【わたモテ】モテないしもっと教えてもらう【かともこ】

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85 :>>1 [saga]:2018/06/17(日) 19:25:04.68 ID:HHtyoIn80

・・・黒木さん。





「なあに?」





わたしたち、友だちで、いいんだよね?





「違ったの?」





・・・ううん。 ありがとう・・・





「わたしも。 ありがとう。 加藤さん」





黒木さん・・・ わたしたち、ともだち・・・ ずっと、ずっと・・・





「うん。 友だち、だね。 ずっと、ずっと」
86 :>>1 [saga]:2018/06/17(日) 19:26:54.11 ID:HHtyoIn80



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



 ヒ ュ ウ ウ ウ …



(・・・なんということだ)



 … サ ワ  サ ワ サ ワ




(木陰の下で 加藤さまが 声を震わせ泣きじゃくっている)

(黒木先輩のひざに 顔をうずめて)



(頭脳明晰 容姿端麗 生徒会の敏腕副会長 幕張校のカリスマが)

(小動物系お姉さまにすがりついて まるで子供のように)



(こんなことが こんなことがあっていいのか)

(こんな 同人誌のようなことが)




「黒木さん・・・ わたしたち、ともだち・・・ ずっと、ずっと・・・」

「うん。 友だち、だね。 ずっと、ずっと」




比留間(うおおおおおおおおおおおおお)プシャー
87 :>>1 [saga]:2018/06/17(日) 19:29:40.03 ID:HHtyoIn80


     ヒ ュ ウ …


 … サ ワ   サ ワ  サ ワ




黒木「・・・・・・・・・」ナデ ナデ

加藤「・・・・・・・・・」ギュッ

黒木「落ち着いた?」

加藤「うん。 ごめんね」

黒木「いいよ」

加藤「ううん。 制服、汚しちゃった」

黒木「涙しかついてないよ」

加藤「洗わせて」

黒木「・・・わたしは加藤さんに、よだれつけちゃったし」

加藤「・・・・・」

黒木「これで、おあいこだから(とうぶん洗濯しないでおこう)」

加藤「もう・・・」…ギュ



 サラ サラ サラ   …チ チ  チ チ チ ッ



黒木「・・・加藤さん、そろそろ」

加藤「・・・」ジーッ

黒木「加藤さん?」
88 :>>1 [saga]:2018/06/17(日) 19:30:16.64 ID:HHtyoIn80

加藤「・・・」

黒木「どうかした?」

加藤「メイク、ぐちゃぐちゃになっちゃった」

黒木「メイク拭きあるよ」シュッ

加藤「・・・・・・・・・」ギュ



「メイク落とした顔、見られたくない…」



黒木「え」ドキッ!

加藤「だって、ブサイクだもん・・・・」

黒木「・・・み、見たい」

加藤「黒木さん、きっと笑うでしょ」

黒木「笑わないよ、絶対」

加藤「・・・・・・・・・やっぱり、いや」

黒木「加藤さんのほんとの顔、見たい」

加藤「・・・・・・・・・・・・・・」



 ―  ス  ッ  。



黒木「ありがと、拭くよ」シュッ

加藤「・・・」
89 :>>1 [saga]:2018/06/17(日) 19:30:58.88 ID:HHtyoIn80



 シュッ   シュッ   シュッ

  キュ  キュ  キュッ



黒木「・・・・・・・・・・・・・・」シュ シュ

加藤「・・・ブスでしょ」

黒木「・・・・・・・・・・・・・・」キュ キュ

加藤「目、細いでしょ。 眉、薄いでしょ」

黒木「・・・・・・・・・・・・・・」

加藤「みっともないよね。 ヘンな顔だよね・・・」

黒木「むちゃくちゃかわいい」

加藤「・・・ウソ」

黒木「すごく綺麗。 素材の差って残酷」

加藤「おだてないで」

黒木「ほんとだってば。 興奮とか欲情とか通りこして、勃起しそう」

加藤「バカ。 えっち。 ヘンタイ」

黒木「うん」ニヤニヤ



 シュッ   シュッ   キュ   キュッ …



加藤「・・・今日の黒木さん、ちょっと意地悪」

黒木「わたしもともと、底意地悪いから」

加藤「知ってる。 ネコかぶってたんでしょ」… ニ コ ッ

黒木「・・・も、もう」

90 :>>1 [saga]:2018/06/17(日) 19:31:51.64 ID:HHtyoIn80


キーン コーン カーン

 キーン コーン …




黒木「(あれから日をあらためて、再度聞き取りを行うことになった)」

加藤「(黒木さんのお母さんと、今度はわたしのお母さんも立ち会って)」

黒木「・・・悩んでもしょうがない、腹をくくろう」

加藤「ねえ、黒木さん」

黒木「なに?」

加藤「どうしても、ゆずらないつもり?」

黒木「・・・加藤さんは?」

加藤「ガンコなんだから」

黒木「加藤さんこそ。 どうせ疑われるのはわたしなのに」

加藤「先生がたがどう思おうと、わたしは本当のことを言うだけ」

黒木「頑固者」

加藤「ええ」



ダダダダダッ!



