ハッシュヴァルト「未来が視えるとは思い悩む事ばかりだ。そうだろう、黒木智子」

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210 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/07/29(日) 00:12:04.54 ID:JGbiaTdGO



グレミィ「目を逸らせば、未来永劫、幸福の中にいられる」


グレミィ「もこっち達のように、自分たちのこれからに夢や希望を想い描いて、幸福に生き続けることができるんだ」


グレミィ「ただ、想い通りの未来にならないというだけに過ぎない」


グレミィ「だけど、それは普通のこと」


グレミィ「夢や希望は、それを想像している間がもっとも幸福なのだから」



グレミィ「………」



211 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/07/29(日) 00:14:31.75 ID:JGbiaTdGO



グレミィ「選択の時だ、ハッシュヴァルト」



グレミィ「未来から目を逸らさず、絶望のままに飛び移り、幸福を恐怖で塗り潰すか」



グレミィ「全てを忘れ、目を閉じて飛び移り、もこっち達と共に幸福を想い描くか」



グレミィ「きちんと、秤にかけて決めることだ」









グレミィ「後悔は、したくないだろう?」



212 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/07/29(日) 00:16:11.37 ID:JGbiaTdGO



ハッシュ「………」






ハッシュ「………………」









ハッシュ「…………………………」



213 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/07/29(日) 00:17:27.12 ID:JGbiaTdGO
今夜はここまで
214 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/07/29(日) 00:40:52.60 ID:JGbiaTdGO



グレミィ「だから、ぼくは完聖体の力で君の中にゲートを作った」


グレミィ「まあ、その時の負荷が要因で完聖体を失って、他の星十字騎士団を救済することができなくなってしまったんだけど、そこは置いとくね」


グレミィ「とりあえず、ぼくは、聖文字 “ V ” の力を使って、君が死ぬ直前、その精神が自動的にこの世界に運び込まれるようにした」


グレミィ「ゲートの持ち主が死んだら、ゲートも消えちゃうからね。君が死ぬ前に精神を送ってあげる必要があった」


グレミィ「もちろん、精神だけじゃ活動できないから、ゲートの出口には君の霊骸を想像しておいた」


グレミィ「そうすれば、君の精神は、ゲートをくぐり抜ける寸前で自動的に霊骸の中に入り、活動可能となる」


グレミィ「実際、ゲートをくぐり抜けた瞬間、君の意識は目覚めた」


グレミィ「……とまあ、そんな感じで、君を救済してあげることにしたのさ」



215 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/07/29(日) 00:41:50.92 ID:JGbiaTdGO



グレミィ「目を逸らせば、未来永劫、幸福の中にいられる」



グレミィ「もこっち達のように、自分たちのこれからに夢や希望を想い描いて、幸福に生き続けることができるんだ」



グレミィ「ただ、想い通りの未来にならないというだけに過ぎない」



グレミィ「だけど、それは普通のこと」



グレミィ「夢や希望は、それを想像している間がもっとも幸福なのだから」



ハッシュ「………」



216 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/07/29(日) 00:45:09.77 ID:JGbiaTdGO
>>171の内容を>>214に差し替えます

また、>>210の内容を>>215に差し替えます

それぞれグレミィとハッシュの名前が逆になってるところがあった

ミスばかりで申し訳ないです
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/29(日) 09:29:32.15 ID:PJcxL2Ve0
乙。
218 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/07/29(日) 20:02:57.90 ID:x4CjbjdcO
投下します
219 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/07/29(日) 20:04:32.46 ID:x4CjbjdcO



チュンチュン……



もこっち「……ふわあ〜〜」ムクッ

もこっち「……あー、もう、朝か」

もこっち「まったく、学生っては面倒ったらーーー」


ハッシュ「………」


もこっち「うおっ、!?」



220 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/07/29(日) 20:06:01.11 ID:x4CjbjdcO



