千歌「――それが私の戦い方だ」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/24(火) 18:39:19.07 ID:kyHWC2Aw0
曜「ん〜……やっぱ千歌ちゃんいい匂いするなあ」クンクン

千歌「わ、ふふ。くすぐったいよー」ワシャワシャ

曜「むぅ、やったなー!ほれほれ!」

梨子「……ごほん」

千歌「アッ、ハイ!」ビクッ

曜「申し訳ありませんでしたぁ!」

梨子「もう。仲良しなのはいいけど……歌詞、早く作ってね?」ニコッ

千歌「笑顔が怖いよ……」

梨子「ん?」

千歌「なんでもないです!」

曜「あ、飲み物切れてるね。持ってくるよ!ついでにお菓子なんかも!」

梨子「あ、ごめんね。ありがとう」

曜「梨子ちゃんはアイス?ホット?」

梨子「アイスでお願い」

曜「ヨーソロー!千歌ちゃんはみかんジュースだよね?」

千歌「うん!ありがとー!」

曜「はいはーい」スクッ



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2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/24(火) 18:47:05.79 ID:kyHWC2Aw0
千歌「ん〜……あと一歩って感じなんだけどなあ」

梨子「サビの入りは大事よね。インパクトのある感じで……」

千歌「んー……あむっ」モグモグ

梨子「ふふ、糖分補給?」

千歌「体が欲しているのだ。梨子ちゃんも食べる?」

梨子「ううん。私はいいよ」

千歌「そ?」

ガチャッ

曜「おっまたせー!みかんあったから持ってきたよー」

千歌「わーい!あ、曜ちゃんチョコあげる!」

曜「ん、ありがと。あーん……もぐっ」モグモグ

梨子「曜ちゃんもみかんジュース?」

曜「……ごくんっ。うん!やっぱり冷たーいみかんジュースがおいしいよねぇ!」

千歌「うんうん!コーヒー、千歌には信じられないよ〜!苦いだけなのに……」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/24(火) 18:47:42.69 ID:kyHWC2Aw0
梨子「一度飲んでみる?おいしいのに。とくに、曜ちゃんは淹れ方上手だし……」

千歌「うぇえ……だってブラックでしょ?あまーいのなら飲みたいけど」

曜「あっはは、まぁたまーに喫茶店でバイトしてるからね!淹れ方には自信アリであります!」

千歌「あー、パパさんのお友だちがやってるとこ?前に言ってたよね」

曜「そうそう!おかげでおうちで本格コーヒーが楽しめるんだよ〜!」

千歌「曜ちゃんもコーヒー飲むんだっけ?」

曜「うん。私はブラックより角砂糖入れる派だけどね」

梨子「こら。そろそろ作業に戻りましょう?」

千歌「はーい……」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/24(火) 18:48:50.15 ID:kyHWC2Aw0
***

千歌「こんな感じでどうかな?」

梨子「うん。いいわね。この最後を繰り返す感じにして〜っと、こうしたらどう?」

千歌「あ、それいい!さすが梨子ちゃん!」

曜「二人とも、今日はどうする?泊まってく?」

千歌「……わ、もうこんな時間!?ごめんね遅くまで……」

梨子「つい熱中しちゃってたね……ごめんね?」

曜「ううん。いいよ。どうせしばらくパパもママもいないし!」

千歌「あ、今ママさんとパパさんでヨーロッパに行ってるんだっけ?」

梨子「そうなの?」

曜「そうそう!いつまでもラブラブだよね〜」アハハッ

梨子「うーん、私は帰るね。いい曲が浮かびそうだから……」

千歌「千歌は泊まろうかな。曜ちゃんと二人っきりって久しぶりかも!」

曜「じゃあ梨子ちゃんはまた明日!であります!気を付けてね〜」

千歌「ばいばーい!」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/24(火) 18:50:03.78 ID:kyHWC2Aw0
梨子「うん、また明日!それと曜ちゃん……」

