みほ「麻雀部チームとフリースタイルMCバトル?」【ガルパン×咲】

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247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/24(金) 20:56:54.85 ID:Veh8rIUF0

【ステージ】

洋榎「来たか」ニヤ

みほ「…………」ザッ

役人「さあ、それでは最終戦を始めましょう!」

ワァァァ!

役人「先攻後攻のじゃんけんをお願いします」

ジャンケンポン

洋榎「先攻や」

みほ「!……」

洋榎「一発で終わらせたるで」

みほ「そうは……させません」

洋榎「へえ……ほなら楽しみにしとくわ」

役人「OK!先攻、麻雀部チーム ヒロエ!後攻、戦車道チーム MIHO!DJルミ、かまーせー!」

ルミ「っ!」
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/24(金) 20:57:21.64 ID:Veh8rIUF0

http://www.youtube.com/watch?v=wFeXBOVZVXU&t=13s 3:20

<第34戦 先攻 ヒロエ VS 後攻 MIHO>

洋榎「MIHO 片付けたるわ うちが大阪の代表」

洋榎「見たらわかる 聞いたらわかる 感じたらわかる オーラが最強」ワァァァ!

洋榎「ディスは豪華な愛情 8億小節 ずっと このまま快調」ワァァァ!

洋榎「ちゃんとアンサーせえよ? そのクチ閉じてもうたら最後 やから」ワァァァ!

洋榎「姉のカタキ 誰の話 なんでもええ かかってこい」ワァァ

洋榎「大阪人 今日までの会話量 格が違うわ! なんでも返す!」ワァァァ!

洋榎「スタイルは 王道 邪道 どれでもない 別の角度や」ワァァ

洋榎「そんなうちとお前で 作り上げるのが 今大会 ベストバウトじゃ!」ワァァァ!



みほ「大阪代表 相手でもクチは閉じず回る モーターは最速」ワァァァ!

みほ「会話量とラップは別物 話の筋 初っ端迷子」ワァァァ!

みほ「出だしからビッグマウス 姉の世迷言 妹かわいそう」

みほ「どこ行っても姉のネタでいじられて 『死のう』とかなりそう」ワァァァ!

みほ「それが嫌なら バイブス下げるな 避けろ 低体温症」

みほ「このバトル ベストバウトにならないなら ヒロエが停滞の温床」ワァァァ!

みほ「本来なら 仲良く過ごしていたい本性 でも容赦しない」ワァァ!

みほ「ディスで開ける 冥界の門を 扉塞いでとる 閉会の音頭」ワァァァァ!



洋榎「次から次 クチが悪い 妹は平気 ネガティブな 栗原類」ワアァァ!

洋榎「ちゃうから 無理なら無理 言うわ 教えたる 無知なカスに」ワァァァア!

洋榎「お前 今のライムだけやぞ? ちゃんと返せや 芯食うアンサー」

洋榎「冥界?なんやお前ケルベロス? とっととどかす 珍獣ハンター」ワァァァ!

洋榎「容赦せえへんのは当たり前 今頃そんな宣言せんでええねん」ワァァァ!

洋榎「マジ メか 説 明 書全 部読 むタイ プやろ どうせ お前は」ワァァァ!

洋榎「うちは 即決 そんなんばっかして 直感 反射神経」ワァァァ!

洋榎「鍛えた 速度制限、越す 経験則 ついてこれるんか オイ!?」ワァァァァ!
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/24(金) 20:57:50.71 ID:Veh8rIUF0

みほ「法定速度 守らないなら ほっとく どうせ急ぐほどじゃない」ワァァァ!

みほ「それに昔から言われてた 『怪しい人についていっちゃいけません』」ワァァァァ!

みほ「説明書 読まないヤツほど 何も内容わかってないよ」ワァァァ!

みほ「挙句の果て 困り 嘆くの何故? ホント世迷言だよ」ワァァァ!

みほ「わかってないから教える 冥界の『中に』いるのが ケルベロス」

みほ「外に出ようとして襲われる 頑張れ逃げろ 走れメロス」ワァァァ!

みほ「容赦しない宣言の理由 関西はクレーマー多そうに 思うから」

みほ「ホント面倒 無視しようかな どうせ 暮れは大掃除」ワァァァァ!



洋榎「もしもダイソンのサイクロンで吸われても 残すマイク痕」ワァァァ!

洋榎「吸引力を利用して パイプ通って排気口から 抜け出す」ワァァ!

洋榎「バッチリ(塵) 誇り(ホコリ)まみれや 微動だに(ダニ) せえへん 勝つのみ(ノミ)」ワァァァ!

洋榎「場内 歓喜(換気)させることを放棄(ホウキ)せず かますプレー(スプレー)」ワァァァァ!

洋榎「こうやって笑点ばりに 上手いことに挑戦」ワァァ!

洋榎「几帳面で真面目なヤツ 起承転結 キチキチで おもんない」

洋榎「枠はみ出す 度量も度胸もしょうもない 同じ土俵立てん」ワァァ!

洋榎「この言葉が置き土産 忘れんな そこのキミやで?」ワァァァ!



みほ「掃除機から脱出 速度も枠も はみ出たがるヤツ」

みほ「正直 同じ土俵 立ちたくない 人生に 真面目じゃなくなる」ワァァァ!

みほ「直感頼りじゃ 行き当たりばったり 進むべき時に」

みほ「道端に立ったり 明らかにハッタリ で 亡骸になったり」ワァァァ!

みほ「少々捻って 起承転結の承承承で 創造しようと」ワァァ!

みほ「想像以上 に不発な状況証拠 貰えない表彰状」ワァァァ!

みほ「回り回って 育ってない クリエイティビティ」

みほ「説明書 全部読んだ私は とっくにね生き字引」ワァァァ!



役人「終了ーーーーーー!!!」

ワァァァァ!

洋榎「…………やるやんけ」

みほ「………………」
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/24(金) 20:58:18.77 ID:Veh8rIUF0

役人「では判定に入ります!先攻、ヒロエが勝ったと思う人!」

ワァァァァ!

役人「……後攻、MIHOが勝ったと思う人!」

ワァァァァァ!

役人「MIHOが1ポイント獲得です」

みほ「っ……」ゴクリ

洋榎「………………」

役人「……それでは審査員のみなさん、判定をお願いします!」

ババン!

亜美「MIHO」

理事長「ヒロエ」

トシ「ヒロエ」

秋一郎「MIHO」

南浦「ヒロエ」

役人「審査員票は3対2でヒロエ!延長戦です!!」

ワァァァァ!

洋榎「ま、そんなとこやろな」

みほ「………………」

みほ(残念だったけど、落ち着こう。ここで気持ちを乱したら一気に負ける。それだけヒロエさんは強い)
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/24(金) 20:58:45.78 ID:Veh8rIUF0

役人「では、先攻後攻じゃんけんをお願いします」

ジャンケンポン

みほ「!」

みほ(勝った……普通なら後攻をとるところだけど、ペースを作るために……)

みほ「先攻お願いします」

役人「OK!先攻、戦車道チーム MIHO!後攻、麻雀部チーム ヒロエ!DJルミ、かまーせー!」

ルミ「っ!」
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/24(金) 20:59:16.99 ID:Veh8rIUF0

http://www.youtube.com/watch?v=oJSx_HwGrd0&t=7s 2:37

<第34戦 先攻 MIHO VS 後攻 ヒロエ 延長戦>

みほ「これで決める 戦車道チーム 見事にトップ」

みほ「祝福してくれる 水戸ホーリーホック」ワァァ!

みほ「ヒロエは 過大評価だ 帰りな 南大阪」ワァァァ!

みほ「チームメイトも思ってるはず 『見限ろうかな』って」ワァァァ!

みほ「見せつけるスキル ディスと 押韻が過激」

みほ「確実にヒットさせる 行進間射撃」ワァァァァ!

みほ「こいつのディス アホらしい小言にヤジ」

みほ「ソース無しの薄味 たこ焼きお好み焼き」ワァァァァ!



洋榎「ソース(情報源)あれへんなら 決め付けんな」ワァァァ!

洋榎「妄想と予想ばかりで 最後は 自滅でんなぁ」ワァァァ!

洋榎「あとお前、車長 砲手ちゃうなぁ」

洋榎「これはソースあるで? 認めてや社長さん」ワァァァ!

洋榎「ライムばかり盛り込みすぎ ラーメン二郎か?」ワァァ!

洋榎「西住まほの 爪の垢、煎じろ!飲め!」ワァァァ!

洋榎「お好み焼きばりに 板(舞台)の上でジュージュー熱ぅなる」ワァァ!

洋榎「暑苦しい 重々承知 うちは 押韻より気持ち!」ワァァァァ!



みほ「その気持ちを へし折る言霊(ことだま)」

みほ「耳塞ぐ代わりに 咳き込むとこだな」ワァァァ!

みほ「板の上で熱くなっても 最後ひっくり返される」ワァァァ!

みほ「その瞬間が来ると知ってて じっくり耐えられる?」ワァァァァ!

みほ「ラーメンMIHOは大盛り ライム、野菜マシマシ」ワァァ!

みほ「少量を 騙し騙し よりよっぽどマシだし」ワァァァ!

みほ「最後に勝ち残るのは MIHOなんで」

みほ「酒飲みも よく言う『シメはラーメン』」ワァァァ!
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/24(金) 20:59:46.14 ID:Veh8rIUF0

洋榎「お前そこは茨城 あんこうマシマシやろ!」ワァァァ!

洋榎「もったいない 発想が 半歩足りないアホ!」ワァァァ!

洋榎「ラーメンMIHO 大盛りでも 高カロリー そんなのいい」ワァァァ

洋榎「騙し騙し てかアレ もやしもやし やしなもう」ワァァァァ!

洋榎「うちは どうひっくり返されても負けへん」

洋榎「無防備にクチ放り込んだら火傷する お好み焼きやけど」ワァァァ!

洋榎「文句ある? そういう魂をこの身焼き付けてる!」ワァァァ!

洋榎「それが うちの好みや気ぃ付けろや!」ワァァァァ!



みほ「その減らず口 ヘラで叩いてペラペラに」ワァァ

みほ「熱いだけじゃ 夢、描(えが)けない 芽が出ない」ワァァァ!

みほ「あんこうは マシマシ 無理な高級魚」

みほ「まじまじ見れば 納得 うちらのムード」ワァァァ!

みほ「次はどう言うの? 粉もの談義 続ける?」

みほ「ぶっちゃけ 本心では そんなもの関心なし」ワァァァ!

みほ「素直に敗北 認めろここに」ワァァ!

みほ「ついでに言っとく 興味ない ヒロエの好み」ワァァァァ!



洋榎「粉もの談義 お前が言い出したんや」

洋榎「自作自演やん ドゥユーアンダースタン?」ワァァァ!

洋榎「MIHOらのムード あんこう踊りか」ワァァ!

洋榎「♪ア・ア・アン ア・ア・アン 簡単やん」ワァァァァ!

洋榎「うちの夢 芽が出るかは 確かに わからん」

洋榎「けど描けへんってのは見当違い ニワカやな」ワァァ!

洋榎「敗北認めろって 降伏勧告ちゃうんけ?」

洋榎「ギブアップされて優勝 満足なん?ねえ?」ワァァァ!



役人「終了ーーーーーー!!!」

ワァァァ!
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/24(金) 21:00:23.65 ID:Veh8rIUF0

役人「それでは判定に入ります!先攻、MIHOが勝ったと思う人!」

ワァァァァ!

役人「……後攻、ヒロエが勝ったと思う人!」

ワァァァ!

役人「MIHOに1ポイント入ります」

みほ「!」

洋榎「……………」

役人「それでは……審査員のみなさん、判定をお願いします!」

ババン!

亜美「MIHO」

理事長「ヒロエ」

トシ「ヒロエ」

秋一郎「ヒロエ」

南浦「MIHO」

役人「3対2で……ヒロエ!再延長です!」

ワァァァァ!

