【アマガミ】橘「七咲、許してくれるかな」

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130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 02:36:46.92 ID:/jkNf6yh0
日曜日

ピンポーン

橘「はーいはい」ガチャ

郁夫「来たよ」

橘「ああ、待ってたよ、いらっしゃい」

橘「えっ、七咲…?」

七咲「こんにちは」

橘「……」ちらっ

郁夫「……」にやっ

橘「と、とりあえず入って入って」
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 02:37:48.27 ID:/jkNf6yh0
橘「ねえ、どうして七咲…お姉ちゃんまで来たの?」ひそひそ

郁夫「俺からのサプライズだよ」

橘「サプライズって…」

七咲「……」

橘「ちょっと待ってて、飲み物いれてくるから」

七咲「…ねえ郁夫」

郁夫「なに?」

七咲「ほんとに私が来ていいって言ってたの?」

七咲「なんだか驚いてたみたいだけど」

郁夫「ほんとに来たって喜んでるんじゃないの?」

七咲「そうなの…?」
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/16(土) 02:39:05.91 ID:MMEHVcs4o
支援
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 02:39:08.87 ID:/jkNf6yh0
橘「あの…今からこれやるんだけど、七咲はこういうの得意だっけ?」

七咲「最近郁夫と一緒にやってますが、まだ上手く操作ができないです」

郁夫「教えてくれって言われたときはちょっと驚いたけどね」

橘「へえ」

橘「じゃあ三人でやろうか」

郁夫「あっしまった!」

橘「どうしたの?」

郁夫「マイコントローラー忘れた」

橘「大丈夫だよ、三人分のコントローラーならあるから」

郁夫「いや、いつも使ってるやつの方がしっくりくるから」

郁夫「ちょっと取りに帰る!」

七咲「ええっそんな気軽な距離じゃないでしょ」

郁夫「急げばあまり時間もかからないからいいよ、先に二人でやってて」
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 02:42:09.98 ID:/jkNf6yh0
橘「……」

七咲「……」

橘「郁夫君行っちゃったけど…先に二人でやる?」

七咲「そ、そうですね」

橘「……」

七咲「……」

橘(まさか僕の部屋で七咲と二人きりになるなんて…)

七咲「あの、橘先輩」

橘「!…な、なに?」

七咲「私がお邪魔して迷惑ですか?」

橘「いや、そんなことないよ!」

七咲「もしかしてですけど、私が来ること知りませんでした?」

橘「うん、ちょっとびっくりした」

七咲「やっぱり…」

七咲「すみません、橘先輩が来てほしいって言ってたって郁夫に言われたんです」
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 02:43:08.81 ID:/jkNf6yh0
橘「郁夫君が?」

七咲「はい」

七咲「先輩の反応がおかしかったので知らなかったのかなと思ったんです」

七咲「ちゃんと郁夫を叱っておきます」

橘「いいよいいよ、こうやって七咲と二人になれたし」

七咲「え?」

橘「あっ、いやっ…あ!スキあり!」

『いくぞ!さんみいったい!』 GAME SET

七咲「ああ!ズルいですよ!先輩!」

橘「いやー、スキだらけだったもんだからつい」

七咲「むー…」

七咲「もう一度です!」

橘「ははっ、もちろんいいよ」

七咲「次は絶対負けませんからね」
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 02:44:02.85 ID:/jkNf6yh0
橘「……」ポチポチ

七咲「……」カチャカチャ

橘「なあ、七咲」

七咲「なんですか?今ちょっと集中してて…」カチカチ

橘「そ、そうか、じゃあ終わってから言うよ」

七咲「はい」

橘「……」

七咲「……」

七咲「!」

七咲(チャンス!)

ジャキン 『あまい!』 GAME SET

七咲「今のなんですか!?」

橘「カウンターだよ」

橘「まだまだだね」
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 02:45:01.10 ID:/jkNf6yh0
橘「でも思ってたより上手だね」

橘「CPUの一番強いのよりも強いし」

七咲「結局最後は先輩にやられちゃいますけどね…」

橘「まあ僕はこれの初代からやってるし、ちょっとは自信があるからね」

七咲「前作があったんですかこれ」

七咲「あ、そうだ」

七咲「さっき言おうとしてたことって何ですか?」

橘「ああ…そのー」

橘(七咲が別のことに集中してる時に言いたかったけど…)

橘「七咲はこのゲーム気に入った?」

七咲「はい、とても楽しいです」
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 02:45:51.89 ID:/jkNf6yh0
橘「七咲の会社ってこの近くだったんだよね?」

七咲「そうですよ」

橘「じゃあさ、その、七咲さえよければ仕事が終わった後とかここに来て一緒にやらない?」

七咲「え?」

橘「いや、えっとゲームだけじゃなくて普通にいつでも来てくれていいし…」

橘「何だったらごはんも用意するし…泊まってくれても…」

橘「あっ泊まるって別にやらしい意味とかじゃなくて…」

七咲「クス、橘先輩って相変わらずおもしろいですね」

七咲「そんなことしたら先輩にすごい迷惑じゃないですか」

橘「そんなことないって」
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 02:48:44.02 ID:/jkNf6yh0
橘「そうだ、ちょっと待ってて」

タタタ

橘「これを」

七咲「え?…あのこれって…」

橘「ここの合鍵」

七咲「ええっ!?ど、どうしてですか?」

七咲「さ、さすがにこれは私を信用しすぎですよ」

橘「七咲」

七咲「な…なんですか」

橘「好きだ」

七咲「!?」

七咲「ちょっ、ちょっと先輩…私の質問どこいっちゃったんですか//」
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 02:50:31.16 ID:/jkNf6yh0
橘「どこにも行ってないよ、今のが答え」

七咲「……」

七咲「それ…本気ですか?」

橘「……」こくっ

七咲「……」

七咲「私以外にそういうこと言ってませんよね」

橘「うん」

七咲「本当ですか?」

橘「うん」

七咲「本当の本当の本当に?」

橘「うん、絶対だ」
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 02:51:32.30 ID:/jkNf6yh0
七咲「……」

七咲「わかりました」

橘「七咲…」

七咲「先輩、勘違いしないでください」

橘「え?」

七咲「とりあえずこの鍵は預かっておきますが、まだ100%信じたわけじゃありません」

七咲「これはその…」

七咲「先輩が偏った食生活にならないようにするためや部屋を掃除するためや、私が先輩に会うために預かっておくだけですから」

橘「う、うん」

七咲「さあ、この話はここまでで、続きをやりましょう」

七咲「せめて一回ぐらい勝ちますからね」
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 02:52:46.22 ID:/jkNf6yh0
七咲『同じ手はそう何度も受けませんよ』