加藤「え」

黒木「・・・あの野郎」ムカッ

比留間「せーんぱーーーーーいっ!!」
91 :>>1 [saga]:2018/06/17(日) 19:56:47.18 ID:HHtyoIn80

加藤「あっ。 比留間、さん?」

黒木「今度は何だ」ウンザリ

比留間「新作ですっ! おあらためを!」

黒木「もう出たのか」

比留間「はい、先日のおふたりの姿にインスピレーションを得ました!」

加藤「えっ」ドキリ

黒木「見てやがったのか」

比留間「ああ、いま思い出しても胸の高鳴りが抑えきれませんっ!」

比留間「小動物と見せかけて実は超肉食のフェレット系お姉さま!」

比留間「気高く美しい牝獣の喉に食らいつき、そのしなやかな肉体を地にはわせ組み伏せ蹂躙する!」

比留間「あああああ、こうしているだけであの時の情景が・・・・・!!」

黒木「そうか、さらばだ」



ビリビリビリビリビリビリッ!!



「あ゛ーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」



比留間「        」ヒクッ ヒクッ…

黒木「行こう、加藤さん」

加藤「・・・いいの?」

黒木「たぶんこいつ、わかっててやってるから」

比留間「(す・・・ 素敵です・・・ お姉さま・・・)」ビクンビクン
92 :>>1 [saga]:2018/06/17(日) 19:57:43.29 ID:HHtyoIn80



…… … ────────────── … ……



教頭「・・・間違いないのかね」

黒木「はい」

加藤「…はい」

学年主任「うーん。 でもねえ」

教頭「ふたりの言い分が、真っ向から対立してしまってるなあ」

学年主任「黒木さんは、前回聞いた通りなのね?」

黒木「はい。 加藤さんに、わたしが、無理を言って・・・」…ギュッ



「放課後、恋愛の相談に乗ってもらっていたんです」



黒木母「・・・・・・・・・・・・・・」

黒木「どうしても、気を惹きたい男の子がいて」

黒木「メイクの仕方を教わってるうち、そういうことも教わるようになって」

黒木「いろんなサイトや動画を教えてもらって・・・」

加藤母「・・・・・・・・・・・・・・」

学年主任「ふうん、そう。 でも、加藤は」

加藤「はい。 黒木さんは、わたしをかばっています」ギュ…



「わたしが黒木さんに、恋愛のことを教えてもらっていたんです」

93 :>>1 [saga]:2018/06/17(日) 19:58:10.16 ID:HHtyoIn80

教頭「ふう、む」

加藤「わたしは男の子とのお付き合いのことなんて、教えられるほど詳しくありません」

加藤「黒木さんはいろいろな本を読んでいて、男女の関係についても詳しかったんです」

黒木「(ラノベやエロゲも含めれば、ウソではないんだよな)」…ムスッ



黒木母「・・・・・・・・・・・・・・」



加藤「だからわたしが無理を言って、黒木さんにいろいろなサイトや動画を見せてもらって」

学年主任「・・それでふたりとも、その相手のことは」

黒木「それだけは勘弁してください」

加藤「相手が誰だろうと、この件についてはあまり関わりがないはずです」



加藤母「・・・・・・・・・・・・・・」



加藤「・・・履歴のチェックもなさいますか」

学年主任「そこまではしなくていいでしょう」

黒木「(工作しておいたけど、ムダになってなにより)」…ホッ

学年主任「お母さまがたのほうからは、なにか」

黒木母「わたしは前回、言いたいことはすべて言ったので」

黒木「(言っただけじゃないだろ)」ヒリヒリ

教頭「加藤さんからは」

加藤「・・・・・・・・・・・・・・明日香」 じ っ 。



「あなたは智子さんが、ウソをついていると言うのですか」
94 :>>1 [saga]:2018/06/17(日) 19:59:44.73 ID:HHtyoIn80

黒木「・・・・・!」ドキッ

加藤「・・・はい」

加藤母「間違いないのですか」

黒木「(・・・お母さんも怖い人だな・・・)」ドキドキ

加藤「・・・間違い、ありません。 黒木さんは、わたしを」

加藤母「わかりました」…スッ



   ガ タ ッ 。



学年主任「加藤さん?」

加藤母「明日香、お立ちなさい」

加藤「はい」…ガタ

加藤母「   」ビュッ!




 パ ン ッ !




加藤「・・・・っ」

黒木「え?!」

黒木母「・・・・・・・・・・・・・・」

教頭「ちょ、ちょっと!」

加藤母「・・・智子さん」

黒木「は、はいっ」ドキッ!

95 :>>1 [saga]:2018/06/17(日) 20:00:38.84 ID:HHtyoIn80

加藤母「智子さん。 わたしはあなたが嘘をついているとは思いません」

黒木「は、はい・・・」ドキドキ

加藤母「けれど、わたしはこの子の母親です」

加藤「・・・」

加藤母「だからわたしは、この子を信じます。 明日香、黒木さんに謝りなさい」

加藤「黒木さん・・・ すみませんでした」 … ペ コ リ

黒木「そ、そんな」

黒木母「黙りなさい」ゴツッ!