みほ(また延長……)

洋榎「……ふー……」

役人「では再延長に入ります!先攻後攻を決めてください」

ジャンケンポン

洋榎「先攻」

みほ「!」

みほ(あくまで先攻……自分の流れに持って行こうとしてる)

役人「OK!先攻、麻雀部チーム ヒロエ!後攻、戦車道チーム MIHO!DJルミ、かまーせー!」

ルミ「っ!」
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/24(金) 21:00:52.60 ID:Veh8rIUF0

http://www.youtube.com/watch?v=_z1noQGCV-8&t=26s 3:03

<第34戦 先攻 ヒロエ VS 後攻 MIHO 再延長>

洋榎「また延長かい けどこのまま眠たいこと」

洋榎「言ってられへん 仲間の期待こそパワーや」ワァァァ!

洋榎「うちは このSakiも 腕、み凱屠(がいと)く」ワァァ!

洋榎「ガイドいらん KAJUう(果汁)の甘さもいらん」ワァァ!

洋榎「AWAただしくも ストイックにスキル HERO−Se(披露せえ)」ワァァ!

洋榎「でもお前は ここで果TELU(てる) Toki(時)迎える」ワァァ!

洋榎「全員分 やりたいけど ごめん無理やねん」

洋榎「それでも勝てるけど すでに MIHOエンプティーやで」ワァァ!



みほ「なんか注釈(カチューシャ)無いと わからない系(ケイ)」ワァァ!

みほ「人より自分の身を案じ(アンジー)れば?」ワァァ!

みほ「リングに沈み魔法(西住まほ)のように消えろ 調子乗んな(ノンナ)」ワァァ!

みほ「見限って(ミカ)食べる アンチョビとカルパッチョに カプレーゼ(REZE)」ワァァァ!

みほ「これのどこがエンプティー? むしろ満タン」

みほ「ここから物語 作るし浪漫譚(ろまんたん)」ワァァ!

みほ「『仲間の期待がパワー』には 同意する」

みほ「頑張れるのは みんなが喜ぶ顔 見たいからだ」ワァァァ!



洋榎「おいおいおい 途中のアンチョビ・カルパッチョ卑怯やろ!」ワァァ!

洋榎「ジローラモかて 言うやろな 『イジョウダヨ』て」ワァァ!

洋榎「クRUMIは料理入れにくいし 爽PはPが邪魔やし」ワァァ!

洋榎「お前らもっとやりやすい名前付けてぇや もうホンマに!」ワァァ!

洋榎「こんなんじゃ 毛根が痛んで ハゲてまいそうや」ワァァ

洋榎「ストレスに 慣れてないお嬢さん 的な一面もあんねんから」ワァァ!

洋榎「ま、髪の毛 怪しなっても使わん 育・毛・剤!」ワァァ!

洋榎「うちはストレスも力に変える It’s Show Time!」ワァァァ!
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/24(金) 21:01:21.44 ID:Veh8rIUF0

みほ「It’s Show Time オーライオーライ」

みほ「フライ軽く捕球して 状態をハイに」ワァァ!

みほ「ここでそのノリですか ギャグラップ」

みほ「なら私は厳しすぎる追い込み JASRAC(ジャスラック)」ワァァ!

みほ「これじゃ5lack(スラック)のサンプリングも 徴収対象」ワァァ!

みほ「甲州街道に 逃げても捕まえる 無いよ救済も」ワァァ!

みほ「ハゲネタとか精神年齢 ガキすぎ中1」

みほ「でも本当に困ったら 発毛すれば? リーブ21」ワァァ!



洋榎「もうええ加減ライム重視は ガタきとるなぁ」

洋榎「言葉探しとるから 文脈めちゃめちゃなんねん」ワァァァ!

洋榎「大阪・茨城 甲州街道なんて関係ないぞ!」ワァァァ!

洋榎「てかお前のアンサー 対話やない はぐらかしてるだけじゃ」ワァァァ!

洋榎「救済無い 言うときながらリーブ21?」ワァァ!

洋榎「助けてくれるんかい 前言撤回 しょうもないわい」ワァァァ!

洋榎「どう凌ぐかしか考えてへん輩に 負けへんわ」ワァァ!

洋榎「その程度のヤツこそ 夢は描(えが)けへんな!」ワァァァァ!



みほ「夢 目がけ点火 時には 業煮やしてく」

みほ「普段は冷静だけど そういうのも 性に合ってる」ワァァ..

みほ「……どう凌ぐか考えるのは後攻なら当然」

みほ「でもそこまで言うなら ここから魂の勝負しようか!」ワァァァ!

みほ「お前『負けへん』って言っても『勝つねん』とは言わないね」ワァァァ!

みほ「腰引けてる守備重視 イケイケに見えて実は臆病者!」ワァァァ!

みほ「何思って戦ってるか いまいち見えてこない!」ワァァァ!

みほ「もう一度言う 私が必ず最後に勝ち残る!」ワァァァァ!



役人「終了ーーーーーー!!!」

ワァァァ!

洋榎「………………」

みほ「………………」
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/24(金) 21:01:51.40 ID:Veh8rIUF0

役人「さあ、判定に入ります!先攻、ヒロエが勝ったと思う人!」

ワァァァァ!

役人「……後攻、MIHOが勝ったと思う人!」

ワァァァ!

役人「まずはヒロエに1ポイント入ります」

みほ「っ……」

洋榎「………………」

役人「では審査員のみなさん、判定をお願いします!」

ババン!

亜美「MIHO」

理事長「ヒロエ」

トシ「MIHO」

秋一郎「MIHO」

南浦「ヒロエ」

役人「審査員はMIHO!再度、延長戦です!」

ワァァァァァ!

みほ「」フゥゥ..

洋榎「……っ、アカンか」
258 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/24(金) 21:02:19.50 ID:Veh8rIUF0

【舞台袖 麻雀部側】

穏乃「え、ええと……最初から数えて3回目だから……」

憧「再々延長!」

灼「ここまで長引くとは思わなかっ…」

晴絵「そうね」


恭子「………………」

絹恵「どうしました?」

恭子「いや…」

恭子(西住みほ……洋榎の本質的な部分に気付いとるんか?)

恭子(洋榎は麻雀では、意外に思われるけど守備寄りのタイプや。それがバトルでも垣間見えとったのは事実)

恭子(練習でもバトルを積極的にやりたがれへんかったのは、偵察に実力がバレたない言うよりは、フリースタイルバトルがそういうモノとはいえ、仲間や知り合いをディスしたないって気持ちの表れ…)

恭子(全国大会での竹井久に対しては、期待してた分だけキツめな言葉吐いとったらしいけど、瞬間的にモノ言うタイプにしては人のこと悪く言わへんし)

恭子(見た目的に真逆言うたら失礼やけど、園城寺さんの方がよっぽどディスがキツいしなぁ)

恭子(西住みほも同じや。あない大人しそうな見た目のくせに、えげつない攻め方をしてきよる。おそらく戦車道で培った洞察力が、相手の弱い部分を見抜いてまうからやろうけど)

恭子(……いや、それだけちゃうか。西住流で育った経緯も関係しとるな。今の西住みほの戦車道は西住流の本流とは違っとるようやけど、容赦の無さは西住流譲りや)

恭子(ホンマ、厄介な相手やなぁ……)

恭子(…………けど)

恭子(そんな相手でも、最後には勝ってまうんやろ?私はそう信じてるで、洋榎)
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/24(金) 21:02:47.45 ID:Veh8rIUF0

【舞台袖 戦車道側】

まほ「また延長か」

エリカ「なかなか決着つきませんね」

麻子「西住さんが勝ったと思った試合もあったんだが」

カルパッチョ「そうですね……ライミングも安定してます」

杏「ぃやぁ、でもその辺はヒロエちゃんも上手いからねぇ」

千代「そうね。MIHOさんはライミングで上回っているけれど、ヒロエさんのフロウとユーモアはMIHOさん以上です。アンサーは両者とも上手く決めているものの、確実に勝敗を分けるような差が付かない好勝負が続いている……こう着状態ね」

ミカ「会場の雰囲気も少し変わってきているように感じるよ」

アキ「え?どういうこと?」

ミカ「固いライムよりも、相手に本気でぶつかっている言葉を求めている気がするね」

ミッコ「なんでそんなことがわかるの?」

華「わたくしも感じました」

沙織「華?」

アキ「え、ほんとですか?」

華「ええ。みほさんの試合中の表情を見てピンときました。今の試合の最後の8小節、みほさんは途中から韻を踏まずに言葉を重視しました」

ミッコ「そう……でしたっけ?」

華「はい。最初の2小節で脚韻を決めたのですが、その時に歓声がそれほど上がらなかったんです。そこでみほさんは少し間を空けてから、韻にこだわらなくなったみたいです」

ミカ「よく見ているね」フフ

華「お腹が空いているので神経が研ぎ澄まされています」ニッコリ

まほ「……キミの洞察力も大したモノだな」

沙織「まほさん……?」

まほ「厳密に言えば、ヒロエのラストバースの時点でその傾向はあった。ライミングやフロウよりも、バイブスや内容に重きを置いたラップを聞きたいと観客が思い始めたのだろう、沸き方に変化があった。それを測るために、みほも最初にライミングをして、その反応から戦い方を変えていったのだろう。その結果、審査員票を得て、延長に持ち込めた」

ミカ「もちろん、完全にライミングを捨てたわけではないだろうけどね」

愛里寿「ただ……みほさんがあのあとも最後までライミングで決めにいってたら多分負けてた」

まほ「そうだな」

沙織「で、でもどうしてお客さんは急にそんな感じになったんですか?」

まほ「おそらくだが、2人のレベルの高さ、そしてこの試合が最終戦であることから、技術的な部分ではない、人間としての言葉を聞きたくなったんだと思う」

ケイ「その気持ち、わかるわ。2人ともセルフボースティングは上手だし、ウソは言ってないけど、本音で戦うって感じでもないもんね。これだけ強い2人なんだから、その心の深い部分に興味を持たれるのは当たり前ね!」

沙織「でも、そういう熱血みたいなバトルになったら、みぽりんは不利なんじゃ…」

まほ「大丈夫だ」

沙織「え」

まほ(最初のフリースタイルバトル大会の決勝、私と戦った時のみほのバイブス……熱さを内に秘めているからこそ生まれる爆発力、それを私は肌で知っている)

まほ(だから何も心配していないよ、みほ)クスッ

沙織「……なんか、なんの説明もしてくれないまま笑顔でステージを見つめてるけど……」ヒソヒソ

麻子「色々思うところがあるんだろう。察してやれ」
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/24(金) 21:03:16.90 ID:Veh8rIUF0

【ステージ】

みほ「………………」

みほ(再々延長になった……ううん、再々延長になんとか持ち込めたって感じかな)

みほ(もうライミングで戦っても勝ち目が無い。ヒロエさんも、最初の時から戦い方を少しずつシフトしてきてる)

みほ(こうなったら、もう全てを吐き出すくらいの気持ちで戦うしかない!)ギラリ

洋榎「………………」

洋榎(『勝つねん』とは言わない、か)

洋榎(勝つ気はめっちゃある。けど、心のどこかで『勝ちたい』より『負けたない』って思いが強かったのかもしれん。MIHO、お前の指摘は痛いとこ突きよったわ)

洋榎(けどな)

洋榎(そのおかげで今、お前に勝ちたい気持ちがめっちゃ湧いてきてるわ)

洋榎(お前も感じてるやろうけど、ここから先は武器を使た技術合戦やない。殴り合いや)

洋榎(もし気付いてへんようなら……ここであっさり勝負は決まるで?)チラ

みほ「………………」ジッ..

洋榎(……ははっ、そない鈍ないか。まぁええ。とにかく愛宕洋榎の全てをぶつけたるわ!)ギラリ!

役人「では両者、じゃんけんで先攻後攻を決めてください」

ジャンケンポン

みほ「先攻でお願いします」

洋榎「ほぅ」

役人「OK!先攻、戦車道チーム MIHO!後攻、麻雀部チーム ヒロエ!DJルミ、かまーせー!」

ルミ「っ!」
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/24(金) 21:03:52.85 ID:Veh8rIUF0

http://www.youtube.com/watch?v=oGs12SmPjfU 3:08

<第34戦 先攻 MIHO VS 後攻 ヒロエ 再々延長>

みほ「延長が続いても 勝利への執念は全然尽きない」ワァァ!

