【アマガミ】橘「お宝本を処分しよう…誰だよこんな日に…」

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34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/27(木) 04:06:32.10 ID:rkjPEo8u0
翌日

梅原「お…なんだ、今日も来てくれたのか?」

橘「ああ、まあ…用事があってな、そのついでに」

梅原「病院に用事なんて、お前もどこか悪いのか?」

橘「いや…僕は別にどこも」

橘「……」

橘「なあ、ちょっと聞きたいんだけどさ…」

橘「デートのときって何かプレゼントとかした方がいいのか?」

梅原「……」

梅原「え?」
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/27(木) 04:07:29.51 ID:rkjPEo8u0
梅原「ど、どうしたんだ!?」

梅原「まさか彼女が!」

橘「いや、そういうわけじゃなくてな…」

橘「というか仮にそうだとしても驚きすぎだろ」

梅原「や…悪い」

橘「その…例えばの話だけどな」

梅原「そうだなぁ…」

梅原「俺の場合はちょっと特殊だったからな…」

橘「特殊?」

梅原「ああ、毎回寿司がいいって」
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/27(木) 04:08:02.84 ID:rkjPEo8u0
橘「ほんとに?」

梅原「ああ、俺もな、まさかそんなことはないと思っていろいろやったんだけど、本当に寿司が良かったみたいだ」

梅原「ちょっと変わってるのかもな」

梅原「だから…プレゼントした方がいいのかどうかは俺はよくわからん」

橘「そうか…」

梅原「お前と相手の人との関係性にもよるんじゃないか?」

橘「関係性か…そうだなぁ…」

橘「……」

橘「だ、だからあれは例えばの話だって」
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/27(木) 04:08:34.92 ID:rkjPEo8u0
――――――――

塚原「あれ、橘君もう来てたの?」

橘「はい、ちょっと早かったですかね」

塚原「ううん、ごめんね、それだと待たせたことになるわね」

橘「全然気にしないでください」

塚原「ありがとう」

塚原「じゃあ早速どこか行こうか」

塚原「橘君はここまでどうやって来たの?」

橘「え、電車ですけど」

塚原「ちょうどよかった」

塚原「こっち来て」
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/27(木) 04:09:12.64 ID:rkjPEo8u0
塚原「さあ乗って」

橘「え、これ塚原先輩の車ですか」

塚原「そうだけど…車は嫌だった?」

橘「ああ、いや、そういうことじゃなくて…」

橘(高そうな車だなぁ…やっぱすごいな塚原先輩…)

橘「じゃ、じゃあ失礼します」

塚原「シートベルトしめてね」

橘「はい」

塚原「橘君って何か嫌いな食べ物とかあった?」

橘「特にないです」

塚原「そう、よかった」
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/27(木) 04:09:39.61 ID:rkjPEo8u0
橘「あの、どこに向かってるんですか?」

塚原「そうね…着いてからのお楽しみってことにしておこうかしら」

橘「あ…はい」

塚原「安心して、変なところじゃないから」

塚原「ちゃんと落ち着いた場所よ」

橘(着いてからのお楽しみ…落ち着いた場所…)

橘(つ、塚原先輩、まさか…!)

橘(…ってその前に食べ物の話してるか)
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/27(木) 04:10:14.66 ID:rkjPEo8u0
――――――――

塚原「ここね」

橘「……」

塚原「どうしたの、橘君?」

橘「あ、いえ…」

橘(ずいぶん高そうなところだけど…)

塚原「……」
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/27(木) 04:11:03.88 ID:rkjPEo8u0
橘(高そう…じゃなくて高い…!)

橘(どうしよう…)

塚原「遠慮しないで、好きなもの頼んでね」

橘「はい」

橘(こんなところで遠慮しないでなんて言えるなんて…)

橘(乗ってる車も高そうだし、なにより医者だもんな…)

橘(もう僕とは住む世界が違う人なんだろうな…)

塚原「……」

塚原(ど…どうしよう…)

塚原(橘君に少しでもいいところを見せようと思ったけど…思ったより高い…!)

