八幡「俺の後輩がこんなに非力なわけがない」

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20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/19(木) 22:26:46.33 ID:M8hK68eP0


八幡「まぁタオルであらかた拭いたし、俺しばらくここで日向ぼっこしてるわ。お前は作業戻れ」

いろは「はい…」

いろは(先輩、風邪引いちゃったらどうしよう…)

八幡「……なに、こんくらいじゃ風邪引かねぇよ」

いろは「へっ? なんでわかったんですか!?」

八幡「いや思いっきり顔に出てたからね? 行ったれ行ったれ。マジで平気だから」

いろは「むむ……わかりました」

いろは「でもなにかあったらすぐ言ってくださいね? ちゃんと責任はとりますんで」

八幡「おう。んじゃもし身籠もったらよろしく」

いろは「……それ、どっちかっていうとわたしのセリフなんですよねー」

八幡(あれれ〜? わりとドン引きなジョークのつもりだったんですけど……つーか一色の台詞ってのもどうなの)

八幡(ま、まぁ、どっちかと言えばだしね? 他意はないよね?)



21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/19(木) 22:27:14.07 ID:M8hK68eP0


八幡「……」

八幡(日向ぼっこというより天日干しの気分だな)

八幡(なんならこのまま干されて干物妹になるまである。うまるーんとはちまーんってちょっと似てるしね。似てませんね)

八幡「暇だ…」

八幡(それに眠くなってきた。夜更かしのわりに早く起きたもんなぁ)

八幡「……」コク



八幡「……」

パシャッ

八幡「……ん」

いろは「あ、おきました?」

八幡「一色…」

八幡(そうか、寝てたのか)ムク

いろは「あー先輩、髪とか背中いろいろついちゃってるじゃないですかー」ペシペシ

八幡「やめいやめい。自分でやるから」

八幡(つーかさっきシャッター音らしきものが聞こえたようななかったような…)


22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/19(木) 22:27:40.05 ID:M8hK68eP0


八幡(けどまぁ、聞いて勘違いだったらうわ何こいつ自意識過剰…とかなるし。そもそも撮るメリットが無いか)

いろは「でも、おかげでだいぶ乾いたみたいですね」

八幡「そうだな……ん? ってことは結構時間経ってる?」

いろは「そうでもないですよ? 体育館に来たときにはもう11時まわってましたし」

八幡(なら正味30分程度か。お日様の力は偉大っすねぇ)

八幡「それよりこっち来たってことはひと段落ついたのか?」

いろは「いやー作業はまだ全然ですねー。ただみんなのお昼休憩に合わせて飲みもの買いに行こうと思ったんで」

八幡「あー、了解。ついて来いってことね」

いろは「あ、いえ。先輩もなにかいるならいっしょに買ってこようかなって」

八幡「マジ? いいの?」

いろは「はい。ついでですし、それにちょっと罪ほろぼしっていうかですね…」

八幡(なるほど。いや、そんな気遣われると逆に悪い気がしてくるんですけど)


23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/19(木) 22:28:09.90 ID:M8hK68eP0


八幡「んじゃ適当にパンかサンドイッチあたりを2つ頼むわ」

いろは「男の人にしては少なめですね」

八幡「繋ぎだからな。家帰れば飯あるだろうし」

八幡(あ、そうだ。あとマッ缶を)

いろは「あれはいいんですか? なんでしたっけ、あのやたら甘いコーヒー」

八幡「おお……やるなお前。今まさにMAXコーヒーを追加しようとしてたとこだ」

いろは「やっぱり! できるオンナですからねーわたしっ」

八幡(計算高いだけあってちゃんとそういうのも分かるんかね。わりと嫁に欲しいスキルだ)

いろは「先輩のこともだんだん分かってきましたし、手玉にとるのも時間の問題ですね……ふふふ」

八幡「その黒い台詞で手玉落としちゃってるんだよなぁ…」



24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/19(木) 22:30:37.54 ID:M8hK68eP0


いろは「それじゃ、ちょっとコンビニいってきますね」

八幡「金は立て替えでいいか? あれなら今払っとくけど」

いろは「いえいえーちゃんと活動費から出るんで大丈夫ですよ」

八幡「は? いや、まずくね? 俺生徒会でもないのに」

いろは「その生徒会のお仕事を手伝ってるんじゃないですか」

八幡「そりゃそうなんだけど…」

いろは「会長のわたしがいいって言うんだからいいんですよー。先輩のだけ領収書分けてもらうのもめんどいですし」

いろは「というわけでせーんぱいっ、わたしにドンとまかせてくださいっ」

八幡(どうも濫用な気がするんだよなぁ。後で払うか。いや、でも領収書切っちゃったら差異が出るし…)


25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/19(木) 22:31:16.99 ID:M8hK68eP0