みほ「戦車で指示を出し 叫び続けてきた このノドも音を上げはしない」ワァァァ!

みほ「ヒロエ 好敵手 でも負けるわけにはいかない」

みほ「かつての敵たちと 力合わせて戦う 集大成だから!」ワァァァ!

みほ「その代表として戦える喜び もっと味わっていたくもあるけど」

みほ「永遠の幸せは幸せじゃない だから終わらせるために戦う」ワァァァ!

みほ「ベストバウトになるって あんたは最初に言ったけど」

みほ「一番レベル低い試合になったとしても 私は勝ちたいんだ!!」ワァァァァ!



洋榎「その執念 さっきまでの うちには足らんかったのかもな」

洋榎「うちが『勝ちたいと言わん』っての 正直突き刺さったわ」ワァァ!

洋榎「けどな その気持ちは うちの中にあった 押さえこんどった」

洋榎「変に がっついたらアカンてな けどそんな見栄 いらんわ!放り投げたる!」ワァァァァ!

洋榎「カッコ悪くてもええ! 仲間、妹に負ける姿は見せられへん!」ワァァァ!

洋榎「ただでさえデカない姉の背中 ここで猫背なってたらアカンやろ」ワァァァ!

洋榎「ここで勝つためのマイク! 勝つための声! 勝つための意地!」ワァァァ!

洋榎「今までの人生で培ったもの全部 勝つために ぶつけたるわ!!」ワァァァァァ!



みほ「すごいと素直に思う そんな姉を 妹は誇らしく思う」ワァァ

みほ「追いつきたい 隣に並びたい だから辛いことでも頑張れる」ワァァァ!

みほ「その気持ちは 姉が負けたって何も変わらない」ワァァ!

みほ「ミーハーじゃないんだ 姉を慕って憧れる妹をあんまり舐めないでくれるかな!?」ワァァァァ!

みほ「それに私だって自分の人生 ぶつける気持ちで立ってる!」ワァァ!

みほ「戦車道チーム最後の選手 私の負けは戦車道の負けだ!」ワァァァァ!

みほ「大洗 聖グロ 黒森峰 プラウダ アンツィオ サンダース 継続」

みほ「他の学校も! レペゼン戦車道 敗北の二文字は踏みつぶす!!」ワァァァァ!
262 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/24(金) 21:04:20.20 ID:Veh8rIUF0

洋榎「うちかて同じや わかるやろ! 麻雀部の代表のつもりや!」ワァァァ!

洋榎「激しいしのぎ合い続けてきた 極限の戦いなら慣れっこなんじゃ!」ワァァァァ!

洋榎「1打のミスもせんよう 瞬間の判断の連続で鍛え上げてきた!」ワァァ!

洋榎「喋りまくってきた関西人 べしゃりのバトルで勝てる思うな!!」ワァァァァ!

洋榎「うるさい やかましい言われながらも ここまで楽しいやってきた」

洋榎「大会負けて辛い時かて 明るくしようとアホなこと言うたり」

洋榎「どんな時も 喋りまくって来た この状況でも平常運転」ワァァァ!

洋榎「誰のサンプリングでも無い うちの生き方 このスタイルで勝ち残るで!!」ワァァァァ!



みほ「私の生き方 振り返ってみれば 情けなくて落ち込むよ」

みほ「自分が正しいと思った行為を 貫けずに逃げたから」

みほ「そして背を向けたら戻るのが怖くなった だから目をつぶってた」

みほ「でもそんな私を友達が 先輩が 戦車道が救ってくれた!」ワァァァァァァ!

みほ「その流れで参加したバトル 優勝して拍手を浴びた」ワァァァ!

みほ「姉ともぶつかり合い 言い合って さらに絆が深まった 嬉しかった!」ワァァァァ!

みほ「もう私の中でフリースタイルバトルは戦車道の隣に並んだ!」ワァァァァァァ!

みほ「二足のワラジじゃない 2本の足で優勝まで走り続ける!!」ワァァァァァ!



洋榎「紆余曲折 濃い人生を送って来たようやな けど」

洋榎「バトルはドキュメンタリーや フツウがドラマチックを負かしたるわ!」ワァァァァ!

洋榎「親の七光り言われんよう でも肩肘張らず自然体でやってきた」ワァァ!

洋榎「だからお前がどんな尊敬できるヤツでも 真っ向から戦えるんや!」ワァァァ!

洋榎「うちかて前に進み続ける 笑顔で仲間と一緒になぁ!」ワァァァ!

洋榎「そして妹を引っ張ってく いや、この観客も連れてったるわ!」ワァァァァァ!

洋榎「麻雀部を舐めんなや!? 大阪人の誇り 侮るんやないで!」ワァァァ!

洋榎「ここで決着や! そしてやっぱこれが今大会のベストバウトや!!」ワァァァァァ!



役人「終了ーーーーーー!!!」

ワァァァァァ!

みほ「はぁ……はぁ……」

洋榎「はぁ……っ……はぁぁ……」
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/24(金) 21:04:52.40 ID:Veh8rIUF0

役人「では判定に入ります!先攻、MIHOが勝ったと思う人!」

ワァァァァァァ!

役人「……後攻、ヒロエが勝ったと思う人!」

ワァァァァァ!

役人「MIHOに1ポイントが入ります!」

みほ「………………」

洋榎「………………」

役人「……では、審査員のみなさん、判定をお願いします!」

ババン!

亜美「ヒロエ」

理事長「MIHO」

トシ「ヒロエ」

秋一郎「MIHO」

南浦「MIHO」

みほ・洋榎「!!」

役人「さ、再々延長にしてついに決着!!勝者、MIHO〜〜〜〜!!!」

ワァァァァァ!

役人「そして……戦車道チームVS麻雀部チームのフリースタイルMCバトル、勝者は……戦車道チームです!!!」

ワァァァァァァ!

みほ「………………」

洋榎「………………」

みほ「…………か」

みほ「勝っ…………た?」

みほ「………………」

みほ(私……勝った…………勝てたんだ!)

洋榎「……………………」

洋榎「………………」

洋榎「……おめでとう」

みほ「あ……ヒロエさん」

洋榎「お前、めっちゃ強かったわ。ほれ、握手しようや」サッ

みほ「は、はい」ギュッ

洋榎「……すまんな。ホンマは笑顔で健闘を称えるのがええんやろうけど……すぐは笑えんわ」

みほ「ヒロエさん……」

洋榎「ここまで悔しいのは久々やなぁ……」

みほ「………………」

洋榎「……ほな、敗者は去るのが決まりや。うちは戻るわ」サッ

みほ「あ、はい……」

みほ「………………」

洋榎「………………」ザッ..

みほ(ヒロエさん……本当に強かった……)
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/24(金) 21:05:19.52 ID:Veh8rIUF0

【舞台袖 麻雀部側】

洋榎「………………」

恭子「お疲れ様」

洋榎「!なんや恭子……こない近くで見てたんかいな」

恭子「いや、洋榎が戻って来るやろ思たから来てん」

洋榎「そっか」

恭子「はい」

洋榎「………………」

恭子「………………」

洋榎「……どやった?」

恭子「さすが洋榎やなって思った」

洋榎「うち負けてんで?どういう意味や」

恭子「負けてもカッコええ。全然情けなないのが洋榎らしいねん」

洋榎「…………なんやそれ。嬉しないわそんなん」

恭子「ま、勝てへんかったのにそんなん言われても嬉しないやろな。けど……本心やからしゃあない」

洋榎「……ふん」

セーラ「洋榎」

洋榎「ん?なんやセーラか」

セーラ「……お前、落ち込んでる場合ちゃうぞ」

洋榎「……あん?」

セーラ「このあと、戦車道の連中と親睦会を兼ねてホテルバイキングや。そんな顔してたらその……あかんわ」

洋榎「……うっさいわアホ」

セーラ「う、うっさいてお前……」

怜「……セーラ、励ますの下手やなぁ」

竜華「ホンマや」

洋榎「園城谷……」

怜「混ぜんといて」

竜華「セーラな、全国大会で愛宕さんに心配されたことがきっかけで元気出たから、今度は自分が励ましたらないとって言うてたんやで?」

洋榎「!セーラ……」

セーラ「ばっ……ち、ちゃうわ!そんなん言うてない!」

浩子「録音したんで、再生しましょうか?」

セーラ「やめぇや!」

洋榎「……ありがとな」ボソッ

セーラ「な、なんや?今なんか文句言うたんか?」

洋榎「なんでもない」クス

由子「お疲れなのよー」

絹恵「お姉ちゃん……」

洋榎「ゆーこ、絹…………うち、負けてもうた」

由子「……うん。でも惜しかったのよー」
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/24(金) 21:05:46.53 ID:Veh8rIUF0

絹恵「そやで!お姉ちゃん、もう少しで勝ってた!ちゅうか、うちの中ではお姉ちゃんが勝った!」

洋榎「……なんやそれ。事実捻じ曲げてるやん」クス

照「負けたのは残念だけど、責任を感じ過ぎなくてもいい。悲しい時はお菓子を食べれば全て解決できる。だからこれあげる」スッ

洋榎「タマゴボーロ……バトル終わったばっかでめっちゃノド乾いてんねんけど……ありがたくもろとくわ」

照「」コクリ

ダヴァン「ではこちらもどウゾ。カップラーメンデス」

洋榎「いらん。これからホテルバイキングやろ。っちゅうか、なんでこない人数が集まって来てんねん」

怜「へこんだ愛宕洋榎ちゃんを慰める会、ってことやろ」

洋榎「っ……アホか!うちがそない引きずるわけないやろ!バイキングでめっちゃ食うたるからな!見とけよ」ザッ!ザッ!

漫「え?どこ行くんですか?」

洋榎「監督に負けた報告や!」

ネリー「結果は知ってるんだから、別にいらないのに」

智葉「いや、形式を重んじているんだろう。筋を通すのは大切なことだ」

穏乃「うぅ……励まそうにも、宮永照さんの時は実家の和菓子でいい感じに出来たけど……愛宕さんの場合はムリっぽい……ねぇ、憧の実家の力でなんとかならないかな?」

憧「別に実家とか関係ないでしょ。神社で何をどうするのよ。お守りでも渡せっての?」

穏乃「そうだよね……じゃあ灼さ………ううん、なんでもないです」

灼「なんでやめるの。ボウリング場だって元気出るよ。楽しい遊戯だと思…」

玄「じゃ、じゃあ私の家に来て温泉に浸かってもらうとか!」

宥「あったか〜い」

恭子「あの、気を遣てくれるのはありがたいねんけど、洋榎ならもう大丈夫や思うわ。みんなが色々言うてくれて元気出たみたいやから」

玄「えっ、すごい……私ならお姉ちゃんにギュッてしてもらわなかったら落ち込んだままだよ……」

宥「く、玄ちゃん……///」

やえ「ハッ!そんなこともわからなかったとは、ニワカは相手に…」

ゆみ「とにかく、我々は精一杯やった。負けたのは残念だが、誰が責められる謂れも無い」

やえ「いや、だからニワカは…」

智美「ワハハ。とにかくバイキングが楽しみだ」

咲「………………」

咲(みんな優しいな……この人たちと同じチームで良かった)

やえ「だからニワ…」

晴絵「みんな!前に説明したけど、段取りはわかってる?戦車道チームの表彰式が終わったら、奥の部屋でちょっとした取材とかインタビューに答えてもらって、そのあとホテルに出発だからねー!」

全員「はい!」

晴絵「………………」

晴絵(これだけ豪華な面子が集まったんだ……ジャンル違いの大会とはいえ、優勝させてあげたかったな)

晴絵(私がもう少し工夫出来てたら結果も違ったはず……)

晴絵(……あー……もう!悔しいなぁ……)
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/24(金) 21:06:22.10 ID:Veh8rIUF0

