ありす「お願いが、お願いがあるんです!」 奈氏u……」

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8 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 01:14:22.12 ID:r1XZIobz0
 彼女のお願いはあたしの斜め上どころか、想像を遙かに超えていくものであった。
9 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 01:15:22.53 ID:r1XZIobz0
STEP0 橘ありす

奈氏uなんだなんだ急に。暑さで頭がやられたか?」

ありす「いえ、私は至って正常ですよ奈獅ウん、いえ師匠」

奈氏uわざわざ言い直さなくても……。んで、何があったんだ?」

ありす「ええ、実はですね。最近私、この事務所を改めて見直してみたんですよ」

奈氏u見つめ直す、ねえ。まあ、大事な事かもな」
10 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 01:16:22.42 ID:r1XZIobz0
ありす「そしたら私、ある事に気がついてしまって」

奈氏uうん」

ありす「ボケが供給過多なんじゃ無いかな……と」

奈氏u……うん、まあ、確かに」

ありす「であれば!大人である私がツッコミを覚えて事務所に貢献してあげるのが優しさというものでは無いでしょうか!」

奈氏uその勢いや良し、ってとこだな」

ありす「しかし私はまだ未熟。本来ならばツッコミの権威、前川師匠の門を叩きたい所ですが」

奈氏u何?ありすはツッコミ出来る奴全員師匠って呼んでんの?」
11 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 01:18:17.50 ID:r1XZIobz0
ありす「前川師匠は隣の部署。ウチの事で迷惑を掛ける訳にはいきません」

奈氏uまあそうだな。急にそんな事言っても、『みくは芸人さんじゃないにゃ!』って言われるだろうな」

ありす「声真似20点、雰囲気90点ですね」

奈氏uうるさいなぁ!ほっとけ!」

ありす「そう!その鋭い返し!私が学ぶべきはやはり奈試t匠からなんです!」

奈氏u……こうも言い続けられると、流石にむず痒くなってくるんだけど」

ありす「そもそも、この事務所で奈獅ウんに許可も取らずにツッコミをしようなんて失礼な話だったんです」

奈氏u別にここが私のシマだとか、そんな事は無いからな?あと隣の部署もみくのナワバリでも無いからな?」

ありす「だから、お願いします師匠!私にツッコミを」

奈氏u人の話を少しは聞け!」
12 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 01:19:42.14 ID:r1XZIobz0
STEP1 本田未央

奈氏u分かった分かった。もう何でもいいや、あたしも暇だったわけだし」

ありす「じゃあ……!」

奈氏uつってもなあ。何か教えられる訳でも無いしな」

ありす「大丈夫です、私は師匠の姿を見て盗んでいきますから」

奈氏uそうか?まあ、だったらいいけど」

ありす「ええ、師匠は普段通りでもツッコミが冴え渡っていますから!」

奈氏uそれは何か?普段から私がツッコミばかりしてるって事か?」

ありす「あ!誰か来ましたよ!」

奈氏u今日はとことん話を聞かない日なのか?」
13 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 01:22:40.97 ID:r1XZIobz0
未央「おっはよう!おやおや、なんだか珍しい組み合わせだね!」

ありす「おはようございます未央さん。私は今修行中ですので」

未央「修行?」

奈氏uああ。何でも、ツッコミが学びたいんだと」

未央「なるほど、それでかみやんに弟子入りか。いい師匠を持ったねありすちゃん!」

ありす「はい!」

奈氏u何元気よく返事してくれてんだよ」

未央「かみやんが居ないとこの事務所も回らないからね!」

奈氏u全く嬉しくない褒め言葉だな……」
14 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 01:29:35.42 ID:r1XZIobz0
未央「ええ〜?でもかみやんも楽しんでるでしょ?」

