あずき「闇のゲーム大作戦!」忍「学園編!」

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172 : ◆iv1d32We2. [sage saga]:2018/02/25(日) 19:46:53.76 ID:nb06cNBw0
都「ぜぇはぁ……歌とダンスと表情、ですよね」

都「これらの共通点は『芸能人に求められること』です」

柚「おおっ?! 珍しく都チャンが冴えてる!」

あずき「よもや天変地異の前触れ?!」

忍「失礼だよっ。――それで?」

都「つまり!」

穂乃香「つまり……?」ゴクリ

都「……えーと……つまり……」

都「……。白紙に戻して考えてみましょう」

あずき「あぁ、なんだ平常運転か」ホッ

あずき「じゃあ次は子供になって考えるプランでいく?」

都「いいですね、そうしましょう!」

キャイキャイ…

忍「ホント仲いいよね、都ちゃんとあずきちゃん」

穂乃香「かたや企んでかたや解き明かす――相反してるんですけどね」

柚「っていうか、都チャンと仲の悪い人が珍しいんじゃない? 無害な正義の塊みたいな子だし」

穂乃香「ふふっ……そうかも知れません」
173 : ◆iv1d32We2. [sage saga]:2018/02/25(日) 19:56:01.47 ID:nb06cNBw0
光「あっ、おーい!」ノシ

都「おやっ、土曜日なのに制服なんですね。光さんは文化系の部ですからこの時間までやってたとは思えませんし」

光「ふふん、実はね」

都「おっとそこから先はこの探偵・都がズバッと当てて見せましょう」

都「ズバリ、学校近くでこっそり動物を育てているから! 違いますか?」

光「掠ってもないよ」

光「正解は、今日は定期考査の答案返却日だったから!」

都「むむ、やりますね……」

二人『…………』ピリッ…

二人『――っあははははははは!』

光「何今の真剣な空気……っ、平成ライダー?」クスクス

都「黒幕に思いがけず会った時のようでした……っ」クスクス

都「――ふぅ。ところで点数は」

光「む」ムスッ

都「あぁ、解りますよその気持ち。趣味って勉強と必ずしも繋がらないんですよね……」

都「おほん。気を取り直して、答え合わせからいきましょうか」
174 : ◆iv1d32We2. [sage saga]:2018/02/25(日) 20:01:10.56 ID:nb06cNBw0
光「あー、そっか。別にばっさり切んなくてもいいのか」

都「はい。これぞ逆転の発想! 同じ大きさの穴をくり抜いて真ん中の穴に埋めればミッションクリアです!」

光「なかなか姉ちゃんの問題を安定して解けないなぁ」ムー

都「諦めなければきっと手は届きます! 頑張りましょう!」

光「……だな! やれるとかやれないとかじゃなく、やる! 全力で挑む! それがヒーローだ!」

都「ええ、それでこそ私の相棒!」グッ

光「そう、この地球がなくならない限り!」グッ

光「よーしっ、今日も憧れへ向けて特訓だーっ!」

都「おーっ!」

光「じゃあ……よしっ、今日は走り込みからだ!」

都「地道ですが足で稼ぐというのも大事ですからね! やりましょう!」

光「ああ! やっぱヒーローたるもの走らなくちゃ始まらない!」

光「現場へ急行だーっ!」ダッ

都「わっ、そんな急に走ったら――ま、前! 前見て!」

?「あら」

光「うわぁっ?! はー……ご、ごめんなさい……」

都「走り込みはいつもの空き地に着いてからにしましょうか」ニコッ

?「……」ジー
175 : ◆iv1d32We2. [sage saga]:2018/02/25(日) 20:07:19.02 ID:nb06cNBw0
柚「からい……」ポリポリ

あずき「おはよ――って何、その異様な量のフリスク」

忍「おはよー……」シクシク

忍「あのね、これ全部穂乃香ちゃんが持ってきたの」ムグムグ

あずき「全部?!」

穂乃香「クレーンゲームでもけもけを取る過程で手に入れてしまって」

あずき「あの人形どんだけ集めれば気が済むの?!」

あずき「と、取り敢えず泣く程食べるのは止そうよ。お腹ゆるくなると思うよ?」

柚「んー、その言葉、手遅れ」ビシッ

柚「よってあずきチャンにもノルマとしてこれを進呈しよー」ガサッ

あずき「わ、みちみちにフリスクの詰まった袋が出てきた」

忍「それで大体元の1割くらいだから。頑張って」

あずき「えぇー……何日かに分けて食べちゃダメ?」

三人『その手があった!』

あずき「モルダー、あなた疲れてるのよ……」ハァ

穂乃香「し、しかし、こうも言いますよ」

穂乃香「『食べ続けるのは苦しい。でも私達は知っている。食べ切った時の快感を』」

あずき「フリスクから離れろ!」クワッ
176 : ◆iv1d32We2. [sage saga]:2018/02/25(日) 20:13:51.90 ID:nb06cNBw0
都「おや、またもやこの辺りでお困りの声が」ススス

あずき「あー、いいって。今回ばかりは犯人が判ってるから」

都「そうですか……いえ、残念ではないですよ? 平和が一番です!」

あずき「じゃあフリスクお一つどうぞ」スッ

都「へ? あぁフリスクお一つどうも」

都「うーむ、しかしこの様子だと皆さんは違うようですね」ザラッ

柚「『違う』? 何が?」

都「実は――ああ、これは捜査中の案件なので密に、密にですが」ヒョイパク

都「どうやら最近、この学校の生徒の金銭が何者かに奪われているようでして」ポリポリ

忍「えっ、それってフツーに事件じゃん!」

都「しかしどうも妙なんです」

都「まず、先生方へ直接相談した方がいない。私が情報を流したことでつい先日発覚した事件ですから」

都「それから額が一定ではない。いわゆる不良ならいきなり全額奪うことはまずしません」

都「次回会った時に毟れる額が下がりますし、派手にやると通報され易いですからね。だから決まった額で奪う」

都「しかしそれぞれ別の事件として考えると被害者が多過ぎますし」

穂乃香「……」ポリポリ
177 : ◆iv1d32We2. [sage saga]:2018/02/25(日) 20:21:26.30 ID:nb06cNBw0
忍「つまりアタシ達は被害者ではない、容疑者だ、と?」

都「う。まぁ、そうなりますね。お金を使えているんですから」

都「しかし犯人像が絞れない以上は私も含めて全員が容疑者です!」

柚「潔い! よっ、名探偵! ひゅーひゅー!」

都「それはいくら私でも思うところのある言い方ですね……」

忍「口笛吹けないんだ……意外」ボソッ

都「それで、皆さんならどう思いますか?」

あずき「どう、と言われても……」ウーン

穂乃香「……おいし」ポリポリ

柚「んー、ところで都チャンはどうやって事件を知ったの?」

都「日頃の情報収集の賜物です!」バーン

柚「ははぁ、つ・ま・り、盗み聞きかぁ。このこの」ツンツン

都「うぐぐぅ……ま、まぁその通りですけど……」

あずき「え、待って、校内でその話をしている人がいたってこと?」

あずき「だとしたらどうして先生が知らないの? おかしくない?」

四人『あ』

忍「まさか先生が――いや、まさかね……」

都「可能性がゼロではないのがまた何とも言い難いです」
178 : ◆iv1d32We2. [saga]:2018/02/25(日) 20:29:47.59 ID:nb06cNBw0
都「――ということを話しましたね」

