少し昔の作品達で聖杯戦争

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70 : ◆7hc0tN0J7CIo [saga]:2018/05/13(日) 22:06:07.82 ID:tLaEUpNB0
トニー(戦闘反応あり。早速はじまったみたいだな)


トニー(援軍はなし。味方もなし)


トニー(隠すつもりもない戦い方だ。他のサーヴァントが集まってくるだろう)


トニー(さて、どうするか)


トニー(戦闘中のサーヴァントを狙うか、それとも他のサーヴァントを狙うか)


トニー(まずはーーー)


1.戦闘中のサーヴァントを狙う

2.他のサーヴァントを狙う


↓1
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/05/13(日) 22:19:39.65 ID:v+PJ/1gb0
2
72 : ◆7hc0tN0J7CIo [saga]:2018/05/14(月) 23:37:26.22 ID:l4q84L2i0
トニー(まずは他のサーヴァントからだな)


トニー(戦いに気を取られている分、隙もつきやすいだろう)


トニー(ーーー行くぞ!)







みほ(遠くから何かがぶつかり合うようなスゴイ音も聞こえる…)


みほ(多分戦いが始まったのだろう)


みほ(それは、人と人が戦っているものとは思えない、まるで戦車が交戦しているかのような戦闘音)


みほ(私なんか、それを聞いてるだけで足がすくんでしまう)


みほ(だというのに、トニーさんは迷う様子もなく、戦場へ近づいていくようだった)


みほ(……正直、トニーさんは普通の人にしか見えなかった)


みほ(ハンサムで、自信に満ちていてーーーでも、普通の人だ)


みほ(多分、トニーさんの真骨頂はあのスーツなんだと思う)


みほ(ライダーとは、何かに騎乗して戦う事を得意とするクラス)


みほ(トニーさんも、あのスーツに『騎乗して』戦うという事なのだろう)


みほ(……でも、だからこそ、不思議に感じた)


みほ(普通の人が、何であんなスーツを着て戦っているのか)


みほ(普通の人が、何でサーヴァントとして呼ばれたのか)


みほ(普通の人が、何で少しも怖がる事なく戦いに身を投じられのか)


みほ(考える程に、分からなかった)

73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/15(火) 03:46:33.89 ID:2qmZmFXhO
こんなのまどかとなのはペアが存在する時点で誰も勝てないから無意味だな
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/15(火) 14:26:40.67 ID:Rvm3eoDRO
まぁまどかは好き勝手世界を書き換えれるレベルのチートだもんな
なのはもなのはで世界最強魔導師レベルだし
75 : ◆7hc0tN0J7CIo [saga]:2018/05/15(火) 18:21:03.01 ID:+bt6r7dB0
みほ(……最初に出会った時、トニーさんは私を拒絶するように去って行った)


みほ(一人で戦うと宣言し、一人でサーヴァント同士の戦場へと向かっていった)


みほ(たった一人で全てを背負い、たった一人で戦おうとする)


みほ(それは……とても寂しい選択だと感じた)


みほ(私は、皆に助けられた)


みほ(友達に、仲間に、ライバル達に助けられーーーだからこそ、戦えた)


みほ(あの大会でも、大学選抜との決戦でも、)


みほ(皆がいたから、戦えた)


みほ(そして、皆がいたから知る事ができた)


みほ(私の選択が決して間違いではなかったと、)


みほ(こんな戦車道もあるんだと、)


みほ(知ることができた)

76 : ◆7hc0tN0J7CIo [saga]:2018/05/15(火) 18:27:07.73 ID:+bt6r7dB0
みほ(……確かに一人でも戦える人はいるのかもしれない)


みほ(お母さんやお姉ちゃん、愛里寿ちゃんのように、強い強い人達)


みほ(でも、一人で戦い続けられる人は、多分いない)


みほ(誰だって、ずっと一人ではいられないのだ)


みほ(お母さんにはお父さんが、お姉ちゃんにはエリカさんが、愛里寿ちゃんには副隊長の人達が、)


みほ(誰かが、その人を支えてくれる)


みほ(トニーさんにも、そんな誰かがいるのだろう)


みほ(でも、この場では……私だけだ)


みほ(私だけが、彼の力になれるのだ)


みほ(だから、彼を支えてあげたいと、支えなくちゃと思う)


みほ(トニーさんに拒絶されたとしても、それがマスターとしての自分の役割だ)


みほ(……トニーさんの気配を辿って走っていく)


みほ(段々と大きくなっていく戦いの音)


みほ(彼が渡してくれたビーコンを握りしめ、私は進んでいくーーー)

77 : ◆7hc0tN0J7CIo [saga]:2018/05/15(火) 18:37:05.74 ID:+bt6r7dB0
〜キャスター陣営〜


縁寿「……どうやら戦いが始まったみたいね」


ゼオン「そうだな」


縁寿「サーヴァントの気配はどう?」


ゼオン「戦闘中の者が2体、それに近付く者が2体……他の連中は気配を消しているようだ」


縁寿「気配を隠さない奴等は、それだけ自信があるって事なのかしらね?」


ゼオン「どうだか。ただの破滅願望持ちかもしれん」


ゼオン「どちらにせよ、俺に敵いはしないんだ。どう行動しようが関係ない」


縁寿「……自信の度合いで言えば、間違いなくあなたが一番よ」


ゼオン「そりゃどうも」

78 : ◆7hc0tN0J7CIo [saga]:2018/05/15(火) 18:45:26.48 ID:+bt6r7dB0
縁寿(さてまだ戦闘はしないにせよ、何か行動をしないと)


縁寿(……まずは情報が欲しいところね)


縁寿(相手が何を目的として、どんな一手を打ってくる存在なのか見極めないと)


