【アマガミ】橘「今日はカットの練習に付き合う日だったな、準備をして薫を待つか」

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40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 02:54:12.53 ID:2TiAgKUB0
梅原「ほいよっ」

棚町「おいしそう!いただきまーす!」

棚町「……」ぱくっ

梅原「どうだ?」

棚町「おいしー!」

棚町「ほら、アンタも食べてみなよ」

橘「ああ、そうだな」

棚町「はい、あーん」

橘「え?」
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 02:55:00.62 ID:2TiAgKUB0
棚町「あーんって言ってんのよ、口開けなさい」

橘「こ、こんなところでか!?」

棚町「いつもやってることじゃない」

橘「たしかにいつもやってることではあるけどさ…」

橘「ここでやらなくても…」

棚町「恥ずかしがってんの?」

橘「その…なんていうか…」

棚町「あーもうっ、ごちゃごちゃ言わず食べなさいっ」シュバッ

橘「むぐっ」

梅原(おそろしく速いあーん)

梅原(俺でなきゃ見逃しちゃうね)
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 02:55:32.52 ID:2TiAgKUB0
棚町「あれ、どうしたの梅原君」

梅原「どうしたって…目の前でそんなことされて無反応なやついないだろ」

梅原「いつもやってんのか?」

棚町「毎食やってるわね、最初の一口目だけ」

棚町「ちなみに最初にやりだしたのは純一の方から」

梅原「そうなのか?」

橘「たしかに何も間違ってはいないけど…」

棚町「けど…なに?」

橘「僕たちだけか、知ってる人がいなかったからできてたってのもあったからさ…」

梅原「俺がいたらできねえってわけか?」

橘「そうなるな…」
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 02:57:16.53 ID:2TiAgKUB0
橘「梅原は僕がそんなことやってるところ見たくないだろ?」

梅原「いや、興味はあるな」

橘「そんなことに興味もつなよ…」

橘「……」

橘「わかったよ…薫」

橘「あ…あーん」

棚町「あーん」ぱくっ

棚町「んー、おいしい!」

橘「味よりも恥ずかしさが勝つよ…」
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 02:58:19.53 ID:2TiAgKUB0
梅原「はっはっは、いいもの見せてもらったぜ」

橘「くそ…こうなったらお前と香苗さんのちょっと恥ずかしいシーンを見せてもらうからな」

梅原「……」

梅原「さてお客さん、次は何を握りましょうか」

棚町「あたしサーモン」

橘「話そらすなよ」

棚町「いいじゃない別に」

橘「いいと言われれば別にいいことだけどさ…」
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 03:01:01.29 ID:2TiAgKUB0
――――――

棚町「ふー、おいしかったー、満足満足」

棚町「梅原君ごちそうさま」

梅原「おう、また来てくれよな」

橘「うん」

橘「ああ、そうだ、一応もう一回」

橘「薫を助けてくれてありがとうな」

梅原「なあに、いいってことよ」

梅原「飯をおごってくれればいいだけだから」

橘「う、うん…また今度な…」
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 03:01:31.80 ID:2TiAgKUB0
数日後

棚町「もしもし?」

棚町「うん…」

棚町「あー…純一がいいなら」

棚町「ちょっと待ってて」

棚町「ねえ、お母さんたちどうしても外せない用事があって、その間あたしの妹預かってほしいって言ってるの」

棚町「別にいいかな?」

橘「うん、いいよ」

棚町「いいってさ」

棚町「うん、じゃあ待ってるね」
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 03:02:21.11 ID:2TiAgKUB0
棚町「もうすぐお母さんとお義父さん来るって」

橘「あー…じゃあ着替えとかないとな」

橘「さすがにこのまま会うわけにもいかないし」

橘「そうだ、ごはんとか買っとかないと」

棚町「それは来てからでいいんじゃない?」

棚町「今からだと、どっちか残ってないとだめでしょ」

棚町「あたし、アンタと出かけたいし」

橘「…じゃあ待つか」
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 03:02:52.04 ID:2TiAgKUB0
―――――

