【安価】クリエンテスとパトローヌス

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95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/19(月) 02:12:47.42 ID:y4w62Gvl0
D
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/19(月) 03:17:37.48 ID:/zyZqZb5O
D
97 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/19(月) 21:59:54.40 ID:2acAJLNN0

D―「あら? 置いていた服の位置がずれているような……」   ティオニクス「!?」ドキィッ


「不思議ですねぇ」

「き、気のせいじゃないのか?」

「そうかもしれません」

「だろ? そうだろう?」

「でも、服の内側にある紐が外に出ているんですよねぇ」

「……」 (そんなものがあったのか!?)

「領主様。つかぬ事をお伺いしますが――」

「ななな、なんだ?」

「私が居ない間に、誰かが部屋に来ませんでしたか?」

「誰も来ては――」

「……誰も?」ジトー

「や、ちょっと待ってくれ」 (考えろ僕! ルチアにどう答えればこの局面を切り抜けられる!?)


ルチアは君の言葉をじっと待っている。

恐らく妙な答えを返せば、信頼を失うのは間違いない……気がする。


……どうすれば自分の行動を正当化できるか考えよう。
98 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/19(月) 22:08:46.62 ID:2acAJLNN0


「誰も来ていないなら、領主様がこの服で何かをやったという事に……」

「ま、待ってくれ!」

「……なんでしょう」

「実はその服【自由記述1】」

「えっ」

「勝手に触るのは良くないと思っていたさ」

「でも、僕は【自由記述2】と思って……」

「そうだったんですか、それなら触れるのも仕方ありませんね」

「納得しましょう」

「……よしっ」ボソッ


君はこの局面をどう切り抜けた?

ルチアが納得する理由を考えてくれ。


↓1、2 ティオニクスの言い訳
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/19(月) 22:16:36.60 ID:2Qizm98zO
今なら正直に話しても許してもらえそう(小並感)
安価なら
虫がついてた
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/19(月) 22:16:57.16 ID:yFrGnsEvO
これは自由記述1と2別々?それともセット?

一応1だけ書いておくと、「カメムシがついてたんだ」。
これで2は察することができるだろ、多分。
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/19(月) 22:17:08.14 ID:szox8V4OO
2.虫をそのままにしておいたら服を手に取ったルチアが驚くかもしれない

こういうことでいいのかな
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/19(月) 22:18:30.89 ID:yFrGnsEvO
あ、先に似たようなの踏まれてた。「虫はカメムシで、そのままだと服が臭くなってしまうと思った。だから追っ払った。外に逃がしたから、もう大丈夫だ」。これでどや。
103 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/19(月) 23:07:23.95 ID:2acAJLNN0


「実はその服……虫がついてたんだ」

「えっ」

「勝手に触るのは良くないと思っていたさ」

「でも、僕は虫をそのままにしておいたら服を手に取ったルチアが驚くかもしれないと思って……」

「そうだったんですか、それなら触れるのも仕方ありませんね」

「納得しましょう」

「……よしっ」ボソッ

「ところで【どんな虫】だったんですか?」

「えっ、ああそれは――」

「それは?」

「【サシガメ】だったよ」

「……」

「ルチア?」

「本当にありがとうございました」

「ほっ」


ルチアは【虫の名前】を聞いた瞬間、眉を顰めていた。

余程嫌な虫だったのだろう。彼女の反応からそれが解る。


……変態野郎とか言われなくて済んでよかった。本当に良かった。
104 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/19(月) 23:16:00.67 ID:2acAJLNN0


「領主様。手を見せて頂いてよろしいですか」

「良いぞ」スッ

「失礼致します」サスサス

「ふぅ……咬傷(こうしょう)は無いようですね」

「?」

「問題ありません。ありがとうございました」

「ん」


君の両手を一頻り見た後、ルチアは溜息を吐いた。

何かを確かめていたようだが……。
105 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/19(月) 23:25:51.77 ID:2acAJLNN0


「室内であっても虫はご遠慮願いたいものです」

「………」

「こうして私達が話している間にも数を増やしていると思うと……」

「ぞっとしないな」

「焼き払いましょうか」

「止めておけ。徒労に終わるだけだぞ」

「そうでしょうか。それもそうでしょうね……」


ルチアは虫の存在を認めたくないといった表情を浮かべている。

彼女はそれ程までに昆虫が嫌いだったろうか?

自分の記憶にある彼女は、もう少し寛容的だったような……。


……君は彼女と何を話す?


―【選択肢】―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

@―「時に領主様。私の身体に欲情しますか?」   テ(これはどう答えても絶対変な空気になるッ……!)

A―「良い匂いがする。何処からだ?」   ルチア「はて、何処からでしょう?」

B―「ふぅ」   ルチア「おかしい。変ですね」   ティオニクス「何を言っているんだお前は?」

C―「喉が――」   ルチア「どうぞどうぞどうぞ」ススッ   ティオニクス「……いや、やっぱりいいや」

D―「服の一部がしっとりしているのはどうして……?」   ティオニクス「!?」ドキドキィッ

E―自由記述

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓2〜3 話題の選択 (同時にダイスロール。2D10で極端な値が出ると睡魔に襲われる)
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/19(月) 23:26:07.97 ID:yFrGnsEvO
なるほど、わざわざカメムシではなくサシガメにしたのはこのためか。
1の話の立て方は上手いな。アナフィキラシーショックまであるんだっけ?
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/19(月) 23:29:05.39 ID:szox8V4OO
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/19(月) 23:29:39.01 ID:szox8V4OO
あ、ごめんこれ連取りになるな
安価下
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/19(月) 23:31:01.36 ID:yFrGnsEvO
あ、選択肢か。連取り不可だっけ?
110 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/19(月) 23:44:41.90 ID:2acAJLNN0

進行速度を考えて一度に纏めて取っています。連取は参加者が増えるまで構いません

Aは採用としてもう一つ>>105の中から

↓1
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/19(月) 23:46:42.82 ID:2SNNhl5KO
C
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/19(月) 23:52:43.85 ID:yFrGnsEvO
取られちゃったか。まあこれならまだ話が進むからいいかな。

