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ドラえもん「ダンガンロンパ?」

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560 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/08/27(月) 01:55:15.03 ID:o3VMF90s0

大神「何ということだ……」

不二咲「そんなことがあったなんて……」

隊長「我々が考えた方法は過去に遡って江ノ島を捕まえることだった。そうすれば
    タイムパラドックスが発生し未来の江ノ島も消える。しかし、大きな壁があった」

舞園「壁ってなんですか?」

隊長「特殊な装置を使い時間移動を制限したのだ。それにより、江ノ島に手を出すことが出来なくなった」

のび太「それ、ギガゾンビがやろうとしてたことだ!」

苗木「でもあなた方は今ここにいますよね?」

隊長「未来人ではない江ノ島にとって予想出来ないイレギュラーが起こったのだ。わかるかね?」

江ノ島「……ああ、そーいうことね。今のアタシなら想像つくわ」

戦刃「え、なに? わからないよ」

ドラえもん「まさか……」

のび太「なに、ドラえもん?」

ドラえもん「ぼく達がもしもボックスでこの世界に来たことで何か次元に影響が?」

隊長「そうだ。もしもボックスは次元や空間に大きな影響を及ぼす。それにより、
    江ノ島の装置の効果がこの時間軸だけ薄れたのだ。我々はそれを利用した」

十神「待て! ということは、貴様らは本当はずっと前からこの時間軸にいたということか?」

隊長「そういうことになる」

山田「なんですぐに助けてくれなかったんですか?!」


『彼等と同じ理由だよ』

561 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/08/27(月) 02:00:39.97 ID:o3VMF90s0

大和田「あ? 不二咲、今なんか言ったか?」

不二咲「僕じゃないよ?」

隊長「おっと、“彼”を紹介するのを忘れていたな」


『こんにちは。久しぶりだね、みんな。いや、ここでは初めましてかな?』


隊長がタブレットを取り出し、彼等に見せると画面には不二咲が映っていた。


不二咲「あれ? 僕??」

石丸「不二咲君がもう一人いるぞ?!」

のび太「あ、もしかして!」

ドラえもん「アルターエゴ?!」

アルターエゴ『ふふ、正解!』

不二咲「えっ?! 何でアルターエゴのことを知ってるのぉ?」

ドラえもん「この学園の二階の図書室にノートパソコンがあってね。
       本来アルターエゴが作られる予定だったんだ」

大和田「で、そのアルターなんたらってヤツはなんなんだ? なんで不二咲の格好してんだ?」

葉隠「まさか幽霊とか言わねえだろうな? オカルトは信じねえぞ!」

不二咲「オカルトじゃないよ。アルターエゴは人工知能なんだ」

霧切「アルターエゴの意味はもう一つの自分。つまり、不二咲君は自分の人格をプログラムにしたのね」

不二咲「まだここまでの段階にはなってなかったはずだけど、学園生活の中でここまで出来てたんだねぇ」

562 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/08/27(月) 02:04:04.18 ID:o3VMF90s0

アルターエゴ『そう。僕は正確に言うとご主人タマが平和な学園生活をしている時に作られたんだ。
     監禁生活の中で作られた僕はモノクマに壊されちゃったから』

山田「ご、ご主人タマですと?! もう一回! もう一回プリーズアフターミー!」

腐川「うっさいわよ! で、なんであんたがそこにいる訳……」

隊長「人間には寿命があるが、プログラムには寿命がない。君達が死んだ後も、
    彼だけはこの世に残って我々人類の発展に協力してくれたのだよ」

苗木「そうだったんだ……じゃあ、ドラえもん達が来る前の世界で僕達をずっと助けてくれたんだね」

アルターエゴ『うん。歴史が変わってしまったからその記録はもうないんだけど、
     どうしてもみんなに会いたくて、パトローラーに無理を言ったんだ』

石丸「君は、僕達が死んだ後もずっと戦っていたのだな……ううっ!」

ドラえもん「あれ? じゃあもしかして、さっきの学園長の映像は……」

アルターエゴ『僕だよ。この学園のマザーコンピューターにずっと前から侵入して隠れてたんだ。
     そこであの映像を見つけて、みんなに見せようと取っておいたんだよ』

のび太「そうだったんだね!」

アルターエゴ『みんなの成長のためとはいえ、ただ黙って見てるなんて放置しているみたいで
     凄く心苦しかったんだ。みんなの力になれたようで良かった』

苗木「ありがとう、アルターエゴ! 君がいなかったら僕達は前を向けなかったかもしれない」

霧切「ええ。あなたも立派な私達の仲間よ」

アルターエゴ『ありがとう。そう言ってもらえると嬉しいな』

不二咲「アルターエゴ……もう一人の僕。僕は君のこともみんなとの思い出も何も覚えてない。
     ……こんな僕でも、みんなの力になれるかな? 役に立てるのかな?」

アルターエゴ『大丈夫だよ! これから先、大変なことも辛いこともたくさんある。
     でも、みんなは協力して乗り越えていくんだ。僕は知ってる。だから――』


アルターエゴ『また未来で会おうね?』

563 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/08/27(月) 02:12:08.66 ID:o3VMF90s0

不二咲「アルターエゴ……」

桑田「未来、か……」

大神「我らの未来は我らの手で掴まなければならぬ!」

十神「言われなくとも掴み取ってやるさ」

セレス「やられっぱなしはシャクですからね。倍にして返させて頂きますわ」

朝日奈「すぐ会いに行くから! それまで待っててね、アルターエゴ!」

舞園「ここまで来たら、諦められませんよ!」

葉隠「俺達で新しい世界の扉を開くんだべ!!」

山田「やってやりますよ! オタクの底力を見せてやる!!」

石丸「みんなの力を合わせれば超えられぬ障害なんてない!!!」

苗木「僕達はもう大丈夫。ありがとうアルターエゴ、タイムパトローラー」

隊長「別れは済んだようだね。江ノ島盾子については我々に任せてほしい。あとはこの時代の君達に任せる」

江ノ島「はあ〜あ、ムショ暮らしかぁ。アタシは危険だから独房で死ぬまで監禁ってとこかしらね」

戦刃「…………」

隊長「安心したまえ。もっと良いことがあるぞ」

江ノ島「期待しないでおくわ」

苗木「江ノ島……」

江ノ島「なによ、その目は。同情? あんた達こそ、せいぜい頑張れば?」

江ノ島「――未来から見ててやるわよ、ずーっとね」

戦刃「さようなら、みんな。謝って済むことじゃないのはわかってるけど……ごめんね」

564 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/08/27(月) 02:16:58.98 ID:o3VMF90s0


「……………………」


隊員「ほら、挨拶が済んだら行くんだ」

ドラえもん「…………」

のび太「さようなら、超高校級の絶望……」

隊長「では諸君、達者でな」

アルターエゴ『みんな、元気でねー!』

「ありがとうございましたー!」


そうして、タイムパトローラーとアルターエゴは江ノ島達を連れて去って行った。


霧切「これで本当に全部、終わったのね……」

ドラえもん「よーし、これで一見落着! みんなで外へ行こう!」


どこからともなくEDテーマが流れ始め、全て終わるかに思えたが……


のび太「ちょっと待って!」

ドラえもん「なんだよ、もう!」

のび太「そういえば、脱出スイッチってどこにあるの?」

ドラえもん「アニメで最後に使ってたやつだね。そんなの、その辺に……」

モノクマ「ここにあるよ」

苗木「あ、ありがとう……って?!」

565 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/08/27(月) 02:19:09.26 ID:o3VMF90s0





『モノクマーーーッ?!!』




566 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/08/27(月) 02:22:22.35 ID:o3VMF90s0

ここまで。1は体調不良や引っ越しにも負けず頑張ってます

次回、急展開

567 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/27(月) 22:34:53.73 ID:mngPGkOXO

そういや江ノ島死んでもモノクマは動き出したっけ
568 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/30(木) 20:39:27.12 ID:7+fIhz3l0
絶対絶望少女は知らないのか
569 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/31(金) 11:57:59.39 ID:gNosuGQ9O
乙乙
570 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/10/15(月) 09:12:01.29 ID:yC7lOaFI0
復活記念age
571 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/10/18(木) 01:51:55.57 ID:fHyjlLB70

お久しぶりです。1は生存しています。

久々の更新!
572 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/10/18(木) 01:56:24.61 ID:fHyjlLB70


  第23話 モノクマのひみつ 


モノクマ「いやん、そんなに驚かれるとボク照れちゃう〜」

のび太「な、なんで?! どうして?!」

ドラえもん「江ノ島盾子はもういないはずなのに?!」

モノクマ「まあ、ちょっと色々あってね。君達のせいで計画狂っちゃったからさ、
      最後に一つゲームでもしようかと思いまして」

大和田「は? ゲームだぁ?」

十神「こんなヤツの世迷言に付き合う必要はない。大神、破壊しろ」

大神「そうだな。この期に及んで往生際が悪いぞ」

大和田「今度こそぶっ壊してやる!」

モノクマ「うぷぷ。聞かないなら聞かないでもいいよ。それはそれで絶望的だしね」

霧切「! 待って! ……江ノ島盾子も戦刃むくろも連れて行かれたはず。
    ――なら、今モノクマを操っているのは誰なの?」

「?!」


全員、一斉にモノクマから離れる。


ドラえもん「そうだ……お前は誰だ?!」

のび太「どういうことなの?!」

573 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/10/18(木) 02:05:13.48 ID:fHyjlLB70

モノクマ「おやおや。何でも知ってるかと思えば、知らないこともあるんだねぇ。
      ……ねえ、一つ聞きたいんだけどさ。君達が見たアニメって続編はあるの?」

のび太「続編? ダンガンロンパのアニメは一期しかないけど……」

ドラえもん「ああっ!!」

朝日奈「な、なに?!」

セレス「何か思い当たることでも?」

ドラえもん「ダンガンロンパは元々ゲームが原作のアニメなんだ。……そして、
       ゲームには続編がある。その名もスーパーダンガンロンパ2!!」

十神「まさか……」

苗木「もしかして……」

葉隠「な、なんなんだべ? はっきり言えって!」

ドラえもん「アニメの最後……誰もいなくなった部屋で、モノクマは起き上がっていた。
       ぼくはそれをホラー映画みたいなただの演出だと思っていたけど、実際は違ったんだ……」

ドラえもん「モノクマ! お前は、ダンガンロンパ2のラスボスなんだろう!!」

モノクマ「ピンポンピンポン大正解! キャーハッハッハッ!」

舞園「そ、その声は?!」

桑田「江ノ島ァ?!」

苗木「そんなっ?!」

モノクマ?「やあ、諸君。改めて挨拶しようか。ボクはモノクマ。……そして江ノ島盾子」

腐川「ど、どういうことよ?! 江ノ島はあいつらに連れて行かれたんじゃないの?!」

574 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/10/18(木) 02:08:54.56 ID:fHyjlLB70

