マクギリス「インフィニットストラトス…胸が踊るな」

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257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/01(土) 19:31:01.95 ID:HptQkYXFO
シャル
258 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/01(土) 19:31:13.21 ID:/T1zFshN0
ミカ
不可能なら安価下
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/01(土) 19:31:13.70 ID:iuQ/E9jR0
山田先生
260 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/06/01(土) 21:16:36.51 ID:kwj3b73v0
マクギリス「では、シャル。模擬戦の相手を頼もうか」

シャル「手本を見せる、ってつもりならそう簡単には行かせないよ?」

マクギリス「何。手本にならずとも、得るものはあるのさ。私も一夏も、そして君もな」

シャル「なら、とりあえず勝ち星を貰おうかな」

互いにバエルとリヴァイヴを展開し、距離を取る。

リヴァイヴからの銃撃を合図に、互いにスラスターを吹かしての戦闘行動に移る。

マクギリス(流石はシャル、私の動きを予測して近距離戦に持ち込ませない様に上手く軌道上に弾丸を撃ち込んでくれるな)

上下左右、ランダムに動き回りながら弾幕を回避する。ラピッドスイッチによる瞬時の切り替えから、ネット弾が放たれた。あえて回避でなく両断することで一気に距離を詰める。

シャル「読めてるよ、その動きっ!」

マクギリス「なっ…!」

距離を詰めた先に待ち構えていたのは、ショットガン二丁による弾丸の雨。バエルソードで粗方防いだが、距離を詰めるのは断念せざる得ない。

マクギリス(やはり対策してきたか、ならば…)

レールガンで応射しつつ、一度逃げの一手に徹する。

シャル(何かを待ってる…いや、攻め手を焦れば思う壺だ。堅実に削る取る!)

弾幕を掻い潜り、急速反転。スライドする様にしながら背後を取る。

マクギリス「先程のお返しだ、シャル!」

シャル「はやい、けどねっ!」

盾での防御を選択したシャル。その盾を弾くのではなく、そのまま押し込む事で体勢を崩させる。

シャル「うわわっ!?」

体勢の崩れた所に、更に蹴り上げで盾を跳ね上げさせる。

引っ張られる様に更に体勢を崩したリヴァイヴにスラスターを瞬時に吹かして横に一回転しながらバエルソードを振り抜く。リヴァイヴの装甲に多大なダメージを与え、吹き飛ばす。
261 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/06/01(土) 22:05:06.16 ID:kwj3b73v0
シャル「やっぱりバエルは速いな…けど、ね!」

吹き飛ばされた体勢のまま、反撃の斉射。

マクギリス(やはり一筋縄では行かないな。流石はシャル、と言ったところか)

射線にバエルソードを重ね、弾丸を悉く弾く。

シャル「うっそ…なんで見えるの…」

マクギリス「見えてはいないさ。射線を塞いだに過ぎない」

弧を描きながら弾幕を回避、しながらバエルソードを投げ付ける。

シャル「くっ…!」

直撃を避けるべく、弾幕が止む。その隙を、見逃せる筈は無かった。

イグニッションブーストで加速、投げたバエルソードに追従、空中で掴み取りながら方向展開で急接近する。

シャル「しまっ…!?」

リヴァイヴの横を取り、斬撃を数度見舞う。リヴァイヴのスラスターの片側が沈黙したところで、回し蹴りを放ち距離を置く。

予測通り、斬られてもなお用意されていたシャルの反撃の大型ライフルが空を切る。

シャル「…今のも読んでたの?」

マクギリス「有り得る、と思ったのでね。私は臆病なのだよ」

シャル「嘘だあ…もう降参。この機体状況でバエルについてくのは無理だよ。捉えきれない」

マクギリス「では、勝ちは拾わせて貰おう」

シャル「あーあ、今度は行けるかと思ったのに…」

マクギリス「作戦は悪くなかったな。ショットガン二丁は肝が冷えたぞ」

シャル「あれでスラスターを潰せたりしたら勝ちも見えたんだけどねー」

マクギリス「…とまあ、この様に近距離機対策と、その対策の対策。大体理解出来たろう、一夏?」

一夏「いやあ、すげえな二人とも…マクギリスはマクギリスでなんであんなん避けれんだって攻撃躱したりシャルはシャルできっちり反撃差し込んだりしてたし」

マクギリス「こうなりたいならば、練習を重ねるといい。経験こそが、強くなる近道だ」

マクギリス「さて…大分、汗をかいてしまったな。私は先に部屋に帰らせて貰うとしよう」

シャル「あ、あとで部屋に行っても…良いかな?」

マクギリス「ああ、構わないが」

一夏「じゃあ、また明日」

楯無「またねー」
262 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/06/01(土) 23:43:11.03 ID:kwj3b73v0
シャワーを浴びて、シャルを待つ。さほど時間を置かず、彼女は訪れた。