タイミングを見計らってティオ君には逆レされてもらおう。
113 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/19(月) 23:52:45.36 ID:2acAJLNN0

A―「良い匂いがする。何処からだ?」   ルチア「はて、何処からでしょう?」


「とぼけているのか?」

「何を仰います。気のせいでしょう」

「この匂いはルチアの方から――」

「そのような」

「…?」

「発言は慎んで頂けますか」

「わ、解った。だからその今にも振りかぶらんとしている手を下ろしてくれないか」

「よろしい」

「ほっ」


これではどちらが主人か解らない。

君は妻の尻に敷かれて、頭が上がらない毎日を送りそうだ。


……この場に居ないドミニクは常日頃からそう思っていた。
114 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/20(火) 00:01:57.06 ID:U9WHqk/t0

C―「喉が――」   ルチア「どうぞどうぞどうぞ」ススッ   ティオニクス「……いや、やっぱりいいや」


「何を遠慮する必要がありますか」

「な、なんだルチア」

「さぁ、さぁさぁどうぞ」ズズィ

「そうまでして僕に飲めと言うのか?」

「要りませんか?」

「ええい、そんな顔をするな!」

「要らないんですね……」シュン

「あー! もう一杯飲もうかな!」

「ふふっ。仕方がありませんね」

「やれやれ」

「ちょっと待っていて下さい。代わりを持ってきますので」

「解った」

「………」ニィ


君は押しに負けて『もう一杯!』と言ってしまった。

女従者の表情に気付かないまま……。
115 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/20(火) 00:14:19.14 ID:U9WHqk/t0


――カチャカチャ、スッ、パチパチ

―――コポコポコポ


「よし」

「……後はこの液体に」

「商人から取り寄せたコレを混ぜて……」

116 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/20(火) 00:15:18.28 ID:U9WHqk/t0


――サーッ!


「私特製エナジードリンクの完成です」

「さて、領主様へ持って行きましょうか」スッスッカタッ

「おっと。足が――」



――ガシャーン!


「………」

「手が滑りました」

「隣にあった変な物が混じってしまったようですが」

「……まぁ良いでしょう」


女従者は結構いい加減だった。

自分で荒した厨房もそこそこに、主人の元へと戻っていく……。

117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/20(火) 00:31:46.77 ID:zRcnAkLMO
変な物って何だよ……てか一服盛るなよw

ティオ君には押し倒す甲斐性なさそうだし、仮に無事でも上に乗っかられそう。
118 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/20(火) 00:38:54.03 ID:U9WHqk/t0


「お待たせ致しました」

「長かったな?」

「火を起こして、水を沸騰させて、それからやっとですから」

「すまない。無遠慮だった」

「構いません」

「それで――」

「はい」

「コレは何が入ってるんだ?」

「えっ」

「いや、なんか色がおかしいから」

「……気のせいでしょう」

「いやいやいや! 流石にコレは気付くぞ!?」

「チッ……気のせいでございましょう」

「ごり押すのは止めようか」

「飲んで頂けますね?」

「飲まないよ!?」


―【結果表】―――――――――――――――――

  02   ― 神経毒(エタノール、アルコール)

03〜05 ― 果実酢

06〜11 ― 果汁を煮詰めた物(甘い)闘力「+1」点

  12   ― 乾燥大麻

13〜14 ― 白ワイン

15〜19 ― 夕食用にドミニクが作っていた豆の汁

  20   ― 神経毒(サソリ、ハチ)

――――――――――――――――――――――
↓1〜3 ルチアがうっかり混ぜた物 (2D10で)
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/20(火) 00:40:22.05 ID:5Ukl8vloO
サソリやハチで死んだら笑おう
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/20(火) 00:40:47.12 ID:Excm4M8x0
ほい
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/20(火) 00:45:58.74 ID:GBOZx0KAO
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/20(火) 00:53:06.94 ID:v9GPa05nO
割とマトモで草。てかこれ全部入ってるの?
123 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/20(火) 00:56:58.18 ID:U9WHqk/t0

【現在値】――――――――――――――

【地方領主 ティオニクス】 男

―40/41 闘力↑ 〔40→41〕
―05/10 GP
―26/26 TP
―30/100 ?↑   .〔20→30〕

――――――――――――――――――


「飲まないんですか? それとも飲む度胸が無いんですか?」

「……」

「領主様の良い所見てみたい〜」

「後で覚えておけよ!」


――ゴクゴクッ、ゴクリッ

124 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/20(火) 01:06:22.78 ID:U9WHqk/t0


「お味は如何でしょう」

「なんか、【甘いような酸っぱいような】――」

「それを言葉に表すなら?」

「【美味しくない】」

「それはそれは」

「……ルチアも飲め」

「は?」

「動きっぱなしだから喉が渇いたろう」

「いえ、結構です」

「1人分余ってるぞ?」

「どうぞお飲みください」

「そう遠慮するな」ガシッ

「いや要らな――!?」


突然の行動に彼女は驚き、君から離れようとした。

しかし君は、逃げようとする彼女を引き寄せて無理やり飲ませる。

彼女が生みだした名状しがたき液体は、彼女の元へと還った。

ルチアは『あぁ、あぁ……飲んでしまった』と虚ろな目で呟いている。


……妙な罪悪感に駆られる君だった。
125 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/20(火) 01:17:10.18 ID:U9WHqk/t0


「――これは確かに……美味しくないですね」

「だろ?」

「では私はこれで――」クルッ

「待て」ガシッ

「……何か?」

「変な物入れてたんじゃないだろうな」

「要らぬ勘繰りです」

「絶対入れただろ」

「何も」プイ

「………」 (怪しい……)