縁寿(戦闘中の陣営と、その周囲にいるだろう陣営……まず狙うのはーーー)


1.戦闘中の陣営

2.周囲の陣営


↓1

79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/05/15(火) 19:03:02.72 ID:BPrL4bwp0
1
80 : ◆7hc0tN0J7CIo [saga]:2018/05/15(火) 20:40:48.41 ID:+bt6r7dB0
縁寿(戦闘中の陣営ね。どんな戦い方を観れるだけでも、有力な情報だわ)


縁寿「行きましょうか、ゼオン」


ゼオン「戦闘は?」


縁寿「まだダメ。まずは足場をかためないと」


ゼオン「分かった」


ゼオン「マントに乗れ。戦場に向かうぞ」


縁寿(言うとゼオンのマントがニュッと伸びて足場になった)


縁寿「……便利なマントね」


ゼオン「まぁな。盾にも矛にもなる」


ゼオン「瞬間移動は……使えないか」


ゼオン「走るぞ。少し揺れるが我慢しろ」


縁寿(返事を待たずにゼオンは走り出した)


縁寿(凄まじい速さだった)


縁寿(不安定な足場も暗闇も気にせず、ゼオンは駆けていく)


縁寿(その足取り、その速さだけでも、ゼオンの実力は見て取れた)


縁寿(私のサーヴァントは、強い)


縁寿(このサーヴァントと何をしようかと考えると、心が踊った)


縁寿(……脳裏に浮かぶ、とある光景)


縁寿(いつも飄々としていた男が、私に真実を突き付けられた瞬間に見せた、あの表情)


縁寿(驚愕と恐怖がない交ぜになった、滑稽な表情だった)


縁寿「……あんな表情を見て回るのも悪くないわね」


縁寿(ゼオンにも聞こえないような小さな声で、ボソリと呟く)


縁寿(ああ、楽しみだ)


縁寿(どんな敵が待ち受け、どんな表情を見せてくれるのか)


縁寿(本当に、楽しみだーーー)


81 : ◆7hc0tN0J7CIo [saga]:2018/05/15(火) 21:09:27.81 ID:+bt6r7dB0
〜アサシン、バーサーカー陣営〜



XI(……相手は中々にしぶとかった)


XI(あれだけの質量をまるで普通の剣のように自在に操る男)


XI(踏み込みは鋭く、その粗暴な戦い方の奥に確かな技量もある)


XI(強い、のであろう)


XI(ただの人間であれば、手も足も出ないだろう)


XI(だけどーーー私の敵では、なかった)


レナ「ーーーバーサーカー!!」


XI(バーサーカーのマスターが悲鳴にも似た声を上げる)


XI(当たり前だ。自分の唯一の戦力が、鮮血を撒き散らしながら、暗闇の奥へと吹き飛んでいったのだから)


XI「弱いね、あなたのサーヴァント」


XI(そう、相手は弱い)


XI(剣技も鋭く、筋力もある……けど、それだけ)


XI(『新たな血族』である私には敵う訳がなかった)

XI(ただ一つ厄介だとすればーーー)


バーサーカー「グオオオオオオオオオオオ!!!」


XI(ーーーその、タフネス)


82 : ◆7hc0tN0J7CIo [saga]:2018/05/15(火) 21:31:49.95 ID:+bt6r7dB0
XI(何度吹き飛ばしても、狂ったように追い縋ってくる)


XI(鎧の下の肉体がグズグズになる程の衝撃を、何度も何度も加えている)


XI(なのに、立ち上がり、戦い続ける)


XI(まさに狂戦士)


XI(厄介ではないが、面倒な相手だった)


XI(……何らかの制限でもあるのか、記憶の読み取りも朧げにしかできない)


XI(マスターの方も同様だ。サーヴァントよりは読み取り易いが、普段のそれと比べれば明らかに程度が低い)


XI(どちらも記憶を読み取れはするだろうが、時間はかかるだろう)


XI(……どうするか)


XI(この面倒な敵を倒すにはーーー)



1.このまま力押しで攻め続ける。

2.記憶は読み取り、変身能力を使う

3.その他(自由記載・内容によっては再安価)


↓1
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/05/16(水) 08:35:58.58 ID:7baItmEBO
3.最大火力で消滅させる
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/16(水) 13:51:36.08 ID:eBiMo+lmO
今ネウロ分かる人とかどれだけいるんだ…。
85 : ◆7hc0tN0J7CIo [saga]:2018/05/23(水) 16:48:12.33 ID:VO8DTs1s0
XI(ーーー最大火力で消滅させる)


XI(まずは……)



レナ(それは唐突に起こった)


レナ(目の前の少女が、グニャリと歪んだ)


レナ(まるで泥状の何かのように一度崩れ、別の形に構築された)


レナ(現れたのはーーー女性、だった)


レナ(ドレスを纏った、大人びた雰囲気の女性)


レナ(姿が、変わった)


レナ(少女から女性へ)


レナ(まるで何年もの時が一瞬で過ぎたかのように、彼女は『変身』した)


レナ(……私は、眼前で起きた不可思議な現象に動きを止めてしまった)


レナ(動けたのは、バーサーカーだけだった)


レナ(何かを察知した彼は、私を守るようにその身体と外套で包む)


レナ(冷たい鎧の感触に知覚が染められたその時ーーーそれは、起きた)


レナ(凄まじい衝撃が身体を叩いた)


レナ(それは音、だったのだと思う)


レナ(巨大な空間の壁で押し潰されるような感覚。多分、バーサーカーが守ってくれてなければ、それだけで私は死んでしまったかもしれない)


XI「良い歌でしょう」

XI「歌で直に脳を揺さぶり、死を与える」

XI「ただの人間の技も、私にかかれば必殺になる」


レナ(……声が、聞こえる)

レナ(大人びた女性の声。声色すらも、完全に変わっていた)

レナ(バーサーカーは動かない。いや……動けないのだろう)

レナ(私の代わりに、私を守るために、彼女の『歌』とやらを受けたのだ)

レナ(それはバーサーカーの動きすら止める程に、ダメージを与えた)


XI「でも、これはほんの小手調べ」

XI「人類を凌駕するものの、本当の力を見せてあげる」


レナ(言葉とともに、少女の気配が消えた)

レナ(見逃してくれた……というわけではないだろう)

レナ(また何かを仕掛けてくる筈だ。直ぐに態勢を立て直さなくちゃ……!)