八幡「あー、やっぱ俺も行くわ」

いろは「へっ? いいですってば! じゃないとお詫びになりませんし」

八幡「んな気にしなくていいっつの。それよか経費の私的利用かなんかで問題になるほうが困る」

いろは「むむ、わたしが信用できないってことですか?」

八幡「逆だ逆。俺も他の奴らもお前を信用してるから、それを無碍にしかねん行為をさせたくないってこと」

いろは「う……そう言われると。でもほんとに大丈夫だと思うんですけど」

八幡「僅かでもグレーが混ざるんならやらないに越したことは無いだろ。つまりあれだよ、えーと」

八幡(石橋は叩いて……いや、君子危うきに……これも違うな。なんかあった気がするけど思い出せん)



26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/19(木) 22:31:49.70 ID:M8hK68eP0


いろは「つまり…? なんですか?」

八幡(やばい。何がやばいって、諺をド忘れしたとか国語成績上位者としてはプライドがね?)

八幡(……誤魔化すか)

八幡「いやその、つまり……単に俺も一緒に行きたいんだよ。言わせんな恥ずかしい」

いろは「えっ」

八幡(あれ? これもなんか違くね?)

いろは「……わたしと、ってことですか?」

八幡「ば、ばっか違ぇよ。コンビニに、だよ」

いろは「っ! な、なんですかぁーもー! いじわるですか!?」

八幡「え? なに? 意地悪?」

いろは「……口説いてるのかと思ったじゃないですか」

八幡「いやいや…」

八幡(まーたこいつにフラれるとこだった。危ない危ない)



27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/19(木) 22:32:20.87 ID:M8hK68eP0



店員「シャッシャシャシャッシャッセー」


八幡「飲み物って、でかい茶とスポドリ1本ずつとかでいいのか?」

いろは「お茶は2本ですかねー。備蓄ぶんも兼ねて緑茶と烏龍茶で」

八幡「そうか、冷蔵庫あるからストックもペットボトルでいいんだな」

いろは「水出しのほうがコスパいいんですけどね。それだと麦茶しかないんで、他のはペットボトルなんですよ」

八幡「あー、人それぞれ好みもあるしな」

八幡(ちなみにうちじゃ俺の好みは全く考慮されてない。いや、美味いからいいんですけどね…)

いろは「わたしおつまみ見てくるんで、先輩先にお昼選んじゃってください」

八幡「おう」



28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/19(木) 22:33:57.26 ID:M8hK68eP0


八幡(さて……パン、パンっと)

八幡(あ、パンパン言ってるけど違うからね? コンビニでとかそういう大人のビデオあるけど断じて違うからね? 良い子は分かるね?)

八幡(つーか俺の頭やべぇな……近くに一色がいなくてよかった。想像したら終わりだ)

いろは「そうだ、せんぱーいっ」トコトコ

八幡「ブッ!?」

いろは「うわっ、なに吹き出してんですか気持ちわるい…」

八幡(狙いすましたかのようなタイミングで現れてんじゃねぇよ! とは言えない…)

いろは「わたしもお昼買うんで、スパサラ1個なんか選んでもらっていいですか? 明太子かトマト系ので」

八幡「ん、ああ。分かった」

いろは「はーい。よろしくでーす」

八幡(パスタサラダのことだよな。あの辺か。んじゃ俺もサンドイッチでいいや)



29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/19(木) 22:34:47.22 ID:M8hK68eP0


八幡(俺のは選んだけど、一色のやつまだか? 吟味してるんだろうか)

八幡(まぁ、先買っといていいよな)

店員「シャッセ」


いろは「あーいたいた先輩。決まりました?」

八幡「もう買った。そっちもそれでいいのか?」

いろは「はいっ。おつまみはばっちり1000円に収めました」

八幡(なるほど、そういう計算もしてたから時間掛かったのね。本当意外ときっちりしてるよなぁ…ちゃっかりもしてるけど)

いろは「って先輩! わたしのお昼選んでないじゃないですかー!」

八幡「あ? だからもう買ったって」ガサ

いろは「へっ? それって先輩の……いっしょに買っちゃったんですか?」

八幡「え?」



30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/19(木) 22:36:04.74 ID:M8hK68eP0


八幡「もしや、これと一緒に会計するつもりだった?」

いろは「はい……あっ、でもちゃんとお昼のぶんは領収書分けるつもりでしたよ?」

八幡「そりゃ感心。なら問題なくね?」

いろは「いえ、わたし今日お財布忘れちゃってて、金庫のお金しか持ってきてないんですよー」

いろは「活動費なら後で合わせれば済みますけど、先輩に立て替えてもらっちゃうと……返すの明日になっちゃいます」

八幡「んじゃあれだ、そこの現金から俺が貰えば実質同じことになる」

いろは「あ、たしかに。先輩あたまいい! 数学はゴミなのに不思議ですね」

八幡「ゴミ言うな……別に頭の良さ関係ねぇし、ついでに数学はもっと関係ない」

いろは「でもこの中お札しかないですよ?」

八幡「端数が無いか。俺も細かいのはさっき使ったな」

八幡「……いや待て、これ買うついでに両替して貰えばいけるわ」

いろは「なるほどー、その手がありましたねっ」



31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/19(木) 22:37:31.50 ID:M8hK68eP0