シャル「お、お邪魔しまーす…」

マクギリス「ああ。紅茶で構わないかな?」

シャル「ありがとう。いただくよ」

マクギリス「…さて、本題に入ろうか。私の所を訪れた理由を聞かせて貰いたい」

シャル「…えっとね、今度の休みって予定、入ってたりするの?」

マクギリス「いや、特には無かった筈だが…」

シャル「だ、だったら一緒に街を歩かない?美味しいお店知ってるんだー」

マクギリス「なるほど。それなら、先程話してくれれば他にも誘えたんじゃないか?」

シャル「二人っきりで!二人っきりでお願いします!」

マクギリス「わ、わかった。…何故敬語なのかわからないが、それなりに思惑あってと言う事なのだろう?引き受けた」

シャル「ありがとう…これを機に一気に…」

マクギリス「いま、何か?」

シャル「ううん、なんでもない!紅茶美味しいなーって」

マクギリス「私も気に入っている。それなりに値は張るがな」

シャル「でも、すっごく美味しいよ。どこで買ったの?」

マクギリス「一夏イチオシのスーパーだ。なかなかに品揃えも良くてな」

シャル「スーパーも侮れないんだね…僕にも今度教えて、そのスーパー」

マクギリス「では、共に行くとしようか」

シャル「うん!じゃあ、お邪魔しました」

マクギリス「いつでも来てくれて構わない。持て成そう」

シャル「あはは、紅茶御馳走様でした」

マクギリス「ああ、ではまた明日」
263 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/06/03(月) 00:59:43.19 ID:I+1hmoQd0
週末。待ち合わせ場所、30分前

シャル「待たせてごめんね!」

マクギリス「いや、私も先程到着したばかりだ。気にしなくていい」

シャル「にしても、早いんだね来るの」

マクギリス「少々、所用があったのでな。では、君のオススメの店に案内して貰おうかな」

シャル「うん!そこのパフェがね、すっごく美味しいって評判なんだよ!」

マクギリス「ほう、それは楽しみだな」

シャル「っと、マクギリス…手、繋いでも良い?人がなんか多いし…」

マクギリス「そうだな。逸れても面倒だし、繋ぐとしよう」

見慣れた道を歩きながら、所用…石動からの報告を思案する。

マクギリス(イギリスの強奪された新型…それが、米軍の秘密基地、福音の封印場所を襲撃したとは。例の組織はかなり活発化して来ている。厄介だな…)

シャル「ここだよ、マクギリス」

マクギリス「………えっ」

アイン「いらっしゃいま…えっ」

シャル「どしたの?マクギリス」

マクギリス(どうすべきだ、これは)

頭を抱えたくなった。
264 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/06/03(月) 01:08:17.84 ID:I+1hmoQd0
アイン「あの、ファリド特務三佐…?」

マクギリス「気にするなアイン、友人だ。」

シャル「もしかして知り合いだったり?」

マクギリス「ああ、昔馴染みでな…」

シャル「そうなんだー。あ、店員さん。スペシャルパフェお願いします」

アイン「あ、は、はい。承りました…」

マクギリス(やめてくれアイン、ゴミを見るような目をしないでくれ…)

あの世界での所業を考えれば自業自得なのだろうが、この方面は甚だ不本意である。

シャル「どうしたの?具合良くないの…?」

マクギリス「いや、少々悩みの種が、だな…」

シャル「悩み?なら、今度は僕がマクギリスの力になるから、なんでも言って」

ならば今すぐ帰らせて欲しい…とは言えないな。

マクギリス「ああ、時が来たら力を借りるよ」

アイン「おまたせしました…」

マクギリス(完成されたクズを見る目だぞコレは…!)

