江ノ島「明日に絶望しろ!未来に絶望しろ!」戦刃「…終わりだよ、ドクターK!」カルテ.8

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115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/19(火) 08:49:27.11 ID:F50YlpPU0
>>114
回答ありがとうございます
流石に残姉はさくらちゃんじゃないと無理でしたか
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/21(木) 22:22:48.42 ID:PKiFx/T+O
なんせ全員じゃないとはいえ斑井兄弟を瞬殺、ペコに圧勝するわ、モノクマ+ガトリングの嵐の中でも戦っているもん、大神でも勝てるかどうか…。
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/22(金) 10:07:32.43 ID:sfJ9EUov0
ふと残姉の肉親が江ノ島という悪魔じゃなかったらどんな人生になるのかと思った
118 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/05/06(月) 22:32:51.54 ID:1yTFw4Ew0


  ― コロシアイ学園生活六十九日目 情報処理室 PM3:48 ―


情報処理室では、江ノ島は映画を鑑賞するようにポップコーンを頬張りながらモニターを見ていた。


「焦らすわねぇ。ま、悩んでるんだろうけど。そうよね、隠し部屋に行けば袋の鼠、
 情報処理室に行けば蜂の巣かもしれない。簡単には選べないわよねぇー」

「でも結局は袋小路。状況は詰みって訳。どんだけ小細工したって最終的には
 隠し部屋に行くしかなくなる。そうなるとドカン!ってね。うぷぷぷぷ」


はたして、KAZUYAの予想通り隠し部屋には致命的なトラップが仕掛けられていたのだ。
……爆弾である。といっても全滅させる程の威力はなく、小型のものだ。

恐らく先頭を歩くKAZUYAは確実に爆風を浴びるが、頑丈な体躯故に死にはしないだろう。
しかし、KAZUYAが怪我を負えばもう手術出来る者はおらず、負傷した生徒の何名かは死ぬ。

絶望に落ち逃げる気力すら失った残りの者達を全世界に放映すれば、江ノ島の野望は完遂するのだ。


「あのさ……盾子ちゃん……」

「なんなら二手に別れてもいいわよぉ! アタシが直々に相手してあ・げ・る☆」

「盾子ちゃん、聞いて……!」

「なによ、お姉ちゃん。いつまでもウジウジされてるとうっとーしいんだけど」

「う、うん……本当にごめん。次はちゃんとやるから……」

「次? 次ねぇ……」


江ノ島は無感情な目で戦刃を見つめる。

119 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/05/06(月) 22:44:47.17 ID:1yTFw4Ew0


ドクターKは甘くない。手傷を負った体で追い詰めることは不可能だろう。
戦刃に残された手段は、重火器を渡して彼等を皆殺しにするくらいだ。


「私ね、なんだか……嫌な予感がするんだ」

「ふーん」

「ちゃんと聞いてよ。本当なんだって!」


戦刃は軍人特有の勘の良さで感じ取っていた。保健室で対峙した時の、生徒達の変化を。

二年間一緒に過ごしたからこそわかる。以前の霧切に、そして桑田にあんな動きは
出来ただろうか? 彼等の動きは明らかに才能の限界を超えていた。

才能を育てる希望ヶ峰でもあそこまでの急激な成長は見られなかったはずだ。
この二ヶ月ばかりで、彼等に一体何が起こったのか?

人並み程度の頭脳しかない戦刃は上手く言葉で説明出来なかったが、それは紛れも無い
才能の『進化』だった。もしあの場に江ノ島がいたら流石にその危険性に気付いていただろう。


「もう十分世界に絶望をバラまいたし、いいでしょ? あとはみんなを捕まえて
 一人ずつオシオキするか、一気に殲滅して惨殺死体を流して終わりにしようよ!」

「お姉ちゃんねぇ、アタシに何回同じこと言わせたらわかるの?
 それじゃアタシの求める真の絶望には足りないのよ!」

「でも……、でもなんかみんな様子が変だったよ!」

「ハァ? どこがどう変だっていうのよ? アタシだってカメラ越しに見てんのよ?」


再三述べているが、万能の超天才江ノ島も人間でありやはり弱点がある。

120 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/05/06(月) 22:49:01.46 ID:1yTFw4Ew0

一つは破滅思想すら含むその気まぐれな性格だ。彼女はわざと自分を不利な状況に
追い込んで楽しむ悪癖があった。しかし、今回ばかりはそれが原因ではない。

二つ目の弱点、それは――疲労である。

彼女はこの二ヶ月間、黒幕としての全ての業務をこなしてきた。流石に食料の搬入などの
力仕事は仲間にやらせたりもするが、監視やモノクマの操作は全て自分で行っている。
部屋に篭りきり、睡眠も削って。

疲労すら江ノ島にとっては心地好い絶望の糧である……であるが、超高校級の保健委員に用意させた
栄養剤で無理矢理体を動かしている状態では、自慢の分析能力もごく僅かな陰りがあった。

そして最後は彼女自身の驕りだ。江ノ島は二年間、その才能をフルに活かしてクラスメイト達の
能力を見てきた。故に、本人以上に彼等の全てを知り尽くしている自負があった。

苗木の幸運や葉隠の占いなどの不確定要素はあるものの、それ以外に不安要素はないのである。

……故に、戦刃の忠告にも耳を貸さなかった。


「なんとなく、としか説明出来ないけど……なんか、いつもより気迫が
 違うというかオーラがあったっていうか」

「そりゃ、向こうだっていい加減覚悟完了してるでしょうよ」

「それだけじゃないんだって! なんか、もっとこう、ええっと!」

「うっさいわね! アタシの邪魔をするってんならいくらお姉ちゃんでも容赦しないわよ」


江ノ島は置いてあったペンを手に取ると、先端を戦刃の目に向ける。彼女の行動は常に本気だ。
江ノ島がすると言ったら彼女は本気で戦刃を殺す。普段ならこういった過激な行動もじゃれ合いとして
喜んでいる戦刃も、今この状況で楽しんでいられるほど能天気ではなかった。


「わ、わかったよ。もう言わない……」

121 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/05/06(月) 22:52:57.17 ID:1yTFw4Ew0

妹とコロシアイをするのは戦刃の本意ではない。何より、戦刃は江ノ島に対して頭が上がらないのだ。
引っ掛かるものを胸に抱えながらも、この場は戦刃が引くしかなかった。戦刃にとって最も
悲劇だったのは、この状況を正確に伝えることが出来ない語彙能力の欠如だったのである。

そんな滑稽な姉妹のやり取りをカムクラは冷ややかに見ていた。カムクラは、江ノ島のように疲労もなく
78期生達に対する思い入れもない。故に驕りもなく、常にフラットな視線で物事を見ることが出来た。

カメラ越しだが、彼は生徒達に生じた異変に気付くことが出来たのである。


(あれは……才能の進化と呼ぶべきもの)


カムクラは万能であるが、それは言ってみれば既に完成した才能を肉体という器に
インストールしたものである。故に、未熟な才能がない代わりに成長することもない。

それがわかっているカムクラにとって、才能の進化は興味を惹かれる事象であった。


(希望ヶ峰学園に通っていた頃には見られなかった。では何故この状況で開花したのか?)


過去の希望ヶ峰学園と現在の状況を比べてみる。
今はあるが以前はないもの――


(危機感)


確かに危機感は人を変える。それは良いものであったり悪いものであることもある。
火事場の馬鹿力ということわざがある通り、それは有力な候補に見えた。


(……違う)


だがカムクラはそれを否定する。

122 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/05/06(月) 22:57:52.10 ID:1yTFw4Ew0


危機感は確かにキッカケとなっただろう。だが、それだけでは説明出来ない。
才能の進化は継続的なものであって、火事場の馬鹿力とは違うのだ。


(わからない。ワカラナイ。一体何故……)


カムクラにはわかるはずがなかった。
それは才能と引き換えにカムクラが手放してしまった、“人間性”に由来していたからだ。

それは誰かの愛情であったり友情であったり優しさや思いやり、責任感……

或いは怒り、悲しみ、嫉妬、焦燥、挫折、苦悩……
そんな負の感情、いわゆる絶望でさえ彼等は成長の糧としていた。

皮肉にも、かつて超高校級の幸運・狛枝凪斗が言っていたことは半分“だけ”当たっていたのだ。


「これからどうするのですか?」

「! あ、また……!」

「カムクラせんぱーい☆ もういつの間に来てたのー?!」


背後を取られた戦刃は悔しそうにし、逆に江ノ島は媚びた声をあげる。
普段の江ノ島だったら、声をかける前に気が付いていたはずだ。やはり本調子ではない。


「あ、もしかしてカムクラ先輩、アタシが不利になったと思ってる?!」

「一階のカメラが全て破壊されましたが」

「もう! そんなのどーってことないない! モノクマ送り込めばいいだけだし、
 あいつらが次に打つ手なんて大体予想付くしねー」

「そうですか」

123 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/05/06(月) 23:20:56.56 ID:1yTFw4Ew0


江ノ島盾子は油断しきっている。勿論、それだけの能力を持っているし事実、まだ彼等は江ノ島の
掌の上なのだ。江ノ島が少し手を出せば簡単に天秤が傾いてしまう危うい状況なのは何ら変わらない。

だが、カムクラの目には前進する希望がはっきりと映っていた。

江ノ島の背後のモニターに映った、廊下を全力疾走する生徒達の姿が――


                  ╂


結論から述べよう。

結論一、江ノ島はモニターから目を離すべきではなかった。

生徒達は言ってみれば追い詰められた獣であり、いつ飛び出してくるかわからない状況だった。
如何に江ノ島の超分析力を持ってしても、寸分違わず正確な時間を予測するのは不可能なのである。

結論二、油断すべきではなかった。

確かに江ノ島は彼等の行動を読んでいたし、多少予想が外れたとしても
すぐに軌道修正することは可能だったが、それ以前に『ミス』をしていれば意味がない。


時間を少し巻き戻す。


セレス「皆さん、ギャンブルはお好きですか?」

山田「突然なんですか? 今はそんなこと話してる場合じゃ……」

K「聞かせてくれ。賭けるに値する価値があるのなら俺の命だって賭けてやる」

セレス「先生ならそう言ってくださると思いました」


ニコリとセレスは笑った。

124 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/05/06(月) 23:23:50.20 ID:1yTFw4Ew0