八幡「……え?」

店員「ダメなんスよ」

八幡「いや、でも五円を一円にするだけ…」

店員「ッセン、両替は防犯的にマニュアルでダメなんスよ」

八幡(こいつマジかよ…)

八幡「……」

八幡「一色、出番だ」ボソ

いろは「えっ!? わたしですか!?」

店員「……」

いろは「あー…」

いろは「いいじゃないですかぁー。ねっ? おにーさんっ☆」パチン

店員「ダメなんスよ」

いろは「……」

八幡「……」


32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/19(木) 22:38:15.51 ID:M8hK68eP0


店員「シャッシャシャッシター」


ウィーン

八幡「身だしなみと挨拶はクソなくせして妙なとこキッチリしやがって…」

いろは「なんか、わたしすごい傷つきました…」

八幡「けしかけて悪かったよ。男だしお前ならいけると思ったんだ」

いろは「……もし先輩が店員さんだったら?」

八幡「断れるわけねぇだろ。余裕でマニュアル破ってる」

いろは「ふーん…」

八幡(相手はお客様、それも女性ともなれば俺に為す術はないな、うん)

いろは「ならいいですけど…」ボソ

八幡「あ?」

いろは「な、なんでもないですっ」

八幡「つーか男でも無理だわ。恐いし」

八幡「でもって未成年の酒やタバコも断れず販売したのがバレて罪に問われるまでがテンプレート。よって俺は働くべきではない。q.e.d.」

いろは「わー、ダメだーこの先輩…」



33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/19(木) 22:40:04.16 ID:M8hK68eP0


八幡「まぁ、とりあえず今日のところは立て替えとくから」

いろは「うー……なんかいろいろすみません。絶対明日返すんで」

八幡「別に急がなくていいぞ。大した額でもない」

いろは「いえいえ、ちゃんとリマインダーにメモしときますね。えーと、先輩、お金、明日…」スイスイ

八幡(いいってのに。律儀だなマジで)

いろは「期日厳守、遅れたらカラダで…」スイスイ

八幡「ちょっと? 人を悪徳闇金みたいに記したメモ残さないでもらえる?」

いろは「冗談ですよー。でもほんとにありがとうございます」

八幡「別に礼言われる程のことじゃねぇよ。貸したってだけだし」

八幡(っと、流石に6Lにプラスアルファで入ってると重いな…)ガサ

八幡(つーか手への負荷がやばい。チャリでカゴ使うべきだったか。今さらだな)

いろは「……」ジー


34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/19(木) 22:40:34.82 ID:M8hK68eP0


いろは「先輩、こっちと袋交換しましょう」

八幡「はっ? いや、いいよ別に」

いろは「だって不公平じゃないですかー。それにさっきから手痛そうにしてますよね?」

八幡「まぁ多少その感はあるけど……いいって。そこまで重くねぇし」

いろは「ならわたしでも持てると思います。ていうか、ちょっとでも先輩の役に立ちたいんですっ」

八幡(こいつまだ濡らしたこと気にしてるのか)

八幡「そこまで言うなら……けど、女子が持つには実際かなりきついと思うぞ?」

いろは「大丈夫ですよー。わたし意外と筋肉ありますし!」フン

八幡「あー、うん。確かに。脂肪少ないしな」

いろは「へっ? そ、そうですか? いやいやーまぁ知ってましたけどー」

八幡(ピッと胸張っても主張してないもんなぁ…)

いろは「腕ずもうとかけっこう得意なんですよねー。あれです、見た目わかんなくても、隠れマッチョみたいな?」

八幡「だな。あればいいってもんじゃないし。元気出せよ」

いろは「そうそう重要なのは……って、はい?」



35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/19(木) 22:41:52.67 ID:M8hK68eP0


八幡「んじゃ、あの電柱までよろしく」

いろは「短っ!? 電柱って、小学生のカバン持ちじゃないんですから」

八幡(あったなー鞄持ち。あれだ、ある一人が負けるまでじゃんけんをやり直して、負けたそいつに全員の鞄を運搬させる微笑ましい……いっけね、懐かしすぎて涙出てきた)ガサ

いろは「はぁー。まったく先輩、わたしのことナメすぎじゃ…」

いろは「っ…!?」グンッ

八幡(おお、さっきと比べると手が浮くように軽い)

いろは(なにこれ、重っ…!?)