不二咲「もしかして……!」

石丸「何か心当たりがあるのかね?!」

不二咲「推測だけど……君は江ノ島さんのアルターエゴなんじゃないかな?」

山田「な、なんと?! アルターエゴが二つ?!」

十神「どういうことだ?! アルターエゴはお前にしか作れないのではないのか?!」

不二咲「わからないけど……でも、そうとしか考えられない」

江ノ島エゴ「話が進まないのでとっとと説明しましょう。不二咲君の指摘の通り、
       私は江ノ島盾子の人格をコピーしたアルターエゴです」

のび太「そんな……?! でも、どうやって?!」

江ノ島エゴ「恐らくその続編か番外編小説あたりで描かれているでしょうが、江ノ島盾子には
       超高校級のギャルの他にもう一つ別の才能があったのです」

江ノ島エゴ「その名も――【超高校級の分析能力】」

ドラえもん「な、なんだってー?!」

大神「なんだそれは……?」

江ノ島エゴ「一言で言うと、俺様はどんな才能も分析することで己の才能にし、しかも
       元の才能よりグレードアップさせることが出来ちまうのさ! ヒャッハー!」

のび太「なにそれ?! そんなのズルイよ!」

山田「なんというチート能力?!」

石丸「ということは、江ノ島君は不二咲君の才能を分析して自分のものにした挙げ句、
    グレードアップさせた能力で自分のアルターエゴを作ったという訳か?!」

江ノ島エゴ「ビンゴ。賢いチンパンジーね」

575 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/10/18(木) 02:13:25.45 ID:fHyjlLB70

石丸「グヌヌ……やはり才能なんてろくなものではない!!」

腐川「そんなの反則だわ! こんな奴がいたらどんな才能も意味がなくなるじゃない!」

江ノ島エゴ「そうねー。だからボクのオリジナルも世界に絶望したんだと思うよ?
       だってだって、江ノ島盾子にとってこの世は予測通りに動くんだもん☆」

江ノ島エゴ「――これほど絶望的に退屈なことってある?」

霧切「……それこそ、江ノ島盾子が絶望した理由なのね」

苗木「でも、それがどうして世界を絶望させることに繋がるんだ!」

江ノ島エゴ「何でも完璧にこなせて超飽きっぽい私様だが、一つだけ飽きないものがあった」

江ノ島エゴ「……それが絶望。絶望は常に予想外のことを起こしてくれる。絶望のためでなきゃ
       こんなクッソタルい計画とっくに投げてるに決まってるっしょ」

江ノ島エゴ「絶望は自分の絶望でもいいし他人の絶望でもいい。とにかく、前の絶望より大きくて
       派手な絶望を作っていったらいつの間にか世界が滅亡してた。それだけの話」

舞園「そんな! 酷すぎます!!」

十神「くだらんおしゃべりは終わりだ! 目立ちたがりが、俺達の前にノコノコ現れたのが
    運の尽きだったな。こいつを破壊すれば今度こそ終わる。大神!」

大神「ウム! 貴様を生かしておく訳にはいかぬ!」

江ノ島エゴ「ボクは別にそれでも構わないけどね? 一つお節介を言うなら、人の話は
       ちゃんと最後まで聞いといた方がいいんじゃないかなぁ。うぷぷ」

霧切「待って、大神さん! 何か含みがあるわ。何故あなたは私達の前に姿を現したの?」

山田「そうですよね……僕達がいなくなった後、いくらでも逃げられた訳ですし」

セレス「目的があるのでしょう。さっさと言いなさい」

江ノ島エゴ「じゃあ言うけど……そもそもさ、あんた達は外に出てそれからどうするつもり?」

576 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/10/18(木) 02:16:59.03 ID:fHyjlLB70

苗木「はっきりとは決めてないよ……でも、外にはまだ絶望に冒されてない人達もいる!
    みんなで助け合いながら、その人達の元へ行って少しずつ世界を……」

江ノ島エゴ「アハハハハハッ!!」

腐川「な、なによ! さっきから思わせ振りな態度ばっかり取って……!」

舞園「何がおかしいんですか……」

江ノ島エゴ「いや、もうすぐ死ぬっていうのに悠長なこと言ってんなーと思って」

桑田「は?」

大和田「死ぬってどういう意味だ、ゴラァ!」

江ノ島エゴ「文字通り、世界中に核の雨が降り注ぐから安全な場所なんてないよ? まあこの学園は
       頑丈だから、地下に篭っていれば助かるかもしれないけどね。設備も揃ってるし」

葉隠「えっ? はぁ??」

朝日奈「なにそれ……」

セレス「ハアア?! 適当なこと吹いてんじゃねえぞ、このビチグソギャルがぁ!!」

江ノ島「いや、本当だって。あんた達の理解力が遅いからもう二十分無駄にしたけどさ。
     最後の投票から三時間だから、残り二時間四十分しかないよ?」

のび太「なにを言ってるのかぜんぜんわからないよ!」

江ノ島エゴ「だからさぁ、ボクには超分析力があるって言ったでしょ? オマエラが勝ってボクが死ぬ、
       ボクが勝ってオマエラは出ない……それ以外の選択肢があるのも想定してたってワケ」

ドラえもん「それ以外……ぼく達が勝って、なおかつ江ノ島盾子も死なない未来……」

江ノ島「イエス! 誰も得をしない一番つまんねー終わり方。もしそんなエンディングになったら
     視聴者も納得しないっしょ! だから、その場合はあるプログラムが作動するようにしたのよ」

霧切「あるプログラム……」

577 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/10/18(木) 02:19:01.78 ID:fHyjlLB70

石丸「な、なんなのだそれは?」

江ノ島「全世界に核をバラまくプログラム。俗に言う世界は核の炎に包まれたってヤツだぁ!」

大和田「ふざけんなッ!」

山田「ひぇぇぇ?!」

十神「クソ……江ノ島め。何てしぶとい奴だ。やはりトドメを刺しておくべきだったか?!」

江ノ島エゴ「その通り。私様をしっかり殺しておけばこんなことにはならなかったのだ。
       つまり今の事態はオマエラが招いたことなのだよ?」

苗木「屁理屈を言うな! 結果論だろ!」

朝日奈「どうすればいいの? 何か止める方法は?!」

のび太「ドラえもん! 道具を!」

ドラえもん「う、うん! ソノウソホント〜」

山田「それはなんですかな?」

のび太「ソノウソホントって言って、これをつけてついたウソは全部本当になっちゃうんだ」

ドラえもん「これで核を止めてしまえばいい」

山田「なにそのチート?!」

舞園「ど、どんなことでもですか?!」

セレス「それがあればわたくしの夢も……」ゴクリ

十神「そんなバカなことがあってたまるか」

ドラえもん「『核ミサイルは飛ばない』。これでいいはず」

578 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/10/18(木) 02:33:52.15 ID:fHyjlLB70

桑田「本当にそれできいたのかよ。なんかウソくせーな」

ドラえもん「じゃあ試してみようか。『のび太くんは天才だ』」


シーン。


葉隠「どこが変わったんだ?」

霧切「テストしてみましょう。123+456+789は?」

のび太「あ、あれ? ぜんぜんわかんないよ!」

ドラえもん「故障かな? 『ボクは空が飛べる』」


シーン。


桑田「なんだ。やっぱりインチキか……」

不二咲「二人が嘘をつくとは思えないよ。故障してるんじゃないかな?」

のび太「もしかしてドラえもん、ちゃんと道具のメンテナンスをしてなかったんじゃないの?!」

ドラえもん「まさか! ボクは毎年未来デパートで必ず点検してもらっているよ。
       他の道具を試してみよう。空気砲〜」

朝日奈「なにそれ?」

のび太「手につけてドカンて言うと空気のカタマリをうちだすんだ」

ドラえもん「ドカン!」


ドゴォッ!

近くの壁に向かって空気砲を撃つと、壁に穴が開く。

579 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/10/18(木) 02:38:25.81 ID:fHyjlLB70

大神「ム、壁を破壊するとは……!」

葉隠「すげえなぁ、おい!」

ドラえもん「……正常だね。じゃあ次、ビックライト〜」


ピカッとビックライトをのび太に当てる。

ググググ……


朝日奈「のび太が大きくなった!」

のび太「ガオー、食べちゃうぞー」

石丸「ぬおおおっ! こ、こんな非科学的なことが起こりうるとは……!」

ドラえもん「やっぱり壊れてるのはソノウソホントだけみたいだね」

のび太「ウソ800は?」

ドラえもん「そうだ。その手があった」

大和田「今度はなんだ……」

ドラえもん「液体版ソノウソホントみたいなものだよ。これを飲んでついたウソは本当になる」

のび太「貸して」ゴクゴク

のび太「『核ミサイルなんて飛ばない。世界は平和になった』!」

ドラえもん「さて、今度は効いたかな?」

江ノ島エゴ「残念、プログラムは止まっていないようです。そしてアタシには
       その原因がわかっちゃいました。うぷぷ!」

のび太「そんな、なんで?! どうして?!」

580 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/10/18(木) 02:39:09.01 ID:fHyjlLB70

まだ話の続きですが眠いので、続きは明日……

581 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/10/18(木) 08:25:34.85 ID:Mba8/EiQ0
チートアイテム封じられたか
582 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/18(木) 10:00:40.20 ID:jM2u3WXjO
どうせなら未来道具全て封じればいいものを…あっそんな事になったら[たぬき]の長所が無くなるかww
583 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/19(金) 18:07:28.95 ID:NE0L5GCCO
乙!
584 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/10/19(金) 22:13:54.77 ID:2MAs9AuK0


ドラえもん「ワケがわからないよ! こんなことって?!」


パニックに陥るドラえもん達。生徒達はただ見ているしかない。

……その時、二人に近づいてくる影があった。


「僕が説明しましょう」


のび太「だれ?!」

苗木「誰だ?!」


全員が振り返った先にいたのは、長い黒髪のスーツの男だった。
髪の間から見える赤い目が薄気味悪い。


大和田「な、なんだテメエ?!」

「初めまして。僕はカムクライズルといいます」

葉隠「どっから湧いて出たんだべ?!」

カムクラ「僕は最初からここにいましたよ? あなた達が気付いていなかっただけです」

ドラえもん「なんだって?」

十神「待て! カムクライズル……だと?」

のび太「知ってるの?」

腐川「カムクライズルって言ったら確か……!」

霧切「この希望ヶ峰学園の創立者の名前よ」

585 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/10/19(金) 22:16:08.06 ID:2MAs9AuK0

