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【ガルパン】エリカ「私は、あなたに救われたから」

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892 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sagesage]:2019/02/23(土) 13:22:57.06 ID:u/zuRrm7O
何なんだよこの勝手な解釈w
893 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/23(土) 18:01:40.69 ID:OC5mAu7o0
え、二次ってそういうもんだろ?
894 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/23(土) 19:06:21.56 ID:Ym2xybmOO
...まあ、そうかもな。悪かったよ。
更新を待とう。そのために集ったんだ。
それは間違いない(キリッ
895 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/02/23(土) 22:00:31.94 ID:mQ6adVH+0





朝の冬空は彩りが薄く、どこか寂しそうに見える。

道を歩く人はそのほとんどが黒森峰へと向かう生徒たちで、私もまたその一人だった。

いつもなら纏ったコートでも防ぎきれない寒さに身を震わせながら歩いているが今日は違った。

寒さなんて気にならないぐらい心が温かく、歩みは淀みない。

けれども、私はどんどんと道を行く生徒たちに抜かされていく。

それは私の歩幅がいつもより狭くなっているから。

そして、そうしている理由はただ一つ。みほを待っているから。


妹は、みほはあの事故以来一度も学校には来ていない。

学生寮の部屋に閉じこもり、誰とも会おうとはしなかった。

無理やり会おうとしたところであの子を傷つけるだけだから、ただ待つ事しか出来ず、そんな状況に歯がゆい思いを感じていた。

そうして何も進まないまま日々が過ぎ、年が明け、もうすぐ黒森峰ではもうすぐ3学期が始まると言った時、突然みほから電話が来た。


『お姉ちゃん、私ね。学校、また行くよ』


その言葉を一瞬理解できず、私は言葉を失ってしまった。

そしてそれが幻聴や聞き間違いでないと理解した途端、私の両目から涙がこぼれだした。


まほ「……そうか、そうか」


声に喜びと泣き声が同居する。

あの事故以来ずっと塞ぎ込んでいたみほがようやく立ち直ってくれたのだと。


『だから、もう部屋に来なくて大丈夫。ちゃんとご飯も食べてるから』


言いたい事はたくさんあったけど言葉に出来ず、私は嗚咽交じりの吐息で返事をした。



そして待ちわびていた新学期の日が来た。

出来る事なら迎えに行ってあげたかったが、みほには断られたし何より自分一人で部屋を出る決意があの子には必要なのかもしれない。

そう思い私はみほの言葉に従って先に通学路を歩いている。


まほ「まだ、か」


先ほどから何度も後ろを振り返っては小さくため息を吐く。

みほの姿はいまだ見えず、その度に胸の中に小さな疑念が生まれてしまう。


みほは、こないんじゃないかと


そう思うたびに頭を振って疑念を散らす。

私があの子を信じないでどうするのだ。

あの子は、自分で決意したんだ。だから、私はあの子を信じる。

そう思いなおしてまた小さな歩幅で歩み始めると、ふと周囲の様子がおかしい事に気づく。


さっきまで通学路に満ちていた生徒たちの和やかなざわめきが小さくなり、代わりに動揺や驚きの混じった囁きが通学路を満たしていく。

先ほどまで前を向いていた生徒たちの視線が後ろを向いていく。
896 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/02/23(土) 22:03:10.49 ID:mQ6adVH+0

どうしたのだろう。

つられて私も振り返る。

先ほどまで通学路いっぱいに広がっていた人波の真ん中が、まるで道のように開けて、その最奥に一つの影があった。


まるで今にも消え去ってしまいそうな真っ白な輪郭。

それが誰なのか気づけなかった。

間近まで来てようやく、その影が私の欲しっている、待ち望んでいた人なのだと気づくことができた。


まほ「みほ……」

「……久しぶりですね」


赤星から聞いてはいたが、実際に見るとみほの変貌ぶりにどうしても言葉を失ってしまう。

あの鈴の音のような可愛らしい声は、掠れ切って低くなり、

あの穏やかで、見ていると和んでしまう栗毛はまるで雪のように、燃え尽きた灰のように真っ白になっていた。


私の動揺を見て取れたのか、みほは真っ白な前髪を少し不思議そうにいじる。


「赤星さんもですけど、流石にこれには驚きますか」

まほ「その、すまない。聞いてはいたんだが実際に見るとな……」

「別に謝らなくてもいいですよ」

まほ「あ、ああ」


ぎこちない私を置いてみほは颯爽と学校へと向かい歩き出す。

私も慌てて追いかけてその隣を並んで歩く。

やはり今のみほの姿は目立つのだろう。周囲の視線がチクチクと刺さるが、そんな事よりも妹との久しぶりの会話の方が大事だ。


まほ「それにしても……本当に良かったよ。赤星も喜ぶ」


あの事故が残した傷は未だ癒えてはいないのだろう。

それはみほだけではなく私も、赤星も、エリカの家族も。事故の関係者の心には未だに傷が残っているのだろう。


「あの子には迷惑かけてばっかでしたから。ちゃんとそのあたりお礼言っておかないと」

まほ「別に赤星はそんなの求めたりしないさ。友達なんだから」


あの子も事故の当事者なのに、心に負った傷はみほと変わりないはずなのに、誰よりもみほの事を心配していた。

乗員が学校を去っても、一人残って戦車道を続ける決心をするのは決して並大抵のことではない。

その姿は、その精神は、かつてエリカが評した『強い人』という言葉を証明していた。

そんな友達が、みほを想ってくれていることに心から安心する。


「そうだ。隊長、今日は練習あるんですか?」

まほ「……一応、始業式の後に練習はあるが。別に、今日は休んでも良いんだぞ」

897 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/02/23(土) 22:04:54.69 ID:mQ6adVH+0


正直、今のみほにはまだ戦車道をさせたくない。

あれだけの事故があって、大切な人を失って、それでもまた立ち直った強さは本物だと思う。

けれど、まだ自分では気づいていない『傷』があるのかもしれない。

見えない傷は、だからこそ厄介だ。

私はもう二度とみほが悲しむ姿を見たくない。あんな、泣き叫ぶ姿を。

それが心配だから、今はまだゆっくりと普通に学生生活を送って欲しい。

しかしみほは何の憂いも心配も無いといった様子で、


「いえ、参加します。ブランクを早く取り戻さないと」


躊躇いなく言い切ったその声に戦車道への忌避感は感じない。

心配も憂いも私の中にあるが、それでもみほが望むのであれば、本人の意思を尊重してあげようと思う。

戦車道をまた始めてくれる事自体はとても嬉しいのだから。


まほ「そうか。でも無理はしないでくれ」

「はい。お気遣いありがとうございます隊長」


その礼儀正しい返事に私は押し黙ってしまう。

声の事も、髪の事ももう気にしてはいないが、みほと会ってからもう一つ気になっていることがあった。


まほ「なぁ、そんなかしこまらなくてくれ。別に今は試合中でも練習中でもないのだから」

「そうはいかないですよ。体面ってものがあるんですから」


確かに以前私の事は隊長と呼ぶように言った事がある。

でもそれは妹だからといって贔屓はしないという事を周りに知らしめるためと、みほ自身にその事を理解してもらうためのやったことだ。

通学路での何気ない家族の会話にまで持ち込んで欲しいとは思わない。

みほもプライベートでは普通にしていたというのにどうしたのだろうか。


まほ「体面……いや、私たちは姉妹なんだからそんなの気にする奴はいないさ。なぁみほ――――」

「隊長」


みほがその歩みを止める。私が振り返ると、みほはまっすぐこちらを見据え、






「私は、逸見エリカです」






898 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/02/23(土) 22:09:01.38 ID:mQ6adVH+0