塚原(大丈夫…余裕はあるわ…なんとか、だけど)
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/27(木) 04:11:38.69 ID:rkjPEo8u0
翌日

塚原「……」

看護師「おはようございまーす」

塚原「おはようございます…」

看護師「あれ、塚原先生なんだか元気ないですね」

塚原「そうですかね…」

看護師「体調が悪いんじゃないですか?」

塚原「いえ、そんなことはないです…」

看護師「なら…いいですけど」
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/27(木) 04:12:10.33 ID:rkjPEo8u0
―――――――

塚原「…?」

塚原(なんだ…はるかからか)

塚原(やっほー!昨日はどうだった?…か)

塚原(そんなこと聞かれてもねぇ…)

塚原「……」

塚原(強がっても意味ないし、正直に言っておこう…)

塚原「……」

塚原「はぁ…」
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/27(木) 04:12:54.93 ID:rkjPEo8u0
森島「あ、ひびきちゃんから返事が来た!」

森島「なになに?」

森島「うーむ…何やら大失敗したみたいね」

森島「橘君の方はどうなんだろ」

森島「……」

森島「ちょっと探ってみよう」

森島「えっと美也ちゃんの連絡先は…」
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/27(木) 04:13:43.20 ID:rkjPEo8u0


橘「……」

がばっ

橘「うわっ!?」

美也「だ〜れだ!」

橘「そ、その声は美也か!?何やってんだ」

美也「なーんだ、つまんないの」

橘「当たってるんだったら目隠しを外してくれ」

美也「はいはい、しょーがないなー」
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/27(木) 04:14:26.48 ID:rkjPEo8u0
橘「はぁ…こんなとこにまで来るなんて、何か用か?」

美也「んーとねぇ…」

美也「たまたま近くを歩いてたらにぃにを見つけたから」

橘「こんな時間に何してんだよ…」

美也「にぃに何だか元気ないね」

橘「そうか?…疲れてるだけだよ」

美也「んー…ちゃんと休んでる?」

橘「適度にはな」
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/27(木) 04:15:19.90 ID:rkjPEo8u0
美也「にぃににも誰かいい人がいればもう少し違うんだろうけどなー」

美也「誰かいないの?」

橘「……」

橘「僕のことは別にいいだろ…」

橘「それといい加減外でにぃにはやめろ」

美也「はいはい」

美也「そうは言ってもお兄ちゃん一人だなんて、もう美也は心配で心配で」

橘「……」

美也「そうだ、好きな人とかいないの?」

橘「が、学生じゃないんだぞ…」
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/27(木) 04:16:00.01 ID:rkjPEo8u0
美也「じゃあ学生時代に彼女一人も作らなかったけど、好きな人はいたの?」

橘「……」

美也「そういえば、昨日お兄ちゃんがきれいな女の人と歩いてたのを見たって聞いたんだけど」

橘「!?」

橘「あ、あれは…えっ!?だ、誰が…」

美也「へー、本当なんだ」

美也「どうだったの?」

橘「……」

橘「たぶん相手の人に嫌われた…」

美也「へ?」
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/27(木) 04:16:55.88 ID:rkjPEo8u0
橘「……」

橘「妹にこんなこと言うのも変だけど…」

橘「相手は僕が高校生の時に好きだった人なんだ…」

橘「…思えば一年生の時からだったのかも」

橘「最初はその憧れは違う人に向いてたけど、だんだん気づいてきて」

橘「その人が卒業するころにやっとわかった…」

橘「肝心な事は言えなかったけどな」

橘「昨日は久しぶりに会うことができて、最後のチャンスだったのにな…」

橘「……」
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/27(木) 04:18:18.10 ID:rkjPEo8u0
橘「…美也、今日は疲れたんだ、帰って休ませてくれ」

橘「お前も早く帰れよ、僕と違って一人じゃないんだからな」

橘「じゃあな」

美也「にぃに…」

橘「……」

美也「なるほど…」
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/27(木) 04:19:43.42 ID:rkjPEo8u0
数日後

プルルルル

塚原「はい、もしもし」

森島「ひーびき、元気してる?」

塚原「ええ、はるかほどではないけどね」

森島「早速だけど、来週の日曜日あいてない?」

森島「また久しぶりにごはんでも行きたいなーって思って」

塚原「来週の日曜日?ちょっと待ってね」

塚原「…えーと、うん、いいわよ」

塚原「はるかがいきなり誘ってくるなんて、臨時のボーナスでも入ったのかしら」

森島「え、えっとー、そういうわけじゃないんだけど…」

塚原「わかってるって冗談よ」
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/27(木) 04:21:17.55 ID:rkjPEo8u0
森島「あ、そうそう、せっかくだから今回はゲストを呼ぼうと思ってるの」

