【リゼロ×異世界食堂】スバル「洋食のねこや……だと?」

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23 : ◆kh6j.ZZqSk [sage saga]:2017/08/14(月) 10:07:04.08 ID:/cyQKcBwo
店主「ああ、お客さん、そんな恐い顔しないで下さい。この子はうちの従業員です、何もしやしませんよ」

スバル「ほら、あの人もああ言ってるんだしさ……な、レムもいいかげん落ち着けって」

レム「魔の者に見えますが……確かに邪悪な感じはしませんね……すみません、少し過敏になっていたようです」

 スバルの声に警戒を解き、レムが少女と店主に頭を下げる。


アレッタ「えへへ、大丈夫ですよ……あ、二名様、こちらへどうぞ」

 ウェイトレスに連れられ、スバルとレムは手頃な席に腰を下ろす。
24 : ◆kh6j.ZZqSk [sage saga]:2017/08/14(月) 10:08:25.74 ID:/cyQKcBwo
アレッタ「初めまして、私、アレッタと申します、このお店でウェイトレスをさせて頂いてます。お客様、初めまして……ですよね?」

レム「はい、私はレムと申します。ルグニカ王国宮廷筆頭魔術師、ロズワール・L・メイザース様のお屋敷で使用人を務めております」

店主「ルグニカ……聞いた事無い国だな……」

アレッタ「また、新しい扉が出現したんでしょうか?」

レム「……一体、何の話ですか?」

店主「ああ、この店は週に……いや、七日に一度だけ、異世界と繋がる不思議な店なんですよ」

 そう、簡単に説明する店主の言葉にレムは驚愕する。
25 : ◆kh6j.ZZqSk [sage saga]:2017/08/14(月) 10:10:34.48 ID:/cyQKcBwo
レム「異世界……ですか、レムには信じられません……」

 とても信じられないと言った様子で店内を見回すレムだった。

 店内には窓は無く、光源は魔力で照らされているのか、天井部に仕掛けられた魔道具と思わしき光で照らされており。

 通された席の椅子もテーブルも丁寧な手入れが行き届いており、新品さながらの美しさを放っていた。

 更に、店の隅には以前、どこかのお城で見覚えのあった蓄音器が飾られており、そのいずれもが、レムの知る庶民の定食屋とはかけ離れた店構えをしていた。


レム(この灯りも……あの蓄音機も……どれも一国の主じゃないと用意できない代物に見えます……それをこんなに……もしかして、本当にここは異世界……??)

店主「いきなりそう言われても信じられないとは思いますが、俺の作る料理は本物ですよ。さぁ、宜しければ何か食べてって下さい」

アレッタ「お待たせしました、お水とおしぼりです、どうぞ」

レム「ど、どうも……」

 アレッタから差し出された水とおしぼりにレムは再度目を丸くする。


レム(ルグニカでも貴重な氷を飲み水に……それにこのおしぼり、お城でも見た事がないぐらい綺麗で冷たくて……気持ちいい……)

スバル「あのーすみません、外の看板の文字は……」

店主「おや、これは驚いた……お兄さん、もしかして日本人ですかい?」

 スバルの姿に今度は店主が驚きの声を上げる。
26 : ◆kh6j.ZZqSk [sage saga]:2017/08/14(月) 10:11:29.78 ID:/cyQKcBwo
 土曜の日にはまず見かけない、ジャージ姿の現代人、店主からすれば二回りほど歳の差を感じさせるその少年の姿に、思わず視線が注がれる。


スバル「あ、はい! ナツキ・スバルって言います」

店主「昴さんか……いやぁまさか、異世界から日本人が訪ねてくるとは思わなかったな……」

スバル「俺もっすよ、まさかここで……ルグニカで、俺と同じ日本人に会えるとは思ってませんでした」

店主「はっはっは! お客さん気に入ったよ、まだ開店したばかりで他にお客さんもいないし、何でも好きなもん頼んで下さい、久々に和食とか食いたいでしょう?」

スバル「いいんすか!? わぁぁ……チョー感激っす!」

 店主の一言に歓喜の声を上げるスバル。

 先程まで、思い出を懐かしむ様にエミリアやレムに語っていた自国の食事……それが空腹も最高潮に高まった今、食べられると知ったのなら、その感動は何よりも強いものへと変わっていった。
27 : ◆kh6j.ZZqSk [sage saga]:2017/08/14(月) 10:12:21.04 ID:/cyQKcBwo
店主「はいよ、じゃあ、注文が決まったら彼女にお声かけ下さい」