まほ「……は、ははっ。何を言ってるんだ」

「私は、あなたの妹の西住みほではありません」


冗談というにはあまりにも唐突すぎるその言葉に、私は乾いた笑いしか返せない。

そんな私を、みほは心底心配したような目で見てくる。


「隊長こそどうしたんですか。私をみほなんかと間違えるだなんて」

まほ「冗談にしては、ちょっと悪ふざけがすぎないか?」

「冗談……いえ、私は冗談なんか言ってませんよ」


どうやらみほの冗談はまだ続いているようだ。いくら事故をひきずらないで欲しいと言っても流石にこれはいけない。

私は咳払いをして、少し声のトーンを落とす。あまり責めすぎないように。説教臭くならないようにしないと……


まほ「……みほ、前向きになるのは良い事だ。必要な事だ。だが……エリカを馬鹿にするような真似はやめるんだ」


いくら事故の当事者であろうとも、いくらみほと親しかったとしても、死者を冒涜するような事を許すわけにはいかない。


まほ「お前がエリカの事で辛い思いをしたのは良く知っている。だけど、だからといって冗談でも言っていい事と悪い事があるだろう?」

「私が逸見エリカであることは嘘でもなければ冗談でもないですよ」


まるで悪気のない、後ろめたさを感じないみほの声に少し、本当に少しだけ苛立ちを覚える。

言葉に、棘が生えていくのを実感してしまう。


まほ「……なぁ頼む。はっきりいって不愉快だ」

「そんな……どうしたんですか隊長」


まるで反省する素振りの見えないみほに私はため息をつく。


まほ「どうかしてるのは、お前だろ……みほ、いい加減にしてくれ。辛い事があるならちゃんと話してくれ」

「ですから私はみほじゃなくて」


まだ言うのか。いくらなんでもこれ以上は私も怒ってしまうかもしれない。

ああでもしかし、みほにも何か事情があって……いや、けれどこんな事許されるわけがない。

でもここでみほを叱責したらまたみほが……落ち着いて、冷静になるんだ。


まほ「みほ……やめてくれ」

「隊長こそいい加減にしてください。私は、逸見エリ―――――」

まほ「やめろッ!!!」


突然、弾けるような声が通学路に響き渡る。

先ほどまでのざわめきは吹き飛んで、沈黙が広がっていく。

怒声の張本人である私もまた、自分が突然放った声に驚き、言葉を失っていた。


周囲の視線が私たちを突き刺してくる。


「隊長……?」

まほ「っ……こっちにこいッ」


それに耐えられなくなった私は無理やりみほの手を引き、逃げるように校門をくぐっていった。

899 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/02/23(土) 22:14:37.67 ID:mQ6adVH+0




みほの手を無理やり引き、私は人気の無い体育館裏にやってきた。

いきなり怒鳴られた挙句こんなところに連れてこられたのを不満に思っているのか、みほは怪訝な様子でこちらを見つめている。


「隊長、急にどうしたんですか。始業式始まっちゃいますよ」

まほ「そんなのより、今はお前の事だ」


始業式なんてどうでもいい。

とにかく、今は目の前のエリカを名乗るみほと話さなければならない。

どうして自分がエリカだなんて言いだしたのか。

それをちゃんと聞きだしてやめるよう諭さなければならない。

隊長だとか姉だとかの前に、人として、私はみほと話さなければならない。


私の様子に逃げられないと悟ったのかみほはふっと、息で笑う。


「……やっぱり、いきなりは難しいか」


みほの声が、いや、話し方が、以前のような柔らかく可愛らしい調子になる。

少なくとも、先ほどまでやっていたエリカの真似はやめてくれたようだ。


まほ「いったい、何のつもりなんだ」

「お姉ちゃん、私はね、西住みほはもういないんだよ」


みほの声は嬉しそうで、楽しそうで、それでも私の混乱を取り去ってはくれない。


まほ「……わからない。何を言っているのか全然わからないぞ」

「だからね、あの事故で死んだのはみほなの。で、エリカさんは生きているの」

まほ「頼む……わかる言葉で言ってくれ」


私の懇願にみほは困ったように笑うと、まるで聞き分けのない子供に話すかのように淡々と語り掛けてくる。


「西住みほなんかよりも、逸見エリカの方が価値があるんだよ。だから、西住みほじゃなくてエリカさんに生きてもらう事にしたの」

まほ「みほ……そんなの、出来るわけないだろ」


何を、何を馬鹿な事を言っているんだ。

子供だって騙せない理屈をまるで世界の真理かのように語ってくる。

その瞳には何の後ろめたさもなく、かつての、エリカがいた時のみほのままで、

ずっとその瞳が戻ることを願っていたのに、今は恐怖すら感じてしまう。


「大丈夫。何も心配することなんてないよ。これからはエリカさんがいるから―――――大丈夫ですよ隊長。これからは私がいますから」


みほの声が再び低く落ちる。

姿勢を正し、先ほどまでの柔らかな雰囲気が消え去って、凛と、張り詰めたような表情になる。

それがみほの言う『エリカさん』なのか。そうだと言うのなら、


まほ「違う……お前は、エリカじゃない」


900 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/02/23(土) 22:24:40.77 ID:mQ6adVH+0

その口調も、立ち姿も、雰囲気も、きっとみほが間近で見たエリカを模倣したものなのだろう。

でもそれは所詮真似でしかなく、私から見たそれはひどく歪で、気持ちの悪いものだ。

どれだけ真似をしようとも、その真似が真に迫れば迫るほど、違和感が、いや、嫌悪感が増していく。


「私はエリカです。エリカになってみせます」

まほ「なあみほ。ちゃんと話そう。今日はもう学校は休んで、私も休むから。一緒にちゃんと話そう」

「大丈夫です。私が、逸見エリカがみほの分も頑張りますから」


みほは、私と会話をしようとはしていない。ただ、自分の言い分を伝えているだけなのだ。

納得してもらおうだなんて思っていない。だってみほは事実を言っているつもりなのだから。


まほ「お前の辛さがわかるだなんて言うつもりは無い。だから、相談してくれ。

   辛い事、悲しい事、ちゃんと話してくれ。誰かを責めたいのなら私を責めるんだ。

   そんな、そんなやり方で自分を責めてはいけない」


みほがエリカを侮辱しようと思ってるわけがない。

だってみほは誰よりもエリカの事を大事に思っていたのだから。


「別に私は自分を責めてなんかいませんよ。悪いのは全部みほなんですから」


なのに、なのになんでそんな事を言うんだ。

エリカはそんな事を言わないなんてこと、分からないわけが無いのに。

みほは、私よりも長くエリカといたのだから。


まほ「……やめろ。エリカだって、そんな事望んでない」

「……望んでますよ」


その言葉には確信めいたものがあった。

みほはそっと微笑む。


「元々あの子に副隊長は荷が重かったんです」

まほ「やめてくれ……」


お前はみほなんだ。エリカはもう、いないんだ。

そんな事をしたって何にもならないんだ。


「というより、あの子に戦車道なんて無理だったんですよ」

まほ「お願いだ……みほ……」


お前はエリカの事を誰よりも知っていたのに。なんで、なんでそんな事を。

エリカはお前の事を大切に思っていたのに。


「だってそうでしょう?あの子は、みほには何も無いんですから。」


その表情が微笑みから、嘲るようなものに変わる。


「何もない癖に人一倍傲慢で、何でもできるって思ってた。あの事故だってみほがいなければ起きませんでした」
901 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/02/23(土) 22:25:32.13 ID:mQ6adVH+0