私の風評にあらぬ被害が予想される一件だ。
265 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/06/03(月) 01:56:13.17 ID:I+1hmoQd0
マクギリス(周囲の視線がやたらと痛く感じる…)

シャル「はい、あーん」

ひたすらに平静を装いながらパフェを食す。

シャル「美味しかったでしょ?ここのパフェ!」

マクギリス「ああ。ただ、私には少々甘過ぎるようだ」

シャル「あ、あはは。マクギリスは大人だもんね。じゃあ、次に行こ?」

マクギリス「ああ、是非そうしよう」

アインの視線が痛い。早く退散したい。

店を後にし、シャルの案内に任せる。

シャル「ここのクレープ美味しいんだー。すみません、ストロベリーとブルーベリー下さい」

「はーい、少々お待ちください」

マクギリス「ふむ、確かにこれは美味そうだ」
266 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/06/03(月) 02:38:57.57 ID:I+1hmoQd0
マクギリス「ふむ、なかなかに美味だな」

シャル「でしょ?ね、半分こしない?」

マクギリス「そうだな。では、どうぞ」

パフェを差し出す。とても嬉しそうな笑顔でシャルは受け取った。

シャル「はい、マクギリス」

マクギリス「いただこう」

シャルのパフェを受け取り、賞味する。

マクギリス「こちらもなかなかに美味しいな。今度、他のメニューも食べてみたいものだな」

シャル「うん!ならまた一緒に来よう、マクギリス」

マクギリス「ああ。その時を楽しみにしている」

二人、手を繋いで帰路に着く。鮮烈な記憶と共に、今日という日を思い出にしてこの日を終えたのだった。
267 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/06/03(月) 02:45:00.40 ID:I+1hmoQd0
次回予告

マクギリス「さて、この場を借りて謝罪させて貰おう」

マクギリス「先週はすまなかったな。土曜日は飲み会でな。月曜日は昼勤務であったが故に書く事が出来なかった」

マクギリス「階級は上がったので、まだまだ頑張りたいところではあるのだが、やらねばならない仕事があるので一旦これまでとさせて欲しい。それが終わり次第書くやもしれないが、あまり期待はしないでくれ」

マクギリス「では次回、インフィニットマクギリス。キマリスヴィダールのドリル音。…我ながら思うのだが、毎回サブタイトルがやっつけ仕事過ぎるのでは…?」
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/03(月) 10:21:21.58 ID:4H1HsbYLO
下派生で体力ごっそり持っていかれるのかな?
鈍足付けられるよりはマシだと思いたい
269 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/06/09(日) 01:07:38.66 ID:KND1Y2hG0
マクギリス「待たせてすまない、諸君」

マクギリス「とりあえず、前回最後。パフェではなくクレープだ。他にも細かいミスがあるが、見逃してもらえると嬉しい」

マクギリス「さて、では書かせて貰う。が、原作を読み返しながらなので若干スローなのは許容して欲しい」

マクギリス「それと、この機体やこのキャラどうなってんの?などと言った質問に関しては構想が練れていてかつ話の重大部分にならない程度には答えていくので気軽に質問して欲しい」「答えちゃうんだなぁこれが!」

マクギリス「!?…では、執筆を始めよう」
270 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/06/09(日) 01:22:09.22 ID:KND1Y2hG0
第十五話 キマリスヴィダールのドリル音

マクギリス「まず、説明して貰いたいな。更識楯無」

部屋に戻れば待ち構えていたのは、エプロン水着というマニアックな格好の生徒会長、更識楯無。

楯無「それは勿論、コーチ役同士で交流を、ね?」

マクギリス「では、いつの間にか学園祭の出し物の投票で男子を景品代わりにしていた件にも説明をして貰おうか」

楯無「あ、あはは…それは色々事情はあるんだけど、ね?もしかして怒ってる?」

マクギリス「勝手に事態を引っ掻き回された上に不法侵入されたのでは怒るな、というのは無理だろう」

楯無「あら、不法侵入じゃないわよ?私もここに住むの」

マクギリス「…なん、だと…」

頭が痛くなってきた。
271 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/06/09(日) 01:41:50.15 ID:KND1Y2hG0
楯無「ま、まあまあ。詳しい事は明日生徒会室で話しましょ?」