セレス「皆さんにお願いがあります」

K「何だ?」

セレス「わたくしを信じてくれませんか?」

苗木「突然どうしたの? 改まっちゃって」

セレス「一度は裏切ったわたくしですが、ここから脱出したい。
     黒幕に目に物を見せてやりたいという気持ちは同じですわ」

セレス「それに、わたくしを以前と同じように受け入れてくれた皆さんに感謝もしているのですよ?」

十神「急に殊勝なことを言い出したな……」

腐川「気持ち悪いわね……何か企んでるんじゃないの?」

舞園「ま、まあまあ。とりあえず話を聞いてみましょうよ」


普段とは違うしおらしいセレスの姿に、一部の生徒は警戒するがその流れを打ち破ったのはこの男だった。


山田「ややっ?! これは死亡フラグですぞ! セレス殿、さては自爆でもするつもりでは?!」

セレス「…………」


この状況下で素っ頓狂な叫びをあげる山田はあまりにも場違いだったが、
付き合いの長いセレスには山田の心遣いがわかった。


セレス「わたくしをロボットか何かと勘違いしているのでは?」


125 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/05/06(月) 23:31:19.98 ID:1yTFw4Ew0

山田「だってセレス殿の名前って某ロボットアニメの敵幹部の名前みたいですしおすし。
    あ、セレス殿の渾身の厨二ネーミングをバカにしている訳ではありませんよ。デュフフ!」

セレス「思い切り馬鹿にしてるでしょう。少しは黙りやがれ、この豚ー!」

山田「ぴぎー?! お許しをー!」

「……ハハハハッ!」


二人の会話はこの緊迫した状況下では茶番とすら言える。だが、今となっては懐かしさすら
覚えるこのやり取りは、自然と周囲の緊張を解きKAZUYAすら思わず笑みを浮かべた。


大和田「で、なに言おうとしてたんだっけか?」

十神「フン、駄目で元々だ。話くらいは聞いてやる」

セレス「これは作戦なんて立派なものではない、単なるギャンブルですわ。
     ――皆さん、持っているモノクマメダルを今すぐわたくしにください。全て」


セレスの指示通り、彼等はありったけのモノクマメダルを手に購買部に来ていた。


セレス「モノクマは言っていました。このモノモノマシーンには様々なアイテムが
     入っていると。中には事件を起こすのに使える凶器もです」

苗木「そうか! まだ中に使える道具が入ってる可能性があるんだ!」

セレス「何が入っているかはわかりません。もうガラクタしかないかもしれないですが
     やってみるだけ損はないはずです。たとえ一億……いえ百億分の一でも可能性があるなら」

セレス「わたくしは引き当てて見せます――! ええ、勝負師の腕の見せ所ですわ!」

126 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/05/06(月) 23:34:37.09 ID:1yTFw4Ew0



超高校級のギャンブラー




















ヴゥンッ……


127 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/05/06(月) 23:37:04.84 ID:1yTFw4Ew0



―――――――――――










超高―――――――――










超高校級の勝―――――


128 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/05/06(月) 23:38:48.25 ID:1yTFw4Ew0



超高校級の勝―――










超高校級の勝負師










超 高 校 級 の 勝 負 師 ! !


129 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/05/06(月) 23:39:26.72 ID:1yTFw4Ew0



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



                      超 高 校 級 の 勝 負 師


                    セ レ ス テ ィ ア  ・  ル ー デ ン ブ ル ク



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


130 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/05/06(月) 23:42:19.79 ID:1yTFw4Ew0


ガチャポンガチャポンガチャポン……!

セレスがモノモノマシーンを操作すると、非常に低確率のレアアイテムがゴロゴロ出てくる。


舞園「こんなもの今まで見たことありません」

山田「くっ……この山田不覚。オタクとして全てコレクションしたつもりだったのに!」

セレス「わたくしの道具を入れる時ついでにラインナップを一新したらしいですわ。思ったよりも
     ここでの学園生活が長引いて、皆さんほとんどコンプリートしていましたから」

葉隠「まあ、暇だったしなぁ」

桑田「なんだよ。ラインナップ変えたんなら言えっつーの。おかげで最近は全然使ってなかったじゃん」

腐川「そもそも、そんな気分にならなかったわよ……」

苗木「僕はまだ使ってたけど、中身が変わったのは気付かなかったなぁ。
    確かにダブリが減ったなぁとは思ってたけど」

十神「問題は今使える物が出るかどうかだ。高い時計やアクセサリーが出ても仕方なかろう」

セレス「皆さんが利用しやすいように、生徒の才能に関連する物が多いと聞きました。
     わたくしの考えが間違っていないなら……」


ガチャ……ピカピカ!


朝日奈「な、なになに?! 光ってるよ!」

不二咲「当たりってことかな?」

131 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/05/06(月) 23:43:25.15 ID:1yTFw4Ew0


【伝説の鉄パイプ】
某ホラーゲームの武器を模して作ったものだよ。そう簡単には折れない!
【バールのようなもの】
バールではないよ! バールのようなものだよ!
【道路標識】
これでどこでも公道気分♪
【むらまさ】
呪われし妖刀。なんでも斬ってしまうと言う。

etcetc……


大和田「おいおい、ガンガン出てくるぜ!」

石丸「ムムム! 流石はセレス君だ!」

セレス「まだまだ止まりませんわ……! わたくしの豪運は!」



               ◇     ◇     ◇



保健室にはKAZUYAと負傷者達、それに霧切が待機している。


K「大神、少しいいか?」

大神「…………」


名前を呼ばれ、大神は気怠げにKAZUYAを見た。


K「先程は朝日奈がいたから聞かなかったが、何かあったのか? 様子が変だぞ」

大神「変……変、か。そうだな。我はおかしいのかも知れぬ」

132 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/05/06(月) 23:49:37.03 ID:1yTFw4Ew0

霧切「大神さん、あなた絶望しているの?」

桑田「あ? 絶望?」

霧切「さっき戦刃むくろに殺されそうだった時、大神さんは抵抗しなかった。
    あなたは無抵抗でやられるような人ではないはず」

K(そもそも、いくら死を覚悟しているとはいえカッターの刃を飲み込むなんて常軌を逸している……)

K「さっき何があったんだ?」


霧切は大神と戦刃のやり取りを説明した。


K「……成程、そういうことがあったのか」

山田「確かにこんな状態では絶望したくもなります……ハァ」

桑田「でも、黙ってやられるなんて冗談じゃねーぜ! それでいいのかよ?」

山田「とんでもない! 以前の僕なら諦めてたかもしれない。でも今は違います。
    ギリギリまであがいてやりますよ!」

桑田「いいじゃんいいじゃん。その意気だぜ!」

大神「…………」

K「大神、十神が言っていたぞ。あの時は言い過ぎた、と」

大神「!」

K「プライドの固まりみたいな奴だから素直に謝ったりはしないが、反省しているようだ」

大神「……そうか」

K「絶望したくなる気持ちもわかる。立ち止まりたくもなる。だが、俺達は君の力が必要だ」

133 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/05/06(月) 23:52:52.78 ID:1yTFw4Ew0

大神「我は、裏切り者だ。心の弱い人間だ。唯一の取り柄と言えば
    頑丈な体くらいしかない。だがそれも……」

K「大神!」


KAZUYAは立ち上がると大神のすぐ横に行き、目を見つめる。


K「朝日奈は、君が強いから友人になったのか?」

大神「……!」

K「友人になるのに理由がいるのか? みんな始めは話が合うから、一緒にいて楽しいから……
  その程度の軽い気持ちで付き合い始めて、絆を育んでいくはずだ。違うか?」

大神「…………」

K「ここしばらくショッキングなことが続いた。自信を失っても仕方ない。ただ、
  もし君が自分を不必要な人間だと思っているなら、それは違うぞ!とだけ言っておく」

大神「…………」


大神は何も言わなかった。ただ一瞬だけKAZUYAの目を見て小さく頷いた。


K(朝日奈の言っていた通りだな……大神は強いかと思っていたが、こんな繊細な部分が
  あったとは。怪我のこともある、しばらく重点的に見ていないと心配だ……)


その時、購買部に行った生徒達が大量の戦利品を手に戻ってきた。


K「手応えはあったか?」

セレス「上々ですわ」

134 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/05/06(月) 23:54:51.07 ID:1yTFw4Ew0

朝日奈「見て、先生! パチンコだよ!」

K「! スリングショットか」

朝日奈「これがあれば離れた所から監視カメラを壊せるんじゃないかな?!」

K「確かに……二班に分かれて調査出来そうだ」

苗木「セレスさんのお陰だね!」

十神「喜んでいる場合ではない。早くチーム編成をするぞ」

石丸「桑田君は怪我があるから、深そうな赤い扉ルートはやめた方がいいかもしれないな」

大和田「よし、俺が行く。あとは……」

朝日奈「私も行くよ。こう見えても体力には自信あるし、目もいいと思う。
     パチンコなら女の私でも使えるし」

K「赤い扉の方は物を持って帰る可能性がある。腕力で言えば石丸が妥当だが……」

十神「頭を使える奴が一人もいないのは問題だな」

石丸「ぐっ、否定出来ないのが悲しい……」

K「苗木、体力的に気になる所だが行けるか?」

苗木「大丈夫だと思います。一応みんなと一緒に運動したりしてたし」

舞園「苗木君、身軽ですもんね」

桑田「俺と一緒に野球で鍛えた走り込み見せてやれ!」

K「では残りは保健室に待機。時間がない。早速行動してくれ!」

135 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/05/06(月) 23:57:46.21 ID:1yTFw4Ew0

ここまで!