橘『だったらこれでどうだ!』

七咲『まだまだ!』

郁夫「……」

郁夫「ふむ…どうやらこれ以上は進みそうにないな」

郁夫「もしかして盗聴器がバレたとか」

郁夫「…それはないか」

郁夫「もう聞いてても意味はなさそうだな」

郁夫「入るか」

ピンポーン

七咲「あ、もしかして郁夫が戻ってきたのかも」

橘「ちょっとストップ」

橘「進めちゃだめだよ」

七咲「そんなズルい手使いませんよ」
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 02:53:49.09 ID:/jkNf6yh0
七咲「けっこう早かったわね」

郁夫「あ、ああ、かなりがんばったからね」

七咲「そのわりに全然汗かいてなくない?」

郁夫「今日けっこう寒いしな…」

橘「まあいいじゃん七咲」

橘「郁夫君もお疲れ、ジュース飲む?」

郁夫「ありがとう」

七咲「……」
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 02:56:13.07 ID:/jkNf6yh0
バシュッ

郁夫「うわっ、姉ちゃんいつの間にそんな技覚えたの?」

七咲「ふふ、先輩に教えてもらったの」

郁夫「あれ、そんなの教えてもらってたっけ?」

橘「郁夫君がいない間に見せたんだよ」

郁夫「あ、ああー、そうだった、俺さっきまでいなかったんだ」

七咲「しっかりしなさいよね」

七咲「あれ?」

橘「ふっふー、よそ見はダメだぞ七咲」

七咲「あー先輩また!」
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 02:57:24.31 ID:/jkNf6yh0
――――――――――

郁夫「今日はありがとう」

橘「うん、また来てね」

橘「七咲も」

七咲「はい」

七咲「失礼します」

橘「またねー」
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 02:58:04.36 ID:/jkNf6yh0
郁夫「思ったより楽しそうだったね」

七咲「うん」

郁夫「よかったよかった」

七咲「…郁夫、先輩に私が来ること教えてなかったでしょ」

郁夫「あれ、そうだっけ」

七咲「コントローラーを忘れたってのも嘘でしょ」

郁夫「…バレてたの」

七咲「余計なことしなくてもいいのに」

郁夫「でも二人だけになれてよかったでしょ?」

七咲「……」

郁夫「ねえ」

七咲「ノーコメント」

郁夫「顔が笑ってるよ」
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 02:58:54.20 ID:/jkNf6yh0
数日後

橘「今日もつかれたなー」

橘「なんだろ、ポストに何か入ってる」

橘「……」

橘「なんだ割引券か」

橘「ボウリングだ…最近全然行ってないし、次の休みに行ってみようかな」

橘「うん、そう考えたらすごくボウリングがしたくなってきたぞ」

ペラッ

橘「ああっ、これ二人用!?しかも男女限定…」

橘「うう…せっかくボウリングがしたくなったのに」

橘「この価格を見て、ひとりで普通にやるとすごく損する気分になるな」

橘「そうだ!」
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 03:01:13.41 ID:/jkNf6yh0
〜♪

七咲「!」

七咲(先輩からメールだ)

七咲「……」

七咲「ボウリングか…」

七咲「橘先輩と…」

七咲「……」

七咲「おもしろそう」

七咲「は・い・い・い・で・す・よっと」

七咲「ふふっ」

先男2「七咲ー!」

七咲「はいぃ!」びくっ

先男2「ど、どうしたんだ?大きい声出して」

七咲「い、いえ…少し驚いただけです」
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 03:02:08.84 ID:/jkNf6yh0
土曜日

橘「はぁ…はぁ…」タッタッタ

七咲「あ、先輩」

橘「はぁ…はぁ…お、お待たせ…」

橘「ごめん、遅くなっちゃって…」

七咲「大丈夫ですよ、まだ約束の5分前です」

七咲「私も今来たところですし、全然待ってませんよ」

橘「ほ、ほんと…?」

七咲「はい、それよりちょっと疲れすぎじゃないですか?」

橘「ごめん、少し休ませてもらっていいかな」
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 03:03:18.65 ID:/jkNf6yh0
七咲「先輩、どうぞ」

橘「ありがとう」

プシュッ ゴクゴク

橘「ぷはーっ」

七咲「ふふっ」

橘「どうしたの」

七咲「なんだか、高校のころを思い出しますね」

橘「そ、そうかな?」

七咲「私あの時こうやって先輩と話すのことが毎日すごく楽しみだったんです」

七咲「今日はこれを話そう、明日はあれを話そうなんてことを考えてましたよ」

橘「も、もう休憩はいいや、そろそろ行こうよ」
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 03:04:27.02 ID:/jkNf6yh0
ボウリング場

橘「あのすいません、これ使えますか?」

店員「……」ちらっ

七咲「……」

店員「はい、使えますよ」

店員「カップル割ですね」

橘「カップル!?」

店員「あれ?間違ってます?」

橘「い、いや…その、あってます」

橘(男女限定とは書いてあったけどカップル割ってのは気がつかなかった…)

店員(もしかしてカップル割の上に書いてある男女割の方だったのかな)
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 03:05:16.85 ID:/jkNf6yh0
七咲「ボウリングなんて久しぶりだからうまくできるかな」

橘「いつぶりなの?」

七咲「えっと最後に行ったのが大学の…」

七咲「……」

七咲「とにかく大学以来です」

橘「僕も同じようなもんだから、けっこういい勝負になるかもね」

七咲「私、そこそこ上手かったんですよ」

七咲「久しぶりとはいえ先輩には負けませんよ」

橘「そこまでいうなら勝負する?」

七咲「ええ、いいですよ」

橘「よし負けた方が…夕食をおごるってのはどうだ」

七咲「望むところです」
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 03:05:48.02 ID:/jkNf6yh0
―――――――――

橘「うーん…」

橘「まさか全て8ピンとは…」

七咲「逆にすごいですね」

橘「褒められてる気がしない」

七咲「褒めてないですからね」

七咲「先輩、1ゲーム目は練習だったってことにしてもいいですよ」

橘「ほんと?」

橘「…いや、いい、まだこれからだ」

橘「最終的に合計で勝てばいいんだ」

七咲「わかりました、では2ゲーム目を始めましょう」
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 03:06:27.96 ID:/jkNf6yh0
橘「よしっ」

橘「…それっ」

カコーン ストライク!

