【オリロンパ】愛書の少女とコロシアイ宇宙旅行【安価】三冊目

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528 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/09(土) 22:18:37.88 ID:KxnjDV3A0
【医務室】

月読「……あら」

広生「月読と鏡在か」

黒頭「そちらもここの捜査に?」

月読「念のためね。天馬はどうだった?」

広生「疑われているというのに堂々としたものだった。鏡在なら必ず無実を証明できると言っていたぞ」

鏡在「……あの馬鹿」

黒頭「そして捜査の手が減るのは問題だからわたし達も行くように言われまして。広生様とこちらの捜査を始めたところです」

月読「天馬らしいわね。それで何か見つかった?」

広生「あまり進展はないな……こちらの薬品は多量に使えば致死量にもなる薬が主だが致死量に至るほど使われたものがまずない」

黒頭「後はゴミ箱からこちらが見つかったぐらいでしょうか」

月読「これは、使い捨ての注射器ね」

鏡在「注射器ぃ?そんなもの何に使ったのよ?」

黒頭「おそらくこの精神安定剤ではないかと。これは注射器で投与するものですから」

鏡在「ああ、それね。そういえば千里も前に使ってたわ」

月読「精神安定剤ね……」

半分ぐらい使われているけれど……それほどみんなの精神が安定してないって事ね。

コトダマ『捨てられた注射器』を記録しました。
『医務室のゴミ箱に捨てられていた使い捨ての注射器』

コトダマ『医務室の精神安定剤』を記録しました。
『医務室にある注射器で投与するタイプの精神安定剤。半分ほど使用されている』
529 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/09(土) 22:35:34.21 ID:KxnjDV3A0
鏡在「全く手がかりがまるでないわね」

月読「少し冷静になりなさい。荒れてたら色々見落とすわよ」

黒頭「この精神安定剤をお使いになりますか?」

鏡在「いらないわよ!さっさと戻しときなさい!つーか、それなんかラベル剥がれてんじゃない!」

月読「ラベル……?ちょっと黒頭、そのビンを貸してくれない?」

黒頭「どうぞ」

月読「……」ペリペリッ

広生「なんだ?随分綺麗にラベルが剥がれるな」

月読「……!」

鏡在「あっ、ちょっと月読!」

【薬品庫】

月読「……」ペリペリッ

これは……

鏡在「ちょっとどうしたのよ月読!アタシを置いてくとかどういうつもりよ!」

月読「……鏡在」

鏡在「なによ」

月読「……天馬の無実を証明できるかもしれないわ」

コトダマ『薬品のラベル』を記録しました。
『医務室の精神安定剤と薬品庫の栄養剤のラベルは綺麗に剥がれるようになっていた』
530 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/09(土) 22:52:03.66 ID:KxnjDV3A0
鏡在「……」

すっかり黙り込んだわね……

でも天馬の無実は証明できるとしても。

これだけだと犯人に繋がる手がかりにはまるでならないのよね。

音野「月読さん!」

月読「音野。捜査はどう?」

音野「今入野さんの部屋を調べていたんですけど……ゴミ箱にこんな物が」

音野の見せてきたそれはグシャグシャに握り潰された紙だった。

何か書いてあるみたいだけど……

月読「……!」

これは……

【佛生空也はかつてコロシアイに参加し、全てを失った。
それが前回彼が動いた動機である】

これが入野の部屋にあった……

コトダマ『入野宛の密告』を記録しました。
『入野の部屋にあった手紙。
内容は>>530
531 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/09(土) 23:32:10.88 ID:KxnjDV3A0
月読「……」

どういう流れかは輪郭が見えてきたけれど……

川田谷「あっ」

鏡在「……」

月読「川田谷、捜査は進んでるのかしら」

川田谷「いや、それは」

鏡在「ふん、千里を犯人だと決めつけてる奴の捜査が進むわけないじゃない」

川田谷「なっ……」

月読「鏡在」

鏡在「事実を言っただけよ」

川田谷「……」

月読「鏡在は気にしないで。それで、何でもいいから気になる事とかない?」

川田谷「そうは言ってもね……ああ、そういえば」

月読「なに?」

川田谷「いや、入野さんがさ。昼頃医療エリアに行ったのを見たんだよね俺」

月読「昼頃?間違いないのかしら」

川田谷「間違いないよ。お昼に食堂に行く直前だったから」

月読「昼頃……」

コトダマ『川田谷の証言』を記録しました。
『昼頃入野が医療エリアに向かうのを目撃した』
532 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/09(土) 23:53:41.11 ID:KxnjDV3A0
ミシェル「ウウウ……」

月読「……」

ミシェルが廊下の隅で蹲ってるわね……

鏡在「何してんのよアンタ」

ミシェル「ヒイイイイイッ!?」

鏡在「ちょっ!?ビックリさせんじゃないわよ!」

ミシェル「ヒイッ」

月読「怯えさせてどうするのよ……ミシェル」

ミシェル「ウウッ」

月読「捜査は……聞くまでもないわね」

ミシェル「ゴメンナサイ……」

鏡在「アンタねぇ……こっちは千里が冤罪にかけられてるっていうのに」

ミシェル「ソ、ソレハリンガ晴ラシテクレルカラ……」

鏡在「アンタ、人任せにしてんじゃないわよ!?」

ミシェル「ヒイッ」

月読「だから怯えさせてどうするのよ……」

ミシェル「ダ、ダケドコンナノ倉庫ニアッタ……」

月読「これは?」

ミシェル「シール上手ク剥ガスヤツ……床ニ捨テテアッタ……」

月読「……」

コトダマ『シール剥がし』を記録しました。
『ミシェルが倉庫で拾ったシール剥がし。
床に捨てられていたようだ』
533 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/10(日) 00:02:41.66 ID:n4rq20/A0
月読「そろそろ学人の検視も終わったかしら……」

【食堂】

学人「来たか」

月読「どうだったの」

学人「ビンゴだ。入野の腕に注射の痕が残されていた」

月読「やっぱりそうだったのね……」

後は……

月読「……」ゴクッ

鏡在「ちょっと月読、アンタ何してんの!?」

月読「確かめていただけよ」

この推理が正しいかを、ね。

コトダマ『入野の注射痕』を記録しました。
『入野の腕に残されていた注射の痕』

コトダマ『マグカップの中身』を記録しました。
『入野のマグカップの中を月読が飲んだところ異常はなかった』

キーンコーン……カーンコーン……
534 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/10(日) 00:32:07.18 ID:n4rq20/A0
モノクマ「うぷぷぷ……そろそろ始めよっか」

モノクマ「展望室に集合してくださーい!」

モノクマ「うぷぷ、うぷぷぷぷぷぷぷ……」

鏡在「なんかムカつくわね……」

月読「とにかく行きましょう」

……今回は、少しまずいかもしれないわね。

【展望室】

音野「……何回やっても慣れませんね」

川田谷「慣れる方が無理だよ、こんなの」

ミシェル「ウウッ……」

四杖「また、あのような場所に行かなければならないのですか……」

広生「いったい誰が入野を」

黒頭「天馬様が、一番疑われているようですが」
鏡在「……」

学人「どうなんだ月読」

月読「どうやって入野を殺したかはだいたい目星がついたわ。だけど犯人はまだわからないわね」

佛生「ううむ……」

モノクマ「お待たせ!じゃあ早速……」

鏡在「ちょっと待ちなさいよ!千里がまだ来てないじゃない!」

モノクマ「えー?ああ、本当だ」

音野「どうしたんでしょうか……」

月読「はあ……何にせよ呼んでくるしかないわね」

鏡在「あの馬鹿!どこまで人に……!」

鏡在が展望室から出ていくのを私も追いかける。

川田谷「あっ、俺も行くよ!」
535 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/10(日) 00:32:47.63 ID:n4rq20/A0
【個室エリア・天馬の部屋前】

鏡在「ちょっと千里!何してんのよ、早く出てきなさい!」

月読「……」

鏡在がドアをいくら叩いても天馬は一向に出てこない。

鏡在「ったく、本当に何して……」

ガチャッ

川田谷「……開いてる?」

月読「……」

何、この悪寒は……

鏡在「開いてるならちょうどいいわ!千里!アンタまさか寝てんじゃないでしょうね!!」

鏡在が部屋に飛び込むのに続くとシャワールームから水音が聞こえてくる。

鏡在「人に捜査させてシャワーとはいい度胸じゃない……!千里、開けるわよ!」

川田谷「えっ、俺もいるんだけど!?」

鏡在「罰よ!裸ぐらいどうって事……」

ガチャッ
536 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/10(日) 00:34:09.31 ID:n4rq20/A0






《鏡在がドアを開けると湯気がシャワールームから漏れだしてくる》

《だけどその湯気に乗って、あってはならない臭いも一緒に来た》

《これは、つい最近嗅いだ臭い》

《私自身から漏れだしていたあの臭い》

《頭が痛くなるような血の、臭い》
537 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/10(日) 00:38:44.44 ID:n4rq20/A0






《そして湯気が晴れたシャワールームでは》

《首から血を流した天馬が、壁にもたれかかったままシャワーを浴びていた》
538 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/10(日) 00:39:12.62 ID:n4rq20/A0
本日はここまでで。
539 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/10(日) 00:39:47.55 ID:iYGMAHqPO
乙、天馬ぁぁぁ……
540 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/10(日) 00:41:16.28 ID:gLdOyr9DO
更新待ってました
と書き込みしようと思ったら天馬が…
541 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/10(日) 07:49:05.91 ID:RZ6UphMQ0
久々の更新乙
やっぱり天馬が犠牲に……
542 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/10(日) 07:57:18.51 ID:QrK4GSPEO
乙、予想外過ぎる……
543 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/10(日) 23:02:31.67 ID:n4rq20/A0
鏡在「……千、里?」

