【安価】クリエンテスとパトローヌス

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1 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/03(土) 21:42:37.60 ID:XqVSfSkRo


この世界の生物は何かしらの目的を持って生きている。

君もまた大きな目的を持って生きている。

目的の一つをを果たす為、君はこの世界の何処かで動くだろう。


……願わくは長く生き残る事を。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1520080957
2 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/03(土) 21:44:46.68 ID:XqVSfSkRo

【過去スレ】

1スレ目 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1493175232/
2スレ目 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1497717836/
3スレ目 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1502460226/
4スレ目 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1507301000/

※1スレ〜3スレ492まではシャド、そこからはティオニクス
3 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/03(土) 21:46:12.27 ID:XqVSfSkRo

[戦い方の説明]


2D10(コンマ2桁)で判定し、どちらか好きな値を用いることが出来る。

最初に選んだゾロ目が出た場合、必ず良い結果が出る。
(ティオニクスの場合は偶数ゾロ、22,44,66,88,00)

出た値が自分のGP以上であれば攻撃成功。

同じ場合は、武器の攻撃値だけ相手の闘力を削る。


超えた場合、超えた分を武器の攻撃値に上乗せして、相手の闘力を削る。

超えなかった場合は、その攻撃が防がれたか、空振りした扱いになる。


相手と交互にこれを繰り返し、闘力が0以下になった時や目的を達成した時に勝敗がつく。

……しかし、君はいつでも戦う事を放棄することが出来る。



[追記]


簡易戦闘の場合は1D10(コンマ一桁)で判定する。

その結果に応じて、自軍敵軍の負傷度合いを決定。

闘力、TP、GP、特殊技能を含めた戦力差によって有利判定が増える。
4 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/03(土) 21:49:34.60 ID:XqVSfSkRo

―【登場人物まとめ】


【ティオニクス】

このスレにおける主人公。地方領主。

父が急逝した事により若くして領地を継ぐ事になった青年。

有能な人材が複数居るが、どいつもこいつも癖のある人材ばかり。


【ルチア】

才気溢れる女従者。

彼女が主人に対して毒を吐くのは特別な思いがあるから……なのかもしれない。

年齢は25歳、得意料理は鳥肉のスープ。努力は人に見えない所で隠れてする主義。


【ドミニク】

変装と造園が趣味の男従者。

主人を驚かせる事に並々ならぬ熱意を見せる。

変装の実力は女性であるルチアに化けてもバレない程。

年齢は27歳、得意な料理は豚肉の香草焼き。薔薇や植物の品種改良を秘密裏に行う。


【ディアナ】

軍属の弓兵。

彼女の所属している支援軍は市民権の無い者で多数構成されている。

金銭や経済支援を彼女へ行う約束で現在は主人公の従者として働いている。

年齢は若いが戦闘員としては十分な能力を持つ。弓で狙撃させたら10発7中ぐらい。

料理は全然得意じゃないけど丸焼きだけは上手。

5 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/03(土) 21:50:14.43 ID:XqVSfSkRo


【ミリス】

太陽神ミトラを崇める男性信者。

主人公をミトラ神の生まれ変わりと同一視しており、たびたび『主』と呼ぶ。

一歩間違えれば狂信者だが、意外と常識は弁えていたりする。

ただし、主人公に対して敬意が見えない者に対しては途端にやべーやつと化す。

年齢は20代後半、得意な事は悪を滅する事。好きな言葉は「戦、崇拝」。


【モルドー】

力自慢の領民。

長い間蓄積された経験によって肉体労働はお手のもの。

彼が居る事によって捗った作業は数知れず。称賛されなくとも仕事はきっちりこなす。

加工する木材を調達する時によく怪我をするので身体に生傷が絶えない。

年齢は40近く。得意な事は肉の解体と家具の作成。


【ゴラン】

鋭い直感を持つ元奴隷。

領地を訪れていた奴隷商に安くない金額を払って解放した。

生きる事への執念は凄まじく、他者が苦境で死のうとも自分だけは生き延びようとする。

年齢は30に差し掛かる。得意な事は物理的な苦しみに耐える事。


【アルベルト】

気弱でのっぽの領民。

体格の割におどおどした様子が多く常に周囲を気にしている。

そういった部分とは別に物覚えがとても良く、人から聞いた話を全然忘れない。

年齢は19歳。好きな事は土弄りと狭い空間を作る事。


【ウルリッヒ】

川から流れて来たお尋ね者。

訛りが強い喋り方で人に馴れ馴れしい態度を取る。

現在、領地内の多数からあらぬ嫌疑をかけられている模様。

年齢は24〜30位に見える。好きな料理は魚のフライ。
6 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/03(土) 21:54:39.19 ID:XqVSfSkRo


―【現在の状況まとめ】――――――――――――――――――――――――――

・豊穣神マイアの月 1週 (17/28)

・ウェスタの月が半分過ぎるまで(22ターン)に物資の調達をする

・領地東と南で陣地構築中。3名と関わる事で介入可能

・人材は最大10名まで。現在の数は「9名」


・領地東で黒い液体(石油)を貯留中

・東の櫓は南よりも景色が良い

・領地の中心に「目安箱」が存在する

・南方にメッサーラ家の領地がある

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

/領地特徴/

北―森の一帯
西―大きな川+
東―農地++ 【?】
南―荒地+++ 【?】
南東―焼野原


/建造物等/

北―巣穴
西―堤防
東―柵(木)、油田、景色が良い櫓
南―柵(木)、旗(太陽)、屋敷寄りに櫓

北東―牧歌的な村
南東―灰に塗れた地面


・水源が豊富
・領民は読み書きが出来る教養を持つ
・東南からは攻め易い
・村(北東)の住人と協力関係


【!】 商隊が領地に訪れている
【?】 陣地構築中 〔22ターン前後に完成〕
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
7 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/03(土) 22:00:23.42 ID:XqVSfSkRo

―【特殊技能】――――――――――――――――――――――――――――

※「征伐」(せいばつ)

・自分と他数名を引き連れ、近隣の敵勢力に攻め込む。
・戦闘で死亡判定が無くなる。戦力差に応じて有利判定が増える。
・消費TPは「TPの最大値分」


※「替玉」(かえだま)

・他者に変装して成り代わる。
・変装の出来は自身の顔に特徴が無い程高くなる。
・消費TP「10点」


※「気配遮断」(けはいしゃだん)

・空気と同化して自身の気配を消す。
・1対1の時は身を隠してからでないと使えない。
・消費TP「6点」


※「逃走」(とうそう)

・戦闘中であってもその場から逃げる。
・消費TP「0点」


※「猛追」(もうつい)

・攻撃判定を3D10で行う。二刀闘士以外であっても、3つ全てで攻撃を行う。
・それぞれの判定に「-1」の修正を加える。
・自分の攻撃判定が「GP以下」だった場合、更に「+1点」の修正を加える。
・TP消費「9点」

【例】――――――――――――――――――――
19:44:49.62
     ↑9の数字まで適用。
――――――――――――――――――――――
8 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/03(土) 22:01:04.07 ID:XqVSfSkRo


※「狙撃」(そげき)

・遠方からの射撃によって敵を射貫く。
・自軍の有利判定を問答無用で一つ広げる。
・消費TPは「最大TPの半分」


※「企図」(きと)

