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夕美・美波「「誘惑の練習をするよ!」」文香「…お付き合い致します」
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1 :
◆hAKnaa5i0.
[saga]:2017/12/05(火) 13:56:02.39 ID:mcgz7tgU0
夕美「誘惑の練習をするよ! 美波ちゃん!」カッ
美波「誘惑の練習に付き合うよ! 夕美ちゃん!」カッ
夕美「ありがとう!! さすが美波ちゃん大好きだよ!!」カッ
美波「…」
夕美「どうしたの?」
美波「ふ、不意に大好きって言われるとちょっと照れちゃうかな…」
夕美「あー」
美波「…」
夕美「…」
美波「…あはは」
夕美「…え、えへへ」
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1512449762
2 :
◆hAKnaa5i0.
[saga]:2017/12/05(火) 13:57:04.67 ID:mcgz7tgU0
文香「…何を甘酸っぱい雰囲気を醸し出しているのですか…入り辛いですよ」ヒョコ
2人「「うわぁぁっ!!」」ビクゥ
文香「おはようございます…夕美さん。美波さん」ペコリ
2人「「お、おはよう。文香さん」」
文香「…」
文香「近年はLGBTの権利について積極的な議論がなされています…『自由』と『個人の価値観』を最大限尊重しようという気風が高まっておりますので…恋愛につきましては…以前に比べると『禁忌』と見られることが少なくなってきています…もちろん地域差はありますが…」ペラペラ
注 LGBT…性的少数者。レズ、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーの頭文字の取って作った言葉。
文香「私の立場は賛成派です…女性同士の恋愛…ひいてはその延長線上にある『結婚』などは認められるべきではないかと…近年台頭したばかりの『人権』の絶対性を信奉するわけではないのですが…」ペラペラ
夕美「(難しくてよくわからない…)」
3 :
◆hAKnaa5i0.
[saga]:2017/12/05(火) 13:57:30.98 ID:mcgz7tgU0
美波「な、何が言いたいのかな。文香さん」
文香「要するに…お2人がどんな関係になっても…変わらず私は友人でいるでしょうということです」
文香「…恋愛を楽しむ際に…人目をはばかる必要はないのですよ?」
夕美「案の定っ!! 激しい誤解をされているよっ!!」カッ!!
美波「誤解だよっ!! 誤った理解をしているよっ!! 文香さんっ!!」カッ!!
文香「それは…残念です」
4 :
◆hAKnaa5i0.
[saga]:2017/12/05(火) 13:58:21.63 ID:mcgz7tgU0
文香「…」フフフ
美波「…」
美波「もしかして冗談だった?」
文香「…」
文香「…わ、わかりにくかったでしょうか?」ハッ
夕美「…っ!! 美波ちゃんっ!」
美波「ええ! 夕美ちゃんっ!」
2人「「文香さん可愛いっ!!」」カッ!!
文香「…て、照れてしまいますから…その…やめてください…///」カァァァァ
2人「「可愛いっ!!」」カッ!!
5 :
◆hAKnaa5i0.
[saga]:2017/12/05(火) 13:59:14.55 ID:mcgz7tgU0
(しばらくして)
文香「…ところで夕美さんは…どうして『誘惑』の練習をしようとしていたのですか?」
夕美「あのね。私、今よりももっと色々なお仕事をしたいって考えてるんだ」
夕美「だから演技の幅を広くして、できることを増やしたいんだけど…『誘惑』みたいな挑発的なことは苦手だなって」
文香「夕美さんは…向上心が高いのですね…。そういうことであれば、微力ながら私もお力添えをいたします…」スッ...グッ!!
夕美「ありがとう! 文香さん!」
美波「文香さん。頼もしいけど、どうして『腕まくりのポーズ』を?」
文香「私の…気合いの現れなのです」キラ-ン
6 :
◆hAKnaa5i0.
[saga]:2017/12/05(火) 14:00:11.95 ID:mcgz7tgU0
(しばらくして)
美波「では、いつも通り! 『誘惑』とは何かという話から始めていくよっ!」カッ!!
夕美「はいっ!!」カッ!!
