真・恋姫無双【凡将伝Re】3

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1 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/05/11(金) 22:10:05.46 ID:cEso93vP0
 時は二世紀末、漢王朝の時代。
 四世三公の名家たる袁家に代々仕えし武家である紀家に生まれた一人の男児。
 諱(いみな)を霊、真名を二郎というこの男は様々な出会いや経験を重ねていく中で、やがて世を席巻していく。
 しかし、彼には誰にも言えない一つの秘密があった。
 彼の頭の中には、異なる世界における未来で生きてきた前世の記憶が納められていたのだ――。
 これは、三国志っぽいけどなんか微妙に違和感のある世界で英雄豪傑(ただし美少女)に囲まれながら右往左往迷走奔走し、それでも前に進もうとする凡人のお話である。


※リトライとなりますが大筋ではそんなに変わらない見込みで
※なろうにても投下しております。こっちで書いて推敲してからなろうに投稿って感じです
※合いの手長文歓迎です


前スレ
ttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1480942592/
ttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1445344769/

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1480942592

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1526044205
2 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [sage]:2018/05/11(金) 22:11:08.80 ID:cEso93vP0
「万歳!万歳!万歳!」

どこかから、声が上がる。それを聞いた民衆は口々に唱和する。
酒が入り、当然喧嘩も起こる。それでも、どこからか聞こえる万歳の声。先ほどまで殴り合っていた者同士も肩を組み、万歳を唱和する。
めでたい、めでたい日である。
振る舞い酒は美味いし、そこかしこから聞こえる音楽も鳴り止まない。
この上なくめでたい日である。

「つっても、ほっつき歩いてた風来坊が帰ってきただけなんだけどな」
「身もふたもないですね」

男たちはくつくつと笑い合う。
沮授と張紘。それぞれ官僚と財界のトップの二人は義兄弟でもある。
袁紹の思いつきを短期間で具現化し、今日の一大セレモニーにつなげたのも彼らの辣腕あってのこと。

「しかし、こんなとこで油売ってていいのか?」
「ええ、構いませんよ。郭嘉さんがいますからね」
「確か二郎が拾ってきたんだっけか」
「ええ、そうですよ。全く、どうやったらあんなに優秀な人物を見いだし、登用できるのかと。
 いやはや、二郎君は本当に埒外ですよ。
 本当に、ね」

自身の声望を疎み、わざわざ偽名を名乗って仕えるべき主君を探していたという郭嘉。
新参の身故、暫くは沮授の補佐という立場になろうが、表だって地歩を固める日もそう遠くはないだろう。そう沮授は思う。
実際、日々その存在感は高まっているのだ。

「まあ、おいらも二郎に拾われた身だしな」
「おや、そういえばそうでしたね。何とも懐かしい話です。
 ……張紘君こそお仕事はよろしいので?」

くすり、と微笑み張紘に問う。

「おう、魯粛が帰ってきたからな。かなり助かってる」
「にしても帰参してすぐにとは。人使いが荒くないですか?」
「いいんだよそれくらいで。勘も取り戻してもらわないといけないしな」

それにややきついくらいの負荷をかけないと全力で働かないし、と言って笑う。

「おやおや、これは恐れ入りました」

話は尽きない。互いの立場もあり、こうやって馬鹿話に花を咲かせる機会も減ってしまっている。
が。

「すまん、遅れちった!」

慌ただしく駆け寄るこの青年がいれば問題はないだろう。

「いえ、お気になさらず。今日の主役なのですから」
「そうそう。むしろおいらたちは後日でもよかったんだぞ?」

何せかれらは義兄弟。その絆は永遠。

「いやまあ、ここを最後に思いっきり呑んで騒ぐつもりだったんだけどな。
 次が入っちまってさ、すまん。また今度ゆっくり呑もうや」
「そんなこったろうって思ってたよ」
「本当にお気になさらず。姫君たちを優先してください。
 それより」

沮授が紀霊の杯に酒を注ぐ。

「お、火酒か。ようやく実現したなー」
「おう、李典のお蔭でな」
「それでは」

それぞれに杯を掲げ。

「二郎の帰還を祝って」
「袁家の隆盛に」
「俺たちの絆に」

乾杯。

男たちは杯を干し、笑い合う。
やがて挑む奔流、激流。翻弄されても、彼らの絆が切れることはない。

3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/11(金) 22:11:34.90 ID:cEso93vP0
◆◆◆

さしものの祝いも深夜を過ぎるころには南皮は静謐さを纏うようになっていた。
そこかしこで響いていた喧噪も次第に遠ざかっていく。
だが、残滓は確かに残されており、不穏を内包する。

「そこで何をしている!」

鋭い声が闇を引き裂く。
その声にびくり、と身を震わせる人影が四つ。どうやら倒れている男を身ぐるみ剥がしているらしい。
いくら南皮の治安がいいとは言っても限度がある。
既に何度も遭遇している場面とあって声の主――楽進は落ち着き払っている。

「ち、散れ!」

数瞬の逡巡の後に人影の一人が叫ぶ。
その声を受けて各人がばらばらの方向に逃げる。なるほど、追手を撒くにはいい判断だったろう。

ただし。

「心にて、悪しき空間を断つ。
 断空砲!」

相手が悪かった。

不可視の気弾が立て続けに人影を吹き飛ばす。
楽進は表情を変えることなく後続の部下に賊の捕縛、倒れている人物の介抱を命じる。

どうやら泥酔してそのまま寝てしまっているようだ。設営されている簡易宿泊所への搬送を指示し、再び巡邏を開始する。
彼女は昼間からほぼ休みなしで活動しているが、その体躯に漲る気力はいよいよ充実している。
何しろ今日は彼女の想い人――ようやく最近気持ちに折り合いをつけたらしい――が南皮に帰還しためでたい日なのだから。

もっとも、ちらり、としかその姿を見ることは出来なかったが。いや、むしろ職務中にその姿を目にできたことは幸運であったのだろう。
白を基調とした紀家の正装を身にまとい、雷薄以下の紀家軍の最精鋭を背に従えるその姿の凛々しさよ。

随分歩いたろうか。払暁は近く、街に人の影も目立ち始める。
多くは流民。
まき散らされたごみや吐瀉物、あるいは落ちている人間など。有象無象を片付けていく。
微妙に増えつつある流民の雇用は最近の袁家……さらには母流龍九商会の懸案事項の一つである。
そういう意味では今回の式典は一時的ではあるが効果はあったのであろう。

軽く頭を振って楽進はそんな思いを振り切る。自分が考えるようなことではない。
目の前の職務を尽くすことこそ肝要なのだ。

「もうひと頑張りだ!」

付き従う部下に声をかけ、巡邏を続ける。
きっとそれが自分を拾ってくれたあの青年に報いることになるのだから。
4 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [sage]:2018/05/11(金) 22:21:42.97 ID:cEso93vP0
本日ここまですー

どんどこいきますzせ

感想とかくだしあー
5 :赤ペン [sage saga]:2018/05/12(土) 09:58:51.11 ID:lyDPRush0
立て乙ー
>>2
>>沮授と張紘。それぞれ官僚と財界のトップの二人は義兄弟でもある。  この場面は二郎視点ではないので
○沮授と張紘。それぞれ官僚と財界の最高峰の二人は義兄弟でもある。  もしくは【頂点】、【最上位】とか?
>>袁紹の思いつきを短期間で具現化し、今日の一大セレモニーにつなげたのも彼らの辣腕あってのこと。  ここも同じく
○袁紹の思いつきを短期間で具現化し、今日の一大祭典につなげたのも彼らの辣腕あってのこと。  もしくは【式典】、【栄典】、【祭事】とか?
>>何せかれらは義兄弟。その絆は永遠。 間違いではないですが
○何せ彼らは義兄弟。その絆は永遠。  漢字の方が私の好みかな
>>3
>>さしものの祝いも深夜を過ぎるころには南皮は静謐さを纏うようになっていた。  【の】が多いので
○さしもの祝いも深夜を過ぎるころには南皮は静謐さを纏うようになっていた。   ですね
>>その声にびくり、と身を震わせる人影が四つ。どうやら倒れている男を身ぐるみ剥がしているらしい。   これでもいいとは思いますが
○その声にびくり、と身を震わせる人影が四つ。どうやら倒れている男の身ぐるみを剥がしているらしい。  上の文だと話し言葉っぽいですね

そう言えば前スレでは気付かなかったんですが
>>1
>>※リトライとなりますが大筋ではそんなに変わらない見込みで  前前スレのスレ名が
○※リライトとなりますが大筋ではそんなに変わらない見込みで  【リライト版】なのでこっちが正しいかも

ちなみに私は悪辣なので1000でお願いはしません、なぜなら一ノ瀬さんの作品を捻じ曲げる気はないから
でもその前に要望を言う事で一ノ瀬さんの心に引っかかりを作るスタイル
「あなたは私の願いを叶えても良いし叶えなくても良い」
そんな事を考えて適当に埋めたけどよく考えたら誰かの過去の掘り下げとか願えばよかったか…ふかく!
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/12(土) 11:27:59.29 ID:+RZ43qZa0
>>5
どもです。

いつもながらありがとうございますー

さて

>○※リライトとなりますが大筋ではそんなに変わらない見込みで  【リライト版】なのでこっちが正しいかも
リトライになりました。
後はお察しください。
何個かダイス判定が実は発生しております(極秘)

>そんな事を考えて適当に埋めたけどよく考えたら誰かの過去の掘り下げとか願えばよかったか…ふかく!
ww
せっかくだし、数人キャラ出してくれたらなんかあるかもしれません。
過去とか掘り下げの絡みは電波次第なので、広く網投げてくれた方がありがたいです
7 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [sage]:2018/05/12(土) 11:28:42.12 ID:+RZ43qZa0
いかんコテ外れとるから設定せねば
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/12(土) 12:30:17.28 ID:k5XIZzWWo
ほんとにリトライになっていたとは……
私のお気に入りキャラはまだまだ出ないので楽しみにしながら大人しく読者続けますww
これからも無理せず頑張ってくださいませー
9 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [sage]:2018/05/12(土) 12:33:14.03 ID:+RZ43qZa0
>>8
お休みいただいたおかげで書くのが本当に楽しいです

あっちに連日投稿の時はもう苦行状態でしたww

いや、覚悟の上ではあったのですが、辛いものは辛いねんと
10 :赤ペン [sage saga]:2018/05/12(土) 14:07:08.03 ID:lyDPRush0
ふうむ・・・詠と翠の西涼立て直しとか、二郎と麗羽様、美羽タンの3人で街の視察とか、後は何進さんと妹(皇太后)による二郎評価とかも見てみたいカモ
そう言えば麗羽様は天の御使いについてどう感じてるんだろう…
11 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/05/12(土) 22:03:43.98 ID:+RZ43qZa0
「うわあ、まだあるのか……」

戦場では怖いものなしの馬超がぐったりとする。
それは彼女の知らなかった戦場。知りたくなかった戦場。
求められるのは膂力などではない。

「そりゃあ、あるわよ。
 涼州全部の決済書類だもの。
 並べたらば、その上で練兵でもできるんじゃないかしら?」

うへえ、という馬超の声に目もくれずに目の前の書類を仕分けている賈駆は手元の湯呑み――どっかの凡人から贈られたものである――を手に取り、冷め切った茶を口にする。

「いや、そりゃそうか。そうだよなあ。
 凄いな、父上はこんなに大変なことをされてたのか……」

「そうよ。それが州牧の務めだもの。
 というかね、邪魔しにきたのか手伝いにきたのかはっきりしてほしいんだけども」

その声の尖りにさしもの馬超がたじろぐ。

「まあ、興味を持つだけでも大きな進歩じゃないかなってたんぽぽ思うのー」

「それを進歩と言ってしまうところが問題だとボクは思うけどね」

助け船を出したのは馬岱である。彼女はちょくちょく顔を出して賈駆の手伝いをしていたので、軽口をたたいても許される。許された。

「うう、だって邪魔だって言ったのは詠じゃないか」
「だって邪魔だもの。本当に邪魔だもの。
 翠がボクの手助けになるとすればね、今すぐにここから立ち去ることよ」
「そりゃないだろう!
 何か手伝えることがないかって思ったのに!」
「あれば言ってるわよ。
 というかね、翠のできることを考える時間だって惜しいのよ。分かる?
 分からない?分かってくれたら助かるんだけど」
「な、なんだとう!
 それじゃ私が役立たずみたいじゃないか!」

そう言ってるんだけどな、と開いた賈駆の口に押し込まれる饅頭。

「む、ぐ!」

抗議の声を馬岱が遮る。

「はいはい、ちょっと一休みだね。ほら、お姉様もこれ食べて?
 間食としてどうかなって」

差し出された饅頭を馬超も手に取る。

「ほう、甘い。美味いな」

「でしょ?結構日持ちもするんだって。
 書類仕事に疲れた時にはいいかなって」

殺伐とした空気を散らして馬岱は伸びをひとつ。
彼女も別に書類仕事が好きというわけではないのだ。

12 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/05/12(土) 22:04:10.48 ID:+RZ43qZa0
「にしてもお姉様、詠姉様に任せたって言ってたのにどうしたの?」

「い、いや、あのだな。
 流石に任せっきりはよくないかなーとか思ったり」
「ああ、叔父様に聞かれても分からないもんねー。
 別にいいと思うけどなー。
 苦手だから詠姉様に任せっきりだって……痛い!」

ごちん、と鈍い音が響き賈駆が眉をひそめる。

「ちょっと、翠!
 視察にしても手伝うにしても、本格的に邪魔になってきているわよ?」
「あ、いや。
 そんなつもりはなかったんだ。
 すまない」

「謝る相手も内容も違うと思うけどね。
 いいから遠乗りでも行ってきなさいな。
 馬騰殿には翠が内勤にも興味を持ったとでも報告しとくから」

しっしとばかりに手を振る賈駆に馬超は頷く。

「う、うん。わかった。
 ちょうど黒毛の若駒がいい具合でさ。ちょっといってくる!」

いい笑顔で去った馬超に賈駆は苦笑する。

「詠姉様、ごめんなさいね?」
「たんぽぽが謝ることじゃない……こともないか。
 大変ね、ほんと」
「そうでもないよ?」

笑う馬岱に賈駆はやれやれ、と首を振る。

「いいけどね。翠に向いてないのは確かだし、ボクが取り仕切っているのほんとだしね」

涼州の利権から董家に便宜を図っているのは確かであるし、それを隠そうともしていない。
もっとも、それを認識しているのは目の前の馬岱だけであろうが。

「まあ、詠姉様がいてくれて本当によかったものね。
 ほーんと、お姉様だけじゃこの涼州はたち行かなかったもの」
「へえ、それが分かるなら……」
「あー、たんぽぽには無理ですー。分かるのとできるのとは違いまーす」
「へえ?」
「やりたいこと、できること。やらなきゃならないことって全然違うしー。
 たんぽぽはできることを精一杯頑張るだけでーす」
「へえ。言うじゃない」
「まあ、これ二郎様の受け売りなんだけどね?」
「へ?」

にしし、と馬岱はほくそ笑む。

「二郎様がね、言ってたの。
 愛しの、二郎様がねー」
「だ、誰が愛しのか!」
「えー?たんぽぽのが一方的に懸想してるだけなんだけどなー。
 なんで詠姉様が怒るのかなー不思議だなー」
「ああもう!
 そんなとこまで、あいつに似なくていいのにもう!」
「惚れた弱みってやつかな?」
「どういうことよ、もう」

にひひ、と笑う馬岱につられて賈駆も苦笑する。

「ま、あいつはどうしようもないからね、おすすめはしないわよ?」
「えー?そうかなー?
 たんぽぽわかんなーい」
「いや、だからね、あいつはね……」

彼のことを語るときに緩む口元。
それを自覚してないのだなあ、と馬岱は思うのであった。
13 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/05/12(土) 22:05:47.12 ID:+RZ43qZa0
本日ここまですー

感想とかくだしあー

翠と詠ちゃんの涼州立て直し……だよね?

みんなちゃんと動いてくれるのを確認できたしありがとうございますー。
14 :赤ペン [sage saga]:2018/05/14(月) 13:02:27.04 ID:d84sgl0D0
乙でしたーありがとうございます
>>11
>>その声の尖りにさしもの馬超がたじろぐ。 ほんのちょっぴり違和感
○その声の尖りにさしもの馬超もたじろぐ。 たしかこれが正しかったような
>>12
>>「いいけどね。翠に向いてないのは確かだし、ボクが取り仕切っているのほんとだしね」   なんとなくしっくりこないような(重箱の隅カン
○「いいけどね。翠に向いてないのは確かだし、ボクが取り仕切っているのもほんとだしね」  もしくは【取り仕切っているのは】かな?
>> ほーんと、お姉様だけじゃこの涼州はたち行かなかったもの」  これは読みづらい気がします
○ ほーんと、お姉様だけじゃこの涼州は立ち行かなかったもの」  そういえばこれ調べても【たちいく】なのか【たちゆく】なのかいまいちはっきりしないんですよね

て、適材適所、適材適所だからwこの遠慮のない感じ。イイネ!
ところで董家から来てるのは詠ちゃん一人だけ?それとも見えないところで家臣団(モブ)が書類に埋もれて溺死してるのかしら
15 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/05/14(月) 21:36:35.47 ID:Zu+4RnS80
>>14
どもです。

いつもご指摘ありがとうございますー

>て、適材適所、適材適所だからw
そりゃもう適材適所ですとも

>この遠慮のない感じ。イイネ!
やる気満々の詠ちゃんですもの。そりゃ全力ですよ。
董家のことはよく知っているから予算も一番有効に活用できますし!

>ところで董家から来てるのは詠ちゃん一人だけ?それとも見えないところで家臣団(モブ)が書類に埋もれて溺死してるのかしら
さてと考えましたが詠ちゃん一人ですな
そらもう、書類時空では無双状態ですよ

書いてて思ったのは、詠ちゃんと翠って相性実はいいなあと
あれこれ口やかましく翠に言って、それをたんぽぽが宥めて、でもきちんと詠ちゃんは翠の能力は評価していて

主をきちんと客観視なり酷使できる関係になっていきそうな気がしますね
うむ、馬騰さんの目は確かであったことよ^^
16 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/05/23(水) 22:26:46.47 ID:s2wcgPej0
さて、最近南皮で流行っている戯詩がある。

「怨将軍に過ぎたるもの二つあり、趙の子龍に三尖刀。
 いや、星ちゃん、大人気ですねえ」

くふふ、と笑う程立を趙雲は苦い顔で見やる。

「おや〜、不敵で無敵な星ちゃんがそんな顔をするなんて。
これはいいものが見れましたね〜」
「むう。
風はそうは言うがな。自らのあずかり知らぬところで声望が高まるというのは、こう。
 何というか、そのな。非常に不本意で、な」

事実である。
趙雲の声望は日に日に高まる一方ではあるが、そこに彼女はほとんど関与していなかった。

「旅中の二郎さんを襲う盗賊の集団。道連れの風たちを庇いながらでは多勢に無勢……。
 その時颯爽と駆けつけた武芸者とは……!
 いや、臨場感に溢れてますねえ。まるで見てきたようなお話です〜」
「まるっきり立場が逆ではないか……っ!」

楽しそうな程立の声に趙雲は頭を抱える。

「二郎さんはその武芸者の武勇に感嘆し、仕官を持ちかけます。
 『今はその気はない』と袖にされますがさらに言い募る二郎さん。
 ついには自らの俸禄の半分という破格の待遇で迎え入れたのでした〜。
 いや、あの時の丁々発止のやり取りを見ていた身としては感慨深いものがありますね〜」

ぴらり、と取り出した絵姿では紀霊と趙雲が肩を並べて賊と相対している。

「くふふ、英雄への最短距離まっしぐらですね〜」
「う、嬉しくない……」
「きっと二郎さんも、そのはずなのですよ〜」
「む?」

聞けば紀霊の逸話。そのほとんどは捏造や創作であるらしい。
……もっとも描かれないだけで似たようなことをしているのだろうと程立は確信しているが。それはそれとして。

「造られた英雄、という奴なのですよ〜。
 まあ、虚像に実像が追い付いていないから大変だというのがご本人の弁ですが」
「ふむ……」

趙雲は考え込む。

「求められる人物を演じるのもお勤めだそうで、いやはや、難儀なことですね〜。
 その点、星ちゃんなら大丈夫じゃないですか?」

にんまりとした程立に趙雲は苦笑し。

「まあ、ここは乗せられておこうか。そうだな。もとより私の望んだことだ。
 演じきって見せようではないか」
「そですね!星ちゃんの勇気が二郎さんを救うと信じて!」

何だかんだで息の合った二人である。
南皮は今日も平和であった。

17 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/05/23(水) 22:27:31.87 ID:s2wcgPej0
◆◆◆

「むむ、二郎は遅いのう……」
「じ、二郎さま、お忙しいですから……」
「にしてもちょっと遅すぎだよねー。シャオ、がっかりー」

彼女らが陣取るのは紀霊の寝台の上。所狭しとばかりに菓子を乗せた皿と蜂蜜水をはじめとした飲み物をたたえた杯が並んでいる。
女子会ならぬ幼女会とでも言うべきであろうか。むしろパジャマパーティ?彼女らは機会を見つけては紀霊の部屋でお泊り会を実施していた。
特に害もないのでもはや紀霊の部屋は彼女らの集会場となっていた。ちなみに文醜あたりが乱入したりもすることもある。

「しかし田豊め、今日はちと厳し過ぎと思うのじゃ……」
「だよねー。二郎が帰ってきたんだからもっと早く解放してくれてもいいのにさー」

ぶうぶうと全身で不満を漏らす。
彼女らの学ぶメイン教師は田豊。「不敗」と二つ名を持つ匈奴大戦の英雄の一人である。
まあ、紀霊や袁紹とかがその詳細を聞けば抗議をするくらいに丸く、穏やかな授業になってはいるのだが。
ちなみに典韋は授業内容についていけていないので出席率は壊滅的である。
……紀家軍の訓練やらもあるので致し方ないのではあるが。
代わりに典韋には袁術と孫尚香が教師役として教鞭を振るっている。

「でもでも!お二人のおかげでわたし、名前を書けるようになりましたし、二郎さまからのお手紙をなんとなく読むこともできるようになりました!」

だから、一生懸命に謝意を伝える。

「うむ、流琉は真面目じゃからの!無論わらわの指導が素晴らしいからじゃがの!」
「シャオだって流琉にはいっぱい教えてるもんね!」

無論、袁術と孫尚香にメリットがないわけではない。
教えることは学ぶこととはよく言ったもので、典韋が理解に苦しむ箇所は彼女らにとっても上手く説明できないことも多い。
幸いにして彼女らは狷介なプライドとは程遠くあり、その、典韋の差し出す初歩的ながらも本質的な課題に全力で取り組む。
解を得られればよし。なければ?
彼女らの周りには英傑が揃っているのだ。一言、呪文を唱えればいいのだ。
「教えて」、と。

「ま、わらわはまだまだシャオには負けんからの?」
「むー、ぜったい追いついてやるんだから!」

田豊の課す試験的なものの成績ではやはり最高級の教育を受けてきた袁術が二歩も三歩もリードしている。
が、孫尚香は。孫家の三の姫は。その血筋を遺憾なく開花、顕現しつつあり、袁術に猛追しているのである。
それがまた袁術の危機感に火を付け、この上なく理想的なスパイラルを形成しているのだ。

きゃいきゃいとはしゃぐ幼女たち。
待ち望む青年がいなくても彼女らは盛り上がり、話は尽きない。
好きな食べ物、見かけた可愛い猫。虹や月食の不可思議さ。それにおどろおどろしい怪談の類い。

彼女らが待ち望む青年が現れた時には、寝台で安らかな寝息を立てていた。

「うお、なんじゃこら!」

そんな叫びを認識することもなく、安らかに夜は更けていくのだった。

「いや、どうすんのよこれ」

下弦の月の美しい夜のことであった。
18 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/05/23(水) 22:28:01.90 ID:s2wcgPej0
本日ここまですー

感想とかくだしあー
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/24(木) 03:01:38.92 ID:cZTLKC9RO
乙っしたー
相変わらずのキャッキャウフフ
もっとあってもいいのよ
おじさんの汚れきった心を浄化してくれてます

タイトル案「風と雲と3美姫の子猫」
「凡人、幼女の寝込みを襲う」
「凡人、幼女と同衾する」
20 :赤ペン [sage saga]:2018/05/24(木) 11:09:36.19 ID:RUfevU+G0
乙でしたー
>>16
>>演じきって見せようではないか」  間違いではないですが
○演じきって魅せようではないか」  漢字にするならこちらの方が私の好み、もしくは【演じきってみせよう】普通にひらがなかな
>>17
>>蜂蜜水をはじめとした飲み物をたたえた杯が並んでいる。  意味を分かり易くするためにも
○蜂蜜水をはじめとした飲み物を湛えた杯が並んでいる。   漢字にするかもしくは【飲み物を満たした杯】の方がいいと思います
>>むしろパジャマパーティ? ・・・し、寝衣会?
○むしろ夜更かし友の会?  むーりー、ピンとこない・・・いっそ【夜更かし…明日のお昼寝は確定事項である】とか入れてみるか?
>>彼女らの学ぶメイン教師は田豊。   何とか日本語に
○彼女らの学ぶ教師は基本的には田豊。 ちなみにサブ教師は沮授?麹義さんは今頃俯瞰者さん時空でイチャイチャして…前線から離れてるからこそ後人育成に精出してそう
>>無論、袁術と孫尚香にメリットがないわけではない。  これは分かりやすい
○無論、袁術と孫尚香に利点がないわけではない。    最初に【李典】って出て自分でクスッとしてしまった
>>幸いにして彼女らは狷介なプライドとは程遠くあり、 【誇り】と言うと違和感がありますので
○幸いにして彼女らは狷介な自尊心とは程遠くあり、  でどうでしょう
>>袁術が二歩も三歩もリードしている。  でも直感的な物が絡む内容だとたまに負けてそう
○袁術が二歩も三歩も先んじている。   もしくは【先を行っている】とかでもいいかな?
>>この上なく理想的なスパイラルを形成しているのだ。  スパイラルと言うかシーソーゲーム的と言うかライバル関係と言うか…全部カタカナじゃねえか!!
○この上なく理想的な形で切磋琢磨しているのだ。    【理想的な敵対関係】とかも考えましたが別に敵対はしてないし…理想的な【共栄関係】、【競争関係】あたりかなあ?

造られた英雄像からすればまだ【過ぎたるもの】と言うほどじゃないよね>>趙雲。実際?まあそれを言うなら劉備にはもったいないし
過ぎたるって言うなら親友二人の方がよっぽどなんだよなあ…引き上げた張紘はともかく沮授とかは・・・なお農徳新書作者の肩書
三尖刀は先代がものすごかったからね、やったことが万武不当だから仕方ないね
寝ながらおやつとジュースを飲む幼女たち…我慢できずに寝落ち…地図…アッ(察し
21 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/05/24(木) 21:31:41.27 ID:DXTBQe5c0
>>19
どもです。

>もっとあってもいいのよ
よし、増量だ(見切り発車)

>おじさんの汚れきった心を浄化してくれてます
浄化と言えばシーラ・ラパーナ様

タイトル案、ありがとうございますー
参考にさせていただきますが、風評被害すぎるわw

>>20
赤ペン先生いつもありがとうございますー
早い!

>最初に【李典】って出て自分でクスッとしてしまった
一ノ瀬のPCもそう変換してくるんや……w

>でも直感的な物が絡む内容だとたまに負けてそう
勘働きはそりゃあ孫家のお家芸ですものねぇ

>造られた英雄像からすればまだ【過ぎたるもの】と言うほどじゃないよね
下駄をどんどこ履かせている最中ですね

>過ぎたるって言うなら親友二人の方がよっぽどなんだよなあ…引き上げた張紘はともかく沮授とかは
まあ、その二人は部下ではないということでひとつ

>なお農徳新書作者
内政チートもの……に分類されるのでしょうか

>三尖刀は先代がものすごかったからね
先代に比べて当代は……w

>寝ながらおやつとジュースを飲む幼女たち…我慢できずに寝落ち…地図…アッ(察し
触れてあげない優しさが二郎ちゃんにはあります多分


22 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/05/26(土) 09:44:34.49 ID:PsHNeLVp0
立てば害獣 座れば地雷 歩く姿は疫病神(ぱくり)

いつか使いたい言葉メモでした
23 :赤ペン [sage saga]:2018/05/26(土) 10:37:01.98 ID:6KJYaJQV0
立てば炸薬座ればボカン歩く姿は武器の鞘?(難聴感
24 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/05/26(土) 11:59:27.08 ID:PsHNeLVp0
>>23
語源に響きが近い。お見事!

こういうの、才能だよなあ(妬み)
25 :赤ペン [sage saga]:2018/05/26(土) 14:53:57.64 ID:6KJYaJQV0
いや、才能以上に努力の方かな・・・まあ努力と言うか読書だけど
聞き覚えのある言葉が多ければそれっぽいのが頭の片隅から引っ張れるから
立てば爆発座ればドカン歩く姿は弓と矢だ。とか適当に入れると最後が微妙に安全っぽく見えたりする。でも最後に(JOJO感)と入れると印象も変わったり

そもそも才能の持ち主はこういうオマージュ()と同じくらいにオリジナルが上手い物なのです


『バカはバカさ。間違いもする。自分も見失う。信じて委ねてもバカを見るだけだ』

「そう言うと思いました。あなたはそういう人だ。 絶対に自分を見失わない。自分の理想を裏切らない。 だから誰の言葉も必要なく、誰からの助言も必要のない人だ」

人に頼ってばかりの主人公に対して、人格破綻してること以外はおよそ完璧超人な宿敵へのそいつの元配下(裏切り者)の言葉
実際何もかもが他人の上位互換に成れるようなチートって本質的には他人を必要としないよね
26 :赤ペン [sage saga]:2018/05/26(土) 15:05:44.02 ID:6KJYaJQV0
「『理想の私』が出来るまで、『私』を作ればいい。 『私』を素材として使い潰し続ければいい。簡単な話だろう?

 君達とは違い、『私達』は意味のないこだわりに行動を制限されたりはしないからね」

「健全な私が必要なら、その時新しく作ればいいじゃないか。何か変かね?」

「全ては私の勝利のためさ。

 そのために全力を尽くしているだけのこと。

 君達がかかずらっている物事に、私は囚われていないと言うだけのことだろう?」


自分のクローンを無限に作ってそれを弄繰り回して最強チートキャラを作ったお人の言葉・・・ちなみに既にオリジナルは死んでるらしい
27 :赤ペン [sage saga]:2018/05/26(土) 15:26:47.28 ID:6KJYaJQV0
あっと、主人公側の台詞も入れとくか
 

「バッカだなお前。 オレがオレの戦闘力や察知能力信じてるわけがないだろ。

 オレが信じてるのは仲間の強さだけだ。 自分にできないことは、自分より優れてる友達に補ってもらえばいいんだよ」

 「この他力本願がっ―――!」

「オレの強さを侮るのはいいが、オレの仲間の強さを侮ったやつは例外なく負けるんじゃ」

「かっちゃん絶好調だね。今何も考えず勢いで適当なこと喋ってるでしょ」


やっぱり主人公と敵は同じタイプか真逆のタイプだとストーリーが作りやすいらしい
28 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/05/26(土) 21:19:04.91 ID:PsHNeLVp0
赤ペン先生であったか……

>そもそも才能の持ち主はこういうオマージュ()と同じくらいにオリジナルが上手い物なのです
なるほどなあと思いながら、頑張らないといかんなあという思いを新たにしたりしなかったりです

様々、考えながらふらふらしとります

>やっぱり主人公と敵は同じタイプか真逆のタイプだとストーリーが作りやすいらしい
相克があるとやはりわかりやすいですからねえ
似たもの同士の同族嫌悪よりもやりやすいだろうなあとは思います

今日はやるぞいっと

29 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/05/26(土) 21:25:21.63 ID:PsHNeLVp0
如南。
袁術が太守に任じられ、その名代として袁胤が統治している地である。
その土地は袁家の統治により急速に治安を回復させ、発展しつつあった。

「袁胤様におかれましては、ご機嫌麗しく」
「ふむ、苦しゅうない」

四世三公。
輝かしいばかりの袁家の血筋。その中でも血筋で言えばトップクラスである袁胤は張勲の慇懃な礼を無造作に受け取る。

「ああ、張勲。いや、うちとしたことが間違えましたな。そこな女郎。ちょっとばかし調子乗っとんちゃうか?
 張家の当主とか、ちゃんちゃらおかしいわ。
 袁家に使い潰される道具ならそれらしく這いつくばっといたらよろしいねん」

玲瓏たる声。
それを張勲に浴びせるのは許攸。袁胤の腹心である。
その能力は疑いなく、将来袁家を背負うであろうと目される逸材である。

「これ、張勲は我らとその理想を同じくする間柄でおじゃる。
 麻呂に免じてこの場は治めるがよい」
「は。あい分かりましてございます。
 張家当主はん?えろうすんまへんかったな?」

にこり。
張勲は視線を許攸から、ゆっくりと袁胤に移す。

「それはご無礼を。
 ご指摘の通り、張家当主となったとは言え若輩の身。よろしくご指導ご鞭撻いただければ幸いです」

張勲の声に袁胤はほ、ほ、と笑みを漏らす。

「よい。麻呂は寛大じゃからの。そちの忠誠、期待しておるぞ?」
「はい。ご期待くださいませ」

あくまでにこやかで穏やかな張勲に許攸は舌打ちを一つ漏らす。
重ねるように咳払いを一つ。そして袁胤は再び口を開く。

「それはそれとしてじゃ、麻呂達はこれで不安定な身よ。
 流されているにも等しいでおじゃる。
 この状況はいつまで続くのかの?」

実際今のままでは袁胤は詰んでいる。袁家の中でも非主流派をまとめ上げてはいたのだが、手勢諸共如南に押し込められている。
このまま飼い殺し、或いは誅滅という可能性もないではない。
それでも田豊、麹義といった文武の要が袁紹を支持している中、非主流派をまとめ上げていた袁胤と許攸の手腕は特筆すべきものである。
そして今、田豊が引退し、その後釜に収まったのは沮授。能力はともかく若輩であり、付け込む隙はあろう。何より田豊を相手にするよりは易かろう。
欲を言えば麹義にも退場願いたいのだが。

「流石に田豊はんと麹義はん双方に喧嘩売るほど無謀やないですしなあ。
 せやけど、四家の当主も代替わりして威は低下しとる。
 筆頭たる文家は脳筋もええとこ、顔家は洛陽にあって影響力は低下しとる。
 紀家なんて上げ底もええとこやし、張家に至っては。はは、お飾りや」

じろ、と張勲を一瞥する。抑えるつもりもないのであろう。その視線には侮蔑の色合いが濃くにじみ出ていた。

30 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/05/26(土) 21:25:49.16 ID:PsHNeLVp0
「んー、如南に流されて鬱憤溜まってるのは分かりますけどー。
 南皮にいるより色々と動きやすかったんじゃないですか?
 悪いことばっかりじゃなかったはずなんですけどねー」

その視線に困惑めいたものを浮かべながらも張勲は話を進める。

「好機であるというのには同意です。未だ袁紹の新体制は盤石とは言えません。
 そのために袁胤様たちを如南に追いやり、足元を固めているわけですから。
 なのでそろそろ動いちゃった方がいいかと思います」

張勲の声に袁胤は深く頷く。

「そうでおじゃるな。機は熟せり。いよいよ、かの。
 まずは美羽を確保するのが前提でおじゃるが、そこはどうするのじゃ?」
「はいー。美羽様もそろそろ一度は如南を視察した方がいいということで、こちらに向かう計画は出ています。
 それをきっかけに動くことを想定していますね」
「なら邪魔な紀霊が帰ってくる前に動いた方がよかったんちゃうんか?」
「いえ、それは得策じゃないですね。美羽様が如南に囚われていると知れば、手段を選ばないでしょう」

くすり、と笑う張勲を許攸は睨みつける。

「やったらなんやっちゅうねん。あの単細胞に何ができるかいや。
 ここ如南は袁家の領域やない。軍を派遣するなぞできひんし」
「あの人ならやりかねませんけどね……。まあそれは置きましょう。
 きっと袁家最高戦力を動員するでしょうね。ことによったら外部から手を借りるかもしれません。
 袁家からはそうですね。文醜、顔良、趙雲、典韋。手の内にある孫家からは黄蓋、周泰、ことによったら孫策に甘寧。
 交流のある曹操からは夏候惇、夏侯淵。もしかしたらたら馬超や馬岱。ひょっとしたら馬騰すら参戦しかねませんよ?
 ああ、董卓配下の張遼に……呂布すら来るかもしれませんね。
 二十に足りない一行ですが、いや、正直考えるだけでおしっこ漏れそうですね?」

二十名足らずの一行の動きを規制や把握なんてできませんからね、と張勲は笑う。
そして挙げた人名への反応で相手の認識を引き出し、満足する。まあ、こんなものかと。

「まあ、ええやろ。紀霊の恐ろしさはその交友範囲やっちゅうことやな。
 やからおびき寄せて誅滅すると。それはええわ。実際どう始末するかやけども。
 此方からは五千までは出せる。後は賊の仕業にでもするんか?」
「妥当ですね。最悪暗殺ということになりますけど」

張勲の言葉に許攸は首をかしげる。

「そないに簡単にいくんかいな?」
「ええ。眠らない人、物を食べない人はいませんから。
 そのために私は身体を重ねているようなものですし」

くすり。
その笑みの凄味に流石の許攸も息をのむ。
辛うじて売女め、とつぶやき平静を保つ。


「ふむ、邪魔者の紀霊を排除したらどうするのでおじゃるか?
 賊の仕業にしても暗殺するにしても張家は責められよう」

袁胤の指摘はもっともである。どちらの方策で紀霊を排除するにしても諜報を司る張家の権威の失墜は免れない。

「その責は私が取ります。
 張家当主は弟の張?に。
 私は美羽様の慰撫に努め、表舞台には立ち戻りません」

31 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/05/26(土) 21:26:17.04 ID:PsHNeLVp0
ふむ、と袁胤は頷く。
そして紀霊亡きあとの絵図を示させる。

「如南は数年にて荊州へ或いは益州へ入ります。
 言っても如南は袁家の治める三州に近いので。
 その手の及ばないであろう土地に州牧として参ります」
「ちょい待ちぃ。そないなこと、上手くいくんかいな?」

州牧の地位などそのように軽く手に入るものではない。許攸の疑問はもっともである。

「大丈夫でしょう。美羽様が荊州牧になることまでは既に何進大将軍からも認可を得てますからね。
 むしろ反対勢力なんてないのでは?」
「……なるほどな。十常侍も賛成に回るっちゅうことかいな。
 何進からしたら筋書き通り。十常侍からしても大きくなり過ぎた袁家が割れるのは歓迎。
 せやな?
 荊州ならば袁紹が兵を発しても孫家を。あの戦闘集団を盾にしたらええ」

にこり、とほほ笑む張勲に袁胤は破顔する。

「ほ、ほ!
なるほどの。確かに確かに。十常侍が袁家を敵視するのはその隆盛が故。
 故に麻呂が袁家を割るのは歓迎されるのう。
 何進としても、十常侍を排除した後は袁家が疎ましくなろうて。
 ふむ、見事じゃ」
「はい。袁紹はともかく、袁胤様と敵対する理由は何進、十常侍ともにありませんし」
「よく分かっておるの。そういうことよ。隆盛極まれば排除されるのみよ。
 栄えるのはよいのでおじゃる。じゃが、紀霊はやり過ぎたのでおじゃるよ。
 手を組んでいる何進とて十常侍が亡びれば次は袁家でおじゃろう。
 その程度のことも分からんから紀霊は阿呆なのでおじゃる」

中庸、というものを考えろと袁胤はぼやく。

「よい、詳細は許攸と詰めよ」

優雅な所作で袁胤は室を去る。

「ほんなら、まあよろしゅう頼むで、お飾りの張家当主はん?」
「はい、張家当主としてお会いするのはごく短い間になりそうですね。 
 よろしくお願いしますね」

嗤う許攸とほほえむ張勲。

二人の様子を袁胤は満足げに見守るのであった。

32 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/05/26(土) 21:26:45.26 ID:PsHNeLVp0
◆◆◆

「さてさて、そろそろ南皮に帰りますか。
 ああ、美羽様お元気かなあ。きちんとご飯食べてるかなあ。
 蜂蜜水ばっかり飲んでないかなあ。
 田豊様に苛められてないかなあ。
 涙目な美羽様も可愛いけどなあ」

くすくす、と張勲は主君の愛らしい顔を想像して頬を緩ませる。

「姉上、よろしいか」
「はいはーい、なんですか張?くん?」

音もなく、いつの間にか姿を現していた張?。彼の長身に驚いた風もなく応える。

「は、鼠がいますが、いかがしましょうか」
「あら、これは気づきませんでしたね。流石は張?くん。すっかり穏行系についても置いてかれましたかね」

特に気にした風もなく張勲は微笑みながら思いを巡らす。

「どこの手の者かは分かりますか?」
「は、おそらく袁胤殿……いや、許攸殿の手の者かと」
「なるほどですね。まあ、信用されていないのは知ってましたが……。
 南皮にでも向かわせればいいのに、足を引っ張り合ってどうしようというのでしょうね」

くすくす、と可笑しげに笑う。

「やはり刺激せぬよう、泳がせたままでよろしいか」
「いえ、処分しちゃってください」
「……よろしいので?」

ただでさえ微妙な関係なのだ。こちらから仕掛けるのはまずかろうとこれまでも見逃してきた張?である。

「構いませんよ?ただし条件が一つ」

ぴ、と指を一つ立てて厳かに命じる。

「一人たりとも逃がさぬように、です」

ぞく、と背筋にうすら寒いものを感じながら張?は首肯する。

「承りました。では、行きます」
「あら、張?くん自ら行くの?」
「ええ、此度は私一人で十分です」

す、とその場から張?は姿を消す。

「まあ、張?くんなら間違いはないか。よ、殺人鬼!こわいぞー」

くすり、と笑いを漏らす。
こちらに送り込むというからには精鋭のはずである。
それが許攸の手の者ならよし。他勢力であってもまあ、問題はない。

情報源を張家以外にも持とうとするのはごく自然な思考ではあるが、放置してよいこともない。
張家当主たる自分を探らせるのであればおそらく一流の細作であろう。
が、張?にかかっては一山いくらの有象無象にすぎないはずだ。

「あまり侮られても困りますし、ね」

さて、それは誰に対しての言葉か。
くすり。
いつも通りに笑みを浮かべて彼女は歩き出す。
絡み合う糸を紡ぐ彼女こそは絡新婦。
袁家の闇を担う張家の最高傑作である。
天下すらその手に転がすことさえ可能な、規格外の化け物である。
33 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/05/26(土) 21:27:54.65 ID:PsHNeLVp0
本日ここまですー
感想とかくだしあー

タイトル案はなー

「女郎蜘蛛の理:如南にて」

ううむ。今ひとつなのでお知恵をよこせください
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/26(土) 22:31:35.70 ID:wse8hUE6o
乙です。
やはりここの張勲はいい…暗い笑みがこっちにまで移りそうだぜ

タイトル案はパッと見罠か裏切りかまだ分からない内容を、蜘蛛の縦糸と横糸の性質の違いにかけて
「如南の蜘蛛糸は縦か横か」
なんて投げておきます
35 :赤ペン [sage saga]:2018/05/28(月) 18:11:14.05 ID:AJpe+6/f0
乙でしたー
>>29
>>その中でも血筋で言えばトップクラスである袁胤 そもそも作中に出てる袁家で存命が確認できるのは3人しかいない気もするけど
○その中でも血筋で言えば最上位である袁胤    それはそれとして日本語訳・・・あるいは【最高峰】とか?
>>麻呂に免じてこの場は治めるがよい」  これは()を入れるとこの場は(矛を)おさめるがよい・・・ちなみに第3者(この場合は袁胤とか)の場合は治めるかも
○麻呂に免じてこの場は納めるがよい」 実際に剣を出してるわけではないですが(強いて言えば舌鋒?)納刀するイメージでこちらですね、あるいは納得
×麻呂に免じてこの場は収めるがよい」 ちなみにこれだと収集を付けることになりますが自分から噛みついた人がすることではないので違いますね
>>30
>>もしかしたらたら馬超や馬岱。 彼女の場合違和感はありませんが
○もしかしたら馬超や馬岱。   一応【たら】が一回多いですね
>>その笑みの凄味に流石の許攸も息をのむ。 流石のって言うほど胆力あるように見えない不具合・・・袁胤が息を飲んだら【流石の】って感じだけど
○その笑みの凄味に流石に許攸も息をのむ。 流石に(調子に乗って軽く見ていた)許攸も〜と言うならこうですね
>>32
>>彼の長身に驚いた風もなく応える。  これだと【彼の体の大きさに驚いた風も無く】っぽく読めるので
○彼の影に驚いた風もなく応える。   人影とかの感じで【突然現れたこと】に驚かないならこんな感じでどうでしょう
>>足を引っ張り合ってどうしようというのでしょうね」  細かい事ですが張勲は(まだ)袁胤陣営の足は引っ張ってないですし仮に引っ張っててもそれを認めないし口にもしないんじゃないかな
○足を引っ張ったりしてどうしようというのでしょうね」 だって引っ張り合いだと【どうしようというのでしょうね】がブーメランですから

ふむふむ、この二人はなんだかんだで汝南を発展させるほどの内政手腕の持ち主と、能力は疑うことなく将来の袁家を背負うほど。か
その前提で読むと許攸の行動もどこまでが素でどこまでがワザとなのか・・・少なくとも許攸の舌打ち→袁胤の咳払いは胡散臭いな
あとは侮蔑の色をにじませてる視線も無駄が多いし・・・いくつかは袁胤の指示が混じってるんだろうな、
ここまで敵意むき出しならそりゃ張ゴウ君もネズミの飼い主は許攸だと思うわ、多分事実許攸だろうし・・・袁胤がどこまで分かってるかは分からんなあ
ここまで一応とはいえ仲間の超勲に敵意むき出しの許攸、しかも最初の方で袁胤から窘められても変わらない・・・こーれーはー
36 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/05/28(月) 21:19:59.89 ID:pH9Pbqs20
やる気が出ているのは皆様のコメントのおかげ。
これははっきりしております。ありがとうございますー

>>34

>やはりここの張勲はいい…暗い笑みがこっちにまで移りそうだぜ
作中最強格キャラですからね。
その格を感じられるように頑張りまし

>「如南の蜘蛛糸は縦か横か」
いい……

もらうかもです

>>35
赤ペン先生いつもありがとうございますー

>その笑みの凄味に流石の許攸も息をのむ。 
なるほど、確かにですね

>ふむふむ、この二人はなんだかんだで汝南を発展させるほどの内政手腕の持ち主と、能力は疑うことなく将来の袁家を背負うほど。か
旧作より強化されております。

>その前提で読むと許攸の行動もどこまでが素でどこまでがワザとなのか・・・少なくとも許攸の舌打ち→袁胤の咳払いは胡散臭いな
鋭いです。
そこについては駆け引きがあるということですね。読み取って頂きましてありがとうございますー
ネタバレになりますが、こっから盛り上げていくところもあるのかなとか

>ここまで一応とはいえ仲間の超勲に敵意むき出しの許攸、しかも最初の方で袁胤から窘められても変わらない・・・こーれーはー
マウンティングというっやつかな……
だって落ち目ですものね、彼ら

というのを読み取れるようにせんといかんであろうというのと、もやもやしてもらったほうがいいのかなあとかなんとか思いながらつづくー

37 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/04(月) 22:41:45.31 ID:WfoahdMb0
洛陽。400年にわたりその命脈を保っている漢王朝の首都である。
その中心の禁裏こそはこの中華の中心。魑魅魍魎が闊歩する伏魔殿である。
現在その主たる皇帝は病篤く、実権は大将軍たる何進が握っている。
「肉屋の倅」と蔑まれているがその手腕は確かであり、現在漢王朝を実質的に支えているのは彼とその一派である。
彼を敵視する十常侍すら手出しできないだけの権勢。そしてそれは時が進むにつれ確固たるものとなっていく。
そして今上帝の皇后は何進の妹であり、その嫡子は次期皇帝の最右翼である。
もっとも、その嫡子である劉弁の評判は必ずしも芳しくはない。

惰弱、優柔不断、怠惰。

対して対立候補である劉協の明敏さは知れ渡っている。
董皇太后が自ら教鞭を振るったとも言われており、心ある士大夫は劉協を支持している。
厄介なことに十常侍も劉協を支持しており、後継争いは混迷している。
で、あるから清流派とも呼ばれる士大夫の一派はどちらに与することもせず静観している。

何進の勝ちは見えてはいても、庶人と侮った男におもねることは彼らのプライドが邪魔をし、むしろ劉協を支持することを理由に十常侍に与する者も少なくなかったのである。
それが一変したのはやはり袁家の影響力であろう。
四世三公という名門の血統、抱える武力、名声。
それが何進と組んだのである。
元々目端の利く士大夫は何進の有利は予見していた。が、プライドが邪魔をして勝ち馬に乗ることができなかったのである。
それが、あの名門の袁家が膝をついたのだ。
雪崩をうつように膨れ上がる勢力に何進は笑いが止まらない。
だが、と華雄は思うのだ。

「何か言いたげだな?」

それを見透かしたように何進は問いかけてくる。
自らの抱える疑問を上手く言葉にできるであろうか。そんなことを思いながらも華雄は口を開く。

「は。いささか疑問があります。
 今上帝の後継たるは劉弁皇子と劉協皇子。しかるに、その素質を比べると、その……」

流石の華雄が言葉を濁す。
想えば目の前の男の甥にあたるのだ、劉弁は。

「く、ハ。何を言うかと思えば。くだらん」

ばっさりと切り捨てるその言葉に華雄は首をかしげる。

「劉協が小利口であるというのは知っている。
 が、それがどうした。
 皇位を継ぐのは我が甥劉弁だ。それはもう決まっている」

にやり、と獰猛な笑みを見せる何進。

「む。だが……」
「劉弁にはろくな噂はないだろうからな。
 それはいい」

華雄は流石に言葉を喪う。

38 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/04(月) 22:42:12.12 ID:WfoahdMb0
「あれが自分の判断すらできん愚物であるのは確かだ。
 俺がそう作り上げたから、な」

ニヤリ、と笑う何進の凄味。
華雄は戦慄する。絶句する。
そして、その言葉の意味を理解し、自失。

そして激昂。ほとばしる激情。

「な、何とおっしゃるか!漢朝を背負う方を愚物に仕立てたと、そう、おっしゃるか!」

その声に何進はそれでも応えるのだ。
静かに。笑みをたたえて。

「ああ、そうだよ。その通りさ」


何進が漏らした言葉。それに華雄は激昂する。
その様子に何進は笑みを深める。

「だからお前は阿呆なのさ」

ククク、と笑いながら、どこか興に入ったのだろう。声を上げて笑う。
愉快そうに、楽しそうに。

「む、貴方はそうやっていつだって私を馬鹿にして!」

漏れる声には悲痛さすら漂う。

「はは、よくもまあ、恥を晒すな。
貴様はそれでいいのさ。それでいいのだよ」

何進のその言。それは彼女を軽んじるものだが、その表情はそうではなかった。

 「俺はこの漢朝を立て直す。それは旧態依然な士大夫には無理なのさ。
だから反発もあるだろう。
 だから権力が必要なのさ。
 だから俺は劉弁を愚物にしたのさ。
 ……あれで可愛い甥だ。排除したくはないからな。
 そして、あいつはあれで弁えているぞ?
 あれを愚物、と言う奴こそ哀れさ。
 あれはあれで俺の甥だ。いざとなれば。いや、これは俺の言うべきことじゃあないだろうな」

いつになく上機嫌な何進に、華雄の戸惑いは深まる。

「劉協は確かに傑物かもしらんな。だが、まだ未完の器よ。それに惹かれるのもいいさ。
 が、あまりに潔白だ。そしてあまりに露骨だ。
 ああ、それはいい。いいんだ」

39 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/04(月) 22:42:44.89 ID:WfoahdMb0
何進はニヤニヤとしたその笑みを深める。

 「ただ、俺を敵としてしまった。これはいかん。いかん。
 これは流石に致命的だったな」

肉食獣の笑み。
捕食者の笑み。

「どうせ劉協には未来はない。
 どうせなら俺が引導を渡してやるのが慈悲というものさ」
「む?」
「カハ、劉協は有能さ。英傑たる素質もある。
 だがな、誰がそれを望む?
 万が一に俺を謀殺して権力を手にするとしよう。
 ならば次は十常侍と争うだろうさ。 
 あの坊やは有能すぎるからな。あれはいかん。直に十常侍と食い合うだろうさ」

ククク、と愉快そうに笑う。

「十常侍に勝ったとして誰が付いてくる?
は、誰もいないさ。
 いっそ哀れというものさ。きっと理想に囚われて溺死するだろうな。
 漢朝、この中華を道連れに、な」

かか、と高らかに笑う。

「だから劉弁は愚鈍でいいんだよ。何事も自分で決められず、右往左往し、俺に裁可の是非を問う。
 それでいいんだよ」

例え自分が退場しても、その特異性故に最後まで生き残るであろう。
漢王朝の権威を継承するために。

「クク、俺らしくもねえ。
 淀んで、腐って、無能の極み。
 時代の流れを分からん士大夫などには世を任せられるかよ。
 クハ、笑わせるな……!」

高らかに笑い、気炎を吐く。

「は!は!
 もうすぐ、もうすぐだ。もうすぐ俺の思うように世は動くさ。
 ようやく、ようやくだ……」

気炎万丈とはこのこと。さしもの華雄も、以降口を挟むことはできなかった。

40 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/04(月) 22:45:39.09 ID:WfoahdMb0
本日ここまですー
感想とかくだしあー

題名はなんだろなあ

洛陽の汚泥
汚泥
栄華

うむ。いつも通りいまいちやで

深刻に絶望なので、いくつでも案くだしあ
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/04(月) 23:06:26.14 ID:/Jto8ufxo
乙です
何進さんまじ悪のカリスマ
そして劉協くんは才はあっても機と人がないのだなぁ、まあ有能で潔癖な君主が活きる機なんてほぼないのだけれど

タイトル案は
『洛陽の裏に何が嗤うか』
とでも投げておきます
『何』の字を『なに』と読むか『か』と読むかはご自由に、ということで
42 :赤ペン [sage saga]:2018/06/05(火) 15:07:16.47 ID:BOs4bT950
乙でしたー
>>37
>>その中心の禁裏こそはこの中華の中心。魑魅魍魎が闊歩する伏魔殿である。  前の話と後の話が繋がってるので
○その中心の禁裏こそはこの中華の中心、魑魅魍魎が闊歩する伏魔殿である。  の方がいいと思います、あるいは【…】とか【---】でつなぐとか?
>>庶人と侮った男におもねることは彼らのプライドが邪魔をし、 誇りって言うほど綺麗なもんでもねえよなあ
○庶人と侮った男におもねることは彼らの自尊心が邪魔をし、  でどうでしょう
>>が、プライドが邪魔をして勝ち馬に乗ることができなかったのである。  同上で
○が、自尊心が邪魔をして勝ち馬に乗ることができなかったのである。   直訳すると【傲慢さ】だっけか
>>流石の華雄が言葉を濁す。  こいつってそんなに空気読めないっけ・・・読めないな!(原作をちら見しつつ)
○流石の華雄も言葉を濁す。  ()を入れると流石(歯に衣着せぬことで有名な)の華雄も みたいな?【流石の〜】は普通ならしない(できない)ことをする(できる)ので【流石の○○も】が一般的ですね
例えば【流石の呂布もひとたまりもない。】とか【流石の孔明も策に嵌まった。】とか【流石のガンジーも助走付けてぶん殴る。】とかなんかそんな感じで
>>想えば目の前の男の甥にあたるのだ、 思想とか…ちょっと説明しづらいですが《主観的に心が揺れ動く場合》に使うのが【想う】な感じですね【あなたを想って夜も眠れません】みたいな
○思えば目の前の男の甥にあたるのだ、 思考・・・要は【考えてみれば】と言い換えられそうな場合はこちらですね
>>「劉弁にはろくな噂はないだろうからな。  それはいい」  〜だから。それはいい。 だと違和感が
○「劉弁にはろくな噂はないだろうがな。  それはいい」   悪いところはあるが、それは(どうでも)いい というならこう
○「劉弁にはろくな噂はないだろうからな。  それでいい」  ろくでなしだからこそ、それで(俺にとっては都合が)いい と言うならこんな感じですね
>>38
>>そして激昂。ほとばしる激情。 〜それに華雄は激昂する。  なんとなくですが近い所で2回もすると軽くなるというか華雄が単なる癇癪持ちっぽくなるので
○そして激発。ほとばしる激情。 〜それに華雄は激昂する。 まあ適当に、とりあえず別の言葉に言い換えてみるあとは【激憤】、【激怒】、【爆発】でも文章から読み取れるかな

でも史実だと劉弁って董卓によって隠居!からの突然の死!なんだよなあ・・・ついでいうとこの頃の劉協君はまだ一桁才のはず…それで多少の才気が有ってもなあ
そもそも誰が教育するのか、教育係を任命するのかを考えると…何進OR十常侍(の息のかかった人)あっ(察し 不可避よね
多分無能な怠け者と無能な働き者の兄弟だったんじゃないかなあ・・・董卓の強硬な凶行を見るに下手したら有能な怠け者の可能性すらあるで劉弁
ここで史実董卓さんにクエスチョン;何進が十常侍に殺され、その十常侍を粛清して実権を握った状態で何故無能な兄をわざわざ隠居させて有能な弟を頭に据えたんですか?(配点;特になし)
まあココは恋姫世界だからね、ふわっとふわっと・・・ただ劉協有能説は胡散臭いのよね、多分何進への反発から劉弁sageして劉協ageしてただけじゃないかなあ
だって有能って言ったって具体的に何ができるのよ?ってね。詩、算数、乗馬?それ皇帝に必要な能力なんですかねえ
43 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/05(火) 21:57:56.94 ID:8lQBu6mb0
>>41
どもです。

>何進さんまじ悪のカリスマ
正直何進さんは凡将伝の差別化ポイントでもあるのだなあと思ったりしました。
いや、当初そんなつもりなかったですけどね。
おおむね好評で嬉しい限りす

>劉協くんは才はあっても機と人がないのだなぁ
中々難しい立場ではあるのですがね。ままならんものです。

>>42
赤ペン先生いつもありがとうございますー
早い!

>誇りって言うほど綺麗なもんでもねえよなあ
自尊心、なるほど!

>【流石のガンジーも助走付けてぶん殴る。】
これ私の癖ですというか、こういうネタ仕込んでるの、好きですw

>劉弁って董卓によって隠居!からの突然の死!
これはもう間違いなく魔王董卓ですわw

>董卓の強硬な凶行を見るに下手したら有能な怠け者の可能性すらあるで劉弁
>強硬な凶行

>ここで史実董卓さんにクエスチョン;何進が十常侍に殺され、その十常侍を粛清して実権を握った状態で何故無能な兄をわざわざ隠居させて有能な弟を頭に据えたんですか?(配点;特になし)
これはほんとうに謎ですね。色々と面白い仮説とかありそうです

>・ただ劉協有能説は胡散臭いのよね、多分何進への反発から劉弁sageして劉協ageしてただけじゃないかなあ
結果論ですが、禅譲した皇帝が無能じゃまずいのじゃないかなあという忖度感
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/06(水) 23:36:24.20 ID:r8jYl2jY0
ちくせうだめだかけねー(挨拶
>>1や今回のクrもといドラ何進さんみたいにかっこよく量産できればいいのに
玉璽なくても何進さんのカリスマがビリビリ感じられました

つーことでテンション上げるために聴いてた曲から連想してみたラフなぞでお茶を濁しておきまする
いちおー描いてはいるのよ?的な意味で(汗
ttps://www.axfc.net/u/3913378 (ヒント:曹操の真名アルファベット5文字)
45 :赤ペン [sage saga]:2018/06/07(木) 16:21:43.76 ID:e5sRW0OB0
最後の手前あたりでエラーになる・・・サイトがメンテ中?まあ夜にでももう一回やってみよう

>強硬な凶行 ・・・一ノ瀬さんのドS!!私の心は深く傷つきました(目薬)特に謝罪はいらないので惇ネエと次郎と猪々子辺りでお互いの治めてる町案内を書いてください(ワンブレス)
46 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/07(木) 20:16:59.33 ID:HrC3rGkJ0
>>44
み、見れません

何回かトライしたけどあかんかったやで

>>45
>一ノ瀬さんのドS!
えひゃひゃ

>惇ネエと次郎と猪々子辺りでお互いの治めてる町案内を書いてください(ワンブレス)
これ、二郎ちゃん以外は政治に興味ない人らやん!
まあ、治安の方でワンチャンあるかな?

つまりデートかな?
47 :赤ペン? [sage]:2018/06/07(木) 22:06:59.85 ID:e5sRW0OB0
だって隠れ家的なお店とか馴染みの酒屋とかリーズナブルなのに詳しそうじゃん
なんとなくあの二人が揃ったら飲み勝負とかしそうなイメージ
48 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/07(木) 22:13:52.37 ID:HrC3rGkJ0
>>47
ああ、三人で行くのですね
それは普通に楽しい旅番組ができそうっすね

アド街になるか、夕焼け酒場になるか……
あんまり変わらないか
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/07(木) 22:26:28.41 ID:/Tgp/YUy0
鯖の調子が悪いようです
別所にうpしてみて大丈夫だったのでお手数ですがこちらでどうぞ
ttp://fast-uploader.com/file/7083933421188/
50 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/07(木) 22:31:40.55 ID:HrC3rGkJ0
>>49
見れました!保存しました!
ありがてえ、ありがてぇ……

これはりりしい華琳様。これには姉者もうっとりやで!
なお二郎ちゃんはそっとその場を離れる模様

だってこの後ニヤリとしながら無茶ぶりされるに決まってるやん……
51 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/07(木) 22:32:42.92 ID:HrC3rGkJ0
ん?でもはおーにしては胸部装甲がご立派な気も……w
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/07(木) 22:51:27.00 ID:/Tgp/YUy0
見られてよかったです
絵師さんそれぞれではあるのですが、おっきく描くと(特に正面からの場合)、
上半身の骨格と筋肉を(胸で見えなくなるので)あんまり考えなくてよくなるので楽だったりします
今回のは素材として使うときに映らなくなる想定だったのであんまり考えずに標準サイズで描いてしまいましたww

二郎さんの食糧増産体制が間に合った結果こうなったってことでも可ww
戦国で絵柄変わった上に装甲がほとんど軒並み低下してるので正直消化しきれてない私
53 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/07(木) 22:59:12.04 ID:HrC3rGkJ0
>>52
ほんまありがとうございますー

>上半身の骨格と筋肉を(胸で見えなくなるので)あんまり考えなくてよくなる
はえー。すっごい。
そんなとこまで考えてるのだなあと感心しきりですだよ

>二郎さんの食糧増産体制が間に合った結果こうなったってことでも可w

でも幼少時より麗羽様のご立派なものを日常的に見てたらコンプレックスにはなってそう

絵柄の変化ですか。
すごいなあ。文体の変化とかあまり意識してないという意識低い系ですがお見捨てなきようオナシャス
54 :赤ペン [sage saga]:2018/06/08(金) 15:44:56.89 ID:2pdSasap0
関係ないことだけど傾向進化によって人間の悪意を研ぎ澄ませた6って人間の強みである年中発情期の高い繁殖力も遺書に研ぎ澄ませてそうよね
そして当然その血はその子供にも遺伝して・・・別にこことは何の関係も無いことだけど
55 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/10(日) 22:21:16.30 ID:DN/WNsTu0
そのはっそうはなかった

ただの床上手(テクニシャン)ではなかったのか……w
56 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/11(月) 18:09:32.84 ID:ytKiUPFJ0
定食までいけたからいいかな(艦これ)
米がめっちゃ余ってるんだけどどうしたらいいのこれ
57 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/13(水) 22:35:47.74 ID:JQ/Eu+lG0
「だからね、沙和は言ってやったの、『お嬢ちゃんたちにはちょっと早いんじゃないかなー』って」
「せやなあ、いくら背伸びしたいお年頃やからってちょーっと。ちょっとばかしおませさん過ぎやわな。
 つ、艶本はなあ。流石にあかんやろ。
あ、お姉ちゃん、こっちにお酒と料理追加なー」
「ま、真桜。少しは遠慮というものをだな」
「ええやんええやん。お大尽様のありがたい。ありがたーいお下知があったんやし、遠慮なくご馳走にならな失礼にあたるって」

はい、女という字を三つ重ねれば姦しくなるというわけで。
最近影の薄い二郎です。
でもね、それでいいのだ。美少女たちにたかられるくらいでいいのだ。
なので一言。

「ああ、遠慮せんでいいからね。俺がお邪魔してる立場だしな」
「流石二郎はん!太っ腹!男前!」

いや、せっかくのご飯なら一人で食うより美少女たちと食う方が楽しいしね!

「でも、相変わらずなの。
ふらふらしてて羨ましい身分なのー」
「わはは、妬ましかろう、羨ましかろう」
「開き直るにもほどがあると思うのー」

わいのわいのと賑やかな会話。それをさりげなくリードするのは沙和である。
会話をしながらも料理を取り分けたり、空いた杯に酒を注いだりと気遣いのも欠かさない。こういう存在って結構貴重なのよね。
そういや、近頃はファッションリーダーとしてもその地位を高めつつある。
最近は麗羽様をコーディネイトしたりもしているらしい。今度、どう褒めたらいいかとか相談しようかとも思っている。

「しかし今更だけどよかったの?三人で休み合わせてのお昼だったのに」

偶然街で出会ってごらんの有様かつ、ごらんのスポンサーなわけである。

「ええねんええねん。二郎はんとも久しぶりやしなー。
 さぞかし旅先でも相当はっちゃけてきたんやろ?そこらへんも聞いといて損はあらへんし」
「そうなのー。二郎さまの土産話は皆興味津々なのー」
「二人とも、不躾すぎだろう!」

凪がかばってくれるのだが、さて。

「や、別に隠すことは……」

別に、ないよな?何かオープンになって困ることってあったっけか?

「なんや後ろ暗いことあるんかいな?」
「いや、隠した方がいいことあったかなあと。正直よく分からん」
「なんやそれ」

呆れてますね。うん。俺も自分でどうかと思う。

「や、ほら、結構色々あったし、割と皆に手紙で近況報告とかしてたからさ。
 誰に何を知られてるとか正直よくわからん」
「……それ、威張ることじゃないと思うのー」

58 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/13(水) 22:36:19.41 ID:JQ/Eu+lG0
ぐうの音も出ない正論である。これには俺も苦笑い。

「せやけどうちは近況報告の便りとかもらってへんで?
 あれせい、あんなん造ってみろ。
みたいな思いつき全開な書き付けしかもらってへんで」
「沙和はそもそも一通も貰ってないの……」

そうだっけか。

「おや〜?凪、どしたん?顔が、赤いで?」
「な、なんでもない!」
「これは怪しいのー。きっと二郎さんからのお手紙を結構な頻度でもらっていたに違いないのー」

あー、こん中じゃ凪に一番出していた……気がする。

「ぐ……。いや、その……。あ、二郎様、お返事も出せませんで申し訳ありませんでした!」
「いや、返事は流石に無理だろうさ」

俺の方は旅の空であったからして。
なんで凪テンパってんの?

「ふぅ……。ご馳走様、なの」
「ほんまやわー。もうお腹いっぱいやわー」
「あらま、もういいの?もっとガンガン食っていいのよ?」

え、何で呆れたような目線が来るの?
溜息とか、どしたの?幸せが逃げるぞ?

「凪ちゃん、応援してるの……」
「難敵やな。ここは一服盛るしかないんちゃうんかなあ」

何かぶつぶつ言ってるし、凪は顔赤いままだし。
どういうことなの……。

59 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/13(水) 22:36:49.02 ID:JQ/Eu+lG0
◆◆◆

ある晴れた昼下がりのことである。市場へと続く道。
常ならば徒歩か騎馬にて向かう公孫賛は馬車の揺れに身を任せていた。

「お、落ち着かないなあ……」

もぞ、と幾度目か座りなおす。上質の敷物で振動は吸収されており、常のものとは違った快適な乗り心地なのだが、それすらも文字通り尻が落ち着かない要因であるらしい。
手元の書類に目を通しながらもどこか落ち着か投げにきょろきょろとする。

「な、なあ、韓浩」

無言で書類を渡してくる腹心――ただし借り物だが――に声をかける。
声をかけられた相手は無言で続きを促すという器用なことをする。このあたりの呼吸はもう阿吽と言っていい。

「やっぱり私にこういう大仰なのは合わないから、さ。外出てもいいかな?」

淡々と韓浩はその問いに応える。

「少しはわきまえてほしい。政務は最近滞りがち。魯粛が帰還したからそれはいい。正直公孫賛殿の手際。その進歩は賞賛していいと思う。
 だが、市場の視察、民の慰撫を強く望んだのは貴女。それはいい。が、この段階での実施には制限が付くのは当然。
 こうして移動時間を政務に宛てるべきと愚考する」
「ま、まあそうだよ、なあ……」

がっくり、と肩を落としながらも書類に目を通す様子は生真面目そのもの。ここらの態度の違いは実に興味深いな、などと韓浩は内心で思ったりしているのだが無論そのような素振りは全く見せない。

「移動にしても、もう少し威儀について考慮すべき。貴女は余りにも気安い」

続いて出る苦言に公孫賛は苦笑する。
が、彼女はそれを尊いものとする。だってこの、目の前の鉄面皮で遠慮の欠片もない少女――無論韓浩のことである――は本来他人に興味など示さない。言われたことを淡々とこなすだけの存在だったのだ。
それが今では自主的に苦言をくれるまでに自分を気遣ってくれる。苦言を呈される度に緩む頬を引き締めるのが大変なほどだ。
亀裂を生まないであろうじゃれ合いだと思っているのは自分だけだろうか。

「そうは言ってもさ、こう、書類を見てばっかりじゃあ民の顔も見れないじゃないか」
「必要ない。民が満足しているかどうかは犯罪の件数、納税の進捗(しんちょく)を見ればいい。数字は嘘をつかない」
「ふふ、相変わらずだな」

不思議そうな韓浩に口元が緩む。そして、彼女が口にしたことを茶化すつもりも否定する気もないが、いささか極端だとも思うのだ。
だからまあ、自分みたいな甘ちゃん、為政者初級者にはちょうどいいのであろう。
それがいいか悪いかを判断する材料すら公孫賛は持ち合わせてはいない。が、施政に破綻の兆しすら見えない現状を鑑みればこの無愛想な腹心の言は尊重すべきであろう。

「……貴女はいずれ州牧になる。もう少し自らの威、権威について真剣に吟味すべき」

ちらりと視線は公孫賛の剣に。

「んー、韓浩が言うのはこの剣か?まあ、確かに普通の剣だよ。それこそうちじゃ兵士が使ってるような、ね。
 でも、私はこれでいいと思ってる。実用一辺倒で装飾の欠片もない剣だけど、だからこそ、さ。
私はこれを持ちたいと思ってる」

笑うその顔には普段の彼女が求めても得られないであろう威厳すら漂って。

「……了解した。そこまでの覚悟であれば私から言うことは何もない」
「うん、すまない。苦労をかける」
「認識しているのであれば改善を願いたい」
「すまん!無理だ!」

呵呵大笑。

これはこれで一つの在り方であるのかな、と韓浩は思う。
思えば自分も少々毒されたのかもしれない。

不思議なことにその認識は不快ではなかった。

微かに、ほんの微かに韓浩は唇の両端を吊り上げる。無意識に。
それは世間一般的には「笑顔」と言える表情である。が、それを観測する存在はその場にない。

「韓浩の笑顔」

黒い白鳥と並んで、この世にないもの、と例えられる言葉である。
60 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/13(水) 22:38:01.65 ID:JQ/Eu+lG0
本日ここまですー
感想とかくだしあー

タイトル案
「凡人と三人娘」
「笑顔」
「遠くにありて思うもの」

うむ。いつもどおりいまいちなので絶賛募集でございおまする
61 :俯瞰者 ◆e/6HR7WSTU [sage saga]:2018/06/17(日) 15:09:46.66 ID:7/WqfeCO0
新スレ立て乙です。
さらっと一気読みしましたが、前兆というか裏話というかそんな感じですか。

>中庸、というものを考えろと袁胤はぼやく。
もっと言ってやって、袁胤様。極端な守りはそれで困るが、これからの二郎さんは中枢に立つ身。もうちょっとだけ成長して欲しい。
で、袁胤様。いつでもこちらにお越しください。貴方みたいな老獪な政治家は必要なんです(直球)
許攸さんは多分張勲さんの胡散臭いのに気づいたのか。駒はたまったものではないが、探り(殲滅含む)を入れるのは当然でしょう。
張勲さんも対策としての殲滅を弟に指示しているし、こっちも防衛上合理的な思考です。

後ねぇ、彼女か娘か知らんが典韋ちゃんの教育、二郎さんが責任もって手配しなさい。つうか本人が教えた方が早い。二郎、やれ(珍しく命令形)
何進さんは姦雄感が出てきましたな。ただ、同じ国を私するにしても単に後継にさせようとする何進さんとゼニを食い散らかし無責任な十常侍。
害悪の大きさは後者だと思いますがね。

戯詩にしても趙雲さんを「過ぎたる物」と皮肉られるのは完全に二郎さんが英雄として認められていないのか。興味あり。

>欲を言えば麹義にも退場願いたいのだが。
結婚引退以外は認めないですよ。要は中枢からいなくなればオケでしょ?命云々なら全力で邪魔するっす。

タイトルは流石に浮かばないですね。
では。

62 :赤ペン [sage saga]:2018/06/18(月) 13:01:09.88 ID:b0rfZ3uy0
乙でしたー 祭りも終わった・・・準備を手伝ってくれる人がここ数年本当に少ない
>>57
>>空いた杯に酒を注いだりと気遣いのも欠かさない。 【気遣いの心も】の可能性もあるけど
○空いた杯に酒を注いだりと気遣いも欠かさない。  でいいのかな?
>>59
>>手元の書類に目を通しながらもどこか落ち着か投げにきょろきょろとする。 どんな投げ方だろう(棒)
○手元の書類に目を通しながらもどこか落ち着かなげにきょろきょろとする。 と言うか打ってみたら落ち着かと投げで分かれるんですね
>>こうして移動時間を政務に宛てるべきと愚考する」 【宛先】とか言うし意味としてはちょっと違うっポイ?
○こうして移動時間を政務に充てるべきと愚考する」 【充填する】とか【補充する】とか言うしこちらの方がいいと思います

実利の剣によって立つ権威・・・白馬の騎馬と言い前線指揮官としては十分なカリスマ持ちのはずよね。一国を修める器かと言うと違う気もするけど
姦し三人娘との憩いの一時・・・と言うか彼女達との二郎ちゃんの距離が分かりますな。まあプライベートでも護衛とかしてそうな子以外は基本仕事関係でしか会わないし于禁は仕事で話すことも少なそうだしなあ
63 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/18(月) 22:08:20.31 ID:EJi4BG5U0
>>61
どもです。早速ありがとうございますー。

>さらっと一気読みしましたが、前兆というか裏話というかそんな感じですか。
そんな感じでございます。二郎ちゃん知らないお話ですので、というのが重要でもございます。

>これからの二郎さんは中枢に立つ身。もうちょっとだけ成長して欲しい。
ご声援ありがとうございます。もっとできるやろ的なご声援は実にありがたいところです。

>で、袁胤様。いつでもこちらにお越しください。貴方みたいな老獪な政治家は必要なんです(直球)
顔は出してもいいかもしれないですw でもまだフリー素材にはならないです。

>許攸さんは多分張勲さんの胡散臭いのに気づいたのか
マウント取りに行ってるのが大きいですね。なにせ張家ってブラックボックスですから。
主導権というのは本当に大事です。苦しいところですが許攸さんも頑張っています。

>張勲さんも対策としての殲滅を弟に指示しているし、こっちも防衛上合理的な思考です。
握手しながら、テーブルの下で蹴り合う。実に妥当な関係だと思っております。

>彼女か娘か知らんが典韋ちゃんの教育、二郎さんが責任もって手配しなさい。つうか本人が教えた方が早い。
これは本当にその通りです。
これはある意味二郎ちゃんの限界かもなのですが、悪来典韋補正と過去のしがらみと本人の希望を加味して、自分が隠居するタイミングでお店の一軒でも任せようくらいのぼんやりしたビジョンなのですね。
おこちゃま扱いなのです。まだまだ守るべき対象で、頼るべき相手とは思っていないのですね。

>何進さんは姦雄感が出てきましたな。
ただの肉屋が一国を差配できるはずもございません。というのが本作品です。

>戯詩にしても趙雲さんを「過ぎたる物」と皮肉られるのは完全に二郎さんが英雄として認められていないのか。興味あり。
どっかで加筆します。
ただ、二郎ちゃんは、ここからは声望はいらないと判断しております。地固めができた。と判断したということですね。

>結婚引退以外は認めないですよ。要は中枢からいなくなればオケでしょ?命云々なら全力で邪魔するっす。
ご期待ください。ここからのねーちゃんと二郎ちゃんのやりとりは自信あります。

>>62
赤ペン先生いつもありがとうございますー!やっほい。

>祭りも終わった・・・準備を手伝ってくれる人がここ数年本当に少ない
中々地縁というのは薄れていってますからねえ……
うっとおしいと思う人も増えておりますしね……
手間に対するリターンをいかに提示できるかなのかなあと思いますが基本的には難しいのかなあと思ったり

>白馬の騎馬と言い前線指揮官としては十分なカリスマ持ちのはずよね。一国を修める器かと言うと違う気もするけど
本人にその自覚がないのはどこぞの人と同じですね

>と言うか彼女達との二郎ちゃんの距離が分かりますな。まあプライベートでも護衛とかしてそうな子以外は基本仕事関係でしか会わないし于禁は仕事で話すことも少なそうだしなあ
ありがとうございますー!
ここいらへんの関係を全部描写できないからある程度オート進行ですが、きちんと管理はしております。
そら凪と一番やりとりありますわー

ゆったりと湯船につかって鼻歌で疲れを癒やして明日からも頑張るぞいっと。

64 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/18(月) 22:46:23.61 ID:EJi4BG5U0
「くぅうううううううううううううううううる!」

ギョロ目の男が異国の言葉を口にする。
意味は分からずともそこに込められた賞賛と情熱は疑いようもない。

「波才さん、私たちの舞台、どうだったー?」

張角の問いに波才はその異相に涙すら浮かべている。

「ええ。……ええ、最高でございましたとも……。
 この波才、今日この瞬間に命尽きても悔いなどありません……。
 実に、実にすばらしい舞台でございましたとも……」

ば、とその両手を広げ、祈るように真摯に語る。ゆったりとした衣服に包まれているその腕は意外に筋肉質で、少女達は意外に思う。

「この波才、改めて確信いたしました!その歌舞楽曲は天上の響きに勝り、最早神仙ですら酔うでしょう……。
 嗚呼、感謝を!圧倒的な感謝を!
 惑っておりました!惑いがありましたとも!この矮小な波才めが貴女様たちのような方々と言葉を交わしていいものか……と」

身振り手振りを交えて力説する姿は鬼気迫るものがあり、長女たる張角以外は言葉を発することもできない。

「んー、ありがとー!
 でもね、波才さんのお蔭でとっても助かってるよ?
 それに、一番に私たちの歌を認めてくれたのも波才さんだしさ!」
「おお……この矮小なる存在に過分なるお言葉……。
 この波才に雑事はお申し付けください……。
 まさに貴女達こそは救世(ぐぜ)の乙女。この淀んだ世の闇を、霧を払う聖なるもの。
 ああ、聖なるかな!聖なるかな!
 まことに(AMEN)!まことに(AMEN)!」

波才の熱狂を苦笑一つで受け止める張角も或いは英傑と言うべきであろう。
……もっとも、彼女らを支持する、熱狂する男たちで慣れてしまっていたのかもしれないが。

「ほ、ほあーーーー!」

響くその声は彼女らを呼ぶ声。

「うん、ありがたいね!そう思わない?」
「確かに。ここではお客の集まりも違う」
「でもなんでここまで、なのかな?」

思えば苦難の道程であった。その苦労は三姉妹の全員が心底味わっているものである。
だからこそ不思議でならない。
それぞれに首をかしげる三姉妹。
波才は笑いかける。満面の笑みで。優しく。

「なに、簡単なことですよ……。
 ここは豊かですからね。食うに困らなく、そこそこお金を持っている方が多いのです。
 ですから、ええ、ですから。
 大いに我々は恩恵を受けるべきなのですよ。
 いえ、違いますね。時代が求めているのです。
 おお……。刻すら支配する貴女達には日輪すらひれ伏すでしょう……」

ぐらり、と崩れ落ちる波才の姿に何かおぞましいものを感じながらも、気遣いの言葉が自然に出るほどに彼女らは波才に依存していたのかもしれない。

「は、波才さん、疲れてるのかな?」
「そ、そうだよね!ちぃもこんな時あるし!うん!うん!」

その声にぐるり!と顔を向けて波才はゆらり、と立ち上がる。
そして開いた口から吐かれるは呪い。

「雌伏の時は終わり!伝説が始まる!
 ええ!抑圧されたこれまでは幻想!これからは、未来は貴女達のもの! 
 漢朝の、中華すら貴女達には狭いでしょう。
 ですが、まずは中華に歌声を響き渡らせましょう……!」

高らかに笑う波才。
そして、彼女らはその思うままに伝説へと駆け上ることになるのであった。

65 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/18(月) 22:49:22.83 ID:EJi4BG5U0
本日ここまですー
感想とかくだしあー

地震なんかに負けない!
66 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/19(火) 23:04:16.64 ID:0NB5n+fc0
まじかよ大迫半端ない
67 :赤ペン [sage saga]:2018/06/22(金) 10:54:11.58 ID:i0XDKCIh0
乙でしたー
>>64
>>ゆったりとした衣服に包まれているその腕は意外に筋肉質で、少女達は意外に思う。  【意外】が二つあると変な感じがするので
○ゆったりとした衣服に包まれているその腕は筋肉質で、少女達は意外に思う。  もしくは【その腕は意外に筋肉質だな、と少女達は思った。】だと微妙?
○ゆったりとした衣服に包まれているその腕は筋肉質で、少女達は意外と逞しいなと思う。 これでどうでしょう

考えてみたら原作ではどうやって3姉妹はあの勢力を築いたんだろうね、と言うかどういう人たちが黄巾党になったんだろうと言うべきか
どん底の生活してればそりゃ元気になる歌(太平要術)に心酔するのは分かるけどそもそも歌を聞きに行く暇がある辺り余裕あるよね、と言う

ところである作品を読んで思ったんだけど袁紹にとっての天敵って公孫賛じゃね?象と蟻とまではいかないけどなんであの戦力差であそこまで粘れるんですかねえ
曹操?部下が裏切って途中で病死して子供たちが争ったうえで片方が助力を求めたりしなけりゃ大丈夫じゃね?
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/06/23(土) 15:52:23.18 ID:ZS17L9re0
乙です
確か曹操って袁紹と戦うときにメチャクチャビビったんだっけか、それを荀ケがあなたは勝てます、その理由はこれこれで〜って10個くらいひねり出してたような
69 :俯瞰者 ◆e/6HR7WSTU [sage saga]:2018/06/24(日) 14:09:36.25 ID:fOtP6K6/0
乙です。揺れましたな。被災されておられるならお見舞い申し上げます。
こっちは無事っす。

>>67考えてみたら原作ではどうやって3姉妹はあの勢力を築いたんだろうね、と言うかどういう人たちが黄巾党になったんだろうと言うべきか
どん底の生活してればそりゃ元気になる歌(太平要術)に心酔するのは分かるけどそもそも歌を聞きに行く暇がある辺り余裕あるよね、と言う

本当の貧困層は多分生きることに全力でそもそも行けないです。行くとしたら現代の底辺と云われる層からワープアすれすれ、ひょっとしたら生活は安定しているが個人的に不満を持っている層も入っているかな?
時間は作ろうと思えば作れますが、この頃なら木戸銭取ってそうだからこれを支払えるか。これが分岐点かも。
地下アイドルが突然変異的にカリスマ性を得てカルトに変質しつつある。という状況か一歩手前ですかねぇ。

>大迫半端ない
いや、世界大会だからそのレベルの技量はデフォで持ってないとダメでしょうwつかやっと全体主義的サッカーから脱却できたかと思っています。
日本の場合、チームワークではなく「監督の操り人形でかつ勝利しかしてはいけない奴隷」な選手の扱いが続いてましたから。
戦術は必要だし勝てるならそれに乗って皆が動くでしょう。が、得点は現場の選手がもぎ取るもので選手の一瞬の判断行動にまで後付け介入が多すぎた。
個人的には選手が日本的呪縛から解放された試合と思いました。
つかもっと思い切りやんなさい。失敗したからって何がどうなるわけでなし。まさか負けたらサッカー協会追放とか選手資格剥奪とかあるの?ありえない。
なら外野は「がんばえー」で十分す。半端ないのをもっと炸裂させて欲しいっす。11人全員が。
70 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/25(月) 19:44:31.79 ID:2/+7+ybl0
セネガル戦はスヤァでした

>>67
赤ペン先生いつもありがとうございますー

>考えてみたら原作ではどうやって3姉妹はあの勢力を築いたんだろうね、と言うかどういう人たちが黄巾党になったんだろうと言うべきか
同じことを一ノ瀬は思いました。
あっちで(俯瞰者さんとこ)ネタバレしてみたいと思います
前にも書いたかもですががが

>そもそも歌を聞きに行く暇がある辺り余裕あるよね、と言う
ほんとこれです

>袁紹にとっての天敵って公孫賛じゃね?象と蟻とまではいかないけどなんであの戦力差であそこまで粘れるんですかねえ
攻めは意外と苦手なのかもです
黒山賊も滅!できてないし……

>曹操?部下が裏切って途中で病死して子供たちが争ったうえで片方が助力を求めたりしなけりゃ大丈夫じゃね?
これ見るとリアル先輩容赦ないですねw
小説より奇なりw

>>68
>確か曹操って袁紹と戦うときにメチャクチャビビったんだっけか
まあ、若いときからの親友?知り合いでその勢力を知り尽くしていたでしょうからねえ
リアリストほどびびるのではないでしょうか

>>69
>こっちは無事っす。
なによりです
こちらも無事です。というか、電車と水道管とガス以外は割と軽傷だったかのではと
大げさな報道も困ったものだなあとか

>本当の貧困層は多分生きることに全力でそもそも行けないです。
食べるのに精一杯のはずですからね

>いや、世界大会だからそのレベルの技量はデフォで持ってないとダメでしょうw
いやいやいや。大迫のキープ力、体幹は大したもんですぜ。ほんと。
プロなってすぐは空中戦不得意でしたが岩政先輩に鍛えられて……
高校時代、お菓子も食べない、夜はすぐねるようなストイックさ。がんばえー。

>個人的には選手が日本的呪縛から解放された試合と思いました。
なるほど。
まあ、監督人事だけは謎で、今でも理解できないのですががが




71 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/25(月) 22:46:50.63 ID:2/+7+ybl0
「久しいわね、二郎」
「うん、俺が陳留行った時ぶりかな」

くすり、と薄く笑むのは華琳こと曹操。三国志の主役の一人である。
今日は、なんでも麗羽様と旧交を温めに来たらしい。後ろで不機嫌そうな顔して立ってるネコミミを随伴として連れて南皮にいらっしゃりやがりました。
んで、麗羽様がお出ましになるまで俺が饗応役を仰せつかったと。うん、逃げたい。……流石に逃げないけどね。

「ふふ、二郎は相変わらずのようね」

なにがや。

「まあいいわ。時を無駄にするのも惜しいわね。
 二郎、貴方が来るまで話し相手をしてくれていた子。程立と言ったわね。
 いいからあの子を私に寄越しなさい」

なんでやねん。
優雅な笑みが途端に猛禽の色を帯びる。この女、肉食系ってレベルじゃねーぞ!
知ってたけど、知ってた以上であった。
しかしなんだ。面倒くさい……。

「そうね、私を相手にしてあの余裕、識見。回りくどいようで洒落た言い回しでね。この私を煙に巻いてくれたのよ。
 欲しいわ。是非、欲しい」

流石は人材コレクターである。目の付け所には賛辞を惜しまないが、手元の珠玉にギラギラされたら、ねえ。

「あーげーまーせーんー」

後ろのネコミミも更に不機嫌に、……っていつも不機嫌そうだから大差ないね。

「あら。これは意外な返答ね。あの子は私に仕えるために生まれてきたような子よ?
 喜んで差し出してくれると思っていたのに」

心から驚いた表情でそんなことを言いやがる。
これ、本気で言ってるだろうから困る。割とマジで。

「どっからその自信湧いてくるのか。
 これが分からない」
「そうね、貰うのが駄目なら預けてみない?私が直々に鍛えてあげるわよ」

華琳お前絶対それ返す気ないだろ。俺でも分かるわ、そのくらい。
移籍金ゼロで超有望な若手をレンタル移籍でなし崩しに強奪とは……きたないさすが華琳きたない。
だから俺の返事は決まり切っているのだ。

「お断りします」

当然の帰結である。

「何よそれ。冷たいわね。私と二郎の仲じゃないの」

どんな仲だ。いやほんと。
……ほんと、ほんとどんな仲だよ。俺が知りたいくらいだよネコミミが誤解するじゃないかやめてよね。

「冗談はさておき、実際人手が足りないのよね。猫の手も借りたいくらいなのよ」

ネコミミの手があるからいいじゃん、とも言えず。

「桂花や秋蘭、春蘭もよくやってはくれてるけど、ね。まだまだ足りないのよね」
「陳留の太守になったんだからさ。そこそこ人材も揃ってきてないの?」

華琳のこったろうから人材を収集していること。それには確信すらしている俺なのだが、あにはからんや。アブラカタブラとはいかんのか。
はあ、と憂いに満ちた顔でため息を漏らす華琳。
関係ないけど、美人は絵になるなあなどと暢気なことを思ってしまった。憂いうれいういうい。

「そりゃね。頭数は揃ってきたわよ。どうなることかと思っていた一時からしたら随分違うわ」

でもね、と華琳は澄んだ目で俺を直視してくる。今日一番のキメ顔ですね。いやあ、美人さんである。

「私が求めているのは、私を補佐し、私を支え。我が分身となれるような人材よ」

うわー。ハードル高っ!まあ、逆に考えよう。風はそこまでの人材だっちゅうことだ。うん、ラッキー!やったぜ。成し遂げたぜ。これはメイン軍師決定ですよ。

実際実りの大きい旅であったのだよな。などと回想モードに入ろうとした俺に華琳が苦笑する。
そして、満面の笑みを浮かべて。

「あら、何を他人事みたいな顔してるのかしら。
 そうね。二郎。貴方が私のものとなれば一気に解決するのでなくて?」
「へ?」

なんですと?