遅れに遅れて申し訳ない……
書き溜めはそこそこあるのですが、修正して投下する時間がなかなか取れず

とりあえずもうすぐ終わりそうなドラえもんの方に注力するかな……

136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/07(火) 00:17:32.10 ID:N+a8tDxn0
乙です、見てるよー

セレス覚醒は予想外
137 : ◆takaJZRsBc [sage]:2019/05/07(火) 00:32:28.38 ID:b+u6acSc0
>>136
五回も自由行動で会ってるし、評価が高いからですね
恋愛フラグが立つことで覚醒フラグも同時に立つという条件でした
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/07(火) 02:33:59.29 ID:xOUUIFerO
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/07(火) 04:27:11.46 ID:+r6a+w7jO
んほおおおおおおお!!!この反撃ムードたまんねえ…
しかしあれだな、それなりに説得力ある理由付けしてるとはいえ妹様が残姉を馬鹿に出来ない状態に…www
語彙力皆無の残姉かわいいよ残姉
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/08(水) 01:47:46.89 ID:SC028loMo
江ノ島って無印の時点では割りとショボいしね。苗木殺そうとして失敗するわ裁判でズルするわで
やっぱ寝不足で疲れてたのかな。昔見た江ノ島の一日みたいなコピペが面白かった
141 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/06/15(土) 18:24:25.10 ID:cJwNmxg60


 ― 赤い扉組 ―


苗木「ここが例の壁だね?」

朝日奈「気付かなかったけど、言われてみたら少し色が違うね」

大和田「爆薬の使い方わかるか?」

苗木「壁の真ん中に貼り付けて、伸ばした導火線に火を点ければいいって」

朝日奈「なんだかドキドキするね!」

苗木「壁を破壊する用だから結構威力が強いみたいだよ。僕達は部屋の外にいよう」


三人は赤い扉を閉め、下からはみ出している導火線に火を点けた。


朝日奈「わっわっ!」

大和田「もっと離れた方がいいんじゃねえか?」


ドンッ!

爆発音と共に、壁が崩れる音がする。三人は恐る恐る中を覗き込んだ。


朝日奈「すごーい! 穴が空いてる!」

苗木「綺麗に壁だけ吹き飛んだみたいだ」

大和田「流石にここまで来ると先公の見立ての良さにビビるぜ……」


壁の向こうには階段があった。残念ながら上り階段はなく、地下へと延々続く階段がある。

142 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/06/15(土) 18:33:07.24 ID:cJwNmxg60

苗木「中はやっぱり階段だね。二人共、足元に気をつけて」

朝日奈「階段には監視カメラもないみたい。ガレキで転ばないようにしないとね」

大和田「……深いな。地下何階まであんだよ」

苗木「慎重に行こうって言いたい所だけど時間がないから急ごう」


幸い電気が通っていたので足元が見えないということはなく、少し暗い階段を下っていく。


朝日奈「あ、扉だ」


少し進むと階段の途中に扉がある。


苗木「本当だ。……あ、鍵がかかってる」

大和田「どけ。この程度のドアなら……おりゃあっ!」


大和田が一撃で扉を蹴破った。


朝日奈「やるじゃん! さすが!」

大和田「へへっ、俺はこのために来たんだからな。力技は任せろ」

苗木「中は……研究室か何かかな?」


部屋には整然と並んだデスクとパソコン。それに何だかよくわからない機械があった。
苗木は手近な机にあったファイルを手に取り開いてみる。


苗木「『才能実験17』……。何十年も前のかなり古いデータみたいだ」

143 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/06/15(土) 18:35:19.45 ID:cJwNmxg60

朝日奈「流石にこの頃の人はほとんど知らないね」ヒョイ

大和田「こっちも似たようなもんだな。武器になりそうなもんはあるか?」

苗木「うーん。引き出しには鍵がかかってるし、そもそもこんな場所にはなさそうだね」

大和田「時間がねえ。俺達が今必要なのは出口か武器だ。ここは飛ばして行くぞ」

苗木「時間があればアルターエゴでパソコンの中を調べられたかもしれないけど難しいね」

朝日奈「大和田の言う通りだよ。行こう」


彼等は再び階段に戻る。途中でまた扉があったので二つ破壊して中を覗いたが、
同じような研究室だった。これ以上見ても時間の無駄という結論になり、彼等は
ひたすら階段を下って行く。自然と雑談が始まった。


朝日奈「何なんだろうね、ここ……」

苗木「希望ヶ峰は才能開発って言って、生徒の才能を分析したり伸ばす研究をしていたから
    ここはそのための研究棟だったんだと想う」

大和田「じゃあやっぱ希望ヶ峰なのか」

苗木「関連施設なのは間違いないと思う」


しかし、考えるのは苦手だが勘の鋭い朝日奈は違和感に気付いていた。


朝日奈「……何でこんな地下に作る必要あったんだろ?」

苗木「え?」

朝日奈「普通建物って地上に作るよね? 地下だと窓もないし息苦しいし」

苗木「確かに……変だね」

144 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/06/15(土) 18:51:31.45 ID:cJwNmxg60

大和田「地下に建てた方が安上がりなんじゃねえのか?」

朝日奈「ええー、だったらみんな地下に作らない? 大都市ってどこもビルだらけだよ?」

苗木「日本の地下は地下水や温泉もあるし都市部なら地下鉄もあるから、
    むしろ地下に作る方が許可とか手続きとか大変なんじゃないかな?」

大和田「あー、そういうもんなのか」

朝日奈「こんな深い建物って初めて。こんなに潜るのって地下鉄くらいじゃない?」

苗木「僕は地方出身だからよくわからないけど、確かに深いね」

大和田「なんか地上じゃ都合が悪いことがあるのかもな」

苗木「都合が悪いこと?」

大和田「ほら……あれだ。日光に当たったらまずいとか」

苗木「あー、それならおかしくないかもね」

朝日奈「でも十階以上もいるのかな? もうそのくらい下がってるよね?」

大和田「……なんか、まずい実験でもしてたりしてな」

苗木「まずい実験?」

大和田「いや、そういう映画見たことあるからよ。ホラー映画で、地下の研究所から
     ウイルスが漏れて騒ぎになるみたいな」

朝日奈「案外、当たってたりして」

苗木「でも希望ヶ峰が何でそんなことするんだろ……」

朝日奈「あ、希望ヶ峰じゃなくて江ノ島盾子が作ったのかも!」

苗木「それはないと思う。江ノ島盾子って僕らと同じくらいの歳のはずだし。
    床とか階段の手すりとか、結構年数が経ってるように見えるね」

大和田「じゃあ、江ノ島がここを乗っ取ったってのは間違いねえか」

145 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/06/15(土) 19:01:13.67 ID:cJwNmxg60

朝日奈「そもそもどうやって組織とか作ったんだろう? 先生は天才とかカリスマで片付けてたけど」

大和田「まあ、普通じゃありえねえけどスーパー超人の先公を見てるからなぁ……
     あのレベルの天才なら数年で組織とか作れちまうのかもしれねえな」

苗木・朝日奈「確かに……」


 ― 調理室組 ―


ドン!


十神「上手く行ったようだな」

霧切「流石の江ノ島盾子も爆破は想定外だったんでしょうね」

桑田「よし、行くか」


調理室の床を開ける。そこには壁に取り付けられた梯子がある。
片手を負傷している桑田は険しい顔になった。


桑田「うげ! ハシゴかよ……」

十神「朝日奈とチェンジするか?」

桑田「いや、もう行っちまっただろ」

霧切「待って。ハシゴということは、ここから食品を搬送していたとは思えない……」

十神「……あの壁が怪しいな。そこの、何もない所だ」

霧切「予備の爆薬で爆破してみましょう」

桑田「え、マジで?」


再び爆薬をセットして、発破する。すると、予想通り隠し通路を発見した。

146 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/06/15(土) 19:06:06.18 ID:cJwNmxg60

桑田「ひゃー……ドンピシャじゃねーか」

十神「やはりな」

霧切「先にこっちを調べましょう。いきなり監視カメラがある可能性が高いわね。桑田君」

桑田「おう、任せろ」


隠し通路を進み扉を発見する。そっと開いて霧切が中を覗き込んだ。


霧切「……あったわ。この隙間から投げることって出来る?」

桑田「大丈夫だ。この距離なら余裕だぜ」


桑田は左手でボールを握ると、全力で投げた。狙い違わず、硬球は監視カメラに直撃する。


桑田「やりぃ! ストライクッ!」

霧切「この調子で行きましょう」


桑田がカメラを破壊し、三人は隠し通路を進んだ。


十神「食費搬入路はほぼここと見て問題ないな」

霧切「そうね。あれは……!」

桑田「出口じゃね?」


三人は通路の奥に扉を見付けた。頑丈な鉄の扉だ。玄関にあったものと似ている。


十神「これは……壊せるか微妙だな」

霧切「……そうね。引き返しましょう」

147 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/06/15(土) 19:11:33.35 ID:cJwNmxg60


調理室に引き返すと、三人は改めて地下への入口の前に立つ。


桑田「あー、なんとか片手だけで降りられねーかな……」

霧切「やめなさい。この高さから落ちたら即死よ」

十神「とりあえず俺と霧切で行ける所まで行く。重要そうな場所なら後で朝日奈を連れて行けばいい」

桑田「わりーな……」

霧切「気にすることはないわ。桑田君は散々役に立ってるもの。今は休んでいて頂戴」

桑田「じゃあ、俺はここで見張っとくわ」

十神「行くぞ」

霧切「! 待って。私から行くわ」

十神「それだと万一落ちても助けられんぞ」

霧切「そんなヘマはしないから大丈夫よ」

十神「なら好きにしろ」

桑田(結構鈍いのな、こいつ)


桑田は霧切のスカートを見ながら察した。霧切が先陣を切り、二人は地下へ下って行く。


霧切「……監視カメラがないわね」

十神「本来生徒が立ち入らないはずの食品搬入路にカメラがあったことからして、
    ここはさほど重要ではないのだろう」

霧切「警戒していないからこそ隙があるかもしれないわね」

十神「そうだな」

148 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/06/15(土) 19:15:43.37 ID:cJwNmxg60


