【アマガミ】橘「今日はカットの練習に付き合う日だったな、準備をして薫を待つか」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 02:15:41.85 ID:2TiAgKUB0

二週間前に七咲のを書いたら他のも書きたくなったので二人目として薫を
心が折れない限りは全員分書きたいなと思ってます

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1530292541
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 02:16:10.08 ID:2TiAgKUB0
棚町「あん、動かないでよ」

橘「お前が引っ張りすぎなんだよ」

棚町「だって、まだ慣れてないし…」

橘「バッチリ完璧じゃないのか?」

棚町「気持ちの上ではね」

棚町「あ…」

橘「か、薫…それは切りすぎだろう」

棚町「うっさいわね!」

棚町「これから暖かくなるから短くしてあげんのよ」

橘「素直にミスったって言えよ」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 02:16:41.92 ID:2TiAgKUB0
棚町「誤差の範囲よ!」

橘「誤差って何だよ!」

棚町「あ〜っ!うっさいうっさい!」

橘「……」

棚町「ねぇ純一」

橘「うん?」

棚町「これからも一緒にいようね」

橘「何だよ、急に?」

棚町「あははっ、何でもない!!」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 02:17:29.50 ID:2TiAgKUB0
三年後

棚町「純一〜!」

橘「薫、どうだった?」

棚町「へへー、もち合格!」

橘「やったな、これで薫も美容師なのか」

棚町「まあね〜」

橘「それにしても以外だな」

棚町「あたしが美容師になったことが?」

橘「それもあるけど、試験って実技だけじゃなくて筆記もあるんだろ?」

橘「しかも就活もしてさ」

橘「それを全部合格したなんて」

棚町「それどういう意味よ」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 02:18:01.24 ID:2TiAgKUB0
橘「は、はは…薫なら合格するって信じてたよ」

棚町「ほんとに…?」

橘「もちろん、だって自分が一番好きな人を信じないなんて失礼だろ」

棚町「そう…てんきゅね」

棚町「あれはあたしの人生の中で一番勉強したかもね」

棚町「そもそもあんなに机の前に座ってるってことがなかったもん」

橘「たしかに薫が勉強してる姿なんて想像もつかないな」

棚町「アンタ、中学、高校とあたしの勉強しているところを近くで見てたでしょ」

橘「勉強…してた?」

棚町「うーん…」

棚町「……」

棚町「そんなことより久しぶりのデートなんだから勉強の話は終わり!」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 02:18:31.51 ID:2TiAgKUB0
遊園地

棚町「えっと…どこに行こうかな」

橘「あれ?」

棚町「ん?どうしたの?」

橘「いや、前来たときはかたっぱしから全部って言ってたから今回もかと思ったから」

棚町「そ、そうだったわね」

棚町「よーし、あそこから全部乗るわよー!」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 02:19:50.54 ID:2TiAgKUB0
―――――――

棚町「次は…観覧車ね!」

橘「か、薫…それとジェットコースターは今日はいいんじゃないか?」

棚町「どーしよっかなー」

棚町「全部乗るって言っちゃったしー」

棚町「あ、そうだ!」

棚町「じゃあこうしない?」

棚町「観覧車とジェットコースターに乗るかあれに入るか」

橘「あれ?」

棚町「あれよあれ!」

橘「ファラオ…か」

棚町「さあどうすんの?」

橘「はぁ…高い所よりはマシか…」

橘「うん、じゃあこっちで」

棚町「よし、れっつごー!」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 02:20:32.09 ID:2TiAgKUB0
橘「……」

棚町「……」

橘「なあ薫」

棚町「…なに?」

橘「その肩をつかんで後ろにいられると歩きにくいんだが」

棚町「こういうところじゃ男が女の前を歩いていくものでしょ」

橘「ここじゃどっちも男になっちゃうだろ…」

棚町「あれはあたしだけが…変身しちゃったからでしょ」

棚町「こうしてれば…アンタが…変身することになる」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 02:21:06.67 ID:2TiAgKUB0
ウォォォオオオォォ〜〜ン!