「無理に飲ませて悪かったな」

「ホントですよ」カチャカチャ

「こっちの台詞……ハァ、もういいや」

「ふふ、失礼致します」スッ

「うむ。久しぶりに長く話せて楽しかったぞ」

「それはようございましたね」ニコリ


僕に妙な液体を飲ませると、ルチアはそそくさと部屋から去って行った。

去り際に『戸締りには十分気を付けられますよう』と言っていたのがどうも気になる。

違和感しかない行動の数々は僕も同じなのだが……まぁどうでも良いか。

126 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/20(火) 01:24:16.13 ID:U9WHqk/t0


――その夜、屋敷から獣のような激しい雄叫びが聞こえた。

眠れないのを抗議しようとした領民が、外からその現場を見て抗議を取りやめたとか。

領民と対応した銀髪が美しい従者は、顔を真っ赤にしながらそう口にした。


↓1〜2 ダイスロール 【2D10の値が極端であればそれだけ凄かった】
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/20(火) 01:27:52.64 ID:zRcnAkLMO
結局逆レされたのかな?
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/20(火) 01:29:54.99 ID:eIJ4TwymO
まるで野獣の咆哮だぁ...(直喩)
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/20(火) 01:31:28.46 ID:zRcnAkLMO
>>128
おめ。これは激しくやられましたな。
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/20(火) 01:37:00.62 ID:UxnLbrpcO
初体験がキメセクとはたまげたなぁ…
131 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/20(火) 01:44:33.65 ID:U9WHqk/t0


「うっ」

「一体どうされたんですの? げっそりとしてらっしゃる……」

「お、お構いなく」

「大丈夫ですかー領主様」サスサス

「やめっ、止めて! もう無理だから!?」

「撫でただけではありませんか」ペロッ

「腰に来る!」

「がんばれっ がんばれっ」

「おうふ」

「なんですの? 私のこの空気感……」


エルキナは1人だけ仲間外れにされている気分を覚えた。

心なしかこちらに見せ付けられているようにも見えるのがまた……。
132 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/20(火) 01:52:53.42 ID:U9WHqk/t0


「楽しかったですね?」

「ルチアは楽しかっただろうよ……」

「んひぃーっ」

「!?」

「あの悲鳴は傑作でした」

「ヤメロォ!」

「何かしてらしたんですの?」

「え、ええ。ちょっと【馬術の稽古】を2人で――」

「………」 (夜に馬術……ふむ?)

「その時、運悪く【馬に蹴られて】しまって」

「そういう事でしたか」

「ハハハハ……ハァ」


君は深いため息を吐き、ルチアは小躍りしそうな表情を浮かべている。

エルキナは言葉の裏に気付いて1人納得していた。
133 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/20(火) 02:00:48.99 ID:U9WHqk/t0


「さ、さぁ! アエミリウス公の元へ向かいましょうか!」

「そうですわね」

「今更好青年ぶったって遅いですよ?」

「そこ、うるさいぞ」

「はいはいはーい」ニヘラッ

「………」 (今のルチアに何を言っても駄目だな……無視しよう)

「…先が思いやられますわ」ボソッ

「何か仰いましたか?」

「いえ、なにも」


君達3人はアエミリウスの領地へと向かう。

道中、大きな商隊が君の領地から出て行くのが見えた気がした。



――――
――――――――――
――――――――――――――
134 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/20(火) 02:17:11.79 ID:U9WHqk/t0


【アエミリウス家】


「お久しぶりです。アエミリウス公」

「ティオニクスよ、息災だったか」

「はっ、おかげさまで。こちらの領地も安定しております」

「ふむ、それは良い知らせだな」

「……」

「貴様――」

「………」

「隣に居る貴様は誰だ? 面を上げて我を見よ」

「……無礼をお許しくださいませ」スッ

「その顔……何処かで見た覚えがあるな」

「エルキナ・ユリウス・カエサル――」

「なに、ユリウス…?」

「私の事はエルキナとお呼び下さい。アエミリウス公」ペコリ

「…ほう」


エルキナは綺麗な所作で名乗りを上げた。

それを眺めている僕は、言い表せない程の緊張感を覚えた。
135 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/20(火) 02:29:40.21 ID:U9WHqk/t0


「本題に入るとしよう。我に何用か」

「本日は――」

「隣に居る小娘に関係する事か?」

「……いえ、別件です」

「妻を娶るからその報告に――」

「申し訳ありません。そういった話しではなく」

「面倒な話か」

「その通りです」

「……ここは少し開け広げだな。場所を変えるとしよう」

「ご配慮いただき感謝致します」


人の出入りが多い場所だから安全とも言えるこの場所は誰が聞いているか解らない。

君はその提案を有り難く受ける事にした。

136 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/20(火) 02:43:25.49 ID:U9WHqk/t0


君達は彼とその使用人に連れられ、1つの小さな部屋へと入る。


「ここは我の部屋だ」

「存外狭い部屋ですのね」

「…!」 (エルキナ! 馬鹿止めて!?)

「ほぅ?」

「く、口を慎むようにしなさい。エルキナ」

「失礼しました。つい口が滑って」

「……大変申し訳ありません」

「構わぬ。威勢の良さは当人の強さにも関る事だ」

「なんと寛大なお言葉」

「貴公も学ぶべきかもしれんな」

「ッ、それはその……」

「無理はせずとも良い。向き不向きは誰しもある故な」


アエミリウス公はゆっくりとした動作で椅子に腰かけた。

座るように促されたので、君は彼から見て斜め前の椅子を選ぶ。


……恐らく自分が気に入った物を使い込んでいるのだろう。

腰かけた椅子からはかなりの年月を感じる。

137 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/20(火) 02:56:39.92 ID:U9WHqk/t0


「ここなら誰にも邪魔されまい」

「はっ」

「要求を口に出すが良い。我はそれを聞くとしよう」

「………」 (要求……話が早くて良いのか……?)

