男「恋愛アンチなのに異世界でチートな魅了スキルを授かった件」

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782 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/01/17(木) 20:26:06.41 ID:AIwwANCX0

女友「男さんの言うとおりスキルを使えば簡単に姿を変えることが出来ます」

女友「しかし、当然ですが私以外にもこの異世界には判別魔法やそれに類するスキルを使える人はいます」

女友「そういう人に見抜かれないように、あのバーテンダーはスキル無しで相当努力したんでしょうね」



男「なるほどな……」

男(それなのに俺の魅了スキルのせいで見抜かれて……悪いことを………………ことを……)







男「じゃあそこまで努力した女装のことをバラすって脅せば、あのバーテンダーからアジトの情報を聞けるんじゃないか?」







女「……」

女友「……」

男(女と女友から本日三度目の冷ややかな眼差しを頂戴する)

783 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/01/17(木) 20:26:44.52 ID:AIwwANCX0

女「それは流石に悪いでしょ」

男「そうか? 相手が善人なら俺だって良心の呵責を感じただろうが、犯罪者グループに荷担している悪人のはずだしな」

女友「そもそも酒場側はバーテンダーが男性であるってことを知っているんじゃないですか?」

男「いや、人の口には戸を立てられない。本人以外が知っていれば、絶対に噂が広まっているだろう」

男「それにあれを見る感じ無いな」

男(俺はカウンターバーを指さす)



男(ちょうど従業員の男性が何かの用があったのかバーテンダーに話しかけていて……)

男(その去り際の表情、完全に鼻の下が長くなっている。相手が男性であるとは1ミリも疑っていないだろう)



男「というわけだ」

男「もちろん脅迫以外の選択肢もあるが、その場合はまた一から聞き込みだったり面倒な手間を挟む必要があるだろう」

男「二人がそれでもいいなら俺もそうするが?」



女「……」

女友「……」

784 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/01/17(木) 20:27:12.43 ID:AIwwANCX0



男(そして)

男(俺たちは酒場の営業時間終了まで張り込み、バーテンダーが帰宅するところを捕まえる)

男(女装ではないかとちらつかせると否定、罵倒、青ざめ、媚び売りと変化していき)

男(バラさない代わりに犯罪者グループのアジトを教えろと要求すると、飛びつくように従った)



785 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/01/17(木) 20:27:42.46 ID:AIwwANCX0



男(その翌日、俺たちは別荘地の外れにある、今は誰も住んでいない廃墟を訪れていた。話によるとそこが犯罪者グループのアジトらしい)



男(俺たちは正面から突入した。突然の侵入者に驚きながらも対応する犯罪者たちだが、竜闘士の女と魔導士の女友の前に為すすべはない)



男(特に予想外のことも無く、順当に女と女友は犯罪者全員を投降させた。観光の町の治安維持隊に引き渡して後の処理は任せる)



男(全員の罪が暴かれて、償うように取りはからわれるだろう)



男(その中には予想通り詐欺師もいて……その一報はお嬢様にも届いたようだ)



786 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/01/17(木) 20:28:14.07 ID:AIwwANCX0





お嬢様「あなたどうして捕まって……それに結婚詐欺って…………ど、どういうこと?」



詐欺師「……はんっ、本当に気づいてなかったのかよ。世間知らずのお嬢さんだな! おまえは騙されてたんだよ!」






男(ちょうど面会に立ち会うことが出来た俺たちは顔を真っ青にしたお嬢様さんと、開き直った詐欺師を見て)



男「これで完了……だが」

女「後味悪いね……」



男(正しいことをしたはずだ)

男(あのまま気づかれず金を騙し取られるのが良かったはずがない)

男(しかしお嬢様さんのことを見ていられず……)

787 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/01/17(木) 20:28:55.41 ID:AIwwANCX0