 店主からメニューが手渡される。ここでは普段、異世界と繋がってる日は異世界語に翻訳されたメニューが差し出されるのだが、今日は特別。店主から差し出されたメニュー表には、スバルの国の文字が……日本語が使われたメニューが差し出されていた。

 嬉々としてメニューを広げるスバルが舐めるようにメニューを端から見回す。

 懐かしい文字で書かれているメニュー表にはオムライス、カレーライス、チョコレートパフェといった、スバルが以前当り前に食していた料理名が並び、それらを日本語が読めないレムに配慮し、スバルが順に分かり易く説明する。

 普段、ルグニカの文字はレムがスバルに読み聞かせている所ではあるが、今日はその立場が一転し、スバルがレムに日本語を読み聞かせている状況となっていた。


スバル「とまぁこんな所だな……レムは何か食べたいのあるか?」

レム「じゃあ……さっきスバルくんが話してくれた……肉じゃがが食べたいです」
28 : ◆kh6j.ZZqSk [sage saga]:2017/08/14(月) 10:12:49.77 ID:/cyQKcBwo
スバル「いいね〜レムりん、分かってるー」

レム「ふふっ……スバルくん、本当に楽しそうです」

スバル「じゃあ俺は……カレーにハンバーグにチョコパフェに……ああでもカツ丼も捨てがたいよなー」

レム「あはははっ、もう、スバルくん、そんなに頼んで食べきれるんですか?」

スバル「へへっ、今日の俺は一味違うぜ、今の俺ならこの店の料理、全部食べ尽くせる自信はあるぞ! すみませーん! 注文お願いします!」

アレッタ「はーい、ただいま!」

 そして、スバルはアレッタに次々と注文を告げる。
29 : ◆kh6j.ZZqSk [sage saga]:2017/08/14(月) 10:13:42.50 ID:/cyQKcBwo
スバル「肉じゃが定食一つに、カレーライスにハンバーグ、オムライスとフライドポテトとにコーラ……あとデザートにチョコパフェで!」

アレッタ「はい、ありがとうございます!」

 スバルの注文を的確に聞き分けたアレッタがキッチンの店主に注文を告げる。

 明らかに二人前を超えるその注文を聞いた店主の頭に一つ案が浮かび、スバルにその提案を持ちかける。


店主「はっはっは! 若いなぁ……じゃあ、スバルさん、ちょいと手間賃かかりますが、こういうのはどうでしょう」

スバル「……ん?」

店主「スバルさんの分は普通サイズじゃなく、小皿に盛った点心風にしますよ、それならウチの色んな種類の料理を、より多く食べれるでしょう」

スバル「いいんすか? そんな手間かけて貰っちゃって」

店主「ええ、まぁ、その分手間賃は掛かりますけどね」
30 : ◆kh6j.ZZqSk [sage saga]:2017/08/14(月) 10:14:45.31 ID:/cyQKcBwo
スバル「って事らしいんだけど、レム、お金大丈夫?」

レム「ええ、そこはご心配なく、食事代はエミリア様からたくさん頂いてます」

 言うとレムは金貨の入った袋の中から何枚かの金貨を取り出し、アレッタに手渡す。


アレッタ「……珍しい、純金の金貨ですね。これなら大丈夫だと思います」

スバル「へへ、じゃあ、追加でお好み焼きも……」

 尚もスバルの注文は続いていた。店主自身もこの国の貨幣価値はいまいち分からないが、それでも、純金貨がこれだけあれば十分に料理を振舞えるだろう、そう確信し、店主はキッチンに戻り、調理に移る。

 静かな店内にトントンと食材を刻み、コトコトと食材が煮込まれる音の他、程なくしてから炒め物や揚げ物を作る音がスバル達の元にも聞こえてくる。

 それらの音と、キッチンから漂う香りがスバルとレムの耳と鼻を刺激し、二人に空腹の波が強く押し寄せてくる。
31 : ◆kh6j.ZZqSk [sage saga]:2017/08/14(月) 10:15:50.74 ID:/cyQKcBwo
スバル「美味そうな香りしてんなぁ……いやぁまさか、ルグニカで日本の料理が食べれるとは思わなかったよ」

