【予定は未定】ライラ「大体三周年でございます」 千早「ええ、そうね……」

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1 : ◆Hnf2jpSB.k [sage saga]:2018/10/31(水) 20:10:17.56 ID:t7yFmC8f0
・アイマス×モバマス
・ただ散歩するだけ
・ヤマ、オチ特になし
・口調等に違和感があったらごめんなさい

↓なお前回
【予定は未定】千早「暑いわね……」 ライラ「水に流しましょー」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1534171055/


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1540984217
2 : ◆Hnf2jpSB.k [sage saga]:2018/10/31(水) 20:12:53.96 ID:t7yFmC8f0

千早「皆さんこんばんは、如月千早です」

ライラ「ライラさんでございますよー」

千早「どうにか続いているこの番組、どうやら三周年のようです」

ライラ「おー、なんだかあっという間でございましたねー」

千早「ええ、そうね……」

ライラ「千早さん?」

千早「いえ、そもそも放送回数が少ないから……ね」

ライラ「うーん、それは確かにその通りなのです」
3 : ◆Hnf2jpSB.k [sage saga]:2018/10/31(水) 20:13:21.86 ID:t7yFmC8f0

ライラ「ですが、すぐに終わるかもしれなかったのですよ」

千早「まあ、確かに」

ライラ「皆さんの応援のお陰で続いているのでございますから、それはいいことなのです」

千早「そう……ね」

ライラ「ですので千早さん、笑顔なのです」

千早「ライラさん?」

ライラ「笑顔は幸せの素なのですよ」

千早「ふふ、ライラさんが言うと説得力があるわね」

ライラ「ふふー」
4 : ◆Hnf2jpSB.k [sage saga]:2018/10/31(水) 20:13:55.44 ID:t7yFmC8f0

千早「さて、と。それじゃあ気を取り直していきましょうか」

ライラ「はいですよ」

千早「……今日はなぜか、ゲストのことを教えてもらっているのよね」

ライラ「おー……」

千早「いえ、それが普通なのだけれど、なんだか逆に落ち着かないわ」

千早「何かの布石とかじゃないでしょうね……」

ライラ「まあまあ、考えても仕方がないのですよ」

千早「……ええ、そうね」

千早「(警戒だけはしておきましょう)」
5 : ◆Hnf2jpSB.k [sage saga]:2018/10/31(水) 20:15:22.49 ID:t7yFmC8f0

ライラ「それでは、ゲストは千早さんが紹介されるのでございますか?」

千早「どうやらそのようね」

千早「では本日のゲスト、高森藍子さんです」

藍子「ふふ、よろしくお願いしますね」

ライラ「おー、ようこそなのです藍子さん」

千早「高森さんは、ライラさんと同じ事務所なのよね」

ライラ「そうなのですよ」

藍子「でも、一緒にお仕事する機会はあんまりなくて」

千早「そうなの?」

ライラ「あー、ライラさんの事務所はたくさん人がいますですから」

千早「ああ、確かに」

藍子「でも、プライベートで一緒になることはよくありますよ?」

ライラ「藍子さんとはお散歩友だちなのですよ」

千早「なんだか楽しそうね」

藍子「はい、それはもう!」

ライラ「えへへー」
6 : ◆Hnf2jpSB.k [sage saga]:2018/10/31(水) 20:16:14.04 ID:t7yFmC8f0

千早「成程、それで今日は散歩なのね」

ライラ「お散歩でございますか」

千早「ええ、『適当に歩いてください』ですって」

ライラ「おー……」

千早「相変わらず、他は何も決まってないみたいよ」

藍子「ふふっ、素敵ですね」

千早「…………え?」

藍子「あれ、何か変なこと言っちゃいましたか?」

ライラ「いえいえ、大丈夫でございますよ」

千早「ええ。ただちょっと、反応が新鮮だったものだから」
7 : ◆Hnf2jpSB.k [sage saga]:2018/10/31(水) 20:17:01.92 ID:t7yFmC8f0

