古畑任三郎「魔王さんを殺したのは……勇者さん、あなたですね」

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41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/20(月) 23:55:53.25 ID:2Ro3e5Mlo
タタタタタッ

今泉「古畑さぁん!」

古畑「遅いじゃないかぁ〜、何やってたの」

今泉「何やってたのって、魔法使いさんを手伝ってたんですよ!」

今泉「あの人も穏やかそうな顔つきで、人使い荒すぎなんですもぉん!」

今泉「肩揉めだの、面白い話しろだの、疲れたから紅茶入れてこいだの……」

古畑「で、結果は?」

今泉「部屋の隅々まで調べましたが“魔力の痕跡”はどこにもありませんでした!」

古畑「……そう」

勇者「…………」ホッ

勇者「どうやら、自殺と断定して間違いなさそうですね」

勇者「さ、もう行っていいですか? 私は忙しいんだ」

古畑「あ、どうぞ、結構です。お引き止めして、申し訳ありませんでした」

古畑「…………」
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/20(月) 23:58:28.29 ID:2Ro3e5Mlo
今泉「古畑さん、まさか勇者さんを疑ってるんですか?」

古畑「ん〜……まぁね」

今泉「どうして戦いをやめようって話を持ちかけてきた魔王を、勇者さんが殺すんです!?」

今泉「勇者っていったら、ゲームじゃ主人公なんですよ? 正義の味方なんですよ!?」

古畑「でもさ、倒される側からしたら、勇者もしょせんは殺人者……だよね」

今泉「う、うわぁ〜、古畑さんひねくれてるなぁ〜!」

今泉「僕、そういう考えよくないと思うな」

今泉「古畑さん、あれでしょ。桃太郎を読むと鬼が可哀想って思うタイプだったでしょ?」

古畑「うるさいよ」ペシッ

今泉「あてっ!」
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/21(火) 00:03:03.12 ID:TROQoGIho
今泉「でももし勇者さんが魔王を殺したとしたら、次はどうするんでしょうね」

古畑「どうするって? もう目的は果たされてるでしょ」

今泉「いや、ゲームだと、もっと強い裏ボスが出てくるのがお決まりなんですけどね。こういう場合」

古畑「そんなのがいるんだ」

今泉「おばあちゃんに付き合わされてるうちに、僕もゲームに詳しくなりましてね」エヘヘ…

古畑「君は少しゲームから離れなさい」
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/21(火) 00:04:03.68 ID:1AFbpUfXO
古畑名前しか知らないけど読んでたら見たくなってきた
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/21(火) 00:06:18.77 ID:TROQoGIho
今泉「まぁいずれにせよ、いつまでもここにはいられないわけですし」

今泉「古畑さんもお土産の一つや二つ、見つけておいた方がいいですよ。僕みたいに」ヒョイッ

古畑「……なに、その石ころ」

今泉「さっき兵士の人達と石板運んでる時、石板壁にぶつけちゃったんです。その欠片!」

古畑「相変わらずろくなことしないねぇ、君は」

今泉「これ、僕の宝物にしちゃおっと!」ゴソッ

古畑「ま、好きにしなさい」
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/21(火) 00:09:35.05 ID:TROQoGIho
― 城内・キッチン ―

テーブルに大量の料理が並んでいる。

今泉「うわぁ〜、おいしそうな料理がいっぱいだなぁ」

メイド「だけどパーティー中止になっちゃったから、出せなくなっちゃいましたけどね」

メイド「こんなに料理が残って、シェフもガッカリしてましたよ。よかったら食べて下さいよ」

今泉「いいんですか!?」

メイド「どうぞどうぞ。ただし、こっちのケーキは食べないで下さいね。あたしのだから」

古畑「君もよく食うねえ〜」

今泉「残り物は別腹!」

古畑「ん〜……君、ちょっと聞きたいんだけど」

メイド「なんでしょう?」
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/21(火) 00:12:13.49 ID:TROQoGIho
古畑「たとえば……魔王さんが死ぬことによって、勇者さんが得することって何かあるかな?」

メイド「ええ、ありますよ!」

古畑「! ……教えてもらえる?」

メイド「これは噂なんですけどね」



今泉「うまい、うまい」モグモグムシャムシャ
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/21(火) 00:15:09.67 ID:TROQoGIho
メイド「勇者様って、自分が必要とされるために、自分の地位を守るために」