72 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/25(月) 22:47:17.08 ID:2/+7+ybl0
「そうでしょ?貴方が私のものになれば、自然と配下も付いてくるでしょう?」
「や、俺そこまで影響力ないと思うぞ」

過大評価ここに極まれりだ。ぷんぷん。
そういうの、困るのよ実際ね。

「そうかしら?少なくとも義兄弟は動くのではなくって?
 それに陪臣たる程立、趙雲もね……」
「そこまでだ華琳」

手を上げて華琳の言葉を遮る。流石にこれ以上はいかんよ。
壁に耳あり障子に目ありだ。
……華琳のこったろうから分かっててやってるんだろうけどね。そういう普通な感じで袁家を切り崩そうとするの、よくないと思います!
ちょっと、うざいと思います!

「俺個人と袁家への忠誠を秤にかけるような言は流石に困る。
 それに俺だって袁家を支える紀家の当主だ。
俺の肩には紀家軍の皆、そしてその家族の重みがある。
 俺との友誼を多少なりとも感じてくれてるなら、それ以上はいけない」

くすり、とおかしそうに笑う華琳。
いや結構笑いごとじゃないんだけど。それが分からない華琳じゃないと思うんだけど。

「あら、興醒めね。きっと程立なら上手く切り返したと思うのだけども?」
「茶化すなよ」

いや、茶化さんとそりゃ洒落にもならんのだけども。
うん?……何か、部下より劣ってどうするってことか?自分なら風や星や、沮授や張紘、商会のメンバーをもっと上手く使えるってか?
……いや確かにそうなんだろうけどね。でもね。でもさ。
譲れないものもある。

「うん。確かに俺は俺の義兄弟や風みたいに頭よくないし、星や、紀家軍の皆を率いるだけの将器も武才もないのかもしれないさ。
 でも。いや、だからこそ。こんな俺に親しくしてくれて、主と言ってくれる人たちを裏切りたくない。裏切るわけにはいけない。
 だからな、そうさ。そうだ。
俺を見限るなら出て行っていいよ、なんて口が裂けても言えない。
 そうだな。俺を、こんな俺についてきてくれる皆が、さ。できるだけ気持ちよく仕事できるようにすんのが俺の仕事さ。場を整えるのが俺の仕事だ。
 不満があれば謝るし、改めよう。できる限り。
ほんで、出ていくとか言われたら泣くし叫んでも慰留する。
皆が笑ってくれるなら道化にだって喜んでなる。
 それが俺の役割だと思うからな。それが俺のやり方だから。
 ああ、そうだな。分かったわ。
俺はきっと……皆が大好きなんだな。そうさ、俺の周りの皆が大好きなのさ。
 だから……」
「もういいわ」

す、と今度は華琳が手を上げて俺の言葉を遮る。

「ふふ、ごめんなさいね。悪戯が過ぎたわ。
 でも、収穫はあったわ。
 二郎。
 やはり私は貴方が欲しいわ。そうね。貴方が、欲しい。
 配下なんて誰も連れてこなくて結構よ。いつでも身一つで来なさいな。
 歓迎するわよ?」

そうかい。でも華琳とこ行ったら過労死間違いないからやだ。とも言えず。
どうしたものか、と思っていたら。

「曹操殿。袁紹様のお支度が整いました。こちらへ」

殺伐とした室に鋼の救世主が!稟ちゃん愛してる!

「あら、もうそんな時間?案内よろしくね?」
「はい。
……二郎殿。ご苦労様でした」

一瞬。いや、刹那の煌き。稟ちゃんが俺に柔らかい笑みを向けてくれた、気がする。稟ちゃんマジ天使!
それが儚い幻影であったかと思うほどに華琳を先導する彼女からは、いささかの揺らぎも見えなかったんだけどね。

……逆に、あれ華琳にロックオンされたな。そら見逃さないだろう。
優雅な笑みの奥に肉食獣の。餓狼すら背負うほどのオーラが幻視できるよ。

軽やかに。
俺など眼中にない態(てい)であれこれ稟ちゃんに声をかける。
淡々と事務的な返答する稟ちゃんにますますそのオーラは濃密になって顕現しそうな勢いである。どうなるの……。

やがてようやく視界から二人が消えて。

つ、疲れたー!疲れたよー!

73 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/25(月) 22:47:43.43 ID:2/+7+ybl0
◆◆◆

どさり、と椅子に座りこむ。
疲れたー。

「ってなんでまだいるのん?」

変わらず不機嫌そうなネコミミが俺を睨みつけてくださっている。
そういうのが、こういうのがお好きな方にはご褒美かも分からんが、俺にとっちゃあね……。

「華琳様と袁紹殿の会談に同席できるわけないでしょう。
 それくらい察しなさいこの塵芥(じんかい)が」

流石のネコミミ。その罵詈雑言のレパートリーに磨きがかかっとるな。
いや、結構な悪口雑言を言われているのは認識しているが、もう慣れてしまった。

「ちょっと、こっちをその嫌らしい目で見ないでよ!汚らわしい! 
 全く、これだから男ってのは嫌なのよ。この!」

常のような、火山が火を噴く勢いは見られずに逆に心配してしまう。

「元気ないね、どしたの?」
「うっさいわね。下等生物(ガガンボ)が私の心配するとか不遜極まりないわよ。
 多少なりとも知性があるならばさっさと華琳様の靴をその汚く下劣な言葉しか生み出さない舌で舐めなさいな」

うむ。これくらいじゃないとね。
別に嬉しいとかじゃあないんだけどね。そこはきちんと主張しておきたい俺である。

「言うね。いつものことだけど」

ギロ、と剣呑な視線をくれる。
まあ、これくらいはいつものこと。そしてそこにはどこか悔しさすら含んでいる。気がする。

「……なるほど。優先するなら華琳の意思、か。いや、当たり前と言うのは容易いけど、なかなかできるこっちゃないぜ」
「何よ、あんたごときに偉そうに言われたくないわよ。
 不本意、という言葉が事象になったらこういうことになるのでしょうね。
 まったく、不愉快極まりないわよ」

まあ、ネコミミとしては目の前で自分以外の人材に華琳が声かけるだけでストレスはマッハだろうしね。
しかも風ならともかく凡人たる、しかも男である俺が対象だし。
そりゃご機嫌麗しいはずもないわなー。
華琳もそこらへん考えてあげればいいのにね。

釣ったお魚に餌をあげないとかないわー。
むしろ虐待するとかないわー。

「何よその目つき」
「いや、大変だなあ、と思って」

激昂。

今度こそネコミミがその気迫を爆発させる。

74 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/25(月) 22:48:09.66 ID:2/+7+ybl0
「あんたごときが分かった気になって、上から目線で偉そうに言ってるんじゃないわよ!
 ああもうやだ!こんな男と同じ空気を吸ってると思ったら絶望しかないわ。
 アンタ、目障りだからそこから身投げの一つでもしてみなさい。
 それくらいで死ぬことはないでしょうし」
「時と場合によるかなあ。そしてその気は全くないぞ。
 そしてまずはお前は落ち着け」

と言って落ち着く人なんていないんですけどね。
しかしまあ、この罵詈雑言のバリエーションは凄いって思うの。
どうもよっぽど鬱憤が溜まっていたようでござる。

「とにかくね、アンタごときが華琳様のお誘いを断るとか身の程を知りなさい!」
「そんなん言われても俺にも立場とか色々あるしなあ」

つうか、辛い立場よねこのネコミミも。
俺が断れば主君の意向が無下にされたと憤り。
俺が応じればなんでこんな凡夫がと憤懣やるせなく。
でもまあ、そこできっちり華琳の意思を優先しているからこそ俺と華琳の会話に口を挟まずにいたんだろうね。
ストレス溜まったろうに。いや、今発散させてるのか。
うーん、迷惑!

「大体アンタはね、華琳様にお声をかけていただいているという栄誉をもう少し自覚すべきなのよ!」

いや、発散してねえな。自分の言葉でさらに鬱憤たまってそうだわ。
華琳も酷なことを……。
ん?んん?

「しかしまあ、春蘭といい、曹家の忠誠は留まることをしらんな」
「当たり前じゃない!華琳様への忠誠は絶対よ!」

春蘭もそういやいぢめられてたな。
つまり。華琳の人心掌握ってば……。

「ジゴロじゃねえか……」

ぼそ、とした俺の呟きはネコミミには届かなかったみたいでよかったー。
ちゅうかさ、あれだろ。わざといぢめてるだろ華琳。
そのあと優しく愛しちゃってるんだろ。そらあかんわー。その、扱いの乱高下とかジゴロの手口だわー。しかもそれは効果抜群なのだわー。
やべえよ、やべえよ……。

「何よ」
「いや、華琳って、あれで優しいとこもあるよ、な?」
「アンタみたいな塵芥が何を語るかと思えば。そんな自明のことを今更。ちゃんちゃらおかしいわね。
 華琳様はお優しいわよ?だって……」

うっとりとした表情。
あー、そういや、SMで言ったらSはサーヴァント、Mがマスターって説もあったか。
あくまでSはMの求めることを与えているだけっていう。
つまりこいつは生粋のM!
だから目の前で俺とかと親しくしてその嫉妬心を燃え上がらしたり、手ひどく叱責したりするんだな。
んで、後でフォローに優しくする、と。
いや、きっと華琳に嗜虐嗜好があるってのもあるんだろうけども。
俺には分からん世界やね。いぢめて楽しむとか。
うん、結論。

華琳とこには転職しない!
絶対に。絶対にだ。

そうやって決意を新たにした俺であったのだ。
いや、袁家サイコー!
75 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/25(月) 22:49:02.27 ID:2/+7+ybl0
本日ここまですー
感想とかくだしあー

題名も相変わらず募集中です

はおー来襲者

が予定ですしはおー来襲者はいじってくれていいですから
にゃむ
76 :赤ペン [sage saga]:2018/06/27(水) 11:31:56.24 ID:RaJLJhLT0
乙でしたー
>>71
>>くすり、と薄く笑むのは華琳こと曹操。 ○○こと〜だと通り名(例えば美髪公とか怨将軍)とかが普通な気が…この言い方だとイチローこと鈴木一郎みたいな感じが
○くすり、と薄く笑むのは治世の能臣、乱世の奸雄こと曹操。 もしくは【陳留の支配者】とか?二郎視点だと【人材コレクター】とかも有りかな…ネタに走るなら【母性の薄い麗羽様】、【天才レズ】とかいくらでも出てくるけど置いといて
>>72
>>裏切るわけにはいけない。  これはあくまで私の感覚なのですが【いけない】は第三者的と言うか常識に基づいて、だったり規則だから、のニュアンスがある気がします
○裏切るわけにはいかない。  自分の裡から出てくるものと言うか、極端に言えばエゴのようなものかもしれないこちらの方が合ってるかな、と
例えば【人を殺してはいけない】だと法律とか一般的良識とかに依って立つ言い方で【人を殺させるわけにはいかない】だと自分がそうさせたくないから、みたいな?
あ〜でもその前の文で【裏切りたくない】って言ってるか。心情を強調するなら【いかない】、自分の意志としても自分の立場としても無理と言いたいなら【いけない】がいいかな?
>>淡々と事務的な返答する稟ちゃんに ちょっと違和感が
○淡々と事務的に返答する稟ちゃんに もしくは【事務的な返答をする】の方がいいと思います
>>73
>>◆◆◆  場面転換も時間経過もしてないので無くても良いかな、と思います
>>優先するなら華琳の意思、か。 間違いではないですが
○優先するのは華琳の意思、か。 の方がいいかな?
>>俺が応じればなんでこんな凡夫がと憤懣やるせなく。  【憤懣やるかたない】と【やるせない】が混ざってますね
○俺が応じればなんでこんな凡夫がと憤懣遣る方無く。  怒りならこっちで、【遣る瀬無い】だと悲しみとか悲嘆っぽいかな
>>だから目の前で俺とかと親しくしてその嫉妬心を燃え上がらしたり、 サ行変格活用とか知らないのであくまでも読みやすさ優先と言う事で
○だから目の前で俺とかと親しくしてその嫉妬心を燃え上がらせたり、 一般的にはこっちがよく使われますが、
華琳が、ネコミミの、嫉妬心を、燃え上がるように、した。なら上でもOKですかね
華琳が、ネコミミの、嫉妬心を、燃え上がらせた。なら下ですし・・・本当活用形とか分からんし

まあはおーから見たらどう考えても自分には無いと言うか、欠けてると言うか、欲しいよね。そしてネコミミもそれは察せるけど自分がそういう存在になれないことは分かってるからちょっと消沈しちゃう、と
ついでに二郎は彼女達がなぜこんな反応してるのか全く分かってない。イイネ!
《乱世の奸雄の勧誘》…いつも通りか《はおー、凡人に高値を付ける》《凡人、袁家への忠誠を新たにする》、《凡人、ブラック家へお祈りメールを出す》
だんだんネタが強くなってきたな
77 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/06/28(木) 22:56:15.44 ID:+Xjvu3Lb0
>>76
赤ペン先生いつもありがとうございますー

>…この言い方だとイチローこと鈴木一郎みたいな感じが
確かに

>サ行変格活用とか知らないのであくまでも読みやすさ優先と言う事で
さししすせ でしたっけ?
久しぶりにサ変とか見ましたw

>まあはおーから見たらどう考えても自分には無いと言うか、欠けてると言うか、欲しいよね。
文字通り垂涎ですね。二郎ちゃんがはおーを評価している以上に評価されているでしょうね
絶対言わないと思いますが

>そしてネコミミもそれは察せるけど自分がそういう存在になれないことは分かってるから
そうなのですよね。

>ついでに二郎は彼女達がなぜこんな反応してるのか全く分かってない。イイネ!
ありがとうございます。そこは外せないとこなのです。アンジャッシュです。

タイトル案ありがとうございますー!
>奸雄の勧誘
これいいですね!

さてポーランド戦だ

78 :俯瞰者 ◆e/6HR7WSTU [sage saga]:2018/07/01(日) 11:20:05.61 ID:CFr8g18v0
乙です

……地味ーに各勢力間のパワーバランス破壊してんだよね、二郎さん。

なんかね、本気でこの人(ネコミミ)病んでる?って不安になる。概念が無いから許されているだけでハッキリ言って恫喝とハラスメントのコンボ。
うちだったら絶対現場含めて表に出さない。同業の偉いさんにここまで言ったらアウト。

そうなんだよなー二郎さんが「袁から独立する」と宣言したらえらいことになるなぁ
確定
・陳蘭、風、凪、趙雲、流流、袁術。この辺りはまぁ文字通り着いて行くだろう。
裏で支援
・沮授、張紘、田豊。しがらみで動けないが、情報やら経済的な面で支えるでしょう。

まぁ、「独立するけど袁と手を組むよ。なんだったら系列に入るし」で日常はあんまり変わらず。でオチwww

で、曹操さん。一勢力の頭なら分身を求めちゃダメダメ。最後の最後の決断と結果責任は頭が取るんだよ。過程の段階で自分の行動思考をトレースして客観的に判断できる人間は確かに欲しいのは理解できるけど。

うーん、そろそろ広域連合考えてもよさそうかな?公孫瓚、曹操、袁紹、この三者で不可侵条約と相互防衛条約との三点セットで同盟組んだら安保的にも外敵防衛的にも良さそうな。

タイトルはまだ浮かばないです。もうちょっとリハビリいるかな?










つうか二郎、三人ともやってしまえ(意味深)なら話が早く済む(下衆)



79 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/07/02(月) 20:43:30.06 ID:R/USl+yY0
>>78
どもです。生存確認!

>……地味ーに各勢力間のパワーバランス破壊してんだよね、二郎さん。
あくまで地味に、ですがw
それこそがオリ主の醍醐味でもあるのだと思っております。原作まだ始まってないけど。
いや、始まる前までがある意味勝負とも言えるですね。

>なんかね、本気でこの人(ネコミミ)病んでる?って不安になる。概念が無いから許されているだけでハッキリ言って恫喝とハラスメントのコンボ。
セクハラパワハラの概念なんぞございませんのでね。
あるのは二郎ちゃんだけなので……w

>うちだったら絶対現場含めて表に出さない。同業の偉いさんにここまで言ったらアウト。
まあ、単純に無礼ですわな。
ネコミミについてはこれ、見る人によってはいちゃついてるという解釈もあるそうですよ!

>そうなんだよなー二郎さんが「袁から独立する」と宣言したらえらいことになるなぁ


>・陳蘭、風、凪、趙雲、流流、袁術。この辺りはまぁ文字通り着いて行くだろう。
如南袁家立ち上げて黒幕ですねw
美羽様連れてったら七乃さんも付いてきますし

>で、曹操さん。一勢力の頭なら分身を求めちゃダメダメ。
作品的には、寂しがり屋の女の子、なのです。それをあれこれ言って糊塗してるのです。と今思いました。
多分支配者は孤独とか分かってるんですよ。

>公孫瓚、曹操、袁紹、この三者で不可侵条約と相互防衛条約との三点セットで同盟組んだら安保的にも外敵防衛的にも良さそうな。
問題は二郎ちゃんが曹操を全く信用していないということですかねw

>タイトルはまだ浮かばないです。もうちょっとリハビリいるかな?
心身ともにごゆっくりしてくださいませえ

>つうか二郎、三人ともやってしまえ(意味深)なら話が早く済む(下衆)

許されたw

いやあ、地味様との友達っくすは賛否あったのですよねえ




80 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/07/02(月) 22:38:53.44 ID:R/USl+yY0
「穏、これは本当なのね」

碧眼児と呼ばれ、孫家の中でも将来を嘱望されている二の姫――孫権――はその美貌を歪ませながら腹心たる陸遜に問う。

「はい。尚香様の護衛ということで周泰ちゃんを呼べたのは僥倖でしたね。
 彼女、どうやら穏行ではかの張家すら出し抜けるようですから。抜き取った情報は確かかと思いますよ?」

くすり、と応えるは白皙の美女――陸遜――である。
南部では珍しく白い肌を惜しげもなく晒すその衣装はいっそ扇情的と言っていいものであろう。
しかし、ややもするとぽわわんとした表情に覆い隠されてしまうが、その眼には確かな知性の煌きが散華している。

「姉さまにも困ったものね、袁家と。よりによって袁家と、ことを構えるだなんて。
 本気云々の前に正気を疑うわ」

信じがたい、と孫権は天を仰ぐ。
手元には陸遜のまとめた報告書があり、それらが示すものはつまり。

「元々袁家の援助に頼ることすらよしとしなかった豪族も多いですしねえ。
 まあ、利権をことごとく召し上げられてしまいましたから無理はないかと」
「にしたってここまで賛同者が集まるなんて……」

時勢が見えてないのか?と孫権は暗澹たる気持ちになる。
よりにもよって使嗾(しそう)してくるのは、手を組むのは。

「十常侍と組むとかね。本当に正気を疑うわよ」

吐き捨ててため息を大きく、一つ。

「遠交近攻とはよく言いますが袁家は身近に感じる分、目の上の瘤(こぶ)と思う方が多いみたいですね。
 虞翻さんの潔癖な態度もそれを助長しているようです。
 対して十常侍は……、洛陽は遠きにあり。悪評があるものの、袁家を除いた後は意向を無視すればいいというのが主流ですね
 こちらに対して、直接振るう武力も持ち合わせていませんし」
「それじゃ、結局孫家は賊上がりの成り上がりじゃない。いつまでたっても。
 恩を仇で返して、いざ孫家の窮地に誰が手を差し伸べてくれるというの。誰が信義を通じてくれるというの」

いや、孫権とて分かってはいるのだ。
食うか食われるかという状況が身近であった江南の地においてはそれはきっと正しい。今日を生き延びるためにはきっとそれは正しいのだ。
だが、南皮に在りて。中華の秩序、何より袁家の凄味を知った身としては看過できない。
そのような煩悶を知ってであろう。あくまで陸遜はにこやかに孫権を見守る。言葉を促す。
81 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/07/02(月) 22:39:20.00 ID:R/USl+yY0

「江南に戻るわ」

きっぱりとした声。何かを振り切ったような、決意した声に陸遜はその表情を綻ばせる。

「二郎は、如南へ赴くのでしょう?」

その言葉に込められた思いは、いかほどのものか。

「ええ。二郎さんは如南へ。
 あの方はああ見えて、きちんとやるべきことからは逃げません。果たすべき責務は果たされます」

くすり、と漏らした笑みは妖艶ですらある。
その声に孫権は暫し瞑目する。

「ならば。私も逃げない。孫家の次代を担う者として責務を果たすわ。
 穏、地獄の底まで付き合ってくれる?」

陸遜は恭しく一礼を。

「ええ、喜んでお供いたしますとも」

ですが、と言葉を続ける。

「二郎さん曰く、地獄の沙汰も金次第。
 だ、そうですよ?」

その声に孫権は、ぷ、と吹き出す。

「もう、茶化さないでよ。でも、二郎らしいわね」
「はい。あの方らしいですね」

二人は軽やかに笑い合う。
盟友で、親友で、主従で共犯。

きっとその絆は、刎頸(ふんけい)でも断たれることはない。

◆◆◆

82 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/07/02(月) 22:40:49.04 ID:R/USl+yY0
実家に帰らせていただきます。
この言葉を放たれて平静でいられる男はいないであろう。
それほどの破壊力を持った言葉が浴びせかけられて俺の思考回路はショート寸前。今すぐ会いたいよ。

「えっと、二郎?ちょっと?」
「うい。二郎ですがなにか」
「もう、話を聞いていたの?」

ぷんすか。
全身で不機嫌になっちゃったわよ今の瞬間に、と主張するのは江南を治める孫家のご息女たる蓮華だ。
褐色の肌を惜しげもなく晒すその恰好には、いつもながら目のやり場に困るわー。マジ困るわー。
だって仕方ないから穏の、ねえ。暴力的な胸部に注目せざるをえないやん?
白い肌。
こんなに露出が多いのに、江南出身なのになんでそんなに白いのかという感じのおっぱいがぷるんと震えて俺を苛む。
うむ。ブラボー。おお、ブラボー……。

「二郎?聞いているのかしら?」
「もちろんだとも」

じと、とした蓮華の視線に極上の笑みで応えてやる。キラッ☆

「じ ろ う ?」

ゴゴゴという効果音がどっからか飛んできた、気がする。背負った圧力は流石に孫家の跡取り。
はい、ごめんなさい。

「で、何で江南に帰りたいの?」

一応、蓮華は孫家に対する人質という意味が大きいからうかつに動かせないのよ。まあ、目の前のご両人は先刻ご承知だろうけどね。

「あのね、二郎は知ってると思うんだけどね。一応私は孫家の次代の当主と位置付けられてるのよ」

知ってる知ってる。むしろ孫家を繁栄さすよね。知ってるよー。

「なのにね、あまりにも帰ってないな、って。
 これじゃいざ孫家を継いでも家臣団や配下の豪族をきちんと御することができるのかな、って。
 二郎が言ってたじゃない。段取り、根回しが大切って。
 そういう意味でも一度江南に帰った方がいいと思うの」

ふむ。確かになあ。あっこらへんはごたごたしそうな土地柄だしねえ。
とは言え、なあ。安易には同意できない。

「二郎が孫家に信を置けないというのは、そうね。不本意ではあるけど……分かってるわ。
 だから、と言うのも。そうね。こんなこと言いたくもないのだけれども。
 シャオを私の代わりに置いていくわ」

常ならばそんなことを言わない蓮華の双眸はこの上もなく澄んでいて。

「足りない、というなら祭も置いていくわ」

何でそんなに泣きそうな顔をしているんだと俺は言いたい。
きっと、身近な、親しい、大好きな人を道具として、交渉の材料として扱うわが身を呪っているのだろう。

「いいさ、許可しよう」

どうせ俺も、俺たちもそれどころじゃないしね。
いよいよ如南へ赴くのだ。けじめをつけにいくのだ。
そのタイミングで何か仕掛けてきそうな孫家を抑えることができそうだから。それでいいかなって。

……これで蓮華が孫家率いて攻めてきたら泣くけどな。

◆◆◆

83 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/07/02(月) 22:42:40.11 ID:R/USl+yY0
「いや、よかったですねえ」

くすくすと笑みを漏らすのは陸遜。その声に呆れたように孫権は答える。

「穏の思い通りでしょ?今更何を言うのよ」

軽く苛立つ主。それに臆することもなく言葉を続ける。

「いえ、二郎様の動きは埒外ですから」

くすり、と笑う。
そして陸遜は思うのだ。袁家の配下である武家四家である紀家当主。その地位を継いだと思ったら中華を放浪する。半ば逐電である。
であるのに、帰参して何事もなかったかのようにその地位に納まるというのがありえないことだ。
しかも、そんな型破りなことをして彼がその権勢を失ったという声は聞こえてこない。そう、驚くほどに聞こえてこない。
だが、驚くべきことは他にもある。

「それを言えば、二郎さんの動きを考えるだけ無駄とも言えますし、ね?」
「そ、そうね……」

可笑しげな表情を浮かべて見やる陸遜に孫権はたじろぐ。その目の奥の炎に。

「二郎さんの一手。それは本当に私も読み切れません。この中華で私が読み切れないと言わざるを得ないのはあの方くらいです。
 ですから。ええ、ですから、蓮華様に二郎様を押さえていただきたいのです」

破格の才覚たる陸遜。その要望に孫権は苦笑する。

「分かったわよ。穏がそこまで言うのならばそうなんでしょう。
 安心なさいな。勝ち易きに勝つ。それが孫家。始祖たる孫子の薫陶、そうでしょ?」

にこやかに陸遜は笑顔で応える。

「はい、道なき道を征きましょう。
 凱歌を、孫家に。夢と希望と未来を蓮華様に」

覇気。この瞬間だけは、かの曹操をも上回るそれを纏って。
陸遜は、戦争の天才は笑う。
既に勝利は彼女の中では確定していた。

さあ、夢を見よう。
さあ、歌を唄おう。
さあ、歌を繋ごう。

さあ、踊ろう。
舞台は間近。

陸遜は笑う、嗤う、哂う。
如何様にも踊ろうと。
きっと舞踏相手はあの青年だ。肌を重ねても、情を交わしても読めないあの青年だ。

漢朝の闇などよりもよほど面白い、怖い。
執着はもはや恋着。
それを自覚し、軽やかに笑う。

「ええ、蓮華様、二郎さんを、あの埒外な方に対するに値するのは孫家において蓮華様のみです。
 ですから、ええ。ですからこそ。今この瞬間のご決断に穏は心服いたします。
 ええ、地獄と言わず、因果の地平までお供しますとも」

にこやかに、軽やかに口にする思いを孫権は過不足なく受け取り、顔を引き締める。

思い浮かべるのはあの青年。
締まりのない表情、冴えない顔つき。
だらしのない視線は助平で、どうしようもなく。

でも。

その心胆を。凍てつくほどの心胆、覚悟。それを自分は知っている。
だから、やるべきことをする。

孫家の担い手として相応しいように。
そして、あの青年に笑われない自分であるために。
84 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/07/02(月) 22:45:28.12 ID:R/USl+yY0
本日ここまですー
感想とかくだしあー

タイトル案は、
「孫家の事情」「碧眼児」「刎頸」「帰郷」

ここらへんをキーワードとしてなんかありましたらよろしくオナシャス!
85 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/07/03(火) 04:54:47.41 ID:gzhT39J10
あかんかったかー
ねる
86 :赤ペン [sage saga]:2018/07/03(火) 13:12:11.22 ID:t59kiHig0
乙でしたー ベスト8ならずか…まあ胸張って帰国してほしいね
>>80
>>よりによって袁家と、ことを構えるだなんて。   この言い方だと既にやり合ってるように聞こえるので
○よりによって袁家と、ことを構えようだなんて。  一応まだギリギリで火蓋を切ってないらしいしね
>>81
>>その声に孫権は暫し瞑目する。 これだと色っぽい声に聞き入ってるようにも見えないことも無いので
○その言に孫権は暫し瞑目する。 の方がいいと思います
>>82
>>俺の思考回路はショート寸前。今すぐ会いたいよ。  曲名なら問題ないし1文程度なら大丈夫だろうけどこれはかsジャスラックに睨まれると思うので直した方がいいと思う、リアルガチで
[引用 アップローダー、掲示板に投稿してはいけないもの 著作権上問題のあるファイル、盗撮ファイル、JASRAC管理楽曲、歌詞 ]
○俺の思考回路は天才バカボン状態。反対の賛成なのだ。 別に何でもいいけどなろうに投稿するときは変えた方がいいよ
>>だって仕方ないから穏の、ねえ。暴力的 接続の仕方に違和感と文章が続いてる感じが有るので
○なので仕方ないから穏の、ねえ、暴力的 蓮華がエロい《ので》穏のエロい体に視線を移すわけだし、こんな感じかな?
>>ゴゴゴという効果音がどっからか飛んできた、 これだと効果音出してるのが遠い何かのようなので
○ゴゴゴという効果音が室内を揺らしている、 もしくは【効果音が質量を伴って響いている、】とかどうでしょう
>>83
>>さあ、歌を繋ごう。   この前で《夢と歌》と使ってるので
○さあ、曲を奏でよう。  この後に《踊り》と繋がりますしちょっと他の言葉に変えてみたりしたかったり(個人の嗜好です
>>あの埒外な方に対するに値するのは  【対する】だけなら他にも何人かいるかな、抗せないだろうけど
○あの埒外な方と同じ場所に立てるのは それが同じ方を向くのか横に並ぶのか背中合わせなのか対面するのかはともかく・・・こんな感じでどうでしょう

孫家二の姫ホーム(が)シックになる?むしろ 二の姫ホームシックの治療の為に実家に帰る?
孫家の袁家に噛みつきたい面々の考えも確かに分からなくはないけど、どういう落としどころで終わらせようとしてるんだろう
ぶっちゃけ支援した家に噛まれたら袁家としてはメンツとしても内情としても更地にするまで終われない様な…4世3公の北方の盾が復興させた家に砂掛けられてなあなあで済ましてたら外から見たら「袁家恐るるに足らず!!」だよね
そうならないためにも、領民に強い袁家を知らしめるためにも首のすげ替えくらいはしないと袁家がヤバいだろうし
まさか自分たちが無視しようと思ってる十常待に袁家が従うとか幸せな思考してるんだろうか

アップローダー、掲示板に投稿してはいけないもの 著作権上問題のあるファイル、盗撮ファイル、JASRAC管理楽曲、歌詞
ということで新規スレを作ったり削除依頼を出したりした方がいい可能性が…該当スレだけ消去の可能性もありますが一ノ瀬さん(>>1)が投降したスレなのでどうなるか分かりませんので
87 :赤ペン [sage saga]:2018/07/03(火) 14:29:02.10 ID:t59kiHig0
間違えたのでちょっと書き直し
>>80
>>よりによって袁家と、ことを構えるだなんて。   この言い方だと既にやり合ってるように聞こえるので
○よりによって袁家と、ことを構えようだなんて。  一応まだギリギリで火蓋を切ってないらしいしね
>>81
>>その声に孫権は暫し瞑目する。 これだと色っぽい声に聞き入ってるようにも見えないことも無いので
○その言に孫権は暫し瞑目する。 の方がいいと思います
>>82
>>それほどの破壊力を持った言葉が浴びせかけられて俺の〜中略〜会いたいよ。  曲名なら問題ないし1文程度なら大丈夫だろうけどこれはかsジャスラックに睨まれると思うので直した方がいいと思う、リアルガチで
[引用 アップローダー、掲示板に投稿してはいけないもの 著作権上問題のあるファイル、盗撮ファイル、JASRAC管理楽曲、歌詞 ]
○それほどの〜中略〜俺の思考回路は天才バカボン状態。反対の賛成なのだ〜タリラりラン。 別に何でもいいけどなろうに投稿するときは変えた方がいいよ
>>だって仕方ないから穏の、ねえ。暴力的 接続の仕方に違和感と文章が続いてる感じが有るので
○なので仕方ないから穏の、ねえ、暴力的 蓮華がエロい《ので》穏のエロい体に視線を移すわけだし、こんな感じかな?
>>ゴゴゴという効果音がどっからか飛んできた、 これだと効果音出してるのが遠い何かのようなので
○ゴゴゴという効果音が室内を揺らしている、 もしくは【効果音が質量を伴って響いている、】とかどうでしょう
>>83
>>さあ、歌を繋ごう。   この前で《夢と歌》と使ってるので
○さあ、曲を奏でよう。  この後に《踊り》と繋がりますしちょっと他の言葉に変えてみたりしたかったり(個人の嗜好です
>>あの埒外な方に対するに値するのは  【対する】だけなら他にも何人かいるかな、抗せないだろうけど
○あの埒外な方と同じ場所に立てるのは それが同じ方を向くのか横に並ぶのか背中合わせなのか対面するのかはともかく・・・こんな感じでどうでしょう

孫家二の姫ホーム(が)シックになる?むしろ 二の姫ホームシックの治療の為に実家に帰る?
孫家の袁家に噛みつきたい面々の考えも確かに分からなくはないけど、どういう落としどころで終わらせようとしてるんだろう
ぶっちゃけ支援した家に噛まれたら袁家としてはメンツとしても内情としても更地にするまで終われない様な…4世3公の北方の盾が復興させた家に砂掛けられてなあなあで済ましてたら外から見たら「袁家恐るるに足らず!!」だよね
そうならないためにも、領民に強い袁家を知らしめるためにも首のすげ替えくらいはしないと袁家がヤバいだろうし
まさか自分たちが無視しようと思ってる十常待に袁家が従うとか幸せな思考してるんだろうか

アップローダー、掲示板に投稿してはいけないもの 著作権上問題のあるファイル、盗撮ファイル、JASRAC管理楽曲、歌詞
ということで新規スレを作ったり削除依頼を出したりした方がいい可能性が…該当スレだけ消去の可能性もありますが一ノ瀬さん(>>1)が投降したレスなのでどうなるか分かりませんので

もしかしたら一緒に86は《アボーン》されるかも。かもかも
88 :俯瞰者 ◆e/6HR7WSTU [sage saga]:2018/07/04(水) 23:03:26.67 ID:/J6PuXlG0
乙です。

これだけは言いたい。「実家に帰らせて云々」系は私にとってはデスワードです。
感想としては……
「ほえ?孫策さん遊んでるの(大間違い)」
何だっけ?人質?だったっけ?孫権さん。

先に謝っときます。陸遜さんが放火しませんでした(爆笑三国志かよっ)放火しない代わりにハニトラしてました。効いてないけど。
シャオちゃんは残すんだね。袁術ちゃんの親友がいなくならなくて一安心。というか張勲さんが根回し(というか嫌がらせの圧力)したのかな?
孫権さん、現状確認を自分でもしたいんだろうね。それと内部での方針統一と方法の摺り合わせ。
袁という化け物勢力(象を呑気に飼っていられる財力と、母流龍九商会という経済侵略の尖兵、豊富な人材)を肌で知る孫権と地元で奮闘?の孫策。
軍師もそれぞれ同じようになっているし、双方が情報共有できれば後々楽だしね。

帰ったら姉妹と軍師同士が激論になるのは目に見えてるな。周瑜さんがどう現状を分析するか、そして虎さんをどう制御するかだな。
孫家には知っているから警告するけど、風雲南皮城をなめてるとえらい目に合うよw

「孫家の事情・碧眼児の感情」かな?韻は踏んでるけどなんだかな。
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/04(水) 23:19:57.37 ID:E40VsGfsO
その昔デスマーチの最中に上司に「今夜は帰さないよ」って言われて
「実家に帰らせていただきます」と返した奴がいたのを思い出した
90 :赤ペン [sage saga]:2018/07/07(土) 09:39:39.00 ID:817aBFAr0
大雨凄かったけどみなさん大丈夫でした?
91 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/07/07(土) 10:26:38.21 ID:icgptGmK0
こちらは大丈夫です

俯瞰者さんはお仕事関係が大変なことになってそうなイメージ
感想返信は後ほど
92 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/07/09(月) 21:31:28.63 ID:8ApcC9ld0
>>87
JAS的なものには気をつけます
うむむ。結構いじったつもりができてなかったのは多分マシントラブル

>孫家二の姫ホーム(が)シックになる?むしろ 二の姫ホームシックの治療の為に実家に帰る?
実家が炎上予定なのですね

>孫家の袁家に噛みつきたい面々の考えも確かに分からなくはないけど、どういう落としどころで終わらせようとしてるんだろう
争いというのは、落としどころを見つけるのが一番大変なのですよねえ
孫家はこれまで圧倒的勝利を積み重ねてきました
その成功体験がががが

>ぶっちゃけ支援した家に噛まれたら袁家としては
これその通りなのです。ほんと。

>>88
>これだけは言いたい。「実家に帰らせて云々」系は私にとってはデスワードです。
ああ!いわれのない流れ弾が!
全面無視とどっちが胃に痛いです?わたし、きになります!

>何だっけ?人質?だったっけ?孫権さん。
遊学と言う名の人質プレイですね。
今川時代の家康さん的な扱いじゃないでしょうか。まあ、個人的には今川幕府とか面白いなとか思いますがw

>先に謝っときます。陸遜さんが放火しませんでした(爆笑三国志かよっ)
爆笑三国志。あれはいいものだった……w
今でも色あせないクオリティですよねw 持ってるはずなのですが、どこいったのか分からないですw

>シャオちゃんは残すんだね。袁術ちゃんの親友がいなくならなくて一安心。というか張勲さんが根回し(というか嫌がらせの圧力)したのかな?
実家が炎上して……シャオちゃんは安全圏に置いておこうという冷徹さなのか、争いを見せたくない温情なのか
解釈は色々です

>孫権さん、現状確認を自分でもしたいんだろうね。それと内部での方針統一と方法の摺り合わせ。
実家の現状、きちんと見ようとしてます。現場百ぺんです。

>孫家には知っているから警告するけど、風雲南皮城をなめてるとえらい目に合うよw
多分大坂城クラスに武力では落ちない要塞都市になってますよねw
それを知っている人がいるというのは、実は孫家にとってはアドバンテージなのです

>>89
>その昔デスマーチの最中に上司に「今夜は帰さないよ」って言われて「実家に帰らせていただきます」と返した奴がいたのを思い出した
これ、性別の組み合わせで面白いことになりそうですよw

まあ、デスマーチが発生するということは適切な人員配置ができていないということで(ブーメラン)

個人的には書類仕事で主人公が埋もれるギャグ描写は、書きたくないですねえ。下っ端ならともかく管理職以上ならば。
人員の調達と作業のマネジメントが管ry



桂川の中継ばっかりでしたが、他の河川が氾濫しました。
きちんと災害対策したら成果は出るのです。
特に治水はね。百年単位の事業なのですよね。人死にが出ないと、下手したら出ても無駄遣い扱いなのはね。もうね。
O府でも小学校の社会では水害の歴史があれだけ語られるのにと。

しかしインフラの老朽化、どないするんやろ。対処療法でいくのかなあ。このままだとそうなんだろうなあ。
93 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/07/09(月) 22:28:30.51 ID:8ApcC9ld0
「これで一応完成と言っていいのではないかしら」

蔡邑が差し出した分厚い紙の束を何進は満足げに受け取る。

「ご苦労」

一瞥すら蔡邑に与えず、紙の束に目を走らせる。
微苦笑を浮かべて蔡邑はその場を後にする。

「……随分と熱心に見ておられるが、それは?」

華雄が訝しげに尋ねる。
既に蔡邑が室を辞して半刻は経っている。
無言でひたすらに紙をめくるなど。
短くはない付き合いでも、ついぞなかったことである。

「……ん。気になるか?」

ニヤリ、とした笑みが自分を見下しているようで反発を覚えるが、興味があるのは確かなので無言で是、と応える。
ニヤニヤとした笑みはそのままに、手にした紙の束を無造作に放り投げてくる。
手にした、紙面には。

「──人名?」

ずらり、と人名が列挙されている。見れば優、良、可、不可と甲、乙、丙、丁が組み合わされている欄もある。
目を走らせると、幾人かは知った名前も見受けられる。

「それも……宦官?」

ほお、と言った風の何進の表情に華雄は自分の呟きが正鵠を射ていたことを知る、が。

「なぜ、こんなものを?」

それに、記号の意味も分からない。

「フン、まあ、言ってみれば閻魔帳のようなものか。
 袁家の援(たす)けもあり、士大夫層で使い物になる奴らは……ほぼ取り込めているからな。当面の敵は十常侍を筆頭とする宦官さ。
 とは言え、宦官にも色々いるからな。能力と人格を格付けしたもの。
 それがお前の手にしているものさ」

政務の傍(かたわ)らでまとめるのは大変だったみたいだがな、と何進は笑う。
彼らとて政敵を前に手をこまねいていたわけではないが、如何せん政権運営が最優先。
故に士大夫層が多少は協力するようになるまではそのようなものを作成する余裕もなかったのだ。
ふむ、と納得し華雄は大いに頷く。

「つまり、能力が低く、人格が卑しい奴を誅滅すればいいということか」

94 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/07/09(月) 22:29:08.86 ID:8ApcC9ld0
腕が鳴る。
華雄は獰猛な笑みを浮かべて血を滾らせる。
が、応える声は無情。

「お前は阿呆か」

心底呆れた、という風な声がかけられ華雄は混乱する。

「な、何か間違えた、か……?」

溜息と苦笑。

「いいか、国を動かすのは、そしてそれを変えるというのは硬い岩を少しずつ削っていくようなものだ。
 お前の手にしている斧ならばな、岩を砕くこともできるだろうさ。
が、それでは国も砕けてしまう。
 水滴が岩を穿つがごとく、静かに、だが絶えることなく動くこと。
 それに倦まずに継続することこそが強さ、さ」

華雄にはそれがどうにもまどろっこしく感じてしまう。

「フン、お前にはこう言った方が分かりやすいか。
 弁が継ぐ禁裏を血で汚すわけにはいかん。そういうことだ」
「それならば私にも分かる」

うむ、と納得したように華雄は頷く。
が、と思う。

「ここの評価をどう使うのだ?」
「ふむ。地位が低く、人格が卑しく、能力が高い順に放逐、左遷していく」

その言葉に華雄は首をかしげる。

「だが、ここには地位なんて書いていないぞ?」
「……官位、役職を見れば一目瞭然だし、地位は変動するからな……」
「しかし、地位が低い者をどうこうしても大勢に影響はないのでは?」

やはり首魁たる十常侍を除くべきではないかと華雄は思うのだ。

「言ったろうが。岩で言えばそれは中心。
 まずは周りから、だな。将を射んとすれば、という奴だ。
 いなくなっても気づかん奴らから手を付ける。
 気づいた時には手遅れ、というのが理想だな。
 ま、十年か二十年もあれば大丈夫だろうさ」

その言葉に華雄は瞠目する。

「勝てない戦はしない。確実に勝てる戦しかせんよ、俺は。
 だからこうして今ここにいるのさ」

くは、と笑う何進が華雄には理解できない。そして思うのだ。

「どうして私などを側に?」

その言葉に何進は大笑する。
む、と逆立つ柳眉にもおかまいなしに。

「お前には分からんだろうし、それでいい」

愉快に、愉快そうに何進は笑う。
華雄は不機嫌そうに黙りこくるしかなかった。
95 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/07/09(月) 22:31:48.05 ID:8ApcC9ld0
本日ここまですー

感想とかくだしあー

タイトル案

「何進と華雄」

うわあ、そのまんまや
96 :赤ペン [sage saga]:2018/07/10(火) 12:48:48.50 ID:VbRXs5aw0
乙でしたー
>>93
>>ほお、と言った風の何進の表情に華雄は  意味は分かりますが、【ほお、と言った風】だと実際には《ほお》とは言ってなくて【ほお、と言った表情】だとどんな感じなのかちょっと分かり難いかも?
○感心だ、と言った風の何進の表情に華雄は もしくは【ほう、と息を漏らした何進の表情に華雄は】とか【感心したように目を細めた何進に華雄は】とかどうでしょう

それにしても>>地位が低く、人格が卑しく、能力が高い・・・性格悪くて能力高いだけなら典型的な敵キャラだけどここに地位が低いが入るとそこはかとない残念臭がするなwお前能力の使い方間違ってない?それともうまいこと地方で威張り散らす美味しいポジにいるのか・・・
《地位が低く、人格が卑しい》ならただのクズの寄生虫タイプ、《地位が低く、能力が高い》なら不器用な実直タイプって感じだけどこの3つが混ざるとタイプが見えづらいな

何進の臣下の選び方は独裁者としては理にかなってるかな?正確には宦官勢力だから敵対勢力だけど、まあ漢王朝として見れば臣下だし
華雄さんのそういう真っ直ぐさと言うか愚直さは何進にとっては確かに必要な物よね、こういう人っていつの間にかそういう単純な考え方が出来なくなっちゃうから
97 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/07/13(金) 21:45:23.50 ID:9gzGcU6X0
>>96
赤ペン先生いつもありがとうございますー

>・・・性格悪くて能力高いだけなら典型的な敵キャラだけどここに地位が低いが入るとそこはかとない残念臭がするなw
若手或いはやらかして降格食らった的なw

>何進の臣下の選び方は独裁者としては理にかなってるかな?正確には宦官勢力だから敵対勢力だけど、まあ漢王朝として見れば臣下だし
地道に掃除をしております

>華雄さんのそういう真っ直ぐさと言うか愚直さは何進にとっては確かに必要な物よね、こういう人っていつの間にかそういう単純な考え方が出来なくなっちゃうから
これはまったくもってその通りです
98 :俯瞰者 ◆e/6HR7WSTU [sage saga]:2018/07/15(日) 03:06:31.23 ID:Mp7XYSBT0
乙です。

人格卑しく、能力が高い……公務員というくくりでは結構いるなぁ。何故か福祉系と自治系に多いんだが。まぁ「能力が高い」と言っても単に運営が上手いとか弱者に高圧的に対応するとかだけどね。教員もそうか。
「頭の良い阿呆」って奴らだね。そら明確に旗幟を明らかにしてりゃ付き合いようもあるけれど、こういう日和見連中は権力奪取の障害だわなぁ。
あれだな。出世欲や承認欲求やプライドの高さは人一倍なんだけど、底が見えているから思ったような待遇や権限を与えられない。行動するかといえば全然しない。
現代日本に置き換えれば、児童虐待や生活保護といった緊急性や必要性の高い事案で自身の身分に与えられている権限を行動で対応せず、結果最悪の事態になっても「人間が」「忙しい」
そんな連中どれだけいるんだ?労基監督官や警察以外の逮捕権限を持つ公務員は命的で本気で踏み込んで行くぞ?
ここ数年同窓会が多かったからよく分かるが、平気で暴力と人格否定していた教員は会場で浮いていたな。つうか中学時代私を目の敵にして荀ケ真っ青のハラスメントしまくっていたお方は他の生徒にもやらかしていたみたいでぽつん、と一人になっていてよりによって私に話しかけてきたので丁重に録音や録画の許可を求めつつ言葉と当時の法律を引用して公開処刑しました。つか人格卑しく能力高い(となっている)連中の極みって教育委員会だな。

インフラはね、もう対症でしか対応できないところまで追い込まれていますね。大阪地震の際に一気に法軽視の膿が噴出したので、今回も被災者には申し訳ないのですが根本的にインフラと災害対応をないがしろにしてきた自治体がツケを払う羽目になりましたね。
現在はすんざましく忙しいですが、ただ忙しいだけ。ボランティア要請が協会経由で来た時には率直に「会社潰したくないので」とかましました。
重機や車両や資材を出して燃料や消耗品や人員……後でちゃんとバックするのかと。
どうせ地元のブローカー業者が取り込むんだろうに、流石にビジネスという面では頷けませんでした。

>これだけは言いたい。「実家に帰らせて云々」系は私にとってはデスワードです。
ああ!いわれのない流れ弾が!
全面無視とどっちが胃に痛いです?わたし、きになります!

全面無視ならひたすらアプローチしまくります。だってそれも感情が為せる事。
胃が痛いのは「実家に帰らせて云々」ですw
というか、ガンが発覚した際に一回全面無視頂いてますwでも懲りずに根気よく話しかけたりアプローチしたりで解決w
逆にねぇ実家に帰られたら寝込みますよwそれから相手先に行って、義父母から事情を伺います。何せ私にとっては絶対に奪われたくない金銀財宝、文化財、プライスレスの宝物。意地でも取り返します。
そらまぁ、商売の姐さん達から「愛人に」と秋波送られる事もそれなりにありますが、丁重にお断りしてますし場合によっては代理人通じてカネで収めてます。
新婚当時に「実家に帰ります」だけの書置き見つけたときは本気でパニックに陥りましたよ。車飛ばして嫁実家に行ったら、単に一人が嫌だから帰ったとかで
嫁は義母に叱られ、私は義父に懇々と説教されましたw以後は嫁はちゃんと私に連絡してから帰るようになりましたが。
逆に現在はべったりです。つか検査結果を見てはあれじゃこれじゃと多種多様な料理を頂いてます。菜食主義かと思うくらい毎食野菜づくめですが。
最近の暑さで食欲が落ちないようにちょっと蛋白質が増えました。
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/15(日) 22:47:23.91 ID:pnSmb6Bf0
乙〜
「豪と剛」なんてのはどうでしょ?
2人の強さの種の違いが出てるお話なのでそういうのがいいんじゃないかなぁと

暴力は自衛とか、犯罪なんかを殴ってでも止めなきゃいかんと言うとき以外はいらんのははっきりしてるんですけどね〜
当方F県住みですが前回の被害があったから豪雨の被害もインフラと意識のおかげで少なくなってる印象です
ずぶずぶのあの会社とかあの会社とかはいい加減改めろよとは思ってますが

肉類はともかくとして、たんぱく質と脂質は最低限取らないと死にます
貧乏人が太るのは野菜にしろその辺にしろ高いから炭水化物で誤魔化すからなわけで
60超えてくると肉じゃないとたんぱく質が必要な分を取りきれないなんてこともあります
ストレスにならない程度で「適度」にお召し上がりください
100 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/07/17(火) 20:33:54.29 ID:skZTwoWa0
>>98
どもです。

>人格卑しく、能力が高い……公務員というくくりでは結構いるなぁ。何故か福祉系と自治系に多いんだが。まぁ「能力が高い」と言っても単に運営が上手いとか弱者に高圧的に対応するとかだけどね。教員もそうか。
おお、なるほど。納得感がございます。いや、ありがとうございますー!

>「頭の良い阿呆」って奴らだね。
これはこれで使いようでもあるのですががががw

>現代日本に置き換えれば、児童虐待や生活保護といった緊急性や必要性の高い事案で自身の身分に与えられている権限を行動で対応せず、結果最悪の事態になっても「人間が」「忙しい」
実務者ですと、「やらない理由」はいくらでもひねり出せるものですよねえ

>インフラはね、もう対症でしか対応できないところまで追い込まれていますね。
(顔を覆う)
五輪もなんか変な感じに節約万歳になってきて……

>全面無視ならひたすらアプローチしまくります。だってそれも感情が為せる事。
おおう。これは見習おうと思いました。でも辛いねん。

>。何せ私にとっては絶対に奪われたくない金銀財宝、文化財、プライスレスの宝物。意地でも取り返します。
ごちそうさまです!

>多種多様な料理を頂いてます。菜食主義かと思うくらい毎食野菜づくめですが。
ごちそうさまです!(二回目)

>>99
>「豪と剛」なんてのはどうでしょ?
おお、いいかも。

>当方F県住みですが前回の被害があったから豪雨の被害もインフラと意識のおかげで少なくなってる印象です
経験が活きた、と。まあ、想定しているところであれば駅が沈んだり陥没したりしてましたよね。
インフラ投資は本当に大事だなあというのが広まればいいなあと^思います

>ずぶずぶのあの会社とかあの会社とかはいい加減改めろよとは思ってますが
これは全く分からないw

>肉類はともかくとして、たんぱく質と脂質は最低限取らないと死にます
四半世紀前と比べて、ご老人が元気で若々しいのは単純にたんぱく質の摂取量じゃないかなあと思ったりしております。
真偽は不明ですが
101 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/07/17(火) 22:58:49.41 ID:skZTwoWa0
すやすやと俺の膝の上にて眠る幼女一名。
それをにこやかに、俺の方をちらりと羨ましそうに。なにか物欲しげな視線をくれる美少女一名。
如南に向かう馬車の中である。つまり同乗しているのは美羽様と七乃の二人ということ。
七乃の視線をとても感じる。感じる。
いや、別に美羽様を独占しようとしてるわけじゃないよ?ただ、ほら、美羽様に服をがっちり掴まれているからして。幼女ホールドが極まっているだけで。

「いいなあ、二郎さん、いいなあ。
 美羽様独占して、ずるいなあ」
「いや、ほら俺ずっと留守してたからってだけだと思うぞ?
 その間七乃が独り占めしてただろ」

俺の言葉にぷう、と頬を膨らます。意外とこういう表情をすると幼く見えたりするんだよね、七乃って。

「どっかのだれかさんと違って私はお仕事もしてたんですよ?
 如南とも何回か往復してましたし。ほんと、フラフラしてるだけでいい人が羨ましいなあ。
 よ、この風来坊!唐変木!なんだか腹がたってきたぞー」
「自分で言ってて腹立てるなよ……」

むむむ。
美羽様を譲渡すれば一時的にでもこの微妙な空気を有耶無耶にできるんだけど、幼女ホールド相変わらずがっちり極まっています!
まあ、帰ったその日、部屋で待ってた美羽様たちをスルーしたのもいかんかった。
次の日、えらくご機嫌斜めだったからなあ。珍しく拗ねちゃったのであるよ。
うん、俺が一方的に悪いな。反省、反省。

むう、と膨れる七乃は対面の座席から俺の横に席を移す。
で、ぷにぷにと美羽様のほっぺをいじったり、引っ張ったり……っておい。

「おい、起きちゃうぞ?」
「大丈夫ですよ、このくらいで起きたりしませんから」

多少は機嫌を直したのか、にこにこしながら美羽様を弄繰(いじく)り回す。どうも起きるか起きないくらいのぎりぎりのラインを攻めているらしい。なんだそれ。

「んー、なんですか?そんなにこっち見て。
 あ、そっか」

にじり、と体を寄せてきて……。

「こんな時に……。欲情しちゃったんですね。仕方ないなあ。手早く済ませちゃいましょうか」

そんなことを言いながらおい、どこ触ってるのですか。
それと近い。顔が近いって。いや、首筋はだめだって。あふん。

「美羽様起きたらどうすんのよ。それに七乃お前な、周りの警護にばれたらどうすんの」

星とか流琉とか多分車内の気配で気づいちゃうぞ。
今回は百名と少数ながらも精鋭ぞろいだからなあ。
あ、雷薄は娘さんのいる如南にものっそい行きたがってたけどお留守番です。補佐は風。まあ、あの二人なら留守任せても大丈夫だろ。

「ぶーぶー。つまんないですねえ、それがいいのに」
「人に見られて喜ぶ性癖はない」
「じゃあ混ぜちゃいます?」
「どうしてそうなる」

さらっとえらいことをおっしゃる。

「まあ、如南では盛大に歓迎のおもてなしがありますから消耗してもまずいかな?それともそっちの方がいいかな?」

おもてなしですか。盛大ですか。

「ええそりゃ、もう。
 袁胤様も許攸さんも。何よりお父様も、一日千秋の思いで待たれてますよ?
 美羽様と、二郎さんを」
「そりゃありがたいこって。
 鬼が出るか蛇が出るか」
「ふふ。期待してくれていいですよー?」

細工は流々、後は仕上げをご覧じろ。
お代は見てのお帰りに。

耳元で甘く囁く七乃の舌がぺろり、と俺の耳朶を一舐めした。
いやん。

102 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/07/17(火) 23:01:12.21 ID:skZTwoWa0
◆◆◆

さて、如南への道中は何事もなく。特記するようなイベントもなく如南に到着した。あら珍しい。
いつもならなんやかんやあるんだけど、これはこれで不気味だな。

「美羽様はあちらへ。袁胤様がお待ちです」
「む?七乃と二郎はどうするのかや?」
「ええ、ちょっとお父様にご挨拶を」
「そうかや?ふむ。では手早く済ませてくるのじゃぞ?」

ええ、とにこやかに手を振る七乃。

「星、流琉、頼んだ」
「はい!わかりました!」
「任されたとも」

何を、とは言う必要もない。
……何が起きると決まったわけでもないけど。ないけど!

「紀霊殿、三尖刀はこちらに」

ん?

「はいはい、二郎さん。重い荷物は張郃君に預けちゃってくださいねー」

どろり、と濁った眼。浮かべた笑いは虚ろ。なんとも厄い長身の青年に三尖刀を預ける。
その所作には一分の隙もなく。あ、これ普通に達人や。しかも濡れ仕事系や。
ここは七乃を信じるとしよう。信じるよ?信じていいよね?信じるからな?信じたぞ?

……流琉くらいは俺に付いていてもらうべきだったかしらん。むしろ星か?いやいや、ここは美羽様ファーストでいかないといけない。

そして通された室は薄暗く。椅子に腰かけた壮年の男が一人いるきりであった。
手元を確認する。両手の指が……六本。つまりそれは異形の身。そして数多くの内外の政敵を誅滅した希代の暗殺者。
匈奴の侵略を受け、ボロボロだった袁家の不穏分子を鏖(みなごろし)にして、その功をもって張家を継いだ生粋の処刑人。
袁家の闇を体現するその異形は「六本指」、或いは「六」とだけ呼ばれている。つまり袁家の中でもトップクラスに「やべーやつ」である。
や、俺も間近で見たのは今日が初めてだしな。式典の時に幾度か遠目に見たことがあるだけだ。
間違ってもお近づきになりたくない人物である。
そして。できれば一生近づきたくなかったのだけれどもね。あーあ、出会っちまったか。
逃げたい。

「やあ、初めまして、というべきなのかな?」

張郃が濁った眼、というのであればこいつの目つきを何と言えばいいのかね。なんかこう、深淵を覗きこんでいるような錯覚すら覚えてしまう。

「もっとも、互いに噂くらいは知っていると思うがね」

まあ、俺の情報なんて筒抜けもいいとこだよね。誰から漏れてるとかは言わぬが華さ。
七乃と張郃が左右に控える図は、こう。どす黒い一幅の絵のように不気味で、正視に堪えない。

「挨拶、という割には偉そうだな?
 俺の記憶が確かなら、あんたはもう引退したはずだが」

何がおかしいのか、クク、と笑いをこぼす。

「いや、失礼。ああ、見事な正論だな。だが無意味でもある。
 確かに現在の張家当主は我が娘ではあるな。そう、私の忠実な人形である、ね」

愉快そうに嘲笑う。
その後ろに控える七乃は愉快そうな笑みを崩さない。張り付いたような笑みを崩さない。

「で、結局俺に何の用なわけ?さっさと美羽様のとこに行きたいんだが」
「いや、その必要はないとも」

ニヤリとした笑みが深まり、視線が室を睥睨する。
その視線につられて見ると、髑髏の仮面を身に着けた奴らが……五人!穏行か!室を同じくしながら気づかんとは!
視線を戻すまでもなく、室に殺気が充満する。幾条もの視線が死線となり俺を補足する。
脂汗が額を、頬を、背中を伝う。

103 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/07/17(火) 23:01:39.12 ID:skZTwoWa0
「なに、楽に逝きたいか、苦しんで逝きたいかくらいは選ばせてやろうかと、な」

実に愉快そうにどこからともなく取り出した杯に液体を注いでいく。

「飲むか、あがくかしたまえ。
 飲めば一瞬で楽になれるぞ?私としては是非に足掻いてほしいものだがね」

そろり、と重心を落とし、機を窺う。三尖刀の気配を窺い、補足。よし。
じわり、と髑髏どもが動き、俺を囲もうとする。つ、流石に隙がないな。
濃密な殺気の中、いつ壊れてもおかしくない膠着が続く。

「実にいい表情だね?」

そうかい。そりゃよかったよ。
その余裕綽々な態度にこっちゃワンチャン狙うしかないんだぜ。
控えめに言って絶体絶命である。いやマジで。

「では、娘よ。お前が命じるのだ、張家当主としてな」

す、と手が上げられると同時に七乃の表情が消え、歪んだ口元は三日月。

「はい、そうですね。じゃあ、張郃君、ちゃっちゃとやっちゃってくださいな」
「了解した、姉上……。
いやさ、ご当主」

音もなく、滑るようなその動きはまさに練達の極み。
外しようもない一撃は胸を貫き、鮮血が飛び散る。

「な!
がっ……!」

吐血。
ここにきて、愉悦した笑みは消えて苦痛に歪む。
口を開いて何か言おうとしたのだが。

「えい」

続けざまに七乃が繰り出した一撃がその喉を貫いた。見事な刺突。迷いなぞない。

「はいはーい、何か言いたいことあったみたいですけど、正直興味ないですからさっさと死んでくださいね。
 よいしょっと」

引き抜いた短刀を脳天に突き刺す。もはや飛び散る鮮血で七乃も張郃も真っ赤である。
そんなでもにこやかな笑みを崩さない七乃と目が合う。

「二郎さん、ご協力感謝です。
 これで名実ともに私が張家を掌握できることになりましたー」

鮮血を拭うこともせず、けらけらと笑う七乃。
うん、凄みがすごい。

「あ、そうだ。
それ、さっさと片付けてくださいねー。張郃君は後始末、よろしく」
「は、承知いたしました」

音もなくその場から掻き消える張郃。すげえ。

「じゃ、二郎さんは先に美羽様の所へ行ってくださいな。流石にこの恰好じゃちょっと顔出せないですし」

恰好の問題じゃない気がするんだが。
いや、気づいたら全身が冷や汗と脂汗でえらいことですよ。
104 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/07/17(火) 23:04:05.42 ID:skZTwoWa0
本日ここまですー
感想とかくだしあー

いやあ、勝利の鍵は七乃さんでしたね!
大体ここでゲームオーバーになるんだよなあ……

タイトル案

「張家、乱れる」

いまいちだあ
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/18(水) 00:24:07.89 ID:r4P1BLiP0
乙〜
ななのさんきれいさんだいかつやく!
何故か旧SRWを思い出してしまいましたww

タイトルはここは敢えて「よはなべてこともなし」で
ひらがなオンリーがミソww
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/18(水) 07:17:42.37 ID:hCKVXtL+o
ここ好き
もはやあっさりとした父の死に様が、七乃さんの強さと異常さを引き立てる
七乃さんマジキーカード

タイトル案
「親喰みの蜘蛛」
107 :赤ペン [sage saga]:2018/07/18(水) 14:56:56.91 ID:bG2vHsmo0
乙でしたー
>>101
>>ぷにぷにと美羽様のほっぺをいじったり、引っ張ったり 意味は通じますが【いじる】の中に【引っ張る】が含まれてる気がするので
○ぷにぷにと美羽様のほっぺをつまんだり、引っ張ったり もしくは【つついたり】とかの方がいいかな?或いは【ぷにぷにと美羽様のほっぺをいじって】とか?
>>どうも起きるか起きないくらいのぎりぎりのラインを ちょっと違和感が…【この場合起きるか起きないか】?でもそれだと起きるかもしれないから
○どうもぎりぎり起きないくらいのラインを      七乃は起きないと確信してるのでこんな感じでどうでしょう
>>102
>>なんとも厄い長身の青年に三尖刀を預ける。  はて?宝貝って才能が無い人が持つと滅茶苦茶疲れて昏倒したような…まあこの世界では大丈夫か鞘にでも入れてたとみるべきか
>>しかも濡れ仕事系や。 脱獄大作戦?これって何が何で濡れるって意味なんだろうなあ
○しかも汚れ仕事系や。 一応一般的に言うと多分彼の仕事ってこれ系かな?
>>103
>>いつ壊れてもおかしくない膠着が続く。  ちょっと自信が無いですが《膠着状態》はお互いに隙をうかがったりして所謂拮抗した状態に近いと思うんですよ(まあ一方が圧倒してるけど出血を抑えるためにより完璧な勝利をしようとする状態とかもありますが)
○いつ崩れてもおかしくない膠着が続く。  もしくは【いつ傾いてもおかしくない】とか?イメージとしては長方形《□》でこれが平行四辺形に形を変える…図形描けねえ。
□□□     □□□
□□□      □□□
膠着これが   崩れる、傾くこうなる感じかと
>>音もなくその場から掻き消える張郃         カッコいいけどこの後雑巾とかの掃除用具を取りに向かうんだよなあ…いっそのこと
○ひょい、と担ぐと何でもないかの様に室を出ていった この後始末を完遂するまでは張郃君の姿を誰も見かけないんだろうなあ
個人的な好みの問題なんですがああいう《フッと消える》描写って強キャラ感はあるんですが同時に見せつけてる感もあるんですよね…なんというか力仕事を頼まれてポージング決めて胸筋ぴくぴくさせてる様な
なのでそれまで普通にいたけど要件が済んで目を放した隙にいなくなるのが好みだったり、部屋を出たら、とか角を曲がったら、とかで見えなくなるような
ちなみに普通に考えれば大の男(しかも元張家当主)を抱えてる血まみれの男とか目立つに決まってますが、まあ張郃君ならできるさ

《張家の長の真の継承》…違うか《凡人、蜘蛛の家の代替わりを見届ける》、《張家、頭を切り替えて心機一転する》って感じかな?
この来た、見た、勝った。感…やはり戦いはその仕込で8割決まるんやなって(なお二郎君は知らない)
しかし本当、いったいどれだけの爆弾が彼女によって解体されたのやら
108 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/07/18(水) 21:50:56.64 ID:XbBRVn0v0
>>105
>何故か旧SRWを思い出してしまいましたw
スーパーロボ!
6さんはユーゼス感もありおりはべりいまそかりな方です

>タイトルはここは敢えて「よはなべてこともなし」で
絡新婦の理:よはなべてこともなし
ありですね

>>106
>ここ好き
嬉しい……。シンプルだけど嬉しいです

>もはやあっさりとした父の死に様が、七乃さんの強さと異常さを引き立てる
こってり脂マシマシも書いてみたのですが、コレジャナイ感で没
鮎の煮干しをベースとした上品な味付けです

>七乃さんマジキーカード
この固定イベントで七乃さんと美羽様の好感度が足りず、例のイベントが発生しなかったら死ぞ

>「親喰みの蜘蛛」
タイトルからネタバレがひどいw
いや、言葉のセンスはいいんだけど、タイトルはなろうで使うから難しいのよね

>>107
赤ペン先生いつもありがとうございますー

> はて?宝貝って才能が無い人が持つと滅茶苦茶疲れて昏倒したような…まあこの世界では大丈夫か鞘にでも入れてたとみるべきか
ふむ、と思いましたが多分妲己ちゃんが同化した世界だから資質に差はあれど的な
だから多分能力に+効果あるアイテムの数々も広義の宝貝だったりするのかなとか思ったりそういうことにしようと今決めました

>脱獄大作戦?これって何が何で濡れるって意味なんだろうなあ
濡れ仕事(ウェットワーク)。暗殺系の仕事のことです。KGBが使う隠語が語源。この言葉を初めて知ったのはパタリロ!だったりします

>個人的な好みの問題なんですがああいう《フッと消える》描写って強キャラ感はあるんですが同時に見せつけてる感もあるんですよね…なんというか力仕事を頼まれてポージング決めて胸筋ぴくぴくさせてる様な
爆笑w

>ちなみに普通に考えれば大の男(しかも元張家当主)を抱えてる血まみれの男とか目立つに決まってますが
それでも張郃なら、張郃ならやってくれる……(無責任)

>この来た、見た、勝った。感…やはり戦いはその仕込で8割決まるんやなって(なお二郎君は知らない)
割と徹頭徹尾蚊帳の外。これは間違いなく凡人(隙あらば凡人アピール)

>しかし本当、いったいどれだけの爆弾が彼女によって解体されたのやら
正直二郎ちゃんはもっと七乃さんに感謝するべきだと思います、とメタってしまうくらいですw
109 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/07/19(木) 21:50:51.85 ID:M4uTFnn/0
ふぁさり、と張勲は身に着けていた衣服を脱ぎ捨てる。
惜しげもなく晒した肢体は引き締まりながらも女性らしい曲線を描いている。
熟れる直前、といった風情の肢体にこびりつき、乾きはじめた赤黒い塊を侍女が丁寧に拭っていく。

ふう、と脱力しながら侍女の差し出す衣装に手早く身を包んでいく。
たっぷりと香が焚き染められた衣服は消せない血の香りを吸って、より蠱惑的に漂う。

結果として満足のいく流れではあったが、何もかも思い通りにいったわけではない。
あれで薄氷を歩むようにして掴んだ僥倖──ただし限りなく必然に近づけたという自負はあるが──であったのだ。
細心の注意を払ってはいたが、あの父親が相手である。いつ破綻してもおかしくはなかった。
紀霊に計画の詳細どころか、流れすら教えなかったのも彼の言動から不審を抱かせないため。
辛うじて自分を信じて――これも賭けではあった――くれてはいたが、少しでもこちらに疑いを抱かれたり、生存のために足掻かれたら計画は瓦解したかもしれない。
室に五人もの刺客を配したのもそう。室を殺気で満たすためである。
殺気の流れを気取られぬようにするためであったのだ。なにせ希代の暗殺者。袁家の闇を一身に背負った化け物であるからして。
室に配した五人。彼らは張家でも選りすぐりではあったのだが、それでも紀霊が本気になれば突破されたろう。
何せ、三尖刀だ。
かの神器は例え身から離れていてもその効果を顕現することが可能。
なればあの五人に自分と張郃が参戦しても、離脱だけならば可能であったろう。
……変なところで鈍いところのある彼がそこまで察していたかは微妙ではあるが。

浮かべた笑みが幾分か苦いものを含むのを自覚しながら室を辞し、歩みを進める。
音もなく随行する張合もまた身なりを整えており、張勲は軽く頷く。

「首尾はどうですか?」
「は、手筈通りに」

にこり、と口を笑みの形に歪めて張勲は目的地たる広間に到着する。
配下の髑髏兵が無言で扉を開け放つ。

彼女の姿を認め、愛らしい主が駆け寄ってくる。

「七乃、七乃、一体どうなっておるのじゃ?
 妾が来たときにはもう、皆このようになっておっての。
どうしたらいいか分からんかったのじゃ。
 なあ、どうなっておるのじゃ?」

愛しげに眼を細め、最愛の主を抱え上げる。

「はいはい、どうしました?
 七乃がおりますから、何も心配することはありませんよ?」

弧を描く口元に何かを感じ取ったか趙雲が向ける視線を鋭くする。少しでも腕の中の袁術に害意を向ければ、引き絞られた弓から放たれた矢のごとく張勲を襲うであろう。
趙雲と背中合わせにする典韋は周りの髑髏兵に敵意を隠さない。常の彼女からほど遠いその表情、気迫。張勲は感嘆する。これに伍するには手札では張郃。それでも正面からでは危ういかもしれない、と。

視線のみの誰何。それをより一層強める趙雲の前にずい、と張郃が歩を進め視線を遮る。
大胆な一歩――そこは既に趙雲の間合いである――を踏み出した彼の表情からは何も読み取ることはできない。
一触即発。

張りつめた空気を弛緩させたのはこの場への闖入者の間抜けな声であった。

「なにこれどうなってんの?」

110 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/07/19(木) 21:51:23.60 ID:M4uTFnn/0
◆◆◆

目の前の光景に絶賛混乱の二郎です。

よし、落ち着け俺。時系列から思い出そう。

惨劇の現場から案内されたのは小部屋。そこで衣服に香を焚いてもらった。
確かにまあ、血の匂いがこびりついてたしね。ついでに茶を一服。美味しかったです。

んで、ずいぶん遠回りするなあとか思いながら広間に到着したら、星と流琉が戦闘態勢で髑髏兵に向き合っていました。
美羽様は七乃の腕の中で、星がそれに鋭い視線を向け、張郃がそれに応じる。
何事もないかのように流れる優雅な楽曲がいっそ不気味だ。むしろホラーだ。
んで視線をあちらに向けると……許攸は手足をふん縛られて広間の中央に転がっており、袁胤様はおかしげにその傍らでこっちを見ている。

「ほ、ほ。中々に面白い趣向でおじゃった。誉めて遣わすぞ」
「お楽しみいただけたようでなによりですー」

にこやかに七乃が応じる。

「さても、まさかにの。ようも謀ってくれたでおじゃるな」

ほ、ほ、と雅に笑う袁胤様の態度こそいっそご立派である。
いや、流石に袁家の重鎮である。

「この!売女!最初からこういうつもりやったんか!
 今に見とれよ!ほえ面かかしたるよってな!」

七乃に罵詈雑言を浴びせる許攸とは対照的である。
その様子を見て星が緊張を解く。

「主よ、どういうことなのかな?」
「や、俺だってよく知らねえよ」

肩をすくめて七乃を見る。美羽様も混乱しているようだ。

「あらら、二郎さんはともかく趙雲さんはお察しかと思ったんですけどね」

美羽様を俺に渡してぽん、と張郃の肩を叩き構えを解かせる。
それを合図に髑髏兵も緊張を緩める。

「じろう……?」

不安げに見上げてくる美羽様の頭を軽く撫でて安心させる。
よし、事態を整理しよう。んで流琉、構え解いていいからね。
俺の声にそれでもじり、と油断なく星と反対側に控えて周囲を警戒する。

「はい、事態を整理します。袁胤様他が美羽様拉致しようとしました。
 七乃は裏切ったふりして、その計画潰しました。
 星と流琉と美羽様に情報行ってなかったのは情報の秘匿或いは連絡の不手際、以上!」

111 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/07/19(木) 21:52:03.54 ID:M4uTFnn/0
色々ばっさりいったがまあだいたいこんな感じじゃないかな。
そして俺の雑な推論の答え合わせは意外な人物が果たす。

「ほ、ほ。簡にして単。ようも簡略化しおったの。美羽よ、そやつの言う通りじゃ。
 粗いが、まあその理解でよかろうよ」

さいですか。よかったよかった。

「して紀霊よ、麻呂たちをどうするつもりかな?
 まさかに、この身を誅することはないでおじゃろう?」

ほ、ほ、と笑みを浮かべるその優雅さは袁家の在り方を体現されている。流石、袁家の反主流派をまとめていたのも納得の大物感である。
いや、実際大物なんだけどね。

「ええまあ、そうですね。まとめて蟄居もしくは幽閉ってとこでどうでしょ」

俺の答えに満足げに頷く。

「あらら、二郎さん、いいんですか?相手は二郎さんを排除しようとしてたんですけどー」

七乃、お前分かってるくせに……。

「処断するのは容易いけどね。それじゃ、ことが大きくなりすぎる。
 既に謀反の使嗾の責は……。張家の先代が自刃している。これでよかろう。未然に防げたからこれ以上の血は流さん方がいいだろうよ」
「ああ、そうでした。お父様、見事な最後でしたねー」

その声に許攸が青ざめる。事態の深刻さをご理解いただいたであろうか。ここで求められるのは更なる粛正ではなく、軟着陸。その落としどころ。
ほいで、ことが大きくなれば次の贄はお前になるのだぜ?

「ふむ、そうであったか。あ奴は果てたか。ならば致し方あるまい。なに、麻呂とて武家よ。引き際は心得ておじゃるよ……」 

臥薪嘗胆なにするものぞ、とばかりに堂々と歩み去っていく。その所作は見事。かつて袁家きっての武闘派としてならした剛剣の使い手。その風聞は嘘ではなかったのだと確信にいたるものであった。
まあ、あの方だって間違っているわけじゃあない。俺と道筋が違っていただけだ。
なにせこれから乱世ですから。

「じろう……?」

不安げな美羽様をきゅ、と抱きしめてやる。
ご安心ください。誤魔化したりしません。いずれすべてご説明しますとも。
今はただ、俺にお任せください。こっからが正念場ですから。
責任者が根こそぎいなくなった如南の政治、南皮への報告、やることはいっぱいある。
それでも今は、流れた血が最低限で済んだことをよしとしよう。
112 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/07/19(木) 21:59:22.40 ID:M4uTFnn/0
本日ここまですー

感想とかくだしあー

タイトル案ぼしうです!

そして気付いたのですが、後数話でキリがいい。
このまま黄天編に入るよりいいかなと思いました。
この拠点フェイズは何編がいいのかな?

こちらについてもお知恵拝借したく存じます。
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/20(金) 05:39:52.88 ID:q6iK5a1wo
乙したー
やはり七乃さんは敵に回してはいけない(再確認

キリの良いところまで書いて良いのではないでしょうかー?
114 :赤ペン [sage saga]:2018/07/20(金) 17:52:31.03 ID:2kWLiG6T0
乙でしたー
>>109
>>あれで薄氷を歩むようにして掴んだ僥倖  混ざった感じですね+これって類似としては【虎穴に入る】ではなく【虎の尾を踏む】が近いんですよ。要は《あえて》その状況にしたんじゃなくて《仕方なく》その状況になるしかなかった、的な
○あれで氷を歩むようにしながら掴んだ僥倖 もしくは【薄氷を踏むが如しで、何とか掴んだ僥倖】とか?でも後の話とかからするとあえてこの状況に持って行った感もありますので
○あれはまさに九死に一生を得た僥倖    もしくは【まさに虎穴に入りて虎児を得た僥倖】とかどうでしょう
>>音もなく随行する張合もまた まあ読みやすいし書きやすいよね
○音もなく随行する張郃もまた イチイチ【張合β】とか書くのもバカらしいしなあ
>>愛しげに眼を細め、 なんで?と聞かれるとそういう物だから、としか返せませんが
○愛しげに目を細め、 【目に付く】とは言うけど【眼につく】とは言わないし【目を引く】も【眼を引く】とは言わないので…強いて言えば物理的な場合なら【眼】を使えると覚えれば良いかな?《砂埃が酷いので眼を細める》とか
>>趙雲が向ける視線を鋭くする。少しでも腕の中の袁術に害意を向ければ、  この部分だけ読むと趙雲の腕の中に袁術がいるっぽく読めるので
○趙雲から受ける視線が鋭くなる。少しでも腕の中の袁術に害意を向ければ、 こんな感じでどうでしょう、逆に趙雲を主軸にすると他の場所も書き換えなきゃなので割愛します
>>110
>>七乃は裏切ったふりして、その計画潰しました。 意味は通じるのでこのままでもいいのですが
○七乃は乗ったふりして、その計画潰しました。  直前で>>袁胤様他が〜と言ってるので続きとして、(それに)七乃は〜と言う方がスムーズな気がします
>>111
>>あ奴は果てたか。 ここはひらがなか漢字か統一した方がいいかな
○彼奴は果てたか。 もしくは【あやつ】とした方がいいと思います

《凡人、収集を付ける》とか?《青銅、一度舞台を降りる》・・・麗羽様は黄金、美羽ちゃんは白銀のイメージで続くと彼は青銅かなあ?
《老獪、一杯食わされる》・・・この麻呂胤様は2〜3杯食わされても消化して立て直しそうな凄味がある

下手すると乗り越えるべき敵と言う意味ではこの人が一番ではなかろうか・・・十常待とかは倒す相手だけど
道筋が同じならすごい心強い味方なんだろうけど立脚点の問題だからなあ
115 :俯瞰者 ◆e/6HR7WSTU [sage saga]:2018/07/20(金) 21:06:55.48 ID:+iNJuFRk0
乙です。お暑う御座います。

まずは張家の先代さんに、
「貴様は貝木(偽物語で出てくる詐欺師)か」
一応補足しておきますと、何事につけても「金を払え」が口癖。ただ方向性は違うが話の持って行き方がよく似ているというかなんというか。
シロサギ(素人相手の詐欺師)ぽいですが。

今回の話で張勲さんの頑張りを初めて見ました。というか、現状の張勲さんでもネコミミ(メンヘラちゃん状態)に余裕で勝てそうな。
娘同然の袁術ちゃんを守る為ならここまでやれるかぁ。
ただね、髑髏兵っておい、先代はネクロマンサーだったのか?それはそれで怖凄いですが。と思ったら張勲さんの配下、しかも人間っぽいw

袁胤さん表舞台からは退場かな?かな?かな?
>かつて袁家きっての武闘派としてならした剛剣の使い手。
ほほう!ほほう!ほほう!
是非とも某親方と一手手合わせなど、いかがでございましょうか(しつこい)
つか袁術ちゃんの先生的な立場で取り込むのもアリだと思いますがね。まさか田豊さんに如南駐留を命令するわけにもいかないだろうし。
代替わりした張家が常時見張っているだろうし、下手なことは刷り込めないでしょ?

タイトル案
「新時代への争闘:勝者、絡新婦」
「いぶし銀去りて白銀輝く」
袁胤さんは月並みですがいぶし銀という表現がよく似合うかと。武人という点を強調するなら、
「白銀の降臨、黒金の退場」
張家の交代劇では、
「紅(朱でも)の交代劇」
というのも浮かびました。

最後に、今回見事に文章トリックに引っ掛かりましたw二郎さん死んだかと思ったw
116 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/07/20(金) 22:10:10.81 ID:FYCPRCMC0
>>113
どもです

>やはり七乃さんは敵に回してはいけない(再確認
公式が認めた最強キャラですからね!
本気になったら、ですけど凡将伝の七乃さんは本気で頑張ってるから隙はなかった

>キリの良いところまで書いて良いのではないでしょうかー?
夏休みだし、いったんあっちに投稿することにします
データベースも更新しなきゃなあ。あれ面倒くさいんだよなあ

>>114
赤ペン先生いつもありがとうございますー

>もしくは【薄氷を踏むが如しで、何とか掴んだ僥倖】
こっちかなと思いました
あえて、というかそこしかないというか。六さんも割と強敵です

>下手すると乗り越えるべき敵と言う意味ではこの人が一番ではなかろうか・・・十常待とかは倒す相手だけど
なんとなく、全盛期の小沢一郎さん(個人の感想です)
小渕さんには長生きしてもらいたかったし、谷垣さんなにしてんの貴方とか

>道筋が同じならすごい心強い味方なんだろうけど立脚点の問題だからなあ
道を違えるしかないのです
なにせこれから乱世ですから

>>115
どもです。出歩くのに冷水ないと死ぬなという感じですね。

>「貴様は貝木(偽物語で出てくる詐欺師)か」
貝木さん、大好きです。
アニメでの「イエスだ」最高に心が震えます。
クールなようで熱血で心が折れても前に進んでる彼はほんと大好きです。
張家先代は彼のように熱くない、身内殺しの、モデルはネウロの6です

>今回の話で張勲さんの頑張りを初めて見ました。
そういえば、七乃さんの具体的な頑張りって描写してなかったですね。
七乃さんは公式で最強キャラですから、滅多なことでは水面下の足運びとか見せてくれません。

>現状の張勲さんでもネコミミ(メンヘラちゃん状態)に余裕で勝てそうな。
余裕かもしれませんが、七乃さんは争うシチュエーションを生まないように調整します

>ただね、髑髏兵っておい、先代はネクロマンサーだったのか?それはそれで怖凄いですが。と思ったら張勲さんの配下、しかも人間っぽいw
髑髏の仮面兵、ということでした。どっかで説明した気になってたか?イメージはfateの暗殺者です。

>袁胤さん表舞台からは退場かな?かな?かな?
しばらくはおとなしくしてるでしょうから、好きにお使いくださいませw
出番はあるのでコロコロしちゃ駄目ですよ

>是非とも某親方と一手手合わせなど、いかがでございましょうか(しつこい)
お互いに丸くなったなあと言いながら殴りあいとかいいかもですねw

>つか袁術ちゃんの先生的な立場で取り込むのもアリだと思いますがね。まさか田豊さんに如南駐留を命令するわけにもいかないだろうし。
先生できそうな親方はどっかいったからなーどっかいったからなー
まあ、美羽様の統治については後日ですな

>最後に、今回見事に文章トリックに引っ掛かりましたw二郎さん死んだかと思ったw
(無言のガッツポーズ!)


117 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/07/23(月) 21:46:42.91 ID:mqaG1ggk0
南皮。
袁家の拠点にして漢朝の版図の中でも屈指の繁栄を誇る都市である。その防備はまさに金城鉄壁。そしてその繁栄を象徴する不夜城。
その中枢では袁家の首脳が深刻な顔をして膝を突き合わせていた。

「ふむ、ふむ!
 あの男が仕組んだ大乱。それを最小限の被害ですませたか」

わはは!と大笑するのは田豊。引退した身ではあるが袁家の行く末を占う場面では助言を求められることも多い。

「儂の弟子だけのことはあるわ!」

その声にぴきり、と表情を凍らせた麗人が口を開く。

「そうだな。私が育てただけのことはあるな」

玲瓏たる声の主は麹義。
袁家の軍部を束ねる存在であり、かの匈奴大戦の英雄の一人でもある。
彼女の武威あればこそ、混乱期の袁家はその統制を保ったということを否定する者はいない。
田豊と麹義は互いにぎろり、と睨み合う。室の空気は今や固体と化し、同室者は息苦しさすら感じる。

「さて、張家からは現当主たる張勲がこの混乱の責を担い隠居するとの書状が届けられています。
 後任は張郃を推すとのことですが、さて。どうしたものでしょう」

重苦しい空気を気にすることもなく言葉を挟むのは沮授。
現在袁家の文官を束ねる秀才である。田豊からその座を譲り受けたが、目立った瑕疵もなく無難にその責を果たしている。

「論外だな。どうせ美羽様の側仕えの女官にでも潜り込む算段だろう。
 結局張家の影響力が伸張するだけだろうが」

麹義が吐き捨てる。その言を受け田豊は補足する。

「うむ。張勲の隠居は認めん。その才覚をもって袁家に仕えるべし。
 じゃが、いささか小細工が目立つのう……」

田豊の不満げな言葉。そこに麹義が釘を刺す。

「それを二郎に御させるということだったろうが。
 大体貴様は弟子に甘すぎるのだ。もう少し任せてみるがよかろう」
「なにおう!この目が黒いうちは奸物の割拠を許すものではないわ!」
「いいから黙れ。貴様はとっとと隠居したのだろうが。立場を弁えろ。今の貴様は老害そのものになろうとしているぞ」

む、と口ごもる田豊を好機としたか沮授は懸案事項を口に出す。

「では、二郎君の沙汰についてはどうしましょうか。
 今回はかなり独走気味ではありましたが」

袁胤の蟄居並びに張家前当主の自害。もっと穏便にことを動かせなかったのか、という批判はある程度湧いてくるだろう。

「この馬鹿弟子が!賢しげな口をきくな!」

轟雷のごとき一括が場を支配する。

「ふん、不本意ながらそこの老骨に同意だな。功に報いるのに罰をもってあたるなど、鼎の軽重以前の問題だ。
 信賞必罰。ならば二郎には相応しい賞を与えねばなるまい」
「さて、紀家当主たる二郎君に賞を与えるとなれば、色々調整が難しいのではないですか?」

田豊の激発、麹義の圧力を涼やかに流して沮授はにこやかに懸念を呈する。

「既に紀家の当主たる二郎君です。さて、どう報いたらいいのやら……」

「賢しいぞ、沮授」

麹義の刺すような言葉にも動ずることなく苦笑する。

「いえ、僕が賢しいのであればとうに二郎君に報いるに値するべく、動いていますよ。
 ですが、流石に此度の功に対してはですね、こう、どう報いていいやら……」

やれやれ、困ったものです、と。
ぬけぬけと言うその態度。さしもの麹義も苦笑するしかない。

118 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/07/23(月) 21:47:09.66 ID:mqaG1ggk0
「分かった分かった。この場にいる面子は異存ないな?
 文家はどうだ」

これまで沈黙を保っていた文家当主。袁家に仕える武家筆頭たる文醜に主導権は移る。

「あー。アタイには正直アンタらの能書きとかがどうだかよくわかんねーよ。
 だが、アタイもこれくらいは分かる。アンタらは答えの出ないようなことをぐちゃぐちゃこねくり回しているってな。
 あんたらが決断できないならアタイが決を下すのがお役目ってもんだろう。
 文家は武家筆頭。
 それが相応しいかどうかは知らないさ。アタイたちと無関係だからな。
 だからアンタたちがごちゃごちゃ言ってるのはどうでもいい。
 文家の総意を。併せて顔家総意をもって稟議を呈するぞ。
 袁家配下武家四家。その筆頭。紀家をその座に推薦する。
 文句あるかい?」

しん、と室は静まりかえる。
まさか、政治的な動きなど見せなかった文家と顔家が動くなど。しかもその権勢を増加させるためではないなど!