女「ねえ。男君の魅了スキルで『今回のことは気にせず生きろ』って命令したりとか………………」

女「いや、でもそういうの良くないよね」



男「気持ちは分かるが、だからといってそれは俺たちが落ち込む姿を見たくないってだけの傲慢な考えだろ」

男「そもそもお嬢様に魅了スキルがかかるかも怪しい」



女「え……あ、もしかしてお嬢様さんが対象の『魅力的な異性』じゃないってこと?」

女「でも、最初は魅了スキルかけて婚約指輪を奪うって選択肢を上げてたし、魅力的だと思ったんじゃないの?」

男「それは容姿しか見えてなかったからだな。お嬢様さんの素の様子、人の迷惑を省みずワガママ放題な様を俺は知ってしまった」

男「正直ああいうタイプ苦手でな……魅力的に見れるか怪しい」

男(魅了スキルが暴発した際にクラスの女子の大半がかからなかったのも素の様子を知っていたからだった)

男(人間というのは原理的に一目惚れの方がしやすいのである)





女友「だったら、そうですね……宝玉の回収ついでに、私がアフターケアといきましょう」

男(そんな俺たちを慮ってか、女友が私に任せてくださいと胸をたたいた)

788 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/01/17(木) 20:29:31.55 ID:AIwwANCX0
続く。

次が3章最終話です。
789 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/01/17(木) 20:40:09.92 ID:yVW8h/tiO
乙ー
790 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/17(木) 22:38:30.12 ID:05nQiUzlo
乙!
791 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/18(金) 07:52:14.00 ID:Xpwf+G4fO
乙!
792 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/01/22(火) 18:23:13.96 ID:nxHoX85d0
乙、ありがとうございます。

少し遅くなりました。
3章最終話投下します。
793 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/01/22(火) 18:23:44.50 ID:nxHoX85d0

男(翌日)

男(俺たちは先日の御用聞きと同じく、古参商会の商会員と共にお嬢様の住む別荘を訪れていた)



執事「ご足労ありがとうございます。用件というのが二件ありまして」

商会員「ええ、お聞きします」

執事「ではまず前回の注文に関してなのですが、キャンセルしたい件を……」



男(執事に出迎えられて、商会員の人が話を聞いている)

男(前回の注文のキャンセル……察するにお嬢様が詐欺師のために頼んでいたものだろう)

男(結婚詐欺が暴かれたため、この別荘で一緒に住む予定が無くなったと)



商会員「……はい。……はい」

男(商会員は執事の言葉を聞いてメモを取っている)

男(かなりの注文がキャンセルとなり、大打撃のはずがどこか落ち着いているように見える)

794 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/01/22(火) 18:24:10.46 ID:nxHoX85d0

女友「私があらかじめ結婚詐欺の可能性について古参商会には連絡しておいたんです」

男「なるほど……想定済みだったってわけか」

女友「はい。そうでなくても、お嬢様はワガママ放題で、このような予定変更は日常茶飯事らしいですね」

女友「それを差し引いても大量に買ってくれるので上客らしいですが」

男(文句は多いがお得意さまというわけか……応対するの大変そうだな)



男(そうしている内に注文キャンセルの件が終わったようだ)



執事「二つ目の案件ですが……古参商会の方でこちらの指輪を引き取ってもらうことは可能でしょうか?」

男(言いながら執事が出したものはお嬢様の婚約指輪)

男(すなわち宝玉の設えられたものである)



男「……っ」

男(目的の物が目の前に出てきて俺は息を飲む)

795 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/01/22(火) 18:24:39.55 ID:nxHoX85d0

商会員「それは可能ですが……どうなさったんですか?」

執事「古参商会ともなれば巷間の噂はご存じでしょう」

執事「そうでなくとも今回の注文キャンセルから分かると思いますが……お嬢様の婚約が破談となりまして」

執事「昨日帰ってきた際に、お嬢様がその指輪を私に投げ付け『それ、もう見たくないの! 処分しといて!』と申されまして」

執事「気持ちは分かりますが、しかし指輪自体に罪はありませぬ」

執事「捨てるのは制作者がかわいそうだということで、お嬢様の意にはそぐいますが引き取りをお願いしたく……」



商会員「そういうことでしたら預からせてもらいます……じゃあ、君」

男(商会員は俺たちに指輪を受け取るよう指示する。俺たちはこの人の見習いという設定だ)

男(というわけで恐縮した様子の執事から、女が指輪を受け取って)



男「(これで宝玉三個目ゲット……だな)」



男(場の雰囲気から声には出さないが、女と女友も同じように一段落付いたということでホッとしたのが見て取れた)