奈氏uそりゃあ、全く余裕の無い真面目な話ばっかりよりはいいけどさ」

未央「流石かみやん!ツンデレも挟んでくるね!」

奈氏uツンでもデレてもねえよ!」

未央「んふふっ……。まあでも、かみやんが居てくれてホント助かるよ」

奈氏u笑いながらじゃなけりゃ、少しは喜ぶんだけどな」

未央「いやいやホントだって!大体、ウチの事務所はボケが供給過多なんだから!」

奈氏uボケが、ってよりツッコミ入れる気のない奴ばっかりってとこだけどな」

未央「もしかみやんがいなかったら、ボケで詰まっちゃうよ。どん詰まりだよ」

奈氏uそう思うなら、未央も少しは遠慮してくれねえかな……?」
15 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 01:30:19.16 ID:r1XZIobz0
未央「ええ〜?でもかみやんも楽しんでるでしょ?」

奈氏uそりゃあ、全く余裕の無い真面目な話ばっかりよりはいいけどさ」

未央「流石かみやん!ツンデレも挟んでくるね!」

奈氏uツンでもデレてもねえよ!」

未央「んふふっ……。まあでも、かみやんが居てくれてホント助かるよ」

奈氏u笑いながらじゃなけりゃ、少しは喜ぶんだけどな」

未央「いやいやホントだって!大体、ウチの事務所はボケが供給過多なんだから!」

奈氏uボケが、ってよりツッコミ入れる気のない奴ばっかりってとこだけどな」

未央「もしかみやんがいなかったら、ボケで詰まっちゃうよ。どん詰まりだよ」

奈氏uそう思うなら、未央も少しは遠慮してくれねえかな……?」
16 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 01:31:40.19 ID:r1XZIobz0
未央「私だってボケたい時はあるんだよ!」

奈氏u凛、卯月、藍子、茜。……そうだな」

未央「でしょ?だから神谷師匠は頼りにしてるんだから」

奈氏u何?師匠って呼ぶのは普通なのか?」

未央「かみやんのお陰でこの事務所は動いてるんだから、もっと自身持って!」

奈氏u……そうかな」

未央「そうそう!私達のボケで詰まりそうな所を、かみやんがきゅっぽんきゅっぽんって」

奈氏uおい待て、今私の事ラバーカップ扱いしたか?よりにもよってラバーカップか!?」

未央「お気に召さなかったかなぁ」

奈氏uどこにラバーカップ扱いされて喜ぶ奴がいるんだよ!」

未央「いやぁごめんごめん、ここは水に流して下さいよ師匠」

奈氏u上手くねえかんな!?」
17 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 01:35:46.59 ID:r1XZIobz0
――


未央「と言う事で、分かったかなありすちゃん?」

ありす「はい!ラバーカップとはトイレのきゅっぽんの事なんですね!」

奈氏u何を聞いてたんだよ。本題はどこなんだ」

ありす「……もちろん全て聞いていましたとも」

未央「うんうん!その調子で精進するが良いぞ」

奈氏u何様なんだよ」

ありす「ありがとうございます!」

奈氏u元気よく返事してるけど絶対身についてないよな?」

未央「お、誰か来たみたいだね!じゃあ私はあっちで見守ってるから!」

ありす「はい!さあ師匠、次もお願いします!」

奈氏u普段通りしてりゃ良かったんじゃないのかよ……」
18 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 01:37:55.31 ID:r1XZIobz0
STEP2 渋谷凛

凛「あれ、奈獅ニありす?どうしたの二人して」

奈氏u凛か。いや何かさ、ツッコミが学びたいんだと」

ありす「奈試t匠にご教授頂いています!」

凛「そっか、ありすは勉強熱心なんだね」

ありす「はい!」

奈氏u返事は元気なんだよな……。って、凛はありすの事呼び捨てなのか」

凛「ん?ああ、初めて会った時にそう呼んで下さいって言われてさ」

ありす「勿論です。凛さんは私の憧れるアイドルのお一人ですから」

凛「(実は最初に『ありすちゃん』って呼んだんだけど、そこまで子供ではありませんって言われちゃって)」

奈氏u(なるほどな。まあ、そういう年頃だよな)」
19 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 01:39:34.92 ID:r1XZIobz0
ありす「……?どうかされましたか?」

