千歌「念能力でラブライブを目指す!」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/31(火) 19:24:14.50 ID:L9oCnlUw0
内浦、海岸


千歌「…」

ザザーン


千歌「『あなたたちのやってることはスクールアイドルへの侮辱です』、か」

千歌「…」はぁ…


千歌(初めはただの憧れだった…。私もμ’sみたいに輝きたいって思ってた)


千歌(でも…。結局私はスクールアイドルになれればそれで良かったのかな)


千歌「それじゃあ本気でやってる人たちからしたら舐めてるって思われても仕方ないよね」

千歌「…」ぽろぽろ


千歌「何やってるんだろ…私」



ザザーン



―――――――
―――
――


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1533032654
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/31(火) 19:30:06.08 ID:L9oCnlUw0
ダイヤ「…やはり、東京行は止めるべきでした。1番近くで見ていた私が」

果南「いや、ダイヤは悪くないよ。…でも、やっぱりあの‘壁’は今の千歌たちには高すぎる」

ダイヤ「あんな思い、絶対あの子達にはさせたくなかった…。もしかしたら、彼女達に身勝手な期待を押し付けていたのかもしれませんわ」

果南「ダイヤ…」

鞠莉「私は良かったと思うけどね」

果南「ま、鞠莉?!アンタいつの間に…!」


鞠莉「うふっ、マリー抜きで楽しそうな会話してるじゃない。果南、ダイヤ♡」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/31(火) 19:35:33.92 ID:L9oCnlUw0
鞠莉「何よ、こんな時間に2人でラブラブしちゃって!マリーも混ぜなさいよ」グイグイ

果南「はぁ…、私たちがそう見えてるならさぞ毎日楽しいだろうね」

鞠莉「ふふ…♡当り前じゃない。で、どう?カワイイ後輩ちゃんたちは。今日帰ってきたんでしょう?」

果南「…説明いる?」

鞠莉「あーいいデスいいデス。じゃ、あの子達もこれからね♡」

果南「これからって…、無責任すぎでしょそれ。なんで千歌たちを東京に行かせたの?早すぎるよ…!」

鞠莉「んー。だって彼女達が行きたいっていうから。マリーは理事長として生徒の自主性を重んじただけよ?」

果南「鞠莉の言うこれからを奪ったかもしれないんだよ?!千歌達はまだラブライブを目指すって決めた訳でもないのに。私たち3人であの子たちを応援しようって決めたじゃない!」

鞠莉「遅い早いなんかないわ、結局はあの子たちがどうするかってこと。ねぇ、果南。憧れてしまったのよ、彼女たちは。スクールアイドルに。あの子達の目を見たでしょう?」

果南「ッ…!」

鞠莉「もうあの子たちは高みを目指すほかないの。このまま内浦でスクールアイドル‘ごっこ’だけして終われたかしら?諦められないってことは私たちが良く知ってるじゃない。」




鞠莉「ここからはあの子たちの『燃』の問題。私たちはただ答え待つだけよ♪」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/31(火) 19:40:38.56 ID:L9oCnlUw0
――――――
―――
――

ザザーン

『千歌ちゃんは…、悔しくないの?』


悔しい、かあ
悔しいってなんだろ?


私、今まで悔しいって思ったことあったかな…?

悔しさを感じるほど譲れない事もなかったし、 むしろ何かあったら他の人に譲ってきた。


私には何の才能もないし、昔から敵わない事だらけだったから、
悔しい思いをしないように、そういう癖を作っちゃったのかもしれないね。



でも、それで良かったんだ。
だって、譲れない事もなかったし。
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/31(火) 19:44:31.31 ID:L9oCnlUw0
『悔しくないの?』

うん。悔しくないよ。

大丈夫だよ、ちゃんと分ってる。
こんな普通な私の望みがかなう訳ないってことくらい。



でも、なんでかな…?

千歌「うっ…うっ…」ポロポロ

なんで涙が止まらないのかな…?


―――――――
―――
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/31(火) 19:58:02.02 ID:L9oCnlUw0
『…ちゃーん?』

千歌(…?)

『千歌ちゃーん?』

千歌(梨子ちゃん…?)

梨子「あ、いたいた千歌ちゃん」ザッザッ


千歌(…こっちに来る)

千歌(どうしよ、泣いてるなんて知れたら大変だ…!!)

梨子「千歌ちゃん、こんなところにいたん―――

タタタタ!

梨子「え」


バッシャーン!!