ドラえもん「ええっ?!」

カムクラ「言っておきますが別人です。僕はこの名を与えられただけなので。
      この体の元の名前は日向創といいます。……どうでもいいことですが」

不二咲「与えられたって、誰に……?」

カムクラ「この学園の研究者達です。僕は人工的に作られた存在なのですよ」

のび太「ま、まって! ワケがわからない! だれなの?! どうしてとつぜん出てきたの?!」

ドラえもん「……ま、まさかお前は!」

カムクラ「正解です。恐らく僕はダンガンロンパ2に登場するのでしょう。
      江ノ島盾子のアルターエゴを持ち出した真の黒幕として」

苗木「じゃあ……!」

カムクラ「かつては超高校級の希望と呼ばれていましたが、今は江ノ島盾子の同志ですね」

江ノ島エゴ「キャハハハ! まさかあんたまで出てきちゃうとはね。シナリオ大幅変更じゃない?
       名前を付けるなら、ダンガンロンパAnother Episode……なんてどうよ!」

大神「敵か!」ザッ

カムクラ「戦ってもいいですが、今は時間が惜しいのでは?」

苗木「そ、そうだよ! 今は争ってる場合じゃない! 核ミサイルを止めないと!」

のび太「でもソノウソホントもウソ800も使えないなんてどうすればいいの?!」

カムクラ「何故ドラえもんの道具で効果のない物があったかわかりますか?」

ドラえもん「……きみは知っているのかい?」

586 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/10/19(金) 22:24:09.24 ID:2MAs9AuK0

カムクラ「嘘を全て現実にする……言ってみればそれらの道具は次元や因果率に干渉することで
      それを可能としています。では、次元そのものに大きな歪みが出ていたら?」

ドラえもん「(ハッ)そうか! この世界は元々江ノ島盾子の作った装置でタイムパトローラーが
       干渉出来なくなっていた。そこにもしもボックスで一時的に風穴が空いた状態……」

のび太「ぼくにもわかるように言ってよ!」

ドラえもん「つまり、次元そのものが非常に不安定な状態なんだよ。こんな状態で世界規模の干渉を
       してしまったら不測の事態が起こるかもしれない。だから道具の安全装置が働いたんだ!」

石丸「液体にどうやって安全装置を……」

十神「もはや魔法だな……」

山田「まあ、行き過ぎた科学は魔法と同じようなものと言いますしお寿司」

桑田「科学の力ってすげーわ……」

朝日奈「ちょっと、今はそんなこと話してる場合じゃないでしょ!」

のび太「じゃあどうすればいいのさ!」

江ノ島エゴ「方法はあるよ」

カムクラ「おや、教えてあげるんですか?」

江ノ島エゴ「うぷぷ。アタシが黙ってたって言うつもりだったくせに。そのために出てきたんでしょ?」

苗木「どういうことだ? この人は敵なんじゃないのか?」

カムクラ「彼女の話を聞けばわかりますよ」

江ノ島「ミサイルを統制しているのはこの学園のメインコンピューターです。
     そしてオマエラの中にはプログラムが専門のヤツがいる」

不二咲「そうか。僕がプログラムを書き換えて止めればいいんだね!」

587 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/10/19(金) 22:29:58.29 ID:2MAs9AuK0

葉隠「は、早くやるべ!」

セレス「急ぎますわよ!!」

江ノ島エゴ「た・だ・し、プログラムは私様謹製の物なので当然そう簡単には
       解除出来ません。……また、これから物理的な妨害も入ります」

舞園「なんですか? 物理的な妨害って……」

江ノ島エゴ「これを見ろぉ!」


モニターの画面がパッと変わり、映し出されたのは大量のモノクマ。


桑田「なんだこりゃあ?!」

江ノ島エゴ「プログラムを解除されないため、関東の全てのモノクマがこの学園のメインコンピューターを
       破壊しに集結しています。メインコンピューターを破壊されたら最後、もう外部からの
       干渉は一切受け付けず、全世界に核の雨が降るでしょう!」

「な、なんだって?!」

江ノ島エゴ「つまりオメェラはメインコンピューターを守りつつプログラムの
       書き換えも同時にやらなきゃいけない。それもあとニ時間ちょっとでね!」

江ノ島エゴ「あ、ちなみにモノクマの数はざっと千体くらいかな? 最終的には一万体くらいに
       なると思うよ☆ ちなみに、玄関は開けてあるからもう中はモノクマだらけかも」

「そんな……」

江ノ島エゴ「ああ、いいわぁ。少しだけ希望を見せてやった後にそれを
       奪って見せる絶望の顔。あんた達ってすぐに絶望するんだから――」

カムクラ「相変わらず性格が悪いですね」

「…………」


生徒達はモニターを見ながら呆然とするしかなかった。

588 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/10/19(金) 22:30:43.74 ID:2MAs9AuK0

ここまで。

589 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/20(土) 07:56:10.05 ID:MYM6i7LC0
江ノ島連行されたはずなのに時々江ノ島本人が会話に混ざるのは何でなんだぜ?なんかの伏線?
590 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/10/20(土) 09:11:07.59 ID:Y5FLu1j/0
鉄人兵団の方が絶望感あったな
591 : ◆takaJZRsBc [sage]:2018/10/20(土) 16:30:06.20 ID:wiW7D3Og0
>>589
江ノ島エゴの間違いですね。ご指摘ありがとうございます!
592 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/20(土) 23:40:07.38 ID:/frhK8X5O
モナカ「この事態を止められても…」

天願「まだまだワシらが…」

白銀「残ってるんだよね♪」
593 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/10/23(火) 18:54:27.16 ID:Mq94f5IS0
日向「ふざけるな! 俺のハーレム計画が・・・」

苗木「そうだ!そうだ!」

最原「そうだぞ!」

宗方「お前らはまだいいだろう!」
594 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/22(木) 18:38:16.02 ID:T1tn3G890
久々
595 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/12/03(月) 01:11:29.48 ID:2NI7p81X0


  第24話 ミサイルをとめろ!!(前編)


無理だ、と誰もが思った時――声を上げるものがいた。


のび太「メインコンピューターの場所はどこ?」

カムクラ「四階の情報処理室です」

ドラえもん「急がないと時間がないぞ!」

のび太「はやく行こう!」

苗木「のび太君、ドラえもん……」

のび太「なにしてるの? はやくはやく!」

ドラえもん「待って! もう校舎の中にモノクマがいるならみんな武器を持たないと」


ポケットの中からドラえもんはありったけの空気砲とショックガンを取り出す。


ドラえもん「どこでもドアで直接四階に行けるよ! さあ、みんな!」

「…………」


生徒達は一瞬だけ沈黙になったが、その後の決断は早かった。互いに頷き合う。


霧切「そうね……何もしないで見ている訳にはいかないわ」

大和田「まったく、ガキどもに教わりっぱなしだな!」

不二咲「僕、頑張ってみるよ!」

596 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/12/03(月) 01:13:15.93 ID:2NI7p81X0

苗木「そうだね。行こう!」

石丸「何もしないで見ているわけには行かない!!」

セレス「全く……このような物騒な物は持ちたくないのですが」チャキ

山田「手つきが慣れておりますぞ……」

十神「おい、その前にまだやることがある」


十神はショックガンをカムクラに向けた。


苗木「十神君!」

舞園「何してるんですか?!」

十神「こいつらを放置していたら火事の元だ」

霧切「そうね……」

カムクラ「僕は何もする気はないです。大人しく投降しましょう」スッ

大和田「随分素直だな。なにか企んでるんじゃねえか?」

カムクラ「いいえ。この世の全てに絶望した僕ですが、少し興が乗ったのです」

カムクラ「江ノ島盾子の残したこの人類史上最大最悪、いや世界最凶の絶望に
      あなた方のちっぽけな希望がどう立ち向かって行くのかを」

十神「チッ、高見の見物という訳か。こいつには色々聞きたいこともある。縛って連れて行くぞ」

桑田「モノクマはどうすんだ?」

霧切「まだ情報を持ってそうね」

597 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/12/03(月) 01:22:37.12 ID:2NI7p81X0

朝日奈「よし、それじゃあ捕まえよう!」

江ノ島エゴ「うぷぷ。ボクの処遇については悩まなくていいよ。
       オリジナルがそうであったようにボクにも破滅願望があってね……」

江ノ島エゴ「君達の絶望した顔も見れたし、結末を見ずに終わるなんて絶望的じゃない?」バチバチバチ

大和田「てめっ、勝ち逃げする気か!」

霧切「近寄っては駄目!」

モノクマ「それではみんながあの世に来るのを楽しみにしているよ。グッドラック!
      うぷぷ、うぷぷぷぷ、アッハッハッハッハッハッハッ!!」


高笑いをしながら、モノクマこと江ノ島アルターエゴは爆発した。
しかし感傷に浸っている余裕はない。


のび太「ドラえもん!」

ドラえもん「わかってる! みんな準備はいいかい? じゃあ、情報処理室に……」

十神「待て! 背後を取られたら敵わん。まずは三階との階段を封鎖し、モノクマどもが
    四階に登ってこられないようにしてから情報処理室へ向かった方が得策だ」

セレス「それが理にかなっていますわね」

ドラえもん「了解。じゃあ四階の廊下にするよ。どこでもドア〜!」


ドラえもんが四階にどこでもドアを繋げる。

ガチャッ。


苗木「うわ! もうモノクマがいるぞ!」

腐川「なによこれ……壁に大穴が空いてるじゃない!」

598 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/12/03(月) 01:26:41.83 ID:2NI7p81X0

桑田「本格的に攻撃されてるってことか?!」

大神「我に任せよ!」


いの一番にドアから飛び出した大神が、モノクマの群れを蹴散らして行く。


十神「大和田、石丸! お前達が不二咲を連れて情報処理室に向かえ!
    残りは全員で下り階段に向かい足止めをする!」

石丸「任された!」

大和田「どけやゴラアアアア!」

朝日奈「待って! 道がわかんないよ!」

カムクラ「情報処理室はこの壁の向かい側にある機関銃の付いたドア、下り階段はあちらです」

苗木「え、どうして……?」

カムクラ「どうせ時間は足りませんし、このくらい教えても罰は当たりませんよ」

苗木「と、とにかくありがとう!」

霧切「幸いモノクマはやって来たばかりでまだ数は多くないわ。急いで!」

大神「オオオオオオッ!」

桑田「えっと、ドカン!」


ゴッ!


桑田「うおっ、すげえ!」

十神「道を空けろ、雑魚共が!」バン!バン!

599 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/12/03(月) 01:28:54.45 ID:2NI7p81X0


のび太「いっけー!」ガンガン!