レナ(そう思って、顔を上げたその時だったーーー)

86 : ◆7hc0tN0J7CIo [saga]:2018/05/23(水) 17:00:39.08 ID:VO8DTs1s0
レナ(地響きが聞こえた)

レナ(地面が唸り、同時に揺れている)


レナ「っ、バーサーカー!!」


レナ(何が起きてるかは分からない)

レナ(ただ危機感があった)

レナ(このままここにいたら危険だと、本能が告げていた)


バーサーカー「オオオオオオオ!!」


レナ(私の声に応えるように、ボロボロの身体を推して、バーサーカーが動いた)

レナ(私を担ぎ、走り出す)

レナ(私を担ぎ上げた瞬間だった。甲冑の間から、鮮血が舞い散る)

レナ(……その鎧の下は傷だらけなのだろう)

レナ(それでもーーー)


レナ「……お願い、バーサーカー」


レナ(その鎧に手を当て、呟きを掛ける)

レナ(バーサーカーはただ行動でのみ、応えた)

レナ(負傷を感じさせないような、凄まじい速さで森林を突っ切っていく)
87 : ◆7hc0tN0J7CIo [saga]:2018/05/23(水) 17:14:38.88 ID:VO8DTs1s0


レナ(だけど、私の願いも、バーサーカーの頑張りも、嘲笑うかのように、それは現れた)

レナ(視界の端で見えるそれは、漆黒の壁だった)

レナ(私の見える世界全てを飲み込まんとする、壁で)

レナ(木々も、地面も、空さえも飲み込まれ、黒に染まっていく)

レナ(バーサーカーの敏捷性ですら、逃げ切れはしない)

レナ(それはあっという間に私達へと近付いてきてーーー)



レナ(ーーー気付けば、わたしの身体は宙に舞っていた)

レナ(何が起きたのか、直ぐに理解するのは難しかった)

レナ(ただぐちゃぐちゃの視界の中で、バーサーカーと目があった)

レナ(同時に、私は全てを察した)

レナ(バーサーカーが、私を投げ飛ばしたのだ)

レナ(このままでは助からないとして、私だけでもと逃したのだ)


レナ「待ってーーー」


レナ(……そう、口にしたかったけど、言葉は出なかった)

レナ(凄まじい勢いで宙を舞い、戦線から離れていく)

レナ(最後に私が見た光景は、バーサーカーが漆黒の何かに飲み込まれる瞬間だったーーー)
88 : ◆7hc0tN0J7CIo [saga]:2018/05/23(水) 17:39:05.84 ID:VO8DTs1s0
〜セイバー陣営〜


士郎(それは、唐突に発生した)

士郎(間断なく続いていた戦闘音が止んだかと思えば、次いで地鳴りと地響きが起こって)

士郎(更に、その直後ーーー地滑りが発生したのだ)

士郎(前方の……多分、戦いがあった地点の辺り)

士郎(そこを呑み込むように地滑りが起きた)

士郎(……偶然とは、思えない)

士郎(サーヴァントとは超常の存在だ)

士郎(中には、そんな事をしでかす奴もいるのかもしれない)

士郎(……前方ではセイバーが立ち止まっていた)

士郎(ちょうど地滑りがあった地点と、それに巻き込まれなかった地点との境界)

士郎(セイバーはその惨状を見つめるように、立ち尽くしていた)


士郎「セイバー、無事か!」


士郎(……セイバーは、答えない)

士郎(ただ瞳を動かし、何かを探している)

士郎(多分、この惨状を起こした相手を……自分を殺してくれるであろう相手を探しているのだろう)


士郎「……生存者を探すぞ、セイバー」


士郎(それに気付いていないフリをして、俺は地滑りのあった地点に足を踏み込いれた)

士郎(危険なのは分かっている)

士郎(また地滑りが起きるかもしれないし、これを起こしたサーヴァントも付近にいるのかもしれない)

士郎(それでも、)

士郎(これに誰かが巻き込まれていて、万が一にでも生きている可能性があるのだとすれば、)

士郎(行動するには、充分すぎた)


七花「……正気か、お前」

七花「ここに埋まってるかもしれないのは、敵だぞ?」

士郎「そうかもしれないけど、そうじゃないかもしれないだろ」

士郎「遠坂みたいに協力してくれる奴や、俺みたいに偶然巻き込まれただけの奴がいるかもしれない」

七花「………」


士郎(セイバーからの返事はなく、俺に手を貸す様子もなかった)

士郎(ただ得体の知れないものを見るかのように、俺を見ていた)

士郎(その瞳を、知っている)

士郎(かつてのアイツが幾度も向けられ、これからの俺が何度も何度も向けられるのであろう瞳だ)

士郎(……そんな事は知ったこっちゃない)

士郎(どんなに歪でも、歪んでいても、俺は俺のやり方を貫くだけだ)
89 : ◆7hc0tN0J7CIo [saga]:2018/05/23(水) 17:50:12.83 ID:VO8DTs1s0
士郎(……あれは……)