七咲「おおっ」

橘「ふふーん、どうだ七咲」

橘「勝負はこれからだぞ」

七咲「……」スッ

七咲「……」シャッ

カコーン ストライク!

七咲「そうですね、楽しみです」
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 03:07:08.10 ID:/jkNf6yh0
――――――――――

橘「あれ?」

七咲「ダブルスコアですね」

橘「うん…」

七咲「先輩、楽しくなかったんですか?」

橘「いや、そんなことないよ」

橘「こんなに差をつけられるとは思わなかったけど…」

七咲「そんなに気を落とさないでくださいよ」

七咲「もしかしたら今日はたまたま私の調子がすごく良くて、先輩はすごく悪かったってだけかもしれませんよ」

橘「それでもこんなに差が出るかな」

七咲「そういうならまたやればわかるじゃないですか」

七咲「今度またやりましょうよ」

橘「いいの?」

七咲「橘先輩ならいいですよ」
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 03:08:46.76 ID:/jkNf6yh0
七咲「先のこともいいですけど、今の話もしません?」

橘「今…?」

七咲「はい、夕食楽しみにしてますよ」

橘「あ…そうだったね…」

橘(どうしよう、自分から言ったのに何も考えてなかった)

橘(七咲ラーメン好きだからラーメン屋とかどうだろう)ぶつぶつ

橘(いやいや、もう高校生じゃないんだぞ)ぶつぶつ

橘(居酒屋…いや、レストランか、ちゃんとしたレストランの方が…)ぶつぶつ

七咲「それだとラーメンがいいですかね」

橘「えっ」

七咲「全部聞こえてましたよ」

橘「ラーメンでいいの?思いつかなかっただけで、別に七咲の好きなものでいいよ」

七咲「ラーメンでお願いします」
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 03:10:22.86 ID:/jkNf6yh0
ラーメン屋

七咲「……」ズズッ

橘「……」ズズズ

橘「ふぅ、ごちそうさま」

七咲「……」ズズッ

七咲「……」

橘「?」

七咲「先輩、口の周りが汚れてますよ」

橘「え、ほんと?」

七咲「拭いてあげましょうか?」

橘「うん、お願い」

七咲「えっ、じょ、冗談で言ったに決まってるじゃないですか」

橘「なんだ…」シュン

七咲「もう…しょうがない先輩ですね」ふきふき
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 03:10:53.74 ID:/jkNf6yh0
七咲「ごちそうさまです」

橘「よし、さっきのお返しに今度は僕が七咲の口周りを拭いてあげよう」

七咲「けっこうです」ガシッ

七咲「私は自分でできますから」

橘「そんなぁ…」

七咲「先輩は本当に変態ですね、普通は女性の口周りを拭いたりしませんよ」

橘「でも普通は男性の口周りも拭かないよね」

七咲「そ、それは先輩に頼まれたので仕方なく…」
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 03:12:00.65 ID:/jkNf6yh0
――――――――

七咲「今日はありがとうございました、デートみたいで楽しかったですよ」

橘「僕もだよ」

橘「……」

橘「な、なあ…今度はさ、また僕の部屋に来ない?」

橘「いつ来てくれてもいいからさ」

七咲「そんなこと言うと毎週通っちゃいますよ」

橘「うん、七咲さえよければ」

七咲「!」

七咲「も、もう先輩ってば…」
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 03:13:16.56 ID:/jkNf6yh0
七咲「じゃあ…先輩って土曜日はいつも休みですよね?」

橘「うん」

七咲「でしたら、金曜日の仕事終わりにいいですかね…?」

橘「うん、いいよ、自由に入ってくれていいから」

七咲「前も言いましたけど、私のこと信用しすぎではないですか」

七咲「私が先輩の部屋を荒らしたり、物を盗ったりするかもしれないですよ」

橘「七咲にならいいよ」

七咲「いや、それは訴えられるので私がよくないです…」

橘「じゃあ困るんだったら七咲はそういうことしないよね」

七咲「確かにしませんけど…」
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 03:15:23.81 ID:/jkNf6yh0
七咲「私が言ってるのはもう少しやってることに自覚を持ってくださいと言っているんです」

七咲「私は安全かもしれませんが、他の人に鍵を渡してどうなっても知りませんよ」

橘「大丈夫だよ、家族以外じゃ七咲だけだから」

七咲「私だけ…ですか?」

橘「うん、だって僕は…」

〜♪

橘「!」

橘「ちょ、ちょっとごめん!」

橘「はい、もしもし橘です」

橘「え?あ、あの…番号間違えてませんか?」

橘「はい…だから橘です、違いますよ…はい」プツッ

橘「間違い電話だったみたい」

七咲「だって…何ですか?」

橘「……」

橘「つ、次の金曜日待ってるね」

七咲「…はい」
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 03:16:50.07 ID:/jkNf6yh0
翌週・金曜日

七咲(今日は残業もなく早く終われそう)

七咲(早く終わらないかな…)

七咲(…ってこれじゃまるで早く橘先輩に会いたいみたいじゃない)

七咲(…あながち間違ってないけど)

七咲(そうだ、先輩の部屋でご飯作ったら喜んでくれるかな)

七咲(先輩にメールしておこっと)

先男2「おーい七咲ー」

七咲「はいぃ!」びくっ

先男2「ど、どうしたんだ?」

七咲「いえ、ちょっとびっくりして…」
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 03:18:24.25 ID:/jkNf6yh0
先男2「今日この後あいてるか?」

先男2「先男1が話したいことがあるんだとよ」

七咲「先輩がですか?」

先男2「ああ、そうなんだ、俺もいるけどさ」

七咲「すみません、この後約束がありまして…」

先男2「あ、そうなんだ、じゃあ仕方ねえな」

七咲「すみません…」

先男2「いや、いいよ気にしなくて」

先男2「俺もとりあえず聞く形だけとるつもりだったから」

先男2「ここ最近あいつお前のこと無視してただろ」

先男2「それなのに急に誘おうとしたから変だと思ったんだよ、断って正解だぜ」
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 03:20:05.96 ID:/jkNf6yh0
七咲(ふぅ…今日も終わった)

〜♪

七咲「……」

七咲「先輩、少し遅くなるんだ」

七咲「じゃあ先に作って待ってよっと」

七咲「あ、そうだ、食材を買っていかないと」

七咲「何作ろうかな、ふふっ」

先男2「何ぶつぶつ言ってるんだ?」

七咲「ひゃあっ!?」

七咲「もう、いきなり声をかけないでください!」
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 03:21:40.62 ID:/jkNf6yh0
純一の部屋