メイド「魔王に頼んでわざと王国を攻撃させてたって噂があるんですよ」

メイド「だから、最近の戦いでは魔王がすぐに撤退することが多くなったって」

古畑「んん〜」

古畑「それが本当だとすると、魔族と停戦や和解するなんてのは勇者さんにとっては面白い話じゃないね」

メイド「はい、勇者様としてはずっといがみ合いが続いた方が好都合でしょうね」

古畑「なるほどぉ〜」

古畑「……とりあえず動機はあるわけ、か」



今泉「いくらでも食べれちゃう」バクバクムシャムシャ
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/21(火) 00:18:46.91 ID:TROQoGIho
― 城内・通路 ―

勇者「…………」スタスタ

古畑「どうも〜」ヒョコッ

勇者「古畑さん、またあなたですか。てっきりもう元の世界に帰られたのかと思いましたよ」

古畑「私すっかりここが気に入りまして。もう少しだけここにいようかと思いまして」

勇者「……今度はなんの用です?」

古畑「実は先ほど、あなたに関するよからぬ噂を小耳に挟んだもので……」

勇者「ああ、私が魔王に持ちかけていたずらに戦いを長引かせてるという噂ですね」

古畑「ご存じでしたか」

勇者「そりゃもう。嫌でも耳に入ってきますよ。そういう根も葉もない誹謗中傷がね」
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/21(火) 00:21:32.15 ID:TROQoGIho
勇者「しかし、これだけは断言しておきましょう」

勇者「私は自分の地位なんかにこれっぽっちも執着してはいないと!」

古畑「いえ、私そんなつもりじゃ。お気を悪くされたらすみません」

勇者「で、それだけじゃないでしょう?」

古畑「はい、これだけお伺いしたいと思いまして」

古畑「仮に魔王さんが自殺したとして、なぜあんなおめかしをしてたんでしょう?」

古畑「普通、これから自分が死ぬって時にあんな派手に着飾るでしょうか?」

勇者「そりゃ、最期の時だ。タキシードぐらい着たってバチは当たらないでしょう」

古畑「あれ、あれれ、おかしいですねぇ〜」

勇者「何がです?」
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/21(火) 00:24:32.50 ID:TROQoGIho
古畑「どうして勇者さん、魔王さんがタキシードを着ていたことをご存じなんです?」

勇者「!」

古畑「あなたは先ほど今日魔王さんには一回も会っていないとおっしゃってた」

古畑「魔王さんの死体はうつ伏せで、詳しく調べなければタキシードを着ているなんてことは」

古畑「分からなかったはずです」

古畑「私も今泉が死体を動かした時、はじめて知りました」

古畑「現場の捜査に参加しなかったあなたが、魔王さんがタキシードを着ていたことを」

古畑「なぜ知っているのですか? んん〜これは妙だと思いませんか?」

勇者「…………!」
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/21(火) 00:27:35.43 ID:TROQoGIho
勇者「実は……会うというほどではないが、見たんですよ」

古畑「見た?」

勇者「この城に来ていた魔王を、チラッとね」

古畑「そうですか、そうですか。それならば何もおかしくはありません。失礼しました」

勇者「……なるほど、これがあなたのやり方か。古畑さん」

古畑「え?」

勇者「こうやって人にまとわりついて、ボロを出すのを待つ。これがあなたの戦術というわけだ」

古畑「いえいえ誤解ですよ、私はそんな」

勇者「あなたがいた世界でも、こうやって犯人を暴いてきたのだと容易に想像できますよ」

古畑「そんな、想像でものをおっしゃらないで下さい」

勇者「……いいですか」
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/21(火) 00:30:13.25 ID:TROQoGIho
勇者「あの部屋には鍵がかかっていた。魔王は中で死んでいた。しかも鍵を持ったまま」

勇者「魔王を殺して部屋の鍵がかかったまま外に出るには、テレポートしか手段はない」

勇者「だが、部屋からは魔力の痕跡は一切発見されなかった」

勇者「いいですか、これが事実なんですよ」

古畑「おっしゃる通りです」

勇者「どうしても私を犯人にしたかったら、私がどうやって魔力の痕跡を残さずテレポートしたか」

勇者「証明してみせて下さい」

古畑「分かりました……証明してみせます」

勇者「楽しみにしていますよ」
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/21(火) 00:33:43.63 ID:TROQoGIho
― 城内・キッチン ―