【舞台袖 戦車道側】

沙織「や、やったーー!みぽりんが勝ったよ!」

華「さすがみほさんですね」ニッコリ

優花里「う……『さすが』を五十鈴殿に先に言われてしまいましたぁ……でもあえて言います!さすがです西住殿ぉ!」

桂利奈「さすが西住隊長ーーーー!」

そど子「み、3つもカブせるわけ?違う言葉で褒めなさいよもう」

麻子「さすがあんこうチームの車長だな」フッ

そど子「冷泉さんまで!?」

エルヴィン「再々延長まで長引いた戦い……まさに2人はライバル、好敵手、宿敵と言えよう!」

おりょう「まるで坂本龍馬と中岡慎太郎ぜよ」

カエサル「さながらハンニバルとスキピオだ」

左衛門佐「武田信玄と上杉謙信のような」

エルヴィン・おりょう・カエサル「それだーーーーー!」

ケイ「今夜はパーティーね!思いきり盛り上がらなくっちゃ!」

アリサ「麻雀部の人たちとの交流会ですから、あまりはしゃぐのは……」

ナオミ「確かにそうだけど、隊長は元々こういうノリだからね。仮に負けてても…」

杏「『悔しさを楽しさで上書きしちゃいましょ!』とか言いそうだよねぇ」アハハ

ケイ「さっすがアンジー。私のことよくわかってるわね♪」

ペパロニ「ノリならアンツィオも負けてないっすよ!ドゥーチェ!ノリをお願いするっす!」

アンチョビ「の、ノリをお願いって……そんな言い方されて出来るか!恥ずかしい……//」

カルパッチョ「ペパロニさん。本番になればドゥーチェは勝手に盛り上がってくれますから、張り合わなくても大丈夫ですよ」ニコリ

アンチョビ「……なんか軽くディスられてる気がするが……まぁいいか!」

カチューシャ「なかなかやるじゃないミホーシャ!今度美味しいピロシキをおごってあげようかしら!」

ノンナ「そうですね。皆さんをプラウダに招待して食事会を催すのもいいかもしれません」

クラーラ「カチューシャ様のほっぺについたソースを舐めとり、そのままカチューシャ様のお口に運ぶ役割は私に任せてください(ロシア語)」

カチューシャ「???ノンナ!」

ノンナ「『善哉(よきかな)、善哉』と言いました」

カチューシャ「そんな古い感じのことをクラーラが!?それに長さが全然合ってないじゃない!」

ノンナ「善哉、善哉」

カチューシャ「よくないわよ!」キーッ!

ダージリン「……こんな言葉を知ってる?」

オレンジペコ「はい?」

ダージリン「『孤独では精神は満足に働かない』」

ミカ「あぁ、その言葉なら知っているよ」ポロロン

ダージリン「………………」

ミカ「ジョージ・オーウェルだね。私も気に入っ…」ポロロン

オレンジペコ「すみませんミカさん」

ミカ「なんだい?」

オレンジペコ「今からダージリン様にテイク2をお願いしますので、今度は『知らない』か無言でお願いします」
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/24(金) 21:06:56.02 ID:Veh8rIUF0

ミカ「?その行為に意味が…」

オレンジペコ「あります」ズイ

ミカ「…………そうなのか。それが聖グロリアーナの流儀ならば従うよ」

アッサム「ではもう一度始めから。こほん」

ダージリン「………………」

アッサム「ダージリン。『孤独では……』なんでしたっけ?」

ダージリン「孤独では精神は満足に働かない、よ。この言葉を知ってるかしら?」

ミカ「」チラ

アッサム・オレンジペコ「………………」ジーーーーー..

ミカ「きいたことがないな。いったいどういういみなのだい?」

アキ(棒読みすぎるよミカ……)

ダージリン「ふふっ。では私が説明しましょう。『孤独では精神は満足に働かない』。これは、どれほど強い人間であろうと当てはまるであろう言葉よ」

ダージリン「強靭な精神力であっても、孤独であれば、その力を活かすことは出来ない」

アッサム「確かに」

ダージリン「一見すると、1対1の形式であるこのフリースタイルバトルは、そばに味方はおらず、孤独な戦いに見えるかもしれないわ」

ダージリン「けれど、今日ステージで戦った子たちの中で孤独だった者は誰もいない。心の中には家族や友人などの想いがあり、発せられる言葉には今まで過ごしてきた日々や経験が根付いている…」

ダージリン「だからこそ、みなが精一杯の力を出し切り、ぶつかり合うことが出来た…………自分自身を表現し合うかのようなバトルは、私の胸を熱くさせてくれたわ」ウフフ

ミカ「……確かに、音と言葉の融合だけでなく、そこに人の意志が混ざり、まさに十人十色の音色だった」ポロロン

ダージリン「そうね」ウフフ

アッサム「……ご協力、ありがとうございました」ヒソヒソ

ミカ「いや、いいさ。むしろ口を挟んだのは無粋だったよ」ポロロン

ミカ(自由奔放なイメージのダージリンだったが、さすが聖グロリアーナの隊長を務めるだけのことはあるね)クス

オレンジペコ「さすがダージリン様。ここぞという場面では、わりといいことおっしゃってくれます」

ダージリン「あら。わりとはいらないわよ、ペコ」ニッコリ


まほ「………………」

エリカ「………………まほ先輩」

まほ「ん?なんだ」

エリカ「……あの子、やりましたね」

まほ「あぁ、そうだな……」フフ

エリカ「……まったく」クス

エリカ(普段はポヤーッとしてるくせに、決めるところは決めるんだから)

まほ「………………」

まほ(みほ。フリースタイルバトルだけじゃない。戦車道も、精神力も……前よりずっと強くなったな)

まほ(そしてその中に、昔の活発だった頃の思い切りの良さが垣間見えて、なんだか嬉しかった)

まほ(どんどん進化しているんだな……私も負けていられない)フフッ

スタッフ「これから表彰式を行いますので、出場された選手の方々はステージへ移動をお願いします」

千代「わかりました。さあ皆さん。ステージに向かいましょう」ニッコリ
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/24(金) 21:07:29.03 ID:Veh8rIUF0

【客席】

役人「勝利した戦車道チームの選手たちです!」

ワァァァァ!

しほ「………………」

しほ(まほ……みほ……とてもいい顔をしているわね。優勝を成し遂げた充実感がありありと感じられるわ)

しほ(表立って応援は出来なかったけれど……あなたたちのその表情を見られただけで私は満足よ)フッ

恵「立派な娘さんたちですね」

しほ「!あなたは……確か……麻雀部チームのコーチを務められた、K RAM SHINEこと原村恵さん?」

恵「ええ、そうです」

しほ「てっきり麻雀部チームに帯同していると思っておりましたが」

恵「最初はそのつもりでしたが……父親がそばにいては娘も集中できないのではないかと思いましてね」

しほ「……なるほど。確かに」

しほ(原村和なら動じない気もするけれど…………それでも身内がいては多少やりにくいかもしれないわね)

恵「それにしても」

しほ「?」

恵「麻雀部の練習を見ている時に、このチームならば勝てると確信をもっていましたが………戦車道チームの素晴らしさには驚かされてばかりでした。前回大会よりもさらに成長していた」

しほ「それを言うならキャリアの浅さを感じさせない強さを見せた麻雀部チームです。まさかここまでもつれる戦いになるとは……底知れない才能を感じました」

恵「やはり1つのモノを突き詰めることで磨かれた感性が土台として大きく作用しているのでしょうね」

しほ「ええ、そうですね」
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/24(金) 21:07:55.66 ID:Veh8rIUF0

ワァァァ!

恵「む。トロフィーの授与ですね。西住みほさんが受け取るようです」

しほ「みほ……」


みほ「」ニッコリ


しほ「………………」

しほ(照れながらも、堂々と受け取っている……そう、それでいいのよ。あなたは頑張った、誇っていいわ)


千代「……!ふふ」


しほ「!」

しほ(ちよきち……私に気付いたようね。意味ありげな笑みを浮かべて……)

しほ(……長い付き合いだもの。わかっているのでしょうね……)

しほ(今の私が、喜びの表情を隠そうと必死で我慢している、と)

しほ(……また1つ、ちよきちにからかわれる材料を与えてしまったわ)

しほ(でも……)


みほ「」ニコニコ

まほ「」フフ


しほ「ふふっ……」

しほ(仕方ないわよね…………娘たちがあんなに嬉しそうにしているのだから――――)



表彰式のあと、龍門渕グループ系列のホテルにて、戦車道・麻雀部関係者による親睦会が開かれた。

出場選手以外も揃った大人数での催しは盛り下がることを知らず、

日をまたぐ手前でようやくお開きとなり、

部屋へ戻った面々は、様々な想いを胸に、眠りについたのだった――――
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/24(金) 21:08:55.42 ID:Veh8rIUF0

≪ 戦車道チームVS麻雀部チーム フリースタイルMCバトル大会 結果 ≫

アッサム VS AWA−AWA(大星 淡)○

○ノンナ VS AWA−AWA(大星 淡)

ノンナ VS ATARA(新子 憧)○

○ナオミ VS ATARA(新子 憧)

ナオミ VS Toki(園城寺 怜)○

アリサ VS Toki(園城寺 怜)○

○ロサ・カリーナ(阪口 桂利奈) VS Toki(園城寺 怜)

ロサ・カリーナ(阪口 桂利奈) VS HERO−Se(弘世 菫)○

○カルパッチョ VS HERO−Se(弘世 菫)

○カルパッチョ VS 白鶴(白水 哩)

カルパッチョ VS 舞姫(鶴田 姫子)○

○アンチョビ VS 舞姫(鶴田 姫子)

アンチョビ VS TELU−Biscuits(宮永 照)○

エリカ VS TELU−Biscuits(宮永 照)○

ケイ VS TELU−Biscuits(宮永 照)○

○ミカ VS TELU−Biscuits(宮永 照)

ミカ VS ミーホヒーサー(竹井 久)○

○アンジー(角谷 杏) VS ミーホヒーサー(竹井 久)

○アンジー(角谷 杏) VS 爽P(獅子原 爽)

アンジー(角谷 杏) VS NODOCCI(原村 和)○

○REZE(冷泉 麻子) VS NODOCCI(原村 和)

REZE(冷泉 麻子) VS EKda黒ねこ(池田 華菜)○

○カチューシャ VS EKda黒ねこ(池田 華菜)

○カチューシャ VS クRUMI(鹿倉 胡桃)

カチューシャ VS 凱屠(辻垣内 智葉)○

○西住 まほ VS 凱屠(辻垣内 智葉)

○西住 まほ VS KAJU−MC

○西住 まほ VS 蒲 a.k.a BARA

西住 まほ VS Saki(宮永 咲)○

オレンジペコ VS Saki(宮永 咲) ○

○愛里寿(島田 愛里寿) VS Saki(宮永 咲)

愛里寿(島田 愛里寿) VS ヒロエ(愛宕 洋榎)○

○MIHO(西住 みほ) VS ヒロエ(愛宕 洋榎)
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/24(金) 21:09:22.88 ID:Veh8rIUF0

翌朝

【ホテル前】

そど子「戦車道チーム!全員揃ってるか確認して!」

みほ「ふぁ……ぁ……」

沙織「みぽりん眠そうだね〜……って私もだけど」

華「わたくしもまだ目がシパシパしています」

麻子「ZZZ……」ユラユラ

優花里「冷泉殿は立ったまま寝ちゃってますぅ!」

華「アグレッシブですね」

沙織「むしろ逆でしょ。ほら麻子〜、起きなって。他の学校の人はちゃんとしてるよ?」ユサユサ

麻子「うぅ……眠い。何故こんなに早く起きなければならないんだ…」

沙織「しょうがないじゃん。出発時間が決まってるんだから」

麻子「……麻雀部の連中はいいな。うちらより遅く帰るから、まだまだ寝てられる……」

みほ「あはは。確かにもうちょっと寝てたいかも」

カチューシャ「ふふん!マコーシャもミホーシャも情けないわね!私なんてこんなに目が覚めてるのに!」

ノンナ「さすがです同志カチューシャ。昨夜は親睦会の最中に一足先に眠ってしまっただけのことはあります」

カチューシャ「べ、別に寝たかったわけじゃ…」

ノンナ「ええ、わかっています。皆さんともっとお話ししたかったのに寝てしまったのが悔しいからこそ、みほさんたちに威張ってみせただけですよね」

カチューシャ「ノンナ!」カァァ..