七咲「……」ぺろっ

七咲「おいしいけど、先輩ってこういう味付け好きなのかな」

七咲「どういうのが好きか、もっと聞いておけばよかった」

ガチャ

七咲「あ、帰ってきた」

七咲「先輩」タタタ

七咲「おかえりなさ…」

美也「ふえ?逢ちゃん?」

七咲「み…美也ちゃん…!」
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 03:23:18.06 ID:/jkNf6yh0
美也「どうして逢ちゃんがお兄ちゃんの部屋にいるの?」

七咲「こ、これは違うの!その…違うの!」

美也「なにがなの…?」

美也「とりあえず、一回落ち着いてよ」

七咲「うん…」

美也「とりあえず状況を整理しよう」

美也「まず逢ちゃんはここで何してたの?」

七咲「せ…先輩にごはん作ってたの」

美也「へー、どーりでいい匂いがすると思った」
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 03:25:24.96 ID:/jkNf6yh0
美也「いつの間に二人はそんな関係になったの」

美也「全然知らなかったよ」

七咲「そ、そういう関係って…」

美也「にしししし、水臭いよ逢ちゃん」

美也「いや、そういうことならねぇねって呼ばないとね」

七咲「美也ちゃん!?」

美也「いいっていいって、もう全部わかったから」

七咲「あの、だから」

ガチャ

橘「ただいまー」

美也「あっ帰ってきたみたいだよ」

美也「ほら、ねぇね!」ぐいっ

七咲「ね、ねぇねじゃないよ、押さないで…」
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 03:26:46.55 ID:/jkNf6yh0
トンッ

七咲「あ…」

橘「七咲、来てくれたんだ」

七咲「おかえりなさい…」

橘「なんか、新鮮だな、七咲にそう言われるなんて」

橘「おっ、いい匂いがするぞ」

七咲「あ…せ、先輩のために作ってたんですよ」

橘「メールもらったときからさ、ずっとそれを楽しみにしてたんだよ」

七咲「先輩…」

橘「七咲の料理はなにかなー」

美也「カーット!」

橘「美也!?」
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 03:27:59.56 ID:/jkNf6yh0
美也「にぃに、せっかくちょっといい雰囲気になったんだから、料理はなにかなーはないでしょ」

橘「にぃにって言うな…」

橘「だいたいなんで美也が」

美也「ねぇねもだよ」

橘「ねぇね…?」

七咲「ねぇねじゃないってば…」

美也「そこは『ごはんにする?お風呂にする?それとも…わ・た・し?』ぐらい言わないと」

七咲「美也ちゃん…それは…」
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 03:29:20.95 ID:/jkNf6yh0
橘「美也!僕の話を聞け!」

美也「なに?」

橘「なに?じゃないだろ、なんでここにいるんだ」

美也「今日行くって連絡してたじゃん」

橘「え?いつ?」

美也「今日の夕方ごろ」

橘「……」

橘「あ、ほんとだ」

美也「逢ちゃんが大切なのはわかるけど、妹のことも忘れないでよね」

橘「た、たまたま仕事が忙しくて見れてなかっただけだって」
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 03:30:33.01 ID:/jkNf6yh0
橘「来るとは書いてあるけど、理由が…ん?なんだこのにおい…」

七咲「あっ!火をつけっぱなし!」

ジュー

七咲「あ…」

七咲「先輩、すみません!」

橘「ちょっと見せて」

七咲「はい…」

橘「……」ぱくっ

橘「うん、おいしい」

七咲「先輩!?だめですよ、そんな失敗したの食べちゃ」

橘「いやー、お腹へってたし、つい」

橘「でもほんとにおいしいし、全然失敗してないよ」

七咲「橘先輩ったら…」
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 03:31:47.50 ID:/jkNf6yh0
美也「コホン」

美也「お二人さん、みゃーもいることをお忘れでは?」

橘「あっ…」

七咲「わ、わかってるよ美也ちゃん」

美也「はぁ…用が終わったらすぐ帰るから」

美也「そのあとで二人だけで楽しんで」

七咲「楽しむって…」

美也「お兄ちゃん、貸してた漫画とDVD返して」

橘「あ、うん」
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 03:33:04.46 ID:/jkNf6yh0
美也「元々返してもらったらすぐ帰るつもりだったけど、思わぬ収穫があったよ」

美也「それじゃあ二人とも、まったねー」

美也「おっとそうだ、にぃに」ちょいちょい

橘「なんだよ」

美也「にしし、いいこと教えてあげる、耳貸して」

美也「……」ごにょごにょ

橘「あ…う、うん…」

美也「じゃあがんばってねー」

バタン

橘「……」

七咲「……」

橘「ごめんね」

七咲「先輩は何も謝ることないですよ」

七咲「というより、美也ちゃんにも謝られるようなことされてないです」

七咲「美也ちゃんがいい子だってことがわかりましたし」

橘「えっ、今ので?」
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 03:34:14.18 ID:/jkNf6yh0
七咲「また新しくごはん作り直しますから、先輩はその間にお風呂にでも入って待っててください」

橘「いいの?」

七咲「先輩のお家なんですから、何も遠慮することないじゃないですか」

橘「いや、先に七咲が入らなくていいのかなって思って」

七咲「私はいいですよ」

七咲「先輩がいいって言ってくれるなら構いませんが、そうじゃないならこのままの方が帰りやすいですから」

橘「いいって何が?」

七咲「お泊りですよ」

橘「うん、全然いいよ」

七咲「っ…そんなあっさり…」

橘「前言ったじゃん、泊まってくれてもいいって」

七咲「あれはてっきり冗談かと…」
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 03:35:16.00 ID:/jkNf6yh0
七咲「……」

七咲「そういうことでしたら、お言葉に甘えさせてもらいます」

橘「じゃあお風呂は先に入っていいよ」

橘「その間に僕がごはん作っておくから」

七咲「えっ先輩がですか?」

橘「これでも大学から一人暮らししてるんだ、ある程度のものなら作れるよ」

七咲「わかりました、お願いしますね」

橘「任しといて」
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 03:36:04.17 ID:/jkNf6yh0
七咲「あっ」

七咲「先輩、すみませんが服を貸していただけませんか?」

橘「ああ、そうか」

橘「僕のでよければ、ちょっと大きいかもしれないけど」

七咲「せ、先輩のですか」

七咲「……」

橘「やっぱり嫌かな…?」

七咲「いえいえ!そんなことありません!」

橘「それなら…よかった」
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 03:37:36.19 ID:/jkNf6yh0
―――――――――

