アナスタシア&一ノ瀬志希「はるのうた」

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115 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/03/31(土) 22:06:48.48 ID:nFUBVzrv0

  ―― 都内 某ホテル


 なんとかアポイントを取って、都内の某高級ホテルでその人と顔を合わせる。
 色々ギリギリになってしまったが間に合った。

 アナスタシアとその父親は、今夜の飛行機で北海道に帰ってしまう予定だったという。

 父親の方は純血のロシア人で、かのジェド・マロースの息子というから存在感が半端じゃない。
 冬の原野に立つ巨木のような体躯に、娘と同じ銀髪碧眼。


 彼は紳士だった。
 突然やって来た俺にも嫌な顔を見せず、娘を気にかけていた志希やフレデリカや俺に礼を言った。

 そしてまた、天気が持ち直したのは父親の力もあった。

 隔世遺伝の娘ほどではないが彼も直系だ。
 東京の雪を抑えるだけの力はあり、今日まで滞在していたのはフェスの開催に配慮してのことで、
 それをもって謝礼の代わりとしたいと言ってくれた。


 ただ、娘を連れ帰るということに関しては頑として譲らなかった。


 俺のような若輩者に親心のなんたるかを語る資格など無いが、大切な子を案ずる気持ちはわかる。
 けれど、このまま帰らせてしまうわけにはいかない。
116 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/03/31(土) 22:08:24.70 ID:nFUBVzrv0

「アーニャに彼女達のステージを?」
「はい。会場は野外ですが、関係者席にご案内します」
「あなたは、自分の仰っていることの意味がわかっておいでか?」

 至極当然の反応である。にしても流石に日本語上手いな。

「我々が北海道に帰れば、東京には春が戻ります。そちらとしても、その方が好都合でしょう。
 それに、彼女達の顔を見れば別れが辛くなる」
「ですがそれでは、娘さんは東京で何も得るものが無かったことになってしまいます」

 それを承知で連れ帰ろうとしているのだ。父親とて快い判断ではないだろう。
 彼からすれば、ここまで待っただけでも十二分の譲歩に違いない。
 そして、それを承知で、俺はまた彼女を連れ出そうとしている。事の重さは重々承知の上だった。


「一ノ瀬志希と宮本フレデリカがステージに立ちます。二人は、娘さんに舞台を見て欲しいと望んでいます」

「……!」

 父に隣に座るアナスタシアさんが、息を呑んだ。
117 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/03/31(土) 22:11:43.47 ID:nFUBVzrv0

「天候のこと、娘さんの精神状態のこと、ご懸念は尽きないことと存じます。
 仮にこの件で何か問題が起こった場合、責任は全て私が負います。
 どうか、あの二人のステージだけでも見届けて貰うわけにはいかないでしょうか」

 父親は渋い顔で腕を組み、無言。
 アナスタシアは俺と彼の顔を見比べる。

「この通りです」

 椅子を降り、土下座をした。

 頭の上でアナスタシアがうろたえる気配。父親も僅かに低い唸りを漏らした。
 言葉一つ行為一つでこちらの誠意が100%伝わるかはわからないものの、アイドルの為、こちらも頑固を通させて貰う。


「パパ……。アーニャは、行きたい、です」
118 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/03/31(土) 22:12:39.03 ID:nFUBVzrv0

 今度は父親がはっきりうろたえた。
 激しくやり取りされる父娘の会話。全部ロシア語。やっべ全然わからん。

 語調から判断すると娘が若干有利なのか……?
 彼女の声には芯が通っており、確かな覚悟があった。

 ややあって、細い手がポンと俺の肩を叩く。

 ようやく顔を上げると、アナスタシアがこちらを見下ろして微笑んだ。


「やっぱり……変わりたい、です。わたしも、このままは悲しいから。
 ……連れて行ってください。プロデューサー」
119 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/03/31(土) 22:13:26.32 ID:nFUBVzrv0

「済みましたか?」

 駐車場の入り口辺りに自販機があって、その傍のベンチに楓さんが座っていた。

「なんとか。けど、わざわざ付き合ってくれなくて良かったんですよ」
「もしもの場合がありますから」

 どういう場合だ。

「プロデューサーったら、ついて来るなと言うんですもの。私も頼み込むつもりでいたんですけど」
「仮にもうちのトップアイドルに土下座なんてさせられませんよ」
「けどなかなか悪くないと思いません? 二人で土下座をトゥゲザー」
「最後の言いたいだけだろ!」
「ンー……その……?」

 不思議そうな顔のアーニャに、軽く彼女のことを紹介しておく。楓さんはゆるいぴーすを彼女に示した。
120 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/03/31(土) 22:15:46.97 ID:nFUBVzrv0