曜「ん?」

梨子「この前お願いしたやつ、忙しいとは思うけど、おねがいね?」コソッ

曜「あぁ、うん!任せてよ!案は浮かんだからさ」

千歌「えー?なになに、なんの話〜?」

曜「梨子ちゃんとの秘密であります!」ニシシッ

梨子「じゃあ、また明日ね」ニコッ

バタンッ

千歌「むぅ……いつの間に梨子ちゃんとシンボクを深めてたのー?」

曜「秘密〜♡」ツンツン

千歌「あー!もう!からかってるなあー!?おりゃっ」グイッ

曜「わわっ!?」

ドサッ

千歌「ちかっちの抱き枕の刑なのだ〜!おりゃおりゃ!」ムギュッ

曜「ふふっくすぐったいって、あははっ!」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/24(火) 18:50:53.09 ID:kyHWC2Aw0
千歌「曜ちゃんあったかーい!このまま寝れちゃいそうだよ〜……」

曜「……ん」クンクン

千歌「あ、また匂いかいでるでしょ」

曜「なんか千歌ちゃんって……すごい、いい匂いするんだもん」

千歌「えー、そうかなあ。普通だと思うけど……」

曜「すっごい……安心する」ギューッ

千歌「わ、恥ずかしい、ってば///」

曜「ふふ、これじゃ千歌ちゃんが私の抱き枕になっちゃうね……よっと。夜ご飯どうしよっか」

千歌「あー、そうだ。どうしよっか〜……お腹すいたね」

曜「うん……お腹すいたね」

千歌「コンビニでも行く?千歌、アメリカンドッグ食べたいなあ〜」

曜「あ、いいね!いこ!」

7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/24(火) 18:51:21.51 ID:kyHWC2Aw0
***

千歌「カップラーメンとかジャンクなのも食べたい!」テクテク

曜「……」ピタッ

千歌「んあ?どしたの?」

曜「こっちからいこ!なんかそういう気分!」グイッ

千歌「……?うん、わかった……」

曜「……」クンクン

千歌「ねぇ、どうしたの?なにかあった……?」

曜「んー?大丈夫、なんにもないよ。いこ?」

千歌「う、うん……」

曜「……なんにもない、よ」フゥ…

曜「あ、みかんジュースもうないから買わなきゃ」グイッ

千歌「い、たい……よ」

曜「っ!ご、ごめん」

千歌「どうしたの?なにかあったんだよ、ね?」

曜「なんでもない、なんでもないの」スタスタ

千歌「曜ちゃん……?」スッ

曜「やめてッ!」

千歌「っ」ビクッ

曜「あ、ちが、その……ちが、くて」フラッ
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/24(火) 18:52:00.94 ID:kyHWC2Aw0
曜「ふーっ……ふーっ……ぅ、うぅッ」

千歌「よ、う、ちゃ……具合悪いの?大丈夫……?」ギュッ

曜「はな、れて……おねがい、だから……すぐ、治るから」

千歌「ごめん、なさい……っ」

曜「大丈夫大丈夫私は我慢できる大丈夫私は強い強い強い強い……」ブツブツ

千歌「よ、ぅちゃ……」ゾクッ

「――どうしたの?」

千歌「ぇ……?あ、よしこ、ちゃん」

善子「……うずくまってるの、曜?」

千歌「う、うん……その、いきなり……」

曜「よ、しこちゃん……」

善子「はい。飲む?砂糖入り」

曜「ご、めん……助かるよ……っ」ゴクッ

千歌「それ……?」

善子「別になんてことないコーヒーよ。砂糖の入った……ね」

曜「ふっ、ふぅ……ちょっと、おちついてきた、かも」

千歌(コーヒー。そんなので、なんで、落ち着くの……?さっきまでの、どう見ても普通じゃなくて。なのに、なんで。千歌はなにもできないのに、善子ちゃんは、曜ちゃんのこと助けてあげられて、それで)