凛「ううん、何でも無いよ。それにしても、奈獅ェ師匠か……」

奈氏u少し恥ずかしいんだけどな……」

凛「奈獅チて弟子は取らない主義だと思ってたよ」

奈氏uまてまてまて」

凛「?」

奈氏uどーゆう意味だそれは!?」

凛「どうも何も、奈獅チて恥ずかしがり屋だから、弟子とかはあんまり好きじゃ無さそうかなって」

奈氏uじゃあ何か、私が自信たっぷりだったら神谷一門でも開いてたって言うのか!?」

凛「だって、この事務所仕切ってるの奈獅ナしょ?」

奈氏uちげーよ!お前らのツッコミに対しての認識はどうなってんだよ!」

凛「だって、ここでは奈獅オかしてないし」

奈氏u誰のせいだ誰の!」

凛「だから、ここは奈獅フシマだと思ってたよ」

奈氏u嘘つけぇ!今考えただろそれぇ!」
20 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 01:42:01.70 ID:r1XZIobz0
凛「でも、ありすがその立場を狙っているとも考えられるのかな」

奈氏u別にいいよ……、譲れるならいくらでも譲ってやるよ……」

ありす「いえ、私はまだまだ若輩者ですから」

凛「そうだよ奈氏B奈獅フ域に到達するには並大抵の努力じゃ届かないんだから」

奈氏u私だって修行したわけじゃ無いんだよ!」

凛「じゃあどうしてそんなキレのあるツッコミが出来るって言うの!」

奈氏u逆ギレ!?」

ありす「確かにそれは気にはなりますね」

奈氏u何もしてねえってば!強いて言うならお前らがツッコませ続けたのが原因だよ!」

凛「つまり、奈獅ヘ私達が育てたって事だね。嬉しいよ」

奈氏u私は嬉しくないんだからな」
21 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 01:43:05.02 ID:r1XZIobz0
ありす「ふふ。私、凛さんってもっと堅い人だと思ってました」

奈氏uそうか?いつもこんなじゃないか」

凛「まあ、奈獅フ前ではこんな感じだよ」

ありす「やっぱり師匠が居てくれると、心が緩くなるんでしょうね」

凛「そうだね。奈獅ェ居てくれるだけで、私達は凄い安心するんだから」

奈氏uだから嬉しくないんだよぉ!」
22 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 01:44:52.38 ID:r1XZIobz0
――


凛「普通に話してただけだけど、これで良かったの?」

ありす「はい!参考になります!」

奈氏u私は良くないんだけどな」

凛「やっぱり、もっと分かりやすいボケも必要だった?」

奈氏u上方修正しようとすんな」

ありす「あ!またしても誰か来たようです!」

奈氏uなあ、おかしくないか?まさか外で並んでんじゃないだろうな?」
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/01(日) 01:47:28.21 ID:reCvLR3OO
奈緒〜
24 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 01:47:56.16 ID:r1XZIobz0
STEP3 島村卯月

卯月「おはようございます!」

ありす「おはようございます卯月さん」

奈氏uおう、おはよう卯月。なあ、扉の前に誰か居なかったか?」

卯月「はい?別に誰も居ませんでしたけど……?」

奈氏uそっか。ならいいんだ」

卯月「あ、でもすぐそこの廊下で楓さんとすれ違いましたよ?」

奈氏uうぐっ」
25 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 01:51:26.72 ID:r1XZIobz0
卯月「どうかしましたか?」

奈氏uいや、なんでも……。因みに、楓さん何か言ってた?」

卯月「ええと、『私のターンはまだですし、いったーん散歩してきます』って……」

奈氏u来る気じゃねえか!しかもなんだよいったーんって!」

卯月「多分、一旦の事だと思いますけど」

奈氏uそういう事じゃ無いんだよ!あの人、外から覗いて場が暖まるのを待ってんのか!?」

卯月「ええと、よく分からないんですけど……?」

未央「いいのいいの。しまむーはいつも通りでいいんだよ」

凛「そうだね。卯月はいつも通りが一番だから」

卯月「うーん?やっぱりよく分からないですけど頑張ります!」

奈氏u頑張らないでくれ……」
26 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 01:53:01.83 ID:r1XZIobz0
ありす「(凛さん未央さん、卯月さんには趣旨を伝えなくていいんですか?)」