二人は下に降りるにつれ息苦しさを覚えた。


十神「おい……なんだか臭わないか?」

霧切「そうね。恐らくはゴミの臭い……」


地下に降り立つと二人は扉を見付けたが、あいにく鍵がかかっていた。
だが、開けずとも何の部屋なのかは扉を見ればわかる。


霧切「『ゴミ収集室』……」

十神「ゴミ捨て場か……」

霧切「こちらは収穫がなさそうね。……もしかしたら、この建物の地下は深すぎるのかもしれない」

十神「どういうことだ?」

霧切「地下道よりも下に建物がある場合、下水はポンプで汲み上げて地下道に流すのよ。
    こちら側は浅いかもしれないと期待していたけど、どうやら地下は無理ね」

十神「そうするとどうなる? 八方塞がりだぞ」


霧切は顎に手を当てて思案する。


霧切「密閉空間なら必ずそれなりの大きさの通気孔があるはずよ。ただ……」

十神「山田と大神と西城だな。あの三人は無理だ。やはり戦うしかなさそうだが」

霧切「江ノ島盾子がどの程度準備しているか……。負傷しているとはいえ向こうには
    まだ超高校級の軍人もいる」

十神「考えるのは後だ。とりあえず戻るぞ」

149 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/06/15(土) 19:18:33.95 ID:cJwNmxg60


               ◇     ◇     ◇


朝日奈「やっと着いたー!」

苗木「ハァ……長かった」

大和田「バテてる場合じゃねえぞ、苗木。帰りはまたこれを登らねえといけねえんだからな……」

苗木「うわぁ……」


三人は深い深い地下へ潜りとうとう最深部に到着した。意外にも女の朝日奈が一番余力がある。
恐らく体育系の才能を持ち、監禁されてからもトレーニングを欠かさなかったからだろう。


朝日奈「早く調査して戻らないと」

苗木「あ、朝日奈さん。監視カメラに気を付けて!」

朝日奈「スリングショットの出番だね! 狙いを定めて〜」


ガシャンッ!


大和田「おお、上手いじゃねえか」

朝日奈「やった! ガンガン行くよ!」


監視カメラを破壊しながら彼等は中の調査をしていく。


大和田「クソッ、入れねえ所があるな」

苗木「時間がないから、調べられる所を優先的に見て行こう」


早速彼等は小道具の置かれている部屋を発見した。

150 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/06/15(土) 19:20:25.21 ID:cJwNmxg60


ほとんどは雰囲気作りのための張りぼてだが、一部危険なものもある。


苗木「うわ、大きなトラバサミ……」

大和田「それで挟まれたらタダじゃすまねえな。触るんじゃねえぞ。……お、これなんだ?!」

朝日奈「機関銃?!」

苗木「いや、物騒な見た目だけどピッチングマシーンみたいだ。野球ボールが入ってる」

大和田「なんだよ、期待させやがって」

朝日奈「……これ、なんのケースだろう?」


机の上にあった黒い長方形のケースを朝日奈は開けた。


朝日奈「! ねえ、見て! これ銃だよね?!」

大和田「おおお! やったぜ!」

苗木「スナイパーライフルってやつかな」

大和田「他になんかねえか?!」

苗木「ねえ! あれって……」


               ◇     ◇     ◇


桑田「ちぇっ、収穫なしかぁ」

霧切「まだそうと決まった訳じゃないわ。苗木君達が何か見つけているかもしれない」

十神「元々黒幕を放置して脱出するというのが気に食わなかったんだ」

桑田「あ、そうだ。赤い扉の地下ってどうなってるんだろうな?」

151 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/06/15(土) 19:22:03.97 ID:cJwNmxg60

霧切「今から行っても入れ違いの可能性があるわよ」

桑田「まあ、覗くだけだって」


彼等は食堂からの帰り道にある赤い扉の中を覗いた。


桑田「おー、見事にぶっ壊れてんな」

十神「時間の無駄だ。さっさと戻るぞ」

霧切「……待って。何か聞こえる」

桑田「あ、本当だ。なんだ?」


ブロロロロロ……


霧切「……エンジン音?」


「うおらあああああああっ!!」


桑田「ハァッ?!」

十神「何だ?!」

霧切「何か来るわ! 下がって!」


三人は慌てて廊下に撤退する。ほぼ同時に、階段から巨大な影が飛び出してきた。


大和田「よっしゃあ! 着いたぜ!」

朝日奈「はやーい!」

苗木「ハハ……助かった」


現れたのは――

なんと、大型の改造バイクを操る大和田とタンデムシートに座る朝日奈、
そして後ろにしがみついている苗木であった!

152 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/06/15(土) 19:23:16.60 ID:cJwNmxg60

ここまで。

そろそろ反撃か?

153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/15(土) 19:36:53.00 ID:dDNUpBZZO
久しぶりに見たけれどやっぱオモシロイわ
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/21(金) 19:50:13.50 ID:hACrDnop0
超応援してる
みんな団結してからが本番だよね……
個人的に十神くんの覚醒が楽しみ!!
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/26(水) 03:58:32.23 ID:vhkfkR6A0
他のキャラが覚醒した時の肩書きが思いつかない

苗木→希望
大和田→総長?
不二咲 
山田 
石丸 
葉隠 
十神

舞園 
霧切 
大神→武神? 
朝日奈 
腐川
ジェノ

安直だけど苗木が超高校級の希望になるくらいしか自信が無い
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/30(日) 12:05:26.27 ID:CfRKm1sB0
たまたま本屋でドクターK見かけて読んだけど面白いな
しかも隣の棚にダンロンのアンソロコミックがいっぱいあってこのスレ民をピンポイントで狙ってるのかと思ったわwwwwww
てかKはブラックジャックよりのイケメンだと思ってたのに絵柄がすっごいジョジョっぽくてびっくりした
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/12(金) 00:29:36.17 ID:c82MjJiGO
ドラロンパが次回完結と聞いてこっちを1から読み返してみた
始まったの2013年10月20日か…時の流れは早いもんだ
ちなみに今現在までで約6年9ヵ月経過、つまり69…あ、シモネタじゃないですよ!?シモネタじゃないんですってば!
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/13(土) 15:29:14.10 ID:5iWxPNfeO
花村落ち着けwww
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/16(火) 05:21:52.98 ID:3V02kC7vO
尻ass展開でナニイッてんだ
160 : ◆takaJZRsBc [sage]:2019/08/11(日) 00:50:27.69 ID:1BugY+gB0

一応こっちにも書いておこう。無事、[たぬき]の方が完結しました。

次からはこちらに注力できます。お待たせしてすみませんでした。

よろしくお願いします。


[たぬき]「ダンガンロンパ?」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515331445/

161 : ◆takaJZRsBc [sage saga]:2019/08/11(日) 01:23:42.36 ID:1BugY+gB0

フィルターェ……完結に浮かれてすっかり存在を忘れていた
掲示板のバグも直したんだし、このしょうもない変換も直してくれればいいのに


無事、ドラえもんの方が完結しました。

ドラえもん「ダンガンロンパ?」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1515331445/
162 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/08/17(土) 22:41:30.51 ID:hWzECiIx0

苗木(怖かった……死ぬかと思った)

桑田「大和田じゃん! どうしたんだよ、それ?!」

大和田「おお、オメエら! ちょうどいい所に! 見てくれよ、俺の愛機!」

十神「なんでこんな場所にバイクが……」

霧切「地下にあったの?」

大和田「おうよ! 長い階段もこいつで一気に上ってきたぜ!」

朝日奈「すごいよね! あんな急な階段をバイクで上って行くって言うんだもん! 驚いちゃった!」

苗木「壁に衝突するんじゃないかと思って気が気じゃなかったけどね……」

桑田「すっげーじゃん! さすが超高校級の暴走族!」

十神「これは使えるな。でかした!」

大和田「まだあるぜ!」

朝日奈「保健室に戻ってからのお楽しみ!」



 ― 保健室 ―


戻ってきた生徒はそれぞれ情報を共有し、戦利品を見せた。


K「よくやった!」

舞園「霧切さんのお陰ですね!」

霧切「セレスさんがスリングショットを引き当ててくれたからよ。私は調理室を本命にしていたから」

セレス「お役に立てて何よりですわ」

163 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/08/17(土) 22:50:38.67 ID:hWzECiIx0

山田「セレス殿が珍しく謙虚だと……?!」

葉隠「で、そっちのケースはなんなんだべ?」

朝日奈「じゃーん! 銃だよ!」


「おおー!」


K「これは、スナイパーライフルか!」

不二咲「すごい!」

腐川「これで江ノ島を狙撃すれば……」

K「……いや、それは難しいだろう。ここは屋内だ。それに、全員銃は素人だからな」

十神「普通の銃ならアメリカで散々撃ったが、流石にスナイパーライフルはないな……」

K「十神以外で、銃を触ったことのある人間はいるか?」

霧切「私は扱えるわ」

K「よし。なら、女の霧切が持っていた方がいいだろう。と言っても、
  使い所を間違えたらかえって危険だ。ここぞという時に使うように」

霧切「わかったわ」

K「……さて、とりあえず一通りカードは揃った訳だが」

不二咲「いよいよ決めないといけないんだねぇ……」

石丸「僕達が選ばないといけないのか……」

苗木「…………」

164 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/08/17(土) 23:01:11.27 ID:hWzECiIx0

苗木(僕達が現在提示されている選択肢は3つ。一つは江ノ島が潜伏していると思われる情報処理室。
    ニつ目は、クラッキングを仕掛けるための男子トイレの隠し部屋)

苗木(最後は学園長室だ。でも、ここはほとんど期待出来ないと言われている――)

舞園「決められません……もし失敗したら先生が……」

十神「何か、シールドになるものはないか? それを盾に突っ込めば……」

霧切「戦刃むくろさえいなければ、それでなんとかなったかもしれない。でも……」

葉隠「やっぱり、ここは占いでだな……」

腐川「占いなんかで決められる訳ないでしょ!」

セレス「――ギャンブルはまだ終わっていませんわ」


セレスが前に進み出た。その目には未だ消えない闘志が燃えている。


桑田「お、セレス?」

大和田「なんかいい案浮かんだのか?」

セレス「わたくし、自分でもわからないのですが今日はなんだか最高にツイている気がするのです。
     けれど、先生の命が懸かっているのにわたくし一人ではまだ不安があります」