「本気、か?」

正気か、という問いを押さえて田豊は目の前の少女に問いかける。

「ああ。文家(アタイ)は紀家(アニキ)の指揮の下、袁家に忠誠を誓うさ。戦働きで我ら文家の忠誠は示すよ。
 は、もともと武家筆頭とか性に合ってなかったんだよ。
 余計なことを背負うから余計な損害がある!我ら文家、戦場の誉(ほまれ)こそ本望さ!」

文醜の気炎に麹義は目を細め、それでも問う。

「ふむ、その心意気やよし。が、その地位を惜しむ者もいるんじゃあないかい?」
「いない!」

即答。
さしもの麹義が目を白黒させる。それほどに惑いのない即答であった。

「アタイ達は武で袁家に、漢朝に仕えている!ならば類(たぐ)い希(まれ)なる将器に従うことに何の異存あろうか!
 アニキの将才にあればアタイたちを十全に使いこなすだろうとも。
 反論異論承ろう。論でなく武でもって!」

異論あれば武で挑めと言い放つのだ。匈奴大戦の英雄たる田豊と麹義に向かって。
その気迫まさに裂帛。両名をして黙り込むほどであり。

そして。

叛を未然に防いだ功をもって紀霊は袁家の軍権を担うことになる。
重ねて、麹義の担っていた責を受けることになる。
そして紀家は四家のうち、武家筆頭となる。

四家の序列が変動するのはかつてないことであった。

◆◆◆
119 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/07/23(月) 21:48:50.55 ID:mqaG1ggk0

「ふう……」

道程は山岳、森林。到達したその地は湖畔で、苦い記憶が甦りそうになる。そんな惑いを振り切り、俺は目的たる人物を認めて。

「待たせちゃった、かな?」
「ああ。待ったよ。本当に待った。どうせいつものように道草を食ってきたのでしょう?」

背を向けたままの麗人──ねえちゃん──は冷ややかに。いつものように、愛情を込めて。

「うん。でも、無駄じゃなかったと思う。
 無駄じゃあなかった。いや、俺なりに一生懸命に最善を尽くしたと思う。
 でも、ねーちゃんを待たせたのは本当だ。そこは、ごめん」

ふ、と振り返ったねーちゃんはいつになく柔らかな表情で。ああ、この人はこんなにも美人なのだなあと再認識する。

「頑張ったの?」
「うん、頑張った」

俺なりに頑張った。それはねーちゃんに誇っていい。ねーちゃんに褒めてほしい。
俺は俺なりに本当に頑張ったと言える。胸を張れる。

「じゃあ、任せるわよ?」

その言葉の重みに気づかない俺じゃあない。袁家の軍権を一身に担ってきたねーちゃんの言葉だ。
でも、ねーちゃんがそれを俺に任せると言ってくれたんだ。

「うん。任された」

いつも。いつも張りつめた表情だったねーちゃんが頬を緩ませる。
俺の覚悟一つで、一言でその表情をねーちゃんに浮かばせたならば、とても嬉しい。

「ふふ、いい顔するようになったわね。
 うん。いい男になったわね」

ぼうや、と。

いつか、いつからだったか。いつまでだったか。
俺を慈しんでくれた言葉で、そんなことを言ってくれる。
あのときの優しい笑みで。俺の双眸に熱い滾りがこみ上げる。

「ねえちゃん。ごめん。ごめん!」

本当に回り道をした。待たせてしまった。
こんなにも待っていてくれたのに、この手弱女にどれだけの負担をかけたのだろう。今更ながらそれが申し訳ない。

「ふふ。二郎はいい子ね。そしていい男になったわ。
 だから、頼んだわよ」

ねーちゃんが纏っていた外套。袁家の軍権を背負うそれが俺の肩に。
思いのほか軽く、そして、重い。

◆◆◆

余人なき湖畔。
森の陰から虫の声が響く。鳥の声が夜明けを予感させる。
夜天の月は細い上弦。明けの明星が俺を照らす。

これから紀家の旗。それは金糸と銀糸で彩られるのだ。袁家の軍権の象徴として。
黒字に銀糸の紀。飾る縁取りは黄金。

袁家の威を背負うということを、その重さを再認識する。既に俺は俺一人の身ではないのだな、と。

ぎり、と歯を食いしばり、咆哮するのだ。慟哭するのだ。決別するのだ。
そして覚悟を新たにするのだ。

人智の限りを尽くそう。大した知恵じゃあないが。
滅亡が前提の我が袁家。
そうはさせんよ。やらせはせん、やらせはせんとも。

そう言う俺は凡人そのもの。だが。
凡人を、舐めるなよ?

まだ見ぬ敵に盛大に気炎を向け、俺は誓う。
世界とかどうでもいい。
俺は、俺を受け入れてくれて、俺を愛してくれたこの世界、いやさ袁家のために。
頑張るんだ。

もはや逃げるつもりはない。立ち向かう。
立ち向かうのだ。
120 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/07/23(月) 21:50:44.49 ID:mqaG1ggk0
本日ここまですー
感想とかくだしあー

キリがいいのでここまでであっちに投稿しようかなと思ってます

続きもがんがんいきますけどね!
疑問ご質問にもがんがんいきますけどね!

心のガソリン。ありがとうございますー!
121 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/07/23(月) 21:51:10.35 ID:mqaG1ggk0
タイトル案、ここ思いつかないので、オナシャス
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/23(月) 23:21:21.36 ID:FIJ/1Eldo
乙です
この場面の文醜ちゃんがほんと良い、脳筋キャラの理想系がここにある感じ
普段はどうあれ、こういうとこでビシッと決める辺り、やはり当主としての器が見えて惚れてまうやろー状態


タイトル案
「峻険なる責、されど凡人は歩を止めざりて」
「峻嶺なる責、されど凡人よ歩を止めるべからず」
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/24(火) 01:59:31.03 ID:O0cKv9pdo
乙したー
やっぱねーちゃんのママ味は深い

そう言えば二郎の実の母親ってどんな方なのだろう・・・
124 :赤ペン [sage saga]:2018/07/24(火) 14:13:06.01 ID:IFdGzaOU0
乙でしたー
>>117
>>轟雷のごとき一括が場を支配する。 そういえば遊戯王にもそんな名前のカードがあったな
○轟雷のごとき一喝が場を支配する。 喝破したのでこちらですね
>>二郎君に報いるに値するべく、動いていますよ。      【報いるに値する】は前後を付けると【功労に報いるに値する褒賞】と言う感じでしょうか?なんか違和感があるので
○二郎君の労に値するだけの功を得るべく、動いていますよ。  もしくは【二郎君に報いるべく、動いていますよ。】ただこっちだと今まで祖授が二郎に感じた恩義に報いるっぽく聞こえるんですよね
>>118
>>さしもの麹義が目を白黒させる。 これは《あんなに強い人が【・】負けた》だと負けた人を下げる感じですが【も】にすることで相対的に強い人を負かした人を上げる感じですね
○さしもの麹義も目を白黒させる。 【流石の○○】と同じような意味ですが《あんなに強い人でも【・】負けてしまう、あんなに頭の良い人でも【・】騙される》みたいに使うのでこちらの方がいいかな?と
>>ならば類(たぐ)い希(まれ)なる将器 ぶっちゃけこれで良い気もするんですが
○ならば類(たぐ)い稀(まれ)なる将器 【類い稀】って書くんですよ、間違いって程でもない気もしますが
>>麹義の担っていた責を受けることになる。   なんとなく二郎ちゃんが怒られているような印象がw【叱責を受ける】っぽいからかな
○麹義の担っていた責を受け持つことになる。  それとも【責を受け継ぐ】?もしくは【麹義の果たしていた責を担うことになる。 】とかどうでしょう
>>119
>>人智の限りを尽くそう。大した知恵じゃあないが。  【人智】と言うのは例えば《人智の及ばぬ天災》とかで使うように一人のモノではなく、いわば《皆で知恵を出し合った結果》みたいなモノなので
○人智の限りを尽くそう。俺は大した知恵じゃあないが、俺たちならどんな難行でも越えられる。  二郎ちゃんは仲間たちの事は信じてるのでこんな感じかな?と或いは
○力の限りを尽くそう。俺に出来ることはちっぽけかもしれんが、俺たちならどんな困難でも越えられる。  頭脳どころか武力関係も他に頼るスタイルかも

これでねーちゃんは漸くただの一人の人間として動けるようになったわけだ…あっちで幸せになっておくれって感じやね
二郎から見た麹義が厳しくも優しいねーちゃんでもしかしたら淡い初恋とかだったのかもね、まさに近所にいた憧れのおねーさんみたいな
125 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/07/24(火) 21:40:18.19 ID:e5/xny6x0
>>122
>この場面の文醜ちゃんがほんと良い、脳筋キャラの理想系がここにある感じ
ほんといい子なんですよ。出番少ないのはほんとに惜しいくらいのポテンシャル

>>123
>やっぱねーちゃんのママ味は深い
バブ味が凄い
これがダイクンの嫡男なら致命傷であったわ

>そう言えば二郎の実の母親ってどんな方なのだろう・・・
匈奴大戦で戦死したと今決まりました
清楚な美人さんで、麹義のねーちゃんをかわいがっていた

>>124
赤ペン先生いつもありがとうございますー!

>頭脳どころか武力関係も他に頼るスタイルかも
自分で頑張ろうとするとそれは負けフラグくらいに他が圧倒的な世界ですw

>これでねーちゃんは漸くただの一人の人間として動けるようになったわけだ…あっちで幸せになっておくれって感じやね
本当にそうです。

>二郎から見た麹義が厳しくも優しいねーちゃんでもしかしたら淡い初恋とかだったのかもね、まさに近所にいた憧れのおねーさんみたいな
これは本当にそうで、好みのタイプが「キツメの美人さん」というとこでお察しです
ネコミミが尖ってもふわっと受け流せるし、はおーが圧加えてもそこは通った道で
ただし詠ちゃん、君は駄目だ。ど真ん中ストライクだ。

という裏設定w



126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/24(火) 22:17:50.67 ID:tMp/97QoO
二郎母イメージはとーちゃんのAA的に某鬼嫁かな?
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/07/26(木) 09:16:26.95 ID:yn5shyZ+0
鬼嫁だなんてとんでもない!桜のように儚くも美しいお人ですよ!
128 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/07/26(木) 22:15:35.54 ID:vHJ6KoYc0
かーちゃんは未定
決まっているのは下記の要素

・麹義さんと親しい
・強い
・二郎ちゃん産んだ後に発生した匈奴大戦で戦死

いじょ
129 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/08/01(水) 22:48:14.97 ID:K2aMepNj0
割とお仕事忙しい感

お盆にあっちに投稿することにします

どっちかっつうとあれだ。
あれが面倒くさいなあと。
ぼすけてー。
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/01(水) 23:15:46.72 ID:jZTT8TvEo
お疲れ様です・・・
131 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/08/02(木) 05:47:53.77 ID:Kk9tW2490
データ更新がめんどいんです
前は非公開のとこも公開するのですが、ひたすら面倒くさいw
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/08/04(土) 10:36:38.19 ID:Rfh3N+rj0
大変だねえ
133 :赤ペン [sage saga]:2018/08/04(土) 11:52:12.97 ID:Rfh3N+rj0
農徳新書
言わずと知れた後漢時代に彼の袁家の隆盛を支えた農業、農学の指南書である
実際には最初に紀霊が書いたそれはかつて紀家の書庫(倉庫だったとも言われる)にあったものをたまたま見つけた【農徳書】の写しであり、彼が幼かったこともあり、実用に耐えうるものではなかったとされる(護・档案氏の作品では若かりし頃の紀霊の枕元に神農が立ち、その英知を授けた描写があるが、農徳新書が何度も書き直され、後付けされた物なので、実は紀霊がかかわった部分はあまり多くないとする説が主流である)
なお、原書は火事により既にないため、何が書いてあったのかは不明だが、草木灰や千歯こきなど、当時の他の科学力と比較すると明らかなオーパーツと呼べるものがいくつもあったため、仮に現存していれば農業の時間は2000年は進んだのではないかとされている
幼かった頃の紀霊の書いた虫食いのそれらの断片に当時の袁家筆頭文官であった田豊が興味を示し、それを何らかの形で活用できないかとしたのが農徳新書の始まりである(閑・地該氏の作品では紀霊が自ら売り込んだとされるが、当時の年齢を考えると紀霊が自分の書いたものをたまたま近くにいた田豊に見せた、とするのが一般的だろう)
その後田豊主導でその内容を実行、失敗と成功を繰り返し、なぜ失敗したのか、なぜ成功したのか、の膨大な比較検証を行いそのたびに加筆修正されていった(陳・海東氏の作品では失敗した者に「これぞ値千金よ」と言って褒める描写があるが、実際にはその失敗の原因を究明した者に金一封を授けている)
著者名に紀霊の名前があるが、彼は最初の農徳新書執筆後新たに農業に関わることはほとんどなく、この書の正確な作者は、当時の袁家文官団及びその実験に付き合った農家と言えるだろう(これらは肥沃かつ広大な土地を持つ袁家だからこそ可能であり、例えば仮に孫家に初代農徳新書があったとしても活用は出来なかったと思われる)
現代の教育において「ノートをとれ」と言われるがこれは「農徳たれ」が訛ったものであり、先人の知識を学びつつ、失敗を恐れず、失敗を繰り返さず、成功を糧とし、成功を確立せよ。と言う意味が込められたものである

よし!・・・なんちゃってウィキペディア民明風味夏の暑さを添えて・・・なんか頭が茹るように熱いので書きなぐってみた
134 :赤ペン [sage saga]:2018/08/04(土) 15:56:55.76 ID:Rfh3N+rj0
ついでにあと一人【璃・博愛】さんも入れて民明作者四天王にしようと思ってたけど書き損ねてしまった
135 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/08/05(日) 22:30:24.78 ID:+X/peGDO0
>>133
うおお!なんかすげえもんありがとうございますー!

>実際には最初に紀霊が書いたそれはかつて紀家の書庫(倉庫だったとも言われる)にあったものをたまたま見つけた【農徳書】の写しであり、彼が幼かったこともあり、実用に耐えうるものではなかったとされる
めっちゃそれっぽいw

>若かりし頃の紀霊の枕元に神農が立ち、その英知を授けた描写がある
読みたいw

>なお、原書は火事により既にないため、何が書いてあったのかは不明だが
きっと始皇帝の焚書で遺失してしまったのに違いないw

>仮に現存していれば農業の時間は2000年は進んだのではないかとされている
w 因果が逆転しているけどそうなりますよねw

>幼かった頃の紀霊の書いた虫食いのそれらの断片に当時の袁家筆頭文官であった田豊が興味を示し、それを何らかの形で活用できないかとしたのが農徳新書の始まりである
まあ、そうなりますなw 常識的に考えて

>著者名に紀霊の名前があるが、彼は最初の農徳新書執筆後新たに農業に関わることはほとんどなく
ここらへんがTOKIOと違うとこっすなw よく言えば事業立ち上げて後は知らんという創業者タイプ?

>この書の正確な作者は、当時の袁家文官団及びその実験に付き合った農家と言えるだろう
この表現、じーんときますね。

>現代の教育において「ノートをとれ」と言われるがこれは「農徳たれ」が訛ったものであり
ここまでの感動が台無しw いいぞもっとやってくださいw

ありがとうございますー!
後書きだか前書きに使ってよろしいですか?
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/06(月) 08:33:35.13 ID:DTLO+WEnO
1レスでプロジェクトXを書き上げてしまう赤ペン先生に脱帽

島本○彦作「松岡○造物語」のように暑い日が続きますが
皆様お体ご自愛下さいませ
137 :赤ペン [sage saga]:2018/08/06(月) 11:57:00.91 ID:fT+1Frnw0
どうぞどうぞ、私が【赤ペン】としてレスしてる内容は一ノ瀬さんが好きなように使ってOKですよ
感動が台無しと言われてもそもそも最初にそれが思い浮かんでたのでむしろそれ以前の文章が盛大な前振りと言うか…
ちなみに今のところ二郎ちゃんが「三国時代になんてさせるものかよ」と言ってるので私の中で民明作者四天王が書いた本の題名に【三国志】とか入れられない。なので
護・档案 著 仙人の歴史への介入、その痕跡
閑・地該 著 怨将軍流浪譚〜行動から見える意外な側面〜
陳・海東 著 漫画歴史偉人《後漢編》【北方不敗】田豊 後編
で、>>133は璃・博愛 著 言葉の歴史――意味から読み解く先人の知恵
とかかな。などとくだらない裏設定もぽちぽち書きつつ

まあ一ノ瀬さんがめんどくさい、大変、と精神力削れてるっぽいので前みたいななんちゃってWIKIでも書こうかなーと思いまして
とはいえ凡将伝のオリジナル固有名詞って何があったかなーと最初の方から読み返したら即行で農徳新書が見つかって
最初に【ノート】と【農徳】って音似てるな、と思って。ノートを取ることと農徳のトライ&エラーというかPDCAサイクルを関連付けて。
そこから逆説して最初の頃の農徳は言うほどちゃんとしたことは書かれてなかったとなりまして。
そう言えばあれってまだ麗羽様とも会う前だし目次見てたら下の方で 閑話:幼少期の終わり  ってあったから本当にこの頃の二郎はガキだったわけでー。
いくらなんでもそんなガキがそこまで完璧なものを書ける訳がない、と後世の人も当然思うだろうな…しかも二郎ちゃんってこのあとって農業関連ほぼノータッチ、となると当時の袁家文官筆頭の人の功績にした方が自然だよなあ。
などなど後世のそれぞれの人から見た《常識》と組み合わせた感じで書き上げました
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/06(月) 12:05:55.93 ID:DTLO+WEnO
そのうち「伊・地載」「亜・科編」「某・冠謝」とか登場したりして
139 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/08/08(水) 22:23:21.08 ID:qtyyUU3T0
まー、大変なのはいつもですが流石にしんどいっす
色々は場面は設定できても文章出力がめんどいというかw

お盆目安に頑張るます

赤ペン先生の頓珍漢さんの名文が心の癒やしでございます。
140 :赤ペン [sage saga]:2018/08/09(木) 11:20:04.02 ID:aTTCc4FP0
なんでや!?護・档案の言ってるのは三国志の張角が太平要術の書を入手した逸話のオマージュだし、
閑・地該は実は真実を言い当ててるし、陳・海東は漫画だったから分かりやすいように省略しただけじゃないか!!
え・・・璃・博愛?・・・・・・書いてる内容はまじめだったじゃないか!!最後のは持論を展開しただけだしこの世界ではそれが真実かもしれないじゃないか(目逸らし
ちなみにこの4人はお互いにそれぞれの本を引き合いに出す程度には仲良しです。多分・・・きっと同じ出版社の作者なんじゃないかな。民明書房の

この辺は本編と掠りもしない遠い未来の人たちだから好きに設定を盛ろう…
陳・海東は漫画だからといって劉備をフェロモンで数多の英雄を誘惑した傾城の美女にしたり、ただの肉屋の倅でしかない何進を西涼の壁だった馬家の当主馬騰と伍するほどの戦上手にしたり、袁家の守護四家で一番地味な内政担当と言われる張家を秘密警察もかくやの袁家の裏の支配者にしたりとやりたい放題した。
そのため子供たちの娯楽漫画としては評価が高いが荒唐無稽な内容が多いため横山作品と並んで史実とは分けて考えよう、と言われる
141 :俯瞰者 ◆e/6HR7WSTU [sage saga]:2018/08/12(日) 11:08:20.33 ID:wCxRYpft0
乙です。

田豊さん、正座!
いくら長年の功績有とは言え、沮授さん押さえつけるような発言はいけません。組織運営上も「院政」と揶揄されがちな事態ですね。
ま、沮授さんがそんなことぐらいで潰れない器だから甘えているのかも知れませんが、「軍師は頭良くて当然でしょうが」と私ならツッコンでますね。
麹義さんは、ちゃんとたしなめてくれる人が傍にいるから後でイチャコラさせましょう。

でもって文醜さん。脳筋というより武闘派でいたいんだろうね。>「余計なことを背負うから余計な損害がある!我ら文家、戦場の誉(ほまれ)こそ本望さ!」
個人的な勝手なイメージですが、脳筋ならこんな冷静な分析出ないです。
そして顔家との同意や根回しも無く一方的に二郎さん(紀家)に押し付けるかと。
軍事面特化の教育で名将になれる存在かも。彼女のこれからに注目。

>>119
重く、美しく、尊い。渡す側も受ける側も覚悟と想いが溢れ出てました。
いや言葉に出来ない。軽くなってしまう。
名シーン集があれば絶対登場する、とだけ。

お疲れ様とありがとう。を捧げて、旦那様の愛情に辟易しながらも穏やかに過ごしてもらいましょう。

タイトル案
「それぞれの転換点」「姉から弟へ」「凡人、覚悟する」
142 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/08/14(火) 21:32:09.69 ID:U/Fd5K9M0
>>140


>ちなみにこの4人はお互いにそれぞれの本を引き合いに出す程度には仲良しです
蟲毒めいた響きを感じるw

>陳・海東は漫画だからといって劉備をフェロモンで数多の英雄を誘惑した傾城の美女にしたり、ただの肉屋の倅でしかない何進を西涼の壁だった馬家の当主馬騰と伍するほどの戦上手にしたり、袁家の守護四家で一番地味な内政担当と言われる張家を秘密警察もかくやの袁家の裏の支配者にしたりとやりたい放題した。
爆笑

>横山作品と並んで史実とは分けて考えよう、と言われる
史実!史実ぅ!
横山作品はあれほぼ吉川英治やしなあw

>>141
>。組織運営上も「院政」と揶揄されがちな事態ですね。
まあ今後はガチで隠居するのでご安心を

>でもって文醜さん。脳筋というより武闘派でいたいんだろうね
確かに。すんなりと納得できます。感謝。

>重く、美しく、尊い。渡す側も受ける側も覚悟と想いが溢れ出てました。いや言葉に出来ない。軽くなってしまう。
ありがとうございます。めっちゃうれしいです。
珍しくすんなりと出力できた文章でございました。

>お疲れ様とありがとう。を捧げて、旦那様の愛情に辟易しながらも穏やかに過ごしてもらいましょう。
ゆっくりとさせてあげてくださいませ。まじで。
143 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/08/15(水) 20:19:08.41 ID:n5j+UPW00
>>140
実際内政チートは一般人には難しいと思います
だって黒色火薬とか、硝石の作り方とかマヨネーズとか分からないですもんw

そういうの、意図的にオミットしております。
そういうの知らなくても、ふわっとした認識で大切なことを知っているのですよ。
幾多の天才たちが積み重ねた思考実験の成果をこそ二郎ちゃんは使用しています。
これはある程度意識して、です。

というのを多分誰かは意図的に抜き出して創作してくれているに違いないという信頼w
144 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/08/15(水) 21:45:01.34 ID:n5j+UPW00
なんか書きたい

お題クレメンス
ばじぇれbヴぁ更新いするじゃぜ

お盆更新は魏オムだじゃあのしd
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/16(木) 06:36:18.75 ID:N+9XT2TrO
素敵な寝言をありがとう

お題、幼女のキャッキャウフフか麗羽様のヒロイン力溢れる話がよみたいんじゃぁ〜

何故か二郎ちゃんが「覇王」と命名した新種の日本酒を造ってはおーにプレゼントするという話がうかんでしまった

お酒は程々にね
つ「上善如水」
146 :赤ペン [sage saga]:2018/08/16(木) 09:55:51.55 ID:n7bTw3to0
ふーむ、時系列は適当にして袁術ちゃんの誕生日とかどうだろう・・・袁紹様の盛大なのは(政治も絡めて)やったけどこの子のはやってないし
147 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/08/16(木) 20:02:40.61 ID:UYP1v5Wp0
昨日21時以降の記憶が行方不明です
久しぶりに飲み過ぎた感w
148 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/08/17(金) 21:42:48.99 ID:ngTjDES70
美羽様お誕生日、お話できた!
あっちやって余裕あったらこっちで

ほんと脳内テキスト出力するのなんとかしたいっす
149 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/08/17(金) 21:55:18.54 ID:ngTjDES70
関係ないけど、凡将伝でのチート技能持ちは以下

風ちゃん
太極図はガチ

桃香ちゃん
傾城?いや傾世だ!

はおー
こいつだけアイテム補正とか、能力値100補正必要ない

これとは別に能力値100は色々別格になるので桃香ちゃんはすげーなすごいですになるのです。
人呼んでカリスマピーチビーム!CPB!

あ、美羽様お誕生日のお話書き溜めに入りますね。
150 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/08/17(金) 22:38:08.87 ID:ngTjDES70
「いや、俺にそんなこと言われても」

俺の言葉に七乃は大きいため息を、これ見よがしに漏らす。

「はー、二郎さんってば美羽様のことはどうでもいいんですねー。
 悲しいなあ」

「なんでそうなるよ。美羽様が大事なのは当たり前だろうが」

当たり前だのクラッカーって流石に分からないであろうけど、意外と店頭で見かけたりもするものである。

「口ではなんとでも言えますよねえ。聞いてますよ、袁紹様のお誕生日にはあれこれ尽力して、あまつさえ真名まで……」

「おい」

それを知っていることには何も言わないが、それを言ってどうするよ。

「やですねー。ご自分のやったことについては誤魔化せないですよ?
 それとも誤魔化したいのですか?」
「そういうことじゃない。
 だが七乃、そういうとこだぞ」
「あれあれー、どういうとこか分からないなー。詳しく説明して欲しいなー。
 ど、お、し、て、ですかねー」

こ、こいつめぇ……。説明に困るとこを的確にぃ。
こういうとこ、苦手。

とは言え救いは美羽様と麗羽様の仲がよいこと。これを軸に適当に誤魔化すとしよう。
とか思っていたのだが。

「七乃、七乃よ。それくらいにするのじゃ」

救いの女神は美羽様でレインボーである。

「あららー。美羽様がそのようにおっしゃるのでしたら仕方ない!
 このー、美羽様のお慈悲に震えてくださいなー」

よっしゃその言葉忘れるなよ。とりあえず美羽様のご要望でお前んとこに不利なことあったら全力でやってやるからな!

「じろう、じろうよ。
 妾のお願い、言ったらまずいかの……?」

「んなこたあないっす。美羽様のご要望とあらばたとえ火の中水の中!
 この二郎、誠心誠意頑張りますとも!」

そうともよ。
このがんぜないお子のために頑張ろう。それは普通に湧き出る感情。
だから、できるだけのわがままは聞いてあげたい。

「あの、じゃ。
 無理じゃと思うのじゃ。
 とっても贅沢なお願いじゃからの」
「ばっちこいでーす」

ばっちこいでーす。
くはは、袁家の財力あれば大体のことは通るからな!

「うむ。
 二郎と、七乃と。
 一日、一緒にいたいのじゃ……」
「ふぇ?」


※必要なものは見せたということだ
 後は、分かるだろうよ
151 :赤ペン [sage saga]:2018/08/18(土) 12:58:08.28 ID:rOPIO/0p0
乙でしたー
>>150
>>詳しく説明して欲しいなー。  【〜してほしい】は【ほしい】の部分が補助動詞になるらしいので
○詳しく説明してほしいなー。  【ほしい】は基本的に何かモノが欲しい場合でないと漢字にしませんね
>>二郎と、七乃と。   呼び方は【じろー】でお願いします(赤い彗星の如きキメ顔で)
○じろうと、七乃と。  上の方ではひらがなだったのでこうじゃないかな?

ありがとうございます!・・・ただ・・・できれば幼女三人でちょっとしたパーティーとかいつもは厳しい田豊先生が不器用にプレゼントくれたりとか、その辺との絡みを期待してたりしてなかったり
誕生日…カラオケ…美羽様の特技…ひらめ・・・かない!!
>>※必要なものは見せたということだ   ・・・嘘だっ!!(ヒグラシ顔)
152 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/08/18(土) 16:14:03.77 ID:oPz5TDxI0
>>151
>ただ・・・できれば幼女三人でちょっとしたパーティーとかいつもは厳しい田豊先生が不器用にプレゼントくれたりとか、その辺との絡みを期待してたりしてなかったり
ほむ。
幼女同盟のキャッキャウフフ、これはできるが田豊さんのデレは難易度高いなあ(できないとは言ってない)
次の幕間に考えまするるる

あー、美羽様ー可愛いんじゃー
153 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/08/18(土) 21:05:52.51 ID:oPz5TDxI0
うう、データ管理めんどい
めんどいよう
154 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/08/20(月) 23:03:01.78 ID:FBuzWBrY0
やっとデータ処理が軌道にのってきたが比例してデータ量が膨らみ今日の更新は無理
孫家だけでも終わらない
155 :赤ペン [sage]:2018/08/21(火) 19:31:23.31 ID:T5th/c3Y0
ふと思ったのですが…ネタバレで出した劉備の宝貝・傾世元禳って原典の『封神演義デハ存在しないっぽいんですよね
三尖刀とか大極図はあるっぽいんですが、となると実はこの作品ってフジリュー版『封神演義の要素が入ってるというか…
ぶっちゃけなろうでは大丈夫ですかね?
156 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/08/21(火) 20:10:40.40 ID:se6OhkEC0
>>155
マジすか
安能版読んだけど流石に宝貝は覚えてないですねえ
どっかのゲームで妲己のスキルに普通にあったから一般的なものかと思ったら逆に原点はフジリューという可能性。さて

よし、大徳にまとめてしまおう

これでCPBのまがまがしさも多少は緩和されるだろう
157 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/08/21(火) 20:11:56.85 ID:se6OhkEC0
金鞭(原典)→禁鞭(フジリュー)
は認識してたんですけどね

爆笑封神演義とかに載ってないかなあ(手元から紛失)
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/22(水) 00:13:57.63 ID:jsXrVDZn0
久しぶりに覗いたらちょこちょこと進んでいるようでお疲れ様です。
159 :赤ペン [sage saga]:2018/08/22(水) 12:41:42.98 ID:HcfwrkCL0
太公望の打神鞭は風を操れたりしないからなあ…原典
160 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/08/22(水) 21:41:25.91 ID:4yaI2wwW0
>>158
ちょこちょこやってますw
ありがとうございますー!

>>159
それを言ったら、大体の敵は哮天犬からの不意打ちで楊?が始末してますしねーw
なにより、麒麟の定義が乱れる(黒いの)

十二国記読んでた人ほどショックがでかい!
161 :赤ペン [sage saga]:2018/08/28(火) 10:35:58.94 ID:G77RM4ZR0
そもそも仙人が殺人欲求を合法的に満たすための計画だった説…
原典の十天君はフジリュー版以上にカマセ臭が…まあ敵も味方もポンポン死ぬし勝ったと思って気が抜けたところでグサッとやられるのも多かったしなあ
162 :赤ペン [sage saga]:2018/08/31(金) 18:15:34.39 ID:TLO7D9Ii0
ふと思うところがあって、千歯扱きのWIKIをチラ見したんだけど
これの作り方を暗記してるって二郎の前世は何してたんだろうなあ
草木灰は名前知ってればなんとなく作り方わかるし、備中鍬は要は先っぽが分かれてるだけの鍬だから難易度高くないけど
千歯扱きは実物見たこと無いと…むしろ一回くらいは使ったこと無いと難しそう

関係ないけど転生モノで神のミスで本来死ぬはずじゃなかった云々って逆に言えば例えば不治の病とか、毒親に虐待されてとか、そもそも流産とか
そういうのをほぼすべて神がそう決めて死んでることになるんだよなあ…死に方が本来とは違うって正規の死に方が酷い人がカワイソスぎる気もする
163 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/08/31(金) 20:04:16.55 ID:woHEJb6/0
>>162
え、扱き箸に比べたらどんなもんでも効率すごくないっすか?
そもそも脱穀する手間がすげえから扱きが刑罰になってたとかなんとか

まあ、他のものと一緒でふわっとしたイメージから袁家技術官僚が頑張ったのでしょう多分

>逆に言えば例えば不治の病とか、毒親に虐待されてとか、そもそも流産とかそういうのをほぼすべて神がそう決めて死んでることになるんだよなあ…死に方が本来とは違うって正規の死に方が酷い人がカワイソスぎる気もする
アカシックレコードでしたっけ
神様と僕らでは階梯が違いすぎて、ということなのかな……
じゃけん来世ガチャに希望を託してという新興宗教は一定の支持をなんたらかんたら

とか思ったけど適当にダイス振って放置くらいの興味のなさくらいの方がしっくりくるきもします
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/31(金) 21:39:35.88 ID:Gn+wrRI/o
>>162
根本的にはいかに効率よく稲穂から籾を取るか、って作業に変わりはないわけだから、田舎の爺ちゃん婆ちゃんが田んぼ持ってて生の稲に触ったことあるとかなら大体の想像はできる気もしますけどね
作業としては引っ掛けてこそぎとる、という動きに集約できますし
唐箕を一から作った、とかならやばいなこいつ、とは思いますが
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/31(金) 22:46:42.28 ID:zErmP5ESo
というか千歯扱きはカリキュラムによっては学校でやるよ(さわりだけでも)
少なくともオッサンの時代には教科書にあった

ちなみに歯の間隔が割とシビアなので試行錯誤不可避
あとwikiにも書いてあるけど扱き箸による脱穀は取りこぼしが多く、
逆説的に脱穀を依頼する寡婦への救済策でもあったわけで、千歯扱きについたあだ名が後家倒し、後家殺し
166 :赤ペン [sage saga]:2018/09/01(土) 09:31:59.26 ID:OzzQnR5d0
あーなるほど
どっちかと言うとコロンブスの卵的なあれで
袁家と言うマンパワーが有り余ってる所の幹部の家に生まれたからこそ沢山試作機を作れたのか
本来なら1000年近く使われてた扱き箸=サンはご愁傷様としか…逆にこれだけ早く普及したら後家殺しの異名は付かなさそうね
167 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/09/01(土) 09:46:05.19 ID:SQrjFXcn0
後家殺しと言われるとエロスが漂うと思います
168 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/09/01(土) 09:47:26.49 ID:SQrjFXcn0
唐箕は本当になにがどうなってるか分からないです
実物見てもなにがどうなるのかとんと分からなかった
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/09/01(土) 10:49:44.56 ID:nuMRWccBo
唐箕はこれが分かりやすいと思う
ttp://www.nchm.jp/contents08_kata_log/kikaku/2006_03/2006_03_02/images/02_2_001.jpg

なんかでっかいところは要するに風車
ハンドルをぐるぐる回すと風が起きて、もみ殻やゴミといった軽い奴は外に吹き飛ぶ
風に飛ばされない重い(優良な)粒がそのまま下に落ちて、中身がぎっちり詰まってない軽いやつは
ちょっとだけ飛ばされてまた別のところに落ちる
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/09/01(土) 20:34:36.88 ID:E8Gs8d0b0
関羽さんが失敗料理を量産できる程度には外史では米が普及してたっぽいけど、
実際は粟が華北での常食だったそうな
粟は粒が小さいためせんばこきやこきばしが合いにくく、
明治に回転式脱穀機が発明されるまでは(収量の割りに)率が悪かったんだとか
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/09/03(月) 08:03:07.07 ID:dls/UFSCO
あれ、華北はコオリャンはくだってから?
172 :赤ペン [sage saga]:2018/09/03(月) 10:55:47.40 ID:Ho2Y8Fuy0
昔はチンチン電車とか「うちの犬を躾けてようやくチンチンを覚えさせたよ」とかハメ殺しとかに妄想が働いたなあ
新聞テレビ欄のポルノ(グラフィティ)生ライブとか・・・結構前に銀魂が金魂って名前になったのにはよくテレビ局がOKしたと思ったけどあそこテレ東だしなあ
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/15(月) 10:18:22.91 ID:AhoPFrFfO
復活しましたね
落ちてる間に一ノ瀬氏のモチベーション下がってないならいいんだけど

更新期待してます
174 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/10/15(月) 19:32:07.90 ID:DiAlnycs0
おお、復活してるぅ!

>>173
どもです。
おかげさまで復活に気がつきました!

>落ちてる間に一ノ瀬氏のモチベーション下がってないならいいんだけど
艦これイベントを初めて真面目にやりましたw
まあまあ新顔を拾えたので満足ですサンマは諦めた

じゃけん書き溜めは二話だけなんです

チェックして明日あたりやろうかなあって漢字です

いやあ、いい骨休めになったのかもしれないですねw
175 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/10/15(月) 19:33:42.27 ID:DiAlnycs0
>>173
全然ディスる気はないのですが、IDがアホでこういうの自スレで初めて見た気がするので記録しておきます(謎の感慨)
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/15(月) 19:51:10.42 ID:AhoPFrFfO
オカエリナサイ(イが反転しないのは何故ww

IDがAHOです。全然気づいてなかったし気にしてません
記録に残れば幸いです(なんのこっちゃww

以下業務連絡 
あっちでもメールしちゃってます
気にせず削除しといてください
177 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/10/15(月) 20:05:03.25 ID:DiAlnycs0
>>176
特定した(当たり前)

おかげさまなので本日やります
目標21:30
178 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/10/15(月) 21:14:35.95 ID:DiAlnycs0
「ふむ、二郎が麹義の跡を継いで軍部の総司令官になったのか。
さらに紀家が序列を上げて筆頭に、か……。
 うむ。めでたい!祝いの品でも贈ってやらんといかんな!」

手元の書類に目を通した夏候惇はからからと笑うも、ふと首をかしげる。

「ん?だが二郎は確か袁術殿の派閥なのだろう?そうなるとまたぞろ袁家内でややこしいことになるんじゃないのか?」

びしり。
ネコミミフードを被った細身の少女が驚愕にその顔を、動きを凍らせる。
ありえない。この脳筋がそんな政治向きのことに気を向けるなど。これは天変地異の前触れかと。

「アンタ……何か悪いものでも食べたんじゃないでしょうね」
「ん?今朝は秋蘭が作ってくれたからな。実に美味であった!」

恐る恐ると言った問いかけに呵呵大笑で応じる夏候惇。二人のやり取りを主である曹操はくすり、と微笑みながら見やる。
だが、思う所はあったようで、ふむ、と僅かに思考にふける。

「春蘭。いいところに気が付いたわね」
「はい!華琳様!」

もし夏候惇に尻尾があればちぎれんばかりに振っていたろう。
その全身で敬愛する主君からの讃辞に喜色を表す。ち、と響く舌打ちなぞ気づくこともない。

「確かに相当ややこしいことになったように見えるわね。桂花、整理してみなさい」
「は。元々袁家は後継について波乱を含んでおりました。袁紹と袁術。二人によって争われるであろうと思われておりました。
が、袁逢の夭逝により幼少である袁術は当主の座を争うこともできませんでした。
 故に一旦は袁紹が問題なく当主に収まりました。武をもって袁家に仕える武家のうち、筆頭たる文家が腹心として袁紹派閥としてあるのも大きかったですね。
 ですが、反袁紹の筆頭である袁胤が袁術の後ろ盾に名乗りを上げて力関係は微妙になります。
 紀家、張家を取り込み、袁家の中でも有数の血統。下手をすると袁紹と家督を争うことすらできる人物の存在は相当に影響がありました。
 その袁胤が謀反の咎で排除されました。これは袁紹の権力基盤が固まり、袁術を排除しても問題ないということ。袁家の権力基盤を簡略化し、不穏分子を鎮静、排除するためと思われます。
 更に袁術は捨扶持で如南に追放。紀霊、張勲をもって監視するというのが筋書きと思われました」

突然の指名に動じることなくすらすらと所見を述べていく。
こくり、と手元の茶を喫して喉を潤わせる。

「ですが。
 紀霊と袁胤の処遇で事態は混迷します。
 袁術は捨扶持で如南。影響力を削ぎ落としながらも袁紹の身に何かあった時、または決定的な失策を犯した時の予備の後継としての役割がありました。これまでの袁胤の役割です。
 ですが袁胤はその命脈を保ち、依然予備としての価値を保ちます。
 一方、袁術は一応の腹心たる紀霊が袁家の武を束ねる立場となったことによりむしろその権勢を強化されています。
 例え如南に赴いたとしてもその影響力は依然として大きいでしょう。
 一見混迷を極めていますが、ここに袁胤の一手が活きてきます。彼は十常侍と繋がっておりました。
 袁家は既に袁紹が何進と組み、十常侍との対立姿勢を露(あら)わにしております。
 故に袁胤は十常侍との争いに膝を屈した時に袁家を継ぐための予備ということでしょう。
 故に袁家宗家たる袁紹、軍部を握る袁術。そして袁胤の三つに勢力が分かたれました。
 本来であれば麹義のように武家四家と無縁の人材が軍部を掌握するのが袁家宗家としては都合がいいのでしょうが、そのような人材はおりません。
 武家筆頭が軍部総司令官というのは下手をすると袁家当主に匹敵するほどの権勢を握りかねません。
 そのような権限を紀家当主に許すということは、袁家の内部も相当混乱しているのではないでしょうか?」

179 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/10/15(月) 21:16:42.39 ID:DiAlnycs0
曹操は満足げに頷く。

「そうね。その通りね。
 付け足すならば、麹義は紀家の先代……紀文こそ軍部を束ねるべきと幾度か主張していたそうよ。
 紀文が。すなわち、匈奴の汗(ハーン)を討ち取った英雄こそがその座に相応しいと、ね。
 だから麹義は紀家の後継たる二郎にその座を譲りたかったというのも大きかったのでしょうね。
 さて。桂花も言ったけれども、袁家の内情は混沌、混迷。
 此度の仕儀を複雑にしているのは張家の先代が排除されていることね。
 血縁たりともあっさり排除してしまう。
 それがあるからこそ袁家姉妹の権力争いに凄味が出てくる……」

くすくす、と自らの親友……と一度ならずとも呼んだ袁紹について論評を述べる。
瘴気すら漂うようなその昏い笑みを清冽な声が貫く。切り裂く。

「ですが、華琳様。そんなわけがありません。
 袁家にそんなめんどくさそうな権力争いがあるとは思えません。
 うん……、ないな。華琳様!やっぱりありません!
 二郎がそんなめんどくさいことするわけありません!」

きっぱり。
夏候惇はごく自然にその言葉を口にする。
自らの主君の述べた言葉を全否定するそれを。

「アンタ、何言ってんの?話聞いてたの?
 馬鹿なの?死ぬの?」

鋭い言葉に夏候惇は小揺るぎもしない。

「大体だな。肉親で争うとかならば私と秋蘭が華琳様の寵を争って対立するとかいうのと同じだろうが。
 夏候の家の都合で争うと言うのと一緒だろうが。
 貴様は袁家で何を見てきたのだ?袁家姉妹の不和などありえん。 
 それに乗じて二郎が権力を握るとか、貴様が華琳様を裏切るくらいありえんだろう」

くすり。
曹操は満足げに笑う。
これだ。これこそが彼女の真の価値。その薫風は暴風にも似て、澱んだ霧を吹き飛ばすのだ。そう。彼女はけして武だけの蒙昧ではない。

「そうね。桂花。田豊と麹義が隠居したわ。
 麗羽は誰の言葉に一番耳を傾けるでしょうかしらね」
「そ、それは……」
「二郎に決まっているだろうが」

呆れたように夏候惇が言う。

「袁家当主だけではない。麹義、田豊がいなくなったら二郎の言うことに誰が逆らう? 
 そんな奴はおらんよ」
「序列は?権力構造はどうするのよ!」
「そこらへんは知らん!」
「アンタねえ……」

180 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/10/15(月) 21:18:34.80 ID:DiAlnycs0
二人のやり取りに曹操は笑いながら。

「桂花。貴女が激昂する必要はないわ。
 貴女もそう、分析していたのでしょう?」
「で、ですが華琳様!あまりにも根拠が!」

ちゅ、と曹操は腹心たる軍師を抱き寄せ、その口をふさぐ。あ、と小さい嬌声。

「今回の袁家の一手に桂花が巻き込まれてはいけないわ。
 だって、これはね。忠信考悌を知らない蒙昧こそが混迷する類いの詐術だもの」

え、と呟く口唇をひとしきり蹂躙し、曹操は言葉を繋ぐ。ちろり、と桜の舌が淫らに蠢(うごめ)く。

「これはね。そう、十常侍に対する牽制なのよ。
 まだ、武家最大勢力たる袁家と組む余地があると思わせる。
 その実、これまで曖昧であったその権力を集約する。
 いえ、違うわね。隠然とあった二郎の地位をきちんと確立したのね。
 だから、逆なのね」

紀霊の権力を強化したのではない、もともとあった紀霊のその地位、影響力を裏付けたにすぎない、と呟く。

「そ、それでは……。袁家の勢力争いは、闘争は茶番であったと……?」
「すべてとは言わないわ。末端ほど派閥争いに汲々とするわね。そして袁胤も本気で動いたでしょう。
 でもね。袁家の老獪なのはね。ほっといても発生するそういった軋轢を抑止する駒をきちんと仕立てたのよね。 
 そう、袁家の後継と武家の後継。その要(かなめ)は……」

分かるわね?と艶然と微笑む。

「麹義と田豊に託されたのでしょうね、二郎は。きっとね。
 ならば私の誘いに応えられないのも致し方ない、か」

それを無下に出奔するような人材などむしろ願い下げだ。
かけられた期待を察せないような蒙昧など死ぬべきだ。
だが、それでも自分を選んでほしかったという背反した思いもある。

「つまり、袁家に元々そう言った権力争いはなかったのですね?
 そして、二郎がその中心ということですか!」
「単純化するとそういうことね。
 でも、見る人が見れば袁家はどうしようもない権力闘争の真っただ中よ……」

そこにきっと付け込もうとする勢力があるだろう。
漢朝に寄生する塵芥、寄生虫はそこに群がろうと、つけこもうとするだろう。
曹操は理解する。把握する。
あの凡庸として、この曹操を高く評価しつつもなびかないあの男の援護射撃なのだ。
ありもしない袁家の瑕瑾を、亀裂を探っている間に掌握しろということなのだ。
いいだろう。この身を気遣おうとするその気宇やよし。
……思い上がりや、よし。

「だからこそ、欲しくなるわね……」

浮かべた笑みは獰猛な肉食獣のもの。その覇気。覇王と呼ばれるほどのそれが彼女の真価。
彼女こそ、凡人が最も恐れる存在である。
181 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/10/15(月) 21:23:08.48 ID:DiAlnycs0
はい、本日ここまですー
感想とかくだしあー

いよいよ黄天編の始まりです(多分)
その始まりは、はおー来襲者でした。来襲してないけど

題名募集いたします!

仮案は以下

・はおー来襲者:論評編
・混迷の袁家
・ライトニング姉者
・拗らせはおーが気になる人のことを思って配下とイチャイチャするお話

うん、タイトル苦手やねん
ぼすけてー
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/15(月) 23:45:30.36 ID:zceeZ+Dn0
鯖と一緒に復活されていて嬉しい……
更新お疲れ様でした!
183 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/10/17(水) 21:48:37.41 ID:7cMheaHE0
>>182
どもですー

サンマ探しながらぼちぼちやってきますー
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/21(日) 00:26:39.72 ID:gbS5sw440
乙〜&復活おめ
さすがNT姉者なんともないぜ
そして相変わらず軍師より頭いいはおーww

ということでタイトル案「愚者は踊る」なんてのはいかがでございましょうか?
185 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/10/21(日) 21:29:15.09 ID:Uojof5Q80
>>184
どもです

>さすがNT姉者なんともないぜ
言われてみれば姉者がNTみたいかもですねw
野生の直感くらいな感じですが、NTかもしれない

>そして相変わらず軍師より頭いいはおーw
あの方に参謀など必要ないわ。必要だとすれば他者がどういうことを考えているかという一例だけよ

くらいのことをネコミミは思ってます。

>ということでタイトル案「愚者は踊る」なんてのはいかがでございましょうか?
細部変えるかもですが、これいい。仮採用です!
186 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/10/21(日) 21:41:30.58 ID:Uojof5Q80
「うわあ……すごい……」

張角は感嘆の声を漏らす。妹たちに至っては声も出ない。
背徳の都市、南皮より馬車で数日。あるいは数月ほどだったろうか。
そこに理想郷は、あったのだ。

「はい……。これこそ貴女達にふさわしい舞台……」

ギョロ目の異相。その双眸を見開き悦に浸るのは波才。

「この舞台は貴女達の神聖なる歌声を響かせるに相応しい箱ですとも……。 
 求めて得られなかった舞台、それがここにあるかと……」

恭(うやうや)しく跪き、浮かべた表情は恍惚そのもの。

「うん、……そうね。これなら、もっともっとうまくできる」

張宝はあちこちを確認し、自らが演出する光、音響、それを増幅する妖術を想定する。そして、にまり、と笑みを深める。
これならば、効率よく運営できる。舞台の途中で倒れるなどという無様はせずに済む。

「おお……。聖処女(ラ・ピュセル)二の姫よ……私としたことが言い忘れておりました……。
 ここは貴女達を祀る神殿に等しいのです……。
 故に、迷える羊たちの信仰は、熱狂は、残さずに貴女達に捧げられますとも……。
 休みなく、昼夜を問わず歌ってください、踊ってください……。
 歌うほどに、踊るほどに、それは奇跡を呼びますでしょう、文字通り、神楽、として……」

そう、ここは神殿。巡礼者が祈りを捧げる神殿。
祈りは力に、力は神秘に。積み重なる神秘は奇跡を顕現させるだろう。
気づけば熱気は、信仰は籠り。昇華されずに場に揺蕩(たゆた)い、飽和寸前。

「さあ、あの声が聞こえるでしょう。求め、訴える声が聞こえるでしょう……。
 ここは大聖堂……。思う存分に歌いなさい、踊りなさい……」

声が響く。

「ほ、ほ、ほあー!」

力が漲る。歌が溢れる。肉体は躍動し、舞いを重ねる。
かつて道端で、歌舞の度に全力を尽くし心身を消耗していたのが嘘のように身体が軽い。
唄うほどに、踊るほどに、力が湧く。舞い踊る、舞い踊る。歌う、唄う。今ならば中華の果てまで響くだろう。いや、響かせよう、歌声を。
自然、言の葉は紡がれる。

「みんなー!愛してるー!」

熱狂は爆発し、光輝すら幻視する。

「ほ、ほ、ほあー!」

渦巻く熱気に波才は破顔する。

「す、ばらしいいいいいいいいいい!
 奇跡は顕現し!救い手は降臨した!我が宿願は果たされた!
 救いあれ!栄あれ!栄光よ!君の手に!」

狂乱は誰の耳に届くこともなく、波才の熱狂すら、場に吸い込まれていくのであった。
187 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/10/21(日) 21:42:56.51 ID:Uojof5Q80
本日ここまですー

感想とかくだしあー

タイトルはなんだろなー
前回のにくっつけるか独立させるかも迷い

188 :赤ペン [sage saga]:2018/10/23(火) 18:33:17.49 ID:p9bq8N2A0
お久しぶりです、停電って凄い不安になる
>>186
>>南皮より馬車で数日。あるいは数月ほどだったろうか。   【数日】だと長くても5日位な印象が…逆に【数月】だと短くても2か月以上な印象が
○南皮より馬車で数十日。あるいは数月ほどだったろうか。  まあ世の中には「1,2,3…沢山」とか言い出す人もいますが…せめて指は全部使えよ
>>ギョロ目の異相。その双眸を見開き悦に浸るのは波才。  これはよくある誤用の一種ですね
○ギョロ目の異相。その双眸を見開き悦に入るのは波才。  慣用句の【悦に入る(いる)】ですから、もしくは【喜びに浸る】と言い換えても良いですけど

いやはや遅くなりました
それにしても姉者良いですね>>貴様は袁家で何を見てきたのだ? どう見るかは文官と武官だから違うとはいえ、はっきりと見る目が無いと言わるのも業腹ですがそのあとの曹操の言からすると実はネコミミもそうだと感じ取ってはいたという…でも彼女の常識が邪魔をした、その結果見方によっては主君に嘘の見解を述べたと言う。或いはネコミミが極度の男嫌いでなければ、袁家を金に物を言わせるだけの名家と言う色眼鏡が無ければ・・・これはネコミミが一皮むける可能性が?
相変わらずの覇王様・・・でもこれもしかしたらはおーもどちらなのか決めかねてたのか?姉者が一刀両断しなかったら読み違えていたかも?
そして不穏な気配が加速する…いったいどれだけの男手がここ(黄巾)に吸われていったのやら
189 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/10/23(火) 21:58:01.40 ID:KQYB96YH0
>>188
赤ペン先生いつもありがとうございますー!
(ここまで定型文)

>それにしても姉者良いですね
姉者はねえ、なんか生き生きしてて、ある一定層にはこんなの姉者じゃないとか言われても仕方ないかなって思うが私は謝らない

>そのあとの曹操の言からすると実はネコミミもそうだと感じ取ってはいたという…でも彼女の常識が邪魔をした、その結果見方によっては主君に嘘の見解を述べたと言う
ここはね、そこに至る葛藤とか自分の直感とかあれやこれやあるに決まってますがそれを書くのは不粋だな、というとこです
なので、色々読み取って頂いたことに感謝です。

>そして不穏な気配が加速する…いったいどれだけの男手がここ(黄巾)に吸われていったのやら
百万単位でも少ないのかもしれないですねえ、こわやこわや

頑張るぞい
190 :赤ペン [sage saga]:2018/10/24(水) 10:43:29.35 ID:fDvpWeEb0
読み返したらちょっと違和感があったので一応
>>179
>>麗羽は誰の言葉に一番耳を傾けるでしょうかしらね」  喋り言葉だから間違いとは言い切れませんが
○麗羽は誰の言葉に一番耳を傾けるのかしらね」     もしくは【傾けるでしょうね】とかの方がいいかな?
>>180
>>ちろり、と桜の舌が淫らに蠢(うごめ)く。   ここはこのままでも良いかな?
○ちろり、と桜色の舌が淫らに蠢(うごめ)く。  一応細かいことを言うならこうかな?

3姉妹の方は…>>背徳の都市、南皮 ってオイ、お前らの歌と踊りにブーメラン刺さってんぞ。それにしても神秘的なあれこれはともかく
単純に1000人単位を入れられる箱を作るだけでも材料も人員もどれだけ必要になるのやら
それを街中ならまだしも恐らく相当辺鄙な場所に集めるって…よく山賊やらなんやらにやられなかったな(波才が護衛してた可能性はあるけど運んでるの複数とこの拠点とってどう考えても手が足りない)
食料、木材、技術者、人足、分かりやすくいえばそれだけの拠点を作れるだけの動きを漢が見逃したって事なんだよなあ・・・そう考えると黒山賊と袁家がバチバチやってる近所は無理ゲーっぽいからかなり遠い?でもそうすると食料の運搬がきついし…まあ黄巾党は史実だしリアル先輩がリアリティ後輩をぶん殴った事案ってことで良いか
191 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/10/24(水) 20:56:46.06 ID:f2BKyx0G0
やったぜ(鹿)
192 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/10/24(水) 21:13:11.02 ID:f2BKyx0G0
>>190
どもです。連日ありがとうございますー!

>背徳の都市、南皮 ってオイ、お前らの歌と踊りにブーメラン刺さってんぞ。
ありがとうございます。ツッコミどころでございますw

>単純に1000人単位を入れられる箱を作るだけでも材料も人員もどれだけ必要になるのやら
そういやアニメでは野外コンサートでしたなあとか
音響とかは妖術でなんとでもなるということかな
東京ドームって大陸では猫の額的な面積だろうし……って感じか。なるほど。

宿泊施設についてはまた考察しよう(答えが出るとは言ってない)
実際原作でもどうしてたんだろうか
193 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/10/24(水) 22:33:43.28 ID:f2BKyx0G0
さて、あれよあれよと袁家の武門最高責任者になってしまった二郎です。
いや、ねーちゃんとか師匠には散々そうあれかしと仕込まれてたからね。覚悟はしていたのよ。準備だってしてきたよ。
ただまあ、できるだけその日が来るのを引き延ばしていたと言うだけで。円滑な引き継ぎのために、ね。
……いざ権力継承に備えて、できるだけ袁家領内の不安要素は排除したよ?
だってなんかあったらこっちに矛先来るのはわかってるからね。
だから袁胤様も隠居させたし、権力も背負った。やるならとことん。そいつが紀家の生き様。なんつって。
ちなみに如南は……どうしたもんか。
生半可な人材じゃあ治まらないだろうしなあ……。

よし、雷薄!君に決めた!
だって匈奴大戦生き残りの古参兵出身(ベテラン)だし、確か如南に娘さん嫁いでたしね。
いや、実際雷薄くらい武威がないと一緒に派遣された奴らが拗ねかねん。逆に奴を出したらだいたい解決。
一応の協力体制ができていることになっている張家からは、恐らく張郃あたりが出張るであろうことを考えたら雷薄くらいでないと押さえが効かないだろうしな。 

ま、当面の敵は十常侍。これについて、実は勝ちは見えてるのだ。いやマジで。
適度に勝って何進に恩を売り、宦官勢力は華琳に預ける。
何進と華琳が協力するとかマジありえんだろうし、火花を散らしてくれるだろうて。ククク。

深刻なとこは取りあえず置いておく。置いておこう。こういう棚上げは大事。

まあ、三国志を誘うであろう黄巾の乱、その元凶の食糧不足は解消できている……はずだ。
南皮に流入していて治安の悪化の一因となりかねない流民。それだって最近は減少の一途だ。
最近は、増大するであろうことを想定していた流民相手の、最低限の商売が滞ってすらいるが……。

まあ、土木工事への公共投資を増やしたらそこらへんも元通りになるはずである。ケインズ先生もそう言ってるしな!

194 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/10/24(水) 22:34:09.81 ID:f2BKyx0G0
そんなことを思っていたら急報が。
暴動?略奪?

複数個所からの深刻な報告に浮かれていた、お気楽だった頭が冷え切る。

「馬ひけ! 星はどこだ!星を呼べ!
 流琉!流琉はいるか!」
「はい!ここに!」

応える流琉に改めて命じる。馬引け、と。

「主よ、趙子龍ここに」

やや遅れて俺の前に立つ星に指示を飛ばす。
賊なぞ、蹴散らせ。討伐しろ、と。

「ふむ、了解した。
 そして魅せてやろうとも。主が俸禄の全てを以てしてまで抱えた我が身の真価を、な」

にやり、とした星の顔(かんばせ)に俺は見とれてしまう。
が、それも刹那のこと。

「ああ、やってやれ!趙の子龍の武威。示してくれ!
 先行してくれ。委細は任せる」
「心得た!」

瞬き一つの間に星は視界から消え失せ、馬蹄の響きが俺を苛む。
俺の一言で人が死ぬ。人を殺す。民が消えうせるのだ。

「二郎さま!烈風はここに!」

流琉の言葉に前を向く。
放浪期間(モラトリアム)を共に過ごした相棒に身体を預ける。
紀家軍の皆が、俺を見る。引き絞られた弓から放たれようと俺を見る。
放て、と。紀家が武家筆頭であることを示せと俺に促す。
無言でも高まる士気。

風がにこり、と。

「ぶわっと、いっちゃってくださいなー。そう、遠くはないようですしー」

何より、何より士気を高めるべし。
貫くべし。一撃で敵を貫くべし。

「進軍、せよ!」

俺の言をきっかけに、怒号は地に満ち、進撃は始まる。
誓う。ここで断ち切る。断ち切ってやる。乱世なんぞ、三国志なんぞ、願い下げだ!
ここで元凶を断ってやる!

やってやるぜ!

195 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/10/24(水) 22:34:44.75 ID:f2BKyx0G0
◆◆◆

到着した村落はまあ、端的に言ってひどい状況だった。家は焼かれ、あちこちに略奪の様子が見て取れる。
最大戦速で急行したものの、間に合うはずもないのだ。事後なのだから。
できれば生き残りに対する治療とケアができれば、といったところである。残敵があれば、と思うがそこまで間抜けでもないようだ。
しかし、ひどい。そして、違和感。

「人の気配がしないな……」

兵たちには生き残りがいれば保護するように指示するも、そのような存在はいないのではないかと思われるほどだ。不気味に静まり返っている。
血だまりも黒く乾き、あったであろう惨劇を思わせるのだが。

「ん……?」

違和感が強まる。

「風!」

頼れる参謀がとてり、と近づいてくる。

「これ、どうにも妙じゃねえか?」
「そですね。流れたであろう血の量に比べて、死体が見当たりません。
 これは尋常ではないですね〜。
 二郎さん。今のところですが、ここで死体は……一つとして発見されていません。
 生き残った方もおりません。風達を除くと、この村落には誰一人いない様ですね」

生き残りも、死体も、発見できない……?

「賊が埋葬……するわけねえよなあ」
「考えづらいかと〜」

まあ、そうだよな。

「生き残りがいないのはまだ分かる。こっちの追跡を躱すための口封じと言う奴だな」
「とはいえ、略奪が目的であれば多少は逃散も可能かと〜。
 それに死体が見当たらないのも謎ですねぇ」

むむむ。なんともすっきりせん。

「だが、袁家領内でここまでのことをやる勢力……」
「そですね。しかも痕跡を残したくないとすれば、過去の実績から言ってまず疑うのは黒山賊でしょね〜」
「まあ、そうなるか。またぞろ十常侍に焚き付けられたか?それとも……。
 いや、ここで考えても休むに似たりだな。
 いっそ張燕を呼びつけるか?」

これが黒山賊の仕業だとしたら俺も舐められたもんだ。
俺が袁家の軍権を握ったこのタイミングで仕掛けてくるというのは俺の武威を貶めるということ。
だからこそ、いい手ではある、か。

「離間工作という可能性もありますが、まずはそこからですかね〜」
「そうだな。商会と張家の情報網も動かそう。
 おそらくまた起こるだろうから、自警団への指導、援助。紀家軍にも領内の巡回をさせよう」

訓練とかしてる場合じゃなさそうだ。大げさくらいに動こう。下手にまた義勇軍とか発生されても困る。
袁家は領内の治安に力を注いでいるということを内外にPRせんと。

「二郎さん、二郎さん。それじゃ足りないと風は思うのですよ」
「む。現状これくらいしか思いつかんからな。補ってくれるなら助かる」

にこり。
その普段は茫洋としている表情を引き締めて。
ぴし、と俺を指さす。

「二郎さんと同じく、風もこれは大げさでも全力で当たるべしと思います。
 ですから、きっちりとその権限は使っていただかないと」
「え?紀家軍動かすし商会や張家の情報網も……」

くふ、と笑みを含みながら風はやや大げさに両手を広げて主張する。

「そですね。二郎さんは袁家の軍権を握っておいでですから〜。
 ですから。
文家、顔家も動員すればいいのですよ。ちょうどいいではないですか。
 きちんと二郎さんの指示に他家が従うか、また円滑な連携ができるかの試金石にもなりますし〜」

196 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/10/24(水) 22:35:57.89 ID:f2BKyx0G0
む。

「事象については変えようもありません。であるならばこの状況を活かすことを考えるべきかと〜。
 情に棹差して流されるようなことが許されるお立場ではないのでしょう?」
「……そうだな。そうだったな。
 事後に慟哭するのは俺の役目じゃないな。ありがとな、風」
「いえいえ、これもお役目。お気になさらず〜」

ふわりとした笑みに癒されている自分に気づく。
泣くのはいつでもできる。今は前に、前に進まないと。ちり、とした焦燥を押し殺し、悠然と兵たちに指示を飛ばす。
大丈夫、大丈夫だ。俺は独りじゃない。何とかなるし、なんとかするさ……。

◆◆◆

「物資がないならば……あるところから持って来ればいいのです……」

波才のその言葉によって編成された物資調達班。南皮から遠きにありて。かの大聖堂はじり、とその物資の欠乏に怯えていた。焦りすらあった。
十万からの群衆──なおも増えつつある──を食わせるというのは大変なことなのだ。

「あの天上の歌声を響かせる、あの方たちが餓えに苦しむなどあっていいのでしょうか……いや、そんなわけありません……」

それはそうだ。天上の歌舞楽曲もかくやという彼女たちの歌声。それを聞くだけであらゆる悩みは消え去り、その動き一つに絶頂すら覚えるのだ。

「彼女らに供物を捧げるのです。彼女らの歌声を守るのです。彼女らには笑顔こそが相応しい……」

その通りだ。悲しげにしているなんて考えられない。いつだって笑っていてほしい。笑顔で歌ってほしい。

「彼女らに捧げる供物は神聖なもの。捧げれば救いはもたらされるでしょう……」

……農家の三男、四男。全く人生に意味がない自分。それが生きる喜びを、生きる楽しさをもらったのは彼女らから。
僅かな仕送りを手に、学問を修めようとするも先の見えないわが身に漲る力は彼女らのため。

「さあ、目の前にいるのは蒙昧。怒りなさい、昂ぶりなさい……憎みなさい!」

手にした武器を構える。

「これまで我(汝)らは収奪されるだけでした。が、これからは……我らは収奪する側なのです……。
 奪いなさい、犯しなさい……殺しなさい……」

どく、と心臓が高鳴る。視界は赤く染まり、獣性が解放される。
気づけば雄叫びが肺腑から絞り出されて、昂ぶる。

僅かに残る何かが足を動かさない……が、先を越される。そのことに屈辱を覚える。
無言で村に殺到する味方に遅れまいと、駆け出す。
無言で突き刺す味方に遅れまいとぞぶり、と槍を刺す。穿つ。
抵抗する村人に、槍を振るっていた味方が刺される……が、無言で反撃する。
更に味方が増える。

「幻影兵よ……蹂躙なさい……」

ついには防壁を突破し、そこは草刈り場。
手近な家の戸をけ破り、抵抗する女を殴りつける。
髪の色だけはあの美姫たちと一緒。だから服を剥ぎ取り、犯す、蹂躙する。
嗚呼、奪うというのはこんなにも快楽なのか。知らなかった。素晴らしい。
組み敷かれた女を救おうというのであろうか。幼児が殴りかかってくるのを蹴り飛ばす。
人体がはじけ飛ぶ感触に絶頂すら覚える。

「クク、素晴らしい……素晴らしい。素晴らしいですよ!
 もっと奏でなさい!人の業と、絶望との狂騒曲を……!」

波才は息絶えた村人に慈愛の籠った視線を向ける。

「嗚呼、人とはなんと儚いのか……。だからこそ素晴らしい……。
 無念だったでしょう、悔しかったでしょう……。ご安心なさい。皆、すぐに後を追いますとも……。
 そして貴方の無念は無駄にはしませんとも……」

波才は懐から取り出した呪符を額に張り付け、命じる。

「急急如律令!」

むくり、と起き上った死体であったものに指示を飛ばす。

「生者は死者に、死者は僵尸(キョンシー)に……。
 その祈りは聖処女に……。
 ええ、背徳の限りを尽くしましょうとも……。熱狂を捧げましょうとも……」

地獄絵図がそこにはあった。

だが、それでもこれは始まりに過ぎないのだ。いよいよ始まるのだ。
英傑が舞う時代が来るのだから。
197 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/10/24(水) 22:36:38.72 ID:f2BKyx0G0
本日ここまですー
感想とかくだしあー

タイトルは未定なので寝るsっjのす
198 :赤ペン [sage saga]:2018/10/25(木) 16:30:31.43 ID:D1PVFVfs0
乙でしたー
>>195
>>できれば生き残りに対する治療とケアができれば、といったところである。 間違いではないですが【できれば】が2回出てくると違和感が
○叶うなら生き残りに対する治療とケアができれば、といったところである。 もしくは【できれば生き残り〜ケアをしたい、といった】でどうでしょう
>>流れたであろう血の量に比べて、死体が見当たりません。 この言い方だと【血の量】を実際には見ないで他の何かで推測したように聞こえます
○血だまりの量に比べて、死体が見当たりません。 或いは【流れた血の量】?【血だまりの範囲】とか?【血だまりの多さ】とかでも良いかな?
>>196
>>気づけば雄叫びが肺腑から絞り出されて、昂ぶる。 〜 無言で村に殺到する味方に遅れまいと、駆け出す。  獣のように吠え猛ってるのか、陶酔してトランス状態で無言なのか
○気づけば熱に浮かされたように、大いなる意思に従うように、昂ぶる。 〜 無言で村に殺到する味方に遅れまいと、駆け出す。 波才が催眠術っぽいことして思考力奪ったならこんな感じ?無言って意思が無くなってる感じだしその後に奪う快楽に酔ってるからちょっと違う?
○気づけば雄叫びが肺腑から絞り出されて、昂ぶる。 〜 怒号と共に村に殺到する味方に遅れまいと、駆け出す。 〜 遮二無二突き刺す味方 〜 が、笑いながら反撃する。  多分「きひひひ」とか「うへへへ」とか「ひゃははは」とか哄笑?狂笑?上げながら、ヤバい薬決めた感じならこうかな?
>>手近な家の戸をけ破り、 そういえば最近の小学校の教科書だと暑中見舞いを暑中見まいとか書くとかなんとか…本当なのかね?
○手近な家の戸を蹴破り、 の方がいいと思います
>>人体がはじけ飛ぶ感触に絶頂すら覚える。  …北斗神拳?いやまあ大の男がリミッター外して子供を全力で蹴ればそうなるかもだけどそんな死体はさすがに死体として残りそうだし
○人体をブッ飛ばす感触に絶頂すら覚える。  もしくは【破壊する】?学が無いし【ぐちゃぐちゃにする感触】とかも有りかな?骨を折った感触なのか内臓を潰した感触なのか肉の塊を蹴り飛ばした感触なのかは分からんけど

ふーむ、どれくらいの集落にどれくらいの集団で襲いかかったかは分からんけど、逃げ出せた人が一人もいないってことは…少数で突っ込んだ?大勢が襲ってきたら戦う前に逃げ出す人たちがいるよね>>「とはいえ、略奪が目的であれば多少は逃散も可能かと〜。 ってことは本当に文字通り全滅ってことで
でも小さい集落じゃ備蓄も相応になるし…ざっと10万人をとりあえず食わせるだけの食料、しかもキョンシー化できるのは波才だけだし、と言う事は襲撃は同時じゃなくて一筆書きみたいな形?
でも報告は同時…多分見回りと行商人とかか・・・ところでその奪った食料拠点に運んでる間にどれだけ減っtあっキョンシー
199 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/10/25(木) 21:54:58.40 ID:oI0J73uq0
>>198
赤ペン先生いつもありがとうございますー!

さて。

>・・・ところでその奪った食料拠点に運んでる間にどれだけ減っtあっキョンシー
もうこれに集約されてしまってますねぇ……
200 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/10/25(木) 21:55:50.67 ID:oI0J73uq0
多分今はやりのゾンビパニックならぬキョンシーパニック
201 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/10/25(木) 22:15:19.41 ID:oI0J73uq0
今日は寝ます
202 :赤ペン [sage saga]:2018/10/27(土) 11:04:51.65 ID:pTqYVE8y0
雨ヤバい
203 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/10/27(土) 12:02:46.81 ID:qlwjRqYk0
NHKニュースでもやってますね
お気を付けてくださいませ
204 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/03(土) 16:53:02.15 ID:gB7K5ab60
やったぜ(鹿)
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/03(土) 18:21:26.62 ID:RV237HSOo
よかですな
何より無失点がデカい
206 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/03(土) 18:31:49.10 ID:gB7K5ab60
>>205
ありがとうございます。
アウェイはなんか4000mの高地とか聞いたので、まだ何も成し遂げてないとかね
がんばえー
207 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/03(土) 22:16:38.61 ID:gB7K5ab60
結局目ぼしい手掛かりを得ることもできず、俺たちは南皮に帰還した。
失意を友に、と言ってもいい。
麗羽様に経緯を説明し、文家と顔家に出動を命じる。

「……しかしこんなに反対もなく動くとはなあ」

驚くことに……文家も顔家も俺の命に反駁もなく従ったのだ。

「何を言うのですか」

呆れたような口調で嘆息するのは稟ちゃん。袁家内での地位については相当地歩を固めつつある。凄い勢いで。

「や、だってさ、十年単位で袁家の軍権を掌握しようとしてたんだぜ?
 それがこんなに容易いとなるとだな。逆に違和感があるのよ」

いや、そりゃ猪々子や斗詩は俺の言うこと聞いてくれるとは思うよ?
つか、袁家の派閥争い的なものを乗り越えて俺が軍権を掌握するには人脈に頼るしかないからして。

「では、お手にされたものの大きさを実感するいい機会ですね。
 文家、顔家共に二郎殿の指示に従う旨連判状がここにあります。 
 両家の主だった士官が名を連ねております。
 どこぞの策謀家気取りの軟弱な輩とは一線を画すようですね。
 流石は袁家。尚武の気風は確かかと」

む。肩が重いぞ?

「足を引っ張られるよりは肩が重い方がよかろう?主よ」

玲瓏たる声をかけてくるのは俺には過ぎたる家臣の一人、星である。

「まあ、そうだな。前向きに考えるか。予想以上に俺の指示が行き渡ってるみたいだしな。
 星にも働いてもらうぞ?」
「無論。御身に捧げたこの身なれば。如何様にもお使い下され。
 ……勿論、臥所での働きでも否やはございませんぞ?」

艶然と微笑む星の言葉に数瞬絶句する。
さて、何と返したものかと思う間もなく。

「いいいい、いけませんよ星。我らはその才をもってお仕えするというのにその、夜のお相手など不謹慎です。そのようなことを命じられては非力なわが身は抗うこと能わず。その純潔を散らしてしまうのですね。いえ、嫌という訳ではないのです。が、この身を捧げるにはやはりそれなりに状況が整っていないといけないと思うのです。ええ、私はやはりそれは不本意と言いましょう。ですが。ですが二郎殿が情熱的に迫ってきたら私は拒むことが出来るのでしょうか。いえ、拒むべきですね。拒むでしょう。ですが二郎殿の激情は私の防壁を容易く貫き、この身を穿つでしょう。嗚呼、やはりこの身は、純潔は儚く散る定めというのでしょうか。いけません、いけません。そもそも軍師とはあらゆる利害関係と無縁な状況に身を置いてから……」

ぷぴ、と吹き出す鼻血はマグマの如く赤く、熱く吹き上がる。人体の神秘ここに極まれり。などと思っていたら。

「むむむ。これはしたり。二郎殿、介抱は任せた」

あ、こいつめんどくさいこと押し付けて逃げる気満々だな。
そう考えると風はあれで面倒見いいのかな。

ぐったりとした稟ちゃんをとんとんしながらそんなことを思う俺であった。

◆◆◆

208 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/03(土) 22:17:11.59 ID:gB7K5ab60
「とまあ、そういう訳でさあ、俺としちゃ予想外だったのよね。
 文と顔があっさり俺の指揮に従うなんてさ」

わけわかめ、いみとろろなのが本音の二郎です。いや、よかったんだけどね。十年単位で丹念に指揮権を確立していくつもりだったからさ。

「そりゃ従うだろうさ。おいらにゃ二郎が何でそんなに不思議そうにしてるのかがわかんねえけどな」

干菓子を摘まみながら張紘がそんなことを言う。むう。どうせ俺は頭悪いよ。

「あのなあ、二郎。本当に本気で分かってなさそうだから言うけどな、お前本気で文家と顔家が従わないとか思ってたのか?」
「だって俺ってば凡人じゃん。武では猪々子や斗詩には敵わんし、お前らみたいに頭だってよくない。
 精々積み上げた虚名と金、後は血筋か。そんくらいじゃねえ?」

実際袁家は割と実力主義なのである。田豊師匠とか麹義のねーちゃんとかが権力と権益を掌握していたのもその実力故のこと。
実際、麗羽様みたいに圧倒的なカリスマはないし、武勇とか智謀とか、話にならない。
これが時代劇なら精々悪代官か越後屋が役回りとしては妥当だろうて。それはそれで楽しそうだけんども。

「お前な……。あまり自分を過小評価するなよ?悲しくなっちまうぞ。
 いいか、二郎、お前は大した奴だ。このおいらがそう断言する。足りないならそこで他人事みたいにな、にこにこしてる沮授だって追加してもいい。
 重ねて言うぞ、お前は大した奴なんだ。すごい奴なんだ」

そんなん言われてもなあ。沮授よ、お前まで珍しく真面目な顔してどしたのさ。

「いえ、僕も張紘君に同意しますね。いやはや。
 謙遜かと思った時もありましたが、本当に本気で自己評価が低いですねえ」

いや、実際、お前らみたいな英傑と凡人を一緒にすんなって。
ここで対等に話せてるのって生まれのアドバンテージと前世知識のおかげでしかないぞ。

「あのな、そんな不思議そうな顔してるなよ。
 いいか、二郎がいなきゃあさ。おいらなんてまだきっと流民として彷徨ってたろうさ。
 あの日な、あの時にあの場所でな。二郎に声をかけられなかったら、きっとそうだったさ」

や、張紘ほどの能力があったらどこ行っても、ねえ。と思うんだが。

「ああもう!まだ納得してねえな。こっからは二郎のことだ。
 いいか、この袁家で、麹義様、田豊様という文武の重鎮に等しく教えを受けているってことがどういうことかは分かるな?
 袁紹様、袁術様の信頼厚く、他の武家当主とも親密だ。これは、すごいことなんだぞ?」
「加えて、近年の武勲はほぼ二郎君が独占してますね。それが望んだものかどうかは置いておきましょう。
 更にはじきに州牧となる公孫賛、孫家とも個人的に友誼がある。いやはや、千金、いや、万金を積んでもその半分も果たせないでしょうね」
「あー、そりゃね。ねーちゃんと師匠からそういう期待はかけられてたと思うけどね……。
 いや、期待をかけられるというのはありがたいことだわな」

重みを背負っていた肩がさらにずっしりとくるぜい。

「だからだな、二郎よ」
「ん?」
「お前が双肩に袁家を背負っているというのはおいらだって、その、分かる。
 だから、だな。おいらたちにその重みを分けてくれよ」
「そうですよ、他でもない義兄弟なのですから。水臭い。
 もっと頼ってくれていいんですよ?いえ、違いますね、頼ってください。
 僕達はね、二郎君が大好きなんですから」

そ、そんなこと言われたら、泣いてまうやろー!つか、やべえ。ほんま、泣いちゃう。
だが、その言葉が嬉しい。気遣ってくれているということが、本当に嬉しい。
だって、張紘と沮授が、だぜ?

「お、おうよ。なんか、楽になったわ。ほんと、ありがとな。
 そ、そうだな。まあ、取りあえずは謎の賊対策だ。厄介極まりない」

次善の策を練る俺たちに声がかけられる。

「二郎様、『飛燕』様がおいでとのことです」

陳蘭の遠慮がちな声に昂揚していた頭が冷え切る。
さて、期待の梟雄のおいでだ。

「二郎君?如南はどうします?」
「雷薄と張郃、それに沙和を派遣する。雷薄なら問題なく軍を把握できるし、裏は張郃だな。
 沙和もそろそろ管理職として経験を積んでおいてほしいとこだしな」

一記者としては結構評判も高まっているけど、もっと大きなステージで活躍してもらわんとね。

「よし、手配しとく。二郎達が赴くまでにきっちり仕込みは済まさせておくように、な」
「頼むわ」
「しかし雷薄将軍ですか、如南への赴任は望むところでしょうね」

娘さんが如南にいるからね。これは如南に行く時の楽しみが増えたね。

うっし、とりあえずは張燕だ。あいつがこの乱の首謀者とは思わんが、きっちりと締め上げてやろう。
209 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/03(土) 22:19:37.09 ID:gB7K5ab60
本日ここまですー感想とかくだしあー

タイトル案募集です
不穏の影とかそんな感じで一つよろしくお願いいたします。

210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/04(日) 23:17:52.92 ID:0N97B+280
乙です
211 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/05(月) 22:09:36.57 ID:NFwsAWrT0
>>210
どもです

やってやるぜという意思にアルコールを注いで肝臓が炎上するの、なんとかしないといけません
212 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/05(月) 23:22:03.22 ID:NFwsAWrT0
明日はやるぜ
213 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/05(月) 23:27:27.35 ID:NFwsAWrT0
殺してやるという決意を新たにして、自分を追い込んでいく
心身をぼろぼろにして尚書く。
書くのだ。
前に進む。そこに義務感はない。かつてはあったものだ。
前に進むその思い。踏み出す。

そんな感じっすですが、助けて精神的な意味でー
214 :赤ペン [sage saga]:2018/11/06(火) 10:22:29.12 ID:4uYB5tZW0
乙でしたー
>>207
>>純潔は儚く散る定めというのでしょうか。 間違いでは無いのであくまで私の趣味ですが
○純潔は儚く散る運命というのでしょうか。 運命と書いてさだめと読む…そんなカッコつけた感じが好きだったり
>>208
>>次善の策を練る俺たちに声がかけられる。 まあ既に最善は無いともいえるけど《この状況》からの最善策を練ってほしいなあ
○様々な策を練る俺たちに声がかけられる。 もしくは【できる限りの】とか【考えられる限りの】とかどうでしょう?