橘「出たな小っちゃい方のやつ」

橘「じゃあもうそろそろあいつが…」

棚町「……」

ゴゴゴゴゴゴ

キング「ウォオオオォ〜ン!」

キング「我の眠りを妨げる者よ」

キング「千年王国の呪いを受けるがいい!」

キング「その罪、自らの身で思い知るがいい!」

キング「ウォオオオォ〜ン!」

橘「うっ!」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 02:21:45.55 ID:2TiAgKUB0
橘「……」

橘「こ、今度はどうなったの?」

橘「薫、大丈夫?」

橘「あれ、薫?」

橘「薫ー!どこなのー!」

ガッ

橘「!?」

棚町「うっ…」

橘「薫!?」

棚町「ちょ…ちょっとビックリして倒れちゃった…だけ…だから…」

橘「薫?」

橘(様子がおかしい、尋常じゃない汗に目の焦点があってない)
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 02:22:44.05 ID:2TiAgKUB0
橘「これがファラオの呪いだとしても、このままはマズイ!」

橘「私がおんぶしてでも早く外に」

橘「ふぬっ」

橘「あ、あれ力が…」

橘「どういうことなの?」

男性「お姉さん大丈夫ですか?」

橘「あ、す、すみません!助けてください!」

橘「連れの子の様子がおかしくて!」

男性「棚町!?どうしたんだ?」
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 02:23:42.77 ID:2TiAgKUB0
橘「え?」

橘「う、梅原!」

梅原「ん?」

梅原「どこかでお会いしましたっけ?」

橘「何こんなときにふざけてるんだ」

橘「私よ、橘よ!」

梅原「橘ぁ!?」

梅原「……」じーっ

梅原「俺の知ってる橘…で、いいんだよな?」

梅原「美也ちゃんじゃなくて、その兄貴の…」

橘「それしかいないだろ!」
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 02:24:30.00 ID:2TiAgKUB0
梅原「そこに鏡があるから自分の姿を見てみろ」

橘「……」じー

橘「な、なんじゃこりゃああ!」

橘「わ、私がお、おおお女に!」

橘「なんだか胸が重くて下半身がスース―すると思えば…」

橘「って今はそんな場合じゃないの!」

橘「梅原、手を貸して!」

橘「薫を早く外に!」

梅原「お、おう!」
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 02:25:19.46 ID:2TiAgKUB0
―――――

橘「もどった…」

梅原「ほんとに橘だったんだな」

橘「だからそう言ってただろ」

橘「そんなことより、薫が…」

橘「どうやらファラオマジックだったわけじゃなさそうだ」

橘「僕は救急車で病院に連れて行く」

橘「すまん、この借りは必ず返すから!」

梅原「そんなこといいから急げ!」

香苗「棚町さん大丈夫かな…」

梅原「おお、よかった香苗さんも戻ったんだ」

香苗「うん、でも肩がちょっと…もうお寿司にはなりたくないかな…」
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 02:26:36.35 ID:2TiAgKUB0
数時間後 

棚町「ごめんね、純一…」

棚町「せっかくのデートだったのに…」

橘「いや…僕は薫が元気になってくれればそれでいいよ」

棚町「……」

橘「先生が過労って言ってたけど、無理してたのか…」

棚町「無理なんかしてない、あたしは」

薫母「薫!」

薫母「ごめんね、遅くなって」

薫母「純一君、ありがとうね、薫のために」

橘「いえ…僕は…何も…」

薫父「薫ちゃん、大丈夫かい?」

棚町「お母さん…お…お義父さん…」

棚町「私の方こそ心配かけてごめん…」
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 02:27:18.67 ID:2TiAgKUB0
棚町「ねえ、来てもらって悪いけど、純一と二人で話たいの」

棚町「少し出てもらっていいかな」

薫母「ええ、いいわよ」

棚町「……」

橘「……」

棚町「……」

橘「……」

橘「薫のお母さんが抱いてた子って…」

棚町「見るのは初めてだったね、妹よ」

棚町「もう2歳、結構大きかったでしょ」

棚町「この年であたしの下ができるなんて思わなかった」
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 02:28:28.17 ID:2TiAgKUB0
棚町「ごめんね純一…」