山田「えーっと、つまりどういうことです?」

セレス「苗木君」

苗木「えっ、僕?」

セレス「このトランプを一枚引いてくれませんか?」

朝日奈「こんな時に遊んでる場合じゃ……」

セレス「ジョーカーが出たら情報処理室、スペードのエースが出たら隠し部屋、
     ハートのクイーンが出たら学園長室に行きましょう」

165 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/08/17(土) 23:04:53.46 ID:hWzECiIx0

石丸「カ、カカカ、カードで決めるのか?! 僕達の運命を?!」

セレス「どれを選んでも失敗したら結局後悔するのです。だったらカードで決めても同じでは?」

桑田「でもな……」

苗木「ど、どうして僕? むしろ、これは先生が引くべきじゃ……」

K「引いてくれ、苗木」

苗木「え?」

K「安広は自分の才能を信じているのと同じように、お前の才能を信じているんだろう」

霧切「! 苗木君は超高校級の幸運だからね?」

セレス「わたくしの予想が正しいのならば、きっとわたくしと同じ結論に辿り着くはずです」

十神「とっとと引け。今は一分一秒を争うんだぞ」

苗木「みんな……本当に僕で、いいの?」

舞園「私は苗木君を信じます。もし駄目だったとしても、それで恨んだりはしないです!」

大和田「運否天賦ってやつか……いいんじゃねえか? 今は験担ぎも必要だろ」

葉隠「じゃあ、どのカードがいいか俺が占って……」

朝日奈「葉隠はちょっと黙っててくれる? 苗木、ガンバレ!」

腐川「いいんじゃないの? なんだかんだあんたって中心にいることも多かったし。一番は先生だけど……」

不二咲「苗木君、引いて!」

苗木「みんな…………。わかった」

石丸「無心がいいぞ! 何も考えないで引くんだ!」

166 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/08/17(土) 23:06:32.04 ID:hWzECiIx0

大神「……苗木」

苗木「……………………」


ドックン、ドックン……ドックン、ドックン……

苗木は心臓が早鐘のように打つ音を耳にしながら、ギュッと目をつぶった。
そして目を開けると、額の汗を拭い、一枚のカードを引き抜く。

全員が注目する中、苗木は引いたカードを表に返した。


苗木「結果は……」

セレス「ハートのクイーン! やはり……!」

十神「学園長室だと……?!」

K「安広も学園長室がいいと思ったのか?」

セレス「何の根拠もありませんが。ですので大いなる賭けですわね、これは」

舞園「賭けだからこそ、セレスさんは自信があるということですよね?」

セレス「置いてあるのは江ノ島さんの私物だけの可能性もあります。ですが、
     中にあるのが宝の山かゴミ溜めかは実際に見てみないとわかりませんからね」

霧切「鍵がかかっていた以上、学園長室にも何らかの重要性があるのは間違いないはずよ」

十神「学園長室の中に、江ノ島盾子を倒すための切り札があると?」

山田「武器でも置いてあれば一番なのですがね」

大和田「そういやあ、戦刃は軍人だよな。じゃあ、もしかしたらどこかに
     装備がまるまる隠してあるんじゃねえか?」

桑田「マシンガンとかあれば、機関銃があってもなんとかなんねーかな?!」

167 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/08/17(土) 23:08:13.01 ID:hWzECiIx0

K「そうそう都合の良い話があるとは限らんが……」

舞園「武器があっても、また鍵がかかってる可能性もありますしね」

大和田「とにかく行こうぜ。ろくにねえと思われた地下から色々出てきたんだ。
     四階なら広いし、戦いながらでも行けるだろ」

朝日奈「で、でも二階ならまだしも怪我人のさくらちゃんを四階まで運ぶのは……」

大神「我は捨て置け。もう良いのだ、朝日奈」

朝日奈「そんなの出来ないよ!」

大和田「……なあ、先公」


愛機に手を乗せながら、大和田はKAZUYAを見据える。


大和田「さっき、俺に特攻させられないのは俺が力不足だからって言ったよな?」

K「……ああ」

大和田「今こそ俺に行かせてくれよ。今の俺には力がある! こいつで暴れ回れる!!」

大和田「もうダメなんて言わせねえ! 俺は超高校級の暴走族だぞ!!」

K「わかった」

大和田「だから……! って、えっ?」


拍子抜けするほどあっさりと、KAZUYAは首を縦に振った。


K「許可しよう。階段もバイクで登ってきたらしいしな。行けるだろう」

大和田「マジか……てっきりまた難癖つけてくるかと」

168 : ◆takaJZRsBc [sage saga]:2019/08/17(土) 23:13:31.44 ID:hWzECiIx0


KAZUYAはフッと笑って大和田を見る。


K「俺は慎重なだけでお前達の力を信じていない訳じゃないんだ。今のお前なら行けると判断した」

石丸「一人で行く気か、兄弟! このバイクは二人乗りだろうっ?!」

大和田「兄弟、来てくれるか!!」

石丸「当たり前だ! 僕だってやれば出来る所を見せてやるぞ!!」

霧切「素早く部屋を調査するならプロがいるでしょう?」

大和田「霧切!」

霧切「三人までなら大丈夫というのは苗木君が証明しているわ」

苗木「……怖かったけどね。ハハ」

K「作戦はこうだ。大和田、石丸、霧切の三人がバイクに乗って特攻。
  学園長室の中を素早く調査し、そのままこちらに戻ってくる」

K「江ノ島は情報処理室か隠し部屋に行くと思っているはずだ。
  流石に何の攻撃もせずこっちに逃げ帰るとは読んでいないだろう」

葉隠「で、でもよ……もし何もなかったらどうすんだ?」

K「何もなかったら何もないという情報が手に入る。俺達にとって無駄な情報など何一つない」

十神「待っている間に情報処理室突入の準備を整えればいい。大和田が特攻したら
    江ノ島のこちらに対する注意はなくなる。要は先程と同じチーム分けだ」

山田「残ったチームはどうしますか?」

K「大和田達が江ノ島の気を引いてくれるなら俺も動ける。気になっていた、寄宿舎側の
  階段を封鎖せねばならん。苗木、舞園、葉隠、十神は倉庫に道具を取りに行ってくれ。
  朝日奈、お前は異常があったら寄宿舎まで俺達を呼びに来るんだ。いいな?」

K「腐川はいざとなったら翔に代わって時間稼ぎを頼む」

腐川「わ、わかったわ。あいつに頼むのは癪だけど任せてちょうだい……」

169 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/08/17(土) 23:15:46.55 ID:hWzECiIx0

舞園「階段が二つに赤い扉……思えば三箇所も侵入経路があったなんて、危なかったですね……」

K「逆に、江ノ島の中ではまだゲームが続いている証だ。
  本気で殲滅する気だったらとっくのとうに攻めてきている」

苗木「モノクマの数が足りないってことはないかな? 少人数ならなんとかなるけど、
    みんなでまとまっていたら手が出せないとか」

K「だったら有り難いが、俺達にそれを把握する手段はない。それに、江ノ島は外部と
  連絡が可能なのだから、決戦に備えてモノクマを増員しているかもしれんぞ」

葉隠「ヒィィ、勘弁してくれって」

不二咲「常に最悪のことを予想しないと、江ノ島さんには勝てないんだね……」

K「そうだ。ヤツは強敵だ。恐らく、今までに俺が出会った誰よりもな」

セレス「準備は出来ましたか?」

大和田「おうよ!」


霧切は爆薬といくつかの武器、石丸は刀、大和田は何故か道路標識を持っている。


苗木「……えっと、なんで道路標識?」

大和田「モノクマはかてえからな。それに、これが一番馴染みがあるんだよ」ニヤッ

苗木(深く聞かないでおこう)

K「よし、健闘を祈る。いいな? 絶対に無理はするな。必ず帰ってこい!」

大和田「行くぜ! おらあああああああ!!!」

石丸「行って参りまあああす!!」

霧切「そっちも気を付けて!」


爆音を上げながら、大和田のバイクは保健室から飛び出して行った。

170 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/08/17(土) 23:52:08.02 ID:hWzECiIx0

ここまで。

もうすぐ重大な分岐来ます。そしたらとりあえずやっと正規エンドの一つ迎えられる……

171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/18(日) 06:35:44.83 ID:sMj8Jvvv0
乙!いよいよこのスレも終わりに近づいてるんだなあ・・・最初期から見てた身としてはとても感慨深い物がある
>>157を見て計算してみたけど5年9ヶ月じゃないかな?今後の更新ペースを考えると6年経過でエンディング1つくらいになるのかな?
172 : ◆takaJZRsBc [sage saga]:2019/08/20(火) 00:02:06.61 ID:6Hc3gran0
>>171
ありがとうございます、ありがとうございます……
頭が上がりませぬ。応援してくれる皆様のためにもなんとか完走させます

次回、本当ならエンディング分岐の安価があるはずだったのですが
人数そんなにいないし、なしでいいですかね?

絶女で言うところの壊す、壊さないに該当するあからさまな選択肢で
自分はこまめにセーブ派なので速攻壊したのですが……
173 : ◆takaJZRsBc [sage saga]:2019/08/20(火) 00:22:19.34 ID:6Hc3gran0
>>171
ありがとうございます、ありがとうございます……
頭が上がりませぬ。応援してくれる皆様のためにもなんとか完走させます

次回、本当ならエンディング分岐の安価があるはずだったのですが
人数そんなにいないし、なしでいいですかね?

絶女で言うところの壊す、壊さないに該当するあからさまな選択肢で
自分はこまめにセーブ派なので速攻壊したのですが……
174 : ◆takaJZRsBc [sage saga]:2019/08/20(火) 00:23:37.69 ID:6Hc3gran0

あ、読み込んでなくて二重投稿してしまった……スミマセン

掲示板だと消せないから不便
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/08/20(火) 05:20:11.93 ID:8Y1AJnAQO
ぶっちゃけエンディングとifルートは全部見たい派なんで選択肢は任せます
というより人がいないような感じがするのは更新頻度の影響なのでは?
ある程度間が空く作品は常駐してる人はほとんどいないだろうし…
待ってる人は結構いるとは思うけど気づいて無いんだと思う
176 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/09/11(水) 01:37:40.33 ID:HATRucof0


                  ╂


(来た……)


カムクラは気付かれないように別の場所に視点を置きながら、視界の隅でモニターを見ている。
江ノ島も戦刃もよそ見をしていて気付いていない。その間に、彼等は二階を通過する。

三階、四階と来た所でカメラの一つが音声を拾い、江ノ島はモニターに視線を戻した。


「…………」


―― 一瞬、目を疑ったようだ。


「…………は? えっ? は???」

「な、なにこれ?! どこから持ってきたの?!」

「んなもん地下からに決まってんでしょ! あああ! あいつら!
 一体どうやってあそこにっ?! どうせ西城の仕業でしょーけどっ!!」

「盾子ちゃん、私は?!」

「あんたはここで待機! 本丸空けてどうすんのよ!」


流石の江ノ島も慌ててモノクマ操作室に駆け込んだ。もうカムクラがここにいる意味はないだろう。


(……あなた達の力、見させて貰います)

177 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/09/11(水) 01:40:10.71 ID:HATRucof0


               ◇     ◇     ◇


ドガッシャアアアアアンッ!!