マクギリス「やれやれ。困った女だ、君は…ところで、繰り返し聞くが何故そんな格好なんだ、私の評判を落としたいのか」

楯無「んー、何か面白い反応があるかなーって、ね?」

マクギリス「君と真面目に会話をするのを辞めたくなるな、その発言は。年頃の女性がみだりに肌を晒すな、はしたない」

楯無「お堅いわねー。大人の余裕たっぷりなのもそれはそれで悪くないけど」

マクギリス「君は私をなんだと思っているんだ…」

楯無「ギャラルホルン地球外縁軌道統制統合艦隊司令官、マクギリス・ファリド准将でしょ?」

マクギリス「…なるほど、君は、いや君の家はこちらの組織と繋がりがあるわけか。それに、私を利用するつもりで近付いて来たということか」

楯無「あらやだ人聞きが悪い。私はただの生徒会長よ?学園の皆が幸せに学園生活を送れるように、力を貸して欲しいだけよ」

マクギリス「どこまで本気なのやら…にしても、随分と急な話だな。なにから何まで、学園祭は明後日だと言うのに」

楯無「貴方なら口八丁手八丁で逃げ道を作っちゃいそうだもの。だから、仕掛けるなら逃げ道を作れないギリギリにしないとダメでしょ?」

マクギリス「厄介な女だ…」

面倒事ばかり、舞い込んでくるものだ。
272 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/06/09(日) 02:53:28.51 ID:KND1Y2hG0
マクギリス「では、改めて説明をして貰おう」

生徒会室。その卓を囲むは、私と更識楯無、その楯無の家に代々仕える家系であるという、布仏虚、その妹であり私のクラスメイトでもある布仏本音。

楯無「まず、学園祭での投票決戦。あれは実は男子を生徒会に引き入れたい、というのが本音よ」

本音「えー、私ー?」

虚「違うわよ。しばらく静かにしてなさい」

楯無「男子を巡って部活間で水面下で小競り合いが頻発しててね。まあ、他にも思惑はあるけどそれは後述するわ。ともかく、貴方にも生徒会に入るメリットはあるはずよ」

マクギリス「確かに生徒を統括する立場となれば動き易くなるだろうからな。では、他の思惑も聞かせて貰いたい」

楯無「もうギャラルホルン経由で情報は来ているんでしょう?亡国企業、それの対処のためよ」

マクギリス「近年…いや、特に最近になって活発化しだしたISテロ組織、か。やはり君も、仕掛けてくると考えている訳だな?」

楯無「ええ。ISを奪うことを考えている組織である以上、バエルとバルバトス、白式は格別の獲物の筈。間違いなく、仕掛けてくるわ」

マクギリス「その為の戦力補充にサイレント・ゼフィルスにシルバリオ・ゴスペル。もっとも、福音の方は失敗したようだがな」

楯無「…そこまで掴んでいるの?ギャラルホルンはやっぱり凄いわね…」

マクギリス「ともかく、事情は把握した。ならば、仕掛けてくるとなれば間違いなく…」

楯無「ええ。人が集う明日の学園祭。一般人は招待された人物限定とはいえ、紛れ込むのは造作もない筈よ」

マクギリス「協力はさせて貰おう。私とて、学生の一人なのだから」

楯無「うん、頼りにさせて貰うわ。じゃあ明日、頑張ってね」

生徒会室を後にし、明日に備える。

マクギリス(執事喫茶に亡国企業…厄介にも程があるな)
273 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/06/09(日) 03:55:49.08 ID:KND1Y2hG0
学園祭、とりあえず職務に勤しむ。

マクギリス「いらっしゃいませ、お嬢様」

「やばい、すっごくカッコいい」「なんか、風格あるよねー」「執事似合い過ぎでしょー」

一夏「やっぱマクギリスはかなりしっくりくるな」

マクギリス「そうか?だと良いのだがな…」

三日月「いらっしゃい。何にするの?」

一夏「三日月のあれはあれでいい感じだけどな」

マクギリス「無駄口を叩いている暇は無いようだ。仕事に掛かるぞ、一夏」

一夏「おう!」

女性客の行列が、既に出来上がっていた。
274 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/06/15(土) 21:33:54.03 ID:8POe6iIo0
マクギリス「さて、今週もやってきた、執筆の時間だ」

マクギリス「仕事上がりのバエルはやはり格別なものだな。疲れもストレスも綺麗に吹き飛ばしてくれる。階級も上げられたしな」

マクギリス「HGCEデスティニーを買ってきたので、組み上げながら書かせて貰おう。しかし、感慨深いものだ。私が子供の頃憧れた初めてのガンダムを再びHGで組む日が来ようとは…」

マクギリス「では、始めよう」
275 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/06/15(土) 22:17:29.94 ID:8POe6iIo0
マクギリス(やはり、凄まじいな。解っていた事ではあるが)