曜「千歌ちゃん?」

千歌「ぇ、あ……だい、じょぶ?」ハッ

曜「うん、ごめんね……ちょっと立ちくらみがね。でも水分取ったから大丈夫だよ!」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/24(火) 18:52:31.25 ID:kyHWC2Aw0
千歌「えと……善子ちゃんは、なんでここに?」

善子「なんでって、コンビニ帰りにうずくまってる人がいたから寄ったらたまたま知り合いだったってわけよ」

千歌「そ、そっか」

善子「曜……誤魔化すだけじゃ、無理よ」

曜「……わかってるよ、でも」

善子「別に口出ししたいわけじゃない。けど、それに意味があるとは思えない。私は正直――諦めた方がいいと思う」

千歌(なんの話だろう……?)

曜「もうすこし、考えるよ……ごめん」

千歌(千歌は……おいてけぼりだなぁ)

善子「……フッ、そろそろヨハネは魔界へ帰るとするわ。じゃあねリトルデーモンたち」

千歌「う、うん!また明日ね、善子ちゃん」

善子「ヨハネ、よ!」

曜「ありがとね善子ちゃん」

善子「ヨハネだって言ってるでしょー!?」

曜「……私たちも、いこっか」ギュッ

千歌「ぁ……うん、そうだね」

千歌(千歌には、なにも……)

千歌(千歌、は……)

10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/24(火) 18:52:58.88 ID:kyHWC2Aw0
***

曜「んー!食べた食べた〜!」

千歌「そ、だね」

曜「お風呂はいって、もう寝よっか。ね?」

千歌「うんっ!先、はいっていいよ……てか、曜ちゃんちだしね」エヘヘ

曜「じゃ、お先に〜!」

千歌「うん」

バタンッ

千歌「……」ゴロンッ

千歌(千歌じゃ、だめなのかな)

千歌(曜ちゃんのこと、千歌、なにも知らない。みんなの知ってること……たぶん、なにも)

千歌「幼なじみなのに……」

チカッ

千歌「っ……?」

千歌(いまの、なに……?一瞬、目が…………もう、なんともない、や)

千歌「ぅ〜もう!わかんないよ〜〜ッ!!」ウガーッ!!

千歌「……はぁ」
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/24(火) 18:53:34.20 ID:kyHWC2Aw0
―――

曜「っ……ふ、ふっ」

曜「あんな近くに、喰種のなわばり、あるなんて……っふ、ふっ、ん……」

曜「治まれ治まれ治まれ治まれ……ッ」

曜「治まれ、よッ……!」ガンッ

曜「ぜったい、そんなこと、しない……私は、負けない……ぜったい、お前なんかに負けるもんか……」

曜「あはは……そうだよ、ふふ……ちかちゃんまもるためにほかの食べればいい、かんたんなことじゃん、そうだよそうだよ……」

曜「ちがう、ちがう、わたしは、そんなの……でも、だって、おいしそうなの、いるじゃん」

曜「うぅぅう……だめだ、だめ、むり……ッ」

曜「そうこ、もらったの、残ってるはず……ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……ッ」ダッ

ガチャッ

曜「ふ、ふ、はやく、はやくはやくはやく」ゴソゴソ

……グジュ

曜「あ、は……」ゾクゾクゾクッ

曜「は、はっ……おいし、おいしい……クソ、クソッ……」ボロボロ

曜「なんで、私は……」

曜「――喰種になんて、うまれたくなかった」

12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/24(火) 18:54:05.75 ID:kyHWC2Aw0
―――