士郎(そうして周囲を探っていると、それはあった)

士郎(地滑りの地点から少し離れた所)

士郎(そこにちらりと動くものがあったのだ)

士郎(駆け付けると、そこには少女が一人横たわっていた)

士郎(肩まで伸びた茶髪に、小柄な身体)

士郎(制服を着てるという事は学生だろう)

士郎「……くそっ、酷い傷だ」

士郎(少女はボロボロだった)

士郎(額からは薄く血が流れ、左手も曲がってはいけない方向に曲がっている)

士郎(地滑りが直撃した訳ではなさそうだがーーー)


七花「さっきまで戦ってた奴のマスターだろうな」

士郎「……多分、そうだろう」

七花「拾ってくのか?」

士郎「ああ、こんな傷だらけの奴を放っとけない」

七花「……敵だぞ?」

士郎「言っただろう。そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない」

七花「甘ちゃんだな」

士郎「仕方ないだろ。俺はこういうタチなんだ」
90 : ◆7hc0tN0J7CIo [saga]:2018/05/23(水) 18:04:14.68 ID:VO8DTs1s0
レナ「……待っ、て……」

士郎「! 意識が…!」

レナ「……お願、い……バーサーカー、の所に……連れて、って……」

士郎(……バーサーカーと、少女は言った)

士郎(つまり、この子はバーサーカーのマスターなんだろう)

士郎(……振り絞るような声で、自分のサーヴァントの所へ行きたいと言う少女)

士郎(だけど、少女はボロボロで、とても戦いに巻き込めるような状態じゃない)

士郎(少女の身を優先するなら、今すぐにでも此処を離れて、安全な所で休んだ方がいい)

士郎(でも、そうすればマスターのいないバーサーカーは……)

士郎(どうする?)

士郎(どう、行動する……)


1.バーサーカーの元へ向かう

2.安全な場所に退避する


↓1
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/23(水) 19:05:31.73 ID:OOEqowba0
2 +駄目だ俺は正義の味方だからな、バーサーカーより君の安全が第一だ
92 : ◆7hc0tN0J7CIo [saga]:2018/05/23(水) 19:37:46.63 ID:VO8DTs1s0
士郎「その願いは…聞けない」

レナ「そんな……どう、して…」

士郎「君の安全の方が優先だ」

レナ「待って……待って、くだ。さい……私には……バーサーカーが、いない、と……!」

士郎「……すまない」

士郎(……彼女のいう事は、聞けなかった)

士郎(こんな状態で戦いなんて自殺行為でしかない)

士郎(たとえ少女が望んだとしても、それを叶えるなんて出来ない)

レナ「離、して……! 私は、まだ戦わないと……勝たないと、いけないのっ……!」

士郎(少女は身を捩り、俺を振り解こうとする)

士郎(精一杯の抵抗。でも、その精一杯も余りにか弱過ぎた)

士郎(とても戦いに耐えられる状態ではなかった)

レナ「離、して……離せっ……私は、勝たなくちゃ……勝って、あの日の、真実を……!!」

士郎(彼女にも理由があるのだろう)

士郎(戦わなくちゃいけない理由が、勝たなくてはいけない理由が、)

士郎(……願い、が)

士郎(俺はその事情の全てを踏みにじっているのだろう)

士郎(でも、それでも、彼女が死なないで済むのならーーー)

士郎「恨んでくれても、構わない」

士郎「これが、俺のーーー」



士郎「ーーー正義の味方としての、選択だ」


士郎(俺は、はっきりと、そう告げた)

93 : ◆7hc0tN0J7CIo [saga]:2018/05/23(水) 19:56:41.45 ID:VO8DTs1s0



レナ(その人は、言った……)

レナ(これが正義の味方としての、判断だと)

レナ(揺るぎない声で、はっきりと)

レナ(ふざけるな……)

レナ(何も……何も、知らないくせに)

レナ(私がどんな想いで戦っているのかも、バーサーカーがどれだけ私を助けてくれたのかも、知らないくせに……)

レナ(全てを失った私の絶望も、知らないくせにーーー!!!)

レナ(ふざ、けるな……)

レナ(ふざけるな、ふざけるな、ふざけるな、ふざけるな、ふざけるな、ふざけるな!!)

レナ(私は負けられない! あの日の真実を手に入れるまで、絶対に!!)

レナ(勝て、勝つんだーーー)






レナ(ーーーーー勝って、バーサーカーーーーーー!!!)





レナ(想いと同時に、右手の刻印が強く光った)

レナ(それで、限界だった)

レナ(私の意識は、暗闇の中に吸い込まれていったーーー)

94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/23(水) 23:00:46.48 ID:HnkqgOq2o
ガッツ勝てるんかね?

サーヴァントとマスターの元ネタまとめ表が欲しいな
95 : ◆7hc0tN0J7CIo [saga]:2018/05/24(木) 00:12:46.49 ID:vEIXO9Km0
〜アサシン・バーサーカー陣営〜


XI(大きく変わった景色を見下ろす)

XI(『新たな血族』の一人であるテラ)

XI(土地の急所を知り、土地を自在に操る彼の能力を使い、地滑りを発生させた)

XI(人工的な自然災害は、奴を瞬く間に呑み込んだ)

XI(これだけの規模の土砂に呑まれたのだ。幾らあのタフネスだとしても戦う事は不可能だろう)

XI(寸前でマスターを逃したようだけど、問題はない)

XI(あのマスターは弱い。逃げ延びた所で邪魔にはなりやしない)

XI(次に出会った時に殺してしまえば良い)

XI「これで1組。思ったより時間を取られる……」

XI「次はーーー」

XI(と、苛立ちながら、次の標的を探そうとした瞬間だった)