黒木「んごっ?!」

黒木母「加藤さん、お気持ちはわかりました。 でも、この子に責任がないわけではないです」

加藤母「・・・」

黒木母「ほら、しっかり謝んなさい」

黒木「・・・すみませんでした、加藤さん」

加藤「黒木さん。 わたし・・・」

加藤母「明日香。 ・・・先生がた」



「あとは、お任せいたします」



学年主任「は、はあ」

加藤母「どうか存分に」

黒木母「この子はすこし痛い目見たほうがいいんです」

黒木「(もう十分見てる)」ズキズキ

教頭「ううむ」

96 :>>1 [saga]:2018/06/17(日) 20:02:16.90 ID:HHtyoIn80

黒木「・・・終わった、のかな」

加藤「ひとまずは」



[ ふたりとも、一週間以内に反省文を提出すること ]

[ 提出しなかった場合は、内申書にその旨を記載しますからね ]


[ 特に黒木さん。 あなたは3回目はないと思いなさい ]

[ 生徒会活動のこと? ・・・みんなも暇ではないでしょう、今まで通りこれからも頑張りなさい ]



黒木「・・・はああ、まいった」ゲンナリ

加藤「・・・黒木さん、わたし」

黒木「朝、約束したよ」

加藤「そうだね。 もう、謝らない」

黒木「これでおしまい、うらみっこなし」

黒木母「なに言ってるの」ボカッ!