ピンポーン

棚町「来たわね」

ガチャ

棚町「はいはーい」

薫母「薫、ごめんね」

薫母「純一君もほんとありがとう」

橘「いえいえ、僕は全然いいですよ」

薫母「二人ともお願いね、私たち夜には戻ってくるから」
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 03:03:59.93 ID:2TiAgKUB0
橘「けっこう薫に似てるよね」

棚町「そお?」

橘「うん、このもじゃなんか特に」

棚町「そこだけでしょ」

橘「この子も成長したら焼きそばもじゃ子になるのかな」

棚町「アンタ、足腰立たなくなるほど蹴り飛ばすわよ」

橘「すみませんでした」

薫妹「ねね!」

棚町「はーいどうしたのー?」

薫妹「ここ!」

棚町「おっけー、だっこねー」
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 03:04:43.10 ID:2TiAgKUB0
橘「あ…」

棚町「なに?」

橘「子どもを抱いてる薫がその…」

橘「いや、なんでもない」

棚町「気になるじゃない、言いなさいよ」

橘「いいよ、それよりちゃんとお姉ちゃんやってるんだな」

棚町「まあね」

棚町「そうだ、アンタも抱いてみる?」

橘「え、いいの?」

棚町「うん」
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 03:06:30.73 ID:2TiAgKUB0
棚町「ほーら、お兄ちゃんに抱っこしてもらいましょうねー」

橘「おっと」

薫妹「……」

橘「え、えっと…」

橘「……」にこっ

薫妹「……」ぷいっ

橘「あっ」

棚町「笑顔が不自然」

棚町「もっとリラックスしなさいよ」

棚町「でも知らない人じゃ無理ないかな」
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 03:07:03.10 ID:2TiAgKUB0
―――――

棚町「ねえ、そろそろ買い物行かない?」

橘「そうだな」

棚町「今日ちょっと遠いけどあそこのスーパーで安売りしてるみたいよ」

棚町「散歩も兼ねて行ってみない?」

橘「んー…そうだなー…」

橘「まあいいか、行こう」
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 03:07:34.77 ID:2TiAgKUB0
スーパー

橘「めちゃくちゃ安かったな」

棚町「でしょ?」

棚町「ちょっと遠出した価値はあったわね」

田中「あれっ薫?」

棚町「ん?」

棚町「恵子!ひっさしぶりー!」

橘「田中さん」

田中「やっぱり一緒にいたのは橘君だったんだ」
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 03:08:06.27 ID:2TiAgKUB0
田中「あれ?」

薫妹「……」

田中「えっ?」

棚町「?」

田中「えっ?」

橘「?」

田中「ええーっ!!」

棚町「ど、どうしたの恵子!?」

橘「そうだよビックリした」

田中「びっくりしたのはこっちだよ!教えてくれればよかったのにー」
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 03:08:46.95 ID:2TiAgKUB0
棚町「何を…?」

田中「薫、橘君、おめでとう」

橘「おめでとう?」

田中「結婚したんだね」

棚町「け、結婚ー!?」

棚町「そ、そそ、そんなあたしたちはまだ…」

田中「そうだよね、学生の間じゃお金の問題とかで式は難しいよね」

田中「でもよかったじゃない、薫そっくりの子どもまで生まれて」

棚町「あ…あのね…」

田中「今度からはそういう大きなニュースがあったら教えてよね」
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 03:09:58.53 ID:2TiAgKUB0
棚町「恵子、よく聞きなさい!」

棚町「あたしたちはまだ結婚してないし、この子もあたしたちの子じゃなくて、あたしの妹だから」

田中「あ、そうなの?」

田中「そういえば妹が生まれたって言ってたよね」

田中「その子がそうなんだ」

田中「薫そっくりだったし、三人がどう見ても仲のいい家族だったから」

棚町「そ、そう…?」

田中「ねえ、まだって言葉が気になったんだけど…」

田中「橘君プロポーズしたの?」
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 03:10:40.19 ID:2TiAgKUB0
橘「いっ!?」

棚町「なっ…!?」

棚町「な、なな何言ってるの恵子」

棚町「まだっていうのはその…」

棚町「ね?」

橘「え、その…なあ?」

田中「あはは、二人とも顔赤いよ」

棚町「……」

橘「……」

田中「いいなぁ、私もかっこいい彼氏がほしいよ」

棚町「は、はは…」
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 03:11:31.22 ID:2TiAgKUB0
――――――