「大変だったでしょう? なりふり構わない所がありますから、この人」
「いえ。とても……アー、嬉しい、でした」

 アナスタシアが微笑むと、楓さんも我が事のように嬉しそうに笑みを浮かべた。

「プロデューサーは……Pさんは、アイドル馬鹿ですからね」
「誰のおかげでそうなったと。って言ってる場合じゃないわ急ぎましょう」
「もうですか? 近くにおいしい焼き鳥屋さんがあるので、良かったら行きがけに軽く……」
「あんたにもあんだよ! 出番! 最後!! 大トリ!!」
「鳥だけに?」
「ええいああ言えばこう言う!」

 なんなら一瞬抜けてついて来るのだって反対だったからなこっちは。
 アホなやり取りに、後ろのアナスタシアはくすりと笑った。

 父親は飛行機の予約日をずらし、ホテルで娘を待つという。
 万が一アナスタシアを悲しませ、涙を流させるようなことがあれば、相応の覚悟を――と言い含めて。
121 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/03/31(土) 23:56:26.89 ID:nFUBVzrv0

 時刻は宵の口。雲があるから辺りはもう夜の暗さだ。

 フェスが行われている特設会場の喧騒は、数キロ先からでも届いてきていた。
 お台場の空は広く、ステージの光が遠目にも薄ぼんやり浮き上がって見えた。

 準備がある楓さんと途中で別れ、二人で関係者用のスペースに向かう。


 アナスタシアは目を見開いた。

 光輝と音色の渦が、肌を打つほどに激しく乱舞していた。
122 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/03/31(土) 23:59:15.00 ID:nFUBVzrv0

『みなさーんっ! 今日は楽しんでいってくださいねーっ!!』
『しまむーしまむ、名乗り忘れてるよ! ほらっ、私達ー?』
『わわわっ、そ、そうでしたぁ!』
『ふふっ……それじゃ、行くよ』
『『『私達、ニュージェネレーションズです!!』』』

「……!」

『ヒィィヤッハァアーッ!! まだまだ終わりじゃないぜエエエーーーーッ!!』
『最高の悪夢、見せてあげる〜……♪』
『フフフーン! 世界の幸子たるこのボクが、皆さんをカワイイ浸けにしてあげましょう!!』

『こずえのおうたー……きかせるよー……。みんなー……いやされろー……』
『あの、新人アイドルの成宮由愛です……! 一生懸命歌いますから、どうか、聴いてください……っ』
『緒方智絵里ですっ。わ、私もがんばっ……え、耳? あっ、あのこれはっ、衣装、衣装ですっ!』

「…………っ!」

『ッしゃあ! 魅してやンぜ、“亜威怒流(アイドル)”の“心粋(ココロイキ)”ってヤツをヨォ!?』
『たくみん気合鬼盛りぢゃ〜ん! てかアタシもテンションぶち上げMAXだしぃ、このままテッペンまでカッ飛ばしちゃうぽよー☆』

『みんなありがと〜っ☆ それじゃ恒例のしゅがーはぁとあたっく、いっくぞ〜!! おいザザッて引くな☆ 距離取んなおい☆』
『心さん、それ以上乗り出すと落ちてしまうんじゃ……。あ、次はこの曲です』

『セクシーの名のもとに、平和を守る〜……』
『セクシーギルティ、出動よっ!!』
『セクシーのSはサイキックのS! 私達のパーリータイムが始まりますよーっ!!』

『ええ夜じゃ……まさに侠女(おんな)の晴れ舞台よのぅ。聴いてつかいや、うちの歌!!』

『レイナサマ砲どーーーーんっ! ……クフフッ、度肝を抜かれたようね! 覚悟なさい、本番はこれからよ! アーッハッハッハブッゲホゴホッ!』

『ヘーイ! 待たせたわねエヴリワン!! 今宵は忘れられない夜にしてあげるわ、レッツ・ダンシンッ!!』

「っ! っ!」
123 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/04/01(日) 00:19:45.90 ID:Q/ZSCgdu0

 合同フェスとある通り、うちの部署からだけでなくプロダクションのあらゆるアイドルが出演する。
 色んなカラーのアイドルが一堂に会する、まさにお祭り騒ぎだ。
 ここだけの話、一観客としても今日の日をずっと楽しみに待っていた。

 いつしかアナスタシアは舞台に釘付けになっていた。
 体でリズムを取り、無意識の鼻歌が漏れ聞こえてくる。

「どうだろう。楽しめてるかな」
「ダー!」

 彼女の瞳は輝いていた。
 無邪気にステージを楽しみ、歌に聞き入り、MCにころころ笑う。

 けれどそれは、決して手が届かないものに向ける遠い憧憬の眼だった。
124 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/04/01(日) 01:15:05.73 ID:Q/ZSCgdu0
 