お前とエリカは友達で、そこに赤星もいて、怒ったり、泣いたり、笑ったりして、

毎日のように、一緒にいて。

エリカは、口ではお前を嫌いだなんて言ってたけど、そんなの嘘だって、わかってるのに。

だってエリカは、私よりもお前と一緒にいる事を選んで、

お前は、エリカのおかげて前を向けるようになったって、

戦車道が、楽しいって、

お前は、お前は、お前は、




「だから……あの子が死んで良かったんですよ」



『だから、今はもう少し、あの子の隣にいようかなって思います』






私が、一番欲しかったものを持っていたのに





902 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/02/23(土) 22:27:37.60 ID:mQ6adVH+0


気が付くと、みほが呆然と頬を押さえてこちらを見つめていた。

私の息は荒くなっていて、いつの間にか握りしめた拳がじんじんと痛んでいて、

自分が何をしたのか分からなくて、

だけど、


「……隊長?」


みほが口を開いた瞬間、私は再び殴りつけていた。


「ど、どうしたんですか西住隊長っ!?」

まほ「やめろッ!!」


みほは何が起きたのかわからないといった目で私を見つめる。

構わず胸倉を掴み上げ頬を殴りつける。

誰かを殴るなんて初めてで、殴り方なんてわからなくて、それでも、胸の奥底から這い出てくるどす黒い感情のまま、私は拳を打ち下ろす。


「まほ、さん……」

まほ「エリカをッ侮辱するなッ!!お前が、エリカなわけあるかッ!!」


そうだ。お前がエリカなわけない。

そんな無様なやつが、エリカなわけがない。

何もかも投げ出して、あまつさえ死者の名を騙るようなやつがエリカなわけが無い。


だから、何度も、何度も殴りつける。

歯にでもあたったのか、拳が裂け、血が出る。

どうでもいい。今はただ、こいつを。


まほ「お前はッ!!エリカじゃないッ!!」

「わ、私は……エリカです」

まほ「っ……だったらっ!!」


だったらどうしようとしたのだろうか。

その終点を理解しないまま、私は再び拳を振り上げて、


小梅「やめてくださいっ!!」


何度目かの殴打は、みほに届くことは無かった。

表での騒ぎを聞きつけたのか、いつのまにかやってきた赤星が私にしがみつき、必死でみほから引き離そうとしていた。


まほ「離せっ!!こいつはッ!!こいつだけはッ!!?」

小梅「お願いです落ち着いてくださいっ!!?みほさんっ、なんで、何があったんですかっ!?」


小柄な赤星のどこにそんな力があったのか、胸倉を掴んだ手はみほから引きはがされ、

その場でへたり込んだみほは、呆然と私をみつめていた。

その様子に構わず私は拳の代わりに怒声を叩きつける。


まほ「ふざけるなッ!!ふざけるなッ!!なんで、なんでッ!?お前は、エリカの友達だったのにッ!!」

小梅「隊長ッ、隊長ッ!!っ……まほさんッ!!」


903 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/02/23(土) 22:30:12.49 ID:mQ6adVH+0


赤星の必死の制止は私の怒りを抑える事は出来ない。

私はただ、目の前のあいつに痛みを与えないといけない。

義憤なんて綺麗なものではなく、憎悪なんて生易しいものではない。

タールのように真っ黒でドロドロとした感情が、私の中から溢れだしてくる。


小梅「まほさんッ!!みほさんもッ!なんで、何があったんですか!?なんでこんなことにっ!?」


赤星が何かを言っている。

でも、私の耳はそれを認識する余裕はない。

許さない。絶対に、許さない。


まほ「エリカは、お前の事をッ、大切に思ってたのに!!


私の絶叫を聞いたみほは、口の端から零れる血をそっと拭うと、また先ほどのように姿勢正しく立ち上がる。

そして先ほどのようにエリカのつもりで、どこまでも歪で、気持ちの悪い模倣で、


「私は、そんな事思ってませんよ。私は――――みほが大嫌いでしたから」


その瞬間、私は赤星を突き飛ばし、みほの胸倉を掴みあげる。

私の怒りを前にみほは無表情なままで、その姿が余計に私の怒りを燃え上がらせる。

だから、


まほ「お前はッ!!なんで、なんでッ!!」


私は『言いたくなかった』事を言ってしまう。




まほ「なんでお前が生きているんだッ!?」




小梅「まほさんッ!!」


突き飛ばされ、倒れこんだままの赤星が悲痛な叫びをあげる。

その声に私はハッとして、自分が言った言葉の意味を理解して、

後悔が津波のように押し寄せようとした時、

みほが、まるで救いを得たかのように微笑んだ。


「……私も、そう思ってるよ」


たぶん、その瞬間、私の妹は死んだのだと思う。


まほ「ッ……ああああああああああああああああああッ!!!!」


赤星の縋りつくような制止でももう止められず、騒ぎを聞きつけた先生たちに止められるまで、

私は怒り狂いながら、泣き叫びながら、ひたすらその『偽物』を殴り続けていた。

904 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/02/23(土) 22:31:48.62 ID:mQ6adVH+0
ここまでー

たぶん来週で終わりになると思います。

もしかしたらもう一回追加されるかもしれません。

まぁどちらにしろもうすぐ終わるのでお付き合いください。

また来週。
905 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/23(土) 23:01:28.83 ID:8+p1pmV9O
お姉ちゃん激おこの理由がついにきたか
確かにまほさんがみほを嫌悪するに十分な理由だと思う
まるで四苦八苦じゃないか
個人的にはもっと拗れろ思う いいぞコレ
906 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/23(土) 23:07:00.93 ID:2cZt5Ju3O
乙でした!
907 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/23(土) 23:30:03.79 ID:QUA+zzPmO

お姉ちゃん・・・
みほに対して"嫉妬"しちゃったんだろうなぁ
とはいえみほにとっても好きな人にストレートな好意を持たれててそれに相応しい振る舞いが出来るまほの存在は羨ましかっただろうに・・・
908 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/23(土) 23:48:01.46 ID:HvM7hthR0
乙でした
来週も楽しみにまってます。
909 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/23(土) 23:50:14.30 ID:EFaH6+yM0
乙!
こりゃまほもキレるわ……でもみほも心底からの行為だろうからなぁ
……って、来週かその次で終わり?こっから一体どうまとめるんだ……楽しみだ
910 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/24(日) 00:06:40.60 ID:2tM9wONs0
いつも楽しく見てます。
過去編が終わったら、その先もあると嬉しいです!
911 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/24(日) 00:44:42.43 ID:D/zCive+0
ものすごく苦しいのにニヤニヤしてしまう