大和田はウィリーの姿勢で前輪を上げ、学園長室の扉を破壊して中に突っ込んだ!

霧切は素早く飛び降りると、部屋の中を即座にチェックする。社長室のようなシンプルな仕事部屋だ。
学園長の物と思われる立派な机に来客用のソファ、歴代の学園長の写真、トロフィーなどが置かれた棚。

残念ながら武器などは置いてなさそうである。とりあえず、最優先はやはり机だろう。


石丸「僕は入り口を守る。捜索は頼んだ!!」

霧切「出来るだけ時間を稼いで頂戴!」

大和田「おうよ!」


霧切はまず目についた机を漁った。引き出しを片っ端から引き抜き、中の物を見ていく。
そして、めぼしいもの次から次に持ってきたリュックへ押し込んでいった。


霧切(この引き出し、鍵が掛かっている……!)


一つだけ鍵が掛かっている引き出しを発見した。ピッキングをしようと道具を取り出す。


モノクマ「コラー! 不法侵入は校則違反だぞー!」


モノクマの群れが押し寄せてきた。大和田はバイクでモノクマを轢殺し、道路標識で破壊していく。
石丸は入り口に陣取り、大和田が討ち漏らしたモノクマを攻撃していった。


石丸「突きー!!」ドスッ!

大和田「やるじゃねえか!」

178 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/09/11(水) 01:44:29.51 ID:HATRucof0

石丸「こう見えて剣道三段だ! ムッ?!」

大和田「どうした?!」

石丸「一番弱そうな目を突いたのだが、一撃で沈んだ。弱点かもしれない!」

大和田「なんだと!」

霧切「目にカメラが仕込んであるはず。弱点の可能性は高いわ!」

石丸「また情報が増えたな!」

モノクマ「ムキー! さっさと倒れろ、オマエラー! ていうか、なんで学園長室なんだよ!
      フツー隠し部屋か情報処理室でしょー! バカなの?!」

大和田「うるせえ! んなの、俺達の勝手だろうが!!」

モノクマ「へヘンッ! どうせこんな所、なんにもないのにさ! バーカバーカ!!」


一見呑気に話しているようだが実際はそんな暇はなく、モノクマの数は徐々に増えていく。


石丸「霧切君、あまり時間が……!」

霧切「わかっているわ!」


霧切はピッキングを諦め、爆薬をセットした。爆破して、引き出しの中身を取り出す。


霧切(これは……!!)


最後に本棚やソファの付近を入念に調べた。


大和田「霧切、まだか?!」

霧切「終わったわ!」

179 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/09/11(水) 01:48:56.81 ID:HATRucof0

大和田「よっし! 二人共乗れっ!」

石丸「行けるかね?!」

大和田「突っ切るんだよ!」

モノクマ「クマー!」モノクマ「クマー!」モノクマ「クマー!」モノクマ「クマー!」モノクマ「クマー!」
モノクマ「クマー!」モノクマ「クマー!」モノクマ「クマー!」モノクマ「クマー!」モノクマ「クマー!」
モノクマ「クマー!」モノクマ「クマー!」モノクマ「クマー!」モノクマ「クマー!」モノクマ「クマー!」
モノクマ「クマー!」モノクマ「クマー!」モノクマ「クマー!」モノクマ「クマー!」モノクマ「クマー!」


ギャリリリッという音を立てながら、バイクは学園長室から出た。


戦刃「待機してろって言われたけど、盾子ちゃんは私が守る!」


情報処理室から出た戦刃がナイフを構えて仁王立ちになるが……


大和田「あーばよー!!」

石丸「さらばだ!」

霧切「フッ」ファサッ


彼等は戦刃を相手にしないでそのまま三階へ走って行った。


戦刃「……あれ? え???」


廊下にはポツンと取り残された戦刃むくろただ一人。


戦刃「なんだったんだろう……??」

180 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/09/11(水) 01:52:26.29 ID:HATRucof0

             ・

             ・

             ・


その後もしつこくモノクマが攻めてきたが、バイクに乗った超高校級の暴走族を止められるはずもなく、
あっという間に一階まで戻ってきた。一階ではKAZUYA達が待機しているためモノクマもいない。


K「戻ったな?!」

大和田「戻ったぜ!」

石丸「生きて戻って参りましたぁ!」

苗木「良かった! 三人共無事だね!」

朝日奈「あー、怖かった」

十神「早く入れ! バリケードを戻すぞ!」


慌ただしく三人を受け入れ、再び保健室は籠城の構えに入る。


桑田「で、なんか収穫あったか?」

山田「出来れば武器とか望ましいのですが!」

霧切「残念だけど、武器のたぐいはなかったわ」

葉隠「マジかー。期待してたんだけどな」

腐川「まあ、学園長室だものね……ある方がおかしいわよ」

不二咲「本当に何もなかったの?」

181 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/09/11(水) 02:00:00.79 ID:HATRucof0

霧切「収穫はあったと思う」

舞園「本当ですか?!」

セレス「見せてくださいな」


霧切はリュックを降ろし、中身を取り出していく。


K「これは、書類か」

霧切「戦刃むくろのことが書いてあるわ。新入生名簿によ」

苗木「本当だ! 江ノ島盾子との関係も書いてある」

十神「フェンリル出身だと……?! あの最凶の傭兵団か」

大和田「知ってるのか?」

十神「当たり前だ。裏の世界に通じている人間でその名を知らん者はいない」

朝日奈「あの子、そんなに危険な相手だったんだ……」

K「もっと、早く調べるべきだったか……江ノ島が戦刃だと早めに看破できたら打つ手もあった」

桑田「他にはなんかねーの?」

霧切「書類ね。人類史上最大最悪の絶望的事件についての詳細……」

十神「またそれか。うんざりする」

不二咲「世界各地でテロが頻発……」

舞園「ですが、そんなこと私達の誰も知りません……」

大神「……一体何が起こったというのか」



K「――実は、俺はぼんやり思い出してきた」

182 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/09/11(水) 02:02:59.21 ID:HATRucof0


「えっ?!」


とうとうKAZUYAは切り出した。まだ真実全ては言えないが、部分的になら明かしてもいいだろう。


K「お前達、集団ヒステリーという言葉は知っているな?」

苗木「知っていますが、まさか……」

K「集団に対して同時に極端な不安やストレスがかかった場合、全員がパニック症状を起こしたり
  妄想に囚われることが時としてある。……俺達も今、その状態なのかもしれない」

十神「馬鹿な! そんなことが……!」

K「ないと言い切れるか?」

十神「…………」

K「例えば東京で大規模なテロが発生し、お前達希望ヶ峰の新入生は学園に保護された。
  だが、その際に極度のストレスで記憶障害を発症。そこを江ノ島盾子につけこまれたとしたら?」

苗木「筋が通ってる……!」

大和田「おいおいおい、マジかよ……」

葉隠「い、いや、いくらなんでも突拍子もなさすぎるって……」

山田「信じられない。信じたくない……」

霧切「通常の精神状態ならムリでも、記憶障害を起こしている時に催眠術でも使えば……」

セレス「だから、図書館にあった新聞などは未来の日付けだったのですか?」

桑田「お、おいおい。あれ、結構未来のがあったぞ。流石に作りもんだろ、あれは……」

舞園「……先生は知っていたんですか? だから、脱出に消極的だったんですか?」

183 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/09/11(水) 02:05:18.36 ID:HATRucof0

K「すまない。俺もはっきりとは覚えていないんだ。だが、世界各地でテロが起こっていたのは思い出した」

石丸「では、少なくともその書類に関して言えば本物という訳か……」

腐川「なんか……脱出する気が失せるじゃない……」

十神「ハッ! テロがなんだ! だったら尚更十神家当主のこの俺がこんな所に
    引っ込んでいる訳にはいかん。他に見つけたものはないのか?」

霧切「……最後に、これを」

苗木「鍵?」


霧切が出したのは、キーヘッドにモノクマの飾りがついた鍵であった。


朝日奈「えっと……それだけ?」

霧切「ええ」

葉隠「か、鍵一本って?! あんだけ危ないことして手に入ったのがこれだけか?!」

山田「宝の鍵ならいいですけど、宝箱はないですもんね……」

セレス「そもそもこれはどこの鍵なのでしょう?」

不二咲「まだ開いてない所だよね、きっと」

大和田「まさか、学園長室の鍵じゃねえよな?」

霧切「この鍵は、鍵のかかった引き出しに入っていたわ。つまり、モノクマにとって重要なものよ」

舞園「重要な鍵と言いますと……」

K「――マスターキーか?」


ザワッと生徒達が騒ぎ始めた。

184 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/09/11(水) 02:10:37.33 ID:HATRucof0

ここまで

今週は暑いけど最近は比較的涼しくなってきたのでやっと体調が安定し、
モチベも回復してきました。ただ、一次で大事な締切があるため、相変わらず
更新はやや遅め。ゆっくりお付き合いください


>>175
最近気づいたのですが、Twitterで告知してもタイムラインが流れるんですよね……
はっきりこの日に更新する!て決まってる時は事前に一回予告した方が良いのかもですね

185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/09/12(木) 02:07:06.85 ID:viYKP4XtO