沙織「そういえば、カチューシャさん、龍門渕高校の人と仲良さそうに喋ってましたよね」

カチューシャ「そうよ!コロモーシャとは深い絆で結ばれたんだから!」エッヘン!

みほ「天江衣さん……だったっけ?確か大会自体には関わってないけど、親睦会に参加してた人だ」

華「ええ。タルタルソースを山盛りにしていた姿に感銘を受けました」

麻子「そんなことで感銘を受けるな」

沙織「……でもなんで仲良くなったんだろ?」

ノンナ「カチューシャと天江さんは身長が同じなのです。ひゃくにじゅ…」

カチューシャ「わー!わーー!!言うんじゃないわよ!」

みほ「なるほど。カチューシャさんにとっては親近感の沸く相手だね」

華「普段会わない方々とお喋りするのはとても楽しいですね。わたくしも昨日は高鴨さん、ダヴァンさんと3人でラーメンについて語り合いました」

沙織「私も福路さんとお料理の話で盛り上がったよ!楽しかった〜」

麻子「……本内成香と睡眠について話を……した……」

優花里「凄腕潜入捜査官と噂の、ステルスモモさんとお話出来て光栄でしたぁ!歌って踊ったりしない限りバレないとか、神技ですぅ!」
272 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/24(金) 21:09:52.34 ID:Veh8rIUF0

みほ「私も色んな人とお喋りできて楽しかったなぁ………次に会えるのはいつなんだろう?」

ケイ「すぐじゃない?」

杏「すぐだろねぇ」

みほ「え?」

ケイ「ほら、後ろ後ろ♪」

みほ「?」クルッ

みほ「あ……」

穏乃「みなさーーん!おはようございまーーーす!」

華「高鴨さん……だけではなく…」

沙織「麻雀部の人たち、全員いるよ!?」

優花里「我々より遅く出発するはずなのに……見送りに来てくれるなんて!嬉しいですぅ!」

晴絵「すみません、忙しい時に押しかけて。でもこの子たちがもう少し話したいって言い出しまして」クス

千代「ふふ、そうですか。それはこの子たちも同じのようですから、嬉しい限りです。みなさん、出発までまだ多少ありますから、ここで自由時間をとります」

梓「やった!」

ミカ「いいね。朝の見送りには、人生で大切なことが9割方、詰まっているのさ」ポロロン

アキ「そ、そんなに?見送りは嬉しいけどさ」

ミッコ「おっしゃ!高鴨さんとサバイバル談義の続きだ!」タタタッ!

ダージリン「…………」

ダージリン(出発時間がやけに早いと思っていたけれど、この事態を想定してのことかしら?粋なことをするわね)クス

アッサム「ダージリン。せっかくですから私たちも行きましょう」

ダージリン「そうね。ペコ、ティーテーブルをあの辺りにセットしてちょうだい」

オレンジペコ「はい」ニッコリ
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/24(金) 21:10:23.69 ID:Veh8rIUF0

爽「いやー!キミにはずいぶん前から目を付けてたんだよね」

愛里寿「はぁ……」

揺杏「いや、マジで。可愛い服に興味ない?たっくさん着せてあげるからさ」

愛里寿「興味は……ある」

爽「おっ、いいね!島田さんは大学生だから内地だよね?じゃあ近いうちに会いに行っていいかな?」

愛里寿「……うん」コクリ

揺杏「可愛さとキレイさを両方持ってる……いい素材だねマジ。ゴスロリもいいけど、キャミとかも着せたいなー」

爽「マイクを両手で持って首をかしげながら歌うとか似合うだろうね!アイデアがどんどん出てくる!ユキとユニット組むのもいいなぁ!」

誓子「……あの2人、とことん可愛い子好きよね」

成香「会話内容だけ聞いてたらすごく怪しいです」



桂利奈「鷺森さんがインターハイで付けてたグローブ、ちょうイカしてます!」

灼「え?あぁ、あれはボウリングの…」

由暉子「右手に封じられし闇の力……かっこいいですね」

灼「いや、だから違…」

桂利奈「あれ外したらどうなるのかなー?」ワクワク

由暉子「おそらくですが……手の甲に光輝く紋章があるはずです」

桂利奈「かっこいーーー!!!」

由暉子「それだけじゃありません。あのネクタイにもきっと秘密があります」

桂利奈「ひ、秘密?どんな?」

由暉子「あのネクタイを解く時、鷺森さんが抑えていた力が溢れ……」

桂利奈「あ、あふれ……?」

由暉子「とても言葉では言い表せないような神秘的なことが起こるでしょう」

桂利奈「引き続きかっこいーーーー!!!」

灼「………………」

灼(どうしよう……ありえない期待をされてる……ハルちゃん、助けて)
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/24(金) 21:10:50.89 ID:Veh8rIUF0

まほ「…………」ジー

泉「……あ、あの?何か?」

まほ「む、すまない。つい凝視してしまった。キミからは学ぶことが多かったから」

泉「え……学ぶこと、ですか?」

まほ「ああ。我々黒森峰はキミに比べ、少し甘さが残っていたと反省していた」

泉「??」

まほ「制服の袖を切り、少しでも身軽に動けるよう心がけるその姿勢は素晴らしい。我々ももっと無駄をそぎ落とし、最短で最大の効果を得られるよう努力しなければと考えさせられたよ」

泉「い、いえ、これはその……ただなんとなく…」

怜「そこに気付くとはさすが西住さんやな」

泉「お、園城寺先輩!?」

まほ「やはり意図したものだったか」

怜「そや。名門言われとる学校で、しかも1年やのに制服にハサミを入れる根性。これが千里山の二条泉や。覚えとき」

まほ「ああ」

泉「ちょ、ちょっと先輩!何勝手なこと言うてるんですか!」ヒソヒソ

怜「泉を買ってくれてるんやからええやん」

泉「良くないです!大体園城寺先輩、私のこの格好見て『ない袖は振れないを可視化したんか。ええなぁ、そのカッコやったら奢ってもらいやすそうやな』とか言うてたやないですか!」ヒソヒソ

怜「まぁまぁ、こう言うやんか。袖すり合うも…」

泉「その袖が無いんです!」

まほ「?」
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/24(金) 21:11:19.35 ID:Veh8rIUF0

ペパロニ「ドゥーチェ!ドゥーチェ!」

友香「でー!」

煌「すばらっ!」

智美「ワハハ」

華菜「にゃーー!!」

貴子「池田ァッ!!」



ダージリン「あちらは大きな声を上げて楽しそうね」

まこ「騒がしい、の方が表現として合う気はするがのう」クスクス

美幸「やだあれもー。このアーリーモーニング、私たちは優雅にお茶を楽しみましょう」

尭深「…………」コクリ

アッサム「そうですね」

オレンジペコ「お菓子もありますので、お召し上がりください」

美幸「どうもありがとう」ニコリ

まこ「わしは煎餅を持ってきたんじゃ。煎餅と紅茶も意外と合うから食べてみ」

ダージリン「あら、ありがとう。いただくわ」

バリボリバリボリ..

オレンジペコ(あぁ……ダージリン様とお煎餅……ギャップがあってこれはこれでまた……///)

ダージリン「美味しいわ、ありがとう」ニッコリ

まこ「どういたしまして」

優希「タコスに合う紅茶はどれだじょ?」

オレンジペコ「タコス……ですか?それは難題ですね……」

ケイ「ユッキー!タコスに合うのは間違いなくこれ!コーラよ!」

優希「ごくごくごく…………っかぁー!シュワシュワがノドに染みて気持ちいいじぇ!」

ケイ「ナイスな飲みっぷりね!」

優希「おかわりだじぇ!」

ケイ「オッケー!何本でもあげるわよー!」ニコニコ

ダージリン「ティーテーブルに紅茶、緑茶、お煎餅、タコス、コーラ。聖グロにはない彩りでなかなか面白いわ」ウフフ

オレンジペコ「ですね」クス

まこ「それにしても……」

ダージリン「?」

まこ「ダージリンさん、あんたええなぁ」

ダージリン「私?」

まこ「その外見、メイド服が似合いそうじゃ。気が向いたら今度うちの店でバイトせんか?」

ダージリン「あらあら。考えておきますわ」

オレンジペコ(ダージリン様がメイド!?そのお店に行ったら、私がダージリン様のご主人さまに……!?そんな大それたこと……//)ゴクリ

アッサム「……何を考えているか見当は付くけれど……残念ながら、染谷さんのお店は雀荘よ」
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/24(金) 21:11:46.25 ID:Veh8rIUF0


姫子「仲を深めるコツ……ですか」

優花里「は、はい!是非お聞きしたく…」

ノンナ「成功者に話を聞くのが一番の近道と考えます」

クラーラ「私たちとカチューシャ様の肉体同士の接触を果たすため、ノウハウをご教授いただきたいのです(ロシア語)」

アリサ「わ、私はちょっと興味があるだけってだけで……その……//」

哩「難しいことはなんもいらん」

優花里「と、言いますと?」

哩「大事なもんただ1つ。積み重ねだ」

アリサ「積み重ね……」

哩「2人の時間ば積み重ねることで、自然に愛は育まれる」

ノンナ「なるほど…」

優花里「西住殿と積み重ねる……西住殿と重なる……はぁぁ……///」

哩「そうすれば、鎖と太いのも勝手についてくる」

優花里「く、鎖……?」

ノンナ・クラーラ・アリサ「?」

姫子「部長……っ!アドバイスも素敵です……///」




穏乃「うおおおおおおおおおお!!!!」ダダダダダダダ!

ミッコ「へへっ!早いなぁ高鴨さん!」ダダダダダダ!

ねこにゃー「ま、って……!」タタッ

ももがー「置いて、かないで……」タタタッ

ぴよたん「もう……限界……」タタッ

穏乃「大丈夫です!限界は、もう無理だと思ったそのずっと先にありますから!うおおおお!!!!」

ミッコ「あっはは!確かに!いいこと言う!」

ねこにゃー(サバイバルの話から、体力を付ける方法を教えてもらったところまではよかったけど)ゼェ..ハァ

ももがー(急に実技はキツイ……ナリ)ゼェゼェ

ぴよたん(朝からあの体力……怪物っちゃ)ゼェゼェ
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/24(金) 21:12:15.43 ID:Veh8rIUF0


ミカ「♪」ズンチャッ..ズンチャッ..