橘「相変わらずだったな、田中さん」

棚町「そうね、今でもたまに相談とか受けたりするの」

橘「へぇ、そうなんだ…ん?」

薫妹「てて」ちょんっちょんっ

橘「どうしたの?」

棚町「やっとアンタに興味を持ち始めたんじゃないの?」

棚町「手をつないでほしいって言ってるのよ」

橘「て、手を…うん、わかった」

薫妹「……」にこっ

橘「なんか恥ずかしいな」
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 03:12:20.68 ID:2TiAgKUB0
老人「あの、すみません」

橘「はい」

老人「道をおたずねしたいのですが、交番はどこですか?」

橘「ああ、交番でしたら、ここの道を真っすぐ行って、大通りに出るんで、そこを右に行くと交番ですよ」

老人「どうもありがとうございます」

橘「いえ、どういたしまして」

老人「ふふ、お幸せそうね」

老人「こんなかわいい奥さんと娘さんだものね」

橘「あ、いや…」

老人「どうもありがとう、助かったわ」
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 03:12:56.27 ID:2TiAgKUB0
橘「か、勘違いされちゃったな…」

棚町「そ…そうね…」

橘「……」

橘「なあ、僕たちって夫婦に見えるのかな…」

棚町「こ…こんな小さい子を連れてるからじゃない…?」

橘「さっきの田中さんのときもだけどさ…」

橘「僕たちが結婚してても不自然じゃないってことだよな…」

棚町「…そう…なのかな」

棚町「じゃあ結婚しちゃう?」

橘「えっ」

棚町「…な、なんてね!冗談よ!冗談!」
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 03:14:11.96 ID:2TiAgKUB0


薫母「助かったわ、ありがとう二人とも」

棚町「何かあったらいつでも預かるから」

薫妹「ねね、ばいばい」

棚町「はーい、またねー」

バタンッ

橘「あーあ、帰っちゃった」

棚町「なんでがっかりしてんのよ」

棚町「アンタにはあたしがいるじゃない」

棚町「たっぷり遊んであげるわよ」

橘「うん…」

カプ

橘「んあっ!?」
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 03:21:14.25 ID:2TiAgKUB0
橘「な、なんだよ、びっくりしたな」

棚町「あたしじゃ不満?」

橘「ちょーっと不満だな」

棚町「言ったわねー!じゃあ満足させてあげるわよ」

橘「お手柔らかにな」

棚町「いっくわよー!」

ドスーン ゴロゴロ

橘「…薫」

棚町「ねえ…いい?」

橘「うん…」

棚町「……」チュッ

橘「……」

橘「なあ…僕、就活がんばるよ」

棚町「うん」
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 03:21:51.35 ID:2TiAgKUB0
三年後

棚町「ありがとうございました」

棚町「ふぅ…」

店長「薫ちゃん、ちょっといいかしら」

棚町「あ、はい」

店長「薫ちゃん、また腕上げたわね」

店長「さすがね、やっぱりいいセンスしてると思ったのよ」

棚町「そ、そうですか?」

店長「今までのどのアシスタントの子よりもいいわよ、本格的なデビューが楽しみね」

棚町「ありがとうございます!」
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 03:22:50.17 ID:2TiAgKUB0
店長「何より、すごくがんばってるってのもあるんだけどね」

店長「やっぱり彼氏ちゃんの影響かしらね」

棚町「えっ」

店長「薫ちゃん、男の子選びもセンスいいわね」

店長「あの子あたしの若いころにそっくりだわー」

棚町「はは…て…店長の…」

棚町(若いときの店長に似てる似てないは別として、あいつはこういう風にはならないよね…)

棚町「……」

棚町(今何してるのかな…)

棚町(あいつそろそろ終わったころだよね)
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 03:23:46.24 ID:2TiAgKUB0
橘「うーん…」

同僚「おつかれさん」

橘「おう、おつかれ」

同僚「この後飯どうだ?課長がおごってくれるってよ」

橘「あー…ごめん、この後予定があるんだ」

同僚「そうか、じゃあまた明日な」

橘「ああ」

橘「…よし、行くか」
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 03:24:14.25 ID:2TiAgKUB0
――――――――