塚原「ゲスト…?」

森島「うん、私たちもよく知ってる二人だから」

森島「じゃあまた詳しい事はメールするからね」プチッ

塚原「……」

塚原「よく知ってる二人…?」

塚原「私たちもってことは高校の時の知り合いかしら…」

塚原「まあ、はるかなら変な人連れて来ないだろうし、楽しみに待っておくとしましょうか」
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/27(木) 04:22:29.34 ID:rkjPEo8u0
――――――

プルルルルル

橘「もしもし?」

美也「あ、にぃに、来週の日曜日空いてる?空いてるよね!」

橘「決めつけるなよ…」

橘「まあ、たぶん空いてると思うけど」

美也「じゃあさ、その日美也とごはんね!」

橘「え?」

橘「なんでそんなこと…」
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/27(木) 04:24:23.64 ID:rkjPEo8u0
美也「行かないの?」

橘「何もメリットがないからな」

橘「忙しいってわけじゃないけど、暇でもないしな」

美也「残念だな〜、せっかく可愛くて、大人の女性って感じの人が二人も来るのに」

橘「たまには妹と食事をとるのも悪くないか」

美也「にぃに…」

橘「それで、場所と時間は?」

美也「もぅ、慌てないの、ゆっくり説明してあげるからさ」
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/27(木) 04:26:02.98 ID:rkjPEo8u0
――――――――

美也「は〜るちゃん!上手くにぃにを誘えたよ、にしししし」

森島「グッド!いいわよ美也ちゃん!」

森島「全く、ひびきも橘君も一回失敗しただけで落ち込んであきらめちゃうなんて」

森島「二人とも、らしくないわ」

森島「両想いのくせに」

森島「余計な事しないでって言われるかもしれないけど、そのまま放っておくこともできないわ」

美也「でも、ちょっと心配だなぁ」

森島「え、どうして?」

美也「だって、いくら美也たちがサポートしても、結局は本人たちが何とかしないといけないんだよ」

美也「塚原先輩は問題ないけど…にぃにだよ?」
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/27(木) 04:28:15.47 ID:rkjPEo8u0
森島「……」

森島「大丈夫でしょ」

森島「橘君にはひびきがついてるって考えれば安心でしょ?」

美也「…そういわれると少しは」

美也「じゃあ、美也たちは最初だけで、後は二人に任せてみない?」

森島「うん、それはおもしろそうね」

森島「そうねー…」

森島「こういうのはどうかな?」
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/27(木) 04:30:24.26 ID:rkjPEo8u0
翌週

森島「ここよ、ここ!」

森島「うーん、あっちはもうちょっと時間がかかるみたいね」

森島「先に中で待ってましょうか」

塚原「ええ」

塚原「ところで、教えてくれなかったけど、相手の人たちって誰なの?」

森島「だからそれは、会うまでの秘密」

塚原「もうすぐなんだから教えてくれてもいいのに」
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/27(木) 04:31:29.04 ID:rkjPEo8u0
10分後

美也「にぃに、急いで!」

美也「もう10分も遅れてるんだよ!」

橘「美也が遅刻するからだろ」

橘「それとこんなとこでにぃにはやめてくれ、恥ずかしいだろ」

美也「言い訳しないの、早く早く」

橘「はいはい」

美也「あ、ここだよ」

橘「はぁ…相手の人に申し訳ないな…」
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/27(木) 04:32:21.88 ID:rkjPEo8u0
―――

ガチャッ

美也「おっ待たせー!」

森島「美也ちゃんおっそーい」

橘「お待たせしまし…」

橘「えっ!?」

橘「も、森島先輩に塚原先輩!?」

塚原「橘君!?」

橘「お、おい美也、これはどういうことだ…?」

塚原「はるか…知ってる二人って橘君兄妹なの…!?」
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/27(木) 04:33:34.27 ID:rkjPEo8u0
美也「可愛くて、大人の女性って感じの二人」