レム「ニホン……ここがスバルくんの生まれた国……なんですね」

スバル「ああ……」

 先程までレムが驚愕して見ていたこの店の光景は、スバルからしてみれば、ほんの少し前まで当り前に過ごしてきた日常の一部だった。

 手頃なファミレスに入れば氷水は当たり前に差し出されるし、冷たいおしぼりで顔を拭くのも、若干おっさん臭いが日本ではよく見られる光景でもあった。

 店内を照らす電灯の光も懐かしく、スバルの胸中にかつての記憶が呼び起こされる。

 それと同時、一瞬、ある考えがスバルの中に浮かび上がってくる。
32 : ◆kh6j.ZZqSk [sage saga]:2017/08/14(月) 10:16:58.58 ID:/cyQKcBwo
スバル(……七日に一度って事は……もしかして、上手い事ここで一晩過ごせば……俺は元の世界に帰れるんじゃ……)

 瞬時に浮かんだ考えだったが、それと同時にエミリアやレム、ラム、パック、ベアトリスにロズワール達の顔が次々と頭に浮かび上がり……スバルは頭を振ってその抱きかけた考えを掻き消す。


スバル(って、何考えてんだ俺は……)

レム「スバルくん、どうかなさいましたか?」

スバル「いいや……早く来ねえかなって思ってさ」

レム「ふふっ、スバルくん、今日は子供みたいで可愛いです」

スバル「あまり子供扱いしないでくれ……変な気になる……」

 レムの笑顔に対し、スバルもまた照れたような笑顔でそう返す。
33 : ◆kh6j.ZZqSk [sage saga]:2017/08/14(月) 10:17:52.33 ID:/cyQKcBwo
スバル(今は、この世界が俺の居場所だ……)

 元いた世界への未練を振り切り、今はこの世界でエミリアの、レム達の傍にいようと、改めてスバルは誓ったのであった。

―――
――


 待つ事数分、会話で賑わっていた二人の席に、待ちに待った食事が並び始める。


アレッタ「お待たせしました、肉じゃが定食です!」

スバル「待ってました!!」

レム「これが……肉じゃが……」

 アレッタが料理の盛られたお盆を二人のテーブルに乗せる。

 ほくほくとした湯気を放つ肉じゃがを中心に、その両サイドには綺麗に茶碗に盛られたご飯と、ワカメと油揚げが入った味噌汁と、付け合わせには漬物と冷奴の小鉢。

 それはまさにスバルが待ち焦がれていた、日本の料理の姿そのものであった。

 それに続き、今度は店主が幾つかの小皿を持ってやって来る。
34 : ◆kh6j.ZZqSk [sage saga]:2017/08/14(月) 10:18:34.37 ID:/cyQKcBwo
店主「お待たせしました」

 熱そうな湯気を発し、鉄板の上でデミグラスソースが跳ねるハンバーグに、丁寧に卵に包まれたオムライスの他、上品に煮込まれたカレーライスと付け合わせの福神漬け、本場のソースとマヨネーズの香りが強く引き立つお好み焼きなど。

 小皿に盛られた出来たての料理が次々とテーブルの上に並び、最後に、氷の入ったグラスに注がれ、泡の弾けるコーラがスバルとレムの前に差し出される。

 これでもかと言わんばかりに若者向けの、特にスバルぐらいの年代の若者が好きな料理が並んで行く。


スバル「やべえ、俺すっげー泣きそう」

レム「どれも美味しそう……ですね」

 夢かとも思うその素敵な光景に思わずスバルは涙ぐむ。

 幸せそうなスバルのその顔に、レムもまた優しく微笑みかける。

 そして、レムの前にスプーンとフォークが、スバルの前には箸が置かれ、食事の準備が整った。
35 : ◆kh6j.ZZqSk [sage saga]:2017/08/14(月) 10:19:52.25 ID:/cyQKcBwo
アレッタ「ライスはお代わり自由ですので、どうぞ遠慮なく召し上がって下さい」

レム「では頂きましょう……――木よ、風よ、星よ、母なる大……」

 レムが食前の祈りを捧げようとするが、ふとその言葉を中断し、スバルに尋ねかけた。


レム「……あのぅ、スバルくんの国では、食前のお祈りはどうなさっているんですか?」

 どうせなら、スバルの国の風習に合わせたいとレムは言う。

 なればと思い、スバルもその気持ちに答え、日本ならではの作法で食事を始める事にする。


スバル「じゃあレム、俺に続いてくれ」

レム「はい」

 そして両手を合わせ、スバルが一言告げる。


スバル「いただきます!」

レム「い、いただきます」

 一言、長らく言ってなかったその言葉を料理に、食材に、そして作ってくれた店主に向けて言い放ち、スバルとレムの食事が始まる。
36 : ◆kh6j.ZZqSk [sage saga]:2017/08/14(月) 10:22:33.98 ID:/cyQKcBwo
スバル「美味ぇ………ああぁぁ……超美味ぇ……!!」