・これを所持する者が判定に関与するとき、「微〜少量の+修正が働く」。
・ブレ幅は主導者のやる気に大きく左右される。
・消費TP「5点」


※「開錠」

・戦闘では使用できない。
・時と場合によってはどんな鍵でも開けられる。
・消費TPは「2点」。


※「調教」

・生き物を従順になるよう躾ける。
・ちょっと練習させれば、領民でも乗れます。
・消費TPは「最大値の半分」。


※「差配」(さはい)

・どんな判定でも「結果を1つ繰り上げられる」。
・戦闘では使えない。
・消費TPは「最大値分」。


※「統率」

・戦闘に参加すると「3%」の補正が別にかかる。
・これを持つ者が複数いても、重複はしない。
・消費TPは「最大値の4分の1」。

※「特攻」(とっこう)

・防御を捨てて敵に突撃する
・互いの攻撃が終った後、追加攻撃の機会を得る。
・消費TPは「最大値の50%」


※「聖戦」(せいせん)

・神に仇なす敵を排除する。
・互いの判定が終った後、防ぐ事の難しい追加攻撃を倒れるまで行う。
・消費TPは「最大値の90%」

――――――――――――――――――――――――――――――――――
9 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/03(土) 22:33:03.03 ID:XqVSfSkRo


『今までのおさらい』



「牧歌的な村に似つかわしくない、【覆面の村長と腐敗した貴族を抹殺する】と約束した」


「【領主様は】私が居ないと本当に【ダメ】ですね。もっと頑張って下さいませ」


「領地に湧いた【石油を売って大きな収入を得る】ことが出来ました」


「【経済的余裕は生まれましたが】、屋敷での生活は【毎日胃痛が】絶えません……」



「おお【主】よ! 何故貴方はかようにも【神々しい】のでしょうか! 御身に仕えられる今を、私は生まれてきて良かったと存在意義を


「もう【若ぇ奴だけでいい】んじゃねぇか?」


「【面倒事】をこっちに振るのは止めr……【止めて下さい】マジで」


「成長する機会なんてほとんどありませんよ! 僕は戦闘員じゃないんですから!」


「馬車馬のように【働け言うんは】勘弁してくれへん? ……と言うか【従者のお前がやれや!】」
10 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/03(土) 22:59:30.32 ID:XqVSfSkRo


「……」 (こうして考えても、僕の中では既に決まっている)

「よし!」


購入する物を決めた君は商人に顔を向けた。


「お決まりでしょうか?」

「『エルキナ』。彼女を買おう」

「よろしいのですか? 金貨3枚を支払うだけの価値が――」

「勿論だ。それだけの価値はあると思った」

「しかしよく考えて下さい領主様」

「なんだ? ドミニク」

「たかだか1人の労働力を手に入れる為に金貨3枚。これは馬鹿にならない出費でございます」

「それだけの金銭があれば、領地を長く維持する事も出来ましょう」

「………」 (やけに食い下がるな……)


君の従者は奴隷を購入する事に反対している。

どうにかして彼を納得させたいが……


……君はどんな理由でドミニクを説得する?



―【選択表】―――――――――――――――――――――――――――――――

@―「相手は貴族だぞ? ここで手に入れておけば後で何かが返って来る筈だ」

A―「彼女を妻とする為だ! そこに口を挟むのは従者であろうと許さん!」

B―「悪い主人に買われていくなら、いっそ自分の所に置きたいと思ったからだ」

C―「好きに使って良いと言ったのはドミニクだ。僕はその通りに動いているだけさ」


D―自由記述 〔2D10で奇数ゾロ目なら悪い方向、それ以外ならいい方向へ解釈〕

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓1〜2 選択肢 【2D10で低い方採用】
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/03(土) 23:11:06.50 ID:xZ4nqqS5O
@
+
D仮に貴族としての戦略的価値がなくても戦術的価値は揺らがない

流石に奇数ゾロなら引かへんやろ(慢心)
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/03(土) 23:37:23.06 ID:R5Tmse+aO
13 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/04(日) 21:31:32.00 ID:3dDLw5oz0


君はよく響く声で自分の意見を口にした。


「相手は貴族だぞ? ここで手に入れておけば後で何かが返って来る筈だ」

「しかしそれが返って来なかった場合について、それは考えていらっしゃるのですか?」

「仮に貴族としての”戦略的価値”がなくても、彼女の”戦術的価値”は揺らがない!」

「そこまで仰るとは――」


―――



「へくちっ!」

「………」 (誰かが私を貶している気がしますわ……)
14 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/04(日) 22:02:31.79 ID:3dDLw5oz0


「貴族という立場を使えなくとも、彼女の能力は十分」

「僕はルチアやドミニクにも劣らないとさえ考えているぞ」

「………」

「解ってくれるか?」

「はい。私奴からはこれ以上申しません」


ドミニクは君の熱意に負けたようだ。

微笑を浮かべた顔でこちらを見ている。
15 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/04(日) 22:03:58.36 ID:3dDLw5oz0


「商人! 『彼女』を買うぞ!」

「お買い上げですか? 毎度ありー!」

「しばしお待ち下さいましー」

「いやっほー! ティオニクス様ばんざーい!」


商人達は大喜びだ。

高値の商品が捌けたことで気が楽になったのかもしれない。
16 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/04(日) 22:15:23.51 ID:3dDLw5oz0


君の前まで連れられてきたエルキナは目をぱちくりとさせている。

本当に私を買うの? といった顔だ。


「金貨3枚……確かに!」

「後はお好きなようにどうぞ〜!」

「これで貴女は今日から私の――」

「コレですの?」スッ

「……違います」

「あら、残念ですわ」


話を遮るようにエルキナは小指を立てた。

君は脱力しながら、彼女に向かって否定の言葉を返した。
17 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/04(日) 22:35:59.92 ID:3dDLw5oz0


「ふふっ……冗談はさておき、改めてよろしくお願い致しますわ」

「ええ、こちらこそ」

「ところで普段は【なんとお呼びすれば】良いのかしら?」

「ご自由に」

「では、【貴方様】と――」

「それだけは止めてくれませんか。何だか嫌な予感がします」

「仕方ありませんわね」

「なら【ティオニクス様】か【領主様】のどちらかで呼びますわ。どちらが良いかお決めになって」

「………」

「私は別に【貴方様】と呼んでも構いませんのよ?」

「………」 (ルチアが何故かよく解らない理由で怒りそうだな……)



領主という立場上、君には外聞というものがある。

大した問題では無いが、ここで君がどんな判断をするか知っておきたい。


……君はどれを選ぶ?


↓2 選択肢
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/04(日) 22:47:54.96 ID:f1gTycTjO
名前呼びで
落ちぶれたとはいえ名門出身の貴族という立場と現在の主従関係という立場を折衷する感じでオナシャス
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/04(日) 22:57:49.52 ID:0/rs2nc3O
うえ
20 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/05(月) 21:49:46.05 ID:8S2uPOAa0


「名前でお願いします」

「……ティオニクス?」

「少しばかり砕けすぎなのでもう少し――」

「では【ティオニクス様】とお呼びします」

「ええ、そうして下さい」

「あまりしっくり来ないのですけれど」

「………」 (妙な呼び方をされて困るのは僕だからな……)


商談が終った君達は屋敷へと帰る。

道中、彼女にいくつか話を振って反応を確認してみた。

ドミニクは貴族が理由なのか、少々やり難そうだったのが印象に残っている。


彼女を受け入れた事で領地はどのように変化するだろう?