明華「♪LAAAAAAA〜〜」

アキ「…………いいなぁ」

恭子「雀明華の歌はテレビ画面越しのアカペラでは聴いたことあんねんけど、こうして楽器と合わさるとさらに良く聴こえるなぁ……カンテレ、やったか?ミカさんの演奏もええ感じや」

漫「わかります。ただ…」

ローズヒップ「♪FUWA FUWAっ! ♪ですわ すわっ!」

漫「あの合いの手がちょっと……」

由子「クソジャマよー」



セーラ「もぐもぐ……あ〜、この弁当、めっちゃウマいわー!」

美穂子「ありがとうございます」ニッコリ

浩子「……朝食はこれからですからお腹空くのはわかりますけど、人様にたかるのは問題や思いますよ?」

セーラ「たかるってなんやねん。腹減った言うてたら福路さんがくれたんやんか」

美穂子「私なら大丈夫です」ニコッ

セーラ「いやー、しっかし福路さんは優しくて料理も出来て麻雀も強いとか、完璧やな。うちに欲しいわ」

美穂子「え……っと」

久「あげないわよー」

美穂子「久……?」

セーラ「へっ、わかっとるわかっとる。冗談や」アハハ

久「だったらいいけどね」クス

美穂子「…………///」

未春(………そもそもキャプテンは風越なんだけどなぁ……でも竹井さんが言うのもある意味合ってる気もするし……うーん)
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/24(金) 21:12:45.57 ID:Veh8rIUF0


アスパラガス「……しかし、選考に漏れて観戦に回ってしまった大会だったが、なんだかんだ楽しめたざます」

ムール「ですね」

ボルドー「そうだな」

透華「…………」ジーッ

アスパラガス「……龍門渕さん?何か用ざますか?」

透華「い、いえ!なんでもありませんわ!」ササッ

アスパラガス・ムール・ボルドー「??」

透華「………………」

一「透華?どうしたの?」

透華「私が原村和より目立つ方法を思い付きましたわ!」

一「そ、そうなんだ?どんな方法なの?」

透華「……今までの私は、語尾を『ですわ』で生きてきましたわ。でももうそれでは原村和に対抗できませんわ!」

一「な、なるほど。それで?」

透華「BC自由学園のアスパラガスさんからヒントを得ました。私は今後、語尾を『ザマス』にするザマスわ!」

一(『わ』がハミ出ちゃってるけど……)

透華「そうすればホラ!たちまち目立ちまくりザマスわ!原村和を置いてきぼり!オーッホッホッホ!」

一(うーん……『ですわ』は透華の自然な喋り方だから、そこを変えるのはどうなんだろう?ザマスも透華のキャラに合ってなくもないけど……)

一(……ボクはいつもの透華の方がいいな)

ゆみ「1つ、いいか?龍門渕さん」

透華「あら?加治木さん?どうぞ、おっしゃってくださいザマス」

ゆみ「もし今後ザマスを多用していくつもりなら、クリアしなければならない問題が複数ある。まずメガネ選びだ」

透華「裸眼ではダメザマスの?」

ゆみ「ダメだ。裸眼で、しかも中途半端にザマスを使っていると……」

透華「つ、使っていると?」

ゆみ「……ザマされるぞ」

透華「!?」

ゆみ「その覚悟があるなら、使うといい」

透華「ザマされる……?何をされるのかがハッキリしていない分、怖いですわ……リスクが大きすぎるので、ザマスはやめますわ」

一「う、うん!それでいいと思うよ!ボクは普段の透華がすごく魅力的だし、好きだよ!」

透華「あ、ありがとう……///」

一(加治木さん……もしかしてボクの気持ちを察してくれて……?)チラ

ゆみ「………………」フッ

一(ありがとう!)


アスパラガス「………………なぁ」

ボルドー「ん?」

アスパラガス「私もいつかザマされてしまうざますか?」

ボルドー「知らん」
279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/24(金) 21:13:13.92 ID:Veh8rIUF0


和「昨日の夜、ウサギさんチームのみなさんから聞きました」

杏「んぁ?」

桃子「角谷さんと河嶋さんは主従関係にあるらしいっすね!」

桃「な……なんだと!?ウサギさんチームの連中め……適当なことを言いふらしおって……!」

和「嘘なのですか?デタラメを話しているようには思えませんでしたが……」

桃「デタラメに決まってるだろう!信じるんじゃない!」

桃子「えー……じゃあ角谷さんが戦車に乗る時、河嶋さんが踏み台になったってのも嘘っすかー……」

桃「…………い、いや、それは事実だが」

和「!ではその際、角谷さんが土足だったというのは?」

桃「……事実だ」

和「…………自供しましたね」

桃子「そうっすね。恥ずかしがってただけみたいっす」

桃「ち、違うぞ!確かに踏み台になったのは事実だが、別に主従関係では……」

和「普通なら靴のまま乗られたら怒るか注意するのでは?」

桃「それは……そうだが……しかし会長は軽いし……その……だから……違うったら違うんだ!」

和「落ち着いてください。私たちは河嶋さんたちを尊敬しているのです」

桃「な、何?尊敬だと?」

桃子「そうっす!」

和「私たちには大切に思う人がいます。そしてその人と距離を縮めたいと毎秒思っています」

桃子「目指すは恋人……それがダメなら主従関係を!っす!」

桃「そうか……私を……尊敬……ふふふ」

桃子「……聞いてないっすね」

柚子「桃ちゃん、尊敬されるのに慣れてないから。原村さんたちの言葉が嬉しすぎて、頭がいっぱいになってるんだと思う」

和「意外ですね。生徒会に所属しつつも戦車道で活躍していると聞きましたが」

桃子「ま、いずれにせよ、正気に戻ったらアドバイスしてもらうっすよ」

柚子「2人は……じゅ、従属したい人がいるの?」

桃子「それぐらい好きな先輩がいるっす!」

和「そうですね……従属願望と言うよりは、距離感を限りなくゼロにしたいという想いが強いです」

杏「情熱的だねぇ。ちなみに、距離感を縮めるためにどゆことしたの?」

和「至って普通です。見つめる時間を増やしたり、添い寝したり…」

杏「わっは、ピュアだねー」

和「あ、他にも指切りしたあと、自分の指を登校中に舐めたりしましたね」

杏・柚子「………………」

和「どうしました?」

杏「いやぁ、ちょっとそれは……無いかなー」

柚子「そう、ですね。されて嬉しいことではないかもしれません」

桃子「わ、私はなんとなくわからないでもないっすよ……うん」

和「……3人中2人が否定的な意見……」

和「偶然極まりないですね」

柚子「偶然とかじゃないよ!?運の問題じゃないし!」
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/24(金) 21:13:43.54 ID:Veh8rIUF0


カチューシャ「むー……ノンナったら、カチューシャを放ってあんなところで楽しそうにして……シベリア送り10ルーブルに処してやろうかしら。しゅくせーよ」

ネリー「?カチューシャって誰?お金?」

カチューシャ「違うわよ!私のことに決まってるじゃない!大体、『誰』って言っておいてお金なわけ…!」

ネリー「冗談だよカチューシャ。そんなに怒るな」クスス

カチューシャ「まったく!」フン

智葉「カチューシャ」

カチューシャ「今度はあんた?なによ」

智葉「今、シベリア送りがどうとか言っていたな」

カチューシャ「ええ、そうね。カチューシャを寂しがら……じゃなくて、放って遊んでるなんてつみぶかいもの」

智葉「……お前はプラウダの隊長だ。自分の言葉には責任を負わなければならないことは理解しているな?」

カチューシャ「え、ま、まぁ……」

智葉「隊長ならば何を言ってもいいわけではない。お前はノンナを粛清すると言ったが……それはお前自身が粛清される覚悟があって口に出したのだろうな?」ジロリ

カチューシャ「ひぅっ!」ビクッ!

智葉「………………」

カチューシャ「あ、あの……そ、それは……」

ニーナ「ち、違うんです!」

カチューシャ「に、ニーナ……」

ニーナ「カチューシャ隊長の粛清っちゅうのは口癖みだいなもんで!それにシベリア送り10ルーブルってのは10日間補習を受けるってことで……実際にシベリアに行かせるわけじゃねぇんです!」

智葉「……そうか。早とちりして悪かった。この2日間で、ノンナが普段からカチューシャを慕い、尽くしているであろうことはわかった。そんな人間を軽々しく粛清すると聞いて少し腹立たしく思ってしまってな。すまなかった」

カチューシャ「べ、別に……私も……その……そんなつもりないのに、ついしゅくせーとか言っちゃったから……」

ナオミ「でも、辻垣内さんの言い分は正しいね。自分の発言に責任を持つ覚悟は大事だよ。私はいつも気を付けてる。本気で付き合うつもりがない子を相手にする時は曖昧な言葉を使い、断言はせず、期待を持たせないようにしながらも、上手い具合に遊べる距離感を保つようにしてるからね」

智葉・カチューシャ・ニーナ「………………」

ナオミ「……ん?何か間違ってたかな?」

ネリー「いつか訴えられて、お金いっぱい取られちゃうかもね」

智葉「それもまた責任だ」

ナオミ「…………耳が痛いな」ハハ..
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/24(金) 21:14:10.54 ID:Veh8rIUF0


ナカジマ「…………」

ツチヤ「……………」

スズキ「……………」

ホシノ「……………」

ナカジマ「なんかさ」

ツチヤ「んー?」

ナカジマ「私たち、客席で応援してたけど、全然喋ってない雰囲気じゃないか?」

スズキ「あー……なんかそんな気がするなー」

ホシノ「割と声上げてたんだけど……」

ツチヤ「ま、楽しめたんだから、気にしないでいいよな。キミたちもそんなに落ち込まなくていいよ」

音子「落ち込んでねーよ。っていうか、俺ら喋ってない感じなのかよ?」

ナカジマ「多分ね」

エミ「……………」

音子「マジか……いや、俺はいいとしても、こいつは西住みほの幼馴染なんだぜ?なのに全然存在感ないとか……可哀想じゃねぇかよ……」

エミ「ち、ちょっと待って。同情みたいなのやめて?普通に『目立ってなかった』でいいじゃない」

やえ「お前ら!肩を落とすのはニワカのすることだ!元気出しなさいよ!」

ナカジマ・スズキ・ホシノ・ツチヤ・エミ・音子「………………」

やえ「……な、なによ、その目は」

ナカジマ「……小走さんに慰められるのってなんか……」

スズキ「うん……」

ツチヤ「3軍の選手が2軍の控えに励まされてるみたいで……」

ホシノ「切ないな……」

音子「あぁ……」

エミ「その……お互い頑張りましょう」

やえ「なんでよ!」
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/24(金) 21:14:38.29 ID:Veh8rIUF0


豊音「はー……みんなすっごく上手にラップしてたよねー。私も出てみたかったよー」

白望「トヨネはディスるの向いてないと思う…」

エイスリン「ソノトオリ!」

塞「練習の時、試しにやってみたじゃない。その時も相手のディスで泣きそうになってたし……」

胡桃「あと絶妙にビートに乗り遅れてた」

豊音「うぅ……でもみんなカッコよくて輝いてたよー。ちょーうらやましいよー」

桂利奈「それは私のセリフです!」ザッ!

豊音「へ!?」

塞「阪口、さん?さっきまであっちにいたと思ったらいつの間に……」

桂利奈「姉帯さん、背が高くてスラッとしてて羨ましい!灼さんのアイテムも良かったですけど、姉帯さんは天然でカッコいいです!」

豊音「そ、そんなことないよー。私なんか……」

桂利奈「エヴァみたいです!憧れます!」

豊音「えば…………って知らないんだけど、どういう意味ー?」

塞「そ、それは……」

白望「……モデル体型のこと」

豊音「そうなの?うぅー、恥ずかしいけど……ちょーうれしいよー」

梓「姉帯さんだけではありません!私は小瀬川さんも羨ましいです!」

白望「…………私?なんで」

梓「だって……物憂げでクールだし……なんか……ミステリアスで素敵ですから!」

白望「……ダルいからだらけてるだけ」

梓「そういう返しがまた素敵です!」

白望「………………」チラ

塞「む」ピク

塞(『どう返したらいいかわかんないからフォローして』って顔ね。まったく仕方ない……)

塞「シロは見た目がいいから気持ちはわかるけど、意外とこう見えてだらしない部分も…」

あゆみ「部分と言えば!」ズイッ!