ちゃぷっ

七咲「ふぅ…」

七咲「泊まらせてもらうことになったけど、先輩は本当はどう思ってるんだろ」

七咲「案外先輩の計画通りだったりして」

七咲「……」

七咲「高校のときよりも関係は進んだのかな…」

七咲「先輩の家に泊めてもらうなんてなかったし」

七咲「先輩とふたりきりか…」

七咲「先輩と…」ぶくぶく

七咲「……//」

ジャバッ

七咲「ぷはあっ!な、何考えてるの私は…!」

七咲「一回冷静にならないと…」

七咲「……」

七咲「あっ!下着どうしよ…」
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 03:39:32.55 ID:/jkNf6yh0
―――――――――――

七咲「お風呂お先でした」

橘「僕の服大きすぎないかな?」

七咲「少しすーすー…ぶかぶかですが、大丈夫です」

橘「よかった、ごはんもできたし食べよ」

七咲「先輩はお風呂入らないんですか?」

橘「僕は食べた後でいいよ」

橘「七咲と一緒に食べたいしね」

七咲「そうですね、それだと目の前で先輩の料理の感想言えますからね」

橘「今日のは自信作だから、いい感想が聞けると思うよ」
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 03:40:46.95 ID:/jkNf6yh0
七咲「……」もぐもぐ

橘「どうかな?」

七咲「おいしいですよ」

橘「ほんと、やった〜」

七咲「先輩が作るってなったときはどうなるかと思いましたがね」

橘「おいおい、ひどいな」

七咲「冗談ですよ」

七咲「今はもう先輩のこと信じてますから」
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 03:42:13.49 ID:/jkNf6yh0
――――――――

七咲「ごちそうさまでした」

七咲「後片付けは私がやりますよ」

橘「いいよ、七咲はお客さんなんだからゆっくりしてて」

七咲「そういうわけにはいきませんよ」

七咲「先輩はお風呂行ってください」

七咲「帰ってきてからそのままじゃないですか」

七咲「今日は私がいるんですから、私ができることは何でも任せてください」

橘「んー…そういうことならお願いしようかな、よろしくね」

七咲「はい」
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 03:43:06.22 ID:/jkNf6yh0
―――――――

橘「……」

橘「よく考えたら…これはすごいことなんじゃないか」

橘「このお風呂に七咲が入ったんだよな」

橘「採取するか」

橘「って、何やってるんだ」

橘「そんなことはもう大学に入ってやめたじゃないか」

橘「…少し落ち着いたぞ、考えてみれば採取して飾ったところで何の意味もないじゃないか」

橘「飲むだけにしておこう」

ガンッ

橘「僕は何も成長していないのか…!」

橘「大人になれ!橘純一!」
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 03:43:46.38 ID:/jkNf6yh0
七咲「先輩、大丈夫ですか?」

七咲「すごい音しましたけど」

橘「あ、ああ、気にしないで」

橘「ちょっとすべって頭をぶつけただけだから」

七咲「もう…しっかりしてくださいよ」

七咲「怪我してませんか?」

橘「うん、なんともないよ」

橘「七咲はほんと、くつろいでていいから」
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 03:44:44.56 ID:/jkNf6yh0
―――――――

橘「今日のお風呂は僕が生きてきた人生の中で最高のお風呂だった」

七咲「…相変わらずの変態ですね」

橘「い、いや、そういう意味じゃなくて」

七咲「他にどういう意味があって言ったのか知りたいですね」

橘「ないです…」

七咲「でも、先輩は高校の時のままで少しうらやましいです」

橘「そんな、僕がまるで成長していないみたいじゃないか」

七咲「…あまり変わってないように思えますが」

橘「こう見えてもちゃんと成長してるんだよ」
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 03:45:40.38 ID:/jkNf6yh0
橘「……」キリッ

七咲「……」

橘「……」キリッ

七咲「どこがですか?」

橘「ひどいっ」がくっ

七咲「冗談ですよ、ただ私がしてるのは成長の話ではなくてですね…」

橘「七咲だって案外成長していないかもしれないじゃないか」

橘「その服の下に水着着てたりして、見ていい?」

七咲「き、着てるわけないに決まってるじゃないですか!!見ていいわけないでしょ!!」

橘「ご…ごめんなさい」

橘「あの、でももう夜だし、周りにも迷惑かかっちゃうからもうちょっと静かにね…」

七咲「すっ…すみません!つい…」
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 03:46:33.58 ID:/jkNf6yh0
七咲「……」

橘「……」

七咲「あの、先輩…」

七咲「すみません、大きな声を出して」

橘「僕の方こそ変なこと言ってごめん」

七咲「……」

橘「…そうだ、軽く飲まない?」

橘「それで楽しい話をしよう」

七咲「楽しい話ってどういう話ですか?」

橘「そうだな、最近のテレビのことだったり、普段の会社でのことだったり」

七咲「会社の話はあまり楽しいとは思えませんが」

橘「あー…そうだね、会社の話はなしだな」
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 03:47:19.20 ID:/jkNf6yh0
橘「七咲は大晦日に何の番組をみてた?」

七咲「郁夫と一緒にお笑いを見てました」

橘「もしかして、出演者は笑っちゃうとお尻を叩かれちゃうあれかな」

七咲「はい、そうです」

橘「やっぱり、僕も見てたよ」

七咲「私もうずっと笑っちゃってました」

橘「どこが特におもしろかった?」

七咲「そうですね、プレイボーイ医師が車から降りたら落とし穴に落ちるところですかね」

七咲「あれもうずっと笑っちゃって」

橘「あそこか、あれは確かにおもしろかったな」
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 03:55:29.46 ID:/jkNf6yh0
橘「休日に出かけたりしないのなら、服とかはあまり買ったりしてないの?」

七咲「いえ、休日に出かけないだけで、そういう買い物は仕事終わりにしてます」

七咲「ただ、残業なんかで帰るのが遅くなると閉まっちゃうお店もありますから、けっこう日が限られるんですよね」

橘「さっきの休日の過ごし方もだけど、七咲って意外とのんびりしてるんだね」

橘「高校の時はかなりしっかりした子だったからちょっと驚いたよ」

七咲「そういう人は嫌いですか?」

橘「いや、そんなことないよ」

七咲「高校や大学のときはいろいろ目標なんかがありましたから、普段の生活も充実してたんです」

橘「今は?」

七咲「今は寝て起きて、会社に行って、ただひたすら仕事をして、家に帰って…」

七咲「毎日何の変化もなく、それを繰り返してるだけですからね」

七咲「休みの日には何か新しいことをしようなんて元気もなかったんです」
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 03:56:12.83 ID:/jkNf6yh0
橘(七咲も大変なんだな…)