 やがて。
 満面の笑みに、徐々に翳(かげ)が降りてきて。

 憧れが上げた無意識の手を、理性と諦めが下げる。

 ステージを見上げる顔は、それでも微笑を浮かべていた。

「いつも、そうでした」


「プレクラスニイ……素敵なもの、いつも、キラキラ光っています。
 だけど、アーニャは、それをずっと遠ざけてしまいますね。
 ズヴェズダ……星も、雲で隠して、凍らせて……」


 優しい子だ。少ない会話からでも十分にわかる。
 家族からたくさんの愛を受けて育ち、この世の色んなものを愛しながら、必ずしも世界には愛されなかった。
 そんな彼女が身に着けたのは、世界に対する距離感と精一杯の微笑。

 だけどそれでも、もう一歩を踏み出してみたかったんだろう。

 あの二人の手に引かれて、家族に守られる外の世界を見ようと思ったんだろう。
125 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/04/01(日) 01:53:08.25 ID:Q/ZSCgdu0

「次だ」
「……シトー?」
「レイジー・レイジー。志希とフレデリカの出番だよ」
「……!!」

 直前のユニットが大歓声のもとにハケて、途端にステージBGMと照明がムーディーなものになる。
 怪しくてどこか色っぽく、軽妙洒脱で何をしでかすかわからない。そんな彼女達のイメ―ジ。

「あらかじめ言っておくよ。君は何も我慢しなくていい。
 いいか? 何も、だ。どんなことになってもいい。責任は全部俺が取る。親御さんとも約束したろ?」

 アナスタシアは最初、俺の言った意味がわからないようだった。
 期待と憂いを等分に秘めた目で、ステージを見上げる。


『ボンソワール! みんな久しぶり〜元気してた〜?』
『にゃははっ、初対面のクランケも結構いるのではー? それじゃ……実験、始めよっか』
126 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/04/01(日) 01:57:41.71 ID:Q/ZSCgdu0

 アナスタシアは、まばたきもしなかった。
 楽しそうに。嬉しそうに。
 眩しそうに。羨ましそうに。

 心の底から彼女達の歌を楽しんで、目に焼き付けて、やがて限界が来た。

 反応が起こり、感情がある閾値を超え、眦(まなじり)に結露する。
 


 ぽろり。


 人々の頭に、雪が落ちる。
127 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/04/01(日) 02:13:15.82 ID:Q/ZSCgdu0

「ア……」

 一度零れた心は抑えることができない。 
 いきなり気温がぐっと下がり、雲は濃さを増した。

 そうかと思えば、頭上には真っ白な無数の涙。

 一度は収まったと思われた豪雪が、このタイミングで戻ってきたのだ。
 会場にざわめきが起こる。

 その時の彼女の表情を何と言えばいいだろう。
 取り返しのつかないことをしてしまったと。抑えることが、変わることができなかったと。
 藁にも縋るような目を向けてくる彼女に、ただステージを見ているよう促す。


「ここからが一番いいとこだぞ」
128 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/04/01(日) 02:14:46.66 ID:Q/ZSCgdu0




 来た。


 ステージ上で空を睨み、一ノ瀬志希は不敵に笑う。


129 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/04/01(日) 02:30:13.93 ID:Q/ZSCgdu0

 一曲目が終わり、会場はもう白く霞むほどの雪に包まれている。
 興奮と困惑がない交ぜになった不思議なムード。
 スタッフ達が動き出すかの瀬戸際に、志希が声を張り上げた。


『プロフェッサー一ノ瀬の科学電話相談〜〜〜っ!』


 ほとんどの人がぽかんとした。
 それがMCらしいと気付いたのは少数だった。

 どうも生徒担当らしいフレデリカが、マイクを電話に見立てて何か始める。

『ぷるるるる、ぷるるるるる』
『がちゃー。はいこちら科学電話相談室』
『なぜ人を好きになるとこんなにも苦しいのでしょう?』
『おっとっと、さては番号を間違えてるな?』
『パルドン、間違えました。では、んー、おっほん』

『お星さまってー、どうして遠くにあるんでしょーか?』
130 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/04/01(日) 02:41:11.58 ID:Q/ZSCgdu0

『のっけから壮大な話だねーガール』
『だって気になっちゃったんセボーン。あ、みんな寒いよね? ごめんねーすぐあっためるから』
『星とゆーのはだね、あたし達が浴びる太陽と同じように、宇宙のあっちこっちに散らばる恒星なのだよ』

『恒星はずっとずーっと、気が遠くなるくらい向こうでぴかぴか光ってて、その何十何百年も前の光がようやっと地球に届いてるのだ。
 つまり光の時間旅行の結果なわけさ。人類は、星が放つ遠い過去の姿を見ているのだねー』