藍子「えっと?」

千早「この番組、最初に呆れられることが多いから」

ライラ「なにしろ、行き当たりばったりでございますからねー」

千早「だから、高森さんが悪いわけではないのよ」

藍子「ふふ、そういうことですか」

ライラ「ですので、藍子さんはいつも通りでいいのですよ」

藍子「え、本当にそれでいいんですか?」

千早「……何かあるのかしら?」

藍子「いえ、私ってすぐ寄り道とかしちゃうので。収録の時間とかは……」

千早「この番組、そういうのは基本的に自由だから」

ライラ「お気になさらずなのですよー」

藍子「ふふ、そうなんですね」

千早「それでは、行きましょうか」

ライラ「予定は未定、始まりますですよー」
8 : ◆Hnf2jpSB.k [sage saga]:2018/10/31(水) 20:17:54.41 ID:t7yFmC8f0

***************************


ライラ「だいぶ涼しくなりましたですねー」

千早「ある日いきなり秋になったような感じよね」

藍子「残暑が厳しいというより、ずっと夏だった気がします」

ライラ「ザンショ……でございますか?」

千早「季節は秋なのに、夏の暑さが残っている気候のことよ」

ライラ「おー、なるほどー」

藍子「お洋服の入れ替えとか、ちょっと困っちゃいました」

千早「確かに、慌ててコートを引っ張り出したわね」
9 : ◆Hnf2jpSB.k [sage saga]:2018/10/31(水) 20:18:30.38 ID:t7yFmC8f0

ライラ「ふふー、ライラさんにはこのカーディガンがあるのでポカポカなのですよ」

藍子「ふふふ、お役に立っているみたいで何よりです」

千早「……?」

ライラ「こちらは藍子さんから頂いたカーディガンなのです」

藍子「ライラちゃん、秋冬用のお洋服があんまりないって言ってたので」

千早「成程」

ライラ「藍子さん以外にも、色んな方からお洋服頂いたのですよ」

藍子「ちょっとしたファッションショーみたいでしたね」

千早「ふふ、目に浮かぶようだわ」
10 : ◆Hnf2jpSB.k [sage saga]:2018/10/31(水) 20:18:58.42 ID:t7yFmC8f0

ライラ「ですが、少し困ったこともございまして」

藍子「そうなんですか?」

ライラ「実は、頂いたお洋服に合うものを探すのがなかなかに難しいのです」

千早「あらら」

藍子「嬉しい悲鳴、でしょうか」

ライラ「ですので、よろしければアドバイスが欲しいのですよ」

千早「…………私には荷が重いかしら」

藍子「私も……誰かのコーディネートっていうのは、ちょっと自信がないです」

ライラ「おー……」
11 : ◆Hnf2jpSB.k [sage saga]:2018/10/31(水) 20:19:29.48 ID:t7yFmC8f0

千早「そういうのが得意な人に頼むのが一番だと思うけれど」

藍子「そうですね……美嘉ちゃんに加蓮ちゃん、きらりちゃんなんかは得意だと思います」

ライラ「なるほどー」

藍子「私からも声をかけてみますね」

ライラ「よろしいのですか?」

藍子「その代わり、私もついて行きたいかなって」

ライラ「おー、大歓迎でございます」

藍子「ふふ。私もお勉強したいですし」

千早「(私も、美希に聞いて勉強しようかしら)」
12 : ◆Hnf2jpSB.k [sage saga]:2018/10/31(水) 20:20:16.58 ID:t7yFmC8f0