多数のお嬢様、もとい客を捌きながら目を光らせる。

マクギリス(流石にこの場では仕掛けないだろうが、仕込みはする可能性がある。私や三日月ならばともかく…)

どこぞの企業の一員であろう女性に、しつこい勧誘を受ける一夏の姿が目に映る。

マクギリス「鷹月さん、すまないが一夏に助け船を。対処に困っているみたいだからな」

鷹月「うん、解った。マクギリスさんは次8番お願い」

マクギリス「ああ、了解した」

マクギリス(彼は陰謀だのへの嗅覚に疎い。要らぬ事態になる前に忠告は済ませておくべきか)

マクギリス「一夏、少しいいかな?」

一夏「ん?どうした」

マクギリス「なに、少し気になったのでね。…外部の人間に、どの様に誘われようとも二人きりになるのは避けた方がいい。我々男性操縦者とは、ある意味特別過ぎるというのを意識に留めておいてくれ」

一夏「まあ、そりゃどこだって男性操縦者のデータは欲しいだろうしな」

マクギリス「そういう事だ。最悪、拉致などの事態も考えられる。気を付けておいてくれ」

一夏「解った、気を引き締めておくよ」
276 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/06/15(土) 22:49:14.17 ID:mRZnkwkfO
「あ、いたいた。マクギリス君にミカ君に一夏君」

マクギリス「…楯無か。なんの用かな?」

楯無「こっちのお仕事。三人ともこの服に着替えて、これを被ってね」

マクギリス「…なんだ、これは…」

どこの国の王子だ、と言いたくなるコスチューム。

楯無「これから生徒会主導の観客参加型演劇をやるのよ。三人は主役」

一夏「だ、台本も無しにいきなりですか!?」

マクギリス「我々には仕事があるのだが?」

楯無「基本アドリブのお芝居だから台本は無いわ。話は付けてあるし、問題無いわよ。さあレッツゴー!」

彼女に連れられ、会場に向かう羽目になる。困った女だ…
277 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/06/17(月) 02:59:17.74 ID:iqCyNv2T0
楯無の指示の元、配置に着く。

続く、楯無のアナウンス。…シンデレラ、だと…?

楯無「否、それはもはや名前では無い。幾多の舞踏会を切り抜け、群がる敵兵を薙ぎ倒し、灰燼を纏う事厭わぬ最強の兵士達。それを呼ぶに相応しき称号、即ち『灰被り姫』ッ!」

マクギリス「……は、?」

話が意味が解らない。これは、いったい…?

疑問を解消する間もなく、ナイフが頭目掛けて飛んでくる。咄嗟に回避して投擲元を探す。それは、見覚えのある銀髪の美少女。

マクギリス「どういうつもりだ、ラウラ…?」

ラウラ「問答の暇がない。黙って私に王冠を渡せ」

マクギリス「ならば先にそう言ってくれ。こんなもので良いならば差し出す。武器は収めてくれ」

ラウラ「流石嫁、察しが良くて助かる」

王冠を外そうとした瞬間、楯無のアナウンスが響き渡る。

楯無「王子様にとって国とは全て。その機密が隠された王冠を失うと自責で電流ビリビリよ」

マクギリス「……は、っ?」

その言に違わず、体を電流が襲う。

マクギリス「ぐう、っ…!?」
278 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/06/17(月) 03:46:56.27 ID:iqCyNv2T0
慌てて王冠を戻さざるを得ない。

マクギリス「悪趣味な…すまない、ラウラ。これでは渡すに渡せん、命に関わることなのでな」

ラウラ「あの女め…仕方ない、代わりに誰にも取られるな。絶対に」

マクギリス「解っている。これでは手放せん」

ラウラ「フォローはしておく、逃げろマクギリス」

マクギリス「感謝する」

言葉に従い、離脱する。王冠狙いと見える女子の群れが、既に迫っていたのだから。

隠れ、逃げ回り、やり過ごす。不意に、嫌な予感に襲われる。

マクギリス(殺気…この様な混乱、奴等には恰好の状況か。楯無め、考え無しに引っ掻きまわし過ぎだ)

事実、三日月や一夏の姿は見えず、逃げ込んだ先に待ち伏せされる、などと言う危険もある。

そんな危惧は、数分で現実と化した。
279 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/06/17(月) 04:30:03.25 ID:iqCyNv2T0
次回予告