ああ……
912 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/24(日) 00:51:43.90 ID:TuTUuLIDO
あああどうしてもまほの方に感情移入してしまう
妹がどんどん壊れていくばかりか死人に成り済ますとかそれを間近で見せられるのはキツいものがあるなあ…
ほんとこの1は素晴らしい、これからも楽しみに待ってます乙です
913 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/24(日) 17:56:31.83 ID:zewgaK1A0
最後のセリフこそ問題ではあるけどまほを応援するわこんなの…
914 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/24(日) 18:18:07.72 ID:XmpXG5+8O
乙でした。
あぁお姉ちゃん言うてはならんことを…本心からではないにせよキツイ言葉だわ。エリカの方が価値があるを認めた訳だし。
915 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/24(日) 19:33:45.26 ID:H68SLZYbO
この先は何よりみほの自己に対する致命的な自己嫌悪が解けなければならないが
エリカになりすまし憎んでるんだ
まほさんはそれが我慢ならない
沙織さんもそのみほの一面に触れて困惑していたんだね きっとその時もこの今以上に拗らせた残酷な表情をしていたんだろう
いや 長い伏線 たまらんなあ
916 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/24(日) 19:49:46.36 ID:xI3lmVC0O
しほが気になる
917 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/24(日) 20:02:14.76 ID:NhAYNCwV0
そもそもこうなった根本原因しほさんでは
918 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/25(月) 10:56:02.24 ID:YusLAIFsO
西住流として接するばかりで個人や親子としては話し合ってすらなさそうだからね
反抗でもいいからやり取り出来れば少しは違う結果に出来たかもしれないのに・・
919 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/25(月) 11:55:13.16 ID:3pS73X/6O
エリカの振りをするだけではなく、エリカの姿でみほを貶めるのが何より許せなかったと言うのは凄く良い落とし所だと思う。まほが2人共をとても大事に思っていたからこそって感じで
920 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/25(月) 23:56:32.86 ID:MPvuC5OGO
...あれ?そういえばこれは治るのか?
もはや精神障害者や人格障害者レベルだぞ?
脳がすでに破壊されてる可能性が大。
そもそも人間性を無視して育てられいる時点でだいぶ、いや、かなり危ないのだが...
921 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/26(火) 03:35:59.36 ID:92T3fJI3o
解離性同一性障害の脳が破壊されてるような表現は如何なものかと思いますがね
922 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/26(火) 08:07:23.72 ID:2R6+CUgOO
エリカはそんなこと言わない
923 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/26(火) 12:00:24.16 ID:lNuuMNoaO
すまんかった
だがこれは解離性人格障害ではなくなんか別のものなような気が
924 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/26(火) 22:35:23.91 ID:fsew8ZQT0
脳が破壊か 他意は無しにあながち間違ってない表現だと思うよ
強いストレスによる変質って、伝え聞くだけの健常者には理解できない感覚を覚えるみたいだし

みぽりん可哀想に
周りもエリカはそんなこと言わないよって言ってあげればああまでにはならなかったかも知れないのに
925 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/27(水) 00:20:58.34 ID:veoLnxNco
>>923
愛やぞ
926 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/27(水) 10:42:27.55 ID:YmAG5IZqO

Wow!!それは素敵ねッ!!trueloveだわ!!
アリサもあやかりなさいよ!!hey!?
...どうしたのかしら??
927 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/02(土) 13:28:56.98 ID:874YpsSDO
もう一週間たったのか
ああ楽しみじゃああ
928 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/03/02(土) 22:15:08.61 ID:d4D1O6AS0





2月も半ばを過ぎたある日の夜、みほは学園艦ではなく陸に、もっというのならみほにとって実家『だった』西住邸の応接間にいた。

そしてそこで彼女の母『だった』しほとテーブルをはさんで向かい合っていた。


しほ「みほ、あなたには転校をしてもらいます」


そう言ってしほはテーブルに一冊のパンフレットを差し出すように置く。


「大洗女学園……?」


聞いたことも無い学校名が書かれたパンフレットにみほは訝し気な表情をするも、何も言わずパラパラとそのページをめくりだす。


「……え?」


突然、あっけにとられたような声がみほの口からもれる。

何度も手元のパンフレットに目を落とし、一通り読み終わったはずなのにまた一から読み直し、そして呆然と呟く。


「なんで……ここ、戦車道が無い……」


何かの間違いではないか。そんな視線をしほに向ける。しかし、しほの表情は揺るがず、それが答えだった。


しほ「……あなたは、少し戦車道から離れるべきです。ちゃんと病院に行って、ゆっくりと学生生活を送って、自分を……労わりなさい」

「そ、そんなっ!?どうしてですか師範っ!?」

しほ「私は、あなたの母です」


取り乱し声を荒げるみほに対して冷静な、けれども絞り出したかのように掠れた声。

みほは一瞬喉が詰まったように呻くも、ゆっくりと深呼吸をして冷静さを取り戻す。


「……師範、考え直してください。今私を失うことが黒森峰にとってどれだけ打撃を与えるか」

しほ「私は、あなたのほうが大事です」


それは西住流の師範の言葉ではなく、ようやく口に出せた母としての言葉だった。


しほにとって家族は大切なものであった。しかし、流派もまた大切なものであった。

未だマイナースポーツでこそあるものの、戦車道の流派として日本最大の規模である西住流。

その実質的なトップであるしほはその一挙手一投足に立場と責任を求められる。

自分の言葉が、行動が、門下生はもちろん数多の関係者たちの未来を変えてしまう事をしほは良く知っている。

だから、常に自分を厳しく律し、娘にもそうあるべしとしてきた。

たとえ冷たいと、親として失格だと思われようとも。

しかしどれだけ冷徹であろうとしようとも、どれだけ冷徹に振舞う事が出来ても、心はそうはなれなかった。

去年の決勝で起きた悲劇。それを忘れた日なんて無かった。

失われた命があった。心身ともに傷ついた生徒がいた。その中に娘たちがいた。

嘆き悲しみ、塞ぎ込む娘たちに何を言えばいいのかわからなかった。

しほに出来たのは後処理と、自らに責任があると事故の当事者たちに伝える事だけだった。

引きこもり、誰とも会わなくなったみほを扉越しに呼びかけても帰ってくる返事は無かった。

結局、またしてもみほの事をまほに任せて、報告を受けるだけだった。


そして、娘は自らを捨てた。

929 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/03/02(土) 22:16:19.35 ID:d4D1O6AS0


しほ「……みほ、あなたが辛い思いをしているというのはよくわかります。ですが、だからといって……

  エリカさんを逃げに使ってはいけません。辛いのなら、苦しいのなら私たちを頼りなさい。……家族なのだから」


この言葉をもっと早くかけられていれば、こんな事態にはなってなかったのかもしれない。

あまりにも今更で、自分勝手な後悔を顔に出さないよう、しほは唇を噛みしめる。


「今さらっ……」


みほはその言葉に目を大きく見開き両手をテーブルに叩きつける。

けれども、言葉の先は声にならず、みほは歯を食いしばりまた、深く息を吐いた。


「……師範。あなたは私が目指すべき目標であって尊敬する人ですが、家族ではありません」

しほ「……みほ」

「私は逸見エリカです。あなたの愚かな娘、西住みほは死んだんです。だから、だから私が」

まほ「アハハハハハッ!!」


突然、廊下から嘲笑が聞こえてくる。

二人がその声の方を向くと、乱暴に戸が開けられ声の主であるまほがその姿を現した。


「隊長……」


まほはみほを見ず、しほに語り掛ける。


まほ「お母様、そこのはもう駄目です。さっさと追い出しましょう」

しほ「まほ、落ち着きなさい」

まほ「落ち着く?エリカを騙ってる偽物を前に、落ち着けだってっ!?」


宥めようとするしほの言葉は、まほの激情をさらに燃え上がらせる。

まほにとってみほは大切な妹だった。

いつだってみほの事を気遣い、彼女を守ろうとしていた。

なのに、今のまほがみほを見る目は別人のように怒りと侮蔑の色に染められている。


しほ「……あなた達は姉妹です」


その言葉をまほは鼻で笑うと、ようやくみほの方を向く。

930 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/03/02(土) 22:18:21.45 ID:d4D1O6AS0