東寿司

橘「ちはー」

梅原「へい、らっしゃい!」

梅原「おっ、大将じゃねえか」

橘「あれ、今日はお前だけ?」

梅原「最近はちょっと任せてもらえるようになったんだ」

橘「へえ、やるじゃないか」

橘「がんばってるんだな」

梅原「まあな」
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 03:25:14.52 ID:2TiAgKUB0
橘「なんだか、梅原がうらやましく思えるよ」

梅原「俺が?どうしてだ?」

橘「だって修行して今じゃ店を少しとはいえ任せてもらえるようになったんだろ?」

橘「自分の店をもつって目標もある」

橘「日々成長してる…それがなんだかうらやましくてさ…」

橘「僕思うんだよ、何も変わらない自分に対して」

橘「今までやってたことはやったつもり…」

橘「がんばったつもり、できたつもり…」

橘「そりゃ成長できないわけだな」

橘「でもお前は違う…」

橘「なあ…僕はどうしたらいいんだ?」
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 03:25:46.01 ID:2TiAgKUB0
梅原「はあ…いいか橘」

梅原「人ってのは限界を決めてしまうとそこで何でも止まっちまうんだ」

梅原「お前はやればできるやつなんだからさ、やる前から逃げ腰になってんじゃねえよ」

梅原「俺の知ってる橘はもっと前向きなやつだぞ」

梅原「俺ができる最大のアドバイスは思いっきり行け!だ」

梅原「お金とかそういう問題もあるかもしれねえが、気持ちを伝えるだけならできるだろ」

梅原「棚町も待ってるんじゃねえのか?」

橘「えっ…僕薫のことなんて一言も…」

梅原「何年の付き合いだと思ってんだ」

梅原「お前が仕事の愚痴を俺に言うかよ」

梅原「最初から棚町のことだってわかってた」
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 03:26:18.21 ID:2TiAgKUB0
梅原「お前は次のステップに進もうという考えはあっても実行しようとはしてないんだろ」

梅原「頭のどこかでこのままでいいと勝手な限界点を作ってるんじゃねえか」

橘「限界か…」

橘「……」

橘「梅原…」

梅原「なんだ?」

橘「プロポーズの言葉はなんて言った?」

梅原「いっ…!?さ、さすがに俺もそれは…」

梅原「それに俺のはちょっと特殊すぎるからさ…寿司屋以外じゃ使いにくい…ぞ」

橘「それはそれで気になるな…」

橘「寿司屋以外は使いにくいって…」
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 03:26:58.48 ID:2TiAgKUB0
――――――

純一と薫の部屋

橘「ただいまー」

棚町「あれ、遅かったね、残業?」

橘「いや、梅原のところで食べてきた」

棚町「なーにー、自分だけお寿司ー!?」

橘「ちゃんと薫の分ももらってるよ」

棚町「ほんと?さっすが!大好きよ純一!」

橘「はい、これ」

棚町「おお、いいわね」

棚町「どれから食べようかな〜」
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 03:27:24.90 ID:2TiAgKUB0
橘「……」

橘「なあ薫…」

棚町「はぁに?」

橘「…薫はさ、僕たちの関係をどう思う?」

棚町「どう思うって…恋人同士でしょ」

棚町「アンタとあたしはつき合ってる」

橘「ええっと…そうじゃなくてだな…」

橘「なんて言うか…今の関係に満足してるのか?」
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 03:27:51.92 ID:2TiAgKUB0
棚町「え…あ…あたしは満足してるけど…アンタは満足してないの…?」

棚町「あたしじゃ足りなくなったの…?」

橘「違う違う!」

橘「僕もま…満足してるよ」

橘「そ、そっか…薫が満足してるなら大丈夫だ」

橘「ぼ…僕お風呂入ってくるよ」

棚町「はーい」

棚町「……」

棚町「どうしたんだろ、純一のやつ」
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 03:28:29.54 ID:2TiAgKUB0
橘「はぁ…」