そろそろ乗り込むか?
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/09/13(金) 13:00:44.85 ID:xUT2iWMoO
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/01(火) 01:24:44.43 ID:JjSawN1XO
リアタイはなかなかできないけど更新待ってる
188 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/10/19(土) 22:44:18.07 ID:c8x6QoJY0

桑田「ちょ、マスターキー? それって全部開けられるってことか?!」

朝日奈「情報処理室も開けられるのかな?!」

苗木「あと、僕達が行ってないところってどこだろう?」


騒ぐ生徒達をKAZUYAは手で制し、霧切を見つめる。


K「霧切、その鍵を俺に預けてくれないか? 試したい場所がある」

霧切「倉庫の横の階段ね?」

K「ああ、寄宿舎の二階。脱出に決定的なものはないかもしれないが、
 今回のように何らかのヒントがある可能性がある」

十神「では、また探索チームを作るか」

K「いや……まずは俺一人で行く」

大和田「ハァ? なんでだよ。俺が行けば早いぜ?」

K「機動力がある大和田はここに残って万が一保健室が襲われた場合、俺を呼びに来て欲しいんだ」

霧切「私も駄目なのかしら?」

K「食堂と違って、保健室との距離が長い。俺一人だったら戦いながら
  逃げて来れるが、誰かを庇いながらだと厳しい」

石丸「で、でしたら僕が行きます! 自分の身くらい守ってみせます!」

十神「俺も行くぞ。あそこは前から気になっていたんだ。この目で見てやる」

朝日奈「危ないのなんてみんな承知だよ! さっきだって、みんなで探索したしさ!」

K「…………」

189 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/10/19(土) 22:50:39.62 ID:c8x6QoJY0


距離が長い、危険だからなどというのは単なる言い訳に過ぎなかった。

KAZUYAは思い出していたのだ。寄宿舎の二階には自分や学園長の私室があったことを。
……すなわち、生徒達に見られたら不味い物がある可能性があるのだ。


K「俺達が学園長室に突入したことで、江ノ島側はもういつ仕掛けてくるかわからない。
  保健室を守りつつ早急に探索しなければならんのだ。頼む、わかってくれ」

苗木「うーん、先生がそこまで言うなら……」

舞園「そうですね。もう、いつ攻めてくるかわかりませんからね」

霧切「本当に、それだけ?」


霧切が疑い深くKAZUYAを見つめる。KAZUYAは頷いた。


K「ああ、“それだけ”だ……!」

霧切「…………」


霧切は明らかに納得していなかった。だが……KAZUYAの言葉を信じ、鍵を渡した。


霧切「絶対に、戻ってきて頂戴」

K「ああ!」


――彼等は知らなかった。

今この瞬間に、大いなる運命の分岐点が迫っていたことを。


K「そうだ。俺がいない間、モノクマに気を付けてほしい」

190 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/10/19(土) 23:00:33.68 ID:c8x6QoJY0


去り際に、KAZUYAは振り返って、生徒達に注意を促す。


K「奴め、本当に狡賢い奴だからな。いきなり攻めてくるのではなく、
  なんらかの策を使ってくるかもしれない。奴の言葉に耳を傾けるな」

K「――決して」


そう言い残すと、KAZUYAはマントを翻して保健室から出て行った。



               ◇     ◇     ◇


KAZUYAがいなくなった保健室には妙な緊張感があった。

先程も、階段の前にバリケードを作りに行っていたが、その時は他の生徒も出払っていたため、
今より慌ただしい雰囲気であった。全員が揃っていて、KAZUYAだけがいない。

その空気が、なんとも言えない寂しさと不安をもたらすのだ。


「………………」


生徒達は気まずげに視線を合わせては苦笑する。

社交性の高い苗木が、なんとか場を持たせようと立ち上がった。


苗木「あ、はは。なんか……落ち着かないね」

朝日奈「そうだね……」

191 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/10/19(土) 23:11:10.02 ID:c8x6QoJY0

舞園「西城先生は本当に存在感が大きいから……」

桑田「体も大きいしな」

「ハハハ……」


ガタッ!!


「?!」


突然バリケードの外で音がした。


不二咲「ヒッ……?!」

大和田「お、おいおい……戻ってくるの早すぎだろ……」

十神「何をしている! 早く武器を持て!」


全員が青ざめながら、武器を取って構える。外からは場違いに呑気な声がかけられた。


モノクマ「そう、怖がらなくてもいいんじゃない?」

苗木「モノクマ!!」

霧切「……何の用なの?」

大和田「今すぐ帰らねえとぶち壊すぞ!」

モノクマ「――おやおや? もしかして今そこに西城先生はいないのかな?」

「?!」

192 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/10/19(土) 23:16:10.58 ID:c8x6QoJY0

苗木(な、なんで……?!)

モノクマ「簡単だよ。だって、いつもなら真っ先に怒鳴ってくるじゃない。……ふ〜ん、いないんだ?」

「…………」

モノクマ「ボクとしては今すぐここに突っ込んでオマエラを全滅させることも出来る。
      でもオマエラも知っている通り、ボクはあくまでゲームがしたいんだよね」

モノクマ「だからさ、ボクから一つ提案。みんなでゲームをやらない? その名も宝探しゲーム!」

山田「宝探し?」

葉隠「何があるんだ? い、いやいや聞くだけだべ!」

セレス「……それが一体何だというのです?」

モノクマ「オマエラはボクが隠したあるものを探すだけ。それがあれば
      ボクのいる情報処理室への扉を開くことが出来る」

桑田「ハッ! それがなんだってゆーんだよ。入った所で蜂の巣とかだろ、どーせ」

モノクマ「正規の方法で入ってきた人間にそんな卑怯な手は使わないよ。ゲームなんだから」

石丸「入ったらなんだというのだ! 君は大人しく捕まってくれるのか?!」

腐川「そうよ! 胡散臭いことこのうえないわ!」

モノクマ「それはオマエラ次第かな? 情報処理室にたどり着くこと、それは即ち将棋で言う王手!
      そこで初めて、オマエラはボスであるこのボクと戦う最終決戦の権利を得るってワケ!」

十神「最終決戦に勝てばなんだ? 俺達を潔く解放するとでも?」

モノクマ「その通り! 悪い条件じゃないと思うけどな?」

苗木「そ、そんな……?!」

舞園「解放?!」

193 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/10/19(土) 23:28:33.01 ID:c8x6QoJY0


大和田「ウ、ウソだろ……?」


モノクマが持ち出した条件は驚くべきものであった。
今まで散々彼等を苦しめた元凶が解放という言葉を出してくるとは。


十神「騙されるな! お得意の口八丁だ。本気で解放する気などない!」

石丸「そ、そうだ。モノクマはそういうヤツだったじゃないか!」

モノクマ「疑り深い所は誰かさんに似ちゃったかな? ボクは約束を破ったことはないのにね」

霧切「どうせ隠してることでもあるんでしょう?」

モノクマ「そりゃ、あるけどさ。じゃあ、特別に何でも質問に答えてあげようか?
      ただし、3つくらいね。西城先生が戻ってきちゃうからさ」


全員が顔を見合わせる。何を聞くべきか思案すると、頭の回る不二咲が口を開いた。


不二咲「……ほ、本当に勝ったら全員揃って生きたまま出してくれるの?
     誰かを生贄にする、とか出た瞬間に襲いかかったりとかはなくて?」

モノクマ「無条件に出してあげるしその後ボクから何かすることはないよ。勝てたらの話だけどさ」

セレス「ここは本当に希望ヶ峰学園なのですか? 実は絶海の孤島で出ても家に帰れないということは?」

モノクマ「ここは日本だし東京にある本物の希望ヶ峰学園だよ。外に出たら各自勝手に帰ればいい。
      ボクもボクの部下も一切手は出さないよ。オマエラは完全に自由!」


そこまで聞いて、生徒は沈黙した。


モノクマ「さーて、最後の質問だよ。慎重に考えてね!」

「…………」

194 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/10/19(土) 23:41:45.51 ID:c8x6QoJY0

桑田「どーする?」

霧切「外の状況を聞くというのはどうかしら? もしかしてテロで危険かもしれない」

朝日奈「でも! さくらちゃんは怪我してるしここにいるよりは絶対外に出た方がいいよ!
     いくらなんでも外が完全に廃墟ってことはないはずだし!」

大神「我に気を遣うな、朝日奈よ……」

舞園「家族は……無事なのでしょうか?」

葉隠「あ、それは気になるべ……」

山田「家族が無事じゃなきゃ正直外に出ても仕方ないですよね……?」

苗木「僕も……最初に見た映像が本物なのか気になるな」

十神「どいつもこいつも! 貴重な質問をそんなことに費やす気か!」

石丸「家族のことは大事に決まっているだろう!」

モノクマ「時間がないから、あと5秒で決めてね。5,4,3,2……」


急かしだしたモノクマに慌てて苗木が質問した。


苗木「僕達の家族は無事なのか? 実は死んでいたりとか……」

モノクマ「生きてるよ。全員ね」

桑田「本当か?! じゃああのDVDなんだったんだよ?!」

モノクマ「あれは、まあ……演出?」


「ハアアアアアアアアアッ?!」

195 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/10/19(土) 23:44:45.08 ID:c8x6QoJY0

生徒達は絶叫する。それは恐怖ではなく怒りの絶叫だ。


十神「それ見たことか! やはりこいつは信用ならん!」

石丸「大嘘つきめ!!」

大和田「今すぐスクラップにしてやる!!」

セレス「あまりふざけたことヌかしてっとぶち壊すぞクマ野郎おおおおおお!!」

桑田「そーだそーだ!!」

モノクマ「ちょっとちょっと?! 落ち着いてよ!! あの映像にはっきり顔は映ってた?
      オマエラが勝手に勘違いしただけでしょーが!!」

舞園「だからってあんまりです!!」

不二咲「酷いよ!」

朝日奈「あんなの信じるに決まってんじゃん!!」

腐川「最低最悪ね!!」

葉隠「だべだべ! 俺より悪質だ!」

山田「ふざけんなあああああああああ!!」


想像以上の紛糾ぶりに流石のモノクマも慌てたらしく、わざとらしく言い訳を始めた。

196 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/10/19(土) 23:46:29.95 ID:c8x6QoJY0

モノクマ「大体、続きは卒業の後でってちゃんと書いてあったでしょ! 卒業したら
      約束通り言うつもりでした! それに、実は生きてましたの方がいいんじゃないの?」

モノクマ「それとも何? 死んでる方が良かった? じゃあお望み通り今すぐ殺してこようか?」

「…………?!!」


その言葉にピタッと糾弾が止まる。モノクマならやりかねないと思ったからだ。


モノクマ「ハァー……本当に手が掛かるね、キミ達……ボクがゲームマスターってこと
      忘れてるんじゃないの? オマエラに出来ることは、せいぜいボクが与えた
      選択肢の中から一番良い選択を選ぶこと。それだけだよ」

霧切「笑わせないで頂戴。何を選ぶか、全てあなたが決めているくせに」

苗木「そうだ。僕達に選択肢なんてあったことなかった! いつもお前の掌の上じゃないか!」

モノクマ「そんなことないよ。今だってボクはオマエラに選ばせてあげているじゃない。
      ボクの提案に乗るか乗らないかをさ!」

モノクマ「さあ、時間はないよ。一体どっち?! ボクの挑戦を【受ける】? 【受けない】?」



→【受ける】
  【受けない】
  【セーブする】


197 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/10/19(土) 23:48:36.51 ID:c8x6QoJY0


オートモードのため安価省略。自動選択



→【受ける】
  【受けない】
  【セーブする】


ピピッ!