三日月「アンタ、何?敵なの?」

一夏「気を付けろ三日月、こいつは…!」

「ああ、お察しの通りさ!お前らのISをよこしやがれ!」

そして、戦場に混ざり込む異物。

マクギリス「馬鹿な、この機体は…!?」

「そうか、貴様には馴染み深いのだろう?喜ぶがいい、この世界で再会した事を」

次回、ガンダム・フレーム。
280 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/06/17(月) 04:34:58.61 ID:iqCyNv2T0
マクギリス「さて、謝罪に移らせて貰おうか」

マクギリス「本当は昨日の内にここまで書きたかったのだが、用意している合間に睡魔に敗北してしまった。申し訳ない」

マクギリス「次回はきっちりと一話分書きたい…が、あまり期待はしないでいてくれ。最近、仕事が激務でな…」

マクギリス「では諸君、また来週」
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/17(月) 18:08:14.78 ID:Vp9ql4k80
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/25(火) 21:45:27.44 ID:ypz/MIhU0

待ってるから無理せず頑張ってくれ
283 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/07/07(日) 00:00:01.97 ID:DNCrFlhk0
マクギリス「待たせて申し訳ない。そろそろ、書きに入らせて貰う」

マクギリス「どうにも最近、仕事もバエルも調子が悪くてな…降格の憂き目に遭うなど、不調でな…」

マクギリス「気を取直して、なんとか再開させて貰おう」

マクギリス「ところで諸君はもうFAガールの劇場版は見たかな?」

マクギリス「最後に出てきた彼女達の活躍、期待させて貰おう…!」

マクギリス「それと、総集編に近いからと言って途中で退室するのはやめて欲しい。マナーとして、そして映画に対して失礼極まるからな。一人くらいならトイレか体調不良だろうと思えたが、三人四人と出て行かれると、な」

マクギリス「そういえば、今はもうMよりFの方がバエルには良いのだろうか?最近見かけるバエルは大概Fだし、私もFバエルに慣れるべきか…」

マクギリス「では、デスティニーを完成させながら書かせて貰おう」
284 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/07/07(日) 00:24:49.11 ID:DNCrFlhk0
第十六話 ガンダム・フレーム

敵襲の知らせと共に、バエルに通信が入る。

千冬「ファリド、オルコット、凰は哨戒に当たれ。敵は内部に潜入して戦闘を始めた以上、必ず外部からも来る」

マクギリス「了解した。三日月、そちらは」

三日月『大丈夫。すぐに仕留めるから』

マクギリス「…頼もしいな」


一夏「ミカッ!」

三日月「生きてる?一夏。で、…アンタが敵って訳だ」

「ハッ!ノコノコとこのオータム様の前に出やがって、誘い出さ…ぬがぁっ!?」

死角からのテイルブレードがオータムの機体に襲い掛かり、台詞を中断させた。

三日月「ごちゃごちゃとうるさいよ。さっさと消えろ」

オータム「テメエ…ブチ殺してやるよ!クソガキがぁっ!」


IS学園上空、バエルで先行する。

マクギリス「あちらは問題無いだろう…さて、敵は何処から…」

セシリア「来ましたわ!2時の方向、三機の機影を確認しまし…!?」

マクギリス「エイハブウェーブだと…!?」

先行する、真紅の機体。エイハブウェーブに驚く隙もなく、手にしたライフルからビームが放たれた。実に正確な射撃。

「見せて貰おうか、この世界のガンダムの性能を…!」
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/07(日) 00:36:54.17 ID:Y2F6kqWPO
新しいデスティニーホント凄い
このクオリティで他のも作って欲しいくらいに凄い(語彙力不足)
286 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/07(日) 00:37:21.38 ID:Y2F6kqWPO
ごめんなさいメ欄間違えました
287 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/07/07(日) 00:59:22.88 ID:DNCrFlhk0
マクギリス「この距離から狙って来るか!」

散開して直撃を避ける。敵はサイレント・ゼフィルス、マッチングリストに該当しない真紅の機体。そして…最後の一機が、手にした得物を構えて突進してくる。

マクギリス「よもや、この世界で見える事になるとは…!」

かつて友が駆り、自分を打ち倒した機体。偽装を解いたキマリスが襲い掛かって来ていた。


三日月「邪魔だよ、アンタ」

オータム「この、ガキが!調子付きやがって!」

一夏「こっちも居るって忘れてないか!?」

背後から雪片が振るわれる。回避に意識を割くオータムをメイスの一撃が打ち据え、戦っていたロッカールームから演劇の舞台となっていた会場へと叩き出す。


マクギリス「そちらは任せる、この機体は私でなければ相手にもなるまい…!」

キマリスの攻撃を捌きながら、観察する。

マクギリス(ガンダム・フレームをそのまま再現している。つまりは無人機か…ふざけた真似をしてくれる)