もこっち「あ、ああ、ハッシュヴァルトか……」


もこっち(くそっ、中二病の幽霊もどきとはいえ、イケメンだからな。そんな奴と同棲なんて、心臓に悪過ぎる……!)ドキドキ


ハッシュ「………」

もこっち「……なんだよ、何か用か?」


ハッシュ「……用があるわけではない」

ハッシュ「ただ、思うことがあっただけだ」


もこっち「思うこと? 何だよそれ?」


ハッシュ「………………」



221 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/07/29(日) 20:07:29.01 ID:x4CjbjdcO






ハッシュ「……未来が視えるとは思い悩む事ばかりだ」









ハッシュ「そうだろう、黒木智子?」





222 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/07/29(日) 20:10:57.58 ID:x4CjbjdcO



もこっち「……ああ? 未来が見えるだあ?」


もこっち(なんだ、また患ってんのかーーー)


ハッシュ「ーーー行くぞ、黒木智子」


もこっち「!」


ハッシュ「今日も登校日のはずだ」

ハッシュ「そして、放課後は友と勉強会を行う予定のはず」

ハッシュ「ならば、休む理由は無い」



223 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/07/29(日) 20:12:05.76 ID:x4CjbjdcO



もこっち「ーーーそうだな」


もこっち「行くか、あいつらが待ってるんだからな」


ハッシュ「………」



もこっち「それに、あいつらと一緒なら、きっとーーーーーー」



224 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/07/29(日) 20:14:24.68 ID:x4CjbjdcO



ハッシュ(……そうだ)


ハッシュ(世界を形づくるものが如何なる存在であれ、その世界の生命と歩みに、無意味なものなどありはしない)


ハッシュ(世界の先に、どのような結末が待ち受けていようとも、思うままに選択し、思うままに進むことに意味があるからだ)


ハッシュ(意味があるからこそ、人はその歩みに特別な名を付け、現在の一瞬一瞬に挑み続ける)


ハッシュ(そうして、未来を創り上げていく)


ハッシュ(決して、閉ざされて良いものでは無い)



ハッシュ(無意味にしては、ならないのだ)



225 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/07/29(日) 20:17:55.40 ID:x4CjbjdcO



ハッシュ(……ならば挑もう、『神の創想』に)



ハッシュ(世界と一つになろうとも、その支配がある限り、必ずや打ち砕いてみせる)



ハッシュ(……秤にかけた上での結論だ。迷いはない)









ハッシュ(未来を、変えてみせる)



226 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/07/29(日) 20:21:24.59 ID:x4CjbjdcO



もこっち「ーーーおい」

ハッシュ「………」

もこっち「ーーーおい、ハッシュヴァルト!」

ハッシュ「!」

もこっち「いつまで、そこで立ってるんだよ。着替えらんないだろ」

ハッシュ「……すまないな。いますぐ影に入ろう」ズズズッ

もこっち「目隠しも忘れんなよ」

ハッシュ「………」シュルシュル

もこっち「目隠し、取るんじゃねーぞ」

ハッシュ「……ああ」

もこっち「絶対だぞ! 絶対の絶対だからな! 前フリとかじゃなくて!」

ハッシュ「……わかっている」ズズズッ



227 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/07/29(日) 20:23:09.37 ID:x4CjbjdcO



もこっち「ーーーおい」

ハッシュ「………」

もこっち「ーーーおい、ハッシュヴァルト!」

ハッシュ「!」

もこっち「いつまで、そこで立ってるんだよ。着替えらんないだろ」

ハッシュ「……すまないな。いますぐ影に入ろう」ズズズッ

もこっち「目隠しも忘れんなよ」

ハッシュ「………」シュルシュル

もこっち「目隠し、取るんじゃねーぞ」

ハッシュ「……ああ」

もこっち「絶対だぞ! 絶対の絶対だからな! 前フリとかじゃなくて!」

ハッシュ「……わかっている」ズズズッ



228 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/07/29(日) 20:25:22.13 ID:x4CjbjdcO
>>227は無かったことにしてください

二重に投稿しちゃった
229 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/07/29(日) 20:28:15.55 ID:x4CjbjdcO