まほ「お母様が言えないなら私が言います」


まほを見つめるみほの瞳は怯えたように揺れていて、それが憎らしくてまほは舌打ちをする。


まほ「みほ、お前のような弱くて醜い偽物は戦車道をやるに値しない」


まほにとってみほは愛する妹だった。

たとえ自分が傷つくとしても妹だけは守ろうと思っていた。


まほ「お前はただ、エリカに依存していただけだ。何もない自分の中身を、エリカで埋めようとしていただけなんだ」


ほんの一月前の彼女ならこんなこと言う訳が無かった。

誰よりも、何よりも、妹であるみほの事を大事に思い、みほが立ち直ってくれることを心から願っていた。

しかし、今はもうそんな姉の姿は見る影もなく、ただただ、目の前の『偽物』への嫌悪と憎悪で満ちていた。


まほ「エリカに依存して、いや寄生して。今度はその存在まで食い散らかすお前を、私は心の底から軽蔑する」

しほ「まほ、やめなさい」


しほが震える声でまほを止める。

しかし、まほはしほを一瞥したきりで、またその憎悪の瞳をみほへと向ける。


まほ「私たちにとって必要だったのは逸見エリカだ。お前のような偽物じゃない――――さっさと出て行け。この家に、黒森峰に、この世界に、お前の居場所なんか無い」

しほ「まほっ!!」


しほの叫び声が部屋に響いて、そして静寂に吸い込まれていく。

それでも姉妹はしほを見ず、みほはうつ向いて、まほはそんなみほを蔑むように見下ろして、口を閉ざす。

仲睦まじかったはずの姉妹の姿は見る影もなく、そこにはもう温度なんてものは存在していないようだった。

それでも、しほはなんとか頭の中で言葉を纏め、辛うじて空気を震わせるような声で二人に呼びかける。


しほ「……みほ、まほ。もうすぐ常夫さんも帰ってきます。そうしたら家族でしっかりと話し合って―――――」

「家族……」


ポツリとみほが呟く。

そしてしほを、まほを、じっと見つめる。

その視線にしほは何かを期待して、まほは心底気持ちの悪いものを見るような目で、みほを見つめる。

そして、


「あなたたちは、私の家族じゃありません」


冷たい声でみほは結論を述べた。

931 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/03/02(土) 22:20:32.45 ID:d4D1O6AS0


「……帰ります」


もう何も話すことは無い。そう言っているかのようにみほは静かに立ち上がり、部屋から出ようとする。

しほは縋りつくようようにその肩を掴み、懇願するように呼び掛ける。


しほ「待ってみほ、話を、話をしましょう?」

「……師範、あなたの娘はもう死んだんです」


まるで、間違っているのはあなたたちだと、現実を見ていないのはあなただと、そう言うかのようにしほに語り掛ける。

しほはもう、声すら出せなくなり、まるですり抜けるように肩に置いた手が落ちていく。


まほ「ああ、その通りだ。お前のような奴が妹だったと思うとぞっとするよ」


まほは、吐き捨てるように言うと、部屋を出て行った。


「……転校の件好きにしてください。だけど、戦車道はやめません。私には、それしかないから」


独り言のようにそう告げると、みほも部屋から出ていく。

娘たちの去った部屋に一人残されたしほは、ひたすら自問自答を繰り返す。

何が悪かったのか。おそらく、何もかもが。

どうすればよかったのか。考えたところで意味はない。

なら、いっそ泣き叫べば良いのか。

そんな事、許されるわけない。誰よりも泣きたいのは、叫びたいのは娘たちなのだから。


しほは、自分が母としてなにも積み重ねてこなかった事を思い知らされた。

娘たちのためだとやってきたことはただの自己満足だったのだと理解してしまった。

どれだけ家族を想っていると思っていても、どれだけ娘たちの幸せを考えていたと言っても、

今の有様が結論だった。

何もできず、どうすればいいかもわからず、


それでも今は、涙の代わりにどこまでも悲痛な呻き声をあげる事しか出来なかった。


932 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/03/02(土) 22:23:38.52 ID:d4D1O6AS0




夕方もすぎ、日の沈んだ港にその二人はいた。

潮風が冷気を伴って体に纏わりついてくる。

けれどもまほは身震い一つせず、目の前のみほを睨みつけている。


「見送り、してくれるんですね」

まほ「勘違いするな。お前がちゃんとこの地を去るのを見届けたいだけだ。二度と、私たちの前に現れないようにな」


怒りと侮蔑を隠しもしないまほの態度にみほは目を逸らす。


「私は……あなたを尊敬しています。誰よりも強いあなたを」

まほ「黙れ」


潮風以上に冷たい声がナイフのように突き立てられる。

みほの肩がびくりと震える。


「知った風な口を聞くな。お前は、何も見てこなかっただろう。私の事も、エリカの事も」


その言葉にみほは反論しなかった。

何を言い返せばいいのかわからなかったし、何を言ったところで意味が無いと思ったから。

だから、みほはまほに背を向けて歩き出す。

これ以上ここにいても仕方が無いから。

みほがフェリーに向かおうとすると、遠くから彼女を呼ぶ声がした。

振り返るとこちらに向かってくる人影が一つ。


小梅「みほさんっ!!」

「……赤星さん」

小梅「なんで、どうしてあなたがっ……」


小梅は息も絶え絶えなまま、みほに縋りつく。


「私は……」


その姿を見たみほの口から柔らかい音が漏れる。

しかし紡がれようとしたその先は、みほが固く唇を結ぶ事で遮られる。

何も語ってくれないみほに焦れたのか、小梅はまほに向かって叫ぶ。


小梅「隊長!!みほさんが転校なんてなにかの間違いですよね!?」

まほ「赤星、そいつはもう私たちとは無関係だ」


その答えは小梅が求めていたものでは無かった。

933 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/03/02(土) 22:25:31.60 ID:d4D1O6AS0


小梅「隊長!!みほさんが転校なんてなにかの間違いですよね!?」

まほ「赤星、そいつはもう私たちとは無関係だ」


その答えは小梅が求めていたものでは無かった。


小梅「何を、何言ってるんですか!?みほさんは、みほさんは私たちのっ!!」


先ほどまでみほに向けていた視線とは全く違う、悲しむような、気遣う様なまほの視線が小梅に向けられる。

どれだけみほに対する憎しみを持っていても、小梅がどれだけみほのためを思って行動してきたのかまほは知っている。

それが無に帰してしまった事に無念さと同情する気持ちを持ってしまう。

だから、小梅にみほが転校するという事を伝えていなかったのだ。

結局、どこから聞きつけたのか小梅は来てしまったが。


小梅「みほさん帰りましょう?誰もあなたを責めてなんかいませんって。大丈夫ですよ!何があっても、私があなたを守りますから!」


小梅が先ほどよりも強くみほの両肩を掴み、無理やり作った笑顔で呼びかける。

だけど、みほは小梅の手をそっと解くと、今度こそ二人に背を向け歩いていく。

その後ろ姿にまほが嘲笑を投げつける。


まほ「まるで流刑者だな。お前に相応しい姿だよ」


みほの足が止まる。


まほ「周りはお前がおかしくなったのだと思うのだろうな。だが違う。お前は、ずっと前からそうだった。

   誰かの優しさに縋ってばかりで自分を見つめてこなかった。その果てがそれか」


まほにとって、みほが黒森峰で見つけた絆は何よりも尊く、掛け替えのないものだった。

エリカを失い、嘆き悲しむ気持ちが分からないわけが無かった。

大切な妹だったから。大切な後輩だったから。

そしてまほはその両方を失った。

まほの瞳には怒りだけじゃなく、諦観も宿っている。

もう、みほには何も期待をしていないと。


まほ「みほ、私はお前を絶対に許さない。お前にとって戦車道が存在意義だというのなら、生きる糧だというのなら――――何もない未来でそのまま朽ちてゆけ」

934 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/03/02(土) 22:27:36.99 ID:d4D1O6AS0