塞「わ、ビックリした」 
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/24(金) 21:15:06.58 ID:Veh8rIUF0

あゆみ「臼沢さんの太もも……どうなってるんですか?」

塞「ど、どうって何が?」

あゆみ「肉付きは良さそうなのに、なんか細いし……理想的な太ももです!」

塞「……そ、そう?ありがと」

紗希「……………………」

あゆみ「紗希もそう言ってます!」

塞「そうは見えないけど……ありがと」

エイスリン「サエ、フトモモエロイ!」

塞「ちょ、エロくないから!」

白望「エロいって」

塞「シロまで!」

優季「私はぁ〜、臼沢さんもキレイだと思いますけど〜、エイスリンさんの小悪魔っぽさに憧れるな〜♪」

エイスリン「コアクマ?」キョトン

豊音「エイスリンさんは天使っぽいよー?」

塞「うーん……でもエイスリンさ、落とした消しゴム拾ってもらったくらいのことでも、あのキラキラした笑顔を向けるじゃない?勘違いする子も多そうだからなぁ……小悪魔っぽくもある」

エイスリン「???」

優季「ん〜♪この無垢な感じが可愛い〜」

ワイワイキャッキャ

胡桃「………………」

胡桃「……うーむ」

桂利奈「鹿倉さん!」

胡桃「っ!な、なに?」

桂利奈「えーと……その……鹿倉さんは……なんか親しみが持てます!それに……そういう趣味の人は多いと聞きます!」

胡桃(嬉しくない!)
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/24(金) 21:15:39.04 ID:Veh8rIUF0


穏乃「ふぃ〜、ただいまー」

玄「おかえりなさい」

憧「あんたねー、見送りの時まで走り回ってどうすんのよ」

穏乃「盛り上がっちゃったんだからしょうがないじゃん」エッヘヘ

宥「あ、あのね?穏乃ちゃん、私たちに話を聞きたいっていう人たちが来てて……」

穏乃「え?あっ、その人たちは……」

典子「おはようございます!」

妙子「私たちは!」

忍「大洗女子学園の!」

あけび「バレー部です!」

典子「阿知賀女子学院のみなさんに聞きたいことがあります!」

穏乃「聞きたいこと?」

典子「はい!私はバレー部を復活させるべく、毎日を必死で生きています……ですが!未だ復活への道は遠く…」

妙子「そんなキャプテンを支えるのが私たちの役目!」

忍「いつか必ず陽の目を見る!」

あけび「その日を夢見て……頑張ります!」

典子「みんな……ありがとう!」

妙子・忍・あけび「はい!」

憧「途中から質問じゃないし」

穏乃「えーと……それで聞きたいことって?」

典子「あわわ、そうでした!阿知賀女子学院のみなさんは、麻雀部が無い状態から部を復活させ、全国大会の決勝まで進んだんですよね!?」

憧「まぁ、そうね」

典子「私たちもバレー部を復活させて全国を狙いたいんです!今は部員の数も足りなくて、部そのものも存在していない状態ですけど……どうしたらいいのでしょうか!」

玄「うーん……地道に待ち続けるのがいいと思う」

妙子「ま、待ち続けるんですか?うー……体がウズウズしそう」

妙子「カビとか生えちゃうかも……」

灼「まったく動かずにって意味じゃないから…」

玄「憧ちゃんはどう思う?」

憧「んー……全国狙うために何が必要かっていう問いの答えは……やっぱり指導者かな?練習メニューとか練習試合のアポとか大事なことがたくさんあるし。全部自分たちでやるのは相当キツイからね。でもそれ以前に部員が足りないのよね……人を集めるには…………宥姉ならどうする?」

宥「えっ?わ、私?うぅ……その……」

典子・妙子・忍・あけび「」ジィィィィ..

宥「ぁう……えと…………おこたでお鍋……とか?」

典子「鍋……」

宥「みんなで囲んで食べたら……仲良くなれる……かなって」
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/24(金) 21:16:06.89 ID:Veh8rIUF0

憧「宥姉っぽいなぁ〜。でも実際問題…」

典子「それいいな!なんといっても大洗にはあんこう鍋がある!」

妙子「はい!キャプテン!」

憧「いやいやいやいや!今のはちょっと無し!灼さんは部員をどう集める?」

灼「ん……地道にチラシ撒いたりとかポスターで募集を告知して……それでも集まらなかったら、助っ人を使ってでも、とりあえず練習試合をする。それを見学してもらって、興味を持った子を誘ってみるとか…」

憧「さすが灼さん」

典子「な、なるほど……地道に……」

あけび「高鴨さんはどうしたらいいと思いますか?」

穏乃「うーーーーん…………やっぱり…」

あけび「やっぱり?」

穏乃「根性かな!」

憧「しず〜?精神論じゃ部員は…」

典子「根性!」

憧「へ?」

妙子「やっぱり根性でしたね!キャプテン!」

典子「ああ!根性が全てを救う!」

憧「いや、あのー……」

典子「みんな!これからも根性で行くぞ!」

妙子・忍・あけび「はい!!」

典子「アドバイスありがとうございました!根性ーーーーー!!!」ダダダダッ!

妙子・忍・あけび「根性ーーーー!!」ダダダダッ!

穏乃「元気いいなー!私もまた走りたくなってきた!」

宥「………………」

玄「す、すごい人たちだったね」

灼「穏乃が4人いるみたい……」

憧「えっ、それ天国じゃん」

灼「………………」

憧「あ…………い、今のナシ///」
286 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/24(金) 21:16:34.28 ID:Veh8rIUF0


おりょう「お!?忠勝ではないか!」

淡「んぁ?」

誠子「?」

エルヴィン「帰り際に再会できるとは!」

カエサル「やはり名は体を表すというか…」

左衛門佐「主君ではない者に対してもちゃんと見送りをする……やはり出来た人物だ」

淡「ただかつ?え、私?」

カエサル「違う。隣にいるのが忠勝だ」

淡「隣……って」チラ

照「………………」

淡「?テルはテルだよ?ただかつじゃないよ?」

左衛門佐「ソウルネームというやつだ」

淡「変なの」

エルヴィン「何を言う。決して変ではない」

おりょう「本人も気に入ってくれたぜよ」

左衛門佐「だから我々は忠勝と呼ぶのだ!」

誠子「宮永先輩が気に入った?…………そうなんですか?」

照「…………強引に押し切られる形で、最終的に納得せざるを得なくて」

誠子「……なるほど」

誠子(宮永先輩って、物静かな雰囲気と端正なルックスが相まって、あまり気安く話しかけられないタイプだけど……そこを乗り越えてグイグイこられると意外に弱いところあるよなぁ。淡と同じパターンだ)

左衛門佐「その角のように見える髪型も、忠勝の兜と一致している」

淡「……それでただかつって何?揚げ物?」

左衛門佐「忠勝を知らないだと!?」

エルヴィン「戦場で傷一つ負わなかった男を揚げる!?そうやすやすと揚げられると思うな!」

カエサル「一般の人は見たい現実しか見ない、ということか……!」

おりょう「この先の日本はどうなってしまうぜよ……」

淡「??亦野先輩、忠勝って知ってます?」
287 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/24(金) 21:17:02.16 ID:Veh8rIUF0

誠子「ああ。本多忠勝。徳川家康の家臣で、すごく強い武将だよ」

エルヴィン「おお!」

左衛門佐「パンクな見た目に反してなんと日本人的な教養を持っている人だ!」

誠子「いや、だから、短髪で染めてるだけでパンクってわけじゃ……それに大河ドラマでやってたから知ってる程度ですよ」

おりょう「だとしても見事ぜよ」

カエサル「そして釣り好きでもあるキミは、今日から太公望・呂尚だ!」

誠子(宮永先輩もこの流れで名付けられたのか……というか今さらだけど、年下なのに宮永先輩にタメグチってすごいなぁ)

エルヴィン「忠勝も異論はあるまい?」

照「……特には」

カエサル「さすが忠勝!私たちの気持ちを察してくれてるな!」

淡「ねえねえ!私もなんか名前ちょうだい!」

左衛門佐「大星さんか…」

おりょう「なかなか難しいぜよ」

カエサル「!思い付いた!」

淡「ホント!?」

カエサル「ああ!キミはレオナルド・ダ・ヴィンチだ!」

淡「あ、なんか聞いたことある!テルー、わかる?」

照「うん。万能の天才と呼ばれたイタリアの芸術家。モナ・リザの作者でもある」

淡「天才!?やったー!」

エルヴィン「なぜダ・ヴィンチなんだ?」ヒソヒソ

カエサル「……大星さんはロン毛だろう?毛と言えば、と連想していったんだ」ヒソヒソ

エルヴィン「ダ・ヴィンチ……確かに髪は長いが頭頂部はハゲてただろう?他にいなかったのか?」ヒソヒソ

カエサル「そうなんだが……カエサルには薄毛のエピソードがあってな。その繋がりでついポンと浮かんでしまい、つい……」ヒソヒソ

淡「私のことをちゃんと理解してるねっ!ありがとー!」ダキッ

カエサル「わわっ!?」

淡「見る目あるよー!」

カエサル「ちょ、わかったから抱きつかないでくれ!」

エルヴィン(喜んでいるからいいか)フッ

おりょう「しかし昨日も思ったが、忠勝は歴史に造詣が深いぜよ」

左衛門佐「本名は宮永照だったな。まさか農学者、宮永正運の子孫か?」

照「全然違う。ただ、たまに歴史系の本も読むから知ってただけ」

おりょう「素晴らしいぜよ!」
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/24(金) 21:17:33.82 ID:Veh8rIUF0

左衛門佐「それなら今度おすすめの本を貸そう!保管場所に困っ…じゃない、大切にしまっておいた本が大量にある!郵送するから住所を教えてくれ!」

照「……別にそこまで読みたいわけではな…」

おりょう「なるほど。本多忠勝が戦国時代より幕末の方が好みとは面白いぜよ。それなら私が貸そう」

照「あ、いや、だから私は…」

おりょう「おっと!住所を教えることを心配してるのは百も承知。居所を隠すのは、闇討ちを避けるためにも必須。わかっているぜよ」

照「そういうわけでは……ただ…」

左衛門佐「なるほど。用心深さも兼ね備えているとは!それならば白糸台に送れば解決だ」

照「あの、本当に…」

おりょう「それがいいぜよ」フフ

照「その…」

左衛門佐「おりょうは興味深い本を揃えているから、きっと忠勝も満足してくれるはずだ」ニコッ

おりょう「到着を楽しみに待っているぜよ」ニコッ

照「………………うん……ありがとう」

誠子(諦めた…………)

誠子(でも、そんなに嫌そうに見えないというか……いつも接する人たちと違う距離感に戸惑ってる感じっぽい)

誠子(宮永先輩に有無を言わさず詰め寄る人なんて、淡以外いないもんなぁ)

淡「えっへへ〜!あ、このマントいいなー!」

カエサル「こら、勝手にピラピラさせるな!それにそろそろ抱きつくのをやめてくれ!」

淡「じゃあマント貸して〜♪」

カエサル「わかったから!」

淡「やた!」

カエサル「……マントは貸すが、将軍の座は譲らないからな!」

淡「いーよ。いらないから。ほぉー、マントかっこいーなー♪どう?似合う?」ヒラヒラ

カエサル「む。意外と似合う……」

淡「えっへへ〜♪でっしょー?」



カルパッチョ「………浮気者」ギリッ..

アンチョビ「お、おい。歯を食いしばってるがどうした?その顔でパスタレードルを握りしめてるのは画的に怖いぞ」※パスタレードル・・・細長い木の突起が複数ついてるパスタをすくうための道具

カルパッチョ「私でさえマントを羽織らせてもらったことないのに……!」ギ..ギ..ギリッ..

アンチョビ「そ、そうか!だったら私のマントをやろう!1日ドゥーチェもやっていい!だから落ち着け!な!?」アセアセ
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/24(金) 21:18:02.08 ID:Veh8rIUF0


メグミ「はぁぁ……」

ルミ「どしたのメグミ」

アズミ「年とると早起き辛いってやつ?」

メグミ「違うわよ!寝起きの愛里寿隊長、可愛かったなぁって思い出してただけ!私の年齢でそんなこと言ってたら蝶野さんとか家元とかどうすんのよ」

千代「本当に、どうすればいいのかしらね?」

亜美「是非知りたいわ」

メグミ・ルミ・アズミ「ひッ!」ビクン

亜美「シンキングタイム!テンセカンズ!カッチ、カッチ、カッチ、カッチ…」

メグミ「ち、違います違います!そういう意味じゃないんです!それに諸悪の根源はアズミで…」

アズミ「ちょっと!あんた人のせいにするんじゃないわよ!」

晴絵「あはは。仲がいいんですね」

ルミ「あなたは……麻雀部チームの監督の……」

アズミ「高校時代にインハイで惨敗した…」

晴絵「そこまで遡らずに思い出せないかな?」

メグミ「赤土晴絵さん……昨日は家元とお話していたようですけど、前からのお知り合いだったんですか?」

晴絵「いえ、昨日初めてお会いしたんですけど、島田流の家元だけあって知識は幅広いし、物事の分析も鋭い。戦車道と麻雀でジャンルは違うけど、勉強になることばかりですね」

千代「それは赤土さんも同様ですわ。その若さにして、阿知賀女子学院を全国に導いた手腕、そして戦局を見極める眼力は並外れていますもの」

晴絵「ありがとうございます。でも今回はその戦略を見誤ってしまい、麻雀部チームのみんなには申し訳なく思っていますよ。チーム力では決して劣ってないですから」

千代「そうね。実力のある子ばかりです。キャリアの差を感じさせない強さを見せられました。アッと驚く為五郎という言葉がぴったんこかんかんですわね」

晴絵「…………え?」

千代「あ、いえ、なんでもありませんわ」オホホ..