今泉「で、あるんですか、証拠?」モグモグ

古畑「……ないね」

今泉「じゃあ、どうしようもないじゃないですか。もう帰りましょうよ〜」

古畑「君一人で帰っていいよ」

今泉「またまた強がってぇ〜。古畑さん、僕がいないとダメじゃないっすか〜」

古畑「私がいつ君を必要とした?」
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/21(火) 00:36:23.89 ID:TROQoGIho
今泉「あ、このケーキ食べちゃおっと」パクッ

メイド「やだ、ちょっと! このケーキはあたしのですよ!」

今泉「え!?」

メイド「だから分けておいたのにぃ〜! 髪は薄いくせに食欲だけはあるんだから!」

今泉「うぐぐぐ……」

古畑「何やってるんだよ、君は」

今泉「ごめんごめん、だけどこうやって削れば、口つけたのはなかったことになるから」

メイド「なりませんよ!」

今泉「ごめんちゃーい!」

古畑「…………!」

古畑「ちょっと待って」
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/21(火) 00:39:14.78 ID:TROQoGIho
古畑「君、今なんていった?」

今泉「ごめんちゃーい!」

古畑「違うよ、その前」

今泉「え? えぇと、削れば口つけたのはなかったことになるから……って」

古畑「…………」

古畑「……そういうことか」

古畑「今泉君」

今泉「なんです?」

古畑「さっきの石ころ、貸してもらえる」

今泉「いいですけど……どうすんですか、こんなもん」
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/21(火) 00:42:05.83 ID:TROQoGIho

……

古畑「見知らぬ異国どころか異世界で起こった、この不可思議な事件……」

古畑「ん〜、私にもようやく真相が見えてきました」

古畑「果たして勇者さんは、真の勇者なのか、それともただの殺人者なのか……」

古畑「どうぞ解決編をお楽しみ下さい」

古畑「古畑任三郎でした」

……
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/21(火) 00:45:12.90 ID:TROQoGIho
― 城内・小部屋 ―

二人きりで対峙する古畑と勇者。

勇者「なんですか、古畑さん。人をこんなところまで呼び出して」

古畑「お忙しいところすみません。どうしてもお話ししたいことができたもので」

勇者「ほう? 事件の捜査は進展したんですか?」

古畑「はい、とても大きく進展しました」

古畑「魔王さんを殺したのは……勇者さん、あなたですね」

勇者「…………」
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/21(火) 00:48:37.69 ID:TROQoGIho
勇者「お話を伺いましょう」

古畑「あなたはまず、この部屋にいた魔王さんを訪れました」

古畑「大事な話があるからと、鍵をかけました」

古畑「ここでおそらく、魔王さんはパーティーで停戦あるいは和解を提案することを話したのでしょう」

古畑「さらに、今までの戦いは勇者さんとの八百長だったこともバラす、と」

古畑「それをされたら困るあなたは剣で魔王さんを殺害し、死体に剣を握らせた……」

古畑「ここまではよろしいですね?」

勇者「続けて下さい」
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/21(火) 00:51:40.75 ID:TROQoGIho
古畑「さて、あとはどう脱出するかです」

古畑「そのままテレポートを使ったのでは、魔力の痕跡が残ってしまう」

古畑「たとえば魔法使いさんが部屋を調べれば、何があったのかはバレバレです」

古畑「そこであなたはこの部屋にあった石板を魔王さんの上に倒し、その上に乗って」

古畑「テレポートしたのです」

古畑「こうすれば、部屋の床に痕跡を残さずテレポートすることができます」

勇者「…………」

古畑「そう、あなたがこの部屋のドアを開ける時、爆破を起こす魔法を使ったのは」

古畑「“石板はドアを開くための爆発によって倒れた”と我々に印象づけるためです」

古畑「魔法使いさんのテレポートをあわてて止めたのも、このためです」

古畑「もし元から石板が倒れていたのが分かってしまったら」

古畑「この石板を足場に犯人はテレポートした、という真相にたどり着かれるおそれがありますからね」
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/21(火) 00:54:52.36 ID:TROQoGIho
古畑「しかし、まんまとこれらをやり遂げたあなたは」