……今の君には解らない。
21 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/05(月) 22:07:00.21 ID:8S2uPOAa0


【中間報告】


「領主様、報告致します」

「う、うむ。今日はルチアか」

「今週は量が多いので、途中途中で区切る場合がございます。よろしいですね?」

「どんとこいだ」

「領地で捉えた【あの女から】行きましょう」

「反抗的な態度を示すものの、我々の邪魔をする素振りはなし」

「【不穏な集団については】――」

「既に【存在しない】事を確認しました。北東の村で聞いた話と相違ありません」

「………」 (連中は潜んでいたのに、村長はどうやったのかが気になるな……)
22 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/05(月) 22:37:55.64 ID:8S2uPOAa0


「先週と同じく【領地東と南では防御陣地を構築中】。竈神ウェスタの月には【完成する予定】です」

「【陣地構築の方針に意見】がございましたら、【モルドー、ゴラン、アルベルト】の3人に申し付けて下さい」

「ああ。解った」

「次は目安箱に入っていた領民からの声(笑)を読み上げます」

「何か変な風に聞こえたんだが……」

「気のせいでございましょう」

「………」 (嘲るような、悪意をルチアから感じた気がする……)

「『報復はしない。もう出来ない。何故なら我々はこの世に居ないからだ』」

「『なぜ俺達が消えなければならない! お前達さえ居なければ! こんな事には……』」

「後は領民からの声です」

「どう違うんだ……」

「さあ? 何が違うんでしょうね」

「『強欲な人間。傲慢な人間。狂いたるはいつも権力者』」

「『最近、雨が全然降りません。どうしてでしょうか?』」

「『やけに大がかりな作業を行っているようだな。噂がこちらにまで届いているぞ』」

「『町が消えるほどの災害。水と火に気を付けろ』」

「なんか変なのが混じってないか?」

「以上で目安箱に入っていた物は最後です」

「………」 (これは領民が本当に入れた物か……?)
23 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/05(月) 22:57:13.91 ID:8S2uPOAa0


「最後に領主様。あの方について私に申し上げる事はございませんか?」

「うっ」

「ご ざ い ま せ ん か ?」

「す、すまない」

「女ばかり選んで厭らしい……」

「誤解だ! 彼女はれっきとした――『貴族であり、能力が十分ある』」

「そう仰りたいのですか?」

「……その通りだ」

「なら――」

「?」

「なら! 女性を選ばなくてもいいじゃありませんか!」

「一体どうしたルチア!?」

「ああもう嫌! これだから領主様は大嫌いです!」

「どう反応すれば良いんだ……」

「男女の選択権があるのなら、【男を選べば良い】んです!」

「えぇ……」

「報告する事はもうございません! 失礼します!」

「あ、ちょ、待っ……行っちゃった」



ルチアはぷんすかと怒りながら部屋を出て行った。

いつもと明らかに違う彼女の様子に、僕は困惑しっぱなしだ。
24 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/05(月) 23:02:11.36 ID:8S2uPOAa0


【自由行動】


君は余暇を利用して何かしらの行動を起せる。

知らない人間はどうしようもないが、知っている人間ならばどうとでも出来る。

貴族の家を訪ねる事や、領地で催し事なんかも出来るだろう。


……どんな行動を起こすのか教えてくれ。


下1〜3 自由記述 〔2D10で低いの採用。数値が高い程良い〕

 ※主人公以外の行動指定もやろうと思えば出来ます。
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/05(月) 23:16:22.28 ID:ipwveQ+T0
目安箱が意味不明で当てにならんという名目で、ルチアを連れて領地の視察(ルチアには言わないけどデート)
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/05(月) 23:28:27.99 ID:luCiIyadO
エルキナの様子を見に行く
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/05(月) 23:51:32.43 ID:gSAMG6qqO
今ルチアに会っても取りつく島もないやろうなぁ
エルキナと領地運営のことについて話し合ってみようや
貴族やし何か有用な意見も聞けるかもしれへん
28 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/06(火) 22:23:30.44 ID:0Jqr7pif0


「エルキナ、エルキナは居るか」ガチャッ

「きゃっ!」

「も、申し訳ない!」


君はエルキナを探す為に屋敷の扉を片っ端から開けていた。

何とも運が良……いや、運の悪い事に彼女が着替えている場面に遭遇してしまう。
29 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/06(火) 22:34:43.57 ID:0Jqr7pif0


「……」 (白くて綺麗な……)

「どうぞお入りになって」カチャ

「へぁっ!?」

「どうなさいましたの? ティオニクス様」

「いえいえ! 何でもありませんのでお気になさらず!」

「?」


脳裏に焼き付いた彼女の肢体を反芻していた君は、素っ頓狂な声を上げて後ろに飛び退く。

エルキナは不思議そうに君を見ていたが、部屋へ入るよう促した。


……下着姿を見られたのに、平然としているのは婦女子として如何なものか。
30 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/06(火) 22:46:43.27 ID:0Jqr7pif0


「あぁ、その、着替えを覗くつもりは……」

「その事なら別に気にしていませんわ」

「えっ」

「私は人が入ってくるとは思っていなかった。だから驚いただけですの」

「むしろ、ティオニクス様が女性の身体に興味があると判って私は嬉し――」

「そ、そういえば!」

「……何です?」ニコー

「きょ、今日は貴女に相談があって来たんです!」


妙な事を口走ろうとしていたので、君は唐突な話題転換を図った。

水を差された彼女は、君の事をとてもいい笑顔で見ている。
31 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/06(火) 23:21:22.13 ID:0Jqr7pif0


「我が領地は先代から受け継いで、それほど期間が経っていません」

「どうにかして発展させようと尽力しているつもりなのですが…『結果がそこまで出ないから困っていると?』」

「……はい」

「想像通りですわね」

「………」 (領地を見て気付いたのか、それとも単なる直感か……?)

「【何をどうしたいのか】言ってごらんなさい」

「では……貴族生活で得た貴女の知見をお借りしたい」

「構いませんわ。何でも聞いて下さいまし」


……君は自信満々な彼女に何を聞く?