未央「(ああ、しまむーはねえ……)」

凛「(素の卯月でいいんだよ。まあ見ておくと良いよ。きっとタメになるから)」

ありす「(そうなんですか。分かりました)」

奈氏uはあ、聞こえてるってのに」

卯月「あれ、奈獅ソゃん。何か表情が暗いですけど、大丈夫ですか?」

奈氏uいや、問題ない。こっちの事だから」

卯月「そうですか?何かあったら言って下さいね」

奈氏uああ、ありがと。(難聴だし気も遣えるし、主人公力高いな)ボソッ」

卯月「主人公力って何ですか?」

奈氏uそれは聞こえるのかよ!」
27 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 01:55:08.22 ID:r1XZIobz0
卯月「え、だって目の前で言われたらどうしても聞こえちゃいますよね?」

奈氏uさっきのよりは小さい声だったんだが……。まあ、あれだよ。卯月は頑張ってるなって事だ」

卯月「えへへ、ありがとうございます!師匠!」

奈氏uまて」

卯月「え?」

奈氏u今、何て言った?」

卯月「あっ、えへへ。実はこの前加蓮ちゃんに、『奈獅ノ褒められたら、こう言うと喜ぶよ』って言われたんです」

奈氏u加蓮……」

卯月「あれ、もしかして間違っちゃいましたか!?」

奈氏uいや、卯月は悪くないよ。ただ、恥ずかしいからあまり言わないでくれ……」
28 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 01:57:07.76 ID:r1XZIobz0
卯月「分かりました!」

奈氏uおう……。って、うん?卯月、ここ跳ねてるぞ」

卯月「えっ、どこですか!?」

奈氏uほらここ、左の上のとこ」

卯月「あ、ホントです!スプレー掛けて、押さえとけばいいかな……」

奈氏uなんだ、また寝坊でもしたのか?」

卯月「ちょ、ちょっとだけ……」

奈氏uでもそんなに遅れてないし、って言うか寧ろ余裕ある時間じゃ無いのか?」

卯月「そうですね、全力で走ってきたら意外と早く来られました!」

奈氏uああ、通りで少し髪がボサついてると思ったよ。櫛あるか?直してやるよ」

卯月「ありがとうございます!これでお願いします」

奈氏uしっかし、最近全力で走った事なんて無いなぁ」

卯月「そうですね。私も緊急時以外はやめておけってプロデューサーさんに言われてますし」

奈氏u止められるほどの事でもないと思うんだけどな……」
29 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 01:57:48.47 ID:r1XZIobz0
卯月「まあ人にぶつかっちゃったりしたら危ないですからね」

奈氏uああ、そうだよな。走っちゃいけない所とかあるし」

卯月「え?」

奈氏uうん?」
30 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 01:58:22.84 ID:r1XZIobz0
卯月「……あ、そうですね!信号で止まったり」

奈氏u信号?ホームとかじゃ無くて?」

卯月「え?」

奈氏uうん?」
31 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 02:00:09.29 ID:r1XZIobz0
卯月「……ホーム、電車ですか?」

奈氏u電車の……、ああ信号で止まったりするよな、たまに」

卯月「そうですね。線路の脇にあるあの信号、たまに赤だったりしますよね」

奈氏u急いでる時ほどなんかひっかかったりするんだよな」

卯月「でもなんで急に電車の話になったんですか?」

奈氏uえ?」

卯月「はい?」
32 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 02:02:09.00 ID:r1XZIobz0
奈氏uまてまてまて、一旦落ち着かせてくれ」