光「そっかー……いいな、姉ちゃん。ちゃんと探偵してて」

都「いえいえ。まだ事件も解決出来てない半人前、格好だけのハーフボイルドですよ」

光「むぅ……アタシにはパンチもキックも、武器も敵もないけど……」

光「それでもヒーローとして、夢を与えたい。どうすればいいのかな?」

都「……。格好いいですね、その言葉」

光「ええっ? 今の愚痴が?!」

都「新宿少年探偵団に『パラダイム・シフト』という言葉がよく出ます」

都「水は100度で沸騰する。でも80度で沸騰すると世界中のみんなが思うようになれば、水は80度で沸かせるんです」

都「真摯に憧れを目指して、最後に憧れを掴む。王道じゃないですか」ニコッ

光「姉ちゃん……うんっ、ヒーローが途中でくじけちゃいけないよな!」

都「いい答えです! じゃあ今日の問題いきますよ!」

都「『ある美術館に泥棒が入り、警備員が乱闘の末に殺された。監視カメラの類は全て持ち去られていた』」

都「『しかし警備員の死体近くには柱時計があった。柱時計は傾いて止まり、長短の針がいずれも飛び散っていたが、調べにより内部は正常に動作することが判った』」

都「『ここから犯行時刻を割り出して下さい』! 正解はまた明日発表、では今日は解散!」
179 : ◆iv1d32We2. [sage saga]:2018/02/25(日) 20:38:46.51 ID:nb06cNBw0
都「ふぃー、毎日『謎』を考えるのも大変ですね……しかしこれも探偵修行!」テクテク

テクテク…

都(――ん? あれは……ウチの制服?)

都(……。尾行してみましょうか)テクテク

学生「    も  だった 」

学生「 オッズ   してほしい  バカ 」

都(何やら不満を抱えていそうですね)テクテク

学生「    すればいいのに   って  」

都(むっ、路地に入った――一旦通り過ぎましょう)テクテク

学生「安斎は正解させる気ないんじゃね?」

都(――私の名前?!)テクテク

都「あ、あれは一体……いや、偶然同姓の別人の話を――?」

都(追跡する前に取り敢えずメモ帳を、おや)ゴソ…

都「フリスク……そう言えば入れっ放しでした」

都「音がしますし、追跡は――いや……矢張り行きましょう。置いていけばいいんですから」カチャ

都「ゴム底靴、無音カメラ、メモ帳。よしっ」

都「いざ、都市に潜む闇へ!」テクテク
180 : ◆iv1d32We2. [sage saga]:2018/02/25(日) 20:43:36.28 ID:nb06cNBw0
柚「はいもの悲しい顔!」

忍「も、もの悲しい? えっと……こんな感じ?」

穂乃香「おお……意外な才能ですね」ポリポリ

あずき「ホント。女優とかアイドルでもいけるんじゃない?」

あずき「いっそ次のTV出演からスターダム大作戦やっちゃう?!」

忍「ないない、アタシはそういうの興味ないから」

柚「とか言いながら笑ってないよ? もしや本気で狙ってたり?」

忍「」ギクッ

柚「あ、今『バレた』って顔した」ニヤニヤ

忍「いいでしょ夢見たってぇ!」

穂乃香「可愛い……///」ポリポリ

あずき「……今更そっちにはツッコまないけどさ。フリスクそんなに気に入ったの?」

穂乃香「何だかクセになってしまって」ポリポリ

柚「どこにそんな中毒性が……」チラッ

柚「――あり? 都ちゃん、ほーら謎だよ。ほらほら」

忍「そんな子供をあやすような言い方しなくても」ハァ

忍「ね、都ちゃ――ん……?」

都「……ええ」
181 : ◆iv1d32We2. [sage saga]:2018/02/25(日) 20:53:33.70 ID:nb06cNBw0
忍「どうしたの、何だか元気ないけどさ」

都「こういうことだってありますよ」

穂乃香「ホームズも事件がない時は退屈で放心してますから、探偵も常に気を張ってるワケではない――それは、そうですが」

柚「安楽椅子にでも座ったら復活するんじゃない?」

都「いいえ。探偵・安斎都は暫く休業です」

あずき「え? でも学内で現在進行形の事件があるのに……」

都「どうしてそれを私が解決しなきゃいけないんですか!」キッ

あずき「っ」

都「……私には手に負えないんです。私が――私は……」

都「……。すみません、眠いので寝かせて下さい」

柚「あ、うん……」

都「グスッ…」ガタリ

柚「――アタシ、言い方キツかったかな」ヒソヒソ

穂乃香「時々そう思うことはありますけど、今回飛び抜けて不味かったとは……」

あずき「でも一時的に落ち込んでるって感じでもないよね……」ヒソヒソ

忍「まあまあ、少し様子を見ようよ。何か心境の変化があったのかも知れないし」

あずき「心境の変化、ねぇ……」
182 : ◆iv1d32We2. [sage saga]:2018/02/25(日) 21:00:00.75 ID:nb06cNBw0
あずき「帰り道にフリスクが落ちてたからその角で曲がってみた」

あずき「これぞプロジェクト・A(nother)!」

あずき「――なんて、考えなきゃよかった」ガックリ

あずき「どうしよう、ちょっと道に迷ったかも……」キョロキョロ

あずき「気がついたら入り組んだトコ入ってるし。路地裏ってヤツ?」

学生「   ってことは  かよ 」

学生「クソッ  賭け金 」

あずき「うぅ……あれ? ウチの制服だ。どうしてこんな所に?」

あずき「はっ。まさか都ちゃんの言ってた――!」

あずき(尾行のやり方とか知らないけど……突入大作戦!)コソコソ

学生「   安斎   光 」テクテク

あずき(安斎――都ちゃんのこと?)

学生「しょうがない、今日は帰ろう」テクテク

あずき(あっ、こ、こっちに来る!)サァッ

あずき(ど、どうしようどうしようどうしよう)アワアワ

学生「誰だコイツ」

学生「オイ、もしかして話聞かれたんじゃ――」

あずき(ピーーーーーンチ!)