黒木「うぐえ」

黒木母「加藤さん、明日香さん。 本当にご迷惑をおかけして」

加藤母「・・・こちらこそ。 ほんとうに申し訳ないです」

加藤母「この子の無理につき合わせてしまった上に」



「智子さんのお顔を、娘のおもちゃにさせてしまって」


97 :>>1 [saga]:2018/06/17(日) 20:02:57.01 ID:HHtyoIn80

黒木「そ、そんなことは」

加藤母「明日香があなたにしたメイク、見せてもらいました」

加藤母「あれでは、笑われてしまって当然です」

加藤「・・・・・・・・・・」

加藤母「せめてもの、お詫びに」…カチャ



カチャ カチャ カタン



黒木「え、まさか」

加藤「お母さん?!」

加藤母「・・・智子さん、いいかしら。 ご迷惑でなければ」カチャッ

黒木「いえいえいえいえ! とんでもないです! お願いします!」

黒木母「す、すみませんすみません。 そこまでしていただいて」ペコペコペコ



シュ シュ シュッ



加藤「・・・お母さん、いいの? お仕事以外では、他人へのメイクは絶対しないって・・・」

加藤母「今回は特別です。 明日香、よく見てごらんなさい」



 シュ シュ シュ   キュッ キュッ



加藤「・・・あっ」

黒木「え? わ、わあ・・・!」
98 :>>1 [saga]:2018/06/17(日) 20:04:42.59 ID:HHtyoIn80

加藤母「・・・何度も言ったことだけれど、あなたはすぐ飾りすぎてしまう」

加藤「・・・」

加藤母「こんなに大きくてきれいな目をごてごてと飾りつける人がありますか」

加藤母「雑誌の通りそのままやればいいというものではないのですよ」



シュ シュ シュ …



加藤母「リップもそう。 智子さん、あなたは口もとても大きくて、セクシーなんです」…キュ

黒木「そ、そんな」

加藤母「だから控えめに、自然に―」キュ キュ キュ

黒木「(・・・おおおおおお!!)」

加藤「す、すごい・・・」

加藤母「あなたは、とても綺麗なんですよ。 智子さん」キュッ キュッ

加藤母「この子よりも、あの雑誌のモデルよりも、ずっと」チョン チョン

黒木「(わ、わっ、わあああ!!)」

加藤母「はい、できあがり」 シ ュ ッ 。




 キラ キラ キラ キラ …




黒木「す、すごっ・・・ 夢みたい」キラキラキラ

加藤母「どうかしら、智子さん」


99 :>>1 [saga]:2018/06/17(日) 20:06:11.39 ID:HHtyoIn80

黒木「すごいです、すごすぎます・・・」ウルウル

黒木母「(わたしもやってもらいたい・・・)」

黒木「まるでわたしじゃないみたい・・・」グス…

加藤母「智子さん、これがあなたなんですよ」カチャン カチャ

黒木「これが、わたし??」

加藤母「装うとは偽ることでなく、自身の内面を表現することだとわたくしは思っています」…カチャッ

黒木「は、はあ・・・・・・・・・・」

加藤「自身の、内面を。 ・・・・・・・・・・・・・」



やっぱり、間違ってなかった。

わたしと黒木さんは、間違ってなかった ―



黒木「写メとっとこ。 ラインにツイッターにインスタに」ピッピッピッピ

加藤「(黒木さんは自分の可愛さを知ってた。 そして、それを表現する方法を知ってた)」

黒木「全世界に拡散するんだ」ピピピピピ

加藤「(そして ― )」

田中「あ、黒木さん、加藤さん」

田村「(黒木さんのお母さん。 そっくり・・・)」

根元「みんなでお茶しよ、無罪放免祝いだよー・・・」

黒木「ん」クルリ

田村根元田中「        」




「わああああああああ?!」
100 :>>1 [saga]:2018/06/17(日) 20:08:10.57 ID:HHtyoIn80

黒木「…無罪じゃないんだけどな」キラキラキラ

根元「くっ、くっ、くろぉ?! クロなの!!??」

田中「く、黒木さん。 それ、こないだの?」

黒木「すごいでしょ」ニコニコ

田村「    」ポカーン

黒木「加藤さんのお母さんに、してもらった」ニヤニヤ

根元「う、うそ・・・」

黒木「どうだ参ったか? 笑えるもんなら笑ってみろ」ニター

根元「…参りました。 加藤さん、ごめんなさい」ペコリ

加藤「ううん。 わたしが、下手だっただけ」

加藤母「本当は髪や服も手をつけたいんですけどね」

黒木「お金払うからやってください」ガバッ!

加藤母「・・・・・・・・・・・・・」ジーッ



「よろしければ、うちに来ません?」



黒木「え?!」

加藤母「ただでメイクしてあげるのは、もうこれっきりですけれど」

加藤母「うちにあるものを使って、自分たちでなさる分には構いません」

黒木「い、いいんですか?!」

加藤母「仕事で使っているものはダメですけど、それ以外のものならお貸しします」

101 :>>1 [saga]:2018/06/17(日) 20:09:34.30 ID:HHtyoIn80

黒木「う、うちにあるものって・・・」ゴクリ

加藤母「まあ、不足ないくらいには。コスメに衣装、ウィッグ、アクセサリー。 それに資料も」

黒木「・・・信じられない・・・ ありがとうございますっ」ガバ

根元「…クロ、いーなー」ションボリ

加藤「ふふ、お友達の方々も、ぜひ」

根元「えっ?! い、いいんですかっ!」

田中「ど、どうしよう」

田村「・・・・・・・・・・・・・・」

根元「行こうよ! 行かなきゃ損・・・ あ、その」

加藤母「ふふ、、損はさせないつもりですよ」

田中「でも、大勢でいいんですか?」

加藤母「ええ、にぎやかにしてもらえると嬉しいわ。 空っぽになってしまうことが多い家ですから」

根元「あ、ありがとうございますっ!」

田中「加藤さん、お邪魔します」

田村「…お邪魔します」

加藤「うん…」ギュッ




(お母さん、ありがとう・・・)


102 :>>1 [saga]:2018/06/17(日) 20:10:33.67 ID:HHtyoIn80


    イ ラ ッ シ ャ イ マ セ ー


  オセキヘ ゴアンナイ イタシマス

     コチラヘドウゾー…





黒木「(おごってもらうドリンクバーは格別)」ゴクゴク

加藤「・・・みんな、ごめんね」…コクン

田中「ううん。 でも、よかった」

根元「・・・でも、やっぱり加藤さんのお母さんってすごいなー」

黒木「うふふ、そうかしら」バチコーン

根元「こんな気持ち悪いのでも、こんなに綺麗にできるんだもんね」

黒木「うるせー。 でも、メイクってやっぱりすごい」

田村「わたしもしてるんだけど」

黒木「え?!」

田村「目元をちょっとだけ、だけど」

黒木「そ、そうだったんだ」

田中「知らなかったの?」

田村「はじめたの、つい最近だから。 修学旅行の後くらい」

黒木「(言われてみれば、なんか人相変わってたような気が・・・)」

103 :>>1 [saga]:2018/06/17(日) 20:11:30.30 ID:HHtyoIn80

田中「わたしも楽しみ。 そばかす消してみたい」

黒木「(なんてもったいない)」ズビズビ

田村「真子はそれが可愛いのに」

田中「もう、ゆりったら」

田村「わたしも・・・ 加藤さんに、メイク、教えてほしい」

加藤「・・・田村さん」

根元「みんなで見せっこしよー。 クロには負けないんだから」

黒木「ふふーん。 かかってらっしゃい」

根元「やっぱこのおばちゃんキモい」

黒木「っるせー!」

加藤「ふふふ、わたしだって負けないよ」

黒木「あ、そっちはもう降参します」ブンブンブン

根元「なにそれー」プンスコ

黒木「だって勝負にならないし」

加藤「・・・・・・・・・・」



…そうか。 そうだったんだ。

黒木さん、別によそいきじゃなかったんだ。



根元「クロは加藤さんには甘いんだからなー」

黒木「あ、甘いとかそんなんじゃ」アセアセ



素直で可愛い黒木さんは、よそいきじゃなかった。

これはわたしの前での装い。 内面の表現 ―

104 :>>1 [saga]:2018/06/17(日) 20:11:59.37 ID:HHtyoIn80



【その夜 加藤家】



 カ チ ャ   カ チ ャ

  ・・・ カ タ ン



加藤母「ごちそうさま。 美味しかったわ」

加藤「えへへ、ありがとう」

加藤母「明日、母さんは先に出てますからね」

加藤「・・・うん。 朝ごはん、ちゃんと食べていってね」

加藤母「朝はおなかが空かないのよ。 美味しいものがあれば別ですけどね」

加藤「もうお母さんったら、子どもみたい。 なにか、作っておくから」

加藤母「ふふ、お願いするわ」




シ ャ ー …



加藤「・・・・・・・・・・」カチャ カチャ


[ よろしければ、うちに来ません? ]


加藤「・・・・・・・・・・」キュッ キュ


[ ありがとうございます! ぜひお願いします!]