のび太は慣れた手付きでモノクマを次から次へとヘッドショットしていく。


舞園「の、のび太君すごいです!」

ドラえもん「慣れてるし、のび太くんは昔から射撃だけは得意なんだ」

腐川「だけはって……」


階段に辿り着いた一行。
しかし、恐ろしい数のモノクマが雪崩のようにやって来る。


苗木「これじゃキリがないよ!」

霧切「早く階段を封鎖するのよ!」

十神「おい、ドラえもん!」

ドラえもん「ええとあれでもない、これでもない!」


ドラえもんはポケットからガラクタを次から次へと取り出す。


十神「この役立たずめ! やむを得ん! 階段を破壊する!」

葉隠「しょ、正気か?!」

朝日奈「待って! さくらちゃんがまだ下の階に!」

大神「我に構うな! 我は大丈夫だ!」

十神「他に方法はない! やれ、桑田!」

600 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/12/03(月) 01:30:20.61 ID:2NI7p81X0

桑田「え?! でも!」

朝日奈「大丈夫じゃないよ! やめて!」

大神「朝日奈、我を信じろ! 桑田、撃て!」

朝日奈「でも……!」

十神「桑田!」

桑田「やっちまうぞ……やっちまうからな?! ドカンドカンドカーン!!」


桑田はモノクマの足元目掛け最大出力の空気砲を放つ。
狙い通り、階段は崩落を始めた。


朝日奈「さくらちゃあああん!」

大神「ぬおおおおおっ!」


なんと、大神は階段が崩落する直前にモノクマの頭を踏み台にして跳躍する。


大神「戻ったぞ、朝日奈」スタッ

朝日奈「さくらちゃん……良かった……」

葉隠「流石オーガだべ」

山田「ん? な、なんですかあれ?!」

苗木「そんな?!」

601 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/12/03(月) 01:58:25.92 ID:2NI7p81X0


「クマー!」シュタッ

「クマー!」シュタッ

「クマー!」シュタッ


なんと、モノクマ軍団は自身の身体で橋を作り迫ってきた!


十神「しぶといヤツらめ!!」

苗木「どうしよう?!」

桑田「さっきより増えてきてるぜ! どーすんだ?!」

霧切「さっきの大きさが変わるライトを出してちょうだい!」

十神「成程! そういうことか!」

のび太「ビックライト? でも、ここだと天井があるからあんまり大きくなれないよ?」

十神「考えがある。早くよこせ!」

ドラえもん「二人を信じるよ!」


ドラえもんがライトを渡すと、十神はニヤリと笑う。


十神「やはりな。大きくすることが出来るのなら当然逆もある訳だ?」

十神「食らえ、スモールライト!」


十神がライトを操作してモノクマの大群に当てると、次々とミニチュアサイズになっていく。

602 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/12/03(月) 02:07:49.56 ID:2NI7p81X0

桑田「ハッハッハッ! ざまーみろ!」

腐川「流石白夜様だわ! なんて機転が利くのかしら!」

十神「この程度当たり前だ。俺を誰だと思っている?」

朝日奈「先に思いついたの霧切ちゃんだけどね」

セレス「これなら大したことありませんわね。オホホホッ」グシャッ

山田「踏み潰してるー!」

のび太「あはは、ちっちゃくなっちゃった!」

チビモノクマ's「がおー!」ゲシッゲシッ


小さくなったモノクマは一生懸命のび太達を攻撃するが、当然効果はない。


葉隠「これ、大量に捕獲して売りさばけねえか?! ビジネスの予感だべ!」ヒョイッ

山田「売れますかねぇ……仮にも敵の親玉ですが……」ヒョイッ

朝日奈「小さければかわいいんだけどなぁ」ヒョイッ

ドラえもん「のんきなこと言ってる場合じゃないよ! アリだって数が多いと脅威になるんだぞ!」

霧切「その通りよ。ジャングルでの一番の脅威は蟻の大群……とにかく階段を塞がないと危険だわ」

ドラえもん「えーと、壁を作るにはなんの道具がいいか……」


ドラえもんがポケットをいじりながら頭を悩ませていると付近のモノクマ達が点滅を始めた。


苗木「な、なんだ? モノクマ達が光ってるぞ?!」

603 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/12/03(月) 02:10:20.79 ID:2NI7p81X0


霧切「まさか……」


ドカン!

生徒達が手に持っていたチビモノクマが爆発する。


「きゃっ?!」「うわっ?!」「なんだっ?!」

のび太「ぐえっ」ドカッ

十神「ぐはっ!」ドカッ

大神「いかん! 自爆だ!」

十神「! ライトが!!」カランカラーン!


爆発の衝撃で生徒の何人かが十神にぶつかり、その拍子にライトが下の階に落ちていった。

パリーン!


のび太「ああっ、そんな! ライトがこわれちゃった!」

ドラえもん「みんな! 下がって!」


チビモノクマの自爆は少し威力の高いバクチク程度ではあるが、
至近距離なら当然火傷を負ってしまう程度の熱はある。


ドラえもん「これだ! 詰め合わせおばけ〜! 出てこい、ぬりかべ!!」

ぬりかべ「ぬりかべー」

604 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/12/03(月) 02:16:48.85 ID:2NI7p81X0


全員後退したのを見計らい、ドラえもんがぬりかべを呼び出して壁代わりにした。


ドラえもん「とりあえずしばらくはこれでなんとかなるね」


ドンドンと激しくぬりかべを叩く音が響く。


十神「……いや、この調子では長くもたない。時間が経てば破られるだろう。
    ライトを失った以上、やはり玄関を塞がなければ駄目だ」

霧切「同感ね。入口を塞がなければ無尽蔵に湧いて来ると考えていいわ」

十神「まったく、貴様らがふざけているから……!」

朝日奈「ご、ごめん……」

山田「面目ありません……」

葉隠「まさか自爆するなんて思わなかったんだって……」

のび太「でも、直接ぶつかったのはぼくだからおこらないであげて……」

桑田「俺も驚いて押しちまったしな……」

舞園「私もぶつかったかもしれません……」

苗木「喧嘩しても仕方ないよ! 今はモノクマ達をなんとかしないと!」

大神「そうだ。次はどうすればいい?」

605 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/12/03(月) 02:19:38.19 ID:2NI7p81X0

十神「とりあえず情報処理室のメンバーと合流し、作戦を練るぞ!」

「了解!」


全員踵を返して情報処理室に向かう。

キラッ。


苗木(ん?)


その時、苗木はある物に気が付いた。ドラえもんが出したガラクタに混じっていた物だ。


苗木(なんだろう、これ……ドラえもんのだよな。後で返そう)

のび太「お兄さん、はやく!」

苗木「ごめん! 今行く!」


苗木は“ソレ”をズボンの後ろポケットに収めると、急いで後を追った。

606 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/12/03(月) 02:21:03.08 ID:2NI7p81X0

ここまで。

607 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/03(月) 02:23:32.58 ID:j5Ev9BXq0
取り寄せバッグで取り戻して復元光線で直せばいい
608 : ◆takaJZRsBc [sage]:2018/12/03(月) 02:51:18.05 ID:2NI7p81X0
>>607
霧切さんや十神君がひみつ道具を全部把握してたらそれやってたかもしれませんね
609 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/12/22(土) 16:09:06.98 ID:lOOf91gb0


  第25話 ミサイルをとめろ!!(後編)


カタカタカタカタカタ……

情報処理室の中では既に不二咲が作業に取り掛かっていた。


石丸「みんな! 大丈夫だったかね?!」

大和田「モノクマどもはどうした?」

霧切「足止めには成功したわ。ただ、どれだけ保つかはわからない……」

十神「どのくらい掛かりそうだ?」

不二咲「まだなんとも……モノクマが言っていた通り、とても固いんだ……」カタカタカタ

葉隠「そ、そんなぁ! 冗談じゃないべ! 不二咲っちだけが頼りなんだぞ!」

のび太「そうだ! ドラえもん、不二咲さんにクイックを!」

ドラえもん「! うん、クイック〜」パパラパッパパー

霧切「それは?」

ドラえもん「飲むと倍の速さで動けるようになるんだ!」

石丸「みんなで飲もう!」

大和田「不二咲は多めに飲め!」

不二咲「う、うん!」

610 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/12/22(土) 16:19:05.38 ID:lOOf91gb0


ガガガガガガガガガガガガガ!!


不二咲「イケる! イケるよぉ! こ、これならギリギリ間に合うかも!」

十神「よし、それではこれより作戦会議を行う」

大和田「いつの間にかお前が仕切ってんな」

石丸「いや十神君の指揮は的確だ。このまま彼に頼もう」

十神「当たり前だ。この程度の危機も乗り越えられなくて十神家後継者の座が務まるか」

桑田「それでどーすんだよ?」

十神「先程も言ったが、モノクマは無尽蔵に湧いて来る。まず玄関を塞がなければ話にならん」

山田「でも、玄関が塞がれたらそこの壁みたいに穴を空けて入ってくるのでは?」

不二咲「それは大丈夫だと思うよ。この学園の構造を見たけど、外部からの攻撃に耐えるように
     作られていて下に行けば行くほど頑丈になってるんだ。一時間くらいならもつはずだよ」

セレス「ならば、なおのこと玄関を塞ぐことが重要になってくる訳ですね」

十神「防衛ラインを策定する! この情報処理室のメインコンピューターが本丸で最終防衛目標だ」

十神「第一防衛ラインは情報処理室の入り口。第二防衛ラインは四階階段、第三防衛ラインは
    玄関とする。俺達は何があってもこの最終防衛ラインを守りきらなければならん!」

石丸「合戦のセオリーで行くと、まずは玄関を塞ぎ補給を断ち、学園内に取り残された
    モノクマを上と下から挟み撃ちにして殲滅。学園の奪還が第一目標となるか」

十神「お前にしてはまともな案だな。それで行く」

石丸「任せろ! 歴史で勉強したからな!」

朝日奈「で、玄関はどうやって塞げばいいの?」

611 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/12/22(土) 16:25:59.28 ID:lOOf91gb0