鏡在の呆然とした呟きがシャワーの音響く部屋の中でも一際大きく聞こえてくる。

そんな中で一つの事実に思い至った私は思わず叫んでいた。

月読「川田谷!今すぐ学人を連れてきなさい!」

川田谷「えっ、えっ!?」

月読「死体発見アナウンスが鳴ってないわ!天馬はまだ生きてるのよ!」

川田谷「わ、わかった!」

鏡在「っ、千里!」

私の言葉に光明を得たのか、川田谷と鏡在の顔に光が浮かぶ。

だけどその光は……

モノクマ「こらー!いつまで時間かかってるんだよ!」

この悪魔によって、かき消された。
544 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/10(日) 23:06:42.89 ID:n4rq20/A0
鏡在「時間がかかるもくそもないわよ!千里が大変なのよ!」

モノクマ「大変?うわっ、本当に大変だよ!」

モノクマ「天馬さんが死んでるじゃないか!」

鏡在「ふざけた事言うんじゃないわよ!アナウンスが鳴らないって事はまだ生きてるって事でしょ!?」

モノクマ「……アナウンス?」

川田谷「死体発見アナウンスだよ!俺達三人が見つけたのに鳴って……」


モノクマ「なんで学級裁判しないのにアナウンス鳴らす必要があるの?」

月読「……!?」

学級裁判を、しない……!?
545 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/10(日) 23:30:17.36 ID:n4rq20/A0
鏡在「ア、アンタ、何を言って……」

月読「……モノクマ、一つ質問するわ」

モノクマ「時間ないから手短にね!」

月読「複数の殺人事件が起きた場合、どうなるの」

モノクマ「それはもちろん最初の事件を優先させます!せっかくコロシアイしたのに二回目の事件優先したり、二回目のクロが一回目外したりして学級裁判にも望めないなんてあんまりだからね!」

モノクマ「捜査時間にもばらつき出てシロにも不公平だし、だから複数の殺人事件が起きた場合は一回目の事件の学級裁判のみ行います!」

モノクマ「それが終わるまでは途中でコロシアイが起きても全て無効!学級裁判は行われません!」

鏡在「じゃあ、何よ……千里が殺されたのは……」

モノクマ「無駄死にってやつだね!まあ、天馬さんも運が悪かったんだよ」

鏡在「……ふっ、ざけんなぁ!!」

月読「鏡在!」

モノクマに殴りかかろうとする鏡在を川田谷と抑える。

鏡在「運が悪かったで済まされていいわけ!?千里は殺されたのよ!?殺した奴も暴けないなんてそんなのおかしいでしょうがぁ!!」

川田谷「鏡在さん落ち着いてよ!入野さん殺したクロと天馬さん殺したクロが同じなら暴く事は出来るよ!」

鏡在「…………」

月読「鏡在?」

鏡在「そうよ、わざわざこんなタイミングで複数なんて変……同一犯に決まってる……」

川田谷「きょ、鏡在さん……うわっ!?」

私達を振りほどいて鏡在は部屋を後にする。

鏡在「絶対に逃がさない……この犯人だけは、絶対殺してやる!!」

その瞳に、抑えきれない憎悪を乗せて。
546 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/10(日) 23:51:38.52 ID:n4rq20/A0
モノクマ「うぷぷ、やる気があるのはいい事だよ!それじゃあ二人も早く展望室に行ってね!」

川田谷「……俺も、行くよ」

月読「……」

川田谷「これ言ったら、鏡在さんにそれこそ殺されそうだな……」

鏡在が出ていって、モノクマと川田谷もいなくなった。

月読「……」

学級裁判が、行われない。

もし犯人が複数なら天馬は……

月読「……」

捜査の時間もない。

そしてこの学級裁判が終わった頃には、きっとここの痕跡も消える。

月読「……」

私は、天馬の部屋をグルッと見渡す。

そして机のメモ帳と裁縫セット、シャワールームに落ちていた血塗れの鋏を回収して……シャワーを止めて天馬の傍に座った。

月読「……天馬」


《天馬「あたしは天馬千里っていうんだ!よろしくな!」》

このイカロスで初めて話した人。

強引で、騒がしくて、正義感の強かった人。

月読「…………」

ポタッ、ポタッ……

シャワーは止めたのに、なぜか水滴がポタポタと床に垂れる。

その水滴が止まるのに、いったいどれだけかかったかはわからないけど。

それが止まったのと同時に、私は立ち上がった。

だから私は気付いた。

月読「これは……?」

天馬の背中に隠れた、それを……
547 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/11(月) 00:01:44.85 ID:0wzv8hpA0
【展望室】

モノクマ「遅い!遅いよ月読さん!もうみんな学級裁判場に行っちゃったよ!」

月読「わかってるわ……」

私は一人エレベーターに乗り込んで学級裁判場に向かう。

【超高校級のグラビアモデル】入野ちの。

甘え上手で、海の企画とかで盛り上げてくれた彼女。

佛生に歩み寄ろうとしたその気持ちは、最期後悔に変わってしまっていた。

【超高校級のスプリンター】天馬千里。

殺されたのに、学級裁判も行われない。

そんな彼女の無念はどうしたら晴らせるの?

ピンポーン!

学級裁判場に着いた……今回の学級裁判は、今までみたいにはいかない。

混乱と憎悪が漂う舞台。

命懸けの学級裁判。

私達の三度目のソレが今、始まる。


……だけど、天馬。

私には、わからないのよ。
548 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/11(月) 00:02:49.14 ID:0wzv8hpA0






【ダレモシンジルナ】

貴女が、何を思ってあのメッセージを残したのかが。






549 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/11(月) 00:03:32.47 ID:0wzv8hpA0
今回はここまで。

次回より学級裁判に入ります。
550 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/11(月) 00:13:21.67 ID:SZWNsaW+0
夢野「そ、それなんじゃがのぅ……」

夢野「どうやら……ウチや最原、春川ではダメらしいのじゃ」

春川「は?」

夢野「何でもウチらでは資格が無いらしい。そのせいで弾かれてしまうのじゃ」

最原「えっと……ウイルス扱いされて、そのせいで弾かれるって事かな」

春川「何それ。じゃあ意味無いじゃん」

夢野「んあー……ウチら以外の、こやつらの中の誰かに頼もうと思ったんじゃ」

夢野「それを一触即発の空気にしおったから、台無しになったのじゃ」

春川「殺されたいの?」

夢野「んあー! ウチをそんな目で見るでない!」

スグル「……なら、向井さんに任せてみませんか?」

向井「………………俺が?」

スグル「はい。僕は、この中ならば向井さんが適任だと思いますし……」

スグル「僕は……貴方を信じますから」

……………スグル………………
551 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/11(月) 00:31:45.30 ID:LcuWlZiDO
乙です
552 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/11(月) 03:05:45.22 ID:4Z0RkvjDO

誰あてのメッセージだ…?
553 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/11(月) 06:27:10.82 ID:ndz1qkVKO
554 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/11(月) 22:45:16.32 ID:0wzv8hpA0
明日夜に更新します。
555 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/12(火) 00:03:57.94 ID:5VpyP5z40
入野と天馬はそれぞれ違う人物に殺されてそう
556 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/12(火) 00:32:23.12 ID:O8rcY3GDO
乙です
待ってます
557 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/12(火) 22:18:18.54 ID:5b0npVGA0
・コトダマ
 
『モノクマファイル3』>>509
 
『入野のマグカップ』
『天馬の行動』>>513
 
『食堂での入野』>>515
 
『薬品庫の毒薬』
『モノクマ印の栄養剤』>>527
 
『捨てられた注射器』
『医務室の精神安定剤』>>528
 
『薬品のラベル』>>529
 
『入野宛の密告』>>530
 
『川田谷の証言』>>531

『シール剥がし』>>532

『入野の注射痕』
『マグカップの中身』>>533
 
月読達の目の前で命を落とした入野。
その捜査の果てに、部屋に閉じこもっていた天馬が死亡するという事態が発生した。
第一容疑者だった彼女の死はいったい何をもたらすのか。
学級裁判が行われない殺人……その死を飲み込めないまま新たな学級裁判の幕は開く。
558 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/12(火) 22:19:28.51 ID:5b0npVGA0
 
 
 
 
 
 
     学級裁判 開廷!!
 