古畑「魔王さんを押し潰している石板をいち早く部屋から片付けるよう、兵士の方々に命じました」

古畑「この瞬間、この部屋から魔力の痕跡が検出されることは絶対になくなったわけです」

古畑「私もうっかりしてました」

古畑「現場保存は捜査の鉄則だというのに、あの場の雰囲気にすっかり飲まれてしまってました」

古畑「しかし、先ほどうちの今泉がメイドさんのケーキをつまみ食いして」

古畑「自分の食べた箇所を削ってつまみ食いをなかったことにする、などという」

古畑「みっともない真似をしたおかげで気づいたのです」

古畑「テレポートしか脱出の手段はないのに、なぜ魔力の痕跡はどこにもないのか?」

古畑「それは……痕跡は現場からすでに削り取られてしまったからなのだと」

勇者「……よくできた推論だ。しかし、肝心の石板がなければ――」

古畑「あります」

勇者「え……」
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/21(火) 00:57:38.76 ID:TROQoGIho
古畑「あの石板はおそらく、すでにあなたが埋めるなり砕くなりして処分してしまったでしょう」

古畑「ですが、ここにその欠片があるのです」ヒョイッ

古畑「今泉が土産にするといって、こっそりくすねていたものです」

古畑「魔法使いさんに聞いたところ、これは石板の一部で間違いないそうです」

古畑「あとはこの欠片から、あなたがテレポートを使った痕跡が発見されれば、事件は解決です!」

古畑「……いかがですか?」

勇者「…………」
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/21(火) 01:00:26.70 ID:TROQoGIho
勇者「……お見事です」

古畑「ありがとうございます」

勇者「いつから私が犯人だと?」

古畑「一緒に魔王さんのいた部屋に入った時からです」

古畑「あの時、あなたは“私が魔王を殺してしまったのか”といいました」

古畑「石板が爆破で倒れたことをより強く印象付けるためにおっしゃったのでしょうが」

古畑「あの時点で魔王さんが死んでると断定するのはいくらなんでも早すぎでした」

古畑「せめて“魔王、しっかりしろ!”などというべきでした」

勇者「……参ったな。最初からお見通しだったというわけか」

古畑「……はい」
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/21(火) 01:04:23.37 ID:TROQoGIho
勇者「それともう一つ、こんなところに私を一人呼び出して」

勇者「もし私が逆上して襲いかかってきたら、証拠を奪おうとしたら、とは考えなかったのですか?」

古畑「考えませんでした」

勇者「なぜ?」

古畑「なぜなら、あなたは真の勇者だからです」

古畑「なんの力もない私を傷つけるような人ではない、と思いました」

勇者「どういうことです?」

古畑「ご自分でお気づきかは分かりませんが、あなたは二度ほっとなさっています」

古畑「一度目は、国王陛下が魔族との和解は振り出しに戻ったといった時」

古畑「二度目は、この部屋に魔力の痕跡がなかったのが判明した時です」

古畑「二度目の時は、作戦が成功したことへの安堵のように見えましたが」

古畑「一度目は違いました。心の底から人々のためを思っての安堵に見えました」

古畑「あの時、私はあなたが単に保身で殺人をするような人ではないと感じたのです」
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/21(火) 01:07:29.80 ID:TROQoGIho
古畑「教えて頂けますか? ……本当の動機を」

勇者「古畑さん、一つの集団の平和を維持するために必要なものは何かご存じですか?」

古畑「……いえ」

勇者「それは“共通の敵”というやつです」

勇者「共通の敵がいれば、その集団はその敵に向かって一つにまとまることができるのです」

勇者「それは人だけでなく魔族も同じこと」

勇者「本来どう猛な魔族が魔王を中心に一つになっていたのは」

勇者「魔王のカリスマのおかげなどではなく、人間という共通の敵がいたからなのです」

勇者「つまり、人と魔族が対立しているからこそ、二つの集団はまとまってこれたのです」

勇者「それがもしも人と魔族が完全和解などしたらどうなるか……」

勇者「真の平和が訪れる? いいえ、それこそ人と魔族の入り混じった社会で無数の対立が生まれ」

勇者「制御不能の混沌と破滅の世が始まるでしょう」

勇者「私はそれを……どうしても防ぎたかったんです」

古畑「魔王さんに頼んで、たびたび戦いを起こしていたのもそのためだったんですね」
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/21(火) 01:10:34.10 ID:TROQoGIho
古畑「あなたのおっしゃることはよく分かりました」