―【選択表】――――――――――――――――――――――――――――――――

@―「戦火の気配がした時、事前にどんな準備をしていましたか?」

A―「食糧難はどうやって防ぐべきか、不作だった年はどのように対処しているか」

B―「災害による被害を軽減する為、どのような事業を行っていたのか知りたいです」

C―「我が領地では目安箱という物を設置しているのですが、領民以外の者が
     使っているような気がしてなりません。これは何に気を付けるべきでしょうか」

D―「領地東で湧き出る黒い水の正体について何かご存知ですか?」


E―自由記述

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓1〜2 選択肢 〔2D10で低い方を採用。数値が高いほど良い結果に〕
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/06(火) 23:29:15.26 ID:Kt7DSoIUO
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/06(火) 23:40:38.02 ID:EpbTpwyl0
4
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/06(火) 23:46:20.66 ID:InZcTrU1O
C
35 :ゆっくり再開  ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/07(水) 23:27:29.15 ID:ekvta0Ne0
2+6=8


「食糧難はどうやって防ぐべきか、不作だった年はどのように対処していたのか」


「ふぅむ」


「………」 (どんな答えが返って来るやら……)


「そうですわね……【対価】を払う代わりに、食料を【余所から融通】して貰っていました」


「なるほど、【近隣の領地や商人から】買い付けたりでしょうか?」


「そう、大体その通りですわ」


「………」 (思ったよりも普通だ。【もっと変わったやり方】があるのかと思っていたが……)


「参考になったかしら?」ドヤァ


『私の話は役に立つ内容でしょう?』 と言わんばかりのキメ顔でこちらを見ている。

肩透かしを食らった気分だったが、彼女の顔を見た事でそれも吹っ飛んだ。


……彼女を見ていると、なんだか毎日退屈はしそうに無いなと僕は思った。
36 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/07(水) 23:51:07.64 ID:ekvta0Ne0


「そも、そうならないように備蓄する食量は長持ちする物を優先します」


「湿気や虫の被害を受けない食糧庫なんかに、収穫した穀物を【毎年一定量備えておく】とか」


「前々から準備するという事ですね?」


「その通りですわ」


「では【それが無い】、もしくは不作の時はどうすれば?」


「それこそ【先に言った通りのやり方で調達】する。【後は】……」


「後は?」


「……そのどれもが駄目だったら【略奪を行う】のも止むを得ないでしょう」


「そうならないのが望ましいですね……」


「上に立つ者は、時として【人から奪わなければならない時】もありますわ」


「………」 (【あの集落はそうだった】と言えるのか……?)



ただの領民相手だったらあそこまで派手にやっていただろうか。

野盗という事実がありはしたが、彼等を消すだけの大義が自分にはあったのか。


……駆け巡る思考の中、君は罪の意識に苛まれた。
37 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/08(木) 00:06:29.33 ID:o3pfyMDB0


「………」


「悩むのは大事な事」


「悩んで、悩んで……その結果生まれた物は、何物にも代えがたい経験になるでしょう」


「その回数や機会が多ければ多いほど、自分が成長した事を実感できる」


「――かもしれませんわ!」キリッ


「………」 (さっきまで真面目な顔だったのに一瞬で説得力が消えた……)


「さぁ、何でも聞いて下さいまし!」


……君は自信満々な彼女に何を聞く?


―【選択表】―――――――――――――――――――――――――――――――――――

@―「戦火の気配がした時、事前にどんな準備をしていましたか?」

A―「世継ぎは何人ほどが――」   エルキナ「4人ですわ! 男の子が3人と女の子が1人!」

B―「災害による被害を軽減する為、どのような事業を行っていたのか知りたいです」

C―「領地東で湧き出る黒い水の正体について何かご存知ですか?」

D―「我が領地では目安箱という物を設置しているのですが、領民以外の者が
     使っているような気がしてなりません。これは何に気を付けるべきでしょうか」


E―自由記述

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓1〜2 選択肢 〔2D10で高い方を採用。数値が低いほど良い結果に〕
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/08(木) 00:11:23.80 ID:tMntKV+3O
3
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/08(木) 00:15:24.99 ID:wIxt3f2sO
D
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/08(木) 00:16:51.96 ID:wIxt3f2sO
これどっちが採用されるんですかね...?
41 :>>40 同値なら先に取った方を採用する事にします  ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/08(木) 01:21:56.87 ID:o3pfyMDB0


「災害による被害を軽減する為、どのような事業を行っていたのかが知りたいです」


「うむぅ」


「………」 (表情が豊かだなぁ……見てて飽きないや)


「どうかされました?」


「あっ、いえ!」


しげしげと眺めていたら彼女に何事かと聞かれた。

本人に向かって愉快な顔ですねとは言えない。


……君はそれとない返事を彼女に返した。
42 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/08(木) 01:31:38.53 ID:o3pfyMDB0


「……雨による【増水】は、【川の分岐点】を作ったり【水門を作る】事で、能動的な【水量調節】を行っていました」


「へぇ」 (水門か……かなり大規模になるけど、出来たらさぞかし見栄えが良いだろうなぁ……)


「【日照り】続きの時は【雨乞い】をしておりました」


「雨乞い?」


「はい。三日三晩【お祈りを天に捧げる】というものです」


「えっ」


「ああネプトゥヌス様。このままでは私を含めた領民全てが野垂れ死ぬ事になるでしょう」


「涸れた川と私達をどうか水で満たして下さいまし」


「御身に慈悲の心があると言うのならば、どうかその力を振るって頂けないでしょうか……!」


「――と、このような暗唱を何度も繰り返します」


「そ、そのような事を?」


「苦労のかいあってその日から2日間はずっと雨でしたわ!」


「……ハハ」 (神様もこんな脅迫じみた事を言われたくは無いだろうなぁ……)


苦笑いを彼女へ向けながら君は心中でそう思った。


……しかし、さっきの言葉は本気で言っているようだ。

意外と彼女は信心深い性格なのかもしれない。
43 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/08(木) 01:48:13.43 ID:o3pfyMDB0


「得てして、神という存在は私達の生活と密接な関係にあります」


「烏合の衆である人間が、こうやって強固な集団を形成するのもひとえに神あってのもの」


「神が居るからこそ私達は存在する。そう言っても過言ではありませんわ」


「そこまで言いますか……」


「国のトップが神に連なる者と自ら吹聴して回る程ですから、それも当然ですわ」


「なるほど」


確かにそういった背景があると思うと、なんだか神聖な気がしてくる。

よく解らないけどその人物の話は聞こう、と思ったりもするのだろうか。

でもそれは、虎の威(神)を借りている(騙っている)事にもなる気が……。


……いや、国の始まりを否定する事にもなりかねない。これ以上は止めておこう。
44 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/08(木) 02:02:57.43 ID:o3pfyMDB0


「こうして生きている以上、災害が起こるのは仕方のない事……」


「そんな理不尽だからこそ人間は抗うのでしょうね。。実に美しいと思いますわ」


「………」 (抗う、か……僕が今生きているのは父さんが居たからこそかもしれない)


「難しく考えても、駄目な時は駄目ですけれど」キリッ


「えぇ……」 (感動してたのに……さっきもそうだけど落差が激しすぎる……)


「さぁさぁ! どうぞ何でも聞いて下さいまし!」



……君は自信満々な彼女に何を聞く?


