃士「(それにショーって……なんや金持ちそうなオジさんとボインな美女だといかがわしいもんしか想像できひんな)」


銃士「(はー、この悲しみをどうすりゃいいの)」


銃士「(……酒とプリン買うて帰ろ)」



to be continued...
686 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/26(火) 14:17:05.97 ID:UaMyiEniO
○戦士メモ

・妹:来年で16になる。長兄は俺と妹よりも離れているため…正確には俺には3つ上の姉がいたのだが死産した……昔から仲が良かった。昔から内気で泣き虫な子で目が離せなかった。正直言って街で奉公させるのが心配でしょうがない。変な男が寄ってきたらどうしてくれるか。

・郵便:故郷では郵便物は週に一回だけ地方のより大きな街に集荷され、それからようやく配送される。おそらく妹はそれを見越して投函したと思うが、祝日の存在は忘れていたらしい。



○エルフメモ

・アシナガ豆と仙人豚のポークビーンズ:仙人豚は白ヒゲがいっぱい生えているのが特徴の豚で、脂身は少ないのに旨み成分が凝縮されていて、アシナガ豆の繊細な甘みとよくマッチする。トマトベースの酸味と絶妙なさじ加減のスパイス、特別なオーブンによる煮込みがそれを際立たせるんだよ。

・不労所得:もらって生きていきたい。

・謎の遺跡:不帰の虚が出現する前には謎の遺跡があったんだって。とても怪しいね。余談だけど、ダンジョンの出現で大量のアイテムが手に入ることで新たに大量のゴミ問題が発生したんだ。消費すれば捨てるものも出てくるのは必然だよね。さて、ここで問題! 私たちはどうやってゴミ問題を解決しているでしょう? 同じ方法で下水処理してるおかげで劇的に公衆衛生も良くなったんだけど…………きゃんえにわんひあみー?





(Chapter5は選択肢とコンマ制にする予定,Chapter5の結果がその後にも影響が出るはず)
687 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/26(火) 14:42:11.31 ID:jBfN8XcMO
おつ。方向先は商人君のとこだろうなー。
688 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/26(火) 17:22:26.31 ID:iOuucbZdo
エルフうっざ
めんど
689 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/26(火) 17:47:12.88 ID:mrc30f+sO
エルフは本当に性根はクズやな人の手紙勝手に読むとか最低だろ
690 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/26(火) 17:52:12.24 ID:i9Moiw940
そういやこの人たち一般人の十倍以上強いんだよな
691 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/27(水) 04:38:59.15 ID:v13dw7SHo
エルフは変態
692 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/06(土) 20:46:10.89 ID:p1kAStXo0
さて年明けはいつ更新かねえ
693 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/18(木) 23:56:40.35 ID:RJfqGOvoO
694 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/06(火) 00:10:53.82 ID:NfuQwJhhO
まだか
695 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/26(月) 01:08:57.35 ID:r9LM5yWj0
こない
696 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/17(火) 16:45:13.73 ID:q/IhdDcA0
697 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/10(木) 20:29:30.66 ID:7LnnYCYcO
保守。
698 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/05/27(日) 00:55:13.50 ID:O7C8zu+20
保守
699 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/09(月) 17:05:06.09 ID:9c5KCa8mO
700 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/23(土) 00:26:06.11 ID:vxL210m9O

【翌日・戦士の自宅】


戦士「……」


エルフ「妹さんの心配かね?」


戦士「別にそういうんじゃない。あいつは確かに純粋過ぎるくらいだが、しっかりしてる娘だ」


エルフ「ふうん」


戦士「意地の悪い主人、先輩でないといいがな」


エルフ「人間関係は大事だよね。あとは職場の風土とかさ」


戦士「そうだな。いっそのこと商人の働いてる店だったりしたら良かったが……」


エルフ「それはそれで気まずくない?」


戦士「……そうかもしれないが」


エルフ「兄貴が見てないところで妹は成長してるもんだよ」


戦士「…………」


エルフ「まあ、この話はこれ以上深掘りしても仕方ないよ、それにしても『蠢く砂漠』の情報もないし、しばらくは停滞かなぁ。『異形の島』を攻略してもいいけどさ」


戦士「異形の島をか?」


エルフ「転移石を破壊しておくのも悪くないかなってね。裏で糸を引いているのが魔人と聞くと放置はまずい気がしてきたしね。もっと大事なことに、それなりに稼ぎになることもある」


戦士「しかし最近の生存率は著しく下がってるようだからな、危険な魔物が増えたんだろう」


エルフ「まあねぇ……やっぱり早めに壊しておくべきだったかな」


戦士「あの時は疲弊してたし仕方なかっただろ」
701 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/23(土) 00:30:24.87 ID:VosXNvrLO
復帰来た!
702 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/23(土) 02:42:01.69 ID:MpvsgOfR0
すごい…復活したか
703 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/24(日) 00:21:36.30 ID:3KxlqyFWO

エルフ「そういえば昨日は何を買ったの?」


戦士「ああ、妹に髪飾りをな」


エルフ「えぇ……戦士のセンスで大丈夫? 戦闘アイテムと贈り物は違うんだからね?」


戦士「……商人にいい店を教えてもらったから品質は大丈夫なはずだ」


エルフ「そりゃ品質も大事だけどさぁ……」


戦士「ごほっ……あと、それとだな……」



ズゥゥゥウウウーーーッッッ!!




エルフ・戦士「!!」



エルフ「な、なに!? なんなの!? 死ぬの!?」


戦士「すごい地鳴りだったが……なんだ、外の怒声やらがすさまじい……」


エルフ「……これは非常事態っぽい? とりあえず外に出ようか」


戦士「……ああ」
704 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/25(月) 06:10:20.36 ID:UvLzE72/O
待ってた!
705 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/12(水) 23:10:00.54 ID:wo3B5+dYo
はよ
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