ズズズッ………



ハッシュ「………」パサアッ

グレミィ「あー、あー、目隠し取っちゃったー」

ハッシュ「………」

グレミィ「いーけないんだ、いけないんだー」

グレミィ「もーこっちーに、言っちゃうぞーー?」

ハッシュ「………上を見なければ問題の無い話だ」

グレミィ「なるほどねー、だから、ぼくを牢屋に入れて、ぼくが物理的に上が見れないようにしているわけだ」


グレミィ「ハッシュヴァルトって紳士だね」









グレミィ「ズレてるけど」



230 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/07/29(日) 20:29:59.83 ID:x4CjbjdcO



ハッシュ「……今日の朝食だ」



ポンッ



グレミィ「あはは、さっそく、聖文字使いこなしてるねーー!」スッ


グレミィ「そういうわけで、いっただきまーす!」パクパク


グレミィ「うん、美味しい!」


ハッシュ「………」


グレミィ「流石はハッシュヴァルト、毎日特別良いもの食べてただけはあるね」モグモグ

グレミィ「想像の範囲内ではあるけど、素晴らしい料理だよ」モグモグ


ハッシュ「………」


グレミィ「まあ、この身体は食事の必要が無いように造られているんだけどね、あはは!」


ハッシュ「………」



シュンッ……



231 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/07/29(日) 20:32:04.84 ID:x4CjbjdcO



グレミィ「あー、ちょっと、なんで想像料理消しちゃうの? まだ食べてるじゃん」

ハッシュ「お前が食事の必要は無いと言ったからな」

グレミィ「いや、それは身体のことで、心は必要なんだよ」

ハッシュ「………」

グレミィ「想像力豊かな人は身体のためだけじゃなくて、心のためにも食べるものなんだよ」

グレミィ「毎日の食事を心をこめて美味しくいただくことこそ、豊かな想像力を維持する秘訣でーーー」


ハッシュ「そうか」


グレミィ「バッサリだねー、ホント。もこっちが言うところの陰キャの対応だよ、それ」アハハ



232 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/07/29(日) 20:35:10.63 ID:x4CjbjdcO



グレミィ「ーーーで、ぼくはいつまで、もこっちの影の中にいれば良いのかな?」

ハッシュ「借りを返すまでだ」

グレミィ「いや、借りは返したじゃん。その聖文字 “ V ” は何?」


ハッシュ「私にではない、黒木智子たちへの借りだ」


グレミィ「………」



233 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/07/29(日) 20:37:30.91 ID:x4CjbjdcO



ハッシュ「私たちは、黒木智子たちの世界を蹂躙し、その未来を奪い続けた」

ハッシュ「ならば、私たちには、その借りを返す義務がある。果たし終えるまで、逝けると思うな」


グレミィ「………」


ハッシュ「せめて、私の役に立つくらいはしてみせることだ」


グレミィ「……なるほどね、流石は調和を重んじてきた男だ」

グレミィ「想像通りの正論だよ」


ハッシュ「………」


グレミィ「だけど、役立とうにも、ぼくは聖文字の力を失ってるんだよ?」

グレミィ「君に寄生してパワーアップしようにも、この牢屋が君から放出される魂を防いでしまう。これじゃ、パワーアップも夢のまた夢」

グレミィ「そのぼくに何ができるってのさ?」



234 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/07/29(日) 20:42:31.82 ID:x4CjbjdcO



ハッシュ「……お前の想像力は飾りか?」

グレミィ「!」

ハッシュ「お前は今まで、陛下から授かった聖文字をもって、ありとあらゆることを実現してきた」

ハッシュ「だが、それはその強大な想像力あってこそのものではないのか?」

グレミィ「………」

ハッシュ「少なくとも、私には魂と聖文字を分離させるなどという真似はできなかった」

ハッシュ「 “ 夢想家 ” の聖文字を持つ今であってもだ」


グレミィ「!」


ハッシュ「お前の想像力は紛れもなく強さであり、誇るに値するものだ」

ハッシュ「ならば、己が想像力を秤として、選択することだ」


ハッシュ「その想像の果てに、『神の創想』をも打ち砕き、借りを返すか」

ハッシュ「それとも、己が想像力の敗北を認め、今ここで全ての想像をやめるか」

ハッシュ「秤にかけて、選ぶが良い」


ハッシュ「後悔したくないのならな」



235 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/07/29(日) 20:44:30.99 ID:x4CjbjdcO