梨子「きゃああああ千歌ちゃん?!」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/31(火) 20:05:50.19 ID:L9oCnlUw0
―――――――
――――
――

梨子「なんで急に海に飛び込むのよ…」ぐっしょり

千歌「いや〜。私も海の中で何か見つからないかな〜って思って」えへへ

梨子「…何よ、その理由」はぁ…

千歌「その理由って…、それを梨子ちゃんが言うんだ」ボソ

梨子「あ、あれは別にいいでしょ!あの時はどうしても海の音が聴きたかったの!」

千歌「私もどうしても見つけたいものがあったんだよ」あはは

梨子「はいはい。でもあなたの後ろ姿ね、まるで身投げしようとしてる風にしかみえなかったんだから」

千歌「だから〜、それを梨子ちゃんが言うの〜?」

梨子「もー茶化さないでよ!」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/31(火) 20:09:45.13 ID:L9oCnlUw0
千歌「ごめんごめん、心配してくれたんだよね。そろそろ帰ろっか。リーダーなんだし、私がしっかりしなくちゃ!それにしても、塩水目にしみる〜」ごしごし

梨子「…」


梨子「…確かに」


梨子「あれはおかしかったね」



千歌「…え?」

梨子「あの時は、正直追い詰められてから」

千歌「梨子ちゃん?」

梨子「ピアノが弾けなくなって、追い詰められてて、1人じゃどうしようもできかった。とても不安だった」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/31(火) 20:12:13.43 ID:L9oCnlUw0
千歌「…梨子ちゃん」

梨子「でもあの時、千歌ちゃんは私と一緒に飛び込んでくれた」

梨子「見ず知らずの私に、同じ目線で一緒に話をしてくれたし、聞いてくれた」

千歌「…そう、だっけ」

梨子「うん。正直あの時は訳分からなかったよ、いきなりスクールアイドルの話始めたりしてさ」

千歌「あ、あはは…」


梨子「ねぇ千歌ちゃん」



梨子「そんなに強がる必要ある?」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/31(火) 20:14:51.52 ID:L9oCnlUw0
千歌「え」


梨子「リーダーだからって、無理する必要あるのかなって」

千歌「…そ、そんな、無理なんてしてないよ。やだな〜梨子ちゃん」


梨子「確かに周りをグイグイ引っ張って行くリーダーなら、みんな安心して付いていける。でも、みんなと一緒に悩んで、同じ目線で話してくれるリーダーも素敵だと思うの」


梨子「私は千歌ちゃんがリーダーで良かったって思ってるよ。それにみんなも」




千歌(…)
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/31(火) 20:17:09.51 ID:MVvFmqm5O
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12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/31(火) 20:19:01.32 ID:L9oCnlUw0
千歌「…でもね、梨子ちゃん。そんな頼りない私のせいでみんなに辛い思いをさせちゃったんだよ」

梨子「1番辛いのは、千歌ちゃんでしょ?」

千歌「…え」

梨子「千歌ちゃんが、1番スクールアイドルやりたがってたじゃない。今まで千歌ちゃんが必死に頑張ってきたの、私知ってるよ」

千歌(私が…やりたがってた…)


梨子「強がらなくていいよ、千歌ちゃん。悔しいよね、私も悔しい…!」


千歌「梨子、ちゃん…」
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/31(火) 20:22:12.05 ID:L9oCnlUw0
曜「千歌ちゃんは肝心な所で弱みをみせないからね」

千歌「よ、曜ちゃん…!?どうしてここに」

曜「2人と一緒、やっぱ眠れなくてね。みんなもそうみたい」


千歌(―――みんな!?)


ルビィ「千歌先輩、わたし達話し合ったんです!やっぱり諦めたくないって…」

花丸「わたし達もっともっと練習頑張りますっ!だから…」

善子「こんなところで諦めるなんて言わないでしょ、‘リーダー’?」


千歌「みんな…」

曜「…だってさ」

梨子「千歌ちゃんは、どうしたい?」にこっ


千歌「私は…」



千歌(―――そうだ)
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/31(火) 20:26:47.47 ID:L9oCnlUw0
千歌「曜ちゃん」

曜「…ん?」

千歌「私ね、悔しい。」

千歌「悔しいんだよ、曜ちゃん」

曜「…うん」ニコ


千歌「私ね…、私なんかが悔しいなんて思うのおかしいって思ってた…!」ぽろぽろ

千歌「だって…、だって悔しいって思う権利がある人は、譲れないものがある人だからっ…!」グスッ

千歌「なんの取り柄もない私が…、何もない私が悔しがるなんて…そんなの…おかしいじゃん」

曜「…」


千歌「でもね、どうしてもやっぱり悔しいんだよ…!!」
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/31(火) 20:29:26.15 ID:L9oCnlUw0
千歌「私、スクールアイドルだけは譲れないみたい…」