『え〜〜〜〜っ、そんなの寂しいよお! それに、お天気が悪かったらすぐに見えなくなっちゃうしー!』

 びくん、とアナスタシアの肩が跳ねる。
 雪はまだ降り続けている。


『そんなキミに朗報! プロフェッサー一ノ瀬は、星をすぐ近くまで呼び出す一大実験を計画中なのだ!』
『ええっ!? でもお高いんでしょう!?』
『いえいえ奥さん、これがそうでもないんですよぉ!』

 おい番組変わってるぞ。


『今から、それを実践してみせましょう! テレビの前の皆さんもご注目〜っ!!』
131 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/04/01(日) 02:47:20.12 ID:Q/ZSCgdu0


『un』

 ざわめきが起こり、

『deux!』

 アナスタシアが息を呑み、

『trois!!』


 会場の照明が、全て消えた。

132 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/04/01(日) 02:51:09.70 ID:Q/ZSCgdu0

 ざわめき、雪、寒さ、闇。

 アナスタシアは何も言わなかった。

 もしかしたら、自分へ下される裁きを覚悟していたのかもしれない。

 実際には十数秒だったが、沈黙はやけに長く感じられた。


 そしてスポットライトが復活する。


 誰もがまずステージを見た。

 本来ならまず演者を照らす筈の証明は、しかし壇上に向いてなどおらず。


 逆光を背負い、夜空をまっすぐに指差す志希のシルエットが映る。
133 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/04/01(日) 02:56:37.61 ID:Q/ZSCgdu0


 何万もの目が同時に空を見る。


 すぐ頭上に、宇宙があった。


 それは降り注ぐ雪を照らす、ライトアップの魔法だ。
 空に向けられた色とりどりの光が雪を染め上げて、千差万別の動きで夜空を彩っていた。

 降り立つ雪は、会場の誰もが持つペンライトの輝きをも受け、万華の色彩を表現する。

 遥か遠くの恒星ではない。
 季節外れの雪こそが、それを表現している。

 光り輝く星雲(ネビュラ)の空を。
134 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/04/01(日) 02:58:26.19 ID:Q/ZSCgdu0

 ――二曲目は、新曲でいく。

 二人は舞台上で二曲歌う。どちらも既存曲の予定だったが、演出の変更に応じてサプライズで新曲を披露することになった。
 実際ここらへんの取り次ぎが一番大変だった。
 懇意にして頂いてる作曲家さんに頼み込み、作詞は志希とフレデリカ自ら行った。

 で、なんとか両方が仕上がった後で――

「曲名どうする?」

 聞けば二人して「あ」という顔をした。考えてないんかい。
 さあここからは緊急会議だ。せっかく出来上がった曲が無題なんて笑い話にもならない。
 ああでもないこうでもない、あちらを立てばこちらが立たず、ところでキノコとタケノコどっちが好き?

 ……と俺とフレデリカが激論を戦わせる中、一人涼しい顔の志希がふと提案する。


「『アストロノート・スノウマン』なんてどう?」


 スノウマン……雪だるま。の、アストロート、宇宙飛行士?
 イメージは合っている。これは冬のような冷たさと静寂を打ち砕き、前へと進まんとするキメキメのロックナンバーだ。
 とはいえ志希のチョイスは意外といえば意外で、それが顔に出ていたのか、彼女はいつも通り飄々と笑った。

「雪だるまだって飛びたいのだ。にゃはは」
135 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/04/01(日) 02:59:25.10 ID:Q/ZSCgdu0


 激甚なギターサウンドが歓声をも切り裂いた。

『星はここにある』

 マイクを両手で握り締め、天才は歯を剥いて笑う。
 いつも思うけどあいつ、温まりきった時の笑顔がちょっと獰猛なんだよな。

『あるいは、作ることもできる』

 それをMCの一環だと思うか、それとも誰かへのメッセージだと思うか、ともかく――

『あたしは、あたしを肯定する』


 噛みつくような歌声が放たれる。


 煌めく無数の雪が、一つ残らず音圧で揺れた。
136 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/04/01(日) 03:12:27.08 ID:Q/ZSCgdu0

 そこからの盛り上がりは、言葉ではとても表せるものではなかった。
 宙の雪が融けて雨になるのではと思うほどの熱狂的な歓声。暴力的な音のうねり。

 アナスタシアは、魂が抜けたような顔でステージを見ていた。

 その瞳の奥底には、まだ見せたことのない新しい光があった。

 舞台上で狂乱する志希の、藍晶石色の瞳がちかりと光る。
 その焦点は、はっきりこちらに結ばれていた。

 手が伸びた。

 ステージ上のパフォーマンスのようでいて、それは確かにこちらに差し伸べられている。


「シキ……!!」
「ほら、行っておいで」

 背中を軽く押すと、アナスタシアは意外なくらいよろめいた。
 俺とステージを何度も見比べる。こっちなんか全然気にしなくていいのに。

「友達が呼んでるんだ。行かない理由がどこにある?」
137 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/04/01(日) 03:17:32.37 ID:Q/ZSCgdu0