苗木「さっきもらった脱出スイッチ……これ、玄関の開閉スイッチだと思うんだ」

十神「ドラえもんのどこでもドアを直接玄関前に繋ぎ、先発隊が玄関を塞ぐ。
    その後、時間をかけて校舎の中を制圧していく」

大和田「待てよ……もう学園の中には結構な数のモノクマが入り込んでんじゃねえか?」

山田「それに玄関が閉まるまではとめどなくモノクマが攻めてくるワケですよね?」

霧切「……恐らく先発隊は特攻に近い形になるわね」

大神「我に行かせてくれ。今だから言うが、我はかつてモノクマと内通していたのだ」

朝日奈「さくらちゃん?!」

腐川「なんですって?!」

葉隠「ど、どういうことなんだべ?!」

ドラえもん「大神さん……」

のび太「どうして言っちゃったの? だまっていても良かったのに」

大神「いや、言わせてくれ」


罪を告白した大神はドラえもん達を目で制し、続ける。


大神「我は道場の者達を人質に取られ、もしこの学園でコロシアイが起こらなければ、
    モノクマの指示で誰かを殺すように言われていたのだ」

桑田「マジかよ……俺達のこと裏切ってたってワケか?」

大和田「信じられねえぜ……」

朝日奈「で、でも人質のせいだよね? さくらちゃんの自分の意志じゃないし……」

612 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/12/22(土) 16:29:00.99 ID:lOOf91gb0

大神「いや、道場を人質に取られていたとはいえお主達を裏切っていたことには変わりない。
    ドラえもんとのび太が止めてくれなければ、我はこの手で仲間を殺していたかもしれぬ」

大神「今こそ仲間を裏切ろうとした罪滅ぼしの時だ。行かせてくれ」

十神「そうだな。本人の言う通り責任を取ってもらおう。……と言いたいところだがそれは出来ん」

大神「何故だ! お主達だけで突破出来るほど、あやつらは甘い存在ではないぞ!」

十神「忘れてもらっては困るが校舎奪還は手段であって目的ではない。万が一先発隊が全滅した時、
    誰が不二咲を守る? お前は防衛の要だ。この四階から動かす訳にはいかない」

霧切「そうね。大神さんには四階を守ってもらいましょう」

セレス「今は個人の感情で動く時ではありませんわ。罪滅ぼしは終わってからしてくださいな」

大神「そういうことか……それならば、仕方ない。承知した。死んでも我が不二咲を守る」

十神「防衛の要は大神と、あとは秘密道具を持つドラえもんだ。この二人は絶対に四階から動くな」

十神「霧切、お前が四階の指揮を取ってくれ。不二咲を含めたこの四人が四階組だ。
    残りは有志で先発隊に回って欲しい。志願者はいるか?」

大和田「……俺が行く。大神がいねえなら俺が行くしかねえだろ」

石丸「僕も行くぞ!」

のび太「ぼくも!」

苗木「のび太くん?!」

舞園「ダメです! 危険ですよ!」

石丸「そうだ! 子供がこんなことをしてはいけない!」

のび太「大丈夫だよ。ぼくの銃のうで見たでしょ? 今は一人でも多く行かなきゃダメなんだ!」

セレス「確かに、慣れているというだけあってわたくし達よりは戦力になりそうですが……」

613 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/12/22(土) 16:32:19.87 ID:lOOf91gb0

桑田「マジか……ああ、クソッ! わかったよ。俺も行く!
    のび太が行くのに俺が行かねーワケにいかねえだろ!!」

苗木「僕も行くよ。どのくらい役に立てるかわからないけど……」

十神「俺も入れたら六人か。もう何人か欲しい所だな。おい、葉隠」

葉隠「ヒィィッ! なんでそこで俺なんだ?!」

十神「山田は体が大きいから敵のいい的だ。女子に行かせる訳にもいかんし、お前が来い」

葉隠「い、嫌だべ! 死んでも行きたくねえ!」

大和田「お前なぁ、世界の命運がかかってるんだぞ?! 嫌とか言ってる場合か!」

葉隠「世界が助かったって自分が死んじまったら意味ねえじゃねえか!
    俺は英雄になって死ぬよりクズでも長生きする方がいい!」

ドラえもん「なに言ってるんだ!」

朝日奈「あんた……! この土壇場でなにみっともないこと言ってんのよ!」

葉隠「うるせえ! 自分は安全圏にいるくせによ! 大体なんで男だからって行かなきゃならねえんだ!」

石丸「では女子に行かせる気か?!」

大和田「それでも男か! 男のくせに情けねえ!」

葉隠「命がかかってんのに男とか女とか関係あるかって!」

石丸「か弱い女子を男子が守るのは当然のことだろう!」

葉隠「オーガのどこがか弱いんだべ! 不二咲っちみたいに弱い男だっているしな!」

桑田「大神は例外にしても、他の女子よりはおめーの方が力あるだろーがよ!」


「力は関係ないよ」

614 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/12/22(土) 16:36:32.78 ID:lOOf91gb0

葉隠「あ?」


視線の先にいたのは不二咲だった。一心不乱に指を動かしモニターから目を離さない。


不二咲「僕は、多分この中で一番弱い。小学生ののび太くんに勝てるか勝てないかくらい」

不二咲「でも、女子だけでなくみんなを……みんなを守りたいって気持ちはいつもあるんだ!
     今回はここから動けないから仕方ないけど、本当は僕も一緒に行きたい」

葉隠「…………」

不二咲「僕は力は弱いけど、でも、自分に出来るやり方でみんなを守ろうと思う。
     だって、僕は男だから! みんなを守るんだ!!」

大和田「よく言った、不二咲! お前は漢だ!」

石丸「ウム、なんと男らしい発言だ。それに引き換え……」

葉隠「うるせえ……結局、不二咲っちだって前線に行くワケじゃねえし……」

朝日奈「私が行く」

のび太「お姉さん?!」

大神「朝日奈?!」

朝日奈「葉隠の言う通り、女だからって守られてばっかりってワケにはいかないしね。こいつみたいな
     情けない男よりは、運動神経のいい私が行った方がまだ足手まといにならないと思うし」

舞園「私も行きます」

苗木「舞園さんまで?!」

舞園「反射神経には自信がありますし、今は少しでも数が多い方がいいですよね?」

十神「やむを得ん。二人にも来てもらう」

615 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/12/22(土) 16:38:39.03 ID:lOOf91gb0

腐川「あ、あたしも……!」

霧切「腐川さん?」

腐川「あたしが行っても足手まといだろうけど、ジェノサイダーならきっと白夜様の役に
    立てるはず……あいつに頼るのは嫌だけど、今はそんな場合じゃないし」

のび太「腐川お姉さん……」

腐川「次に入れ替わった時、全部解決させてないと容赦しないわよ! だから……クシュン!」


髪の先で鼻をくすぐり、腐川はくしゃみをしてジェノサイダーを呼び出した。


ジェノ「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン! 意外と気が利く殺人鬼でーす。
     ん? ここどこだ? 今はなにやってんの?」

十神「時間がないから手短に話す。もうすぐ世界に核ミサイルが降ってくる。それを防ぐために不二咲が
    プログラムを解除中だが、このメインコンピューターを狙ってモノクマ達が攻撃してきている」

ジェノ「ハハーン。つまりそのモノクマ共を蹴散らせってことね」

石丸「まずはモノクマ側の補給を絶つために正面玄関を閉じなければならないのだ!」

ジェノ「了解! あたしに任せてちょーだいなっ!」

十神「戦力的にはまだ不安が残るが時間を無駄にする訳にはいかない。このメンバーで行くぞ!」

セレス「後のことは任せてくださいまし。この大本営だけは何がなんでも死守してみせますわ」

十神「ドラえもん、どこでもドアを」

ドラえもん「わかった。気をつけて」


ドラえもんがどこでもドアを玄関ホールに繋げる。

616 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/12/22(土) 16:40:53.04 ID:lOOf91gb0

十神「……行くぞ」


ガチャッ。

ドアを開いた。だが――



「クマー!」「クマー!」「クマー!」「クマー!」「クマー!」「クマー!」「クマー!」「クマー!」

「クマー!」「クマー!」「クマー!」「クマー!」「クマー!」「クマー!」「クマー!」「クマー!」

「クマー!」「クマー!」「クマー!」「クマー!」「クマー!」「クマー!」「クマー!」「クマー!」

「クマー!」「クマー!」「クマー!」「クマー!」「クマー!」「クマー!」「クマー!」「クマー!」

「クマー!」「クマー!」「クマー!」「クマー!」「クマー!」「クマー!」「クマー!」「クマー!」

「クマー!」「クマー!」「クマー!」「クマー!」「クマー!」「クマー!」「クマー!」「クマー!」

「クマー!」「クマー!」「クマー!」「クマー!」「クマー!」「クマー!」「クマー!」「クマー!」

「クマー!」「クマー!」「クマー!」「クマー!」「クマー!」「クマー!」「クマー!」「クマー!」

「クマー!」「クマー!」「クマー!」「クマー!」「クマー!」「クマー!」「クマー!」「クマー!」

「クマー!」「クマー!」「クマー!」「クマー!」「クマー!」「クマー!」「クマー!」「クマー!」



十神「ぬおおおあっ?!」

苗木「うわあああああああっ!」


バターン!

視界の端から端までビッシリ埋まっているモノクマに驚き思わずドアを閉める。

617 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/12/22(土) 16:44:56.07 ID:lOOf91gb0

のび太「ム、ムリだよ! ここに飛び込むなんて!」

桑田「ていうかなんだありゃ?! 普通のモノクマじゃなかったぞ! 
    武装してたりデカかったり、あとバケモノみたいなヤツがいた!」

十神「クッ! 時間がないというのに!」

霧切「モノクマはメインコンピューターを狙って校舎側に来ているはず!
    寄宿舎に繋げてそこから奇襲すれば……」

ジェノ「あー、ムリだね。なんせあの数よ? このメンバーじゃちょっと厳しいわ……」

大神「やはり我が……!」

葉隠「ムリなんじゃねえか! 偉そうなこと言ったってやっぱりムリじゃねえか!
    大体一万体だぞ?! 2時間どころか一週間あっても倒すなんてムリだべ!」

朝日奈「今はそんなこと言ってる場合じゃないでしょ?!」

不二咲「僕がプログラムで玄関を閉めれば……」

十神「そんな余裕はない! お前はミサイルを止めることだけ考えろ!」

山田「役に立つかわかりませんが……僕も先発隊に回って戦力を増やしますか……?」

セレス「しかし、校舎内にはまだたくさんモノクマが残っていますわ!
     いつバリケードが破壊されるか……」

ジェノ「あれ? これ詰みじゃね?」

葉隠「みんな死ぬんだ……もう助からねえんだ……!」

苗木「諦めちゃダメだ! まだきっと何かあるはずだよ!」

618 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/12/22(土) 16:48:12.34 ID:lOOf91gb0

のび太「そうだよ! なにもしないでやられるだけなんてイヤだ!」

葉隠「じゃあどうすんだ?! 苗木っちって結局いつも口だけじゃねえか!!」

苗木「そうかもしれないけどッ! でも! 僕は君みたいに諦めたくないッ!!
    だからみんなで考えるんだ! 一人なら無理でもみんなで考えたらきっといい案が!!」