「ちょーっと待ったぁ!」
183 : ◆iv1d32We2. [sage saga]:2018/02/25(日) 21:08:43.64 ID:nb06cNBw0
あずき「……ふぇ?」

光「『お姉ちゃん』、アタシの家はこっちだよっ!」グイッ

学生「は?」

あずき「え、ちょ、え、誰?」

光「あっはっはー、『お姉ちゃん』は冗談が上手いなぁ」グイグイ

あずき「わわわわわっとととと?! ち、力強っ!」

あずき「分かった行く! 歩くから! 待って待ってあああ引きずられるぅぅぅぅ……!」ズルズルズル…

学生「――は?」ポカーン

ズルズルズル…

光「――ふぅ。ここまで来れば安心だろう」

あずき「」プシュゥゥゥゥ…

光「おーい、危機は去ったぞー」ペチペチ

あずき「うぅ……ん……? い、一体何が……」

光「ダメじゃないか、あの路地は目が行き届きにくいから危険なのに」

あずき「ご、ごめんなさい……? ところであなたは?」

光「アタシか? アタシは正義の味方だ!」バン☆

あずき「そういうのじゃなくて、名前」

光「……南条光」ムスー
184 : ◆iv1d32We2. [sage saga]:2018/02/25(日) 21:18:21.66 ID:nb06cNBw0
光「ええっ、都姉ちゃんの同級生なのか?!」

あずき「どこを見て同世代だと思ったのかな?」ニッコリ

光「身長」(←140cm)

あずき「……うん、知ってた」ズーン(←145cm)

光「ってことは都姉ちゃんが今どうしてるかも知ってるの?」

あずき「――どういうこと?」

光「いつもは放課後になると集まって特訓するんだけど、今日はいつもの場所に来なかったんだ」

光「お互い身体が資本だから病気は滅多にしないし、気を付けてる。兆候があったら気付いてる筈なんだ」

光「ということは姉ちゃんの身に何かあったのかも知れないだろ? でも姉ちゃんの家も連絡先も知らないし……」

あずき「それで心配になったんだ」

光「」コクン

あずき「それなら大丈夫だよ、学校にはちゃんと――」ハッ

あずき「ちょっと待って。特訓ってもしかして都ちゃんも?」

光「あぁ、謎を解くために謎を考えてアタシに出すのが姉ちゃんなりの特訓だ」

あずき(そっか、それで……!)

あずき「……耳貸して、作戦伝えるから」

光「『作戦』――っ! あぁ、分かった!」パァッ
185 : ◆iv1d32We2. [sage saga]:2018/02/25(日) 21:28:28.44 ID:nb06cNBw0
光「おーいっ」ノシ

都「あはは……すみません光さん。昨日は突然」

光「気にすんな」グッ

都「ごほん。おや? ちょっと身長伸びました?」

光「えっ。……そ、そうなんだ、成長期だから!」アセッ

?「……」ジー

光「そんなこと言ったら姉ちゃんだってそうだろ?」

都「いえいえ、私は今からではとても伸びませんよ。それに」

都「その養分は頭脳に回してますから」チラッ

光「へぇ、じゃあ今日はアタシが問題出してもいいか?」ニタァ

都「『最後のチャンスですよ』」

光「問題。『ある学校で生徒の財布からお金がなくなっていく事件が発生しました』」

光「『しかし被害届は出ておらず被害者も被害金額も正確な値は不明』」

光「『被害者の様子を観察するに恐喝や引ったくりの類ではなく、額も被害者によってまちまちでした』」

光「『ではここから導き出される犯人像と犯行の手段を答えなさい』」

「さあ――っ」ガシッ

?「きゃっ、……え、『二人』――?!」ズザッ

光「お前の罪を数えろ!」
186 : ◆iv1d32We2. [sage saga]:2018/02/25(日) 21:37:42.57 ID:nb06cNBw0
光?「変身大作戦大成功♪ ここまでキマると爽快だな☆」ニタニタ

都「光さん、そのまま押さえてて下さい」

光「ああ、絶対逃がさない」ギリギリ

?「う、ぐ……っ」

都「この事件は公開情報に被害者しかないというところが困難でした」

都「しかもその被害者が情報を出さない。これでは探偵も動けません」

都「でもですね、依頼人が警察ではなく探偵を頼るのは『依頼人にも後ろ暗いところがある』から、っていうのは探偵小説の定番なんですよ」

都「学生でも参加出来て、人目を憚るもの。且つ金銭が直接絡む――」

都「『女』と『賭博』以外に何があるでしょうか」

?「っ」

光?「ま、女絡みで何人も被害者が出るなら額が一定の筈だからそっちは最初から眼中になかったけどな」

都「私もです。更に私は『被害者』の集まっている現場を発見して、そして彼等の話を聞いて確信しました」

都「私の出した問題に光さんが答えられるか、で賭けを主催している何者かが存在する」

都「となれば話は簡単です。中学と高校の下校時刻はそれぞれ不定」

都「筒元になるだけの資金があり、しかもその両方に合わせられる時間的余裕もある、つまり『無職』の人物。犯人はあなたです!」

都「『柊志乃』さん!」ビシッ!
187 : ◆iv1d32We2. [sage saga]:2018/02/25(日) 21:44:11.61 ID:nb06cNBw0
学生「不味い、バレた……」ヒソヒソ

学生「……一応逃げとくか?」ヒソヒソ

光?「ぴぃちがこのまま逃がすワケねーだろ☆」

学生「げ、あずき」

ぴぃち「ぴぃちっつってるだろ☆ シバくぞ☆」

ぴぃち「そんなアナタ達にクイズ。今、この路地にはスプレーで無数に落書きがされている」

学生「確かに昨日はなかった落書きばっかだな。……まさかお前が?」

ぴぃち「スプレーの噴射剤はエーテルだ。ここに例えば火を点けると――どうなると思う?」シュボッ

学生「――なっ?! 馬鹿、やめ」

ぴぃち「聞こえな〜い♪」ボゥッ!

学生達『うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ?!』メラメラ

ぴぃち「ハハハハ走れ走れー! 迷路の出口に向かってよー!」

都「生徒の名誉を守るためとは言え鬼畜の所業ですね……」ヨッコラセ

光「ゾンバイアでもここまでダークじゃないな」ウケトリ

志乃「流れるように私のお酒を取らないでもらえるかしら」

光「えいっ」ポイッ

パリンッ…ゴォッ!

志乃「私のお酒……あぁ……」
188 : ◆iv1d32We2. [sage saga]:2018/02/25(日) 21:51:57.30 ID:nb06cNBw0
ぴぃち「んじゃ、後処理はぴぃちに任しとけ☆」

都「本当にいいんですか?」

ぴぃち「こんなトコにヒーローがいていいモンじゃないぞ☆」

ぴぃち「ぴぃちは『警察』だ。主人公のケツにいて、犯人を法で裁く」

光「……行こう、姉ちゃん」

都「分かりました……お気をつけて」

光「後は頼んだぞ!」

タタタタ…

志乃「で、どうするつもりなのかしら?」

ぴぃち「どうも何も、今言った通りだぞ☆」

志乃「あらそう。でも司法で私を裁くのは難しいと思うけど?」クスクス

ぴぃち「――は? 司法? 何言ってんの?」

ゴゴゴゴゴゴ…

ぴぃち「千年錐を解きし者、闇のゲーム千の法を継ぎ闇の番人となる」

ぴぃち「裁くのは闇の法に決まってるだろ☆」ニタァ

志乃「」ゾクッ

志乃(何か――嫌な予感がする)

ぴぃち「さぁ、ゲームの時間だ」

ザァアァァァアアァ…
189 : ◆iv1d32We2. [sage saga]:2018/02/25(日) 21:57:24.06 ID:nb06cNBw0
ぴぃち「ゲームは名付けて《田螺》!」ドン☆