善子「……それで?」

「ふふ、面白くなりそうね……♡」

善子「悪趣味……ほんと、あんたのことわからないわ」

「いいじゃない、お互い……似た者同士でしょ?」

善子「……一緒にしないで」

「いつバレるかと思うと……ヒヤヒヤドキドキ、よね!」

善子「あんたとは違うの……鞠莉」

鞠莉「もー♡ツレないわねぇ……So cool♪」

鞠莉「それにしても……久しぶりに見れるかもね!……例のア・レ♡」

善子「言っとくけど、そうなったときは全力で止める。鞠莉の好きなようにはさせない……あんたのオモチャじゃないのよ」

鞠莉「ふふ、それはそれでマリー楽しみ!」

善子「……変態」ハァ…

鞠莉「えー?マリーはボスに従ってるだけよ?」

善子「ボスって……誰なのよ」

鞠莉「ふふ、secret♡でも、ひとつ言うなら……真実はすぐそばにあるってことかしら!」

善子「すぐ、そばに」

鞠莉「じゃあ、これからもよろしくね……カラスさん♪」

善子「……今だけ、だから。私の目的が達成するまで。それだけよ」
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/24(火) 18:54:34.89 ID:kyHWC2Aw0
―――

曜「千歌ちゃんおっまたせー!……て、あれ?」

千歌「すぅ……」

曜「寝ちゃった、か……」ギシッ

曜「千歌ちゃん、私が守るからね……」ギュッ

曜「……千歌ちゃんのためなら、私」

曜「…………そうだよ、ね。人よりは」

曜「そうだよ、だって……」フラッ

曜「強く、ならなきゃ」

ガチャッ

千歌「よう、ちゃん……?どこ、に……」

千歌(…………お風呂、借りよう)

千歌(千歌じゃ……わかってあげられないんだ、きっと)

千歌「あ、はは……さみしいなあ……なん、て」

千歌「……はは」ポロッ

14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/24(火) 18:55:07.96 ID:kyHWC2Aw0
***

千歌「ん、ぅ……」

曜「ん、起きた?おはヨーソロー!」

千歌「おはよ……きのう、どこ行ってたの?」

曜「ぇ、あ……気付いてたんだ。夜のジョギングに、ちょっとだけね」

千歌「……そっか。曜ちゃん出かけた音で起きて、シャワー借りたんだ」

曜「そうだったんだ。起こしちゃったのかな。ごめんね」

千歌「ううん。むしろありがとうだよー!シャワー浴びないで寝るの、やだもん」

曜「ふふ」ナデナデ

千歌「む、なにさー」

曜「なんでもないのであります」ギューッ

曜(やっぱり全然違う……)クンクン

千歌「またかいでる……」

曜「相変わらずいい匂いであります!」ビシッ

千歌「もー……普通だってば!」

曜「へへ、そろそろ起きよっか」

千歌「うん、そうだね!」
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/24(火) 18:55:46.93 ID:kyHWC2Aw0
―――

花丸「……眠いずら」

果南「んん……っ」グイーッ

花丸「もう朝です、松浦一等」

果南「そうだね、国木田三等」

花丸「……練習が午後からで良かったずら」

果南「あはは……終わるかなあ、これ」

花丸「一晩でこんなに……赫子痕は、一致するのはなかったんですよね。たしか、二種類見つかったって……」

果南「うん。つまり……遠方からはるばるやってきたか……それか、新しく捕食を始めたか」

花丸「新しく……?」

果南「なんて、それはないか。うぅん、さすがに全国のデータと比べるとなると……終わらないよね」

海未「お疲れ様です。松浦一等、国木田三等」

果南「園田上等、お疲れ様です!」

花丸「お疲れ様です!」

海未「Q 's、期待してますよ。もっと人数がいれば安定して活動できるとは思いますが……班長が不在の今はどうにも……」

果南「うちの班長は忙しいですからね。私が代理やってる時間の方が長いくらいで」

海未「まったく……希には言っておきます。ただ、希もお二人に期待してのことでしょうから。腕も上がってきてますし」

16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/24(火) 18:56:19.78 ID:kyHWC2Aw0
花丸「昇格に期待したいところですね」アハハ