橘(せめて僕がやさしくしてあげないと)

橘「七咲、ビールがもうないよ、ほら」

七咲「すみません、ありがとうございます」

橘「おつまみもまだまだあるから遠慮しないで」

橘「そうだ、肩もんであげようか?」

七咲「どうしたんですか?なんか変ですよ」

七咲「まさかもう酔ったんですか」

橘「いや全然」

橘「僕はいつもこうだよ」

七咲「それもそうですね」

七咲「じゃあお願いしてもいいですか?」

七咲「肩、もんでくれるんですよね」

橘「うん、任せてよ」
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 03:57:17.42 ID:/jkNf6yh0
1時間後

七咲「……」うとうと

橘「七咲、七咲」とんとん

七咲「ふぇ…しぇんぱい…?」

橘「こんなところで寝たら風邪ひくよ」

橘「ほら、ベッドそこだから」

七咲「はーい」

橘(七咲って酔うとこんな感じになるのか、普段とのギャップというか…これはこれでかわいいな)

七咲「あれ、しぇんぱいはねにゃいんですか?」

橘「ああ、片づけたら寝るよ」

七咲「はやくしてくだしゃいねー」
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 03:58:20.68 ID:/jkNf6yh0
橘「さてと、僕もそろそろ寝るかな」

七咲「しぇーんぱい」ばたばた

橘「あれ、まだ寝てなかったの?」

橘「もう電気消すよ」

七咲「はーい」

橘「じゃあおやすみ」

七咲「あれー、べっどここですよー」

橘「うん、七咲はそこで寝ていいよ、僕はこっちの布団で寝るから」

七咲「いっしょにねましょーよ」ぽんぽん

橘「いやいやいや、それはだめだよ」

七咲「いーじゃないですかー、わたしのおねがいきいてくだしゃいよー」

橘「だ、だからだめだってば」

七咲「しぇんぱいがこにゃいなら、わたしがそっちいきますよ」ごろん
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 03:59:14.52 ID:/jkNf6yh0
橘「あの…七咲、一応わかってると思うけど、僕たちはもう高校生じゃなくて大人なんだよ」

橘「その二人が同じ布団で寝るっていうのはよくないと思うんだよね」

橘「あ、高校生ならいいってわけでもないけど…」

橘「それに、ま、まだそういう関係じゃないし…」

七咲「しぇんいはわたしとねるのいやですか?」

橘「嫌じゃないよ、むしろ寝たい…けど」

七咲「じゃー、きまりですね」ぐいっ

橘「わっ」すてんっ

七咲「たちばなしぇんぱい」

橘「な…なに…?」

七咲「わたし、しぇんぱいのことだいしゅきですから、なにされてもかまいませんよ」

橘「!?」

橘「な、七咲…ちょっとさすがに」

七咲「……」

橘「七咲?」

七咲「すー…すー…」
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 04:00:00.83 ID:/jkNf6yh0
翌日

七咲「……」パチッ

七咲「……」むくっ

七咲「んーっ…」

七咲「うー…もうこんな時間…」

七咲「!?」

橘「ぐー…ぐー…」

七咲「えっ…せん…え、ちょっと…え?」

七咲「どうして私が先輩と…」

七咲「たしか昨日…」

七咲「あれ、思い出せない…」
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 04:00:47.57 ID:/jkNf6yh0
橘「ぐー…」

七咲「……」

七咲「まさかとは思いますけど…」

七咲「そんな…嘘ですよね?先輩…」

七咲「た、ただ隣で寝てただけですよね?」

七咲「何も…なかった…ですよね?」

七咲「私としては別に先輩なら何かあったとしても…じゃなくて!」

橘「うーん…」ごろん

七咲「ひゃあっ!…って寝返りか…」
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 04:02:29.45 ID:/jkNf6yh0
――――――――

橘「ふわわわー」

橘「よく寝た」

七咲「お…おはようございます先輩」

橘「ああ、おはよう」

七咲「も、もうお昼ですけど、朝食できてます」

橘「おお、ありがとう!」

橘「悪いね、ごはん作ってもらって」

七咲「泊めていただいたので、これぐらいは」

橘「そんなことぐらい全然気にしないでいいよ、僕は七咲の新しい一面が見れておもしろかったし」

七咲「え…そ、その…私昨日何かご迷惑をお掛けしたりは…してないですかね?」

七咲「えっと、あまり覚えてなくて…」
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 04:03:36.79 ID:/jkNf6yh0
橘「迷惑…ってほどでもないけど、七咲って意外とああいう面もあるんだね」

七咲(聞きたいような、聞きたくないような…)

七咲(酔って変なことしたとか…)

橘「全然眠れなかったよ」

七咲「ね、眠れなかった…」

橘「結局そのまま寝ちゃったんだけどね」

橘「えっと…その、かわいかったよ」

七咲「!?」

七咲「せ、先輩、そんな…//」

橘「僕の袖をつかんだまま、全然離してくれなかったから移動もできなかったんだよね」

七咲「え?」
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 04:04:57.13 ID:/jkNf6yh0
七咲「袖を…ですか?」

橘「うん」

七咲「そ、そうですか」

七咲「変なことは言ってませんでした?」

橘「変なことか…」

橘「……」

橘(七咲「わたし、しぇんぱいのことだいしゅきですから、なにされてもかまいませんよ」)

橘「いっ…言ってなかったと思うよ」

七咲「よかった…」ほっ
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 04:05:46.07 ID:/jkNf6yh0
橘「なあ、後でどこか出かけないか?」

七咲「はい、いいです…あっ」

七咲(そういえば私今下に何も…)

七咲(その状態で外を歩き回るなんてとてもじゃないけど)

七咲(出かけた先で新しいのを買えば)

七咲(でもそれはリスクが)

七咲(あっ)

七咲「あの、私今ある服が昨日来てたスーツだけで出かける服がないんですよ」

七咲「正直スーツは好きじゃないので、あれで歩き回るのはちょっと…」

橘「そうなんだ」

七咲「すみません…」

橘「いいっていいって、僕の方こそごめんね」

橘「七咲に合うサイズの服を持っていればよかったんだけど」

七咲「それは持ってたらおかしいです」
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 04:06:28.82 ID:/jkNf6yh0
ピー ピー