ぴぃち「ルールは簡単、この小さな布袋に入っている米を明日の朝まで減らすことがなければアナタの勝ち」

ぴぃち「アナタが勝ったらあの二人は口止めする。約束はちゃんと守るぞ☆ あ、不正がないように量っとくか?」

志乃「……いいえ、それには及ばないわ」スッ

ぴぃち「はい、それじゃ明日またここで会うってことで☆」

志乃「ええ。良い夜を」

フラフラ…

志乃(へぇ……あくまで猶予を与えるのね)

志乃(つまり『自首しろ』ってことなんだろうけど……)

志乃(私、もうどうでもいいのよね)

志乃(逃げるつもりも、捕まりに行くつもりもない。ただ酔い潰れていたいの)

志乃「――ふふ、律儀に袋を明日見せたらどんな顔をするかしら」

志乃(捕まって禁酒生活になる前に……最悪の気分でお酒を飲む最悪の贅沢を――)フラフラ…

志乃(家に帰って深酒して、袋を眺め続けて朝を迎える――なんて無為。今晩はそうしましょう……)

クスクス…
190 : ◆iv1d32We2. [sage saga]:2018/02/25(日) 22:05:55.34 ID:nb06cNBw0
志乃(さて、今日は――あら、セギュールが……)

志乃(うん、いい柿色……これにしましょう)

トクトク…

志乃「……んっ……」

志乃「はふぅ……」

志乃(セギュールのラベルは侯爵の寵愛の証――)

志乃(――そう言えば、このゲームの名前は何が由来なのかしら)

志乃「た、に、し……検索」

志乃「……『貧乏だが敬虔な老夫婦の間に子供が産まれた。しかしその子供はつぶ、つまり田螺だった』」

志乃「『老夫婦はその田螺を大事に育てた。田螺は誰よりよく働いた。町へ行くと田螺が働くという珍しさでも注目を浴びた』」

志乃「『やがて長者の家に住み込みで働くことになった田螺は、働く条件として長者にこう言った』」

志乃「『私の持っているこの袋には米が入っている。大事なものだからこうして肌身離さず持っている』」

志乃「『もし盗まれるようなことがある家ならば働くことは出来ない』」

志乃「『そこで長者は田螺を一晩泊め、その一晩のうちに盗まれたならば屋敷にあるものを何でも一つやると約束した』――」
191 : ◆iv1d32We2. [sage saga]:2018/02/25(日) 22:12:32.10 ID:nb06cNBw0
志乃(……この田螺、結局イカサマで娘を奪ったのね)

志乃(もしかして――そういうこと?)

志乃(この袋の中に生き物が入っていれば量は減る)

志乃(『入っている米の量』を問うのだから生き物が入っている分にはルールに違反しない)

志乃「……だとしたら、受けた時点で負けになり得る。それは癪ね」フラリ

志乃「ええと、お皿お皿……あぁ、あった」

志乃(ふふ、ここに空けて生き物を除いておいて――)カタ…

志乃(――朝になったらその生き物を戻す。そうすれば量は減らない)

ザラ…ザラザラ…

ザラザラザラザラザラザラザラザラ…

志乃「……え?」

志乃「お、『多過ぎる』……っ、腕、動かな――っ?!」

志乃「はっ、はぁっ、と、止まって、止まってっ、止ま――っ!」

「あーあ」

志乃「!」ビクッ

ぴぃち「説明したのに。『朝まで減らすことがなければ』、って」

志乃「う、嘘、どうして私の家の中に――」

ぴぃち「闇の扉が開かれた」ォォン…

ぴぃち「罰ゲーム! ――MONOCHROME SPOT――」ドン☆
192 : ◆iv1d32We2. [sage saga]:2018/02/25(日) 22:20:15.70 ID:nb06cNBw0
チュンチュン…

志乃「眩しい……もう、朝……?」モソ…

志乃(昨日は一体――それに、何だか凄く暑い……)

志乃(――先ず、ここはどこなのかしら)

女「あぁ、起きられましたね。おはようございます」

志乃「……?」

女「昨晩は熱帯夜だったからか大層寝苦しそうな様子で」

女「おかげで私はちっとも眠れませんでしたよ」

女「ところで千鶴子さんはお元気でしたか?」

志乃(この女は誰……? 千鶴子……?)

志乃「ええと……見かけなかった、ですよ」

女「あぁ、矢っ張りお祭りにいらしたんだわ」

志乃「じゃなくて――い、一体何が、あなたは」

女「もう、寝惚けるのはいいですけどね」フリムキ

女「ご自身の女房の顔くらいは覚えてて下さい」ニコッ

志乃「にょう、ぼう」

女「はい。さ、ともあれお着替えになって下さい」

女「今日は中野の稀譚社に行かれるのでしょう?」
193 : ◆iv1d32We2. [sage saga]:2018/02/25(日) 22:28:32.79 ID:nb06cNBw0
志乃「――」

ぴぃち「問題。行方不明になった親友はどこにいるでしょーか☆」

ぴぃち「安心しろよ☆ 親友の部分はちゃんとアナタの親友になるし」

ぴぃち「謎を解いて意識が戻ると、その親友はちゃんと死ぬからな☆」

志乃「――」

ぴぃち「おー、そだ。ぴぃちもアナタがどうするか当ててやるよ」ニタァ

ぴぃち「どれだけ涙を流しても親友を忘れられず」

ぴぃち「アドレスを消せずに残したまま」

ぴぃち「ヤケになってこのセギュールの残りを一気に呷る!」

ぴぃち「おっと手が滑って一気に飲むとODでぴったり致死量になる量の薬を入れてしまったぁー☆」サラサラ

ぴぃち「んじゃ、ぴぃちの推理が当たったかはアナタの命で確かめることにするわー☆」

ぴぃち「これぞ、光に代わってお仕置きよ、ってね☆」

志乃「――」

ザァアァァァアアァ…
194 : ◆iv1d32We2. [sage saga]:2018/02/25(日) 22:40:39.03 ID:nb06cNBw0
光「かーえーるーのー……あっ。姉ちゃん、久し振りっ」

都「あ。――そう、ですね。……久し振り、です、ね……」

都「……ええと……すみませんでした。相談もせずに」ペコッ

光「それはいいよ、もう。犯人達はあの時みんな裁かれたんだし」

光「それに姉ちゃんは、結局ちゃんと探偵だったじゃないか」ニコッ

都「……」

光「もうっ、やり辛いなっ。元気出せよっ!」

光「それにあの問題の答えまだ聞いてないんだぞっ!」

都「問題、問題……あぁ、柱時計の……?」

光「ああ。二週間もあったからいっぱい考えてきたんだ」

光「でもやっぱ一番の答えはこれだな」ウンウン

光「『時計は戻せる』!」

都「――!」

光「針をもう一度嵌め直して時計の傾きを直せば柱時計は動くんだろ?」

光「あとは腕時計か何かで次の時報までの時間を計れば、そこから逆算して止まった時の時間が判る。どうだ!」

光「――って姉ちゃん?! 何も泣かなくても……自信あったの?」オロオロ

都「あは、あはははは……私より、いい答えですね」グスッ

都「かくして事件の幕は下りたのだった。一件落着です!」
195 : ◆iv1d32We2. [sage saga]:2018/02/25(日) 22:48:28.22 ID:nb06cNBw0
〜作戦9〜
196 : ◆iv1d32We2. [sage saga]:2018/02/25(日) 22:49:51.29 ID:nb06cNBw0
あずき「やっと終わったぁーっ!」