海未「ふふ。花丸は筋がいいですから、磨けば光りますよ。また剣を交えましょう」

花丸「お、お手柔らかにお願いします……」

花陽「あ、いました!おーい、国木田さーん!」

花丸「えっと……あ、クインケの……!」

花陽「はい!完成したので待ちきれなくて持ってきちゃいました!」

花丸「おぉ……マルのクインケ……!」

花陽「さっそく開けてみてください!」

花丸「わ、日本刀……?すごい、黒く輝いてて……ほ、本当にこれ、マルが……?」

花陽「ふふ、甲赫で出来てるので耐久性はバッチリですよ!赫子と合わせて使えばきっと役に立つはずです!それに花丸さんの尾赫はコントロール性に優れていて……っは!す、すみません!ベラベラと……!」

花丸「ううん、ありがとうございますずら、花陽さん……!」

海未「すごいですね、花陽……これはいい日本刀です」

花陽「えへへ、頑張っちゃいました!……あ、あと!真姫ちゃんから解析の結果も伝えるように言われてたんだった……す、すみません。夢中になっちゃって」

果南「あはは……忙しそうですね、花陽さん」

花陽「今回の被害者は……喰種がほとんどでした。すぐに判明しなかったのは損傷が激しくて……赫包がごっそりなくなってたみたいです」
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/24(火) 18:56:56.80 ID:kyHWC2Aw0
花丸「ほとんど?どういうことですか?」

花陽「最初に一人……人間の犠牲者が。そのあとに続いたものはすべて喰種だったんです」

果南「それって、つまり……共食いってことですか?一人人間を食べて……それから、喰種に?」

花陽「……はい。半赫者の暴走には気を付けてくださいね」

果南「ありがとうございます。そのときはきっと私たちの出番になるでしょうし」

花丸「それにしても……この辺りで共食いの報告はなかったんですよね……?それって……なにがきっかけで始めたんでしょうか」

果南「うぅーん……資料にない赫子痕、突如表れた共食いの喰種……」

海未「現場の調査はやっておきますから、着替えてゆっくり休んでください。夜からずっとでしょう?」

花丸「すみません、後お願いします……」

海未「えぇ、お疲れ様です」

トコトコ

花丸「うーん、損傷が激しいってことは、余裕がなかったんですかね。飢えてたとか……?それならさっき松浦一等が言ってたように今まで捕食をしていなかった、とか。なにか理由があって……むむむ」

果南「こら、お仕事はもう終わりだよ、マルちゃん」

花丸「あ……ごめんね、果南ちゃん」

果南「よろしい!じゃあハグしよっか」ギュム

花丸「なんでずら」

果南「よーし、練習頑張るぞー!」

花丸「マルはもう寝たいずら……うぅ」

果南「じゃ、パパッと報告終わらせて行こうか」
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/24(火) 18:59:22.31 ID:kyHWC2Aw0
***

曜「ごめんね、私の買い物に付き合わせちゃって」

千歌「ううん。練習は午後からだし、それまで暇だもん!曜ちゃんのバイト先、行くの初めてだなあ」

曜「ふふ……あ、ついたよ」

Μοῦσα

千歌「なんて読むの……?」

曜「ムーサ、だよ」

千歌「むーさ……?」

カランコロン

ことり「いらっしゃいませー……あ、曜ちゃん!久しぶり〜!」

穂乃果「おぉ、曜ちゃん!と……お友だちかな?」

曜「うん。幼なじみの千歌ちゃんだよ」

千歌「はじめまして。高海千歌です!」

ことり「はじめまして〜!私は南ことりだよ」

穂乃果「私は高坂穂乃果!よろしくね」

千歌「……え、もしかしてあのμ'sの!?」

穂乃果「あ、知ってたんだ!えへへ、そうだよ〜!今はことりちゃんとこっそり、知る人ぞ知る隠れ家的カフェをやってます!」ニシシッ

千歌「まさかこんなところで会えるなんて〜!……ん?ていうことは、曜ちゃんもしかして……」

曜「あ、うん。知ってたけど言わなくていいかなーって」

千歌「言ってよ!もーぉ!」

19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/24(火) 18:59:38.13 ID:AR9L5WVSO
千歌「これはきっと、悲劇だ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1507730266/
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/24(火) 19:00:08.87 ID:kyHWC2Aw0
ことり「あはは。まぁまぁ♪曜ちゃん、今日はどうしたの?」