吐き捨てるようなその言葉にやはりみほは何も言わなかった。

代わりに小梅が口を開く。


小梅「ねぇ、みほさん、戻ってくるんですよね?転校だなんて、ちょっとだけなんですよね?」


小梅の声は懇願するかのように潤んでいて、それはつまり、小梅も答えが分かっているという事だった。

みほは小梅を見ずに冷たい声を出す。


「私は、エリカよ」

小梅「ほら、今からちゃんと謝れば、いつものみほさんに戻れば、隊長だって許してくれますよ。ねっ?だから、ほら!私も一緒に謝りますから。だから、」


その手を引いて、黒森峰まで連れ帰りたいのに。なのに、小梅はみほに近づくことが出来ない。

どこまでも強く、みほの背中がそれを拒絶しているのを小梅は感じてしまう。

だから返答なんてさせないように小梅はまくし立てる。何も言わなくても良い、せめて私の言葉に頷いてほしいと。

そう、願って。


「……赤星さん、ごめんなさい」


帰ってきた言葉は冷たく、小梅の望んだものでは無かった。

そして、自分ではみほを引き留められない事を悟った小梅は、感情の失せた声で最後の言葉をかける。


小梅「……みほさん。あなたは、エリカさんじゃないですよ」

「……さようなら」


それで、終わりだった。


935 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/03/02(土) 22:34:47.25 ID:d4D1O6AS0




みほが去った港に、まほと小梅が残される。

小梅はうずくまり涙を流し、まほはそんな小梅を悲し気に見下ろす。


小梅「なんで……なんで……?エリカさんは、エリカさんはこんな事望んで……」

まほ「……だとしても、あいつは超えてはならない一線を越えたんだ」

小梅「だからってみほさんを追い出すんですか!?それこそ、エリカさんは望んでないっ!!」


悲鳴のような声が港に響き渡る。


まほ「そうだろうな。でも、あいつはもう変わらない。ここにいればあいつはずっと『エリカ』のフリをして私たちの前にい続ける。お前に、それが耐えられるのか?」


小梅が悔しそうに歯を食いしばる。

まほは知っていた。小梅が今も事故の事を悔やんでいることを。

「全部自分のせいだ」。そう鏡に向かって呟く彼女を見た事があった。

みほに酷い言葉を投げつけられても、それでも笑顔で前を向いていたのは、後ろを向いたらもう戻れないと知っているからだと。

だから、まほは小梅を自分と同じだと思っていた。

だから、あの日、変わり果てたみほと最初に出会ったのが自分でよかったと思っている。

もしも小梅があの『偽物』と最初に出会っていたら、今度こそ小梅は壊れてしまったかもしれないから。


まほ「……私は耐えられない。次は、殴るだけじゃ済まないかもしれない……これが一番なんだよ」


小梅がゆらりと力なく立ち上がる。


小梅「……エリカさんは必要な人でした」

まほ「ああ。代わりなんて絶対に見つからない」

小梅「みほさんは、必要な人です」

まほ「いいや、空っぽの偽物などいるだけ迷惑だ」


その瞳に強い決意が宿る。


小梅「……なら、私が二人の分も頑張ります」

まほ「……今のお前じゃ無理だ」

小梅「だったらっ!!」


先ほどまでとはまるで違う裂帛の気合が小梅の体に力を与える。

そして、まほを射貫くように睨みつける。


小梅「だったら強くなって見せます。エリカさんの分も、私が……みほさんの居場所を守って見せます。いつか、みほさんを戻して見せます」

まほ「……やれるものならやってみろ。私は、私だけで黒森峰を守って見せる。エリカが憧れてくれた私が」


もしかしたら二人は友達になれたのかもしれない。

たとえ傷のなめ合いと言われようと、それでもいつか本当の絆が生まれたのかもしれない。

しかし、まほと小梅は共に並ばなかった。

強い願いを、一人で果たして見せると決意してしまった。

まほが、小梅が、かつて望んだ未来はもう、遠く、見えなくなっていた。


936 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/03/02(土) 22:36:06.53 ID:d4D1O6AS0




プラウダ高校の学園艦。そこにある学生寮の一室の扉がノックされる。


ノンナ「カチューシャ、私です」


ノックをした長身の生徒―――ノンナは部屋の主の返事が返ってこないのにため息を吐くと、鍵のかかっていないドアノブを回す。


ノンナ「……入ります」


部屋の中は冷え切っており、部屋の隅に置かれたベッドが小さく膨らんでいた。

その膨らみに向かってノンナは声を掛ける。


ノンナ「体調は大丈夫ですか」


返事は帰ってこない。


ノンナ「いい加減、練習に参加してはどうですか?みんな待っていますよ」


膨らみがもぞもぞと動く。


カチューシャ「……私は、戦車道を辞めたって言ったでしょ」


小さくて、今にも消えてしまいそうな声が布団越しに聞こえてくる。

ノンナは辛そうに唇を噛みしめ、逡巡するように視線を揺らすと、ため息のように声を出す。


ノンナ「……今日の会議であなたが隊長になることが決まりました」


その瞬間、跳ね飛ばされるように布団がどけられ、中から小柄な少女――カチューシャと呼ばれる少女が姿を現す。

深い隈に縁どられたその眼は信じられないといったように見開かれ、ただでさえ華奢な手足はノンナが最後に見た時よりも細く、頼りなくなっていた。

その姿にノンナは泣き崩れそうになるも、ぐっとこらえて、震えが声に出ないように伝える。


937 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/03/02(土) 22:38:15.69 ID:d4D1O6AS0

ノンナ「あなたならきっと皆の期待に応えることができます。だから」

カチューシャ「何言ってんのよっ……私は、人殺しよ……」

ノンナ「……あれは事故です。連盟も、国も、何よりも逸見さんの家族がそれを認めてくれたじゃないですか」

カチューシャ「私が命令したッ!!私が撃たせたッ!!足場が悪くなってるだなんて事知ってたのにッ!!勝利に目がくらんで、人の命を奪ったッ!!」


悲痛な叫びにノンナの胸も痛くなる。

それでも、今ここで自分まで泣き出すわけにはいかない。今日、ノンナがカチューシャに会いに来たのは決して同情や慰めるために来たわけではなく、

もっと残酷で、恨まれるような事をするためなのだから。


ノンナ「……それでも、みんなはあなたを隊長に選びました。あなたなら、我々を導けると」

カチューシャ「……お願い、放っておいて。私はもう戦車道を……」


泣き叫ぶ体力すら尽きたのか、カチューシャは再び布団に潜り込もうとする。


ノンナ「……あなたに伝えるべきか迷っていましたが、仕方がありません。……西住みほさんですが」


そして、ノンナによってあの事故の『被害者』の顛末……いや、末路が語られる。

一言紡がれるたびにカチューシャの顔が動揺、後悔、悲痛に歪んでいく。

それは語るノンナも同じであった。

そして、全てを語ったノンナの口が閉じると、カチューシャが理解できないといったように頭をおさえ皮膚が裂けそうなほど強く爪を立てる。


カチューシャ「何よ……何よそれッ!?」


その問いかけにノンナは何も答えない。

何も、答えることなどできないから。


カチューシャ「あの子は何も悪くないじゃないッ!?なのに、なんでッ!?」

ノンナ「わかりません。ですが、それほどの事があったという事なんでしょう」


理由はある程度知っている。どれだけ隠そうとも人の口に戸は立てられ無いのだから。

ましてや、その『被害者』は自分から自分の事を大っぴらにしたのだから。

けれど、知っていることと理解できることは全く違う。

なんでそうしたのか、それが分かってもその論理は理解できない。

きっとその論理はそうなった本人だけが理解しているのだろう。


カチューシャ「私の、せいで……私の、せいなのに……」


カチューシャはぶつぶつと呪文のように自責の念を呟く。

そして数分ほどたったのか、ピタリとそれが止む。

隈だけでなく真っ赤に充血した瞳をノンナに向ける。

938 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/03/02(土) 22:39:27.95 ID:d4D1O6AS0