加藤「(・・・ああ、楽しみだなあ)」キュッ…

105 :>>1 [saga]:2018/06/17(日) 20:12:31.55 ID:HHtyoIn80

加藤「(黒木さんたち、家に来るんだ。)」

加藤「(みんなでメイクしあうんだ。 見せあいっこするんだ。)」

加藤「(こんなの、ひさしぶり。 ・・・・・・・・・・)」



[ すごすぎます・・・ わたしじゃないみたい・・・ ]



加藤「(黒木さん、どんなメイクしてあげようかな?)」

加藤「(どんな服着てもらおうかな、どんな髪型にしてあげようかなー)」

加藤「・・・・・・・・・・」



[ 智子さんを、うちの子のオモチャにさせてしまって ]



加藤「・・・わたしってば、黒木さんをまたオモチャにしようとしてる)」

加藤「(悪い子だなぁ。 ・・・でも)」



・・・・・・・・・・黒木さん、可愛いんだもん♪



加藤「・・・ふん、ふん、ふん♪」キュッキュ

加藤母「・・・・・・・・・・」 ニ コ 。




あらあら、鼻歌なんて。

ずいぶんひさしぶりじゃない? 明日香。

106 :>>1 [saga]:2018/06/17(日) 20:13:53.30 ID:HHtyoIn80


やっぱり、わたしの思った通りだった。

黒木さんは知っていた。 わたしに教えてくれた。



       わ た し
わたしの、『 自 分 』 の在り処。




[ なんで、なんであんなことを! ]

[ お願い、信じて! 黒木さん・・・ ]




悲しかったり、怖かったり。 怒ったり、泣いちゃったり。

黒木さんといっしょにいると、ほんとうにドキドキすることばかり。

それに ―




[ わたしはあれ、気に入ってる。 だから、わたしはあれでいい。 ]

[ 装うとは偽ることでなく、自身の内面を表現すること ]




やっと、見つけた。 わたしの『わたし』。

黒木さんが持っていてくれた。 わたしに返してくれた。



黒木さんは、もっともっと綺麗になる。

あなたの『あなた』がすばらしいんだってことを、わたしは証明してみせる。

107 :>>1 [saga]:2018/06/17(日) 20:15:05.52 ID:HHtyoIn80


ちょっと悪い子の黒木さん。

ちょっと意地悪な黒木さん。




ちょっぴりエッチな黒木さん。

とっても美人な、黒木さん。




ちっちゃくて可愛くて照れ屋さんで。

それなのに、わたしよりも、ずっと大人で。




今度は、どんな黒木さんに会えるのかな。

ああ、楽しみだなあ。






「ふん、ふん・・・♪」キュ キュ カチャ

「・・・・・・・・・・」ニッコリ。






明日香、あなたは見つけたのかもしれませんね。 一生の宝物を。

・・・・・・・・・・・・・それとも、毒かしら?  ふふふっ。






※おしまい※
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/18(月) 00:44:56.83 ID:Q7n1dKSCo
乙でした。ここにきてオリ要素極まった感があるね。
人を選ぶことは自覚してるだろうし、かく言う自分も「後輩いるか?」とは思った。

母'sは許容範囲。ゆりちゃんの目元に言及したのは笑った。
木箱は、んーこの流れならヘイト貯める必要あったかね。

まあ引き続き新作と転載楽しみにしてます。
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/18(月) 02:15:22.40 ID:LqhFy+9V0
乙。良かったよ。
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/18(月) 05:08:25.19 ID:buyTEs88o

>>103がよかったね
クソどうでもいいが後輩はロッテの選手の名前にしてほしかったww わざとかもしれんが
111 :>>1 [saga]:2018/06/18(月) 06:45:35.22 ID:6auWwINW0
レス返し。

>>108
基本自分が読みたいものを書いているので、原作に沿ってるかどうかってのはあまり気にかけてないです。
二次イラストも原作そのままの絵柄なんてほとんどないですから。
けれどだからこそ、自分の書いたものがいいと言ってくれる人のことがありがたいです。
レスどうもです。

>>109
どうもです〜v

>>110
まあ蛇足だなとは思いましたが、状況説明をしてくれるキャラが欲しかったので。
なお、名前はエリック・ヒルマンからとっていますw
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/02(月) 10:46:09.26 ID:vi3gbRv+0