     Third Murder Case
 
 
 
 
 
 
559 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/12(火) 22:32:32.48 ID:5b0npVGA0
モノクマ「それでは学級裁判の簡単な説明を行いましょう!」
 
モノクマ「学級裁判では誰が犯人かを議論してもらい、最終的には投票によってクロを決めていただきます!」
 
モノクマ「過半数が正しいクロを指摘出来ればクロはおしおきされ、オマエラは再びイカロスに」
 
モノクマ「クロへの投票が過半数に満たなかった場合はシロが全員おしおきされ、クロは地球に帰還する事が許されます!」

鏡在「……ちょっといい?」

モノクマ「また鏡在さん?毎回毎回飽きないねぇ」

鏡在「一応聞いとくわ……千里を殺したのは誰?」

学人「そもそもどういう事だ。なぜ天馬が死んでいる」

音野「そ、そうですよ!天馬さんが亡くなったってどうしてですか!?」

月読「……首を斬られていたのよ。間違いなく死んでいたわ」

広生「ならばなぜアナウンスが鳴らない?天馬が殺されたならそちらも捜査しなければならないはずだ」

川田谷「それがさ……天馬さんの学級裁判は行われないらしいんだ」

四杖「な、なぜそのような!?」

月読「一度事件が起きた場合、その学級裁判が終わるまでに起きた殺人は無効になる……そうだったわねモノクマ」

モノクマ「その通り!だから天馬さんについては学級裁判は開かれません!」

佛生「命を奪われたというのに、それを奪った咎人が誰かもわからぬと……」
560 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/12(火) 22:41:58.84 ID:5b0npVGA0
鏡在「そういう事だから名乗り出ても死なないってわけ。ほら、さっさと白状しなさいよ」

鏡在の言葉に、だけど応える人間は出てこなかった。

鏡在「……あっそ。やっぱ同じってわけ?」

黒頭「入野様と天馬様を殺害した犯人は同一だと?」

鏡在「じゃなかったら黙りの意味ないでしょ!よーくわかったわよ、だったら炙り出して……」

川田谷「本当に、そうかな?」

鏡在「……何か言った?」

川田谷「そもそも名乗り出たくても出られない……その可能性はないのかな?」

ミシェル「エット、ツマリ」

学人「天馬は自殺だと言いたいのか?」

鏡在「はあ!?ふざけんな、なんで千里が自殺しなきゃいけないのよ!」

川田谷「そんなの決まってるじゃないか……」

川田谷「天馬さんが入野さんを殺したからだよ!」

鏡在「なんですってぇ!?」

月読「……」

川田谷はあくまでも天馬犯人説を覆すつもりはないみたい。

まずそこからどうにかしないと、議論は出来ないようね……
561 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/12(火) 22:58:41.82 ID:5b0npVGA0
     【議論開始!!】

コトダマ>>557
『入野のマグカップ』
『食堂での入野』
『天馬の行動』

川田谷「【犯人は天馬さん】なんだよ!」

川田谷「そう考えれば全ての辻褄は合うんだ!」

鏡在「何が辻褄よ!」

鏡在「千里が犯人だなんてそんなわけないでしょうが!」

広生「しかし入野が死ぬ直前【天馬に渡された】お茶を飲んだのは間違いない」

鏡在「そんなの知らないわよ!」

鏡在「だいたい千里がなんで入野を殺すのよ!」

黒頭「確かに天馬様に入野様を殺す動機はありません」

四杖「では【無差別】だったという事で……?」

鏡在「千里をなんだと思ってるのよ!」

ここであの事実を明らかにするのは簡単だけど。

まずは外堀を埋めましょう……事実を積み重ねてね。

【】をコトダマで論破しろ!

↓2
562 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/12(火) 23:01:11.54 ID:KdfF+rYV0
『入野のマグカップ』→【無差別】
563 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/12(火) 23:01:48.13 ID:VfsruOpq0
『入野のマグカップ』→【無差別】
564 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/12(火) 23:11:03.31 ID:5b0npVGA0
月読「それは違うわよ」BREAK!


月読「いいえ、入野のマグカップは食事の時間をずらしていた彼女のために分けられていた……つまり無差別ではないわ」

音野「じゃあ入野さんが狙われていた……という事ですか?」

月読「そうなるわね」

学人「なぜ狙われたか……そこは重要ではないな。問題は別にある」

そう、天馬が入野を狙っていたとするなら……

あまりに大きな問題があるわ。
565 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/12(火) 23:23:26.97 ID:5b0npVGA0
     【議論開始!!】

コトダマ>>557
『天馬の行動』
『モノクマファイル3』
『川田谷の証言』

佛生「【入野殿が狙われていた】……」

ミシェル「デモ、ドウシテ?」

広生「今回の動機は武忍以外の内通者の存在だったな……」

四杖「まさか【入野さんが内通者】だったと仰るつもりですか!?」

川田谷「それは今となってはわからないけど」

川田谷「入野さんが天馬さんに殺されて天馬さんは罪の意識からか自殺……」

川田谷「【不自然な所もない】以上、これが正解なんだよ!」

【】をコトダマで論破しろ!

↓2
566 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/12(火) 23:27:10.36 ID:VfsruOpq0
『天馬の行動』→【不自然な所もない】
567 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/12(火) 23:28:02.45 ID:oGAIHasM0
『天馬の行動』→【不自然な所もない】
568 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/12(火) 23:42:29.24 ID:5b0npVGA0
月読「それは違うわよ」BREAK!


月読「川田谷、貴方本当に不自然な所がないと思ってるのかしら?」

川田谷「逆にどこが不自然なんだい?天馬さんが毒入りのお茶を入野さんに渡した……シンプルじゃないか」

月読「そうね、確かにシンプルだわ……天馬が全く犯行を隠そうとしていないって事実から目を背ければね」

音野「犯行を隠そうとしていない……」

月読「単純に考えればいいわ。もしも天馬が犯人だとして……学級裁判を逃げきれたかしら」

四杖「それは、無理なのでは……入野さんにマグカップを渡した瞬間は見られていたわけですから」

月読「そこよ」

学人「愚弟や夜方々木を思い出せ。あの二人は自分の犯行を隠そうとしていた」

広生「しかし今回の事件、天馬が犯人ならばあまりにも犯行があからさま過ぎるな」

月読「コロシアイをするのに全く学級裁判の事を考えてない……これが不自然でないとはとてもじゃないけど言えないわよ」


川田谷「その推理は拙い詞だね!」反論!


月読「……どうやらまだ引かないようね」

川田谷「当たり前だよ。だって月読さんのその推理は十分説明がつくからね」
569 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/13(水) 00:04:07.78 ID:exWlQAnA0
   【反論ショーダウン開始!】

コトノハ>>557
『マグカップの中身』
『食堂での入野』
『入野の注射痕』


川田谷「月読さんの主張はこうだ」

川田谷「天馬さんが入野さんを殺したなら犯行を隠そうとしていないのは不自然」

川田谷「だから天馬さんは犯人じゃない」

月読「そうよ」

月読「貴方はそれにどう説明をつけるって言うのかしら?」

川田谷「簡単だよ。月読さんたちみたいに思わせるのが狙いだったとしたら?」

川田谷「あえて堂々と毒を飲ませる事で月読さんみたいに考えるのを期待してね」

川田谷「もしくは天馬さんは最初から自殺するつもりだったって見方もある」

川田谷「月読さんの推理じゃ何も変わらないんだ!」

川田谷「【天馬さんが入野さんに毒を飲ませた】って部分は覆せないよ!」

【】をコトノハで斬れ!

↓2
570 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/13(水) 00:06:16.82 ID:j5t+Ufz90
【天馬さんが入野さんに毒を飲ませた】に『マグカップの中身』
571 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/13(水) 00:06:54.62 ID:2e/1yzCk0
『マグカップの中身』 →【天馬さんが入野さんに毒を飲ませた】
572 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/13(水) 00:43:49.68 ID:exWlQAnA0
月読「その乱丁、修正させてもらうわ」


月読「……天馬が毒を飲ませた」

月読「その前提が間違っていたとしたら?」

川田谷「……は?」

月読「あのマグカップ、少し中身が残っていたのよね」

黒頭「まさか月読様」

月読「えぇ、それを飲んだわ」

川田谷「なっ!?」

音野「つ、つつつ月読さんなんてことを!?は、早くペッしてください早く!死んじゃいますよ!」

月読「入野の死に様を考えればもしも死ぬならとっくに死んでるわよ」

学人「マグカップに毒は入っていなかった……そういう事か」

四杖「ど、毒が入っていなかった……?」

佛生「月読殿は事実こうして喋っておられます……それが全てかと」

広生「入野は別の形で殺されたのか?」

573 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/13(水) 03:37:20.05 ID:FrQsuVAbO
蘭子「混沌電波第172幕!(ちゃおラジ第172回)」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1528712430/
574 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/13(水) 21:42:49.59 ID:exWlQAnA0
     【議論開始!!】

コトダマ>>557
『食堂での入野』
『捨てられた注射器』
『モノクマ印の栄養剤』

黒頭「【天馬様の渡したお茶に毒が入っていなかった】のなら……」

黒頭「どのようにして入野様は殺害されたのでしょうか」

四杖「マグカップが違うという事は……」

四杖「【あらかじめ毒を飲まされていた】……?」

ミシェル「【見エナイ針トカデ刺シタ】トカカモ……」

佛生「単純に、【他の物を口にしていた】のではないですかな?」

鏡在「何にせよこれで……」

鏡在「【千里の無実は証明された】わけね!」


【】をコトダマで論破しろ!

↓2
575 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/13(水) 21:44:59.02 ID:O/DyC9QC0
『食堂での入野』→【他の物を口にしていた】
576 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/13(水) 21:45:22.56 ID:LP0162Rd0
『食堂での入野』→【他の物を口にしていた】
577 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/13(水) 21:52:54.34 ID:exWlQAnA0
月読「それは違うわよ」BREAK!


月読「いいえ、入野は天馬から差し出されたお茶以外は口にしていないわ」

佛生「ふむ……つまり入野殿は別の形にて毒を摂取した事になりますな」

広生「別の形か……しかしいったいどんな手段を使ったんだ」

学人「そもそも入野の殺すに至った毒がまだ判明していない」

音野「えっ?それは当然あの薬品庫の毒を使ったんじゃ……」

そうとも、言い切れないのよね……

【薬品庫の毒を使ったという推理に対する反証は?】

>>557から正しいコトダマを選べ!

