千歌「猥談と百合」

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102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/07(月) 02:28:25.12 ID:zgnNCZ8K0
果南「はあ……。まあもういいけどさ。これまで色々あったけど、こうやって千歌と付き合えたわけだし、結果オーライだもんね」

千歌「結果オーライだもんね、じゃなーい!!」

果南「ち、千歌?」

千歌「嘘ってなに!?私がそのことでどれだけ悩んだと思ってんの!?」

果南「だ、だからそれはごめんって」

千歌「果南ちゃんなんてもう知らない!バーカ!」

果南「千歌ー、許してってば。ほら、ハグしよ?」

千歌「しない!」

ダイヤ「はあ、まったく果南さんは。人騒がせにも程かありますわ」

鞠莉「まあまあ。それより、ダイヤはこれでよかったの?果南とちかっちが付き合うこと、反対だったんでしょ?」

ダイヤ「……確かに反対ですが。お二人がそう決めたのなら、それに口を出すようなことはしませんわ」

鞠莉「……ふふ、そうね。この先果南達がハッピーになれるのかどうか。それは、これから2人で決めていくことだわ」
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/07(月) 02:29:07.12 ID:zgnNCZ8K0
曜「まあ、なんとか丸く収まってよかったね」

梨子「ええ?なんか喧嘩してるけど、ほっといていいの?」

花丸「あんなのじゃれてるだけずら」

善子「そうそう、ほっとけばいいのよ」

ルビィ「……ねえ善子ちゃん。さっきから気になってたんだけど」

善子「だからヨハネ!何よ」

ルビィ「配信、止めなくていいの?今もずっと流れっぱなしだけど」

善子「あっ……」

千歌「絶対許さないから!果南ちゃんとはもう別れる!」

果南「ええ!?さっき大変なことは二人で乗り越えていこうって言ったばっかでしょ」

千歌「もう無理!」

果南「そんなあ……。ちかぁ……」

千歌「ふーんだ!」
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/07(月) 02:30:45.46 ID:zgnNCZ8K0
「6」

ダイヤ「それで、何かこの世に言い残すことはありまして?」

千歌「はい……」

ダイヤ「はいじゃありませんわ」

後日、私と善子ちゃんはダイヤさんの前で正座をさせられていた

ダイヤ「なにちょっといい感じで終わろうとしてるんですの。あなた達には言いたいことが山ほどありますわ」

果南「まあまあ。もう終わったことだしさ」

ダイヤ「お黙らっしゃい!いいですか千歌さん、善子さん!あなた達のせいで私達がどれだけ迷惑を被ったと思っていますの!?」

善子「なによ、あれくらいのことで」

ダイヤ「ああん!?」

善子「ひっ……」

千歌「はい、返す言葉もございません……」

鞠莉「まあ、実際大変だったわよ。もう毎日いろんな所からのテレフォンが鳴り止まなくって」

ダイヤ「停学三日で済んだことを鞠莉さんに感謝するのですわね」

千歌「はい、ありがとうございます……」
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/07(月) 02:33:06.83 ID:zgnNCZ8K0
ダイヤ「まあ、今更言っても仕方ありませんが。あの件以来、きっとAqoursの人気も下がってしまったでしょうし」

ルビィ「あの、そのことなんだけど」

花丸「どうかしたずら?」

ルビィ「あれからちょっとネットで調べてみたんだけど、なんか思ったよりも人気は落ちてないみたい」

千歌「本当!?」

ルビィ「うん。もちろんいなくなっちゃったファンも多いんだけど、千歌ちゃんの本気の告白に心打たれたって人も多いみたいで」

梨子「新しいファンも増えたってこと?」

ルビィ「そうみたいです」

千歌「それじゃあ、あれはセーフってことだよね!よっしゃー!」

ダイヤ「全然セーフじゃありませんわ!」

善子「まだなんか文句があるっての?」

ダイヤ「ありますわ!ありまくりですわ!千歌さん、あなた自分が何を言ったか覚えてまして!?」

千歌「えーっと。あの時は熱くなってたから完全には…….」

ダイヤ「なら思い出させてあげますわ!あろうことかあなたは、全国の人が見るネット配信で私のことを、オ、オ……」

曜「オナニーの声が大きいって言ったんだよ」

ダイヤ「いやあああああああああ!!」

ダイヤさんは叫びながらその場に蹲ってしまった

ああ、そう言えばそんなこと言ったかも
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/07(月) 02:34:19.46 ID:zgnNCZ8K0
ダイヤ「もう外を歩けませんわあああ!」

梨子「お、落ち着いてください」

ダイヤ「というかあなた達も恥ずかしい秘密をバラされたのですよ!?よくそんな平気でいられますわね!?」

曜「まあ、もちろん少しは恥ずかしいけど」

花丸「それでもダイヤさんに比べたら」

梨子「ねぇ?」

ダイヤ「そもそも、なんで千歌さんがそんなことを知っているんですの!?」

千歌「それはルビィちゃんが」

ダイヤ「ルビィィィィイ!」

ルビィ「ぴぎゃ!!」
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/07(月) 02:35:20.60 ID:zgnNCZ8K0
鞠莉「カームダーン。大丈夫、そんな悲観することでもないわよ」

