【ミリマス】琴葉「プロデューサーレベルが」紗代子「上がりました!!」

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1 : ◆Xz5sQ/W/66 [sage saga]:2018/08/25(土) 01:11:25.35 ID:ep1+7OqQ0

琴葉「プロデューサーのレベルがアップした。その不可解で不思議な現象は」

琴葉「劇場の定期公演も終わり、後片付けもあらかた済ませた頃に起こったのです」

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2 : ◆Xz5sQ/W/66 [sage saga]:2018/08/25(土) 01:14:02.70 ID:ep1+7OqQ0
===

紗代子「お疲れ様です琴葉さん。今日の公演も大成功でしたね」

琴葉「ふふっ、そっちもお疲れ様」

琴葉「確かに紗代子が言う通り、今日はお客さんの反応だって良かったし」

琴葉「成功したって、胸を張って言いきってみても構わないかも」


P「おいおい、琴葉はまたなーにをイイ子してるんだか」

琴葉「っ!? プロデューサー!」

紗代子「お疲れ様です!」
3 : ◆Xz5sQ/W/66 [sage saga]:2018/08/25(土) 01:14:36.38 ID:ep1+7OqQ0

P「うん、二人ともお疲れ様。着替えも終わってるみたいだな」

P「今日の公演、端で見てた俺も手応えを感じるデキだったぞ」

琴葉「ほ、本当ですか?」

P「嘘ついてどうする」

紗代子「ふふっ、それもそうですよね」

紗代子「琴葉さん、もっと自信を持ってください!」

琴葉「そういう紗代子も褒めて貰ってるんだからね」


P(うんうん、仲良きことは美しきかな)

P(本番が終わればこうしてきゃっきゃしてる二人でも)

P(練習時やステージの上じゃあ切磋琢磨するライバル同士)

P(むぅ、実に青春である!)
4 : ◆Xz5sQ/W/66 [sage saga]:2018/08/25(土) 01:15:48.53 ID:ep1+7OqQ0

琴葉「……ところでプロデューサー。一つ、気になってることがあるんですけど」

P「気になること?」

琴葉「はい。……その頭の上にあるのは一体」

紗代子「漫画の吹き出しみたいなのがプロデューサーから出てますけど」


吹き出し『プロデューサーレベルアップ!』


P「むっ! やっぱり二人には気づかれたか」

琴葉「気づきますよ!」

紗代子「目立ちますし!」
5 : ◆Xz5sQ/W/66 [sage saga]:2018/08/25(土) 01:16:47.30 ID:ep1+7OqQ0

琴葉「レベルアップって文字が読めますけど……」

P「そうなのだ。どうも、今回の定期公演で得た経験でレベルが上昇したらしい」

紗代子「はぁ……レ、レベルがですか」

琴葉「にわかにはとても信じられない話ですね。この目で直接見てるのに……」

P「まっ、普段から不可思議な怪現象には困ってないのが765プロだ」

P「そこでプロデューサーをしてるんだぞ? この程度で一々驚いてちゃあ身ももたんさ」

琴葉(だからって、慣れたらいいって話でもないような)

紗代子(プロデューサーでそれだったら、いつかアイドルの私たちにも似たようなことが?)
6 : ◆Xz5sQ/W/66 [sage saga]:2018/08/25(土) 01:18:34.24 ID:ep1+7OqQ0

P「だけど、レベルが上がったからってどうなる話でもないんだよな」

P「妙ちきりんなポップアップが出てるだけで、何かが変わったような気もしないし」

紗代子「……確かに、見た目の変化はないですよね」

琴葉「うん。いつも通りにカッコ良くて」

紗代子「そう、頼れる雰囲気が端々に――」

紗代子(って!? い、今、私とんでもないことを口走ったような!?)

琴葉(あ、あわわわっ! 私ったら何を言って……プロデューサーの目の前なのに!)
7 : ◆Xz5sQ/W/66 [sage saga]:2018/08/25(土) 01:19:12.00 ID:ep1+7OqQ0

P「はっはっはっ! だろう? いつも通りにカッコ良くて頼れるプロデューサーだ」

琴葉「!」

紗代子「!!」

P「二人に褒めて貰えて嬉しいよ。ありがとうな」

琴葉「い、いいえ、そんな! 喜んでもらえたのなら……ねっ、紗代子?」

紗代子「そっ、そうですよ! 琴葉さんも言った通り、私たちがプロデューサーを頼りにしてるのは事実ですから!」

P「なっはっはっ、褒め殺しもそのぐらいで勘弁してくれよ」

琴葉「あはは、褒め殺しだなんて。……すみません、ちょっと困らせちゃいましたね」

紗代子「ふふっ。悪気はなかったんですけど」

P「そうだろうそうだろう、あっはっはっはっはっ――」
8 : ◆Xz5sQ/W/66 [sage saga]:2018/08/25(土) 01:19:43.97 ID:ep1+7OqQ0

P「…………ふぅ」


P(っぶねーっ! なんだ急に、二人ともカッコいいだとか頼れるとか!)