八幡(こう見るとつまみもけっこうな量だな。1000円で賢く買い物したもんだ)

いろは「……くっ……」ヨロ

八幡「いけそうか?」

いろは「ふ、ふふふっ……よゆう、です…!」

八幡(ここまで余裕の無い余裕発言は初めて聞いたな…)


36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/19(木) 22:42:50.89 ID:M8hK68eP0


いろは(これ、思ったよりつらっ…! 先輩こんなの片手で持ってたの…!?)

八幡「もうちょいでゴールだぞ。ほら頑張れ頑張れ」

いろは「くぅ、テキトーな感じがむかつきます…」

八幡「がんばれ? がんばれ?」

いろは「なんかもっとむかつくんですけどっ!?」

八幡「お、到着したな。ご苦労さん」

いろは「はーっ、はーっ…」ドサッ

八幡「んじゃまた交換するか」

いろは「いえ、学校まで持ちます!」

八幡「えぇ……無茶すんなよ」

いろは「無茶なんかしてません。余裕ですっ」グッ

いろは「……あぅ」ヨロ

八幡(ヤムチャしやがって…)



37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/19(木) 22:43:32.75 ID:M8hK68eP0



八幡(なんだかんだで校門まで来たな。亀のようなペースだったけど)

いろは「うぅ……手いたぁ…」グスッ

八幡「一色、そろそろ」

いろは「ダメです! ここまできたら最後までやりますっ」

八幡(なにこの子ったら頑固! がんこちゃん!)

八幡(でもがんこちゃんみたいにドンドンズズン進んでないし、めげてしょげて泣きそうなんだよなぁ…)

いろは「ふ……んっ…!」グッ

いろは(あぅ……でも、もう手が…)

八幡(なんか俺まで泣けてきた。さながら初めてのおつかい見てる親の気分…)

いろは「……」ゼェ ゼェ

八幡「……大丈夫か?」

いろは「……」

いろは「せーんぱぁーーい…」ウル

八幡(ああ……流石に限界でしたね)


38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/19(木) 22:45:05.48 ID:M8hK68eP0


いろは「悔しいですー…」

八幡「いやいや、むしろよく運んだほうだろ」

いろは「でも…」

八幡「少なくとも俺よりは運んだ距離長いぞ? ここまでくりゃもうすぐそこだ」

八幡(で、あとは塗り塗りイチャコラしてる副会長に運ばせればいいって寸法。天才だなガハハ!)

いろは「……」

八幡「だからまぁ、その、助かったよ」

いろは「……お役に立てました?」

八幡「ばっちりだ。サンキュな」ポン

八幡(ってぇ! しまった、小町専用のはずのお兄ちゃんスキルが…)

いろは「ん…」

八幡(拒まれては…ない。よしこれもセーフ! 危ねー!)

いろは(ほんとにしてほしいのは妹あつかいじゃないんだけど……これはこれでいっか)



39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/19(木) 22:45:40.30 ID:M8hK68eP0



八幡「……」モグ

八幡(まさかベストプレイスに休日に来ることになるとは)

八幡(今日はテニス部の練習は無しと。単純に休みか、はたまた遠征か……戸塚に会いたかった)グビ

いろは「あー先輩っ、いないと思ったらやっぱりここに」

八幡「定位置が一番落ち着くもんで。まだ昼休憩だろ? どうかしたのか?」

いろは「べつにどうもしないですけどー……よいしょ」スト

八幡「……え? 何してんの?」

いろは「なにってお昼食べるに決まってるじゃないですか」ガサ

八幡「んなもん見りゃ分かる。じゃなくて生徒会室使えよ。皆いるんだろ?」

いろは「いいんですよ、もう差し入れは済みましたし」パカ

八幡「はあ」



40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/19(木) 22:46:12.31 ID:M8hK68eP0


八幡「だとしても机あったほうが食いやすいだろ」

いろは「それはまぁ、そうなんですけど」

八幡「ならなんで……っておい、仕切り外す前にソース掛けてどうする」

いろは「へっ? あ、やばっ。うっかりしてました」

八幡(最近のコンビニ飯って見た目や鮮度は良い代わりに、妙に複雑だったりするよな)

いろは「できたっ。いただきまぁーす」チュル

八幡(……まぁ、外で食う飯は美味いって言うか)

いろは「わー、このスパサラおいしー」

八幡「そうだろう。流石は俺の選んだパスタ・サラダ氏」

いろは「わー、このわたしが指定したトマトのスパサラおいしー」

八幡「なんでわざわざ言い直したんですかねぇ…」



41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/19(木) 22:46:53.82 ID:M8hK68eP0