XI(紅い閃光が、走った)

XI(目に見えるほどの魔力が空気を揺らがし、風を生んだ)

XI(その現象が何だったのか、直ぐには分からなかった)

XI(だが、数秒後に理解する)



バーサーカー「ーーーークオオオオオオオオおおおオオオオオオ!!!」



XI(土砂の世界から飛び出した、その姿を見る事で)
96 : ◆7hc0tN0J7CIo [saga]:2018/05/24(木) 00:25:42.20 ID:vEIXO9Km0
XI(奴の両手と両足は有らぬ方向に捩くれていた)

XI(鮮血など止めどなく溢れていて、鎧の下の肉体は原型を留めてなどいないのではと思えるほどだ)

XI(なのにーーー奴は、立っていた)

XI(捩くれた手足で、バケツをひっくり返したような血を溢れさせながら、立つ)

XI(タフネス、という言葉で片付けられるそれではない)

XI(例えパパだって、あの魔人だって、こんな傷を負えば立ってはいられない筈だ)

XI(……令呪)

XI(三度きりの切り札を、あのマスターは使用したのだろう)

XI「……でも、それでどうするつもり?」

XI「万全の状態で手も足も出なかったお前が、その傷で勝てるとでも?」

XI「今度は念入りに殺す。脳を潰し、首をねじ切り、心臓を抉り出してーーー」

XI「ーーー殺す……!」

XI(……苛立ちがあった)

XI(『新たな血族』の力を幾度も食らって立ち上がる、この存在に)

XI(こんな矮小な存在を殺すのに手間取る自分自身に)

XI(だからなのか)

XI(私は気付く事ができなかった)



杏子「ーーー貰ったぁ!!」



XI(後ろの茂みから飛び出して来た、赤い槍兵の姿にーーー)
97 : ◆7hc0tN0J7CIo [saga]:2018/05/24(木) 00:27:34.40 ID:vEIXO9Km0
〜数分前・ランサー陣営〜


杏子(……こりゃ思ったよりも、ヤバそうだね)

杏子(地滑りを引き起こす化け物と、それ食らって立ち上がる化け物と……)

杏子(……サーヴァントって、呼ばれるだけの奴等は揃ってるみたいだね)

杏子(幸いな事に、奴等は私の存在に気づいちゃいない)

杏子(片方は立ってはいるものの死にかけだし、片方は見るからにイラついてやがる)

杏子(乱入するには、またとないチャンス)

杏子(さぁて、どちらを狙うか)

杏子(ここはーーー)


1.鎧野郎を狙う

2.女を狙う

↓1
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/25(金) 19:15:42.45 ID:RcD0P/G70
99 : ◆7hc0tN0J7CIo [saga]:2018/05/29(火) 21:23:09.71 ID:atMJAm510
杏子(どーせ鎧の奴は放っておいても死んじまいそうだ)

杏子(ここは、あの女を狙う)

杏子(隙はある。あいつが奴に襲い掛かると同時にーーー)

杏子(行くーーー)

杏子(茂みから躍り出て、奴を狙う)

杏子(反応は明らかに遅かった)

杏子(私の事を察知しきれていない)

杏子(いつも通りに槍を振るう)

杏子(ゆっくりに引き伸ばされた知覚の中で、刃が女へと近づいていく)

杏子「ーーー貰ったぁ!!」

杏子(そして、刃が、女に触れたーーー)

100 : ◆7hc0tN0J7CIo [saga]:2018/05/29(火) 21:34:21.40 ID:atMJAm510
杏子「なっーーーー」

杏子(思わず、声が漏れた)

杏子(勝利を確信したからではない。驚愕に声が漏れた)

杏子(刃は、確かに当たっている)

杏子(だが、槍から伝わる感覚が違った)

杏子(まるで分厚い鉄板を叩いたかのような、固い固い感覚)


杏子「てめぇ、それは……!?」


杏子(それはーーー金属だった)

杏子(槍の触れている皮膚が、光沢を持った金属に『変化』していたーーー)



101 : ◆7hc0tN0J7CIo [saga]:2018/05/29(火) 21:36:38.80 ID:atMJAm510
XI(……危なかった)

XI(槍兵の不意打ちに、私は回避行動も防御行動もとれなかった)

XI(ただ一つ。初めての試みをした)

XI(パパの力の、金属を操る力の、模造)

XI(模造は何とか成功し、槍の刺さる部位を硬質化させる事に成功した)

XI(刃と金属化した皮膚とが接触し、火花を散らす)

XI(これで防御に成功した筈……だがーーー)


XI「がふっ……!」


XI(刃は、肉体に食い込んでいた)

XI(本来のもののと比べれば浅く、でも常人ならば命にも届き得る程には深く)

XI(刃が、食い込む)
102 : ◆7hc0tN0J7CIo [saga]:2018/05/29(火) 21:38:22.54 ID:atMJAm510

XI(……模造が、不完全だったのだ)

XI(パパの能力は特別だ。いくら私でも完全に真似する事などできない)

XI(……この程度の傷で死にはしない。傷も少しの時間があれば回復するだろう)

XI(だが、今この瞬間においてはーーー)

XI(ーーー余りに痛手だ)



杏子「訳わかんねー真似しやがって! ならさぁ!」



XI(こちらのダメージを見て取って、槍兵が踏み込んでくる)

XI(防衛に回るしかなかった)

XI(ここは守りに徹して、回復を待つーーーー)




XI(ーーーーそう思考した瞬間、だった)







バーサーカー「ーーーーーア、アアアアアアアアァァァァアアアアアアアア!!!」





XI(凄まじい魔力が、狂った戦士から放出される)

XI(噴き出すは、漆黒)