葉隠「ないから困ってるんだべ!!」

石丸「喧嘩してる場合ではないぞ!!」

大和田「葉隠黙れッ!」

のび太「ドラえもんッ!」

ドラえもん「あーでもないこーでもない!」


ドラえもんがポケットの中からあれこれ道具を出すが、例によってガラクタばかり……
混乱はますます広がって収拾がつかなくなる。


葉隠「嫌だああああ死にたくないいいいいいい!」

山田「もう、終わりなんですか?! ここまで来てそんなのイヤだあああ!!」

朝日奈「どうしよう?! どうすればいいの?!」

石丸「誰か、指示をくれ!」

十神「ええい、突っ込むぞ! それしかない!」

桑田「マジで言ってんのか?!」

大神「死んでしまうぞ!!」

苗木「行こう! 僕は行く!!」

619 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/12/22(土) 16:51:00.30 ID:lOOf91gb0

舞園「苗木君……!」

霧切「本当にあなたはそれでもいいのね?」

苗木「たとえ死ぬことになったとしても、諦めたくない! 立ち止まりたくない!!」


キラッ……


苗木「最期の瞬間まで僕は、僕達は前に進むんだッ!!!」

石丸「苗木君の言う通りだ!」

大和田「たとえ死んでも守ってやる!」

朝日奈「わ、私も逃げない!」

桑田「あー、クソッ! もうヤケだ! 諦めてたまるかよ!」

ジェノ「これが萌えじゃなくて燃えなのね?! いいわ! やってやるわよん!」

のび太「みんな、行こうよ!」

舞園「はい!」

十神「もう策はないんだ! 特攻するぞ!」


その時――


ドラえもん「な、なんだ?!」

のび太「えっ?」


彼らの勇気と希望に反応したのか、“それ“は光を放ったのだ――。


620 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/12/22(土) 17:07:33.08 ID:lOOf91gb0

ここまで。

621 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/23(日) 07:23:36.12 ID:9aybEKnMO
投下乙です。

葉隠まじ屑すぎww…でもよくよく考えたら葉隠の反応が一番普通なんだよなぁ…屑だけどww
622 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/23(日) 07:34:01.56 ID:DbevlTNJo
お前らの大多数は葉隠と同じこと言う
623 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/12/23(日) 23:45:08.58 ID:HUE3isp/0
バリヤーポイントとか使えよと思う
624 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/12/23(日) 23:47:35.59 ID:HUE3isp/0
痛みはね返りミラーでもいいぞP
625 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/23(日) 23:51:04.79 ID:EHDPNDMHo
その手のこと言い出したら大長編全部成り立たなくなるやろ
ドラはあくまで子守りロボットだし元々落ちこぼれ設定あるし
626 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/24(月) 01:19:58.99 ID:tS/CokuK0
在りし日の藤子Fは大長編やるとタイムマシン、どこでもドア、もしもボックスは封印してくる
場合によっては4次元ポケットそのものを封じる視聴者がこうすればいいのにと思う秘密道具はだいたい封じておくんだよな
627 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/24(月) 02:30:12.02 ID:G/V5WD78o
でもソノウソホントさえあればどうにでもなってしまうという
結局四次元ポケットごと封じるしかないんだよね。とにかく道具がチート過ぎる
628 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/24(月) 02:31:56.02 ID:cqEVzd9xO
もしもボックスの封印を解禁した場合、某大長編のような結末を迎えるだね。
629 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/05(土) 20:06:55.09 ID:4YFcMVgq0
まあ慌てるとどこでもドアの存在すら忘れるような子だし[たぬき]
それに数百種類ありそうなひみつ道具を忘れずに覚えるのは難しい
630 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/01/05(土) 20:07:27.63 ID:4YFcMVgq0
まあ慌てるとどこでもドアの存在すら忘れるような子だしドラえもん
631 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/11(金) 00:42:35.34 ID:kgYmDTg60
無敵砲台でもいい
632 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/01/21(月) 02:22:39.47 ID:6RCAVTre0


  第26話 よみがえる友情パワー!!!


ピカアアアアアアアアアアアアアッ!


「?!」

舞園「苗木君?!」

山田「な、苗木誠殿から後光が差してるー?!」

ジェノ「やっべーわ。まこちんの溢れる主人公力で光が見えるわ……」

十神「そんな非科学的なことがあるか! 説明しろ、苗木!」

苗木「僕に言われても……?!」

朝日奈「なんなの?! どういうこと?!」

セレス「もしや背中に何かついているのでは……?!」

ドラえもん「あっ! もしかして、さっきのチビモノクマじゃないか?!」

のび太「たいへん! ばくはつしちゃう!」

苗木「え?! えぇっ?! と、取って今すぐ!」


苗木は背中を向けるが、そこには何も付いていない。


石丸「苗木君のお尻が光っているぞ!」

苗木「お、お尻?! どういうこと?!」

霧切「違うわ! 今すぐポケットの物を出しなさい!」

633 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/01/21(月) 02:26:34.57 ID:6RCAVTre0


ゴソゴソ!


苗木「これは、さっき拾った……」


苗木がズボンのポケットから取り出したものに、ドラえもんとのび太は見覚えがあった。

そう、それは過去に何度も彼等の危機を救ってくれたお馴染みの道具。


その名は――


ドラえもん「まさか!」

のび太「もしかして!」

ドラえもん・のび太「親友テレカだ!!」



ピッカアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッッ!!



親友テレカから一筋の強烈な光が放たれる!

部屋が狭いため開けっ放しになっていた情報処理室の入口を抜けると、
そのまま光は廊下に空いた穴から空へ飛び出す。

――そして、光は六つに別れて空の彼方へ飛び立った。


十神「なんだ、今のは?!」

霧切「親友テレカ?」

634 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/01/21(月) 02:28:41.14 ID:6RCAVTre0

山田「未来にまだテレカがあったとは……」

のび太「違うよ! テレホンカードじゃなくてテレパシーカードのことなんだ!」

ドラえもん「きっと、苗木君の強い希望に反応したんだね」

のび太「それだけじゃないよ。だって、彼らはいつだって
     ドラえもんのピンチに駆け付けてきてくれたじゃない!」

ドラえもん「うん、うん、そうだね!」

大和田「さっぱりわからねえんだが……」

舞園「あの、彼等って……?」

ドラえもん「このカードはとある惑星の古代神殿でぼくたちが昔手に入れた物で、
       不滅の友情を誓った仲間達にしか使いこなせないんだ」

石丸「仲間……つまり彼等とは……」

のび太「そう、ドラえもんのロボット学校時代の同級生で大親友――」


「――ドラえもんズ」


六つに別れた光は光速で宙を飛び、次元を超え時間を超え宇宙の彼方まで突き進んだ!


  ― 惑星ウエスタン ―


白馬ロボのエドに乗ってパトロールをしていたドラ・ザ・キッドに光が直撃し、その勢いで転げ落ちる。


キッド「な、なんだ?! 敵襲か?!」

エド「あんさん、カードカード! 光ってるで!」

635 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/01/21(月) 02:32:03.18 ID:6RCAVTre0


キッド「これは……!」


キッドは衝撃で地面に落とした親友テレカを拾い上げる。テレカは激しく輝いていた。
カードの表面には彼等ドラえもんズメンバー七人のイラストが描かれているが、
その中心……ドラえもんのイラストが特にチカッチカッと光っている。


キッド「ドラえもんがピンチなんだな……今助けに行くぜ! 行くぞ、エド!」

エド「全速前進や!」


  ― スペイン ドラセロナ ―


焼肉カルミンでアルバイトをしているエルマタドーラは皿洗いをしていた。

ビカッ!


マタドーラ「うおっ」ガシャーン!

カルミン「どうしたの?!」

マタドーラ「緊急召集だ。ドラえもんがピンチみたいだな」

カルミン「行っていいわ。片付けは私がやっておくから!」

マタドーラ「すまねえな! 行ってくるぜ!」

636 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/01/21(月) 02:34:31.93 ID:6RCAVTre0


  ― 中国 五老峰 ―


王ドラ「この盧山の大瀑布を逆流させることが出来ればわたしも盧山昇龍波が……!」ドキドキ


ビカッ!


王ドラ「わっ」コテン

王ドラ「……これはまさか! 急がなければ!」


  ― シベリア ―


ドラニコフ「…………」←犬ぞりに乗っている


ビカッ!


ドラニコフ「……!」

ドラニコフ「ガウガウ!」


  ― サウジアラビア 砂漠 ―


ドラメッド「ドラメーディア・タロットーリア・ウラナイーノ!」


ドラメッド三世はタロットカードを使って占いをしていた。

637 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/01/21(月) 02:40:26.76 ID:6RCAVTre0


ドラメッド「ウーム。何度やってもこのタワーが出るであーる。何かが崩壊する兆しか。
       誰にも悪いことが起こらなければ良いのだが……」


ビカッ!


ドラメッド「ぬわっ。そう言ってたらいきなりカードが! やはりピンチの前触れであったか!」

ドラメッド「ドラえもーん! 今助けに行くであーる! マハラージャ!」


呪文を唱えると魔法の絨毯が現れる。ドラメッドはそれに乗ると一目散に飛び立った。


  ― ブラジル ―


ドラリーニョは相方のミニドライレブン達とサッカーをして遊んでいる。


ドラリーニョ「GO! GO! シュート! ヤッター!」


ビカッ! スッテンコロリン。


ドラリーニョ「わわっ! いきなりなに〜?」

ミニドラ「ドララー!」


転んだ表紙に落としたカードをミニドラが指し示す。

638 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/01/21(月) 02:44:29.31 ID:6RCAVTre0

ドラリーニョ「え? テレカが光ってる? なんで?」

ミニドラ「ドラ、ドララー!」

ドラリーニョ「ドラえもんがピンチなの?! 大変だ〜! 今助けに行くからね〜!!」


               ◇     ◇     ◇


場面は再び希望ヶ峰学園に戻る。
ふと、廊下にいた桑田が壁に空いた穴の外を見て叫んだ。


桑田「見ろ! あそこ! なんかこっちに向かって来てるぞ!」

苗木「え? 見えないけど」

大神「我には見える。あれは……翼を生やした白い馬だな」

朝日奈「誰か乗ってる。もしかして、白馬の王子様?!」

苗木「あ、本当だ。見えてきた!」

セレス「わたくし達を助けに来てくれたのでしょうか……」

山田「そんなまさか……」


ビューン!


大和田「おいおい、突っ込む気か?!」

石丸「みんな、下がれ!」

「うわー!」

639 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/01/21(月) 02:48:06.16 ID:6RCAVTre0


ズシャアアアッ!


「どうやらオレが一番乗りみたいだな」


ヒラッ、スタ!