レム「美味しい……これ、すっごく美味しいです!」

 適度に熱く、また醤油と出汁の味が染みたジャガイモの味わいがレムの口の中で踊りだす。

 同様に、噛むほどに肉汁溢れるハンバーグの深い肉の味がスバルの口内を支配し、ソースの甘みとほのかな酸味が更にスバルの食欲を刺激する。

 空腹の限界を迎えていたスバルの食は止まらず、次々に料理の小皿が空となり、端に積み重なっていく。

 それは対面のレムも同様だった、上品にナイフとフォークを使い、ジャガイモが、冷奴が、漬物がその小さな口に運ばれて行く。

 そして、次第に一組二組と次々に店内に客が入り始め、てきぱきと接客と応対をアレッタはこなし、店内に賑わいが満ち溢れて行く。
37 : ◆kh6j.ZZqSk [sage saga]:2017/08/14(月) 10:23:49.62 ID:/cyQKcBwo
サラ(メンチカツ)「どうもー、メンチカツ定食一つお願い、あれ、新しいお客さん?」

アレッタ「はい! かしこまりました! ええ、今日初めて来て下さったんですよー」

アルトリウス(ロースカツ)「ほっほっほ……鬼族の娘と人間とは、また珍しいカップルじゃの……ああ、わしはいつもの、ロースカツにビールを頼む」

ヴィクトリア(プリンアラモード)「ふふ、特に彼氏さん、すごく美味しそうに食べてるわね……あ、プリンアラモードお願い」

ヴィクトリア(プリンアラモード)(あれ、でもあの人、なんだかハーフエルフの香りが……)

ハインリヒ(エビフライ)「よほどここの食事が気に入ったのであろう、私も負けていられんな……エビフライを三人前頼む」

アレッタ「はーい! 皆さんありがとうございまーす! 出来上がり次第御用致しまーす!」
38 : ◆kh6j.ZZqSk [sage saga]:2017/08/14(月) 10:25:02.05 ID:/cyQKcBwo
 あくせくとトレイを手にアレッタが食卓とキッチンとを往復する、その動きに呼応するように、店内の賑わいもより一層慌ただしくなっていた。


店主「アレッタさん、出来上がり次第並べて行くから順番に配膳を頼む」

アレッタ「はーい! お待たせしました! エビフライにメンチカツ、カツ丼です!」


スバル「これだよ、この味……ああぁぁ……日本食最高……!!!」

レム「このスープも……初めての味です……塩加減も丁度良くて……身体だけじゃなくて、心も温かくなります……すごく美味しいですっ」

 差し出される料理の全てがレムにとっては新鮮で、またスバルにとってはどれもが懐かしく、二人の間をそれぞれ違った感動が包み込む。

 それは、傍から見る側をも幸せにするような至福の一時でもあった。
39 : ◆kh6j.ZZqSk [sage saga]:2017/08/14(月) 10:25:33.96 ID:/cyQKcBwo
スバル「レムも良かったら食べてみなよ、これが本場のマヨネーズの味だ」

 スバルが熱せられた鉄板の上に盛られたお好み焼きをレムの前に差し出す。

 鉄板の上のお好み焼きには黒いソースとマヨネーズが網目状にかけられており、その強い香りと踊るように揺れる鰹節が、やや満腹状態にあったレムの食欲を大きく膨らませる。


レム「い、いただきます」

 スバルに勧められるがままにレムは熱々のお好み焼きを口に頬張るが、その熱さに思わず身震いする。


レム「あ、熱っ!」

スバル「わっ、レム大丈夫か?」

レム「ら、らいりょうふ……れす……」
40 : ◆kh6j.ZZqSk [sage saga]:2017/08/14(月) 10:26:25.27 ID:/cyQKcBwo
 レムが火照った口を冷やそうとコーラを一口飲む、……初めて口にする炭酸のその爽快感が、またレムを初めての快感へと誘った。