グレミィ「……まさか、やり返されるなんてね、想像もしてなかったよ」


ハッシュ「………」


グレミィ「ずるい奴だよ、君は」


グレミィ「そんなこと言われたら、やるしかないじゃん」


ハッシュ「………」


グレミィ(……完聖体に負けたぼくが、あれから本当は何を思っているか、君なら想像できているだろうに)


グレミィ(その上で言っているんだ)


グレミィ「まったく、本当にずるいーーー」



「おい、ハッシュヴァルト、着替え終わったから、もう出てきて良いぞーー」



236 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/07/29(日) 20:45:55.29 ID:x4CjbjdcO



グレミィ「……このタイミング……ほんとう、想像つかないなあ、もこっちは」


ハッシュ「……外に戻る」


グレミィ「あっ、ちょっと、外行く前に一つ教えてよ!」


ハッシュ「……なんだ?」


グレミィ「いや、今更だけど、君は今まで食事や風呂やトイレとかどうしてたの?」



237 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/07/29(日) 20:49:14.89 ID:x4CjbjdcO



ハッシュ「………」


グレミィ「ぼくら、その辺のことまでは、想像し忘れてたから、何の用意もしてなかったんだよね」

グレミィ「だから、どうしていたのかなってーーー」


ハッシュ「影の中で済ませていた」


グレミィ「ーーーいや、だから、どうやって?」


ハッシュ「…………この身の栄養不足、排泄物の全てを “ 不運 ” として、『身代わりの盾』に移し取らせていた」


グレミィ「……えっ、なにそれ、」


ハッシュ「………」


グレミィ「普通にドン引きなんだけど」


ハッシュ「………」


グレミィ「あれ、ひょっとして、ぼくは一歩間違えれば腹ペコとエンガチョ押し付けられるところだったわけ?」


ハッシュ「………」


グレミィ「わー、ないわー、こんなの想像できないっていうか、創造したくすらーーーーーー」



238 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/07/29(日) 20:52:28.28 ID:x4CjbjdcO
>>237は無かったことにしてください

グレミィの台詞の想像と創造を間違えてた
239 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/07/29(日) 20:54:06.23 ID:x4CjbjdcO



ハッシュ「………」


グレミィ「ぼくら、その辺のことまでは、想像し忘れてたから、何の用意もしてなかったんだよね」


グレミィ「だから、どうしていたのかなってーーー」


ハッシュ「影の中で済ませていた」


グレミィ「ーーーいや、だから、どうやって?」


ハッシュ「…………この身の栄養不足、排泄物の全てを “ 不運 ” として、『身代わりの盾』に移し取らせていた」


グレミィ「……えっ、なにそれ、」


ハッシュ「………」


グレミィ「普通にドン引きなんだけど」


ハッシュ「………」


グレミィ「あれ、ひょっとして、ぼくは一歩間違えれば腹ペコとエンガチョ押し付けられるところだったわけ?」


ハッシュ「………」


グレミィ「わー、ないわー、こんなの想像できないっていうか、想像したくすらーーーーーー」



240 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/07/29(日) 20:56:15.61 ID:x4CjbjdcO



ヒューッ……ガラーンッ!


バコンッ!



グレミィ「ぶべっ!?」ドテッ


ハッシュ「………」


グレミィ「か、金ダライ……?」ピクピク

グレミィ「き、君がこんなの想像するなんて、想像もーーー」


ハッシュ「……想像力を上げたいのならば、さっさと食事を摂って頭を働かせることだ」



ポンッ



グレミィ「!」


ハッシュ「食事とは、心で摂るものなのだろう?」


グレミィ「……そうだね」パクパク


ハッシュ「………」シュルシュル



241 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/07/29(日) 20:57:54.17 ID:x4CjbjdcO



グレミィ(ああ、そうだ)



グレミィ(この舌の平にあるものが)









グレミィ(心か)








ハッシュ「………」ズズズッ



242 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/07/29(日) 20:59:13.94 ID:x4CjbjdcO