卯月「いったーんですか?」

奈氏uそれはもういいよ!卯月、お前急いでたんだよな?」

卯月「はい、そうですよ?」

奈氏uんで、急いで駅に向かったんだよな?」

卯月「え?何でですか?」

奈氏u何でですかって、そりゃあ電車に乗る為に決まってるだろ?」

卯月「電車に乗ったら、遅れちゃいますよ」

奈氏uは?」

卯月「走った方が速いじゃないですか」

奈氏uいやおかしいだろ!?」

卯月「えぇ!?あっ、そう言えばこれ、言っちゃダメなんでした!」

奈氏uしかも秘匿事項!?」
33 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 02:08:20.37 ID:r1XZIobz0
卯月「ち、違うんですよ!ほら、線路と違って抜け道とかありますし!」

奈氏u卯月の乗ってる路線は道より上を通ってるんだから、まっすぐ来るじゃないか」

卯月「ああ、あの、あれです!電車は駅で止まっちゃいますから!」

奈氏uいや、卯月の家って割と遠いから、速度で負けるだろ?」

卯月「えーと、え、えーと……」

奈氏u……」

卯月「奈獅ソゃん!忘れて下さい!」

奈氏u無理に決まってんだろぉ!」
34 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 02:09:05.32 ID:r1XZIobz0
卯月「ええと、ど、どうしたら……!」

奈氏u……目の前でこうも慌てられると、一周回って冷静になるな」

卯月「確か、うなじをチョップしたらいいとか何とか……」

奈氏u待て!まてまて!ストップ!」

卯月「でも、でも!秘密を知られちゃったんで!」

奈氏u異能物で秘密がバレた女の子みたいなセリフを言うなぁ!」

卯月「仕方ない事なんです!奈獅ソゃんごめんなさい!!」

奈氏uしかも無垢なタイプだ!?じゃない!待てって、おい、そこで笑ってるNGの残りは責任取って早く助けろ!助けて下さい!」
35 : ◆YBm93b2VSc [saga]:2018/07/01(日) 02:11:47.97 ID:r1XZIobz0
――
奈氏u危ない所だった……」
凛「まあ、卯月は周りが見えなくなっちゃう時があるからね」
奈氏uそういう問題かなぁ」
未央「ま、でも良かったじゃん。口外しない約束で済んだんだし」
奈氏u生きてりゃ何でもいいと思うなよ?」
ありす「でもさっきの師匠、必死で可愛かったですよ?」
奈氏u卯月の話を聞く限り、チョップなんか喰らったら文字通り必ず死ぬだろぉ」
ありす「ふふふっ、師匠って、そんな時もツッコミを忘れないんですね」
奈氏u笑ってるけど、あたしと二人が止めなかったらありすも喰らってたんだからな」
ありす「……。……あ、ありがとう、ございます。お三方」
未央「うわぁ、ありすちゃん、表情が凍っちゃったよ」
??「あのー」
凛「仕方ないと思うけどね」
奈氏u仕方なくは無いんだけどな、事故だろあんなの」
36 : ◆YBm93b2VSc [saga]:2018/07/01(日) 02:14:07.49 ID:r1XZIobz0
>>35 ミスったので再掲


――


奈氏u危ない所だった……」

凛「まあ、卯月は周りが見えなくなっちゃう時があるからね」

奈氏uそういう問題かなぁ」

未央「ま、でも良かったじゃん。口外しない約束で済んだんだし」

奈氏u生きてりゃ何でもいいと思うなよ?」

ありす「でもさっきの師匠、必死で可愛かったですよ?」

奈氏u卯月の話を聞く限り、チョップなんか喰らったら文字通り必ず死ぬだろぉ」

ありす「ふふふっ、師匠って、そんな時もツッコミを忘れないんですね」

奈氏u笑ってるけど、あたしと二人が止めなかったらありすも喰らってたんだからな」

ありす「……。……あ、ありがとう、ございます。お三方」

未央「うわぁ、ありすちゃん、表情が凍っちゃったよ」

??「あのー」

凛「仕方ないと思うけどね」

奈氏u仕方なくは無いんだけどな、事故だろあんなの」
37 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 02:15:15.43 ID:r1XZIobz0
??「あのー、もう入っていいですか?」