棚町「ほんとに…あたし…」

橘「どうしたんよ、薫らしくない…」

棚町「今回だけじゃない、今までずっとアンタに迷惑かけてた…」

棚町「あたしってあんたの彼女にふさわしくないのかな…」

橘「そんなことないよ」

棚町「本当は今日お母さんに止められてたんだ…」

橘「止められてた?」

棚町「あたしの普段見てたからこうなることがわかってたのかも…」

棚町「あたしは絶対行くって言って軽く喧嘩しちゃって…」

棚町「自分から会えないって言っておいて、会えるってなったときは嬉しくて嬉しくて…」

棚町「結果こうなっちゃったのよね…」
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 02:29:14.16 ID:2TiAgKUB0
橘「倒れるかもって心配されるなんてよっぽどじゃないのか?」

棚町「あたしバカだからさ、他の人の何倍も勉強しないと合格できるとは思えなかったの」

橘「ずっと勉強してたんだな」

棚町「ううん、バイトもしてた」

橘「えっ」

棚町「習慣になってたのもあるし、二人にお金のことで心配をかけたくなかったから…」

棚町「起きている間は勉強とバイトと食事だけだったわね」

棚町「試験に合格できないとあんたに会えない期間が延びるなんて嫌だった」

棚町「もう必死で…」

棚町「結局倒れちゃってバカなのは変わらないけどね」
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 02:30:03.64 ID:2TiAgKUB0
棚町「……」

棚町「ねえ」

橘「なんだ?」

棚町「このままあたしなんかと付き合ってたら、ずっと迷惑をかけ続けることになるんじゃないかな…」

棚町「あたし…アンタのこと大好きなの…」

棚町「できることならずっと…一緒にいてほしいぐらい」

棚町「でも、そのことでアンタが不幸になるなんて絶対嫌…」

棚町「だから…」

橘「いい加減にしろ薫!」
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 02:31:56.27 ID:2TiAgKUB0
橘「ごめん…大きい声出して…」

棚町「……」

橘「……」

橘「……」

橘「僕がもっとしっかりしてればよかったんだ…」

棚町「どうしてよ」

橘「薫の様子が普段と違うことに絶対気づけたはずなんだ…」

橘「誰よりもそばで見てきたはずなのに…」

棚町「ほんとに?」

橘「あたりまえだろ」

棚町「……」
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 02:32:50.13 ID:2TiAgKUB0
橘「たしかに薫といるといつも何かあったけど、僕は一度たりとも迷惑だなんて思ったことはない」

橘「そりゃまあ…トラブルメーカーかもしれないけど…」

橘「僕はそんなところ全部含めて好きなんだ」

棚町「…それ本気で言ってる?」

橘「うん」

棚町「あはは、そっかー」

棚町「それなら、今度からはもっともーっと苦労させてあげるから、覚悟しなさいよ」

橘「はは、望むところだよ」

橘「さて、あんまり薫のご両親を待たせちゃいけないな」

橘「僕はこれで…デートの続きはまた今度だな」

棚町「うん…」

棚町「元気になったら、アンタのところ行くからね!」
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 02:34:22.00 ID:2TiAgKUB0
翌週 純一と薫の部屋

ピンポーン

橘「はーい」

ガチャ

棚町「ぐんもー」

橘「薫!もう平気なのか?」

棚町「もうバッチリよ!」

橘「そうか、よかった」

橘「まあ入れよ」

棚町「うん」

棚町「あ、純一」

橘「ん?」

棚町「ただいま」

橘「ふっ…おかえり薫」
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 02:35:37.46 ID:2TiAgKUB0
棚町「……」

棚町「……」そわそわ

橘「?」

橘「どうしたんだ?一年ぶりだと変に感じるか?」」

棚町「その…この前のことちゃんとお礼言えてなかったよね」

棚町「てんきゅね…ほんと」

棚町「アンタがいてくれてよかった」

橘「お前を助けるのは当たり前だろ、それに困った時はお互いさまだ」

橘「ああ、そうだ、梅原も手伝ってくれたんだ、あいつにもお礼言わないとな」

橘「それと、薫のそういうのは似合わない」

橘「いつもの元気な薫の方がいいぞ」

棚町「うん」
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 02:37:28.67 ID:2TiAgKUB0
棚町「ねぇあたしがいた時より片付いた?」

棚町「大学生の男が一人暮らしになったら散らかってると思ったのに」

橘「僕はキレイ好きだからな」

棚町「ふ〜ん」

棚町「……」

棚町「でも残念ねー」

橘「何が?」

棚町「そりゃもちろん、あたしという彼女がいながら」

ガラッ

棚町「こんなものがあるってことよ」

橘「あっ!それは僕のお気に入りの…」
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 02:38:35.81 ID:2TiAgKUB0
棚町「お気に入り〜?」