↓2
578 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/13(水) 21:54:07.38 ID:LP0162Rd0
『薬品庫の毒薬』
579 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/13(水) 21:55:10.43 ID:vxmSz6eDO
『薬品庫の毒薬』
580 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/13(水) 22:13:07.91 ID:exWlQAnA0
月読「この栞を挟み込むわ」


月読「薬品庫の毒薬は調べたけれど、どれも使用された形跡はなかったわ」

音野「じゃあいったいどうやって入野さんを……あっ、医務室にも薬はありますよね!」

黒頭「医務室はわたしと広生様が調べましたが、致死量に至るほどの量は消費されていませんでした」

音野「あ、あれ……?じゃあ犯人は毒なんてどこから持ってきたんですか?」

学人「……一つ妙な事はある」

四杖「妙な事?」

学人「入野の死体の状態から毒物を特定しようとしたが……不可能だった」

鏡在「アンタが知らない毒ってだけじゃないのそれ」

学人「私は天才だぞ?貴様らとは違うんだ、だいたいの毒物の反応は把握している」

月読「学人にもわからない毒物……」

どうやら私の推理は当たっているようね……
581 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/13(水) 22:27:16.23 ID:exWlQAnA0
     【議論開始!!】

コトダマ>>557
『モノクマ印の栄養剤』
『医務室の精神安定剤』
『薬品庫の毒薬』


川田谷「学人君にもわからない毒……」

広生「[薬品庫の毒薬]が使用されていないとなると……ますます特定は困難になるな」

ミシェル「実ハ[毒ジャナイ]トカ……」

鏡在「毒じゃないのにどうやって毒殺すんのよ!」

四杖「使用したか気付かれない量を[徐々に飲ませていた]というのは?」

黒頭「それでも死に至るまでに使用量は減るわけですから……難しいかと」

音野「その毒がある場所に出入りしないといけませんしね……」

佛生「難しい話ですな……」

[]に正しいコトダマで同意しろ!

↓2
582 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/13(水) 22:29:43.44 ID:LP0162Rd0
『モノクマ印の栄養剤』→[毒ジャナイ]
583 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/13(水) 22:29:54.42 ID:2e/1yzCk0
『モノクマ印の栄養剤』 →[毒ジャナイ]
584 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/13(水) 22:52:53.15 ID:exWlQAnA0
月読「そのページに答えがあるわ」


月読「そうね……ミシェルの言う通り、毒じゃなかったんじゃないかしら」

ミシェル「エッ」

音野「ど、どういう事ですか?毒じゃないって……」

月読「薬品庫にあった栄養剤。あれには使用された形跡があったわ」

川田谷「え、栄養剤?」

鏡在「そういえばそんなのあったわね。だけど栄養剤でどうやって殺すのよ」

月読「それについてはこの栄養剤の説明文が鍵になるわ」


【モノクマ印の栄養剤!一度飲めば元気もりもり!眠気も吹き飛ぶ優れもの!
注意……この栄養剤は経口専用です。それ以外の方法では絶対に摂取しないでください】


広生「……栄養剤としては問題ないようだが」

学人「待て。経口以外での摂取を禁じているようだが……その場合どうなる」

月読「それについてはモノクマに聞くしかないわね……どうなのモノクマ」

モノクマ「えー、その栄養剤はボクが作ったんだけど……効き目が強いんだよね」

モノクマ「経口なら問題ないんだけどそれ以外で摂取すると……」

モノクマ「ズバリ死にます!」
585 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/13(水) 23:09:36.97 ID:exWlQAnA0
鏡在「はあ!?」

四杖「なんというものを……!」

モノクマ「だからちゃんと口から以外はやめろって書いてあるでしょ!ボクに責任転嫁されても困るよ!」

月読「使用された形跡がある毒になる栄養剤……」

月読「他に毒がない以上、これが凶器のはずよ」

学人「奴の作った物ならばこの天才たる私が把握していないのも当たり前か」

佛生「しかし……経口以外と言っても多種多様」

佛生「入野殿はどのようにその栄養剤を摂取したのか」

月読「それは既に見当がついているわ」

【入野が栄養剤を摂取した方法を示す証拠は?】

>>557から正しいコトダマを選べ!

↓2
586 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/13(水) 23:10:32.51 ID:2e/1yzCk0
『入野の注射痕』
587 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/13(水) 23:11:30.73 ID:vxmSz6eDO
『入野の注射跡』
588 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/13(水) 23:19:06.15 ID:exWlQAnA0
月読「この栞を挟み込むわ」


月読「学人に調べてもらった結果、入野の腕には注射痕が存在したの」

黒頭「注射痕、ですか」

月読「そう、入野はこの栄養剤を注射された事で死亡したのよ」

学人「あの注射痕はそんなに日が経っていなかった……間違いないだろう」

音野「で、でも食堂に注射なんてありませんでしたよ?」

月読「もちろん別の場所で射ったのよ」

その証拠も既に見つけているはずよ……

【別の場所で注射が射たれた証拠は?】

>>557から正しいコトダマを選べ!

↓2
589 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/13(水) 23:20:23.91 ID:LP0162Rd0
『捨てられた注射器』
590 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/13(水) 23:20:57.84 ID:vxmSz6eDO
『捨てられた注射器』
591 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/13(水) 23:29:52.42 ID:exWlQAnA0
月読「この栞を挟み込むわ」


月読「医務室に捨てられていた注射器……あれの中身が栄養剤だったんじゃないかしら」

広生「あの注射器か……!」

黒頭「犯人は入野様に栄養剤を注射し、殺害したのですか」

音野「だ、だけど入野さんはどうしてそれを言わなかったんでしょう。無理やりなら食堂に来た時言いますよね?」

四杖「無理やりではなく騙して注射した……入野さんは何も知らずに毒を注射されたのではないでしょうか」

月読「……」

注射された……本当にそうなのかしらね。
592 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/13(水) 23:36:55.76 ID:exWlQAnA0
     【議論開始!!】

コトダマ>>557
『川田谷の証言』
『モノクマファイル3』
『シール剥がし』

学人「入野を殺した【凶器は栄養剤】……」

川田谷「【栄養剤を注射】されてそれが毒になったわけだね」

黒頭「【医務室に注射器があった】という事は」

音野「【本当の現場は医務室】だったんですね!」

四杖「抵抗がない事から入野様はおそらく騙されて栄養剤を注射されたかと」

鏡在「入野は【犯人に医務室に連れてかれて】毒をくらったってわけね」

佛生「これが犯行の流れ……ですかな」

ミシェル「ウン……多分」

【】を正しいコトダマで論破しろ!

↓2
593 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/13(水) 23:40:16.27 ID:2e/1yzCk0
『川田谷の証言』→【犯人に医務室に連れてかれて】
594 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/13(水) 23:40:56.93 ID:LP0162Rd0
『川田谷の証言』→【犯人に医務室に連れてかれて】
595 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/13(水) 23:53:52.57 ID:exWlQAnA0
月読「それは違うわよ」BREAK!


月読「犯人に連れていかれた……それはどうかしら」

鏡在「他に何があんのよ?だって一緒に行かなきゃ入野がいつ医務室に行くかなんてわかんないじゃない」

月読「そうね……だけどもし入野が一人で医務室に行っていたとしたら?」

月読「川田谷、確か貴方は入野が昼頃に医療エリアに向かうのを見たのよね?」

川田谷「う、うん、まあ……まさかあの時に!?」

学人「昼頃……モノクマ、栄養剤はいつ効力を発揮する」

モノクマ「だいたい七、八時間後ぐらいかな!」

広生「モノクマファイルによれば入野の死亡時刻は午後七時四十四分」

四杖「計算は合いますね……」

月読「川田谷、その時入野は一人だった……そうよね?」

川田谷「間違い、ないよ。俺は誰も見てない」

音野「医務室で待っていたんじゃ……」

黒頭「入野様がいつ来るかもわからないのにですか?そんな目立った行動を取れば怪しまれるはずです」

ミシェル「エット、オ昼ハドウダッタッケ?」

佛生「入野殿以外は揃っていたかと……」

月読「つまり入野が医務室にいただろう時刻には、私達は食堂にいた事になる」

鏡在「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!それじゃあ、何?」


鏡在「入野は自分で自分に栄養剤を注射したってわけ!?」
596 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/13(水) 23:58:47.09 ID:exWlQAnA0
月読「……」

入野が自分で注射した……それを暴くだけの証拠はある。

だけど、この事件……


犯人の影が全く見えない。

この中に犯人はいるはずなのに、トリックを暴いても……

月読「……」

手がかりが少ない。

そして犯人は未だに尻尾すら見せていない。

これはまずい、わね……


     【学級裁判中断!!】
597 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/13(水) 23:59:14.92 ID:exWlQAnA0
今回はここまでで。
598 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/14(木) 00:03:26.49 ID:m802BZdK0
599 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/14(木) 00:26:55.35 ID:2dH8/4aDO
乙です
600 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/16(土) 22:37:08.94 ID:FtC45smA0
     【学級裁判再開!!】


広生「入野が自分で栄養剤を注射した……」

音野「え、えっとその場合どうなるんですか?」

学人「入野が自ら栄養剤を毒と理解して注射した、もしくは経口と理解せずに注射した……」

佛生「自分から毒とわかっていて摂取した……いわゆる自殺の場合投票はどうなるのですかな」

モノクマ「その場合は入野さんに投票してください!」

川田谷「天馬さんの次は入野さんが自殺の可能性って……」

月読「……」

入野が自殺?

それだけはあり得ない。

死に際の後悔に満ちた瞳は……自分の意思で毒を注射した人間のものじゃない。
601 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/16(土) 23:02:11.15 ID:FtC45smA0
  【言質ブックマーカー開始!!】

差し込む台詞
月読「入野が医務室に向かった目的は……」


「入野さんが自ら栄養剤を注射した……」

「つまりこの事件……真相は自殺だったと?」

「しかし入野は佛生と和解するために食堂に来たはずだ」

「心残リヲナクシテオキタカッタノカモ」

「しかしそれは叶わなかった……残念でなりませぬ」

「少なくとも俺の見た限りでは入野さんが自分の意思で医務室に行ったのは間違いないよ」

「でも自殺ならどうしてわかりやすい毒を使わなかったんですか?」

「恐怖に負けたか……何か目的があったか」

「こっちはいい迷惑よ!」

発言を差し込む事で新たな発言を引き出せ!