男(ようやくこの町の宝玉を手に入れることが出来た)

男(つまりこの町での用は済んだということだが、しかし傷ついたお嬢様を見過ごすのもいかんしがたい)

796 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/01/22(火) 18:25:08.73 ID:nxHoX85d0

女友「お嬢様は今日どうされていますか?」

男(ということで商会員の人が用具の確認のため席を外したタイミングで、女友が口を開いた)



執事「……お嬢様は昨日別荘に帰ってきて、一通り当たり散らした後自分の部屋からずっと出ておりません」

男(昨日……というと、俺たちも立ち会うことが出来た詐欺師との面会の後ということだろう)

男(あの暴言を食らって八つ当たりした後、部屋に引きこもっていると)



女友「食事はどうされているんですか?」

執事「部屋の前に置いたものが気付くと無くなっているので、食べていると思います」

女友「そうですか、食事を出来るくらい元気なら大丈夫ですね」

執事「ええ。時間はかかるでしょうが、また元気な姿を見せてくれると信じています」



男(執事がお嬢様を思いやっていることが伝わる)

男(この前来たときに婚約を心の底から喜んでいたし、おそらく仕事だけではない関係なのだろう)

男(いい人だな、と頷いていると)

797 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/01/22(火) 18:25:36.02 ID:nxHoX85d0



女友「なるほど。とても大事に扱われていて…………」

女友「では、どうしてお嬢様はずっと別荘暮らしをしているのでしょうか?」



男(女友が奇妙な質問を投げていた)

男(どういう意味か考える俺に対して、直接質問をぶつけられた執事はというと)



執事「それは……」

男(何故か狼狽えている)

798 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/01/22(火) 18:26:15.24 ID:nxHoX85d0

男「どういうことだ、女友?」

女友「簡単なことですよ。別荘っていうからには、本宅が無いと成立しないんです」

男「本宅……?」

女友「そちらにお嬢様の両親はいられるのでしょう」

男「…………」

男(両親と別に暮らしているというのは……)



女友「愛情という名の下に全てを与えて育てた結果、ワガママ放題に育ったお嬢様を」

女友「両親が大きくなったのだからそろそろしっかりしなさいと当然のように方針変更したのでしょうね」

女友「しかし、お嬢様はいつまでも親の庇護下に居れると勘違いしていたためそれに付いていけず」

女友「呆れ見捨てられ……この別荘に隔離されたのではないでしょうか?」



男「隔離って……」

女友「ああ、もちろん名目は違いますよ。金持ちは体面を気にしますからね」

女友「おそらくはありもしない病気の療養だとか、静養のためだとかでお嬢様は望んでこの別荘にいることになっているのでしょう」

女友「ここにいる使用人たちはその監視兼世話係ですね」

女友「家の評判に関わるほどのことをされても、一人で放置して死なれても困りますし」
799 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/01/22(火) 18:26:44.43 ID:nxHoX85d0

男「無茶苦茶言っているが……本当なのか?」

女友「金持ちの考えくらい簡単に推理できます」



男「いやだが、そもそもお嬢様は大事に扱われて……」

女友「しかし、そこに愛情は無かったということです」

女友「愛に飢えていたからこそ、あんな低俗な結婚詐欺に引っかかったんですよ」

女友「本来ならば金持ちの宿命として、金だけを目当てに近づく人間など分かるはずです」



男(女友は俺の質問に答える形で話しているが、当然他の人にも聞こえている)

男(外れていればとんでもない侮辱にしかならない女友の話に)



執事「……」

男(執事は何も答えられないでいた)

800 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/01/22(火) 18:27:12.31 ID:nxHoX85d0

女友「旦那様……お嬢様の父にはここの状況を報告しているんですよね」

女友「お嬢様の結婚が決まったとき、そして結婚詐欺だと分かったときどのような反応だったんですか?」



執事「……どちらも『そうか』と一言だけ返されました」



男(そういえば前回訪れたときに、旦那様がお嬢様に何度も見合いをセッティングしたという話を聞いた)

男(結婚することが、一人前の人間として当然という考え方の人間はいる)

男(だからしっかりしなさいという意味で見合いをさせたのに、その全ての話をお嬢様は蹴った)