「それに我が応じるかは……別だがな」

「…はい」


アエミリウス公は問いかけてきた。

余程変な事を言わない限り、彼は激昂したりはしない。

どういった話を振るのかは全て僕にかかっている。


……僕は彼にどんな話を振ろう。


―【選択表】――――――――――――――――――――――――――――――――――――

@―「目障りな方が――」   ア「……我か?」   テ「いえ、そんな……違います!」

A―「ユリウス氏族とはどんな関係でしょうか」   ア「肩を並べ合う戦友(とも)だった」

B―「その方は下がらないんですね?」   ア「もしこの場で我が死ねば誰が証人になる?」

C―「まずは茶でも一杯……」   ティオニクス「うっ、頭が……」   ア「貴公は何を言っている」

D―「ティオニクス。貴公の後ろに居る従者は、何故ずっと緩んだ顔をしている?」

E―自由記述 〔2D10で【08以下の奇数】なら悪い方向、偶数なら良い方向へ解釈〕

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓2〜3 選択肢 (2D10で低い方採用)
138 : ◆sh9LE6ZD.AZt [sage]:2018/03/20(火) 03:27:42.49 ID:U9WHqk/t0

今日はここで終了

また明日おなじくらいか、もちっと早くに更新予定

139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/20(火) 08:56:46.44 ID:iHOMo59DO
おつ。ルチアも確か元娼婦だし、そういうことになったら一方的に逆レイプされますわなw。
てかティオ君の周りにビッチ属性多いけど、イッチの趣味かな?嫌いではないが。

選択肢はまずは無難に2。徐々にメッサーラの話に移る。
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/20(火) 18:45:35.77 ID:UpapTagEO
5
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/20(火) 18:56:29.09 ID:tixBMwpmO
偶数ゾロ目だから何かあるかな?
142 : ◆sh9LE6ZD.AZt [sage]:2018/03/20(火) 22:27:25.65 ID:U9WHqk/t0

A―「ユリウス氏族とはどんな関係でしょうか」   ア「肩を並べ合う戦友(とも)だった」


「友?」

「うむ。先の大戦では共に剣を振るいあった仲で、今となっては昔の事だが――」

「……」

「我に軽口を叩く者が多かったぞ? ちょうどそこに居る小娘の様に」

「そ、そうでしたか。それは……」

「お嫌いですか?」

「そうは言っておらん」

「好きなんですの?」

「ハハハッ、その言葉も否定しておこう」

「………」タラー


エルキナは遠慮のない言葉でアエミリウス公と会話している。

普段の会談でも神経をすり減らすというのに、これでは胃が幾つあろうと風穴が開いてしまう。

君は彼女が来ている服の袖を、彼に見えない様にして引っ張った。

143 : ◆sh9LE6ZD.AZt [sage]:2018/03/20(火) 22:55:55.34 ID:U9WHqk/t0


「……」グッグッ

「何ですの?」

「あの、もう少し――」

「解っていますわ。ご心配なさらず」

「は?」


エルキナは君を手で制した。

意図が解らず困惑している君は、彼女の行動を止めることが出来ない。

144 : ◆sh9LE6ZD.AZt [sage]:2018/03/20(火) 23:13:49.00 ID:U9WHqk/t0


「私からアエミリウス公に折り入って相談があります」

「ほう」

「私……いえ、領民の【障害】になる存在を排除して頂きたく――」

「どのような障害か。申せ」

「人命を【物として扱う者】にございます」

「物?」

「……【奴隷売買、剣闘士による興行、強制労働】」

「ふむ。これは困った」

「心当たりがあるようで」

「もはや隠し通す事が出来ぬか」

「アエミリウス公、一体何を……」

「まぁ良い。別に【我だけがやっている事ではあるまい】」

「!?」

「そう、その通りですわね――」

「何気なく私達の生活に入り込んでいるこの習慣、誰が始めたと問いただしても意味は無し」

「本来居る訳がないこの場に、私が居る事が何よりの証明となるでしょう」

「解っているなら――」

「【評判はどこで落ちるか解りません】わよ?」

「……【我を強請るか】。貴様は何を求める?」

「【ちょっとしたお気持ちで十分】です」

「相も変わらず口の回る事よ」

「………」 (ちょっ、えっ……? アエミリウス公も悪事に加担していたのか……!?)


よく解らない話が始まったと思ったら、さらによく解らない状況になってきた。

アエミリウス公は吹聴されると不味い事をやっているらしい。

でも、そんな噂は全く無かった筈だ……。どういう事だ?

145 : ◆sh9LE6ZD.AZt [sage]:2018/03/20(火) 23:39:24.95 ID:U9WHqk/t0


「そちらの【要求を聞くとしよう】」

「アエミリウス公は――」

「ティオニクスよ」

「…はい」

「人の道を外れているかどうか、と問われれば我は外道ではない」

「……本当ですか?」

「誰かが汚いと思う仕事も、他の誰かにとっては綺麗な仕事に見えるだろう」

「我がやらずとも誰かがやっていた事だ。悪と糾弾するのはまだ早いぞ?」

「………」


アエミリウス公はいまだ堂々としている。

彼にとってさっきの話は、そこまで自分の地位を脅かすものでは無いようだ。

気にはなるが、深く聞こうとしてこちらが危うくなるのは勘弁願いたい。


……何を求めよう。


―【選択表】――――――――――――――――――――――――――――――――――――

@―「我が領地の近辺で紛争が起きようと、そちらは関与しない姿勢を保って頂ければと」

A―「失脚させたい方が――」   ア「……我か?」   テ「いえ、違います……」

B―「この場で我が[ピーーー]ば誰が証人になろうか」   エ「脅しをかけているつもりですの?」

C―「メッ――」   ア「名指しでどうこうしたいのは解るが、控えた方が貴公の為だぞ」

D―「時にティオニクスよ。貴公の後ろに居る従者は、何故未だ緩んだ顔をしている?」

E―自由記述 〔2D10で【06以下の奇数】なら悪い方向、偶数なら良い方向へ解釈〕

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓2〜3 選択肢 (2D10で低い方採用)
146 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/20(火) 23:41:33.88 ID:U9WHqk/t0