千歌「これだけは…、譲れない。譲りたくない…!!」グスッ

曜「…そっか」よしよし

千歌「うぅぅ…」


千歌「うわあああん、悔しいよおお」ボロボロ

千歌「悔しいよおうわあああん」


曜「うん…うん…」

―――――
―――
――
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/31(火) 20:31:30.25 ID:L9oCnlUw0
翌日、理事長室



鞠莉「お帰りなさい。どうだった、東京は?」

千歌「やっぱり…、東京はレベルが全然違いました。私たちじゃ手も足も出なかったです」

鞠莉「そう」

千歌「考えの甘さを思い知らされました」

鞠莉「ふぅん」


千歌「でも」


鞠莉「ん?」



千歌「私、改めてスクールアイドルは凄いなって思ったんです…!みんな精一杯輝こうとしてて…、改めて惹きこまれました!私たちも負けたくないって、上を目指そうって…!」


千歌「そう決めたんです、みんなで!」

鞠莉「…」


千歌「私達は、ラブライブを目指します…!!」



鞠莉(…ふふ)
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/31(火) 20:35:04.80 ID:L9oCnlUw0
鞠莉(…ふふ)

鞠莉「いい事ね」にっこり

千歌「はい!!」

鞠莉「――でも残念」

千歌「え?」




鞠莉「あなた達じゃラブライブには出られないの」
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/31(火) 20:38:46.63 ID:L9oCnlUw0
みんな「…!!!」

曜「ど、どうしてですか?!」

鞠莉「今のあなた達じゃ『壁』を超えられないから♡」

花丸(壁…?)

善子「だ、だから…、今からたくさん練習して」

鞠莉「ふふっ、いい心がけね。でも」




鞠莉「――それだけじゃ、だ・め・な・の♡」ズズズ


鞠莉「さて、私は今何をしているでしょう?」ニヤリ
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/31(火) 20:43:45.64 ID:L9oCnlUw0
梨子「な、何って」

善子「何もしてないでしょ!?」

鞠莉「うーん、残念。あなたには見えないのね」

善子「?!、み、見えるわよ!」

花丸「善子ちゃん何がみえてるずら?」

善子「え、えーと…そう!!理事長の背に漆黒の翼が…!」

鞠莉「はずれ♫」

善子「なんでよ!私だって見えるんだからぁ」

曜「…なんか」


鞠莉「はい、渡辺さんなんでしょう」

曜「気のせいかもしれないですけど、理事長の雰囲気が変わったような…」


鞠莉(…ふーん、なるほど。この娘はいい線いってるわね)


鞠莉「タイムアップ。残念〜、ここまでよ♡」



鞠莉「今、私は『念』をつかってまーす」ズズズ
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/31(火) 20:50:01.49 ID:L9oCnlUw0
曜「念…?」

善子(何言ってんの、この人…)

鞠莉「んー何から説明したものかしら。念ていうのは誰もが持ってる潜在能力みたいなものね、ざっくり言うと」

善子(私にもそんな力があるのかしら…!!)わくわく

花丸「…善子ちゃん」シラー


梨子「あ、あの!話が見えないんですが…」

鞠莉「うーん、そうね。千歌っちがスクールアイドルに憧れた理由ってなんだっけ?」

千歌「え?えーっと…秋葉原でμ'sの映像を見て…、それが凄い輝いて見えて…、私も輝きたいって思ったからで―――


鞠莉「グレイト!いってしまえばあなたはμ'sのオーラに惹かれたって訳ね」
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/31(火) 20:56:21.58 ID:L9oCnlUw0
千歌「μ'sの…オーラ…?」

鞠莉「オーラは人を惹きつける。程度の差こそあれ世間で持て囃されているアーティストや大企業の社長さんなんかは人より強いオーラを持っていると言われているわ。意識しているかは別としてね♪」

ルビィ「…ということは」

鞠莉「昨今のスクールアイドルブームは、彼女たちの持つオーラがそうさせていることになるわね♡」


みんな「――――!?」



鞠莉「そして、ラブライブの上位に入るスクールアイドルになれば、全員それを『意識して』使っているわ」
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/31(火) 21:14:39.18 ID:L9oCnlUw0
千歌(あの時―――)

千歌(秋葉原でμ’sを見て感じたアレは…、μ’sのオーラだったの…?)