 ところで。

『アストロノート・スノウマン』の一番の盛り上がりポイントに歌詞が無いという問題がある。
 最後の大サビに向かう、いわばCメロの部分がまるっと空白で(ここらへんアドリブ♡)とだけ書かれていて。

 いやそこはもうひと頑張りしてくれよ、とツッコミを入れても二人は涼しい顔だった。

「ここはね、歌じゃなくていいんだ〜」
「そうそう。いわば、走性(タキシス)に任せるアドリブ部分ってゆー?」

 その意味が今わかる。

 息を切らしたアナスタシアが、壇上に上がっていた。


 こんなこともあろうかと、警備の皆さんには先に言い含めてある。
 銀髪の女の子が飛び出してきても、それは演出の一環なので見逃してやってくださいと。
 ……マジで良かったんすか? 的な目がこっちにめちゃくちゃ刺さっている。いやすんませんね。責任取るんでホント。
138 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/04/01(日) 03:28:02.86 ID:Q/ZSCgdu0

【一ノ瀬志希かく語りき・ほしのはなし】


 にゃはは。なんて顔してるのかね。

 何か言ったり言われたりする前に、あたしはマイクを渡す。
 アーニャちゃんは戸惑いながら受け取って、自分が立っている場所を改めて認識した。

 上にも下にも、光があった。

 ぎゅっと圧縮された、極彩の宇宙だった。

「やーやーようこそアーニャちゃん。一緒に楽しいことしよっか〜♪」

 フレちゃんがいつもみたいに笑った。バキバキのギターソロが佳境に入った。
 何が起こってもいい、アドリブの空白パートだ。

 歌じゃなくていい。
 言葉である必要すらない。

 マイクを手にして、アーニャちゃんは両目いっぱいに宇宙を映している。
139 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/04/01(日) 03:31:41.93 ID:Q/ZSCgdu0

 不可能性に牙を立てろ。
「異端」も「天才」も後付けのラベルに過ぎない。

 嗤われても疎まれても、自らの声に従って進む。自分を突き通す。
 長い、長い長いトンネルを潜り抜けて、その先にある何かを求める。

 希望のカタチが曖昧でも、志すとは、きっとそういうことだと思うから。
 

 あたしはあたしを肯定するように、キミの全てを肯定する。

 キミは、どうする?


 アーニャちゃんが、肺一杯に息を吸い込んで――


「Ура(ウラ)ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっっ!!!!」


 ダイヤモンドダストのように綺麗な咆哮を上げた。
140 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/04/01(日) 03:32:59.04 ID:Q/ZSCgdu0


「うぅっ……良かった……良゙がっだぁ゙……」
「……美嘉、ハンカチ。顔が凄いことになってるわよ」
「ん……ありがと、奏……ふぐむぐ……ぐしゅぐしゅ……ちーん゙っ!」
「あ」

141 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/04/01(日) 03:41:11.52 ID:Q/ZSCgdu0

 心の問題――とは、まったくよく言ったもので。

 凍てついた雲は急速に晴れて、ホンモノの宇宙が顔を覗かせる。
 月と星の灯りがまだ残る雪を照らして、辺りは昼みたいに明るくなった。

 光が乱反射する、さながら宇宙戦争の巷だなぁと思った。


 曲が終わり、会場のボルテージはなんかもー凄いことになっちゃってて。

 次に飛び込んでくるのは、美穂ちゃん、蘭子ちゃん、周子ちゃん、紗枝ちゃん、芳乃ちゃんの「ケセラセラ」。
 脳の芯まで白熱したあたしらに変わり、カンペキな運びで次に進行してくれる。
 周子ちゃんなんかはすれ違いざまにパチッとウインクなんかしてくれちゃったりして。

 もちろんあたし達はハケなかった。
142 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/04/01(日) 03:42:58.42 ID:Q/ZSCgdu0


 出番とかセトリとか全然関係なかった。
 ロンリ的なシコウは幾千光年の彼方にぶっ飛ばして、走性のままに肩を組んで踊った。

 ケセラセラのみんなもばっちりノリノリだった。もはやヤケクソの勢い。にゃはは。

 空にはスポットライトと月明かりがあって、中空にまだ残った雪の一つ一つが眩しく光っていた。


 壇上で、あの子は笑っていた。


 とても朗らかに、笑っていた。

143 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/04/01(日) 03:44:00.84 ID:Q/ZSCgdu0