文香「よろしくお願いします…」キラ-ン
美波「この場には残念ながら『誘惑』が得意そうな人はいないのですが、例えば奏さんのよーーー」
夕美・文香「「え?」」
美波「どうしたの? 何かおかしいこと言ったかな?」
7 :
◆hAKnaa5i0.
[saga]:2017/12/05(火) 14:00:46.12 ID:mcgz7tgU0
文香「…待ってください。美波さん」
夕美「待ってよ! 美波ちゃん!!」
夕美・文香「「誘惑が得意な人はいない?」」
美波「?」キョトン
夕美「…」
文香「…」
8 :
◆hAKnaa5i0.
[saga]:2017/12/05(火) 14:01:23.87 ID:mcgz7tgU0
夕美「…自覚がないって怖いね」ヒソヒソ
文香「…自分の評価と他者の評価は異なるものですから…仕方がない部分もあるのかと」ヒソヒソ
夕美「でも…ここまで自覚がないって罪だよね」ヒソヒソ
文香「一理あります…」ヒソヒソ
美波「どうしたの? 2人してコソコソして?」
文香「いえ…話の腰を折って申し訳ないのですが…美波さん」
美波「何かな?」
文香「…1度、夕美さんの腕に抱きついていただいてよろしいでしょうか?」
美波「夕美ちゃんの?」
夕美「カモンだよ! 美波ちゃん!」カッ!!
9 :
◆hAKnaa5i0.
[saga]:2017/12/05(火) 14:01:58.91 ID:mcgz7tgU0
美波「…よくわからないけど、いいわよ」
スッ...ギュ-
文香「そのまま上目遣いを…!」
美波「?」ジ-
夕美「…うぅ///」ドキドキドキ
文香「まだです…この紙に書かれた台詞を読んでください…!」ピラリ
美波「は、はい」
10 :
◆hAKnaa5i0.
[saga]:2017/12/05(火) 14:02:28.86 ID:mcgz7tgU0
美波「あの…今晩、美波と一緒にご飯を食べに行きませんか?」ジ-
夕美「」ズキュゥゥン!!
夕美「ほ、ホテルを予約しておきます!!」ドキドキ
美波「ご飯のお誘いだよっ!?」
文香「素晴らしいです…」パチパチ
11 :
◆hAKnaa5i0.
[saga]:2017/12/05(火) 14:03:02.97 ID:mcgz7tgU0
(しばらくして)
夕美「これだから美波ちゃんに相談を持ちかけたんだよ!」
文香「夕美さんの選択はわかります…ですが…『名選手名監督あらず』なのです」
文香「かの長嶋茂雄さんも打撃指導の際に」
文香「『ギューっと溜めて、グッと堪えて、バーンだっ!! 高めはスルーしてスパーンッ!』」
文香「などと、誤った英語や個性的なオノマトペ(擬音)を多用して選手たちを困惑させたといいます…」
夕美「(文香ちゃんの声真似可愛い)」
夕美「なるほど…どんなに上手でも説明がきちんとできるのは限らないってことだね」
文香「その通りです…」
12 :
◆hAKnaa5i0.
[saga]:2017/12/05(火) 14:03:49.89 ID:mcgz7tgU0
美波「あの、私が置いてきぼりになってるんだけど…」
夕美「あ、ごめんなさい」
文香「美波さん…貴女は自分がどれだけ魅惑的であるかを理解した方がよいかもしれません」
美波「な、なんですか! 急に!」
夕美「まあ、それはさておき。特訓を始めようよ!!」カッ!!
文香「やりましょう…!」キラ-ン
美波「うん。頑張ろうね!」カッ!!
13 :
◆hAKnaa5i0.
[saga]:2017/12/05(火) 14:04:34.80 ID:mcgz7tgU0
夕美「まず、誘惑とは何かを調べなきゃね!」
美波「言葉の意味をきちんと調べることは大切だね!!」
文香「ここは私の出番ですね…いきます…!」キラ-ン
シュパ-...!! パラララララララララ!!
美波「す、すごい…! 辞書を高速でパラパラめくって…!」
ピタァッ!!
夕美「止めたぁっ!! すごく早いよ!!」
美波「カッコいい! カッコいいよ、文香さん!!」
文香「ふふふ…このページです…読み上げますよ」キラ-ン
14 :
◆hAKnaa5i0.