ハッシュ「……戻ったぞ、黒木智子」 ズズズッ


もこっち「遅い! 人の影ん中で何やってた!」


ハッシュ「………」パサアッ


もこっち「っ、お前まさか、やっぱり私のパンツーーー」


ハッシュ「それはない」



243 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/07/29(日) 21:00:47.51 ID:x4CjbjdcO



もこっち「……だったら何でーーー」


ハッシュ「……それは勉強会が終わり次第説明する」


もこっち「ーーーああ? なんで、勉強会の終わりになんだよ?」

ハッシュ「……今話したところで、混乱するだけだ」

もこっち「?」

ハッシュ「その気持ちは、勉強会に持ち込むべきではない」

もこっち「………」

ハッシュ「故に、今は話すことができない」


もこっち「なんだよ、そりゃ……」



ハッシュ「その上で、知ることを望むのであれば、今すぐ教えるがーーーーどうする?」



244 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/07/29(日) 21:01:54.60 ID:x4CjbjdcO



もこっち「………」


ハッシュ「………」


もこっち「……わかったよ、今は引いてやる。今日は勉強会に集中しないといけないからな」


ハッシュ「……そうか」


もこっち「だが、終わったら絶対に教えろよ、いいな!」


ハッシュ「……無論だ」



245 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/07/29(日) 21:03:58.45 ID:x4CjbjdcO



もこっち「ーーーよし、そうと決まれば、まず朝飯食っとかないとな」


ハッシュ「……そうだな、食事は大切だ」


もこっち(……なんだよ、普通に相槌も打てるんじゃねえか)


ハッシュ「……食事を摂る時は、心で食べると良いそうだ」


もこっち「ああ? なんだ、また、中二病か?」


ハッシュ「………」



246 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/07/29(日) 21:05:46.37 ID:x4CjbjdcO



もこっち「ーーーごちそうさま!」

もこっち「弟、先行ってるぞ!」


智貴「お、おう……」

黒木母「ふふっ、智子ったら、すっかり良い顔になったわね」

智貴「……まあ、それなりにダチもできたみてーだし、自然とああなるのかもな」

黒木母「あら、そうなの?」

智貴「ああ、特に学食の時なんて、ダチのことで俺と張り合おうとしてることもあったし、そんだけ大事なーーー」

黒木母「あら、張り合うって何? どんなこと」

智貴「えっ、」

黒木母「教えて、登校まで、まだ時間はあるわ」

智貴「いや、その」

黒木母「お願い」

智貴「」



247 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/07/29(日) 21:07:22.51 ID:x4CjbjdcO



ゆり「……黒木さん、おはよう」






真子「おはよう、黒木さん!」






ネモ「クロ、おはよー!」



岡田「おはよう、黒木」



加藤「おはよう、黒木さん」






うっちー「く、黒木、おはよう」










もこっち「……おはよう!」



248 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/07/29(日) 21:08:48.82 ID:x4CjbjdcO



吉田「ーーーおおっ、お前か」

もこっち「あっ、吉田さん……!」

吉田「それとーーー」


ハッシュ「………」


吉田「………」ギロッ


ハッシュ「……おはよう、だな」


吉田「!」

もこっち「!?」



ハッシュ「……私とて、挨拶くらいはできる」



249 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/07/29(日) 21:10:02.54 ID:x4CjbjdcO



吉田「……」


吉田「……なら、こっちも、おはようだ」


ハッシュ「……」


吉田「もちろん、お前にもだ」チラッ


もこっち「!」


吉田「…………おはようだ、黒木」



250 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/07/29(日) 21:11:09.41 ID:x4CjbjdcO



もこっち「えっーーー」


吉田「なんだよ、私が挨拶しちゃ悪いかよ」カアアッ


もこっち「あっ、そのーーー」


吉田「誰にでも挨拶くらいできねえと、この先、いろいろ面倒なことになるみてーだしな。今のうちから慣れてこうって話だ」


もこっち「そ、そうじゃなくてーーー」


もこっち「いま私の名前ーーー」



251 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/07/29(日) 21:13:19.59 ID:x4CjbjdcO



吉田「ああ? お前だって、私の名前呼んでんじゃねえか」

吉田「だったら、私がお前の名前呼んでも良いだろ」


もこっち「………!」



もこっち「………うん!」






ゆり「………」

真子「……ゆり?」

ゆり「……大丈夫。吉田さんなら大丈夫」グッ

真子「………」ホッ


ゆり(それに、私はもう既にーーーーーー)



252 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/07/29(日) 21:15:04.45 ID:x4CjbjdcO



もこっち(おおっ、なんか、良い感じじゃねーか!)