男(そのこともあって、他にも積み上げられたものがあって、お嬢様は呆れられた)

男(だから今回結婚するとなっても、そして破談になっても『そうか』と興味なさげに……)



男「…………」

男(何を持って幸せと定義するのかはその人次第だ)

男(このお嬢様の話を聞いても、ワガママが許される金や環境があって、愛まで求めるなんて傲慢だと思う人もいるかもしれない)

男(逆にいくら金があっても、誰からも愛されていないなんてかわいそうと同情する人もいるかもしれない)

801 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/01/22(火) 18:27:38.56 ID:nxHoX85d0



女友「しかし、本当にお嬢様も傲慢ですよね」



男(だから俺は女友のその言葉も仕方ないだろうと考えて)



女友「だって、こんなに思われていることに気付いていないのですから」

男「……え、どういうことだ?」

男(次の意味が取れなかった)



女友「誰からも愛されていないという破滅的な状況に酔ってしまう気持ちも分かりますが……」

女友「少なくともここに一人お嬢様のことを思っている人がいるじゃないですか?」



男(女友の言葉の宛先は……執事だ)

男(そうだ、俺も先ほど感じたじゃないか。仕事だけではない関係だと)

802 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/01/22(火) 18:28:37.36 ID:nxHoX85d0

執事「私は……」

女友「長年世話をしていたということはおそらく本宅にいるときから世話していたんですよね」

女友「立場上あまり感情を出すべきでないことも分かります。旦那様とお嬢様の間で板挟みになっているところもあるのでしょう」

女友「しかしお嬢様はとても傷ついていました。せめて今日だけは素直な気持ちで慰めてもいいと私は思います」

女友「こんなにもあなたのことを思っている人がいると、気付かせる意味でも」



執事「……失礼」

男(女友の言葉に、執事はハンカチを取り出して額に当てながらうつむき一つ息を吐く)

男(そして顔を上げると)



執事「申し訳ありません、用事を思い出しました。お見送り出来なくて失礼ですが……」

女友「いいですよ、これ以上用事はありませんですし、私たちは勝手に帰ります。それより早く行ってください」

執事「……ありがとうございます。この感謝は忘れません。それでは」



男(執事は一礼するとその場を去る。向かう先は……お嬢様の部屋だろう)

803 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/01/22(火) 18:29:03.60 ID:nxHoX85d0

女友「……と、これが私のアフターケアの限界です。後は任せるしかないのと、結果が分からないことが少々歯がゆいですが」

男「まあ大丈夫だろ」

女「うん、そうだよ」

男(そもそも俺たちは部外者に近い。きっかけを与えて、あとは長年の絆に任せるのが正解だろう)



商会員「終わったか」

男(と、そのタイミングで古参商会の商会員が帰ってきた)



男「あ、すいません。用事終わったんですか?」

商会員「元々そんなものはない」

男「え……?」

女友「協力ありがとうございました」

男(女友が頭を下げる。一体どういうことなのか?)

804 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/01/22(火) 18:29:33.36 ID:nxHoX85d0

女友「私の指示です。先ほどの一連の流れ、何とか美談で終わってくれましたが、当然ですが怒られる可能性も十分にありました」

女友「そうなっては古参商会の評判に関わります。いざとなれば見習いの部下である私の暴走ということで済ませられるように席を外してもらったんです」



男「綱渡りだとは思っていたが……そんな配慮をしていたのか。つうか推理間違っていたら即アウトだっただろ?」

女友「何、言ってるんですか。推理なはず無いでしょう」

女友「お嬢様の家に関わる事情は全て古参商会受け売りの情報です。そこまで分の悪い賭けをするはずないですよ」

男(いけしゃあしゃあと答える女友。同じ金持ちだから推理できるとか、全部嘘だったのかよ)



男「恐ろしいな……」

女「女友は本当平気で嘘吐くから注意しないとだよ、男君」

男「ああ、みたいだな」



女友「何かさんざんな評価ですね」

男(女友が不服な扱いだと抗議するが、当然だと思う)

805 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/01/22(火) 18:30:04.16 ID:nxHoX85d0

商会員「古参商会でも正直なことを言うとお嬢様のワガママには辟易していた」

商会員「今回も予測はしていたとはいえ注文キャンセルでそれなりに損害は出ている」

商会員「これを期にワガママが少しでも治る可能性があるなら、賭ける価値はあった」

男(商会員が内情を説明する。そういうことで女友に協力してくれたのか)



商会員「後は手配のものを用意しておいた。昼過ぎには出るらしいから、急いだ方が良いぞ」

女友「最後までありがとうございます」

男(商会員が差し出したものを女友は受け取る。えっと……何かのチケットか?)