いろは「……」ゴクン

いろは「なんでだと思いますか?」

八幡「ん? あーまぁ、確かにジャンルと味絞ったのはお前だしな」

いろは「あ、いや、そっちじゃなくて」

いろは「わたしがこっちで食べる理由、みたいな…」

八幡「……」

八幡「あの中で浮いてる?」

いろは「違います」

いろは「とは言いきれないのがヤですねー……ぶっちゃけまだそれもちょっとあるんですけど」

八幡(あるのかよ……でもメインは他の理由ってことだよな)

八幡(他ねぇ。あるとすれば、いや思いつかなくはないんだけど……なんかなぁ)グビ

いろは「やっぱいいです。宿題にするんで、おうちに帰ってからゆっくり考えてください」

八幡「宿題出されちゃったよ…」



42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/19(木) 22:47:21.65 ID:M8hK68eP0


いろは「それより先輩、午後のことなんですけどー」ポロッ

カシャン

いろは「あっ、おはしが…」

八幡「あーあー何してんだ」ヒョイ

いろは「すみません」

いろは「あ、ほらっ! わたしおはしより重いものって持てないじゃないですかぁー」

八幡「おい、隠れマッチョはどこへ行った」

いろは「そんなこと言いましたっけ?」

八幡(こいつ…)

八幡「どうする? 箸洗ってくるか?」

いろは「いえ、フォークももらってたんで大丈夫です」ガサ

いろは「でもなんか、やたら手がふるえるんですよね」

八幡「そりゃ多分疲労のせいだな。あんだけ手に負担かけりゃ無理もない」

いろは「うわー地味な後遺症ですねー」


43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/19(木) 22:47:59.70 ID:M8hK68eP0


八幡(言われてみれば心なしか手プルプルしてんな。ヤムチャするから…)

いろは「あっ。じゃあ先輩、フォークをどうぞ」スッ

八幡「……は? なに?」

いろは「食べさせてくださいっ♪」

八幡「……は? なに?」

いろは「なんで同じ反応なんですか。ほらあれです、また落としたらもう後がないっていうか」

八幡「だからってそれはおかしいでしょ…」

八幡(いくら食器のライフがもう無いったって、んなことしたら俺のライフがゼロになっちゃうんですけど……次回、比企谷死す。デュエルスタンバイ!)

いろは「いいじゃないですかー運ぶのがんばったんですし」

八幡「罪滅ぼしとか言ってなかったっけキミ」

いろは「うっ、そうですけど…」

いろは「ひとくちだけでいいですからー! ねっ? せーんぱぁーーい」クイクイ

八幡「袖引っ張んなよ……あーもう分かった、一回だけな」

いろは「ほんとですか? わーいっ」



44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/19(木) 22:48:42.02 ID:M8hK68eP0


八幡(なぜ一色とこんなことに…)クルクル

八幡「はいよ」スッ

いろは「量多すぎですよー。やりなおし」

八幡(うおおお、ケチ付けてきやがった)

いろは「はっ! もしかしておっきく口あけさせて中をのぞこうって魂胆でした!? ごめんなさいそういうのはさすがにちょっと恥ずいんで無理です!」

八幡「勝手に変態扱いするのやめてくれませんかね…」クルクル

八幡「……こんくらい?」スッ

いろは「はい。そんくらいですっ」

八幡「……」

いろは「先輩?」

八幡「いや、口開けろよ」

いろは「なら先に言うことがありますよねー?」

八幡「オープンザドア」

いろは「なんかいろいろ間違ってるんですけど…」

八幡(分かるけどさぁ。超絶言いたくないんだよなぁ…)



45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/19(木) 22:49:12.05 ID:M8hK68eP0


八幡「はぁ……仕方ねぇな」

いろは「あ、やっと言う気になりました?」

八幡「今すぐ口開けなかったら1本ずつ鼻から食わせる」

いろは「ひえっ!? あけます、あけますからぁー!」

八幡「最初からそうすりゃいいんだよ」スッ

いろは「もー、なんですかその鬼畜キャラ…」パク

八幡(結局俺も手が震えてるっていう……緊張するわこんなん)

いろは(先輩に食べさせてもらっちゃった)モグ

八幡「ちゃんと噛めよ。一口20回が理想らしいし」

いろは「……」ゴクン

いろは「……えへへ、飲んじゃいました」

八幡「おい……つーかその台詞はなんかおかしい」

いろは「えー、なんのことですかー?」

八幡(狙ってるの? 狙ってますねこれは。やっぱりいろはすえっちぃと思います!)