もこっち(この流れなら……いける!)


ハッシュ「………」


もこっち「……えっと、その、吉田さん……」

もこっち「それなら、そのーーー」


吉田「……あ? どうかしたか?」


もこっち「いや、そのーーー」


吉田「?」


もこっち「ーーー今度、一緒にランジェリーショップ行かない?」


吉田「?!?!」



ハッシュ「………………………」



253 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/07/29(日) 21:17:17.96 ID:x4CjbjdcO



もこっち「だ、だめ?」

吉田「き、急に何言ってやがんだ、てめー!? 意味わかんねーぞ?!」

もこっち「い、いや、だって、勝負下着ってあるじゃん」

吉田「!?」

もこっち「ああいうのって、色仕掛けだけじゃなくて、受験にも効果あるって聞いてさ」

吉田「……?!!」

もこっち「だから、ゲン担ぎのために、ランジェリーショップで勝負下着買うのはどうかなーって」



ハッシュ「……………………………………………」



もこっち「もちろん、下着とかはコソコソ一人で買うのが普通だと思うけど、吉田さんの場合、誰かと一緒の方が良いと思うんだ」

もこっち「でないと、勝負下着とは程遠い、ガキっぽいキャラもの選んでーーー」


吉田「おらーーーーーーー!!」


もこっち(ひぃーーーっ、なんでーーー!?)



254 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/07/29(日) 21:19:03.08 ID:x4CjbjdcO



ハッシュ(……まったく、騒がしい子供だ)


ハッシュ(礼儀を知らず、己が器を知らず、傲り高ぶり、品が無い)



ハッシュ(ーーー故に、幼く、眩しく、星のように輝く)



ハッシュ(その光は、暗黒に沈む星さえも照らし、その星の在り方すらも変えていく)


ハッシュ(いま、どれほどの星たちが、この夜空に浮かんでいるのだろうか)



ハッシュ(ーーーーーーーーーーーーーーー)



255 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/07/29(日) 21:21:23.62 ID:x4CjbjdcO



ゆり(また黒木さんがバカなこと言ってる……)


真子(……黒木さんと吉田さん、また二人で楽しそうにしてる。いいなあ……)


ネモ(……ほんと、バカだよねー、クロは)


岡田(また、黒木が変なこと言ってんのか……)


加藤(……やっぱり、止めた方がーーーー、でも、黒木さんと吉田さんはあれをするから、仲が良いって話だしーーー)


うっちー(なによ、また吉田とイチャついて、しかもまた他の女に下着をーーー、ああキモイキモイキモイキモイキモイキモイキモイ)






吉田「また、バカなこと言いやがって、てめーーー!」


もこっち(な、なんでえ!? 一緒に勉強する仲なら、このくらいの冗談は普通だろ?!)


もこっち(なんで、なんで、なんでえーーーー!?)



256 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/07/29(日) 21:22:58.61 ID:x4CjbjdcO



ハッシュ(……輝こう、私もまた)



ハッシュ(そして、十字架を背負い、目を逸らすことなく、秤を揺らすのだ)



ハッシュ(全ては、護るために)



ハッシュ(だから、私は今一度、力を振るう)



ハッシュ(そう、誇り高き騎士のように)



ハッシュ(勇気の剣を握る、あの星のように)



257 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/07/29(日) 21:24:10.00 ID:x4CjbjdcO






ハッシュ(後悔は無い、何一つ)









もこっち(た、助けてーーーー!?)


吉田「おらーーーーーーーーーー!!!」



258 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2018/07/29(日) 21:25:16.09 ID:x4CjbjdcO
以上で完結です。
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/29(日) 21:56:11.97 ID:siYxHI5p0
おつ
珍しいコラボだ
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