柚「お、お嬢ちゃん、い、今一人かい」

あずき「……何それ」クスッ

柚「誘拐犯ごっこ」

柚「やー、無事に放課後を迎えられたねぇ。ここで補習なんか入ったら悲惨だったよー」

あずき「でももし入ったとしてもフケるでしょ?」

柚「当然っ」テクテク

柚「何と言っても今日は忍チャンの出る番組の収録日だからネ」

あずき「生放送だからつまり放送日でもあるけどね」テクテク

柚「考えてみればTVなんだよね。アタシ達も映るかも?」

あずき「おぉっ、おこぼれ大作戦! だね!」パァッ

柚「だったら目一杯『イイ』格好しないとねっ!」ワクワク

あずき「どんなのだったら目立つかなぁ。着ぐるみとか?」

柚「い、いやそれは今から用意するの難しいんじゃ……おろ?」ピタッ

あずき「はぷっ」ムギュ

あずき「いきなり止まらないでよっ……柚ちゃん?」
197 : ◆iv1d32We2. [sage saga]:2018/02/25(日) 22:55:16.53 ID:nb06cNBw0
柚「裏道の細い路地を抜けるとリムジンがあった」

あずき「なんで雪国?」

柚「いきなり非日常があったから」

柚「リムジンって実在するんだね……」

あずき「それ以前にそもそもどうしてここに?」

柚「んー……そういうことはこの際抜きにしてさ」

黒服達『……』ズラリ

柚「この状況をどうにかしようよ」ナミダメ

あずき「無理」ウルウル

あずき「って言うかどっから出て来たのこの人達!」

柚「――アタシ、ラケットなら持ってるよ」

あずき「あずきは――ゴメン、デッキしかない」

柚「デッキならアタシでも持ってるって。あっはっはー……」

柚「んにゃろぉぉぉぉぉっ!」ガバッ

あずき「うぉぉぉぉぉぉぉっ!」ガバッ

黒服達『』ブンッ(←無言の腹パン)

メコォッ

二人『』チーン
198 : ◆iv1d32We2. [sage saga]:2018/02/25(日) 23:01:41.00 ID:nb06cNBw0
二人『――はっ』ムクッ

ブロロロ…

柚(ここは……車の中? それにしては広いような)

柚(……まさかさっきのリムジンに――?)

あずき「柚ちゃん」ヒソヒソ

柚「分かってる」ヒソヒソ

柚(どうにか、気付かれないように外と連絡を――)モソ

運転手「この車の中は圏外ですよ」

柚「!」ビックゥゥゥ!

あずき「あ、あなたはさっきの……?!」

運転手「手荒で申し訳ない、あれ以外のやり方を知らなかったので」

柚(荒み過ぎでしょ)

運転手「我々はお迎えに上がったのです」シマッチャウヨー

あずき「迎え、って。こんなことする人のところに連れて行かれるの?」

柚「大体、名乗れないようなら紛れもない誘拐だよ」キッ

運転手「あぁ、それを言えば良かったのですか――」

運転手「あなた方を招待するように、と。美嘉様からです」

柚(――美嘉先輩、か……)
199 : ◆iv1d32We2. [sage saga]:2018/02/25(日) 23:06:59.22 ID:nb06cNBw0
黒服「それでは、暫しここでお待ち下さい」

ギィィ…バタンッ

二人『……』

あずき「――どうする?」

柚「どうも出来ないね。一介のJKに乱闘は出来ないよ」

柚(ここは応接間……いや、ダイニング、かな。長いテーブルがある)

柚(椅子はいっぱいあるけど誰かを座らせるつもりらしい席は二つだけ)

あずき「どうしたの? 早く座ろうよ」

柚「……ん、そだね」ニコッ

柚(その二つの席の前にはそれぞれフォークとケーキが置かれている)

柚(どちらもイチゴの乗った普通のショートケーキ。その脇には湯気の立つティーポット)

柚(――誘拐紛いな割に丁寧で逆に気持ち悪い)

あずき「時間は判るのに電波はないみたいだね」

あずき「端末がさっきから外と通じないんだ」

柚「わ、そろそろ出発しないと収録行けない時間じゃん」

あずき「あーあ、見たかったなぁ。忍ちゃんのTV生出演」

柚「ぐぬぬ、羨ましいぞ穂乃香チャン!」
200 : ◆iv1d32We2. [sage saga]:2018/02/25(日) 23:10:44.30 ID:nb06cNBw0
柚「おいしー! おいしー!」キャッキャッ

柚「……はぁ。暇だね」モグモグ

あずき「ね。また決闘する?」

柚「やだよ、流石にもう手の内分かるもん」

あずき「ふはぁ……じゃ、別のゲームにしよっかっ」

柚「何やる?」

あずき「《C.C.LEMON》」

あずき「ルール説明ね。このゲームは三種類の『手』を使うの」

あずき「一つ目はこう、両手を猫の手にして、胸の前で親指以外の手同士を握り込む『弾』」ギュッ

あずき「二つ目は両手を胸の前で交差させる『盾』」バッテン

あずき「三つ目はゲッツ……もとい、両手で男チョキをしてその人差し指を相手の胸に向ける『銃』」バン

柚「男チョキ?」

あずき「親指と人差し指を立てた手のことだよ。ちなみに人差し指と中指で作るのは女チョキで、男チョキの亜流だね」

あずき「このゲーム、元の名前は《戦争》なんだけど、同じ名前のゲームが幾つかあるからか今はこんな名前みたい」

あずき「ソースは近所の小学生だよ。でも手の名前はそのままなんだよねー」

柚「えっ、『弾』がレモンと代わるとかじゃないの?」

あずき「面白いよね、時代が変わってもすぐには変化しないんだよ」
201 : ◆iv1d32We2. [sage saga]:2018/02/25(日) 23:17:01.64 ID:nb06cNBw0
あずき「『銃』はそれまでに込めた『弾』の数までしか使えない」

あずき「『盾』に『銃』は効かない。『銃』対『銃』は引き分ける」

あずき「つまり『弾』を込めている時に『銃』で撃たれると負け」

あずき「お互い同時に手を出し合って勝敗が決するまでそれを続ける」

あずき「――以上、ルールおしまいっ」

柚「ふーん……ん? 待って待って」

柚「これ、初手で弾込めたら後はひたすら盾張るゲームにならない?」

あずき「そうなるね」

柚「盾の回数に制限とかは?」

あずき「えへへ……」

柚「な、ないんだ……」ガックリ

柚「じゃあさじゃあさ、他の《戦争》のルール教えてよ」

あずき「他? んー、有名なのは二つあるね」

あずき「一つは紙と鉛筆を使って戦艦を駆使していく、別名《魚雷》」

あずき「ローカルルールが多くって、しかも基本ルールもそこそこ多いからおいそれとはやれないんだよね」

柚「ならもう一つは?」

あずき「……えーと、あずきは純粋にゲームとして紹介するよ?」
202 : ◆iv1d32We2. [sage saga]:2018/02/25(日) 23:22:08.50 ID:nb06cNBw0
あずき「ルールは簡単。こういうテーブルで腕相撲の状態をとって」