橘「あ、いや…」

橘「と…というよりなんでわかったの?」

棚町「女の勘よ」

橘「勘って…」

棚町「でもこれだけじゃないわよね」

橘「い、いやそれだけだよ」

棚町「その反応はまだあるわね」

棚町「ここか!」

棚町「あれ〜、ない」

橘「……」にんまり

棚町「な、なんかむかつく〜!絶対見つけてやるんだから!」
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 02:39:38.76 ID:2TiAgKUB0
棚町「ベッドの下とか…」

橘「おっ」

棚町「ん?反応あり?」

橘「いや、そこにはないよ」

棚町「…たしかに、ないみたいね」

橘(薫のポーズが…すごくいい…)

橘(これはしばらく探させていろんなポーズを見てみよう)

棚町「じゃあこっちか」

橘(限界まで背伸びをしたときの肩から足へのライン…)

棚町「さすがにこんな単純なとこにはないか」

棚町「ん?あ、これもしかして」

棚町「お宝はっけ〜ん!」

橘(うん、たしかにこれはお宝だ)

橘(薫の四つん這い!レアだ…)
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 02:41:10.35 ID:2TiAgKUB0
棚町「ねえこれでしょ!」

橘「ああ、これだ!」

棚町「すごいでしょ」

棚町「!」

棚町「じゅ、純一〜!//」

橘「え?」

棚町「せいっ」ビシッ

橘「うっ」

橘「な、何するんだよ」

棚町「ふん、あたしのセクシーポーズ見れたんだから安いもんでしょ」
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 02:42:47.30 ID:2TiAgKUB0
橘「自分からやったくせに…」

棚町「ガン見する必要はないでしょ」

橘「いいじゃないか、僕と薫の仲なんだから」

棚町「うーん…まあそうねー…」

棚町「あたしとアンタはあんなことやこんなことをやった関係だし」

橘「やらしいことみたいな言い方するなよ」

棚町「あたしだけが恥ずかしいポーズを見せるってのは不公平だと思うの」

橘「なんだよ、僕に恥ずかしいポーズをとらせる気かよ」

棚町「さっすが〜、わかってるじゃない」

橘「や、やだよ!そんなの!」
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 02:43:47.56 ID:2TiAgKUB0
棚町「あ、そうだ」

棚町「アンタこの前のファラオのとき女の子になってたでしょ」

橘「うっ…な、なんのことだろう…」

橘「あの時薫意識が朦朧としてたから変な記憶があるんじゃないのか?」

棚町「いーや、あれはしっかり覚えてる」

棚町「純子ちゃんに会いたいなー」

橘「純子って言うなよ」

橘「それにそのためだけに行くのなんて面倒じゃないか」

棚町「つまんなーい」

橘「つまらなくて結構」
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 02:44:27.02 ID:2TiAgKUB0
橘「他のことなら…聞いてもいいけど」

棚町「じゃあ女装して」

橘「僕を女にしようとすることから離れろ」

棚町「なんでよ、あたしの服と化粧をするだけなんだから、ここでできることじゃない」

橘「移動どうこうじゃなくて、僕を女にしようとするのをやめろって言ってるんだよ」

橘「それに恥ずかしいことじゃなくてもいいだろ」

棚町「だって見たいじゃない」

橘「僕の趣味じゃないもん」

棚町「ケチー」
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 02:46:16.78 ID:2TiAgKUB0
夜 お風呂

棚町「純一ー、新しい着替え置いとくねー」

橘「うん、ありがとう」

橘「……」

橘「あれ?僕持ってきてなかったけ?」

橘「まあいいや、薫やさしいな」

―――――

橘「ふぅ、そろそろ出るか」ザパァ

橘「……」ふきふき

橘「……」ガラッ

橘「あれ?」

橘「僕の着替えが…」

橘「…これは?」

橘「薫ー!おい!」
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 02:47:29.23 ID:2TiAgKUB0
棚町「はいはーい」ガチャ