↓2
602 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/16(土) 23:05:49.34 ID:vb1+Yr5LO
「少なくとも俺の見た限りでは入野さんが自分の意思で医務室に行ったのは間違いないよ」

「でも自殺ならどうしてわかりやすい毒を使わなかったんですか?」
の間
603 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/16(土) 23:07:53.67 ID:WKT1FrZf0
604 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/16(土) 23:09:04.42 ID:uWgHhmnD0
「恐怖に負けたか……何か目的があったか」と「こっちはいい迷惑よ!」の間
605 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/16(土) 23:10:43.31 ID:FtC45smA0
月読「この栞を差し込めば……!」

     【議論開始!!】

コトダマ>>557
『医務室の精神安定剤』
『薬品のラベル』
『モノクマファイル3』


四杖「【入野さんが自ら栄養剤を注射した】……」

黒頭「つまりこの事件……真相は自殺だったと?」

広生「しかし【入野は佛生と和解するために食堂に来た】はずだ」

ミシェル「心残リヲナクシテオキタカッタノカモ」

佛生「しかしそれは叶わなかった……残念でなりませぬ」

川田谷「俺の見た限り【入野さんが自分の意思で医務室に行った】のは間違いないよ」

月読「入野が医務室に向かった目的は……」

広生「医務室にある注射器で【栄養剤を注射するため】だろうな」

音野「でも自殺ならどうしてわかりやすい毒を使わなかったんですか?」

学人「恐怖に負けたか……何か目的があったか」

鏡在「こっちはいい迷惑よ!」

【】を正しいコトダマで論破しろ!

↓2
606 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/16(土) 23:14:00.52 ID:WKT1FrZf0
『医務室の精神安定剤』 →【栄養剤を注射するため】
607 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/16(土) 23:14:19.00 ID:7cEroieDO
『医務室の精神安定剤』→【栄養剤を注射するため】
608 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/16(土) 23:14:39.63 ID:uWgHhmnD0
『医務室の精神安定剤』→【栄養剤を注射するため】
609 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/16(土) 23:22:39.87 ID:FtC45smA0
月読「それは違うわよ」BREAK!


月読「……本当に入野は栄養剤を注射するつもりだったのかしら」

学人「事実入野は栄養剤を注射している」

黒頭「他の目的があったとは考えにくいですね」

月読「いいえ、もし入野が医務室に向かったのなら……他に目的になりそうなものがあるわ」

音野「それって……」

月読「精神安定剤よ。どうも頻繁に使われていたみたいね、私が見た時は半分近く減っていた」

川田谷「ああ、それならよくミシェルさんとか四杖君が使ってるよね」

四杖「お、お恥ずかしい限りで」

ミシェル「ウウッ、正直落チ着カナイカラ……」

鏡在「アンタは入野が精神安定剤使うために医務室行ったんじゃないかって言いたいわけ?」

月読「そうよ」

月読「入野は精神が不安定だった。だから安定させるために医務室に向かった」

月読「そう考えても……」


四杖「その準備不足、正させていただきましょう!」反論!
610 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/16(土) 23:31:22.55 ID:FtC45smA0
  【反論ショーダウン一閃開始!】

四杖「お待ちください月読さん!」

四杖「確かに医務室には精神安定剤がございますが……」

四杖「しかしそ【れ】が目的だったとは言えないのでは?」

月読「入野は薬品庫の毒薬を使わなかった」

月読「自殺だとすればあまりに不自然だわ」

月読「入野は死ぬ気なんてなかったはずよ」

四杖「わたくしだって【入】野さんが自殺などと思いたくはありません」

四杖「し【か】し入野さんが栄養剤を注射したのはもはや疑いようがない」

四杖「【入野さんが栄養剤を自分の意思で注射した事実がある】以上……」

四杖「入野さんの自殺という線は消【え】る事がないのです!」

【】を組み合わせて【】を斬れ!

↓2
611 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/16(土) 23:32:27.55 ID:WKT1FrZf0
【入れかえ】→【入野さんが栄養剤を自分の意思で注射した事実がある】
612 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/16(土) 23:33:08.56 ID:uWgHhmnD0
入れかえ】→【入野さんが栄養剤を自分の意思で注射した事実がある】
613 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/16(土) 23:53:56.48 ID:FtC45smA0
月読「その書は、落丁しているわ」


月読「もし、入野が栄養剤ではなく精神安定剤を注射したと思っていたとしたら?」

四杖「それは、どういう?」

月読「簡単な話よ」

月読「入野は精神安定剤を注射したつもりだったのよ……中身が栄養剤だとも知らずにね」

佛生「入野殿はお間違えになられたと……?」

ミシェル「ソンナヒビキミタイナ……アッ」

音野「ミシェルさんも私をそんな風に思ってたんですか!?」

川田谷「お、落ち着いて音野さん」

学人「だが事実、そうそう間違える物ではないだろう」

月読「もちろんただ間違えた訳じゃないわ」

月読「犯人は入れ替えたのよ、栄養剤と精神安定剤をね」

その証拠、私は既に握っているはずよ。

【栄養剤と精神安定剤を入れ替えた証拠は?】

>>557から正しいコトダマを選べ!

↓2
614 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/16(土) 23:55:20.74 ID:WKT1FrZf0
『薬品のラベル』
615 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/16(土) 23:56:01.29 ID:wHsBgaGZO
薬品のラベル
616 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/16(土) 23:56:19.15 ID:7cEroieDO
『薬品のラベル』
617 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/17(日) 00:10:12.26 ID:xW0AzkTA0
月読「この栞を挟み込むわ」


月読「医務室を捜査した時、精神安定剤のラベルは剥がれるようになっていたわ」

黒頭「それは間違いありません、わたしの目の前で剥がれかかっていましたから」

鏡在「そういえばアンタ、その直後薬品庫に走ってったわね」

月読「確かめたかったのよ、栄養剤のラベルをね」

川田谷「そ、それでどうだったの?」

月読「栄養剤のラベルも、剥がれるようになっていたわ」

学人「なるほどな。犯人は栄養剤と精神安定剤のラベルを入れ替える事で罠を張ったわけか」

広生「もしも精神安定剤を使おうとすれば毒となる栄養剤を注射する事になる……自らな」

音野「犯人が直接注射するわけじゃないから、アリバイとかも全く関係ありません……」

そう、それが今回のクロの恐ろしいところ。

クロがする事はただ栄養剤と精神安定剤のラベルを入れ替える事だけ。

後は被害者になる相手が勝手に自分から毒を注射してくれる……

殺人そのものは衝動的だった新太や夜方々木とはまるで違う。

これは冷酷な殺意を秘めた殺人事件なのよ。
618 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/17(日) 00:11:58.55 ID:xW0AzkTA0
今回はここまで。
次回学級裁判終了です。
619 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/17(日) 00:15:05.01 ID:rwJTSC1WO
乙、ここまで犯人の候補がいないぞ…
620 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/17(日) 00:20:14.39 ID:WI6CxywDO
乙です
犯人本当誰なのか…
621 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/17(日) 00:22:06.08 ID:P22Q9tzb0
622 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/17(日) 21:35:59.51 ID:xW0AzkTA0
川田谷「……だけど、なんというか入野さんも運が悪いよね」

月読「……運が悪い?」

川田谷「だってそうでしょ?クロのトリックが精神安定剤と栄養剤のすり替えならそれを使っていたのは別の人かもしれない」

川田谷「さっき言ったようによく使ってたミシェルさんとか四杖君が、被害者になってた可能性もあったって事だからさ」

ミシェル「ヒイイイッ!?」

四杖「そう聞くと、寒気がいたしますね……」

黒頭「入野様も今日という日に精神安定剤を使おうとしなければ助かったのでしょうか……」

学人「そんな仮定に意味はない。入野は死んだ、それが全てだ」

月読「……」

入野はたまたま今日という日に精神安定剤を使おうとした。

だから運悪く栄養剤を注射してしまい殺された……


……本当にそうなの?
623 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/17(日) 21:46:29.74 ID:xW0AzkTA0
     【議論開始!!】

コトダマ>>557
『モノクマファイル3』
『入野宛の密告』
『シール剥がし』


黒頭「今回の犯人が行ったのは……」

川田谷「【精神安定剤と栄養剤のラベルの入れ替え】だね」

学人「入野は仕掛けられた罠にはまり命を落とした……」

音野「【そのタイミングが夕食時だった】から今回の事件は複雑になったんですね……」

鏡在「それで【千里が疑われて】……挙げ句に」

四杖「わたくしやミシェル様も被害者になっていたかもしれないとは……」

ミシェル「ウウウッ、ゴメンナサイ……自分ジャナクテ安心シテル自分ガイル……」


佛生「ミシェル殿……それを責める事は誰にも出来ませぬよ」

広生「【偶然医務室に向かった】から殺されたか……残酷な話だ」

【】を正しいコトダマで論破しろ!

↓2
624 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/17(日) 21:48:18.53 ID:ETB9pb0F0
『入野宛の密告』で【偶然医務室に向かった】を論破
625 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/17(日) 21:49:11.88 ID:MSaYAeXs0
626 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/17(日) 22:02:42.23 ID:xW0AzkTA0
月読「その文、間違っているわ」BREAK!