女友「次の町に向かう馬車のチケットです。この町での用事も全て終わりましたし、さっさと向かいましょう」

男(女友がひらひらとチケットを振って見せる)



男「なるほど……手際が良いな」

女「んーもうちょっとゆっくり、何なら男君ともう一回夕日見たかったけど……仕方ないね」

男「だからデートのフリはもうしないって言っただろうが」

男(女の申し出をシャットアウトする)

806 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/01/22(火) 18:30:39.84 ID:nxHoX85d0

男「しかし、次の町っていうことはまた宝玉の行方を探すところから始まりか」

男「今度は苦労しないで見つかるといいんだが……」

男(この観光の町で一週間駆けずり回った記憶が蘇る。見つかった後も手に入れるためにかなり苦労したし)



女友「それなら心配ありませんよ」

男「え?」

女友「次の町の宝玉がどこにあるかは分かっています。古参商会の調査によって」

男「調査……あ、そっか。俺たちの使命を助けてくれるっていう」

男「なるほどな、もう一週間以上調査しているし、見つかった場所があるのも当然か」



男(今回は商業都市で協力を取り付けたその翌日にこの町に乗り込んだため、調査が進んでおらず俺たち自身で探す必要があった)

男(しかし俺たちがこうして観光の町で苦労している間に、他の場所での調査が進んだということだろう)

807 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/01/22(火) 18:31:13.14 ID:nxHoX85d0



男「それで次の宝玉はどこにあるんだ? 魅了スキル使う必要があるのか?」

女友「いえ。次の町において、男さんは全く以て役立たずでしょう」



男「って、おいっ!?」

女友「ふふっ、いい反応ですね」



男(酷い暴言を吐かれる。もしかしてさっきの嘘吐き扱いしたことの意趣返しだろうか?)



女「女友どういうことなの?」



女友「以前、商業都市に向かう道中のことだったでしょうか?」

女友「宝玉を手に入れるのに交渉しないといけない場合は男さんの魅了スキルが役立ちますが」

女友「女の力じゃないといけないパターンもあるはずって話をしましたでしょう?」

女友「まさにそれなんです」



男「……? どういうことだ?」

女友「こうして急いで次の町を目指す理由でもあるのですが――」

808 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/01/22(火) 18:31:46.49 ID:nxHoX85d0





女友「次の町にて五日後に開かれる『武闘大会』。宝玉はその優勝商品となっているそうです」





男「……なるほどな。確かに竜闘士の女の独壇場だ」

女「分かった、頑張るよ!」







男(そうして三つ目の宝玉を手に入れた俺たちは観光の町を去る)



男(次の町にて再会が待つこと)

男(そして俺たちの使命が持つ本当の意味を知ることになるのだが、このときは当然知る由もないのであった)

809 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/01/22(火) 18:34:02.00 ID:nxHoX85d0