何だったかで読んだのが《自分を軽く見ると言う事は自分を重く見ている人たちをも軽く見ることだ》みたいな…《お前はお前を信じてくれた人たちを石ころを宝石だとありがたがる阿呆にするつもりか?》とかなんとか
まあこの義兄弟がいる限り二郎ちゃんがソコを間違えることは無いでしょうけど

ふうむ、なんちゃってWiKIで《綺麗》とは【紀霊】が語源であり、外面的な美しさだけではなく、人付き合いの巧みな人、見ず知らずの人と仲良くなれる人を指すものである。とか作ろうと思ったけどパンチが足りないんだよなあ
お父さん(紀文)のWIKIでも作ってみるか…汗を倒した後は治安維持に務めた、くらいしか設定ないんだっけ
215 :赤ペン [sage saga]:2018/11/06(火) 17:47:31.72 ID:4uYB5tZW0
宝貝って現代でも残ってるのかなあ…私の前に書いた農徳新書の奴では神秘的なあれこれは薄れたって勝手に設定したけど
三尖刀が重文指定とか国宝とかになって現存してて資格のない物が持つと衰弱するとかのオカルトアイテム化してても良いけど
216 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/06(火) 22:00:43.20 ID:tYv43dqi0
>>214
赤ペン先生いつもありがとうございます

>まあこの義兄弟がいる限り二郎ちゃんがソコを間違えることは無いでしょうけど
まあその通りなんですがやはり慣れないものですよ、英傑と並んで立ってるとw

>お父さん(紀文)のWIKI
楽しみですw

>宝貝って現代でも残ってるのかなあ…
近現代でのそれっぽいのだとホープブルーダイヤモンドとか、英国の物騒な椅子とかありますねw
近代になると神秘が薄れて云々かんぬんの型月設定は便利かもですね

型月世界とかメガテン世界だったら初手鹿島神宮で布都御魂剣(ふつみたまのつるぎ)ゲットしに行くですよ
あっこの宝物殿、ほんまひどいですからー
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/11/08(木) 16:37:23.58 ID:vf3zAMhy0
うぬぬ・・・期待が重い。陳・海東先生のお力をお借りしてWIKIと言うよりはさわりだけのお話にするべきか
ちなみに史実とかとの整合性は考えないので年齢とかは適当に決めようと思ってるんですが…二郎ちゃんって母親の違う兄弟とかはいないってことで良いんですよね?(お父さんの最盛期のAAを見ながら
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/08(木) 22:27:49.16 ID:fEgLetc7O
> お父さんの最盛期のAA

パンツマンのAAでWIKIとは
胸熱すぎww
219 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/08(木) 22:32:27.26 ID:X8P4rn8V0
>>218
そっちは廃人やw

全盛期は体が勝手に風呂場に向かう黒髪の貴公子やぞ
220 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/08(木) 22:38:21.73 ID:X8P4rn8V0
「それじゃあ今日はここまでにしましょうか」
「はい、ありがとうございました!」

一礼し、伸びをするのは桃色の髪の少女。益州を治める劉焉の息女である劉璋その人である。
ここ洛陽には遊学がその目的である。正直期待はしていなかったのであるが、その講師に蔡邑という才媛が充てられたことで、極めて充実した時を過ごしている。
実際、この洛陽でも三本の指に入るのであろう大学者なのだ。それを手配してくれていたに違いない青年に思いを馳せると。

「あら、どうかした?顔が赤いわよ?」
「なななななな、なんでもないわ、なんでもないですとも」

あたふた、と慌てる仕草が可愛らしくて。蔡邑はくすり、と笑う。
その大人びた表情に劉璋は何か思う所があったのか、む、と口を一文字に引き締める。
感謝の念はある。
論語はもとより、荀子、韓非子、六韜、三略。
益州では答えてもらえなかったような問いにもきちんと解答を与えてくれたのだ、この才媛は。
幾度も「なぜ?」と繰り返す自分が愚物扱いされていたことは誰より自分が分かっているのだ。
今ならなんとなく分かる。つまりあれは答えが出せないということを糊塗するためだったのだろう、と。
時すでに遅し、である。今や家臣団――仮初の――でも自分の味方なんていない。いないのだ。
だから、だからこそ、無条件に自分を助けてくれたあの青年に意識が向くのは仕方のないことなのだ。
そして目の前の麗人は多分自分よりもあの青年と接点が多くて、そして多分あの青年に興味はないはずなのだ。
つまり、情報収集するには恰好の相手だ。実際見事な論理で何もおかしくはないと自画自賛できるほど。

「そそそ、そういえば二郎と親しいのでしたっけ?」

ほら、こんなにも自然に話題を振れる。

「ええ、そうね。閨を共にするほどではないけれどもね」
「ねねねね閨って、あう、ひ。ななな。何をおしゃってるのですか」

目を白黒させる劉璋を微笑ましいと蔡邑は思う。
そしてその持って生まれた才と求められているであろう才の差異に微かに心を痛める。
驚くほどにその家臣団からの評価が低いのだ、この愛すべき少女は。
本人もそれを自覚しているのであろう、居丈高に振舞い、自らの権威を高めようとする姿は滑稽を通り越して痛ましくすらあった。
それを強要する環境にも、色々と言いたいことはあるが、それは彼女の仕事ではないし、そのような立場でもない。

「ふふ、ごめんなさいね。それで、紀家当主がどうしたのかしら?」

かなり余所余所しい言葉に、ほ、とした表情を浮かべる劉璋。

「あ、あのね?これって本当に二郎なのかな、って」

おずおず、と取り出したのは阿蘇阿蘇。怨将軍記念号と題された書物である。
見ればその頁は摩耗しており、丁重に扱っていたのであろうが、所々に破れた箇所もある。
きっとこの少女は大事に何回も熟読したのであろう。その類稀なる記憶力からすれば文章を全て諳んじていてても不思議ではない。

「それはこの絵姿かしら。それとも英雄譚のことかしら?」

貴種流浪譚と言った方がよかったかしら、と僅かに自分の放った言の葉を検討する間もなく劉璋は力強く答える。

「両方!と言いたいけど、この絵姿はどう見ても捏造よね。こんなに美形じゃあないもの。ほんと、盛り過ぎよ。
 こんな、ぱっと見て分かるくらいに美形じゃないもの。それじゃなきゃ私だって、あんなこと言わなかったし、あんな無様を……。
 そ、それはいいのよ。でもね、思うの。こんなに行く先で人助けをしているのかなって」
「あら、それは貴女が一番承知しているのではなくって?」

かぁ、と瞬時に紅潮した頬を隠すこともなく抗議の声を上げる。

「そそそ、そんなはずないでしょう。私はいつだって冷静、公平よ」

論点がずれていることに気づきもせずに一生懸命に主張する。
だって、あれは自分だけの大切な記憶なのだ、思い出なのだ。
だから、譜代の家臣団からも馬鹿にされているような自分であってはいけない。
聞けば、あの袁家の武家の最高責任者になったと言う。
何かお祝いの品を送ろうかと思ったが、今の自分にその資格はきっとない。

「そうね。その視点は大事だわ」
「っ、そそそそうよ。その通りですよね」

幾ばくかの時を浪費し、劉璋は冷静さを取り戻してその卓越した頭脳を再起動する。
そして、問いをその口にするその数瞬前に扉が開き、蔡邑は何進からの招請に応じる。

「ごめんなさいね、今日はここまでよ」
「はい」

結果的に、これが最後の授業となってしまうことなど、双方ともに知るはずもなかった。

漢朝各地で乱が勃発する。
世に言う、「黄巾の乱」である。
221 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/08(木) 22:38:48.70 ID:X8P4rn8V0

◆◆◆

らしくないな、と華雄は思う。だがまあ、考えてみれば無理もないことではあるかもしれない。
粉々に割れた酒器を片付ける侍女たちの手際は流石の一言。珍しくむっつりと黙り込んだ主人の醸し出す不機嫌な空気を気にする様子もない。
黙って新たな酒器に酒を注ぐ。
無言で酒を呷る何進。殺気すら漂うその眼は血走っている。

きっかけは袁家からの書面であった。続いて各地から寄せられる凶報。
乱である。叛乱である。もはや一時の暴動と言えない規模で広がる戦禍。
不可解なほどに広がるそれに何進を筆頭に政権を握る勢力は忙殺されている。
いよいよ宦官勢力を削ぎ始め、少しずつではあるが着実に成果が見え始めていたというのに。
今では宮中では乱の責を何進に問う声すら漂うのだ。

「フン、ついてない時はこんなもんか」

盛大に酒臭い息を吐き、何進は思考を切り替える。苛立ちはあるが、それにいつまでも囚われているわけにもいかない。
何せ双肩には漢朝がずしり、と。

「蔡邑と王允を呼べ」

けして大きくはない声に配下が慌ただしく動き出す。どうやら精神的再建を果たしたようだ。

「私はどうすればいい?」

華雄は取りあえず問うてみる。無論今すぐにでも兵を率いて飛び出したいという気持ちはある。
が、目の前の男の指示に従った方がより効果的に自分の武は活きるのであろう。

「フン、そうだな。
……ン。
いや、いい。俺の背を守れ」
「承った」

愛用の戦斧を持ち、背後に控える。ふ、と息を吐き、弛緩していた気を引き締める。
常在戦場。たちまちに四方八方の気配を掴み、捕捉する。
万に一つも不意など衝かせない。静かに、深く集中を。
目の前の男は確かに漢朝を支える大黒柱であるのだ。
なれば、いや、だからこそ自分の武を捧げるに相応しい。狷介な自分を華雄は自覚してはいる。だからこそ思いは深まる。
それを使いこなすはやはりこの男だけであろう、と。

あくまで静謐に。
昂ぶりながらも華雄は自らの責務を果たす。

何も大軍を率いて敵を討つのだけが武の在り方ではない。
既に華雄は自らの武を振るうに迷いは一片たりともない。

むしろ、武の振るいどころを見つけた武士(もののふ)。
彼女の心境を描写するならこうであろう。

「士は己を知る者の為に死し、女は己を説ぶ者のために容つくる。今、何進は我を知る」

◆◆◆
222 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/08(木) 22:39:48.28 ID:X8P4rn8V0

蔡邑が室に踏み入ると、そこは息苦しいほどに空気が澄んでいて。
原因は明らかだ。
悠然と座る何進の後ろに控える豪傑。華雄。
だが、ここまで凄味があったろうか?
何進や華雄には及ばぬまでも、ある程度の武を修めたからこそ分かる。華雄は何故だか分らぬが階梯を高めたのだと。
まあ、それは喜ばしいことであろう。友人としてもそれを寿ぐにやぶさかではない。
が、今はそれはむしろどうでもいい些事である。

「それで、どうしたものかしらね」

彼女とて現在の状況は把握している。
乱が各地で頻発。
無論、死をもって報わせるが倣いである。が。報告を信じるならば足りないのだ。
兵力が、将帥が、兵站が。ありとあらゆるものが足りないのだ。
十常侍とて愚物ではない。繰り返される宮廷闘争において何進はほぼ常に勝利を手にしていた。
が、そのために切り捨て、削られたた現有戦力、禁軍。即応兵力は、軍事予算はじりじりと削られており、漢朝全土には流石に及ばない。

だが、大将軍として軍権を握る何進に対する宮中の風は冷たい。
いや、むしろ卑賤なる身で漢朝の中枢にいること。それが身の程知らずであると言うがごとくに、これまで問題なく運営されていた手続きすら滞る。滞っていく。
馬鹿げている。
このような時に、非常時に足を引っ張るのが政略なのか。
いや、分かってはいたはずだ。洛陽どころか、宮中から出たこともない宦官。
それらにとっては地方の乱など、その混乱など想像の埒外であろう。
だからこそ自分は何進に賭けたのだ。

金城鉄壁を体現する華雄に軽く目礼し、存念を述べる。
恐らくは何進とて同じ結論に至っているであろう。

「黄巾、討つべし。そう諸侯に発すべきね」

簡にして単。
漢朝の威信は下がるかもしれないが、兵を蓄える諸侯の勢力を削ぐことができれば上々だろう。
何より、保つべきは平穏のはずだ。

「フン、そうか。そうだな。
 ……そうだ、な」

何進とてそれを分かっているのだ。
無念なのだろう。
じりり、と宦官の勢力を削り、無力化する。
袁家と馬家。この上ない武門の名門。漢朝の防壁たる二家の支持を背に、この漢朝を甦らせる。それは絵に描いた餅ではなく、手の届くところまで近づいていたのだ。

それでもこの英傑の心は折れない。地べたを這いずりまわりながらも頂点に至ったこの男の心はこれしきでは折れない。
不敵に笑いながら歩みを止めないのだ。
なれば、最終的に勝つのは。

「黄巾、討つべし。皇甫嵩と朱儁を呼べ。
 禁軍を動かす」

皇帝直属である禁軍を動かし、諸侯の軍を制御するという決意。
混乱の、泥濘の中で最善を掴むその凄味に蔡邑は微笑む。

「ええ、承ったわ」

艶然とした笑みに欠片も価値を見出さず、何進は室を辞する。
武の化身とその身を昇華させた華雄が付き従う。

その姿を見送る蔡邑は思うのだ。
彼が、彼らが。漢朝の命運を握っているというのは果たして不運なのか、幸運なのか。

223 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/08(木) 22:40:15.25 ID:X8P4rn8V0
◆◆◆

「困ったね、雛里ちゃん」
「うん、困ったね、朱里ちゃん」

伏竜と鳳雛と異名を持つ当代きっての智謀の士、二人である。
彼女らはその明敏さを遺憾なく発揮し、乱れつつある世をこの上なく憂いていた。

「為政者に徳なくば、世は乱れる。少しのんびりしてたかもね、雛理ちゃん」
「うん、目の前の、仮初めの安穏に目を奪われてたかもしれない。
 私たちもまだまだだね、朱里ちゃん」

彼女らは痛恨の念を込めて語り合う。

「でも、でもね、ここ南皮に来てよかったと思うの、雛理ちゃん」
「そうだね、朱里ちゃん。荊州にいたら分からないことだらけだったよ。
 虚ろなる風評に踊らされて暗君、昏君に仕えていたら、と思うとぞっとするし……」

そう、名門たる水鏡女学院空前絶後の俊才、英才。
一人でも手にすれば天下を手にすることのできるという傑物。それが彼女らである。
自らの天才を自覚する彼女らは仕える主君をこれでもか、というほどに検討しているのである。

「でも、ちょっとゆっくりしすぎたかもしれないね、雛里ちゃん」
「そうだね、朱里ちゃん。こんなにも世は乱れてしまったよ。これは私たちの怠慢かもしれないね」

黄巾の乱。
漢朝全土に広がるそれは彼女らの胸を痛めるに値する出来事。
きっと自分らが力を振るっていればそのような悲劇は、惨劇は防げたかもしれない。

「今からでも遅くはないよ、雛理ちゃん。この身は、能力はまだ見ぬ主のために」
「そうだね、朱里ちゃん。私たちが頑張ったらできないことなんてないよ」

互いの誓いを確かめ合い、笑いあう。
理想を追う輩(ともがら)が傍らにいる喜びをかみしめる。

「どうする?雛里ちゃん」
「決まってるよね、朱里ちゃん」

視線を合わせ、くすくすと笑い合う。そう、彼女らの思いは重なっている。
自らの能力を発揮する主を、選定している。

袁家?論外だ。血筋はいい。が、賤業を背負う紀霊に、よりによって軍権を掌握させた。
論外だ。視界にも入れたくはない。
公孫?論外だ。袁家の狗に何を望むというのか?
何進?更に論外だ。肉屋の倅に語ることなどない。
孫家?更に論外だ。狗以下の獣にどうして徳あろうか。
曹操?論外以前だ。宦官などという汚濁に触れたくもない。

「案外と言うか、やはりと言うか、人物というのはいないものだね、雛理ちゃん」
「そうだね、朱里ちゃん。一長一短程度の人材すら希少だね。麒麟は死に絶えて久しいのかな」

ひたすらに嘆く、憤る。世を憂う。
そんな彼女らに一人の英傑の噂話が。

「大徳」

黄巾の乱に心を痛め、義勇兵を募り、立ったと言う。
無位無官ながらその声望は響き渡っており、公孫賛も全力で援助したと言う。

「雛里ちゃん」
「うん、朱里ちゃん」

きっと自分たちはその人物に仕えるために生を受けたのだ。
不思議な確信を抱き、彼女らは歩みを進める。
当代きっての智謀の士たる彼女らの忠誠を受けるのは。

劉備。字を玄徳。

尊き血を引き、仁の心で世を導く英傑である。
224 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/08(木) 22:41:09.92 ID:X8P4rn8V0
本日ここまですー
感想とかくだしあー

うへへ

やっとこさ黄巾の乱が始まるよーw¥
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/09(金) 03:07:56.41 ID:O/FvAE2io
おつした

劉璋たんモフモフしたいお
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/09(金) 05:06:16.33 ID:jsm/7+gE0
おつ〜
ついに甘い夢に人々を誘う大毒婦の噂が腐れ儒者の耳に届くかww
227 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/11(日) 01:53:31.73 ID:g8s0wYnB0
やったぜ(鹿)
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/11(日) 02:12:05.06 ID:x0OcGzhco
通算20冠おめでとさんです!
229 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/11(日) 07:39:27.95 ID:g8s0wYnB0
>>225
どもです。

色々と微調整はしてますがやっぱり劉璋ちゃんは可愛いですよねええ

>>226
どもですw

>ついに甘い夢に人々を誘う大毒婦の噂が腐れ儒者の耳に届くかw
ひっでえw
230 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/11(日) 07:40:43.40 ID:g8s0wYnB0
>>228
ありがとうございますー!

記念に回らない寿司に行ってきますw


★アジア王者 ☆J1リーグ ◎天皇杯 ○Jリーグカップ

鹿島 20★☆☆☆☆☆☆☆☆◎◎◎◎◎○○○○○○
脚大 *9★☆☆◎◎◎◎○○
浦和 *7★★☆◎◎○○
磐田 *7★☆☆☆◎○○

−−−−−−アジア制覇の壁

東緑 *7☆☆◎◎○○○
横鞠 *6☆☆☆◎◎○
木白 *4☆◎○○

−−−−−−国内3タイトル制覇の壁

広島 *3☆☆☆
名鯱 *3☆◎◎
川崎 *2☆☆

−−−−−−リーグ制覇の壁

瓦斯 *3◎○○
横翼 *2◎◎
清水 *2◎○
桜大 *2◎○
湘南 *2◎○
千葉 *2○○
京都 *1◎
大分 *1○

−−−−−−タイトルの壁
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/11(日) 19:23:41.33 ID:LUaGsIDNo
> 回らない寿司
スーパーのパック寿司だな(決め付け)
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/11(日) 19:48:13.97 ID:5VTK3a6hO
>>230
懐かしい名前がちらほら
今は亡き翼とか緑とか

>>231
引きこもりのための出前館というのもあるぞ
233 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/11(日) 20:00:56.16 ID:g8s0wYnB0
>>231
最近は美味しいのもありますねw

美味しかったです

>>232
翼はともかく緑さんは死んでへんのんとちがいますか……w
234 :俯瞰者 ◆e/6HR7WSTU [sage saga]:2018/11/12(月) 07:47:59.81 ID:PZirNiIV0
こちらにも、取り急ぎご挨拶だけ。

うわわわわわわ、黄巾の乱始まったよ。どんどん置いて行かれている(自業自得)
追いつく。というより変化球から無理矢理繋げるしかないか。

祭邑さんは追尾しておこう。
235 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/12(月) 22:10:09.26 ID:HGkJTTLf0
>>234
どもです。ご無事でなにより。ご馳走様でした

>うわわわわわわ、黄巾の乱始まったよ。どんどん置いて行かれている(自業自得)
うえへへへへ。どんどこいきますぜー。

236 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/12(月) 22:20:18.26 ID:HGkJTTLf0
「浜の真砂(まさご)は尽きるとも、世に盗人の種は尽きまじ 、かあ。
 二郎が言ってたのも、納得するしかないのかなあ……」

はあ、とため息を一つ漏らす。そのため息の主は襄平の太守たる公孫賛その人である。
なお、本人は州牧に推挙されるのが既定路線で、それも間近であるということを知り戦々恐々な毎日ではあるのだが。
閑話休題(それはさておき)、彼女が話題にしたのは最近急激に発生している乱について。である。

「同意する。ただし。どうにも解せない点も多い。単なる賊と断ずることはできない」
「そうだなあ、村落丸ごと無人、かぁ……」
「労働力として拉致されたのではないかと推察する。殺戮して益することなどない。
 ただし、逃げ延びた民がいないというのが……解せない」

淡々と応じるのは韓浩。
軍事、民政、幅広く公孫賛を補佐する俊英である。紀家の幹部候補生であるのだが、本人の希望により公孫賛の補佐を継続している。
そして、だ。
とっつきにくいその人格、物言いにも公孫賛は慣れたものである。

「ま、そこら辺をあれこれと考えても仕方ないよな。今できることをするだけ、さ」

何せ、袁家も賊が黄色の頭巾を被っているということしか情報を掴んでいないのだ。

「同意する。下手の考え休むに似たりとはよく言ったもの。
 領内の警戒は常備軍の半数を充てている。急報あれば白馬義従の動員もする。した。
 あとは村落に自警団の組織化とここ襄平への急報、場合によっては逃散。事後の援助の凡例まで衆知させている」

公孫賛は満足げに頷く。
どだい、急襲された村落に援軍が間に合うはずもないのである。
物資を献上して済む相手ならばそれを推奨する。が、村民皆殺しとあらばそうもいかない。
一人でも逃げ延びてもらうしかないのだ。
治安維持、乱の鎮圧というのは後手に回らざるをえないのだ。
ただ。

「ただの賊までもが黄巾を纏っているみたいだからな。
 厄介なことだ」

こくり、と韓浩は頷く。限りなく無表情な彼女すら忌々しげに。
湧き出る賊。それはいい。いつの世も犯罪者というのは御器被(ゴキブ)りのごとく根絶できないものだ。
だが、ここまで漢朝に敵意を向けることもなかったはずである。

「ま、背後とかどうあっても私たちはできることをするだけさ。
 韓浩、頼りにしてる」
「承った」

にこり、と公孫賛は満面の笑みを浮かべる。
思えば最初はどうなることかと思ったのだ。この、何とも無表情だが有能な少女とどう付き合うかと。
今では掛け替えのない存在だと言える。
遠慮のない苦言、諫言もありがたい。だって的確この上ないのだ。
信頼関係だって結べている……と思う。
一言希望を漏らせば南皮に帰還できるのだ、この少女は。
それなのに未だに襄平に留まってくれているということの意味が分からないほど鈍感じゃない、と思うのだ。
面と向かって言うことはないけれども。

くすり。

ほくそ笑む彼女はきっと魅力的であり、どこぞの凡人も見惚れること受け合いではあったろう。
が、配下より来客が告げられる。

劉備。

「大徳」と異名を持つ公孫賛の食客である。

237 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/12(月) 22:21:37.04 ID:HGkJTTLf0
◆◆◆

「うん、だからね。やっぱり黙って見てられないの!
 わたしにだって、できることがあると思うんだ。
 愛紗ちゃん、鈴々ちゃんっていう私の妹たちってすごいんだよ?
 だから、みんなが笑って暮らせる世の中のために、頑張りたいな、って思うんだ」

常ならぬ、憂いを込めた表情に関羽は内心臍を噛む。嗚呼、この主人にこのような表情をさせてしまった自分が情けない、と。

「それはいいが、どうするつもりなんだ?」

決まっている。乱を平定するのだ。そのために兵を募るのだ。

「うん、悪いことしてる人だって事情があると思うんだ。
 だからね、私にもできることないかな、って」

嗚呼、大徳という二つ名は伊達ではない。
改めて忠誠を、赤心を誓う関羽。

「はは、桃香は昔からそうだったよな。
 いつだって皆のことばかり気にしてたもんな」
「やだ、白蓮ちゃん、やめてよぉ。 
 でもね、やっぱり私は思うんだ。
 皆が笑って暮らせる世界を作りたい、って」

 その言に公孫?は苦笑する。流石に話が飛躍すぎて。

「ま、私は襄平の太守だからな。
 まずは襄平を安寧とせんといかんから」

何と志の小さいことよ。
関羽は嘆く。勿体ない、と。
かの白馬義従が自らの掌中にあれば、如何程に成果を導いたであろうかと。

「うん。それはしょうがないよ。でもね。だからね、皆に聞いてほしいの、私の想いを。
 争いのない世界のために一緒に頑張ってほしいって」

 そう、これこそが本題である。大徳たる劉備。彼女の声を届ける機会。

「論外。却下。そろそろ室から退出すべき」

淡々とした声が水を差す。

「世を憂うならば公孫賛殿の配下に収まればよい。
 無位無官の浪人の立場よりよほど民の為に働ける。
 如何に」

劉備は小首を傾げる。

「でもね、それじゃ皆を助けられないじゃない?
 中華全土で乱は起こってるんだよ?
 今、みんな困っているんだよ?今、みんな泣いているんだよ?」

だったら、今動くしかないではないか、と劉備は真摯に訴えるのだ。
その勢いに公孫賛は押し切られそうになる。

238 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/12(月) 22:23:49.38 ID:HGkJTTLf0
「ま、まあ、民のために動くのも太守の務めだし……な」
「流石白蓮ちゃん!だいすき!」

盛り上がる二人に冷水を浴びせかける如く韓浩は淡々と言葉を紡ぐ。

「ここ襄平から出ていくのはいい。貴君らの奮闘に期待する。これは餞別。
 なに、路頭に困ったらまた帰ってくればいい。貴君らくらいの食い扶持ならばなんとでもなる」

どこからともなく差し出した金子。それは確かに多額である。三人が動く軍資金とすれば、だが。

「それでね、愛紗ちゃんと鈴々ちゃんはすっごく強いんだけどね、それだけじゃ駄目と思うの。
 やっぱり二人は将としてこそ輝くと思うんだ」

だからね、と劉備は訴えるのだ。

「一度、一度でいいの。白蓮ちゃん。兵士のみんなに私の言葉を、思いを伝えたいな、って。
 きっと分かってくれる人もいると思うんだ」

それは、とっても素敵なことじゃない?と満面の笑みを浮かべる。

「――」

公孫賛が発そうとする言葉を重ねて遮り、韓浩はあくまで淡々と述べる。

「却下する。太守の務めを疎かにせよとは笑止千万。
 そもそも身の程を弁えるべき。
 食客ごときが兵権を口にするなど、僭越の極み。
 いつも通り、そこかしこで油を売るのがお似合い。
 いつでも仕入元は紹介する。
 ……油の品質についても保証するが如何に」

関羽は激昂し、公孫賛は流石に口を挟む。

「韓浩、言い過ぎだ!」
「では要点のみ。
 戸籍のある正丁の勧誘は認めない。
 定職に就いている者の勧誘も認めない。
 領内での食糧他物資の徴発、募集も認めない。略奪とみなし、討伐の対象とする。
 ……ただし、当面の食糧のみ貸与する。如何?」

 ここで初めて韓浩と公孫?の視線が合う。交わる。

「……まあ、妥当じゃないか?」

向けられた視線を逸らさずに公孫賛は頷く。
領内が荒れるとなれば話は別だが、そうでない限りは余剰のある食糧くらいならば、と思う。

「うん、ありがとね、白蓮ちゃん」

満面の笑みで公孫賛に抱きつく劉備を微笑ましく思いながらも関羽の心は苦い。
これではつまり流民くらいしか動員できない。
多少なりとも兵卒を引き入れたかった、と。
主と、自分ならば千とはいかずとも、近い数字を動員できたはずだ。
それだけにあの、韓浩というちんちくりんの小賢しさが際立つ。

それでも、数は力だ。精々彼奴らが思う通りに踊ってなるものか。

関羽は決意も新たに主の下に向かう。

なに、獅子が率いる羊百頭は羊が率いる獅子百頭に勝つのだ。
自分が獅子であればいいのである、と。

関羽と韓浩。冷ややかな視線は交わることはなかった。
239 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/12(月) 22:24:32.92 ID:HGkJTTLf0
本日ここまですー
感想とかくだしあー

題名ぼしう

大徳動くとかそんな感じ?

どんどこいきますぜー
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/12(月) 23:30:45.82 ID:P3uLyAaho
おつしたー
うーんこの白々しい寄生虫ムーヴ
241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/12(月) 23:57:22.90 ID:Z5MocI3+o
おつー
わかいころは劉備すきだったがをきらいになりそうやっぱり劉備ってそんなやつだったのかな
242 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/13(火) 00:57:03.86 ID:JriGZ2Mno
寄生先悉くを破滅させながら膨れ上がった成金やぞ
243 :赤ペン [sage saga]:2018/11/13(火) 17:12:39.87 ID:wg7x6UOR0
乙でしたー
>>220
>>「ねねねね閨って、あう、ひ。ななな。何をおしゃってるのですか」   テンパってるし間違いじゃないかも
○「ねねねね閨って、あう、ひ。ななな、何をおっしゃってるのですか」  一応【何を】を言おうとしてつっかえてるからその前部分は【、】かな?
>>その類稀なる記憶力からすれば文章を全て諳んじていてても不思議ではない。 【諳んじる】とかなかなか使わないから自信が…
○その類稀なる記憶力からすれば文章を全て諳んじられても不思議ではない。  とりあえず諳んじることができる、ならこうかな?
>>何かお祝いの品を送ろうかと思ったが、 遠いし間違いでは無いかもですが
○何かお祝いの品を贈ろうかと思ったが、 意味合いとしてはこの方がいいかな?
>>221
>>華雄は取りあえず問うてみる。 一応これも
○華雄は取り敢えず問うてみる。 もしくは全部ひらがなで【とりあえず】のどちらかにした方がいいと思います
>>222
>>が、今はそれはむしろどうでもいい些事である。   多分意味が重複?逆に言えばどうでもよくない些事ってあるのか?と考えると
○が、今はそれはむしろどうでもいい、些事である。  もしくは【どうでもいい事である。】とか?
>>武の化身とその身を昇華させた華雄が付き従う。 なんとなく違和感が…
○武の化身にその身を昇華させた華雄が付き従う。 もしくは【武の化身へと】でどうでしょう
>>223
>>当代きっての智謀の士たる彼女らの忠誠を受けるのは。  間違いでは無いですがココは幼女二人の視点なので
○当代きっての智謀の士たる彼女らが忠誠を捧げるのは。  の方がいいかな?と思います

>>公孫?論外だ。袁家の狗に何を望むというのか? ・・・たしかに真実その通りだけど一応対外的にはまだ協力者って言うか同盟者ってだけなんだが
>>公孫賛も全力で援助したと言う。 ・・・客観的に見れば袁家の狗の更に犬なんだよなあ、まあ原作で劉備が公孫賛にした所業を考えると飼い犬に手をかまれたってレベルじゃないけど…それはそれとしてよく韓浩が【全力の援助】を許したな、まあ公孫家って立地として壁だから内側へ割く兵力なんてないから漢潮からの命令を何とかしようとした結果かもしれんけど
>>孫家?更に論外だ。狗以下の獣にどうして徳あろうか。 ひでえwwwだが残当wwwだけどどうやってそれを知ったんですかねえ?
こいつら入手した情報から正解を導き出す能力は高いけどそもそも情報を入手する力はそんなでも無さそうなんだけど。それとも平民の間でも噂になるほどに公然と袁家ぶっころとか言ってるんだろうか?孫家首脳陣・・・一応三女が袁家のスペアと仲良いしパット見た目にはそこまで論外じゃないんだが(なおその場合袁家の狗判定w)
ところでこの頃大過なく領地を豊かにしているだろう劉表さんは・・・後々劉備が欲しがる程度には肥えさせてた名君だと思うんだが
244 :赤ペン [sage saga]:2018/11/13(火) 17:58:51.45 ID:wg7x6UOR0
さて続きを・・・読むだけで精神力が削られてる気がするけど書いた一ノ瀬さんの事を思えばこの程度
>>236
>>はあ、とため息を一つ漏らす。そのため息の主は襄平の太守たる公孫賛その人である。  【そのため息】がちょっと読みにくいかな
○はあ、と溜め息を一つ漏らす。その溜め息の主は襄平の太守たる公孫賛その人である。  の方がいいと思います
>>ほくそ笑む彼女はきっと魅力的であり、どこぞの凡人も見惚れること受け合いではあったろう。  【ほくそ笑む】って物事が思い通りに行った時の笑みらしいのでちょっと違うかな?
○微笑む彼女はきっと魅力的であり、どこぞの凡人も見惚れること受け合いではあったろう。    それになんとなく《しめしめ》みたいな印象もありますし
>>238
>>「それでね、愛紗ちゃんと鈴々ちゃんはすっごく強いんだけどね、それだけじゃ駄目と思うの。  もうこいつの場合喋り方とかわざと間違いそうだな
○「それでね、愛紗ちゃんと鈴々ちゃんはすっごく強いんだけどね、それだけじゃ駄目だと思うの。 いやワザとというか天然でと言うか…相手の思考力を奪う喋り方しそう
>>精々彼奴らが思う通りに踊ってなるものか。    【精々】だと踊ってやろう。とかに繋がりそう
○そうそう彼奴らが思う通りに踊ってなるものか。  とかどうでしょう?もしくは【精々思い通りに踊っていると嘲っていろ。 】…韓浩への敵愾心バリバリならこんな感じで穿った見方しそう

ああ、コレを《公孫賛からの全力の援助》と嘯いてただの無頼じゃないってことにしたのか・・・誰がそんなイラン事入れ知恵しやがった!?クルクルハッピーと脳みそ幼女と脳みそ筋肉のはず…まあ普通に考えて知力は高い劉備が思いついたんだろうな
公孫賛が最後が?になってるのが地の文が関羽だから名前うろ覚えなのかなと納得しかけてしまった
この同じ言葉を話してるはずなのに会話が通じない感じ…まさに大徳!!冗談はともかく何故関羽は韓浩へ辛口になるのはともかく公孫賛まで見下した感じなんだろう>>決まっている。乱を平定するのだ。そのために兵を募るのだ。  この《なんでそんな事も分からないんだ?》感が滲み出た感じよ
そう言えばこの時の劉備って実際どうしようと思ってたんだろうね?反乱軍にも理由があると思うって言ってるけど、だからまずは力でねじ伏せて、そのあと相手の言い分を聞いて、彼らのやりたいことを私が代わりにやってあげれば元に戻るよね?みたいな感じ?
彼らにも言い分はあるだろうけどそれはそれとしてブッ飛ばしてブッ飛ばして戦う気力をなくすまでぶっ飛ばせば治まるよね?って感じ?
まあそこまで滅茶苦茶な極論ではないだろうけど、どういう落としどころを、と言うか決着の仕方を目指してたんだろう
245 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/13(火) 21:19:31.92 ID:G6rVZBQq0
>>240
どもです。

>うーんこの白々しい寄生虫ムーヴ
白々しいんじゃない!本心からの言葉なんだ!

>>241
どもです。

>わかいころは劉備すきだったがをきらいになりそうやっぱり劉備ってそんなやつだったのかな
吉川英治、横山三国志ベースだと混乱することはあるかもしれません
年取ると一周回って味わい深いキャラです。こいついないと三国志始まらないし(適当)
秘本三国志(陳舜臣)、蒼天航路あたりを読むと中々に魅力的な劉備さんがいらっしゃいます

>>242
秘本三国志はマジでオススメですねえ

>>243
赤ペン先生いつもありがとうございますー!

>こいつら入手した情報から正解を導き出す能力は高いけどそもそも情報を入手する力はそんなでも無さそうなんだけど。
い、一を聞いて十が分かった感じになる。実際怖いw

>この同じ言葉を話してるはずなのに会話が通じない感じ…まさに大徳!!
そこです!そこがCPBの持ち味なんや(偏見)
実際原作やってても理解不能でしたが、キャラとしてそのまま再現はデキる!

>そう言えばこの時の劉備って実際どうしようと思ってたんだろうね?
え?それ聞いてしまいます?
そらもう「私に腹案がある」パターンでしょう!
実際、動いてみないと分からない事態ではありますし、ありっちゃありですが、
彼女の立場とか考えると、そこまで考えてはいないと思います。
何かしなくっちゃという純粋な使命感と善意ではなかろうかと。
246 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/13(火) 23:11:57.26 ID:G6rVZBQq0
兵を発するべし。黄巾誅すべし。
洛陽から出されたその命は中華を駆け巡ることとなった。

発せられた勅に諸侯は動く。動き出すだろう。

「随分思い切った手を打つね?
 まさか、越境さえも許可するとは。
 治める州の治安のみならず、黄巾根絶まで諸侯を動かすのかい?」

苦笑交じりに声をかけるのは皇甫嵩。禁軍、諸侯軍を指揮する――と何進に任じられた――総司令官である。
高潔な人格者としても有名であり、能力についても疑う者はいない。
故に、何進の出した布告についても意図を読み込んでくる。

「そりゃ、兵を蓄えている諸侯の実力を測るにはいいと思うよ?
 でも、彼らを調子に乗せるのもどうかと思うけどね」

何進は一顧だにせずに、素っ気なく。

「フン、大事の前の小事だ」

吐き捨てるがごとく。

「軍閥ができても知らないよ?」
「今更、だな」

袁家、馬家は匈奴を防ぐ上でどうせ必要。
後は劉表、劉焉の皇族。そして新興たる曹操、孫策、公孫賛。
それら全て、統べて。

「抑えきって見せるとも、さ……」

徹頭徹尾孤立無援。
潜在的な政敵の増加などに怯む何進ではない。

「貴様こそ、きっちり平定するんだな」
「はは、笑えるね、その冗談」

皇甫嵩は笑う。
何進は大げさなのだ。流民が起こした乱など禁軍のみでも充当であるというのに。
いくら広範囲で乱が起こっているとはいえ。
……いや、逆だな、と推察する。この自分が武勲を立てすぎるのを嫌っての諸侯の動員なのであろう、と。
なるほどなるほど。思ったよりも随分小賢しい。肉屋の倅ごときと侮らせてはくれないようだ。相変わらず。

「ま、見ているがいいよ。乱の一つや二つ、平らげて見せよう」

身をひるがえし、室を辞する。
すれ違う武人に苦笑する。
全く、あのがちがちに漢王朝への忠誠篤い馬騰と何進が親友どころか義兄弟であるなど、何の冗談だ、と。

247 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/13(火) 23:12:24.16 ID:G6rVZBQq0
◆◆◆

覇気も露わに馬騰は洛陽を辞することを何進に伝える。

「涼州に、か?」
「うむ、兵を発する」

簡潔な会話に多くのものを込めて馬騰は笑う。

「なに、ここ洛陽にいるよりも、だ。戦働きの方が私には向いている。
 武勲引っ提げて再び馳せ参じようとも」

ほとばしる気炎、気迫を背負った笑み。爛々と光る眼光に何進も苦笑せざるをえない。
嗚呼、この、実直たる盟友は兵を率いてこそ輝くのであろうと。

「存分に暴れるがいいさ。……頼りにしてるぜ?」
「うむ、任せておけよ」

呵呵大笑。漲る気迫は英傑そのものを体現している。

「なに、黄巾賊と言ったか。
 それ全て涼州兵が食ってしまっても構わんのだろう?」
「クハ、頼りにしてるさ。頼りにしてるとも」

再度呵呵大笑。
何進は思う。この男との縁こそ、異なもの味なものだ、と。

248 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/13(火) 23:13:17.27 ID:G6rVZBQq0
◆◆◆

「父上が帰ってくるのか!」

馬超は喜色を隠しもせずに賈駆に確認する。

「ええ、そうよ。黄巾討伐は馬騰殿指揮下に於いてなされるわね」
「うん、うん!それでこそだ!馬家の武威、響き渡るさ!」

賈駆は内心苦笑する。
馬家を率いる自覚ができたかと思えばこれだ。
結局彼女は父の影から逃れることはできないのではないか、なんて思ってしまう。

「馬騰殿が帰ってきたらボクも月のとこに帰るからね」
「ん?そか。董家も兵を発するのか」
「ええ。世が乱れるのを月は座視しないわよ」

残念だな、と馬超は思う。賈駆の能力であればどれほどに涼州の騎兵を操ったであろうかと。
彼女の知略あればどれほどに馬家軍は羽ばたいたであろうかと。

「ま、戦場でまみえることもあるでしょう。その時は、よろしくね?」
「ああ、こちらこそ、よろしく」

賈駆とて不本意である。
馬家は馬騰、馬超、馬岱と総動員して乱に当たるであろう。

なれば、涼州を守護するのは韓遂となろう。
手を尽くして弱体化させたというのに、という悔悟。
無力化までは考えていなかったが、流石にこの事態は想定外。

「でも、涼州よ。いずれボクは帰ってくるわよ?
 韓遂、精々一時の安寧を味わいなさい……」

獰猛な笑みを浮かべて賈駆は誓うのであった。

◆◆◆

249 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/13(火) 23:13:44.47 ID:G6rVZBQq0
兵を発せよ。
その命は中華を駆け巡る。太守、州牧といった諸侯に行き渡る。
ある者は自らの富貴を擦り減らすであろうその命に舌打ちし、領内安堵に努める。
ある者はその使命感により発奮する。
そして、何進が警戒する諸侯の一人である陳留の太守。曹操は笑いが止まらない。

「春蘭、兵を整えなさいな。大至急にね。秋蘭、留守は任せたわ」

迸(ほとばし)る覇気。主君の漲(みなぎ)る気迫に夏候惇は喜びを露わに、夏侯淵は静かに。その命に従う。
場に残る荀ケは主君に問う。

「よろしいのですか?戦力が磨り減る可能性もありますが」
「構わないわ。こんな千載一遇の機会なんてないもの」

そもそも、漢朝全土に広がる黄巾の乱。本来であれば官軍のみで当たるべきである。
だのに、諸侯に兵を発させるのはなぜか。

……売官の廃止である。

賄賂等で腐りきっている漢朝――何進が政権を担ってからは改善されている――であるが、売官で得られた金銭に関しては国庫に納められるものであった。
それが廃止され、しわ寄せは軍備に、常備軍に向かったのだ。幸か不幸かその当時は天災も少なく税収も安定。故に常備軍を削って帳尻を合わせていたのである。
無論、軍権を握る何進への宦官勢力による妨害工作という点も大きい。

ともかく、禁軍という禁裏を警護する最精鋭を繰り出すことからも漢朝の直接握る軍事力の減退は見て取れる。
……この段階でその決断をする何進に対する評価。それを二段階ほど上げたのではあるが。
ともかく、誰はばかることなく手元の兵を動かせるというのは大きい。
現状、曹操に足りないのは一にも二にも声望。これに尽きる。
それを得る絶好の機会である。陳留以外にも武威を示す機会である。
なにせ、これまで禁じられていた、領外への派兵も認められているのだ。更に兵糧は官から支給される。
洛陽に、禁裏に歩を進める前に絶好の機会が訪れたのだ。笑いが止まらないというものである。
既に禁裏の宦官。その中で十常侍に与しない者の帰順は始まっている。この乱を平定し、声望を手にすれば思ったより早くに宦官勢力の掌握は容易であろう。
陳留を中心とした地盤。精強なる武力。圧倒的な声望。宦官勢力を束ねるだけでは得られないこれらを手にした自分ならば、戦後に大将軍たる何進と伍することもできるであろう。
そして最終的に勝利を手にするのは自分だ。

「桂花、曹家の命運は、荒廃は、隆盛はここにその突端があるわ。頼りにしてるわよ」
「はい!華琳さま!」

艶然と笑い、曹操は昂ぶる。何進が、十常侍が、袁紹がこの乱の後には政敵となるのであろう。
だが、自分ならばそれらを全てに跪かせることも可能であると確信して。

天運、我にあり。
我が天を裏切ろうとも、天が我を裏切るは許さず。

◆◆◆

250 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/13(火) 23:14:11.30 ID:G6rVZBQq0
兵を発せよ。
その命は中華を駆け巡る。ここ襄平にもそれは到達している。
太守たる公孫賛に否やはない。むしろ領外に逃亡した賊に痛撃を食らわすことができるとあり、意気軒昂である。

「白馬義従は伊達じゃない!」

これまでは領外に逃散する賊になすすべもなかったのだ。
だが、これからはそうはいかない。

「見せてやろうじゃないか、公孫の武威というやつを」

実際、彼女が手塩にかけて育てた兵は中華でも屈指の精鋭である。
それを知る韓浩は茶化すことなく、心より武勲を祈念する。

「留守は任せてほしい。万一、賊に蹴散らされても援護くらいはする」

淡々とした言葉に公孫賛は苦笑する。が、留守を預かるのが韓浩ならば心配はない。
韓浩に背中を預けるのであれば、白馬義従はその実力を遺憾なく発揮するだろう。
巧遅よりは拙速。それは用兵の真実。幾多の戦場を駆け、公孫賛はそれを思い知っている。

だから、兵を発する。賊を滅する。
憤りがある。怒りがある。

匈奴の脅威は記憶に新しいはずなのだ。だのに、何故官軍の手を煩わせるのか。
ここで匈奴が南下すればどうするのか。
一見穏やかな笑顔の裏。公孫賛の憤懣は推して知るべし。

「駆けろ!馳せろ!白馬よ!」

これより白馬義従の有名は轟くだろう。
頸木(くびき)より解き放れたならば、思う存分駆け巡るであろう。
侮るならば相対すればよいのである。

韓浩は思う。自分ならば、白馬義従との激突など勘弁願いたいものだ、と。
彼女の願いが、思いが果たされるかは明らかならず。
ただ、彼女は託された印綬を手に、思いを胸に。時代の荒波に立ち向かうことになる。

ささやかな決意は、そして時代をも動かす胡蝶の羽ばたき。その突端。

251 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/13(火) 23:16:01.19 ID:G6rVZBQq0
◆◆◆

兵を発せよ。その命が届くまでもなく動く者もいる。
賊の頭を潰し、兵力を吸収して現有戦力を肥大させる。

「いやー、笑いが止まらないわねえ」
「……それはいいがどうやって食わせるつもりなんだ、雪蓮」

こめかみを押さえながら周瑜は孫策に問う。
兵力があるのはいい。が、肥大化したそれを維持するには孫家では色々足りない。

「やだなあ、思春みたいに使える人材を選り抜いて、後は、ね?」
「ね?じゃない。戻りつつある民の対応だけでも手一杯なのだぞ、私達は。
 それを余計なものを抱え込んでからに、もう……」

言ってもしょうがないが、言わずにはいられない。周瑜は主君兼恋人である英傑に向き合う。

「えー、でも食い詰め者だから食だけ提供すればいいじゃない。
 それに、黄巾討伐を名目にすればいくらでも食糧は引き出せるしー」

何進から発せられた命。黄巾誅せよ。そのために諸侯の軍には各地の官庫から。更には義倉からも食糧が供給される。
願ってもないことである。行動の制限、兵站の限界などを考慮せずともよいのだ。

「だから、ね。例えば、どっかの都市が黄巾と通じていたら私たちが落としても問題ないと思うし」

にまり、と笑むその顔はこの上なく物騒で、官能的で。
周瑜は改めて諌める。

「だから、そうまでする必要がどこにある?十常侍と組み、袁胤と組み。
 それはいい。だが、わざわざ如南に攻め入る必要などないだろうが」
「やだなあ、冥琳、分かってるくせにー。
 これなくしては袁家の下風からは逃れられないわよ?
 孫家は袁家ごときに膝を屈し続けない。首輪は引きちぎり、檻は食い破りましょう。
 なに、袁術ちゃんを確保さえすれば、なんとでもなるわよ」

いっそにこやかに、晴れやかに。孫策は笑みを深める。

「確かに、袁術殿の身柄さえ押さえれば何とでもなる。
 十常侍との繋がりがあり、袁家内部でも影響力の大きい袁胤殿と組めば袁家も黙らざるを得ないだろうさ。
 結局紀霊とて袁胤を殺すことはできなかったのだからな」
「そうよ。だからね、ここは勝負所なのよね。孫家が天下に羽ばたくためには、今、なのよ」

周瑜は目線で問いかける。勘か、と。
満面の笑みで孫策是、と応える。

「全く、厄介なことばかり考えるよ、我が主君は」
「んー、ごめんね?償いは閨でたっぷりと、ね?」

ちろり、と官能的に舌を滑らす孫策に周瑜は素っ気なく答える。

「はいはい。我儘なご主君のせいで眠る暇もないぞ。
 虞翻殿に出す帳簿に整合性を付けるのって、かなり大変なんだぞ?」
「あー、物資とか兵力を誤魔化さないといけないもんね」
「分かったら邪魔をしないでくれよ?」

しっし、と虫でも追い払うように退出を促す仕草に、ぶーぶーと文句をまき散らしながらも孫策は大人しく室を後にする。
やれやれ。
周瑜は孫策の気配が感じられなくなったのを確認すると、大きく息を吸い、吐く。吸う、そして。

ごぷ。

濁った音と共に紅い液体が流れる。伝う。

「ぐ、ふ。が、はぁ……。んん」

呼気を整え、身体を蹂躙する獣をどうにか抑え込む。
水差しから薬湯を杯に注ぎ、飲み干す。

「まだだ、まだ。暴れるには早いだろうよ……」

全身を駆け巡る苦痛に恨み言ひとつ。そして手元の書類に目を通す。

「これは穏を呼び戻して正解だったかな……」

手元の震えが政務を滞らせる。気が昂ぶるほどに暴れる獣を飼いながら、周瑜はそれでも諦めない。
たとえ命尽きるとも、ともに過ごすこの時。それを大切にしたい。
自分は彼女と思い出に寄り添うことはできないだろう。
せめて、立ち上がり、肩を抱き、明日を唄おう。
命燃え尽きるとも、夢を追い、羽ばたくべし。虎に翼を与えるべし。
252 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/13(火) 23:16:52.57 ID:G6rVZBQq0
本日ここまですー
感想とかくだしあー

題名ぼしう

その勅は駆け巡る

を仮題としております


よろいsこ!
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/13(火) 23:43:00.97 ID:JriGZ2Mno
おつしたー
一ノ瀬殿がまだ誤字っておられるぞ!

地味様を待つ韓浩ちゃんがかわえぇんじゃ
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/14(水) 08:57:58.18 ID:ulDrPaqnO
誤字は仕様ですw
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/14(水) 17:09:36.47 ID:b8+3P2haO
果たして今回の劉備(というより関羽)は大丈夫だろうか…?
256 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/14(水) 21:29:07.34 ID:xRBhBEJT0
>>253
どもです

>地味様を待つ韓浩ちゃんがかわえぇんじゃ
マジかマジっすか。
韓浩ちゃんが可愛いとか、いい時代になったものだ……!
うれしい

>>254
そんなことないもん

>>255
いけるいけるへーきへーき
257 :赤ペン [sage saga]:2018/11/16(金) 17:35:18.72 ID:BqBZdwlG0
乙でしたー
>>246
>>故に、何進の出した布告についても意図を読み込んでくる。  真面目な人格者だから何度も読んでるって言うなら間違いでは無いけど
○故に、何進の出した布告についても意図を読み取ってくる。  もしくは【汲み取ってくる】とか?能力の凄さを表すならこっちかな?
>>「抑えきって見せるとも、さ……」  《抑えきった雄姿を、見せる》なら間違いでは無いですが
○「抑えきってみせるとも、さ……」  《抑えきってやろう》と言い替えられるならひらがなですね
>>流民が起こした乱など禁軍のみでも充当であるというのに。  【充当】ってそのものずばり人員を割り振ることでは…
○流民が起こした乱など禁軍のみでも十分であるというのに。  それとも【禁軍のみの充当で事足りる】とか?受ける印象では【十二分である】とかも良いかも
>>249
>>更に兵糧は官から支給される。  【官】だと曹操たちもその中に入ってるのでこの場合は
○更に兵糧は漢から支給される。  多分国(漢)が(ある程度は)受け持ってくれるって意味だと思うんですがどうでしょう?
>>「桂花、曹家の命運は、荒廃は、隆盛はここにその突端があるわ。 荒れて廃れちゃらめええぇぇ
○「桂花、曹家の命運は、興廃は、隆盛はここにその突端があるわ。 伸るか反るかと言うか、そういう意味だよね
>>だが、自分ならばそれらを全てに跪かせることも可能であると確信して。  ちょっと違和感が
○だが、自分ならばそれら全てを跪かせることも可能であると確信して。   の方がいいと思います
>>250
>>匈奴の脅威は記憶に新しいはずなのだ。だのに、何故官軍の手を煩わせるのか。 間違いじゃ無いと言えばないかな
○匈奴の脅威は記憶に新しいはずなのだ。なのに、何故官軍の手を煩わせるのか。 もしくは【だと言うのに】とか?
>>これより白馬義従の有名は轟くだろう。 轟かない有名って有名なんですかね
○これより白馬義従の勇名は轟くだろう。 もしくは【白馬義従はさらに有名になるだろう】とか?
>>頸木(くびき)より解き放れたならば、  【ときはなれた】って違和感が
○頸木(くびき)より解き放たれたならば、 【ときはなたれた】だと思います
>>ささやかな決意は、そして時代をも動かす胡蝶の羽ばたき。 接続詞がなんか違う気が
○ささやかな決意は、やがて時代をも動かす胡蝶の羽ばたき。 もしくは【ささやかな決意は、そしてその動向は時代をも〜】でどうでしょう?
>>251
>>満面の笑みで孫策是、と応える。  まあ中国語っぽくは感じるけど
○満面の笑みで孫策が是、と応える。 【が】とか【は】とか入れた方がいいと思います

>>袁家内部でも影響力の大きい袁胤殿と組めば袁家も黙らざるを得ないだろうさ。・・・>>孫家は袁家ごときに膝を屈し続けない。首輪は引きちぎり、檻は食い破りましょう。
Q.袁胤が狂犬な孫家と組む確率を答えなさい。A.勘ピューターの計算によると100%です。…あと犬ではありません、虎です・・・配点.あなたに孫家の誇りがあるように相手側にも袁家の誇りと言うものがあります。
例え無駄で無価値に見えようとも当人にとっては命より大切な場合もあることを知りましょう
上から恐怖で押さえつけられれば組むだろうけどさあ…そんな事したら袁胤にとって下衆な孫家と組んで袁家の格を落としてまで袁家のトップ(笑)になりたいかって言うと
少なくともこれだけ恩売ってた袁家にイチャモン付けて牙剥いてきたら袁家からしたらどんなに孫家を持ち上げても特に理由なく噛みつかれそうだから手を組む選択肢ないんだよなあ
絶対服従宣言しても人質出してもなんとなく(勘で)殺されそうだわ袁胤視点

>>賈駆に確認する。  流石一ノ瀬さん。ギャグが上手いなあ、これのおかげで大分冷静になったわ
こうして見るとそれぞれ黄巾に対して《単純に脅威》として見てるのと《脅威と理解しつつ好機》に出来ると踏んでるのと《国の思惑とか知らんがとりあえず好機だ》と考えてるのとって感じか
外敵を知ってる謂わば壁の地域の人からすれば内乱とかノーサンキューで、匈奴と戦うことがほとんどない地域からすれば分かりやすい武勲のチャンス、
ついでにむかつく奴を合法的(合法的とは言っていない)に後ろから撃つチャンス、と(なおメンツを傷つけられた相手が大人しくする理由(袁術?こいつらがちゃんと人として扱ってると袁家が信じてくれればいいですね)とそもそも袁家が孫家と潰しあってくれた方が十常侍からすれば美味しい可能性
曹操は…と言おうと思ったけどその前にネコミミが結構いい視点してるな。普通に考えればたかが農民たちの反乱と皇甫嵩も判断する程度に大したことないことに過剰戦力で当たってるように見えるのに、それに対してすり減る可能性を感じ取るとは
或いはこいつらなら自分たちが何故か違和感を持たなかった《天の御使いの噂》と今回の件を結び付けてもおかしくないんだよなあ…自分たちにとって飛躍の好機なら当然他の奴にとってもそうなわけで、色々と掴みそう
馬と公孫はまさに軍人気質と言うか、うん、こういう人が仲間にいるといろいろ捗るよね、その人がいる方向はその人に任せられるって凄い有難い
258 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/16(金) 22:14:10.55 ID:LyDukmai0
>>257
赤ペン先生いつもありがとうございますー!
今回は特に熱い塊を頂きましてありがとうございますー!

>Q.袁胤が狂犬な孫家と組む確率を答えなさい。A.勘ピューターの計算によると100%です。
ここ重要なとこなんですよね

>少なくともこれだけ恩売ってた袁家にイチャモン付けて牙剥いてきたら袁家からしたらどんなに孫家を持ち上げても特に理由なく噛みつかれそうだから手を組む選択肢ないんだよなあ
そこに気づくとは……やはり天才か
なので孫家解体で武将を使いつぶすという史実はとても正しいってことですよ!

>流石一ノ瀬さん。ギャグが上手いなあ、これのおかげで大分冷静になったわ
えっ

>こうして見るとそれぞれ黄巾に対して《単純に脅威》として見てるのと《脅威と理解しつつ好機》に出来ると踏んでるのと《国の思惑とか知らんがとりあえず好機だ》と考えてるのとって感じか
パーフェクトですぞ

>十常侍からすれば美味しい可能性
ここ重要なんですよね。

>馬と公孫はまさに軍人気質と言うか、うん、こういう人が仲間にいるといろいろ捗るよね、その人がいる方向はその人に任せられるって凄い有難い
頼れる専門家です。頼れます。

今回は結構ネタバレが含まれてる気がしてるけど赤ペン先生だからいいや
259 :赤ペン [sage saga]:2018/11/17(土) 10:35:43.54 ID:jWu0+CTD0
>>ネタバレが含まれてる…おうふ!!失礼しました(45度
一応前作の事は思考から切り離して感想書いてるつもりなんですが、ふと気づかないうちに出てるのかも
ちなみに今回不思議に感じたのが、おそらく袁家からの報告で複数の村が文字通り全滅したことに皇甫嵩が危機感を持ってないこと…《広範囲で、一人の逃走も許さない、おそらくは農民の反乱》って…書いてて思ったけどそもそも誰がどうやって黄巾が農民の反乱って判断したんだろう?

確か史実だと意外と袁術と孫家の仲って悪くなかったような…袁術が王を名乗るまでは
260 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/17(土) 20:38:03.20 ID:J9YqRK8x0
>>259
あ、いやいや。
勢いで描いてこれネタバレ混じってるなあと思ったけどいいやと踏み込んだだけですのでw
お気になさらずw
261 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/18(日) 22:08:38.24 ID:ySuoGZVI0
どすどす、と響く足音。偉丈夫が歩みを進める。
巨漢、と言って差し支えないであろうその身は分厚い筋肉に包まれており、発する気迫も只ならぬものである。
白を基調とした紀家軍の、どちらかと言えば洗練された軍服に身を包みながらもその姿は荒々しくあり、見るものに頼もしく映る。

雷薄。紀家軍の重鎮である。
一兵卒の身でかの匈奴戦役を生き延び、幾多の手柄首を上げた豪傑である。軍服の端から晒された地肌には無数の傷跡が走り、激戦と、その戦歴を思わせる。
兵卒から叩き上げで地歩を築いた彼は袁家の中でも屈指の歴戦の勇士であり、その堂々たる体躯と相まって内外から畏敬の目を向けらている。
その用兵は堅実そのもの。派手さはないが、奇をてらわずに兵の損失を最低限に抑えるもの。
遊軍たる紀家軍の中で、乾坤一擲が信条の紀家軍の中でかけがえのない将帥である。
現紀家当主たる紀霊からも絶大な信頼を得ており、紀家軍のナンバー2として堅実に職責を果たしている。現当主が不在のおりは彼が紀家軍を統率するのだ。
趙雲、典韋と勇将豪傑が揃いつつあるも、兵卒からの信頼は一朝一夕では得られるものではない。

人、それを「武威」と言う。

その雷薄は横に付き従う青年に声をかける。
張?。袁家幹部の張家。その重鎮である。身のこなしには一分の隙もなく、積み重ねた鍛錬を窺わせる。

「張?よ、如南の兵権は俺が預かるつもりだが、どう思うよ」

問われた張?は、いささかも表情を変えずに応える。

「異論はありません。実際この身は若輩です。一兵たりと率いたことなく、数々の死線を潜ってこられた雷薄殿が軍権を握るは妥当な判断かと」
「そうか、すまんな。序列で言えば貴殿が上なのだ。それに、俺は所詮匹夫に過ぎんからな」
「何をおっしゃりますか。雷薄殿が軍権を掌握するとなれば皆納得するでしょう。私は裏方として支えましょうとも」
「そいつは助かる。書類仕事はどうにも性に合わんでな!」

がは、は、と豪快に笑う雷薄に張?は僅かに頬を緩める。
なるほど、兵卒からの支持が篤いのも納得である。この快男児のためならば命をも惜しまぬという声が多いのも頷けるというもの。
この、傷だらけの強面が笑った時の愛嬌ときたらどうだ。けして揺るがぬこの身すら引きこまれそうだ。
張?はその不可解な感情を持て余したように言の葉を紡ぐ。

「その、雷薄どの。ここ如南にはご令嬢もいらっしゃるのでしょう。雑務はお任せあれ。
 存分に久闊を除されてはどうですかな」

雷薄の急所である娘のことに言及し、精神的再建を図ろうとする。
重ねて、その息女が監視下にあることを臭わせて……。
その目論見は見事なまでに吹き飛ばされる。

「無用な気遣いだぞ、張?よ。俺はな。公私混同はせぬよ。せぬとも。
 まあ、この乱が収まったならば孫の顔くらいは見に行きたいがな!」

がはは、と重低音の笑い声を響かせる。

「心得ました。では、如南の掃除も我らの職責。存分にこの身をお使いください」
「ん?そうか、まあいいようにやってくれ。責任は俺がとるさ。
 袁術様がいらっしゃるまでにできることはするとも。
 頼りにしてるぜ!」

ばしばし、と張?の背を叩く。力の籠ったそれは熱く、背に響く。
不思議と、それは苦痛ではなかった。

緩む口元を自覚せず張?は部下に指示を飛ばし、如南の安定に奔走する。
張家にはなかった陽性の、雷薄という豪放磊落な人格と巡り合ったことは彼の今後に小さからぬ影響を与えることとなる。

262 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/18(日) 22:09:39.85 ID:ySuoGZVI0
◆◆◆

払暁。明ける夜、昇る日輪。山の端にその片鱗が顔を出し、雄鶏が一斉にその存在を主張する。
繰り返される日常。毎日。
這い寄る戦乱など意に介せずにいつもの毎日が始まる。
俺が守りたかったのはつまりこういうことで。
ぐび、と手にした杯から酒精をわが身に取り入れる。火酒、と呼称されるそれは熱く喉を、肺腑を焼く。焼いていく。
内から起こる業火でも世界は揺るがず、起こるのは取りこぼしたものが苛む声。

「ほう、いい身分ですな。それがしもご相伴に預かりたいと存ずるが、如何?」

玲瓏たる声は星。その真名にふさわしく、夜闇においても自ら輝き、迷(まよ)い子を導く英傑である。
俺の応えを聞くまでもなく、手にした器に酒精を注いでいく。
ぐび、と呑み干し再び注いでいく。
……って。

「こら、その調子で呑んだらあっという間に無くなるでしょ!」
「なに、酒は飲まれるためにあるのだ。問題なかろう」
「一見いいこと言った風だけど自分が呑み尽くすってことだよね?ちょっとは遠慮しやがれこのこのー!」
「はは、主(あるじ)よ。いまこそ、その度量を見せるべきと思うが如何に」

いや、朝っぱらから何を言っているんだお前は。

「それに朝っぱらから酒に逃避しているのは主だろう」

むむむ、ぐうの音も出ないぞ。

「なれば一の家臣としてはご相伴に預かるべきかと思うのだ」
「いや、その理屈はおかしいだろう」

そうか?と小首を傾げながらも俺の手から酒壺を奪い、手元の酒器に注ぎ、呑み、注ぎ、呑み、っておい!

「けち臭いことを言わぬがよかろう?
 少なくとも吝嗇という評判は主にはないだろう」

そうかい、そりゃよかったよ。

「ふむ、本格的に拗ねているようだな。いや、実に不景気な面だ」
「うるへー、地顔だ」

星はくすくすと、この上なく可笑しそうに笑う。

「で、何を拗ねているのだ?」

ずい、と、近い、顔が近いよ!
ずり、と後ずさりながら態勢を整える。

「ん、黄巾の乱。起きたじゃん」
「そうですな」

くぴ、と杯を干した星に酒を注いでやる。

「ああいう、漢朝全土にまたがる乱を起こしたくなかったのよ。ほいで、俺なりに頑張ってきたのさ。
 でもさ、結局起こってしまってさ、ちょっとへこんでんのさ」

にまり、と笑みを浮かべて星はぴとり、と俺に寄り添う。
柔らかく、温かい感触に何だか気おくれしてしまう。

「ふむ、主の腕はどうやら漢朝を覆うほどに長いらしい。
 流石に大した気概ですな?
 おや、それにしてはどうにも辛気臭い顔をしてらっしゃる。
 これはいかん。いけませんとも」

ちゅ、と唇に柔らかい感触が。

263 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/18(日) 22:10:06.61 ID:ySuoGZVI0
「んなっ!?」

あたふたとする俺をおかしげに。
 
「ご安心めされよ、唇を許したのは主が最初であるからに」
「お、おう……」

ふぁさ、と鮮やかに身を翻して星は言う。微笑む。

「この身を中華の最高峰に押し上げていただけるのでしょう?
 この身は龍。瑞雲がなければ高みに昇れませんぞ?」

高らかに笑い、場を後にする。
そっか、そうだな。どうせ俺ができることなんて知れてるんだ。
小さなことからこつこつと。そいつが俺の生き方やり方!
黄巾、十常侍どんとこい!まとめてぶっとばしてやるとも!
ああ、起こったことは仕方ないさ、仕方ないとも。だが、その報いは受けさせてやるぞ、受けさせてやるとも。

◆◆◆

264 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/18(日) 22:10:49.75 ID:ySuoGZVI0
日輪は地平線に沈み、夜天の主は三日月。下弦の月は星たちに傅(かしず)かれて存在を優美に主張する。
月明かりに照らされた庭園を歩く。いや、ここ執務室から自室へのショートカットなのよね。
うう、お腹すいた。
さっきまで風と星と俺の三人で色々計画練ってたのよね。ちなみに風と星はもうちょっと頑張るそうです。ご苦労様。後で流琉にでも差し入れ頼んどこうかな。
そんなことを考えながら歩を進める俺に声がかけられる。

「あ、アニキー、アニキー、こっち、こっちー!」

庭園内の東屋で手をぶんぶんと振るのは猪々子。文家の当主様である。横には麗羽様……と膝の上の美羽様。あ、流琉が後ろに控えてるわ。

「うっす。どしたんすか、おそろいで」
「いえ、珍しくわたくしと猪々子さんと美羽さんが揃いましたから、食後のお茶を頂いているところでしたの」

なるほど。俺は腹ペコなわけですが。

「あらあら。
珍しく二郎さんは遅くまでお仕事されてたみたいですわね。何か、摘ままれます?」

ああ、ここでお相手するのは既定路線ということですねわかります。

「ありがたく。どうせなら酒も欲しいとこですね、いや、久々頭使っちゃいましたし」
「むふふ、そういうこともあろうかと、ちゃんとあるぜー」

そうかい、そりゃよかったよ。ちなみに静かだなと思ったら美羽様は軽やかに寝息を立ててらっしゃる。
こちょこちょと喉をくすぐる麗羽様の白魚のような指にいちいちぴくぴくと反応してるのが、なんともお可愛らしい。

「じゃ、ご相伴に預かりましょうかね」

むしゃりと茶菓子を頬張るとどこからともなく流琉が食いでのありそうな揚げ物やらを並べてくれる。
むむむ、できる。
猪々子がどば、と勢いよく注いでくれた――無論、結構溢れた――酒を飲み干しながら雑談に興じる。
がつがつ、といささか下品に料理を平らげていく俺をくすりと見やりながら麗羽様が問うてくる。

「二郎さんは如南に発たれるんですのよね?」
「ふぁい、ん。はい。斗詩がもうすぐ洛陽から戻ってきます。それからですね。
 現在ですが。紀、文、顔で領内の賊を排除してます。斗詩が戻るころには主だったのは片付くだろうというのがうちの軍師の見込みです」

ぐび、と干した杯に今度は麗羽様がお酌してくださる。や、申し訳ないね。ありがとうございます。

「斗詩が戻ったら文と顔で領内安堵に努めます。斗詩が総指揮を摂り、猪々子は最前線で領内の慰撫をしてもらいます」
「まっかせてー!」

頼りにしてるよ?
今は軍を五百程度の集団に分割して領内に湧いた害虫を駆除している。優秀な中級指揮官の豊富な袁家だからできる方策だ。
柔軟に、自由に賊を討伐させているのが功を奏している。
もうすぐしたら残存兵力が集合するであろうというのが稟ちゃんと風の見解だ。
大きくなった集団を猪々子がぶち砕く。そして斗詩はその援護とか事後処理とか色々めんどくさそうなことを統括する。
うん、ごめんね、斗詩。でもしゃあないんや。
猪々子にそういうの任せられないし、麗羽様他は日常業務してもらわんといかんし、ね。

「でも如南の方を安んじたら北上するんだろ?
 ま、それまでに諸悪の根源を断っておいてやりたいとこだけどなー」

それなのよね。
張家の諜報力をもってしても今一つ掴めない、黄巾の乱が。その本拠地が。
この場に七乃がいないのもそのせいだ。
何でも腕利きの密偵、間諜ですら音沙汰が無くなってしまうらしい。
俺も、も少ししたら手持ちの密偵を動員しようと思うが、それでどうにかなるとも思えんしね。

「まあ、漢朝全土に何進から討伐令も出てるしな。時間は味方してくれるさ」

それで乱に巻き込まれる民には悪いけど、な。
如何せんどうしようもない。精々俺にできるのは黄巾賊が来たら逃散しろというくらいだ。
いや、無能、非才というのが謙遜じゃあないというのが情けない限り。
とは言え、今できることをするのみなのである。

265 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/18(日) 22:11:35.31 ID:ySuoGZVI0
「あら、いけませんわね、二郎さん。
 貴方は袁家の軍権を握っているのですよ?
 もっと余裕をもって優雅であってくれなくては」
「白鳥は優雅に水面を進みますが、水面下では一生懸命に足を動かしているのです。
 俺は袁家という白鳥の水面下であがくのがお役目。捨て置いてください……」

俺が優雅とか、ないよね。

「あら、嬉しいことを言って下さるわね。あんなにも働きたくないと言っていた二郎さんが、そんなにも一生懸命というのですもの。
 これは縁の下の力持ちをねぎらうのがわたくしの務めですわね。猪々子さん、よくって?」
「さっすが姫ー!分かってるー!はい、二次会はアニキの部屋でやります!各自料理と酒は持参すること!」

待て。

待て。

「あら、二郎さんの……。ふふ、面白そうですわね」
「いやいやいやいや、俺の部屋に麗羽様招いたら色々不味いでしょ!」

あれ、なんで麗羽様一気に不機嫌になるの?なってるの?

「知りませんわ。もう。
 いいですから猪々子さん、お分かりでしょう?」
「あらほらさっさー!」

どうして俺が羽交い絞めにされてるのでしょう。
本気で拘束してくる猪々子に敵うわけないじゃないですか、やだー。

「や、あの、麗羽様?」

いつになく目が据わってらっしゃる。そんな馬鹿な。
 
「ええ、この際ですし、二郎さんに言いたいことを有り体にぶつける場を設けることにしましょう。
 いいですね?みなさん?」

え、え?
なにこの流れ。

「ほう、興味深いですな。実に興味深いですな。是非ともに、乞うてでも参戦したく思いますぞ?」
「くふ、星ちゃんは相変わらず機を見るに敏、ですね。風も便乗するとします〜」

おい、待て。
お前らどっから湧いた。

「うむ。朴念仁、と一言で表するには勿体ないと思うのだ、我が主は。
 なれば、臣としてから見た主の姿を皆様方にご披露したいと思う。
 その上で、僭越ではあるが、違った立場から主の姿を蒙昧たるわが身にご教授願いたい」

くす、と。いい笑顔だね!こん畜生!

「くふ、同僚として文醜様、僭越ながら、主として袁紹様からお言葉が頂ければ、風たち配下も腕が鳴るというものです〜」

待てやコラ。
俺の抗議の声は高まる笑い声にかき消されるしかなく。
俺の部屋で繰り広げられる俺評に俺は針の筵で、ふて寝を決め込む。

だから、その噂なんて夜が明けてからしか耳にしなかった。

白い流星が落ちたことなんて知らなかった。
266 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/18(日) 22:12:29.93 ID:ySuoGZVI0
本日ここまですー

タイトルは夜明け前、かな?
いい案ありましたらください

明日あさっては多分日本海なので書き込みできませんが感想とか見れますのでくだしあー
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/19(月) 00:28:16.66 ID:OUEgRfi10
乙です
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/20(火) 00:28:40.29 ID:RBDym3E1o
おつしたー
星ちゃんえっろーい
269 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/21(水) 20:00:12.20 ID:O11VzMsJ0
>>267
どもです

>>268
星ちゃんエロいし清楚だしあの格好で乙女とか属性てんこ盛りや!ルナティックや!
恋姫の格闘ゲームやってるんですが彼女は非常に雑伎団めいた動きが実にエロい
めっちゃ身体柔らかいと確信しました
270 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/21(水) 22:07:40.03 ID:O11VzMsJ0
「かんぱーい!」

重なる声、重ねられる杯に場はいよいよ盛り上がっていく。
諸葛亮は全身に漂う疲労感を心地よくも、心身を焼いていく酒精に脳髄を委ねる。
既に日は落ち、下弦の月が夜の支配権を高らかに主張している。
それでも、南皮にほど近いこの街でも喧噪は絶えない。
そも、日が落ちれば床に就き、日の出と共に起きるのが人として正しい在り方なのではある。
だが、明かりは落ちずに街を照らす。その背徳が人を高揚させるのであろうか。
謹厳実直なる関羽ですら酒杯を手に珍味を楽しんでいるのだ。
なんとも、背徳とは人を惹きつけるのであろうか。

「でもでも、朱里ちゃんと雛里ちゃんが来てくれてよかったよー」
「ひゃい?」

……それはこちらが言うべきことである。
人格高潔にして、勇将、猛将を配下にし、権勢におもねることのない英傑。
実際伏竜、鳳雛が仕えるに相応しいのだ。
……いや、有り体に言えば自分たちは魅了されたのだ。一目で分かった。分かってしまった。
自分たちはこの方に仕えるために生まれてきたのだ、と。
なれば我らの智謀を供するは必然、蓋然。

「うむ、人手はあってもそこからどうにもならなかったからな。
 二人のお蔭で我らが逃散せず済んだ。感謝する」

酔いもあるのであろう。深々と頭を下げる関羽に苦笑する。
何せ、詐術――詐欺に近いのだ、彼女らが弄した策――と言うにも及ばないものは。

「いえ、そこまで愛紗さんに褒められたものではありません。本当に、褒められたものではないのです」

劉備たちが集めた義兵は二千ほど。それを一ヶ月の間食わせるだけの食糧を公孫賛は与えてくれた。
が、崇高たる劉備の理想がそれしきで達せられるはずもないのである。
さらには、手にする武具すらなかったのが実際の話である。
諸葛亮は、悟る。悟った。これは罠だと、枷だと。これを乗り越えずして我らに未来はない、と。
ならば遠慮などしない。しないのだ。
流民が主体の義勇軍の総数を水増し……数倍にし、多数の糧食を公孫より得る。
その一部を対価として軍勢の最低限度の武具を整える。
……そこまでですら幾多の苦難があった。まさかに袁家のような利権に座する存在の監査がきちんとしているとは。
木端役人に賄賂が通じないとは。

たかが兵站の柔軟な運用に我らが忙殺されるなどとは思っておらず、主には待たせてしまったものだ。
だが、これである程度の行動の自由を勝ち取った。そしてその日の宴席であった。
日が落ちてからの酒食など本来贅(ぜい)の極みである。が、それが当然たるこの地では労をねぎらうにはそうするしかない。
……予想以上に武官たる関羽と張飛は喜んでくれたのだが。いや、けして開催時刻ではなく用意された料理によるものではないと思う。思うのだ。

「ちょっと、酔っちゃったかなあ。うん、酔っちゃった!
 ね、歩こう!歩こ?私たちは、元気だもの!」

見上げた夜空は満点の星。
星辰を占ってしまうのはまあ、致し方ないであろう。
まあ、星辰が世を先導することなど絶えて久しい。
よほどのことがないと定められた世は動かない。
そう、あのように大きな星が流れないと……え?

「あ、すごーい!すごい!すごい!
 落ちるよ?落ちる!あっちだ!行こう!愛紗ちゃん、鈴々ちゃん!朱里ちゃん!雛里ちゃん!」

駆けだす主の行動は実に正しい。

尾を引いた流星が落ちるは地の果て。しかしその果てに辿りつく。
窪んだ大地に伏せるは白き衣に身を纏った……天の御使い。

「なんだろう、わたし!胸がどきどき、わくわくする!」

そして少女は、少年は、運命と出会うのである。


そして外史の幕は上がる。
括目せよ。喝采せよ。祝え、寿(ことほ)げ。
ようやく、狂った外史は矯正の機会を得るのだ。

271 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/21(水) 22:08:41.99 ID:O11VzMsJ0
タイトル案は
「流星の落ちた地で」

いよいよですね。
やっとかよ、とも言う。

感想とかくだしあー
272 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/21(水) 22:12:12.98 ID:O11VzMsJ0
好きなポエム

諦めはしない もう目覚めたから
273 :赤ペン [sage saga]:2018/11/22(木) 18:33:32.60 ID:8FNabyyk0
乙でしたー
>>262
>>ずり、と後ずさりながら態勢を整える。 間違い?多分間違い…だと思う。もしも星との対話に備える、と言うか心構え的ならこのままかな
○ずり、と後ずさりながら体勢を整える。 【姿勢】と言い替えられる意味ならこちら。要は正座するとかそんな感じならこっち
>>264
>>斗詩が総指揮を摂り、 摂取するのは違うかなって
○斗詩が総指揮を執り、 執行するのでこちらですね
>>精々俺にできるのは黄巾賊が来たら逃散しろというくらいだ。 【逃散】って農民とかがこんなブラックな仕事やってられるかーって他の領に逃げることを言うらしいのでこの場合はちょっと違う気が
○精々俺にできるのは黄巾賊が来たら避難しろというくらいだ。 危機感をあおるなら【一目散に逃げろと言う】とかも有りかな?
>>265
>>「あら、嬉しいことを言って下さるわね。  ここは助動詞で使ってるので
○「あら、嬉しいことを言ってくださるわね。 の方がいいですね。例えると《靴を脱いでください》だと脱ぐだけですが《靴を脱いで下さい》だと今履いてる靴が欲しいと言う意味になる。らしいです
○「あら、嬉しい言葉を下さるわね。     もしくはこういうのも有りかな
>>270
>>諸葛亮は全身に漂う疲労感を心地よくも、 この繋ぎ方だと次も疲労感について語る感じかな、と
○諸葛亮は全身に漂う疲労感すら心地よく、 もしくは【疲労感も心地よく】とかも良いかも?
>>なれば我らの智謀を供するは必然、蓋然。  【蓋然】って多分そうだろうなあ、みたいなあやふやな意味らしいのでちょっと違和感
○なれば我らの智謀を供するは必然、瞭然。  運命感じた(笑)ならこっちじゃないかな…ついつい彼女たちの事は色眼鏡で見てしまう、まあいっか、彼女たちも世界を色眼鏡で見てるんだし
>>二人のお蔭で我らが逃散せず済んだ。感謝する」  むしろお前らが逃散してくれた方が領主としてはうれしいんだよなあ、無駄飯ぐらいが待遇改善の為にストライキとかそのまま解雇でFAですわ
○二人のお蔭で我らが離散せず済んだ。感謝する」  2000人をまとめきれずに瓦解する、みたいな意味ならこっちの方かな
>>いや、けして開催時刻ではなく用意された料理によるものではないと思う。 じゃあ何に喜んだのかしら?
○いや、けして開催時刻ではなく用意された料理によるものだと思う。    夜遅くまで起きてることを悪徳としてるっぽいけど人を騙して掠めた金で美味い飯食うってどっちにしろ…まあ関羽と張飛は工面の方法を理解してないだろうから単純に美味しい料理に喜んだ、と見れば
○いや、けして開催時刻ではなく用意された料理によるものでもなく、道が拓けた事によるものだと思う。 一応関羽を最大限好意的に見れば…張飛?あいつは旨い飯しか見てないだろ(偏見
>>見上げた夜空は満点の星。 いやあ、街の明かりが邪魔をするので70点くらいですかねえ
○見上げた夜空は満天の星。 冗談はともかくこっちかな?
>>「なんだろう、わたし!胸がどきどき、わくわくする!」

そして少女は、少年は、運命と出会うのである。       ここまでが諸葛亮視点っぽいんですよね


そして外史の幕は上がる。   で、この行からメタ視点、2行空けてるし
○「なんだろう、わたし!胸がどきどき、わくわくする!」


そして少女は、少年は、運命と出会うのである。   でもここで諸葛亮が劉備の事を【少女】呼びは違和感があるので

ついに外史の幕は上がる。   行の空け方としてはこっちの方がいいと思います

諸葛亮の色眼鏡は相変わらずですな、袁家の木っ端役人に賄賂が通じないことに憤るとかwここはせめて袁家のような豚にもまだ清廉な人材がいることを喜ぶべきだろうに
ところでこれって5人だけで宴会開いてんの?劉備なら全員で親睦会とかしそうだけど…まあ2000人を受け入れられるような店はさすがに無いだろうけどさ、料理を買って広場とかを借りてしないのかな

二郎ちゃんは凡人のくせに自分が頑張れば世界が大きく変わると思っているのがまだまだ甘ちゃんやね
でもそういって自分がもっとうまくやれば〜とか落ち込んでると背中をたたいてくれる人やら腕を引っ張ってくれる人やらが周りに沢山いるのは二郎ちゃんが頑張った確かな証拠であったりして
ついでに言うと自分が頑張ってどうにかしようとしなければどれだけの人が彼についてきてくれたり彼を認めてくれたかは・・・
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/22(木) 21:55:49.91 ID:VWKXEcgOO
乙っしたー

>>272
原曲もいいですよ
ttps://www.youtube.com/watch?v=nFCc5NLTWtc

タイトルはGつながりで
「少女が見た流星」
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/23(金) 02:59:12.27 ID:0OsbIyIMo
おつしたー
あーあ出会っちまったか
276 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/23(金) 07:49:48.62 ID:0ICzKFwO0
>>273
赤ペン先生いつもありがとうございますー!

>諸葛亮の色眼鏡は相変わらずですな、袁家の木っ端役人に賄賂が通じないことに憤るとかwここはせめて袁家のような豚にもまだ清廉な人材がいることを喜ぶべきだろうに
そういうとこやぞ、と思いますw

>ところでこれって5人だけで宴会開いてんの?
はい

>劉備なら全員で親睦会とかしそうだけど…
そんな気遣いしないですよw 実際w
と本当に思います

思いつきで宴会とかはあるかもしれませんね

>二郎ちゃんは凡人のくせに自分が頑張れば世界が大きく変わると思っているのがまだまだ甘ちゃんやね
うわきっつw
言われたらぜってー落ち込むw

>落ち込んでると背中をたたいてくれる人やら腕を引っ張ってくれる人やらが周りに沢山
多分孤独だったら心が折れてますわ

>>274
原曲あったのか(今知ったす

>>275
出会っちまいました(固定イベント)
277 :赤ペン [sage saga]:2018/11/23(金) 09:15:59.86 ID:oDZ2NHYy0
せやな、孤独だったらスパイラルに落ちると思うわ
でも二郎ちゃんは自分が凡人だと理解してるからそれをどうにかできる人に何とかしてもらおうと頑張って顔つないだり手を繋いで
そうやって来たから辛いときに肩貸してくれる人、手を貸してくれる人がいるんだろうなあって

あっ劉備の事まだ過大評価してたのか俺・・・あいつの理想やら何やらはともかく仲間意識とか個人としての優しさは素晴らしいものだと思ってたのに
そんなに個人として良い人だったら原作で公孫賛にあんなことしない?人の上に立つ者としての自覚が芽生えたんだよ(目ソラし
278 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/24(土) 17:34:38.98 ID:tomR5gYR0
>>277
>でも二郎ちゃんは自分が凡人だと理解してるからそれをどうにかできる人に何とかしてもらおうと頑張って顔つないだり手を繋いで
これです。割とテーマではあります。

>あっ劉備の事まだ過大評価してたのか俺・
過大評価かは分からないですけどねw
二郎ちゃんが、はおーをブラックベンチャーとか言ってますが真のベンチャーは劉備一党です
走りながら考えるという、真のベンチャー精神。とりあえずやっってみよう的な場当たり感。
すごE

>そんなに個人として良い人だったら
これですw
279 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/24(土) 21:41:43.32 ID:tomR5gYR0
「うわー、すごいねー。すごいねー。
ね、ご主人様!」
「ああ……」

北郷一刀は南皮の防壁。その威容に圧倒されていた。
彼はそれなりに巨大な建築物に耐性はある。しかし泰平である社会に育ち、本物の要塞の武威というのを見るのは初体験である。
遺跡、史跡、観光名所としての要塞と、稼働している軍事拠点である城塞都市とは受ける印象がまるで違うのである。

「でも、よかったのか?愛紗と雛里に悪いことしたんじゃないかなあ」

諸葛亮は微笑む。嗚呼、それでこそご主人様だと。

「はわわ……。袁家は義勇軍を敵視しています。ですから二千もの兵を抱えるのはむしろ不利になります。
 それに、御使い様というご主人様の素性も隠すがよいかと思われます……」

伊達に南皮で情報収集をしていたわけではないのだ。
袁家……もっと言えば軍権を握る紀霊の思考を辿るなど児戯に等しい。

「はわ……。現在袁家の軍権を握る紀霊は様々に手を打っています。
 そこから読み取れるのは、義勇軍に対する弾圧とも言える無関心です。
 かつて郭図が興した義勇軍。それが黒山賊と衝突するまで静観しています。
 袁家と黒山賊は不倶戴天。それと相対する義勇軍に何の援助も与えていません。
 あわよくば共倒れを狙っていたのかもしれません。まあ、黒山賊は隆盛極まり、現在でも袁家は根本的に掣肘できておりません。
 ……当時からその兆しがあったのにも関わらず義勇軍に援助をした形跡がありません。
 故に、紀霊は義勇軍という存在に含むところがあるのでしょう。
 なれば、南皮に軍勢を率いて武威を顕示するのは悪手です。雛里ちゃんと愛紗さんには悪いですが、待機が最善です」

にこ、と笑む諸葛亮。

「うん、流石朱里ちゃん! 
 でも、ご主人様の、天の御使い様というのも駄目ってのはどうしてなの?」

小首を傾(かし)げて問う劉備。諸葛亮は苦笑し、表情を改める。

「はい。ご主人様が管輅の言う『天の御使い』であるのは確定的に明らかではあります。
 が、袁家領内ではそれを主張するのはお勧めできません。
 袁家……紀霊が蠢くここでは得策ではありません。彼の手はこれにより明らかです」

取り出したるは阿蘇阿蘇。

「これによれば、『天の御使い』とは中華に仇為す疫病神。平穏を崩す魔王。
 救いを、平穏を名目に乱をもたらす悪逆非道な災厄、とあります。 
 笑止千万な煽りではありますが、どうやらご主人様を相当に恐れているようで……」

くすくす、と諸葛亮は笑う、嗤う。

「ご主人様がどうにも都合が悪いのでしょうね。
 まあ、あえて正面から争う必要もないですし」

ふむ、と頷く劉備に首を傾げる北郷一刀。

「まあ、あえて今の段階で虎の尾を踏む必要もないってことか。
 ま、朱里が言うなら間違いないさ!」

何せあの諸葛亮である。伏竜である。
その判断に間違いはないであろう。北郷一刀はそう確信している。

「ま、とりあえず南皮まで来たのは桃香の大事な剣を取り戻すためだ。そこを忘れないようにしようよ」
「はい!ご主人様!」

門扉をくぐり、広がる南皮の繁栄。
紀霊などというマイナー武将が兵権を握るなど、想定外ではあるが、それより。
半ば行き倒れていた自分を介抱してくれた、この子達のために頑張るべきであろう。
自分は三国志を知っているのだ。
北郷一刀は思う。英傑の性別こそ違うにしてもここは三国志の世界。

なれば、未来を知っている自分はどうするべきか。
決まっている。
魏に、晋に統一される未来を、天下を劉備に。この、とっても優しい女の子の手に。
280 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/24(土) 21:46:10.28 ID:tomR5gYR0
◆◆◆

「劉備……ですか?」

絢爛豪華、豪奢で華麗。
そんな言葉が似合うであろう少女は可憐に小首を傾げる。
華美なる金髪は光輝を散らし、そこにあるのは栄耀栄華。
十三しかない州の三つを束ねる袁家の総領。袁紹その人である。
一挙手一投足にその華麗なる気品(オーラ)は漂うだけで、対する人を圧倒する。

「は。公孫賛殿のご紹介ということですが」
「まあ、白蓮さんの?」
「紹介状の類はないようですが」

対するは郭嘉。
つい最近まで無位無官の身であったのだが、紀霊の推挙をきっかけに袁家内にて地歩を固めている。
そして現在では、袁紹の横にありて助言をするまでに至っている。
淡々とした郭嘉の言に袁紹は満足げに頷く。
彼女は権限が大きければ大きいほどにその辣腕を遺憾なく発揮するという紀霊の言、なるほど、慧眼であると。
こと人材鑑定眼という点においては、この中華でも比肩する存在はいないのではないか。
有象無象を束ねて相手にせねばならないからこそ、それが分かる。

「で、劉備さん……でしたか。用件はなんと?」
「伝家の宝剣を返還してほしいとか」
「はぁ?どういうことですの?」

袁紹が疑問を投げるのも無理はない。
親友たる公孫賛が贈ったとのことではあるが、そのような案件は数限りない。
袁家は名家である。
であれば贈られる物品は数限りない。
更に贈られた物品に対し、相応の返礼を――きちんと贈られた物品よりも価値が高いものを、である――のであるからして。
いちいちその内容など覚えてはいない。記録だって怪しいものだ。
どこぞの凡人と違い、面会だけでも行列ができるのである。
それほどまでに袁家の当主というのはお安くないのだ。
公孫賛が紹介状を持たせなかったというのは、きっとそういうことであろう。袁紹は総合的にそう判断する。

「そうですわね、では対応は二郎さんにお任せしましょう。郭嘉さん、そのように」
「は、承りました」

妥当なところであろう。いや、厚遇すぎるかもしれぬ。紀霊は三州を束ねる袁家の軍権を握る重鎮である。
そこに公孫賛に対する友誼を察して微かに郭嘉はその口を緩ませる。
この卓越したバランス感覚、その誠実。真心。

なるほど。
名家の当主とはかくあるものか、と。
中々に、支え甲斐があるではないか。
きっと打算でなく、本能的に下した判断。なるほどなるほど。

「郭嘉さん?」

訝しげに問うてくる言の葉も優雅で。

「いえ、ご判断について検討しておりました。まことに妥当、適切かと。
 心服した次第でございます」

恭しく頭(こうべ)を垂れる。その思いに偽りはない。

「あら、よろしくってよ?わたくしとて誤謬はありますもの。諫言、大いに結構。甘言よりはよほどよろしいわ。
 務めなさいな。二郎さんが絶賛するその才、頼りにしてますわよ?」

おーっほっほ、と高笑いする袁紹。
その器、なるほど破格である。いささかも表情を変えずに郭嘉は思う。
なかなかに、支え甲斐がある主君である、と。
281 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/24(土) 21:46:49.38 ID:tomR5gYR0
邂逅、迫る

本日ここまですー
感想とかくだしあー

題名はなんだろうなあ困るmなあ
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/24(土) 22:02:38.41 ID:vb5Kk6y0o
おつしたー
原作主人公も視点が違うだけでホンマコイツら・・・ってなるものやな
283 :赤ペン [sage saga]:2018/11/26(月) 18:34:48.54 ID:z+8L9Q2z0
乙でしたー
>>279
>>そこから読み取れるのは、義勇軍に対する弾圧とも言える無関心です。 【弾圧】と【無関心】はちょっと遠い気がします
○そこから読み取れるのは、義勇軍に対する弾圧とも言える敵愾心です。 一刀に不信感とかを植え付けるならこっちで【路傍の石の如き無関心です。】諸葛亮からどう見えるのかは分からないですが《紀霊》が義勇軍が起ころうが潰れようが気にしないように見えるならこうかな?
とはいえこの後の話から推理すると諸葛亮が郭図の義勇軍がどういう物だったのかの聞き取りをしないわけがない(と言うか義勇軍について調べてたら評判その他を聞かないはずがない)から万が一にも一刀が袁家に同調しないようにネガティブキャンペーンしてるっポイかな
>>にこ、と笑む諸葛亮。 この場合だと私がいるから大丈夫です。みたいな印象を与えようとしてるのかもしれないけど、どうだろう?話した内容に対するして一刀たちに悪印象を付けるためにも
○わずかに顔を伏せる諸葛亮。 あくどい袁家と印象付けるならもしくは【憂いの表情を浮かべる】とか?こっちの方がいいかは微妙ですが
>>『天の御使い』であるのは確定的に明らかではあります。 ブロントさん!ブロントさんじゃないか!!黄金の鉄の塊のブロントさんが何故ここに?
○『天の御使い』なのは確定的です。 もしくは【『天の御使い』であるのは明らかです。】とかでどうでしょう
>>くすくす、と諸葛亮は笑う、嗤う。  諸葛亮から見て劉備と一刀がどういう人物なのかは不明ですが、おそらく裏表のない慈悲深く、民の声に耳を傾ける賢君なのではないかと
○自分たちの不明を恥じることも無く、悪いことが起これば他者にその責を負わせる名ばかりの名家と言うものに諸葛亮は憤りを隠せない様子を見せる、魅せる。 大分長くなってしまった(汗)、ご主人様たちに自分の黒いところを見せる必要はないかな、と。
>>280
>>一挙手一投足にその華麗なる気品(オーラ)は漂うだけで、対する人を圧倒する。 文脈に違和感が
○一挙手一投足に漂う華麗なる気品(オーラ)はそれだけで、対する人を圧倒する。 あるいは【一挙手一投足からあふれ出る】とかどうでしょう
>>相応の返礼を――きちんと贈られた物品よりも価値が高いものを、である――のであるからして。  ―〜―の間を抜いた場合【返礼をのである】となるので
○相応の返礼を――きちんと贈られた物品よりも価値が高いものを、である――しているのであるからして。  の方がいいと思います
>>この卓越したバランス感覚、その誠実。真心。  カタカナ解禁したんでしたっけ?
○この卓越した交遊感覚、その誠実。真心。    とかかなあ?バランスは直訳すると【平衡】になりそうだけど意味が違うし
>>務めなさいな。二郎さんが絶賛するその才、頼りにしてますわよ?」  間違いでは無いですが、これだと郭嘉に単純に仕事しろ、と言ってるようなので
○努めなさいな。二郎さんが絶賛するその才、頼りにしてますわよ?」  頑張って、的な意味合いになるしこの方がいいと思います

まあお金嫌いの軍師殿が自分の全てを受け入れられてご主人様としているのかもしれないので取り繕ったりはしてないのかもしれませんが
(今は)正面から戦わない相手を下に見るような発言をしてそれが一刀や劉備に移っちゃう可能性を考えれば嗤ってる姿は見せない方がいいんじゃないかな
それにしても>>桃香の大事な剣を取り戻すためだ。 そもそも取り戻したくなるような大事な物なら人にあげるんじゃねーよ、貸してたって言うならお前その剣1本で2000人を数倍水増しした食料と武具を受け取ってそれでも利子の分にもならないほどの価値があるとかのたまうのか
284 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/26(月) 20:41:49.40 ID:PR6xHEdl0
>>282
どもです

>原作主人公も視点が違うだけでホンマコイツら・・・ってなるものやな
真のベンチャー勢力が本格化しました。
はおーのとこなんて割と老舗ですしね。
本当の意味で失うものがないベンチャー勢力です。おそれよ。

>>283
赤ペン先生いつもありがとうございますー!
一応毎回推敲しているはずなのに。ぐぬぬぬ。

>(今は)正面から戦わない相手を下に見るような発言をしてそれが一刀や劉備に移っちゃう可能性を考えれば嗤ってる姿は見せない方がいいんじゃないかな
そうですねえ。その通りですねえ。

> そもそも取り戻したくなるような大事な物なら人にあげるんじゃねーよ
これは本当に理解できない行動ですが、原作特にアニメ準拠の感じ。
思いつきで行動しとるんやろうなあという納得感もあったりします。

>その剣1本で2000人を数倍水増しした食料と武具を受け取ってそれでも利子の分にもならないほどの価値があるとかのたまうのか
富豪プレイヤーからしたらレアアイテムはそれくらいの価値はあると思うかもしれませんが……w

ほんと、CPBさんの行動はびっくらぽんやでぇ……
285 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/26(月) 20:43:59.31 ID:PR6xHEdl0
まあ、アニメだと麗羽様んとこに行き、そこはかとなく対立するフラグを立てる舞台装置だったのかもしれません。
ただまあ、本当に近視眼的に目の前のことを場当たりで解決しようとする人もいるので、それを強化した感じなのかな?
行動パターンを人格AIに落とし込んで実際に再生するとこうなるとかなんとか
286 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/26(月) 22:45:24.92 ID:PR6xHEdl0
「だからさ、俺は言ってやったんだよ。『悪党の泣き声は聞こえんなぁ』ってね」

目を丸くして聞き入る流琉にあることないこと馬鹿トークの俺です。二郎です。
楽しい食後のお茶の時間。美味しいご飯をありがとね、流琉。
そんなまったりとした空間を、これまたまったりとした声が切り裂く。いや、塗りつぶす。

「お楽しみの所申し訳ないのですが、来客なのですね〜」

のんびりとした風の声に頭を仕事モードに切り替えていく。可能な限りオンオフについては、はっきりさせるのが紀家軍の伝統なのだから。

「今日は俺の出番ないはずだけど?」
「公孫からのご紹介だそうです〜
 袁紹様からご指名ですよ。今は星ちゃんがお相手をしてます〜」

ふむ、白蓮からの紹介か。
俺が出張るということは、白蓮からの紹介状はないってことだな。
うむ。上下関係はあっても友誼は大事にせんとな。まったくもって喜ばしいことだ。

「で、誰が来てるの?」

くふふ、と僅かに笑う風。

「劉備、諸葛亮、張飛……北郷一刀だそうですが?旧知の方もいらっしゃるでしょう?」

あちゃあ、あいつらかよ。って。

「諸葛亮……だと……?」
「ええ、水鏡女学院を首席で卒業した英才とのことですね〜」

待て待て待て待て。
おかしいだろうそれ。諸葛亮とかありえんだろ。まだ黄巾の乱だろ、慌てるような時間じゃあないはずだろうが。
それがなんでもう劉備とセットなんだよ。おかしいだろそれ。なんだってんだよ。おい、どうなってんだよ。大体、酔狂じゃない水鏡先生とか星と同年齢くらいじゃなかったっけか?