古畑「あなたが単に保身や名誉欲で殺人をする人ではなくてよかった」

古畑「やはりあなたは私が思った通りの方でした」

勇者「光栄です」

古畑「私は部外者です。まもなくこの世界を去る身です」

古畑「この世界の行く末やあなたの主義について、どうこう言うつもりもそんな権利もありません」

古畑「しかし……しかし、それでもなお、あなたはこんな形で魔王さんを殺した責任は取らねばならない」

古畑「……そう思います」

勇者「その通りですね」
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/21(火) 01:13:20.10 ID:TROQoGIho
勇者「あの石板にはなんと書いてあったかご存じですか?」

古畑「いえ」

勇者「実は『魔王を倒した勇者は、さらなる強敵に出会うであろう』と書いてあったのです」

古畑「ん〜、今泉が裏ボスなどといってましたね」

勇者「裏ボス……裏ボスか、なるほど」

勇者「私はたしかに魔王を倒しましたが、古畑さん、あなたという裏ボスには勝てなかったようだ」ニコッ

古畑「…………」ニッコリ

勇者「では、参りましょう」







〜 END 〜
68 : ◆P8bpXMw50A [saga]:2017/11/21(火) 01:13:56.11 ID:TROQoGIho
この事件は創作であり古畑任三郎は架空の刑事です
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/21(火) 01:18:46.74 ID:7gzBVgtSo

凄いな、ファンタジーRPGの世界に完全に古畑を落とし込んでる
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/21(火) 01:30:26.55 ID:Zn6lfYhD0

かなりよかった
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/21(火) 01:55:54.58 ID:i+bZ9e2v0

面白かった
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/21(火) 02:02:48.11 ID:mc1mDpuN0
乙です。
いかにも古畑って感じだった。
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/21(火) 02:23:26.95 ID:84oVrNNm0
再現度高い
くそ懐かしいなー
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/21(火) 03:32:33.70 ID:PNzJi1Q4O
ファンタジーとのクロスなのに、ドラマの映像が目に浮かぶような完璧さだった
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/21(火) 03:47:29.82 ID:8K2OKoiLo

ガンガン脳内再生もされてまるで古畑1話見た気分だわ
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/21(火) 06:54:43.02 ID:geXnBIpD0
脳内再現度が異常
BGMとか自然に浮かぶなあ
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/21(火) 07:08:45.74 ID:wDlKlFqyo

イントロから完全に古畑だ
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/21(火) 08:12:22.93 ID:wO2Bt7uLo


凄かった。そして勇者はいいやつだったのね
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/21(火) 09:33:23.89 ID:jD7P9WW3o
乙めちゃ面白かった
BGM頭の中で再生しながら読んでた
次回作も期待してる
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/21(火) 09:34:46.86 ID:QvKJUtIFo
おつ
脳内再生される上に、雰囲気が完全に古畑さんで本当によかった
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/21(火) 12:04:58.45 ID:kMA/egAUo
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/21(火) 13:39:52.19 ID:gcUjox5m0
たまにこういうわけわからんクロス書くのすげぇ上手いやつ現れるよな
面白かった、乙
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/21(火) 20:38:02.05 ID:lc2Z+ozRo
乙面白かった
異世界ファンタジーなのにしっかり古畑任三郎しててすごい
あとなぜかわからんけど最後感動した
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/21(火) 22:38:48.85 ID:a0DrYgWtO
途中の「古畑任三郎でした」はやっぱり、いい味がしてるぜー
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/22(水) 13:09:48.56 ID:ejcTau+CO
乙です。
面白かった。
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/22(水) 22:26:25.56 ID:BYuN9c2Ko
面白かった
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/23(木) 01:15:20.44 ID:WInvEBATO
完全に古畑を丸々一話見てる気分だった
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/23(木) 13:36:51.75 ID:619ewV1jO
常識の違うファンタジーと刑事物を、よくもここまでキレイにコラボさせたもんだ。
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/01(金) 15:23:30.63 ID:8OSacCSzo
勇者が石黒賢で再生された
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/17(日) 23:57:53.35 ID:/lEbkmJEO
>>42
ここの脳内再生余裕過ぎて草
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