B―「この場で我が[ピーーー]ば誰が証人になろうか」   エ「脅しをかけているつもりですの?」



B―「この場で我が死ねばば誰が証人になろうか」   エ「脅しをかけているつもりですの?」

修正
安価範囲はここから↓1〜2
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/21(水) 00:28:43.95 ID:lXVc+BdXO
難しいね。1は安全策。2は結果アエミリウスの勢力が強くなるかもしれない。3と4はさすがにね。5は選びたいがそんなシーンじゃない。

まあでも踏み込んで2。エルキナを連れてきた意味があるならここ。
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 00:43:28.29 ID:UuzMWufQO
そもそもアミ公にはメッサーラと事を構える明確なメリットがないからなぁ
メッサーラがいなくなった後も考えて動かんとね
安価なら@
149 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/21(水) 03:10:22.21 ID:176esvmS0

@―「我が領地の近辺で紛争が起きようと、そちらは関与しない姿勢を保って頂ければと」


「遠くないうちに起きるという事か」

「そう取って頂いても構いません」

「それ以外の要求は」

「……」 (大きな要求は後で返って来そうだからな……程々にしておこう)

「特にありません」

「ふむ、お前はどう思う?」

「…れ………かと」ボソボソ


彼は使用人となにやら相談をしている。

自分もそうだが、判断が難しい時はああやって意見を聞けるのが良い点だと思えた。

150 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/21(水) 03:25:29.74 ID:176esvmS0


「頷いてやっても構わぬ」

「本当ですか」

「――が」

「?」

「1つ条件を付けるとしよう」

「それは一体……?」

「我が提示する条件は――」


―【判定表】―――――――――――――――――――――――――

  02   ― 「事態が収束するまでの間、従者を預からせて貰う」

03〜06 ― 「貴公が(どんなに)弱ろうと不干渉を貫かせてもらう」

07〜12 ― 「こちらが用意する装備(一式)を買って貰おう」

  13   ― 「我の従者を暫くそちらで預かってくれ」

14〜19 ― 「貴公が(どんなに)弱ろうと不干渉を貫かせてもらう」

  20   ― 「事態が収束するまでの間、従者を預からせて貰う」

――――――――――――――――――――――――――――――
↓1〜2 アエミリウスの返答 ()はダブった時の内容
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 07:07:03.23 ID:kZng1prlO
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/21(水) 07:37:10.81 ID:CpE6l8ArO
どうなる?
153 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/24(土) 02:14:42.88 ID:ILdDweI40


「貴公が【弱ろうと不干渉を貫かせてもらう】」

「構いません」

「それともう一つ。こちらが【用意する装備を買って貰おう】」

「……装備ですか?」

「使いどころが見つからず持て余していた物だ」

「まさか。鈍らじゃ……」

「物を見た後でもまだ鈍らと言うならば、それは貴公が未熟という証明になるな」

「どうしてそれを私に? 生憎ですが、領地の経済事情はあまり芳しく――」

「別に高く買い取れと言っている訳では無い」

「我は”使わないから”売っておこうと思っただけだ」

「………」

「持って来させるとしよう」


余程の物で無ければ、アエミリウス公もここまで言わない。

しかし、良い物であるなら自分で使わずどうして売りに出すのか。

……君は彼を訝しんだ。

154 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/24(土) 02:44:15.11 ID:ILdDweI40


「刀身が鈍く光っているのが解るか」

「……切れ味の良さそうな”剣”ですね」


君は剣から危うい雰囲気を感じた。

柄を握り込むと、その感覚はさらに強くなる。


「それは屋敷で見つけた物だ」

「見つけた……?」

「うむ。【何気なく頭上を見た時】、頼りのない細い紐で――」

「えっ」

「ぷらぷらと【揺れて今にも落ちて来そうだった】」

「そ、そうだったんですか」


アエミリウス公は当時の状況を君に説明した。

彼曰く、こういった事は良くあるそうだ。

155 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/24(土) 03:00:08.34 ID:ILdDweI40


「捨てるのも忍びないと思って保管していたが――」

「結局、我も使わずじまいだ」

「……」 (命を狙っていたかもしれない物をよく置いておけるなぁ……)

「ティオニクスよ。買い取ってくれるな?」

「お幾らでしょうか」

「言い値で売ろう」

「………」 (安くても良いのか……?)

「ではm――」

「【無償で寄越せと言っても】構わぬ。【構わぬ……が】」

「……考えさせて下さい」

「良かろう」


彼の言葉を聞いて君はフリーズする。

何故なら、タダで手に入れようとしていたからだ。

……やはり美味い話などそうそうない。

156 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/24(土) 03:51:14.03 ID:ILdDweI40


折を見てエルキナが話しかけて来た。


「ティオニクス様、ティオニクス様……」ボソボソ

「なんだ?」

「あれは【ダモクレスの剣】ですわ」

「……ダモクレス?」

「ええ。所持者は【多大なる危険に晒される】という逸話を聞いた事が」

「なんだその物騒な剣は……」

「――ですが、危険を乗り越えし者には【幸福を与える】とか」

「冥福の間違いとかじゃないだろうな……」

「とにかく、剣としての性能はかなり良い物。よくお考え下さいまし」

「………」


性能は以下の通りだ。

君はこの剣を幾らで買い取る?


―〔ダモクレスの剣〕――――――――――――――――――――――――――

・剣を振るう者に危険と困難を、乗り越えし者に権力と栄光を与えん。

・特徴「災いを呼ぶ者」が身に付く

・攻撃修正 「6点」


―【選択表】――――――――――――――――――――――――――――――――

@―「ぎ、銀貨4枚で――」 ア「思ったより安いな。その程度の価値しか無いのか」

A―「銀貨12枚で買います」

B―「要りません」 ア「そうか。では、貴公の話は全て無かった事に――」

C―考える(1回だけ)

D―自由記述

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓1〜2 選択肢 (2D10で高い方採用。数値が低いほど結果が良くなる)
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/24(土) 08:40:54.28 ID:DICciinjO
2
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/24(土) 09:09:41.57 ID:fa5V7QFjO
4
159 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/24(土) 21:05:43.54 ID:ILdDweI40

A―「銀貨12枚で買います」


「良いのか」

「何がです?」

「……いや、貴公の判断だ。我がとやかく言える事では無かったな」

「?」


アエミリウス公は気になる事を口にした後、君の後ろに目をやった。

そういえば今の今までルチアが全然喋っていない。

……相談をするべきだったか?