カチューシャ「あの子は……西住みほは、私を恨んでるかしら」

ノンナ「……わかりません」


そんな事知る由もない。知った所でどうしようも出来ないから。


カチューシャ「私は……あの子の大切な友達を殺した」

ノンナ「違います。あれは事故です」


即座に否定する。

あれは事故だ。それは皆が認めている。

事故の当事者以外は。


カチューシャの震えが止まる。

ノンナを見つめる瞳は先ほどまでの悲痛に染まったものでは無く、強くて、まっすぐな、ノンナが尊敬する同志の瞳になる。


カチューシャ「……隊長、引き受けるわ」

ノンナ「どうするつもりですか」

カチューシャ「別に。ただ優勝を目指すだけよ。……みほが来るまで」

ノンナ「みほさんの転校した学校に戦車道はありません」


ノンナはそれが、とても残酷な仕打ちだと思う。

自分も戦車道を誇りに思っているからこそ、それを取り上げられた者の気持ちが痛いほどわかるから。

そして、同時にこうも思う。それが、一番なのだと。

痛みを、哀しみを、永遠に引きずるぐらいならいっそ、無くしてしまえば良いんだと。

そうしていつか、ちゃんと笑えるようになればと。

そう考えた人の気持ちもまた、痛いほど理解できてしまう。

逆に、もう戦車道をしたくないと言うカチューシャを情で絆して、担ぎ上げようとしている自分は人でなしだと、そうノンナは自嘲する。

もちろん、それを顔に出したりはしないが。


きっと、そんな自分の浅はかな内心もカチューシャは読んでいるのだろうと自分勝手な期待をして。


939 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/03/02(土) 22:41:52.79 ID:d4D1O6AS0


カチューシャ「それでも、みほはまた戦車道をやるわ」

ノンナ「どうしてそう思うのですか?」

カチューシャ「だってエリカは戦車道が大好きだったんだから。なら、あの子もきっと燻ったまま消えるつもりなんて無いわ」


カチューシャは知っている。エリカが本気で戦車道に人生を懸けていた事を。

彼女を知っている人から、彼女の家族から、聞いたから。


カチューシャは知ってしまった。エリカの友達がエリカの事を本当に大切に思っていた事を。

それこそ、自分を捨ててしまうほどに。

だから、


カチューシャ「だから、私があの子の敵になる。私を恨んで仇を討とうとしてくれるのならそれでいい。そうでないのなら」


それは、あまりにも悲痛な決意だった。

背負う必要のない覚悟で、ともすれば自分勝手なまでに。


カチューシャ「せめて、『みほ』を取り戻させたい。どんな手を使ってでも、それで恨まれても。それが……私が『あの子』にできる償いだから」


それでも、そうする事でしかカチューシャは立ち上がることが出来なかった。


940 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/03/02(土) 23:12:37.43 ID:d4D1O6AS0





黒森峰が、『世界』が。遠く、離れていく。

真っ暗な海が私の前途を表しているようで、いっその事そこに飛び込んでしまえばと何度も思ってしまう。


「……それでも」


私は、逸見エリカとして生きていく。

そう決めたから。そうするしかないから。

どれだけ憎まれようと、どれだけ蔑まれようとも、私にはそうすることでしか、貴女の望みを叶えられないから。


「大丈夫だよエリカさん、貴女はこれからも生き続けるから」


あの時死んだのは西住みほで、生き残ったのは逸見エリカ。

それが一番なのだから



『……逸見エリカよ。ま、よろしくね』



私が『初めて』出会った人。『初めて』私を伝えた人。



『強さも、戦車が好きって気持ちも持っているあなたなら、戦車道だって好きになれるわよ』



私の道を照らしてくれた人。



『精々頑張りなさい』



貴女が私の手を引いてくれた。



『誕生日おめでとう。今日という日を、私は祝福するわ』



貴女がいたから私は前を向けた 。

貴女がいたから、私は今日まで生きてこられた。


なのに、



『生きて』



941 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/03/02(土) 23:15:11.19 ID:d4D1O6AS0


貴女の声が、思い出せなくなっていく。

貴女の眩い姿が、掠れて、ノイズまみれになっていく。

記憶に残る貴女はいつだって美しかったのに、

私を支えてくれる唯一の記憶がどんどん崩れていく。

それでも、貴女がくれたたくさんのものが、私の中にはある。

それがあればきっと、私は生きていけるから。

雪のように冷たく、灰のように真っ白な髪(ニセモノ)でも、貴女の素晴らしさを伝える一助にはなってくれるかもしれないから。

空っぽでも、偽物でも、私が『逸見エリカ』だから。


だから、きっと私は――――二度と貴女に会えない。


私が選んだのはそういう事だから。

あまりにも醜悪で、唾棄するような事だから。

たとえそれが貴女の望みを叶えるものであっても、私の未来にはもう、光なんてないのだから。

だから、せめて少しだけ延びた私の最期を貴女に捧げたい。

借り物の姿で、借り物の名前で貴女の素晴らしさを伝えたい。

無様で、滑稽で、愚かでも。

貴女の事を誰も忘れないように。

たとえ、それが消えない罪だとしても。



だって、


942 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/03/02(土) 23:16:40.25 ID:d4D1O6AS0



「私は、あなたに救われたから」


943 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/03/02(土) 23:19:36.47 ID:d4D1O6AS0
ここまでー。

とりあえずこれで過去編は終わりです。

バカみたいに長くなってしまいましたがここまで読んでくれて本当にありがとうございます。

ちゃんと次スレで完結させるのでもうちょっと…もうちょっとだけお付き合いお願いします。

とりあえず、読んでくれた方々ありがとうございました。
944 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/03/02(土) 23:23:09.96 ID:d4D1O6AS0
次スレの開始はちょっと時間をもらって3月23日(土)にさせてもらいます。