P(そういうこと、マジな顔で言われるとオニーサン勘違いしちゃうから!)

P(そりゃあ最近はだいぶ打ち解けて来たとは思ってたけど、思ってたけども!)

P(不意打ちはダメだよ不意打ちはさぁ。特に、普段からそういうことを言いそうにない二人だから余計にびっくりしちゃったよぉ〜!!)

P(あー、もー、いかんいかん! ……気を引き締めろよ、俺。あんまりにやついてると気味悪がられるぞ)
9 : ◆Xz5sQ/W/66 [sage saga]:2018/08/25(土) 01:20:19.31 ID:ep1+7OqQ0

琴葉「…………」


琴葉(――どうしよう。プロデューサーが黙っちゃった)

琴葉(やっぱり私が、カッコいいとか急に言っちゃったからかな?)

琴葉(でもでもでも! ちょっとお調子者だけど、仕事中のプロデューサーは実際カッコいいし)

琴葉(特に、今みたいに考え事してる横顔が素敵。……それに今日はいつもの二割、三割、ううん五割増しぐらいでそう感じる)

琴葉(……変、かも。さっきから私、妙に浮ついた気分になってるな……どうしてだろう?)
10 : ◆Xz5sQ/W/66 [sage saga]:2018/08/25(土) 01:20:48.82 ID:ep1+7OqQ0

紗代子「…………」


紗代子(こ、困っちゃうな。二人とも静かになっちゃうと、私、何話せばいいかわかんないよ)

紗代子(プロデューサーの吹き出しだって気になるけど、琴葉さんの熱い眼差しも気になるし)

紗代子(……薄々感じはしてたけど、この人もプロデューサーのこと好きなのかな?)

紗代子(地味な私なんかが贅沢言わない。プロデューサーには、悩み事を聞いてもらえるだけでもいいと思ってたけど)

紗代子(も、もう少しぐらい、積極的にアピールしていくべきなのかも……でないと)

紗代子(でないと、プロデューサーが私の前からいなくなりそう。……それは嫌だな)
11 : ◆Xz5sQ/W/66 [sage saga]:2018/08/25(土) 01:21:46.88 ID:ep1+7OqQ0

紗代子「――プロデューサー、ちょっといいですか?」

P「ん、ど、どうした紗代子?」

紗代子「その頭の上に出てるやつって、直接触ってみたりできるんでしょうか?」

紗代子「いつまでもそのままっていうのは気になりますし」

紗代子「閉じるというか消せるのなら、そうした方がいいんじゃないかなって」
12 : ◆Xz5sQ/W/66 [sage saga]:2018/08/25(土) 01:22:20.93 ID:ep1+7OqQ0

琴葉「そ、そうですね。プロデューサー、そのままだと外に出た時目立ちますよ」

P「むぅ、二人の言うことも一理あるな」

P「触らぬ神にもってことで、勝手に消えるまで無視しようとも思ってたけど」

紗代子「ダメですよそんな! 寝てれば風邪は治るみたいな考え」

琴葉「私も紗代子の意見に賛成です。とりあえずそこの椅子に座ってもらえますか?」

琴葉「このままだと、私たちにはちょっと目線が高すぎるので」

P「分かった、座ろう――よっと」

琴葉「それじゃあプロデューサー、前を失礼します」

紗代子「あっ! 私も一緒に」

P「う、うん。ケンカはしないようにな」

P「……あっ!?」
13 : ◆Xz5sQ/W/66 [sage saga]:2018/08/25(土) 01:23:12.18 ID:ep1+7OqQ0

P(……って、迂闊だった。言われるままに座ったけど)

P(この姿勢じゃ、目線の高さに丁度彼女ら二人の胸が、胸がっ!)

P(しかも何だかいい匂いもするぞ……)

P(公演が終わって衣装から着替えているからだ。シャワーを使った後だからだ!)


琴葉「……びっくり。この吹き出し平べったいけど触れるのね」

紗代子「SFとか、出てきますよねこういうの」

紗代子「機械から何もないトコにパって感じで」

琴葉「うん。そういうイメージは確かにあるね」


P(触れるホログラムってやつか……)

P(しかし、君ら二人が吹き出しをどうにかしようとすればするほどに)

P(俺の目の前では二つの膨らみが無邪気に押し合いへし合い)

P(畜生、耐えろ俺! 耐えるんだ俺っ! 真面目にやってくれてる二人に失礼だろう!)
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