曜「じゃあ…、いや全然話飲みこめてないんですけど…、ラブライブで上を目指すためにはオーラが使えることが前提ってことになるんですか…?」

鞠莉「イエス♡いわゆる裏条件て奴ね。上に行くのにオーラが使えなくちゃ話にならないわ。」

花丸「そんな…」

鞠莉「今のラブライブは当初想定していたレベルを遥かに超える事態になっているのは知ってるわよね、μ’sやA−RIZEの影響でね。スクールアイドルの技術自体は当時と比べ物にならないほど進化した。それこそオーラが必須になるほどに。」




鞠莉「でも未だに彼女たちは夢見る少女を惹き続けている…。一体どれほどの念能力者だったのかしら…♫」


千歌「…」
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/31(火) 21:19:30.57 ID:L9oCnlUw0
鞠莉「ペラペラ喋ったけど早い話、ラブライブは念能力が使えないようじゃ通用しないってこと」

千歌「念能力…」

鞠莉「ええ、人を惹きつけると言われているオーラを念能力にまで昇華させる程の使い手になれれば取り敢えず勝負の舞台には立てるわね♫。そこから先になってやっとパフォーマンスの勝負ってところかしら。これで練習云々は2の次だって分かったでしょ?」


善子「じゃあ、早く念能力ってのを身につけなくちゃじゃない…!」

鞠莉「うーん、それは無理ね」

善子「ええー、なんでよ!」

鞠莉「言っとくけど念能力は1日、2日でなんとかなるものじゃ無いの。とても長い時間が必要よ?ラブライブ選考は9月から始まる、どう考えても間に合わないわ」
 

梨子「そんな…」

曜「鞠莉さんはそれ、どれくらいでものにしたんですか?」
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/01(水) 00:59:37.85 ID:5ReD+QW80
鞠莉「うーん、だいたい3ヶ月ね。でもそれはただ使えるっていう状態よ。ものにしたって意味じゃ1年はかかったわ」


ルビィ「もう2ヶ月しかないのに…1年…」

鞠莉「残念だけどね。そこであなた達に提案があるの」

千歌「?」

鞠莉「―――今回のラブライブエントリーは、旧aqoursに譲ってくれないかしら」


みんな『旧aqours〜〜?!』



―――――
―――
――
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/01(水) 01:03:26.47 ID:5ReD+QW80
曜「まさか果南ちゃんや生徒会長もスクールアイドルをやっていたなんて…」

ルビィ(お姉ちゃん…)

鞠莉「私達も2年前東京に行った。結果はあなた達と同じよ。今言った見えない壁に行く手を阻まれた」


鞠莉「私の留学もあって活動は有耶無耶になってしまったけど、私達は諦めたわけじゃ無い。この2年間、わたしはずっと念能力を磨いてきた。他の2人もそうよ。私達3人なら、ラブライブでも戦えるわ。」

善子「だから譲れと…?!」

鞠莉「あなた達はまだ来年があるじゃない。私達はこれが最後なの。」

曜「それは」


鞠莉「もちろんこっちの勝手な都合よ。そうね、じゃああなた達は名前を変えてエントリーするのはどう?まぁ、あなた達が万が一地区予選まで残っていたとしてもそこで私達に負けるんでしょうけど」
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/01(水) 01:12:11.97 ID:5ReD+QW80
千歌「そんな…!名前は…捨てられないです。この名前を呼んで、応援してきてくれた人達もたくさんいるから…!」

鞠莉「なら、今年は力を磨きなさい」

千歌「あ、あの…私達、一緒のグループでやっていく事はできないんですか…?理事長たちなら喜んで」

鞠莉(…。)

鞠莉「…無理ね。今のあなた達じゃ私達からしたらただの足枷よ。言っておくけど名前を捨てられないのはこっちも同じ。これは大切な名前だからね。ラブライブは私達の夢だから、絶対に譲れないわ」


千歌(…!)

譲れない?

そうだよ
それなら…私だって…!