柚「ほうほう」ガッシ

あずき「空いた手、今回は左手でジャンケンをする」

あずき「一回目の掛け声は『戦争』だよ」

二人『せーんーそっ』

柚「あ、勝った」

あずき「このゲームは『何回連続』で勝ったかが重要なんだ」

あずき「グーは『軍艦』、チョキは『朝鮮』、パーは『ハワイ』なんだけどね」

柚「ちょちょちょちょ! ちょっ! 大丈夫なのソレ?!」アセッ

あずき「だから言ったじゃん、純粋にゲームとして紹介するって」

あずき「説明続けるよ? 一回目以降、『直前に勝った側』はその時に出した手の名前を言わなきゃいけない」

あずき「例えば今グーで勝った柚ちゃんは、この後に続けてするジャンケンでは『軍艦、軍艦』って言ってから手を出すの」

あずき「この『軍艦、軍艦』はジャンケンをする拍子取りの意味もあるからちゃんと言ってね」

あずき「で、『直前に勝った側』は手を出す瞬間も宣言しなきゃいけない」

柚「ええと……じゃあ次はチョキ出すぞー、って思ったら『軍艦、軍艦、朝鮮』って言いながらジャンケンするの?」

あずき「そういうことだね」
203 : ◆iv1d32We2. [saga]:2018/02/25(日) 23:29:20.67 ID:nb06cNBw0
あずき「もし連続して勝ったら、一回毎にこの組んでいる手をジャンケンに使ってる手で軽く払うの」

あずき「二回連続で『一本』、三回連続で『二本』、四回連続で『三本』になるよ」

あずき「そして、『三本』を先に取った方が『戦勝国』、つまり勝ち」

柚「……戦時下の遊び、って感じだねぇ」

あずき「あず、私は学校入る前に男の子達から教わったんだけどね」

あずき「誰からともなく始めた辺り、結構根強いんじゃないかな」

柚「ゲームとして考えるとこれただのジャンケンだよね?」

あずき「う、それはそうだけど……」

柚「手を握る意味も特にないよね?」

あずき「それはほら、停戦協定、みたいな」アセッ

柚「空いた手で戦争してるのに?」

二人『……』

柚「ま、まぁ、そういう皮肉だとしたらそれはそれで凄いね」

あずき「で、でしょー?」アセアセ

柚「それにこれなら気になるあのコの手を握れるしね!」

あずき「成程!」ピコーン

あずき「相手いないけどね!」

柚「まさに外道!」
204 : ◆iv1d32We2. [sage saga]:2018/02/25(日) 23:38:17.65 ID:nb06cNBw0
柚「はぁ……矢っ張り暇だね」

あずき「だね。あぁ、もう生放送終わりの時間だ」

柚「ったく、今ノコノコ出てきたらどうしてやろうか」イライラ

あずき「次は《ワリバシ》でもやろうか……」

柚「今度は何なの、そのゲーゴブッ」

二人『?』キョトン

柚「え、えと、あずきチャン」

柚「そのゲームのルール説めゴボッ」

柚「――?! ぃ、っあゴブッ…カフッ…?!」グラッ

バタッ…

あずき「柚ちゃん?!」

柚「〜〜! 〜〜〜?!」ブクブク…

「あぁ、やっと効き始めたんだね」

ギィィ…

莉嘉「でも思ったよりは早かったよ☆」ニコッ

あずき「っ、一体何したの?!」

莉嘉「何と言われても。あのケーキに毒を仕込んだんだよ」

莉嘉「これから一時間後、その人死ぬから」
205 : ◆iv1d32We2. [sage saga]:2018/02/25(日) 23:45:47.86 ID:nb06cNBw0
あずき「……っ!」

莉嘉「ふぅん、でも桃井あずき、アンタは食べなかったんだね」

あずき「柚ちゃんに言われたからね。怪しい、って」

あずき「実際こんなことになるまでは食べたいだけだと思ってたけど」

柚「っ、っ!」ポカポカ

あずき「痛っ、痛いってば!」

莉嘉「……でも、好都合だよ。アタシはアンタに復讐したかったし、お姉ちゃんは明日の落成式に呼んだだけだしね」

莉嘉「ただ――勝ち逃げした分、ここで負けてもらうよ」

莉嘉「そこで寝てるソレね、泡吹いてるのは毒と一緒に仕込んだ薬剤のせいだから。その薬剤自体は無害だよ」

あずき「喋れないみたいだけど?」

莉嘉「動かなければ呼吸自体はギリギリ問題ないでしょ。で、ゲームだけど」

莉嘉「こんなのはどう?」パチンッ

ガラガラ…

柚(何、あれ……食材の乗った、ワゴン? やってTRYかな?)

莉嘉「名付けて《デスおせち》!」

柚(ネーミングセンスッ!)ガーン
206 : ◆iv1d32We2. [sage saga]:2018/02/25(日) 23:52:41.96 ID:nb06cNBw0
莉嘉「ルールは簡単。今持って来させた、調味料を含む食材のどれか一種類に解毒剤が入ってるの」

莉嘉「ホントはどちらか消すつもりだったからね」ボソッ

莉嘉「それを一時間以内に引き当てて食べさせたらそっちの勝ちだよっ☆」

あずき「な、なら――」

莉嘉「但し」ニコッ

莉嘉「致死性の高い毒を入れた食材も紛れ込んでるから。この猛毒入りの食材の数は莉嘉も知らないんだー」

あずき「――!」ゾクッ

柚(つまり当てずっぽうは即死のリスクを高める……か)

莉嘉「あ、調理器具は用意したの使ってね。器具には絶対毒入れてないから。それじゃ、スタート☆」

あずき「ど、う――したら」

あずき「ヒント、は――いや、でも」

柚「……。……っ!」クイクイ

柚「コホッ、ぃい、よク聞ぃてッ、ガフッ」

あずき「?! 待って、寝てて」オロオロ

柚「信じてるカらッ!」

あずき「!」

柚(駄目、ちょっと休憩……)ヘタリ
207 : ◆iv1d32We2. [sage saga]:2018/02/26(月) 00:00:00.42 ID:1Jm0Z17k0
あずき(柚、ちゃん……)

あずき「……」キッ

あずき(調理器具は安全、洗うための『水』は食材だから危険)

あずき(でもそれは他の食材と危険度が同じ、なら――)ティンッ

あずき「柚ちゃん、マゾ趣味はある?」

莉嘉「まぞ?」

柚「ブフッ」ゲホゲホ

柚「っ、ゴボッ、――?!」

あずき「ホースで直接胃袋に水を流し込んでお腹蹴り続ければ毒抜けるんじゃない?」

莉嘉「ぅえ?! ちょ、ストップ! タンマ!」アワアワ

莉嘉「それ……水責めだよね?」ビクビク

あずき「よく知ってるね。そう、拷問大作戦だよ」

莉嘉「それ無理だから! 意味ないから!」

あずき「ホントに?」ジトー

莉嘉「ホント! ここで嘘吐いたら人間じゃない!」

莉嘉「あの毒は粘膜から吸収されるのっ!」

あずき「ヒントもーらいっ」ニヤッ

莉嘉「……あーーーーーっ!」
208 : ◆iv1d32We2. [sage saga]:2018/02/26(月) 00:09:00.94 ID:1Jm0Z17k0
莉嘉「ズールーいー! 卑怯者ぉー!」テシテシ