3章『観光の町』編、完。

ここまで読んでいただきありがとうございました。



4章『武闘大会』編の準備のため1〜2週間休みます。

続けて読んでもらえれば幸いです。





章の途中でスレが変わるの嫌なので、新スレ建てるかもしれません。

そのときは案内します。





乙や感想などもらえるとモチベーションが上がります。

どうかよろしくお願いします。

なろう版 http://ncode.syosetu.com/n3495fc/
810 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/22(火) 18:51:04.06 ID:w20X+wfLO
乙!
次の章も楽しみに待ってます!
811 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/22(火) 23:04:21.50 ID:p359iv5H0
乙乙
待ってる
812 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/01/22(火) 23:47:35.96 ID:H29e+LtWO
乙ー
813 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/23(水) 03:01:59.57 ID:N9HiaeRV0
乙!
なんなの?ねえなんなの?女友いい女すぎるわ
まじいいキャラしてるわ、一番人気出そう
814 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/02(土) 17:39:54.04 ID:wl9D4z8n0
野々山紘美
815 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/02(土) 17:40:53.35 ID:wl9D4z8n0
イハラ@出番16東1ウ05b
@yadotekili_anak
絵と漫画と同人誌。瀬呂右ド固定の瀬呂範太推し。メインCPは障子×瀬呂。障瀬。他は上セロ・B組・宍鱗など。エロ垢は
@nakarahai
フォロー前にプロフ必読→ (link: http://privatter.net/p/1805176) privatter.net/p/1805176 瀬呂受アンソロ→
@cellouke
瀬呂くんの肘のお口pixiv.net/member.php?id=…
816 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/02(土) 17:41:19.25 ID:wl9D4z8n0
アカ統合すずめ*
@chun_MHA
@chuncup
まで 鉄切鉄と下ネタが好きなR18読める年齢 切島受けプチ:
@otokogi_800
ダダ被り誕:
@dadakaburi1016
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817 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/02(土) 17:44:44.16 ID:gkQA9BchO
下げ
818 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/02(土) 18:18:51.77 ID:wl9D4z8n0
浅見ルナ
819 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/02(土) 19:04:08.25 ID:wl9D4z8n0
担当教官・坂ノ下愛鈴(さかのした・あいりん)
29歳 159cm/48kg

まったりというか今時というか…語尾が伸びる口調。
声は結構高い感じ。
細かいところは話の中で出てくるので書きません。

 

軍人・野田浩毅(のだ・ひろき)
34歳 176cm/68kg

見ての通り、話の中の通り、無愛想で冷徹。
低い声でボソボソ喋るので、結構聞き取りにくいかも。
ワリと筋肉質。 元・野球少年。
好きな食べ物は実は甘いもの。
表には出さないが、可愛いものも好き(出してますね、少し/汗)

 

軍人・木下亨(きのした・とおる)
28歳 172cm/63kg

真面目に責務をこなす人。
仕事中は声を作っているが、普段はやんわりとした声。
いつも冷静で、常に周りを見ることができる。
趣味の読書が祟って(?)、やや近眼、コンタクトは目に合わないのでできない。
こう見えても軍人、運動能力は高い。

 

軍人・渡部響也(わたなべ・きょうや)
27歳 180cm/73kg

大阪生まれの大阪育ち、高校を卒業して関東に出てきた。
明朗活発で、精神年齢は恐らく中学生と大差ない。
あまり低くない声だが、いつもテンションが高いので高く聞こえる。
野田は大の苦手、木下は良い友人。
最も体格がいい、元ラグビー部。
820 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/02(土) 19:05:15.85 ID:wl9D4z8n0
女子12番・中田智江子(なかだ・ちえこ)

ゲーム部。ゲーム組。
卑屈な性格で、いつも人の悪口を言っている。
3度の飯よりゲームが好きなほどのゲームオタク。

身長/152cm
愛称/智江ちゃん

能力値

知力:

体力:

精神力:

敏捷性:

攻撃性:

決断力:

★☆☆☆☆

★★☆☆☆

★★★☆☆

★★☆☆☆

★★★★☆

★★☆☆☆
 

以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。

支給武器:

小刀
kill:

なし
killed:

上田昌美(女子2番)
死亡話数:

12話
凶器:

小刀
 

G=04エリアで潜伏。優勝しようと企み、遭遇した昌美を盾にしようとするが、企みがばれて小刀で刺殺される。<第12話>

 

悪口っ子登場です。
改稿前から思っていましたが、この子書きにくい!!
悪口いっぱい言わせるのは難しいです(>_<)
821 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/02(土) 20:01:03.66 ID:gkQA9BchO
下げ
822 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/02(土) 20:45:33.24 ID:wl9D4z8n0
女子1番・今岡梢(いまおか・こずえ)

バレー部。女子運動部グループ。体育委員。
女子の中では最も背が高い。運動神経抜群。
伊達功一(男子12番)の元彼女。

能力値

知力:

体力:

精神力:

敏捷性:

攻撃性:

決断力:

★★★☆☆

★★★★★

★★★★☆

★★★★★

★★★☆☆

★★★☆☆
 

以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。

支給武器:

フライパン
kill:

なし
killed:

坂本陽子(女子7番)
死亡話数:

35話
凶器:

ナタ
 

功一と別れた原因は功一の浮気。

G=10エリアで陽子を発見。軽い気持ちで声を掛けたが、陽子は狂っていた。説得も空しく首にナタが刺さり死亡。

 

運動神経をほとんど発揮できなかったのが心残りです。
彼女の本当の気持ちは彼女しか知らないですが、もしかしたらまだ功一が好きだったのかも・・・?
823 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/02(土) 20:46:49.65 ID:wl9D4z8n0
女子四番/総合七番 川西亜由子(かわにし・あゆこ)



身長 159cm
体重 47kg
誕生日 10月9日
血液型 B
部活動 軽音楽部
友人 北修司・東海林至
江南佳菜彩
(NEWS)
愛称 亜由子・アユ・ニシ
能力値
知力:

体力:

精神力:

敏捷性:

攻撃性:

決断力:

★★★★☆

★★★★☆

★★★☆☆

★★★★☆

★★★☆☆

★★★☆☆
常に冷静で、周りを見て動くことができる、グループのまとめ役。。
表情が乏しく、いつも怒っているような顔をしている。無口で、自分の意見を言うことは少ない。
軽音楽部内バンド“NEWS”のギタリストで、退廃音楽に傾倒している。
 

以下ネタバレです。白黒反転すると読めます。

支給武器:

コルト・ロウマン
kill:

なし
killed:

北修司(男子四番)
死亡話数:

第76話
凶器:

毒薬
 

教室内で、プログラムに対して東海林至(男子十番)が反論。芝崎務(担任)が銃を取り出し危険に晒されるが、道下未来(男子十七番)に守られ事なきを得た。<11話>

城龍慶(男子九番)につっかかる北修司(男子四番)を止める。“NEWS”のメンバーと行動を共にする。<17話>

G=04エリアの民家に篭城。至と揉めた修司を宥めた。修司に恋心を抱いているが、修司の気持ちも知っている。<31話>

民家を訪れた篠宮未琴(特別参加者)を招き入れることに反対したが、至・佳菜彩に押されて招き入れる。未琴を警戒している模様。<58話>

うろつく未琴を牽制、居間から出ることを禁止する。<64話>

自分たちの情報を持っている未琴を訝しむ。何者かが訪ねてきて、無警戒に招き入れようとする至を牽制するも、受け入れられなかった。結果、二階堂哉多(男子十三番)・二階堂悠(女子十三番)の襲撃を受けるが、未琴に救われる。僅かに警戒を解いた模様<70・71話>

気分転換と空腹を満たすために料理をする。接していくうちに未琴への警戒心を解いていく。料理を食べた直後苦しみ始め、吐血して息絶えた。修司が未琴を殺害するために毒を盛った料理を手違いで食べていた。<76話>



冷静だったので、NEWS内では1番書きやすかったです。
この子がいなかったら、NEWSはもっと早くに崩壊していたかもしれません。
NEWS内の1番の功労者はアユでしょう。
824 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/02(土) 20:48:10.72 ID:wl9D4z8n0
女子21番・淀野亜美加(よどの・あみか)

陸上部マネージャー。女子主流派グループ。
おっとりしているが、自分の意志を通す強さを持つ。
色素が薄く、茶髪は地毛。

身長/154cm
愛称/亜美加、亜美加ちゃん
特記/二松千彰(男子15番)とは恋仲

能力値

知力:

体力:

精神力:

敏捷性:

攻撃性:

決断力:

★★★★☆

★★★☆☆

★★★☆☆

★★☆☆☆

★☆☆☆☆

★★★☆☆
 

以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。

支給武器:ロープ
kill:

なし
killed:なし(自殺)
死亡話数:14話
凶器:首輪
 

E=02エリアにて千彰と一緒にいた。争いを好まない性格ゆえに自[ピーーー]る道を選ぶ。禁止エリアで千彰と共に最期を迎える。<第14話>

 