橘「間違ってはないけど…」

森島「そうよ、二人ともよく知ってるでしょ?」

塚原「確かに知ってるけど…」

橘「なんていうか…その…」

美也「この前にぃにが嫌われたって思ってる相手の人って塚原先輩なんでしょ、美也知ってるよ」

橘「な…」

美也「嫌われたってのはにぃにの思い込みかもよ」
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/27(木) 04:34:24.26 ID:rkjPEo8u0
森島「前はちゃんと話せなかったんでしょ?」

森島「それで諦めちゃうなんて、ひびきらしくないわ」

塚原「でも、あれは…」

森島「サヨナラ私の初恋〜なんて言っちゃって」

塚原「ちょっ…それ言わないで」

森島「せっかく作った機会なんだから無駄にしないでよね」

森島「大丈夫、今度はきっとうまくいくわ」
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/27(木) 04:35:00.39 ID:rkjPEo8u0
橘(思いこみって言われてもな…)

塚原(せっかく作った機会ねぇ…)

橘(塚原先輩は本当に何とも思ってないんだろうか…?)

塚原(橘君の気持ちはどうなんだろう…)

橘(美也の場合、根拠なしに言ってる可能性が高いしな…)

塚原(はるかの場合、気分で言ってる可能性もあるのよね…)

橘「……」

塚原「……」
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/27(木) 04:35:52.72 ID:rkjPEo8u0
―――――――

美也「あんまり二人話さないね」ひそひそ

森島「んー…私たちがいると話しにくいのかも」

美也「じゃあ…」

森島「うん、そうね」

森島「邪魔者はおいとまして、二人に任せますか」
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/27(木) 04:36:38.22 ID:rkjPEo8u0
森島「ねえひびき」

塚原「なに?」

森島「後はがんばってね」

塚原「え?」

美也「がんばれにぃに、応援してるぞ」ぽんっ

橘「ん?どこ行くんだ?」

森島「お会計は済ませときまーす」

塚原「ちょっとはるか」

橘「……」

塚原「……」
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/27(木) 04:37:43.13 ID:rkjPEo8u0
塚原「はぁ…」

塚原「ごめんね、たぶんはるかのせいで」

橘「いえ、きっと美也がおもしろがって言ったんですよ」

塚原「で、でもせっかくだし…君さえよければこのまま…」

塚原「どうかな…?」

橘「あ…そ、そうですね、せっかくですし」

塚原「……」

橘「……」
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/27(木) 04:38:30.37 ID:rkjPEo8u0
塚原「……」

橘「……」

塚原「あ、あの…橘君」

塚原「この前はほんとごめんなさいね…」

橘「い、いえ、あれは僕が悪いんですから」

塚原「気を使わなくていいのよ…」

塚原「医者なんていっても、結局一人じゃ大したことできないのよね」

橘「そんなことないですよ、塚原先輩は立派です」

塚原「…ありがとう」
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/27(木) 04:39:15.98 ID:rkjPEo8u0
塚原「お世辞でもうれしいわ」

橘「お世辞じゃないです」

橘「正直、高校を卒業してからの塚原先輩のことはよく知らないです」

橘「でも、僕は塚原先輩は素晴らしい方だと思ってます」

塚原「……」

塚原「じゃあ…前のことで私のことを嫌いになったとかは…」

橘「なるわけないじゃないですか」

橘「むしろ僕の方が…」

塚原「そんな、私こそあんなことで嫌いになるわけないでしょ」
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/27(木) 04:40:02.41 ID:rkjPEo8u0
塚原「だいたい私は橘君のことが好きなのに」

橘「……」

塚原「……」

橘「……」

塚原「……」

橘「え…?」

塚原「……」

橘「……」

塚原「え…」
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/27(木) 04:40:53.96 ID:rkjPEo8u0
塚原「あ…ち、ちがっ…」

塚原「この好きは人としての好きじゃないのよ!」

橘(な、なんか変なパニックを起こしてるな…)

橘(人としての好きじゃないってやっぱり嫌われてる…)

塚原「恋愛感情として好きなの!」

橘「…は」

橘「あ…あの…塚原先輩…それ…本当ですか…」

塚原「え…変なこと言ってた…?」
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/27(木) 04:42:12.68 ID:rkjPEo8u0
橘「僕としてはとてもうれしいことですけど…」

橘「れ、恋愛感情としての好き…と聞こえましたが…」

塚原「……」

橘「あれ、塚原先輩?」

塚原「……」

橘(どうしよう、固まったまま動かないぞ)