千代(いけないわ。イマドキを終えた赤土さんでもわからない単語を口に出してしまうとは。もっと気を付けなくてはね)フゥ

晴絵「そういえば、お聞きしたいことがあるんですけれど、実は前に―――」

千代「なるほど。その場合は―――」
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/24(金) 21:18:32.92 ID:Veh8rIUF0

アズミ「……………」

アズミ(指導者としての相談トークが始まっちゃった……口を挟める感じじゃないわね)

亜美「ゼロ」

アズミ「え?」

亜美「タイムアップ!あんたたち3人はこのあと居酒屋に付き合ってもらうわよ!」

アズミ「え、ちょっと!?そんな……!メグミ!ルミ!なんでちゃんと謝らなかったのよ!」

メグミ「謝ったわよ!」

ルミ「でも何を言っても蝶野さんが『パードゥン?』しか言わないの!」

亜美「スタンドバイミー!楽しい夜になりそうね!」アッハハハ!



南浦「……やれやれ。ずいぶん騒がしいな」

秋一郎「若者の特権だからな。そう言ってやるな、ポナンザ」

南浦「そのあだ名はやめてほしいと言ったはずです。ヌマシュウ」

秋一郎「ふっ」

トシ「相変わらず仲がよろしいことで」フフ

理事長「蝶野さんたちも盛り上がっているようですが、我々も居酒屋に繰り出すのはどうでしょう?私の方はスケジュールが空いておりますが」

秋一郎「ふむ…………ではそうしよう」

南浦「馴染みの店があります。美味い酒を出す店でね。きっと気に入ってもらえると思いますよ」

理事長「それはそれは。楽しみですなあ。熊倉さんはどうなさいますか?」

トシ「私は生徒たちと一緒に帰るさ」

理事長「そうですか……残念ですな」

トシ「ただその前に、話しておかなければならない子がいるけどね」ボソ

理事長「?」

トシ(大洗女子の河嶋桃…………カッコいいというだけの理由でモノクルを付けているあんたにはきちんと話をつけてやらないとねぇ)

トシ(モノクルを甘く見ると痛い目に合う。そう気付けばモノクルのありがたみがわかるってもんさ)クク
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/24(金) 21:19:06.82 ID:Veh8rIUF0


みほ「………………」

みほ(気付いたら、みんな麻雀部の人たちとお話しに行っちゃった)

みほ(私はどうしよう?せっかくだから誰かと…)

咲「あの……」

みほ「え?あ、宮永さん……」

咲「………………」

みほ「?」

みほ(なんだろう?話しかけてきたのに黙っちゃった。何か言いづらいことなのかな?)

咲「私……」

みほ「はい」

咲「しばらくの間、お姉ちゃんとその……話せない時期があって……」

みほ「………………」

咲「そんな関係をどうにかしたくて、頑張って全国大会まで行ったんです……」

みほ「その……それで、結果は?」

咲「……前よりはずっと良くなったんですけど……でもやっぱりまだ気まずくて。今回のバトルに向けた練習でも、模擬戦も出来なくて……」

みほ「……その気持ち、わかります。私、お姉ちゃんと会うのが怖かった時期がありましたから。嫌われたと思ってたし……」

咲「でも西住さんは今、お姉さんとすごく仲良くなったって聞いて」

みほ「そうなんです!すっごく仲良くなって!えへへ……//」

咲「……一体、どういうトリックを使ったんですか?」

みほ「トリックとかそういう手品的なものじゃないんですけど……」
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/24(金) 21:19:35.71 ID:Veh8rIUF0

咲「じゃあどうやって……?」

みほ「大きかったのは戦車道大会の決勝で戦ったことですね。ここで全力でぶつかり合うことで、わだかまりが解けました」

咲「そうですか………じゃあインハイを終えて仲良くなれてない私はもう……」

みほ「そんなことないですよ。私がお姉ちゃんと、決定的に太く強く、決して断ち切れない絆で結ばれるきっかけを作ってくれたのは、フリースタイルバトルですから」

咲「!」

みほ「大学選抜戦での共闘でもお姉ちゃんとの仲は深まりましたけど、フリースタイルバトルはそれ以上に大きかったです」

咲「!!」

みほ「普通に話してたら絶対思っても言えないことでも、音が流れるステージの上で、マイクを握ったら自然と口に出せるんですよね。そうやってお互い言葉を交わし合った結果、今までよりずっと濃い関係性を築けました」

咲「すごい……じゃあ私もお姉ちゃんとバトルをしたら……」

みほ「必ず上手くいくと簡単には言いきれないですけど、少なくとも思ってることを言い合えると思います。そうすれば、今よりもっといい関係になれるんじゃないでしょうか?」

咲「………………」

みほ「あ、偉そうなこと言っちゃってすみません!」アセアセ

咲「いえ、そんな!私の方が年下ですし!それに、すっごくいい話を教えてもらいました!ありがとうございます!」

みほ「そ、そうですか?」ホッ

咲「私、お姉ちゃんと本気でバトルするためにどうしたらいいか、考えてみようと思います」

みほ「少しでも力になれたならよかったです」ニッコリ

咲「アドバイス、どうもありがとうございました。では失礼します。あ、またお会い出来る日を楽しみにしてます」ペコリ

みほ「私もです」ニッコリ

咲「」テクテクテク

みほ「………………」

みほ(やっぱり、どこの世界もお姉ちゃんっていうのはツンデレなんだなぁ……)
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/24(金) 21:20:08.46 ID:Veh8rIUF0

洋榎「おい、みほ」

みほ「え?あ、ヒロエさん……」

洋榎「なんや呆けた顔して。うちが話しかけるんがそない変か?」

みほ「いえ、そういうわけじゃ」

みほ(私のお姉ちゃんや宮永照さんとまったく違うタイプの姉が来たから驚いただけで)

洋榎「ホンマは昨日の夜に話そ思ててんけど、そういう気分になれへんかって。けど、一晩明けてスッキリしたから帰る前に話しとかんとなぁ、ってな感じでな」

みほ「……私もお話したいと思ってました」

洋榎「そうか。そらちょうどええな」ニカッ

みほ「…………ふふっ」

洋榎「なんで笑うねん」

みほ「いえ、気持ちのいい笑い方というか……素直な人だなぁと思いまして」

洋榎「なんやそれ。ええけど。んで、昨日のバトルはうち負けてもうたけど、あれで終わりちゃうからな?」

みほ「……と言いますと?」

洋榎「勝ち逃げせんといてな、って話や。うちは麻雀、みほは戦車道が本業や。けどフリースタイルバトル大会があったら参加してぇや、ってこと」

みほ「……今後、FSR(フリースタイルロード)の履修者ではなく、私たちに声がかかることがあるんでしょうか?」

洋榎「知らん。けどその時は出ぇや。もっぺんみほと戦いたいねん」

みほ「そうですね……私もヒロエさんとバトルしたいです」

洋榎「おっしゃ、決まりや。これを伝えたかってん。ほな、うちは戻るわ」クルッ

みほ「あっ!あの、ヒロエさん!」

洋榎「ん?なんや」

みほ「……妹さんのこと、好きですか?」

洋榎「あん?絹のこと?」

みほ「はい」

洋榎「好きに決まってるやん。家族やし」

みほ「そうですよね!」ニッコリ

洋榎「?何を当たり前のこと聞いてんねん……ええけど。ほな行くから。またな」

みほ「はい!」

みほ(やっぱりお姉ちゃんっていうのは妹のことが大好きなんだ……うんうん!)

みほ(大会では勝てたし、知り合いもいっぱい増えて、美味しいご飯も食べれた。帰り際にいい話を聞けたし……充実した2日間だった)

みほ(ヒロエさんはああ言ったけど、フリースタイルバトル関係の大会はしばらくないだろうし、これからは戦車道に専念かな)

みほ(3年生が抜けることで、編成とか諸々大幅な修正が必要だし、時間がかかる分、頑張らないと!)

優花里「西住殿。秋山優花里、ただいま戻りましたぁ!」ビシッ

みほ「おかえりなさい」

沙織「そろそろ出発だって」

麻子「そうか」

華「それにしても……これから忙しくなりそうですね」

沙織「うん。華は生徒会長、私とゆかりんは生徒会として頑張らないといけないもんね。みぽりんも隊長としてみんなを引っ張っていかないとだし」

麻子「私も朝起きるのを頑張らないといけない……」
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/24(金) 21:20:35.41 ID:Veh8rIUF0

華「ええ。本当に大変です。それに生徒会長として最初のお仕事がまた大変そうで……」

沙織「……最初のお仕事って?」

華「あら?聞いていませんか?」

優花里「前会長や小山殿、河嶋殿からは何も言付かっておりませんが……」

華「ではわたくしにだけおっしゃったのでしょうか?龍門渕さんからお話をいただいたのです」

みほ「龍門渕さんから?どんな話?」

華「今回の大会でフリースタイルバトルに興味をお持ちになったらしく、龍門渕グループと大洗を含む各校の生徒会で協力して、ネット配信のフリースタイルバトルの番組を制作するという企画が動き出しているようです」

沙織「ええっ!?」

麻子「企画がある、ではなく動き出しているのか?」

優花里「なんという行動力ですかぁ!」

華「内容も大方決まっているようです。仮タイトルは『フリースタイルラビリンス』。挑戦者は3人1組のチームでラビリンスに挑み、道を阻むゲートキーパー4人をフリースタイルバトルで倒し、最奥にいるラスボスに勝てば賞金を獲得できるシステムです」

みほ「それ、挑戦者の人数は違うけど、完全にフリースタイルダンジョンじゃ…」

華「龍門渕グループの力か、KODAMAさん(戦車道連盟理事長)の人脈かわかりませんが、その辺りの認可は得ているそうです。挑戦者に年齢制限を設けるなどして差別化を図り、姉妹番組のような形にするとか」

沙織「そ、その番組に私たち生徒会が関わっていくの?」

華「はい」

沙織「……そんなことになったら……」

優花里「はい。責任重大…」

沙織「モテ期が来ちゃうかも〜♪一瞬映った私を見てファンになった子から手紙とか送られてきて〜!」

麻子「ないだろう」

華「とにかく忙しくなりそうです。頑張りましょう」

優花里「はいっ!職務とあらば全身全霊で取り組む所存でありますぅ!」

沙織「うん、頑張る〜♪」

みほ「大変そうだけど、頑張ってね。応援してる」

華「ありがとうございます。あ、そうでした。1つ言い忘れてました……みほさん」

みほ「なに?」

華「みほさんはゲートキーパー役が決まっていますので、頑張ってくださいね」ニコリ

みほ「………………え?」

沙織「すごい!大抜擢じゃん!みぽりんならイケるよ!」

優花里「さすがです西住殿ぉ!」

麻子「む、私にはオファーは無いのか……しかし早起きせずにすむからよしとする」

みほ「ちょ、ちょっと待って?なんか勝手に決められちゃってる気が…」

華「みほさんなら出来ます!」

みほ「後押しが欲しいんじゃなくてね!?私の意見とか…」

華「パンツァー・フォー!!」

みほ「わぁあ!強引!私のセリフ!今期の生徒会は前以上に強引だよぉ〜!」

みほ(…………どうやら……)

みほ(これからの日々は、前以上に忙しくなりそう……――――)



おわり


295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/24(金) 21:21:13.87 ID:Veh8rIUF0

以上です。読んでくれた方、ありがとうございました



エスカマリさん、海月さん、DJ 海藻さん、DJ ペプシコーラさん、Puni23PPKさん、so was Redさん、

バトル用ビート動画のリンクを貼らせてもらいました。ありがとうございました

296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/25(土) 07:32:30.62 ID:xALbx+pjo
今年最も謎なSS
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