――――――
――――
――

藍子「ちょっと、こっちに行ってみてもいいですか?」

千早「ええ。元々目的地もないのだし」

ライラ「ふふー、路地裏探検ですねー」

千早「特別何かがある、というわけでもなさそうだけれど」

藍子「ふふ、そうでもないんですよ?」

ライラ「路地裏にはステキな出会いがいっぱいなのです」

千早「そうなの?」

ライラ「藍子さんはステキを見つける名人さんなのですよ」

藍子「そんな風に言われると照れちゃいますね」

千早「ふふっ」
13 : ◆Hnf2jpSB.k [sage saga]:2018/10/31(水) 20:21:24.61 ID:t7yFmC8f0

ライラ「おー、猫さんでございます」

千早「あら、本当」

ライラ「えーと、ねこじゃらし、ねこじゃらしはございませんですかねー」

藍子「ライラちゃん、はい」

ライラ「おー、ありがとうございますですよー」

千早「なんでそんなに都合よく……」

藍子「そこに生えていたんですよ、ホラ」

千早「ああ、成程」

ライラ「猫さーん、猫さーん」

千早「ふふ、首ったけって感じね」
14 : ◆Hnf2jpSB.k [sage saga]:2018/10/31(水) 20:22:29.04 ID:t7yFmC8f0

藍子「わぁ、綺麗なコスモス」

――あら、嬉しいこと言ってくれるねぇ

藍子「これ、お婆さんが?」

――ふふ、そうよ

藍子「とっても素敵です」

――ありがとうね

ライラ「おー、猫さんねこじゃらしに夢中でございますねー」

藍子「写真撮らせてもらってもいいですか?」

――ええ、もちろん

千早「……二人とも、自由ね」

ライラ「猫さん、触らせていただいてもよろしいでしょうか?」

藍子「撮った写真、今度持ってきますね?」

――じゃあ、お茶を用意して待ってるわね

藍子「ふふっ、楽しみです」

ライラ「おー、そんな気分ではございませんでしたか。残念です」

千早「…………収集付くのかしら、これ」
15 : ◆Hnf2jpSB.k [sage saga]:2018/10/31(水) 20:23:11.60 ID:t7yFmC8f0

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千早「二人で散歩をしている時って、いつもああなのかしら」

藍子「まあ、大体あんな感じでしょうか」

ライラ「時間があっという間に経ってしまうのですよ」

藍子「そうなんですよね」

千早「ええ、そうでしょうとも」

ライラ「千早さん、今度はこちらの公園に行ってみたいです」

千早「いいんじゃないかしら」

ライラ「今ならどんぐり拾い放題なのですよ」

千早「ああ、そういうこと」
16 : ◆Hnf2jpSB.k [sage saga]:2018/10/31(水) 20:24:00.71 ID:t7yFmC8f0

藍子「どんぐり、ですか?」

ライラ「ふふー、どんぐりは美味しいのです」

藍子「え?」

千早「以前この番組で出会ったお爺さんに食べ方を教わったのよ」

ライラ「はいですよ」

藍子「そう……なんですか」

ライラ「それに、やよいさんから頂いたレシピもあるのです」

藍子「やよいさん?」

千早「ウチの事務所の高槻さんが、ライラさんにって」

ライラ「えへへー、節約レシピと一緒に大活躍なのでございます」

千早「高槻さんが聞いたら喜ぶわ、きっと」

ライラ「今度お礼をしに行きますですよ」

千早「帰ったら伝えておくわね」
17 : ◆Hnf2jpSB.k [sage saga]:2018/10/31(水) 20:24:42.23 ID:t7yFmC8f0

ライラ「それでは行ってきますですよ」

千早「ふふ、いってらっしゃい」

藍子「ライラちゃんって、本当に顔が広いですよね」

千早「なんていうか、壁がないのよね」

藍子「分かります」

千早「でも、高森さんだってそう見えるわよ?」

藍子「そうですか?」

千早「さっきだって、あっという間にお婆さんと仲良くなってたじゃない」

藍子「言われてみれば、そうかもしれませんね」
18 : ◆Hnf2jpSB.k [sage saga]:2018/10/31(水) 20:25:51.17 ID:t7yFmC8f0