―【選択表】―――――――――――――――――――――――――――――――――――

@―「戦火の気配がした時、事前にどんな準備をしていましたか?」

A―「世継ぎは何人ほどが――」   エルキナ「4人ですわ! 男の子が3人と女の子が1人!」

B―「領地間での付き合いはどの程度に留めていますか?」

C―「領地東で湧き出る黒い水の正体について何かご存知ですか?」

D―「我が領地では目安箱という物を設置しているのですが、領民以外の者が
     使っているような気がしてなりません。これは何に気を付けるべきでしょうか」


E―自由記述

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓1〜2 選択肢 〔2D10で高いの採用、同値なら先に書いたの。数値が低いほど良い結果に〕
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/08(木) 03:26:16.22 ID:wIxt3f2sO
@
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/08(木) 07:12:32.57 ID:i0Gr5DlT0
5
47 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/08(木) 23:55:59.40 ID:o3pfyMDB0
5+7=12


「我が領地では目安箱という物を設置しているのですが――」


「領民以外の者が使っているような気がしてなりません。これは何に気を付けるべきでしょうか」


「ふむむ」


「………」 (真剣に悩んでるんだろうけど、どこか間が抜けてるように見えるなぁ……)


「可愛い」ボソッ


「今、なにか仰りました?」


「いえ、なにも」


「そうですか……」


「………」 (うっかり声に出ていたようだ。気を付けないと)

48 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/09(金) 00:37:38.00 ID:LftnbF580


「その事についてですが、考えられる点が幾つかあります」


「1つ目は【外の人間が】知らないうちに、この領地に【入り込んでいる】可能性」


「誰かによる【単なる悪戯】に過ぎないのかもしれませんが――」


「入っていた【内容によって】は、【冗談では済まない】でしょう」


「……」 (野盗が入れていたあれは、まさにそうだろうな……)


「2つ目は【領地の人間に】潜在的な【不満を持った者がいる】可能性」


「不満?」


「ええ、【貴族は】誰しも知らず知らずのうちに【敵を作る】もの」


「【そういった輩】の中には、足を引っ張ってやろうと思う者もいるでしょう」


「生憎ですが、【自分に心当たりは無い】のですが……」


「そんなの【嘘】ですわ」


「えっ」


「嘘をつくならもう少しマシな嘘をつきなさい」


「………」 (何故こうも断言できる……?)


彼女の射貫くような視線に君はたじろいでしまう。

それを言葉に表すなら、高貴な人間が生まれ持つ”風格”という物か。
49 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/09(金) 01:01:50.09 ID:LftnbF580


「最後はそもそも【前提が間違っている】可能性」


「前提が、間違っている……?」


「そうです」


「ティオニクス様は【領民以外が使っている気がする】と仰りましたね?」


「…? えぇ、確かにそう言いました」


「どうしてそう思ったのですか?」


「目安箱に入っていた【内容が変】だったからで……」


「それですわ」


「えっ」


「深く聞きましょう。【どうやって】その情報を【知りえた】のですか?」


「それは、報告に来た従者が……」


「もしもの話をします。その【従者が偽の情報を言っている】としたら?」


「………」


「【信頼していると言うのは勝手】ですが、【誰もが正直にモノを話す訳では無い】事を胸に刻み付けなさい」


「でなければ、要らぬ傷を負いますわよ」


50 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/09(金) 01:12:42.95 ID:LftnbF580


「………」 (ルチアやドミニクが……? そんなのあり得る筈がない!)


「上に立つ者にとって従者とは家族ではありませんの。従者はあくまでも従者」


「酷かもしれませんが、最悪のケースは考えるべきです」


「…肝に銘じます」


「よろしいですわ。他に聞きたい事は?」


「………」 (まだ何かあっただろうか……)



……君は彼女に何を聞く?


―【選択表】―――――――――――――――――――――――――――――――――――

@―「戦火の気配がした時、事前にどんな準備をしていましたか?」

A―「世継ぎは何人ほどが――」   エルキナ「4人ですわ! 男の子が3人と女の子が1人!」

B―「領地間での付き合いはどの程度に留めていますか?」

C―「領地東で湧き出る黒い水の正体について何かご存知ですか?」

D―「ありません。ありがとうございました」※終了

E―自由記述

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓1〜2 選択肢 〔2D10で低いの採用、同値なら先に書いたの。数値が高いほど良い結果に〕
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/09(金) 01:39:29.65 ID:FibTJ5ifO
@
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/09(金) 08:23:06.40 ID:CG6GZMZXO
1
53 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/13(火) 18:45:56.04 ID:xEGB2xO90

@―「戦火の気配がした時、事前にどんな準備をしていましたか?」


「まずは【情報の真偽】を確かめます」

「憶測で動く訳にはいかないからですね?」

「その通り。それが本当ならば――」

「次は【武器の調達】。何も用意出来ない人間には最低限の装備を支給します」

「……こちらが出せる限りの範囲で支援するべきでは?」

「余計な支出を出すのは、領地の未来を潰す事と同義ですわ」

「ですが、それで負けては元も子もない」

「きちんとした練兵を行っていない人間に、重武装を貸し与えた所でどうなりますの?」

「………」

「なるほど」 (殆ど無いよりはマシな程度だろうな……)


君は彼女の意見に不満を覚えた。

それはおそらく、自分が人を見捨てられない性格だからか。


……彼女は切り捨てる事を徹底しているように思える。


54 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/13(火) 18:49:06.29 ID:xEGB2xO90


「他にも気を付けることがあります」

「なんでしょう」

「【食料の管理】ですの。補給を絶たれては戦もままなりませんから」

「最重要と言っても過言ではない?」

「勿論。もしも冬場の戦で食糧を焼かれたりしたら――」

「領民は飢えて死にますね……」

「そういう事ですわ」

「……具体的にどういった方策を?」

「やる事は単純。【1に分散、2に利便性、3に高床式倉庫】」

「1と2はいいんですが……3はどういう意味ですか?」

「慌てないで下さいまし。順に説明致します」


彼女はすぅ、と息を吸ってから喋り始めた。
55 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/13(火) 19:06:39.25 ID:xEGB2xO90


「1ヶ所で管理をしていて、被害を受けた時を想定すると【分散】させる方が都合がよいのです」

「集中させていた場合、相手方は執拗にその場所を狙うでしょうし」

「食料は士気に直結しますからね……」

「【利便性】とは補給路の崩れにくさと、戦場までの距離を言います」

「幾ら攻め込まれない場所に食料を蓄えても、戦っている者に与えられなければ無意味」

「大量な食料を運搬する人間も空腹を覚える事でしょう。そうなれば費用は――」

「ますます増える」

「そうならない為にも利便性とは大事なのです」

「ふむふむ……あの、高床式倉庫は?」

「焦らない焦らない」

「………」 (もったいぶらないでほしい……)

「最後に申し上げた【高床式倉庫】。これは【食糧庫の質】を言います」

「せっかく貯め込んだ食料を畜生と虫に食い尽くされては、苦労も水の泡」

「保管する建物は慎重に選ぶべきですわ」

「食料が無くなるのは、冗談ですまないですからね」

「まぁ、【これは私達にあまり関係の無い話】ですが」

「…何を急に? 関係なら十分――」

「私からは以上です。別の質問なら受けますわ」

「………」 (有無を言わせない圧力がある……)


君の言葉をエルキナが制した。

これより深く聞いてはならない理由が何かあるのだろう。
56 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/13(火) 19:14:11.87 ID:xEGB2xO90


「私の意見を参考にするかしないかは貴方次第です」

「参考にしますとも」

「参考で留まればよろしいですわね」

「……」

「間違っている意見を採用するほど、馬鹿な事はありませんわよ」

「…念頭に置いておきます」



……君は彼女に何を聞く?