レム「ひゃっ…この不思議なお水……甘くてしゅわしゅわします……」

スバル「ははははっ、レムの顔! っっくぅぅぅぅうう!! いやー、炭酸のこの喉越し……なっつかしいなぁ〜」

レム「……スバルくんは平気なんですか?」

スバル「ああ、ちょっと前まではよく飲んでたよ、はははっ、レムには炭酸はきつかったかな」

レム「い、いえそんな……スバルくんが好きなものなら、レムも好きになりたいです!」

スバル「おまっ! こんなとこでいきなり何言ってんだ! て、照れんじゃねえか……!」

レム「…………」

アレッタ「あははは、レムさんとスバルさん、仲良しですねー」

店主「はっはっは、若いってのは羨ましいなぁ……さて、俺達ももうひと頑張りするか」

アレッタ「はいっ!」
41 : ◆kh6j.ZZqSk [sage saga]:2017/08/14(月) 10:27:27.58 ID:/cyQKcBwo
 スバルとレムのその見せつける様な仲の良さを、微笑ましい表情でアレッタと店主も、また常連客も見届けていた。

 それは、洋食のねこやに新たな常連客が生まれた瞬間でもあった……。

―――
――


 デザートのチョコパフェも堪能し、スバルとレムの席に安らかな空気が漂い始める。

 客の往来も落ち着き始め、次第に静かな空気が店内に広がって行く。


スバル「いやー……食ったなぁ」

レム「はい、どの料理も……すごく美味しかったです」


 二人に出された料理はどれもが素晴らしい味で、食事を終えた時にはスバルとレムも、すっかりねこやの虜になっていた。 

スバル「なあレム……日本料理……どうだった?」

レム「はい、スバルくんの故郷の味……すごく美味しかったです……今度は、レムが作りたいと思います」

スバル「じゃあ、また来ようぜ、今度はエミリアにラムにベア子……ロズっちも連れてってさ」

レム「はいっ!」
42 : ◆kh6j.ZZqSk [sage saga]:2017/08/14(月) 10:28:31.20 ID:/cyQKcBwo
 笑顔と共にレムは答える。そして……。


スバル「ご馳走さまでした!」

レム「ごちそうさまでした」

 食事の始まりと同様、日本式の感謝の言葉で二人の食事は締めくくられた。

 その帰り際。


アレッタ「ありがとうございました!」

店主「ありがとうございました、是非また来て下さい」

スバル「もっちろん、俺、こうなりゃとことん通い詰めますよ! 目指せねこや全メニュー制覇!」

レム「あははっ、スバルくんったら……はい、次は姉様達と一緒に来たいと思います」
43 : ◆kh6j.ZZqSk [sage saga]:2017/08/14(月) 10:28:58.49 ID:/cyQKcBwo
店主「ええ、常連になってくれりゃまた色々とサービスしますんで、今後ともぜひご贔屓にお願いします」

レム「はい、こちらこそ、よろしくお願いします」

スバル「次も楽しみにしてますよ、それじゃあ!」

 挨拶を済ませ、レムとスバルは店を後にする。

 その二人の姿を見送る様に、スバルとレムの後ろから


店主・アレッタ「「ありがとうございました!」」

 と、二人の元気な挨拶が送られた。
44 : ◆kh6j.ZZqSk [sage saga]:2017/08/14(月) 10:29:31.01 ID:/cyQKcBwo
 扉を出た瞬間、元のアーラム村の景色が飛び込んでくる。 

 二人が後ろを振り向けば、そこにはもう扉は無く、ただ何もない空間が広がっていた。


スバル「なんか……夢みたいだったな」

レム「ええ、店主さんとアレッタさんもとても良い人でした……ご飯も美味しかったですし、夢みたいですけど、本当にあったんですよね……」

スバル「そうだなぁ……しっかし、初めてコーラ飲んだレムの顔……っぷっ」

レム「もぅ、スバルくん、笑わないで下さい……恥ずかしいです……」
45 : ◆kh6j.ZZqSk [sage saga]:2017/08/14(月) 10:30:09.40 ID:/cyQKcBwo
スバル「あははっ……あ〜、いっけね、もういい時間だな……早く帰らねえと、またラムに怒られちまう」

レム「スバルくん、急ぎましょう」

スバル「ああ、レム、屋敷まで競争すっか?」

レム「うふふっ、スバルくん、負けませんよー」

スバル「ちょっ! レム本気出し過ぎ! 速いって!!」

レム「競争っていったのはスバルくんですよー」

 レムの姿を追うように、リンガの袋を持ったスバルはその後を追いかける。

 二人の足取りは軽く、静かな村に、二人の賑やかな声がこだまする。
46 : ◆kh6j.ZZqSk [sage saga]:2017/08/14(月) 10:31:32.48 ID:/cyQKcBwo
 これは、様々な陰謀渦巻く世界にやって来た一人の少年と、その少年を慕う少女の一時の平和の物語。