160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/24(土) 21:13:17.83 ID:xv+nEeHzO
高いほうじゃないの?
161 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/24(土) 21:31:30.15 ID:ILdDweI40


「剣は先に渡しておこう。金銭は――」

「【次】にお会いするその時【までに用意させて頂きます】」

「それで構わぬ」

「感謝致します」

「うむ。こちらも買い取ってくれて助かった」

「あの」

「なにか」

「【証文】を書かなくてよろしいので? 後で払わないと言ったら――」

「ハハハッ! ティオニクスに限ってそれは無い」

「信頼してるんですのね」

「我も【約束を反故にされれば然るべき対応を取る】ぞ?」

「それはそれは。ぞっとしませんわね」

「……」ダラダラ


反故にして払わなかった場合、自分の対外評価は地に落ちるだろう。

『対価は絶対に支払おう』

……君は心の中でそう誓った。

162 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/24(土) 21:32:19.25 ID:ILdDweI40
あっ やっちゃった……巻き戻します
163 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/24(土) 21:51:36.45 ID:ILdDweI40

C―考える


(アエミリウス公は使わないから売ると言った)

(……しかし、これはどう見ても【名剣の類】)

(安く買い叩くのはあまり良い印象を与えないだろう)

(軍用のグラディウスが【銀貨6枚で1本買える】から――)

(恐らく【銀貨4枚は安すぎる。4倍の価値はありそう】だな)

(無難に中間かそれより少ない位を提示するのが吉か?)


銀貨4 = 安過ぎる

銀貨14 = 普通

銀貨24 = 相場

164 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/24(土) 21:59:09.35 ID:ILdDweI40


(……そういえば)

(僕は前に金貨3枚を使ってしまったから、余裕が……もう無い?)

(ま、待てよ。ドミニクが言っていた自由にして良い金は確か――)


 『【金貨3枚と銀貨8枚】でございます』


(…もう【銀貨8枚しか使えない】じゃないか! どうするんだよ!?)

(ルチアかドミニクに【説明すればどうにかしてくれる】とは思うけど……)

(【あまりいい顔はされない】だろうなぁ……)

(どうしよう)


君は悩んだ。

その姿は小遣いのやりくりに悩む子供のようでもあった。

だがこれは、子供のそれとは規模が違う。


……君は剣を幾らで買い取る?


―【選択表】――――――――――――――――――――――――――――――

@―「ぎ、銀貨4枚で――」 ア「思ったより安いな。その程度の価値しか無いのか」

A―「銀貨12枚で買います」

B―「そうですね、銀貨18で」 ア「ほう。随分高く買ってくれるのだな?」

C―「要りません」 ア「そうか。では、貴公の話は全て無かった事に――」

D―自由記述

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓1〜2 選択肢 (2D10で高い方採用。数値が低いほど結果が良くなる)
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/24(土) 22:12:01.62 ID:1EvZckndO
5 銀貨8枚で買う
ない袖は触れない
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/24(土) 22:21:34.75 ID:FqsaVjVeO
167 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/24(土) 22:39:18.19 ID:ILdDweI40

D―「銀貨8枚で買わせて下さい」


「…そうか」

「よろしいでしょうか」

「構わぬ。【それが貴公の限界】なのだろう?」

「………」 (バレてるな……流石アエミリウス公だ)

「はい。恥ずかしながらその通りです」


アエミリウス公は君の目を見てそれ以上の追及はしなかった。

何気ない仕草で見抜く事が出来るからこそ、彼は権力者なのだろう。

君は自分に足りない物をまざまざと感じさせられた。

168 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/24(土) 22:42:49.56 ID:ILdDweI40


「剣は先に渡しておこう。金銭は――」

「【次】にお会いするその時【までに用意させて頂きます】」

「それで構わぬ」

「感謝致します。アエミリウス公」

「うむ。こちらも買い取ってくれて助かった」

「あの」

「……なにか」

「【証文】を書かなくてよろしいので? 後で払わないと言ったら――」

「ハハハッ! ティオニクスに限ってそれは無い」

「信頼してるんですのね」

「我も【約束を反故にされれば然るべき対応を取る】ぞ?」

「それはそれは。ぞっとしませんわね」

「……」ダラダラ


払わなかった場合、自分の対外評価は地に落ちるだろう。

どんな事をされるか解った物ではない。

『対価は絶対に支払おう』

……君は心の中でそう誓った。

169 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/24(土) 23:04:32.12 ID:ILdDweI40


「本日はありがとうございました」

「うむ」

「次は――」

「【作業が済んだら使いをこちらから出す】としよう」

「…何の話でしょうか?」

「気付いていなかったのか。目安箱とやらがあるのだろう」

「ええ、それはまぁ……」

「我もそれを使ったのだ」

「……」 (使った? それらしい物は――)


 『やけに大がかりな作業を行っているようだな。【噂がこちらにまで届いている】ぞ』


「あっ」

「………」 (あれはアエミリウス公が入れたのか!?)