新スレ自体は【ガルパン】みほ「私は、あなたたちに救われたから」というスレタイでたぶん明日にでも立てるので、このスレは埋めちゃって大丈夫です。

感想もらえると嬉しいので。

長々と付き合わせてしまいすみませんでした。
945 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/03/02(土) 23:29:20.94 ID:vMY1f80vO
乙でした。
久々に物語読んで涙が滲みました。最後のみほの救われたからで涙腺崩壊、感動です。
現在編が楽しみすぎる。
946 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/02(土) 23:33:45.51 ID:NsdhyT40o
おつー
これ決勝戦勝てるん?ww
947 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/02(土) 23:42:13.40 ID:RjOnSuN40
誰も幸せになれない……
948 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/03/02(土) 23:50:28.63 ID:Y7arGBuv0
すごくすごく良かったです。
乙でした。
949 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/03/02(土) 23:51:21.73 ID:HaxA9QYg0
過去編乙でした
ハッピーエンドに持っていけるのか…?
950 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/02(土) 23:59:30.64 ID:3FIqkNjk0
>>1ーシャ
救われるんだな! みほは救われるんだな!? 信じていいんだな!
待ってるぞ!!!!
951 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/03(日) 00:01:32.26 ID:6l5KZw6D0
>>1ーシャ
救われるんだな! みほは救われるんだな!? 信じていいんだな!
待ってるぞ!!!!
952 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/03(日) 02:10:41.48 ID:mCIx6vRd0
乙、ようやく今に繋がった!
過去編楽しませてもらいました。
また楽しみにしてます!
953 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/03(日) 02:12:23.34 ID:x17O8Z/3O
そして時は動き出す
大洗メンバーは逸見エリカの死を疑似体験し、西住みほのヘビー過ぎる過去、そして彼女自身にどう対面するのだろうか...
ワクワクが押し寄せてくるな
ぜひトラブルを100倍にしてくれ
954 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/03(日) 02:25:10.31 ID:mQrGvYXx0
すばらっしいです!続きが楽しみ。
955 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/03/03(日) 02:52:05.40 ID:ouLFvyQeO
あとの謎は自分を弱くて大嫌いと言ったエリカの心の闇か。凄く気になるところだが現在編で解明されるのか。
956 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/03(日) 03:40:55.53 ID:uB98HSLM0
これだけの文才ならバカみたいに長くなってもスラスラ読めるしむしろ大歓迎だ
過去編踏まえて第1部読んだらまた印象変わりそう
自分が仇として相手をするというカチューシャの想いは一応果たされたってことか
結果的にみほに現実を突きつけ直して立ち直らせる一歩目になってくれるんだろうか...
このssのおかげでガルパン熱も冷めずにいるわ
完結編?も自分のペースでいいから楽しみに待ってます
ありがとう!
957 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/03(日) 05:10:21.07 ID:I7H1fFOLO
誰か新しいやつが来たらリンク頼む
このサイトトップ画面何故か動かないんだよ俺
958 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/03(日) 07:06:02.97 ID:JmJ4kt2EO
乙、毎度毎度たのしみにしておりました
ここからもたのしみにします!!
しかし、これはああなるのも仕方ないよ、西住家はもっと早く家族で話し合えたらこうはならずに済んだのに・・・
959 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/03(日) 18:52:42.88 ID:f6sYtml0O
乙乙乙!!!

ガルパン 名作長編にまた新たなるラインナップが加わった。
物語って、いいですねぇ、、、
960 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/03(日) 19:03:37.11 ID:dyjkvhxro
乙でした。新章に期待膨らみすぎる
961 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/03(日) 22:58:29.03 ID:YYvC8em+0
乙でした。

>まほ「そうだろうな。でも、あいつはもう変わらない。ここにいればあいつはずっと『エリカ』のフリをして私たちの前にい続ける。お前に、それが耐えられるのか?」

耐えられず壊れたのはまほの方だったんじゃないかなと思ってる。
エリカが憧れた「強い隊長」は、暴力や西住の権力で実の妹を排除しようとするような人物じゃないはず。
それに、普段であれば、家族として十分に接してこなかったことへの自己反省もしていたと思う。
妹と友人をいっぺんに失ったのだから仕方ないかもしれないが。
962 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/03/04(月) 08:45:37.67 ID:J413V0MjO
エレファントさん早くまとめておくれや!
ひさびさにコメント50超えを正当に狙える作品やぞ!
963 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/04(月) 10:11:44.56 ID:eqiA9PCh0
[ピーーー]ageカス
964 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/04(月) 11:10:23.52 ID:08AkUZbkO

まさかの3部作。楽しみだ
965 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/03/04(月) 20:16:44.21 ID:mzT5DThJ0
wwktk
966 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/04(月) 22:38:45.99 ID:RTJ1zjGf0
乙! ついに過去編が・・・とてつもなくヘビーだった・・・
みほもまほも小梅もカチューシャも、みんな1人で背負うには重すぎるものを背負っちゃってるな・・・
ほとんどあらゆるものがボロボロに壊れたこの状況から、一体どうなるのか、完結編も楽しみです!
967 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/03/05(火) 00:17:15.96 ID:HJqpzElI0
乙です。とてもおもしろく一気に読んでしまいました。続きが気になる!
968 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/05(火) 13:05:37.60 ID:vBZFss1Z0
母親であることより師範であることを優先したらそりゃ離反されるよな
それでいて1年もたってから母親面で最後の砦だった戦車道さえ奪われるとかね
969 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/07(木) 23:24:46.99 ID:/XbvCscz0
信じられるか?
この作者、ママ爆弾の人なんだぜ?
970 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/07(木) 23:56:47.84 ID:fPIgaC+AO
ときに我が輩は赤星の小梅ちゃんが逸見エリカの人気を凌駕する日を信じているのだが、それは今この記念すべき世界の変換点である2019年、そして、このスレこそがよき起爆剤になるのではないかと密かに期待しておるのだ。して、貴様らにも、我が輩の新たな境地、ガルパナイズドライフ計画と、新しいフロンティア開拓に協力してくれないだろうか。

おお、心やすき天使、小梅ちゃんに栄光あれ!
おお、聞こえるか、小梅ちゃんと大天使みほのいと細き運命の絆が新しく紡がれていく音が!!

助けて!小梅ちゃんに包まれたい!
小梅ちゃん集団スレに包まれたい!!!
このキチゲーがあ
971 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/03/21(木) 23:35:29.04 ID:LcADASx40
早く
972 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/21(木) 23:55:03.02 ID:Eh9IOIjn0
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1551876414/29

> 29 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2019/03/06(水) 23:03:42.79 ID:dIIGu14/0

> ちなみに別のスレになりますが、

> 【ガルパン】エリカ「私は、あなたに救われたから」というスレをやってました。

> これはこの間完結しましたが、3月23日(予定)に続きのスレを立てる予定です。めっちゃ長いので気が向いたらでいいので読んでみてください。

> このスレじゃ出来なかったエリカさんの誕生日ネタもちょっとあります。
973 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/22(金) 12:59:14.59 ID:T64gg8y2O
新スレたった?
974 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/22(金) 16:24:47.17 ID:eMrE0vZl0
>>973
頭悪そう(確信)
975 : ◆eltIyP8eDQ [sage saga]:2019/03/23(土) 23:51:12.06 ID:cpswsJVq0
【ガルパン】みほ「私は、あなたたちに救われたから」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1553347133/

続きのスレ立てました。
976 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/24(日) 08:30:24.53 ID:zirrplUjO
↑ありがたい
君には小梅ちゃんポイント100をあげよう
小梅ちゃんポイント10000をためると小梅ちゃんチケットと交換できるんだよ
977 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/24(日) 11:05:48.63 ID:dxvpAy+g0
作者だとわかってて言ってるのか知らずに言ってるのか
978 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/24(日) 16:36:52.58 ID:u4j06FMNO
あー
この度は私の不注意により皆様及び作者様に大変なご不快を与えてしまいまして、誠に恥ずかしい思いがしています。当時としては寝起きであったためおかしな心持ちでありまして、皆様に対して失礼な態度をとるつもりなど、私といたしまして
うわあああああああああッ
わだぐじわあ うわあああああああああッ
しずれいなあ うわあああああああああッ
(土下座)
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