※おまけ※




ワイワイ キャッキャ ワイワイ




岡田「マジでか?!」

黒木「うん、大マジ。これ見て」ス ッ 。

岡田「うおっ、誰だよこれ!」

黒木「すごいでしょ」

岡田「す、すっげ・・・ 芸能人並みだろ」

黒木「今度オーディション受けてみようかな」ニタニタ

田村「バカなんだから」

根元「ほんと、バカだなー」

黒木「何も聞こえない」ニマニマ

岡田「でも、いいな。 みんなで明日香の家行くんだろ」

加藤「茜も来れば?」

茜「い、いいのかよ」

加藤「お母さんに話してみる。 きっと大丈夫だよ」

茜「あ、ありがと」テレテレ

根元「あーちゃんにはどんなメイクしてあげようかな?」

茜「言ったなー。陽菜の顔もいじらせろよ」



南「・・・・・・・・・・」
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/02(月) 10:49:36.78 ID:vi3gbRv+0

岡田「なあ明日香。 わたしが行っても、ほんとうに大丈夫なのか」

加藤「大丈夫だと思うよ、無駄に広い家だから」

岡田「・・・じゃあさ、吉田のやつにも声かけていいか」

田村「・・・!」

黒木「(げっ!!)」



南「(なんだろ、あいつら。 なんであんなにウキウキしてるの?)」



田村「わたしが、声かけとく」

岡田「いいのか?」

田村「吉田さん、来てほしいから」 ニ コ 。

黒木「(マジかよ)」ビクビク

田中「なんだかすごいことになってきちゃったね」ニコニコ



南「(これからなんか、処分うけるんでしょ? 内申にだって響くんでしょ?)」

南「(なんであんなにお気楽してられるんだろ。 バカなのかな)」

南「(・・・・・・・・・・)」



根元「よっしクロ、勝負だからね?」

黒木「ふふふ。 加藤さん直伝のメイクテク、見せてあげる♡」

田村「気持ち悪い」岡田「きしょい」内「キモい」

黒木「お、おまえっ、いつの間に?!」



南「(・・・・・黒木・・・・・)」
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/02(月) 10:50:14.67 ID:vi3gbRv+0

[ ・・・―――。  ―――? ]



南「(くそっ・・・!)」ギ リ ッ



[ く っ、く っ、く っ 、く ]



南「(あいつ、許せない。 許さない)」ギュッ!



(絶対許さないんだから!!)



トテ トテ トテ トテ …



黒木「・・・ん」

南「・・・・・・・・・・」トテ トテ トテ

黒木「(キバ子。 ・・・・・・・・・・)」



[ ・・・はー、あんた、おめでたすぎるよ。 ]

[ 明日香が自分からあんたと仲良くしようだなんて、するはずないでしょ ]

[ 明日香は、荻野に言われて、あんたの面倒みてやってるだけなんだよ! ]



黒木「・・・・・・・・・・」



まずった、なあ。

あいつ、怒ってるんだろうな…

115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/02(月) 10:50:51.48 ID:vi3gbRv+0

[ ・・・―――。  ―――? ]

[ く っ、く っ、く っ 、く ]



そりゃ、怒るよな・・・

やっちゃったなあ。



加藤「・・・黒木さん?」

黒木「あ、うん」

根元「またボーっとしてる」

田村「加藤さんの胸でも見てたんでしょ」ニ コ ッ

黒木「なっ?!」

田中「(ゆり?!)」

田村「図星?」ニコニコ

黒木「い、いまは違う!! あ、その・・・」

根元「いまぁ?!」

加藤「もう、ヘンタイ」ニッコリ

黒木「あ、う。 ・・・・・・・・・・」



[ なんで、黙っちゃったの!? ]

[ なんで、なんで、明日香は友だちだって、南さんに言ってくれなかったの?! ]



黒木「(・・・ま、いいか。 かえって都合が良いし)」… フ ウ 。



(あんなこと言っただなんて、みんなに知られたくない)

116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/02(月) 10:51:18.38 ID:vi3gbRv+0


「・・・は、はあ?! なに言ってんの?!」



もういっぺん言ってやるよ、キョロ充



「は?! 誰に向かって・・・」



わたしだって、見てたんだ。

おまえ、岡田さんや加藤さんと、うまくいってないんだろ。



「そ、それは・・・!」



クラスでぼっちになりかけてるんだろ?

そりゃ、加藤さんがかまってくれてるわたしのことが、憎らしくもなるよな。



「黙って聞いてればいい気になって!! 嫌われ者のくせに!!」

「明日香に少し良くしてもらってるからって調子に乗って!! みんなそう言ってるんだ!!」



みんなそう言ってる? ・・・ く く く く く 。



「な っ ・ ・ ・」



 く う っ 、 く っ 、 く っ 、 く っ 、 く っ 。

117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/02(月) 10:52:03.94 ID:vi3gbRv+0


何がおかしいって? おかしいにきまってるだろ。

おまえ、『黒木さんは嫌われ者じゃないよ』って言われたら、聞けたのか?



聞けやしないだろ。 どうせ、そう言う返事がもらえるまで、しつこくからんだんだろ。

図星か? く く く 。



そりゃみんなだって、そう言うしかないよなあ。

お前の機嫌損ねたら、あることないこと言ってふらすんだしな。

・・・うるせーよ。 身に覚えが無いなんて言わせねえからな。



わたしが嫌われ者だって、みんな言ってるのか。そうかそうか。

じゃあ、お前のことは、みんながなんて言ってるか教えてやろうか?