橘「薫!これはどういうつもりだよ!」

棚町「アンタこそどういうつもり?」

棚町「前ぐらい隠しなさいよ」

橘「あっ」サッ

棚町「何?誘ってんの?」

橘「ち、違う!」

橘「そうじゃなくて、これだよこれ!」

棚町「アンタの着替えよ」
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 02:48:16.98 ID:2TiAgKUB0
橘「これどう見ても女物じゃないか」

棚町「うん、あたしのだもん」

橘「しかも下着まで」

棚町「安心しなさい、それは新品だから」

橘「それはせめてお前のつけたやつにしてくれ」

棚町「……」

橘「……」

棚町「やっぱり女装はなしにしよっか…」
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 02:49:56.22 ID:2TiAgKUB0
翌日

棚町「もーにんっ!」

棚町「もう朝よ朝」

棚町「起きる時間よ」

棚町「ほら、さっさと起きて」

橘「うーん…」

棚町「ってなに、その不満そうな顔」

棚町「せっかくあたしが起こしてあげてるんだから、ちょっとはうれしそうな顔しなさいよね」

棚町「さあ、今日もはりきっていくわよ!」
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 02:51:13.76 ID:2TiAgKUB0
橘「ふわー…」

橘「まだこんな時間じゃないか…何かあったのか」

橘「のり(ピー)が逮捕されたのか?それともSMA(ピー)が解散したのか?

棚町「そんなことあるわけないでしょ、寝ぼけてんじゃないわよ」

棚町「まともな人間は活動してる時間よ」

棚町「春休みだからってぐーたらしてていいわけないでしょ」

棚町「しっかりしろ大学生」

橘「大学生ほどぐーたらした人種を僕は知らないぞ」

棚町「ごちゃごちゃ言ってないで、さっさと起きる!」

棚町「アンタ、そんなことで就職なんてできるの?」

棚町「超就職氷河期とか言われてるじゃない」

棚町「あたし大変だったもん」

橘「それは一昨年までだよ」

橘「まあ今でも大変だけどさ…」
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 02:51:53.39 ID:2TiAgKUB0
棚町「別にアンタが無職だとしてもかまわないけど、やれるだけのことはしっかりやってよね」

橘「うん、きっちりやるよ」

橘「それに僕が無職は嫌だから、なんとしても就職はするよ」

橘「僕のためにも、薫のためにも」

棚町「へー頼もしいじゃない」

棚町「あたしのためにもってことは、将来的なことも考えてくれてるわけ?」

橘「まあ…その…」

橘「……」

橘「さ、先のことは考えないようにしてるんだ」

橘「今を一生懸命生きるために」
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 02:52:25.52 ID:2TiAgKUB0
―――――

橘「なあ、梅原のとこ行かないか?」

棚町「梅原君のところ?どうして」

橘「遊園地で助けてもらったじゃないか」

橘「まだ直接お礼は言えてないんだ」

棚町「あ、そうか」

棚町「そうね、梅原君にちゃんとお礼しなきゃ」

橘「ついでにそこで夜ご飯食べるか」

棚町「営業中に行くの?」

橘「うん、お礼とごはんを同時に済ませることができるからね」

棚町「あー…アンタにしてはいい考えかもね」
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 02:53:02.34 ID:2TiAgKUB0
東寿司

梅原「らっしゃいっ!」

棚町「やっほー!梅原くーん!」

梅原「おっ棚町と大将じゃねえか」

橘「相変わらず元気がいいな」

梅原「あったりめえだろ、こちとらそれが取り柄なんだよ」

棚町「梅原君、これどうぞ」

梅原「ん?お土産か?どこ行ったんだ?」

棚町「ううん、この前あたし助けてくれたでしょ、そのお礼」

棚町「ありがとね、助かったわ」

梅原「ああ、あの時か、もう平気なのか?」

棚町「うん、もうバッチリよ」
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 02:53:38.56 ID:2TiAgKUB0
棚町「ねえ、梅原君が握ってくれるの?」

梅原「おっ?俺の寿司が食いたいのか?」

橘「僕としては修行中の梅原よりも親父さんの方がいいな」

棚町「あたしもー」

梅原「なっ、ひどくないかお前たち!」

棚町「じょーだん、冗談」

棚町「あたしたち梅原君のお寿司食べに来たんだから」

棚町「ね?」

橘「うん、期待してるぞ」
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