奈氏u……」

凛「どうしたの奈氏B呼ばれてるよ?」

奈氏uいや、呼ばれてるって言うかさ」

未央「次に誰が来るかは分かりきってたじゃん。予想通りの人だし」

奈氏uあの人、外でさっきの静観してたって思ったら少し腹が立つというか……。鍵閉めちゃダメかな」

??「!!」

奈氏uいいよな、ありす?」

ありす「そうですね、仕方ないと思います。これは決して感情的な判断では無く、客観的に見ても問題ありません」

凛「100%感情だね」

未央「思いっきり、『も』って言ってるもんね」

??「い、嫌です!一人だけ耳で聞いてるだけなんて、いやーですー!」
38 : ◆YBm93b2VSc [saga]:2018/07/01(日) 02:16:33.62 ID:r1XZIobz0
STEP4 高垣楓

楓「まさか閉め出される事になるかも知れないなんて、思いも寄りませんでした」

奈氏uあたしもまさか、閉め出してやろうかと思う事があるとは思わなかったよ」

楓「ただ私は奈獅ソゃんの声を聞いてただけなのに。こえー事しますね」

奈氏u……。なあありす、一つだけアドバイスをするよ」

ありす「は、はい師匠!何でしょうか!」

奈氏u面倒臭い時は、ツッコまなくてもいいんだ」

楓「!」

ありす「な、なるほど!そんな手があったんですね!」

奈氏uおう、だから今のもツッコまないぞ」
39 : ◆YBm93b2VSc [saga]:2018/07/01(日) 02:17:38.24 ID:r1XZIobz0
楓「ちょっとちょっと、奈獅ソゃん」

奈氏u何ですか、楓さん」

楓「こ、心なしか、冷たくないですか?」

奈氏u自分の胸に聞いてみたらどうですか?」

楓「ううん、こうも冷たいと、胸にくーるものがありますね……」

奈氏uそういうとこですよ」

楓「そんな事言わずに、私ともお話ししましょうよ奈獅ソゃん」

奈氏uいや、いつも通りなら良いんですよ?ただ……」

楓「ただ、何ですか?」

奈氏u楓さん、今ならどれだけギャグを言っても許されると思ってるでしょう」

楓「!!い、いつの間にサイキックを身につけたんですか奈獅ソゃん!」

奈氏uあたしは他人のお株を奪うような事はしないですよ。てか図星かよ」
40 : ◆YBm93b2VSc [saga]:2018/07/01(日) 02:18:34.29 ID:r1XZIobz0
楓「だってだって、楽しそうだったんですもの」

奈氏u皆が楽しんでる分、あたしが苦労してるんですけど!?」

楓「逆に考えれば、皆が幸せに居られるのは奈獅ソゃんがくろうしてるからっすね、ふふっ」

奈氏uはぁ。何て言うか、そう言われるとあたしも弱いんですけどね」

楓「奈獅ソゃんのお陰で今日もお酒が美味しいですよ!」

奈氏uそれあたしの事馬鹿にしてないか!?」

楓「そんな事ありますよ」

奈氏uあるのかよ!っていうか、楓さん酔ってるでしょ!!」

楓「!!い、いつの間にサイキックを」

奈氏u身につけてないって言ってるでしょ!」
41 : ◆YBm93b2VSc :2018/07/01(日) 02:19:48.48 ID:r1XZIobz0
楓「これ以上キャラ付けをして、どうするつもりなんですか!」

奈氏uあたしが言ってるんじゃ無いですからね!?」

楓「そんな!それじゃあ私は、誰にこの思いをぶつけたらいいんですか!」

奈氏u川島さんか、一升瓶にでもぶつけて下さいよ……」

楓「ひどい……。一生、瓶に話しかけろなんて……」

奈氏uそこまで言ってねえ!無理矢理ギャグにして、あたしを悪くしないで下さい!」

楓「……じゃあ、私に付き合ってくれますか?」

奈氏u……。まあ、たまになら」

楓「もう、奈獅ソゃんったら、すなおじゃないんだから♪」

奈氏u何だろう、もう乾いた笑いしか起きないなぁ」

楓「師匠が失笑、ですね。ふふっ」

奈氏uだああああ、もおおおお!」
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/01(日) 02:32:19.79 ID:XAqvIT1TO
さすが6代目シンデレラガールwwww
楓さんによりいつの間にか奈緒ツッコミ入れてる
これがTHE・カエデ・WORLDってやつか…
43 : ◆YBm93b2VSc [saga]:2018/07/01(日) 02:47:02.49 ID:r1XZIobz0
――