月読「……違う、たまたまなんかじゃないわ」

広生「なに?」

月読「入野が今日精神安定剤を必要としたのはたまたまじゃない……クロの計算の内だったのよ」

鏡在「それどういう事よ!犯人は催眠術でもかけたってわけ!?」

月読「そんな必要はないわ。ただ精神安定剤を必要とする状態にすればいい」

学人「精神を揺さぶり不安定にしたという事か。しかしどうやってだ」

学人「入野を狙い撃ちにしたというなら、当然クロは動機に加え手を打ったんだろう?」

月読「そうよ、音野」

音野「は、はい!」

月読「入野の部屋にあったという手紙、出してくれるかしら」

音野「わ、わかりました!」

黒頭「入野様の部屋にあった手紙ですか」

川田谷「グシャグシャだけど……何が書いてあるの?」

音野「え、えっと……」

月読「……佛生」

佛生「なんですかな?」

月読「その手紙には例の事が書かれているわ……もしもマズイなら、詳細は伏せるわ」

佛生「……そう、でしたか」

佛生「構いませぬ、某の罪……この場に暴きたててくだされよ」

月読「……その入野宛の手紙には」


月読「佛生がかつてコロシアイに参加し、全てを失った……それが前回の事件の動機だと書かれているのよ」
627 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/17(日) 22:16:53.77 ID:xW0AzkTA0
鏡在「は、はああああ!?」

四杖「佛生さんが、かつてコロシアイに……!?」

川田谷「ちょっと待って、そんなニュース聞いた事ないよ!?」

川田谷「佛生君は佛生財閥の御曹司、当然そうなれば大騒ぎになるはずだ!」

月読「ただ生き延びたなら、そうかもしれないわね」

学人「……佛生、貴様クロとして生き延びたな?」

佛生「……はい」

ミシェル「ク、クロ……」

佛生「某はかつて、共に生き延びていた七名の命を奪った大罪人であります」

黒頭「それが佛生様の罪……」

月読「これでわかったでしょう?入野がどうして精神安定剤を必要としたか」

音野「た、確かにこんなの聞かされたら……落ち着くわけないです」

月読「ただでさえ佛生が絡むと入野は冷静になれなかった」

月読「そこに佛生がかつてコロシアイに参加し、それも少し考えればクロとして生き延びたとわかる情報を得てしまったら……」

月読「答えは火を見るより明らかよ」

月読「そしてこの手紙もまたクロの工作なら……」

月読「クロは一人しかいないわ」

音野「えっ!?」

月読「私はかつて佛生にこの話を聞かされたの」

そしてもう一人……当事者の佛生と私以外に。

この話を知っている人間がいる。

入野を殺した犯人は……

【人物を指名しろ!】

↓2
628 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/17(日) 22:18:57.79 ID:TUGNF8lM0
広生
629 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/17(日) 22:23:13.07 ID:hmi/aIl+0
広生
630 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/17(日) 22:29:09.29 ID:xW0AzkTA0
月読「犯人は、貴方よ」


月読「……広生」

広生「……」

月読「貴方は知っていたはずよ。佛生がかつてコロシアイに参加していたという事実を」

月読「そもそもこの話は……貴方が佛生から聞き出した事だもの」

黒頭「……つ、月読様?いったい何を仰って」

月読「入野を殺したのは貴方ね、広生」

広生「…………」

四杖「ひ、広生さんが、入野さんを……?」

川田谷「ほ、本当にそうなの?あんなに真面目だった広生君がクロって……」

月読「新太や夜方々木もそんな事をするようには見えなかった……貴方が言った事よ川田谷」

川田谷「ぐっ」

広生「……」

広生は全く口を開こうとしない。

まるで何も聞こえていないみたいに。

その仮面の下の表情を窺い知る事は出来なかった。
631 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/17(日) 22:54:59.42 ID:xW0AzkTA0
広生「……ふっ」

学人「……今、笑ったか?」

広生「はっ、これが笑わずにいられるか」

広生「月読、どうやら真実を見通してきたその目も曇ったようだな」

月読「反論がある、という事かしら」

広生「無論だ」

広生「いいか?確かに俺は佛生の罪……コロシアイ参加者であるという事を知っていた」

広生「しかしそれは同時に月読、お前にも突き刺さる」

音野「月読さんが犯人だって言いたいんですか!?」

広生「俺じゃない以上後は月読しかいないだろう」

広生「佛生にはまず手紙は出せないだろうからな」

佛生「そう、ですな」

広生「しかしだ。もう一つ可能性がある」

ミシェル「可能性……?」

広生「何者かが俺と月読を陥れるため、手紙を出した可能性だ」

広生「考えてもみろ、俺や月読がクロで手紙を出したなら真っ先にそれを回収するはずだ」

広生「その手紙はあまりに致命的な証拠になるんだからな」

広生「そして被害者の部屋を捜査するのは不自然じゃない……入るのも容易い」

四杖「た、確かに……」

広生「つまり俺達の会話を聞いていた人間がいてそれが真犯人……議論して暴かなければな」

黒頭「広生様……」

広生「そんな顔をするな黒頭。俺は犯人ではないんだ」

月読「……」

このために、貴方は手紙を処分しなかったのね。

私、さらに聞いていた何者かという選択肢を残すために。

月読「……」

広生……私、初めてよ。

貴方をこんなに怖く感じるのは。
632 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/17(日) 23:18:29.53 ID:xW0AzkTA0
     【議論開始!!】

コトダマ>>557
『シール剥がし』


広生「確かに俺は佛生の秘密を知っていた」

広生「だがそうだとするなら手紙を処分しないのは不自然だ」

広生「つまり犯人は他にいる」

広生「きっと俺と月読、佛生の会話を聞いていたんだろう」

広生「その人物が手紙を書き、入野に栄養剤を注射するように仕向けた」

広生「これが真実なんだ」

月読「……」

駄目……広生の言葉を論破できる証拠がない。

だったらどうするの……このままだと広生は逃げ切る。

月読「……」

一か八かの賭けになる。

だけどこれしか方法はない。

いいわ、この袋小路を抜けるために……

私は、今嘘をつく……!

【コトダマを変化させます】

コトダマ『シール剥がし』
『ミシェルが倉庫で拾ったシール剥がし。
床に捨てられていたようだ』



ウソダマ『シール剥がし(嘘)』を記録しました。
『ミシェルが倉庫で拾ったシール剥がし。
床に捨てられていたようだ。
犯人に関する決定的証拠が付着している』
633 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/17(日) 23:20:22.29 ID:xW0AzkTA0
     【議論開始!!】

ウソダマ>>632
『シール剥がし(嘘)』


広生「確かに【俺は佛生の秘密を知っていた】」

広生「だがそうだとするなら【手紙を処分しないのは不自然】だ」

広生「つまり犯人は他にいる」

広生「きっと俺と月読、佛生の会話を聞いていたんだろう」

広生「その人物が手紙を書き、入野に栄養剤を注射するように仕向けた」

広生「【これが真実】なんだ」

ウソダマで【】を偽証しろ!

↓2
634 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/17(日) 23:20:49.87 ID:g/+jKWllO
偽証もやるのか!オリロンパでは初めてだな
635 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/17(日) 23:21:48.13 ID:MpomWxpD0
『シール剥がし(嘘)』→【これが真実】
636 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/17(日) 23:34:51.77 ID:xW0AzkTA0
月読「この書に文を書き加えるわ……!」偽証!


月読「それは違うわ広生」

広生「……なんだと?」

月読「犯人は貴方よ。そして……その決定的証拠もあるわ」

黒頭「そ、そんな!」

学人「その証拠とはなんだ?」

月読「これよ」

鏡在「それシール剥がしじゃないの」

ミシェル「ワ、ワタシガ見ツケタヤツ」

川田谷「どこにあったんだいミシェルさん」

ミシェル「倉庫ダケド……」

音野「なるほど!犯人はそれを使ってラベルを剥がしたんですね!」

月読「そうでしょうね」

四杖「それが、広生さんが犯人だという決定的証拠なのですか?」

月読「えぇ、だってこれには広生を示す決定的証拠が付着しているのよ」

広生「俺を示す証拠が付着だと?いったいなんだと言うんだ?」

広生「言ってみろ月読……!」

これが最後よ……とにかく何でもいい。

広生のこの余裕を崩す……!
637 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/17(日) 23:44:13.83 ID:xW0AzkTA0
  【言質ブックマーカー開始!!】

差し込む台詞
月読「このシール剥がしには……貴方の指紋が付着しているわ」


「いったいそのシール剥がしにどんな決定的証拠が付着している?」

「そこまで言ったからには自信があるんだろう?」

「早く言ってみろ」

「……おい」

「何を黙っている」

「早く言え月読」

「…………ちっ」

「いい加減にしろよ、月読!」

「なぜ俺の言葉を無視する!」

「なぜ黙っているんだ!おい!」

「早く言えと言っているだろうが!!」

「……」

「なるほど、ハッタリというわけか」

「決定的証拠などあり得ない事とは思っていたがな」


とにかく待つのよ、広生の冷静さを奪って……

一番苛立った時に全てを賭ける……!


発言を差し込んで新たな発言を引き出せ!