橘「あれ、洗濯機の音」

橘「洗濯もしてくれてたの?」

七咲「はい」

七咲「それじゃあ外に干してきますね」

シュババッ

七咲(先輩の洗濯物は干し終わったから、後は私のだけ」

七咲「そうだ」

七咲「先輩、ドライヤーお借りしますね」

橘「うん」

七咲「ありがとうございます」

橘「……」

橘「ドライヤー?」

橘「何に使うんだろ」

橘「七咲のことだから何か家事の裏技的なことかな」

橘「今後のために僕も教えてもらおう」
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 04:07:27.17 ID:/jkNf6yh0
七咲「時間はかかるだろうけど、少しでも早く乾かさないと」ゴォー

橘「七咲ー」ガチャ

七咲「っへぇ…っ!?」

橘「何してるの?」

七咲「い、いや、これはその…」

七咲「せ…先輩こそどうしたんですか//」

橘「ドライヤー使うって言ってたから何か家事の裏技とかやるのかなと思って」

橘「顔赤いけど、大丈夫?」

七咲「だっ、大丈夫ですから!」

七咲「あっち行っててください!」

橘「う、うん」
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 04:09:10.02 ID:/jkNf6yh0
橘「うーむ、七咲何してたんだろ」

橘「顔も赤かったし、ちょっと心配だな」

橘「こっそり覗いてみるか」

橘「……」

七咲「……」ゴォー

橘(何かを乾かしてる…?)

七咲「ふぅよかった、こんなところ先輩に見られたらどう思われることか…」

橘(なんだなんだ?気になるぞ)

七咲「これはだいたい乾いたかな」

七咲「こっちも乾かさないと」
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 04:10:06.67 ID:/jkNf6yh0
橘「!?」

橘(あ、あれはまさか七咲の…!)

橘(まあたしかに男の一人暮らしの僕の部屋に七咲の下着が干してあったら変に思われるよな)

橘(そうか、七咲そんなことまで考えてくれてたのか)

七咲「よしっこれなら着れるかな」

七咲「……」ぬぎっ

橘「えっ」がたっ

七咲「!」びくっ

橘「……」

七咲「……」

七咲「……//」

七咲「……///」ぷるぷる

橘「は…ははっ…」

七咲「先輩の変態っ!」
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 04:10:45.43 ID:/jkNf6yh0
七咲「……」

橘「ごめんって、機嫌直してくれよ」

橘「結果的には覗きになってしまったかもしれないけど、そういうつもりじゃなかったんだ」

橘「僕はただ、七咲がちょっと心配だったから」

七咲「心配?」

橘「うん、一回目に見たときはなんだか顔が赤かったからさ」

七咲「……」

橘「見たっていっても背中だけだし、部活の時はいつも見せてたじゃないか」

七咲「あれは見せるためじゃありません」
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 04:11:19.14 ID:/jkNf6yh0
七咲「…まあいいですよ」

七咲「元々は用意できてなかった私が悪いですから」

橘「よかった〜」

橘「ん?待てよ」

橘「着替え分がなくて乾かしてたのなら、さっきまでの七咲って…」

七咲「な、なんですか…」

橘「というより昨日お風呂に入ってからか」

橘「そこからずっと…」

七咲「な、なに想像してるんですか!」
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 04:11:49.08 ID:/jkNf6yh0


七咲「もうこんな時間…」

七咲「私そろそろ帰ります」

橘「駅まで送るよ」

橘「ついでにコンビニにも行きたいし」

七咲「はい、じゃあお願いしますね」
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 04:12:26.37 ID:/jkNf6yh0
橘「やっぱりこの時間はかなり寒いな」

七咲「そうですね」

七咲「寒いからってこたつに入ったまま寝ちゃだめですよ」

橘「それは七咲のことじゃないか」

七咲「そうでしたっけ、忘れました」

橘「僕は七咲の普段の生活が心配だよ」

七咲「先輩に心配されるなんてちょっとショックです」

橘「ええっどういう意味だよ」

七咲「冗談ですよ、ありがとうございます」

七咲「やっぱり先輩はやさしいですね」

橘「それはまあ…心配するぐらい当たり前だから」
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 04:13:00.49 ID:/jkNf6yh0
七咲「もう駅に着いちゃいましたね」

橘「ん?ああ、そうだね」

七咲「不思議ですね、楽しい時間ほど短く感じてしまうなんて」

橘「そうだな、僕はもっと七咲と話していたいもん」

七咲「はい、私もです」

七咲「来週もまた来ていいですか?」

橘「もちろんだよ」

橘「次は着替えを忘れずにな」

七咲「また泊まりですか?」

橘「あれ、嫌だった?」

七咲「先輩がエッチなことをしようとしなければ問題ないんですがね」

橘「僕は何もしてないよ」

七咲「ふふっ」

七咲「それじゃあ失礼します」
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 04:13:27.75 ID:/jkNf6yh0
3日後

プルルルルル

橘「はい、橘です」

七咲「もしもし七咲です」

橘「おお、七咲か、ちょうどよかった」

七咲「ちょうどいい?」

橘「うん、僕も七咲に電話しようと思ってたところなんだ」

七咲「そうだったんですか」

橘「あ、七咲から話してよ、かけてきたのはそっちだし」

七咲「はい、いいですよ」
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 04:14:19.11 ID:/jkNf6yh0
七咲「あまり大したことじゃないですけど、私が今度会社のプロジェクトのリーダーに任されまして」

橘「おお、すごいじゃないか」

七咲「その…先輩に一番に伝えておきたいと思って」

橘「僕に…?」

七咲「はい」

橘「そっか…」

橘「……」

七咲「先輩?」

橘「よし」

橘「そういうことならお祝いしないとな」

七咲「お祝いですか!?」
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 04:14:57.24 ID:/jkNf6yh0
七咲「で、でもまだやったわけでもなく、決まっただけですよ」

七咲「それに言いましたけど、大したことじゃないですし…」

橘「でもそれで電話してきたんでしょ?」

七咲「まあ…はい…その、先輩に褒めてほしくて…」

七咲「もう、そんなこと言わせないでください」

橘「直接会って話もしたいってのもあるんだけどね」

七咲「そういうことでしたら、はい、お願いします」

橘「日付は、そうだな…」

橘「今週の木曜日なんてどうだろ、平日だけどさ」

七咲「今週の木曜日ですか…」

橘「うん、無理…かな?」

七咲「いえ、ではその日で」

橘「詳しいことはまたメールするから」
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 04:15:37.42 ID:/jkNf6yh0
七咲「それで先輩の用は何なんですか?」