曜「え、と……例のアレをわけてほしくて」

ことり「そっかぁ。じゃあ穂乃果ちゃん、お願いね!ことりは千歌ちゃんとお話してようかなぁ♪」

穂乃果「はーい!じゃあ曜ちゃん、いこっか!」

曜「うん、ありがとう穂乃果ちゃん!」

バタンッ

ことり「ふふ♪そんなに緊張しなくていいよ?あ、コーヒーでも淹れよっか」

千歌「あー……えと、コーヒー苦手で……」

ことり「そうなの?じゃあことりの淹れるコーヒーで苦手を克服してもらおうかな♪えへへ、自信あるんだよ〜」

千歌「じゃあ……お願いします」

ことり「は〜い!ちょっとまっててね〜!」

コポコポ…

ことり「〜♪」

『次のニュースです。昨夜、静岡県五区にて喰種による事件が〜〜』

ことり「喰種かぁ……ねぇ、千歌ちゃん」

千歌「はいっ!」

ことり「ふふ、かたくならなくていいのに♪……喰種って、本当にいると思う?人間を食べちゃう生きもの……なんて」

千歌「う、うーん……千歌は、見たことないし……なんていうか、遠い世界でのことみたいで……でも、五区ってすぐそばだし、信じられない……って感じ、です」

ことり「そっかそっかぁ。ことりも喰種さんはよくわからないんだよね……でも、毎年多くの人が犠牲になってて……ほんと、信じられないよね」

千歌「そう、ですね」
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/24(火) 19:01:13.30 ID:kyHWC2Aw0
穂乃果「たっだいま〜!」

ことり「あ、おかえり♪」

曜「お待たせ!あ、ことりちゃんのコーヒーだ!私も飲みたい!」

ことり「もちろんっ♪ほら、座って座って!」

千歌「わ、いい匂い……」

ことり「角砂糖いれよっか」トポンッ

曜「えっ!?ことりちゃん、それ……」

ことり「ん?普通の角砂糖、だよ」

曜「あ、そっか、そうだよね……ごめんごめん」

千歌「?」

穂乃果「穂乃果も飲むー!」

ことり「穂乃果ちゃん?」

穂乃果「アッ掃除が途中だよね、ごめんなさい!」

ことり「えへへ、冗談だよ?穂乃果ちゃんも角砂糖だよね。あ、千歌ちゃんミルクいれる?」

千歌「じゃあ、ちょっとだけ」

ことり「はーい」コポポ…

千歌「ん……ごくっ……あ、おいしい!」

ことり「えへへ、よかったぁ♪」

千歌「なんか、今まで飲んだコーヒーと全然味が違う……匂いも、すごくいいし」クンクン

穂乃果「ことりちゃん、豆にすごくこだわってるからね」

曜「私もことりちゃんくらいおいしく淹れられるように練習しなきゃ……はぁ、おいしーい!」

ゴクッ
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/24(火) 19:01:44.65 ID:kyHWC2Aw0
曜「あ、そろそろいかなきゃ……このあと練習があるんだ!」