XI(それは、私も、眼前の槍兵も巻き込んで、世界すら飲み込んだ)



『ーーーーーー現れし蝕の記憶ーーーーーー』




XI(最後に、そう狂戦士の声が聞こえた)
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/29(火) 21:53:37.18 ID:TmhEcnbeO
>>94
無理だろ>>1は理解してない可能性あるしな
質問してもガン無視だし
104 : ◆7hc0tN0J7CIo [saga]:2018/05/29(火) 21:58:28.16 ID:atMJAm510
〜アサシン・マスター視点〜


渚「な、なんだ、あれ」

渚(思わず口から驚きが溢れていた)

渚(それもそうだろう。目の前にいきなり訳の分からない光景が出現したのだから)

渚(黒い渦、だった)

渚(前方の……アサシンの反応があった方向に)

渚(遠くの自分にも感じられる、身体が震えるような膨大な魔力を伴って)

渚(それは、現れた)

渚(……もちろん、分かる。あれは、危険だ)

渚(近付いてはいけない事象。自分では手に余る事象)

渚(本来ならば、このまま踵を返すのが正解なのだろう)

渚(だけど、アサシンがあの中にいる)

渚(訳の分からない事態の最中での事とはいえ、パートナーとなったのだ)

渚(放って置くなんてできない)

渚(考えろ。考えろ。考えろ)

渚(目的は、アサシンとの合流)

渚(今の僕に何ができるのか。何をすべきなのか)

渚(潜入するか、近くで様子を見るか……。でも、どちらにせよ一人で出来る事なんて限られてる)

渚(……一人で無理なら、誰かに協力を頼む?)

渚(でも、こんなバトルロワイヤル方式の戦いで協力なんて仰げるのか?)

渚(しかもアサシンと離れている今、問答無用で襲われたら、その時点で終わりだ)

渚(なら一人で? でも、それは……)

渚(くそっ、今の僕にできる事、それはーーー)


1.協力者をさがす

2.渦の近くで様子を見る

3.渦の中に潜入する

4.その他(自由記載・内容によっては再安価)

↓1
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/05/29(火) 22:00:32.24 ID:3AVcVVuw0
106 : ◆7hc0tN0J7CIo [saga]:2018/05/29(火) 22:16:33.81 ID:atMJAm510
渚(……立ち止まって、思考する)

渚(自分にできる事、できない事)

渚(誰かを頼る事、誰かに頼られる事)

渚(……目の前の事象は、確かに常識外れのものだ)

渚(僕一人で対処なんて、出来やしないのかもしれない)

渚(僕一人が向かったところで、意味なんて無いのかもしれない)

渚(……でもーーー)



渚(ーーー何もできない訳じゃない)



渚(僕には、あの一年がある)

渚(あの先生を殺すための、あの先生に教え導かれた、一年)

渚(誰かを頼る事は決して悪い事じゃない)

渚(でも、やるべき事を、出来る事をやらずに、ただ頼るのはダメだ)

渚(自分に出来る事をやり、その上で考え、判断し、道を選択する)

渚(……僕にも、情報を集めるくらいは出来る)

渚(隠密の技術は、押しでがましいくらきに教え込まれたんだ)

渚(まずは潜入し、情報を集める)

渚(その上で先に進むか、助けを求めるかを判断しても、遅くない筈だ)

渚(……渦の寸前まで辿り着く)

渚(深く深く深呼吸をする)

渚(一回……二回……三回……)

渚「……行こう」

渚(意を決して、僕は渦の中に足を踏み入れた)

渚(その先にあったのはーーーー)
107 : ◆7hc0tN0J7CIo [saga]:2018/05/29(火) 22:34:25.80 ID:atMJAm510
〜アーチャー陣営〜

まどか「これは……」

まどか(戦いを見ている中で、それは起こった)

まどか(戦闘を行なっていた2人のサーヴァントと、サーヴァントが引き起こした土砂崩れ)

まどか(不意打ちに……杏子ちゃんが現れ、直後それが発生した)

まどか(黒い、渦)

まどか(禍々しい程の魔力の奔流)

まどか(それが、漆黒の騎士を中心にして、発生した)

なのは「……宝具、だね」

まどか(緊張の表情で、アーチャーが言う)

まどか(……宝具。サーヴァントを象徴する、切り札の如き存在)

まどか(騎士のそれが、この黒渦なのか)

まどか(こんな禍々しい渦が、彼の象徴とでも言うのか)

まどか(……それは、とても悲しい事のように、私には思えた)

なのは「……どうする、まどかちゃん」

なのは「情報収集が目的なら、それなりに成果はあったと思うけど」

まどか(アーチャーの発言に間違いはない)

まどか(姿を変える少女のサーヴァント、大剣を携えた騎士のサーヴァント、そして杏子ちゃん)

まどか(半分ものサーヴァントを知る事ができたのだ。情報としては十分だろう)

まどか(でもーーーー)

まどか「ーーーーあの宝具の情報が得られてません」

まどか(一番大事な情報が、得られていない)
108 : ◆7hc0tN0J7CIo [saga]:2018/05/29(火) 22:50:50.72 ID:atMJAm510
なのは「……求め過ぎも良くないと思うよ」

なのは「これだけの情報が得られたなら、もう充分だよ」

まどか「確かに沢山の情報は得られました」

まどか「でも、一番大事な情報はあれですよね」

なのは「……危険だよ」

なのは「近付かない方が良いと思う」

まどか(迷いの無い断言)

まどか(アーチャーがそうまで言うのだ。本当に危険なのだろう)

まどか(でも、大きなチャンスである事も確かなのだ)

まどか(無理をしてでも宝具の情報収集をするか、否か)

まどか(ここはーーー)