―【選択表】―――――――――――――――――――――――――――――――――――

@―「アエミリウス家について何かご存知で?」 エルキナ「風の噂で軍を率いる才に溢れると」

A―「世継ぎは何人ほどが――」  エルキナ「4人ですわ! 男の子が3人と女の子が1人!」

B―「領地間での付き合いはどの程度に留めていますか?」

C―「領地東で湧き出る黒い水の正体について何かご存知ですか?」

D―「ありません。ありがとうございました」※終了

E―自由記述

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓1〜2 選択肢 〔2D10で低いの採用、同値なら先に書いたの。数値が高いほど良い結果に〕
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/13(火) 19:16:48.08 ID:yOVqhee5O
B
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/13(火) 19:25:14.87 ID:vnvLIB0JO
1かな?

低い方採用だとちと辛いね。
59 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/17(土) 21:02:27.51 ID:HbSGyvkk0

@―「アエミリウス家について何かご存知で?」 エルキナ「風の噂で軍を率いる才に溢れると」


「やはり」

「……どうしてそのような事を?」

「領地に湧いた賊の征伐を、依頼した際の手際があまりに良かったもので」

「なるほど。そんな過去が」

「そういう訳です」

「なら……これは知っているかしら」

「?」

「アエミリウスが古代から続く貴族の家系である事を」

「勿論。アエミリウス公とお会いする時はいつも緊張しっぱなしで――」

「ユリウス氏族とは親しい間柄と言ったら?」

「なっ!」


こう言っては何だが、僕は貴族社会の繋がりを良く知らない。

どの家がどこと付き合っているのかすらも怪しいくらいだ。
60 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/17(土) 21:27:45.45 ID:HbSGyvkk0


「失礼を承知で言いますが」

「はい?」

「ティオニクス様は【他家にお呼ばれ】する機会がありまして?」

「………」 (パーティーとかそういったモノの事か? そういえば全然無いような……)

「では、此方の【領地にお呼びする】機会は?」

「…全くありません」

「貴族としてこの先も生きるなら、【横の繋がり】を作るのは大事ですわよ」

「必要ですか?」

「家の存続が危うい時に、【保険となり得る】でしょう」

「具体的にどう――」

「【金銭を一方的に渡す関係では無い】と言えば解ります」

「………」 (繋がり、一方的、保険……?)

「貴方が支援している【あの女性】と似たようなモノと言えばお解りで?」

「ディアナの事でしょうか」

「そんな名前でしたの? 知りませんでしたわ」

「……」


エルキナは保険がどうこうと言っていた。関係を構築する事が、どう存続と繋がるのか。

僕はそれを頭の中でもやもやとしたまま理解できないでいた。
61 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/17(土) 21:52:43.59 ID:HbSGyvkk0


「そろそろ話を切り上げてもよろしくて?」

「あぁ、もうそんな時間に……これは申し訳ない」

「構いません」


――ガチャッ、キィー


「…甘い」ボソッ

「えっ」

「それではティオニクス様、私はこれで。失礼致しますわ」

「……」


部屋から出る前にエルキナは何かを呟いていた。

僕が聞き取れたのは、振り返って口にした別れの挨拶だけ。


……彼女と話していた少ない時間で、僕は既に疲れを覚えていた。
62 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/17(土) 22:10:18.31 ID:HbSGyvkk0

―――――
―――


全ての用事を済ませた君は自室で深い溜息を吐く。

領主という立場からくる責任感と疲労が君の肩に重く圧し掛かっていた。


(人がまた増えた……2週間後にはまた北東の村へ……)

(もうこれ以上の人間はウチでは抱えられない……)

(……zzZ……zzzZ……zzzzZ)


君は寝台に倒れ伏す。

頬から感じる寝台の感触が君を夢へと誘う……。



―【判定表】――――――――――――――――――――

  02   ― 闘力-「1点」、特徴「目の違和感」
03〜10 ― TP+「1点」、
11〜12 ― 闘力-「1点」、特徴「疲れやすい」
13〜19 ― TP+「1点」、
  20   ― 闘力-「1点」、特徴「呼吸が浅い」

―――――――――――――――――――――――――
↓1〜2 成長判定
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/17(土) 22:28:36.17 ID:AL0aN8bOO
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/17(土) 22:42:44.31 ID:NCGQmwRmO
ほい
65 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/17(土) 23:45:58.42 ID:HbSGyvkk0

――
―――――――


周囲は暗い。

外は陽が差し込まない曇り空のような景色が広がっている。

此処は屋敷にある君の書斎そのものだった。


「…様……領主様」

「む?」

「ようやく反応しましたね。領主様」

「ルチア。どうして僕は此処に?」

「この期に及んで寝ぼけた事を仰るとは……少々自覚が足らないのではありませんか」

「うっ、すまない」

「変な領主様ですね。何時もなら『呆けているのはルチアだろう?』と軽口を叩くのに」

「誰がそんな事……」

「もしや私に遠慮を?」

「そういう訳じゃない」

「……どうして私だけを呼んだんですか」

「誰が? いつ?」

「領主様が昨日の夕方に」

「……」


ルチアは用があって呼ばれたと言っている。

……僕は何を言いつけようとしていたんだろうか。
66 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/17(土) 23:56:02.48 ID:HbSGyvkk0


「来週」

「………」 (来週? ルチアを個人的に呼ぶ大事な事ってあったかな……)

「お互い生きていればいいですね」

「な、なにを……」

「無事に終わったら、その時は私を――



―――――――――
――
67 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/18(日) 00:07:38.17 ID:npkNY6A+0

【現在値】――――――――――――――

【地方領主 ティオニクス】 男

―40/40 闘力
―05/10 GP
―26/26 TP↑   〔24→26〕
―20/100 ?→   〔20→20〕

【自然回復】 (闘力、TP20%回復)
――――――――――――――――――

【ティオニクスの従者 ルチア】 女

―45/45 闘力
―04/10 GP↑
―40/40 TP
――――――――――――――――――

【影薄き従者 ドミニク】 男

―46/46 闘力
―05/10 GP
―38/38 TP
――――――――――――――――――

【銀嶺の従者 ディアナ】 女

―41/41 闘力
―05/10 GP
―34/34 TP
――――――――――――――――――



「随分長くお休みだったようですね」

「ルチア……」

「ハァ……もう昼ですよ? いい加減しゃんとして下さいまし」


いつの間にか部屋に入って来たルチアが目の前で呆れ顔を浮かべている。

どうやら長く眠っていたようだ。


……あの夢はいったい何だったのだろうか。
68 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/18(日) 00:21:00.41 ID:npkNY6A+0


【豊穣神マイアの月 2週】 (18/28)


「ご報告致します」

「………」

「領主様? どうかなさいましたか」

「……ん、何でもないんだ。始めてくれ」

「はっ」

「引き続き【領地東と南にて防御陣地を構築中】。竈神ウェスタの月、中頃に【完成予定】です」

「【陣地構築の方針に意見】がありましたら、【モルドー、ゴラン、アルベルト】のいずれかにお申し付けを」

「ああ」

「あの、領主様」

「なんだ?」

「エルキナ……様も屋敷で我々と同じように労働をして頂いております」

「私奴は領主様と同様にあの方へ敬意を持って対応しておりますが……」

「何か問題でも?」

「その、ルチアが少しばかり……」

「…あぁ」

「領主様の方から窘めるように仰って頂ければと」

「うむ。解った」

「申し訳ございません」

「……ところで、あの子は」

「今はおとなしくしています……フゥ」

「浮かない顔だな?」

「申し訳ありません。服を脱ぎたがったり、好き嫌いが激しいのは相変わらずなので……」

「そうか、大変そうだな……」

69 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/18(日) 00:26:41.32 ID:npkNY6A+0