穂乃果「そっかそっか!また今度ゆっくりきてね!」

ことり「なにか困ったことがあったらいつでもおいで♪もちろん、ただお話するだけでも大歓迎だよ〜!」

千歌「はい!またおいしいコーヒー、飲みに来ます」エヘヘッ

ことり「あ、曜ちゃん、いいかな?」

曜「ん?」

ことり「千歌ちゃんって……なんだか、すごくいい匂い……だねぇ♪」コソッ

曜「……ことりちゃんも、思った?なんでだろう……」

ことり「ふふ、それだけ!引きとめてごめんね?じゃあ、またね!」

曜「うん、また!」

カランコロン

ことり「……なんでだろうねぇ」ニコニコ

穂乃果「穂乃果も千歌ちゃんとお話したかったなー」

ことり「またすぐ会えるだろうから大丈夫だよ、穂乃果ちゃん♪」
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/24(火) 19:02:12.83 ID:kyHWC2Aw0
***

千歌「いやー、コーヒーがあんなにおいしいとは……!感動だよ!」

曜「えへへ、気に入ってもらえたようでよかったであります!また一緒にいこうね!」

ドンッ

千歌「あ、ごめんなさい!」

??「あぁ、ごめんねおねーさん!ちょっとぼーっとしてたよ!」

千歌「いえ……こちらこそ、ごめんなさい!」

??「ここで会ったのも何かの縁っしょ!アタシは宮下愛。よろしくね〜!」

千歌「ぁ、えっと、高海千歌です」

愛「ふむふむ。千歌ちゃんか!覚えとくよ」ポンッ

愛「じゃあまったね〜♪」

曜「……?なんか、不思議な人だったね……悪い人では、なさそうだけど」

千歌「この辺りで見ない顔だったよね。観光の人とかかなぁ……って、曜ちゃん!そろそろいかなきゃ!」

曜「わわっ、全速前進でありますっ!」

バタバタ

愛「千歌ちゃんと曜ちゃん、かぁ。いいねいいね〜」
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/24(火) 19:02:59.83 ID:kyHWC2Aw0
―――

千歌「みんなおっはよー!……てあれ?まだ半分くらいしか集まってないや」

曜「ほんとだ。ダイヤさんルビィちゃん花丸ちゃん果南ちゃん……が、いないね」

鞠莉「Oh!堅物ダイヤが遅刻〜?」

善子「珍しいわね……」

ガチャッ

ダイヤ「ふー……ふーっ……セーフ、ですわ!」

ルビィ「お、おねぇちゃあ待ってよ〜……!」

曜「あっはは!走ってきたの?お疲れ様!」

梨子「これであとは花丸ちゃんと果南さんね」

花丸「お、お待たせしましたずら〜〜!」

果南「ごめんね、おまたせ!」

ルビィ「花丸ちゃん、その紙袋は……?」

花丸「これは朝ごはんずら!食べてる時間がなくて……」

ダイヤ「それはいけませんね。しっかりと朝食を摂り、一日を健康に過ごさなければ。花丸さんが食べ終えましたら練習に入りましょうか」

善子「御意!」ギランッ

梨子「あ、これ中須ベーカリー?八区にある……」

花丸「もぐもぐ……ごくん。うん、そうずら!ここのパンは絶品なんだ〜!」

善子「あんた、わざわざ八区まで朝ごはん買いに行ってたの?まさかそれのせいで遅刻ギリギリなわけじゃ……」

花丸「ち、ちがうよ!昨日買っておいたやつを持ってきただけずら!」

鞠莉「八区と言えば……CCG支局がある区ね!」

曜「一番安全そうだよね〜!おいしいパン屋さんもあるし!」

花丸「ごくんっ。よーし、練習いくずら〜!」

千歌「わ、もう食べたの!?」
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/24(火) 19:03:35.88 ID:kyHWC2Aw0
―――