46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/19(木) 22:50:04.01 ID:M8hK68eP0


八幡(ま、どうにか乗り切ったな)

いろは「……ぅぐっ」

いろは(やばっ、つまったかも)トントン

八幡「え、なに、つっかえた?」

いろは「……!」コクコク

八幡「だからちゃんと噛めとあれほど……飲み物は?」

いろは「……」フルフル

八幡(まずいな、俺もマッ缶しかない。いやこの際仕方ないか)

八幡「ほら、これで流せ」

いろは(えっ、でもこれ先輩の…?)

いろは「っ……」クピ

いろは「ぷは……すみません、助かりました」

八幡「いや。それより味大丈夫か? マッ缶は慣れると美味いけど慣れるまでがな…」

いろは「ん、んー……そういえばちょっと甘いかもです」

八幡(この甘さをもってしてちょっと…だと…? 味覚やばくね? 亜鉛不足じゃね?)

いろは(あんまり味覚えてない…)


47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/19(木) 22:52:36.43 ID:xR66Qoei0



八幡「さてと、作業再開か」

いろは「腹ごしらえも済んだところで、先輩には力仕事ちゃんが待ってますよ」

八幡「力仕事ちゃんて…」

八幡(ついに仕事までも擬人化されてしまったのか……ゲームになったらユーザー数だけ社畜が増えるんですかね)

八幡(『俺この子(仕事)推しだわー』『ばっかお前こっち(仕事)だろ』『このカプ(仕事×仕事)こそ至高』的な会話が街中に。やっぱ日本終わってんな…)

いろは「午前中にできた看板がもう乾いたと思うんで、その設置をお願いしますっ」

八幡「具体的には?」

いろは「いまあるのは校門の近くのと、1階の階段の前に置くぶんですねー。わたしも運ぶんで同時にいっちゃいましょう」

八幡「まぁそのルートなら一本だけど、お前箸より重いもん持てんの?」

いろは「真に受けないでくださいよ……そっちはちっちゃめなんで大丈夫ですっ」

八幡「なるほど。了解」


48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/19(木) 22:53:09.63 ID:xR66Qoei0



八幡(着いた。見かけほど重くはなかったな)

八幡「……よっこいせ。この辺か?」ガタ

いろは「んー、見やすいですけど、倒れるとあぶないんでその電灯のとこに固定しましょう」

八幡「ああ、それでスズランテープ持ってんのね」

いろは「外だと風もありますしね。あ、もう少し寄ってください」

八幡「こう?」

いろは「ばっちりです。そのまま動かないでくださいねー」グールグール

八幡「……」

八幡「いや、俺まで固定する必要ないよね?」

いろは「えっ? 好きですよね?」

八幡「何が? 縛りプレイが? んなわけねぇだろアホかお前」

いろは「そうですかー……すみません今度から気をつけますね。じゃ、おつかれさまでした」ペコ

八幡「えっ、待って何これで終わりみたいな空気出してんの? ほどくよね? ちょっと一色さん?」

いろは「やだなぁ冗談ですよー」パシャパシャ

八幡「なにそれ写メ? 写メなの? おいやめろ、いややめてくださいお願いします!」


49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/19(木) 22:53:51.30 ID:xR66Qoei0


いろは「へへへー、大漁大漁〜」

八幡「お前マジで何してくれてんの…」

いろは「いやー、こんな貴重な写真なかなかとれないですし」

八幡「でしょうね……じゃなくて消せっつの。んなもん見られたら色々と終わる」

いろは「そのへんは心配しなくてだいじょぶです。とりあえずインスタインスタっと」

八幡「いや、うん、何もだいじょばないよね? つーかそれだけはやめろ。下手すりゃ炎上もんだぞ」

いろは「やだなぁー冗談ですよ。わたしがそんなバカなことするわけないじゃないですか」

八幡(わりとやらかしそうな人種なんだよなぁ…)

いろは「ちゃんと写真消しましたから。見てくださいっ」スッ

八幡「あー……まぁそれなら良いけど」ジッ

いろは「うわ先輩、女の子のケータイそんなジロジロ見るのはちょっと」

八幡「なんなのお前…」

いろは(あとで復帰しとこっと♪)


50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/19(木) 22:54:25.58 ID:xR66Qoei0



いろは「じゃあみなさん、おつかれさまでしたー」


八幡(結局最後まで手伝っちゃったよ)

いろは「先輩もおつかれさまでーす」トコトコ

八幡「ああ。本当に疲れた」

いろは「そこは全然ヘーキだよって言うところですよ」

八幡「そうやって自分の体調を偽るから日本で過労死が絶えねぇんだよ。もはやKaroshiとか英語化されて海外で呆れられてんだぞ」

いろは「いや、聞いたことありますけど……いまそれ関係なくないですかー?」

八幡「大アリだ。こういうのは個人レベルで防衛策を取れなきゃいずれもっと大きな問題になるからな。で、俺はこんな社会を変えたいと思ってる」

いろは「は、はあ」

いろは(先輩、変なとこ真面目だなぁ。でもちょっとだけかっこいいかも…)