橘「え、僕?」

七咲「ちょうど電話をしようと思ってたって言ったじゃないですか」

橘「ああ、そうだった」

橘「いやー、なんていうか七咲と話したいなと思ってて」

七咲「?」

七咲「どうしたんですか、なんか変ですよ」

橘「変ってそんなことないよ、僕はいつも通りだよ」
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 04:16:35.23 ID:/jkNf6yh0
木曜日

七咲「先輩!」

七咲「すみません、お待たせしました」

橘「いやいや、全然待ってないよ」

橘「まだ時間にも余裕があるし」

七咲「あの、ここいつもの場所と違いますよね」

橘「うん、そうだね」

七咲「そうだねって…」

橘「まあ僕に任せてよ」

七咲「はい…」
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 04:17:17.24 ID:/jkNf6yh0
店員「いらっしゃいませ」

橘「予約してた橘です」

店員「お待ちしておりました、こちらへどうぞ」

七咲「……」

七咲「ちょっと先輩、ここ高そうですけど、大丈夫なんですか」ひそひそ

橘「たしかに僕は高い所はちょっと苦手だけど…」

七咲「それは高所ですよね、私が言ってるのはお金のことです」

橘「ああ、僕だってちゃんと考えてるから」

七咲「それならいいですけど…」
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 04:18:00.23 ID:/jkNf6yh0
―――――――

橘「どうだった?」

七咲「とてもおいしかったです」

七咲「でもちょっと意外です、先輩にこういったところに連れて来ていただけるなんて」

七咲「静かで、先輩とだけとの空間で…橘先輩にしてはおしゃれですね」

橘「だって今日は特別な日だろ」

七咲「特別…?な、何かありましたっけ」

店員「失礼します」

店員「どうぞ」

七咲「ケーキ…」
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 04:19:04.61 ID:/jkNf6yh0
七咲「あの、先輩もしかして…」

橘「僕こういう経験ないからさ、上手く言えないけど…」

橘「でも七咲の誕生日はお祝いしたいなと思って」

七咲「知ってたんですか、私の誕生日」

橘「うん、おせっかいな妹が教えてくれたよ」

七咲「美也ちゃんが、そうですか」

橘「それとこれも、開けてみて」

七咲「あ…きれい…」

七咲「いいんですか、こんなものもらっちゃって」

橘「七咲のために買ったんだから」
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 04:20:03.10 ID:/jkNf6yh0
橘「誕生日おめでとう七咲」

七咲「ありがとうございます、大事にしますね」

橘「それと…その…」

橘「これは七咲さえよければ…なんだけど…」

橘「えっと…」

橘(ここでハッキリ言わないと…!)

七咲「?」

橘「来年もこうやって七咲の隣で一緒に祝わせてくれないか」

七咲「橘先輩…」

橘「……」

七咲「来年だけ…ですか?」

橘「そ、その…とりあえず」

七咲「私は来年も再来年もその先もずっと先輩といたいです」
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 04:20:55.28 ID:/jkNf6yh0
七咲「先輩…私はずっと…あの時から…」

橘「……」

七咲「大好きです、だから私の彼氏になってください」

橘「あっ…その…」

七咲「……」

橘「まさか七咲から言われるなんて…」

橘「ほんとは今日僕から言おうと思ったのに」

七咲「先輩がハッキリしないからですよ」

七咲「でも私はそんな先輩が好きなんです」

橘「ははっ…そうか…」

橘「僕も七咲のことが一番好きだ、偽りないよ」

橘「僕を七咲の彼氏にしてほしい」
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 04:21:45.98 ID:/jkNf6yh0
橘「本当は高校生のうちに言っておきたかったんだけど…」

橘「バカだな僕は…あんなことして」

七咲「あの時は約束破りましたよね、今度は信じてますからね」

橘「うん」

橘「七咲」

七咲「はい」

橘「……」ぐいっ

橘「……」

七咲「あっ…」

七咲「先輩…」

橘「これからもよろしくな」

七咲「はいっ」
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 04:22:36.21 ID:/jkNf6yh0
数年後

橘「……」

ガチャ

逢「純一さん、朝ですよ、起きてください」

逢「今日は遊園地に行く日でしょ」

橘「うーん…逢がおはようのキスしてくれたら起きるかも」

逢「もう、しょうがない人ですね」

逢「……」チュッ

橘「……」もぞもぞ

橘「……」がしっ ぐいっ

逢「えっ!?きゃっ」

逢「やっ、ちょっ…じゅんいちさ…あんっ」
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 04:23:16.84 ID:/jkNf6yh0
女の子「パパおっきろー!」

男の子「おきろー」

逢「!?」

橘「!」

男の子「あれ?ママもねてるのー?」

逢「お、起きてるよ、パパももうすぐ起きるからあっち行ってなさい」

女の子「はーい」

男の子「はーい」

逢「もうっ」ペシッ

橘「いたっ」
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/16(土) 04:24:13.42 ID:/jkNf6yh0
逢「あなたはほんとに変わらないんだから」

橘「逢だって変わってないじゃないか」

逢「純一さんに合わせてるんです」

逢「さぁ、早く準備しましょ、子どもたちが待ってますよ」

橘「うん」

逢「……」

逢「ねえ純一さん」

橘「なに?」

逢「大きな子どもが一人に小さな子どもが二人」

逢「毎日が大変ですけど、私とっても幸せですよ」

終わり
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/16(土) 04:37:49.35 ID:xzZFwraxo

案外あっさり終わったね
アマガミSSまた増えないかな
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/16(土) 04:54:38.86 ID:xJ4nI9NEO
良かった
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/16(土) 05:17:42.91 ID:KqgGR3VCo
ラブリーと絢辻さんが出てこなかったからどっちかがスキbadになった原因かな?
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/06/16(土) 07:19:08.45 ID:KrOzI2HS0
久々にアマガミがやりたくなったん
ありがとう
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/16(土) 09:17:28.81 ID:aBp91MJr0
おつおつ
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/16(土) 11:16:16.77 ID:Ryvhdgcb0
乙!
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/16(土) 12:32:10.62 ID:/jkNf6yh0
書き忘れてた
先男1はストーカーにするつもりだったけど書き方がわかんなかった
ちょっと中途半端なキャラになってしまいました
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/16(土) 15:44:38.76 ID:tQNJAsNio
なるほど
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/16(土) 16:57:18.57 ID:LjBByLsSO
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