「はい、とんとんしましょうねー。とんとーん」

くす、と。
ほんわかした風の声、手の温かさに俺は意識を取り戻す。そうだ、呆けている場合じゃない。
俺の悪い癖だ。三国志の予備知識故に差異に自失してしまう。
そのために中華を彷徨ったというのに。
そうだ。何が起こっても不思議じゃないし、起こったことには対処せんといかん。

「すまんな、風」
「いえいえ、これもお役目ですし〜。それに謝られるよりは感謝が欲しいというのは風の我儘ですかねぇ」

目を細める風が頼もしい、ありがたい。

「や、ありがとう。風がいてくれてよかったよ」
「くふふ、早速のお言葉。おねだりしましたが、いざ頂くと照れてしまいますね〜」

いや、ありがとうな。

ん。

ん?

「北郷一刀……だと……?」

287 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/26(月) 22:45:50.77 ID:PR6xHEdl0
その名に遅まきながらも気づく。
これ、おかしくね?

北郷一刀。明らかな異質。それはその名前だけで明らか。
ごくり。
生唾を飲み込もうとするも口の中はカラカラだ。

「風よ」
「なんでしょか」
「北郷一刀とか言ったか。何者だ」

くすり、と笑みを浮かべながら風は大きく頷く。

「さあ?ですが劉備さんは『ご主人様』と呼んでいましたね〜」

ふむ。
英傑たる劉備がそう対応するか。
急速に構築される推論。
きっと彼は俺と一緒、いや、厳密には違うか。
奴は、彼奴は、『異物』だ。

俺がこの世界……というか、この、二度目の生で思ったことは一つ。

「俺だけか?」

ということ。

だから、商会は母流龍九(ボルタック)、雑誌は阿蘇阿蘇(アソアソ)、書物は農徳新書。
いずれもひっかかりを覚えるネーミングだ。その網に引っ掛かるのを待っていた。
だが、幸か不幸かそれらしきものは網に引っ掛からなかった。
ひっそりとその生を終えたのか、今でも潜伏しているのかは知らんが。
それでも、俺の。俺の三国志という知識を持っている俺を脅かすのはきっと同じくその知識を持つ人物なのだろう。
だが、これまでそういう奴はいなかった。
……まあ、相手にするにはしんどい相手ばっかりなんだがね。何進とか華琳とかさ。他にも色々。

まあ、いいさ。
三国志の一角に食い込む劉備一党。
そしてこの段階で参画する超絶軍師諸葛亮。
全ての逆境、不幸。言葉一つで片付けて莞爾と笑うのさ。
それがどうした、と。
高らかに唱うそれは反撃の狼煙だ。

「それがどうした!」

肺腑から振り絞り、五臓六腑を引き締める。何もかもを台無しにする魔法の言葉。宇宙最強のそれを腹の底から叫ぶ。
俺はここにいる。袁家に忠誠を誓っている。抗うぜ。
むしろこれまでが順風すぎたのだろうさ。

「うし、行くぞ、風」
「そですね。行きましょう」

覚悟はいいか?
俺はできてる。



288 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/26(月) 22:46:21.71 ID:PR6xHEdl0
歓談の室に入る。
そこは戦場。それを認識しているのはきっと俺とあの、ちまっこい幼女だろうな。
まさか、諸葛亮という三国志トップの人材と張り合うことになろうとはね。
つか、俺の迂闊さが悔しいね。思い込みで荊州放浪しなかった。
ま、相性的に仕官してくんなかった可能性が高いという言い訳そのいち。

「主よ、こちらは劉備殿だ。……面識があるのであったかな?
 その軍師の諸葛亮殿、そして北郷殿だ。中々の人物だぞ」

うるせー、そんなん知ってるわ。

「で、一度手放した剣を返してほしい。ということだったっけか」

精一杯冷然と放った言葉に臆することなく劉備は答える。

「そうなんです。白蓮ちゃんに預けたんだけど、やっぱり私のことを信じてくれるみんなに恰好がつかないかな、って。
 でも、白蓮ちゃんも袁紹さんにあげちゃったって言うから、来たんです」

意味が分からん。なんで頭のいい諸葛亮まで頷いている?
ええい、めんどくさい。

「一度手放した宝剣をどうしようと関係ないだろう。なんでここにいるの?」
「はい、思ったんです。やっぱりあの剣は必要だったなって。
 だから、返してほしいんです」

……満面の笑みでそんなことを言いやがる。正直、知るかよ、というのが本音だ。
白蓮の知己だからといって優遇されると思ったら大間違いだぜ。

「返すもなにも、関係ないから。君らの都合とか関係ないから」

ばさり、と切り捨てる言葉に諸葛亮とか言う幼女が口を挟む。そこは黙ってて欲しかった。

「大将軍である何進様により黄巾討伐の令は中華全土に発せられています。
 義を見てせざるは勇なきなり。ですが応じるは諸侯のみ。
 そのような風潮は悲しいと思いませんか?」
「知らん。諸侯は世に対する責任があるし、問題なぞないさね。
 つか、それ今上陛下への進言(ディス)のつもり?」
「これは失礼を。
 無位無官の非才たる身で僭越でした。
 ええ、僭越でしたとも」
「そうかい」

むー。流石にこれでは諸葛亮の目論見が見えないなあ。うざいだけで。

「すみません。お二人の議論を遮るようですけども、わたしの剣ってどうなるんでしょう……」

割と本当にどうしたもんかね。

マジで……困ったものだ(沮授風)。
剣を返してくれと堂々と言ってくるその神経に眼前の美少女(巨乳)はやはり劉備なのだなと再認識する。警戒心のレベルを引き上げる。
ただ、裸一貫からのし上がるにはこういうふてぶてしさが必要なんだろうなあ。
ちら、と眺めると可愛く小首を傾げてくる。あざとい。実にあざとい。可愛いけど。
まあ、こいつらが求める剣なんてどうだっていい。さっさと渡してお引き取り願うのが一番簡単ではあるのだ。
だが、それだと白蓮の面子が台無しになる。
友誼の証に送られた剣をその元の持ち主が取り返しに来るなんざ赤面で済む話じゃあない。
下手すりゃ白蓮と麗羽様の仲だってぎくしゃくしてしまう。ただでさえ州牧と太守という関係なのだ。
……それ狙ってるんじゃねえだろうな。
ぎろ、と睨みつけるがにこにことした表情は些かも揺るがない。まあ、そこまで考えているとしたら横の幼女か。と。
そして、俺の視線を受けてだろう。幼女状態の諸葛亮が口を開く。

「紀霊殿が逡巡されるのも無理からぬこと、と存じます。それほどに貴重な、価値のある剣なのですから。
 お返事は後日でも結構です。お待ちしますから」

いや別に、本当にそんな剣どうでもいいんだが……ってあの剣にそうやって付加価値を付けるのか。こん畜生。
一旦言葉を区切って更に言葉を続ける。

289 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/26(月) 22:46:49.27 ID:PR6xHEdl0
「しかし我らは世の乱れを憂いて義勇軍を興した者です。
 今こうしている間にも無辜の民は苦しんでいます。
 しかし我らは手元不如意……。
 便宜を図ってもらえないでしょうか?
 我ら義勇軍はしがらみなく自由に動けます。ええ、見事働いて見せましょうとも。
 悪い話ではないかと思いますが?」

こいつ、これが本命か!剣の話は袁家と接触する方便。
経緯はどうあれ組織の上層部が下した決定には従わんといかん。その譲歩を引き出すのが目的か!
義勇兵などという、漢朝の埒外の存在でありながらそれを組み込んで駆使するが目的かよ。

ぎり、と噛みしめる俺を見る諸葛亮は相変わらずの笑みで、ああ、俺など眼中にないのだろうな。実際怖いくらいだわ。

激昂して咆哮をあげる、寸前。

つん、とつつかれる。
我に返ってその手の主を見ても、素知らぬ顔で風は。

「ぐう」
「寝るな!」
「おお、寝てました!」

言われんでも分かるわ!
……ってそうか。助かる。

「あのなあ、緊張感なさすぎだろうが」
「いえいえ、公孫賛様のご学友が訪ねてこられたというだけですし、緊張する必要もないかと〜」

はあ、と大げさにため息を。

「まあ、そうだな。んじゃ、風。
この場、任せるわ」

風なら俺の意を汲み取ってうまいことしてくれるはず。頼んだ。
頼んだぜ。
頼んだよ。

……頼んだよ?
290 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/26(月) 22:51:19.48 ID:PR6xHEdl0
本日ここまですー
感想とかくだしあー

邂逅、前編です

ここです
ここで介入とかあれこれが一番有効なのです(メタ)
介入するならここやぞと

割と他はフラグ管理きっちりしてるなあと振り返りながらそのときの自分がすげえなあとか思ったりなんかしたり
自分の敵は自分なのだあ

負けるもんか
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/26(月) 22:56:09.59 ID:22t+Ma8no
乙ー
風ちゃんが本当に頼もしい
292 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/26(月) 22:58:02.28 ID:PR6xHEdl0
>>291
どもえす

本当に、風ちゃんいなかったらどういうことになっていたか……!

いやマジで普通にエタったすw
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/26(月) 23:55:33.18 ID:XFq8hZxzo
おつしたー
二郎ちゃんの部下は割とチート揃いな希ガス
294 :赤ペン [sage saga]:2018/11/27(火) 12:09:27.50 ID:zRP040Gh0
乙でしたー
>>288
>>そこは戦場。それを認識しているのはきっと俺とあの、ちまっこい幼女だろうな。   どうだろう?多分風も二郎ちゃんの雰囲気から察してそう
○そこは戦場。それを認識しているのはきっと俺と風と、あのちまっこい幼女だろうな。 前回劉備と出会った時に二郎がだいぶ動揺(洗脳されかけ)てたし
>>友誼の証に送られた剣をその元の持ち主が取り返しに来るなんざ赤面で済む話じゃあない。  間違いでは無いですが
○友誼の証に贈られた剣をその元の持ち主が取り返しに来るなんざ赤面で済む話じゃあない。  こっちの方がいいかな?どうかな

まあ二郎ちゃんの考えた通りに「あの剣は公孫賛から袁紹に送られた友誼の証であり、それを横から欲しがるとはつまり二人の間を引き裂こうと言う腹積もりだな?」って質問(と言う名の脅迫)をするのも有りっちゃありか?
張飛は趙雲に抑えてもらって3人のうち一人でもコロコロできれば…問題はその強硬策を紀霊がすることを周りがどう受け取るかだけど
まあ劉姓の義勇軍の首領が義勇軍嫌いでそこそこ有名だろう紀霊の元に紹介状なしで公孫賛の名前を使って面会に来るとか臭すぎるから民心を操作するのは難しくなさそうだけど
袁紹とか公孫賛とかが…とくに公孫賛は優しいからなあ、袁紹は二郎の事を信じてくれる可能性は高いけど・・・うーむ
295 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/27(火) 21:29:45.39 ID:5QdiJuUo0
>>293
どもです

>二郎ちゃんの部下は割とチート揃いな希ガス
恋姫たちが、皆無限の可能性を持っていますのでねw
とは言え、確定恋姫の他に賽子の結果での加入の恋姫も多いんですよねー
少なくとも放浪編の三匹が全員加入は本当になかったです
あれで難易度がかなーり下がったなあというのはあります

まあ、本当のチートははおーとか呂布とかCPBとかなんですけどね

>>294
赤ペン先生いつもありがとうございますー!
また完封はできんかったか(白目)


>まあ二郎ちゃんの考えた通りに「あの剣は公孫賛から袁紹に送られた友誼の証であり、それを横から欲しがるとはつまり二人の間を引き裂こうと言う腹積もりだな?」って質問(と言う名の脅迫)をするのも有りっちゃありか?
二郎ちゃんの発想がそこに至らないですねえ。いや、メタ最善手はそこなのは分かるのです

>まあ劉姓の義勇軍の首領が義勇軍嫌いでそこそこ有名だろう紀霊の元に紹介状なしで公孫賛の名前を使って面会に来るとか臭すぎるから民心を操作するのは難しくなさそうだけど
一般的には義勇軍の好悪とか分からないですからね

メタ的最善手ができないもやもや、もどかしさを、いい感じに楽しんでいただければ幸いです。
できなきゃむかつくだけですよねえ!

296 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/27(火) 22:16:37.01 ID:5QdiJuUo0
俺の言葉。任せた、というそれにも眠そうな表情を動かさずに、ふわふわとしたはちみつ色をした髪を僅かにかきあげて。
風はのんびりと口を開く。

「では二郎さんに全権委譲されたこの私めが裁定を下しますね〜。
 義勇兵のみなさんには官庫より兵糧を支給します」

マジで?まあ、二千程度、どうということないし。ないし。
風がそう判断するならば俺は追認するだけである。
精々重々しく頷こう。ふむ、そうだなとか言って!

くふ、と笑い声が聞こえた気がした。

「ただし官軍の指揮下にある時に限ります〜。
 まあ、口ではなんと言っても、です。いつ黄色い布を身に纏うか分かったものではないですし。
 信頼と実績というのは一朝一夕にはできないものというのは世の真実。積み重ねてくださいな。
 あ、それと募兵の類は袁家領内では一切認めませんので〜」

いっそ子守唄でも歌っているかのような穏やかな風の声に劉備たちは絶句する。

「募兵できないって、そうしたら……」
「認めませんので〜」

ふわりとした笑みで諸葛亮の反駁を封じる。
流石俺のメイン軍師は格が違った。よくわからんけど。

「決まりだな。お疲れちゃん。お帰りはあちらからだぜ」

便乗する俺のドヤ顔でも拝みやがれ。ってなもんだ三度笠。当たり前だの焼き菓子だぜい。

「あの、俺にちょっとだけ時間もらえるかな」

口を開くのは北郷君。
まあ、彼には同情するべきとこも大きいよね。いきなり三国志(謎、もしくは仮)な世界に巻き込まれて。
風体を見るに、これ制服でしょ。多分登校だか下校だかの最中にここに来ちゃったんだろうねえ。俺にも多少の里心もあるし、ある程度は便宜だって図ってやらんこともない。

「趙雲さん、俺たちと一緒に来ないか?」

は?
はあ?
はぁぁぁあああ!?

北郷一刀は絶句する俺に構うことなく言葉を続ける。

「みんなが笑って暮らせる、そんな世にしたい。桃香の理想に趙雲さんも共感してくれたよね。
 きっと。俺たちと一緒に来るべきなんだと思う。
 いや、来てほしいな。君の力が必要なんだ」

おい。
おいコラ。
てめえ……今なんつったコラ。

……よし殺そう。

うん、皆殺し確定。こんな下らんことで悩む必要もなくなるし。
ゆら、と全身に力を込めて立ち上がろうとする直前に笑い声が響く。

「はーっはっは!
 いや、こんなにも情熱的に口説かれるとは思ってもいなかったな。
 これも全て某(それがし)が美し過ぎるのが罪なのだろうな……」

艶然と微笑み、言の葉を紡ぐ。
動き出す寸前であった俺にその身を寄せ、首に手を回してきて……。

ちゅ。

「まあ、こういうことだ。察してくれるとありがたい」

合わさった唇は刹那。

297 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/27(火) 22:17:04.03 ID:5QdiJuUo0
むか。

ぐい、と星の柳腰を引き寄せる。
え?とこちらを見やる星の唇に俺のそれを合わせる。
そしてここからは大人の時間だ。

「む?……んっ。
 ん!」

星の口内を俺の舌が蹂躙する。
唇を甘噛みし、ちろちろと舐めあげる。
歯茎を舐めあげ、唾液を啜り、流し込む。
舌を吸い上げ、噛み、ねぶりあげる。

「ん……ん!」

くぐもった声を上げる生意気な咥内を更に蹂躙する。
びく、と震える身体を抱きしめる。

つ、と離れた口唇に唾液の橋がかかる。

ぽわ、とした星を胸に抱えて言うのだ。

「俺の女に手を出すな。次はないぞ」

はわ、と上気する幼女。うわーと赤面するおっぱい。
そして絶句し赤面する北郷一刀。
なんだ童貞か?

「お引き取り願いたいんだがね。それとも馬に蹴られるかね?」

室内に漂うなんとも言えない空気を無視して俺は言い放つ。

「お呼びじゃあ、ねえのさ」




いまだぽや、とした星を抱きしめつつ一気に人口密度の減った室内を睥睨する。
俺、まだ結構怒ってるのよ。

「さて、お見事でしたね〜」
「んなこたねえよ」

事実、失点ばかりが目につくっての。

「卑下されることはありませんよ。
 諸葛亮、劉備。いや、世が世なら史書に名が載るやもしれないと思います〜」

ああ、そうだよ。だからめんどくさいんだよ。

「それはいい。後世の史家とかどうでもいい。
 北郷一刀とかはもっとどうでもいい。
 あれが何か。風は分かるか」
「いえ、とんと見当もつきませんねえ」

ほんとか?
まあいい。

「あの無礼。あれはこの中華の人じゃあない。東夷だ。
 よく二人ともこらえてくれた。あれは中華の儀礼を知らぬ蛮人。故に礼を知らぬ」
「と、おっしゃいますと?」

ぺろ、と唇に湿り気を与える。
こっからが正念場だ。

「姓も名も二文字。字も真名もない。あれは異郷の人物。
 不思議に感じるも当然。あれの本質は東夷。
 倭の民だろうさ」

298 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/27(火) 22:17:31.90 ID:5QdiJuUo0
ふむ、と風は頷く。

「地理志、ですね〜」

後漢書地理志にある漢委奴国王。
中学生でも知っていることである。

「そうだ。違って当然。あいつは属国たる委から流れてきたのだろうさ。
 帰る術のない哀れな旅人なのだろうさ」

それでいい。それがいい。
あながち間違ってもいないはずだ。

「では風はこれにて失礼するのですよ。
 訓練そのほかはお任せという驚きの有能さを垣間見てくださいねー」

くふ、と笑む風がどれだけありがたいか。
ありがたや、ありがたや。

くた、と。
ぽてり、と肩に心地いい重みを感じる。

まあ、星の重みなんだが。
思わせぶりにこちらを見る。

そんな星に言葉をかける。

「星、お前、あいつらを助けたろ」

「是。中々に気の合う連中ではあったのだ。
 あそこで命脈を断つには惜しいだろうよ」

星の横槍なければ俺は多分あいつらの殲滅を命じてた。
例えそれがどれだけ血に塗られていようとも。

「そうかい」
「そうだ。だがな、主よ」

ぴと、と寄り添い潤んだ瞳で俺を見てくる。

「それがしは、主の女、なのだろう?
 まさかに、そのまま放置、という訳ではあるまいな?」

にや、と笑む星はいたずらっぽく、清楚で、どこか不安に揺れていて。

「北郷一刀」

ぴく、と身を震わす星。

「あいつとどんな話をしたかは聞かない。
 あいつに何を吹き込まれたかも聞かない」

ぎゅ、と星を抱きしめる。
ん、と艶めかしく吐息を漏らす星がいとおしい。

「あんな男、忘れさせてやるよ」

そう言って俺は星を蹂躙するのだ。
こくり、と小さく頷く星が愛しいのだ。

ああ、どこぞの馬の骨なんて忘れさせてやる。
塗り替えてやる。
染めてやる、俺色に。

いつになく獰猛な俺の獣欲を星は全て受け止めて。

幸せそうに笑みを向けてくれるのだ。
299 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/27(火) 22:18:03.75 ID:5QdiJuUo0
本日ここまですー
感想とかくだしあー

どんどこいきますぜ
300 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/27(火) 22:39:32.13 ID:5QdiJuUo0
死ぬ前に
おれはやるぜおれはやるぜ
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/27(火) 23:11:10.86 ID:rdi9sjSgo
乙ー
風ちゃん流石という感想と天の御使い殿がガチで厄介すぎて困る
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/28(水) 01:04:32.77 ID:V/Lt6jN0o
おつしたー
登用ガチャ割と成功しとったんやなー

あと色々と大丈夫か・・・?
303 :赤ペン [sage saga]:2018/11/30(金) 15:38:04.31 ID:vtPAkqnM0
乙でしたー
>>296
>>マジで?まあ、二千程度、どうということないし。ないし。   私もごく最近知ったのですが
○マジで? まあ、二千程度、どうということないし。ないし。  【!】、【?】を文章の途中で使う場合は空白が必要らしいです
>>297
>>え?とこちらを見やる星の唇に俺のそれを合わせる。  今回特に誤字報告する所が無いなあ、と言う事で改めて基礎をさらってたら見つけたそんな事実
○え? とこちらを見やる星の唇に俺のそれを合わせる。 そういえば文章の頭にもひとつ空白がいるとか……まあいいか!!
>>「あの無礼。あれはこの中華の人じゃあない。東夷だ。  間違いでは無くあくまでも私の好みで
○「あの無礼。あれはこの中華の者じゃあない。東夷だ。  と言うか今更ですが彼らにとって中華ってどこからどこまでなんでしょうね?《漢》とは微妙に違うのか、同じ意味なら【アレは漢人じゃない】とかも有りかと思ったりしますが
>>「姓も名も二文字。字も真名もない。あれは異郷の人物。  欧陽菲菲「私、この時代からすると未来だけど一応中国人……」字はともかく真名が無いのはなぜわかったの?いや、そもそも(中華の)常識的に考えて《姓は北、名は郷、字は一刀》とならないかな?二郎ちゃんはともかく中国人である他の人はそう判断しそうだけど
○「姓も名も二文字。字もない。あれは異郷の人物。    それを言ったらお前も字ないよね?とか聞いちゃダメかしらw
>>298
>>訓練そのほかはお任せという驚きの有能さを垣間見てくださいねー」  風だとそう言いそうだけど【垣間見る】ってwたまにしかしないのかよ
○訓練そのほかはお任せという驚きの有能さをご照覧くださいねー」   普通に【ご覧ください】でも良いしいつも寝てる風なら上の言い方しそうだけども
>>星の横槍なければ俺は多分あいつらの殲滅を命じてた。   【多分】?……ああ、命じる前に自分が殲滅してた可能性が(なお張飛)
○星の横槍がなければ俺は多分あいつらの殲滅を命じてた。  もしくは【星の横槍無くば】とか?ちょっとカッコつけた言い方ですが
>>例えそれがどれだけ血に塗られていようとも。 言わなくはないですし間違いでもないのでここも私の好みですが
○例えそれがどれだけ血に塗れていようとも。  もしくは【血塗られていようとも。】とかどうでしょう?
>>ぴく、と身を震わす星。   どうだろう?擬音から受ける印象が違うような気がするような?
○びくり、と身を震わす星。  もしくは【びく、と体を強張らせる星。】、【ぴく、と身動ぎする星。】……星の一刀に対する心の揺れにもよるけどどれかな?より正確には紀霊と言うかなりいい主がいるのに鞍替えを考えてしまった自分に対する不信感とかだと思うけど

一刀君のスカウトを見ると前に曹操が郭嘉のスカウトをしようとしたときの事と比較してしまったわ
あれって曹操からすれば郭嘉が紀霊を見限る程度の目しか持って無かったら必要ないからまずは紀霊に話を通さないといけないと言う彼女からしたらすごい難しい状態だったんだな
自分がの方が人の上に立つ者として上だと自負してるけどかつて紀霊に《あなたと並び立ちたい》とか言われちゃってそうあろうと努力してる紀霊を認めちゃったからね
それほどの男に登用されておきながらあっさりとこっちに靡いちゃうなら……それは自分の人を見る目が無いことになってしまうと言う
いっそのこと二郎もスカウトを……えーと(どいつもいらねえな)、んーと(CPBに、権力者はとりあえず悪と見る儒者軍師、三国知識で全能感に酔ってるっぽいガキ)、張飛に対して腹いっぱい食わせてあげるよ、とか言って
304 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/11/30(金) 22:35:14.66 ID:+HkM3M+Y0
ちかれた++

>>301
どもです

>風ちゃん流石という感想と天の御使い殿がガチで厄介すぎて困る
風ちゃんはトリックスターって感じですね
御遣いさんはそらガチです

>>302
>登用ガチャ割と成功しとったんやなー
こんなに人材が増えるとは思わんかったのが実際のとこです
幼女は大失敗でしたがw

大丈夫っすよー

>>303
赤ペン先生いつもありがとうございますー!
中々修正なしってのにならないなあ

> 【!】、【?】を文章の途中で使う場合は空白が必要らしいです
マジっすか
マジっすかw

>それを言ったらお前も字ないよね?とか聞いちゃダメかしらw

ちょっと修正考えますわw

>一刀君のスカウトを見ると前に曹操が郭嘉のスカウトをしようとしたときの事と比較してしまったわ
ほむ

>あれって曹操からすれば郭嘉が紀霊を見限る程度の目しか持って無かったら必要ないからまずは紀霊に話を通さないといけないと言う彼女からしたらすごい難しい状態だったんだな
ほむむ

>それほどの男に登用されておきながらあっさりとこっちに靡いちゃうなら……それは自分の人を見る目が無いことになってしまうと言う
なるほど、と思いましたが、寝取ったら飽きてしまうアレですよきっと
だから人材コレクターなのだ(兆適当)

>いっそのこと二郎もスカウトを……えーと(どいつもいらねえな)、んーと(CPBに、権力者はとりあえず悪と見る儒者軍師、三国知識で全能感に酔ってるっぽいガキ)、張飛に対して腹いっぱい食わせてあげるよ、とか言って
現状では確かに張飛が安パイな気もしますねw

今日は酒呑んで寝ますちかれた

305 :赤ペン [sage saga]:2018/12/04(火) 12:36:28.44 ID:3A/pfE4a0
関係ないけどどこかで見た《古代ローマの総人口のうち約1割は転生者》ってトンでも説は結構好き
実際最盛期の古代ローマだったらただの一般人が転生してもたいしたことできなさそう
306 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/04(火) 20:22:14.62 ID:bs0S4vE10
むしろ自分がローマに転生して何かを成せる自信がないっすわw
307 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/04(火) 21:59:03.97 ID:bs0S4vE10
もぞ。
隣で寝息を立てる星を起こさないように寝床を抜け出す。

「む。もう朝か、主よ」

うん。無理でした。

「まだ早いし。寝といた方がいいぜ」

まあ、その、なんだ。初めてだったのに、かなーり手荒く扱っちゃったからなぁ……。

「なに、この身。どうということもないとも。
その、だ。気遣いはありがたいのだが」

身を起こすとご立派なおっぱいが……ああ、隠すなんてもったいない。

「その、主よ。そんなに凝視されると流石に、だな……」

いつも結構谷間強調したようなきわどい恰好してるのになあ。解せぬ。
だが、恥ずかしがる星とか、アリだな。これがギャップ萌えと言う奴か。
これを狙ってやってるんだったら怖いな。

「まあ、減るもんじゃないし、いいじゃん。つか、もっとすごいことしたじゃん」
「そ、それはそうなのだが……」

やばい可愛いぞ星よ。
ぎゅ、と抱きしめると大人しく身体を預けてくる。女の子特有の、甘い香りが鼻腔をくすぐる。すてき。
と、現実逃避(うっとり)する俺に星がニヤリ、と。

「主よ」
「ん?」
「嬉しかったぞ?妬いてくれて」
「おい」

さっきまでの可愛い星を返せ!いや、帰ってきて!

「ふふ、だが少し揺れたのは本当だ。何か不思議な人物だったな、北郷という男は」

むう。

「主よ、そうむくれるでない。私が主を置いてどこかへ行くわけがなかろう」
「と、言われてもな。星なら『気が合う』からというだけで決断してもおかしくないし。
 富貴とか地位とかあんまし興味ないだろ?」

正直、出ていくと言われて繋ぎとめとく術が思いつかん。
……本来劉備陣営だしな。

「ふむ。言われてみればそうかもしらんな。
 だが、一度捧げた槍を易々と引っ込めたりせんし、何より主よ」
「ん?」

不敵で無敵。それが星だ。
そんな星が思いもよらぬことを言ってくる。

「今だから言うのだがな、ずっとお慕い申し上げておったのだ」

え?なんで?なんかそんなイベントあったっけ?

「ずっと、ずっと昔からだ。そう、ずっと昔から、憧れて。
焦がれていたのだ」

308 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/04(火) 21:59:30.49 ID:bs0S4vE10
くすり、と。
呆気にとられた俺を可笑しげに笑う。

「どゆこと?」

あれか、阿蘇阿蘇のアレか?いや星に限ってあんな与太話(プロパガンダ)を真に受けて憧れるとかない……はず……。

「随分昔のようにも思えるし、実際昔のことなのだがな。実は主と会ったことがあるのだ」
「え?」

マジで?

「ふむ。まあ、会ったと言うと語弊があるな。一方的に主を見ていただけ、か」

閲兵式とかなんかか?あれなら、とは思うのだがそうでもなさそう。
マジで分からん。

「それがしの二つ名は知っているだろう?」

そりゃね。

「常山の昇り竜、だろ?」
「左様。そして常山には主も……因縁があろう」

……っ!黒山賊か!
惹起されるのは血の海、敗北、そして虚勢。
だが星の声は優しく響く。

「そう。助けられたのだ、それがしは。それがしの村は。
 ずっとお伝えしたかった。ありがとう、と。
 ずっと憧れていたのだ、袁家の誇る怨将軍に」

苦いものが肺腑からこみ上げる。

「いや、役目を果たしただけさ。それに後手に回ったあげく。
 あのざま、なのさ。
 ……正直誇れたもんじゃない」

実際PTSD案件である。
それを英雄譚に仕立て上げた自分に反吐が出るくらいさ。
やらんといかんかったとしても、ね。

「それでも、それでもだ、主よ。
少なくとも救われたのだ。
 救われたと思っているのだ。それは変わらんのだよ。主がどう思おうと、な」

……そうか。
そうか。俺は救ったのか。救えていたのか。そう、思っても、いいのか。

「ありがとう……」
「それはこちらの台詞だぞ?」
「それでも、ありがとう……」

込み上げる熱いものを必死にこらえる。

「主、改めてよろしくな。この赤心、一点の曇りもない。
 主の敵はこの身が討とう。存分にお使い下され」

ああ。
頼りにしてる。頼りにするよ。

「こちらこそ、よろしく。
 頼らせてくれ、星。
 そして、きっと中華一の武将に。
必ず引き上げてやる」

ああ、本当に俺には勿体ない人たちばかりだ。
なんて、俺は幸せ者なんだろうな。

改めてそう、思った。
309 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/04(火) 22:00:50.39 ID:bs0S4vE10
本日ここまですー
感想とかくだしあー

題名は「むかしばなし」かな
もちっと気の利いたのあればよろしくお願いします。

おなしゃす
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/04(火) 22:11:56.00 ID:n6EUeA3hO
乙…
記憶違いじゃなければあの時のくそったれ事件かな…あの時星を助けれたのか…
311 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/04(火) 22:32:13.78 ID:bs0S4vE10
>>310
そうです。

なんともコメントが難しいのですが。
もやっとしていただけたらばそれだけで嬉しいです。

イベントとかフラグ管理はかなり精密にやっております。
312 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/05(水) 20:55:58.15 ID:25TN87zH0
駄目みたいですね(鹿)
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/05(水) 21:01:11.21 ID:IBwzwgcDo
おつおつ
救えなかった命もあれば助けれた命もあると書こうとしたら

え?どしたの?
314 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/05(水) 21:11:09.84 ID:25TN87zH0
>>313
いえ、天皇杯で鹿が討ち死にしただけですじゃw

>救えなかった命もあれば助けれた命もある
なんとも言えないとこですけど、実はこれはあの時からきっちりイベントフラグ発生してました
禍福はとか塞翁とかありますが、あそこのイベントは固定でした。
それでも星ちゃん合流、実は五分五分だったんですよね
315 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/06(木) 22:14:17.39 ID:T5y8VJ7m0
「ゆうべはお楽しみでしたね〜」

くふ、と笑いながらそんな声をかけてくるのは風しかいない。

「……俺にゃ勿体ないくらい佳い女だよ、星は」
「おやおや、あてられてしまいそうですね〜。
 ま、星ちゃんも幸せそうですし、終わりよければ全てよし、でしょうか?」
「いや、別に終わってないから」
「これは一本取られてしまいました〜」

まだ始まったばかりだ、この……って。なんで坂を登らんといかんのだ!

「ま、風もありがとな。あれのおかげで義勇軍なんてものをある程度は制御できそうだ」
「いえいえ、お安い御用です。一応、南皮に入る時は武装解除もさせるようにしましたし」

うむ。パーフェクトだ。

「助かる。頼りにしてるよ」
「いえ、ご主人様のためならえんやこら、です〜」
「やめてくれ、頭痛が痛くなるわ」

くすくす、と風は笑うけどなあ。実際その呼び方よ。まともな羞恥心があったら耐えられないと思う。というか俺にはそんな性癖はないわ。
せめて閨だけにしてくれっていう。

「東夷、と倭国とおっしゃいましたね?あの人を」
「ん?おう。だからまあ、中華の儀礼に詳しくなくてもしゃあないだろ……」

肩をすくめる俺を風はにこり、として見つめる。
ん?
……何か間違えたか?

「東の海上にある島、倭国。それはあの方たちの前で言わなくて大正解ですね〜」
「ふ、風。何を言ってる?」

俺を見透かすような目線で。いや、俺の心胆など見抜かれて当然か。

「倭国、本当にそうでしょうか?あの白き衣、その不可思議な光沢。
 むしろ、東の海上にある島、仙境。かの方士、徐福が向かったという……」

風はくすり、と笑っているのだが俺の内心は氷点下。
目線で風が追求してくる。分かっているのだろう、と。

「蓬莱、か」

316 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/06(木) 22:14:45.15 ID:T5y8VJ7m0
観念して俺は白状する。西の崑崙、東の蓬莱。
いずれも神仙が住まう神域だ。
現代日本。それをこの時代、この世界で当てはめればそれは蓬莱だ。
つまり、そこから来たということは。

「さすれば。天の御使い、その論拠になってしまいますね〜。
 蓬莱から、となればその呼称も天子様の権威を侵すものではない、と解釈できなくもないですし。
 なかなかに、やり辛いですねえ」

くすくす、と楽しげに笑う風が今は頼もしい。

「そうだ。だから彼奴(きゃつ)らには倭国という言葉すら使わせない。そこに気づかれたら厄介だ。
 彼奴には神仙の、所謂(いわゆる)神通力などないだろうさ。
 だがそれでも人心を乱すには十分だ」

現代知識とかいくらでも汎用性あるしな。他ならぬ現代知識の恩恵を受けている俺が一番知ってる。

「くふ、そですね。たとえば曹操殿、何進様がその風評を耳にして手中に収めたらと思うと、どきどきしちゃいますね〜」
「やめて。冗談でもやめてくれ。本当に、本当に対処に困るわ」

華琳とか搾りつくすぞ。
現代知識チートな華琳とかマジでやばい。どれだけやばいかと言うと世紀末覇王が超野菜(サイヤ)な異星人だったくらいやばい。

「くふふ。でも、ありがとうございます」
「何が?」
「こんなにも心胆を明らかにしていただけるとは、予想外でした〜」

いやいや。風に隠し事しても百害あって一利無し、と断言できるね。

「よせやい。
ほんと。頭もそんなによくないし、腕っぷしもそこそこ。そんな中途半端な俺に付いてきてくれたんだ。
 俺にあるのは金と地位、それに膨らんだ風聞のみさ……」

言ってて悲しくなってきた。なんという上げ底。
笑えるっての。笑うしかないっての。

「まあ、何やら劣等感にまみれているようですが。
家柄、それに伴う権限など望んでも得られないと思うのです〜」

だから、それだけっぽい自分がアレだなあ、と思うのよ。

「くふふ、その生まれ持った特権。そこに胡坐(あぐら)をかかないというのはそれで凄いことだと思うのですけどね。
 もうちょっと自信を持ってもいいのかと思うのですが〜」

自信持つってなあ。俺の周りは化け物チックな人材ばっかりだしなあ。

「まあ、そこまで風を評価してくださるのはありがたいのですよ。
 結構好き勝手やらせてもらってますし」
「おうよ、どんどんやってくれ。
 いくらでも追認するし」
「くふ、ありがたくその信頼を受けるのです〜」

とて、と急ぎ足で去る風。
いや、頼りになるなあ。
文武に俺、恵まれたなあ。
ありがたや、ありがたや。

◆◆◆

317 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/06(木) 22:16:09.39 ID:T5y8VJ7m0
日は落ち、下弦の月と星のみが光源たる夜道。そこを少女は歩く。いや、夜道と言うよりは庭園、と言った方が適切。

整えられた石畳をやや頼りなく少女は歩く。

蜂蜜色の髪は長く、緩やかな胡乱を描いて月明かりに光輝を残す。

「少女よ、どこへ行くのかね」

声の主はそれまでいなかったかのように突如として姿を現す。
ここは張家、その本宅。無数の結界があるにも関わらず、この少女は歩みを止めずに来たのだ。それも易々と。
警戒して当然である。
誰何(すいか)の声に、歩みを止めて少女は答える。

「おお、数刻ぶりに人の姿を認めましたね〜。
 さて、ここはどこで、これからどこへ行くのでしょうかね〜」

くふ、と笑む彼女に男は興味を抱く。

「さて、どうしたものかな。お望みの答えなぞ、ここいらにはないと思うがね。
 まったく、ここにどうやってたどり着いたのやら。幾重にも人払いの結界が張られていたはずなのだがな」

「生憎(あいにく)、そういう手妻の類いは風には通じませんので〜」

くふふ、と笑みは深まる。

「なるほどな。君が、君こそが怨将軍の懐刀。
 流離(さすら)いの賢者たる程立、か。
 それとも、怨将軍に見いだされた隠者の方がお好みかね?」

淡々とした声に皮肉を含ませる。それに程立は反応しない。ただ瞑目するのみ。
不審に思い張?が口を開こうとしたその刹那。

「おお、寝てました!」

流石にその言は想定外。さしもの張?も言葉を失う。
くは、と軽く欠伸(あくび)する程立に投げる言葉を探すことになってしまう。

「さてはて、帰り道も分かりません。これは困りました〜」

全く困った風もなく程立は嘯(うそぶ)く。

「おお、目の前に親切そうなお兄さんがいたのです。
 これは行き倒れなく済んだかもしれませんねぇ〜」

暢気な少女の物言いに張?は苦笑する。柄にもなく。
あの好漢とはまた違った意味で調子が狂うな、と。

「さてさて。この場でご迷惑をおかけしました。程立と申します。お見知りおきをくださればありがたいですね〜」

この面の皮の厚さよ。
張?は湧き上がる感情を持てあまし、対応が遅れる。
だから対応が後手。

「お兄さんは?」

問われてしまう。汚泥に沈んだこの身を晒してもいいものか。そんな惑いすら。

「ふむ。この身は暗殺専門の飼われ狗。
 君のような、春風のような少女が気にすることはなかろうよ」

くすくす、と少女はおかしげに笑う。

「これはこれは。如南に張り付いているかと思えば……。
 張家は神出鬼没とは納得ですねえ。
 これは僥倖。お姉さまがいらっしゃったら取り次いでいただきたいものですねえ。 
 いえ、お忙しいとは分かっているのです。
 会えないならそれで動きようもありますし」

くふふ、と可笑しげに笑うこの少女に張?は底知れないものを感じる。
もしやこの少女は義姉に匹敵する英傑ではないかと。

「おう、兄ちゃん。考えすぎてもいいことないぞ?」
318 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/06(木) 22:16:35.95 ID:T5y8VJ7m0
少女の服飾と思った人形が喋り、張?は惑いを深める。

「いけませんよ、宝ャ。出過ぎてしまったら二郎さんに迷惑がかかるかもしれませんし〜」

ふむ。張?は頷く。

「正直、護衛とかは粒ぞろいですし、無用と思うのですね」
「無論。任せてもらおう」

くふ。
その笑みに含まれてしまいそうになる。
そしてその問いに揺れる。

「黄巾、徒労どころか摩耗していますね」

違う、と即座に答える。
これは間違えてはいけない問答である。
ゆるく笑む。
彼女の笑みの裏の苛烈さ。

「黄巾の背後をつかめていないのは確かだとも」

負けを認めるに等しい言葉。それすら甘く響いた。

「その言葉が聞きたかったのですよ」

くふふ、と笑みが深まる。

「そですね。……劉備。
ここに草を根付かせてほしいのですよ〜」

ふむ、と張?は頷く。ここまで言われて否やはない。
だが。

「いえいえ、精鋭など送らずとも結構ですよ。
 第三者的な感じでお願いしますね。
 余り密着しても……取り込まれるかもですし」

なるほど。

「ええ。またお会いする機会もあるかと。
 ……次もまたお味方であればいいですね。
 いえ、風は主に従うのみですし」

くふふ、と笑う程立。
張?は苦笑する。
ふむ。どうやらこの世は思ったよりも。随分と面白そうではないか。

歪めた口唇は笑みの形。それは彼が浮かべる自然な笑み。
それを自覚するのは致命的に後のことである。
319 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/06(木) 22:17:24.01 ID:T5y8VJ7m0
本日ここまですー

感想とか題名がほんとうに求めて
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/06(木) 23:10:13.82 ID:q5O86SmZo
乙です

このなんやかんやでくっそ有能な風たるや、さすがである
コミカルに揺れていたと思ったら次の瞬間懐深く切り込んで来る妖刀もかくやの切れ味、大好きですとも


題案
『昼風温く、夜風冷たく』
321 :俯瞰者 ◆e/6HR7WSTU [sage saga]:2018/12/07(金) 20:42:08.34 ID:84fe6fwx0
乙です。

来たねぇ、『天のパシリ』
さぁてこちらの『最終兵器ゴリラ(うおい)』に拳骨の土産持たせて叩っ返しますかねwwwwwww

で、二郎さんの艶福に磨きがかかっていますがこれにれーはさんが加入するかもだし、世の中の野郎からすれば殲滅認定モノですな(例外アリ)
個人的には陳蘭ちゃんもちゃんと囲いなさいよと。いやマジで。

義勇軍。正直言って大小問わず軍事力を持つ封建勢力にとっては迷惑な存在だろーなー。劉備達がどこまで巡ったかは不明ですが規模の大小問わず戦力を引き抜かれた側は手当てが非常に大変な訳で。
そのあたりを肌で理解している官僚が冷たく扱うのも、二郎さんが「ぶぶ漬けでも(ry」とあしらうのも仕方ないわな。
先はわからないが汝南に義勇軍が行ったらマジでこっちでタコ殴りにしてやる。
322 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/07(金) 21:38:53.18 ID:+JCfy3pM0
>>320
どもです。

>このなんやかんやでくっそ有能な風たるや、さすがである
>コミカルに揺れていたと思ったら次の瞬間懐深く切り込んで来る妖刀もかくやの切れ味、大好きですとも
キレッキレの感想ありがとうございますー
正直嫉妬しそうなレベルの言葉のチョイスが素敵すぎます。

そして
>『昼風温く、夜風冷たく』
こういうの、出てくるのすごいなあと思います
ほぼ採用ですありがとうございますパルパルパルパル

>>321
どもです。

>来たねぇ、『天のパシリ』
なんかめっちゃ刺さりましたw
すげえっすわw

>で、二郎さんの艶福に磨きがかかっていますがこれにれーはさんが加入するかもだし
ちゃ、ちゃんとあっちではタグに<ハーレム>って入れてますし(だからどうした)

>個人的には陳蘭ちゃんもちゃんと囲いなさいよと。いやマジで。
熱い陳蘭ちゃんプッシュありがとうございます。
囲うというか、なんというか。特別な存在であるのは確定的に明らかではあります。

>義勇軍。正直言って大小問わず軍事力を持つ封建勢力にとっては迷惑な存在だろーなー。
普通に考えてノータイムで舌打ち案件ですよ。

>先はわからないが汝南に義勇軍が行ったらマジでこっちでタコ殴りにしてやる。
そのときはご存分にオナシャスw
※如南に行くとは言ってない
323 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/07(金) 21:49:15.07 ID:Jz0HFKVLO
おつー
はわわとあわわが許されざる事したらコバビーチ氏が別名義で書いた艷本を書庫に置いてやる
324 :赤ペン [sage saga]:2018/12/08(土) 18:01:57.22 ID:5EF36eZa0
乙でしたー
>>307
>>「嬉しかったぞ?妬いてくれて」   考えてみたら今までの投降した奴も全部見返さないといけない可能性?
○「嬉しかったぞ? 妬いてくれて」  ちなみに文末に使う場合は空けなくていいようです「〜なんだぞ?」とか「〜しろ!」とか
>>さっきまでの可愛い星を返せ!いや、帰ってきて!   今まで気にしてなかったから大変だ(笑)。大変だ……
○さっきまでの可愛い星を返せ! いや、帰ってきて!  でも今までの分はこっちはどうしようもないから、なろうの方で一ノ瀬さんが泣くだけかな(暗黒微笑)
>>「と、言われてもな。星なら『気が合う』からというだけで決断してもおかしくないし。  まあココは私の好みですが
○「と、言われてもな。星なら『気が合うから』というだけで決断してもおかしくないし。  もしくは【星なら『気が合う』と言うだけで】括弧の位置はこの方がいい気がします
>>え?なんで?なんかそんなイベントあったっけ?   遠い昔に国語の時間に習ったのかなあ、でも!と?については……どうだったっけか
○え? なんで? なんかそんなイベントあったっけ?  文章の最初は1つ空けるとか最初に、や。を持ってこないって言うのは覚えてるんだけど
>>308
>>あれか、阿蘇阿蘇のアレか?いや星に限ってあんな与太話(プロパガンダ)を真に受けて憧れるとかない……はず……。   たしかにあれは話半分だけど逆に言えば半分くらいは事実だったような…
○あれか、阿蘇阿蘇のアレか? いや星に限ってあんな与太話(プロパガンダ)を真に受けて憧れるとかない……はず……。  そういえば地方行脚してた時も親しい人に送ってた手紙とかから内容に問題ないと判断された話が勝手に阿蘇阿蘇に載ったりしたんだろうかw
>>閲兵式とかなんかか?あれなら、とは思うのだがそうでもなさそう。   新しい誤字報告のネタが見つかってしまった。ふふ……コワイ
○閲兵式とかなんかか? あれなら、とは思うのだがそうでもなさそう。  ところでそろそろこのスペース報告するときの後ろの言葉が尽きそう
>>……っ!黒山賊か!   何を書けばいいのか、内容については後でまとめて書くつもりだし
○……っ! 黒山賊か!  あれは二郎ちゃんにとって痛恨だったろうな……相撲無双した時とか絶対慢心してただろうし
>>惹起されるのは血の海、敗北、そして虚勢。  【惹起】と言うのは問題を引き起こすことを言うそうです
○想起されるのは血の海、敗北、そして虚勢。  この場合は単純に記憶が呼び起されると言うか、連鎖的に思い出してるだけなのでこちらかな?まあそれに合わせて叫んだり意識飛んだりするなら別ですが
>>315
>>「やめてくれ、頭痛が痛くなるわ」  わざとかな?そんな気もする
○「やめてくれ、頭が痛くなるわ」   もしくは【頭痛がしてくるわ」】とか?でも風との会話を楽しんでると言うか軽口でワザと間違えてる様にも
>>「東夷、と倭国とおっしゃいましたね?あの人を」   まあ海を隔ててる分下手すりゃインドとかよりもよく分からん土地だろうしな
「東夷、と倭国とおっしゃいましたね? あの人を」   それでも天の御使いよりは現実的とはいえあっさりとそれを信じてくれたあたり風からの信用の高さが窺える
>>「倭国、本当にそうでしょうか?あの白き衣、その不可思議な光沢。   でも冷静に考えてみたら古代中国に来て数か月も着た切り雀してたら光沢なんぞ……
○「倭国、本当にそうでしょうか? あの白き衣、その不可思議な光沢。  大体お前らの着てる服も十分以上に《原作準拠の検閲》眼鏡とか12《検閲削除》
>>彼奴には神仙の、所謂(いわゆる)神通力などないだろうさ。  ふむ?二郎ちゃんは何を根拠にこんなことを言ってるのだろう、自分だって三尖刀を使えば神通力めいたことができるし、知り合いにはゴッドヴェイドウとか言う気の使い手やら、そもそも一刀の隣には自分が危うく全てを捧げそうになった劉備がいると言うのに、そもそも日本からの転移者とは判断できても自分と同じ世界なのかこの偉人の多くが女性の世界なのか、二郎ちゃんが生きてた頃と同じなのかそれより未来なのか、下手をしたら紀霊が自分の世界の未来から来た可能性もあるだろうに
○アレが本当に天の御使いだとするなら、その天とやらから一体何を吹き込まれたのか、何を授かったのかは想像もできんな。ありそうなのはそれこそ『天』
製の人を惹きつける才、とかか? まあ凡人がどこまで感じ取れるかは微妙ですが、少なくともこれほど異常な存在を《たまたまなんの力も無いただの一般人が転移してきた》とは見ないんじゃないかな?この世界の主人公、とまでは見なくても何らかのチート……なろうを知らなくても危険視はすると思う>>「ふふ、だが少し揺れたのは本当だ。何か不思議な人物だったな、北郷という男は」 この後に星の過去話をされると、余計にこの台詞が、昔劉備と出会った時の事と結び付けそうだけど
まあそのへんは傍目八目で当事者にとってはさらりと流したりその後の話が印象的過ぎて重視しないのもよくあることですが

ちょっと待ってね、残りはもう少し後で書くから
325 :赤ペン [sage]:2018/12/08(土) 23:28:43.49 ID:5EF36eZa0
ちょっとミス
>>316
>>彼奴には神仙の、所謂(いわゆる)神通力などないだろうさ。  ふむ?二郎ちゃんは何を根拠にこんなことを言ってるのだろう、自分だって三尖刀を使えば神通力めいたことができるし、知り合いにはゴッドヴェイドウとか言う気の使い手やら、そもそも一刀の隣には自分が危うく全てを捧げそうになった劉備がいると言うのに、そもそも日本からの転移者とは判断できても自分と同じ世界なのかこの偉人の多くが女性の世界なのか、二郎ちゃんが生きてた頃と同じなのかそれより未来なのか、下手をしたら紀霊が自分の世界の未来から来た可能性もあるだろうに
○アレが本当に天の御使いだとするなら、その天とやらから一体何を吹き込まれたのか、何を授かったのかは想像もできんな。ありそうなのはそれこそ『天』
製の人を惹きつける才、とかか? まあ凡人がどこまで感じ取れるかは微妙ですが、少なくともこれほど異常な存在を《たまたまなんの力も無いただの一般人が転移してきた》とは見ないんじゃないかな?この世界の主人公、とまでは見なくても何らかのチート……なろうを知らなくても危険視はすると思う>>「ふふ、だが少し揺れたのは本当だ。何か不思議な人物だったな、北郷という男は」 この後に星の過去話をされると、余計にこの台詞が、昔劉備と出会った時の事と結び付けそうだけど
まあそのへんは傍目八目で当事者にとってはさらりと流したりその後の話が印象的過ぎて重視しないのもよくあることですが
>>とて、と急ぎ足で去る風。  ここも私の好みの問題かな?でも擬音としてはちょっと違和感が
○とてて、と急ぎ足で去る風。 若しくは【とてとてと】とかの方が良いと思います
>>317
>>日は落ち、下弦の月と星のみが光源たる夜道。そこを少女は歩く。いや、夜道と言うよりは庭園、と言った方が適切。 ちょっと順番を入れ替えてみようかな
○日は落ち、下弦の月と星のみが光源たる夜道。いや、夜道と言うよりは庭園、と言った方が適切。そこを少女は歩く。 上の文だと【少女が歩く】部分よりも【庭園を歩く】が強く印象に残る気がします
>>蜂蜜色の髪は長く、緩やかな胡乱を描いて月明かりに光輝を残す。 胡乱って正体が怪しいとか真実か疑わしいとか乱雑って意味らしいですが
○蜂蜜色の髪は長く、緩やかに胡乱な影を引いて月明かりに光輝を残す。 あるいは【緩やかにたなびいて月明かりに】とかどうでしょう
>>だから対応が後手。 この前の文章と合わせて2回【対応】が続くのはちょっとしつこい感じがするので
○ゆえに後手に回る。 とかどうでしょう
>>その笑みに含まれてしまいそうになる。 ちょっと【含まれる】の意味が分かりづらい気がします
○その笑みに呑まれてしまいそうになる。 相手に圧倒される、みたいな意味ならこれでしょうか?ちょっち自信が無い
>>負けを認めるに等しい言葉。それすら甘く響いた。    えっと、張コウの声が甘く響いたんで?
○負けを認めるに等しい言葉。それにすら甘美を抱いた。 張コウの愉悦がどこにあるのかはいまいち分かりませんが恐らく破滅願望っぽいのと、敗北感かなあ?本来彼の仕事は敗北=死だからこそ……
>>ふむ、と張?は頷く。ここまで言われて否やはない。      えーと?そんなに強くも丁寧にも言われてないので【ここまで】と言うほどではない気が
○ふむ、と張?は頷く。彼女の聡明さを鑑みれば否やはない。 それとも【ここまでの言を思えば】とかどうでしょう

さらっと出てきた人払いの結界……それも呈立《には》通じない類のそういう手妻、そういえば袁家の武家四家で紀家が宝貝が使えて、張家がこれで、文家の先代があれで、顔家も先代で失伝した何かがあったんだろうか
二郎ちゃんは凡人なんだから敵を低く見積もっちゃいけないよ。少なくともあの劉備が《ご主人様》と呼ぶ相手だものただの未来知識持ちなだけの学生とか思えるわけが無い……と思うんだけど
ついでに言うと諸葛亮が袁家で劉備にそう呼ばせることを許してることとか劉備がそう呼ぶってことは関羽と張飛も劉備より上と認めてるってことで
ここにいる子供っぽい張飛は凡人視点で油断しちゃうかもしれないけどまだ見ぬ関羽はあの曹操に勧誘されても自分の主は劉備だけって言ったような高潔な(頭の固い)人物、それが劉備が下に付くことを認めたとか明日は槍が降るかな?レベルなきガス
凡人はともかく呈立は劉備と諸葛亮がそうするだけのナニカがある、程度は予測してそうね
さすがに大まかな未来予知ができる事までは予測出来な……いや、乱れてなんかいない中華が乱れた時に姿を現す。と言われて事実その通りに黄巾党が現れたし有り得なくはないか、天の御使いが天命を知ってる、的な可能性
後はなぜ、あの場で趙雲を勧誘したのかを推理すると、あー?んー?駄目だ、本来の歴史では劉備陣営だったという前提が無いと意味不明すぎる
326 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/09(日) 22:15:51.34 ID:sW+4e6d/O
勝ったで(赤

ん〜ACL全振りのクラブって一体ww
327 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/09(日) 23:25:19.55 ID:sVkhYhR10

智者の悪巧みはやっぱ一味違いますね
切れると言う表現にふさわしい
タイトルつけるなら太極図から連想して「陰陽」とか?

そもそも
>「認めませんので〜」
と言ったそばから
>「趙雲さん、俺たちと一緒に来ないか?」
とか儒を全く知らん現代日本人でもありえんww
328 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/12/10(月) 06:56:50.27 ID:3YhVqtJJ0
>>327

>そもそも
>「認めませんので〜」
と言ったそばから
>「趙雲さん、俺たちと一緒に来ないか?」
とか儒を全く知らん現代日本人でもありえんww

世間知らずのアスペ君じゃろ?この時点ではお飾りにしかならんわ、北郷一刀www

あと張勲さんの弟がずいぶんと人間くさくなってますが(良い良い)風ちゃんの頼みを聞いたのは姉から許可出てるのかなぁ?

329 :赤ペン [sage saga]:2018/12/10(月) 11:53:57.84 ID:QoA8w+aR0
ああ、まだミスってた
○アレが本当に天の御使いだとするなら、その天とやらから一体何を吹き込まれたのか、何を授かったのかは想像もできんな。ありそうなのはそれこそ『天』 製の人を惹きつける才、とかか?
こうやね、二郎ちゃんが転生チートとか俺つええについて知ってるかは微妙ですが、それを抜きにしても神様めいた《天》とやらの御使いなら《天》に選ばれるだけの何か(才能)を持ってるとは予想しそう
>「趙雲さん、俺たちと一緒に来ないか?」  これは本当にね、曹操と言う『私が天を裏切ろうとも天が私を裏切ることは許さず』な人ですら二郎の前では郭嘉に対して《私の所に来ない?》じゃなくて二郎ちゃんに《私の所によこせ》と言ってるのに。なお二郎本人に対しては直で行く模様……仕方ないね、曹操が袁紹に配慮とかいろんな意味でしなさそうだし
330 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/10(月) 19:36:33.15 ID:nWmMlFVd0
>>323
どもです。

えっと、コバビーチ氏って誰ぞ?
キレッキレのツッコミだけど彼が誰かが分からないw

>>324
赤ペン先生いつもありがとうございますー!
今回長居w

>考えてみたら今までの投降した奴も全部見返さないといけない可能性?
キリがないので、これに関してはローカルルールとしてないことでオナシャスw
むーりーw

>あれは二郎ちゃんにとって痛恨だったろうな……相撲無双した時とか絶対慢心してただろうし
いけるやん?! とまではいかなくてもね。中々順風満帆とはいかないものです。いきませんでした。

>  わざとかな?そんな気もする
ここはわざとですね。ツッコミありがとうございましゅ

>それでも天の御使いよりは現実的とはいえあっさりとそれを信じてくれたあたり風からの信用の高さが窺える
風ちゃんはね。ある程度以上に電波を受信しますからね。万博も決まったし。とだけw

>でも冷静に考えてみたら古代中国に来て数か月も着た切り雀してたら光沢なんぞ……
ナイロンならむしろテッカテカになる可能性w

>二郎ちゃんは何を根拠に
逆に、宝貝、修行なくば無理だから、ですね。流石に女神転生から転生とかは想定してませんw
そんなんなら即ムドだろうし

>さらっと出てきた人払いの結界……それも呈立《には》通じない類のそういう手妻
さらっとね。少しずつねw そこに気づくとはやはり天才か……w

>二郎ちゃんは凡人なんだから敵を低く見積もっちゃいけないよ。
凡人だからw

>>326
>勝ったで(赤
オメデトゴザイマス! いやほんとw
資金力のあるとこに指揮官織部とか、いかんでしょ。
川崎に独走許したらいかんでしょ(無責任な恨み言)


>>327
どもです

>智者の悪巧みはやっぱ一味違いますね
お楽しみいただけたなら幸いです。割と今回難産でした

>タイトルつけるなら太極図から連想して「陰陽」とか?
あー、いいっすねえ
どっかで使わせていただきます。


>>328
どもです

>とか儒を全く知らん現代日本人でもありえんw
ですよねえ。でもこれ原作準拠なんすよ(マジレス)

>>329
赤ペン先生どもです

>二郎ちゃんが転生チートとか俺つええについて知ってるかは微妙ですが、それを抜きにしても神様めいた《天》とやらの御使いなら《天》に選ばれるだけの何か(才能)を持ってるとは予想しそう
これ、二郎ちゃんは全く想定しておりません(メタサービス)
そして、当然天の御遣いにはl=こPO、tα`乙゛POが実装されてますのでごあんしんくだちい

>二郎の前では郭嘉に対して《私の所に来ない?》じゃなくて二郎ちゃんに《私の所によこせ》と言ってるのに
はおーの二郎ちゃんラブが止まらない感じに乗ってきそうでやばいっす。
やべえ

331 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/10(月) 20:09:30.18 ID:nWmMlFVd0
しかしこの黄巾編。
書いても書いても黄巾にたどり着かんなw

あっちで何日連続投下になるんやろか(震え声)
はよ仕事やめたい

蕪の栽培頑張るぞいっと
332 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/10(月) 20:51:49.63 ID:QoA8w+aR0
ふと思った……ナイロンの洗濯の仕方(手洗い)とか俺知らん
恋姫連中は普通の洗濯は知ってるかもしれんが天の御使いの衣とか恐れ多くて
さすがに臭くなるまでアレじゃないだろうけど、うっかり力加減間違えて伸びたり縫製部分が《ビキッ》てなったりしてないだろうか
333 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/10(月) 21:02:03.97 ID:nWmMlFVd0
>>332
そう考えるとマジであれが光のオーロラ身にまとった感じなのか……?
もしくはナノスキンで自己修復機能があったり?

まあ普通に考えて暑苦しいから普段は着てないんだろうな。
縫製に関しては数年では劣化しないだろうし。

※適当な思索です
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/10(月) 23:35:35.49 ID:QoA8w+aR0
ちなみにどうでもいいことですが
私は誤字脱字の他にこいつは何でこんな考えしてんの? とかこいつは何でこんなこと言うの? 
と言ったこともついでに報告してますが(今回の二郎の一刀への印象とか)実際にはそれぞれのキャラの思考とかをこのキャラならこうだろう、とかトレースしてるわけではありません
一応これまでに出た情報から無理のない範囲で出せるだろう推理を出してはいますが、多分TRPGで言ったらクリティカルとか100面ダイスで90以上を出すようなことを書いてる時もあると思います
ぶっちゃけ誤字報告の為によく読み込んでるから僅かな情報を拾ってる気もしますし
なので私の指摘と言うか《こいつならこうするんじゃね?》みたいなことで一ノ瀬さんが「それは違う」と感じたものはそのままで全然OKです
そういうのを書くときにも○を使ってるからもしかして気にしてたりするかな? などと勝手に思ったので明言しておきますが
私のそういった指摘を反映するのもしないのも好きなようにしてくださいね
335 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/11(火) 21:10:51.96 ID:0xn0cVBq0
>>334
ういっす。
ご丁寧にありがとうございますー

頑張るぞい
336 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/11(火) 22:22:21.58 ID:0xn0cVBq0
「久しいな、二郎」

来客である。
懐かしい顔である。
友人が遠方から来てくれたのさ。こんなに嬉しいことはない。論語にもそう書いてある。

「おう、華佗よ。息災そうで何よりだ」

五斗米道……じゃなく、ゴッド!ヴェイドゥ!の道士兼医師の華佗その人である。太平要術の書という危険な書を封印するために中華を旅するナイスガイだ。
暑苦しいけど。きっと属性は火だけど。

「うむ。どうにかこうにか、な。しかし流石袁家領内は治安がいいな。賊に襲われることも少なかった」

って、ゼロじゃなかったんかい……。これはいけません。
これは後で領内治安についてチェックせんとな。
まあ、閑話休題(それはそれとして)、本題だ。

「で、どうなの。太平要術の書って見つかったの?」

俺の問いかけに華佗はその秀麗な顔を曇らせる。むむむ。
どうも芳しくなかったようだ。

「うむ。荊州からここまで北上してきたのだが、その気配はなかったな。
 いや、ここにきて不穏な空気は感じるのだが、何かもっと違うような……。すまんな、上手く表現できん」
「や、気にすんなって。しかし張家と母流龍九商会にも網を張らせたが、それっぽい書物は見つけられなかったしなあ」

俺は俺で一応網を張ってはいたのだよ。駄目で元々、当たればもうけ、って。
そんな俺の言葉に華佗は重々しく頷く。

「無理もない。いや、軽々しく近づけばその人物が取り込まれる可能性もあるからな。却ってよかったかもしれない」

うげ、そんなに物騒なんかい。こわっ!
……そういやこいつゴーストバスターズとか対魔忍みたいな感じだっけか。
不可思議なことは専門家に聞くに限るね。ここはダメ元で聞いてみよう。

「そういや、領内で不可思議なことがあってな。
 村落が黄巾賊に襲われてるんだが、たまに、こう、な。
犠牲者が見つからないことがあるんだ。
 や、別に村民が無事ってわけじゃあない。死体含め、生存者もいないんだ。
 荒れた村落。それしかないんだ」

俺の言葉に険しい顔をする華佗。

「それは、まさか……」
「知っているのか、華佗!」

俺の声に重々しく頷く。
流石メイン道士は格が違った。

「うむ、心当たりは二つある。語ることさえ憚られる邪法だがな。
 一つは僵尸(キョンシー)。死体を操る妖術だ。もう一つは……死体を媒介に死という概念を贄にし、己が力を高めるものだ。
 いずれも禁呪だ。並の術者じゃ発動すらできやしない。
 ……無論、そうと決まったわけじゃない。
 決まったわけじゃないが……」

僵尸。いわゆるキョンシー……。それに贄、ね。まったく勘弁願いたいが、黄巾の乱のトップは確か張角。巫術により民を惑わせるのであったか。
ありえるな。全く、厄介極まる。
だから嘆息してしまうよ、こんな風に。

「やれやれ、だぜ」

◆◆◆

337 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/11(火) 22:22:48.94 ID:0xn0cVBq0
「そういや、これからどうすんの?」

俺の問いに華佗は苦笑する。

「流石に単身で流浪しても、成果に限りがあると分かったしな。
 暫くここ南皮に滞在するさ。ここなら太平要術の書の情報だって集まりやすいだろう?」
「そだな。俺も協力するし。
 ゆっくりしていってね!」

神医たる華佗が南皮にいてくれたら何かと安心だ。
むしろ囲い込むぜ。目指せ衛生兵部隊!

「はは、ありがたいな。
 だがまあ、いつまでも厄介になるわけにもいかん」
「別にただ飯食わせるわけじゃないからいいよ?
 ちょこっと、その神技を、だ。
腕をジャンジャンバリバリと振るってもらえばいいし。
 あわよくば弟子取ってその術を伝えてくれればいいし、な」

苦笑しながらも華佗は頷いてくれる。

「ああ、いいだろう。別に秘匿するつもりもない。
 一人でも多くの人が救われるなら本望というものだ。
 二郎が選んだ人材ならば悪用もせんだろうし、な」

そこまで買いかぶられても困るけどな!
でも嬉しい!

「……そうだ。華佗ってば気の扱いも達人だったよな」
「何をもって達人と言うか分からんが、いささかの心得はある」

ふむ、と大きく頷く。

「ちょっと見てほしい子がいるのよ」

もちろん、あの子のことだ。

◆◆◆
「五斗米道……ですか?」
「違う!
 ゴッド!ヴェイドゥ!だ!」

小首を傾げる凪に俺は雄々しく応える。ちなみに華佗は後ろで苦笑している。
華佗の叫びと思った?残念!俺でした!残念だったわね!

「は、はあ。その、
 ゴッド!ヴェイドゥ!
 の華佗殿を連れてこられたのは、いったい?」

生真面目に叫んでくれる凪。大成功なのだが、何か悪いことしたなあ。などとと思いながら答える。
ちなみに今は朝の鍛錬のお時間。
一通りのメニューを消化した後のややまったりとした時間だ。
流琉と陳蘭はお茶とお菓子の準備。星はなんかニヤニヤこっちを静観している。
華佗にご足労願ったのはそんな場である。

「ほら、凪って気を使うじゃん。華佗って気を使う達人だから、凪が更なる高みに昇るためにちょっと指導してもらおうかなと思って」
「は!ありがとうございます!華佗殿、ご教授よろしくお願いいたします!」

びし、と背筋を伸ばして華佗に拱手する。

338 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/11(火) 22:23:15.75 ID:0xn0cVBq0
「いやいや、二郎はそこまで言ってくれるが俺だってそこまで極めているわけじゃない。
 ……まあ、助言くらいはできるかもしれないが」
「はい!よろしくお願いいたします!」

華佗は苦笑しながら技を発動するように言い、凪は集中する。
拳を構え、集中する。

「ほぉ……」

星が感嘆の声を上げるほど。凪はその闘気を高め、静謐に練り上げる。

「心にて、悪しき空間を断つ。
 断!空!拳!」

突き出した拳は眼前の丸太――俺が毎朝立木打ちしているやつだ――に吸い込まれ、ビリビリとした空気の震えが耳を襲う。
あんなに丈夫な丸太がぐらんぐらん揺れている。
凄まじい威力だなおい。あれ食らったら悶絶……で済んだら御の字だな。

残心もそこそこに、こちらを向く凪。華佗が感嘆の声を上げる。

「いや、我流と聞いたがこれはすごい。ここまで気を練り上げることのできるのは俺の知己でも片手に届かない」

マジか。

だからと言ってゴッド!ヴェイドゥ!にスカウトとかしても許しませんからね!

◆◆◆

「結論から言うと、楽進殿の気の発動は著しく効率が悪い」

ガーン。
凪より俺の方がしょんぼりだよ。
一方の凪は、ふんふんと熱心に聞き入っている。

「静と動で言えば楽進殿は動。また、その拳も動。
 で、あるのに気を静に練り上げてしまっている。
 猛る思いはそのままに、荒ぶる魂を燃やすがいいと思うぞ」

はい、何を言っているかそろそろ分からなくなってきました。

「ですが、私の拳。それは人は討たず、その怨念を討つためのものです。
 感情のままに昂ぶるままに放っては、ただ壊すだけの暴力に成り下がってしまわないでしょうか」

おおう。
な、凪さんや。俺の心が壊されそうなんですが。

甚大なダメージを、現在進行形で受けている俺。そして追撃の凪である。
何か期待するような、問いかけるような。そんな目を向けてくる。oh……。
ままよ!

339 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/11(火) 22:23:44.54 ID:0xn0cVBq0
「武、とは戈(ほこ)を止める、というのが語源であると言う。
 凪よ、お前はその真髄に達している。間違いなくな。
 その昂ぶりのままに、熱くなれ。それでも、その昂ぶりのままに振るっても矩(のり)を越えない。それが辿り着いた境地さ。
 そして、見てみたいな。凪がどれほどの高みに至ったのか、と」

……なぜに俺は傷口を抉るのか。そしてなぜに凪はキラキラとした目で俺を見るのか。眩しい!眩しいよ凪さん!

「はい!二郎様!私の、全力を。全開を、この一撃に!」

ゴォ!と轟音すら幻聴しそうな勢いで凪は闘気をその赴くままに練り上げる。
腰を落とし、拳を構える。常の断空拳ならばここから静謐にそれを錬成するのだが、更に、そのままに練り上げ集束する。
その拳は光輝すら纏って。

「私のこの手が光って唸る!必殺!
断!空!拳!」

光る拳が丸太に届き、刹那、時が止まり。
ドゴォ!という轟音が遅れて届き……。
どさり、と音を立て、丸太はへし折れていた。

え。

マジで?
マジで?

「二郎様、如何でしたか……?」

期待と不安を込めて凪が俺に問う。
思いのままに振るった力を恐れるようでもあり、成し得たことを誇るようでもある。
だったら……!

「見事だ!その武技の冴え!最早俺を越えた!
 あれは断空拳に非(あら)ず。凪の修練が生み出した新たな奥義……。
 即ち、断空光牙拳!
 牙無き人の牙となり、闇を切り裂く光となれ!
 これをもって免許皆伝、とする……!」

……沈黙が心を抉るよ。抉るよ。やってもうた?やってもうたか!

「断空光牙拳……。未熟なこの身に過ぎたるお言葉……。
 嬉しく思います……。有難く、存じます……」

ゆらり、と歩を進める凪の前には巨岩。
腰を落とし、先ほどまでよりも更に闘気を練り上げる。
既に凪は光に包まれ、それはまるで金色(こんじき)の炎。

340 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/11(火) 22:24:11.04 ID:0xn0cVBq0
「高まれ、私の闘気よ……。
 はぁぁぁ……っ!」

ゴゴゴ、と。
今回は幻聴じゃない気がするよこれ。

「私のこの手が真っ赤に燃える!
 勝利を掴めと轟き、叫ぶ!
 爆熱!
 断!空!光!牙!拳!」

凪を包む光彩が右手に集束され、巨岩を打ち抜く。
数瞬後に、ぴしり、と響く澄んだ音。

俺は砕けた、かつて岩だったものを見て呆然とするしかなかった。
石割とかそんなレベルじゃねえわ。これまともに食らったら普通に死ぬる。むしろ爆砕点穴(物理)か?
それともこれが人体の不思議ってやつか!

そんな、微妙に賢者モードな俺に凪が声をかけてくる。

「一つ、壁を越えたように思います。免許皆伝、有難く。ですが!
 未だ未熟なこの身です。これからもご指導、ご鞭撻のほど、お願いいたします!」
「お。おぅ……」

こく、と思わず頷いた俺に凪はとってもいい笑顔をくれる。
く、その信頼しきったような瞳がまともに見れない。
逸らした視線が星と出会う。

「あ、あのな、星……」

わたた、と言い訳をしようとする俺の機先を制して。

「ふむ。主がこれほどまでに名伯楽だとは思いませんでしたな。
 ぜひともこの身にもご指導願いたいものです。
 ……まさかに、否と仰ることはないと思いますが」

いい笑顔ですね。とっても物騒ですね。どうして微妙に頬が上気してるのはなんでなんだぜ。

「二郎さま!私も!私も!」

あー、流琉は可愛いねえ。癒されるわあ。
でもキラキラした瞳を見ると心がゴリゴリ削られるわあ。

陳蘭は……用意したお茶をこぼしたのを一生懸命なんとかしようとしている。
もう、どうにでもなーれ。
覚悟を決めて臍下丹田に力を込めて声をあげる。

「よっしゃ!まとめて面倒みてやる!
 黙って俺についてこい!」

……多分、後になって頭を抱えるんだろうなあ。

ま、それもまたよし!
空元気も元気のうち!
元気があればなんでもできる!

とりあえず黄巾賊とか、まるめてぽいだ!

「やってやるぜ!」

おれはやるぜおれはやるぜおれはやるぜ……。
341 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/11(火) 22:25:10.27 ID:0xn0cVBq0
本日ここまですー
感想とかくだしあー

題名も本当に募集チュです
皆、いい感じで出せるのは分かってるんやで、出し惜しみしないでよボクを助けてよ!

心の叫びでございますた。
342 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/11(火) 22:41:06.07 ID:Pr5N7Hcbo
おつー
題名は『獣を超え、人を超え、そして…』か『見よ!南皮が真っ赤に燃えている!』ですかな
343 :赤ペン [sage saga]:2018/12/13(木) 14:47:35.47 ID:Tt17qP690
乙でしたー
>>336
>>……そういやこいつゴーストバスターズとか対魔忍みたいな感じだっけか。 《頭対魔忍》と《やーい、お前の母ちゃん対魔忍》と《お前対魔忍みたいだな》は言われたら戦争不可避だと思う
○……そういやこいつゴーストバスターズとか除霊屋みたいな感じだっけか。 もしくは【ゴーストスイーパー】とか【エクソシスト】とか?いくらなんでも対魔忍呼びはスゴイ=シツレイだと思う
>>僵尸。いわゆるキョンシー……。 上の方で【僵尸(キョンシー)】って書いてますよね、これは大事なことなので2回言いました?
○僵尸。キョンシーと言えば額にお札を張って両手を前に伸ばしているのを思い浮かべるが……。 まあこういう風に書く必要は特にないので
○僵尸。キョンシーかあ……。   これでも良いかもしれませんね
>>337
>>華佗の叫びと思った?残念!俺でした!残念だったわね!   そういえばゴッド!ヴェイドゥ!も本来はスペース空けるんだろうか?
○華佗の叫びと思った? 残念! 俺でした! 残念だったわね!  それはそうとそこまで(2回も言うほど)残念でもないんだが……【残念! 俺でした! 引っかかったわね!】とかにしてみる?
>>「は!ありがとうございます!華佗殿、ご教授よろしくお願いいたします!」   ここですぐに受け入れられるあたり本当に真っ直ぐ素直な子よね
○「は! ありがとうございます! 華佗殿、ご教授よろしくお願いいたします!」  そういえばローカルルールで……とか一ノ瀬さん言ってたっけ、まあ書くだけ書いとこう
>>338
>>「はい!よろしくお願いいたします!」   天然道士みたいなもんかねえ……宝貝も使えたりして
○「はい! よろしくお願いいたします!」  アレだと天然道士は肉体が頑強な代わりに宝貝適性は低いんだっけ
>>断!空!拳!」  ふと空裂斬を思い出した
○断! 空! 拳!」 もしかしたらかの流派の《牙》のそれはこんな名前だったりしてw
>>ここまで気を練り上げることのできるのは俺の知己でも片手に届かない」 片手に届く……背伸びかな?
○ここまで気を練り上げることのできるのは俺の知己でも五人といない」  【五指に入る】という言い方はありますがこの場合だとどうかなあ?
>>339
>>そして、見てみたいな。凪がどれほどの高みに至ったのか、と」  これ知ってる、倒置法って奴だよね!真剣ゼミでやった奴だ!
○そして、見てみたいな。凪がどれほどの高みに至ったのか、を」  なので【高みに至ったのかを】【見てみたいな】を逆転する形なのでこうですね
○そして、自慢したいな。凪がこれほどの高みに至ったのか、と」  もしくはこんな感じでしょうか?上だと現在の凪、下だといずれ完成させた凪を語ってる感じになるかと
>>眩しい!眩しいよ凪さん!  そりゃ(そんなこと言ったら)そう(いう尊敬の目を向ける)よ
○眩しい! 眩しいよ凪さん! 内面を知らなければそんなこと言えるあんたも含めて眩しく見えたんじゃねーの?
>>「はい!二郎様!私の、全力を。全開を、この一撃に!」   ??「これがディバインバスターのバリエーション!!」
○「はい! 二郎様! 私の、全力を。全開を。この一撃に!」  星の光の破壊砲撃ちそうっすね、それはそれとして【全力を、全開を、】かこの部分を【、】【。】のどっちかに統一した方がいいと思います
>>ゴォ!と轟音すら幻聴しそうな勢いで凪は闘気をその赴くままに練り上げる。  幻聴って聞こえないはずのものが聞こえることで、それが【しそう】って、つまりどういうことだってばよ?!
○ゴォ! と轟音すら聞こえそうな勢いで凪は闘気をその赴くままに練り上げる。  もしくは【轟音の幻聴がする勢い】いっそ【轟音の幻聴が聞こえるほどの勢い】とかかな?
>>「私のこの手が光って唸る!必殺!   断!空!拳!」    ちょっと1行にまとめて
○「私のこの手が光って唸る! 必殺!   断! 空! 拳!」  体中の無駄な力を抜いた岩をも砕く技と、超高速で炎や水を切り裂く技も覚えないと!!(小並感
>>ドゴォ!という轟音が遅れて届き……。   これだとそこまで轟音っぽくないような?
○ドゴォン! という轟音が遅れて届き……。 もしくは【バキィ! という轟音】これだと単純に丸太が折れた音か?【ガァン! と言う轟音】とか?丸太から普通ならしないような音って感じで
>>「見事だ!その武技の冴え!最早俺を越えた!   なお実際にいつから超えていたかと言うと
○「見事だ! その武技の冴え! 最早俺を越えた!  まだ三尖刀があるから……あるから!!
>>……沈黙が心を抉るよ。抉るよ。やってもうた?やってもうたか!  やっちまったなあ!!(餅をつきながら
○……沈黙が心を抉るよ。抉るよ。やってもうた? やってもうたか! やっちまったなあ……(光ってる凪ちゃんを見ながら
>>340
>>断!空!光!牙!拳!」    二郎ちゃんはこの技名を聞くたびに羞恥で身悶えるんだろうか
○断! 空! 光! 牙! 拳!」  まあそれを外に出したら凪が落ち込むから心中で、だろうけど
>>俺は砕けた、かつて岩だったものを見て呆然とするしかなかった。  これでも良い気もしますが
○俺は、砕けたかつて岩だったものを見て呆然とするしかなかった。  こっちの方が良さそうな気がします
>>むしろ爆砕点穴(物理)か?  まあ結果としては岩砕いてるけどアレはその名の通り岩の急所(穴)を突いてる技だし
○むしろカメハメハ(物理)か? 気を使う技を物理呼びして良いのかは微妙ですが、もしくは【波動拳(物理)】?

ちょっと待ってね残りはまた後で
344 :赤ペン [sage]:2018/12/13(木) 15:33:22.57 ID:Tt17qP690
さてさて
>>340
>>そんな、微妙に賢者モードな俺に凪が声をかけてくる。   いつの間に絶頂を迎えたのか……スラング的なあれですが要は興奮が行き過ぎて逆に冷静になる、みたいな意味なんですが
○そんな、微妙に現実逃避気味な俺に凪が声をかけてくる。 まあ凪に合わせて熱血モード入ってたのが恥ずかしくなって冷静になった。なら賢者モードでも良いかもですが
>>「二郎さま!私も!私も!」  気の扱いに関しては二郎よりも華佗の方が……そう言う事じゃないんですね分かります
○「二郎さま! 私も! 私も!」 まあ人を守るための戦い方とかいわゆる無力化することに関しては二郎ちゃんは知ってるからな、殺さない事を前提にした戦い方って昔の人からしたら埒外だろうに
>>「よっしゃ!まとめて面倒みてやる!  (夜の)面倒は確かにまとめてみてるな(おやじかん
○「よっしゃ! まとめて面倒みてやる! 確かに教導役としては未来知識もあっていいのかもね

この忙しい時期に風邪をひいてしまい(微熱ですが)本当にどうしようかと
それはともかくこれで黄巾に対する効果的な手がいくつかできたな、とはいえこの情報をどこまで共有するかは難しい所だけど、とりあえず梨園の二人は確定として
武家四家……七乃と斗詩には教えるとして猪々子はどうするべきか
二郎ちゃんも教えるうちに自分もちょっとは強くなれる……かも
345 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/13(木) 20:15:31.76 ID:+s1C70q30
>>342
どもです。

へへ、いい題名出してくるじゃねえか……!
おら、もっと持ってるんだろう?ジャンプしろよおらぁん!

とか書いてて正気に戻って何してんだろうと思う今日この頃です。

>>343
赤ペン先生いつもありがとうございますー!

>いくらなんでも対魔忍呼びはスゴイ=シツレイだと思う
やっぱだめかーw
字面と実態の乖離がすごいっすよねw
知らんけど(知らんから考え直します)

>ここですぐに受け入れられるあたり本当に真っ直ぐ素直な子よね
本当にそうなのですよ。
ネタにマジレスしまくりで心が痛いw

>アレだと天然道士は肉体が頑強な代わりに宝貝適性は低いんだっけ
そう考えると恋でしょうねえ
武力95越え勢はそうなのかもしれません

>??「これがディバインバスターのバリエーション!!」
もはや古典なので若い人には分からんだろうがそういうネタをぶち込んでいくスタイルw

>やっちまったなあ……(光ってる凪ちゃんを見ながら


>気を使う技を物理呼びして良いのかは微妙ですが、もしくは【波動拳(物理)】?
イメージはシャイニングフィンガー。ぐーだからヒートエンドはできない
むしろゴンさんのじゃんけんぐーかもしれない

>この忙しい時期に風邪をひいてしまい(微熱ですが)本当にどうしようかと
お体お大事にしてください。一ノ瀬は先月風邪引いたから大丈夫です!免疫やで。
風邪は食べて寝るしかないっすからねえ……w

>それはともかくこれで黄巾に対する効果的な手がいくつかできたな
実際これがないとどうしようもないのです。
黄巾編。放浪編なしで突っ込むとえらいことになったのですよ
346 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/13(木) 21:29:46.50 ID:+s1C70q30
「ふむ……。主があのように名伯楽とは思わなかったぞ」

こ、心が痛い!痛いのだ。ぐはー。
そういうときは話をずらすに限る。

「そ、そういや凪は?」
「華佗殿に気の使い方を教わっている。熱心なことだな。
 なんでも気を応用した治癒を身につけたいそうな。
 相性が悪いのでどこまでモノにできるかは分からんそうだが、な」

一生懸命青嚢書とか勉強してたもんなあ。たまに俺に解説求められたけど全く分からんかったでな。
頑張ってほしいものである。
などと無責任なことを考えていたら、星がちょいちょい、と袖を引っ張る。

「どしたの?」
「なに、是非それがしも主のご指導を受けたい、と思ってな。
 どうやらそれがしは静の気質だそうで、華佗殿は助言もできぬらしいのだ。
 主ならば静の気についても含蓄があるのではないか?」

含蓄ってなあ……あんな適当なのでいいのか?

「まあ……俺は気についてはさっぱりだが、武の行きつく先。その真髄については心当たりがないでもない」
「ほう、駄目でもともと、当たれば儲けと思って言ってみたが。流石は主だな」

軽く馬鹿にしてるだろ。いや、しゃあないんだが。
とはいえ、適当にもほどがあるトンデモ理論になるぞ?

「ま、俺も理論だけしか知らんからな。耳学問にもなりゃしない。それでよけりゃな」
「うむ、頼む」

……そんな期待でキラキラした目を向けられても、なあ。

「まあ、話半分に聞いてくれ。書物からの机上の理論、ってな。
 さて、凪が気を巡らせた時、だ。
 凪の気。吹き出す様は顕現すらしてたろう?あれが動の気だな。
  静の気は真逆。その気を完全に外気と隔絶させる。
  即ち、『絶』。極めればそこにいるかどうか知覚すらできんと言う。
 習熟した猟師なんかは自然と一体化し、獣すらそれを感じ取れんそうだ。
 極めれば実体を空に消し去り、敵の攻撃はことごとくが外れる。
 『夢想転生』とでも名付けるか。最早神仙の業だな」

うむ、適当に色々ミックスしすぎだろ俺。

347 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/13(木) 21:30:13.39 ID:+s1C70q30
「ほう……。思いもしなかった発想だな。
 ふむ……」

え。アリなの?

「だがまあ、中々に難易度が高そうだな。もうちょっと手頃なのはないのか?」

 まあ、言ったことを再現されたらびっくりだからね。とは言え、手頃な奥の手とか知らんし。

「注文の多い 武芸者だこと。そだなあ。
 『後の先』なんてどうだ」

いわゆる一つのカウンターってやつだね。これは俺でも分かる。いや、分かるけどできるというわけじゃない。

「相手の攻撃の意思を感じ取り、先手を取る。
 なんでも、頭で攻撃する。
と思ってから肉体が反応するまでの数瞬の隙を突くそうだ」

脊髄反射のちょっとした応用、ってことかなあ。
あれだ、思わず目を閉じちゃったりするみたいな。パブロフ的な?