千早「そういえば高森さん、さっき写真を撮っていたみたいだけれど」

藍子「ふふ、素敵なものを見るとつい撮りたくなっちゃうんです」

千早「……これは、ひょっとしてフィルム式なのかしら」

藍子「いいえ、デジタルカメラですよ?」

千早「え? でも、画面が付いていないけれど」

藍子「ふふっ、こういうタイプのトイカメラなんです」

千早「トイ……カメラ?」

藍子「普通のカメラより画質が低くて、独特な味のある写真が撮れるんですよ」

千早「そんなカメラもあるのね」

藍子「それにこれは液晶画面がないので、どんな写真が撮れたかは後のお楽しみなんです」

千早「へぇ、なんだか面白そうね」
19 : ◆Hnf2jpSB.k [sage saga]:2018/10/31(水) 20:27:09.60 ID:t7yFmC8f0

藍子「千早ちゃんも写真を撮るんですか?」

千早「ええ。趣味といえるレベルでもないのだけれど」

藍子「趣味にレベルは関係ないと思いますけど……」

ライラ「ただ今戻りましたですよー」

千早「あら、お帰りなさい」

藍子「ふふ、随分拾ってきたんですね」

ライラ「えへへー、大漁でございます」

千早「まあ、ほどほどにね」

ライラ「ところでお二人は何をお話されていたのですか?」

藍子「私も千早ちゃんも、写真が趣味だったんですよ」

ライラ「おー、そういえばそうでございますねー」
20 : ◆Hnf2jpSB.k [sage saga]:2018/10/31(水) 20:27:57.71 ID:t7yFmC8f0

千早「意外なところに共通点があったわね」

ライラ「ライラさんはお二人の写真好きでございますよー」

千早「ライラさんはどっちの写真も見たことがあるのね」

ライラ「はいですよ」

ライラ「藍子さんの写真はあったかくて優しくて、見ているとポカポカしてくるのです」

藍子「ふふっ、ありがとうございます」

ライラ「千早さんの写真は、その時のことを思い出してニコニコになるのです」

千早「そう……だと、嬉しいわね。うん。」

ライラ「ライラさんもお二人のような写真を撮ってみたいですねー」

千早「あら、高森さんに教わればいいじゃない」

藍子「はい、大歓迎です」

ライラ「ですが、カメラはお高いのですよ」

千早「ああ」

藍子「使わなくなったカメラで良ければプレゼントしましょうか?」

ライラ「よろしいのでございますか!?」

千早「ふふ、よかったわね」

ライラ「はいですよ!」
21 : ◆Hnf2jpSB.k [sage saga]:2018/10/31(水) 20:30:46.25 ID:t7yFmC8f0

***************************


千早「ところで、私たち三人って同い年なのよね」

ライラ「おー、言われてみればそうでございます」

千早「まあ、十中八九スタッフは狙っていると思うけれど」

藍子「ふふ、でもなんだか不思議な感じですね」

ライラ「せっかくですので、またこの三人でお出かけしたいですねー」

藍子「あ、いい考えですね♪」

千早「そういうのも、良いかもしれないわね」
22 : ◆Hnf2jpSB.k [sage saga]:2018/10/31(水) 20:32:02.59 ID:t7yFmC8f0