八幡「要するに、過労死のない世の中を実現するためにも俺は絶対に働かない」

いろは「かっこわる…」


51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/19(木) 22:55:18.67 ID:xR66Qoei0


いろは「でもほんと、意外と疲れましたねー。わたしもちょっと手伝ったんですけど、大きい看板塗るのとか特に大変でした」

八幡「あー、そういやなんかやってたな」

いろは「えっ、見てたんですか?」

八幡「いやまぁ、たまたま視界に入ったってだけだ。あん時かなり集中してたろ」

いろは「そうなんですよー! 真ん中のほうとか届きにくくて」

八幡「どうやっても無理な体勢になるよな」

いろは「しかも文字塗ってたんで、はみ出さないようにするのめっちゃ神経使いましたし」

八幡「分かる分かる」

八幡(確かにはみ出しそうでしたね。何がとは言わないけどスカートからね? めっちゃ視神経使ったけど駄目でしたね、ええ)

いろは「ふっふっふ、先輩ちゃんと見ててくれたんですね。がんばった甲斐がありました」

八幡「ば、ばっかお前、見てねぇし! いや見たけど、見えてねぇし」

いろは「……なに言ってんですか?」


52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/19(木) 22:55:50.25 ID:xR66Qoei0


八幡「で、もう終わりでいいんだよな?」

いろは「はいっ。カバン取ってくるのでちょっと待っててください」

八幡「終わりじゃねぇのかよ…」

いろは「いっしょに帰ろうってことですよー。先に帰っちゃダメですからねー」

八幡(時間外労働のサービス残業…やはり社畜か。つーか帰る方向全然違うんだけど)


パタパタ

いろは「あ、ほんとに待っててくれた」

八幡「上司に釘刺されて帰れるほどメンタル強くないんで」

八幡(ちなみに『キミ先帰っていいよ』は十中八九『お前使えねぇから帰れよ給料泥棒なんだよ』って意味が含まれるのでダメージを負う。どっちにしろ駄目じゃねぇか…)

いろは「わたし上司なんですか?」

八幡「一応、今日に関しちゃ立場上な」

いろは「じゃあ今日は先輩が部下なんですね」

八幡(学校の後輩が仕事の上司。うっ、頭が…)



53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/19(木) 22:56:21.97 ID:xR66Qoei0


いろは「ふーん…」

いろは「あ、それじゃ先輩。途中まで送ってくださいっ」

八幡(まぁそうなるよな。わざわざ待ったわけだし)

八幡「駅までな」

いろは「はーい。お願いしまーす」ピョコ

八幡「……待て、荷台を許可した覚えはない」

いろは「上司の言うことが聞けないんですか? お給料減らしますよ」

八幡「パワハラじゃねぇか。そもそも給与貰ってないんですけど?」

いろは「それはほら、かわいい後輩を送れるのがもう、みたいなっ」

八幡「やり甲斐報酬なんざクソ食らえだ」

いろは「……いまならボディタッチつきかもですよ?」

八幡「……」

八幡「セ、セクハラはいけないと思います」

いろは「迷いましたね」



54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/19(木) 22:56:59.44 ID:xR66Qoei0


八幡「まぁ、なに。鞄くらいならカゴ使っていいから」

いろは「しょうがないですねー。今日はそれでガマンしてあげます」ポスッ

八幡「図々しいなマジで…」


スタスタ

いろは「あの、先輩」

八幡「なんだ?」

いろは「えっと…」

いろは「先輩って、彼女とかほしくないんですか?」

八幡「……は?」

いろは「ずっといないっぽいんで作んないのかなって」

八幡「いや……なに? そういうのって作ろうと思って作れるの? 粘土? フィギュア的な話?」

いろは「そういうんじゃなくて…」


55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/19(木) 22:57:34.64 ID:xR66Qoei0


いろは「先輩のまわりってけっこういい人いっぱいじゃないですかー」

八幡「いい人ねぇ」

八幡(合コンの評価で『いい人』は八割がた『どうでもいい人』と聞くけどそれは男限定だっけか)

八幡(待てよ? 男限定……?)