↓2
638 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/17(日) 23:46:50.00 ID:QcPC01pR0
「早く言えと言っているだろうが!!」と「……」の間か?
639 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/17(日) 23:47:47.80 ID:MSaYAeXs0
640 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/17(日) 23:47:55.80 ID:g/+jKWllO


「早く言えと言っているだろうが!!」
「……」
641 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/17(日) 23:49:02.19 ID:xW0AzkTA0
月読「この栞を差し込めば……!」

     【議論開始!!】

コトダマ>>557
『モノクマファイル3』


広生「いったいそのシール剥がしにどんな決定的証拠が付着している?」

広生「そこまで言ったからには自信があるんだろう?」

広生「早く言ってみろ」

広生「……おい」

広生「何を黙っている」

広生「早く言え月読」

広生「…………ちっ」

広生「いい加減にしろよ、月読!」

広生「なぜ俺の言葉を無視する!」

広生「なぜ黙っているんだ!おい!」

広生「早く言えと言っているだろうが!!」

月読「このシール剥がしには……貴方の指紋が付着しているわ」

広生「【俺はあの時手袋をしていたんだぞ】!!そんなわけがあるか!!」

広生「……」

広生「なるほど、ハッタリというわけか」

広生「決定的証拠など【あり得ない事】とは思っていたがな」

コトダマ、もしくは【】を記憶して【】を論破しろ!

↓2
642 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/17(日) 23:51:59.14 ID:QcPC01pR0
【俺はあの時手袋をしていたんだぞ】を記憶して【あり得ない事】を論破
643 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/17(日) 23:52:35.08 ID:g/+jKWllO
【ありえない事】→【俺はあの時手袋をしていたんだぞ】
644 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/18(月) 00:02:39.44 ID:6an/7NxA0
月読「……やっと、捕まえたわ」BREAK!


月読「……」

広生「ふん、嘘とは堕ちたな月読」

月読「えぇ、そうね……」

月読「だけどおかげで、貴方を捕まえたわ広生」

広生「……何を言っている?」

川田谷「えっとさ、広生君……」

川田谷「【あの時手袋をしていた】って、どういう意味かな?」

広生「あの時、手袋……!?」

音野「覚えて、ないんですか?はっきり言ってましたよ……?」

学人「月読の作戦勝ちだな。貴様は黙りだった月読を相手に苛立ち、冷静さを欠いてその嘘を否定した」

学人「シール剥がしを使用した際、手袋をしていたから指紋が残るはずがないという犯人にしか出来ない否定でな」

広生「なっ……!?」

月読「確かに……嘘をついて私は堕ちたのかもしれないわね」

月読「だけど広生」

月読「入野を殺した貴方より……堕ちたつもりはないわ」

広生「っ、くうっ、お……俺は……!」

広生「俺は……俺は、俺は、俺は、お、れ、は……!」


広生「うああああああああああああああっ!!!」ダァン!グシャッ!ガンッ!


黒頭「……広生、様」

月読「事件を、まとめるわ……」

それで、終わりよ。
645 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/18(月) 00:20:22.38 ID:6an/7NxA0
  【クライマックス推理開始!】

ACT.1
今回の事件は被害者の【1】と佛生が対立した事から始まっていたのかもしれないわね。
少なくとも犯人はそれを利用しようと考えたんだから。

ACT.2
犯人の行った行動……まず犯人は倉庫から【2】を持ち出して【3】エリアに向かった。
そこにある二つの部屋に……今回仕掛けるトリックに必要な物があったのよ。

ACT.3
犯人はまず【4】に向かうと棚から【5】を取り出した。
【5】は経口以外で摂取すると毒になる……そこに目をつけたのね。

ACT.4
犯人は【2】を使って【5】の【6】を剥がすと、今度は同じエリアの【7】に向かう。
そこには色んな人が使っていた【8】が置いてあって……犯人は同じように【6】を剥がすと【5】と【8】のそれを入れ替えたのよ。
【8】だと思って使った相手が自動的に毒殺されるように……

ACT.5
そして最後に犯人は【1】に対して手紙を出した。
そこには佛生の秘密が書かれていて……それを知って精神的に不安定になった【1】は【7】に向かったのよ。
全てが自分を殺すための罠だとも知らずにね……

犯人がしたのはたった二つの作業だけ……

だけどそれだけで貴方はこの殺人を完遂したのよ【9】

1…今回の事件の被害者は?
2…倉庫から持ち出されたのは?
3…犯人が向かったエリアは?
4…犯人が【5】を取るために入った部屋は?
5…凶器となったのは?
6…犯人が剥がしたのは?
7…次に犯人が向かった部屋は?
8…【7】にあった【5】と入れ替えた物は?
9…今回の事件の犯人は?

【】を埋めて推理を完成させろ!

↓2
646 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/18(月) 00:28:11.18 ID:HwkmmO1z0
1入野ちの
2シール剥がし
3医療エリア
4薬品庫
5モノクマ印の栄養剤
6ラベル
7医務室
8精神安定剤
9広生燕次
647 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/18(月) 00:29:50.86 ID:rbSa6IRj0
1…入野ちの
2…シール剥がし
3…医療
4…薬品庫
5…モノクマ印の栄養剤
6…ラベル
7…医務室
8…精神安定剤
9…広生燕次
648 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/18(月) 00:32:49.46 ID:6an/7NxA0
  【クライマックス再現開始!】

ACT.1
今回の事件は被害者の入野と佛生が対立した事から始まっていたのかもしれないわね。
少なくとも犯人はそれを利用しようと考えたんだから。

ACT.2
犯人の行った行動……まず犯人は倉庫からシール剥がしを持ち出して医療エリアに向かった。
そこにある二つの部屋に……今回仕掛けるトリックに必要な物があったのよ。

ACT.3
犯人はまず薬品庫に向かうと棚からモノクマ印の栄養剤を取り出した。
モノクマ印の栄養剤は経口以外で摂取すると毒になる……そこに目をつけたのね。

ACT.4
犯人はシール剥がしを使ってモノクマ印の栄養剤のラベルを剥がすと、今度は同じエリアの医務室に向かう。
そこには色んな人が使っていた精神安定剤が置いてあって……犯人は同じようにラベルを剥がすとモノクマ印の栄養剤と精神安定剤のそれを入れ替えたのよ。
精神安定剤だと思って使った相手が自動的に毒殺されるように……

ACT.5
そして最後に犯人は入野に対して手紙を出した。
そこには佛生の秘密が書かれていて……それを知って精神的に不安定になった入野は医務室に向かったのよ。
全てが自分を殺すための罠だとも知らずにね……

犯人がしたのはたった二つの作業だけ……

だけどそれだけで貴方はこの殺人を完遂したのよ広生、燕次。

       COMPLETE!!
649 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/18(月) 00:40:05.02 ID:6an/7NxA0
広生「うああああああああああああああっ!!!」

モノクマ「うるさいな!議論も終わったみたいだし、投票始めるよ!」

モノクマ「ではでは投票タイムと参りましょう!」

モノクマ「今回クロと決まったのは誰か!」

モノクマ「そしてそれは正しいのか!」

モノクマ「投票タイム開始ー!」

これで三回目……投票という名の死刑宣告を私はすぐに終わらせる。

そして広生の叫びが響き渡る中で回り出すルーレット。

今までにないほどひたすらに精神を磨り減らした学級裁判。

広生燕次…8票
入野ちの…1票
投票放棄…広生燕次

それは、そんな結果を残して終わりを告げた。

     【学級裁判閉廷!!】
650 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/18(月) 00:41:03.95 ID:6an/7NxA0
今回はここまで。
次回で第三章を終わらせたいと思います。
651 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/18(月) 00:50:17.92 ID:rbSa6IRj0
乙乙
652 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/18(月) 00:52:54.11 ID:fcA1ZZPDO
乙です
653 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/18(月) 02:25:58.85 ID:MQC0Ue2DO
乙〜
学級裁判パートじゃ本当に月読のサポート優秀だな学人
普段残念コミュ障なのに
654 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/18(月) 09:25:13.54 ID:CYWlnZdBO
乙、入野に要れたの誰だ…?
広生は投票放棄してるし
655 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/18(月) 09:37:55.26 ID:NzZ2wmXl0
入野に投票したのは黒頭じゃないかな
656 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/18(月) 19:01:53.10 ID:hHmwN5PKO
>>655そういえば一緒にトレーニングしてたな。初めて偽証を取り入れたオリロンだし頑張って完結してほしい
657 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/18(月) 21:13:31.96 ID:6an/7NxA0
モノクマ「大正解ー!」

モノクマ「今回入野ちのさんを殺したクロは」

モノクマ「広生燕次クンでしたー!」

広生「はあっ、はあっ……!」

暴れていた広生の周りは酷い有り様だった。

広生自身の席はバラバラに壊され、隣にいた佛生やミシェルの席にまでその余波は及んでいて。

モノクマ「あーあー、また随分壊してくれちゃって。黒頭さんもこんな狂暴な人最後まで信じちゃうなんて馬鹿だねぇ」

黒頭「……」

入野に投票したのは黒頭だったのね……無理もないわ、広生と一番仲が良かったのは彼女だから。

川田谷「だけどどうして?俺には広生君が入野さんを狙った理由がわからないよ」

四杖「わたくしも入野さんと広生さんには何か蟠りがあるようには見えませんでした……いったいなぜ?」

広生「…………」

月読「広生、貴方が入野を殺した動機は何?」

広生「入野を殺した動機……」
658 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/18(月) 21:14:29.76 ID:6an/7NxA0






広生「殺しやすかった、からだ」






659 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/18(月) 21:24:43.19 ID:6an/7NxA0
ミシェル「……エッ」

広生「今回のトリックを思いついた時、誰が一番殺しやすいか考えた」

広生「精神を不安定に出来て、孤立していて……入野は条件にピッタリだった」

黒頭「広生、様……?」

広生「本当はお前でもよかったんだ黒頭。俺に気を許しているお前なら隙をついて殺す事は出来たからな」

広生「だけど思い直した。学級裁判で間違いなく俺には投票しない人間を確保しておくべきだと」

黒頭「そん、な……」

音野「ひ、広生さん!あなた、なんでそんな……!」

月読「……」

上を向いて立ち尽くしながら語るこの男は誰?