ダイヤ「鞠莉さん……」

鞠莉「知ってる?あれ以降ダイヤの人気も急上昇してるみたいよ」

ダイヤ「マジですの!?」

善子「そうよ、見てみなさい。こんなにダイヤファンのレスが増えてるのよ」

「オナニーの声大きいとかギャップが最高すぎる」

「ダイヤさんのオナニー声毎日聞けるルビィちゃん羨ましい」

「隣の部屋でダイヤさんのオナニー声を聞きながら俺もオナニーしたい」

ダイヤ「あぁ……」

ルビィ「お姉ちゃんが倒れた!」

梨子「何やってるのよもう!」

曜「あれ、そういえば千歌ちゃんと果南ちゃんは?」

花丸「言われてみればいないずらね」
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/07(月) 02:36:35.22 ID:zgnNCZ8K0
果南「いいの?黙って抜け出してきちゃって」

千歌「いいのいいの」

果南ちゃんの手を引きながら、私たちは二人で学校の廊下を歩いている

ダイヤさんが騒いでいる隙に、こっそりと部室から抜け出してきてしまった

果南「後でダイヤに怒られても知らないよ」

千歌「その時は果南ちゃんも同罪だもん」

笑って話をしながら、行く当てもなく校内をふらふらと彷徨う

もうすぐなくなってしまうこの学校との思い出を懐かしむように

途中すれ違った人たちが、少しだけ私たちに目を向けた

別に、ただそれだけだ

ひそひそと話す声やクスクスと笑う声が聞こえてきたわけじゃない

ただ、ちらっと少し見られただけ

それでも私は無意識に、繋いだ手に力を込める

そしてそれに応えるように、果南ちゃんも私の手を強く握った
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/07(月) 02:38:26.64 ID:zgnNCZ8K0
千歌「あれからちょっとゴタゴタしてたから、こうやって二人きりになるのは久しぶりだね」

果南「って言っても、まだ一週間も経ってないけどね」

千歌「むぅ。私の気持ち的には久しぶりなの!」

果南「ははは、ごめんごめん」

私も寂しかったよ、と果南ちゃんは言う

たったそれだけでこんなに嬉しい気持ちになってしまう私はなんて単純なんだろう

まあ、別に単純でもいいや

好きな人と同じ気持ちなんだと分かったら、誰だって嬉しいものだろう

こうやってただ歩いているだけで、手と手が触れ合っているだけで、こんなにも幸せな気持ちになるなんて

知らなかった、ううん、もうずっと長い間忘れていたことだった

失ってしまった時間は帰ってはこないけど、これからその分を取り返すくらい、ずっと一緒にいたいって思う
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/07(月) 02:39:27.03 ID:zgnNCZ8K0
果南「千歌、ごめん。せっかくまた付き合い始めたのに、すぐに海外だなんて」

千歌「ううん、仕方ないよ。果南ちゃんが決めたことだもん」

果南「出来るだけ急いで戻ってくるからね」

千歌「うん、待ってる。あ、そうだ」

私は果南ちゃんの耳元に口を寄せて、誰にも聞こえないように小声で言う

千歌「その間は、果南ちゃんのことを想ってオナニーするね」

果南「こ、こら!私をからかわないの!」

千歌「なんで照れてるの?変な果南ちゃん」

顔を真っ赤にする果南ちゃんの反応に私は笑った

セクハラ親父の正体は、案外普通の女の子だったんだ

それなのに、私の気を引く為に無理して頑張ってたんだと思うと、この一つ年上のお姉さんのことがすごく可愛く見えてくる

まあ、やってたことはバカだなーって思うけど
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/07(月) 02:41:01.26 ID:zgnNCZ8K0
果南「そ、それより!千歌、あの後大丈夫だった?」

千歌「ああ、うん。めちゃくちゃ怒られた」

果南「まあ、そりゃそうだよね」

あの後家に帰った私を待っていたのは、これまで見たことも無いような顔で怒るお母さんからの説教だった

話が広がるのは早いもので、すぐに学校から家に電話があったらしい

ホント、あんなに怒られたのはいつぶりだろう

千歌「でね、美渡姉ってば私が怒られてるのを見ながら笑ってるの。酷くない!?」

果南「あはは、美渡姉っぽい」

千歌「もうホント最悪!……でもね」

果南「ん?」

千歌「美渡姉だけだった。果南ちゃんとのこと、反対しないでくれたのは」

果南「……そっか」

お母さんには、予想通り反対された

お父さんは何も言わなかった

ショックだったのは、志満姉にも反対されたことだった

優しい志満姉なら、私の味方になってくれると思ってたのに
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/07(月) 02:42:46.99 ID:zgnNCZ8K0
果南「ねえ千歌。おばさんも志満姉も、別に千歌の事が嫌いだから反対してるんじゃないんだと思う。それだけは分かってあげな」