ライラ「ふふー、同い年トリオでふらっとお散歩なのですよー」

藍子「三人でのんびりできたら、きっと楽しいです」

千早「…………」

千早「(ひどく不愉快な何かが、今……)」

ライラ「千早さん?」

千早「いえ、なんでもないの。なんでも」

藍子「本当に大丈夫ですか?」

千早「ええ。ごめんなさいね」

ライラ「むー、大丈夫ならいいのですが」

藍子「じゃあ気を取り直して、行きましょうか」

千早「ふふ、そうね」

ライラ「ライラさん、先ほど面白そうな所を見つけたのでございますよ」

藍子「じゃあライラちゃん、お願いしますね」

ライラ「はいですよー」
23 : ◆Hnf2jpSB.k [sage saga]:2018/10/31(水) 20:33:18.99 ID:t7yFmC8f0

――――――
――――
――

千早「ここ、ドッグラン?」

藍子「公園の中にこんなところがあったんですね」

ライラ「ふふー、どんぐりを拾いながら見つけたのです」

藍子「元気なわんちゃんがいっぱいですね」

ライラ「というわけですので、行ってきますです―」

藍子「……行っちゃいましたね」

千早「……さすがライラさんだわ」
24 : ◆Hnf2jpSB.k [sage saga]:2018/10/31(水) 20:33:45.32 ID:t7yFmC8f0

藍子「もしかして、千早ちゃんって犬が苦手だったりします?」

千早「え?」

藍子「なんだかちょっと及び腰なような……」

――ライラさんも一緒に遊ばせて頂いてもよろしいでしょうか

千早「いえ、怖いとか苦手だとかいうわけではないのだけれど」

千早「私が撫でようとすると、警戒されることが多いのよ」

藍子「ああ、それで」

千早「せっかくライラさんが楽しそうにしているのに、邪魔をしては悪いかなって」
25 : ◆Hnf2jpSB.k [sage saga]:2018/10/31(水) 20:34:45.14 ID:t7yFmC8f0

――おー、貴方はライラさんを気に入ってくださったようですねー

藍子「ふふ、さっそく懐かれているみたいですね」

千早「ライラさんのあの才能、ちょっと羨ましいわ」

藍子「確かに好かれやすい人はいますけど、千早ちゃんの場合はそういう問題じゃない気がします」

千早「どういうことかしら?」

藍子「いきなりわんちゃんの頭を撫でようとしたりしてませんか?」

千早「…………」

藍子「千早ちゃん、ちょっと想像してみてください」

藍子「自分の何倍も大きな相手が、目の前でいきなり手を振り上げてきたらどうします?」

千早「あまり想像したくないけれど、間違いなく身構えるわね……あっ」

藍子「ふふ、そういうことです」
26 : ◆Hnf2jpSB.k [sage saga]:2018/10/31(水) 20:37:09.07 ID:t7yFmC8f0

――ふふー、飼い主さんは犬さんに愛されていますですねー

千早「どうすればいいのかしら」

藍子「目線を合わせて、下から手を差し出すんです」

千早「成程」

藍子「匂いを嗅いでもらって、わんちゃんに許してもらってから、ゆっくり撫でればいいんですよ」

千早「その、許してくれたかどうかっていうのはどう判断するのかしら」

藍子「うーん、雰囲気……でしょうか」

――ライラさんと遊んでいても、ずっと飼い主さんを気にしていらっしゃるのですよ

藍子「あとは、飼い主さんと仲良くなっちゃうのもいいですね」

千早「飼い主と?」

藍子「だって、わんちゃんにとっての一番は飼い主さんじゃないですか」

千早「ああ、そういうこと」
27 : ◆Hnf2jpSB.k [sage saga]:2018/10/31(水) 20:37:48.36 ID:t7yFmC8f0

藍子「というわけで、さっそく行きましょう♪」

千早「あの、ちょっと……そんなに引っ張らないでも……!」

ライラ「おー、お二人ともいらっしゃいなのですよ」

藍子「ふふ、お待たせしました」

ライラ「こちらの犬さん、とても賢くて人懐っこいのですよ」

藍子「じゃあ千早ちゃん、頑張ってくださいね」

千早「え、ええ、そうね」

千早「(まずは目線を合わせて、手を下から……)」

千早「あ……」

千早「手を舐めてくれて……これ、大丈夫ってことよね?」

ライラ「ふふー、千早さんのことお好きなようでございますよ?」

千早「こんなに簡単なことだったのね……」
28 : ◆Hnf2jpSB.k [sage saga]:2018/10/31(水) 20:38:17.26 ID:t7yFmC8f0