[saga]:2017/12/05(火) 14:05:04.99 ID:mcgz7tgU0
文香「《誘惑》…『心を迷わせて、さそい込むこと。よくないことにおびきだすこと』だそうです」
夕美「うんうん。誘惑ってドラマとか映画では悪女役の人が大抵やってるもんね」
美波「だね。男の人を手玉に取ったりしてるもの」
文香「…男女関係とはまた別の話ですが…私は…レッスン後に街中でカレーの匂いを嗅ぐと…知らず知らずのうちにその方角へ足を運んでしまうことがあります…」
文香「あれも誘惑なのでしょうか…」ジュルリ
夕美「誘惑だけどなんか違うね…」
15 :
◆hAKnaa5i0.
[saga]:2017/12/05(火) 14:06:06.25 ID:mcgz7tgU0
文香「いま…カレーを用意していただいたら…私は簡単にたぶらかされてしまいそうです」グゥゥゥ
美波「ふふふ。文香さん、お腹空いてるんだね♪」
文香「恥ずかしながら…」
美波「ちょうどお昼だし、私がご飯作るよ。2人とも待っててくれる?」
夕美「わーい♪」
文香「ありがとうございます…♪」
16 :
◆hAKnaa5i0.
[saga]:2017/12/05(火) 14:06:43.00 ID:mcgz7tgU0
美波「さて…エプロンをして…と」
キュッ!
夕美「!」
美波「腕まくりをして…髪を後ろでまとめて…と」
スッ...グイッ!
文香「!」
美波「よし。何を作ろうかな♪」
17 :
◆hAKnaa5i0.
[saga]:2017/12/05(火) 14:07:32.01 ID:mcgz7tgU0
夕美「文香さん」ヒソヒソ
文香「ええ、夕美さん…気づきましたか。あの美波さんの色めかしい格好に…!」ヒソヒソ
夕美「もちろん気づいちゃったよ…! 髪をまとめた上でエプロンをつけるなんて反則だよ…!」ヒソヒソ
文香「あれが我々の目指す『誘惑』ですね…ごく自然に相手の心を惑わすのです…」ヒソリソ
夕美「そうだね…!」ヒソヒソ
美波「(またヒソヒソ話してる…気になるなぁ)」
18 :
◆hAKnaa5i0.
[saga]:2017/12/05(火) 14:08:10.08 ID:mcgz7tgU0
(しばらくして)
トントントン...ジュゥゥゥ
美波「お待たせしました。オムライスだよ」
コトリ
夕美「…わぁ♪」
文香「美味しそうです…!」ギュルルルル
美波「ふふ。冷めないうちに食べてね♪」
19 :
◆hAKnaa5i0.
[saga]:2017/12/05(火) 14:08:41.13 ID:mcgz7tgU0
文香「いえ…美波さん。後学のために是非ともやっていただきたいことがあるのです…」
夕美「あるんだよ!」カッ!!
美波「何かな?」
夕美「フーフーを!!」カッ!!
文香「してください…!」クワ-
美波「ふ、フーフーって。アレのこと?」
文香「ええ…スプーンで熱々のオムライスをすくい…美波さんの口から出される吐息によって温度を下げ…相手にそれを食べさせるという…禁断の技です…!」
夕美「食べさせる時は『あーん』って言ってね!!」
文香「ぜひ…!」キラ-ン
夕美「ぜひ!」カッ!!
美波「え…えぇ…///」
20 :
◆hAKnaa5i0.
[saga]:2017/12/05(火) 14:09:30.31 ID:mcgz7tgU0
夕美「練習のためだから!」
文香「…ですから」
美波「…」
スッ...
美波「そ、それじゃあ…ふー…ふー…」
文香「…」
夕美「…」
美波「あ、あーん…」
文香「あー…」
パク...モグモグゴクリ
文香「とても美味しいです…」
美波「あ、ありがとう…」
文香「結婚してください…」
美波「!?」
夕美「次、次は私だよ♪」
美波「…もー」
キャッキャ♪
21 :
◆hAKnaa5i0.