1.宝具の情報収集をする

2,宝具の情報収集はしない

↓1

109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/05/29(火) 22:53:52.56 ID:3AVcVVuw0
2
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/29(火) 22:57:36.61 ID:BhPLTywJ0
2+それよりさっき続を、今度は抵抗出来ないように令呪を使用
まどか「令呪を持って命じる、アーチャー私が貴女を犯す時は、一切抵抗する事を禁じる」
111 : ◆7hc0tN0J7CIo [saga]:2018/05/31(木) 18:51:06.18 ID:cpVERda/0
まどか「……分かりました。撤退しましょう」

まどか(確かにあの雰囲気は危険な感じがする)

まどか(まるで魔女の結界……ううん、それを更に色濃くしたような)

まどか(近付くのは……やめとこう)

なのは「了解。……ありがとうね、忠告を受け入れてくれて」

まどか「いえ、ただそうして方が良いと思っただけです」

まどか(黒い渦に背を向けて、森を進んでいく)

まどか(中では、どんな事が繰り広げられているのか……あまり想像はしたくなかったーーー)

112 : ◆7hc0tN0J7CIo [saga]:2018/05/31(木) 19:29:38.27 ID:cpVERda/0
〜ライダー陣営〜


トニー「……何だ、あれは」

トニー(視界の端で、それは唐突に発生した)

トニー(膨大なエネルギー反応が一度発生し、その直後に、更に強力なエネルギー反応があった)

トニー(その後にあったのは、黒色の渦だ)

トニー(……何となく、NYでのチタウリ襲撃を思い出させる)

トニー(あの時の……宇宙へと続く深淵の穴のような、薄気味の悪い感覚)

トニー(……あまり良い記憶ではないが、見過ごすという訳にはいかなかった)

トニー(あれは、おそらく宝具と呼ばれるものだろう)

トニー(中からは膨大な数の動体反応……と同時に動かなくなっていく反応も多数あった)

トニー(反応は人のそれではない。あの渦と同じようなエネルギー体だ)

トニー(それが蠢き、また動きを止めている)

トニー(……まるでエネルギー体同士が潰しあっているかのようだ)

トニー(だが、宝具が生み出したエネルギー体同士が、何故潰し合うのか)

トニー(……外からでは見当がつかなかった)

トニー「……中に入るには、余りに情報が少ないか」

トニー(そもそも宝具とは、サーヴァントの切り札のようなものだ)

トニー(準備も覚悟もなしに突入して、無事に済むものではない)

トニー(ここは静観。何か動きがあれば、また考えよう)

トニー(……ひとまずは、当初の目的を果たそうか)

トニー(戦場の周囲にいるサーヴァントを1組発見した)

トニー(奴等の姿はーーー)




コンマ偶数:ピンク髪の少女と白服の女性(アーチャー陣営)

コンマ奇数:茶髪の少女と銀髪の子ども(キャスター陣営)

コンマ判定
↓1
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/31(木) 19:31:41.11 ID:qofFBwqj0
やあっ
114 : ◆7hc0tN0J7CIo [saga]:2018/06/05(火) 19:01:25.49 ID:dnlby2eX0
トニー(子ども二人か)

トニー(……スティーブが知れば、目くじらを立てるだろうな)

トニー(だが、引けない)

トニー(僕に残されているのは、戦い、勝つ事だけだ)

トニー(ーーー行くぞ)






〜キャスター陣営〜


ゼオン「……魔力の渦か」

ゼオン「これが宝具、というやつなのだろうな」

縁寿(目の前では信じられないような光景が広がっていた)

縁寿(空まで届く漆黒の渦巻き)

縁寿(見ているだけで気圧されるような光景が、そこにある)

ゼオン「下らない戦いかと思えば、何だ少しは楽しめそうじゃないか」

縁寿(……圧倒される私を尻目に、サーヴァントのこいつは楽しげだった)

縁寿(黒騎士と少女の規格外の戦いを見てる時もそう)

縁寿(その余裕が崩れる事はなかった)

縁寿(あの目では追えない戦いを見ている時も、少女が姿を変えた時も、突然に土砂崩れが起きた時も、)

縁寿(幾度と立ち上がる騎士を見た時も、凄まじい速度で乱入してきた槍兵を見ている時も、だ)

縁寿「……何だか楽しそうね」

ゼオン「そうか? まぁ、退屈よりは良いだろう」

ゼオン「どうする。まだ静観を決め込むのか?」

縁寿(好戦的な瞳で、キャスターが告げる)

縁寿(これだけ自信があるのなら、向かわせてみるのも良いのかも知れない)

縁寿(ーーーそう思い、口を開いたその時に、それは来た)

縁寿(空から一直線に飛来する影)

縁寿(それは一切の減速をする事なく、膝と手を付き、私達の前に着地した)

縁寿(赤と金の入り混じった金属の装甲)

縁寿(胸部と関節には淡い光が灯っている)

縁寿(アニメや漫画で見るサイボーグのようなものが、目の前に降り立っていた)

115 : ◆7hc0tN0J7CIo [saga]:2018/06/05(火) 19:36:58.62 ID:dnlby2eX0


トニー「こんにちは、お嬢さん達」

トニー「突然で驚かせてしまったかな。すまない。僕はサプライズが好きなものでね」

縁寿(サイボーグは存外落ち着いた様子で語り掛けてきた)

縁寿(軽い語り口……こいつもサーヴァントなのだろうか)