ドラえもん「キッドー!」

キッド「ドラ・ザ・キッド参上! よ、久しぶりだぜドラえもん!」

ジェノ「ギャハハハ! なんかドラえもんの色違い来た!」

苗木「耳がある。本当に猫型ロボットだったんだ……」

霧切「また来たわ!」

ドラメッド「ドラえもん! 助けに来たであーる!」

のび太「ドラメッド三世!」

山田「外を見てください! 何かがモノクマの海を掻き分けて走って来ますよ!」


ダダダダダダダダダダダダダダダダ!


舞園「壁を走って登ってます?!」


ピョーン! クルクルクルスタッ!


ドラリーニョ「ドラえもーん!」

ドラえもん「ドラリーニョ! 来てくれたんだね!」

640 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/01/21(月) 02:50:25.33 ID:6RCAVTre0

葉隠「ま、また何か走って来たべ?!」

マタドーラ「オレが先だ!」

王ドラ「わたしが先です!」


大ジャンプの末二人が同時に飛び込む。


ドラえもん「王ドラ!」

のび太「エルマタドーラ!」

マタドーラ「ヘッ、主役は遅れてやってくるってな!」

王ドラ「あなたのどこが主役ですか!」


ドガッシャーン!


ジェノ「あ、やべ。ホコリが……グシュッ!」

腐川「……お、終わった? って、なによこいつら?! な、なんなの?!」

朝日奈「ドラえもんの友達だって!」

腐川「ハァ?!」

マタドーラ「到着、と。ん? おおー! これはこれはお美しいセニョリータ方! わたくしスペインは
       ドラセロナから来た花形闘牛士エルマタドーラと申します。お見知りおきを……」

王ドラ「わー! お、女の人がいっぱい! ぼく、ぼく、女の人は苦手なんです〜」クネクネ

苗木「ず、随分個性的な友達だね」

キッド「……ドラニコフがまだ来てないな」

641 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/01/21(月) 02:54:53.00 ID:6RCAVTre0


そこにどこでもドアが現れた。

ガチャッ。


ドラニコフ「ワウワウ!」

ドラえもん「ドラニコフ! これで全員揃ったね! 来てくれて嬉しいよ!!」

ドラメッド「一体何があったのであるか? タロットを見ていたら
       このカードばかり出るので心配していたのであーる」


プロの占い師である葉隠がドラメッドのカードを見て顔をしかめる。


葉隠「タワーか……当たってんな」

ドラえもん「実は、かくかく!」

のび太「しかじかなんだよ!」


ドラえもんズ『な、なんだってー?!』


キッド「一大事じゃねえか!」

ドラリーニョ「た、大変だー!」

王ドラ「つまり、一刻も早く玄関を塞がなければいけない。そういうことですね?」

マタドーラ「燃えるじゃねえか! よし、お前ら! オレ様たちも手を貸すぜ!」

苗木「い、いいの? だって、君達は関係ないんじゃ……」

キッド「関係ないだって? おいおい、冗談きついぜ!」

ドラメッド「我等ドラえもんズは不滅の友情を誓い合った仲間達」

ドラリーニョ「友達が困ってたら助けるのは当たり前だよ〜!」

642 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/01/21(月) 02:59:56.69 ID:6RCAVTre0

マタドーラ「友達の友達はまた友達ってな。アミーゴ!」

ドラニコフ「ガウ! ガウガウ!」

王ドラ「それに、友達云々がなくても困っている人を見捨てるなんてわたしには出来ません!」

マタドーラ「セニョリータを悲しませるようなヤツはオレが許さねえ!」

王ドラ「早速作戦会議と行きましょう!」

十神「一階はもうモノクマで一杯だ。必然的に特攻する形となる。
    だが、特攻しても玄関まで辿り着けるかどうか……」

マタドーラ「バカ言ってんじゃねえぜ。オレ達は無敵のドラえもんズだぜ?」

王ドラ「リーダーさんがやったようにこちらも戦力を分散しましょう」

キッド「オレは先発隊と一緒に行く」

マタドーラ「オレも行くぜ。ジッとしてるのは性に合わねえ」

ドラニコフ「ガウ!」←ぼくも行くと言っている

王ドラ「わたしも行きましょう。ドラメッドとドラリーニョはドラえもんと共に四階をお願いします」

ドラリーニョ「わかった〜! ここを守ればいいんだね!」

ドラメッド「守りは任せるであーる!」

十神「よし! 一気に四人増えたな。人数的にはギリギリか」

朝日奈「じゃあ今度こそ行ってくるね。……必ず帰ってくるよ、さくらちゃん」

大神「朝日奈……」


武器を持ったメンバーを見てキッドが止める。

643 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/01/21(月) 03:02:43.09 ID:6RCAVTre0

キッド「ちょっと待った。まさかと思うが、女を行かせるつもりじゃないだろうな?」

大和田「俺達だって本当は行かせたくねえ……ただ、戦力がな」

ドラリーニョ「ええ〜、危ないよ!」

ドラメッド「危険であーる!」

キッド「全く、なんのためにはるばるオレ様達がやって来たっていうんだよ!」

マタドーラ「甘く見て貰っちゃ困るぜ?」

王ドラ「わたし達だけで彼女達十人分以上の戦力はあります! 連れて行くのはやめてください!」

ドラニコフ「ワウワウ、ガウ!」

ドラえもん「大勢で行っても廊下はそこまで広くないし、かえって危ないって言ってるよ」

十神「確かに人数が多いとフレンドリーファイアの可能性はあるが……」

のび太「ドラえもんズはそれぞれみんな特技があってすごく強いんだ! 信じて!」

ドラえもん「キッドは早撃ちの達人だし、王ドラはカンフーマスター、マタドーラは
       怪力の闘牛士、ドラニコフは丸い物を見ると狼に変身するんだ!」

山田「狼? 猫型ロボットじゃ……」

のび太「こまかいことは言いっこなしだよ!」

十神「フム、期待出来そうだな。……わかった。朝日奈と舞園は残れ。それでいいな?」

ドラメッド「それならいいであーる」

ドラリーニョ「よかった〜」

舞園「あ……」ヘナヘナ

苗木「舞園さん?!」

644 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/01/21(月) 03:05:48.98 ID:6RCAVTre0

舞園「ごめんなさい。ちょっと気が抜けてしまって。まだ何も終わっていないのに……」

大神「カンフーの達人なのか。これが終わったら是非手合わせ願いたいものだ」

王ドラ「喜んで!」

マタドーラ「おお、麗しいマドモアゼル。全て終わった暁には、
       是非私と一緒に情熱的なフラメンコでも……ベイビー」

セレス「それは構いませんが、あなたその体格で踊れるんですの?」

キッド「ナンパしてる場合じゃないぞ!」

エド「皆はん、もう時間がないんやで!」

のび太「ドラえもん!」

ドラえもん「じゃあ行くよ。念のために寄宿舎のホールに繋げるね。どこでもドア〜!」

石丸「突っ込め!!」


「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!」


ダダダダダダダダ!


ドラリーニョ「いってらっしゃ〜い! 気をつけて〜!」

不二咲「……みんな、無事に帰ってきてね」カタカタカタ…

645 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/01/21(月) 03:07:24.59 ID:6RCAVTre0


               ◇     ◇     ◇


十神「くっ、先程よりはマシだが多いな」

王ドラ「ホアチョー! ハチョッハチョッ! アター!」

マタドーラ「ヒラリ、ヒラリ!」

ドラニコフ「…………」←自分の丸い手を見る

ドラニコフ「……グガアアア!」

キッド「ドカーン! ドカーン!」

桑田「すげえ、あいつら……」

苗木「……僕達、いらないんじゃないかな」

石丸「僕らも負けてられない! 行くぞっ!」

大和田「オラアアアア!」

のび太「行けー!」


モノクマを蹴散らしながら廊下を突き進み、あっという間に玄関ホールの前に到着した。


十神「クッ、見渡す限りのモノクマだ……」

ドラニコフ「ガウウ!」

王ドラ「皆さん! ドラニコフに策があるようです。ここは彼に任せてください!」


両手にタバスコを持ったドラニコフがずいと前に出る。

646 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/01/21(月) 03:09:56.47 ID:6RCAVTre0

桑田「タバスコ? んなもんなにに……」

ドラニコフ「ガフッガフッ! ゲフッ!」ゴクゴクゴク!

苗木「の、飲んでる?!」

のび太「みんな、さがって!」

ドラニコフ「ガルルルルル……」


顔が真っ赤になり頭から湯気を出すドラニコフ。


ドラニコフ「グオオオオオオオオオオオオ!!」


次の瞬間、口から炎を吐き出した!


桑田「火炎放射ああああ?!」

大和田「なんだそりゃあああ?!」

十神「……もはやなんでもありだな」

苗木「本当に強いね、みんな……」

石丸「見たまえ! 活路が開けたぞ!」


ドラニコフの猛攻により、みっちりモノクマが詰まっていた玄関ホールの中心部に空間が出来る。

647 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/01/21(月) 03:14:49.18 ID:6RCAVTre0

キッド「このまま一気に押し出すぜ!」

王ドラ「その間にリーダーさん、扉をお願いします!」

マタドーラ「後ろは頼んだぞ!」

石丸「任された!!」

大和田「うおりゃあああ!!」

十神「よし! スイッチを押す!」


十神が脱出スイッチを押し、扉が閉まり始める。何とか中に入ろうと突っ込んで来た
ボールモノクマやビーストモノクマを王ドラとマタドーラが弾き返し、キッドが援護する。
その周りで円陣を組むように陣取り、大和田達が残ったモノクマを倒していく。

プシュー。


苗木「やった。閉まったぞ!」

桑田「ハア、まったくヒヤヒヤしたぜ……」

十神「気を抜くな! 校舎内にはまだモノクマが残っている。四階に向かいながら殲滅するぞ!」

「了解!!」

648 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/01/21(月) 03:18:08.58 ID:6RCAVTre0

ここまで。

このSSを一年連載していたことに気付いて戦慄している。
649 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/21(月) 03:30:51.52 ID:KTcwIwmfo
長期連載おつ
650 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/21(月) 17:02:28.48 ID:3PSEQd770
[たぬき]ズとは懐かしいな
651 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/21(月) 17:03:28.24 ID:3PSEQd770
ドラえもんズとは懐かしいな、もう一年やってたのか
652 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/19(火) 19:58:21.22 ID:DfsEFonW0
653 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/02/28(木) 00:05:45.21 ID:uNeTXwXQ0