  ―― 後日 事務所


 結論から言うと、スプリングフェスは大成功だった。


144 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/04/01(日) 03:46:22.15 ID:Q/ZSCgdu0


 でまあ、当然の帰結として。
 後日、プロダクションにはそれはもう大量の問い合わせが殺到した。

 言い方は千差万別だが、要点は一つ。

 つまり、「あの銀髪の少女は何者なのか?」――ということだ。

 んなもん観客だけでなく事務所関係者も聞きたいことに違いなく、そこの処理には会社全体が苦慮した。
 何にせよ、全ての責任は俺にある。

145 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/04/01(日) 03:52:48.54 ID:Q/ZSCgdu0

「ちかれた」
「重い重い乗るな乗るな」
「すーはーすーはー」
「嗅ーぐーなっつの」

 当の実行犯は電池が切れて完全にオフモードなんだから困る。
 死刑を待つ囚人の気持ちでデスクに向かっていたところ、ついに執行の時が来る。

「プロデューサーさん。専務がお呼びです」

 志希をひっぺがして席を立つ。
146 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/04/01(日) 04:11:30.36 ID:Q/ZSCgdu0

「何か申し開きはあるかね?」
「ございません。今回の件は、全て私の独断によるものです」

 背筋を伸ばして受け答えする俺に、彼女は手元の書類を見ながら言う。

「……知っての通り、スプリングフェスは好評に終わった。
 件の『銀髪の少女』の騒ぎは、トータルで言えば話題性という意味で大きなプラスになっている。
 が、結果論で全て不問としては示しがつかない。それも重々承知していることと思う」
「はい……」

 クビかなこれ。
 覚悟の上ではあるが。
 しかしみんなに何て言うかと、後任のことはまだ決まっておらず、みっともなくも命乞いをしたい気分になるもので――

「君は至急、かの少女を迎え入れた新たなアイドルユニットを編成した企画書を提出したまえ。
 観客の目がこちらに向いている今を逃さないように。一週間は待たない」
「覚悟の上で………………お?」
「私からは以上だ。期待している」

 お…………おお?

「……一日中そこに立っているつもりかね?」
「は、はい! ではそのように! 失礼致します!」
147 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/04/01(日) 04:18:50.15 ID:Q/ZSCgdu0

 首の皮一枚繋がったって感じだ。
 廊下を歩いているところ、見覚えのある後姿が先にあった。

「川島さん!」

 その人は振り返って目を丸くする。

「あら、楓ちゃんとこの……」

 川島瑞樹さん。別部署の筆頭アイドルだ。
 この人にも改めてお礼を言わなきゃいけない。

「先日はありがとうございます。うちのアイドル達がこう、だいぶはっちゃけた感じで……。
 川島さんのまとめが無いと多分大変なことになってましたよ」

 アナウンサーから転身という異色の経歴を持つこの人は、歌や踊りはもちろんMC力が半端じゃない。
 この人が壇上に立ってまとめられない事態は存在しないんじゃなかろうか。
 ケセラセラの後がこの人達のユニットだったことが、こちらにとってのある意味大きな勝算でもあった。
148 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/04/01(日) 04:20:43.19 ID:Q/ZSCgdu0

「やーねぇ、そんなに畏まらなくたっていいのよ。私達も楽しかったし。
 それにしても凄い仕掛けだったわね。あれも天才少女のトリックって奴かしら?」
「いやーまあ、半分はそんな感じですかね……ははは……」
「ん〜? ――ま、いいわ。ああそうだ、楓ちゃんに伝えておいてくれない?
 いいお店が見つかったから、暇な時に一杯やりましょうかって」
「ええ、すぐに」
「……ふふっ」
「? ……何か?」

 川島さんは俺の顔を覗き込んで、いたずらっぽく笑った。

「そっちはいつも賑やかよね。君も大変なんじゃない?」
「わはは。それがうちのカラーですから」
「いいわねぇ、グーよグー」

 川島さんは眩しい笑顔でサムズアップし、うきうきした足取りで去っていく。

 …………さて。

 アナスタシアをアイドルに迎え入れたい。迎え入れよう。もうこれは命懸けでやろう。
 なんならお父さんにスクリューパイルドライバーを喰らってでも、やり遂げよう。

 ユニットは三人。志希、フレデリカ、そして彼女だ。

 名前は――そうだな。未確定ではあるが。


 ひとつ、『春(ヴェスナ)』とでも付けようか。
149 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/04/01(日) 04:31:24.27 ID:Q/ZSCgdu0