縁寿「……キャスター」

ゼオン「ああ、どうやらこのブリキの玩具もサーヴァントらしい」

トニー「ビンゴ! だが、君は見る目がないな。このスーツを見てブリキ玩具とは」

トニー「これは僕の叡智と技術と莫大な資金の集大成。銀河系を見渡したってこれ以上のスーツは無いと自負できるね」

ゼオン「玩具は玩具だろう? これから俺が遊んでやるのだからな」

トニー「スーツと遊ぶのは勝手だが、怪我してもクレームは無しだぞ。僕の会社も一切の責任を負わないからな」

ゼオン「気にする必要はない。死人に責任は取れないからな」

トニー「ははは、面白い子どもだ」

ゼオン「そうでもないさ。俺の前にのうのうと現れたお前の方が面白いぞ」

縁寿(……ゼオンとサイボーグとの舌戦が繰り広げられる)

縁寿(互いにやる気は充分と言ったところだろう)

縁寿(ゼオンも臨戦態勢……今更退くはないだろう)

縁寿(私も白銀の魔本に手を乗せ、敵を見やる)

縁寿「……やるわよ」

ゼオン「勿論だ」

トニー「……話が早いな。その方が僕としても助かるよ」

縁寿(言葉と共に、サイボーグの両手が巨大な砲身に変化した)

縁寿(仄暗い深淵が銃口から私を睨め付ける)

縁寿(恐怖は、ない)

縁寿(私の側にいる魔術師が、余りに頼もしく感じるからだ)

縁寿(小さく息を吐き、魔本に意識を集中させる)


縁寿「ーーーザケル!」


縁寿(言葉と共に雷光が煌きーーーそれが、戦いの始まりとなった)


116 : ◆7hc0tN0J7CIo [saga]:2018/06/05(火) 19:40:04.98 ID:dnlby2eX0
次に描写する戦闘を選択してください。

1.バーサーカーvsアサシンvsランサー

2.ライダーvsキャスター


↓1
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/05(火) 19:41:01.03 ID:uTOYnG2b0
118 : ◆7hc0tN0J7CIo [saga]:2018/06/05(火) 21:44:54.45 ID:dnlby2eX0
〜ライダー・キャスター陣営〜

トニー(眼前の敵は、その見た目に反して凄まじい強さを誇っていた)

トニー(アーマーですら捉えきれない、視界から消えたかと思わせる程の速度)

トニー(アーマーを介してですら重く身体に響く程の超人的なパワー)

トニー(そして、掌から放つ電撃ーーー)

トニー(……正直に言おう)

トニー(この子どもは、怪物だ)

トニー(この10年間様々なヴィランと戦ってきたが、それと比較しても上位にあたる)

トニー(ともすれば、友達の緑の怪物君に登場を願いたい程だ)

ゼオン「どうした、どうしたぁ! デカイ口叩いた割には手も足も出ないか!!」

トニー(背後に回り込まれ、同時に雷撃が迸る)

トニー(何とか反応して、前腕部のアーマーを盾型に)

トニー(雷をやり過ごす)

トニー(ついで、衝撃)

トニー(シールドごと身体が浮き、後方へと吹き飛ばされる)

トニー(蹴りの一撃で、コレだ)

トニー(あの小さな体躯にどれだけの筋力が秘められているのか、疑問に思う)

トニー(……しかも相手は当然の如く、吹き飛ばされた私に追随する)

トニー(宙にある僕の眼前に現れ、その右手を差し出す)

トニー(それは予備動作。奴が雷を出す前兆)



ゼオン「ーーー消えろ」

縁寿「ーーーテオザケル!」




トニー(視界が、閃光に染まるーーー)

119 : ◆7hc0tN0J7CIo [saga]:2018/06/05(火) 22:18:52.27 ID:dnlby2eX0

縁寿(……ゼオンの掌から放たれた電撃が、サイボーグの姿を呑み込んだ)

縁寿(雷撃が放たれた瞬間、世界から音が消え、地面が揺れる程だった)

縁寿(凄まじい雷撃。常人であれば即死のソレだ)

縁寿(立ち込める砂埃が徐々に消えていく)

縁寿(その中に、人影があった)

縁寿(奴は、立っている)

縁寿(あれ程の電撃を食らって、尚もーーー)

ゼオン「……貴様」

トニー「どうだ? 中々頑丈な玩具だろう?」

縁寿(その語り口は、戦闘が始まる前と変わらない)

縁寿(飄々と冗談めかしたように、言う)

縁寿(対するゼオンには、少なからず驚愕が見て取れた)

縁寿(……当然だろう。あれ程の電撃を食らって立つものがいるとは考え難い)

縁寿(その腕は形状が変化し、巨大な盾のようになっている)

縁寿(恐らくは、その盾でガードしたのだろう)

縁寿(とは言っても、あれだけの雷撃だ。それでも立てるとは思えないが……)

トニー「奇遇なもので、僕は前にも雷撃を操る奴と戦った事があってね」

トニー「雷神とも呼ばれていてね。とにかく凄い雷を放つは、凄いハンマーを振るうわで、中々に手のつけられない奴だったよ」

トニー「パワー自慢の奴とも戦った事があるぞ。怒ると緑の巨人になる奴でね」

トニー「その時は流石に専用のスーツを着たが、それもボロボロにされてしまってね。寿命が縮む想いだったよ」

ゼオン「……何が言いたい」

トニー「言ったろう? このスーツは僕の集大成だ」

トニー「ソーとの戦いも、ハルクとの戦いも、ウルトロンとの戦いも、チタウリとの戦いも……キャプテンとの戦いも、」

トニー「全ての経験を詰め込んだスーツだ」

トニー「僕がアイアンマンとなってからの10年間が、このスーツに篭っている」

トニー「ーーー余り見くびるなよ、キャスター」

縁寿(言葉と共に、サイボーグが動いた)

ゼオン「ちっ…!」

縁寿(迎撃のために手を掲げるゼオンーーーその瞬間、それは飛来した)
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