藍子「よかったですね、千早ちゃん」

千早「ええ……って、ちょ、そんなに舐め……顔まで……くすっぐたいわ」

ライラ「犬さん大喜びでございます」

藍子「そうですね、尻尾をあんなに振って」

千早「え、ちょ、ちょっと、意外に力が強……きゃっ」

ライラ「おー……」

千早「分かった。分かったから、起きるまで待って……!」

藍子「ふふっ、楽しそうです」

千早「高森さんもカメラを構えてないで、助け……くっ、くふふっ」

ライラ「いい笑顔でございますねー」
29 : ◆Hnf2jpSB.k [sage saga]:2018/10/31(水) 20:38:51.09 ID:t7yFmC8f0

***************************


千早「…………ひどい目にあったわ」

藍子「でも、嬉しそうですよ?」

千早「ええと、その……確かに悪いことではなかったけれど」

ライラ「犬さんも千早さんも楽しそうでございました」

千早「でも、二人が全然助けようとしてくれなかったことは忘れないわ」

ライラ「お邪魔するのはよくないかなーと思ったのですよ」

千早「私、『助けて』って言ったわよ?」

藍子「あ、あはは……」

ライラ「……ごめんなさいです」
30 : ◆Hnf2jpSB.k [sage saga]:2018/10/31(水) 20:39:35.05 ID:t7yFmC8f0

千早「……まあいいわ。いい経験だったと言えなくもないし」

ライラ「……怒ってませんですか?」

千早「ふふ、もちろんよ」

藍子「ふぅ、よかったぁ」

千早「というわけで、そろそろ時間のようね」

ライラ「夕焼けがキレイでございます」

藍子「本当ですね」
31 : ◆Hnf2jpSB.k [sage saga]:2018/10/31(水) 20:40:14.91 ID:t7yFmC8f0

千早「こんなに収録が長引くとは思っていなかったわ」

藍子「ひょっとして、私のせい……ですか?」

千早「まあ、否定はできないわね」

ライラ「ですが、お気になさらずともいいのでございますよ」

千早「ええ、編集云々はスタッフの仕事だもの」

藍子「でも……」

ライラ「ライラさんはとても楽しかったので、それでいいのでございます」

千早「高森さんは楽しくなかったかしら?」

藍子「いえ、そんなっ!」

千早「ふふ、ならいいじゃない」

藍子「あ……」
32 : ◆Hnf2jpSB.k [sage saga]:2018/10/31(水) 20:41:42.09 ID:t7yFmC8f0

ライラ「この番組で細かいことを気にしてはダメなのですよ」

藍子「ふふっ、ありがとうございます」

千早「というわけで、ああ……そういえば三周年記念的な放送だったわね」

ライラ「結局いつもと同じ感じでございましたねー」

千早「変にスタッフが張り切らなかっただけ良かったんじゃないかしら」

ライラ「それもそうでございますね」

藍子「私は楽しかったです!」

千早「ふふ、それは良かったわ」
33 : ◆Hnf2jpSB.k [sage saga]:2018/10/31(水) 20:42:09.67 ID:t7yFmC8f0

ライラ「でも、次回の予定は相変わらず未定なのですよ」

藍子「そうなんですか?」

千早「まあ、しぶとく続くんじゃないかしら」

ライラ「そんな気がしますですねー」

千早「さて、そろそろ本当に時間のようね」

ライラ「本日のゲストは高森藍子さんでございましたよー」

藍子「えっと、ありがとうございました」

千早「それでは、次回があることを祈って」

ライラ「またお会いしましょー」
34 : ◆Hnf2jpSB.k [sage saga]:2018/10/31(水) 20:42:49.23 ID:t7yFmC8f0