君は開いた口が塞がらなかった。

謎の文書の1つはアエミリウス公だったようだ。

170 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/24(土) 23:24:48.47 ID:ILdDweI40


「次の来訪を楽しみにしているぞ」

「はっ」

「貴様もだ。エルキナ」

「光栄ですわ」

「……」 (エルキナが言ったあの話、何だったんだろうか……)


こうして普通に話しているが、アエミリウス公も何かをやっているのだ。

これからもっと嫌な事実に気づくかもしれない。

……はたして僕の気力は持つだろうか。


「それでは失礼致します」

「………」

「行きましょう。ティオニクス様」

「あ、あぁ」


君達はアエミリウス公に一礼してからその場を去った。



――――
――――――――――
――――――――――――――――
171 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/24(土) 23:38:36.92 ID:ILdDweI40

【中間報告】


「ご報告致します」

「ドミニクか。始めてくれ」

「はっ」

「まずは領地で捉えた【あの者から】」

「反抗的な態度が少なくなり、我々の邪魔をする素振りも減りました」

「次に――」

「【領地東と南では防御陣地を構築中】。ウェスタの月には【完成します】」

「【意見】については【モルドー、ゴラン、アルベルト】の3人に申し付けて下さい」

「ああ、解った」

「目安箱に入っていた文書を読み上げます」

「『雄叫びが夜に聞こえてきました。獣でしょうか? 怖いです!』」

「『闇市開催。24週の夕方〜25週の朝、場所は北の森にて』」

「………」 (また妙な物が入ってるな……)

「以上です」

「ありがとう、下がってくれ」

「ははっ」


ドミニクは君に恭しく頭を下げ、書斎から出て行った。
172 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/24(土) 23:44:27.27 ID:ILdDweI40

【自由行動】


君は余暇を利用して何かしらの行動を起せる。

領地を放火したり、派手な催し事なんかも出来るだろう。

休息は精神が追い詰められる前に取るべきだ。


……今週は何処でどう過ごす?


下2〜3 自由記述 〔2D10で低いの採用〕

 ※主人公以外の行動指定もやろうと思えば出来ます。
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/24(土) 23:51:24.06 ID:xv+nEeHzO
合法ロリの様子でも見に行こう
念のためルチアを連れて
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/25(日) 00:15:19.66 ID:BHV0YacWO
ドミニクとアルベルトどバラ園でもみてゆっくりしたい
175 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/25(日) 21:42:38.94 ID:TfCjDFtG0


「最近動きっぱなしのような気がする」

「……植物でも眺めに行くか」


君は椅子から立ち上がり、中庭へと向かった。


――
――――――――――


【屋敷の中庭】


「……おや?」

「やあ、ドミニク」

「領主様。どうかなさいましたか?」

「気分転換に薔薇でも見ようかと思ってな」

「そうでしたか。薔薇はあちらでございます」

「ありがとう」

「どうぞごゆっくり」ニッコリ


ドミニクは微笑を浮かべて――

『誰か来るかもしれませんが、お気になさらず』

彼は君にそう言って土いじりを再開した。

176 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/25(日) 21:53:01.71 ID:TfCjDFtG0


「赤にピンク、こっちは黄色か」

「同じ様に見えてもこんなに違うんだな」

「薔薇と一口に言っても、多種多様ですからね」

「ん?」クルッ


声のした方向へ振り向くと――


「こんにちは。領主様」

「アルベルト」

「えへへ……お邪魔でしたか?」ポリポリ


照れくさそうにしているアルベルトが居た。

君は彼の言葉に『そんな事はないさ』と言い返す。

177 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/25(日) 22:12:31.47 ID:TfCjDFtG0


「君は――」

「はい?」

「ここによく来るのか?」

「ハイ! 暇がある時にドミニクさんとお喋りしてます」

「……そうか」ニコリ


アルベルトは嬉しそうな表情で答えた。

その顔を見た君は、思わず笑みがこぼれてしまう。

178 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/25(日) 22:21:11.65 ID:TfCjDFtG0


「ドミニクはどうだ。君にとって面白い奴か」

「はい。とても頼りになる方です」

「……なら、私はどうだ?」

「う〜ん」

「気を遣わせて悪いな。聞かなかった事にしてくれ」

「いえいえ! 領主様も十分頼りにしてますから!」

「ハハ……君は世辞が美味いな」


話している途中、ドミニクが僕達に軽食を振舞ってくれた。

花の蜜を混ぜたパンと乾燥させた葉を煮出した飲み物。


飲み物は――少しだけ渋く舌に残る味。

焼き立てのパンは――柔く、ほんのりと甘かった。


……どうか、この平和な日々が続きますように。
179 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/25(日) 22:27:17.27 ID:TfCjDFtG0

―――――
―――


その日の君は、心地よい疲労感で包まれていた。

今日は実に良く眠れる事だろう。


(ドミニクが作ってくれたパン。あれは美味しかった)

(もう一度食べれたら良いなぁ――)

(すぅ……すぅ……)



―【判定表】――――――――――――――――――――

  02   ― 闘力-「1点」、特徴「目の違和感」
03〜10 ― TP+「1点」
11〜12 ― 変動なし
13〜19 ― TP+「1点」
  20   ― 闘力-「1点」、特徴「呼吸が浅い」

―――――――――――――――――――――――――
↓1〜2 成長判定
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/25(日) 22:40:13.77 ID:xqCPBAtUO
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/25(日) 22:45:35.35 ID:S+85bXn+O
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/25(日) 22:46:08.60 ID:s3HoPdO7O
はい
183 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/25(日) 23:22:00.71 ID:TfCjDFtG0

――
――――――――――
―――――――――――――――――――――



周囲はとても暗い。

空を見上げると灰を被ったような雲が一面に広がっている。

嵐の前触れを予感した君は、自分が屋敷の外に居る事を認識した。


「…様!……領主様!」

「む?」

「どうかお考え直し下さい!」

「ど、どうした……? ドミニク」

「領主様は病んでおられるのです! たかが1人の人間にそこまで執心するなど――」

「だから何がどうしたと聞いている!」

「…!? とぼけているのですか! 領主様は仇討ちに向かうと仰って……!」

「………」 (誰かが死んだのか……?)