・・・わたしはぼっちだからな。 いろんなこと、耳に入ってくるのさ。

みんな、わたしの耳に入ることなんて気にしやしないからな。

遠慮するなよ。 教えてやるよ。



なんだお前。 ほんとに聞きたくないのか。

そりゃ、聞けないよなあ。






・ ・ ・ 心 当 た り あ る ん だ ろ 。  無 い と は 言 わ せ ね え ぞ ?

 く っ 、 く っ 、 く っ 、 く 。


118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/02(月) 10:53:20.02 ID:vi3gbRv+0




…… … ────────────── … ……




黒木「(・・・やっちまったなあ)」

黒木「(かまってちゃんをスルー出来ずにリアルでレスバしたなんて)」




黒木「(2ちゃんの時代からの古参が、いい恥さらしだ)」

黒木「(こんなことやれば、いらない恨みを買うなんてわかりきってることなのに)」




黒木「(あいつ、夜道で刺してきたりしないだろうな?)」ビクビク

黒木「(あーあ、やりすぎちゃったなあ。 ・・・・・・)」




[ 黒木さん、信じて! わたしのこと、信じてっ! ]




黒木「・・・・・・・・・・」

黒木「(でもな、キバ子。 おまえに同情はしない)」




[ わたし・・・ わたし、あなたに嫌われちゃったかと、思って・・・ ]




加藤さんをあんなに苦しめたんだ。

正直わたし、まだ気がすんでなんかないぞ。
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/02(月) 10:55:07.09 ID:vi3gbRv+0


でもまあ、、今回はこれくらいで勘弁しといてやる。

みんなにこれ以上迷惑はかけられないし。  それに・・・




「あれ? 小陽、ひとり?」

「え。 あっ・・・」ドキリ




それにお前、いま、苦しいだろ? く く っ 。

友達だと思ってたやつらが、みんなみんな、陰口叩いてるように思えるだろ?




「ここ空いてるから、座ってもいいけど」

「・・・な、なに言ってるの! 別にひとりじゃないし!」




ただでさえ、薄っぺらな付き合いしかしてなさそうだしなあ。

く く く く く 。




「そうー? なら別にいいけど。 あ、ユミ。 座るー?」

「あ。 ・・・じゃ、じゃあ、ね。 ・・・・・・・・・・・・・」




それが、お前が加藤さんにやったことだ。  せいぜい苦しめ。

く く く 、 ・・・ く ひ っ 。




・・・・・・・・・・・・

120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/02(月) 10:56:17.40 ID:vi3gbRv+0


・・・あーあ。 やっぱわたし、カスだな。

まあ、いま気づいたことでもないけど。


キバのやつが言ってたとおり。

わたしは嫌われ者。 自覚は、ある。


みんなだって、嫌いになるだろうな。

わたしがこんなやつだなんて知ったら。 ・・・でもな。




[ もう少しだけ、一緒にいていい? ]

[ ようやく会えたって感じかな ]




クズでカスで、ヘタレなわたしだけど。

みんなを泣かせるやつは、絶対許さない。




[ あの素直じゃない子にもよろしくね ]

[ 黒木さんから、もらったの ]




絶対、絶対に、許さない。 絶対、叩き潰してやる。

たとえみんなに、嫌われることになってでも。

どうせ、わたしに失くすものなんて無いんだから。



もとのぼっちにもどるだけ ―





「黒木さん?」
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/02(月) 10:57:58.78 ID:vi3gbRv+0

黒木「ん・・・」



田村「・・・・・・・・・・・・・・・」ジーッ



黒木「・・・ゆり?」

田村「うん」

黒木「ごめん、またぼーっとしてた」

田村「・・・いいよ」

田中「あれ、黒木さん。 いま、ゆりのこと、名前で呼んでなかった?」

黒木「そうだっけ?」

根元「・・・呼んでた。呼んでたよ?」ニヤニヤ

黒木「気にしてなかった」

根元「クロ、最低」ファッキュー

黒木「別にいいだろ、友達なんだし」ブスッ

田村「そうだったっけ」 ニ コ 。

田中「もう、ゆりったら」

根元「たまには怒ってやった方がいいよ、すぐ調子に乗るから」

田村「別に、普通でしょ。 いつもの黒木さん」… ニ ッ コ リ 。

田中「(・・・ゆり、見たことないくらいニコニコしてる)」ク ス ッ 。

加藤「・・・・・・・・・」




(やっぱり田村さんは、黒木さんのいちばんって感じだな・・・)
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/02(月) 10:59:12.41 ID:vi3gbRv+0




キーン コーン カーン

 キーン コーン ・・・




「じゃあな、明日香」

「バイバイ、茜」



 ガ チ ャ ッ  カ タ ン  カ タ 。



加藤「・・・・・・・・・・・・・・・」

田村「加藤さん」

加藤「えっ?」

田村「途中まで、一緒に帰っていい?」

加藤「・・・・・・・・・うん、帰ろう」



スタ スタ スタ

 スタ スタ …



加藤「・・・・・・」スタ スタ

田村「・・・・・・・・・」スタ スタ

加藤「(・・・田村さん、最近、どうしたんだろう)」



「(なんだか急に、打ち解けてくれたような気がする)」
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/02(月) 11:00:04.38 ID:vi3gbRv+0