***************************


【後日・765プロ】

小鳥「千早ちゃーん、お手紙届いてますよー?」

千早「あ、ありがとうございます」

小鳥「いえいえ、どういたしまして」

千早「でも誰から……ふふっ」

小鳥「どうかしましたか?」

千早「いえ、ちょっと意外な人からだったもので」

小鳥「私が見ても構いませんか?」

千早「もちろんです」
35 : ◆Hnf2jpSB.k [sage saga]:2018/10/31(水) 20:43:19.90 ID:t7yFmC8f0

小鳥「それでは失礼して。あら、高森藍子ちゃんって、あの?」

千早「ええ、先日共演したばかりなんですけれど」

小鳥「ふふっ、そんなに仲良くなってたんですね」

千早「そう、なんでしょうか」

小鳥「そうじゃなきゃお手紙なんて書きませんよ」

千早「それもそう……ですよね」
36 : ◆Hnf2jpSB.k [sage saga]:2018/10/31(水) 20:43:47.98 ID:t7yFmC8f0

小鳥「それで、なんて書いてあるんですか?」

千早「ええと……『番組中に撮った写真を送ります』だそうです」

小鳥「そういえば色々撮ってましたね」

千早「あとは『また今度お散歩しましょうね』と」

小鳥「ふふ、春香ちゃんが嫉妬しちゃいそうですね」

小鳥「『千早ちゃん取られたー』って」

千早「春香はそんなに心の狭いこと言いませんよ、きっと」

小鳥「ふふ、ごちそうさまです」
37 : ◆Hnf2jpSB.k [sage saga]:2018/10/31(水) 20:44:27.37 ID:t7yFmC8f0

小鳥「それで、どんな写真を送ってくれたんですか?」

千早「ええと……いつの間にこんなに撮ってたのかしら」

小鳥「花壇のお花に塀の上の猫……ふふ、どれも素敵」

千早「ええ、本当に」

小鳥「昔のフィルムのカメラで撮ったみたいな写真になるんですね」

千早「トイカメラ……でしたっけ?」

小鳥「ふふ、興味でてきちゃいましたか?」

千早「そうですね。私が撮ってきた写真とは全然違うので」

小鳥「私は千早ちゃんの写真も好きですよ?」

千早「ふふ、ありがとうございます」
38 : ◆Hnf2jpSB.k [sage saga]:2018/10/31(水) 20:45:32.69 ID:t7yFmC8f0

千早「でも、写真って記念や記録の為だけに撮るものではないのかなって」

千早「その時々で自分が感じたことをこうやって形に残せるなら、それは素晴らしいことだと思います」

小鳥「この写真みたいに、ですか?」

千早「え……そ、その写真は……!?」

小鳥「ふふ、犬にじゃれつかれて慌ててる千早ちゃん、とっても可愛いです」

千早「お、音無さん!?」

小鳥「嬉しいけど困ってる、そんな表情がきっちり映し出されてますものね」

千早「あの、もうそのくらいで……」

小鳥「ふふふ」
39 : ◆Hnf2jpSB.k [sage saga]:2018/10/31(水) 20:46:00.75 ID:t7yFmC8f0

千早「……そういえば、亜美と真美はもうすぐ戻ってくるんですよね?」

小鳥「ええ。そうですけど、何か約束でも?」

千早「いえ、ちょっと相談しようかな、と」

小鳥「相談ですか」

千早「はい。高森さんへのお礼をどうしたらいいかって」

小鳥「あ、あはは……」

小鳥「(藍子ちゃん、頑張ってくださいね……)」


<おしまい>

40 : ◆Hnf2jpSB.k [sage saga]:2018/10/31(水) 20:51:06.81 ID:t7yFmC8f0
というお話でございました
思いの外短くなってしまいました
シリーズと言いつつの更新頻度、今後も変わらないと思います
それでもお付き合いいただけましたら、望外の喜びです

お読みいただけましたなら、幸いです
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/01(木) 00:14:32.68 ID:Z/L3UmDy0
おつ
相変わらず素晴らしい...素晴らしいぜえ
散歩はいいぞお
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/02(金) 00:30:12.57 ID:qhC9VlbyO

ここのライラさんと千早ちゃんの緩さ好き
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