橘「……」
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/27(木) 04:43:39.46 ID:rkjPEo8u0
橘(うーん、困ったぞ)

橘(僕のこれまでの人生の中でなかった経験だ…)

橘「よし…」

橘「……」

橘「塚原先輩、今のが言い間違いでも嘘でも僕は構いません」

橘「でも…もし本当だったら先輩に伝えたいことがあります」

塚原「……」ぴく

橘「…僕は塚原先輩にずっと憧れてました」

橘「先輩と話すようになったのはもう卒業も近い時期でしたけど、その前からです」

橘「恥ずかしながら、その気持ちが憧れではなく好きと気づくのが遅く、伝えようとした時にはもう先輩は卒業…」

橘「最後まで言うことができませんでした」
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/27(木) 04:45:00.98 ID:rkjPEo8u0
橘「相手が言うのを何年も待ってから言うなんて臆病や意気地なしなんて言われるかもしれませんが…」

橘「今言わないと、この先本当にもう言えないんじゃないかとふと思ったんです」

橘「塚原先輩、僕はあなたのことが好きです」

橘「…よければ返事をいただけると」

塚原「…わ、私はこれでも医者よ」

橘(よかった、動いた)

塚原「言い間違いや嘘はだめなのよ」

橘「え、それはどういう…」

塚原「わ…わかるでしょ、さっき言ったとおりよ」
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/27(木) 04:46:30.40 ID:rkjPEo8u0
塚原「橘君は高校までの私しか知らないって言ったよね」

橘「はい」

塚原「それは私も同じなの」

塚原「だからさ、これから少しずつお互いのこともっと知れたらいいなって思ってるんだけど…」

塚原「どうかな…?」

橘「はい、僕も同じ考えです」

塚原「よかった」

塚原「じゃあ…改めてこれからもよろしくね」
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/27(木) 04:47:06.37 ID:rkjPEo8u0
数年後

看護師「橘先生」

響「……」

看護師「聞いてますか、橘先生」とんとん

響「あ…」

響「すみません、どうも何年たってもまだ慣れないですね」

看護師「しっかりしてくださいよ」

看護師「旦那さんが来てますよ」
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/27(木) 04:47:50.16 ID:rkjPEo8u0
橘「響、お弁当忘れてるよ」

響「あっわざわざありがとう、純一」

響「あ、すごい汗、これで拭いて」

響「ネクタイも曲がってるわよ」

橘「いやー、まさか二人ともお弁当忘れて出かけてるとは思わなくてさ、急いで幼稚園に行ってからこっちに来たからさ」

響「あら、私を優先してくれなかったの?」

橘「いや、そ、それはー…」

響「ふふ、冗談よ、わかってるって」
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/27(木) 04:48:37.04 ID:rkjPEo8u0
響「あなたには本当に感謝してるわ」

橘「僕にはこうして響の役に立つことが何よりの喜びなんだ」

響「私だってたまにはあなたの役に立ちたいわ」

橘「何言ってるの、家のこととかやってくれるじゃないか」

響「それは私の方が早いときだけじゃない、ほとんど純一に任せっぱなしだわ」

橘「いいんだよ、僕は響がいてくれるだけで」

響「もう、そんなことばかり言って…」

橘「……」

響「……」

看護師「おほん!」

看護師「当院内でのイチャつき行為は禁止されております」

橘「あ…」

響「はは…続きは帰ってからね」

終わり
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/27(木) 04:50:14.85 ID:rkjPEo8u0

思った以上に遅くなってしまいました
申し訳ないです
美也編はちょっと番外編的な感じでやろうと思ってます
次で終わりかな

もし誰か希望があればやるかも
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/27(木) 05:01:12.07 ID:1hmteb38O
待ってた乙 田中さんか高橋先生辺りキボンヌ
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/27(木) 11:05:47.17 ID:Y0b92ZLM0
田中さんルートだろう
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/27(木) 18:14:28.89 ID:8WcwBAmD0
茶道部の先輩二人
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/28(金) 08:04:46.63 ID:LFOKO+rY0
田中さんだね
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/29(土) 03:09:33.25 ID:oaIeGG20o
最高だった
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/23(水) 23:13:49.49 ID:DeQB642R0
田中さん書いて?
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