これが本当にあの広生燕次なの?
660 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/18(月) 21:50:14.55 ID:6an/7NxA0
学人「随分と落ちぶれたものだな。普段のお前はどこへ失せた」

広生「普段の俺?ああ……あのヘドが出る役立たずか」

佛生「……まるで多重人格かのような仰りようですな」

広生「そんなものじゃないさ……あれは演じていた俺だ」

モノクマ「うぷぷ、広生クンはそうしないと生きていけない可哀想な子だからね!」

月読「演じないと生きていけない?」

もしかして、広生が仮面を外さないのもそれに関係が……
661 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/18(月) 22:43:44.35 ID:6an/7NxA0
広生「俺は産まれた頃から常に死と隣り合わせに生きてきた」

広生「赤ん坊の頃コインロッカーに捨てられた俺はあと少し遅ければ死ぬという状態だったらしい」

広生「周りが助けてくれたのは赤ん坊の頃まで……幼児期の俺は公園で、いつ死ぬかもわからない暮らしをしていた」

広生「ホームレス達や公園に来る誰かに媚びて何かを恵んでもらう事でその日その日を生きてきた」

広生「だがそれも成長すれば長続きなどしない……俺は完璧に生きる術を失ったんだ」

広生「生きる事を諦めた俺は最期を迎えるためにさまよった……そこで、今いる事務所に拾われたんだ」

広生「広生燕次と名乗った俺の過酷な生活で培った身体能力はアクションに申し分なかった」

広生「だが俺には、致命的なまで俺自身という軸がない」

広生「常に何かを演じなければ、誰かにとっての役割がなければ、まともに歩く事すら出来ないんだ」

広生「普段の行動も前にテレビで見た仮面のヒーローを演じてようやく為せる」

広生「わかるか?正義感の強いスーツアクター広生燕次なんて作り上げたただの張りぼてだ」

広生「本当の俺は、名前すらない、誰かに媚びて、依存してしか生きていけない……それだけの存在なんだよ」
662 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/18(月) 23:04:10.37 ID:6an/7NxA0
川田谷「それが広生君の……」

広生「今回コロシアイに乗ろうと考えたのは、俺自身を確立するためだ」

四杖「確立、ですか?」

広生「佛生を見て気付いたんだよ。死を背負うという事は自分自身を形作るのだと」

広生「死を背負えば俺はもう一人じゃない。俺の肩に殺した人間の犠牲という重石が乗る」

広生「そうすれば誰にも、親にすら存在を認められなかった俺は、今度こそ……俺自身になれる、はずだった」

広生「それも、もう……終わりだがな」

月読「……」

彼にとって今まで生きてきた広生燕次は虚像だった。

名前すらなかった自分自身を一番認められなかったのは……彼だったのかもしれない。

鏡在「……千里を殺したのはアンタなわけ?」

広生「それは違う。俺は捜査中黒頭と常に一緒だった」

鏡在「じゃあ誰なのよ!?誰に千里は……!」

広生「さあ、な。これから死ぬ俺にはわからない事だ」

広生「モノクマ、もういい」

モノクマ「うぷぷ、わっかりました!」

モノクマ「今回は【超高校級のスーツアクター】である広生燕次クンのためにスペシャルなオシオキを用意いたしました!」

黒頭「広生様……!」

広生「……悪いな」

黒頭「えっ?」

モノクマ「それでは張り切って参りましょう!オシオキターイム!」

「広生燕次という役がこういう時なんと声をかけるか、俺にはわからない」

そう、虚ろな声で呟いて。

広生燕次だった彼は連れ出されていった。
663 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/18(月) 23:10:11.44 ID:6an/7NxA0






      【GAME OVER】

 【ヒロオクンがクロにきまりました】

   【おしおきをかいしします】






664 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/18(月) 23:27:51.16 ID:6an/7NxA0
広生が連れ出されたのは何もない荒野。

ただ立ち尽くす広生を、何体ものモノクマが取り囲んだ。

【大ピンチ!?孤独なヒーロー最期の戦い!】

【超高校級のスーツアクター広生燕次処刑執行】

爪を振りかぶって襲いかかるモノクマ達に広生クンは全く抵抗しません。

腕を、脚を、胴を次々にモノクマの爪が切り裂いていくのにも、自分から流れる血にも興味がないと言わんばかりにただ上を向いたままの広生クン。

それに何を感じたのかモノクマ達は怒ったように腕を振り回すと、巨大なモニターを持ってきます。

広生クンにだけ見えるようにモニターの電源がつき……しばらくすると、広生クンがモノクマ達を薙ぎ倒し始めました。

さっきとは急転して頭を振り、何かをぶつけるようにモノクマ相手に暴れまわる広生クン。

モノクマ達はその姿にウンウンと頷くと……広生クンに殺到します。

そして数分もしない内に……モノクマ達にズタズタにされた広生クンは血だるまとなってその場に転がっていました。

いくら強くても現実は数には勝てないんだよね……うぷぷ。
665 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/18(月) 23:52:53.81 ID:6an/7NxA0
モノクマ「アーハッハッハッハッ!」

モノクマ「落ちぶれたヒーローにはふさわしい末路だよねー!」

月読「……」

広生は途中までオシオキを受け入れているように見えた。

だけどモノクマに何かを見せられてから……まるで人が変わった、いいえ。

私達の知る広生に戻ったかのように暴れだした。

いったい広生は……何を見せられたの?

黒頭「広生様、わたしは、それでも……」

音野「黒頭さん……」

広生が処刑されて、入野の事件は終わった。

だけど今回の事件はそれだけじゃない。

鏡在「それで誰なのよ……千里を殺したのは!」

モノクマ「何まだそんな事言ってるの?天馬さんは無駄死にしたの!いい加減認めなよ!」

鏡在「ふざけんな!千里は無駄死になんかじゃない!アタシは絶対に千里を殺した奴を見つけ出して……!」

天馬の死、それはまだ私達の中に暗い影を落としている。

その影が牙を剥くのは何に対してなのか……私達はまだ知らない。
666 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/19(火) 00:02:35.17 ID:ElWSPw6A0
【食堂】

月読「……」

入野が殺された痕跡はもうどこにもない。

私の目の前で苦しんで死んでいったあの姿は、忘れたくても忘れられない。

月読「……」

あまりに命が軽すぎるこのステーション……不安の種も次から次に芽を出すここで生き延びるなんて本当に出来るのかしら……

月読「……」

【食堂にいた月読の元に現れたのは?】

一人選んでください。

↓2
667 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/19(火) 00:05:29.67 ID:ZO9BXUOc0
四杖
668 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/19(火) 00:08:43.23 ID:/DlFoG4DO
黒頭
669 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/19(火) 06:10:56.79 ID:ElWSPw6A0
黒頭「あ……」

月読「黒頭」

やっぱり沈んでるわね……無理もないわ、広生が殺しをしたどころか普段の関わりは演技で、自分を殺していたかもしれないって言われたんだから。

黒頭「月読、様」

月読「大丈夫……ではないわよね」

黒頭「そう、ですね……広生様の心の闇があれほどとは、思ってもいませんでした」

月読「……考え込まない方がいいわよ。今日は色々ありすぎたもの」

黒頭「そうかも、しれません……それでも考えてしまうんです」

そう言って俯く黒頭の姿から普段の落ち着きは感じられない。

月読「……」

……これはほっとくわけにもいかないわね。

黒頭「あっ」

黒頭の身体を引き寄せて抱き締める。

参っていた証明か黒頭は何の抵抗もしなかった。

月読「黒頭、泣いちゃいなさい」

黒頭「はい……?」

月読「貴女は古武術の使い手だし強いでしょうけど、だからといってそれは泣いたらいけないなんて事ではないわ」

黒頭「……」

月読「悲しいなら我慢する必要なんてどこにもない……私は、そう思うわよ」

黒頭「ありがとう、ございます。ではお言葉に、甘えさせていただきますね……」

嗚咽を漏らす黒頭の背中をポンポンと優しく叩いてやる。

その背中は、とても小さく儚いように……私は感じた。
670 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/19(火) 06:13:55.86 ID:ElWSPw6A0






CHAPTER03【軽き命、重き絶望】END

生き残りメンバー12→9人

To Be Continued...






671 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/19(火) 06:19:43.74 ID:ElWSPw6A0
【ヒーロー仮面】を手に入れた。
〈CHAPTER03を読み明かした証。
広生燕次の遺品。
彼が普段から着けていたヒーローの仮面。
見られたくなかったのか、見たくなかったのか。
彼の心境はもはや誰にもわからない〉
672 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/19(火) 06:23:08.48 ID:ElWSPw6A0
CHAPTER03終了です。

CHAPTER04はまた次スレを立てたいと思います。

また色々聞かせていただけるとありがたいです。
673 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/19(火) 06:30:46.79 ID:MHBKkdtb0

やっぱり天馬殺害した人間は別にいたか…この禍根がCHAPTER04以降どう影響するのか気になる
後佛生が>>627で七名の命を奪った大罪人と言っているから、CHAPTER04にあたる時系列のときにクロになったのかな?
とにかくこれからも楽しみにしてる
674 : ◆KDjMn9rkKNs9 [saga]:2018/06/19(火) 23:29:45.73 ID:ElWSPw6A0
次スレを立てました。

【オリロンパ】愛書の少女とコロシアイ宇宙旅行【安価】四冊目
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1529417950/
675 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/21(木) 03:52:05.16 ID:RE9SQjgDO

月読姉さん母性半端ないっす…
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