【一ノ瀬志希かく語りき・さいご】


 最後にちょっとだけ時系列きゅるきゅるさせてね。


 フェスが終わった後、隅っこにはまだ残っている雪があった。
 暖かい夜の中、溶けていないそれをあたしは掬う。

 フレちゃんとアーニャちゃんを振り返って提案した。

「雪だるま作ろーよ」


 名付けて、セントルイス田吾作アレクサンドル。

 そこらじゅうの雪を集めてまとめたから、サイズはそこそこ大きい。
 白く立派なソレは、春の色を増す月光を受けて誇らしげに立っている。
150 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/04/01(日) 04:32:20.00 ID:Q/ZSCgdu0

「おーい、そろそろ戻るぞー」

 あ、プロデューサーだ。

「って、セントルイス田吾作アレクサンドルじゃねーか。完成度たけーなオイ」
「でしょでしょ〜? 特にこのおヒゲのとこがリアルだよね〜♪」
「プロデューサー、アー……わたしは……」
「いいんだ。ひとまず、帰ろうか」

 アーニャちゃんは、はにかむように微笑した。その色は最初出会った時のそれとは違った。
 ここで手を繋ぐことを提案してみる。
 四人並んではなかなかシュールで笑えた。

 あたしと繋ぐアーニャちゃんの手は、とても温かいものだった。


 聞こえるかな――――と、頭の隅で思った。
 遠い空のたぶんずっと向こうに、あたしが想起した誰かはいる……と思う。
151 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/04/01(日) 04:33:22.07 ID:Q/ZSCgdu0

 さらばセントルイス田吾作アレクサンドルよ。


 もう雪だるまの行方を考えたりはしない。
 消えゆく彼らのことを惜しいとも思わない。

 季節は巡るのだ。これから新しい季節が来る。

 暖かな風が吹いて、燃える命が隆盛をきわめ、やがてそれらは静かに眠りゆく。


 そうすれば、きっとまた逢えるから。
152 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/04/01(日) 04:35:56.01 ID:Q/ZSCgdu0

   *


 東京のあるところに、女の子がいます。

 名前はアナスタシア。アイドルです。

 アナスタシアは時折、故郷の両親、ロシアのグランパやグランマに手紙を書くそうです。

 内容はアイドルの仕事のこと、東京での暮らしのこと。

 友達ができたこと。人間でも人間じゃなくても、色んな不思議な子達がいること。

 グランパと知り合いのサンタの女の子もいて、びっくりしたこと。

 自分は幸せだということ。


 歌を歌うようになったこと。

 自分だけの為の、友達の為の、声が届く全ての人々の為の。

 去りゆく冬に再会を誓う、あたたかな春の歌を。


 〜おしまい〜
153 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/04/01(日) 04:36:39.34 ID:Q/ZSCgdu0
 https://www.youtube.com/watch?v=94uxNQqmknk
154 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/04/01(日) 04:38:32.37 ID:Q/ZSCgdu0

〇オマケ


  ―― 都内 某公園


楓「お花見しよ〜よっ!」

茄子「はいっ♪」

楓「アーイドルだっていいじゃな〜い!」

茄子「ぱーりらっ♪ ぱりらはいっ♪」

P「もう出来上がってんのか成人組ィ!」


P(異常な寒気が過ぎ去った直後、嘘みたいな陽気が降り注いだ)

P(街中の桜が満開になった。まるで凍った蕾が一気に開いたように)

P(うちの部署は予定していた通り、フェスの打ち上げを兼ねてお花見会を開くことにした)
155 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/04/01(日) 04:40:29.08 ID:Q/ZSCgdu0

P「でも限度ってものがあるぞ。ちひろさんも何か言って――」

ちひろ「わらひらってねぇいろいろくろうしへるんれふよぉ!!」ダンッ

P「ウワーッ完全に仕上がってる!!」

ちひろ「ゆきはふるわうさぎはわくわ、そのあいだずーっとじむしょりなんれふよわらひは!!」

ちひろ「…………ぷろりゅーさーさん、そこにすわってくらはい」

P「ち、ちひろさん落ち着いて。ほらお茶でも……」

ちひろ「せいざーっ!!!!」

P「はいいーッ!!」ピシー

ちひろ「あなたいっつもおかひなことにくびつっこんでばっかくどくどくどくどくどくどくどくどくど」クドクドクドクド

ちひろ「こっちらってしんぱいしてるのにそのきもしらないでうだうだうだうだうだうだうだうだうだ」ウダウダウダウダ

ちひろ「わらひのでばんがぜーんぜんないけんについてはぐちぐちぐちぐちぐちぐちぐちぐちぐちぐち」グチグチグチグチ

P「ふぇぇ……」
156 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/04/01(日) 04:42:02.44 ID:Q/ZSCgdu0