橘「どうしよう…」

橘「このままでいいのかな…」

橘「僕の勝手な決めつけなのか…」

橘「でも薫は満足って言ってるし…」

橘「まだ早いのかな…」

橘「……」

橘「練習ぐらいしとこかな…」

橘「……」

橘「薫、好きだ、結婚してくれ!」

橘「…普通だな」
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 03:29:10.42 ID:2TiAgKUB0
――

橘「僕のパンツを洗ってくれないか」

橘「……」

橘「怒られそうだな…」

橘「うーんと…やっぱストレートに言った方がいいかな」

橘「うん、結局はそうだよな最初に戻ろう」

ガラッ

棚町「ねえ純一、あんたもお寿司食べるでしょ、残しとこうか?」

橘「薫!絶対幸せにするから、僕と結婚してくれないか」

棚町「えっ」

橘「え…」
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 03:29:56.96 ID:2TiAgKUB0
橘「そ、その…これはだな…」

棚町「あ…えっと…」

棚町「お風呂上りビールでいいよね?」

橘「うん…」

棚町「わかった!」

バタンッ

橘「……」

橘「……」ぶくぶく

ザパァ

橘「……」

橘「はぁ…」
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 03:30:27.00 ID:2TiAgKUB0
―――

ガチャ

橘「……」

棚町「あ…」

棚町「お…お寿司…おいてるからー…ね」

棚町「あ、あたし一人じゃ食べきれなくってさ」

橘「ごめん、買いすぎた、梅原がいっぱいくれたんだよ」

棚町「いいのいいの!そんなこと気にしないから」

橘「……」

棚町「……」
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 03:31:05.55 ID:2TiAgKUB0
橘(ど、どうする…あんなの聞かれて、何事もなかったように過ごすなんて難しすぎないか!?)

棚町(や…やっぱりあれって…プロポーズ…なの!?)

棚町(純一のやつ本気なのかな…)

棚町(さっきは誤魔化したけど…この空気は…)

棚町(はっきりと聞いちゃったしな…)

棚町(純一と…)

棚町(そ…そりゃあたしだって考えてなかったわけじゃないけど…)

橘(もう言っちゃった方が楽なんじゃ…)

橘「……」

橘(無理だ…)
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 03:31:37.12 ID:2TiAgKUB0
一週間後

棚町(あれから一週間か…)

棚町(結局あのことに関することは何も聞いてない)

橘「薫、薫ってば」

棚町「えっ、な、なに?」

橘「さっきから呼んでるのにどうしたんだ?」

橘「せっかく今日は外食がいいって薫が言ったから来たのに」

棚町「あ…ちょっと考え事してて」

橘「めずらしいな」

棚町「どうしてあたしが考え事してたらめずらしいのよ」
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 03:32:05.11 ID:2TiAgKUB0
棚町「あたしだって悩みの一つや二つあるんだから」

橘「例えば?」

棚町「そ、そうね…例えば…」

棚町「どうすればもっと接客が上手くなるのかとか、ちょっとでも安い野菜を買うにはどこのスーパーがいいとか…」

棚町「あとは…」

橘「一つや二つじゃないのか」

棚町「言葉のあやよ、きっちり二つじゃないわ」

棚町「一つ一つ言っていったら日が変わっちゃうわよ」

橘「それは大変だな」

橘「さすがに全部聞いてると時間ないし、一番大きいのは何だ?」

橘「僕に協力できることなら何でもするよ」
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 03:32:51.53 ID:2TiAgKUB0
棚町「……」

橘「あ、やっぱりちょっとそういうのは言いにくいか」

橘「無理にとは言わないからさ」

棚町「うーん…無理…じゃないけど…」

棚町「また今度でいいかな」

橘「そ、そうか」

棚町「……」

棚町「ごちそうさま」

棚町「なんか、ごめんね、あんまり楽しい食事じゃなくて」

橘「いやそんな…あっ」

橘「じゃあそういうなら僕の行きたいところに付き合ってくれないか」

棚町「うん、いいよ」
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 03:33:31.89 ID:2TiAgKUB0
駅前広場

橘「……」

棚町「ねえ、こんなとこに来て何かあるの?」

橘「……」

棚町「ねえってば」

橘「か、薫…覚えるか?」

棚町「…何を?」

橘「ここで言ってたよな、その…ずっと一緒に…って」

棚町「ああ…あの時の…」
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 03:34:46.23 ID:2TiAgKUB0
橘「僕たちは中学校で出会ってさ…」