「なるほど……。それも興味深いな。殺意を跳ね返す、ということか……?」

考え込む星。こっちはまだイメージしやすかったか。

「だが、双方がそれを極めれば千日手。どう打開する?
 主よ、言葉遊びになるが、『先の先』というのもあるのか?」

しらんがな。とも言えず。

「や、そこまでは流石に詳しくない。
 が、一つの到達点としては『無拍子』というのがあるそうな。
 これは攻撃のための予備動作とか、殺気とか一切発せずに放つ一撃。
 いかな達人とて察知は不可能とか。
言っとくけどな。俺には再現なんてできないし」

肩をすくめて苦笑する。

「いや、中々に参考になった。うむ。参考になったとも」

……好評だったようです。言ってる本人もどういうことかなんて全く実感はないのですが。

満足げに紀家軍の調練に向かう星を見ながらふと、思う。

「星ならできちゃったりするんだろうか……」

無論、応えなぞ、なく。
一陣の風が吹くのみであった。
348 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/13(木) 21:31:25.88 ID:+s1C70q30
本日ここまですー
感想とかくだしあー

前回にくっつけるかどうかは考えます
どないしたもんかねえ

題名、おらぁん!ジャンプしろよおらぁん!
いやほんとお願いします本当にあっちに投稿するときにぐるぐるしてるんですぅ
349 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/13(木) 21:44:25.42 ID:p+rMHNh8O
しょうがにゃいにゃー
『俺達は昇り始めたばかりだからな』か『この果てしなく遠い武の坂をよ…』
350 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/13(木) 21:53:26.07 ID:+s1C70q30
>>349
未完やん!
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/13(木) 23:05:25.97 ID:RLbHg94h0
これはまた懐かしい作品だな
あまり覚えてないけど朱里雛里に対しての殺せコールが結構酷かった気がする
1から読んできます
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/14(金) 00:11:09.83 ID:CMjzaKdyo
まあどうしてもここの蜀勢は敵役としてヘイト溜めやすいから仕方ない
むしろヘイト溜まるってことは敵役として一ノ瀬氏が正しく書いているってことなので良き哉良き哉

題案ですが敢えてネタに走らないとするならば
『武星への階、その一段目』
353 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/14(金) 22:07:54.14 ID:iTizOROM0
>>351
どもです。

>1から読んできます
ぐえっへへへへ
こういうのがあるからやめられないんだよなあ
クオリティはお約束しますので、読み返した感想とかくだしあー

うえへっへへ


>>352
どもです。

>むしろヘイト溜まるってことは敵役として一ノ瀬氏が正しく書いているってことなので良き哉良き哉
ちゃうねん

ちゃうねん

>『武星への階、その一段目』
ほむ。
かっけーので、これはよい……
よい……
354 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/14(金) 22:28:28.60 ID:iTizOROM0
黙々と筆を滑らし、積み重なる書類を決裁していく何進。
煌々と照らされた室内は夜半を過ぎたにも関わらずに熱気に満ちている。
武官文官が慌ただしく出入りし、喧噪一歩手前である。
華雄は何進の背後に仁王立ち。揺るぎなく四方に目を、気を配る。
常ならばこのような時刻まで何進が執務を続けることなどない。それなりに優秀な官僚団にある程度は任せるのだ。
が、彼を日ごろ支える王允や蔡邑といった有力な文官はその姿を洛陽から消している。
官軍の監査官として派遣されているのだ。何進自ら実務に乗り出さざるをえないほどに、その体制は乱れている。切迫している。
いや、その身一つで政権を破綻させずに運営している何進を誉めるべきであろうか。

「フン、今日はこんなもんか」

疲労の色を欠片も見せずに何進はその手を止める。
残務を配下の官僚に任せ、何進は悠然と歩みを始める。
その背に従い、周囲に油断なく注意を払いながら華雄は問う。

「自ら、ご出馬されると思っていたが」

かつて起こった涼州の大乱。
その際には自ら兵を率いて馬騰と相対したのだ、この男は。
皇甫嵩、朱儁と言った層々たる面子を率い、あっさりと乱を治めた。
てっきり今回の乱についても自ら動くと思っていたのだが。

「……馬騰の時はあいつを討てば済むと分かっていたからな。
 今回は賊の根拠地すらまだ分からん。無駄足踏んでる暇はねえのさ」

洛陽を空けるわけにはいかん、と言う何進の表情は険しい。

今上帝、不予。

「泣きっ面に蜂とはこのことさ」

何進が珍しく愚痴るほどの凶事。
文字通り漢朝を揺るがす一大事である。


元々不摂生な生活を送っていた今上帝。それほど命を永らえるとは何進でさえも思っていなかった。
だが、いくらなんでも早すぎる。まだ弁皇子も幼くあり。
何進としては、後十年くらいは猶予があると思っていたのである。
ともかく、「乱どころではない」というのが正直なところでもあるのだ。
それでも、禁軍を発し官庫を開く。その果断さは何進に反感を持つ士大夫層ですら評価せざるを得ないところである。
だが、監察に数多の有為かつ親何進の文官を派遣したのはどうなのだろう。

そんな華雄の思考を何進の言が遮(さえぎ)る。

「フン、軍を発した。官庫も開いた。
 溢れているはずの官庫が空っぽとか笑えねえのさ」

笑うように吐き捨てる何進。華雄はなんとなく理解する。

「なるほど。横領、か」

腐敗したこの漢朝。さもありなん。
帳簿上はあるはずの物資がないというのはいかにもあり得ることだ。

「兵站の崩壊した軍ほど悲惨なものはないからな。
 ハ、官軍が村落から、城邑から物資を徴発するなど悪い冗談さ」

だから、監察には信頼を置ける者を派遣せねばならないのだ。いかにそれが負担となろうとも。

「それに、悪いことばかりでもないしな」

何進は苦笑する。

「中々に調査の手が及ばなかった官庫を大っぴらに監査できるんだ。
 この点では黄巾に感謝すべきだな」

ある意味実態の把握できなかった大きな利権に食い込めた、と何進は笑う。

「なるほど。不正をしていた官を誅滅してしまうということか」

大きく頷き理解の意を示す華雄に向ける何進の視線には諦観と苦笑とが絶妙に入り交じっていて。

「お前さんはブレない、なあ」

355 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/14(金) 22:28:55.46 ID:iTizOROM0
その声に華雄はやや不安げに問う。

「な、何か間違えた……か?」

何進は苦笑する。
まあ、いいだろう。これが彼女の持ち味なのだろう、と。

「汚職程度で官吏を追放してたらな。あっという間に機能不全になる。
 能力と人格は比例せんからな」

言外の絶望。それに華雄は気づかない。

「虫刺され程度で腕を切り落としていてはその日の飯すら食えなくなるということさ」

むしろその不正を一度は許し、恩を着せ。こちらの派閥に引きずり込む方が有益だと何進は苦笑する。

「む……。政治と言う奴か。よく分からない……」

悄然と呟く華雄。

「何、お前さんにはそんなことを全く期待していないからな。
 精々武を磨いてくれればいいのさ」

無防備な背を晒してくれているというのはそういうことなのであろうと華雄は気を取り直す。

が、問いかけずにはいられない。

「国を治める、というのはどういうことなのだろう。
 どんな感じなのだろうか」

ほう、と何進は表情を改める。明日は雨だな、と。

「私にはそういった能力や識見なぞ欠片もないことは理解している。
 だからこれは好奇心なのかもしれん。いや、それより下世話なものかもしれない。
 無視してもらって構わないのだ。
 だが、それでも。
 私だって前に進みたいのだ」

やや控えめに、自分の放った言葉を恥じるように華雄が笑う。

ふむ、と軽く何進は考える。
この女にどうやったら伝わるであろうかと。
吐かれた吐息。それの重さを今の華雄は知っている。

「フン。そうだな。国を治めるというのは、言ってみれば……庭師と変わらんだろうさ。
 湧いてくる毒虫を、毒蛇を駆除し、若木を剪定する。
 言ってみればそういうことだ。派手なことなぞ何もねえのさ。
 終わりのない雑務の積み重ね、ってとこか」

常ならば皮肉と韜晦に満ちている言。だがこれはそうではない、自分に向けられた言葉。華雄は目を見開き、反芻する。

「国の頂点としては、こう。微妙というか、楽しそうではないな。
 むしろ、労苦こそありそうだ」

それでも出るのは凡百な感想だけ。
だがそれに何進は起源よく応える。

「だから虚飾やら栄華に包むのさ。
 実に正しいのさ。誰が考えたか知らんがね。
 ま、横から嘴(くちばし)を突き出すだけなら阿呆でもできるということだ」

だったら、と華雄は問う。
何故にあなたはその双肩に漢朝を背負うのか、と。
何進は莞爾と笑う。

「決まってるだろう。俺以上に適任はいないのさ。
 それに、な……」

突然の風。

吹き荒れるそれに華雄は立ち向かうのだ。
士は己を知る者のために死す、と言う。
ならば、命の使いどころを自分は見つけたのだろう。

華雄の浮かべる笑みは、静謐ですらあった。
356 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/14(金) 22:30:24.96 ID:iTizOROM0
本日ここまですー
感想とかくだしあー

何進さんは凡将伝最強キャラの一角であるのは確定的に明らか
武力と政治双方でね
357 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/14(金) 23:03:52.41 ID:S52fCLdHo
おつおつ
ここの何進様は様付けしたくなりますな
革命の何進?しらないなー
題名は『庭師、雛に天地の高さを説く』
358 :赤ペン [sage saga]:2018/12/15(土) 11:53:19.87 ID:fDdg7j+M0
乙でしたー  そういえばなろうだとあれかもしれないのでチョイ訂正
>>336
>>……そういやこいつゴーストバスターズとか対魔忍みたいな感じだっけか。 【ゴーストバスターズ】も【対魔忍】も一般名詞では無くて固有名詞と言うか商標登録的な事されてる?(なろう規約に引っかかる可能性が微レ存
○……そういやこいつエクソシストとか除霊士みたいな感じだっけか。    考えすぎかもしれないけどわざわざそれっぽい単語を使うことは無いので
>>346
>>こ、心が痛い!痛いのだ。ぐはー。  あとこの【!】と【?】の後のスペースについてはそろそろやめようかな
○こ、心が痛い! 痛いのだ。ぐはー。  実際私もスペース空けてないし
>> 凪の気。吹き出す様は顕現すらしてたろう?あれが動の気だな。  動の気、静の気っていうと某通りすがりのサラリーマンが思い浮かんだり
○ 凪の気。吹き出す様は顕現すらしてたろう? あれが動の気だな。 あとは史上最強の弟子とか
>>347
>> これは攻撃のための予備動作とか、殺気とか一切発せずに放つ一撃。  【発せず】だと発することができない、みたいなニュアンスが
○ これは攻撃のための予備動作とか、殺気とか一切発さずに放つ一撃。  自分の意志でそれらを御しきる、と言う意味ではこっちの方がいい気がします
>>言っとくけどな。俺には再現なんてできないし」  これ前半の【言っとくけどな。】は前にかかるのか後ろにかかるのか分からないですが
○言っとくけどな。俺には再現なんてできないぞ」  ちなみに前(いかな達人とて察知は不可能とか。)にかかるなら【言ってるけどな】かなあ?

まあ一時期の転生SS物で火の魔法を現代日本でのマッチとかライターをイメージできるとか、光の魔法を電球や蛍光灯でできるから現地人よりもしっかりしてて有利、とか言うのがあったけど魔法を扱うための魔素がどうのとか精霊との対話がこうのとかを現代日本の常識が邪魔すると思うのよね
それらがあることが当然、ない事なんて想像できない、って言う現地人の方がそりゃあねえ
そう考えるとこういう摩訶不思議なエネルギー的な物への抵抗感が少ない星が《静の気と武の極み》なんてものを知ったらどうなることかw
359 :赤ペン [sage saga]:2018/12/15(土) 12:22:44.51 ID:fDdg7j+M0
さて続きを
>>354
>>残務を配下の官僚に任せ、何進は悠然と歩みを始める。 間違いでは無いですがなんとなく違和感が
○残務を配下の官僚に任せ、何進は悠然と歩み始める。  でもこれだと【スタートする】みたいな意味になるか、あるいは【歩を進める】とか?……普通に【歩き始める】で良いかな?
>>皇甫嵩、朱儁と言った層々たる面子を率い、あっさりと乱を治めた。 【層々たる】だと幾重にも折り重なった、になるらしく……多分将軍が自軍を見てその人数の多さに使うような感じ?いまいち分かり辛いですが
○皇甫嵩、朱儁と言った錚々たる面子を率い、あっさりと乱を治めた。 傑出した人々、と言う意味ならこれですね
>>355
>>だがそれに何進は起源よく応える。 起源がいい……皇族の血筋かな?
○だがそれに何進は機嫌よく応える。 こっちですね

本当カッコいいよね、そして原作でなんか雑に死んだ華雄も……これならもしも反董卓連合で関を任されても迂闊にあけることはありませんわ
むしろ中国で汚職をやらないとか人間性を疑うか頭を疑うかよっぽど巧妙に汚職を隠してる超絶有能判定しそう
360 :俯瞰者 ◆vZOyjdZrOo [sage saga]:2018/12/16(日) 17:18:10.26 ID:Vti43Ifj0
乙です。

華陀さんにひたすら「ごとべいど」発音で返し続けたらどうなるんだろう?しまいにゃ殴られるか?

凪さんついに、ついに。ダンクーガなら忍より沙羅を目指してほしいところですね。エロカッコイイキャラですし、沙和さんあたりに改造してもらいましょうかw

黄巾。という存在が引き起こした動乱に続いて霊帝崩御ですか。動乱が加速しそうですけどこの先が期待。
何進さんの発言自体重いです、そして説得力有り過ぎ。つかどっかの読み手が思い切りグッサリえぐられてますw

星さんも華雄さん的ポジを狙っているのかしらん?ただ申し訳ないが師匠としては華雄さんのほうが恵まれているかも。
361 :赤ペン [sage saga]:2018/12/17(月) 15:36:50.89 ID:UmUjVTwB0
根競べになるんじゃないかなあ
「ごどべいど?」「違う!!ゴッド!ヴェイドゥ!だ!」が延々と続く不毛な会話
どちらかが折れるまで只々繰り返される……誰も得しねえな。折れなかったら?上記の会話が繰り替えされます
362 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/17(月) 22:12:59.63 ID:ZJrKEAkN0
>>357
どもです。

>ここの何進様は様付けしたくなりますな
てへり

>革命の何進?しらないなー
原作アニメの何進さんもまた違う感じらしいっすしねw

>題名は『庭師、雛に天地の高さを説く』
かっけー題名ありがとうございますー
ちょっと参考にすることになるのは運命

>>358
>まあ一時期の転生SS物で火の魔法を現代日本でのマッチとかライターをイメージできるとか、光の魔法を電球や蛍光灯でできるから現地人よりもしっかりしてて有利、とか言うのがあったけど魔法を扱うための魔素がどうのとか精霊との対話がこうのとかを現代日本の常識が邪魔すると思うのよね
色々ありますよねw
ただまあ二郎ちゃんは気の適正はほぼゼロです

>そう考えるとこういう摩訶不思議なエネルギー的な物への抵抗感が少ない星が《静の気と武の極み》なんてものを知ったらどうなることかw
そらもうぐるんぐるん回路が回るに違いありませんw

>>359
>本当カッコいいよね、そして原作でなんか雑に死んだ華雄も……これならもしも反董卓連合で関を任されても迂闊にあけることはありませんわ
ありがとうございますー本当にありがとうございますー
やったぜ

>>360
>凪さんついに、ついに。ダンクーガなら忍より沙羅を目指してほしいところですね。エロカッコイイキャラですし、沙和さんあたりに改造してもらいましょうかw
実はダンクーガはスパロボのみの視聴であるのです
まだしもJ9の方が見てるます

>黄巾。という存在が引き起こした動乱に続いて霊帝崩御ですか。動乱が加速しそうですけどこの先が期待。
ここから大きく世の中が動く感じなのですね。
本当に、序章なのですよw

>何進さんの発言自体重いです、そして説得力有り過ぎ。つかどっかの読み手が思い切りグッサリえぐられてますw
ええー、これは最高の褒め言葉でございます。ありがとうございますー。
どっかの読み手さんが誰かは分かりませんが!

>星さんも華雄さん的ポジを狙っているのかしらん?ただ申し訳ないが師匠としては華雄さんのほうが恵まれているかも。
武技だけならば星ちゃんの方が恵まれているでしょうね。
それ以外については、なんとも言えないですが

>>361
>根競べになるんじゃないかなあ


>「ごどべいど?」「違う!!ゴッド!ヴェイドゥ!だ!」が延々と続く不毛な会話
バグやんw

363 :赤ペン [sage]:2018/12/17(月) 23:28:36.12 ID:UmUjVTwB0
違うよ、バグじゃないよ、
ゆうしゃ はい
     →いいえ
そんな、ひどい
ゆうしゃ はい
     →いいえ
そんな、ひどい
これと一緒だから唯の仕様だよ、だよだよ
364 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/19(水) 20:51:45.66 ID:XZag5Wfo0
>>363
抜け道はあるのかw


今更FGO初めてしまいました
最初のガチャ爆死して遠ざけようとしたらヘラクレスきちゃったのん
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/20(木) 00:26:45.77 ID:YXSySBdI0
>>364
お前に世界の半分をくれてやろう
ゆうしゃ →はい
する…つまりその会話をしなければいい
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/12/20(木) 08:11:41.80 ID:7vSQaowO0
今更ながら。
今上帝不予、つうことは「葬式出ろやゴラァ(意訳)」と各州牧に通知が来ているんじゃ?
「黄巾相手で忙しんじゃボケェ(意訳)」と返事しているのかな?

んで十常侍は何してるんだろ?葬式の準備wとか?まぁ多分こそこそ何進さんの邪魔して子供みたいに喜んでいるんだろうけど。
367 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/23(日) 22:40:35.67 ID:OoxddR880
アニメにしては結構原作リスペクトだったような気がする
なので後出しなのにデザインが全く違ったのには「!?」という印象でした(CVも違うし)
アニメ・凡将伝・原作(?)3人同時の絵とか面白いかなと思ったけど無理でしたww
年賀もちょい無理そうな気がしてきたのでクリスマス即興でなんかできたりしないかなぁと天恵頼み
368 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/24(月) 14:02:25.83 ID:NCNZZSvj0
>>366
>今上帝不予、つうことは「葬式出ろやゴラァ(意訳)」と各州牧に通知が来ているんじゃ?
ま、まだ死んでないし(震え声)

>んで十常侍は何してるんだろ?葬式の準備wとか?まぁ多分こそこそ何進さんの邪魔して子供みたいに喜んでいるんだろうけど。
近からずも遠からずっすかね。

>>367
>なので後出しなのにデザインが全く違ったのには「!?」という印象でした(CVも違うし)
何進さんのことっすか?

>年賀もちょい無理そうな気がしてきたのでクリスマス即興でなんかできたりしないかなぁと天恵頼み
めっちゃ楽しみにしております。

少しずつでも書こう……!
いや、自分に向けた言葉ですw
369 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/12/26(水) 12:21:10.57 ID:oa/S8gO7O
リメイク前と並行して読んでたからここまで読むのに2週間もかかったわ

オリキャラが全員魅力的なのが良い
陳蘭とかかなり好きだけど原作キャラが増えてくると多少影が薄くなるのはまあ仕方のないことかな

ネコミミはネコミミ
原作だと妊娠、出産した後ですら一刀君への態度がかなりキツイのに凡将伝だと二郎君に対して結構デレ多いね
ツンが弱いのに若干の物足りなさを感じるがこういう桂花もいいぞもっとやれ

桃香はねえ…
魏√での神輿なことを自覚してるし本当はここまでのことを望んでいたわけではないけどそれでも自分を信じて着いてきてくれてるみんなの為に頑張ろうってスタンスは結構好きなんだけどなあ…
蜀√だと一刀君という天の御使いとして自分より上の存在がいるから甘えてしまって成長できてないだけな気もする
基本的に一刀君が蜀以外にいる√では桃香、愛紗、はわあわそれぞれが結構な強かさを持ってるし

今のところほぼ同じ流れだけど三国志の本番はここからだしリメイク前とどう変化していくのかも楽しみにしてます
370 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/26(水) 22:46:39.85 ID:L9uYG71L0
>>369
どもです。

>リメイク前と並行して読んでたからここまで読むのに2週間もかかったわ
なにやってんすかw
いや、嬉しい限りではあるのですがw
リメイク前はこう、疾走感はあったかなと思います

>オリキャラが全員魅力的なのが良い
嬉しい。嬉しい。嬉しい。
皆、頑張ってます。

>陳蘭とかかなり好きだけど原作キャラが増えてくると多少影が薄くなるのはまあ仕方のないことかな
全キャラやろうとしたら一生終わらないんで、これはまあ仕方ないっす

>ネコミミはネコミミ
>原作だと妊娠、出産した後ですら一刀君への態度がかなりキツイのに凡将伝だと二郎君に対して結構デレ多いね
これ、詠ちゃんもそうですが、最愛の人ににじり寄られているかどうかってのも大きいのではないかなって
凡将伝でもそっちに秋波してたらまた違った展開だったかなあとw

>桃香はねえ…
カリスマピーチビームさんはねえ……w

>魏√
逆にあのしぶとさ、図々しさは間違いなく劉備だなと思いましたw

>今のところほぼ同じ流れだけど三国志の本番はここからだしリメイク前とどう変化していくのかも楽しみにしてます
ご期待ください。
期待に応えられるかは分かんないですがw




371 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/26(水) 23:30:02.11 ID:L9uYG71L0
ふにゃり。

緩む表情を自覚しつつも劉璋は手の中の書面から目を離さない。
既に数十回も読み直しているのではあるが。

「もう、ほんとに馬鹿なんだから!」

そんなことを言いながら寝台をごろごろと転げまわる。
書面を彼女に出したのは紀霊。現状の漢朝最大の勢力――抱える武力、経済力を含めて――である袁家。その筆頭幹部である。
……劉璋にとっては既にそれだけの存在ではない模様であるようなのだが。

「もう、また誤字脱字があるし、文体に統一もない。
ほんと、しょうがないんだから」

やれやれ、と言った風に卓に向かい、どこかうきうきとした様子でさらさら、と筆を滑らせる。
無骨な紀霊の書字とは違い優雅なそれは軽やかに。

「ま、まあ。これを見れば少しは私のことを見直すかもしれないわね」

そんな強がりを口にしながら劉璋はくすり、と笑う。

「劉璋様、紀家より文が届いております」

問題は彼女が検討に検討を重ねて返すよりも遥かに頻繁に文が届くことであろう。
既に何通返事を滞らせているか。

「まったくもう、次から次に……ほんとにもう。
しょうがないんだから」

実際。
届く文はほぼ雑談が多い。武人らしく、と言えばともかく。
優美さからはほど遠い文で、あれやこれやとしたどうでもいい内容が届く。
それが劉璋には嬉しい。
これまでなかった、対等な友人関係というのはこういうことなのであろうか。
そんなことを思いながら筆を執る。さて、なんと返そうか。
粗野で、直截的で、あからさまだけれどもまごころのある彼の思い。

ふにゃり。

緩む口元を自覚せず書面に目を落とす。

「黄巾、ねぇ」

そこには袁家の武の筆頭として戦に臨む決意が記されていた。
いつになく真面目な文面に劉璋はごくり、と唾を飲み込む。そして思う。
皇室の流れを汲む自分たちは何もしないでいいのであろうかと。

「誰かある!」

駆けつけた侍女に告げる。

「桔梗を呼びなさい!」

372 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/26(水) 23:30:39.07 ID:L9uYG71L0
◆◆◆

「お呼びとのことですが、何事ですかな」

悠然と厳顔は劉璋に問う。
益州にて劉焉の補佐をすべき厳顔。彼女がここ洛陽にいることをとっても劉璋がどれだけ重要人物かは分かろうと言うものだ。
……まあ、厳顔の勤務態度については色々と論評の余地もあるかとは思われるが。
実際、艶然と微笑む厳顔の吐息からは酒精が漂う。
いっそ悪びれない彼女の度量をこそ賞賛すべきか。

「兵を発するわよ。仔細は任せるわ」

端的な劉璋の台詞に厳顔はほう、と唇を三日月の形に歪める。

「穏やかではありませんな。主命とあらば否やはありませんが、理由くらいは伺ってもよろしいか?」

「愚問ね。黄巾賊により世は乱れているわ。それを糺すのは畏れ多くも皇室の流れを汲む劉家の勤めでしょう?」

ふむ、と。
厳顔は嘆息する。
劉璋の言は正しい。この上もなく正しい。厳顔自身も許されるのであれば今すぐにでも兵を率いて黄巾賊を誅滅したいくらいである。
だが、できぬ。できぬわけがあるのだ。

「その言やよし。
 が、我らは動けませぬ」

厳顔の言葉に劉璋は激昂する。

「なんでよ!さっきも命に従うって言ったじゃない!
 馬鹿にするのもたいがいにしてよ!
 今動かないでいつ動くのよ!たまには私のいうことを聞きなさいよ!」

劉璋の糾弾の声。それでも厳顔は揺るがない。
にまり、と口を歪めて答える。

「璋殿。ここ洛陽へ参ったのは何のためかお忘れか。貴女様の勉学のためですぞ。
 些事に心を揺らさずに、本業に勤めるがよいかと。
 それに、一兵をも率いたことのない璋殿になにができようか」

心意気は買いますがな、と笑う厳顔に劉璋は噛みつく。

「だから、用兵は桔梗に任せるわよ!私だってできないことをしようなんて思ってない!
 でもね!今!どうして動かずにいられると思うの!」
「くどいですな。大人しく書物の紐を解かれるがよかろう。本分を大事になされよ」

これ以上相手にしてはいられないとばかりに背を向ける厳顔の衣服を掴んで劉璋は叫ぶ。

「なんでよ!私を軽んじるのはもういいわよ!でもね!袁家の武家筆頭たる二郎までもが直々に兵を発するのよ!
 どうして、どうして座していられるのよ!」

ち、余計なことを、と厳顔は刹那毒づく。余計な入れ知恵をしよって、と。
気が紛れるようであるから交友を大目に見てはいたが、失策であったか、と。
その苛立ち故か漏らしてしまう。

「今上陛下不予という現状、劉家は動けぬのです。否、動いてはならぬのです。
 動けば乗ずる輩が出てきます。劉家の血とはそれほどまで、重い。
 これは荊州の劉表殿とも合意していること。さらには何進殿からもそれとなく要請を受けております」

厳顔とて、本当であれば今すぐにでも駆け出したい。兵を率いて叛徒どもを撃滅したいのである。
だが、その立場故に動けぬ。その悔しさを口にしてしまう。

373 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/26(水) 23:31:05.37 ID:L9uYG71L0
「何よ、何よそれ……。
 私、知らないわよそんなこと。知らないわよ。知らない……。
 蚊帳の外なのは今に始まったことじゃないけど……。でも、それでもこれはひどいわよ!」
 
そして劉璋は気づくのだ。
自分を見る目が語る本音に。

「めんどくさいことになった」

軽んじられるのには慣れていた。劉焉という希代の英傑の娘として失望されるのにも慣れた。
何かしようとしても何もできないのもいつものこと。
だが、そんな自分を対等に扱ってくれたのだ。あの青年は。
漢朝が誇る北方の鉄壁、袁家。その武家筆頭の当主は自分を対等に扱ってくれたのだ。
その彼が、弱音を吐きつつも動くのだ。黄巾賊を討つのだ。友人としてそれを援護せずにいられようか。

だが、現実は非情である。劉璋には一兵たりとも動かすことは出来ない。できないのだ。

涙なんてこいつの前では見せてやらない。一切見せてやるもんか。
自室で布団にくるまりながら思う、想う。
ごめんと。援けにならないことを心の内で詫びる。

でも、会いたいと。それでも貴方に会いたいと。
叫びは届かない。

◆◆◆

374 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/26(水) 23:31:37.25 ID:L9uYG71L0
夜半過ぎに降り出した雨は豪雨となった。
夜明けには止んだのではあるが、街道を泥濘にするには十分すぎて。

「ああもう、やってられねえな!」

男は毒づきながらも巧みに手綱を操る。隻腕ということを加味すれば賞賛されるべき速度で馬車を操る。
と、がたり、と振動が馬車に伝わり、男はふう、と大きく息を吐く。

「いや、疲れたね、どうも」

そして苦笑する。ようやく煉瓦で舗装された道に辿りついたのだ。それに安心する自分に重ねて苦笑する。
かつては舗装なんてされていないのが当たり前であったのだ。いや、今現在でもそれが普通で、袁家領内が異常なのだろう。
それでも、人というものは利便を味わうと後戻りできないものである。

……現在急ピッチで袁家領内と如南を結ぶ街道は整備が進められている。
人夫が、職人が如南に集まる。物資は消費され、如南はちょっとした好景気に沸いているのだ。
食うに困る流民も働き口に困ることはなく、むしろ人手不足の感があり、人件費もいい具合に上昇していく。
無論、それを主導した母流龍九商会だって巨額の利益を得てはいる。
男もその一員としてそれなりに利潤を抱えている。

まあ、流しの商人でも中々訪れないような僻地を巡る、いわばルート営業であるのだ。だから、やろうと思えば暴利だって貪れるのではあるが。
……無論母流龍九商会の面々は男をはじめとしてほとんどがそのようなことはしない。
その名前とは裏腹に「三方よし」が社是であるし。
いや、無論結構な利潤を得てはいるのではあるが、それだけではない。
がたん、と揺れる馬車でごろ、と何かが転がる音がする。

そう、ルート営業であるからこそ色々無茶も言われるのである。
例えば、今さっき音を立てて転がったようなものを引き取る、とか。

現金収入の術の少ない農村ではあれやこれやと不用品を押し付けて現金を得ようとするのだ。
例えば畑を新たに開墾している最中に見つかった、掘り当てた金属の何かであるとか。
今回押し付けられたのは腕輪、というには無骨な金属の塊。まあ、長い間地中に埋もれていても錆びついていないことを思えばそれなりに価値はあるとは思うのだが。
男は正直そこらへんの鑑定眼はないので装飾品扱いで引き取ってはきた。きたがこれに価値があるとは思えない。実際、一山いくらのジャンクに投げ捨てることになるのだろう。
……そんな感じで意外と持ちつ持たれつであったりするのだ。で、あるからこそ他の商人が訪問しても相手にされることはないのだ。
そういった機微、それを理解する人材が母流龍九商会の一番の武器であった。

「お、見えてきたか」

もぐり、と。くちゃくちゃと噛みしめていた乾した果物を嚥下してニヤリと笑う。
かの要塞都市、南皮と比べればいかにも貧相な城壁。
そこにも現在進行形で改修が進められている。

一刻もすれば如南の城壁に辿りつくであろう。
男は緩んでいた気を張って馬車を進める。

……なにせ彼の本業は行商ではないのだから。

ぶる、といななく相棒の首筋をごしごし、と撫でながらげらげらと笑う。

あの若大将はどうしているかね、と。

◆◆◆

375 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/26(水) 23:32:03.81 ID:L9uYG71L0
「お邪魔するよー、っと」

隻腕の男は陽気に暖簾をくぐる。
店内は満席。いや、繁盛しているようで何より。

「あ、いらっしゃいませ!あ、お久しぶり!元気してましたか?」

出迎えるのは向日葵。
にこやかな陽光に男は苦笑する。

「おう、邪魔したかな。
 久しぶりに、煮込みが食べたくなってな。寄らせてもらったけど、肉の在庫は大丈夫かな?」

にやり、と笑いながら応える。符号つきの問い。

「お久しぶり!仕入れは主人が見ないとなんとも言えないのです。いえ、いつもいいものをありがたいのですが、ね。
あっちから、お願いしますね」

通されたのは裏口。そして座敷。

「ちょっと待っててくださいねー」

明るく言う彼女に苦笑する。彼女は世が世なら蝶よ花よと。
それでも彼女は選んだのだ、この道を。伴侶と歩むということを。

「難儀なことさね」

苦笑しても、ひとり。

◆◆◆

376 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/26(水) 23:32:57.72 ID:L9uYG71L0
ぐび、と盃に注がれた酒を飲み干す。
ふう、と大きく息を吐き、出された料理を摘まむ。
待ち人が室に訪れたのは一刻ほど過ぎてからであった。

「待たせたかな」
「いんや、商売繁盛、結構なこった」

にやり、と男は破顔する。

「おかげさまでね。昔馴染みも来てくれてるよ。如南も好景気だしね」
「はは、こわーい舅さんも来て大変って感じかい?」

ニヤニヤと笑って酒を李豊の酒器に注ぐ。
李豊の妻は紀家軍の重鎮である雷薄。現在如南での最高責任者でもある。
家族を愛する彼のことだ。さぞかし、とかつての上官の無骨な顔を思い出す。だが李豊の返答は意外なものであった。

「いや。
一度も来てくれてないんだよね、これが」

苦笑する李豊に男は絶句する。そんな、馬鹿な。

「公私混同はできん、まだ治まらぬこの地。身内に会いに行くなどと軟弱なことをして誰が俺に付いてくるか!
 ってことらしいよ」
「そりゃ、なんとも……」

自分に厳しいにもほどがある。というか、何か違うと思うのは自分だけなのだろうか、と思う。
だが、少なくとも紀家軍には効果は抜群であろう。何せ彼が娘を溺愛していたのは衆知の事実だからして。

「ま、お偉いさんは大変だな。って感じかな」

二人は笑い合う。

「……そいでな。もうちょっとしたら袁術様が如南にいらっしゃる」

男の言に李豊は顔を引き締める。これからが本題であろうと。

「袁家の掃除も済んだ。これからは中華の大掃除だそうだ。
 ご苦労なこった。あんなに休みたいって言ってるのになぁ。
 ま、それはともかく、とりあえずは現状維持で頼むわ」
「いいのか、それで」

男は苦笑する。

「所帯もちに無理はさせらんねえって。
ま、それどころじゃなくなれば分からんがね。
 取りあえずは懐かしい味を楽しみにしてるってさ。
 ……不本意かい?俺としちゃあ、ここから来る情報の精度だけで相当だと思うけどな」

ぐび、と酒を干して男は立つ。

「ま、ここ如南は戦乱に巻き込まれんだろうさ。不穏分子も押さえられたし、俺ら紀家の本気の軍に黄巾如きがどうすることもできんだろうしな。
 嫁さん孝行でもしてくんな」
「はは、それはありがたい、な。
 まあ、何かあれば言ってくれ。正直受けた恩義を返せなくて肩が重くなる日々なんだよ」
「お前さんも生真面目だねえ。
 まあ、言われても、言われなくても動けるのが紀家軍さね。
 頼りにしてるよ」

ふらり、と男は立ちあがる。わずかに揺れるのは酒精のせいであろう。
したたかに痛飲した身ではいたしかたあるまい。
男は誰となく苦笑して店の裏口から立ち去る。
そして思う。願う。
この店の平穏が、日常が守られることを。
377 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/26(水) 23:34:09.48 ID:L9uYG71L0
本日ここまですー

感想とかくだしあー

副題ぼしう

マジ困ってるんですけどー

何もなければ「悔し涙」
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/26(水) 23:55:05.46 ID:15lUGcsq0
乙ー
どっちも見えない状況にあがいてる感じだから、
「泥の中を行く」とかですかね
抜け出してすっきりできるのはいつの日か

地味様のしちゅ思いついて描いてたけどやっぱだめでしたすみません(土下座
379 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/27(木) 01:29:33.74 ID:jdkPKw8Xo
おつー
平和が乱れるのはかなしい
今回はギャグなしで副題は「袋の鼠、青天を想い涙する」
380 :赤ペン [sage saga]:2018/12/28(金) 17:07:12.44 ID:Q+ut9/Je0
乙でしたー さっき書き込もうとしたら文章が多いってエラってページ戻したら全文消えた
>>371
>>届く文はほぼ雑談が多い。武人らしく、と言えばともかく。   【ほぼ】と【多い】だと意味が重複してる様な
○届く文は雑談が多い。武人らしく、と言えば聞こえはいいが。  もしくは【ほぼ雑談である。】とか?それと続きが【優美さからはほど遠い】なのでこの方がいいかな?
>>372
>>「その言やよし。   なんか偉そう、まあ実際劉璋の事を敬ってないんだろうけど
○「まことにその通りでございます。 なんかどういっても慇懃無礼になるなあ
>>大人しく書物の紐を解かれるがよかろう。 【紐を解く】…バラバラにするのかな?
○大人しく書物を紐解かれるがよかろう。  これは【紐解く】という言葉なので間を《を》で分けちゃうと首を切る(物理)みたいになっちゃいますね
>>373
>>でも、会いたいと。それでも貴方に会いたいと。  間違いではないですが、せっかく上で【思う、想う】と言ってるし
○でも、会いたいと。それでも貴方に逢いたいと。  まあ劉璋が二郎に実際どんな感情を抱いてるかは分かりませんが

厳顔が若ければ戦えないことの不満を漏らして劉璋から共感を得られたし老獪なら命令を実行できないことを口先だけでも謝ったりめんどくさいって本音を悟らせないだろうに…中途半端に年くってる感じ?
ところで厳顔さんは劉璋の事をどうしたいんだろう?笑いながら否定するって、玩具にして人格否定して人形にしたいんだろうか?
厳顔もできることなら黄巾を何とかしたいんだからそれ自体は悪い事ではないだろうに…これだと《劉璋の考えたこと》が余計なんじゃなくて《劉璋が考えること》が余計なように読めるが

残りはしばらく待って。精神的ダメージが大きくて…あ、でも一つだけ
>>376
>>李豊の妻は紀家軍の重鎮である雷薄。現在如南での最高責任者でもある。    ドズル顔の嫁(♂)とか誰得だよぉ!?
○李豊の妻の父は紀家軍の重鎮である雷薄。現在如南での最高責任者でもある。  致命的過ぎて爆笑したわ
381 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/28(金) 21:24:51.02 ID:VAADWgMe0
>>378
どもです。

>地味様のしちゅ思いついて描いてたけどやっぱだめでしたすみません(土下座

地味様w
やっぱ地味様は地味様なんだよなあ……って


>>379
どもです。

>平和が乱れるのはかなしい
かなしいね、バナー○

>副題は「袋の鼠、青天を想い涙する」

いつもながらなんなの?
この、なんなの?
どうやったらそんなに言葉が紡がれるの?嫉妬パルパルパル

>>380
赤ペン先生いつもありがとうございますー!

今回はやっちゃったぜw

>厳顔が若ければ戦えないことの不満を漏らして劉璋から共感を得られたし老獪なら命令を実行できないことを口先だけでも謝ったりめんどくさいって本音を悟らせないだろうに…中途半端に年くってる感じ?
はい

>ところで厳顔さんは劉璋の事をどうしたいんだろう?
え?
ええ?

そんなこと、ビジョンあったならばまた別のお話になるんじゃないかなってw

>エラってページ戻したら全文消えた
そのつらさは分からない人には本当に分からない

絶望感というものを具現化してなんかしてやろうくらいに現世にあれこれ注ぎ込むくらいにはアレですよね!
382 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/12/29(土) 12:32:55.38 ID:jWyTBx9z0
どっちかって言うと袋の鼠って言うより籠の中の鳥って感じが
383 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/29(土) 13:08:22.92 ID:v85SpltO0
>>382
それだ!
384 :赤ペン [sage saga]:2018/12/30(日) 11:29:19.08 ID:1BuyatL+0
さて、そろそろ続きを
>>374
>>隻腕ということを加味すれば賞賛されるべき速度で馬車を操る。  これはどうなのか分かりませんがそれって《隻腕と言う事を加味しなければ普通の速度》ってことでしょうか?
○隻腕ということを加味せずとも称賛されるべき速度で馬車を操る。 もしくは【加味すれば恐るべき速度】とか?隻腕だけど人並みの速度なのか隻腕だけど人並み以上なのか…私の印象は人並み以上なのでこうかな?としましたけどどうでしょう
>>……現在急ピッチで袁家領内と如南を結ぶ街道は整備が進められている。  言い換え候補を検索…ハッ【なるはやで】
○……現在急速に袁家領内と如南を結ぶ街道は整備が進められている。    もしくは【早急に】、【大急ぎで】とか?
>>まあ、流しの商人でも中々訪れないような僻地を巡る、いわばルート営業であるのだ。 【ルート営業】って僻地をめぐることじゃなくてサザエさんのサブちゃんみたいな感じですね
○まあ、流しの商人でも中々訪れないような僻地を巡り、いわゆる御用聞きをしている。 まあ他の商人が来ないから顧客は実質村一つと言う大物ですが
>>……無論母流龍九商会の面々は男をはじめとしてほとんどがそのようなことはしない。   これだと男女が分けられたように読めるので
○……無論母流龍九商会の面々はこの男をはじめとしてほとんどがそのようなことはしない。 この辺は横着さんが最初は【私】だったのと同じ弊害ですが文章で明確に男(彼)と分かる場合は問題ないですが《集団の中の男》だとちょっと分かり辛くなったりして
>>そう、ルート営業であるからこそ色々無茶も言われるのである。   村側としてはダメもとかもしれないけど商人側としては断り辛そう
○そう、いわばお得意様であるからこそ色々無茶も言われるのである。 ちなみに【いわば】は無くても良いですよ
>>実際、一山いくらのジャンクに投げ捨てることになるのだろう。  乳酸菌とってるぅ〜?
○実際、一山いくらで投げ売りすることになるのだろう。      まさか本当に捨てるとは思えないけど…金属類は脳か→商人→母流龍九商会→袁家でリサイクルされてそう
>>もぐり、と。くちゃくちゃと噛みしめていた乾した果物を嚥下してニヤリと笑う。  これって前から果物噛みしめてたんですよね?
○ごくり、と。くちゃくちゃと噛みしめていた乾した果物を嚥下してニヤリと笑う。  だったら擬音はこの方がいいかな?
>>かの要塞都市、南皮と比べればいかにも貧相な城壁。  【いかにも】だと絶対的な感じがしますね、というか伏龍鳳雛がどうしようもないと評した南皮と比べちゃうのは…
○かの要塞都市、南皮と比べれば貧相な城壁。      絶対的に見れば悪くないならこうかな?前任者がどうだったかにもよるけど【南皮とは比ぶべくもない貧相な】にすればかなり穴だらけな印象
>>ぶる、といななく相棒の首筋をごしごし、と撫でながらげらげらと笑う。  思い出し笑いと言うかそんな感じで【げらげらと】笑うのってちょっと怖いw
○ぶる、といななく相棒の首筋をごしごし、と撫でながらにやにやと笑う。  またバカな事やってんだろうな〜とか訳わからんことやってんだろうな〜ならたぶんこんな感じの笑いかた?
>>375
>>「あ、いらっしゃいませ!あ、お久しぶり!元気してましたか?」  【あ、】が男を認識したっポイものなので
○「あ、いらっしゃいませ!お久しぶりです!元気してましたか?」  顔見てあいさつしたならこうかな?あと【してましたか?】って言うなら他もちょっと丁寧な感じに
○「いらっしゃいませ!あ、お久しぶり!元気してますか?」     接客とかしてて、挨拶しながら振り返って気付いたならこうかな?あと知り合いで砕けた口調なら多分こう?
>>「お久しぶり!仕入れは主人が見ないとなんとも言えないのです。いえ、いつもいいものをありがたいのですが、ね。 上でもう言ってるので2度言わなくても良いかな
○「ありがとうございます!仕入れは主人が見ないとなんとも言えないのです。いえ、いつもいいものをありがたいのですが、ね。 この場合は先の【ありがとう】は煮込みの注文に対してで後の【ありがたい】は肉()の仕入れにかかってるので
>>明るく言う彼女に苦笑する。彼女は世が世なら蝶よ花よと。
>>それでも彼女は選んだのだ、この道を。伴侶と歩むということを。     すごく【彼女】が強調されてますがちょっとしつこい感じが
○明るく言う彼女に苦笑する。世が世なら蝶よ花よと扱われ。        あるいは【蝶よ花よと愛でられ。】の方がいいかな?
○それでも選んだのだ、この道を。伴侶と歩むということを、彼女自身が。  最後に倒置法とか使えば強調されるかな
>>376
>>にやり、と男は破顔する。     【破顔】って破れる転じて崩れる、って意味で感覚的には仏頂面とかしかめっ面がほほえみに変わるさまっぽいんですよね
○にやり、と男は笑みを浮かべる。  客商売だしそんなに難しい顔して会う相手でもないだろうから、もしくは【笑みを深める】入ってきたときから笑顔だったらこっちかな?旨い飯食ってるんだし
>>何せ彼が娘を溺愛していたのは衆知の事実だからして。  【衆知】って三人寄れば文殊になるようないわゆる知恵の意味合いが強いらしく
○何せ彼が娘を溺愛していたのは周知の事実だからして。  皆が知ってる知識ならこっちの方が一般的ですね
>>男は誰となく苦笑して店の裏口から立ち去る。   これだと《誰の事と言うわけでも無く苦笑して》みたいな意味になるかな?
○男は誰となく言い訳して店の裏口から立ち去る。  (足がふらつく理由を)《誰に言うでもなく言い訳する》ならこうで、(何がおかしいというわけでもないが)なら【男はなんとなく苦笑して】とかかな?
385 :赤ペン [sage saga]:2018/12/30(日) 14:20:23.30 ID:1BuyatL+0
またしてもエラッたけど前回を教訓にして書き込む前にコピッた私に死角は無い(キリッ)

この人はガチの忍者っぽいなあ、草の者と言うかリアル指向な感じの…火遁で火薬使って水遁で筒使って土遁で穴掘って風遁で噂流すタイプ
ところで>>381 ビジョンあったならばまた別のお話に…厳顔特に理由なく劉璋をこう扱ってるの?
えーと、これはあくまで私の考え方なんですが、基本的に人って自分なりの最善を選んで自分なりの正義に沿って行動してると思ってるんですよ
よくある最善を選べないから次善策で妥協するのも結局最善を選んだ場合のリスクが高すぎるからリスクとリターンを見極めた結果次善の方が(成功率とかを総合すると)最善になるし
世界の全ては俺を中心に回ってるとか言う自己中や、私がモテないのはお前らが悪い、俺がニートやってるのは社会が悪い、みたいなのも一応そいつの中ではそれが正しい訳で
厳顔は劉璋の事をどうとも思ってない(どうなろうとどうでも良い)けど劉璋が自分で何かを考えて何かをしようとするのは(それが自分が出来ることならしたい事でも)笑いながら否定してるって事かしら?…それならまだ劉焉以外主と認めないって言ってその娘を軽んじてる老害の方が理解できるんだけど
まさかの劉璋がどうなろうと興味はないからできるだけ絶望して人形になってくれ、お前の不幸で飯が美味い。みたいなねじ曲がりをしてないといいけど

ついでにせっかく二つに分けたから垂れ流し
陳・海東 著 漫画歴史偉人《後漢編》【絡新婦】張勲 前編 後書きより抜粋
そもそも絡新婦と言うものは日本の妖怪として登場します、この妖怪は日本固有のもので中国には類似する妖怪は存在しますが絡新婦と言う名称ではないのです。
ですがかの怨将軍紀霊が親友である沮授に宛てた手紙の中で度々彼女の事をそう称しているんですね、これはなかなか気になる。
もちろん実在する生き物としてのジョロウグモのようだ、と言っていた可能性もありますがその前後の文と比較すると明らかに妖怪めいた揶揄と感じられます。
これらの事からなぜか現代では失伝してしまったけれど後漢時代には絡新婦と言う妖怪が口伝などで伝わっていた可能性が浮かび上がります。
ですが私としては彼が農徳新書を書いたことや現代では一般的となった商道徳の基礎、その他さまざまな功績と合わせて彼が実は未来を見る千里眼のようなものを仙人から教わった、あるいはそうとは知らず無意識に使ったいわば天然の仙人のようなものだというロマン溢れる説を押したいところです。
話は逸れてしまいましたが、彼女が絡新婦と称されたことからやはり張勲はただの内政手腕が優れただけの女傑では無かったと思われます。
私が思う彼女、および彼女の家の在り方は作中の通りですが、それを裏付ける証拠は一切ありません、ですがそれこそが彼女たちの諜報能力の高さを示していると言えるでしょう。

多分作中では歴史書では田豊とか程立とか郭嘉がやったことの一部を彼女がやったことになってたり、そのために必要な情報をどこからともなく持ってきたりしてた
あと紀霊の最初の女の梁剛が死んですぐくらいで近づいて男女の関係になったりして梁剛の死の黒幕っぽい描写されたりかなりダーティーなキャラ付けがされてる
多分史料では当時の袁術が幼くって危うかったから、怨将軍として既に有名だった紀霊に体を売って袁術の後見人になってもらった本人は大して能力ないけど袁術への忠誠は本物(と言うか日記とかから袁術とは擬似的な親子か姉妹みたいな関係)と言う袁家の武家四家と言う事以外に書くこと無いかもしれない
386 :赤ペン [sage saga]:2018/12/30(日) 14:28:11.10 ID:1BuyatL+0
三国志のシミュレーションゲームでは内政能力はそれなりにある2軍キャラだろうな
でも袁家の威光があるから初期に仲間にいるとお金稼いでくれるし活躍する…中の下くらいのステだから中盤から使われなくなるタイプ
387 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/30(日) 17:19:17.71 ID:SeYslJow0
久々の列伝きた!

すげw
ちょっと嬉しいっす。読み込みますもちっと。
388 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/30(日) 21:44:09.69 ID:SeYslJow0
真っ赤でめでてえや!
いつもありがとうございますー
ほんと今年もお世話になりまくりでしたが今後ともよろしくお願いします。

>この人はガチの忍者っぽいなあ、草の者と言うかリアル指向な感じの…火遁で火薬使って水遁で筒使って土遁で穴掘って風遁で噂流すタイプ
はからずもそういう感じになってますねw
いい感じに動いてくれてるなあというキャラです

>…厳顔特に理由なく劉璋をこう扱ってるの?
はい

>基本的に人って自分なりの最善を選んで自分なりの正義に沿って行動してると思ってるんですよ
>よくある最善を選べないから次善策で妥協するのも結局最善を選んだ場合のリスクが高すぎるからリスクとリターンを見極めた結果次善の方が(成功率とかを総合すると)最善になるし
ほむ。
人って。そんなに全力で頑張っている人ばかりではないです。凡将伝ではそんな人が多いのですが。
厳顔さんは割とそういう意味では異色かもしれませんね

>厳顔は劉璋の事をどうとも思ってない(どうなろうとどうでも良い)けど劉璋が自分で何かを考えて何かをしようとするのは(それが自分が出来ることならしたい事でも)笑いながら否定してるって事かしら?…それならまだ劉焉以外主と認めないって言ってその娘を軽んじてる老害の方が理解できるんだけど
どうでもいいまではなくとも、っていう思考。これは意識低い系の思考なので、理解できないのは逆に

>さかの劉璋がどうなろうと興味はないからできるだけ絶望して人形になってくれ、お前の不幸で飯が美味い。みたいなねじ曲がりをしてないといいけど
そういう愉悦部的な歪みはないです

>陳・海東 著 漫画歴史偉人《後漢編》【絡新婦】張勲 前編 後書きより抜粋
来たこれ

>そもそも絡新婦と言うものは日本の妖怪として登場します、この妖怪は日本固有のもので中国には類似する妖怪は存在しますが絡新婦と言う名称ではないのです。
>ですがかの怨将軍紀霊が親友である沮授に宛てた手紙の中で度々彼女の事をそう称しているんですね、これはなかなか気になる。
京極っぽい!すごく京極っぽい!一次資料として「あってしまう」その存在を受け止めてあれこれ考察するそのスタイル!世の中に不思議なことはたくさんあるですよ!

>もちろん実在する生き物としてのジョロウグモのようだ、と言っていた可能性もありますがその前後の文と比較すると明らかに妖怪めいた揶揄と感じられます。
もうここで爆笑してしまいました。つか。沮授君に対して多分普通にそういう文送ってるやろうなあw

>これらの事からなぜか現代では失伝してしまったけれど後漢時代には絡新婦と言う妖怪が口伝などで伝わっていた可能性が浮かび上がります。
絡新婦という妖怪が大陸でその伝承が途絶えたことがネタになりそうな勢いwいいぞw

>その他さまざまな功績と合わせて彼が実は未来を見る千里眼のようなものを仙人から教わった、あるいはそうとは知らず無意識に使ったいわば天然の仙人のようなものだというロマン溢れる説を押したいところです。
神話が入り交じる時代w
紀霊仙人説! いいぞーこれ。 まあ一周回って正解に近いっていう感じ、イエスだね!

>話は逸れてしまいましたが、彼女が絡新婦と称されたことからやはり張勲はただの内政手腕が優れただけの女傑では無かったと思われます。
>私が思う彼女、および彼女の家の在り方は作中の通りですが、それを裏付ける証拠は一切ありません、ですがそれこそが彼女たちの諜報能力の高さを示していると言えるでしょう。
ああ、そうですよね。七乃さんの功績とか能力の高さって絶対に遺失してますものね。
せいぜい、二郎ちゃんの落書きで「あいつやべえよ……」くらいでしょうねえ

>あと紀霊の最初の女の梁剛が死んですぐくらいで近づいて男女の関係になったりして梁剛の死の黒幕っぽい描写されたりかなりダーティーなキャラ付けがされてる
完全に悪役ですよ!素敵!

>多分史料では当時の袁術が幼くって危うかったから、怨将軍として既に有名だった紀霊に体を売って袁術の後見人になってもらった本人は大して能力ないけど袁術への忠誠は本物
どっちかと言うと、張家の権力掌握のために父殺しに荷担させた方がありえそうですかねえ

>三国志のシミュレーションゲームでは内政能力はそれなりにある2軍キャラだろうな
素の能力値よりもスキルが充実タイプですかね
玄人好みな
でも後方においといてオート処理な感じになりそうですねw

現状袁家では麗羽様と二郎ちゃんがどう考えても一軍ステータスですかねえ
沮授君は過小評価されてブーイングありそうw

389 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/30(日) 22:12:50.88 ID:SeYslJow0
一陣の風が俺の体温を奪っていく。涼風が俺の体温を奪っていく。
飲み干す酒精が内側から熱を放つ。だから、常ならば肌寒いであろう風が心地いい。
払暁すら未だ訪れぬ深い闇の中。上弦の月と星が照らす町並みを無言で見下ろす。
南皮の街を守る城壁。いつの間にやら高く、分厚くなったそこから街を見下ろす。
風に乗って喧噪の欠片が運ばれてくる。南皮の歓楽街は不夜城。そのエリアだけが明るく照らされており、その賑わいを思わせる。
豊かになればいい、と思った。飢餓がなくなれば乱なんて起こらないって思っていた。なんとかなるって思ってた。
それでも、この世は悪意に満ちていて。
乱だって結局起きてしまって。

安穏と暮らしたいと思っていた。自分が楽しければそれでいいと思っていた。
いや、今でもそうだけど、気付いた。自覚した。
大事な人はどんどん増えていたのだ。そして、だ。
俺はとんでもなく強欲になっていたのだと自覚する。

「あら、二郎さん。奇遇ですわね」

鈴を鳴らしたような声。
ぼんやりと酒精で濁った俺の意識を覚醒させる。

「え?あ、麗羽様……。どしたんですか」
「それはわたくしの台詞ですわね。それに、それよりも、ですわ。
何を辛気臭い顔をしてらっしゃるの?」

ずい、と俺の顔を覗き込む。やべえ、朝っぱら……というか世も明けてないのに呑んでるのばれちゃう!
しかも今日出征するのに!

「や、その、これはですね。そう、眠れなくて、ですね」
「ふふ。
それもまた、奇遇ですわね」

にこり、と笑う麗羽様は光輝を纏っているかのごとく眩しい。

「にしても、思ったより冷えますわね」

そう言って俺に寄り添う。

「あら、わたくしもいただきますわ」

ぼんやりとしていた俺の手から盃を奪い、こくり、と中身を飲み干す。
ふぅ、と漏らすため息がどこか艶っぽい。
空になった盃に酒精を注ぐ。
今度はちび、ちびと味わうように飲む。
俺も麗羽様も口を開かず。
穏やかな沈黙が心地いい。
こて、と麗羽様が俺の肩に頭をもたれさせてくる。軽やかな重みに口元が緩んでしまう。

390 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/30(日) 22:13:22.34 ID:SeYslJow0
「今日、発たれますのね」
「ええ、行ってきます。やっつけてきます。兵は精強、率いるのは勇将、知将。傍(かたわら)には神算鬼謀。
 袁家の声望、中華に轟かせてきますよ」
「あら、頼もしいですこと」
「いや、俺らしくないかもしれないですけどね。
 それでも、やるときゃやりますよ。やってやりますよ」

言い募る俺である。
いつもはやる気がないと公然と言っているが今回ばかりはその限りではない。
それを伝えようと目を閉じ、気合いを入れる。魂魄を燃やそうとする。

ちゅ、と唇に柔らかいものが押し付けられる。

「れ、麗羽様?」
「頼りにしてますわ。信じておりますわ。
 いつだって二郎さんは約束を違(たが)えず、果たしてくださいましたもの。
いつだって帰ってきてくださいましたもの。
 ですから麗羽は、二郎さんをお待ちしておりますわ」

どこかで一番鶏がその存在を主張し、地平の果てから日輪がその姿を現す。
その光を背に受けて微笑む麗羽様はいっそ神々しいくらいに眩しかった。

「お任せあれ。です。ええ、任せてください。
 黄巾なんてちょちょいのちょいと平らげて、帰ってきますとも」

ぎゅ、と抱きしめる。
華奢な身体を抱きしめ。
ちゅ、と口付ける。
くすり、と笑う麗羽様が耳元で囁く。

「二郎さんから口付けてくれたの、嬉しいですわ」

と。

次々と鶏の声が朝の訪れを告げる。
眠りから覚める。
南皮という街そのものが目覚めていく。

「覚えていますわ。幼い日にも、幾度もこうして日の出を見たことを」
「ええ、おつきの女官らには相当嫌われましたがね」

くすくす、と当時のことを思い出したのか麗羽様が身を震わせて笑う。

「ええ、そりゃあ色々二郎さんの悪口を吹き込まれましたわ。すごかったんですのよ?」
「そりゃまあ、そうでしょうね」

次期当主たる麗羽様を連れてあちこちふらふらと出歩いていたのだ。側近とかお付きの人にとったらたまったもんじゃあないだろうて。

391 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/30(日) 22:14:08.02 ID:SeYslJow0
でも、わたくしは楽しかったし、嬉しかったですのよ」
「……そりゃ、よかったです」

まあ、あれこれ考えて眠れない日々もあったのだよ。がっちりホールドされてたから自然と連れ回した感じになっていた、かな?
まあ、一緒にいたってのは本当だ。

「いつもここでぼんやりと街を見られてましたわね」
「ええ、まあ」

お気に入りのスポットではあるのである。昔も、今も。

「最近、わたくしもここはお気に入りなのですわ」
「そりゃ、また」

くすくす、と笑いながらきゅ、としがみついてくる麗羽様を軽く抱きしめる。柔らかな感触、鼻腔をくすぐる芳香にくらり、としてしまう。

「だって、ほら」

指さす南皮の街からはいくつも煙が立ち上る。
民の竃に立つ煙。
それはにぎわい。

「静かですけど、にぎわいが、ありますわ。
 日々、あの煙は数を増しています。それは、わたくしたちが頑張ったからでしょう?
 ……流石に民の顔、一つ一つなんて見えませんわ。でも、ここから見る、ここから始まる日常。
 それって、とっても尊いものですわよ、ね」

麗羽様の笑顔が、尊く、嬉しい。
その笑顔が尊いのだと、俺は理解している。

「ですからね。ようやく、ですわ。
 あの時二郎さんが見ていたのと同じものを見れるようになったのかな、と思いますの。
 それが、嬉しく。そして誇らしいのですわ」

俺から離れ、南皮に向かい大きく手を広げ、ぎゅ、と抱きしめる。大切そうに。

くるり、と振り返り。声を上げ、笑う。光輝を背負い、放つ言葉はまさに神託のように響く。

「おーっほっほ!
 わたくしは、欲しいものは全て手に入れないと気がすみませんの。
 袁家も、漢朝も。二郎さん、貴方もね。
 袁家当主たるこの、わ・た・く・し!が命じますわ。
 黄巾賊などという卑賤の輩などさっさと平定しておいでなさい!
 雄々しく!華麗に!優雅に!
 よろしくって?」

それでこそ麗羽様、だ。
先刻まで欠けていた、抜けていた気力が満ちていく。気合いが入る。麗羽様なりの激励に気力は満ちていく。満ちた。

「承りました。承りましたとも!
 袁家の武威!漢朝の威光!中華に轟かせましょう!
 麗羽様には吉報しか届きませんよ。届かせませんとも」

俺は誓う。誓いを新たにする。

そして挑む。挑もう。
黄巾、なにするものぞ、と。
392 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/30(日) 22:15:00.52 ID:SeYslJow0
本日ここまですー
感想とかくだしあー

タイトルなんだろ
決意とかかなあ

妙案募集しまくりんぐですよ本当に!
393 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/30(日) 22:18:44.10 ID:Z8v4mTQto
おつおつ
ここの麗羽様は最高!このお方になら一生ついていきたい!
題名は『南皮に輝く黄金の日輪』とかかな?
394 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/30(日) 22:22:16.11 ID:SeYslJow0
>>393
どもです。
麗羽様、いいよね……

しかし、その言語的センスなんですか
天才なんですか
嫉妬しかないので今後ともよろしくお願いします(へこへこ)

どうやったらそういう言葉が出てくるのかなあと嫉妬。
395 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/30(日) 23:03:11.53 ID:u/gx88DcO
民を、民の生活を、その人生を抱き締めんとする麗羽様マジ太陽の女神
そしてそれはなにより、二郎が正しく麗羽様と生きてきたからこそ発芽した才能なんだよなぁ
二郎本人は麗羽様の資質だ、とかって否定するだろうけど、資質はそれだけでは芽を出さないものなぁ


題案はシンプルに
『凡将、曙光に照らされて』
あたりで
396 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/31(月) 13:14:25.35 ID:E7/a6nxe0
>>395
どもです。

>民を、民の生活を、その人生を抱き締めんとする麗羽様マジ太陽の女神
書いといてなんですが、めっちゃ好きな場面なんですよ
ようやくここまで来たか感があります。ういうい

>そしてそれはなにより、二郎が正しく麗羽様と生きてきたからこそ発芽した才能なんだよなぁ
正しいかは分かりませんが、二郎ちゃんがいたからこその、この麗羽様だと思っております

>『凡将、曙光に照らされて』
ぐぬぬ。
すごい、いいです……っ!
こういうのさらっと出されるともう嫉妬ですよジェラシーですよ
こういうセンスが本当に羨ましいです。ぐぬぬ。


さて。年賀状でも書くか
397 :俯瞰者 ◆vZOyjdZrOo [sage saga]:2018/12/31(月) 19:52:31.11 ID:YzWretai0
乙です。始まりましたよ(謎)

一面的な見方かもですが、厳顔さんは劉姓の豪族が参加した後のあれこれに主君を巻き込ませたくないから止めた?
というより、主君の身を第一に考えてあえて悪役になった。ともとれます。
戦場へ出る以上不測の事態はあって当然。否それを前提とするくらいでないとまずいでしょう。


……うん、れーはさん。二郎さん凱旋したら押し倒しなさい、おじさんが許します(おいこら)
ただ、複雑なものを内心に抱えている(抱えていそうな)二郎さんにとっては最高の発破にはなったと思います。


……なんだろうねぇ、原作のれーはさんを知っているだけに修正パッチが人格形成期に常に側で作用しているだけでここまで変化するんですね。
これ書いていたら「彼を奪い返す為に本気で行動に出た」という可能性も思いついた。
つかマジでこのれーはさんを第一夫人にしないともったいないと思う。あ、第二は陳蘭さんね(押せ押せ)
398 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/31(月) 22:56:45.83 ID:E7/a6nxe0
>>397
どもです。

>一面的な見方かもですが、厳顔さんは劉姓の豪族が参加した後のあれこれに主君を巻き込ませたくないから止めた?
好意的に見るとそういう感じですが、ないっす。

>……うん、れーはさん。二郎さん凱旋したら押し倒しなさい、おじさんが許します(おいこら)


>ただ、複雑なものを内心に抱えている(抱えていそうな)二郎さんにとっては最高の発破にはなったと思います
いやほんと、そうなんです。
一番、元気だせって言えるのは麗羽様なんですよこれが。陳蘭ちゃんは癒やしです。

>……なんだろうねぇ、原作のれーはさんを知っているだけに修正パッチが人格形成期に常に側で作用しているだけでここまで変化するんですね。
言動は原作と同じでしょう。それが醍醐味ですから!
同じ言葉を発して、違うニュアンスを持たせる。最高じゃないですか。

>つかマジでこのれーはさんを第一夫人にしないともったいないと思う。あ、第二は陳蘭さんね(押せ押せ)
はおーがアップしてますw
399 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/31(月) 22:59:21.91 ID:E7/a6nxe0
加速しないといかんと思いながら、やってやるぞと思う。
ここでのやりとりが財産で、立ち向かうのは自分なのだ。
400 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/31(月) 22:59:58.18 ID:E7/a6nxe0
日輪はその姿を東の空に落とし、薄闇が庭園に漂う。
逢魔が刻。彼岸と此岸が交わる時。
政務を終えた――とっくに周瑜に全て押し付けた――孫策は東屋でぐび、と盃を呷る。
冷えた酒精が身体の昂ぶりを冷やし、やがて更に昂ぶらせる。

「ありゃ、もうないか」

酒壺から酒器に注ごうとして、既に飲み乾していたことに気づき、苦笑する。
どうしようか。まだまだ飲み足りない。でも新たな酒壺を持ってくるのもめんどくさい。
それに、愛しい愛しい恋人。周瑜からも飲み過ぎだと注意されていた、か。

「えい」

可愛らしい声と裏腹に、投げられた酒器は豪快な放物線を描き、飛んでいく。

「ここではない、どこかへ、ね」

けらけらと一人笑う。
そこに響くのは。しゃり、と下草を踏みしめる足音。

「……何をされてるのですか」

呆れたような声色は彼女の大事な大事な妹。孫家の次代を担う孫権その人である。
長らく袁家に人質として差し出されていたが、現在一時帰省をしている。

「やあね、冥琳みたいな顔して。ちょっと呑み過ぎたかなーと思って禁酒を志したのよ。
 でも、禁酒は明日からにするとするわ。どうせ呑んでたし、可愛い妹のお酌で呑めるなんて、姉冥利だもの」

孫権が持つのは酒壺と酒杯を二つ。

「いいですけど、ほどほどにしないと。
 ……まさか日が落ちる前から呑んでるとは思わないです、と言わないといけないくらい。本当に、よくないですよ。
 どっかの誰かとは違うでしょうに」

昼間に酒精と親しむ、それは実にあの朴念仁と通じるところがありそうだ。と益体もないことをふと思い、かき消すように酒器に酒を注ぐ。

「あら、美味しい。うん、美味しいわねこれ」

ぐび、と一気に飲み干す孫策。
401 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/31(月) 23:00:24.37 ID:E7/a6nxe0

「母流龍九商会から分けてもらいました。何でも、新しい製法で作った酒精だそうです。
 火酒、って言うのだそうです」
「へーそうなんだ。蓮華。
おかわり!」

はいはい、と酒器に注いでいく。

「うん、この一杯のために生きてるわねー」
「もう、姉さまは呑み過ぎです」

呆れた妹の声に孫策はけらけらと笑う。

「でもね、ほんと。蓮華とこうやって盃を交わすなんて、思ってもみなかったわよ。
 ……まあ、お酒どころじゃなかったしね。昔は」

実際、困窮していたのだ。食うや食わずであったのだ。
なんとか、妹たちには満足な食事を充てられていたけれども。

母で主君たる孫堅が身罷ってから、いや、その前から。江南の地は困窮にあえいでいたのだ。
文字通り、骨肉相食む地獄絵図すら珍しくなく。

頭を振り、孫策は雑念を追いやる。
全ては過ぎたことだ。
そして、静かに、問う。

「で、私に何か用?」

手元の盃に入った酒精を見つめて孫権は応える。

「……どうしてそう思われるのです?」
「んー。
勘、かな?」

にこり、と笑う姉に孫権は涙ぐむ。
全く根拠のない、「勘」というそれこそが孫家の強み。孫家の不確定要素。
孫家の戦略方針に優越するほどに権威がある。
……根拠がないのに的確であるからタチが悪いのだ。

「では、単刀直入にいきます。
袁家とことを構えるのを止めてほしいのです」

孫権は渾身の力でもって姉に訴える。気迫は以前の彼女とは比べ物にならない。
そして孫策は、応える。

「んー。ごめん、それ、無理かな」

けらけらと笑い、手をひらひらさせて応える。
孫権の言を容れるつもりは全くないのだ、と示す。

「なぜですか!袁家と争っても益はないでしょう!」
「んー、益とかじゃないのよねえ。言ってみれば、私の在り方、かな?
 性に合わないのよね、下風に立ってるままって。
 それじゃいつまでたっても袁家の使い走りじゃない?」

可愛く小首を傾げる孫策。
孫権は激昂する。

「だからと言って!なぜ平地に乱を起こすようなことをするのです!」
「やーねー、蓮華。乱なら起きてるじゃない。それも中華全土に。
 だったら乗るしかないじゃない、この大きな流れに!」

402 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/31(月) 23:00:52.67 ID:E7/a6nxe0
満面の笑みで孫策は訴える。
勝算だって十分あるのだ。あるのだ。
覇気すら纏う孫策。孫権は双眸からこぼれるものすら自覚せず、尚も言い募る。

「母上の願いは、江南の平穏だったではないですか!それを!なんで!」

孫策は苦笑する。以前から思ってはいたが、つくづく姉妹でその気性は対照的だと。

「母様の願いはそのままに。孫家の威光は高める。
 ほら、なにもおかしくないわ」
「き、詭弁を……。だって江南の平穏は袁家の援助によるものでしょう!
 忘恩の徒たる孫家に誰が信を置きましょうか!」
「やあねえ。借りなんて踏み倒したもの勝ちよ?それにもともと孫家に信なんてないもの。
 ほら、失うものなんてなにもないわよ?」

けらけらと笑う姉が孫権には理解できない。

「いいじゃないですか。江南で平和に、みんな仲よく暮らしましょうよ……」

嗚咽を押さえて絞り出す孫権に孫策は明るく応える。

「さっきも言ったけど、それは無理な相談ね。
 うん。私はもう止まらない。止まれない。だから、ね?」

これでいいのよ。

にこり、と笑う孫策。
こぽ、とその口唇からは紅い液体が溢れる。

「今なら!今なら間に合います!ですから!考え直してください!」

悲痛な孫権の叫びを受けてなお孫策は泰然として。

「無理ね。もう私はこの胸の高まりを抑えられない。抑えるつもりだってないもの。
 だから、よかったと思うわ。私を止めてくれたのが、蓮華だってことにね」
「姉さま。姉さま……!まだ!間に合います!」

くすくす、と可笑しげに、苦しげに孫策は笑う。

「もう、いつまでたっても甘えんぼさんなんだから。ね、蓮華。貴女がいるからこそ私は好き勝手できたのよ?
 私の旅路はここでおしまい。
心残りがないわけじゃないわ。でも、私なりに遣り切ったわ。
 だからね、後は任せた、わ」

ごぶ、と紅い塊を吐き出しながらも笑う。その笑みは慈母のように。
その表情を見て孫権はぎり、と食いしばる。覚悟はとうに決めていたはずなのに、と心を奮い立たせる。
ぎゅ、と姉の身体を抱きしめ、振り絞るその声は悲鳴に等しい。

「誰かある!姉さまが!誰かある!早く!誰か!薬師を!医師を!」

そう。姉と同じく、自分も行く道を定めたのだ。
でも、今くらいは、泣いてもいいかな?

ねえ、と問いかける相手は、仏頂面の紀家当主であった。

403 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2018/12/31(月) 23:01:53.85 ID:E7/a6nxe0
本日ここまですー
感想とかくだしあー

題名もぼしうしまくりんぐですよ本当に!

じゃないと眠り
404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/31(月) 23:12:31.11 ID:eAjjrq/Po
乙です
あかんよ…雪蓮様それはあかん家族は仲良く生きてこそだよあの医者王がいるし治そうよ…遺される者はずーっとくやむんだぜ?…本気で悔やんでるあんな医者にみせなけりゃなて…な
題名は『燃えし虎、泣きし虎』かな
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/31(月) 23:31:05.39 ID:DzXXK+PGo
しかしこれも乱世の常…と言ってしまうには悲しすぎるが、常なのだ
身内と言えど、身内だからこそ、枷も付けられず制御もできない虎は無理矢理止めてしまうしかないんだよ
ましてこの猛虎はマジで比喩なしで死なないと止まらない筋金入りの乱世大好き猛虎だからなぁ…


題案は
『哭く虎は地を、笑う虎は天へと駆ける』
406 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/01(火) 00:11:41.33 ID:1Ft5+WLk0
謹んで新年の慶びを申し上げます
本年も宜しくお願いいたします

真の時点では割かし人格者っぽかったけど今現在孫策さんより野獣となってる孫堅さまww
孫策さんは呉をあくまで力でどうにかしたかったのかもしれない
視点を広げられなかったゆえの悲劇ですな
タイトル案「虎は何を喰む」
407 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/01(火) 01:43:05.32 ID:jymkibQ/o
おつしたー あけおめですぞ
戦乱が焚き付けなければなぁ・・・
408 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/01(火) 09:31:50.71 ID:OibmTvpC0
干支にちなんで猪々子で新年のご挨拶
              _
            ,:'´   `__
            \ ,z≦: : : : : ≧:z、
          ,イ: :´ :>≦三≧、: : : : :.ヽ
         ,:' /: : /彡:彳¨:¨≧、ミミl: : : : :ヽ
        /  ; : : レヾ: : ヽ: : : : : : ヽ!: : : : :ハ
       {、  ; : : :ィ‐-、:ヽヾイ⌒: : l: : : : : : l
         .l:ハ: : { 斥ュヾ:':、 斥斧,: : : : : : :.ト、
         .{ ; : ハ弋ク  ``弋クノ: : ノl: : : ハミ;v  あっけましておめでとー!
          ': }: :ハ  '     /,: : /: : : :{ヾ、ミハ
          '": :ハ:.ヽ、 `‐ ´ /j:ノ:V: :{: :ハミミミ}  今年もよろしくなー!
           イ l彡ノハ_-_ '´―ノ: : ハ: {ヽヽミ:ミソ
         __ >二{ ̄{l、| , <´>-ヽ  ヽミノ  アタイの出番はあんまりないかもだけどな!
        ィ: :Y二二ゝ-‐'"¨ .,z≦二二ニヽ V{
       {: : : l二/ z―=二二二二l二ニ,.、二ト、
       j: : : |ニ/ /二二二二二二}二/: : : : `: }
      ノ: : : :.l_{ .l二二二二二二ニl二!: : : : : : {
    ./: : : : : ;|_| |二二二二二二二、j: : : : : : :ヘ
   /: : : : : / l_l |二二二二二二ニノ ⌒ヽ: : : : :.ヽ
   l: : : >'、  ノ_l |二二二二二二/    ヽ: : : : :ヽ
   ヘ:{   ハ ヽ{≠辷―- ..__二二{    /、: : : : : :}
    '{    V:::::::::::::::::::::::::::≧辷ィヽ  ./   }: : :./
     ヽ   // 7二二ニ/::::::::::}ニ::::::_Y    ノ: イ
      ヽノ/ /二二二<::::::/;{ニイ {    /,ィ‐'
     ∠ニニ/ /二二二二トイ::::{_{Vヽ_ ィ"´
  ∠__   / /二二二ニニl:::::::::::{ヽ `フノニ、
   >´ ̄{  {二二イ , ヽ::::::::::、ニ/ `ヾ=、
 Y´   /V }/  / ヽ. }::::::::::::V ノ`ヽ_ヽ
 ヽ  く   V / l   ト.l:::::::::::::::、   ヽ:::ハ
  ヽ'  }`ヽ、´   l   l l:::::::::::::::';    ヽ:ハ
     く | ll  ` <_   j l`――ヾ_、  ノ::::::ハ
      .l ll     .l>ト、_ドll¨ ̄⌒ト‐イ!::::::l:::ハ
      .l ll     .|  |   ll    !   ;:::::l:::ハ
      lィト 、    ;  :  ,jl 、   l    ';::::};::::ハ
      l   ` 、,:   :/   ` 、l    ;:イ::::::::}
      .l     l    .l      .|     l:::::::ノ
       l     .l    .l     .l     .l::イ
       .l    .l    l     .!     ´
       .l    .|    .l     .l
       l    l     l      .l
409 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/01(火) 09:41:40.49 ID:OibmTvpC0
>>404
どもです。
止まれないのですよね。

>題名は『燃えし虎、泣きし虎』かな
かっけえ。ほんとどうやったらそういうの思いつくのですかね(切れ気味)

>>405
どもです。

>身内と言えど、身内だからこそ、枷も付けられず制御もできない虎は無理矢理止めてしまうしかないんだよ
情の深い彼女のことです。めっちゃ悩んで、でも選びました。選んでしまいました。

>ましてこの猛虎はマジで比喩なしで死なないと止まらない筋金入りの乱世大好き猛虎だからなぁ…
笑顔で、逝ったのです。やりきった感すらあったでしょう。それを理解していながら、知っていながらも彼女は選びました。

>『哭く虎は地を、笑う虎は天へと駆ける』
美しい……っ!
これは嫉妬。ちょっと屋上……とか言っても屋上ネタってもう何年前のネタでしょうね。通じないと考えるべきかもしれないなあとかなんかとか。

>>406
>真の時点では割かし人格者っぽかったけど今現在孫策さんより野獣となってる孫堅さまww
魔ジスかw

暇ができたらやろうと思いながらもまずは完結を目指しますぜうへへ

>孫策さんは呉をあくまで力でどうにかしたかったのかもしれない
良くも悪くも天才で天然なんですよね孫家の血筋って
蓮華様だけ異色

>「虎は何を喰む」
簡にして単。それがいい。素晴らしいです。ほんとなーどうしてなーこういうのなー
ほんとなー、もうなーうわああって叫びたくなります

>>407
策さんは平和だったら戦乱を起こすタイプだから

410 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/01(火) 09:43:34.32 ID:OibmTvpC0
せっかくなので斗詩からもご挨拶
             __ _
         ., ィ:::´:::::Y::::::≧:、.
        ,.:'::::/:::::/::::::`:::::、:::ヽ、
       ./:::::,'::::::::/::::::::::、::::::::ヽ:ヽ::ヽ
      .;:::::::;:::::::::{::::_j_::::l::::::l::::::ヽ:::::ハ
      l::::::::l::::::::l::´ ::::`j!::::::ィ‐-、::::::::::}
      l::::::::l::::::::斧芹`  ̄ ァッ、ハ::::::::l
      j::::::::l::::::::l弋丈   .{戌'ノ:::::l:::ハ あけましておめでとうございます
      .!:::::::';::::::::l     ,   ,:::::::l::' :}
      .':::::::::;:::::::::l  ー一  ノ::::::::l .ノ 本年もよろしくお願いしますね
       ':、:::ハ:::::::}_`ト  ィ "::ノ:::::jイ
        __``へj  ̄}{´j¬ニ、::ィ、  私は……変わらず袁家を支えていきたいと思ってます
      ,:´二二≧、 ` > ' ノ二二ニ、
      l二二、二 z '"´_.., ≦二二、ニ\
     ノ二二二、ニヽ ヽ二ニ、二ニニ`ヽニ!`}
     /二{::`::ヽ.lニ二、 ヽ二ニ:二二二V::::ノ
    {:::ヽ{:::::::::::::ヽニニ}  }二ニ:二二ニニ}::〈
     \`:::::::::::::::ヽニl j二ノ_、二二ノ:::::{
       `ヽ:::::::::::ヘ_{ {二二二二´l:::::::::、
         ':::::::::::ヘj _〉二≧-"´ヽ::::::::::l
          ヽ:::::,ィヽ⌒       }:::::::l、
         /,    }_l_ __, ∠:::::イ  >
         ヽ{// ,ィ:::::::ヽ!ニニl(二¨´ j ヽイ
          /`ヽ〈::::/ ̄j二二二l`イヽ.j
        /'}二ニヽ{    l二ニ二l  l ;ヽ、
      /, ィ .l二二'、l    l二ニ二{ .! ';=ヽ、
     /イ/{ {二二ノヽ   l二ニニj  :  ヽ、ヽ
     フ  ハ   _. ィハ   }、` ‐'ヘ .:   ;ヽ-'
    /   /  ` ´   ト!__ノ フ'´ ヽ イ`ヽ_ゝ
    ヽ  (r‐- 、     .j l   lイ   l ヽ   ノ
     ` -'ヽ._': `ト _j、.l   l}    l_ 〉 イ
          ':     ヽ_イノ.ノ.jト--―7l ;' .!
          ':       .l      ,ハ ,:  .!
           ': ,ィ::´::::::`:::j      ハl:'  .;
           '::::::::::::::::::::::ト...._.....イ l : !
            '::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::' .l :ノ
            '::::::::::::::::::l:::::::::::::::,'  }イ
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             .;:::::::::::::::l:::::::::::::;
             .}:::::::::::::::l::::::::::::'
411 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/01(火) 10:29:52.62 ID:eghKGR8Ho
明けましておめでとうございます
いつもたのしく拝見させてもらってます
今年もよろしくお願いいたします
顔さんも文さんも仲良くね
412 :赤ペン [sage]:2019/01/01(火) 12:36:30.32 ID:GwEfTzpa0
あけましておめでとうございます
今年もよろしくお願いします

いつもの添削はまた後で
>>人って。そんなに全力で頑張っている人ばかりではないです。
勿論私もそう思いますよ
ほら。上でも>>世界の全ては俺を中心に回ってるとか言う自己中や、私がモテないのはお前らが悪い、俺がニートやってるのは社会が悪い、みたいなのも一応そいつの中ではそれが正しい訳で
例えるなら夏休みの宿題を毎日少しずつやるのも、それが正しいと思っていながら全然やらずに最終日に必死こくのも、そいつの中では刹那的だろうとアホな所業だろうとその時点では正しいんですよ
ダイエットは明日から〜とかタバコはあなただけでは無く受動喫煙により周囲の何チャラかんチャラとかあってもたばこを吸うのもどう言いつくろってもそれがそいつの中では最善だと感じた訳で
まあ後になって後悔したり、妥協の結果で不本意だったこととかもあるでしょうが

グダグダと長くなったのでまとめると
厳顔が劉璋の言を否定するのはお母さんの意思だから分かりますが
わざわざ笑いながらする事の理由を考えると…やっぱりできるだけ劉璋が涙目になってるとうれしい、とか程度の低い理由があるのかと
413 :赤ペン [sage]:2019/01/01(火) 14:28:59.16 ID:GwEfTzpa0
あと>>どっちかと言うと、張家の権力掌握のために父殺しに荷担させた方がありえそうですかねえ
微妙なところですね
私の中では未来で張家は武家筆頭4家ではあるけど内政が得意な地味な家、と言うのが一般的な認識ってことにしてるから
しかも首謀者の袁胤さんを隠居で済ませるためにスケープゴートな感じで父親が首を斬られてしまったという
何せ張家が暗躍してた証拠なんて全くないわけで、なのにあの騒動のすぐ後に病死した名前だけは大きい4家先代
下手したら忠誠は本物だし治世なら恙無く一生を終えたのが黄巾やら何やらで生まれた時代が悪かった、みたいな扱いかも

ちなみに今回張勲の話ができたのは本当に偶然で「そういや絡新婦ってどんな逸話の妖怪だろ?」と調べてみたらまさかの日本の妖怪だったことからこうなりました
そして日本の絡新婦自体は美人に化けた蜘蛛の妖怪ではあるけど別に他の動物が化けたものとやってることは大して変わらないという
そして今回の件で陳・海東さんのキャラ付も出来た気がするw多分この人は大規模とは言え要は農民たちの一揆でしかない黄巾をキョンシーとか呪術が出るアクションホラーもので書いたんだろうなあ
414 :赤ペン [sage]:2019/01/01(火) 16:03:40.51 ID:GwEfTzpa0
さてそれでは
>>389
>>一陣の風が俺の体温を奪っていく。涼風が俺の体温を奪っていく。 ちょっと体温奪われ過ぎかなって
○一陣の風が俺の体を撫でていく。涼風が俺の体温を奪っていく。  こんな感じでどうでしょう
>>「にしても、思ったより冷えますわね」    まあ二郎ちゃん相手だし砕けた口調になったのかもですが
○「それにしても、思ったより冷えますわね」 なんとなく麗羽様はそこを縮めるイメージがわかない
>>俺も麗羽様も口を開かず。     慣用句なのはわかってますが、と言うかなんとなくこの【口を開かず】ってむっつりしてるとかへの字に結んでるとかのイメージがあるので
○喧騒を肴にこのひと時を楽しむ。  間違いなくこれは二郎ちゃんも麗羽様も自分たちが頑張った結果だし何とはなしに穏やかに眺めるのが好きそう
>>「覚えていますわ。幼い日にも、幾度もこうして日の出を見たことを」 記憶、と言いますし
○「憶えていますわ。幼い日にも、幾度もこうして日の出を見たことを」 運転を覚えるとかなら上ですが、あの時のことを覚えてる、とかならこっちの方が良いと思います
>>「  一番最後にミスしましたね

>>391
>>でも、わたくしは楽しかったし、嬉しかったですのよ」 それとも最初にミスしたと言うべきか?
>>「おーっほっほ!    原作はどうだったか…実際に口に出してみると
○「おーっほっほっほ! の方が自然な感じがするというか、どうですかね?
>>袁家も、漢朝も。二郎さん、貴方もね。 不敬でございます…と言うか欲しいの?漢朝
○南皮も、袁家も。二郎さん、貴方もね。 南皮と袁家はタダ継いだだけじゃなくて自分が認められて手に入れることに価値を見出すかとは思いますが
>>袁家当主たるこの、わ・た・く・し!が命じますわ。  ここも実際に声に出してみると
○袁家当主たるこの、わ・た・く・し・が!命じますわ。 の方が自然な感じがします

袁紹様は治めてた土地が曹操の統治下になると《あの頃は良かった》って言われちゃうガチの善政布いてた名君だからね
まあ妾の子で苦労してた事とかも関係してるのかもしれないけど民を大切にしてた人としては間違いなくトップクラス
そりゃ光輝も溢れて根が小市民な二郎ちゃんは見惚れますわ
そしてこうやって見ると麗羽様が麗羽としての素顔が見せられる相手って本当に少ないのよな、田豊さんも見せられる相手っちゃそうだけどちょっと怖いし
>>ですから麗羽は、二郎さんをお待ちしておりますわ」  可愛過ぎだぜ…よく軽いキスで済ませられたな
415 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/01(火) 16:48:47.57 ID:GwEfTzpa0
さてさて・・・ふぁっ!?
>>400
>>日輪はその姿を東の空に落とし、薄闇が庭園に漂う。 この世界では日本は《日沈む国》だった?
○日輪はその姿を西の空に落とし、薄闇が庭園に漂う。 バカボンの歌では確かに西から東にお日様が沈むけど
>>401
>>「だからと言って!なぜ平地に乱を起こすようなことをするのです!」   慣用句としては
○「だからと言って!なぜ平地に波乱を起こすようなことをするのです!」  こうですね、まあ文字通り平地(平野)で戦うなら別ですが
>>402
>>ねえ、と問いかける相手は、仏頂面の紀家当主であった。     二郎ちゃんって蓮華の前では大体にやけ面だったような…いや、罪悪感からイメージされたのがそうだったのか?
○ねえ、と問いかける相手は、まぶたに浮かぶ紀家当主であった。 ただその書き方だとなぜか唐突にこの場に二郎ちゃんが現れたように読めるので。あるいは【まぶたに浮かぶ仏頂面の】とかの方が良いかな?

物凄くどうでもいいことですが…骨肉相食む地獄絵図を体験してた割に酒器を放り投げたり典型的と言うか極まったレベルで刹那的ですな
大事な大事な妹に、姉殺しの咎を背負わせて、自分が死ぬことよりも…自分の在り方を変えることが我慢できなかった、と
でもその割には漢朝の下風に立つことは当然だし、地元が地獄絵図になってるときは在り方かえてたんだよなあ
苦しい時はぺこぺこして、楽になったら恩人を蹴落とす、国のような大きな存在に反逆するほどの気概は無い…カイジに出てくる安藤みたいやな
せめて支援されてる時から二郎に面と向かっていずれ噛み殺してやる、とか言って歌舞いてくれりゃあ面白かったんだが
416 :赤ペン [sage]:2019/01/01(火) 17:28:12.02 ID:GwEfTzpa0
まあ孫策の言ってることも納得はできませんが理解は出来るのよね
これから先、乱は確実でそれが明確にどこかの勢力の下に付いた状態だと使い潰される可能性も切り捨てられる可能性も、ね
例え二郎ちゃんがそういうつもりが無くても袁家軍が危険な戦地に行くか孫家軍が危険な戦地に行くかを選べって状態になったら、そりゃ孫家軍を行かせるだろうし
417 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/02(水) 10:44:14.18 ID:FH1uBgd00
>>411
どもです。

こちらこそよろしくオナシャス。
がんばんぞー

文ちゃんと斗詩は大丈夫仲いいです。ずっとね。ズッ友。

>>412
あけましておめでとうございます

>わざわざ笑いながらする事の理由を考えると…やっぱりできるだけ劉璋が涙目になってるとうれしい、とか程度の低い理由があるのかと
あるかもしれないと今思いましたw

>>413
>何せ張家が暗躍してた証拠なんて全くないわけで、なのにあの騒動のすぐ後に病死した名前だけは大きい4家先代
>下手したら忠誠は本物だし治世なら恙無く一生を終えたのが黄巾やら何やらで生まれた時代が悪かった、みたいな扱いかも
これは素晴らしい解釈w
いいぞーこれ。

>ちなみに今回張勲の話ができたのは本当に偶然で「そういや絡新婦ってどんな逸話の妖怪だろ?」と調べてみたらまさかの日本の妖怪だったことからこうなりました
ちなみに京極のあれが元ネタでありきですがぴったりなのです。

>そして今回の件で陳・海東さんのキャラ付も出来た気がするw多分この人は大規模とは言え要は農民たちの一揆でしかない黄巾をキョンシーとか呪術が出るアクションホラーもので書いたんだろうなあ
映画化待ったなし!見たい!まっさか黄巾がゾンビものとか斬新すぎだろう……
きっとサメ映画的にカルト的人気が拡散して続編が続続

>>414
>袁紹様は治めてた土地が曹操の統治下になると《あの頃は良かった》って言われちゃうガチの善政布いてた名君だからね
ガチです

>可愛過ぎだぜ…よく軽いキスで済ませられたな
予定が詰まってるからね、理性が勝ったね

>>415
>物凄くどうでもいいことですが…骨肉相食む地獄絵図を体験してた割に酒器を放り投げたり典型的と言うか極まったレベルで刹那的ですな
確かにそうですねえ。きっと言うても食うに困ったことはないのかな。ないだろうな。

>苦しい時はぺこぺこして、楽になったら恩人を蹴落とす、国のような大きな存在に反逆するほどの気概は無い…カイジに出てくる安藤みたいやな
安藤扱いは流石に不憫w

>まあ孫策の言ってることも納得はできませんが理解は出来るのよね
ありがとうございますー。そういう感じですね。

>これから先、乱は確実でそれが明確にどこかの勢力の下に付いた状態だと使い潰される可能性も切り捨てられる可能性も、ね
間近で二郎ちゃんと触れ合ってるかどうかってやっぱ大事というか

ありがとうございますー


418 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/02(水) 18:11:30.10 ID:O49sGZ+eO
今年も楽しみにしています!
二枚看板のお二人はやっぱり可愛い!(二郎ちゃん、麗波さんにこの二人と言い、陳蘭さんとか可愛い人多すぎ!
419 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/02(水) 21:25:12.95 ID:FH1uBgd00
>>418
どもです。

ありがとうございますー
なんとか本年で完結させたいのだすが、多分無理だろうなあと思っております
来年にはなんとかいけるかな?