 ――後に、幾重もの苦難と絶望に打ちのめされ、それでも運命に抗い、やがて勝利を掴み取る少年と少女の、一時の安らぎの物語である。


 Fin...
47 : ◆kh6j.ZZqSk [saga]:2017/08/14(月) 10:33:41.41 ID:/cyQKcBwo
短かったですがこれにて終了です、もしも受けが良かったのであれば、また色んな世界のキャラに美味いねこやの食事を振舞いたいと思います。

それではまたどこかのSSで。
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/14(月) 10:46:33.76 ID:4Moy8UYq0

面白かった
考えてみれば日本から異世界行ったらもう和食は食べられないんだよなぁ
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/14(月) 10:51:32.59 ID:pDN3lb/k0
こりゃスバルからすりゃ世界規模のご褒美だな
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/14(月) 10:54:06.99 ID:v+8D17sl0
>>48
どうしても食いたきゃ、似たもんで似たもんを作るしかないわな。あればの話だけど
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/14(月) 12:28:06.36 ID:HSHcc3jAO
リゼロ見た事無いけど良かった(異世界食堂はBSで見ている)
次はナイツ&マジックキャラの来店を希望
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/14(月) 12:39:02.01 ID:tDA0hB0l0
異世界に詳しくはないけど、とりあえず食料事情が酷い所に行ってあげてほしいかなぁ
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/14(月) 13:07:00.65 ID:xy/iXMS4o
そういうところにもドアは出るよ
気になったらなろうで原作を読んでみるといい
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/08/14(月) 13:07:38.15 ID:hAW5ohaLO
おつです。
もし希望が叶うのなら進撃の巨人のエレン達の所に行ってあげて欲しいな。
あの世界ほど食料事情が酷い世界もないだろうし。彼らに腹一杯美味いもん食わせてあげたい。
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/14(月) 13:15:23.20 ID:5sVGmO/N0
>>54
サシャが大喜びだなwwww
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/14(月) 13:28:05.61 ID:IqEl6ml/0
後は孤独な人の所とかな
例えばペルソナ2のタッちゃん……少しくらい平穏な何かがあっても良いじゃん……ねぇ?
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/14(月) 13:59:47.99 ID:I9cnG5fP0
クロノトリガーの未来の人達のとことか
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/14(月) 14:07:40.80 ID:VnYxnWFSO
鬼斬とのコラボがみたいなー。
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/14(月) 14:08:28.07 ID:aYquu/0AO
あくまで個人経営で毎週土曜日に1回しか通れないからね
貧困の人たち大勢を救うなんてことはできないのがね
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/14(月) 14:15:04.29 ID:tiQ5UBvDO
>>55
喜ぶどころか冷蔵庫の中から色々掻っ払うぞww
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/14(月) 14:23:02.35 ID:pDN3lb/k0
もし本当にやったらサシャ個人は出禁だな
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/14(月) 14:27:56.87 ID:8sfSZTomO
神様とか常連にぶっ殺されかねんな
まああそこじゃ揉め事はご法度だけど
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/14(月) 15:01:13.43 ID:FMZMWSoS0
食う系異世界でも殊更異色のダンジョン飯とのクロスはどうだろうw
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/14(月) 15:01:49.41 ID:319+yJOVO
このすばの世界に開いてビール頼もうとして説教くらうカズマを笑いものにするアクア
Web版だと説教はないのか
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/14(月) 15:18:12.04 ID:wBI3k8SF0
少女終末旅行の世界はどうだろう?
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/14(月) 15:34:02.15 ID:pSNC2XNy0
ゼロ魔は……既出か?
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/14(月) 16:46:14.82 ID:TTKCglaG0
もしも異世界食堂だったら
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/14(月) 23:33:06.24 ID:lDrKO0mS0
傭兵団の料理番で一つ……
シュリはあちこちで修行してたみたいなので、その内の一つがねこやって事にしたら面白いかも…
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/15(火) 23:59:01.69 ID:m8JbpKnR0
ゆめにっきのまどちゃんの所は?
夢なら部屋内か、扉空間にしれっと混ざってる感じ?w
現実ならあの階段のとこかな
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/18(金) 15:58:50.82 ID:Z+7KDcno0
SCPの世界なら、普通に調査とインタビューされて収容済みになってそう
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/21(月) 21:39:59.31 ID:HrTNLc0U0
フォゴットンワールドの自機の二人の所とか
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/08/29(火) 22:31:55.27 ID:poX84Uyd0
進撃クロスも乙!
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