あずき(『水』が安全なら猛毒がある場所も限られてくる)

あずき(洗った時に流れ落ちない食材か、普通は洗わない食材)

あずき(例えばマヨネーズや缶詰の食べ物がそれに当たる)

あずき(ただ……問題は残ってる)

莉嘉「もうっ、もうっ! ふんっ!」スタスタ

あずき(――解毒剤の条件が相変わらず分からない)

柚「……カフッ」ガクガク

あずき(『解毒剤』なら吸収されて効果が発揮されるのは毒より早くなきゃいけない)

あずき(効力を発揮するのが宣言通り一時間だとして、このゲームの制限時間は同じ一時間)

あずき(つまり、解毒剤は飲んだら『即座に』効くことになる)

あずき(うーん……それって可能なのかな? 生物取ってないから分かんないよ……)

あずき(取り敢えず有効なのは『煮たら溶ける食材』を使ってスープを作って、それを飲ませること)

あずき(それ以外の食材は――死のロシアンルーレット、だね)

あずき「コンソメ……カレー粉……シチューのルー……」ブツブツ

あずき「ううん、どれも使えない。ここは――」
209 : ◆iv1d32We2. [sage saga]:2018/02/26(月) 00:17:03.19 ID:1Jm0Z17k0
コトコト…

柚(あ、いい匂い……)ホッコリ

莉嘉「……」グゥ

あずき「後で食べる?」ニヤッ

莉嘉「う、の、ノーコメントで」

あずき(やっぱさっきので警戒されちゃったか……)トントン…

あずき(……昆布は水から出汁をとる。これくらいなら小学校の家庭科でもやるよね)

あずき(時間は掛かるけど、食材を煮られるように切る時間があるから相殺する、筈)トントン…

あずき(で、問題の解毒剤。スープの具材に入ってなければひとつひとつ試すことになるんだけど)チラッ

あずき(正直、今の柚ちゃんに何回も食べ物を食べる力があるとは――)

あずき「――痛っ!」

あずき「うーわ、指切った……」チュパ

あずき(……あれ……?)

柚「コホッ…ゲホッ、っ、ガ、ぁ、ゲホゲホゲホゲホ!」ビクンッ!

柚「っ、っ、っ、〜〜〜〜〜っ、っ?!」ビクンビクン!

あずき「――え、ゆ、柚ちゃんっ?!」
210 : ◆iv1d32We2. [sage saga]:2018/02/26(月) 00:26:17.23 ID:1Jm0Z17k0
あずき「は、早過ぎる――どうして?!」

莉嘉「大丈夫、あと30分は生きられるよ?」ニコニコ

莉嘉「でもここから先は生きるので精一杯。食事は受け付けるかどうか」

あずき「そんな――!」

あずき(迂闊だった――時間制限は『死ぬまで』か!)

柚「ヒュー…ヒュー…」ビクンッ

あずき「何か、何か方法は――?!」

ドクンッ

あずき「!」

あずき(あぁ、またこの感覚――)

ザッ…ザザッ…ザァァァァ…

あずき(あずきがあずきでなくなる――)

あずき(『何か』を……抑えられなくなる……!)

ゴゴゴゴゴゴ…

あずき(あずきは、『私』は、――『あずき』?)

あずき(いいや、その名前は違う。だろ?)

カッ!

あずき?「……はぁ〜い♪」ニタァ

ぴぃち「れっどぴぃちのぉ、お料理の時間だぞ☆」
211 : ◆iv1d32We2. [sage saga]:2018/02/26(月) 00:31:46.15 ID:1Jm0Z17k0
莉嘉「出たね、あの時のオバさん」

ぴぃち「おい今なんつった☆ 次はないぞ☆」

ぴぃち「めしをくってないのか? めしをくってないのか?」ジリッ

ぴぃち「めしをくってないのか? めしをくってないのか?」

ぴぃち「めしをくってないのか? めしをくってないのか?」ジリジリ

莉嘉「ヒッ、ち、近付かないで……!」ウルウル

ぴぃち「かあさんがまっているよ。ふわふわオムレツができたってまっているよ。まっているよ」

ぴぃち「まっているんだよ!」クワッ

莉嘉「ひぃぃぃぃん! ごめんなさいぃぃぃぃ!」ワーン

ぴぃち「っと、こっちはこれでよし」

ぴぃち「で。柚をどうするか……」

柚「」ヒクッ…ヒクッ…

ぴぃち「んー、いちおー訊いとくか」

ぴぃち「あのさ、柚」プニプニ

柚「」ヒクッ…ヒクッ…

ぴぃち「マゾ趣味はあるか?」
212 : ◆iv1d32We2. [sage saga]:2018/02/26(月) 00:36:56.37 ID:1Jm0Z17k0
ぴぃち「本日のスウィーティーなお料理に使うのはぁ」

ぴぃち「瀕死の柚と、もう一つ! これだけ!」

ぴぃち「『ラー油』!」バン☆

ぴぃち「先ずは半分意識のない柚の服を脱がせます」ヌガセヌガセ

柚「」ヒクッ…ヒクッ…

ぴぃち「おぅふ、シゲキ的……」

ぴぃち「次にこう、お尻を掴んで、ぐいっと」

――くぱぁ

ぴぃち「そして後ろの穴に開封したばかりのこのおっきくてふっといラー油の瓶を――」ニタァ

ぴぃち「ぐさぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」ブスゥ!

柚「」ヒクンッ

柚「コヒュー…カフッ…ゲホッ、ぅ、いぎっ、ひっ?!」

柚「ひ゜に゛ゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ?!」

柚「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」ゴロゴロ

柚「抜いてぇっ! これっ! 抜いてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

ぴぃち「えー? でもちゃんと解毒されたか分かんないよぉ?」ニタニタ

柚「いいっ! いいからぁっ! 死ぬっ、死ぬぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!」
213 : ◆iv1d32We2. [sage saga]:2018/02/26(月) 00:40:56.97 ID:1Jm0Z17k0
柚「」ガクガク…

柚「」ガクッ

ぴぃち「おーい☆ 莉嘉ちゃんっ」

莉嘉「」ガタガタガタガタ(←一部始終を見てた)

ぴぃち「あれが解毒剤の入ってた食材だよな? ん?」

莉嘉「ハイ…ソウデス…」ガタガタガタガタ

ぴぃち「随分と悪趣味じゃない?」

莉嘉「ヒッ! で、でも、これは復讐だもん……」メソラシ

ぴぃち「目ぇ背けんなぁー……チッ、こっちはギリギリだったってのに」

ぴぃち「水に溶く前に洗う可能性のあるものに毒がない、これは確かにアナタの発言から判った」

ぴぃち「じゃあ無毒と明らかなものに解毒剤を仕込むか? いいや、ぴぃちならそれはしない」

ぴぃち「バレる可能性は最大限考慮するモンだからな☆ だからラー油に仕込んだ。そうだろ?」

莉嘉「そ、それだけで――?」

ぴぃち「……ヒントは指切った時の『血』、正確には血流、な」
214 : ◆iv1d32We2. [sage saga]:2018/02/26(月) 00:45:23.52 ID:1Jm0Z17k0
ぴぃち「効くのに一時間も掛かるなら効き方はCOみたいな『置き換わる』毒よりは毒に『なる』ROHみたいなタイプと踏んだ」