希「わっ!」

絵里「きゃあ!?……って、希!帰ったのね。おかえりなさい」

希「ただいまえりち!ところでうちの可愛い可愛い後輩ちゃんたち知らん?」

絵里「一時間ほど前に帰ったわよ」

希「あっちゃー、すれ違いかぁ。驚かせたろ思ったのになぁ……」

絵里「希、ドイツはどうだった?」

希「んー、まぁまぁやね。こっちの方が楽しいよ。ピリッとした感じやったし……ちょうど、赫者の事件があって大忙しやったんよ」

絵里「あら。それはそれは……こっちもちょうど事件があるのよ。共食いの……ね」

希「……共食い?それ、聞かせてくれる?」

絵里「えぇ、資料を見ながらゆっくり話しましょうか」

希「うん。そうしよか」

??「希せんぱーい!」

絵里「……あの子は?知らない顔ね」

希「あぁ、Q'sの二期ちゃんやよ。かすみちゃんこっちこっち」

かすみ「お話は聞いております!絢瀬特等!」

絵里「いや、私はなにも聞いてないわよ!?Q'sの二期!?」
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/24(火) 19:05:02.25 ID:kyHWC2Aw0
希「Q'sの適性がバッチリだったんよ。ね、かすみちゃん?」

かすみ「はい!かすみは即戦力間違いなしですよ!……あ。改めまして、正式には明日から勤務させていただきます、中須かすみです。よろしくお願いいたします!」

絵里「中須……って、もしかして中須ベーカリーの?」

かすみ「そうなんですよ!絢瀬准特等もご存じでしたか!小麦粉からこだわって作っていまして、ひとつひとつ品質チェックをして、使う水の温度や硬度なんかにもこだわっていてですね!」ズイズイッ

絵里「これはまた……扱いにくそうな新人が増えたわね」

??「こんにちは〜……」

希「あ、彼方ちゃん。仮眠室で寝てたん?」

27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/24(火) 19:05:36.33 ID:kyHWC2Aw0
彼方「あと十時間くらい寝てたい……眠い……うぅう……」

絵里「お疲れ様、彼方。解析はどう?」

彼方「あ〜うん、だいたい終わったよ〜……一件目のは二区のカラスだね。他のは全国どこの赫子跡にも一致するものはなかったよ〜……ふぁ、ねむい……」

希「あぁ、さっき言ってたやつ?うちにも見せて〜」

彼方「どうぞ〜……彼方ちゃんはもう一眠りしてきます……」

絵里「おやすみ、彼方。ありがとね」

彼方「ふぁ〜い……」

希「……ん、なんとなく覚えがある、ような……」

絵里「覚えが?」

希「もしかして、これ……ごめんえりち、うち解析室こもるから後輩ちゃんたちによろしくな」バタバタ

絵里「え!?ちょっと希!」

かすみ「希せんぱい行っちゃいましたね」

絵里「……どうするのよ、この子」
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/24(火) 19:08:17.73 ID:kyHWC2Aw0
現在の情報

渡辺曜
喰種
レート ??
赫子 ??

津島善子
喰種(カラス)
レート ??
赫子 ??

国木田花丸
三等捜査官 Q's
クインケ マルちゃん二号(甲赫)
赫子 尾赫

松浦果南
一等捜査官 Q's
クインケ ??
赫子 ??


高坂穂乃果
カフェΜοῦσαを経営

南ことり
カフェΜοῦσαを経営

園田海未
上等捜査官
クインケ ??

小泉花陽
CCG局員
クインケの製造

絢瀬絵里
准特等捜査官
クインケ ??

東條希
??等捜査官 Q's班長
クインケ ??


宮下愛
??

中須かすみ
??等捜査官 Q's二期生
八区にて中須ベーカリーを経営
クインケ ??

近江彼方
??等捜査官
クインケ ??

※こちらに名前のないキャラクターは今後追加されていきます。
※去年にエタった、千歌「これはきっと、悲劇だ」の作者です。キャラクターの追加、設定の見直しをしました。
※更新は不定期になります。
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/25(水) 00:34:26.59 ID:+agpbOOX0
グール最初の方しか読んだ事ないから用語がわからん
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/26(木) 08:57:54.04 ID:rQ87d3KIO
どうせまたエタる
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/28(土) 23:13:28.00 ID:FW/mkZAV0
楽しみにしていますね
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