―【現在の状況まとめ】――――――――――――――――――――――――――

・豊穣神マイアの月 2週 (18/28)

・19、21ターンに北東の村と情報共有を行う

・ウェスタの月が半分過ぎるまで(22ターン)に物資の調達をする

・領地東と南で陣地構築中。3名と関わる事で介入可能

・人材は最大10名まで。現在の数は「10名」


・ルチアはディアナが嫌い。それとは別の方向でウルリッヒが嫌い

・エルキナの待遇に不満を持つ者が居る

・ディアナに頼むと「奉仕」してもらえる

・ドミニクは薔薇を育てている


・領地東で黒い液体(石油)を貯留中

・東の櫓は南よりも景色が良い

・領地の中心に「目安箱」を設置

・南方にメッサーラ家の領地がある

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

/領地特徴/

北―森の一帯
西―大きな川+
東―農地++ 【?】
南―荒地+++ 【?】
南東―焼野原


/建造物等/

北―巣穴
西―堤防
東―柵(木)、油田、景色が良い櫓
南―柵(木)、旗(太陽)、屋敷寄りに櫓

北東―牧歌的な村
南東―灰に塗れた地面


・水源が豊富
・領民は読み書きが出来る教養を持つ
・東南からは攻め易い
・村(北東)の住人と協力関係


【!】 商隊が領地に訪れている
【?】 陣地構築中 〔22ターン前後に完成〕
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
70 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/18(日) 00:28:17.19 ID:npkNY6A+0


人の心はとても移ろいやすい。

何がきっかけになるかわからないからだ。


……第18ターンの行動を聞こう。君は何をする?


下1〜2 選択肢

―【選択肢】―――――――――――――――――――

@―領地の開墾、改善
A―人材発掘
B―自己学習
C―誰かに相談する※
D―近隣の領主、村長に助けを求める※
E―自由記述
F―人材派遣

※―今まで出て来た人物の名前を併記する事
――――――――――――――――――――――――
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/18(日) 00:33:15.60 ID:PDCObNDSO
4ルチア
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/18(日) 00:38:58.22 ID:r3737CrDO
まずルチアと面談。エルキナについて説明。あくまで貴族のコネ狙いであると。婚姻など特に考えていないことも合わせて。
(ビッチであることまで伝えてもいい)
まだルチアとフラグは立ってないかな?そろそろ彼女とのフラグは立てたいけど。
後、目安箱の怪についても相談。内通者の可能性を考える。ウルリッヒではなさそうなので、他の誰か。ちょっとまだ消去法以外で絞りきれない。

もう一つの行動は、エルキナとルチアを連れアエミリウス公の所へ。vsメッサーラへの布石を。
73 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/18(日) 00:46:03.22 ID:npkNY6A+0

CとDで決定して今日は終了

また明日おなじくらいか、もちっと早く更新予定
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/18(日) 00:50:24.82 ID:PDCObNDSO
おつ
75 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/18(日) 19:40:16.96 ID:npkNY6A+0

C―誰かに相談する


「……行くか」

君は椅子から立ち上がり、女従者の元へと向かった。



――――



「ルチア〜ルチアは居るか〜」


――ガチャッ


「へ?」

「………」


――キィー、バタン!


「僕は何も見ていない、僕は何も見ていない……」

「覗きをしようとした訳では無くこれは不可抗力で……」ブツブツ


絶賛着替え中だった。

扉を開けた瞬間に見えた横乳が――
76 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/18(日) 19:58:53.81 ID:npkNY6A+0


――ガチャッ!


「どうぞ、入って下さい」

「…はい」


君はルチアの顔を出来るだけ見ないようにして部屋へと入る。


「好きな所へどうぞ」

「……」

「飲み物を用意します」

「あ、ありがとう」


ルチアは君を置いて部屋から出て行った。

部屋にはさっきまで来ていた服が隅の方に積まれている。

その服に対して、君は何ともいえない強い好奇心を覚えた。
77 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/18(日) 20:01:03.85 ID:npkNY6A+0


「……」 (ルチアが来ていた服……だよな?)

「………」 (上から下まで一式ある。後で纏めて洗うから置いてあるのか……)


「はっ!? 待て待て……これじゃまるで僕が変態そのものじゃないか!」


「………」キョロキョロ

「……」ゴクリ

「すぅぅぅ……はぁぁぁ……すぅぅぅ……はぁぁぁぁ……」


君は誰も居ない事を確認してから深呼吸をした。

その行為になんの意味があるのかは当事者である君にしか判らない。


……君は満足気な顔でルチアの帰りを待った。
78 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/18(日) 20:09:47.70 ID:npkNY6A+0


――ガ チャッ


「お待たせしました」

「いや、全然待ってないよさ!」

「…? どうかなさいましたか」

「どうもない! 何もない!」

「そうですか……」

「うむ!」


ルチアの追及が何時もより甘く感じる。

僕はそれを好都合と思い、深く考えなかった。
79 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/18(日) 20:20:00.05 ID:npkNY6A+0


「どうぞ、喉に良い葉を煎じた物です」

「き、気が利くな。ありがとう」

「鎮静作用があるらしく、これと一緒に召し上がって下さい」スッ

「何だコレは……パン、ではないよな?」

「焼き菓子でございます」

「どれ、一つ――」ガサガサ

「ん、むぅ?」モシャモシャ

「いかがでしょうか」

「……かなり【甘い】」

「【蜜を使っております】ので」

「何の蜜だ?」

「花の蜜でございます」

「そうか、ドミニクにでも分けて貰ったのか?」

「……」クスッ

「?」

「いえ、【私が管理している物】です」


俯いて笑んだかと思えば、今は僕を見つめている。

……やっぱりルチアの考えは読めないな。
80 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/18(日) 20:36:23.46 ID:npkNY6A+0


「ん? なんか肩が楽に……」

「糖を補給したからでしょう」

「さっき食べた甘いやつの事か」

「そうです」

「気のせいだろ?」

「そういう成分が入っているからでございましょう」

「?」

「あぁ、料理をしない領主様には無縁の話でしたね……」

「貶しているのか?」

「肯定します」


ルチアは短いながらも君の言葉によく反応している。

今なら楽に話を振る事を出来るだろう。


……君は彼女と何を話す?