  第27話 希望ヶ峰学園のひかりとかげ


カムクラ「……玄関が閉じられたようですね」

腐川「な、なんでわかるのよ……!」

カムクラ「振動で」

「…………」

ドラメッド「そういえば彼だけ縛られているが、何者なのであるか?」

ドラえもん「敵の仲間だよ。……でもぼくもよくわからないんだ。突然現れていきなり投降したし」

ドラメッド「フム。一つ占ってみよう。ドラメーディア・タロット―リア・ウラナイーノ!」


パシッ。


ドラメッド「皇帝のカード……ム、裏に“愚者”のカードがくっついているであーる。
       こんなことは初めてなのである。これが意味することとは一体……」

霧切「皇帝と愚者。正反対のカードね」

カムクラ「興味深いですね。あなたはロボットなのに魔法が使えるのですか?」

ドラメッド「そうである。昔中世の大魔法使いの元で修行したぞよ」

朝日奈「すごーい! 修行したら私も魔法使いになれるかな?!」

セレス「彼はロボットで我々と常識が違いますから当てにしない方がよろしいかと……」

ドラリーニョ「ねえねえ、グシャってなに?」

カムクラ「愚か者という意味です」

ドラリーニョ「ふ〜ん。オロカって?」

大神「バカ者ということだ」

654 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/02/28(木) 00:08:49.30 ID:uNeTXwXQ0

ドラリーニョ「じゃあ勉強苦手なんだ〜。大丈夫、ボクも苦手だから! でもサッカーは得意なんだ!」

朝日奈「あはは、かわいい〜! 私は本業は水泳部だけど、サッカー部にも入ってるんだよ!」

ドラリーニョ「そうなの? じゃあこれが終わったらみんなでサッカーしようよ! 人数もちょうどいいし」

朝日奈「うん、やろうやろう! えっと、私は朝日奈葵。名前は?」

ドラリーニョ「ボク、ドラリーニョ! アオイちゃんだね! ボクちょっと
        忘れっぽいから、忘れないようにしないと」

朝日奈「あ、私も忘れっぽいんだー! 気が合うね!」

舞園「ふふ」

大神「……フッ」


話しているうちに、校内のモノクマを壊滅させた先発隊が戻ってきた。


ドラえもん「のび太くーん!」

のび太「ただいま!」

エド「あんさん、おかえり!」

キッド「戻ったぜ!」

舞園「皆さん、良かった!」

十神「やっと一段落ついたな……」

苗木「あとは不二咲君に任せるしかないね」

桑田「あー、疲れた」

655 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/02/28(木) 00:11:04.29 ID:uNeTXwXQ0

マタドーラ「一仕事すると眠くなるな。ちょいと失礼。シエスタシエスタ、と」スカ-

霧切「見た目からスペイン出身に見えるけど、この状況でもシエスタはするのね」

キッド「マタドーラはマイペースだからな。……あー腹減った。ドラえもん、
     グルメテーブルかけ貸してくれよ」

ドラえもん「はい。どうぞ」

キッド「山盛りのハンバーガーにポテトを頼む!」


ドーン。


朝日奈「すごーい!」

石丸「か、科学とはなんだ……?」

キッド「ヒュー、上手そう。いっただっきまーす! ハムハムハム!」

大和田「よく飯なんて食ってられるな……」

桑田「あー、でもいい匂いだ。俺ももーらいっと」

朝日奈「私も貰っちゃおうかな」

山田「流石の僕ですら今はそんな気分ではないというのに……」

苗木「僕からしたらみんな十分マイペースだと思うよ……」

十神「まだ解決してないのによく呑気にしていられるな。俺はやるべきことをする」

のび太「やるべきことって?」

十神「カムクライズルとか言ったな。貴様の持っている情報を全て吐いてもらうぞ」

ドラリーニョ「ボク、カムクラのことちょっと知ってるよ!」

石丸「知り合いなのか?!」

656 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/02/28(木) 00:14:01.44 ID:uNeTXwXQ0

腐川「そんな訳ないでしょ!」

ドラリーニョ「カムクラはね、ボクと一緒で勉強が苦手なんだって!」

十神「……は?」

舞園「あの、実はさっき占いで……」


先程のやりとりを説明する。


王ドラ「皇帝と愚者のカードですか。相反する二つのカード……」

のび太「王ドラ、なにかわかる?」

王ドラ「流石の私もこの世界のことはまだ何も知りませんからね。ちょっとわからないです」

霧切「……ねえ、前にあなたは自分を作られた存在と言っていたけど、それはどういう意味?」

カムクラ「言葉のままですよ。希望ヶ峰学園は才能こそ人類の希望と崇め、
      才能ある生徒を集めてはその才能を研究していた。その研究成果が僕です」

カムクラ「希望ヶ峰の研究者達からは全ての才能を持つ存在、即ち“超高校級の希望”と呼ばれました」

ドラリーニョ「ちょーこーこーきゅう?」

セレス「高校生でありながら既にその道のプロになっている者をそう呼称するのです」

ドラメッド「要は凄い優秀な高校生のことぞよ」

王ドラ「ここが希望ヶ峰学園で、あなた方はその生徒ということでいいんですね?」

ドラリーニョ「じゃあここにいる人達はみんな天才なんだ。すごーい」

石丸「みんながみんな天才ではない! 僕のように努力で登り詰めた者や、抽選で
    選ばれた苗木君のような人間もいる……だが基本的にはそういう理解で構わない」

王ドラ「話を戻します。あなたは作られた存在。つまり人造人間ということですか?」

657 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/02/28(木) 00:24:58.08 ID:uNeTXwXQ0

カムクラ「一から作った訳ではありませんよ。ある人間を実験体にして脳や肉体を改造したのです。
      その結果、元の人格は消え僕が生まれた。つまり、体は元々あるのです」

十神「それが日向創とかいう人間か。そいつはどうやって調達して来たんだ?」

カムクラ「あなた方本科の人間は知らないかもしれませんが、
      希望ヶ峰学園には予備学科というものがあります」

桑田「予備学科? なんだそりゃ?」モグモグ

大和田「聞いたことねーぞ?」

霧切「数年前に出来たばかりの新設の学科よ」

不二咲「新聞やニュースで一時期よく取り上げられていたね」

腐川「新聞を読まないから知らないんでしょ」

朝日奈「ご、ごめん。あんまり興味なくて……」

舞園「その予備学科って一体なんですか?」

カムクラ「希望ヶ峰は度重なる研究で常に資金が不足していました。そのため、スカウト制でのみ生徒を
      入学させるという制度を取りやめ、一般に門戸を解放したのですよ。それが予備学科です」

石丸「普通に試験で入れるということだろう? 日頃の努力が評価される、良い制度に思えるぞ。
    僕もスカウトを受ける前は受けようかと思っていたが、入学金が高くてな……」

カムクラ「実態は真逆です。要は予備学科で入学する人間はあなた方本科の生徒と違い才能も実績もない
      単なる凡人。彼等は本科と徹底的に区別され、同じ敷地で学ぶことすら出来ませんでした」

のび太「ええっ?! せっかく希望ヶ峰学園に入ったのにいっしょに授業うけられないの?!」

カムクラ「また本科の生徒が学費免除なのに対し、予備学科は通常の高校よりもずっと高い
      入学金や学費を求められる。授業も設備も他の高校と何一つ変わらないのにです」

大和田「詐欺じゃねえか!」

658 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/02/28(木) 00:28:44.46 ID:uNeTXwXQ0

セレス「天下の希望ヶ峰も堕ちたものですわね」

葉隠「…………」←人のことを言えないので黙っている

カムクラ「そう、要は本科の生徒とその研究のための金づる。――それが予備学科なのですよ」

ドラえもん「ひどい話だ。最初は憧れの希望ヶ峰に入れるってみんなワクワクしてたろうに……」

十神「フン、選ばれた人間しか入れない学校に金で入ろうとするからだ。自業自得だな」

苗木「でも、みんな知らなかったの? 設立一年目はともかく、
    二年目からはネットとかで噂になりそうだけど」

カムクラ「それでも構わなかったんですよ。それだけ希望ヶ峰学園卒業者というネームバリューは
      大きいし、形ばかりですが一応本科に編入するシステムも存在しました」

カムクラ「他の凡人共は駄目でも、自分だけは秘めた才能があってそれを見出だしてもらえる。そして
      いつか本科に編入出来る。そんな浅はかな自惚れを持った人間が全国から大勢集まったのです」

キッド「浅はかって……そんな言い方することないだろ!」

王ドラ「夢を持つくらい別にいいじゃないですか!」

カムクラ「そうですね。夢を持つのは自由です。ですが最初から無理な希望を持ったくせに、
      それを裏切られたからと勝手に絶望するのは『愚か』ですよ」

ドラメッド「愚か……何か引っ掛かるワードであるな」

王ドラ「!」

王ドラ「あなたの正体がわかりました! つまり、あなたは予備学科の生徒だったのですね!」

カムクラ「正解です。予備学科の人間は才能を渇望していた。それ故、学園側の人体実験に
      自ら志願する者が後を絶たなかったのですよ。――全ては才能を手にするために」

石丸「何故……諦めてしまったんだ! 努力すれば大概の夢は叶う! 君達は努力すべきだった!」

カムクラ「努力と一言で言いますが、出来ないんですよ。普通の人には」

石丸「何を言うか! 僕は凡人だぞ!」

659 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/02/28(木) 00:35:33.57 ID:uNeTXwXQ0

カムクラ「でもあなたの経歴は普通ではないでしょう、石丸清多夏。総理大臣であり尊敬する祖父の裏切りと
      失脚、それによって生じた天才に対する嫌悪、現在進行形で実家を苦しめる多額の借金――」

『えっ?!』

石丸「…………」


突然暴露された石丸の過去に一同はギョッとした。


カムクラ「真面目なあなたが勉強をサボることはないでしょうが、もしこれらの
      重いきっかけやトラウマがなければ、あなたは今ほど自分を追い詰めましたか?」

カムクラ「せいぜいどの学校にも一人はいるような、平凡な優等生止まりだったのではないですか?」

石丸「そ、それは……」

カムクラ「あなたは、環境がどこまで人格と能力に影響を与えるのか
      研究するためのサンプルとしてスカウトされたのですよ」

石丸「サン、プル……?」

カムクラ「あなたがスカウトされたのはあなたの努力が認められたのではなく、
      あなたの実績と過去の経歴の関係がたまたま研究者達の目に留まっただけです」

カムクラ「全国模試で一位を取る人間など毎年います。別にあなたが特別だったからではない」

石丸「…………」

ドラえもん「そんな! まるで実験動物扱いじゃないか!」

のび太「ひどすぎるよ!」

カムクラ「彼だけではないですよ。本科の人間はみんな研究者達の研究対象に過ぎません。
      ……石丸さんに少し近いパターンでは十神白夜がいますね」

十神「……!! 貴様、知っているのか、我が一族のしきたりを……!」

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