  【受ける】
→【受けない】
  【セーブする】


ピピッ!


→【受ける】
  【受けない】
  【セーブする】


ピピッピピッ!


  【受ける】
  【受けない】
→【セーブする】


ピコンッ!

198 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/10/19(土) 23:51:29.81 ID:c8x6QoJY0





             【 ス ロ ッ ト 1 にセ ー ブ し ま し た 】




199 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/10/19(土) 23:52:35.05 ID:c8x6QoJY0


ピピッ!


→【受ける】
  【受けない】
  【セーブする】


ピコンッ!





                   【    再     開    】




200 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/10/19(土) 23:54:02.79 ID:c8x6QoJY0





             【  ル  ー  ト  分  岐  し  ま  す  】       




201 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/10/19(土) 23:55:44.37 ID:c8x6QoJY0


ここまで。

最近急に寒くなってきましたね。皆様、体調崩しませんように

202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/20(日) 06:08:18.50 ID:FIAEHaTkO

吉と出るか、凶と出るか
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/21(月) 00:29:41.38 ID:4e6q8gyb0
乙ー
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/02(土) 18:43:37.04 ID:jpi+75tsO
205 : ◆takaJZRsBc [saga]:2020/01/06(月) 03:34:03.12 ID:T13XxN850

苗木「……どうする?」

「…………」

モノクマ「早くしてよー!」

苗木「僕は……賭けてみてもいいんじゃないかなと思うけど」

舞園「そう、ですよね。怖いですけど、逃げ続けても状況は良くなりませんし」

十神「フン。虎穴に入らずんば虎子を得ず、か……」

霧切「……気乗りはしないけど、きっと断らせてはくれないでしょうしね」

石丸「逃げるより立ち向かうべきだ!」

大和田「そうだな。要は勝ちゃいいんだ!」

セレス「ギャンブルと同じですわ」

葉隠「やってやるべ!」

山田「頑張りましょう!」

腐川「で、何をすればいいのよ?」

モノクマ「フフフ、いいねいいね! ルールは簡単、5階の植物庭園にある大事な物を
      隠したんだ。それを制限時間以内に見つけられたら君達の勝ち」

モノクマ「見つけられなかったら負け。シンプルだろう?」

苗木「もし、見つけられなかったら……?」

モノクマ「別に何もしないよ。すごすごとここに戻ってくれば?」

朝日奈「モノクマにしては親切だね。なんだか不気味……」

206 : ◆takaJZRsBc [saga]:2020/01/06(月) 03:37:16.97 ID:T13XxN850

十神「チーム分けをするぞ。いくら手出しをしないと言われていても単独行動は危険だ」

桑田「俺は今回は流石に休ませてもらうぜ。なにかあったら足引っ張っちまいそーだし……」

山田「僕も行けません。素早く動けそうにないですから」

朝日奈「私も残るよ。さくらちゃんが心配だし」

大神「いや、我に構わず行け。一人でも多い方が良いだろう」

朝日奈「でも……」

大神「モノクマも言っていただろう。ここに攻め込むつもりならとっくにしているはず」

苗木「朝日奈さん、時間がないよ」

朝日奈「……わかった。私も行く」

十神「戦闘能力で考えて、俺と石丸と大和田の三班で行くぞ」

腐川「あたしは白夜様の班よ!」

不二咲「僕は大和田君の班がいいかな」

石丸「霧切君は目を離すと単独行動をしそうだから僕の班に入りたまえ!」

霧切「……構わないけど、足を引っ張らないで頂戴ね」

石丸「ど、努力しよう……」

葉隠「あとはどうする?」

山田「時間もないですし、グーチョキパーで決めたらどうですか?」

苗木「そうだね。せーの!」


苗木、舞園がグー、朝日奈がチョキ、葉隠、セレスがパーとなった。

207 : ◆takaJZRsBc [saga]:2020/01/06(月) 03:38:58.34 ID:T13XxN850

霧切「苗木君達はうちに入りなさい」

苗木「うん……(そんな気がしてたよ)」

舞園「邪魔をしないようにしますね……」

十神「葉隠、セレス。来い」

大和田「じゃあ、朝日奈が俺の班だな!」

朝日奈「行ってくる。すぐに見つけて戻るからね!」


大神、桑田、山田の三人を残し、11人は保健室を飛び出し植物庭園に向かった。


モノクマ「見つけられるといいねぇ」


ほくそ笑むモノクマを残して。



  ― コロシアイ学園生活六十九日目 植物庭園 PM4:12 ―


大和田「見つかったかー?」

朝日奈「ないよ!」

不二咲「こっちも!」

朝日奈「種の袋も探した方が良いかな?」

大和田「全部見た方がいいだろうな」

208 : ◆takaJZRsBc [saga]:2020/01/06(月) 03:41:28.70 ID:T13XxN850

不二咲「あ、ひっくり返すなら別の袋に入れながらだと汚れなくていいかも」

大和田「流石不二咲だぜ!」

不二咲「う、うん。頑張るよ!」


植物庭園の小屋の中を三人は探している。以前大和田のチーム名が刻まれたツルハシは
ここにあった。他に何かめぼしいものがあれば良いのだが……

一方、十神達のチームは鶏小屋の付近を捜索している。
小屋の中に入りたがるのが葉隠くらいだったので、中を任せたのだ。


葉隠「おーい、お前さんら。宝物を知らねえかー?」

鶏「コッコッコッコッ?」

セレス「ご自慢の占いで鶏の言葉がわかったりしませんの?」

葉隠「人の占いを何だと思ってんだ! オカルトじゃねえんだぞ?!」

腐川「葉隠、喋ってないで手を動かしなさいよ!」

十神「おい腐川。お前も小屋の中を探せ。どうせ臭いんだからニオイも気にならないだろ」

腐川「はい、ただいまー!!」


ガチャッ、バタバタ。


十神「中は二人に任せる。周辺を探すぞ」

セレス「人を使うのが上手ですわねぇ。わたくしも人のことは言えませんが」

209 : ◆takaJZRsBc [saga]:2020/01/06(月) 03:42:52.89 ID:T13XxN850

花壇の辺りを中心に探しているのが石丸のチームである。


霧切「地面に気を付けて。掘り返した場所は色が違うはずよ」

苗木「そうか、成程!」

舞園「流石霧切さんですね!」

石丸「了解した!」

霧切「ちなみに石丸君は花壇に入らないで頂戴。気付かないでうっかり踏み固めてしまいそうだから」

石丸「ぬなぁ?!」

舞園「私が見張ってます! 一緒にこっちを探しましょう、ね?」

石丸「う、うう……了解……」

苗木(流石にちょっと気の毒だ……一応、昔よりは注意力も上がってるんだけどな……)


一緒に医療訓練をしてきた苗木は石丸の成長を如実に見てきた。……が、未だに凡ミスを
することもあるのでこの大事な局面で足を引っ張らせる訳に行かないのは確かだ。


苗木(……ごめんね。君の分も僕が頑張るから!)

霧切「苗木君、何をしているの? 時間がないのよ?」

苗木「あ、うん。今行くよ!」

210 : ◆takaJZRsBc [saga]:2020/01/06(月) 03:45:38.18 ID:T13XxN850

ちょっとだけだけど。多分今週中にもう一回来ます。

新年明けましておめでとうございます。
今年も細々とですが頑張ります。

211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/06(月) 09:17:29.15 ID:xJxQhSnh0
あけおめえええええええええ!!!
さて、どんな展開になるか楽しみだ
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/08(水) 20:06:55.86 ID:d53gD+iSO
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/03/02(月) 11:26:58.04 ID:09XtriY50
最近うんこしてて詰まらせた上イキみで便座ぶっ壊した・・・弐代と同じ気持ちになれたかも知れない
214 : ◆takaJZRsBc [saga]:2020/03/03(火) 01:35:44.60 ID:VQvOGne50


               ◇     ◇     ◇


一方KAZUYAは――


K「フム……監視カメラはなし、か。元々立ち入りを禁止していた区域だからな」

K(ここが寄宿舎の二階か……ボロボロだな。五階のあの教室のように修復されていない)キョロキョロ


その時、頭痛と共に記憶が蘇ってきた。


K(うっ……そうだ。あそこが学園長の私室でここが俺の部屋。手前はロッカールーム……)


まず手前のロッカールームに入った。生徒達が記憶を失う前に使っていたもので私物が入っているはずだ。


K(当たり前だが開かないな。いや……)


KAZUYAは電子キーの場所に己の教師手帳を当ててみた。教師の権限は強い。もしかしたら……

ピー、ガチャン。


K「やはり……」


すんなり開いたロッカーの中を見てみる。ノートを見るに、ここは葉隠のロッカーだったようだ。
他のロッカーも順番に開いて覗いていく。


K(まだ見せる訳にはいかないな。しかし、いずれ真実を明かした時のための証拠はいる……)

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