【艦これ】阿武隈「北上さんなんて、大っ嫌いなんだから!」

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129 : ◆axPwtNeSoU [saga]:2018/12/20(木) 15:30:33.99 ID:dKCyvHSA0


「……気が済むまで殴りなよ」


自暴自棄な気分を自覚しながら、北上は阿武隈を見上げる。


「あんたにゃその権利がある。 ……後腐れないよう、気が晴れるまで、念入りにあたしをぶちのして……それで終わりにすればいい」

「……まだそんな寝ぼけたこと言ってるの?」


阿武隈の表情が険しく歪む。


「ムカついたんでしょ? 当然だよ。無理ないよ。 ……あたしなんかが、勝手に期待して、無理やりあんたに関わったりしなきゃ、こんな嫌な思いせずに済んだんだから……」

「ああっもうっ! 解ってないっ! そうじゃないっ! そんな事、言ってないっ! 全然、なんにも、解ってないっ!」


降り注ぐ雨の雫と北上の言葉を振り払い、阿武隈が地団駄を踏む。細い腕から、頬から、雫が飛び散る。


「なんで解んないのよ! どこまで馬鹿なのよ! 解ってよ!」

「いやだから、悪かったって……」

「謝るなあぁっ!」


駆け寄る勢いそのままに、両手でどんと突き飛ばされ、押し倒される。

阿武隈は北上に馬乗りになって制服の襟を両手で掴むと、北上をぐいと引き起こし、顔を近づけて無理やり視線を合わせた。


「そんな事謝って欲しいんじゃないっ! そんな事反省して欲しい訳じゃないんだよっ! 何で、何でそれが解んないのよっ!?」


大粒の涙の滲む瞳が激情に燃えている。

噛みつくような声が震えている。

北上は混乱した。


「なに、なんだってのよあんた、意味解んない……」

「解んないのが悪いっ! 解んない北上さんが悪いっ!」


無茶苦茶だ。元々血の気が多く、激昂しやすい質ではあるが、これではまるで駄々っ子だ。

理解の及ばぬ北上に苛立ちを抑え切れぬように阿武隈が言葉を浴びせかける。


「なんで謝るのよ! 何を謝ってんのよ!」

「何を……って、そりゃ、あんたに勝手な期待を押し付けて……」

「それのっ!!」


阿武隈の叫びが北上の言葉を叩き斬る。




「それのっ! どこが悪いって言うのよっ!」


「…………え」



――頭を、がつんと殴られたような気がした。


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