【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】

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145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/21(日) 10:43:53.27 ID:agWmrLpM0

第四話 【新たな力! カルテナって、何!?】


 そこは、暗闇の世界。光はある。されど、すべてが黒いから光を返さない、そんな場所。

 そんなアンリミテッドが統べる場を、ゴーダーツは思案顔で歩いていた。


 ――――『ゴーダーツ。たしかに我々はロイヤリティのくだらぬ慣習や誇りなどにはとらわれぬ。しかし、だからこそ欲望の戦士として、己の欲望に対して真摯であれ。もしそうでなくなれば、貴様は貴様が忌み嫌うロイヤリティと同等ということになるぞ? 欲しいものがあれば、真っ向から奪い取れ。人質を取るなどといった卑劣な真似は慎むべきであろう』


 頭に浮かぶのは、デザイアの言葉。それはあまりにも深く、ゴーダーツの奥底に突き刺さっていた。

「己の欲望に対して真摯であれ、か」

 自分は必死になりすぎたのだろうか。その必死さで、まさか、上司であるデザイアの手を煩わせてしまうとは、思っていなかった。

「私は……――」

「――……やあ、ゴーダーツ。久しぶりだね」

 進む先、デザイアが待つ部屋の手前で、ゴーダーツを待ち構える影があった。上背はゴーダーツと同じか少し低いくらい。細身の身体に、それこそあのプリキュアたちともそう変わらぬ細腕の男。細い目にうさんくさい笑みを貼り付けて、彼はゴーダーツに笑いかけた。

「……ふん。ようやく召喚に応じたか。ダッシュー」

 彼の名はダッシュー。ゴーダーツの同志、アンリミテッドの欲望の戦士である。

「いやあ、遅くなって申し訳なかったね。その間、どうも君にがんばらせすぎてしまったようだ」

「……なんだと?」

 しかし、たとえ同志であろうとなんだろうと、必ずしも好意的な仲ではない。

「はは、そう怖い顔をしないでおくれよ。聞いたよ。先日、わざわざデザイア様に迎えに来させたんだって? 君も随分と偉くなったものだね、ゴーダーツ」

「っ……」

 目の前のひねくれた男の皮肉が事実であるからこそ、ゴーダーツはそれに返す言葉を持たなかった。

「まぁ、安心してくれていいよ。君がもう無様な体たらくを晒すことはない。だって、これから僕がプリキュアとやらを倒しに行くんだからね」

「なに?」

「おっと、だから怖い顔をしないでくれって。これはデザイア様のご命令だよ? 僕に、情熱の王女捕獲とプリキュア撃退をお命じになったんだ」

「ぐっ……」

 デザイアはゴーダーツのことを見限ったのだろうか。役立たずだから働くなと、そう暗に告げているのだろうか。

「まぁ、せいぜい休んでおきなよ。それじゃ、僕はホーピッシュヘ行く。ゆっくり養生してくれたまえ、ゴーダーツ」

 嘲弄するように告げて、ダッシューは消えた。ただ、ゴーダーツの脳裏には、未だダッシューの言葉が染みついている。

 デザイアはゴーダーツではなく、ダッシューにプリキュア討伐を命じたのだ。

「プリキュア……なぜ、私に倒すことが叶わなかったのだ……」



「決まっている。貴様の欲望の力が足りぬからであろう」

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