橘「悪友、相棒、腐れ縁…そんな関係だったな」

棚町「うん」

橘「高校になってさ、僕たちは次の段階…っていうのかな」

橘「恋人になったよな」

棚町「うん」

橘「えっと…ずっと一緒にいるっていうことは今のままでもできなくはないと思うんだけどさ…」

橘「僕としては薫と次に進みたいって思ってる」

棚町「純一…」
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 03:36:31.91 ID:2TiAgKUB0
橘「一回聞かれちゃったから、改めて言うのはちょっと恥ずかしいけど…」

橘「……」

棚町「……」

橘「ずっと一緒にってのは変わらない、でももっと近い距離で…家族としていてほしい」

橘「薫…僕と結婚してください」

棚町「……」

棚町「バカ…」

橘「え…?」

棚町「前も言ったじゃない…」

棚町「こんなとこで告白されたら、嬉しくても泣けない…って」

橘「うん、それも覚えてる」
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 03:37:02.53 ID:2TiAgKUB0
棚町「セリフだってぐだぐだじゃない…ちゃんと考えてたの…?」

橘「はは…」

棚町「ほんとバカなんだから…」

棚町「でもアンタみたいなバカな夫には、あたしみたいなバカじゃないと妻は務まらないよね」

橘「薫…」

橘「うわっ」

棚町「……」ガシッ

棚町「純一…あたし、アンタに出会えてほんとによかった…ぐすっ」

橘「僕もだよ」

橘「薫、手を出して」

棚町「うん」
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 03:38:11.09 ID:2TiAgKUB0
一ヵ月後

棚町「ほら、何やってんの」

橘「そ、その…きききき、緊張…して…」

棚町「まだ自宅から出てすらいないんだけど」

橘「しょ…仕方ないだろ…ふ、震えが止まらないんだもん」

棚町「初対面じゃないんだし、そこまで緊張しなくても」

棚町「堂々として、娘さんをください!って言えばいいじゃない」

棚町「何だったら玄関開けて一言目に」

橘「失礼すぎるだろ」

棚町「緊張をほぐすための冗談よ」
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/30(土) 03:38:56.31 ID:2TiAgKUB0
棚町「あ、もうそろそろいい時間よ」

橘「う…うん…」

棚町「あはは、ほんとガチガチじゃない」

棚町「しょうがないわね」

棚町「純一、こっち向いて」

棚町「……」チュッ

橘「あ…」

棚町「あたしがついてるんだから、シャキッとしなさい」

終わり
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/30(土) 06:49:32.82 ID:TVJc3Fme0
愛梨「さあ行こう、空の果 てへ!」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1519427437/
久美子「永遠のレイ」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1520033314/
伊織「誰が魔王サーの姫 よ!」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1520637298/
エミリー「修正…悪しき文 化ですね」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1521241832/
奈緒「何で関西弁=恐竜やねん!」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1521850482/
常務「新制限を全て撤回。 白紙に戻す」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1522451692/
千夏「このTGはテックジーナスじゃないの?」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1523058431/
礼子「大人の魅力で破滅さ せてあげる」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1523661962/
フレデリカ「恋人は校庭のパラディオンだよー」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1524265978/
海美「竜騎士の結束を見せちゃうよ!」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1524871125/
志保「茶運びといえばカラクリだよね!」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1525475657/
茜「みんなで勝鬨を上げちゃおう!」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1526133608/
桃子「この金の城いい踏み台だね!」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1526686132/
美紗希「化学反応式も女子力よ!」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1527292985/
小鳥「アリガトウワタシノデッキ」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1527896333/
柚「狩らせてもらうよ。キサマのぴにゃンバーズ!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1528498815/
加奈「ダストンの掃除法をメモしておきますね!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1529105813/
さくら「えぇっ?!3分って1ターンなのぉ?!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1529710563/
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/30(土) 09:32:37.74 ID:PX7AzzgMO
アマガミSSありがとういつかでいいのでリサ
ちゃんの妹も出してほしいな
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/30(土) 11:03:46.62 ID:SOW67Qj50
乙!
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