千歌「譲れないのは…、私達も同じです…!!」
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/01(水) 01:15:22.36 ID:5ReD+QW80
曜(千歌ちゃん…)ギュッ

鞠莉(…ふふ)


鞠莉「困ったわねぇ。じゃこうするのはどうかしら♡まだ予選までは2ヶ月あります。そこまでにどちらが出場にふさわしいか勝負しない?どちらも折れないのなら、相手を折ってでも進むしかない…そうでしょ?これなら分かりやすくて良いと思うんだけど♫」


千歌「勝負…?」


鞠莉「もちろんカラオケバトルだとか、ダンスバトルだとか、男坂階段駆け上がり競争だとかじゃ無いわ。念能力を使った勝負。念とは言ってしまえば『その人の力そのもの』。才能、努力、気持ちーー全てがそこに集約される」




鞠莉「――決着に相応しいと思わない?」うふふ
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/01(水) 01:20:47.55 ID:5ReD+QW80
梨子「そんな、理事長言ったじゃないですか…。今日知って明日できるものじゃ無いって!」


鞠莉「フェアな勝負じゃないと?でもラブライブには暗黙のルールとして念の習得があるんだし、勝負の条件としては妥当じゃ無いかしら?もちろんハンデはつけるわ。勝負はこちら3人と、あなた達6人。単純計算で2対1。これでどう?私達に2人がかりで勝てないようなら、どちらにせよあなた達に先はない。」


鞠莉「…譲れないっていうなら、奪われないような『力』が必要だと思う。どうかしら?」
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/01(水) 16:36:54.33 ID:5ReD+QW80
千歌「分かりました。やります」



鞠莉(…♡)

梨子「千歌ちゃん?!」


鞠莉「千歌っちはもっとおっとりとした子だと思ってたのにな〜。先輩を立ててくれるような♡」


千歌「そう見えていたのなら、…それは私に譲れないものがなかったからです。でも、今はもう違う。先輩たちがワガママ言うのなら、私たちも言わせてもらいます」

鞠莉「…ふーん♪」


千歌「あ…!ご、ごめんねみんな。勝手に1人で突っ走っちゃって…。あの――

梨子「…いいよ、"リーダー"。やりましょ!」

千歌「梨子ちゃん…」
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/01(水) 16:38:47.11 ID:5ReD+QW80
ルビィ「ルビィも…、せっかくスクールアイドルになれたのに…その夢を今更譲るなんてできないです…!」

花丸「マルも、ルビィちゃんと同じずら!」

善子「念能力ねぇ…。ま、ヨハネなら楽勝よ。私は既に天界から授かりし闇の力にめざめているもの♪」


曜「…だってさ。私ももちろん付き合うよ、千歌ちゃん♫」


千歌「みんな…。ありがとう…!!」

鞠莉(…ふふ)
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/01(水) 16:43:48.63 ID:5ReD+QW80
鞠莉「ok〜、分かったわ。それなら日を決めてなかったわね。9月手前、夏休み最後の日。この日に決着をつけるのでどうかしら?その後のことを考えるならこの日が限度よ。ここまで待ってあげる♡」

千歌「わ、分かりました」

鞠莉「うふふ、健闘を祈るわ。でも諦めるなら早く言ってね〜、私たちも忙しいんだから…♪」

千歌「諦めませんよ、絶対に」

鞠莉「ふふ…、そ。あ、最後に一応言っておくけどね…みんな」

みんな「…?」

鞠莉「手加減はしないから」


――――?!

千歌「…はい」ぞくぞく
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/01(水) 16:56:13.63 ID:5ReD+QW80
――――――
―――


ダイヤ「それで、あの子達はなんと?」

鞠莉「ふふ、乗って来たわよ。散々煽ったしね〜♫」

果南「前に…、進むんだね」

鞠莉「…だから言ったでしょ。前に進むしかないの♪なんたってあの子たちはスクールアイドルなんだし」

果南「…だね。良かったよ、本当に」

ダイヤ「こうなると、大変なのはむしろここからですわね。期日まで2ヶ月しかありませんのよ」

鞠莉「んー。でもラブライブを目指すって言ったんだから、それくらいはやって貰わないとねぇ…♫」


ダイヤ「こればかりは気持ちでどうこうできる世界でもないですが。しかし、あの子達は未熟だけど持ってはいると思います。スクールアイドルに必要な『何か』を」
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/01(水) 17:40:49.28 ID:5ReD+QW80
鞠莉「そうね。それで、どう?2人とも調子は。あの頃からなまってないかしら」 ニヤリ

果南「ま、それなりかな」ふふん

鞠莉「あー怖い、これは千歌っち達も大変ね。このままじゃ本当に私たちがラブライブに出ることになるかもしれないわ。私、まだ2人とラブライブに出ること諦めたつもりないのよ?」チラリ

ダイヤ「ふふ。どの道全力で当たるだけですよ、鞠莉さん。私たちを超えられないようでは全国でも戦えないでしょうから…。その件についてはその時になったら考えましょうか」ふふ

果南「あとはあの子たち次第だね。楽しみに待っていようか」


鞠莉「うふふ。まだ始まってもいないのに、今から夏休み明けが楽しみだわ♡」
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