加藤「(以前から、嫌われてるとまではいかないけど)」

加藤「(なんとはなしに、離れてた感じだったのに)」



田村「・・・・・・・・・・・・・・・」



加藤「(嫌じゃないけど。 すごくすっごく、嬉しいんだけれど)」

加藤「(でもいったい、なぜ・・・)」



田村「加藤さん」



加藤「えっ」

田村「大変だったね。 ・・・南さんと」

加藤「・・・ごめんなさい」

田村「ううん」

加藤「あんなひどいこと、みっともないことして」

田村「・・・・・・・・・・・・ううん」 ニ コ 。



「格好良かったよ」



加藤「・・・え」

田村「カッコよかった。 見直した・・・ って言ったら、失礼だね」

加藤「そんな。 でも・・・」

田村「でもやっぱり、す ー っ と し た 。 」 ニ ッ コ リ 。
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/02(月) 11:01:57.80 ID:vi3gbRv+0

加藤「・・・・・・・・・・・・・・・」

田村「ねえ、加藤さん」

加藤「・・・・・・なに?」

田村「黒木さんも、格好良かったんだよ」

加藤「えっ?」

田村「あなたもカッコよかったけれど、黒木さんはもっとカッコよかったかな」

加藤「え・・・」

田村「何も言い返せなかった南さん、見せてあげたかった」

加藤「え、でも。 黒木さんに聞いたら、びっくりして言い返せなかったって」

田村「聞きたい? 黒木さん、なんて言ってたか」

加藤「・・・・・・・・・・・・・・・」
           ・ ・
田村「加藤さん、あれ、嫌いなんでしょ」

加藤「嫌いだなんて・・・」

田村「黒木さんと・・・ 智子と、どっちが好き?」

加藤「・・・・・・」



        ・
「黒木さんが、好き」



田村「ふふっ。 じゃあ、教えてあげる」

加藤「・・・・・・」

田村「黒木さんはね・・・」

加藤「(・・・そうか、わかった。 なぜ田村さんが、黒木さんのいちばんなのか)」




田村さん、悪い子なんだ。 黒木さんと同じくらい・・・

125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/02(月) 11:02:53.56 ID:vi3gbRv+0


田村「―・・・・・・。 ―――」




考えてみれば、そうだよね。

黒木さんと分かりあえるってことは、そういうことだもの。




田村「―――。 ・・・。 ――」




田村さん、すごく嬉しそうに話してる。

黒木さんの怖いところ、南さんの苦しんでたところを・・・




田村「・・・・・・・・・・・・。 ―・・・」




やっぱり悪い子の友だちは、悪い子なんだなあ。

悪い友だち、増えちゃったな。  ふふふ・・・




・・・ ゾ ク ッ 。




 ― あ れ っ ?




 ゾ ク  ゾ ク  ゾ ク ・・・

126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/02(月) 11:04:27.79 ID:vi3gbRv+0


あれ、あれ?

なんだろ、これ。




 ゾク ゾク ゾク ゾク




・・・・・・・・・・・・・

わあ、すごい。 これ・・・




田村「――――・・・!」




 ― ぞ く っ 。




・・・そうか。 こういうことなんだね、お母さん。

これが、「 毒 」なんだ。




田村「・・・・、・・・・?」

加藤「・・・・・・・・・・・・」




これが悪い友だちの、一生の毒。

・・・ 黒 木 さ ん の 、毒 。





加藤「―――――――――― 。」 ク ス ッ 。




た ま ら な い ・・・




 ク ス  ク ス  ク ス  ク ス …





※おしまい※
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/03(火) 02:17:28.31 ID:UvjVA1too
なんか途中場面が飛んだ気がしたが、まあ補完できる。
この路線でいいよ。既存キャラの関係性とせいぜいバックグラウンドに抑えれば凄く読みやすい。
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/03(火) 06:26:40.99 ID:E2511mYJ0
まあ基本自分が読むために書いたものを掲示板に乗っけてホルホルしてるだけなので・・・
誰かに読みやすいかそうでないかというのはあまり気にしてないのですが、気に入ってもらえればなによりです。
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/03(火) 19:17:18.20 ID:Bkg30cG10


いやーたまらないねぇ・・・もこっちの性格クズなのが存分に表現されていながらたまにあるいいやつな部分も出てる
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/04(水) 10:39:52.00 ID:ZCQMzWiq0
レスどうもです。
加藤さんに清められていくもこっちと、もこっちに毒されていく加藤さん。
影響を与えあっておたがい普通の女の子になっていく二人が見てみたかったってのがこのSSの原型です。
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/05(木) 11:56:30.18 ID:RbCcV0A4O
喰らえ、かともこ!
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/05(木) 21:32:26.80 ID:l+4/Xg9e0
わたモテ青学編決定?!
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/14(土) 18:20:39.03 ID:dpCd02SEO
いいすねぇ
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/01(土) 19:24:23.26 ID:SFQn8HPR0
レスの意味調べてこいカスそしてつまらん
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