ありす「師匠、お疲れさまでした」

奈氏uやりたい放題やって、気が済んだら部屋出てったからなあの人」

ありす「参考に……なるんでしょうか、今の会話は」

奈氏uそれが残念な事に、ダメな大人は皆あんな感じなんだよなぁ」

ありす「そ、そうですか」

奈氏u引くなよ。いや、仕方ないと思うけどさ」

ありす「す、すみません師匠!」

奈氏uそれ、定着したらやだなぁ……。結局、楓さんにも呼ばれてたし」

ありす「次は、誰が来ますかね?」

奈氏u分かんないけど、疲れない相手がいいなぁ」
44 : ◆YBm93b2VSc [saga]:2018/07/01(日) 03:05:52.05 ID:r1XZIobz0
ありす「あ、流石の師匠もお疲れですか」

奈氏uそりゃなあ。まあそういう事で、次が最後でいいか」

ありす「はい!」

奈氏uその元気、少し分けてくれ……」

加蓮「おはよー。あ、奈獅カゃん」

奈氏u勘弁してくれよ……」

加蓮「え、ちょっと、何?」
45 : ◆YBm93b2VSc [saga]:2018/07/01(日) 03:07:26.53 ID:r1XZIobz0
STEP5 北条加蓮

加蓮「ふふふっ、奈氏Aそんな事してたの?」

奈氏u何て言うか、断り切れなくてな」

加蓮「もう、奈獅チてば世話焼きなんだから」

奈氏uべ、べつにそんなんじゃ無いからなぁ!」

加蓮「はいはい、分かってるよ−。でも、さっきのは幾ら何でも酷くない?」

奈氏u幾ら何でもって所に、あたしの言いたい事が全て詰まってるけどな」

加蓮「ふふっ、そう言われちゃうと何も言えないなぁ」

奈氏uはぁ。ええっと、加蓮の予定は確か……」

加蓮「この後撮影〜。ていうか奈獅ヘオフじゃ無かったの?」

奈氏uなんつーか、外に出たい気分だったんだよ」
46 : ◆YBm93b2VSc [saga]:2018/07/01(日) 03:08:31.84 ID:r1XZIobz0
加蓮「それで師匠をやってるわけだ」

奈氏uその師匠って呼ぶの、広めてるのは加蓮だって分かってんだからな?」

加蓮「別に、嫌じゃ無いでしょ?」

奈氏u嫌じゃ無いっていうか、恥ずかしいんだよ」

加蓮「それだけ信頼されてる事だよ。これ言われたの、私だけじゃ無いでしょ?」

奈氏u……」

加蓮「あーんもう、照れてる奈獅ェ一番可愛いんだから♪」

奈氏uやめろぉ!ひっつくなぁ!」

加蓮「今日は晴れてるから、髪もふんわりだね〜」

奈氏u人をモフるな!」
47 : ◆YBm93b2VSc [saga]:2018/07/01(日) 03:09:10.61 ID:r1XZIobz0
加蓮「こうやってると、あれを思い出すよね」

奈氏uあれ、あれ……。ってあれの事か!?」

加蓮「そ、『神谷奈祉Nリスマスツリー事件』」

奈氏uあれホントびっくりしたんだからな!もうすんなよ!?」

加蓮「え〜、またやったげようよ。人気だったじゃん」

奈氏uそういう問題じゃねえ!」
48 : ◆YBm93b2VSc [saga]:2018/07/01(日) 03:09:44.29 ID:r1XZIobz0
――