ほのぼのカップルでした。
改稿前よりも幸せに書けたかな、と思います。
それにしてもあれですね、一人称が「亜美加」だと鬱陶しい(をい)
825 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/02(土) 20:57:22.04 ID:wl9D4z8n0
さとう
@ayaka_2_5
牙崎のPでS.E.Mのファン(特に山下)765は真 えすりは七尾 アカ分けしてません
日本誕生日: 7月28日
826 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/02(土) 20:58:45.98 ID:juDPjERF0
これは荒らし?誤爆?
827 : ◆YySYGxxFkU [saga sage]:2019/02/02(土) 22:33:38.28 ID:eAg+4cOD0
たぶん荒らしですね。
前に投稿していたssでも同じようなことがあったので。
読者の皆さんには迷惑かけますがスルーでお願いします。

ついでに告知。
4章も2〜3日以内に投下する予定です。よろしくお願いします。
828 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/02(土) 22:55:15.23 ID:wl9D4z8n0
男子1番・青山豪(あおやま・ごう)

サッカー部FW。男子運動部グループ。
いつでも努力を怠らない。
笠井咲也(男子5番)・工藤久尚(男子6番)と特に仲がいい。

能力値

知力:

体力:

精神力:

敏捷性:

攻撃性:

決断力:

★★☆☆☆

★★★★☆

★★★★☆

★★★★☆

★★★☆☆

★★★☆☆
 

以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。

支給武器:

Cz75
kill:

なし
killed:

結城緋鶴(女子19番)
死亡話数:

14話
凶器:

アイスピック
 

咲也・久尚・設楽海斗(男子10番)に嫉妬心を感じていた。

サッカー選手になるために優勝する事を決意するが、突然緋鶴に首を刺され死亡。

 

努力家、無念の退場でした。。
やろうとした事はともかく、1つの事に全てを捧げられる人ってかっこいいですよね。
彼のイメージ、『ホイッスル!』の主人公が元だったりします。
829 : ◆YySYGxxFkU [saga]:2019/02/05(火) 20:47:44.34 ID:QOwpiBXn0
二スレ目建てました。
四章はあちらで投下します。よろしくお願いします。

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1549367188/
830 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/10(日) 20:08:22.41 ID:MwXXZ1j30
男子

1番 岩田良介
2番 宇佐見隼人
3番 梅村慎吾
4番 榎本悠
5番 加賀雄大
6番 加藤尚幸
7番 川崎大和
8番 岸辺京介
9番 櫻井健司
10番 笹月将也
11番 春原旭
12番 春原孝平
13番 瀬名昭人
14番 谷祐樹
15番 戸松渡
16番 西村修平
17番 橋本瑛ニ
18番 広瀬一輝
19番 堀野勝文
20番 和久井陵雅

女子

1番 足立絵里菜
2番 入江咲子
3番 鵜飼花菜
4番 緒方藍
5番 小野貴音
6番 梶浦志保
7番 神崎真美
8番 来海渚
9番 斉藤美紀
10番 高山奈月
11番 高山美月
12番 津川響子
13番 寺山里佳
14番 七姫透
15番 日比野紗矢
16番 船橋薫
17番 真部歩美
18番 溝口華花
19番 吉川由利
20番 渡辺明日香
831 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/10(日) 20:09:52.46 ID:MwXXZ1j30
男子

1番 岩田良介
2番 宇佐見隼人
3番 梅村慎吾
4番 榎本悠
5番 加賀雄大
6番 加藤尚幸
7番 川崎大和
8番 岸辺京介
9番 櫻井健司
10番 笹月将也
11番 春原旭
12番 春原孝平
13番 瀬名昭人
14番 谷祐樹
15番 戸松渡
16番 西村修平
17番 橋本瑛ニ
18番 広瀬一輝
19番 堀野勝文
20番 和久井陵雅

女子

1番 足立絵里菜
2番 入江咲子
3番 鵜飼花菜
4番 緒方藍子
5番 小野貴音
6番 梶浦志保子
7番 神崎真美子
8番 来海渚
9番 斉藤美紀子
10番 高山奈月
11番 高山美月
12番 津川響子
13番 寺山里佳子
14番 七姫透
15番 日比野紗矢子
16番 船橋薫子
17番 真部歩美
18番 溝口華花
19番 吉川由利子
20番 渡辺明日香
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