八幡「いるな。やはり戸塚か」

いろは「言うと思いました…」

いろは「そういうんでもなくて、先輩がよくしゃべる女の子で、ですよ」

八幡(俺がよく喋る……なるほどすなわち)

いろは「妹さんもナシですからね」

八幡「……」

いろは「はぁーもう、素直に現実見てくださいよ」

八幡「それ、諦めろと同義じゃないですかね…」

八幡(完全に二次豚にかける言葉でしょうよ。そういうこと言うから余計に魔法少女が増えるんだっつの……あ、少女じゃなかった)



56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/19(木) 22:58:04.32 ID:xR66Qoei0


いろは「そこであきらめるって選択肢になるのがなんかなーって感じなんですよねー」

八幡「なんかってなんだ」

いろは「作らないポリシーでもあるのかと思っちゃうんですよ」

八幡「別にそんなんじゃねぇけど……単純にそういう対象がいないってだけだ」

いろは「えっ、あ……そ、そうなんですね。先輩的には…」

八幡「いや、俺がっつーか、俺を、な」

いろは「ってそっちですか! なーんだよかった、ショック受けるとこだったじゃないですかーもう」

八幡「何も良くねぇから。俺がショック受けてるから」

八幡「……ん? つーかなんでお前がショック?」

いろは「あ、えと、それは…」

いろは「っと。もう着いちゃったんで、それもおうちでゆっくり考えてくださいっ」

八幡「えぇ……宿題増えちゃったよ…」



57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/19(木) 22:58:33.79 ID:xR66Qoei0


いろは「それじゃ先輩、今日はお手伝いありがとうございました」ペコ

八幡「おう。無賃労働な」

いろは「あっはっはー。あと、送ってくれてどうもですっ」

八幡「まぁ父親似だし、サービス残業には縁があるんだろ」

いろは「先輩、そういううざいのばっかだと嫌われますよ」

八幡「べ、別に好感度とか気にしてねぇし」

いろは「あと、宿題もちゃんとやっといてくださいね?」

八幡「業務持ち帰りまで……やだ、この仕事マジでブラック…」

いろは「……」

いろは「……はぁー」

いろは「しょうがないですね、ちょっとだけヒントあげます」

八幡「ヒント?」



58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/19(木) 23:01:11.63 ID:xR66Qoei0


いろは「先輩、ちょっとこっちに」

八幡(ヒントってあれか、宿題のか)

いろは「耳かしてくださいっ」

八幡「はあ」

八幡(そもそも宿題ってなんだっけ? 確か、どっちも一色が…)

いろは「……んっ」

八幡「……」

八幡「……え」

八幡(なに今の? なんかぷにっとしたのが頬に…)

いろは「えへへ。いまのがヒントですっ」

八幡「いや、いやいやいや……絶対違うでしょ…」

いろは「んー、じゃあ残業代ってことで」

八幡「どんな手当だよ…」

いろは「ふっふっふ、わたしはホワイト企業ですよ?」

八幡「……」

八幡「ハッ……なんだそりゃ」



59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/19(木) 23:02:04.75 ID:xR66Qoei0


いろは「それじゃ先輩、また明日ですっ」

八幡「お、おう……って、またなんかあんの?」

いろは「じゃなくてお金ですよーお金。お昼のぶん先輩に借りたままなんですけど」

八幡(あー、そういやそうだ)

いろは「返さなくていいんですか?」

八幡「いやまぁ、そういうことなら……また明日な」

いろは「はいっ」

八幡(顔合わせづらいっつの…)

いろは「先輩」

八幡「ん?」

いろは「明日、宿題の答えあわせもしますからねっ」

八幡「……あ、ああ」

いろは「ではではー」フリフリ

八幡(宿題ね…)

八幡「……」

八幡(まぁ、ホワイトなら……考えてみるかな)



60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/19(木) 23:03:06.95 ID:xR66Qoei0


翌日


八幡(全然眠れなかった……今日どうしようマジで)

結衣「ね、ヒッキー」

八幡「ん?」

結衣「いろはちゃんからヒッキー宛に『からだ痛くて起きあがれませんー!』って……どゆこと?」

八幡「……」

八幡「非力すぎィ!」



おわり


61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/19(木) 23:05:08.15 ID:xR66Qoei0
以上です。読んでくれた人いたらありがとござます
前のよりキャラ崩壊が激しいのはともかく本当にオチが思いつかなかった
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/19(木) 23:09:44.44 ID:qI9Oszieo
おつ
いろはメインはやっぱり最高だな
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/19(木) 23:14:54.34 ID:UtYKJikLo
おつおつ
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/19(木) 23:16:52.06 ID:j2OzuQWk0
いろはす〜
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/10/20(金) 01:57:37.86 ID:4SKTNguDO

面白かったけどガハマが最後に出てきたのがマイナスだな
雪乃でも良かったろ。由比ヶ浜なんて存在するだけで不愉快になる人が多数だから削除でいい
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/20(金) 02:38:31.44 ID:6bSaHgy0o
乙です
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/20(金) 10:04:47.05 ID:/mAnraflO
りたふにこうそくいいた
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/20(金) 12:10:12.31 ID:cj+VWw6eO
>>65
なんか電池くん久しぶりに見た
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/04(土) 03:34:09.10 ID:M0vn40gzo
ちなみに前のってどんなん?
これ面白かったから読みたい
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