ぴぃち「加えて解毒は即座に終わる。なら、その毒成分は血液の循環で簡単に届く場所に集まる筈」

ぴぃち「そして人間は有機物。火葬くらいは小学生でも知ってるよな」

ぴぃち「血液に乗るような『有機的な毒』に対して解毒が作用するなら、これはもう何か代謝してるんじゃないの?」

ぴぃち「つまり解毒剤は加熱出来ない、そのままで毒に効果がある、ってことになる」

ぴぃち「ってなワケで、『加熱しないで食べられる』『油液状』のものにまで絞れた。ここまで絞るともう殆どない」

ぴぃち「あとはアナタの性格ね。たかだかゲームに負けたくらいで人殺しを計画するようなヤツは――」

ぴぃち「『量をまともに食べられないもの』を選ぶ。だろ?」

莉嘉「……」
215 : ◆iv1d32We2. [sage saga]:2018/02/26(月) 00:51:59.57 ID:1Jm0Z17k0
ぴぃち「で、ここからは推測だったんだけど」

ぴぃち「ケツって人体で一番デカい筋肉だろ? ということは血液が多く流れるから詰まり易い」

ぴぃち「それが多分、痔ってヤツ。でも痔だからケツが腐りました、なんて聞いたことがない」

ぴぃち「なら、血管にスペアがあると考えればいい。要は血管がいっぱいある、ってね」

ぴぃち「そこに直接ぶっ込んでやれば血管フル活用して解毒が進むんじゃないかなー、なんて☆」

ぴぃち「あれっ、これもしかしてカンチョーか? やぁん恥ずかしい☆」クネクネ

莉嘉「……」

ぴぃち「……おーい☆ 何か話せよ☆」ニタニタ

莉嘉「まだ――」

ぴぃち「ん?」

莉嘉「まだ、負けてない……っ!」ギリッ

ぴぃち「負けだろ。認めろ」

莉嘉「アタシは負けてなんかないっ!」ジワッ

ぴぃち「――?!」

莉嘉「勝つ、勝ってきた、勝たないと――!」ウルウル

ぴぃち「お、おぅい……莉嘉ちゃーん?」

莉嘉「っ!」ギィッバタンッ!
216 : ◆iv1d32We2. [sage saga]:2018/02/26(月) 01:01:36.77 ID:1Jm0Z17k0
ぴぃち「……泣いてたな。悔しい、だけか?」

柚「」ヒクヒク

ぴぃち「おっと、忘れる前に」

ぴぃち「そこの人達っ。オ・ネ・ガ・イ♪」

黒服達『ヒィッ!』ビックゥゥゥ!(←矢っ張り一部始終を見てた)

ぴぃち「んー? 返事が聞こえないなぁ」

黒服達『はい!』ビシッ!

ぴぃち「柚を治療して。どうせ外には出してくれないんでしょ?」

黒服達『御意のままに!』

黒服「おいそっち持て」

黒服「担ぐぞ、せーのって軽っ!」ヒョイッ

柚「」チーン(←43kg)

イソゲイソゲ…

ぴぃち「……行ったか」

ぴぃち「よっこらしょ、っと」ポフッ

ぴぃち「……もうすぐ日付が変わるな」
217 : ◆iv1d32We2. [sage saga]:2018/02/26(月) 01:08:59.93 ID:1Jm0Z17k0
穂乃香「今日はありがとうございました」

忍『ううん、それはこっちのセリフだよ。今日はありがとうね』

忍『……あずきちゃんと柚ちゃん、来なかったから』

穂乃香「そう――ですね。未だに連絡も取れませんし……」

穂乃香「出来ることなら明日にでも亀のゲーム屋に――」

忍『あー、明日はその……ごめんっ』

忍『実は明日から暫くバイトで。こんな時に薄情だけど』

穂乃香「そうなんですか? 実は私も明日は予定があって」

忍『……じゃあ、二人を探すのはまた今度だね』

忍『何か起きてなければいいんだけど……』

穂乃香「ええ、今度学校で会ったら問い詰めてあげましょう」ニコッ

忍『あはは、……そうだね。そうしよっか!』

忍『それじゃ切るね、おやすみ』

穂乃香「はい、おやすみなさい」ピッ

穂乃香「――さ、明日は早いですし流石に寝ましょうか」

?「あの……その二人、大丈夫なんですか……?」ドキドキ

穂乃香「ええ、姪のあなたでも会えば解ります。あの二人なら大抵のことは平気だ、と」

穂乃香「千枝ちゃんが心配することは何もありませんよ」ナデナデ
218 : ◆iv1d32We2. [sage saga]:2018/02/26(月) 01:16:26.76 ID:1Jm0Z17k0
「「『壊獣捕獲大作戦』っ!」」

美嘉「――ま、けた……?! このアタシが?!」

「罰ゲーム!」

美嘉「ああああああああああああああああああああああっ!」

――――――
――――
――

美嘉「――はっ」ガバッ

美嘉「ゼェ、ゼェ…また、また――あの夢だ……っ」

執事「……お目覚めでございますか、美嘉様……」

美嘉「……」カチャカチャ…

執事「仰せの通り、奴等には屋敷で一夜を明かさせました」

美嘉「……そう……」ニコッ

美嘉「フフ、あまりに朝が恋しくてつい寝ちゃったよ」

美嘉「皮肉にも――例の悪夢で目が覚めたけどね」

執事「……」

美嘉「冬馬、今日は執事業以外の用があるでしょ? 荷物くらい自分で持つよ」

冬馬「……はっ。失礼致します」

スタスタ…パタム

美嘉「……」
219 : ◆iv1d32We2. [sage saga]:2018/02/26(月) 01:20:02.46 ID:1Jm0Z17k0
美嘉「KC、か……嫌な名前」

美嘉(仮称すらないテーマパーク……これが我が社の新たな象徴)

美嘉(『二つのK』の時代は終わった、あとは花を添えるだけ)

美嘉(目玉のDEATH-Tにもっとリアリティや話題性、血腥い『彩り』が欲しい。何としても)

美嘉(私が永遠に勝利し続けるため――)

美嘉(そして二つ目のK、『桐生コーポレーション』の呪縛を解くために)

美嘉「あずき。いや……ぴぃち。あなたを日没までに生贄にする」ドン★
220 : ◆iv1d32We2. [sage saga]:2018/02/26(月) 01:21:05.56 ID:1Jm0Z17k0
『学園編』完。

『DEATH-T編』を書くならその時は書き溜めをしようと思います。

寝落ちを除いても丸一日掛かるとは……。シャケ召喚してきます。
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/26(月) 15:48:50.71 ID:1PABhOQSo

所々にある小ネタとかもおもしろかった
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