ありす「今日はありがとうございました!」

奈氏uああ、特に何かしたわけじゃ無いけど」

ありす「いえ、師匠から得られるものは沢山ありましたよ!」

奈氏uだからそれ、褒め言葉じゃ無いからな?」

ありす「これで私も大人の側に立ったと言えるでしょう!」

奈氏u……そうだな。これから頑張ってくれ」

ありす「はい!……あ!プロデューサー!」
49 : ◆YBm93b2VSc [saga]:2018/07/01(日) 03:10:31.15 ID:r1XZIobz0
 そう言って、ありすは今部屋に入ってきたばかりのPさんに駆け寄っていく。

その表情は如何にも愛らしい少女であり、嬉しそうに何やら話し込んでいる。

恐らくは、先程学んだであろうツッコミをするべく会話中といった所だ。

あの人も大概、ボケるのが好きな人種だからな……。

あ、Pさんがツッコミ入れてる。おかしいなぁ。あたしはツッコミの師匠だったはずだったんだけどなぁ。
50 : ◆YBm93b2VSc [saga]:2018/07/01(日) 03:12:28.64 ID:r1XZIobz0
加蓮「あー、ありすちゃん、そういう事だったんだね」

奈氏uまあ粗方予想はついてたよ、プロデューサーか、アイドルの先輩かってな」

加蓮「でも、ある意味的を射てるのかもね。この事務所なら」

奈氏uそうか?どこでも一緒だと思うぞ。誰かと楽しく話す為に、冗談とそれの受け答えが出来るようになりたいってのはさ」

加蓮「じゃあ、奈獅ヘ楽しく話す天才だ♪」

奈氏u茶化すな。それに……」

加蓮「それに?」

奈氏uあたしは天才でも師匠でも無い、普通の女の子だっての」
51 : ◆YBm93b2VSc [saga]:2018/07/01(日) 03:13:08.61 ID:r1XZIobz0
STEP? プロデューサー

 加蓮もありすも、さっきまで見ていた外野も皆、スケジュールに沿って一人ずつ部屋を出て行く。

あたしはと言うと、来た時と変わらず、ソファで本を読んでいた。

唯一つ、Pさんが居るという事だけは違っているけど。
52 : ◆YBm93b2VSc [saga]:2018/07/01(日) 03:14:01.30 ID:r1XZIobz0
P「奈氏Aお疲れ様」

奈氏uな、なんだよ急に」

P「いやなに、ありすにツッコミを教えてたんだろ?」

奈氏u……まあ、な」

P「っても、効果があるんだか無いんだか」

奈氏uまあいいじゃんか、楽しく話せればさ」

P「まあそうだけど。でもこれじゃあ、まだ暫くは神谷師匠の独壇場って感じだな」

奈氏uPさんまでその呼び方かよ……」

P「何だ、嫌か?」

奈氏u……少し」

P「あれ、そうなのか?てっきり気に入ってるのかと」

奈氏uそこまで嫌って訳じゃ無いけどさ。やっぱり、いつも通りが一番いいよ」

P「そっか。じゃあ奈氏Aこれからもツッコミよろしくな」
53 : ◆YBm93b2VSc [saga]:2018/07/01(日) 03:14:55.17 ID:r1XZIobz0
 全く、この人は鈍いなぁ。っても、これで分かれって方が無理な話か。

この人には、これからも笑ってて欲しい。
あたしと楽しく話して欲しい。
もっとあたしを呼んで欲しい。

なんて、言えるわけも無いから、たった一言だけ。
54 : ◆YBm93b2VSc [saga]:2018/07/01(日) 03:15:35.18 ID:r1XZIobz0
奈氏uばーか。へへっ♪」

 きっとこの人の前であたしは、笑顔で楽しそうに話す、ただの女の子になっているのだろうなと思う。
55 : ◆YBm93b2VSc [saga]:2018/07/01(日) 03:23:43.87 ID:r1XZIobz0
こんな所で終わりです。
奈獅ヘ可愛いなぁ。
ブラッシングとかしてあげたい。
次回はまた凛未央を
少し長めに書こうかなと思います。
それでは。
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/01(日) 04:25:09.02 ID:NsV9bG0XO
奈緒の曲のサビが確か干し犬だっけ?
さすが奈緒師匠だな乙
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/01(日) 11:00:47.61 ID:mYsu/9Teo
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