ドミニクは何時になく激しい形相だ。

……僕は一体何処へ向かおうとしていたのか。

184 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/25(日) 23:25:26.89 ID:TfCjDFtG0


「――絶対に向かうと言うなら!」

「私奴を叩き伏せてから向かって下さい」

「……」

「そうか、僕は……」

「考え直して頂けますね?」

「ドミニク。悪いが僕は行かなければならない」

「領主様!」

「退いてくれドミニク」

「時が過ぎれば心も癒えます! どうか、どうか――!



―――――――――――――――――
―――――――
――
185 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/25(日) 23:30:07.17 ID:TfCjDFtG0

―【現在値】――――――――――――――

【地方領主 ティオニクス】 男

―41/41 闘力
―05/10 GP
―27/27 TP↑ 〔26→27〕
―50/100 ?↑ 〔30→50〕

【自然回復】 (闘力、TP20%回復)
――――――――――――――――――――

【ティオニクスの従者 ルチア】 女

―45/45 闘力
―04/10 GP
―40/40 TP
――――――――――――――――――――

【影薄き従者 ドミニク】 男

―46/46 闘力
―04/10 GP↑
―38/38 TP
――――――――――――――――――――

【銀嶺の従者 ディアナ】 女

―41/41 闘力
―05/10 GP
―34/34 TP
――――――――――――――――――――



「大変お疲れだったようで」

「ドミニク……」

「雑務はこちらの方で処理しておきました。気になる点があれば、食事の後でなんなりと」


いつの間にか部屋に入って来たドミニクが、微笑を浮かべながら窓を開けている。

どうやら今日も長く眠っていたようだ。


……あの夢はいったい何なのか。

186 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/25(日) 23:43:16.71 ID:TfCjDFtG0


【豊穣神マイアの月 3週】 (19/28)


「報告します」

「………」

「領主様、どうかされましたか?」

「…や、何でもない。始めてくれ」

「解りました!」

「領地【東と南では陣地を構築中】で、ウェスタの月には【完成予定】です」

「領主様から【意見】がありましたら、【皆さん】にどうぞお願いします」

「ああ」

「あと、今週は北東の村へ訪問する予定があります」

「忘れているようでしたら、今のうちに【準備をしておく】と良いかもしれません」

「ん」

「あのー、領主様?」

「…なんだ?」

「今日はいつもより口数が少ないようですけれど……」

「………」

「無理、しないで下さいね」

「……ありがとう。気を付ける」

187 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/25(日) 23:47:30.32 ID:TfCjDFtG0

―【現在の状況まとめ】――――――――――――――――――――――――――

・豊穣神マイアの月 3週 (19/28)

・19、21ターンに北東の村と情報共有を行う

・ウェスタの月が半分過ぎるまで(22ターン)に物資の調達をする

・東と南で陣地構築中。3名と関わる事で介入可能

・人材は最大10名まで。現在の数は「10名」


・ルチアはディアナが嫌い。それとは別の方向でウルリッヒが嫌い

・エルキナの待遇に不満を持つ者が居た

・ディアナに頼むと「奉仕」してもらえる

・ドミニクは薔薇を育てている

・銀貨8枚をアエミリウスに支払う


・領地東で黒い液体(石油)を貯留中

・東の櫓は南よりも景色が良い

・領地の中心に「目安箱」を設置

・南方にメッサーラ家の領地がある

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

/領地特徴/

北―森の一帯
西―大きな川+
東―豊かな農地++ 【?】
南―荒地+++ 【?】
南東―焼野原


/建造物等/

北―巣穴
西―堤防
東―柵(木)、油田、景色が良い櫓
南―柵(木)、旗(太陽)、屋敷寄りに櫓

北東―牧歌的な村
南東―灰に塗れた地面


・水源が豊富
・領民は読み書きが出来る教養を持つ
・東南からは攻め易い
・村(北東)の住人と協力関係


【?】 陣地構築中 〔22ターン前後に完成〕
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
188 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/25(日) 23:54:13.21 ID:TfCjDFtG0


生きた結果は歴史が証明してくれる。

君はこの世界でどう生きたいかを示せば良い。


……第19ターンの行動を聞こう。君は何をする?


―【選択肢】―――――――――――――――――――

@―領地の開墾、改善
A―人材発掘
B―自己学習
C―誰かに相談する※
D―近隣の領主、村長に助けを求める※
E―自由記述
F―人材派遣

※―今まで出て来た人物の名前を併記する事
――――――――――――――――――――――――
下1〜2 選択肢
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/25(日) 23:57:00.68 ID:S+85bXn+O
6村に持っていく食料を見繕う
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/26(月) 00:04:16.56 ID:aqpjRqd0O
これは情報共有は別イベント扱い?
191 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/26(月) 00:18:12.19 ID:qDZwSOvD0
イベントを短くして良いなら別扱いにします
>>189は採用としてもう一つ

↓1
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/26(月) 00:37:46.27 ID:aqpjRqd0O
なら北東の村に行く一択だな。イベントはガッツリやるべき。
193 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/26(月) 01:07:17.55 ID:qDZwSOvD0

E―村に持っていく食料を見繕う


「ルチア。北東の村へ提供する食料は用意してあるんだろうな?」

「いえ全然」

「は!? どういう事だ!」

「これは領主様が率先して領民に説明すべき事」

「私が矢面に立つべきモノではありませんよ」

「うっ、それはそうかもしれないが……」

「張り切ってくださいませ」

「……本音は?」

「私が領民に頭を下げるのはイヤ」

「清々しい程の屑だな!?」


君はルチアに勢いよく突っ込んだ後、領地を廻る事にした。

……突っ込んだのは誤字にあらず。
194 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/26(月) 01:13:51.77 ID:qDZwSOvD0


「――と言う訳です」

「そうですか。しかし、我々の生活を脅かす程では無いんでしょう?」

「はい」

「でしたら構いません。私は毎日食べる事が出来れば十分ですから」

「ありがとうございます」

「頭を下げずとも大丈夫ですよ」

「………」

「困った時はお互い様。これからもよろしくお願いします」

「ええ。こちらこそ」


このように領民への説明は順調だった。

……最後に訪れた一軒を除いて。

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