―【選択肢】―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

@―「エルキナは悪い奴じゃないからね」   ルチア「さてはドミニクですね。あのお喋りはもう……ハァ」

A―「良い匂いがする。何処からだ?」   ルチア「はて、何処からでしょう?」

B―「うっ、頭が急に」   ルチア「……もうですか。恐ろしく早い」

C―「やけに喉が渇くな……」   ルチア「どうぞもう一杯」スッ   ティオニクス「んん? ありがとう」

D―「厭らしい領主様にはお似合いです」   ティオニクス「誰がド変態のむっつり野郎だって!?」

E―自由記述

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓2〜3 話題の選択 (参加人数が少なければ↓1〜2に変更。2D10で極端な値が出ると睡魔に襲われる)
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/18(日) 20:38:06.49 ID:eoIVn4bIO
1
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/18(日) 20:52:30.46 ID:zTmGyBbGO
2と言いたいがまずは1。

一服盛られてるな、もっとやれ。
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/18(日) 21:42:29.45 ID:eoIVn4bIO

連取りになっちゃうので安価下でもおk
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/18(日) 21:44:41.56 ID:zTmGyBbGO
同一の連取りはいかがなものかと。しかも選択肢違うし……

上げた上で安価下。
85 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/18(日) 22:17:41.26 ID:npkNY6A+0

@―「エルキナは悪い奴じゃないからね」   ルチア「さてはドミニクですね。あのお喋りはもう……ハァ」


「何度も言うが、彼女を買った理由は――」

「貴族であった事実を評価しているんですよね」

「その通りだ」

「でも貴族として使えないなら、候補の中に居た【男の方が強い】じゃありませんか」

「領主様は何故そっちを選ばなかったんですか」

「そ、それは……」

「結局女であれば誰でも良いんでしょう?」

「違う! 違うぞそれは!」

「厭らしい……」

「うっ」


ルチアは蔑んだ目で見ている。

僕はそれを遣る瀬無い気持ちで眺めた。
86 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/18(日) 22:28:58.14 ID:npkNY6A+0


「私を眺めて興奮する程度なら構いませんが、それを別の方に向けるのは止めて下さいませ」

「おい」

「鼻の下を伸ばして見るといいです。ほーらほら」ハラリ

「待てこら」

「足りませんか? ならどこまで見ますか?」スススッ

「いい加減にしろォ!」

「軽い冗談でしょうに」

「趣味が悪いぞ……」

「領主様が言えた事でしょうか」

「?」

「やーい変態、スケベ、ハニートラップに引っかかりそうな駄目領主ー」

「………」プルプル

「怒りますか? たかが従者に本気で怒っちゃうんですか? ああ怖い怖い」

「…ハァ、もういい」

「やれやれ。張り合いのない」

「火に油を注ぐんじゃない!」

「……」ニヤニヤ


ルチアは一転して君をなじっている。

彼女の中にある君の評価が、どうなればこうなるのだろう?
87 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/18(日) 22:38:16.61 ID:npkNY6A+0

C―「やけに喉が渇くな……」   ルチア「どうぞもう一杯」スッ   ティオニクス「んん? ありがとう」


「喉はさっき潤した筈なんだがなぁ」

「よく喋っているからでしょう」

「それもそうか」

「そうでございます」

「でも、なんか妙に喉が渇くと言うか……」

「【足りなくなれば別の物を用意します】から」

「あ、ありがとう」

「お気になさらず」

「今日はやけに優しいんだな?」

「いえ、従者ですから当然の事です」

「そう?」


ルチアは僕の言葉に顔を背けて返事をした。

顔を向けた先に目を向けても何も無い。


……いったいこの行動にどういう意図があるんだろうか。
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/18(日) 22:48:11.09 ID:zTmGyBbGO
そろそろガチで口説いても良さそうだな。まず身体からになりそうだけど。
89 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/18(日) 22:51:30.84 ID:npkNY6A+0


「強いて言うのなら、喉が渇くのは恐らく――」

「ん?」

「コレでしょう」

「焼き菓子?」

「はい」

「確かに口がパサつくな……」

「水分を飛ばし、糖の質を高める事で保存期間を高めていますので」

「なるほど。そういう事だったのか」


焼き菓子を指してルチアは説明をしてくれた。

彼女はどういう訳か、焼き菓子に手を付けていない。

たぶんコレは僕だけが食べて良い物なんだろう。ありがたい事だ。


……君は彼女と何を話す?


―【選択肢】―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

@―「ルチアは誤解している」   ルチア「女性が好きでは無いと?」   テ「興味は……って違う!」

A―「良い匂いがする。何処からだ?」   ルチア「はて、何処からでしょう?」

B―「うっ、頭が急に」   ルチア「……私も食べましょうか」

C―「喉が――」   ルチア「どうぞどうぞもう一杯」ススッ   ティオニクス「………」

D―「厭らしい領主様にはお似合いです」   ティオニクス「誰がド変態のむっつり野郎だって!?」

E―自由記述

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓1〜2 話題の選択 (同時にダイスロール。2D10で極端な値が出ると睡魔に襲われる)
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/18(日) 22:56:58.27 ID:zTmGyBbGO
1+α。内容は下。

エルキナを雇ったのはあくまでコネ狙い。ユリウス家の血統を生かし、外交面で働いて貰うつもりだ。
下心はない。彼女はそのつもりがあったようだが、私は断った。
一緒になるなら、気心が知れた女性がいい。

少し口説きを混ぜる感じで。もし薬からの逆レ狙いをルチアがしようとしてるなら、多分これで良さそう。
そろそろティオ君にも覚悟を決めてもらいましょうw
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/18(日) 23:06:31.77 ID:VqpOizdlO
@
92 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/19(月) 01:29:24.69 ID:2acAJLNN0

@―「ルチアは誤解している」   ルチア「女性が好きでは無いと?」   テ「興味は……って違う!」


「何が違うのですか?」

「もちろん僕は女性が好きだ!」

「まあ」

「しかし、エルキナをそんな目的で買った訳じゃない。何故なら――」

「その気があるなら【ディアナをどうこう】しているからだ! それに僕はもっと気心の知れた相手の方が良い!」

「えっ……あぁ、そう言えば確かに………」

「………」 (手応えはあるか……?)


ルチアは何かを確かめるような表情を浮かべている。

彼女の中で何かしら引っかかる部分があるのやもしれない。
93 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/19(月) 01:33:23.30 ID:2acAJLNN0


「領主様の仰る通りですね」

「!」

「申し訳ありませんでした」ペッコリン

「解ってくれるか!」

「はい、一応は」

「そうか良かった」

「自分の種を誰彼構わずばら撒く領主様は居なかったのだと、私は反省しています」

「きゅ、急にどうした」

「こちらの話です。気にしないで下さいませ」ニコー

「…?」


ルチアは不自然な位に機嫌が良さそうだ。

もしディアナに一度でも奉仕を命じていたら、その時はどうなっていたのだろう……。

94 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/03/19(月) 01:52:38.26 ID:2acAJLNN0


「ルチアは食べないのか?」

「私の分は先に取っておりますので」

「ハハッ、ルチアらしいな」

「そう褒められては、私も流石に照れます」

「ハッハッハ」

「……」

「いや、褒めて無いからな?」

「ふふふ、気付きましたか」

「それはこっちの台詞だぞ……」


ルチアと交わす会話は心地よい。

例えるならそれは、剣闘士が行う拳の殴り合いのような――


……君は彼女と何を話す?


―【選択肢】―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

@―「時に領主様。私の身体に欲情しますか?」   テ(これはどう答えても絶対変な空気になるッ……!)

A―「良い匂いがする。何処からだ?」   ルチア「はて、何処からでしょう?」

B―「うっ、瞼が重い……」   ルチア「頃合いですか」カチャカチャ   ティオニクス「ルチア? 何を――」

C―「喉が――」   ルチア「どうぞどうぞどうぞ」ススッ   ティオニクス「………」

D―「あら? 置いていた服の位置がずれているような……」   ティオニクス「!?」ドキィッ

E―自由記述

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↓1〜2 話題の選択 (同時にダイスロール。2D10で極端な値が出ると睡魔に襲われる)
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