千歌「……うん」

分かってる

ちゃんと分かってるよ

お母さんも志満姉も美渡姉だって、私の事を大切に思ってくれてる

だから味方にもなってくれるし、間違ってると思うことは反対してくれる

私が本当に幸せになれる道を真剣に考えてくれている

分かっているから、辛い

果南ちゃんとの事を認めてもらえないことが

そして私を想ってくれる大切な家族の気持ちに応えられないことが、すごく辛いんだ

千歌「果南ちゃんの方はどう?やっぱり反対された?」

果南「うちは全然。そもそも私がレズなの知ってたからね。千歌のこともよく知ってるし、むしろ喜んでるくらいだよ」

千歌「そっか、良かった」

果南「うん。まあ表向きは、だけどね」

千歌「えっ?」

果南「昔ね、私がレズだって知られてない頃、父さんが言ってたことがあるんだ。いつか自分に孫が出来て大きくなったら、一緒に海に潜るのが自分の最後の夢なんだって」

果南ちゃんはそう言って、少し悲しそうな顔をする

果南「ほら、私は一人っ子だからさ。父さんのその夢を叶えてあげることが出来ないから、本当はどう思ってるのかなって考えちゃう時はあるよ」

千歌「……うん」
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/07(月) 02:43:48.44 ID:zgnNCZ8K0
そのまま少しの間、私たちは無言で歩く

気付いたら、私達は自然と学校の屋上についていた

いつも練習で使っていた、私たちにとって思い出深い場所

私たちはそこの壁を背にして地面に腰を落とした

果南「引き返すなら、多分今が最後だと思う」

果南ちゃんが、私の目を見てそう問いかける

果南「私は大丈夫。だけど千歌がもしやっぱりやめたいって思うなら、私は……」

千歌「やめないよ」

果南ちゃんの問いに、私ははっきりとそう答える

千歌「絶対にやめたりしない。果南ちゃんと付き合うことも、果南ちゃんを好きでいることも、もう二度と」

誰に何を思われたとしても

たとえ私たち以外の全ての人が私たちを否定したとしても

果南が一緒にいてくれるなら、私はそれだけで十分だから

果南「千歌……」

少しの間、私たちは見つめ合う

そしてどちらからともなく、私たちは口付けた

軽く、触れ合わせるだけのキス

久しぶりの果南ちゃんとのそれは、とても幸せで、少し切ない味がした
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/07(月) 02:45:14.34 ID:zgnNCZ8K0
果南「今度、ちゃんと千歌の家に挨拶に行くよ」

体を寄せ合いながら余韻に浸っていると、果南ちゃんがそう言った

千歌「え?でもそんな今更」

果南「そりゃ千歌の家族とは付き合いも長いし、お互いよく知ってる間柄だけどさ。次は千歌の恋人として、改めてちゃんと挨拶したいんだ」

果南ちゃんの気持ちがとても嬉しかった

お父さんお母さん、親不孝な娘でごめんなさい

それでも私は、やっぱり果南ちゃんと一緒に生きていきたいから

だからいつか、ちゃんと分かってもらえる日がきたらいいなって思う

千歌「果南ちゃん」

果南「んー、なに?」

千歌「好き」

果南「うん、私も千歌が好き」

千歌「ずっと一緒にいようね」

果南「うん、ずっと一緒にいよう」

私達はもう一度キスをする

交わした約束を忘れることのないように
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/07(月) 02:45:51.32 ID:zgnNCZ8K0
果南「さてと、そろそろ戻ろうか」

千歌「えー、もう?」

果南「ほら、ダイヤからライン来てる」

千歌「げ、ほんとだ」

気付いたら、私のスマホにダイヤさんからの鬼のようなラインが何通も来ていた

私はため息をついて、果南ちゃんと一緒に立ち上がる

千歌「はあ……憂鬱だ」

果南「ほら、文句言わない。私も一緒に怒られるからさ」

そう言って、果南ちゃんは私に向かって手を差し出した

果南「行こ、千歌」
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/07(月) 02:46:33.48 ID:zgnNCZ8K0
千歌「うん!」

私はその手をしっかりと握る

この先何があったとしても、もう二度とこの手を離さない

どんな大変なことも、二人一緒なら大丈夫

私達は向き合い、そして同時に笑い合う

それじゃまずは手始めに、部室で待つ最初の困難に立ち向かいに行くとしよう

そうして私達は二人並んで、未来に向かって歩き出すのだった
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/07(月) 02:47:21.35 ID:zgnNCZ8K0
これで終わりです
ありがとうございました
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/07(月) 23:16:59.20 ID:gqOtr0luO
おつおつ
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/08(火) 19:58:32.84 ID:bplyqlLCO
面白かった、おつ
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/12(土) 16:42:39.00 ID:y2dl94Mv0
いいんじゃないすか?
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