>二枚看板のお二人はやっぱり可愛い!(二郎ちゃん、麗波さんにこの二人と言い、陳蘭さんとか可愛い人多すぎ!
ありがとうございますー
可愛い子たちを可愛く書いていると一ノ瀬も楽しいですが、可愛い子は素晴らしいなとかあれこれ感じます
感想とかそういうのがモチベーションに直結しますので、是非オナシャス。

がんばるぞー
420 :赤ペン [sage]:2019/01/02(水) 22:06:19.53 ID:YAf3Q7CS0
ああ、自分のと一ノ瀬さんのと読み返して思ったけど
孫策って勘で最善手を掴めるけどどこから見ての最善なのかとか何にとっての最善なのかとかが分かってないのか
紀霊というか袁家が自分の率いる孫家をどう見るかっていうとどう甘く見ても協力者だろうから、戦乱になったら風下にはいられない
つまり自分が生きている以上は孫家にとってはこれ(反逆)が最善手
でも孫権がトップなら身内扱いしてくれるって勘付いたんだな、多分
それも反乱分子である孫策をその妹が粛清して孫家が下に付くって明言すれば表も裏も受け入れるか

総合すると孫家にとってはこれが最善だったわけか…多分だけど
421 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/03(木) 10:45:51.80 ID:ssEPCQHa0
>>420
満点でございます。

妹がそこまでの覚悟があったことは望外だったでしょうが、孫策さんにとって勝ち確定でした。
姉妹はいつまでも仲良し。

さて相方。
422 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/03(木) 10:46:46.61 ID:ssEPCQHa0
日輪はその姿を完全に西の地平に隠してなお赤い残照を絶壁に照らす。
消えゆく光彩陸離は刹那の幻想。喪われるからこそ切なく、美しい。たとえそれが日々繰り返されるものであろうとも。

「いつ見ても日が落ちていく様は趣がありますねえ」

暢気に呟くのは陸遜。中華有数の智謀の士である。
ふわ、とした物腰からその智謀の冴えを読み取ることは難しい。
南部出身としては珍しくその肌は白皙。惜しげもなくその豊満な肉体を晒している。

「いいからさっさと用件を言え。これで忙しいんだ」

溜息をいくつもまとめて吐き出す彼女は周瑜。
陸遜と対照的に、健康的な小麦色の肌をこれまた惜しげもなく晒している。

「えー。久しぶりにお師匠さまとの逢瀬を楽しみたいというのは理由になりませんか?」
「ならんな。ほれ、さっさと用件を告げろ。さもなくば帰らせてもらうぞ。
 まったく、こんな場所に呼んでおいてからに」

冷淡に弟子をあしらう。
実際、忙しいのだ。色々と。そう、色々と。
それでも呼び出しに応じたのは、忙しいからこそ、とも言える。

「えー、でもー。用件と言ってもですねえ。
 既に果たされていると言ってもいいのですし。
 さて、これ以上何を望めばいいのやら。困ってしまいますねえ」

ぞくり。

くすくすと可笑しげに笑う弟子――陸遜――に何か不吉なものを感じて周瑜は言葉を強くする。

「穏!何が言いたい!」

返答はない。くすくす、と心底可笑しげな音だけが響く。

423 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/03(木) 10:47:13.32 ID:ssEPCQHa0
「穏!もういい!」

ちり、と嫌な予感。
踵を返そうとした周瑜に穏やかに声が響く。

「いえね、ここに冥琳様がいらっしゃった時点で目的は達せられているのです。
 ええ、既に。
我が策、成れり。という奴ですかね」

にこり、と笑う陸遜は常と変らない。

「……まさか、まさか!」

くすくす、と笑いながらいつしか陸遜の手には紫燕。
彼女の得手とする九節昆である。

ぎり、と歯ぎしりをする間もなく、周瑜は白虎九尾を手にし、振るう。
幾多の戦場を共にした相棒の鞭である。

九節昆。
扱いの難しい武器である。
その軌道は予想すること叶わず。時に奏者の意図すら裏切る。
武具のインパクトと対照的に、いや、それ以上に扱いの難しい武器だ。
だが、陸遜はその卓越した智謀と恵まれた体躯を操り、使いこなす。
一見無軌道とも思われるその動きは二手先、三手先まで睨んだ布石。
いや、二手、三手と思わせることすら彼女の掌中か。

「く、はあ!」

それでも周瑜は怯まない。後退しない。
むしろ歩を進めながら襲い来る連撃を捌く。躱す。進む。

「それで、勝ったつもりか!」

裂帛の気合いとともに襲い来る打撃を撃ち落とす。
数手先の動きを読んで襲い来る連撃を周瑜は更に上回って迎撃する。
じり、と詰め寄るのは隔絶した彼女の武威によるもの。
智謀においては互角でも。

「穏、今なら許してやる。貴様では私には勝てんよ!」

周瑜と陸遜。二人の智謀は互角と言っていいほどに拮抗している。
ただ、積み重ねた武技、修練は周瑜が勝っている。

それでも陸遜はくすくすと、笑う。
一手ごとに、一撃ごとに追い詰められていても。

「ええ、武に於いて私は及びませんねえ。
 ほんと、及ばないです」

424 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/03(木) 10:47:40.52 ID:ssEPCQHa0
くすり。陸遜は笑う。
それでも、追い詰められる戦況でもうろたえない。
そう、この程度の不利なぞ。
嗚呼、感謝を。共にあった強者に。全力で高め合った貴重な時間に。
文醜と、顔良と、典韋と、趙雲と。そして。

「二郎さんの方がよっぽど、厄介ですし」

彼の変幻自在の武技を想うだけで火照る、昂ぶる。
ああ、師の。周瑜の武技は自分を上回るであろう。
だが、自分はそれ以上の武人と幾度となく立ち会ったのだ。
立ち合わせてもらったのだ。

そう。

武をもって立ち会った時点で自分の勝ちは決まったようなもの。

我が策、成れり。

そして周瑜は違和感を覚える。
何か自分は取り返しのつかない間違いを犯したのではないかという根源的な、本能的な恐怖に身を固くする。

「あらら。これまでですか?
 鎧袖一触とまではいかないですけど、他愛ないですねえ」

か、と鼓動が早くなる。追い詰めている。そのはずなのに。

「舐めるなぁ!」

武技においては自分が優越しているのである。
激昂した周瑜は鞭を振り、相手を追い詰めていく。
あと十秒とかからずに、打ち据えるであろう……。
勝ちを確信し、運足をより精妙に、打ちこみをさらに苛烈に。

「ああ、言い忘れましたが、孫策さん。もうこの世にいませんから」

は?

「いや、鈍(なま)られましたかね?ずいぶんと安穏とされていたご様子。 
 暢気に私と致している間に、です。
冥琳様の愛する愛するご主君は旅だってしまいましたよ?」

周瑜は激昂する。激怒する。もはや自重しない。弟子とか、どうでもいい。
あの、我儘な恋人(あるじ)が?悪い冗談だ。きっとこれは自分を激昂させてどうにかしようとする小賢しい策だろう。
ならば最愛の主と同じく食い破ってやる。

「はい、残念」

九節昆の動きがその速度を上げる。周瑜はそれを捕えきれず、各所に痛撃が。
だが、刺せる。乾坤一擲を!

425 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/03(木) 10:48:15.43 ID:ssEPCQHa0
裂帛の気合いを吐き出した口からは紅い塊。
硬直し、震える身体に容赦なく九節昆の連撃が襲う。
こんな時に!と周瑜は思う暇もない。

「……無事是名馬と申しまして」

更に周瑜の身体に鈍い痛みが走る。

「そんな身体で孫家の軍略を担うとかありえないのですよ。
 ご老体には、退場してもらいます」

哀惜すら感じさせる口調で陸遜は告げる。
どご!と腹に響く衝撃に周瑜は咳き込む。
息を吸う間もなく再び衝撃が襲う。
次々と。蹴り飛ばされて転がる。

「そろそろ、最後にしましょうか」

のんびりとした口調と裏腹に構えるは渾身。
周瑜は咄嗟に身をよじって。

奈落へと。絶壁へと身を躍らすのであった。

「あらら、事後処理までご自分でやってくださるとは。
 ありがたいことです。
 まあ、最初からここに落とすつもりでしたし、手間が省けたということにしておきましょう」

陸遜は笑う。そして呟く。

万が一に生きていても、その怨念は自分のみに向かうはずだ。
それでいい。それがいい。
反孫権勢力を糾合すればいいのだ。

叛乱勢力は自分を標的に襲いかかって来るであろう。
それでいい。いいのだ。
この身が盾となることができるならば、これ以上ない結果である。

くすり、と笑う。

「あれで蓮華様はお優しいですし」

実の姉を手にかけたのだ。その死を利用するのだ。きっと泣くだろう。悲しむだろう。自らを責めるだろう。それでも顔を上げ、立ち上がるだろう。前に歩き出すだろう。それこそが彼女の強さ、そして美しさ。
ならば傍らにある者は同じ……とまではいかずとも手を汚さねばならない。
そして共に歩むのだ。

日は落ち、月が昇る。夜風が火照った身体を冷ましていく。

そして陸遜は歩き出すのだ。
振り返ることなく、ただ、前に。
426 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/03(木) 10:49:02.84 ID:ssEPCQHa0
本日ここまですー

落日、赤壁にて

とかかなああんまりだなあ

お題募集しまくりんぐですよ本当に!


今日は昼から飲み会なので明日以降に頑張りますっと。
いつになったら黄巾と戦うのだろう。
427 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/03(木) 11:01:59.84 ID:KG91Cfn9O
軍師という奴はなぜこうも健気に汚れ仕事とそれに伴う悪評を一身に背負おうとするのやら、いやそれができるから軍師なのだろうけど、って感じですなぁ

そういえば再登場フラグ溢れる退場の仕方をした周瑜さん、リメイク前の時って再登場しましたっけ?
覚えてないのでもう一度読み返してきます


題案は
『落陽、師を越えてされど安穏はなく』
この状況ですから安穏は無く、穏は自分でも気づかぬまま心の中で泣くのでしょうね
428 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/03(木) 22:21:45.81 ID:ssEPCQHa0
>>427
どもです。

>軍師という奴はなぜこうも健気に汚れ仕事とそれに伴う悪評を一身に背負おうとするのやら、いやそれができるから軍師なのだろうけど、って感じですなぁ
いや、本来背負わなくていいのですよ。
それでも背負って一緒に歩こうとするところが健気です。

>そういえば再登場フラグ溢れる退場の仕方をした周瑜さん、リメイク前の時って再登場しましたっけ?
ふっつうに死亡してました。

今回もダイス振っときますね。

>題案は
『落陽、師を越えてされど安穏はなく』

美しい。

その試奏にぐぬぬは漏れたすよ。

>この状況ですから安穏は無く、穏は自分でも気づかぬまま心の中で泣くのでしょうね
割り切ってますが、それでも、ね。
いや、割り切っているのです。選んだのです。きっとそれでも思うところはあるのです。
絶対認めないでしょうし、そんな感傷を味わう資格さえないとか思ってるけどですけども。
429 :赤ペン [sage saga]:2019/01/04(金) 14:40:37.55 ID:0yRkdoYe0
乙でしたー
>>422
>>消えゆく光彩陸離は刹那の幻想。 【光彩陸離】だと沢山の光が入り乱れてる様な…オーロラとか虹みたいなそんなイメージが
○落日の煌めきは刹那の幻想。   いろいろ考えたけどこの程度が限界…斜陽とかも考えたけど既に隠れてるからなあ、これで良いかは分からぬ
>>423
>>その軌道は予想すること叶わず。 【叶わず】は願いとか望みに使うもので《叶わぬ恋》とか、理想が上手くいかなかったときとかの感じですね
○その軌道は予想すること敵わず。 【予想すること】が追い付かないというか勝てない、敵わないという感じなのでこちらだったはず…むしろひらがなもありか
>>武具のインパクトと対照的に、いや、それ以上に扱いの難しい武器だ。  インパクト通りに難しい気がしますが
○武具の印象通りに、いや、それ以上に扱いの難しい武器だ。       もしくは【見た目通りに】とか?【対照的】だと《簡単そう》だけど実は《難しい》、この場合だと見た目は地味だけど使い手を選ぶ武器とかならいいんですが
短期戦ならまだしも体に抱えた爆弾があるから長期戦は無理か…それを自分以上に弟子が分かってたというかそもそも自覚が薄いよ
想像以上に陸遜が耐えてたから限界迎えたのかもしれないし絶妙なタイミングで挑発されたとはいえ

そう言えば前にお父さんの事書いてみようかな、とか言いましたがちょっと無理っぽいです、張勲さんは書けたのに…護・档案先生の力を借りて実は道士(仙人の弟子)だったんだよ!みたいなの書こうと思ったけどうまく文に出来ず
関係ないけど護・档案は神とか悪魔とかの存在を信じてる人、後妖怪とか魔法とかそういう物が実在してると思ってる人
当時武家筆頭だった先代文家当主が死亡したり軍師が戦わなきゃいけないくらいまで攻められたような大戦でまさかの汗を討ちとってさらに生還するとかどれだけの悪運よ、とかそんな感じで
実際その時は普段とは別人のように鬼神の如き槍働きだったからね、証拠はそろってる(キリッ)
430 :赤ペン [sage saga]:2019/01/07(月) 17:02:36.31 ID:IT9X1b+j0
もの凄くどうでもいい事ですが
将来的(私が稀に書いてる民明書房のアレが出ている時代)にはゴッドヴェイドゥとか気とか宝貝とかは伝説になってる設定をしています
まあ三尖刀は実物が残って重文指定とかされてそうですが…だって神秘が身近にある世界の常識とか訳わかんないですし
常識でプロの格闘技で波動拳が飛び交う世界観とか構築してたらそれでなんか作品できそう…とはいえこの世界では事実としてそういう物の使い手がいるので
おそらくFATEとかハイスクールDDみたいに裏の世界で細々とやってるんじゃないかな?表の一般人はなんも知らない感じで
431 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/07(月) 21:16:52.30 ID:h9X5/OHd0
>>429
赤ペン先生いつもありがとうございますー!

中々添削なしとはいかないです
頑張るぞいっと

>短期戦ならまだしも体に抱えた爆弾があるから長期戦は無理か…それを自分以上に弟子が分かってたというかそもそも自覚が薄いよ
多分常日頃からどうやって討つかというシミュレーションは常時してたと思います

>…護・档案先生の力を借りて実は道士(仙人の弟子)だったんだよ!みたいなの書こうと思ったけどうまく文に出来ず

まあ、いきなり雷に打たれたように天啓があるかもしれませんのでそれに期待しております

>当時武家筆頭だった先代文家当主が死亡したり軍師が戦わなきゃいけないくらいまで攻められたような大戦でまさかの汗を討ちとってさらに生還するとかどれだけの悪運よ、とかそんな感じで
控えめに言って、ありえないっすよねw
まあ、裏設定で武力統率魅力100ですから……w

>実際その時は普段とは別人のように鬼神の如き槍働きだったからね、証拠はそろってる(キリッ)
まっさに驚天動地の活躍でございました。
旧世代については雷薄さんにでもいつか語ってもらいたいなあとか

>>430
>将来的(私が稀に書いてる民明書房のアレが出ている時代)にはゴッドヴェイドゥとか気とか宝貝とかは伝説になってる設定をしています
ほむ

>まあ三尖刀は実物が残って重文指定とかされてそうですが…だって神秘が身近にある世界の常識とか訳わかんないですし
ふつのみたまかな?
あれ、鹿島ではめっちゃ地味でしたが、上野で展示されたらめっちゃ神々しかったの覚えてます

>おそらくFATEとかハイスクールDDみたいに裏の世界で細々とやってるんじゃないかな?表の一般人はなんも知らない感じで
わくわくしますね。浪漫。

さてパパ上の活躍を二郎ちゃんは越えられるのか!
※別に越えたいとは思っていない


432 :俯瞰者 ◆vZOyjdZrOo [sage saga]:2019/01/08(火) 06:34:43.27 ID:oP7f/0Hi0
あけまして、おめでとうございます(まだ大丈夫ですかね?)

ええと、袁術ちゃんの死亡フラグが一つ消えると同時に史実からちょいと離れました。

……孫策さん、生き急いだつうか早すぎる。ほんっっっっとうに勿体ない。
こっちでなんかコラボ出来ないかしらん?

おいおい、後追いを危惧していた周瑜さんまで。貴女はほいほいと死んじゃダメでしょうが。江南の再建がなんとか軌道に乗りかけている今は孫権さんを支えて放火魔(陸遜)と一緒に孫権さんを補佐する事も出来るでしょうが(魂の説教)
話の都合とはいえ、切なくなりました。このコンビ、大好きですので。

さてこうなると放火魔(陸遜)の手腕に注目しますかね。二郎さん(袁)の傀儡になってしまうのか、それとも対等な勢力として袁と対峙できるまでに孫家を成長させるのか。
少なくとも母流龍九を介した経済侵略を跳ね返す位の財政基盤を作らないと、本当の意味での独立組織にはなれないような。
多分洛陽の奥に潜むモノ共は欲と下世話な視点でこれを眺めているでしょうね。


なんか感想がきつくなりましたな。それだけ雪蓮と「めーりん」に思い入れが強いのかな?
433 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/08(火) 22:38:25.11 ID:uXhwQPj70
>>432
あけましておめでとうございます
多分大丈夫っすよきっと

>ええと、袁術ちゃんの死亡フラグが一つ消えると同時に史実からちょいと離れました。
うへへ、乖離ってことです

>……孫策さん、生き急いだつうか早すぎる。ほんっっっっとうに勿体ない。
虎でした。

>こっちでなんかコラボ出来ないかしらん?
フリー素材にするわけにもいかないですからねえw
それとも、あっちで伏せてたらいいのだろうか

>話の都合とはいえ、切なくなりました。このコンビ、大好きですので。
いいコンビではあります。一ノ瀬も好きです。
でも彼女らが導くのは戦乱の炎。それを纏って輝くお二人はね、こういうことになりました。
ほんとはラスボス候補だったんだよなあ。史実的な意味でもw

>さてこうなると放火魔(陸遜)の手腕に注目しますかね。
ご期待ください。とだけ。

>なんか感想がきつくなりましたな。それだけ雪蓮と「めーりん」に思い入れが強いのかな?
めーりんめーりん助けてめーりん(を)!





434 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/08(火) 23:14:57.17 ID:uXhwQPj70
「二郎さま、どうぞ」
「ん」

いつもの、陳蘭の茶だ。
ふう、と香りを楽しんで、ずびりとすする。
美味くもないし、まずくもない。落ち着くわあ。

さて、だ。俺はこれから俺は黄巾どもを刈りに出かけるのだ。
未明に麗羽様に激励していただいたこともあり、珍しく気合いが入っている。
珍しく猛っている。それはきっと不要なもの。だから陳蘭の茶がありがたい。

「うし、ありがとな。陳蘭も準備しときな」
「はい」

室を辞する陳蘭を見送り、大きく息を吸い、吐く。どうにも、柄にもなく入れ込んでいたようで、まだ鼓動はスタッカートを量産している。

「おお、準備万端じゃの。まことに結構なことじゃ」

自らも煌びやかな戦衣装を身に纏った美羽様がとてとて、と駆け寄ってくる。

「じろー」

ほれ、とばかりに腕をのばしてくる。
いいのかなあ。服に皺つかないかなあ。
などと思いながら美羽様を抱きかかえる。
えへへ、と笑う美羽様の頭をぐりぐりと撫でまわす。
……セットした髪型が崩れない範囲でな!

「で、どしたんですか?」

美羽様は紀家軍と一緒に南皮を発ち、如南へと向かう予定になっている。いよいよ美羽様本格的にデビューなわけである。
俺らはその後転進し、補佐できないけどまあ。袁家の官僚団がいれば実務は大丈夫だろう。
お付きの者たちも精鋭……というか、将来有望株ばかりだし。

「うむ、暇だったのじゃ!七乃も最近忙しそうにしとるし、流琉は今日の出兵でばたばたしとる。
 かといってシャオとばっかり会っておってもいかんしのう。
 じゃから二郎のとこに来たのじゃ!」

そしてこの顔である。
ドヤ顔の美羽様を適当にこねくり回し、ぽんぽんと投げ、ぶんぶんと振り回す。

あ、結構衣服が乱れたか。まあ、よかろう。侍女ども、出番をくれてやったぞ。
美羽様の無聊を慰めることができたのだからそれでよかろうて。

さて、出立まではどれくらいだろう。結構待ってるけど、それだけ久々の大規模出陣に手間がかかっているということであろう。いかな袁家とは言え、一部を除き実戦は遠き昔のこと。
だからこそ古参兵は財産なのだよね。
と、室の戸が大きく開け放たれ、そこには幼女と熟女が立っていた。

孫尚香と黄蓋。孫家から差し出されている人質たちである。
そんな彼女たちとは良好な関係を結べていて、だからこそ。
その報に魂消(たまげ)た。

435 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/08(火) 23:15:39.84 ID:uXhwQPj70
孫策、周瑜、死去。

そんなビッグニュースをこのタイミングで……。
つーかあいつら殺しても死にそうにない面子なのになあ。いや、早死にコンビだっけか?

べそ、べそとするシャオをなだめながら黄蓋に問う。

「流石に寿命ってこたあないわな。死因は?」
「毒、だそうじゃ。
 孫家を快く思っていなかった豪族の手による凶行、とのことじゃ」

なん……だと……。
そんなの撃退とかしそうな感じで、ふてぶてしくて、しぶとそうだったんだけどもな。
儚いものである。

「そりゃ……一大事だな」

江南とか荊州を孫家に預ける俺の計画がストレスでマッハ。つーかやばい。
てか、跡目はどうすんのさ、という問いに黄蓋が応える。

「権殿が跡目を継ぐ。
 既に策殿、周瑜を暗殺した豪族は誅滅したそうじゃ」
「そりゃ……、まあ、妥当か」

予期せぬ権力の移譲。武力の行使で政権を固めるのはまあ、アリだろう。というか、必須だ。
あれで、強引に江南をまとめてたからなあ、孫策も。そりゃカリスマもあったろうが、範囲が広いよな。
抑圧された豪族が排除に動くのも無理はないか。

「お前さまよ。わしらはその分際を弁えてはおる。
 じゃが、その上でお頼み申す。
 せめて、策殿の葬儀には参列したい。
 尚香殿だけでも、お願いできんか?」

深々と頭を下げ、露骨に媚を売る黄蓋に流石の俺も思うところはある。
腕の中でべそべそと泣くシャオ。それを一生懸命に慰める美羽様。

「のう、二郎。駄目、かや?
 思うのじゃ。麗羽姉さまや七乃、流琉。いなくなったら、と思うと。思うだけでもう、わらわは……」

シャオに負けず劣らずべそべそ、と。びいびいと号泣する美羽様をそっと抱きしめる。
幼女二人を抱きしめる俺を黄蓋はなんともいえない顔で見て、再び頭を下げる。
その様は、とてもしおらしく、諦念があった。
そらね、無理だよね。常識的に考えて。そらそう思うよ。
それでも、できることをしようとしているのだろう。しているのだろう。だから、言った。
行ったがいいさ、と。

436 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/08(火) 23:16:06.90 ID:uXhwQPj70
「孫家への帰還を許す。二人ともな。
 喪が明けたら南皮へ帰ってくればいいさ。それでいい」

事実上の釈放である。
だがまあ、蓮華が孫家のトップならおかしなことはせんだろ。

「かたじけない。この借りはいつか返す」
「おう、せいぜい利子つけてくれよ」

ひらひらと手を振り、退室を促す。そう、孫家の後継など些事であると示す。
俺ごときがきまぐれに裁可できる案件であると示す。
やりとりを見ていた全員に、示す。
それを知ってか知らずか。

「じ、ろう、あり、がと」

シャオが涙と鼻水でぐしゃぐしゃになりながら、必死に言の葉を紡ぐ。
さっきまで俺に縋り付いていたのが、距離を取り、優雅に一礼を。……震えながら。

くるり、とその身を翻し。にぱ、と笑う。涙、鼻水。それを纏って輝く笑顔。

「美羽、二郎!大好きだよ!ありがとう!愛してる!大好き!」

精一杯叫び、駆け出す。
その身に背負うのは孫家。なのだろう。
俺は忘れないだろう。あんなにも一生懸命に泣きながら笑おうとするシャオの顔を。

「じろう……?」

美羽様をきゅ、と抱きしめて誓う。

「なに、悪いようにはしません。
 シャオも、もちろん美羽様も、それに……」

ぎゅ、としがみついてくる美羽様を抱きしめて心に誓う。
とりあえず黄巾さっさと潰そう、と。

◆◆◆
437 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/08(火) 23:16:33.86 ID:uXhwQPj70

紀家軍の出陣は予期せぬ報せにより若干以上の遅れを生じていた。
言うまでもなく、孫家の当主と腹心。孫策と周瑜の死去である。
袁家の江南における政略、戦略は大きく見直されることになるのだが、軍部最高指揮官たる紀霊の泰然とした態度により混乱は最低限に抑えられていた。

「その程度のこと」

普段無駄に腰の軽い紀霊が「それが、どうした」とばかりに動じないことにより、袁家官僚団は動揺を最小限に抑え、通常業務に戻っていく。

ただ、袁家の政略、戦略を預かる軍師陣はそうにもいかない。
袁家の軍事を預かる郭嘉は今や紀家軍の頭脳たる程立との面会を果たした。限りある出兵までの僅かな時間で。

「これはこれは、稟ちゃん直々のお見送りとは恐縮ですね〜」

……どうやら片方には緊迫感などないようではあるが。
だがそのような態度には慣れっこなのであろう。表情をぴくりとも動かさずに郭嘉は口を開く。

「風は此度の孫家当主、筆頭軍師の死去についてどう思うのです?」
「そですね。なんとも痛ましいなあと思うのですよ。孫権さんとは知らぬ仲じゃありませんし、悲嘆たるやいかほどかと」

のほほん、と応える程立にも郭嘉はいらだちを見せずに重ねて問う。

「孫権殿、陸遜殿。次代の孫家を担うと言われていた方々が里帰りしたこの時期に当主と軍師が死去。これは偶然でしょうか」
「偶然じゃないですか?いや、孫家は大変でしょね〜。
風が孫家の臣ならば居眠りを決め込むところなのですよ」
「偶然なわけありますか!このような偶然があるわけないでしょう!」

あくまでのほほんとした態度の程立に郭嘉は声を荒立てる。
その声に動じることなく、静かに程立は応える。くすり、と控えめな笑みとともに。

「二郎さんも偶然ということで納得されてましたし、それでよいのではないですか?
 風は二郎さんの見解に同意するのですよ〜」

くふ、と僅かに笑う程立に郭嘉はふむ、と考え込む。
程立がこういう風に言うのには理由があるのだろう、と。

「いいでしょう。今回の事象を突き詰めてみましょう。まずは孫家の二人が、不穏分子たる豪族による毒殺をした場合ですね。
 これならば簡単です。どのような偶然かは置いておいて、孫家を継ぐ二人の地盤強化にその死は利用されたのでしょう。
元来強引な手法で孫家をまとめていたのです。奇貨居くべし。不穏分子を排除するというのは至極当然のこと」

ですよね、と問う郭嘉に程立はくすり、と賛意を示す。

「ですが現実味に欠けます。これは除外していいでしょう。
 さて、本題の、孫権殿と陸遜殿が。
孫策殿、周瑜殿を除いた場合です。
 この線でまあ、実際間違いはないでしょう。豪族の粛清は政権の安定のために武力を行使したのでしょう。
 実に見事、鮮やかな手腕と言わざるを得ません」
「稟ちゃん、稟ちゃん。性急すぎますよ?
 しかして、なぜにお二人はそのような凶行に。実の姉と師を除くという暴挙に出たのか、ということですよね」
「……孫家を掌握するというのは手段であり、目的ではないということですね。
 これは虞翻殿に情報収集を依頼した方が?」

くふ、と程立は柔らかく笑う。

「いえ、藪をつつく必要はないかと思うのですよ。蛇どころか竜が出てくるかもですね〜。
 それに、稟ちゃんはもう少し立場というものを自覚するべきなのですよ。
 袁家は大家、です。この上なく、です。
当然、その一挙手一投足に中華は注目してるのですね。
 ですからこそ、孫家に対しては無関心、無為こそが策。渾身の一手と思うのですよ」
「……なるほど。袁家武家筆頭にして袁家軍最高指揮官たる紀霊殿。あの方が出兵されるこの時期こそが……最高の時期ということですか。
 確かに、袁家が孫家の代替わりの際にあれこれと蠢動するとなれば、相当に耳目を集めますね。
 しかも、ああ。なるほどなるほど。
 袁家が里帰りを許したお二人が孫策殿と周瑜殿を討ったとなれば、それを命じたのは誰であるか、明らかです」

ずび、といささか下品に程立は茶を啜る。
常ならば寝たふりで追求を躱すであろうこの、蜂蜜色の髪をふわふわとした親友の態度で郭嘉は自分の推察に確信を得る。
そして、どうしようもなく核心に触れなければならない。
それが袁家の軍略を預かる自分の役割であるのだから。
438 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/08(火) 23:17:07.52 ID:uXhwQPj70
「袁家の人質として永らくいた孫権殿と陸遜殿。
 それが江南に帰参し、それまでの孫家を動かしていた孫策殿と周瑜殿を除く。
 更に孫堅殿の代より孫家に仕えていた黄蓋殿、そして孫尚香殿の帰参を許す。
 なるほどなるほど。
 そういうことですか。そういうことだったのですね?」

鋭い視線で問いかける郭嘉に程立はいささかも揺るがない。
くふ、と笑みを一つ漏らすのみ。

「ないですね〜。いかにもありえそうな絵図ですけど、二郎さんを黒幕とすると一気に説得力がなくなりますね。
 二郎さんは、その能力と人望、実績から考えれば呆れるほどに臆病です〜。
 稟ちゃんも歯がゆかったからこそ、そういうことを言うのでしょ?
 でもですね、いえ、ですからこそ。それはありえないのですよ。
 孫家に対するその一手は狙ったとすればそれは最善、いえ、至強。天を我が物にするべき英傑の一手。
 まあ、そこまで狙ってできる方であるかは……稟ちゃんも分かっているのでは?」

くすくす、と笑う程立に郭嘉は苦笑せざるをえない。

「まあ、ないですね」

きっぱりと切り捨てながらも郭嘉はどこか嬉しげである。いや、これは会話の相手と共感したからであろう。

「そです。ないです。が、解釈しようによっては如何様にも解釈できますのです。
 それが袁家という家の重み、権勢なのですね。
 ですから、此度の孫家のお家騒動については無為無策、袁家は関わらないどころか興味もない。それでいいのです」

いつもながらこの、どこか人を食ったような態度の親友には驚かされる。
そう感嘆しながらも郭嘉は更に問う。

「それは袁家の総意ですか?」

沮授、張紘、魯粛。そして現地で孫家と相対している虞翻。いずれも英傑たる彼ら彼女らはどうなのか。

「そですねー。分かってなくて動かない方、分かってて動かない方。様々じゃないでしょかね。
いずれにしろ、結果は同じですよ〜」
「……なるほど。袁家が動かないことそのもの。いえ、二郎殿が動かないということが、それで察すると。どちらにしても、ですか。
 確かに。確かにそうなるでしょうね」

つまり、動こうと動かまいと袁家は今回の事象について無関係ではいられないのである。
で、あれば無関心こそ最善の一手。
が。

「で、二郎様は実際。何を意図されたのですかね?」
「稟ちゃん、分かり切ってることを聞くのは、野暮ってものじゃないですか?」

くふふ、と笑う程立の笑みは深く、おかしげに響く。
読みきれるものではないな、と郭嘉は苦笑する。
嗚呼、正解を求めるなぞ、軍師として恥ずべき事であろうと。

掴んだ。掴んだと思われる事象を大事に抱え、郭嘉は去るのだ。
その背中は、覇気と決意に満ちていて。流石の程立も揶揄の声をかけられない。

それでいい、と程立は思う。
そして思う。彼女が敵にならなくてよかったと。彼女を敵にしてみたかったと。

くふ、と浮かべた笑みはどこまでも穏やかであった。
439 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/08(火) 23:19:44.98 ID:uXhwQPj70
おまけ

Q:二郎ちゃん、孫策さん殺してしまったん?

A:匿名希望

          ,'‐〈 ' ∨ // | |ヽ〃| } .l     ヽ=
.         l !! |  //  ! ハ「 ゙̄¨リ |. ! u  .|i|
.         !||il!|! _lイ// .r十ト 、_ / | い.   |  !}
         '''''''r7从/ /ムトァ=ニ` !ム斗- ヽ  ぃ
           }_レイ/イV廴ソ ノムィァテトゝ .\トゝ はあ?
           /十イ  .! ``¨¨´  .ゞ=イノ `T``
          ,  | |!i_  ト、 u   _    ノ  |    あのめんどくさがりがそんなことするわけないでしょ。
          ,´レ| | !¨f>、   `′,イ!| |j|}
          / / ヽ.! : | ハェ≧-<_ ! \「//    まだしも月の着替えを覗いたって言う方が説得力あるわよ
.        〈 /   `丶、! .厂テドへ \  \
.         〈       \j-」ioiト、`丶ミレ }
        ,ィヾ- 、_ \   ハ。>~¨ \、  -}イ
.        f   `; `¨トヽ  !/~'¨    」L イ||ヽ、

だそうです。

パーフェクトだゾ。
440 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/08(火) 23:20:52.32 ID:uXhwQPj70
本日ここまですー
感想とかくだしあー

題名もオナシャス

現状では
「落日。表裏」

なんかなーこれじゃないんだよなあ感
441 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/08(火) 23:35:19.28 ID:RWeMo+pGo
乙です
二郎くんがんがれー
『小さき王族へ捧げし新たな誓い』と『親友達の楽しい茶会』かなあ
もしくは『張良如しの頭脳惚れし者を的確に評する』
442 :赤ペン [sage saga]:2019/01/09(水) 10:43:52.92 ID:+D6G4XdE0
乙でしたー
>>437
>>紀家軍の出陣は予期せぬ報せにより若干以上の遅れを生じていた。  これでも良い気がするけど慣用句だからなあ
○紀家軍の出陣は予期せぬ報せにより若干以上の遅れが生じていた。  まあ正確に言うなら《遅れると言う事柄が》《生まれていた》になるからこうですね
>>のほほん、と応える程立にも郭嘉はいらだちを見せずに重ねて問う。 間違いとは言い切れませんが一応《問答》と言いますし
○のほほん、と答える程立にも郭嘉はいらだちを見せずに重ねて問う。 問いに答えるならこっちかな?
>>その声に動じることなく、静かに程立は応える。くすり、と控えめな笑みとともに。 呼びかけに応えるとか、懇願に応えるとか
○その声に動じることなく、静かに程立は答える。くすり、と控えめな笑みとともに。 どちらかというと欲しているものを出した時の感じかな>>応える
>>まずは孫家の二人が、不穏分子たる豪族による毒殺をした場合ですね。   【孫家の二人(孫策と周瑜)が、豪族による毒殺をした。】という読み解きでいいのかな?【孫家の二人(孫権と陸遜)が、豪族による毒殺をした。】だとその後の偶然がおかしいし
○まずは孫家の二人が、不穏分子たる豪族による毒殺をされた場合ですね。  でもその場合も誰を毒殺したかがおかしくなるのでこうですね
>>袁家は大家、です。この上なく、です。  意味は分かるんですけどね、大家(たいか)ってある分野に強い影響力を持ってる、的な意味なので
○袁家は名士、です。この上なく、です。  もしくは【有名】、【高名】とか?ちょっと違うかもだけど【名家】でも良いかも
>>438
>>いえ、二郎殿が動かないということが、それで察すると。 【〜と言う事が、それで察する】だとなんとなく接続詞に違和感が
○いえ、二郎殿が動かないということに、それを察すると。 こんな感じでどうでしょう

これはネコミミさん、汚名挽回のチャンスだぞ!!あの紀霊が武家筆頭になった時とは違うところを見せてくれるのか、変わることなくまた惇ねえに一刀両断されるのか
ちなみにこれで実際に誰の意思によるところかはともかく表向きも裏向きも完全な恭順がなされたので袁家は孫家を遠慮なく身内認定できるという
美羽様があんな顔をしちゃった以上孫家を使い潰すことも難しくなったし、あとは身の丈に合った野心と欲で領土を治めればいい…戦を嗜む豪族上がりの孫家としては天下に覇を唱えるのはちょっとね、止まり方が分からなくなっちゃうかもだからね
443 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/09(水) 22:08:15.71 ID:CvH0HaUN0
>>441
どもです。

>二郎くんがんがれー
頑張っていくですよ。これからは。

>『小さき王族へ捧げし新たな誓い』と『親友達の楽しい茶会』かなあ
>もしくは『張良如しの頭脳惚れし者を的確に評する』
よき案ありがとうございますー
参考させてくださいませ

>>442
赤ペン先生いつもありがとうございますー!
中々うまいこといかんなあ

>これはネコミミさん、汚名挽回のチャンスだぞ!
よっしゃ汚名挽回させたろ(決意)

>袁家は孫家を遠慮なく身内認定できるという
美羽様とシャオの関係だけでも十分過ぎますので、第一目標は達成されてます
尊い

>美羽様があんな顔をしちゃった以上孫家を使い潰すことも難しくなったし
そうなんですよねーw
444 :赤ペン [sage saga]:2019/01/10(木) 10:03:25.07 ID:/svkJiz90
言質は取ったで(ゲス顔
名誉返上は誤用だけど汚名挽回は誤用じゃないんだよなあ
元々誤用じゃないのが1976年ごろの作品で誤用説が広まって最近になって再び昔から使われていたもので誤用じゃないと言われ始めてる
《挽回》が元に戻すって意味だから【汚名を受けた状態を元に戻す】って意味になるらしい
もしくは単純に【汚名を最初の状態に戻す】だから…男に対する偏見と驚異のツン10対デレ0は初めから、か?(愕然
いやいや、かの曹操の筆頭軍師でチョー頭いいし!!考察力と推察力と凄いし!!脳筋の夏候惇に他家の謀略の読みで負けるとかありえねーし!!

ちなみにどうでもいい事ですが、私は基本的にキャラクターの行動にはその人なりの理由が有って行動しているという前提で読んでいます。
街論、ただ何となく、とか深い意味は無いけど、というものもあるでしょうけど、それはそれで今までの行動とか嗜好とかをそのままに、って感じですね
だからこそ二郎が孫策に真名を許すのに違和感を覚えたり、黒山賊の根拠地での飛燕さんの諸々に違和感を覚えたわけですが
そう言う意味ではあまりスポットが当たらなかったので何とも言えない所もありますが、周瑜さんは流され過ぎじゃね?感はありましたね
もちろん最終的には孫策の勘を信じて無茶振りをこなすのは良いんですが、お前軍師なら情に絆された感じじゃなくて勘の裏付けと言うか理論だった道筋付けろよ、と
ただの情婦と言うか恋人ならともかく断金の友で右腕なんだから袁家と何故袂を分かつことになるのかを孫家上層部の共有意識にする努力をしろよ
なんて思わなくも無かったですが、多分生きるのに必死だったのが孫策のカリスマに引っ張られて今までずうっとうまく行っちゃってたから目が曇ったんだろうなあ
実際孫策と二郎の初接触の後に「お前が注意すべきだと言った祖授の前で何やってんだ」とか言わなかった理由を考えると…本当の意味で周瑜が孫策に意見をしたことはあったのかねえ
445 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/10(木) 22:01:09.03 ID:DWUtAw540
>>444
>言質は取ったで(ゲス顔
はかったな!はかったな!

>名誉返上は誤用だけど汚名挽回は誤用じゃないんだよなあ
なん……だと……っ!

>かの曹操の筆頭軍師でチョー頭いいし!!考察力と推察力と凄いし!!脳筋の夏候惇に他家の謀略の読みで負けるとかありえねーし!!
そうだよ(便乗)

>だからこそ二郎が孫策に真名を許すのに違和感を覚えたり
ここはね、結局二郎ちゃんは真名についてはどうしてもこの世界の認識とはずれるのだと思うのですね
理解しても共感はしていない。自らの過小評価。そこら辺かなあ、と。それが終盤にも影響するし、沮授と張紘については真名じゃ足りないとなる。
みたいな

>黒山賊の根拠地での飛燕さんの諸々に違和感を覚えたわけですが
あれは盲点w
本当にありがとうございますた

>周瑜さんは流され過ぎじゃね?感はありましたね
>お前軍師なら情に絆された感じじゃなくて勘の裏付けと言うか理論だった道筋付けろよ、と
>ただの情婦と言うか恋人ならともかく断金の友で右腕なんだから袁家と何故袂を分かつことになるのかを孫家上層部の共有意識にする努力をしろよ
フルボッコにしている案件ばかりで苦笑

>多分生きるのに必死だったのが孫策のカリスマに引っ張られて今までずうっとうまく行っちゃってたから目が曇ったんだろうなあ
成功体験に人は引きずられる、というのもありますし、無印めーりんだともっとね、なんかね。
軍師とか断金とか言ってて、結局破天荒な動きの尻拭いばっかりだったんじゃないのかなあと思ってます
だって自分が立てる策より上を勘でやってくのが主人とか、ある意味心が折れますよそりゃあ
だから拗らせる。拗らせました。
どんな知謀よりも孫策の勘はその上をいくとか、そりゃあ呪詛でしょうよ
SSSSグリッドマンじゃないですが、親方には怪獣じゃなくて解呪を是非
446 :赤ペン [sage saga]:2019/01/11(金) 18:10:52.73 ID:1yjjVNeP0
孫策が欲していたのは自分の尻拭いをできるイエスマンだった?
いやまあ中小企業レベルのお山の大将なら当人のカリスマ性と決断力があれば後は後ろをついてこれるやつがいれば隣に並び立つ奴はいらないんだろうけどさあ
447 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/11(金) 21:47:34.12 ID:YOR/vhhx0
>>446
>孫策が欲していたのは自分の尻拭いをできるイエスマンだった?
欲していたとかじゃないのではないかな、と。
孫策さんが無茶する。周瑜が後始末する。
なまじ有能だからそれだけでいけた。いけてしまったのですよ。

ピーターの法則的な?
448 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/11(金) 22:02:22.43 ID:YOR/vhhx0
禁軍。
禁裏を、玉体を守護する漢朝の最精鋭。
無論儀仗兵を兼ねてもいるため、「張子の虎」と揶揄する者もいる。
だが、この人物が指揮する軍に限ってはそれはない。
お仕着せで光輝を振りまく代わりに、血染めの衣で死を振りまく。

朱儁。

何進が禁軍最精鋭二万を直接率いさせた将軍である。
恐らく禁軍で血なまぐさい戦場を駆けたことのある指揮官は彼くらいのものであろう。
涼州大乱の折には馬騰率いる涼州連合叛乱軍と矛を交えてもいる。
かの涼州騎兵を向こうにして互角に渡り合ったその手腕は、内外から極めて高く評価されている。
……いささか、人格に疑問符が付かなければ禁軍総指揮は皇甫嵩ではなく彼であったかもしれない。

「さて、どう見る、朱儁殿」

そう問いかけるは中華屈指の英傑。かつて漢朝に反旗を翻してなお忠義の士と称される益荒男(ますらお)。
かの名将馬援を祖に持ち、涼州にて漢朝を匈奴の脅威より守護する馬騰その人である。
この、因縁のある二人を同じ戦線にて合力させたというところに皇甫嵩の非凡さはあるのかもしれない。

「ああ、あれだな。羊が何をとち狂ったか狼だと思っているらしい。虎狼の皮の代わりに黄色い布を引っ被って、滑稽なことだ。
 あれらには教育が必要だろう。天に唾吐く行為がどれだけのことか、きっちり教育してやらなければなるまいよ」

獰猛な笑みは、もたらされるであろう惨劇に既に酔っているのかもしれない。
馬騰はいささかも表情を変えず、問う。

「では、右翼は我らが。左翼は貴殿ということでよろしいか」
「異存なぞない。では、存分に殺すとしよう。愚民どもに分際を教育してやろうとも」

数刻後、六万に膨れ上がった黄巾は単純に官軍に突撃し、左右に挟まれ、壊滅する。
二万の禁軍と一万の馬家軍に文字通り蹂躙される。
合流して連携なぞせず、二つの塊として、獣として好き勝手に黄巾賊を喰らう、引き裂く。
数を頼みに向かい合った黄巾賊は控え目に言って不幸であったろう。漢朝の抱える最上の部類の戦力とぶつかることになったのであるから。

黄巾賊はやがて蜘蛛の子を散らすように。四方八方にわれ先と敗走する。
その統率なぞ取れていない動きを収斂させて叩き潰す。その手腕こそ更に評価されるべきであろう。

この日、五十万と号する黄巾賊はその一割を喪うことになるのであるから。

「しかしなんと他愛のない……。鎧袖一触とはこのことか!」

娘と姪に残敵掃討を命じ、散る賊の退路を断ち、賊の殲滅を命じる。
同じく部下に任せた朱儁が近づき、笑う。

「いや、なんとも歯ごたえのないことだ。期待外れもいいところだとも。教育する暇なぞなく手折られるとはな。
 なんとも嘆かわしい。久々に腕を振るえるかと思えばこれだぞ。
 これはやはり、あの時。そう、あの時に一心不乱に戦の空気に酔いきれなかったのは痛恨と言えるかもしれないな。
 どうかな、今更であるが、煮えたぎる煉獄たる戦場に身を置くのはどうかね。
 あの時の続きを、ひとつ。
どうだね」

にんまりと、ニタニタと笑う朱儁の言に馬騰はいささかも表情を揺るがせはしない。

449 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/11(金) 22:02:54.42 ID:YOR/vhhx0
彼奴らは叛徒。容赦する理由はどこにもない。なれば一兵であっても禍根は残さない。
数は力となるのだから。
そして応える。この上なく戦闘を、戦争を愛する男に答える。

「笑止千万とはこのことよ。この槍は漢朝に捧げたもの。私闘なぞ、論外である。
 漢朝の臣同士、槍を合わせて如何とする。全くもって語るに値せん」

何とも石頭よ、と苦笑する朱儁に馬騰は重ねて言う。

「そう、この身は漢朝のために。
 であるから、な。
 模擬戦、手合せ大いに結構。
 是非に願いたいものだな。禁軍最精鋭との手合せとなれば、あれらはより大きく羽ばたくであろう。
 千里どころか、万里を駆けるであろうさ」

誇らしそうに見るその先には、馬超と馬岱。馬家の次代を担う将才だ。
黄巾の残党を追撃し、誅滅しきった手腕に馬騰は内心で賞賛を。
自分が同じ年頃であれほどの用兵ができていたろうか、いや、ないと。

「父上!只今帰参いたしました!黄巾賊、誅滅して参りました!」
「お姉さま、見え見えの詐術に引っ掛かるとこだったけどねー」

ごちん。

「こら!父上の前だぞ、余計なことを言うな!」
「えー、だって事実でしょー。たんぽぽ叔父様には嘘つけなーい」

きゃいのきゃいのと姦しく囀る二人に口元を緩めた馬騰は。

「傾注!」

びしり、と数瞬前まで戯れていた二人が背筋を伸ばす。

「武勲、大いに誇るべし。兵馬を休ませ次戦に備えよ。
 そして。そうだな。
……二人とも、よくやった」

馬騰の言葉に表情を輝かせて一礼。去る少女二人を見て朱儁は笑う。

「なんだ、貴様も存外に身内には甘いのだな」

にやり、と応える馬騰は獰猛に笑う。

「見れば分かろう。あれらは、化けるぞ。
 この身なぞ問題とせぬくらいの逸材たちだ。
 鷹、というのは生まれるものだな」

朱儁は三日月の形に口を歪めて問う。

「なれば、禁軍に預けてみるか?きっちりと鍛えてみせるがね」

「ご配慮痛み入るな。だが、私の目が黒いうちはありえんよ。
 まあ、言ってみれば、こうだな。『おとといきやがれ』。というやつだ。
 貴様に大事な娘たちを預けられるものか」

「結構、それで結構。結構だともよ
 貴殿のその覚悟、実にいいものだとも」

ニヤリ、と笑い右手を握り、拳を突き出す。
それにコツ、と拳を合わせ、馬騰は愛馬に跨る。

なにせ、まだまだ黄巾賊はあちこちにいるのである。
なにせ、この程度。食い足りないのである。

「さて、久々に二郎君と会うのもよかろうて」

豪放磊落。笑う馬騰の視線は既に黄巾賊なぞ眼中にない。
付き従う馬超、馬岱は気炎万丈。敬愛する馬騰の指揮下で槍を振るうなぞいつぶりか。

きっと今の彼女らの前に立つということはとんでもない貧乏くじであったであろう。
450 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/11(金) 22:03:39.26 ID:YOR/vhhx0
本日ここまですー
感想とかくだしあー

題名なんだろなあ
募集しまくりんぐですよ本当に!

次回、二郎ちゃん参戦ですよ多分
451 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/11(金) 22:37:33.78 ID:1B01JxSNo
おつおつ
なんという強さ…漢にもっとこういう方々がいてくれれば…
題名は『黄羊、天に唾を吐き罰雷を受ける』かな
452 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/11(金) 23:33:45.32 ID:TUL6wsgmo
乙したー
朱儁はあれか、戦争狂なのか
453 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/12(土) 09:59:14.78 ID:25rpSaF2O
朱儁来た!これで勝つる!(謎)
と思うくらいには、リメイク前では朱儁が一番好きでした、はい。


題案は
『朱に嗤い馬が嘶く、其は戦場なりや』
454 :赤ペン [sage saga]:2019/01/12(土) 12:29:30.87 ID:sL1u2KK/0
乙でしたー
>>447
いや、だってハイパー勘ピューターの孫策が選んだ断金の友が周瑜ってことは、彼女の勘が最も自分に必要なものはそういうものだと判断したことに…それを孫策自身が自覚してたかはともかくとして

>>448
>>黄巾賊はやがて蜘蛛の子を散らすように。四方八方にわれ先と敗走する。  割れた先っぽ?ちょっと読みづらいかなと
○黄巾賊はやがて蜘蛛の子を散らすように。四方八方に我先にと敗走する。  この6万は波才のサポートが無かったのか…不死性はともかく狂乱もつけないとは完全に捨て駒か
>>「しかしなんと他愛のない……。鎧袖一触とはこのことか!」 間違いでは無いです、ただ何となくこの人って《勝って兜の緒を締めよ》なイメージが
○「しかしなんと他愛のない……。鎧袖一触とはこのことか」  数に劣っていたのが大戦果とはいえ所詮は相手はただの農民ですから、名のある将が率いていたのでもなく烏合の衆っぽいし
>>449
>>まあ、言ってみれば、こうだな。『おとといきやがれ』。というやつだ。 なんとなく違和感が
○まあ、言ってみれば、こうだな。『おとといきやがれ。』というやつだ。 『』から外れてると浮いた感じがするので

なんせ朱儁は「諸君、私は戦争が大好きだ!」って言いそうな顔して知り合いから「一食抜いたら餓死」とか言われるだろう人だからなあ
こと戦場指揮官としては統率値とかの問題でなく最強感があるよね、それにしてもこの辺の黄巾はおそらく食う物にも困ってる本当の限界の人たちなんだろうな
総勢50万かあ…そのうちアイドルの追っかけやってる信者どもはどれだけいるのやら
455 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/13(日) 22:19:31.65 ID:kBn1kIeE0
>>451
どもです。

>なんという強さ…漢にもっとこういう方々がいてくれれば…
漢朝では評価されない項目ですからね(ガチ)

>題名は『黄羊、天に唾を吐き罰雷を受ける』かな
むむむ。なるほど。ええなあ。雰囲気あるなあ。すごいなあ。

>>452
どもです。
無論戦争狂でございます。

>>453
どもです。

>朱儁来た!これで勝つる!(謎)
メインアタッカーは格が違った(黄金の鉄のなんちゃら)

>と思うくらいには、リメイク前では朱儁が一番好きでした、はい。
マジすかw
まあ、色々と尖ったキャラではありますがw

>『朱に嗤い馬が嘶く、其は戦場なりや』
もはや凡将伝ではないようなかっこよさw
どうやったらこういうの思いつかれるのか。これいただくかもですね。

>>454
赤ペン先生いつもありがとうございますー!
ぐぬぬ。

>こと戦場指揮官としては統率値とかの問題でなく最強感があるよね
個人的武力については期待できませんけどねw
というと奇跡の魔術師に通じるけど全然違うなw

>それにしてもこの辺の黄巾はおそらく食う物にも困ってる本当の限界の人たちなんだろうな
ということでございます。順調に増えていったので一般人も戦場に立たないと
まあ、数は力でございます。

456 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/13(日) 22:20:16.51 ID:kBn1kIeE0
間違えた。そんなに食い詰めはいないのでほとんど信者。のはず。
457 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/13(日) 23:16:55.76 ID:C3odHvsa0
あら意外…狂乱に支配されて死んでも本望みたいじゃないし「ホッホアー」なファンじゃないから3姉妹の歌(呪い)を知らない人たちかと思ってた
これはまだ3姉妹の力が未完成と見るべきか
458 :赤ペン [sage saga]:2019/01/15(火) 11:55:26.21 ID:1UQlzzkH0
そこそこ大きな病院の前(軒下)で、壁に【敷地内禁煙】と書かれているのにもかかわらず、たばこを吸ってる人を見ると
彼らはどんな思考回路の末にその結論に達したのかが逆の意味で興味が出てくる
わざわざあそこで吸うってことは入院患者だと推察できるんだが…病院の規則に中途半端に逆らうくらいなら近くのコンビニに行くか無視して病室で吸うくらいのロックを見せるかしてほしい、というのは贅沢なんだろうか
459 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/15(火) 19:55:17.59 ID:AhpdSyjB0
>>457
その他大勢ではありますけどね
まあ、黄巾きっかけが飢えてではないけど今は食料調達大事な任務
んで、なんでモブ雑魚がこうなっているか、ですね

>>458
>そこそこ大きな病院の前(軒下)で、壁に【敷地内禁煙】と書かれているのにもかかわらず
漢字が読めないんじゃないっすか?

入院患者が吸う……、あ、見たわ。一昨日もw
ああいうの見ると喫煙者全体が色眼鏡で見られてしまいますよね

きっと彼らの、ぎりぎりの妥協の産物なんですよきっとw
まあ、見てていい気分にはならないですよね
460 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/15(火) 21:57:11.65 ID:AhpdSyjB0
吹きすさぶ風が散らす砂塵の彼方には黄巾賊が。
七乃の報により三万という大集団を発見した。彼奴らが通った後にはぺんぺん草も生えやしねえ。いっそ如南なり、南皮なりを攻めてくれてれば数日の間に殲滅してくれるものを。などと埒もないことすら思ってしまう。
三万を養う物資というのは並大抵の物量じゃない。文字通り村落は廃墟と化す。
個人的には村落から人影のみならず死体すら無くなるというのはそういうことじゃあないのかな、と思っている。
いや、そう思っているのはおそらく俺だけじゃない。……一番早くそれに思い至ったのは流琉だろう。砂塵の彼方を睨みつけている。
ぐしゃ、と頭を撫でくりまわす。

「ひゃ?二郎様?」

ぽん、と肩を叩きほっぺたを、うにょーんと伸ばしてやる。やわらけぇ。

「ひ、ひろうひゃま?」
「流琉、頼りにしてるぜ?ちゃーんと俺を守ってくれよ?」

ぴん、と形のいい鼻を一つはじいて顔を覗き込む。

「……。は、はい!お任せください!」

常の透き通った明るさを取り戻したことに満足し、愛馬烈風に跨る。

「では、二郎さんにお言葉をいただきたいのですよ」

風が俺の横に馬を付け、言う。ああ、あれか。出撃時の演説みたいなもんか。
さて、そういうのってやったことなかった気もする。何を言ったもんかね、と見まわす。

頷いてくれる雷薄、星、流琉。そして傍らの風。
知った顔がそこかしこにある。かの梁剛隊の面子は今や中枢、幹部として俺を支えてくれている。
にやり、と口が歪むのが分かる。なんだな。あいつらの顔を見ていると、どうにも訓練の記憶ばっかりが脳裏に甦る。
晴れた日はひたすら走り、雨の日は筋トレ。
野営では同じ飯を食って寝る。手塩にかけて育てた、というのはこういうことか。いや、育ててもらったのだ。あの人に。
そうだ、血反吐をどれだけこの台地に吸わせてきたか。汗が乾き塩の結晶がこびりつきながら地平線を目指して走ったのは夏だったか、冬だったか。
そう、あんなにも俺たちは走ってきた。鍛えてきた、鍛えられてきた。
だから、それは自然に俺の口から滑り出た。

「俺たちは、強い!」

そうだ。俺たちは強い。訓練は。積み重ねてきたものは決して裏切らない。確信をもって吠える。

「俺たちは!強い!」

重ねて叫ぶ。三尖刀を大地に叩きつけて、三度叫ぶ。

「俺たちは!強い!」

俺の声に紀家軍が応える。

「「「俺たちは!強い!俺たちは!強い!俺たちは!強い!」

槍を地に叩きつけ、軍靴を踏み鳴らし、声の限り叫ぶ。

す、と三尖刀を天に掲げる。
ふ、と静寂が大地に満ち渡り、俺は振り下ろす。

「突撃!」

◆◆◆

461 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/15(火) 21:57:38.38 ID:AhpdSyjB0
さて。
俺が知っている戦術の中で有名なものは二つ。
「釣り野伏(のぶせ)」「捨て奸(がまり)」くらいだ。

前者はつまり伏兵の極み。後者は撤退戦の究極。
いずれも戦闘民族たる薩摩の人たちが編み出したものである。うん、怖いぞ。

ともあれ、今回目論んだのは前者。つまり黄巾に一当てし、反転して距離を取ってアウトレンジから陳蘭率いる弓兵で損害を与えようというものだ。
陳蘭率いる長弓兵は決戦兵力であり切り札でもある。それの慣らし運転もしておきたかった。
その壁になるのは雷薄率いる歩兵。
いや、俺が突撃する必要あるかと言われたら微妙だが、指揮官先頭こそが紀家軍のモットーであるからして。
で、一当てして引き返そうと思っていたのだが。

「なあ、風よ。これ、普通に突破しそうなんだけど」

そうなのだ。
何と言うか、俺たちの突進は止まらない。
熱したナイフがバターを切り裂くがごとく、あっけない。これはむしろ引き返す方が混乱を生じるであろうというレベルじゃねーのかなと思ったり。

「そですね。いいんじゃないですか?ぶわーといっちゃいましょう」

マジで?いっちゃう?

「右翼は星ちゃんに任せちゃいましょう。二郎さんは突破した後そのまま左翼に回ってください。
 いや、理想的な中央突破、背面展開ですね〜」

ええと。マジか!よし、星に指示を……と思ったら。

「はーっはっは!承ったぞ!お任せあれ!」

ああ。ぐん!と行軍速度を上げて星が率いる右翼が吶喊していく。すごいぞー、はやいぞー。

「ちょ、待てよ」

とは言え、こちらも負けてはいられない。黄巾賊の陣を完全に突破し、左翼から押し包む。ずいぶんと星には遅れてしまったような気もするが。

「遊びでやってんじゃ、ないんだよー!」

俺の咆哮にびびったわけじゃないだろうが、黄巾賊は蜘蛛の子を散らすように逃げ惑う。主に、控える弓兵のキルゾーンに。
多分風の指揮だろうなあ。よく分からんけど。ただまあ、俺はできることをやるだけさ。

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァーッ!」

散々に黄巾の後背を蹂躙し、びしり、と行軍を止める。
流石の星は逆サイドで俺より的確な距離を保っている。
追い立てられたままに前方に潰走する黄巾賊は、次々と倒れ伏していく。
未だ雷薄率いる歩兵部隊とは相当距離もあるが、矢の嵐が彼奴らを蹂躙していく。盾すら持たない貧弱な装備の黄巾賊が屈強な弓兵から放たれる弓を防ぐ術はない。
まあ、盾とかあっても長弓兵の一撃はそれすら貫くしな!

うむ。
戦うなら楽勝こそ本領よ。

紀家軍の切り札というか、メイン火力たる長弓兵のデビュー戦であった。


残敵掃討を命じながら、色々と手ごたえにご満悦の俺であったのだ。
462 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/15(火) 21:58:53.78 ID:AhpdSyjB0
本日ここまですー感想とかくだしあー

題名原案は「凡人、黄巾と接敵するのこと」

うへえ、かっこいいやつ、頼むぞ頼むぞ……


次回は、きっとはおー来襲者
463 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/15(火) 23:47:19.66 ID:hvLvDOhNo
おつー流石に強いな烏合の衆なぞものの数じゃない
『黄水を治めし怨将軍』
二郎くんの名前には治水の神や武神の神の意味もあるらしいす
464 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/16(水) 02:54:47.90 ID:tPU13j41o
乙したー
紀家軍の兵力増強プランは結構念入りになられてたし雑兵相手ならこうなるよねぇ


まぁ、正規軍相手に単騎吶喊→殲滅みたいな武力90後半〜100が実在する世界だから油断出来ないのが世知辛いね・・・
465 :赤ペン [sage saga]:2019/01/16(水) 11:27:38.24 ID:0D6yQMfG0
乙でしたー
>>460
>>そうだ、血反吐をどれだけこの台地に吸わせてきたか。 随分限定的な場所ですね
○そうだ、血反吐をどれだけこの大地に吸わせてきたか。 こうですね
>>461
>>「釣り野伏(のぶせ)」「捨て奸(がまり)」くらいだ。  間違いでは無いですね、あくまで私の好みの問題で
○【釣り野伏(のぶせ)】【捨て奸(がまり)】くらいだ。  話す時の「」とは別の括弧を使ってほしいと言う、一種の我儘です
>>盾すら持たない貧弱な装備の黄巾賊が屈強な弓兵から放たれる弓を防ぐ術はない。  うん、意味は分かるんだ
○盾すら持たない貧弱な装備の黄巾賊が屈強な弓兵から放たれる矢を防ぐ術はない。  でも言葉としては弓を放っちゃいけないかな、と

まあある程度有名な将とかがいればまだしもそうでもないなら負けるわけはないわな
如何に勝つか、ただ勝つだけじゃなくてそれ以上の何かを求めるレベル…今回は長弓兵の試運転とか大規模戦を知らない兵たちとかに空気を教えつつ自信をつけさせたり、って感じか
まあ今回はそれ以外にも3つくらいは意図が見えるけど、実際この先を考えればそれ以上のものがありそうなんだよなあ
二郎ちゃんはいっそ南皮に〜とか考えてるけどさすがに黒山賊の縄張り&中華屈指の軍隊にわざわざ喧嘩売りにはいかないわ、勝てれば大戦果だけど勝率微粒子レベルだもんよ
それにしても嫌な推理で襲撃された村落に死体が無い理由に思い至ったな…波才がいない襲撃犯の所も死体が無い理由としては納得だけどさあ
466 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/16(水) 21:43:12.37 ID:MdaSpzj30
>>463
どもです。

>流石に強いな烏合の衆なぞものの数じゃない
苦戦する要素、一切無し!

>二郎くんの名前には治水の神や武神の神の意味もあるらしいす
いっぱいしゅき

>>464
どもです。

>紀家軍の兵力増強プランは結構念入りになられてたし雑兵相手ならこうなるよねぇ
ありがとうございますー
積み重ねは、きちんと活きます!

>まぁ、正規軍相手に単騎吶喊→殲滅みたいな武力90後半〜100が実在する世界だから油断出来ないのが世知辛いね・・・
単騎特攻こそ恋姫とか無双ゲーの華ですからねえ(白目)

>>465
赤ペン先生いつもありがとうございますー!
くそう。まだまだや

>まあある程度有名な将とかがいればまだしもそうでもないなら負けるわけはないわな
今回はダイスを振るまでもなく勝ち確定でございます。

>如何に勝つか、ただ勝つだけじゃなくてそれ以上の何かを求めるレベル
その通りでございます。考察頂いてるのもね、ありがたいです。

>まあ今回はそれ以外にも3つくらいは意図が見えるけど
なんとなくオーバーロードのアインズ様的な応えをしないといけない気がしてきたw
全てを読み切られたようだな……みたいなw

>さすがに黒山賊の縄張り&中華屈指の軍隊にわざわざ喧嘩売りにはいかないわ
よくある、攻めてきたら迎撃楽勝的なSLG発想ですねw

>それにしても嫌な推理で襲撃された村落に死体が無い理由に思い至ったな…
そら波才の旦那スキルとかしらんかったらそう思いますよねー

なお

467 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/16(水) 22:06:35.88 ID:MdaSpzj30
「曹操、ですか……?」

諸葛亮の戸惑いを含んだ声に北郷一刀は頷く。

「ああ、どうせ官軍の指揮下につかないといけないならそれが最善だと思うんだ」

何せあの曹操である。能力に疑う余地はない。無能な指揮官に使い潰されるという最悪の事態は避けられるだろう。
それに、この時期の曹操はまだまだ弱小勢力で武将だって少ないはず。きっと自分たちを高く評価してくれるはずだ。
無論人材コレクターたる曹操は皆をスカウトしてくるだろう。だが、自分たちの絆はそんなものに揺れるほど弱いものじゃないのだ。
……史実でもそうだったし。
などと色々と考える北郷一刀。

「……そう、ですね。ご主人様がそうおっしゃるのであればそうしましょうか。
 糧食も厳しくなってきましたし」

正直諸葛亮としては宦官の孫なぞの指揮下に入るのは反対ではある。
が、主である北郷一刀がそう言い、劉備が満面の笑顔で賛同しているのだ。ならばその方針のもと最善を尽くすのみ。

「では、そうですね。愛紗さんに使者としてその旨打診をお願いしましょうか」

関羽であれば、と思い。関羽しかない、とも思う。

重々しく頷く関羽はもちろんその大任を理解している。
遠く故郷を離れ、義勇の志を胸にここまで兵たちを率いてきた責任というものがあるのだ。
何より。

「愛紗ちゃん、お願いね!」

主の期待には応えねばなるまい。

◆◆◆

468 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/16(水) 22:07:02.70 ID:MdaSpzj30
「はあぁーっ!」

最前線で愛用の青竜偃月刀を振るいながら関羽はふと思う。
彼女の困惑を一言に集約するとこうなる。

「どうしてこうなった」

……門前払いされるという可能性もあったのだが、曹操への目通り自体は思ったより容易であった。
なるほど。主と軍師が軒を借りるに値するようであるというのも陣中を見れば分かった。
兵は精鋭。規律は行き届き士気も高い。装備も自分たち義勇軍とは比べ物にならない。
……まあ、そこかしらに強調される髑髏の意匠については思う所もあったりしたのではあるが。
そしてそれを率いる曹操。これは間違いなく英傑の類である。
傍らに控える黒髪を背に垂らした猛将。またその逆に侍る軍師の目には輝かしいほどの知性の光が。
だが、それらを従える曹操は格が違う。
覇気、としか言いようのないその威風には自然と膝を屈してしまいそうになる。
傲慢とも思えるその物言いは彼女にはとても相応しく、違和感なくその指示に従いそうになる。
……もし主と出会う前に、と刹那思ってしまうほどの桁外れの人物。それが曹操であった。

彼女の威風を受けて尚、用件を伝えることのできた自分を褒めてやりたいくらいである。
そして曹操は告げる。艶然と。

「そう。
 では、関羽とやら。証明しなさい。
 貴女たちが私の指揮下に収まるに相応しいということを、ね」

それだけを言い残して曹操はその場を去る。
傍らの華奢な少女が告げる。

「関羽。一兵卒として夏候惇将軍の指揮下にて価値を示しなさい。
 断って野垂れ死ぬもよし、最前線で討死するもよし。
 勿論後方で保身に走り、恐怖にその無駄に大きい贅肉を揺すっててもいいわよ。
 ……正直今すぐその御大層な武具で自害してくれるのが一番いいんだけど」

関羽は反発するよりも戸惑う。ぶつけられる悪意の所以が分からぬからに。
ただ、自らの武に自分たち義勇軍の運命はかかっている。それは理解できた。

「は。兵卒の関羽。夏候惇将軍の指揮下にて粉骨砕身する所存。この身、いかようにもお使いください!」

おそらくもう一人の女性が夏候惇なのだろうと推察し、声を発する。
その女性は、フン、と鼻を鳴らし。

「貴様などどうでもいい。せいぜい私の邪魔をせんようにするのだな。
 わが軍の軍師が言った通り、好きにするがいい。
 勿論、逃げ帰ってもいいのだぞ」

……なんとも。

夏候惇と荀ケのその態度は、嫉妬という感情によるものであることを関羽が知る由もない。
ただ、よほどの武勲を上げねばならぬようだ、と認識を新たに、気合いを入れ直す。

だからこそ。
関羽は青竜偃月刀を振るい、戦場を縦横無尽に駆ける。
圧倒的な物量で攻め寄せる黄巾賊を血煙に沈める。崩れかかった前線の兵をまとめ、押し返す。
個人の武、指揮官としての統率双方を存分に振るい関羽は目前の敵を押し返す。

その美しい黒髪を翻しながら戦場を存分に駆ける姿はまるで舞台で舞う美姫のようであった。

◆◆◆
469 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/16(水) 22:08:00.84 ID:MdaSpzj30

戦場を舞うように駆ける関羽に曹操は満足そうに笑う。

「言うだけのことはあるようね」

この瞬間も最前線で剣舞を披露する彼女は返り血の一滴すら浴びていない。驚くべきことである。
……もっとも関羽にしてみれば血の汚れなど受ければ纏う衣装が駄目になるか、相当苦労して汚れを落とさなければならないという切迫した事情によるのではあるが。
義勇軍の懐事情、推して知るべし。

荀ケは不機嫌に黙り込む。
数という、どうしようもない要因をその個人の資質で跳ね返す一因となっている関羽の武威に関しては認めるのに吝かではない。
ただ、気に食わないだけだ。あの、贅肉の塊をぶら下げた女に自分の最愛の主が興味を持っている。
それがひたすらに気に食わないだけだ。

内心をなんとも言えない黒い嵐が吹き荒れようとも彼女は曹家軍の軍師。
機を見るには敏。

「華琳様、そろそろよろしいのではないでしょうか」

数を頼みに押し寄せていた黄巾。その数実に三万。
曹家軍の三倍である。
その勢いは完全に止まっている。切り札を切るのは今であろう。

「そうね、桂花。その通りね。合図の銅鑼を」

そして満足気に笑う。
如何に曹家軍が精鋭で将帥が猛将夏候惇、軍師が荀ケであってもここまで損害を軽微に戦線を支えきれなかったであろう。

「いけない子ね、桂花。雑念が見えるわよ?」

腹心たる軍師にくすり、と笑いかけ、抱き寄せる。

「か、華琳様……?」

軽く唇を合わせ、耳元に囁きを。

「今日の戦が片付いたら可愛がってあげるわ。春蘭と一緒にね」
「……!は、はい!」

喜色満面な腹心をくす、と笑う。
嫉妬という負の感情を掻きたてて、部下にいつも以上の能力を発揮させるというのは思いの外上手くいった、と。

誤算はただ一つ。

関羽が、自分をこれほどまでに惹きつける、ということである。

「ふふ、いけない子ね……。本気になりそうよ」

艶然と笑う曹操の言は次々と指示を飛ばす荀ケには届くことはなかった。

◆◆◆
470 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/16(水) 22:08:29.99 ID:MdaSpzj30

「ほー、中々やるやんけ」

曹家軍が三倍の黄巾賊の突進を受け止めつつあるのを見て張遼は感嘆の声を漏らす。
数は力。いくら将兵の質に差があろうともそれを埋めるのは容易なことではない。
なるほど、自分をこき使おうとするだけのことはある、とニヤニヤと嬉しそうに笑う。

「こりゃ、ほんまにウチの出番かもしらんなあ」

張遼が率いるのは騎兵。ただその数は五百程度である。
そしてその任は現在のところ黄巾との衝突などではなかった。

「賈駆っちが聞いたら怒るかもしらんな」

あくまで偵察。黄巾賊のみならず、官軍との接触もその任であった。
そういう意味では曹家軍を発見し、連携に値するか見極めるという名目で接触するのも任務のうちであった。
のではあるが。

「あら、貴女が神速たる張遼ね。ちょうどいいわ」

などと言って、いつの間にかその軍略に自分を組み込んでしまった。
抗議の声を上げようとした張遼に曹操は艶然と笑う。

「出番になったら合図をするわ。勢いの止まった黄巾賊に背後から突撃するだけの簡単なお仕事よ。
 貴女が本当に『神速』の名に相応しいというならば、ね。
 勿論、貴女が拙(まず)いと感じたらさっさと帰ってくれて結構よ。
 でもまあ、私としては見てみたいわね。音に聞こえた涼州騎兵の実力を。
 匈奴に伍し、寡兵で長安にまで迫った武威。まさか虚仮脅(こけおど)しじゃないわよね?」

くすくすと笑う曹操に張遼は笑い返す。この上なく獰猛に。

「ええで、そこまで言うんやったら見せたろやないか。ウチらの実力をな。
 アンタがどんだけ用兵に自信あるか知らんけどな。
 ああ、安心してええで。どんだけ不味い指揮でもきっちり突破したるさかい、な」
「ふふ、楽しみにしてるわ」
「は、楽しみにしとるがええわ」

……実際大したものだ、と張遼は思う。
巧みに黄巾の無秩序な勢いを押さえ、受け止めきっている。これならば戦線を突破されることもなかろう。
なるほど、いいように挑発に乗って利用されてしまったような流れではあるが、得るものも多かった。実に見事な指揮だ。
だが、それだけではない。鷹の目を持つ張遼は最前線を縦横無尽に駆ける一人の武将に惹かれる。
時に単身で突撃し、時に周囲の兵を率いて崩れる兆候のある戦線の維持に努める。
ここまで完璧に戦線が維持されているのは彼女の勇戦が一因となっている。
何より、その黒髪は美しく、武技は色香すら感じるほどに艶めかしく、それでいて放たれる清冽な気迫には感動すら覚える。

「あら、ただもんやないな。まあ、素性は直接聞くっちゅうことで」

ニヤ、と猫科の肉食獣の笑みを浮かべる。曹家軍の指揮官に戦局を見る目があれば自分の出番はそろそろだ。
『神速』の二つ名にかけて、せいぜい賊を圧倒してやろう。涼州騎兵が五百もいるのだ。戦局を左右するには十分な戦力である。

と、合図の銅鑼が鳴り響く。

ニヤリ、と張遼は笑みを深める。黄巾賊の勢いが止まる寸前。逆算すれば勢いが止まった瞬間に後背を衝ける最善の勝機。今こそ。

「いっくでー!」

張遼の率いる騎兵は一つの生き物のように黄巾賊の背後から襲いかかり、蹂躙する。
その動きは曹操をして感嘆の声をあげさせるほどに猛々しく、それでいて洗練されていた。

手ずから飛龍偃月刀を振るい、黄巾賊を切り裂く。

「死にたい奴からかかってこんかい!」


遼、来来。

これ以降、その言葉のみで黄巾賊が潰走すらしたと言われる張遼の武威。それはこの時確立されたのである。
471 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/16(水) 22:11:34.76 ID:MdaSpzj30
本日ここまですー感想とかくだしあー
いつもありがたくモチベーションなのですよ。マジで。

君の声がボクを震わせるのだー

題名はなんだろうなあ

「はおーと美髪と猫科の猛将」

さすがにこれはない

「覇王、関羽を見初めるのこと」

これじゃ来来できひんし。

472 :赤ペン [sage saga]:2019/01/17(木) 18:17:34.91 ID:ri3w6HVC0
乙でしたー
……待って、ねえ待って 関羽さん…あなたの主はどちらさま?一応諸葛亮は一刀が主でその次に劉備としてるけどあんた既に二君に仕えてるの?
>>468
>>なるほど。主と軍師が軒を借りるに値するようであるというのも陣中を見れば分かった。  この言い方だと【主と軍師】が軒を借りるだけの価値はある、と言ってるようですがそれだと軍師を重く見過ぎだしもう一人(笑)の主君をないがしろにしてるのも不自然なので
○なるほど。主と軍師が軒を借りるに値すると言うだけの事はあると、陣中を見れば分かった。  主(一刀)と軍師(諸葛亮)が「まああそこなら俺たちが一時的に下に入ってやっても良いかw」と言ってたとかそんな感じですかね
>>……まあ、そこかしらに強調される髑髏の意匠については思う所もあったりしたのではあるが。  そこかしら?どこかしら?ここかしら?
○……まあ、そこかしこに強調される髑髏の意匠については思う所もあったりしたのではあるが。  関係ないけど軍隊としては威圧感を出すためにも髑髏ってそこまで変じゃない気もする…どっちかというと海賊っぽいけど
>>傍らに控える黒髪を背に垂らした猛将。またその逆に侍る軍師の目には輝かしいほどの知性の光が。  軍師に対する見識が有るのは良いけど【猛将】って…もうちょっとなんかないのか
○傍らに控える黒髪を背に垂らした猛将からは己と伍するほどの強さが。またその逆に侍る軍師の目には輝かしいほどの知性の光が。  【強者の匂いが】とか入れようかと思ったけどなんか画風変わりそうだからやめとこう
>>だが、それらを従える曹操は格が違う。  曹操のワンマンだったら【だが】だけどここで否定はおかしいかな?
○そして、それらを従える曹操は格が違う。 もしくは【その上】とか【さらに】とか【それ以上に】とか?
>>圧倒的な物量で攻め寄せる黄巾賊を血煙に沈める。崩れかかった前線の兵をまとめ、押し返す。 【血煙】って煙と言うだけあって立ち上ってるものだからなあ
○圧倒的な物量で攻め寄せる黄巾賊を血河に沈める。崩れかかった前線の兵をまとめ、押し返す。 屍山血河って言うしこっちの方がいい…かな?
>>469
>>内心をなんとも言えない黒い嵐が吹き荒れようとも彼女は曹家軍の軍師。  間違いとは言い切れませんが、【何とも言えない】って言うほどいろんな感じが渦巻いてる気はしないんですが
○内心を関羽への嫉妬と言う黒い嵐が吹き荒れようとも彼女は曹家軍の軍師。 むしろ曹操の紀霊への感情とか…あの何もかもを捨てて自分の所に来てほしいけどそれらを捨てるような奴ならいらない、みたいなのが【何とも言えない】な気がしますね…私見ですが

ところで地味に…曹操が感嘆するほどの、張遼の神速の騎馬隊の突撃が走り出して黄巾にぶつかるのに丁度いいタイミングで、荀ケが指示を出した件
張遼が黄巾にぶつかるのに必要な時間が10秒なのか20秒なのか1分なのかは知らないけど>>逆算すれば勢いが止まった瞬間 …初見だろうによく神速の神速っぷりを計算できるな
473 :赤ペン [sage saga]:2019/01/18(金) 11:44:32.08 ID:lIgTW55n0
ちなみに私のシミュレートでは、祖授君はもし、万が一、二郎が袁家に反旗を翻したら二郎に付くとは思ってます
ただそれはあくまでも二郎が二郎のままで袁家に叛く理由が理解できれば、という前提は付くけど
二郎が大徳に惹かれて心を奪われたら?涙を流しながら二郎を殺すために全力を尽くすんじゃね?そんで二郎が死んだのを確認したら自害しそう
いやまあ後任その他はきちんと終わらせるだろうけど…麗羽様が原作麗羽になったぐらいなら二郎が見限るとも思えないし基本的にあり得ない仮定ですが

そういえば劉備が一刀の事を「ご主人様」と公言してそれを一刀も受け入れているってことは一応彼らの中では序列は定まってるのか?だとすると
>>467
>>主の期待には応えねばなるまい。  この前の台詞は劉備のモノですよね?
○義姉の期待には応えねばなるまい。 棒しま…げすんげすん!!関羽って一刀をご主人様呼びしてたっけ?最初っからそう呼んでたような気も?まあ桃園の誓いと合わせてこっちの方がいいかな?と

ちなみに私が見えた3つの意図はそんなに大したものじゃないですよ
今までは有名無実だった常山の昇り龍(実際いくら阿蘇阿蘇で言われても具体的に紀霊のやってきたことを見てる兵士とか部下達からすれば…ねえ?)が確かな猛将であることを知らしめるのと
あの怨将軍紀霊が軍事、内政両面で片腕にしてる小娘が確かな実力者だと示すのと
その二人の有用性を以て紀霊の人を見る目の確かさをも補強する…何せどうしたって一定数は色香にまどってどこの馬の骨ともしれない見目麗しい女性を引き立てたと考える奴はいるだろうからね
まあそれすらも二郎にとっては悪い噂じゃないんだろうけど、部下たちがそう思ってたらちょっと面倒だからね
474 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/22(火) 22:04:00.16 ID:8igpn9Ea0
>>472
赤ペン先生いつもありがとうございますー!
むむむ。中々今回は納得感なかったようで。
あっちにあげるときには手を加えるかもです。

ちなみに、あっちで誤字機能やっていただいているの、赤ペン先生でしょうか……?
あれね、機能としてはめっちゃ楽。です。

>>473
>ちなみに私のシミュレートでは、祖授君はもし、万が一、二郎が袁家に反旗を翻したら二郎に付くとは思ってます
ファッ?
でもまあ、そうでしょうねえ。

>二郎が大徳に惹かれて心を奪われたら?涙を流しながら二郎を殺すために全力を尽くすんじゃね?そんで二郎が死んだのを確認したら自害しそう
沮授君はそうでしょうねえ。
張紘はそっと距離を取って酒にでも溺れてそう。なお相方に怒られて一念発起……するかどうか。
普通に隠者かな。

>ちなみに私が見えた3つの意図はそんなに大したものじゃないですよ
いやいや。
きちんと読み取っていただいておるのだなあとうれしさがあふれ出る感じですとも。

まあ、紀家軍に対しては星ちゃんは腕っぷしは見せつけてたでしょうが、用兵はまた別ですからね。
信頼と実績は一夜にしてならず。ですね。
475 :赤ペン [sage saga]:2019/01/23(水) 12:38:28.11 ID:9/oxB+ML0
ちなみにあっちで誤字機能をやってるのは私ではないですよ

こっちで目を皿のようにしてるのにあっちでもそんな事やってたらドライアイになってしまう
読み返して思いましたが今回の件を>>400あたりからの一連と見ると誰も意図していない袁家の意図が見えてきて笑った
えーと、紀霊が今回の総大将(と言うか袁家の武家筆頭)で、このタイミングで孫策が暗殺されて、その混乱は袁家では最低限に抑えられて、二郎ちゃんの思考からして恐らく黄巾討伐は全力を出してて…ああ〜面白いんじゃぁ〜
間違いなくこれ裏を読めない人と裏を読める人と裏を知ってる人がそれぞれ袁家の意図を読んじゃうわwww
まあ裏を知ってる人は読んじゃうと言うか読めちゃうと言うか事実を再確認するだけともいえるけど…これは《風…吹いている。確実に〜》ですわ

まあ納得いかないというわけじゃないですが、一度でも実物を見てたらその《最高のタイミング》も分かるでしょうけど常識外れの神速さんの速さを先読みできるのは…
例えるならとっても強いと言う噂は聞いたことがあるだけの呂布に一人で黄巾を3万ぐらい倒してきて、というぐらいかなと
しかも曹操も読み切れなかった(感嘆の声を上げた)それを、ですからね…できないとは言わないけど、これは荀ケさんこれ以降隊長(指揮官)を一目見たらその統率力と用兵を一瞬で読めるようになってまう(張遼以上の統率の持ち主相手ならその限りではないですが
汚名挽回の言質取ったけど強化しすぎじゃないですかねえ(震え声
476 :赤ペン [sage saga]:2019/01/23(水) 12:45:51.94 ID:9/oxB+ML0
そう言えばちょっとした質問
>>437 紀家軍の出陣は予期せぬ報せにより若干以上の遅れを生じていた。 今回の兵力って紀家のみですか?3万を圧倒する兵力って(将やら軍師やらの補正があるとは言え)かなりのモノですが
477 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/23(水) 20:33:35.57 ID:qwC0pKKY0
>>475
>ちなみにあっちで誤字機能をやってるのは私ではないですよ
マジすか

>こっちで目を皿のようにしてるのにあっちでもそんな事やってたらドライアイになってしまう

じゃなく。本当にいつもありがとうございます。

>誰も意図していない袁家の意図が見えてきて笑った
みんな大好き陰謀論の出番ですねw
後世では色々と勘ぐられてそうですねえw

> 今回の兵力って紀家のみですか?3万を圧倒する兵力って(将やら軍師やらの補正があるとは言え)かなりのモノですが
紀家のみです。
まずは一当て。と思ったらごらんの有様でした。
いろいろなテストも兼ねているのはご指摘の通りかな?

と言うと、放浪したのも計算尽くって思われそうですが、それは全くそんなことない。はず。
結果としてはそうでもないのかな?周囲はそこら辺深読みする人と、「そこまで考えてないんだろうなあ。いいけど」な人に分かれそうですね。

そこいら辺面白そうですが、やり出すと話が全然進まないんですよねー
478 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/23(水) 21:57:14.87 ID:qwC0pKKY0
てすと
許?
479 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/23(水) 22:01:43.71 ID:qwC0pKKY0
あかん

許緒
許?