[saga]:2017/12/05(火) 14:10:46.74 ID:mcgz7tgU0
(その後、夕方)
カ-カ-
美波「…結局、一日中話をしてただけだったね」
夕美「ううん! 美波ちゃんの仕草と思わせぶりな話し方はすごく参考になったよ!!」
文香「ええ…色っぽかったです…」
美波「えぇ…///」
夕美「美波ちゃんを観察していて結論が出ました!」カッ!!
文香「…出ましたね」キラ-ン
夕美「美波ちゃんは!!」
文香「素敵な女性です…」
2人「「…!」」ガシッ!!
22 :
◆hAKnaa5i0.
[saga]:2017/12/05(火) 14:11:39.33 ID:mcgz7tgU0
美波「あ、ありがとうございます?」
文香「誘惑をする女性…その手本として美波さんは理想的であると感じます」
夕美「そうだね。私たちもたぶらかされちゃったもんね♪」
文香「…ええ」
美波「た、たぶらかすなんて人聞きの悪いことを言わないでよー!」
夕美「とにかく! 美波ちゃんを見習って特訓を開始するよっ!!」カッ!!
文香「やりましょう…」キラ-ン
美波「…」
美波「(少し不本意な感じだけど…ま、いっか。夕美ちゃんは何かを掴めたみたいだしね)」
23 :
◆hAKnaa5i0.
[saga]:2017/12/05(火) 14:12:22.35 ID:mcgz7tgU0
夕美「頑張るよっ♪」グッ
文香「…その意気です」パチパチパチ
美波「…」
美波「ところで夕美ちゃん」
夕美「何かな?」
美波「この後、誘惑の練習をするんだよね?」
夕美「うん」
美波「誘惑の練習をする時、相手役は誰にするの?」
夕美「…」
24 :
◆hAKnaa5i0.
[saga]:2017/12/05(火) 14:13:05.13 ID:mcgz7tgU0
文香「そうですね…私や美波さんがお相手することも可能ですが…」
美波「できるなら。男の人の方がいいよね」
夕美「…」
文香「であるならば…プロデューサーさんが1番適切かと…」
夕美「!?!?」ビクゥ
美波「1番身近にいる人で、練習にも付き合ってくれそうだしね」
夕美「タンマだよ!!」スト-ップ!!
25 :
◆hAKnaa5i0.
[saga]:2017/12/05(火) 14:14:00.98 ID:mcgz7tgU0
美波「夕美ちゃん。何か不都合なことでもあった?」
夕美「え、ええと…そうじゃないんだけど…プロデューサーさんに誘惑を仕掛けるのは…ちょっとハードルが高いかなー…」
夕美「なんて…♪」テヘペロ
美波「…」
文香「…」
夕美「…エヘヘ」
美波「それはつまり恥ずかしいからできないという意味で合ってるかな?」
文香「…私もそのように聞こえました」
夕美「あ、あの…そうじゃなくてね、もうちょっと練習をしてから…」
美波「はい?」ジ-
文香「...あまり面白くない冗談ですね」ジ-
夕美「ひっ!」
26 :
◆hAKnaa5i0.
[saga]:2017/12/05(火) 14:14:29.53 ID:mcgz7tgU0
美波「…」
文香「…」
夕美「…」ビクビク
美波「夕美ちゃん」
文香「夕美さん…」
夕美「は、はい」
2人「「逃がさない…!」」
夕美「ウワァァァァッ!! 2人の目がっ!! 本気だぁぁぁぁっ!!!」
27 :
◆hAKnaa5i0.
[saga]:2017/12/05(火) 14:15:25.91 ID:mcgz7tgU0
ピポパポ...トゥルルル...ピ!!
美波「プロデューサーさん!! カクカクジカジカなので明日よろしくお願いします!! OKですね!! ありがとうございます!!」
ピッ
美波「プロデューサーさんに連絡を入れておきました」キリッ
夕美「ウワァァァァッ!! スケジュールに予定を組み込むのが早いよっ!!!」
文香「会場のセッティングも終えました」
会場「」ピカ-
夕美「いつの間にか!! 事務所の休憩室がお酒の場のような内装に変わってるよ!!」
文香「こんなこともあろうかと…先日、書物を紐解き…セッティングの知識を付けておいたのです」キラ-ン
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