P「あのぉ……あんまり騒ぐとですね……一般の方にバレてごにょごにょ……」

茄子「そういえば場所取りが良かったのかしら。運良く、どなたにも気付かれていませんねー」

P「運良く……はッ」

茄子「♪」ニコニコ

P「無敵だ……ここは無法地帯だ……!」ワナワナ

楓「まあまあPさんも一本」トクトクトクトクトクトクトクトクトクトク

P「多い多い多い! てかジョッキにウォッカはおかしいだろ!!」

茄子「ここは一つ、新ネタの裸踊りでもご披露しましょうか〜♪」

P「やめて! それはマジでヤバい!!」

ちひろ「ちょっと!! きいへるんれふか!! わらひのめをひゃんとみなさらりるれろ!!!!」グルグルグル
157 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/04/01(日) 04:50:26.64 ID:Q/ZSCgdu0

周子「やー大人は大変だねぇ」

芳乃「無礼講なればー、時には羽目を外すも吉かとー」

紗枝「まあ、見なかったことにしといて差し上げまひょか〜」

美穂「わわわ、ウォッカ一気はまずいよぉ!」タッ

美嘉「あーもう何やってるんだか! プロデューサー!」タタッ


みく「そこで、こんな感じにネコミミをー……」スチャッ

アーニャ「……ミャウ、ミャウ……?」

響子「かわいい!」

茜「あぁ〜いいですねぇ〜!」

アーニャ「ミャーウ♪」

みく「やっぱりみくの見立て通りにゃ! アーにゃんはネコチャンのポテンシャルを秘めてる……!」

みく「みくの野望のネコチャンユニット、せめてあと一ピースがあれば完成するのに……!」

菜帆「志希ちゃんやフレデリカちゃんじゃいけないんですか〜?」

みく「あの二人はガチなので逆にアカンにゃ」
158 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/04/01(日) 04:56:42.05 ID:Q/ZSCgdu0


イヴ「それにしても、ジェドおじさまのお孫さんにお会いできて光栄ですぅ。大きくなって〜♪」

アーニャ「ダー♪ グランパから、お話は聞いています」

桃華「それにしてもあのお二方、遅いですわね……もしや何かトラブルに巻き込まれたのでは……? あっ」


  ノソノソ


桃華「志希さん、フレデリカさん! もう少ししたら、こちらからお迎えに上がろうと思っていましたのよ!」

フレデリカ「や〜ゴメンね〜? 二人して三度寝くらいしちゃってさ〜」

志希「ねむねむ……」


アナスタシア「シキ! フレデリカ!」パァッ


志希「おうっっふ」ガバッ

フレデリカ「わおーう大胆ー♪」ダキッ

159 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/04/01(日) 05:03:11.24 ID:Q/ZSCgdu0

桃華「ふふっ。お二人とも、すっかりアナスタシアさんのお姉さまですわね♪」

志希「おかしなことをゆーものだね桃華ちゃん。あたしはそんなキャラではー」

アーニャ「シキ! アーニャ、コーシュカ……ネコの耳を付けました。似合う、ですかっ?」ワクワクグリグリ

志希「ぬほーい」グリグリグリグリ

フレデリカ「いやーシキおねーちゃんも大変だねー」

周子「おっいいこと聞いた。ねーねーおねーちゃーんお腹すいたーんなんか奢ってー」

奏「そういえば私、年下だったのよね……。私もお姉ちゃんと呼んでも?」

志希「やめれー」グリグリモゾモゾ
160 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/04/01(日) 05:03:42.90 ID:Q/ZSCgdu0

P(…………)

P(うん、良かったなぁ)

ちひろ「よそみをしてるんじゃあないれふよーっ!!!!」

P「はいいいーっっ!!!」ピシーーー

美嘉「ち、ちひろさん! その辺にしといてあげてよ!」

美穂「プロデューサーさんっ大丈夫ですかっ!? わ、私も一緒に正座しますからっ!」

ちひろ「そういうとこなんれふよー!!!!!!」

P「理不尽!!!!」



〜オワリ〜
161 : ◆DAC.3Z2hLk [saga]:2018/04/01(日) 05:05:24.55 ID:Q/ZSCgdu0
 以上となります。長々とお付き合いありがとうございました。

 志希にゃんはもうちょっと闇属性寄りな気はしますが、たぬき事務所の一解釈ということで、ご容赦ください。

 依頼出しておきます。
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/01(日) 09:09:43.47 ID:WwmFczx2o
乙乙良かった
いつもよりは非常識事態になってないような気がするのは
感覚が麻痺してきたんだろうか
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/01(日) 10:22:10.67 ID:NUPaDjEjo

狸合戦とかウサギパニックとかあったし雪女一人くらい誤差だよ誤差
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/01(日) 16:14:30.94 ID:Xisd71nDO
次は宇宙からのあさん来襲ですな
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