てす
480 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/23(水) 22:04:16.54 ID:qwC0pKKY0
許緒いけるやん!
※あっちでいけるとは限らない
481 :赤ペン [sage saga]:2019/01/25(金) 11:32:49.34 ID:mEQIBaUn0
それじゃあせっかくなので私が感じた《読めない人》…例を上げると十常侍とかそのへんの読んだ《袁家の裏側》

今回の孫権達が帰郷した時期の孫策たちの暗殺…普通に考えれば紀霊が命じたモノだろう
しかしここに黄巾党の勃発を鎮圧するための軍を起こすべし、という勅令と袁家における最高司令官が紀霊であることを合わせるとこの時にソンなことをするとは考えにくい
事実出発に若干以上の遅れが生じていたわけだが、これがあまりにも遅くなり過ぎれば勅命を蔑ろにしたとして周囲に付け入る隙となっていただろう
となるとこれは《孫権達の帰郷に合わせて袁家の反紀霊派閥が孫策の暗殺を行った》と見るのが自然か…
袁家は袁紹派閥と袁術派閥に分かれていて4家の内紀家と張家が袁術派、文家と顔家が袁紹派…そして顔家当主は現在洛陽にいるからそこまで機敏には動けまい
袁紹本人が強すぎる力を持った紀霊を恐れて軍事の司令官に責任を取らせるために行ったか、元武家筆頭である文家が妬みから足を引っ張るために行ったか
しかしこれが責任を取らせるべし、と言えるほどに遅れなかったことを考えると袁紹が行ったのならば片手落ちにも程がある…恐らく2枚看板としても有名なことからして文と顔が…もしかすると顔良が文醜を焚きつけて行った策謀かもしれないな
だとすると今回の討伐軍が紀家のみで編成されたのはむしろそれ以外の家が協力を渋ったから、か?そして紀家の軍が黄巾に苦戦すればなおよし、と
おそらく紀霊が旅に出る前であればここまで快勝は出来なかったのだろうな、この阿蘇阿蘇に載っている常山の昇り龍…張りぼてでは無かったという事か

うまくいけば反紀霊ということで袁胤と2枚看板を協力させてその仲介役として発言力を持てるかも…そうなればあの売官を買占めできるほどの金はぜひとも有効活用しなくては
多分こんなことを考えてる自分の見たいものしか見てないやつも一定数いるんだろうな、という妄想
実際あのタイミングで孫策たちを暗殺すると下手打つと袁家のひいては紀霊の足を引っ張る口実に出来るよね、という
それを袁紹にちらつかせてちょっとこっちの言う事を聞いてもらう手札に出来たかも…まあ二郎が鮮やかに3万を潰したから無理だけど
そんな袁家にとって隙が出来そうなことをした奴が何を考えてこんなことをしたのかを考えると…完全に袁家は真っ二つやなって
482 :赤ペン [sage saga]:2019/01/25(金) 14:32:07.10 ID:mEQIBaUn0
そういえば、私が張勲の事を書こうと思ったのってなろうの方の題名を眺めてて>>幕裏:絡新婦の理 とかそのへんが目についたからなんですよね
彼女がメインの時の題名が【絡新婦の〜】ってなってるからなんとなく張勲について書こうと思って、それなら当然妖怪の絡新婦を絡めるべきだとなって、Wikiさんに尋ねたらまさかの日本原産と回答を頂いて
これはもう我が民明四天王が「実は仙人の仕業だったんだよ!!」「なんだってー!?」「読めなかった…この璃・博愛の目をもってしても」「それはわが中国が4000年前に通った道だ」してるだろう、となってああなりました…彼らは頭の良いバカなのだ!!じゃなかった、いくつになっても少年の心を忘れないロマンチストで、それを理論だって説明できる(性質の悪い)頭脳派なのだ
483 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/25(金) 21:31:15.35 ID:PDyh9bma0
>>481
まじかと思ったらまじだったw

>今回の孫権達が帰郷した時期の孫策たちの暗殺…普通に考えれば紀霊が命じたモノだろう
ここからの派生なのですよねw
まあ、ここの発端の二択からの派生です。

そして、二郎ちゃん暗躍については、結果ありきで判断しているんですよね
これだけの事象があったからには、と。

陰謀論は知的ゲームなのですよw

とか言ってますが、赤ペン先生の十常さんたちの思考は尊いですねw

なお


絡新婦がそこまでとは思いませんでした
でもあれは傑作

すみません、思考回路がシャットダウンでんw寝ます
484 :赤ペン [sage saga]:2019/01/26(土) 10:25:03.15 ID:T2KNXn+L0
追記すると【読めない人】は頭が悪いとかそういうわけでは無く…性根が腐ってるとかはあるかもですが
@漢の治世が(少なくとも自分が生きてる間は)揺らぐことは無いと思ってる
Aそもそも袁家の人間関係その他を知らない…というか興味が無い
B人の足を引っ張ることと出る杭を打つことは人として当然のことと考えてる(勿論自分もされるとは考えてるからされないように気を付ける)
C何進と(とりあえず今の段階では)権力闘争をできる程度には知恵が回る

大体こんな感じですね、ちなみに【読める人】は最低限@を(そんなことは無い)と戦乱の到来を予感してる感じですね
@が有るので【読めない人】は勅命の強制力をまさに天の声の如き絶対性があると思ってる、だからそれを無視するようなことはされるわけがないし、そんなことをすればそれを脅迫材料にどんなことでも命令できると考えてる…かも?
485 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/28(月) 21:12:36.80 ID:47Cc3SDS0
>>484
>追記すると【読めない人】は頭が悪いとかそういうわけでは無く…性根が腐ってるとかはあるかもですが
いや、そらそうと思います。
他薦ではないですからね。そこで何進と権力争いできるというのは、そういうことでしょね

>@漢の治世が(少なくとも自分が生きてる間は)揺らぐことは無いと思ってる
間違いなく十常侍はこれですね
だからこそ有害。危機感がない。いやそらそうなんでしょうけど^。

ちなみに漢の治世が揺らぐまであると思ってるはおーはマジやべえ

486 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/28(月) 21:25:03.85 ID:47Cc3SDS0
黄巾賊を散々にうちのめし、満足気に頷きながら張遼はお目当ての人物に近づく。
愛馬から降り、声をかける。

「なあなあ、自分、凄いなあ。ほんま、すごかったで。
 名前教えてーや。あ、ウチは張遼、董家の一軍を預かる身やねん。
 今回はちょーっと野暮用で賊の後ろから失礼したんやけどな。あんなん正面からでもぶち破れるで?
 いや、ほんまやってほんま。自分涼州騎兵の噂くらい聞いとるやろ?あんだけの武勇と指揮や。さぞかし名のある武人やろ。
 なに、世間では公孫の白馬義従がどうのこうのとか言っとるけどな。うちらはそんなチャラチャラしてへんで。
 質実剛健!疾風怒濤!それが涼州騎兵の真髄や!」

自分の衣服に返り血が付いていないか確認し、青竜偃月刀の手入れを始めようとしていた関羽は呆気にとられて反応が出来ない。
辛うじてあの、黄巾賊が崩壊する最後の一手。おそらく曹操が仕込んでいた切り札であったのであろう騎兵の指揮官であること。
その名が張遼、というのは理解できたのだが。

「ややわあ、ウチばっかり喋ってアホみたいやわな。すまんなあ、はしゃいでもうたわ。
 それでな、自分、名前聞かせてくれへん?」

ワクワクと期待に満ちた顔で問いかける張遼に僅かに関羽は気後れする。
何せ自分は無位無官。しかも現在は曹操軍の兵卒でしかない……。

だが、と思い直す。
自分の武勇が少しでも広まれば、それは主君たちの飛躍に役立つのではないか、と。

「関羽、と申します。張遼将軍。ここ曹操軍では兵卒に過ぎません。
 お目汚し失礼いたしました」

深々と一礼。

「かー、ほんまか?あんだけのことやっといてほんまに兵卒なんか?ありえへんやろ」

何ということか、と張遼は嘆息する。自分を挑発しながらも完全に使いこなしたことから大幅に引き上げていた曹操に対する評価を地の底まで叩きつけようとしたとき。

487 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/28(月) 21:26:17.72 ID:47Cc3SDS0
「ほんと、ありえないわよね」

玲瓏たる声が二人の耳朶に響く。

噂をすればやってくるとまで後世に伝わる英傑。勝利を手にした指揮官、曹操その人である。

傍らに桃色の髪を二つに束ねた少女のみを侍らせて曹操は二人に歩み寄る。
その傍らの少女が護衛であるのは明らか。そしてその実力も関羽と張遼の二人が超一流の武人であるからこそ理解できる。
天真爛漫に笑みを浮かべるこの少女は鉄壁となり主に襲いかかる有象無象を弾き返すであろう、と。

「二人とも、ご苦労だったわ。
 おかげで想定より兵の消耗は避けられ、賊軍に損害を与えられたわ。
 その分領民の被害が減ることになるでしょう。陳留太守としては感謝の言葉もないわね」

何か褒美が欲しいなら言いなさい、と付け足し、即座に酒!と叫ぶ張遼に微笑む。

「そうね、私が醸した美酒を貴女にはとらせましょう。
 そして、貴女が抱いた疑問ももっともよ。関羽を兵卒として扱うなど汗血馬に荷駄を引かせるようなもの。
 でもね、流石に初陣たる彼女に兵を預けるわけにもいかなかったのよ」

分かるわね?と曹操は張遼を見やる。
無論これは真実そのものではない。曹操配下では初陣と言えども義勇軍にては兵を率いる将。
しかし。正規軍を率いたこともなかった関羽からしてみれば歴戦の曹操や張遼からしてみれば新兵も同様であろう、と押し黙る。

「ほんまか。そらえらい失礼しましたわ。うちが浅はかやったわ」

素直に頭を下げる張遼に曹操は満足げに頷き、内心彼女の評価を数段階上げる。
そして本題を切り出す。

「分かればいいのよ。そして二人とも、私のものになりなさいな。
 貴女たちのような中華屈指の人材は私の下でこそ輝けるわ。
 そうね。お給金は今の十倍は出すわ」

488 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/28(月) 21:26:44.13 ID:47Cc3SDS0
傲慢とも言えるその言葉を吐き、嫌味にならないのは流石である。
流石の関羽が絶句し、張遼は苦笑する。

「あー、悪いけどなあ。ウチ、今の主君に不満もないしなあ。
 誘ってもらえてありがたいんやけど、とりあえずは受ける気はないわー。
 関羽かてそうやろ?」

あからさまに矛先を逸らす張遼の言に関羽はあまりの衝撃に自失していた心を立て直す。

「む、無論だ!
 私とて今の主君に不満なぞない。それに金銭が目的で槍を捧げているわけでもない!」

更に言い募ろうとする関羽に手を振り言葉を遮る。

「流石私の見込んだ英傑ね。ただ、分かって欲しいのよ。
 私は貴女達をこの上なく評価している、とね」

張遼はその言に嬉しそうに頬を緩めながらも反論する。

「せやけどな、ウチなんて恋に比べたら有象無象みたいなもんやで?
 ウチを御大層に評価してくれるんは嬉しいけど、恋の武勇見たらまた違うんちゃう?」

武勇に於いて呂布に敵わないということを張遼はよく理解している。
無論あの武の極みに怖気づいているわけではない。いつかはあの領域に、と思ってはいる。
が、現段階で比べた時の実力を客観視できないほど現実が見えていないわけでもない。

「論外ね。私は貴女が欲しいと言ったのよ?呂布の武勇はそれはすごいのでしょうね。噂に聞くわ。万夫不当、とね。
 でも、私が欲しいのは、騎兵を手足のように操り敵陣を疾風のように駆け抜ける貴女。
 『神速』の張遼が欲しいのよ」

真正面からの求愛に張遼は絶句し、赤面する。
それを満足げに見やり、関羽に振り返る。

「関羽、貴女もそう。金銭の話は無粋であったかもしれないけどね。私は貴女を高く評価しているわ。
 臍(へそ)を曲げてもおかしくない、兵卒としての扱い。その中で貴女は十全以上にその役割を果たしたわ。
 言われたことだけするなら二流。貴女は将帥として最前線を支えきったわ。貴女の放つ輝きだけであの春蘭の部下を率いたのよ。
 これはね、とても凄いことなのよ?」

くすくす、と笑って曹操は張遼と関羽に告げる。

「貴女達を高く評価しているのは本当。貴女達を配下にしたいのも勿論本当。
でも、流石に今すぐそれが叶うと思うほど現実が見えないわけでもないわ」

だからね、と曹操は笑う。

「これも何かの縁。死線を潜(くぐ)った私たちだもの。真名を交換しない?」

悪戯っぽく笑う曹操の言に張遼と関羽は苦笑する。そして清々しくそれぞれの真名を告げる。

「ま、月(ゆえ)っちのとこお払い箱になったらよろしく頼むわ。そないなことはないやろけどなー」
「この身を高く評価していたことには感謝を。できれば今後ともよい関係を結べれば、と思う」

立ち去る二人を曹操は機嫌よさそうに見送るのであった。

489 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/28(月) 21:27:09.98 ID:47Cc3SDS0
◆◆◆

「華琳さまー、あれでよかったんですか?」

桃色の髪の少女――許緒――が問うても曹操は機嫌よさそうに頷く。

「ええ、思いのほか上手くいったし、想定以上の英傑だったわ」

首を傾げる許緒に構わず、曹操は笑いが止まらない。
なにせ求めていた人材が見つかったのだから。

まずは張遼だ。曹操は騎兵の将を手元に飼っていない。
騎兵自体の維持費が馬鹿にならないということもあるし、そもそも良馬がなかなか手に入らないというのがある。
その有用性を知ってはいたが、仕方なく後回しにしていたのである。
だが張遼率いる涼州騎兵の破壊力は彼女の想像をはるかに上回るものであった。
あれほどの突破力、そして機動力があればどれだけ用兵の幅が広がるか。
何より安い挑発に乗ってみせて尚、十全に力を発揮してみせる彼女だ。欲しい。ぜひとも欲しい。

そして関羽だ。関羽である。

義勇兵を率いているなどという、どうでもいい彼女を構ったのはその容色がまず第一の要因ではあった。
顔を合わせ、その気概を気に入った。
戦場を舞うその姿に魅入られた。

埋もれていい人材ではない。義勇軍などという明日をも知れぬ集団に埋没させておくにはあまりにも勿体ない。

人材不足に悩んでいた曹操にもたらされた千載一遇の好機であるだろう。
急いては事をし損じる。だが、巧遅は拙速に如かず。

で、あるから。

真名を交換し合ったという今回の結果は満足できるものだ。
董卓とは暫く連携するし、官庫の食糧目当ての飢えた獣も暫くは飼ってやろう。手元にて飼い馴らしてやろう。

……きっと傍らに彼(あのおとこ)がいたらあれこれ言うのであろうな、とも思う。
それこそ妄想でしかないが、彼を好き勝手に扱う親友に僅かに。ほんの僅かにちり、と感情がささくれ立つ。

自分ならば、彼をもっとうまく使いこなすのに、と。

その痛みは刹那。そして苦笑する。今はまず黄巾賊を誅滅し、声望を高める時期。
宦官の孫たるこの身はまず声望を高める必要がある。

「ふふ、見てなさい」

欲しいモノは絶対に、なんとしても手に入れる。
それが彼女の在り方なのであるから。
490 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/28(月) 21:28:45.41 ID:47Cc3SDS0
本日ここまですー感想とかくだしあー

仮題としては
「はおーの勧誘」

うむ。いつも通り募集しまします。
本当にね。いつも困ってるのです。これ考えるのより本編書く方が効率がいいというか、考えている時間あったらどんどこ進めれるぜうとか

よろしくお願いします。
ほんとに。
491 :赤ペン [sage saga]:2019/01/29(火) 12:12:28.78 ID:6t41vMQ00
乙でしたー
>>488
>>流石の関羽が絶句し、張遼は苦笑する。  そもそも関羽ってこういう時に普通に絶句しそうと言うか…そこまでこういう軽口めいた交渉ごとに慣れてないとも思うけど
○流石の関羽も絶句し、張遼は苦笑する。  逆に張遼が絶句したら【流石の張遼も】って感じですが
○こういったことには不慣れな関羽は絶句し、張遼も苦笑する。  むしろこんな感じ?何せ関羽今まではボルタック商会のせい(笑)でお祈りされまくってたし
>>立ち去る二人を曹操は機嫌よさそうに見送るのであった。  まあそりゃそうだろう、って言うのと同時にこの言い方だと《本当は機嫌が良くない?》と読み取れそうなので
○立ち去る二人を曹操は機嫌良く見送るのであった。  あとこの後の許褚との会話でも【機嫌よさそう】と出てますし、一回確かに曹操の機嫌は良いことを出しといた方がいいかな?

>>官庫の食糧目当ての飢えた獣 獣だって飢えてる時に飯食わせてもらった恩は恩として感じるんじゃねーかな…こいつら?語るに及ばず
というのは5分冗談として、私たちが力を貸してあげてるんだからそれ相応の見返りは出して然るべき。くらいの思考はしてそうなんだよなあ
あ、そういえばちょっとした疑問、というか違和感と言うか
>>そうね。お給金は今の十倍は出すわ」  と曹操が勧誘してますが、商業が下賤とされる理由の一つが金を扱ってるからだ、みたいなのがあったような気がするんですが
もちろん曹操がそんなアホな《金は汚いもの》思考をしてるとは思いませんが、人を勧誘する声掛けとしては下策なのでは?下策と言うか下品と言うか…多分ですがこの時代の中国において、ですが
492 :赤ペン [sage saga]:2019/01/29(火) 13:17:24.99 ID:6t41vMQ00
ああ、思い出した《銅臭》なんて言葉が有りますが、もちろん本来は金に飽かせて何でも思い通りにするようなことを侮蔑する言葉ですが
儒教と混じりあってなんか金そのものが汚いもの、みたいな風潮があったとかなかったとか
まあそこまでのあれこれは無くても今回の曹操の言動は《関羽の忠誠を金で買おうとした》ように見えるので一般的なこの頃の中国人の印象としては非常に悪いと思います。
じゃあどう言う勧誘ならいいの?と聞かれると困りますが例えば
○そうね。一軍を率いる将として迎えましょう。それにあなたの為の屋敷も建てるわ」 とかどうでしょう?ちなみに何らかの要因で関羽がいなくなったとしても鍛えられた一軍と、新築の屋敷は(多少年月が経つでしょうが)残ると言う罠
493 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/29(火) 21:37:39.11 ID:p4/Lin3h0
>>491
赤ペン先生いつもありがとうございますー!

そして、ほむほむ。

>そもそも関羽ってこういう時に普通に絶句しそうと言うか…そこまでこういう軽口めいた交渉ごとに慣れてないとも思うけど
惜しいですよねえ。やればできるだろうのにね。
そういうとこ、劉備陣営の惜しいとこですよ。そういう視点がないす。

>、私たちが力を貸してあげてるんだからそれ相応の見返りは出して然るべき。くらいの思考はしてそうなんだよなあ
普通にそうでしょうねえ。

>人を勧誘する声掛けとしては下策なのでは?下策と言うか下品と言うか…
はい。そこもはおーの凄味です。
あえてそれを言っているということです。この場ではどうせ引き抜けないと知っていて、自分の価値観を示しているのです。
そしてその評価基準について、きっと彼女は振り返らない。
その評価基準が骨身に染みる時が来るであろうと確信しているのです。

基本的に最強キャラはやはり曹操です。
494 :赤ペン [sage saga]:2019/01/31(木) 09:21:01.12 ID:gieNDAjg0
もういっちょ追記すると【裏を知ってる人】というか裏が読めちゃう人も=で頭がいいと言うわけではないんですよ
なにせあの郭嘉も程cと討論しないと勘違いしちゃうレベルですからね
そう言う意味ではネコミミも読めないだろうなあ…逆にほぼ読めちゃうだろうと言う信頼感があるのがd姉

なおそんな彼女を以てしても【何故孫策が暗殺されたのか】は読めない模様…仕方ないね、孫家と接点無いもの
こう考えると曹家は統合して今回の件を読み切れるかもね、そこに袁家の策謀が無いと言うwwwいや結果的には表向きの通りに袁家が孫家を配下(身内)にしたという事は分かるんだけどさあ
495 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/31(木) 21:30:37.73 ID:vxQVI7M00
>>494
>そう言う意味ではネコミミも読めないだろうなあ…逆にほぼ読めちゃうだろうと言う信頼感があるのがd姉
これには同意ですねw
そして詠ちゃんですよ。この子は根拠を二郎ちゃんの人格まで落とし込んで判断してます。

>こう考えると曹家は統合して今回の件を読み切れるかも
多分、色々盛り上がって、はおーが考えても無駄という結論に辿り着いて、それでも思考実験としては貴重だからあれこれやりとりを楽しんで。
d姉は居眠り、って感じすかねえ。
496 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/31(木) 21:32:02.62 ID:vxQVI7M00
日輪は中天にかかり、その恵みを大地に惜しげもなく注ぐ。
北郷一刀は、大の字になっているその全身でその恵みを浴びている。
戦乱はこの瞬間遠く、穏やかな時間が過ぎていく。

「……いいご身分ね」

ただまあ、状況を鑑みればこのように冷たい言葉を浴びせられても無理なからぬ事であろう。
慌ててその身を起こそうとしても両脇にとびきりの美少女がしがみ付いているのだ。
平凡な男子高校生たる彼がどうこうできるわけがない。寝息を立てている彼女らを起こすことに躊躇(ためら)いもあるのだし。

「まあね。
恋が妙に懐いているから、どうせそうだろうとは思っちゃいたけどね。
 流石のボクも、両手に花でお昼寝と洒落こんでいたとは思いもよらなかったわよ」

慌てて弁解らしきものを口にしようとするが、相手に聞く気はなさそうだ。
彼に話しかけてきたのは賈駆。数日前に曹家軍と合流した董家軍の軍師である。
驚くべきことに、いや、今更かもしれないが曹操は美少女だった。夏候惇と荀ケも美少女だった。
万夫不当たる呂布も美少女だったし董卓だって目の前の賈駆だって美少女だった。

「まあ、恋が起きたら伝えてくれればいいわ。そろそろ動くわよ、ってね。
 ……短い期間でまあよくもここまで懐かせたものね」

その武威と無邪気な寝顔はどうしても結びつかない。
北郷一刀も当初は戸惑ったものである。知名度の高い武将は皆美少女なのだから。
と思いながらも賈駆の言に首を傾げる。

「えっと、動くってどういうことだ?」
「ここ陳留付近の黄巾賊はおおよそ討ち果たしたからよ。こういう乱は枝葉末節よりは大本を叩かないと、ね。
 それにそろそろ曹操殿の勧誘もいい加減うっとおしいし」
「はは、そりゃそうか。愛紗も閉口してたなあ」

冗談めいた賈駆の言葉に北郷一刀は苦笑する。こうして談笑しているその瞬間にもあの手この手で勧誘されているに違いない。
まあ、彼女が受けるわけがないので全く心配していないが。

のほほんとした北郷一刀を見て賈駆は僅かに表情を改める。

「そろそろ、潮時、っていうのはアンタたちにも言えるわよ?」
「え?」

まあ、余計なおせっかいではある。
北郷一刀の横でぐうぐうと惰眠をむさぼる桃色の髪の少女。それに仕える軍師二人は紛れもなく天才というやつだろう。
水鏡女学院を飛び級で卒業した主席と次席というのは伊達ではない。彼女らはきっと気づいているだろう。
本来自分が口を出すようなことでもない、のだが。

「フン、分からなきゃいいわよ。ただね、義勇軍を率いる二人が暢気にここでお昼寝。
 部下たちが奔走している、ということがどういうことかって考えてもいいんじゃないの?」

じゃあね、と踵を返す賈駆に何か言いかけて、口ごもる。

「……ん?ご主人様、どうかした?」

ふわり、とした空気が広がる。先ほどまで張りつめていたのが嘘のように。
かなわないな、と頬を緩ませて北郷一刀は傍らの少女――劉備――に声をかける。

「いや、なんでもない。大したことじゃないさ。それよりそろそろご飯にしようか」

ぴくり、とその言葉に呂布が反応する。

「……ご、はん?」
「そうそう。お昼ご飯だぞっと。ほら、恋も一緒に行こう、な?」
「ん」

二人を引き連れて食事へと向かう足取りは、軽かった。

◆◆◆
497 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/31(木) 21:32:29.23 ID:vxQVI7M00

曹操はここのところ非常に上機嫌である。
陳留をはじめとして、兌州(えんしゅう)にはびこる黄巾賊をほぼ壊滅させた。
今は残敵を掃討している段階だ。
無論、敵は弱卒とはいえ数が数だ。苦戦しないほうがおかしい。が、最近の曹操軍は絶好調である。
やはり義勇軍の将帥を運用しているのが大きい。
関羽は将として、張飛は兵卒として。諸葛亮と鳳統は事務方として。
いずれも得難い……珠玉の人材だ。だが。やはり関羽だ。関羽だ。何と言っても関羽だ。
怜悧な物言い、これと決めた主君に対する忠誠。圧倒的な武勇に将才。
心置きなく一方面軍を任せるに足る人材である。
理性的に一軍を運用できるのは手持ちの駒では夏侯淵しかいないことを思えば関羽はぜひとも欲しい。
無論、彼女の容色も大いに評価している。あの玲瓏とした佳人が閨(ねや)でどれだけ乱れるのか、是非とも味わいたいものだ。

にま、と緩む口元を隠しもせず曹操は次々と指示を飛ばす。脳内が桃色がかっていてもその指示は精密にして的確。

「そろそろ、かしらね」

誰ともなく呟く。
そう、そろそろいいであろう。

「誰かある!関羽をここに!」

曹操の声に慌ただしく動く部下たち。それを満足げに見ながら曹操は軽く伸びをする。
これでも随分負担は軽くなっているのである。まったく、義勇軍などには勿体ない人材が揃っている。

「お呼びとのことですが」

「そうね。呼んだわ。で、何故貴女一人じゃないのかしら」
「そ、それは……」

口ごもる関羽の後ろには劉備と北郷一刀。名目上の、関羽の主人たちである。

「ごめんなさいねー?
でも、私も曹操さんとお話したいなーって思ったから!」

悪びれずに笑う劉備に笑みを一つ。これはこれで一つの在り方なのであろうと。
 
「で?貴女の用件は何かしら。
貴女が引きつれてきた義勇軍の訓練で私は忙しいんだけれども」

「んー、上手く言えないんだけどなー。えっと、兌州の黄巾賊さんたちは大方片付いたんでしょ?
 董卓さんも軍を動かすみたいだし。
 だったら私たちも黄巾賊の本拠地とか、他の軍団を目指すべきじゃないかな、って思うんだ!」

ここぞとばかりに劉備は言い募る。
もう、兌州には目ぼしい黄巾賊はいないはず。であれば動くべきだと。

「あらそう。劉備。では貴女は今すぐ動くべきね。もうすぐ董卓の軍に追いつけなくなるわよ? 
 いくら身一つと言っても、董家軍は騎馬が本領だもの。
 ああ、安心しなさいな。貴女の馬くらいは用立ててあげるわよ」

うんうん、と真剣に頷き同意を示す曹操に逆に戸惑う。

「ようやく、貴女のつれてきた雑兵が使い物になるわ。それぞれの兵卒の適正に合わせてきっちり配属してあげる。
 あと数か月したら張飛も将としても使えるようになるわね。その点関羽は流石ね。言われても、言われなくてもできるわ。
 貴女がいなくてもきちんと彼女たちは使いこなしてあげる。だからそこの情夫と一緒に旅立ちなさいな」

その言葉に北郷一刀は絶句する。そして激昂する。

「なんだよ、それ!どういうことだよ!」
「あら、聞こえなかったのかしら。……別に貴女達がどうあれ、兵はきちんと組み込むし、関羽も張飛も使いこなしてあげるわ。
 貴女たちは惰眠を貪ればいいのよ?
 ああ、部下ばかりに働かせて心苦しいならばいつでも言ってちょうだい。ちゃんと貴女たちに相応しい仕事をあてがってあげるから」

498 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/31(木) 21:32:57.58 ID:vxQVI7M00
劉備は異を唱える。

「愛紗ちゃんも鈴々ちゃんも大事な仲間です。家族です。
 兵士のみなさんだってそうです!
 それに、兌州はもう平らかになってるんでしょう?だったら。
 もっと、黄巾賊の被害の大きい土地を平らかにするべきです!」

劉備の言葉に曹操はくすり、と笑う。
まあ、ここまで理想論を吐けるというのは大したものだ、と。
とは言え。

「私は陳留の太守。そしてじきに兌州を預かるわ。だとすれば職責を果たすべきでしょう?
 未だ兌州には黄巾賊の残存は存在するわ。だとすれば私は治める民のためにも引くわけにはいかないわね」
「でも、もっとひどいことされてる人たちもいるでしょう?
 だったら、その人たちに手を差し伸べるべきじゃないんですか?」

真正面から曹操を弾劾する劉備。果たして彼女はその行為の意味を分かっているのであろうか。いや、ないであろう。

「私は陳留の太守よ。であれば陳留の民に尽くすのは当然。
 陳留が賊に襲われることなどないようにするわ。領内の盗賊は撃滅するし、不穏な輩は死刑ね。
 それと、何か勘違いしてるかもしれないわね。
 指揮下に入る、というのはそういうことよ。もういいわ。いいわね。飽きたわ。
 下がりなさい」

瞬間。
吹き出る覇気に劉備と北郷一刀は絶句する。
北郷一刀は歯噛みする。流石は覇王だと。甘く見ていたか、と。

「不満があれば我が配下になりなさいな。
 貴女はお話することで全てを治めたいのでしょう?治められると思っているのでしょう?この私一人を説得できないはずはないわね?
 ええ、聞くべき意見には耳を傾けてあげるわ。
 そうね。一緒に漢朝を支えましょう?」

くすり、と蠱惑的に笑み、曹操は牙をむく。
そんな曹操の気迫を無視して。

「ごめん、それは、無理だ」

北郷一刀はそんなことを言うのであった。

「へえ。じゃあ、貴方たちは誰に付くのかしら」

その言葉に北郷一刀は苦笑する。

「俺たちは、誰にもつかない。そういう利害関係で動いたわけじゃない。
 義に拠って立つ。それが俺たちだ。見誤らないでほしい」

くすくす、と曹操は笑う。男の精一杯の虚勢が健気で。
そして腹立たしい。このような匹夫に関羽という極上の人材が絡め取られているのである。

「そう。では好きにしなさいな。ま、渇したらいつでも帰ってきなさい。
 盗泉に群がられると迷惑だしね。そしてどこまでついてこれるか、楽しみね」

499 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/31(木) 21:34:00.56 ID:vxQVI7M00
◆◆◆

「ご主人様の言う通り、そろそろ潮時でしゅ……、噛んじゃいました」

はわわ、と諸葛亮は呻きながらもしっかりとその主張を伝える。

「もとより、曹家に頼ったのは一時のことです。何ら問題ありません。
 卑しい宦官の孫、漢王朝の流れを汲む桃香様にふさわしいとは思えません」

無論得るものは大きかった。多かった。
関羽と張飛は将帥としての、自分と鳳統は軍師としての知見(ノウハウ)をたっぷりと吸収することが出来た。
だが、その武勲も功績も曹操に吸い上げられてしまっている。無理からぬこととは言え、随分曹操の世評向上に尽くしてしまった。

「兌州に固執する曹操殿に従うは私たちの本望とはかけ離れていると思います。
 未だ救いを求める声なき声のため、動くべきと進言します」

ここが分水嶺。関羽は曹家軍の軍制を吸収し、将として成長したであろう。
自分たちとて、軍務に必要なことは相応に学ぶことが出来た。

「とはいえ、糧食に不安があるのも事実です。やはり官軍に合流するのが最善でしょう」

ふむ、と北郷一刀は頷く。確かに曹操なんて物騒な人物のおひざ元にはいられない。

「朱里なら官軍の誰を頼るべきか、頼るかを決めてるんだろ?教えてくれよ」

嗚呼、と諸葛亮は思う。
この未熟な身をして絶大な信頼を注いでくれる主にこの智謀を捧げようと。

「そうですね。次に合流すべきは……」

馬家軍。
涼州にて匈奴の侵攻を防ぎ、官吏の汚濁を断ち切る刃。
袁家に伍するほどの戦力を抱える漢朝きっての武闘派である。
500 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/31(木) 21:35:32.14 ID:vxQVI7M00
本日ここまですー感想とかくだしあー

題名はねーなんだろうなあ

なんだろうなあ……!
久々ノープランだぞ?(これまでのプランがいい感じであったとは言ってない)


いい感じの奴を、頼む、頼みます。頼んだ。
501 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/31(木) 22:04:29.47 ID:1XuVmU0po
乙です
いやぁ、原作からそうだと言われればそうなんだけど、一刀君ってやっぱ三國志…というか三国時代を軽く考えてるよね
まあ18禁ゲームの主人公だから仕方ないんですけどね…


しかし、うむむ…はおーの言葉がすべて正論なだけに、どうしても蜀勢へのヘイトが題案に乗りそうになる
『語るは飴細工の夢想、されど黒鉄の覇道は揺るがじ』
ぐらいでどうでしょう
502 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/01/31(木) 22:13:51.66 ID:vxQVI7M00
>>501
どもです。

>いやぁ、原作からそうだと言われればそうなんだけど、一刀君ってやっぱ三國志…というか三国時代を軽く考えてるよね
それが彼の魅力的なとこでもありますけど、やっぱ軽いのですね

>『語るは飴細工の夢想、されど黒鉄の覇道は揺るがじ』
ファッ?
なにこれ。そういうとこやぞ(白目)

臆面もなくこれを採用してしまいそう。
というか、これ格好いい。
素敵。どうしたらこうまで素敵な言葉を。
実際嫉妬を越えたわ。
503 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/31(木) 23:51:44.02 ID:1aYgdRuto
おつしたー
うーん、やはり蜀勢でヘイト一番貯めてんのははわあわ組やねぇ(当社比
おめーらそんなに賢いのになーんでさ、とも思うけれどそこは儒教純粋培養故致し方なしですわな
504 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/01(金) 03:13:19.25 ID:9d0wgxmHO
乙です
なんか色々面倒だしはおー様はとっととチ○コとビ○チを幽閉でもして欲しい
忠誠が得られない変わりに超有能武将4人と兵力アップだぞ!!(脳筋思考

種馬には元気に励んで頂きたい……三次スレ的に
505 :赤ペン [sage saga]:2019/02/01(金) 11:37:24.41 ID:ThIzqFJW0
乙でしたー
>>496
>>北郷一刀は、大の字になっているその全身でその恵みを浴びている。  間違いでは無いですが
○北郷一刀は、大の字になって全身でその恵みを浴びている。      の方がすっきりしているかな?むしろ【大の字で横になって】とかか?
>>ただまあ、状況を鑑みればこのように冷たい言葉を浴びせられても無理なからぬ事であろう。  誤字かな
○ただまあ、状況を鑑みればこのように冷たい言葉を浴びせられても無理からぬ事であろう。   ですね
>>驚くべきことに、いや、今更かもしれないが曹操は美少女だった。夏候惇と荀ケも美少女だった。  間違いでは無いですが一刀から見て春蘭って美少女と言うほど少女?背丈にしろオッパイにしろ
○驚くべきことに、いや、今更かもしれないが曹操は美少女だった。夏候惇も美女だし荀ケも美少女だった。  そもそも彼女たちは《※登場人物は全員18歳以上です》な訳だし
>>北郷一刀も当初は戸惑ったものである。知名度の高い武将は皆美少女なのだから。 おまえそれ田豊とか祖授見ても…見てねえや。
○北郷一刀も当初は戸惑ったものである。知名度の高い武将は皆美女、美少女なのだから。 紀霊見ても…一刀視点知名度が低いんですね分かります。
>>まあ、彼女が受けるわけがないので全く心配していないが。  うーむ…これは何を根拠にしているのか…未来知識で言うなら一時的とはいえ曹操の配下になったこともあるし、既に袁家に趙雲が取られてるんだが
○まあ、俺は関羽を信頼してるし関羽も俺を信頼してる、この絆が揺らぐことはあり得ない。  グフッ…書いてて自分でダメージが。せめてこいつがトップに立ってなければ3人の桃園の誓いを引き合いに出せたのに…こいつ桃園の誓いをして関羽が劉備に捧げた忠誠を横から掻っ攫ってるからなあ、くそっ
>>497
>>怜悧な物言い、これと決めた主君に対する忠誠。圧倒的な武勇に将才。  お、おう…劉備は主君じゃなかった?○姉妹だからノーカン?曹操から見ても劉備は主君っぽさが無かったのか
>>にま、と緩む口元を隠しもせず曹操は次々と指示を飛ばす。脳内が桃色がかっていてもその指示は精密にして的確。  間違いでは無いです
○にま、と緩む口元を隠しもせず曹操は次々と指示を飛ばす。脳内が桃色掛かっていてもその指示は精密にして的確。  の方が読みやすいかな?と
>>「ごめんなさいねー? どう考えても煽ってるよね?というかこ れ は ヒ ド いw酷い…
○「ごめんねー?    やたらと軽いけどこれの方がまだましだし劉備ならこのくらいの感じで喋りそう

>>その言葉に北郷一刀は絶句する。そして激昂する。 …お前らの連れてる義勇軍はもともとは公孫の民だしお前が紀霊と趙雲相手にしたことと変わらん…そもそもお前今まで《関羽が靡くことはあり得ないから放っておこう》って昼寝したりしてたよな?
いやまあ自分がやってるからって他人からそれをやられるのを許容できるかは別にしても、される可能性ぐらいは考えとけよ、相手はあの曹操だぞ?お前がやる程度の事は向こうもやれるに決まってるじゃん、それを成功させるかどうかは別にして
根無し草の義勇軍とかなり発展してる陳留軍とのっちに一般的な民草が靡くかは知らんけど…大丈夫だって公孫よりも劉備を取った誇り高き義勇軍なら劉備についてくるから心配の必要はない…つまり怒る必要が無い、せいぜい誰も引き抜けなくて呆然とする曹操をプギャーwwwしてやろうぜ
506 :赤ペン [sage saga]:2019/02/01(金) 14:09:27.14 ID:ThIzqFJW0
さて続きを
>>498
>>真正面から曹操を弾劾する劉備。果たして彼女はその行為の意味を分かっているのであろうか。いや、ないであろう。   外の多くの人たちを救うために身内の少数に泣けと言う…いや、そもそも【もっとひどいこと】とはなんだろう?陳留の黄巾はよその黄巾よりもお行儀がいいと言いたいんだろうか
○真正面から曹操を弾劾する劉備。果たして彼女はその行為の意味を分かっているのであろうか。いや、いないであろう。  それはともかく《いる⇔いない》なのでこうですね
>> 盗泉に群がられると迷惑だしね。そしてどこまでついてこれるか、楽しみね」  この【ついてこれるか】は誰が?何を?何に?
○ 盗泉に群がられると迷惑だしね。そしてどこまで吐いてられるか、楽しみね」  【そんなお花畑な理想論を】ならこう
○ 盗泉に群がられると迷惑だしね。そしてどこまで付いてくれるか、楽しみね」  【理想に共感した人たちが】ならこう
○ 盗泉に群がられると迷惑だしね。そしてどこまでこれるか、楽しみね」   劉備の理想を本物として曹操が認めたならこう?
○ 盗泉に群がられると迷惑だしね。そしてどこまで吹いてられるか、楽しみね」  実は夢物語だと分かっているんでしょう?な揶揄を混ぜるならこんな感じ?
>>499
>>「兌州に固執する曹操殿に従うは私たちの本望とはかけ離れていると思います。 それでも私は、彼女たちを評価する(高評価とは言っていない)
○「陳留の太守たる曹操殿に従うは私たちの本望とはかけ離れていると思います。 領主が領地を守ることまで蔑むのはいずれご主人様が同じ立場になる時を考えれば
>>ふむ、と北郷一刀は頷く。確かに曹操なんて物騒な人物のおひざ元にはいられない。  おっまwおまええ!!誰だよ曹操なんて物騒な人物に近づこうと言い出したの
○ふむ、と北郷一刀は頷く。確かに曹操なんて物騒な人物のお膝元にはいられない。   間違いでは無いですがこの方が良さそうかな
>>この未熟な身をして絶大な信頼を注いでくれる主にこの智謀を捧げようと。  これだと【この未熟な身をして絶大な信頼を注いでくれる主】=一刀にも読めますが、これって前部分は諸葛亮の事ですよね
○この未熟な身に絶大な信頼を注いでくれる主にこの智謀を捧げようと。    未(成)熟な身に絶大な信頼(意味深)を注ぐ(物理)ですね分かります…えっ違う?じゃあ【信頼を寄せてくれる】でどうでしょう

>> 卑しい宦官の孫、漢王朝の流れを汲む桃香様にふさわしいとは思えません」 ついでに言うと四世三公の肥えた豚もふさわしくないしな…そもそも劉備にふさわしい存在なんて一刀以外いないしな!!
>>涼州にて匈奴の侵攻を防ぎ、官吏の汚濁を断ち切る刃。  でもその家の御当主様賤しい肉屋の倅とずぶずぶに繋がってますぜ?
考えてみたら二郎ちゃんも袁紹と袁術の二人の主持ちか…でも次郎って美羽のお兄ちゃんかお父さんみたいなポジションだしなあ
507 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/03(日) 09:52:15.35 ID:q9fOZtfy0
おつー
ピンクの蝗が、次の標的に馬家をロックオンですね
508 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/02/04(月) 21:32:47.17 ID:enLvEem50
fate映画見て、もりもり元気になりました。
くうくうおなかが減りました
くすくすわらってごーごー

ほんと課金してよかった


>>503
>おめーらそんなに賢いのになーんでさ、とも思うけれどそこは儒教純粋培養故致し方なしですわな
頭の良さとあれこれは別ですので
巡り合わせがよくなかったのかなあという、三連敗があれじゃなかったらとかあれこれ

>>504
どもです。

>なんか色々面倒だしはおー様はとっとと
難しいとこですよねえ
未来の罪科は現在において減刑の根拠にならないですからねえ。いや、なったら困るのですが

>>505
赤ペン先生いつもありがとうございますー!

>  グフッ…書いてて自分でダメージが。せめてこいつがトップに立ってなければ3人の桃園の誓いを引き合いに出せたのに…こいつ桃園の誓いをして関羽が劉備に捧げた忠誠を横から掻っ攫ってるからなあ、くそっ
そこですなw

>どう考えても煽ってるよね?というかこ れ は ヒ ド いw酷い…
そう言われると元のほうがいいかもしれませんw
天然煽りとか、素敵やん

> おっまwおまええ!!誰だよ曹操なんて物騒な人物に近づこうと言い出したの
それが聞けたから満足ですw

>考えてみたら二郎ちゃんも袁紹と袁術の二人の主持ちか…でも次郎って美羽のお兄ちゃんかお父さんみたいなポジションだしなあ
ここ大事っすw

実際、赤ペン先生のご指摘の反転テストは意図的じゃないですが、やらねばならないところだと思ってます。
まあ、凡将伝のコンセプトはそこではないですけど、巻き込まれて幾星霜的な。

>>507
そういうことですw
また、食いでがあるんだよなあw
509 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/02/04(月) 21:34:17.15 ID:enLvEem50
それは闇の底のさらに底。日の光が差すこともない一室である。
そこには蜘蛛の巣すら張る余地なく、闇のみが漂う。

「張られた蜘蛛の巣は今や張りぼて、と。こうして私がここにいるのがその証左ね。
 そう考えると袁家の威光、遥か遠く虚しいかもしれないわね」

くすくす、と麗人は笑う、嗤う、哂う。

「李儒よ、お主の言うことは分かるのじゃがな。いかにも時期が悪いと思うでおじゃるよ。
 麻呂の高貴たる呼びかけには、それはそれは従う官吏、武将が列をなすであろうぞ。
 じゃがの、このたびは時期尚早でおじゃる」

袁胤は上品に笑いながら李儒の持ち込んだ案を差し戻す。いや、中身に目も通さずに遠ざける。
冗談ではない。拾ったこの身、命。無駄にしてなるものか、と。

「のう、此度の蜂起案とやら、じゃがの。
どう思う?許攸よ」

艱難辛苦を共にした腹心に問う。

「そうですなあ。袁術様を手中にというのはウチらが検討した目的そのもの。これはですやろ。
 やけど……。今この時期に蜂起するのは正直言って、阿呆(アホ)のすることやと思いますわ。
 今は力を蓄える時期ですやろ。
 ありえへんですわ。今蜂起するなんて、な」

やれやれ、と全身で否定する許攸の仕草を見て袁胤は笑う。

「ほ、ほ。どうやらお主の雇い主も切羽詰まってきたようでおじゃるな?
 まあ、麻呂には関係ないことでおじゃる。精々足掻けばいいでおじゃるよ」

ほ、ほ、と上品に笑う袁胤。李儒はそれでも揺るぎなく。
その態度にちり、と袁胤の本能が警戒を呼び掛ける。これでも袁胤は権謀術数の巣窟を軽やかに歩いてきたのだ。だからこそ李儒の余裕に違和感以上の不穏を嗅ぎ取る。
表情を司る筋肉の一筋すら震わせることなく更に袁胤は笑う。笑い続ける。
その笑みに同調して李儒も笑い出す。心底可笑しげに笑う。それがいっそ不気味である。不吉である。

「七千、準備したわ」

苦労したのよ?と哂う李儒にさしもの袁胤も青ざめる。
即座に問うたのに李儒は笑みを深める。

「許攸よ、如南の守りはいかほどじゃったか」

秀麗な貌を白くしながら許攸は小さく応える。千、と。

「あらあら、高貴なお方が取り乱してはいけませんわね?
 まあ、私にはどうでもいいことですけどねえ!」

獰猛な笑い声を阻むものはいない。いやしないのである。げらげらと、心底愉快そうに笑う李儒の嬌声を切り捨て、袁胤は腹を括(くく)る。

「……是非もなし、じゃな。麻呂が立つ。それしか……なかろうよ」
「そんな、袁胤様!」

きっぱりとした口調で呟く主に、許攸はすがりつく。勝ち目などないと。後がないと、無謀だと。

510 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/02/04(月) 21:34:43.67 ID:enLvEem50
「ほ、ほ。美羽の身柄さえ抑えればどうとでもなる。それは変わらんのじゃ。
 孫家などと言う要素を排除した今こそ好機かもしれんの。
 いやさ、美羽の身柄さえあればどうとでもなるのでおじゃる」

その目がある以上、下衆に賽を振らせることはできぬ。万が一にもできぬのだ。
その思いを察して許攸も覚悟を決める。自分たちが立たなくとも李儒の手の者が乱を起こす事象に変わりはないのであろう。
であるならば、目の前の下衆の雇用主である十常侍どもに袁家の未来を委ねることなぞできようはずもない。
ぎり、と歯を食いしばりながらに許攸は笑みを浮かべる。裂けよとばかりにその口元は三日月を描く。

「あい。仰せのとおりです。最初の一手が決まればわが身の春が来ますなあ。
 もとより咲くことのないはずだったこのわが身。精々派手に咲き乱れてやろうやないですか」

愉快、愉快とばかりに艶然と許攸が微笑む。笑う。その目元には紅い雫。

「ええよ、ええよ。あんたらの思うままに動いてやろやないか。
 けど、うちかて意地があるさかいな。やりたいようにやらせてもらうで」

「ええ、結構よ。失望させないで欲しいわね。楽しみにしてるわ」

立ち去る李儒に向かい、許攸はありったけの塩を投げつける。
それを傍目に袁胤は呟く。

「まあ、確かに美羽の守りが甘いのは確かでおじゃる。
 紀霊よ、袁家を託したこの身でおじゃるが……、容赦はせんぞ?」

ほ、ほ。と雅に笑う袁胤。知略を巡らす許攸。

「さてもさても。かくもあはれなるこの身、武家の身として本懐である」

ほ、ほ、と雅に笑い袁胤は軟禁されていた屋敷より姿を消す。
如南に向かい兵が押し寄せてくる数日前のことであった。

◆◆◆
511 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/02/04(月) 21:35:11.54 ID:enLvEem50

黄巾軍実に二万と数千。
これを殲滅すれば如南周辺から叛徒どもはほぼほぼ駆逐されるはずである。

一網打尽。

数百から数千の集団で散らばっていた黄巾賊を巧みに誘導し、一つの集団とした風の手腕には戦慄を覚える。正直何がどうやってこうなったか分からんのよね。いやほんと。なんか星と色々打ち合わせてて、色々やってたみたいだけんども。
俺と流琉は本陣に陣取り、風がその補佐。騎兵は星が率い、歩兵は雷薄が掌握。陳蘭が長弓兵を従え、ある意味切り札の真桜は今回はお休みだ。

二万が十万でも負ける気がしない布陣である。
ぶっちゃけ俺は何もせんでいいしな!

などと勝った!第十部完!みたいに暢気に構えていた俺に急報がもたらされる。

「し、使者がいらっしゃって、先触れもなく、待たせようとしたのですが、その……!
 ああ!」

取次の武官が何やら錯乱している。
ざわめきがここまで伝わってくるな、と思うより早く馬蹄の音が響く。
無論ここまで馬を走らせるなど無礼極まりない。俺が口を開こうとする前に、どさり、と馬が泡を吹いて倒れる。
辛うじてその転倒に巻き込まれずにいた馬上の人物こそ褒めるべきか。

よろ、と立ち上がった麗人は埃にまみれてはいたが見誤ることはない。
張家当主、七乃だ。なるほど、彼女を制止できるほど権限を持ってるのは陣中では俺くらいか。というか、紀家の陣中をどうやって突破したのとか色々とツッコミどころはあるなどと半ば現実逃避しながら思う。彼女がこんな有様になるなど、いい報せであるはずはない。

横から差し出された水に見向きもせずに七乃は叫ぶ。
いつもの艶を含んだ美声ではない。渇きにひび割れたしゃがれ声だ。その声が不吉さをいや増す。
そして、その報せは最悪。

「袁胤、叛す。如南、危うし。賊は七千余。至急、美羽さ、ま……を……」

そこまで言って七乃は倒れ込む。
大地に伏す前に辛うじて抱きかかえ、事態を理解し。叫ぶ。この場での最適解はこれぞとばかりに。

「星!」

「は!ここに!」

「騎兵五百で救援に向かえ!何をやっても構わん!美羽様を!」

「承知!」

余計な言葉など何一つ発せず星は駆け出す。
機動力を考えれば騎兵の最精鋭のみで先行させるしかない。
ここから如南までは五日ほどか!
ええい、こっからどうしようと前後になるが呼ぶ。

「風!」
「はいはい、ここにおりますよ〜」

のほほんと俺の軍師が応える。その笑みに、いくらか頭が冷える。ここで俺が激昂してもなにもいいことはない。ぴしゃり、と頬を打ち、立ち上がる。

「速攻(ソッコー)だ。目前の黄巾を最速で瓦解させるように策を頼む」

これまでは基本的に殲滅を主眼に置いておいた。が、今回はそれどころじゃない。
時間は璧玉よりも貴重なのだ。

「では、早速参りましょう。
 黄巾を打ち崩した後は如南へ取って返します。それでよいですね?」
「おうよ。頼むわ!」

短期決戦、出し惜しみはなしだ!

「界王拳(トランザム)!」

ここぞとばかりに三尖刀を発動し、指揮官先頭で黄巾に突撃する。

「そこを!どけえええええええええ!」

512 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/02/04(月) 21:35:38.31 ID:enLvEem50
◆◆◆


袁胤、叛す。
七千の兵で如南に迫る。

その報(しら)せがもたらされた時の如南は、控え目に言って恐慌(パニック)状態であった。
武官も文官も右往左往の見本市である。
だが無理もない。寄せ手が城塞都市に押し寄せたなど、匈奴戦役で南皮が最前線になった時以来のことである。

その混乱の波の中で袁術は自失していた。
通常業務すら満足に理解できてはいない修行中の身である。
それでも、部下たちの縋(すが)るような視線は彼女を射抜く。

(ど、どうすればいいのじゃ……)

ぷるぷると震える膝が崩れていないのはいっそ賞賛ものであるであろう。
袁術の周りには頼りにする将帥なぞは誰一人いない。

じわ、と双眸に涙がにじむ予感。ああ、自分はどうしたらいいのか。大好きな姉ならどうするか。ここにいたならばどうしていたろうか。

「しゃきっとしなさいな、美羽さん。貴女が縮こまっていては勝てる戦も勝てませんわよ?」

は、と振り向くが勿論声の主はいない。

(ほら、美羽さん、いけませんわよ。袁家直系たるもの、いついかなる時も余裕をもって優雅たれ)

その声に袁術は、き、と前方を睨んでふんぞり返る。傲然と口を開く。

「なんじゃなんじゃ情けないのう。それでもそちらは袁家の譜代かや?うろたえるでないわ」

袁術の声にぴたり、と部下たちは動きを止めて注目してくる。
といって別に袁術に腹案があるわけでもない。さて、どうしたものか。

(とりあえず現状把握ですかね。情報を制する者は戦を制するって二郎様もおっしゃってましたよ?)

いつも、いつだって自分の側にいてくれて、自分の味方であってくれた少女の声が響く。

「で、実際どうなっておるのじゃ。きちんと報告せい」

その声に慌てたように、ようやく現状の報告がもたらされる。

「袁胤殿、謀反!その兵は七千!此方は千にてございます!」

……確か攻め手には三倍の兵力が必要であったか。顔家の当主の言葉を思い出して暗澹(あんたん)たる気持ちになる。そういえば顔家の当主は籠城についても更に言及していたか。無駄に胸部装甲が厚いだけに防御には説得力があったものである。

(まあ、基本的に籠城戦は詰んでますからね。でも、援軍が見込まれたら話は別ですよ?堪えればそれが勝ちに繋がりますから。まずは希望を示して士気向上は初手必須、かなあ?)

「皆の者、恐れるでないぞ。二郎が、七乃が、麗羽姉さまが妾(わらわ)を見捨てるはずがないじゃろ。
 時間は妾(わらわ)達にとって味方なのじゃ」

で、どうしたらいいのだろう。自分は何をすべきか、何ができるか。指示を待つ部下たちの視線が突き刺さる。それに対する応えは、あの青年がいつも言っていたこと。

(や、餅は餅屋。部下の最善を引き出すことがお役目。だから言えばいいんですよ)

「うむ、そなたらの職責を果たすがよいぞ。袁家配下たるそなたらをわらわは信じておる。
 そなたらの職責を、果たすがよい」

ぱ、と部下たちの目に光が灯るのを見て袁術は安堵の息をこっそりと漏らす。
そして思う。自分はけして一人ではないのだと。
いつも、いつだって皆は自分にあれこれと話しかけてくれていた。
だからこんなにも何をすべきかという問いに答えてくれる。教えてくれる。

では、自分はどういう命を下すべきか。
やはり戦となれば彼女の言こそ頼りになるのだ。曇りのない笑顔。空色の髪を無造作に散らした文家当主。彼女が幾度も言っていたことを袁術は口にする。
(戦となったらやっぱこれしかないっしょ!言ったれえ!)

「腹が減っては戦はできぬ!」

袁胤の乱、或いは如南防衛戦と言われる戦の。幕開けであった。
513 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/02/04(月) 21:36:39.83 ID:enLvEem50
本日ここまですー感想とかくだしあー

題名はあれかな、袁胤の乱かな?

防衛戦はまだだからなあ
なんかええ感じのやつ、オナシャス

オナシャス
514 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/04(月) 22:50:32.51 ID:SbmC0zyyo
乙です

あー、ここほんと、袁胤さんの意地というか、敵役なんだけど袁家そのものへの思いみたいなのが見えて好きなんですよ
そして美羽様の覚醒イベント。やー、こういう色んな人の想いが集まる感じの覚醒イベント大好物です

ということで題案は
『幼き女王蜂の目覚め』
あたりで
美羽様は色んな人から金言というローヤルゼリー貰ってますからね、そりゃあ立派な女王蜂になることでしょう
515 :赤ペン [sage saga]:2019/02/05(火) 12:02:47.58 ID:rhs45Qk90
乙でしたー
>>509
>> 麻呂の高貴たる呼びかけには、それはそれは従う官吏、武将が列をなすであろうぞ。 ちょっと違和感
○ 麻呂の高貴なる呼びかけには、それはそれは従う官吏、武将が列をなすであろうぞ。 或いは【高貴たる麻呂の呼びかけ】かな?麻呂自身が高貴だしこっちの方がいいか?
>>「そうですなあ。袁術様を手中にというのはウチらが検討した目的そのもの。これはですやろ。   文字が抜けてるっポイ?
○「そうですなあ。袁術様を手中にというのはウチらが検討した目的そのもの。これはええですやろ。 それとも【イイですやろ】とか?言葉遣いとしてはどっちだろ
>>その笑みに同調して李儒も笑い出す。心底可笑しげに笑う。それがいっそ不気味である。不吉である。  ううむ、これが先に出てればいいんですが既に袁胤さん不気味さに感づいてるし
○その笑みに同調して李儒も笑い出す。心底可笑しげに笑う。それがいっそう不気味である。不吉である。 の方がいいと思います
>>510
>>ぎり、と歯を食いしばりながらに許攸は笑みを浮かべる。裂けよとばかりにその口元は三日月を描く。 そういや彼女はAA付けると誰だったっけ
○ぎり、と歯を食いしばりながらも許攸は笑みを浮かべる。裂けよとばかりにその口元は三日月を描く。 接続詞とか間違いと言い切れないから難しい
>>立ち去る李儒に向かい、許攸はありったけの塩を投げつける。 塩を投げるのって日本固有のなんだよなあ…中国式?知らん
○立ち去った李儒に向かい、許攸は湯呑を投げつける。 とりあえず、まさか比喩で無しに背中に投げたわけじゃないよね?と、客に茶の一杯も出さないとは名門袁家として考えにくいので…それを割ることでお前とは一緒に茶も飲めん、的な意味になる…といいなあ
>>511
>>正直何がどうやってこうなったか分からんのよね。 【何が】だとそりゃ《風が》でしょう、ということで
○正直何をどうやってこうなったか分からんのよね。 の方がいいと思います、それとも【風がどうやってこうしたのか】なのかな?
>>などと勝った!第十部完!みたいに暢気に構えていた俺に急報がもたらされる。 それ勝ってないフラグやんwww知っててパインサラダの準備させるようなものやぞ
○などと来た、見た、勝った!みたいに暢気に構えていた俺に急報がもたらされる。 それを分かってない人が「やったか!?」とか「これほどの威力、一たまりもあるまい」とか言うならともかく二郎ちゃんが自分から変なフラグを立てちゃいかんでしょ
>>というか、紀家の陣中をどうやって突破したのとか色々とツッコミどころはあるなどと半ば現実逃避しながら思う。 これだと二郎の思考が【ツッコミどころはある】などとでぶつ切り感が出るので
○というか、紀家の陣中をどうやって突破したのとか色々とツッコミどころはあるな、などと半ば現実逃避しながら思う。 の方がいいと思います
>>ええい、こっからどうしようと前後になるが呼ぶ。  【前後】…前になることは無いような
○ええい、こっからどうしようと後手になるが呼ぶ。  こんな感じかなあ?それとも【後手に回る】とか?
>>短期決戦、出し惜しみはなしだ!  間違いでは無いですよ
○短期決戦、出し惜しみは無しだ!  一瞬《話だ!》と読み違えちゃったので(笑)
>>512
>>ぷるぷると震える膝が崩れていないのはいっそ賞賛ものであるであろう。  読み違えたわけではないですが
○ぷるぷると震える膝が崩れていないのはいっそ称賛物であるであろう。   今までずっと隣にいた七乃がいないのにこれはマジで称賛だわ
>>袁術の周りには頼りにする将帥なぞは誰一人いない。  これだとそもそもが《人はいるけど【頼りになる将帥】はいない》…原作公孫賛状態のような
○袁術の周りには今現在、頼りにする将帥なぞはいない。 本当なら紀霊配下とかその他綺羅星がいるけどタイミングが悪い、という状況なのでこれでどうでしょう?
>>じわ、と双眸に涙がにじむ予感。 これは滲んでるのか?でも予感するならむしろ零れるとか溢れるとか
○じわ、と双眸に涙がにじむ感覚。 実際ににじんだならこう、【双眸から涙が溢れる予感。】目尻から溢れそうならこう、【双眸から涙が零れる予感。】まだ潤んでる程度ならこうかな?
>>(ほら、美羽さん、いけませんわよ。袁家直系たるもの、いついかなる時も余裕をもって優雅たれ)  そんなこと言ってると弟子に対して節穴だったり心の贅肉が付きすぎてたり文明の利器に対して謎の破壊活動しちゃうぞ
○(ほら、美羽さん、いけませんわよ。袁家直系たるもの、いついかなる時も雄々しく!華麗に!優雅に! ですわよ)  上の方で紀霊に発破かけてた時の台詞を引用してみたり
>> 「うむ、そなたらの職責を果たすがよいぞ。袁家配下たるそなたらをわらわは信じておる。  ここは大事なことだから2回言ったのか?でもそれなら
>> そなたらの職責を、果たすがよい」                          【信じておる】の方が大事なことのような気もするし
○ 「袁家配下たるそなたらをわらわは信じておる。うむ、そなたらの職責を果たすがよいぞ。  こんな感じでどうでしょう?
○ さすれば、道は拓けよう」                              もしくは【恐れる物は何もない】とか?どう言うのが良いかな

というかこれ李儒が用立てした兵士たちは何を思って戦うんだろ?黄巾が目障りなのにほっぽり出して袁家の内ゲバに助力して…いや、破落戸の寄せ集めの可能性もあるか?そもそも現状で7000を守備として使ってるならともかく遊ばせておくとは思えんしな(朱儁への厚い信頼
金を貰って約7倍の兵力で煌びやかな如南を略奪できると唆せば…ふむ、少なくとも職業軍人が7000人も朱儁の目を欺けると言うよりは説得力があるか
逆に袁家と最悪の殺し合いをしたいと言う事で嬉々として朱儁が許しそうなアレはあるけどその場合本人が来ないわけがないしな
如南が黄巾に占拠されたことにして…麻呂が大将だしこれなら禁軍を貸し出す理由づけになるか?後ろの政治関係のごたごたは彼は興味なさそうだし
それにしても名門が名門してるぜ…実際麻呂が治めても悪政を布きそうな感じは無いからなかなかヘイトを向けづらい、まあこの状況だと十常侍の紐付きになるからあれだけど
516 :赤ペン [sage saga]:2019/02/05(火) 12:39:59.18 ID:rhs45Qk90
おっと説明不足
>>ぷるぷると震える膝が崩れていないのはいっそ賞賛ものであるであろう。  【賞賛】は《褒賞》とか言う様に物を与えて褒めるモノ、物質的な褒美が付きます
○ぷるぷると震える膝が崩れていないのはいっそ称賛物であるであろう。  対して【称賛】は《呼称》とかの感じで褒め称えるモノ、精神的な意味ですね

確かにタイミングとしては攻め時…七乃が後手に回るとは、これはもう李儒をホメるしかねーな。よく出し抜いたわ
517 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/02/06(水) 22:00:35.99 ID:nQwr/Q0e0
鬱憤というもの
それは原典であり原点なのです

>>514
>あー、ここほんと、袁胤さんの意地というか、敵役なんだけど袁家そのものへの思いみたいなのが見えて好きなんですよ
ありがとうございますー
二郎ちゃんもかなーりリスペクトしてるんですよ、袁胤様のこと
そして必要悪であり、もうね。
そうだからこそ、です。

>そして美羽様の覚醒イベント。やー、こういう色んな人の想いが集まる感じの覚醒イベント大好物です
ありがとうございますー
うへっへ。うへへ。

>『幼き女王蜂の目覚め』
ちょ、待てよ!
どうしたらこういうの浮かぶの?

>美羽様は色んな人から金言というローヤルゼリー貰ってますからね、そりゃあ立派な女王蜂になることでしょう
この発想はそういうとこやぞ
あばばばばばば


>>515
赤ペン先生いつもありがとうございますー!

>そういや彼女はAA付けると誰だったっけ
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   レ:/ ,.'::::::,::::::,:,':'::::::,':::::::::::::::i''   /        ヽヒ二‐-  ,'
  ,.':,イ./::::::::,::::::,',',:::::::,:::::::::::::::::| /        ,.‐'´  `丶. ,'
. /::/ハ!:::::::::,:::::,:,':,:::::::,::::::::::::::::::l'´          /         ∨
許攸:天ヶ崎千草(魔法先生ネギま!)

です。
俯瞰者さんとこに修行に出してますが、間に合わなかったね。
きっと余生にて奮闘してくれるでしょう。

>それ勝ってないフラグやんwww知っててパインサラダの準備させるようなものやぞ
まあ、そこはね。

>というかこれ李儒が用立てした兵士たちは何を思って戦うんだろ?
いや、思うとこなぞないでしょう
タイミング的に、黄巾討伐を口実に兵力を動かすことができる今のタイミングというのが主眼です

>確かにタイミングとしては攻め時…七乃が後手に回るとは、これはもう李儒をホメるしかねーな。よく出し抜いたわ
これ。
謀略は仕掛ける方が有利とは言いますが、にえ。

偶然ですよ?



518 :赤ペン [sage saga]:2019/02/07(木) 13:55:23.88 ID:6JES97zo0
えーと…阿蘇阿蘇の影響もあって怨将軍と袁家ってかなり知名度高いと思うんですよ
それこそ戦国時代の上杉謙信とか武田信玄くらいに、そいつらの治めてる土地を占領した黄巾(一向宗)とか凄い怖いんじゃないかなあ、と
それとも袁家(武田or上杉)に喧嘩を売りに行くと言って集めたのか…これ逆に袁胤が旗頭にならなかったらどうしようもなかったんじゃ?
ぶっちゃけ袁紹がいる以上客観的に見れば袁術は切り捨てる事が出来る存在、とは言え四世三公の袁家の治める土地を官軍が侵略するとか国体崩壊待った無し
と考えるとこの7000はやっぱりならず者の寄せ集め?準黄巾めいた奴ら…いや、それだと袁家と不倶戴天の黒山賊に最初に声がかかるはず
禁軍が袁家の治める土地に攻め入る建前としてやりやすいのは黄巾に襲われた、とかだけどそれだと人の口に戸は立てられぬ、で普通に顔良の耳に入りそうだし
…まあいいや、あんまり考えても大して重要な部分じゃないしふわっとしとこうふわっと。李儒が自由にできる軍人が7000人禁軍にいたってことで
519 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/02/13(水) 21:09:57.34 ID:R4xcUrh/0
>>518
大将軍という武力に対抗するための虎の子の私兵であったということでひとつ。
んで、ここで全力は正しいが、その後に影響あってあれがああなるっていうことという感じです。
兵を動かすのは黄巾討伐で色々やれるタイミングですので。

中央から馬騰さんとか朱儁がいなくなったからこそ打てる手でもあります。
520 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/02/13(水) 21:10:34.49 ID:R4xcUrh/0
「ほらほら、どんどんもってくのー」

于禁は着飾ったままで大鍋から雑炊を器に注ぐ。米、麦、芋に加え、肉、野菜など。具のみっしりとしたそれには濃いめの塩味もついており、戦う男たちの栄養源としては最上のもの。
同様に雑炊を器に注ぎ、笑顔で戦う男に手渡すのは美姫たち。
絵姿そのままに着飾りながらも、額に汗を浮かべて男たちを激励する。
これこそが于禁渾身の作品でもある。普段手の届かない美姫たち。更にその美姫たちが手ずから配膳をすら。

いつだって、戦う男の背中を押すのは女の役割なのだ。

女たちも必死である。
男は殺され、女は犯される。
それが庶民にとっての、戦というものの真実である。
それを理解している女たちは本心から、男たちを鼓舞し、煽る。そして、連れ添う。
いくつもの空約束が交わされる。

于禁はその流れを練り上げ、盛り上げ、維持する。士気こそ防衛の要であると彼女は本能的に知っているのだ。
矢継ぎ早に指示を飛ばし、その結果守備兵は餓えることはない。それに果たした貢献は大きいものである。

そして彼女の強運は、ひたすらに鍋を振るう男がいたことだろう。
飲食店の店主であるという彼は、大人数に供する食事の差配をこなしていく。こなした。
手ずから大鍋をいくつも指揮下に収め、遺漏なく食事を作り上げ、配膳の指揮までこなす。旺盛な兵達の食欲を満たし続けて、于禁と交わした時に漏らした言葉。

「これが俺の戦いだから」

彼の名は史書にも記されておらず、于禁が僅かに言及しているのみである。

◆◆◆

521 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/02/13(水) 21:11:00.84 ID:R4xcUrh/0
「うむ、そちの武勇、見事。
 妾の真名を許すぞ。以降、美羽と呼ぶことを許す」

傲然と。
袁術は這いつくばように恐縮している兵士に告げる。彼こそは昨日の英雄。そしてその褒美として名門袁家の直系である袁術から真名を許された。その栄誉は三世まで響き渡るであろう。
そして兵士は感激に身を振るわせ、双眸から溢れる涙を隠そうとはしない。兵卒の身分で袁家直系の袁術から真名を許されるなど、これほどの栄誉があろうか。いや、ないであろう。

「ほれ、さっさとその身を尽くすがよいぞ。わらわが命じる。如南を守るのじゃ」

感極まって、幾条も滂沱。
そして。職責を果たしに行くのだ。

◆◆◆

ぴょこ、と座から立ち上がり袁術は悠然と歩き出す。

「前線を鼓舞する。ついて参れ!」

とてとて、と歩く袁術に侍女たちは付き従う。彼女が征くは最前線。如南の防衛線。
それがどうしたとばかりに悠然と歩みを進める。
そして付き従う侍女は、矢玉が飛んで来ればその身を盾とする。更に賊が迫れば誅滅すべく付き従う。なんとなれば彼女らは袁家の譜代。その幹部候補生たちである。紀霊の発案による人材交流。その一環としての配置であった。いずれは袁家を背負う彼女らを若い内に交流させるという目論見である。
一足飛びに実戦があるとは誰も予想していなかったであろうが。
そして袁術である。彼女の小さなその身で背負うもの。それを知っているから、侍女たちは無言で付き従う。

煌びやかに着飾った袁術は、ついに城壁へと到達する。
矢玉の飛び交う最前線を悠然と歩き、兵を鼓舞する。まさかこのような最前線まで総大将が来るとは。その異常事態に将は混乱し、兵は沸き立つ。
奮戦する兵卒に、惜しげもなく身に着けている装飾品を褒美として下賜する。そして城壁より賊軍を見下ろすことすらするのである。
なんとも剛毅なことよ、と圧倒的な兵の差を忘れ指揮官たちは奮戦する。最前線まで来てくれた彼女に恥はかかせられない、とも。

袁術にとって幸運であったのは、義勇兵の存在であろう。
といって、同時代に存在した……例えば劉備が運用したそれとは全く意味が違う。城塞都市内部の民がその、自分たちの住む都市を守るために組織された存在である。
そして更に袁術にとって幸いであったのは、かつて袁家において兵役を経ていた民が相当数いたことである。

◆◆◆
522 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/02/13(水) 21:11:42.48 ID:R4xcUrh/0

ぐったり、とばかりに袁術は寝台に身を横たえる。
……如南防衛はこの上なく順調に推移している。

如南に好景気をもたらした袁家は既に熱い支持を得ており、民草はこぞって戦線に加わろうとすらしている。
もっとも、素人の面倒を見るほどに余裕のない軍部はそれをいなすのに必死ですらある。
使い物になる、兵役経験者は既に実戦に投入され、大いに活躍している。

それでも、今にも城壁を乗り越えて襲いかかってくるかもしれぬ敵軍。
初めての実戦が死戦。その精神を試される防衛戦。
自分にできることはした。そのはずである。
袁術は眠りという安寧に身を委ねる寸前まで問いかける。

「じろう、じろうよ。わらわはどうしたらいいのじゃ……。
 わらわとて、母様のように前線に身を晒しておるぞえ。
 母様のように弓を引けないのがいかんのかや……。それとも、それでも立たねばならんのかのう。
 じろう……、七乃……。
 麗羽姉さま……」

べそ、べそと嗚咽が室に響き、やがて寝息は穏やかに。

そして無慈悲な夜が明け、いつも通りの面子が控える。
部下の言上は彼女にはよくわからない。理解などできない。
で、あるからこそ前線で体を張る兵たちを慰撫するのである。

「うむ、苦しゅうない。
 よきにはからえ」

袁家の誇る官僚団。それが抱える危機時における対応手順に伴い防衛戦は続いている。
彼我の兵力差を考えればありえないほどの奮闘である。
だが、それでも限界が見えてくる。見えてしまう。

袁術は腹を括る。

なんとかこの身一つで収めるしかあるまいと。
それこそが袁家直系たるわが身の役割であろうと。

523 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/02/13(水) 21:12:10.13 ID:R4xcUrh/0
◆◆◆

如南。

とりたてて特徴のない都市である。
度重なる天災によりその城壁は綻びすら目立っていた。
母流龍九商会が本格的に手を入れる前にことを起こせたのはよかったのかもしれない。
そんなことを思いながら、袁胤はじり、と戦況を見やる。

兵力的にも圧倒的に優勢。
で、あるのに。

「ふむ、中々に粘るのう……」

ほ、ほ。優雅に笑みを浮かべながらも。ちり、と焦りが胸に兆す。
あのような薄い城壁、門扉がなぜ落ちない、と。
既に攻め寄せてから三日が過ぎている。その日の内にも落とせると見込んでいたのだが。

「李儒め、どうせならば櫓車か衝車くらいは用意しておけというものよ……」

……そんな金のかかるものを常備しているのは袁家くらいのもの。
で、あるからこそ本来の手勢をもって蜂起したかったのだ。
いかに十常侍の秘蔵の兵力とは言え、袁家の精鋭と比べれば数段落ちるのだ。むしろ、それを十全以上に率い、優位のままに維持する袁胤こそ賞賛されるべきであろう。

「ちい、堅いのう。顔家の小娘の入れ知恵じゃな。
 余計なことをしてくれておるわ」

「はい、あっこまでの粘り。いいえ。あれこれの小細工。顔家の手管ですなあ。
 実にうっとおしいですわ」

許攸は舌打ちしながら忌々しそうに応える。本来遊軍たる紀家軍の手の者に防衛戦の知見(ノウハウ)はない。

それでも、時間の問題であろう。
解せぬほどに激しい抵抗とて、数の暴力、心身の疲労には敵わない。

城門に丸太を束ねた即席の破壊槌が打ち付けられ、大きくひびが入る。
させるまじと矢の雨が降り注ぐが、時を同じくして幾度目かの城壁への侵入を果たした寄せ手が暴れまわる。

「勝った、のう……」

もう一押しで落ちる。そう確信し袁胤は緩める。

どよ、と如南からざわめきが聞こえる。いよいよ陥落するにあたり、此方になびく兵でも出たか。
そうだとすれば実に興醒めであるのだが。

「雅ではおじゃらんのう……」

独白は戦場の喧噪にかき消され、誰の耳にも届かなかった。

524 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/02/13(水) 21:15:13.67 ID:R4xcUrh/0
◆◆◆

いよいよか、と袁術は覚悟を決める。
袁胤の目的はこの自分の身柄なのだ。ならばこの身一つで配下達の命を購うべし。
三日三晩の猛攻を、この瞬間も耐えている配下達には感謝の言葉もない。
矢玉をはじめとする物資はふんだんにあるが、如何せん人手が足りない。あちこちに梯子が架けられ、城壁への侵入も一度や二度ではない。

もう一刻もすれば城門も破られてしまうだろう。
だが、その時まではけして諦めない。上に立つ者が諦めたら一気に士気は崩壊するのだ。
今なら分かる。何故袁家総大将であった母が、その身を最前線に置いて戦ったか。

「弓を持て!妾(わらわ)自ら逆賊を誅してくれようぞ!」

周囲の制止も聞かず、城壁を目指す。
阿鼻叫喚が、剣戟が。矢の唸りが響く戦場に身震いしながらも歩みを止めず、城壁にその身を晒す。
侍女たちはその身を盾とし主を守り通す覚悟。

その幼い姿を晒す袁術に疲弊していた兵たちは再び死力を振るい、矢を放ち、敵兵に槍を向ける。

僅かに盛り返したが、大勢(たいせい)に影響はない。前線に身を置いたとして特に策があるという訳でもない。
破れかぶれでもある。兵たちをより酷使しているだけである。稼いだ時間とてほんの僅か。

だが、その僅かな時間は無駄にならなかったのである。

物見の兵が声を上げる。いや、それは叫びと言ってもいい。これを知らしめなければという使命感すら帯びて喉も裂けよとばかりに。

「お味方、到着!お味方!到着!
 ……助かった!助かったぞ!
 助かった!助かったんだ!」

そして戦いは新たな局面を迎えることになる。
525 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/02/13(水) 21:17:12.80 ID:R4xcUrh/0
本日ここまですー感想とかくだしあー

リアルがちょっと忙しくて(言い訳)
題名はなんだろうなあ

「如南防衛戦」

なんかこう、もうちょっと華やかなものが欲しいですねえ。
美羽様の輝きとかもうちょっとこうね。

よろしくお願いします。ほんと。
526 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/14(木) 01:49:00.81 ID:NFabdbIro
乙です

いやぁなんかもう、感涙ですよね。
美羽様ご立派になられて…と何の目線か分からないけどそんな気持ちが溢れますよこれは。
原作やってると尚更、あの美羽様が、と。

そしてこの于禁ですよ。
一般人のある主当然な原初の欲求というか、男はどんな世でも女のために戦うんですよ、というのが垣間見える感じとか、
それを本能で理解して実行する于禁の才能とか…好き(溜息)


題案はなんでしょうね…いや個人的には『如南防衛戦』でいいとも思うのです。
だって援軍来たらもうこれ防衛って感じじゃなくなりますし、如南防衛って言えるのここが最後な気ががが。
とはいえ選択肢は多い方がいいのでそれっぽい題案は投げさせていただきます。
『如南に黄金の華ぞ立つ』

…ところで美羽様のカラーは黄金でいいんですかねぇ、黄色だとなんかカッコつかないような気がして
527 :赤ペン [sage saga]:2019/02/14(木) 11:32:12.72 ID:Twlpu7wx0
乙でしたー
>>520
>>矢継ぎ早に指示を飛ばし、その結果守備兵は餓えることはない。それに果たした貢献は大きいものである。  間違いとは言い切れないけど違和感が
○矢継ぎ早に指示を飛ばし、その結果守備兵は餓えることはない。それを果たした貢献は大きいものである。  もしくは【それに尽くした】、【それに費やした】とかかな?
>>飲食店の店主であるという彼は、大人数に供する食事の差配をこなしていく。こなした。    ここも私の好みですが
○飲食店の店主であるという彼は、大人数に供する食事の差配をこなしていく。こなしていた。  【こなした。】で締めちゃうと終わった感が出るけど多分まだ頑張ってるよね?
>>521
>>袁術は這いつくばように恐縮している兵士に告げる。彼こそは昨日の英雄。そしてその褒美として名門袁家の直系である袁術から真名を許された。その栄誉は三世まで響き渡るであろう。 三世って孫まで?曾孫まで?どちらにしてもちょっと短い気もします
○袁術は這い蹲うように恐縮している兵士に告げる。彼こそは昨日の英雄。そしてその褒美として名門袁家の直系である袁術から真名を許された。その栄誉は末代まで響き渡るであろう。  ここはでっかく【末代】まででどうでしょう(ちなみに這い蹲るでも這い蹲うでも良いようですが一応こちらの方が正しいらしいです)
>>そして兵士は感激に身を振るわせ、双眸から溢れる涙を隠そうとはしない。 剣を振るように身を振る…高速お辞儀かな?
○そして兵士は感激に身を震わせ、双眸から溢れる涙を隠そうとはしない。  プルプル、とかフルフル、とかブルブル、とかの擬音が付く感じならこちらですね
>>そして城壁より賊軍を見下ろすことすらするのである。     間違いでは無いですが
○そして城壁より賊軍を見下ろすことすらしてのけるのである。  私の好みとしてはこれとか【してみせる(魅せる)】とかも有りかと
>>523
>>むしろ、それを十全以上に率い、優位のままに維持する袁胤こそ賞賛されるべきであろう。 褒賞、と言う様にこれには物品的な褒め方が含まれるので
○むしろ、それを十全以上に率い、優位のままに維持する袁胤こそ称賛されるべきであろう。 名君、とか覇王、とかPCB、とか褒め称えるならこちらですね
>>城門に丸太を束ねた即席の破壊槌が打ち付けられ、大きくひびが入る。 皆!丸太は持ったな!?
○城門に丸太を束ねた即席の破城鎚が打ち付けられ、大きくひびが入る。 いくぞおぉぉ!!…はともかく、破城槌(はじょうつい)ですね
>>させるまじと矢の雨が降り注ぐが、 これでも良いっちゃ良いのか?
○させじと矢の雨が降り注ぐが、   《許すまじ》とか言うし上でもいいのかな…マジ分からん
>>もう一押しで落ちる。そう確信し袁胤は緩める。    頬を緩めたのか兜の緒を緩めたのか口元を緩めたのか
○もう一押しで落ちる、そう確信し袁胤は気を緩める。  まあそれら込みでこれでどうでしょう
>>524
>>前線に身を置いたとして特に策があるという訳でもない。 【置いたとして】だと仮定っぽく聞こえるので
○前線に身を置いたといえ特に策があるという訳でもない。 もしくは【置いたといっても】、【置いたとは言え】、とかどうでしょう

護る為に、落とさぬ為に、溢さぬ為に、必死で戦ってますなあ…それが敵側もなあたり本当に戦争って糞クソくそ
いっそ袁胤が功名心やら虚栄心やらにかられてなら気持ちよく殺して勝って万々歳なのに
原作の兵隊の鎧的に麗羽様黄金で美羽様白銀で、袁胤さんはイメージカラー青銅だっけ?でもここだとわざわざ差別化する意味もないから《袁家》で統一してそうよね
黄金の芽は蕾を付け、唯人は未来を守る…て感じ?空約束量産されたしなwどうでも良いけど何かで見た《未来の為に今を蔑ろにして良い理由なんてない》は良い言葉、それと同じくらい《辛いときは進んでる証拠だと思えばいい》も好き。進んでるんだ、と言わないあたりが好み
真名の使い方が何というかこう…こう言うので良いんだよこういうので。なんか雑に扱ってた虎、お前もせめてちゃんとした場で自分が下だと理解したうえで《お呼び下さい》とか言っとけばまだ二郎ちゃんの評価も上がっただろうに(−でないとは言っていない)
二郎ちゃん?彼は上下関係の時にはしっかりと有効活用してたから(一時的に真名を許す)…ただの二郎として漫遊記してた時は雑だったけど、紀霊としては…ほら、現代日本人の感覚があったから(精一杯の擁護)
528 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/02/14(木) 21:53:19.84 ID:Q9LktQNg0
どもです。
四月からの担当はどうも敗戦処理継続かな。死んだ目をして末期戦を戦うのだー。
まあ、心そこにないからどうでもいいけど、休日出勤は減りそう。減らそう。

>>526
どもです。

>美羽様ご立派になられて…と何の目線か分からないけどそんな気持ちが溢れますよこれは。
わかりみ。

>原作やってると尚更、あの美羽様が、と。
ほんとご立派になられて(ほろり)
無論当初プロットでは成長するなんて全く予定になかった(ガチ)

>そしてこの于禁ですよ。
うむ。

>一般人のある主当然な原初の欲求というか、男はどんな世でも女のために戦うんですよ、というのが垣間見える感じとか、
うむ(二度目)

>それを本能で理解して実行する于禁の才能とか…好き(溜息)
尊いですよ。ほんと。

>題案はなんでしょうね…いや個人的には『如南防衛戦』でいいとも思うのです。
ほむ。
言われてみたら確かに。なるほど。

>…ところで美羽様のカラーは黄金でいいんですかねぇ、黄色だとなんかカッコつかないような気がして
袁家直系は皆金ぴかよ!

>>527
赤ペン先生いつもありがとうございますー!

>ここはでっかく【末代】まででどうでしょう
なるほど。

>名君、とか覇王、とかPCB、とか褒め称えるならこちらですね
CPBかな?

>護る為に、落とさぬ為に、溢さぬ為に、必死で戦ってますなあ…それが敵側もなあたり本当に戦争って糞クソくそ
ありがとうございます!最高の褒め言葉だ!

>いっそ袁胤が功名心やら虚栄心やらにかられてなら気持ちよく殺して勝って万々歳なのに
当初プロットではそんな感じになるはずだったがやはり袁家の直系はカリスマ持ってるし真面目だしなんか、こう、魅力が出るなと

>真名の使い方が何というかこう…こう言うので良いんだよこういうので。
あざます!

>紀霊としては…ほら、現代日本人の感覚があったから(精一杯の擁護)
そうだよ(便乗)

しかしこれ黄巾編、元号変わるまでに終わるのかしら
529 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/15(金) 09:05:09.47 ID:qmTtWZAG0
Peaci Clear Brain? Code Peach Bomb?

Poly Chlorinated Biphenyl(ポリ塩化ビフェニル)…製造、輸入禁止の産廃じゃねーか!?こんなのどう考えても蔑称よww!?
530 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/18(月) 10:17:51.49 ID:zkp26eaU0
史実で袁紹の子供も力を合わせれば曹操を追い返すほどだからな
なお仲違いの結果曹操に助けを求めて…
531 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/02/18(月) 21:45:25.20 ID:KN2O3B+X0
>>529
どもです。

なるほど、わからんw

まあ、一応、CPBさんについても一ノ瀬的にはめっちゃ尊重はしております。
ひたすらディスればええやろというのはない、です。
ディスと感じる方がいるだろうなあとは思いますが。
いつも沖縄さんにごめんね、と言いつつ改めないのはそういうことです。
多分沖縄さんはわかってくれていると思っている。

>>530
どもです。

>史実で袁紹の子供も力を合わせれば曹操を追い返すほどだからな
ザビ家めいてきましたねw

532 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/02/18(月) 21:45:55.34 ID:KN2O3B+X0
旗指物すらなく趙雲は騎馬隊を駆けさせる。もはや問答無用とばかりに慌ててこちらに槍を向けようとする敵を蹂躙する。
愛槍龍牙を振るい、敵兵を屠る。
この上なく後背からの奇襲は上手くいき、敵陣を易々と切り裂く。

……趙雲が五日はかかるであろう道程を、三日とかからず踏破したのには理由がある。

「何をしてもいい」

その主の言葉を遺憾なく実行したのだ、彼女は。
趙雲が率いる騎兵は五百。しかして動員した軍馬は二千。紀家軍の保持する軍馬のすべてを動員していたのだ。
贅沢に替え馬を使用し、ここに至った。
……ちなみに彼女が操るのは烈風である。主君の愛馬さえもをかっさらった彼女の行動力と胆力は、後世に残る逸話になるほどのもの。

更にそれを助けたのは程立である。
彼女は母流龍九商会を動員し、如南への道程にある村落を動かした。いや、買収したのだ。
趙雲率いる騎馬兵には宿を提供し、夜道には篝火で道を示す。騎馬には秣を、兵には糧食を。
日常すべてを買収し、行軍を最大限に援護する。かつて商会で実務を摂った程立だからこそ立案し、実行に移せた荒業である。
実に紀家軍が用立てていた軍資金の半分をも費やしたと言われるその戦い。

「如南大返し」

後世にそう伝わる一戦の一幕である。

533 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/02/18(月) 21:46:23.31 ID:KN2O3B+X0
◆◆◆

後背よりの急襲に袁胤は驚愕する。だがそれでも表情は笑みを浮かべたまま。
想定などしてはいなかったが、こんなものだ。もとより天運なぞこの身にあったためしはない。
だから。だからこそ口角をつり上げる。ほ、ほ、と雅に笑い命を下す。

「後ろ半分の三千で騎兵を迎えるでおじゃ。
 なに、敵は寡兵よ。包み込み、すり潰すがよいであろう」

半分で如南を攻め続け、後ろ半分で援軍を討つ。
指揮系統とこれまでの用兵を無視したその方針に許攸は賛意を示す。用兵の邪道とも言えるそれを、だ。

「……それしかあらしませんわな。寄せ手はどうやら趙子龍。舐めてええ相手やありまへん。あんじょう頼みます。
 うちは一刻も早く如南を落としますよって」

あと一息で落とせそうな如南の守備兵に一息つかせるわけにはいかない。
何より、たったの五百。五百である。それに三千を割くと決めた袁胤の決断こそ英断であろう。
迎撃態勢を整える間に削られるのは五百か、千か。それでも数の暴力がその進撃を止めるであろう。
なれば、さらなる攻勢しかありえない。いつ紀家軍本隊が来るかも分からないのだ。

「ほれ、気張りぃ!あと少しで如南は落ちるのや!」

より苛烈に攻めたてる。
如南の士気は趙雲の出現により高止まりしているが、如何せん兵の疲弊が激しい。ここは力押しの一手のみ。


その様子を見て趙雲は歯噛みをする。
騎兵突撃の勢いそのままに袁胤軍を切り裂いているが、鈍重ながらも守備体制は整いつつある。
黄巾を切り裂いた時とは違い、その陣容は徐々に分厚く、手ごわく。

「ちい!流石に黄巾とは違うか!」

一旦内部から飛び出し、外周をごり、ごりと削るが決定打は与えられない。
むしろ、その彼我の戦力を利用し包み込み殲滅しようとする意図が明け透けに見える。
それを巧みにいなし、絶えず削り取る趙雲。戦力差をものともしないその用兵っぷり、勇敢さに相対する袁胤も感嘆の声を漏らしたと言う。

「なんと、のう。あのような寡兵で渡り合うか。
 趙子龍、全身是肝か」

だが、それは圧倒的優位を確信しているからこその、余裕の言である。
袁胤の陣はあくまで分厚く、趙雲の部隊は如南への道を閉ざされ続けている。

軍配を手に、袁胤はけして無理をしない。あくまで数の優位を前面に相対する。
幾度も趙雲の騎兵が陣を切り裂くが、致命傷には至らない。

「ほ、ほ。健気よのう。仕える主が麻呂であればもっと羽ばたかせてやったのじゃがの」

幾多の犠牲に構わずに陣を整え、いよいよ捕捉せんとす。
にやり、と口を歪めた時、戦場に音響が響く。

咆哮。
人たる身が本能的に委縮するその圧倒的な響き。
白虎の咆哮が戦場に響き渡る。

呼応し、銅鑼が鳴り響く。

「な、なんやて!?」

許攸は驚愕に顔を引きつらせる。

牙門旗が翻る。そこには「孫」と記されていた。

そうして戦場はまた転機を迎えるのであった。

534 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/02/18(月) 21:49:35.58 ID:KN2O3B+X0
本日ここまですー感想とかくだしあー

タイトルは「如南大返し」かなあ

もちっと水増しするかもしれませんがこんなものかな、と

あれ、星ちゃんにあげる馬の名前って決定してましたっけ?
二郎ちゃんのが烈風で、予備が彗星だっけ?それとも瑞雲?
いかんですね。

なにもなかったら瑞雲で進めようそうしよう(白目)
535 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/18(月) 22:36:02.70 ID:mnXiyIcbO
> 如南大返し
「女難大返し」と空目した私は悪くないはず
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