マクギリス「そんな仕様で、私を倒そうとはな!」


セシリア「そんな…BT適性は私が最高値の筈、それが何故…フレキシブルまで、!」

ブルーティアーズから放たれたミサイルを、ビームが湾曲、追尾するかの様にして破壊した。


鈴「なんなのこいつ、この速さ…!?」

甲龍を、ビームが襲う。

「君では私の相手にはならんよ」
288 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/07/07(日) 03:21:16.69 ID:DNCrFlhk0
オータム「クソがっ!こんなガキ共に!」

三日月「だからさ、ごちゃごちゃうるさいよ」

オータムの機体が、バルバトスに蹂躙される。


増援の迎撃部隊が突破される。

鈴「こいつ、いったい…!?」

真紅の機体の蹴りが、甲龍を吹き飛ばした。

セシリア「鈴さん!くっ…よくも!」

対峙するブルーティアーズとサイレントゼフィルス。力量差は、歴然だった、

マクギリス「このままではいかんな…」

キマリスとの打ち合い、撃ち合いは並行線を辿る。幾度となく剣と槍がぶつかり合う。

「ふん、噂通りなのは貴様だけか」

横合いから、セシリアを退けたゼフィルスのビーム攻撃。回避に意識を割いた隙を、キマリスのランスが的確に突き、バエルを舞台へと叩き付けた。

マクギリス「ぐっ…」

ラウラ「マクギリスっ!無事か!?」

見れば、機能の大半を潰された敵機を捕縛する寸前だった。
289 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/07/07(日) 20:24:30.03 ID:DNCrFlhk0
「不様だな、オータム」

オータム「うるせえ!まだ機体に馴染んでねえだけだっての!」

ゼフィルスのビットと真紅の機体のビームが包囲網をズタズタにする。その隙にオータムと呼ばれた女は機体のコアを外し、その機体の自爆機能を起動した。

「これ以上は少々厄介になる。今の内に離脱するぞ、エム、オータム」

真紅の機体のパイロット…仮面を付けた男が、そう発した。

マクギリス「逃すものか…!」

真紅の機体への突進を、キマリスに阻まれる。

それと同時に、オータムが捨てた機体が爆散する。…その隙に、既に敵影は消えていた。

マクギリス「…逃した、か。無事か、皆」

シャル「うん、なんとか…ラウラが爆風を逸らしてくれたから」

楯無「あの赤い機体、ただ者ではないわね。男な上に、あの実力…」

一夏「ちくしょう、なんなんだあいつらは…!」

マクギリス「無事に済んだ事を喜ぶべきだろう。課題は増えたが、な…」

そう口にしながらも、内心解っていた。これだけの数の専用機、二機のガンダムフレーム。それがたった四機に掻き回され、誰一人捕まえられなかった。この世界に来て初めての、明確な敗北であった。
290 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/07/07(日) 20:41:29.96 ID:DNCrFlhk0
次回予告

楯無「ところでマクギリスさん、これなーんだ?」

マクギリス「私が付けていた王冠….?戦闘のどさくさに紛れて回収とは、阿漕な真似を」

楯無「これを手にした女子は、被っていた男子と同室になるのです!いえーい」

マクギリス「なんだと…聞いてないぞ、そんな話は…!」

楯無「生徒会長権限で絶対よ?観念なさいな」

マクギリス「何故そんな真似を…」

楯無「聞きたい事が色々あるから?あと面白そうだから!」

マクギリス「困った女だ…」

楯無「次回、インフィニットマクギリス。サイレント・ゼフィルス」

マクギリス「また厄介事の予感がするな…」
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/07(日) 20:49:27.01 ID:/ST0cHNy0
乙ー
292 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/07/27(土) 01:57:06.71 ID:DQZLCfM30
マクギリス「随分と、待たせてしまったな。申し訳ない」

マクギリス「体調が悪かったり、夜勤明けに名古屋遠征したら次の日まで死に掛けていたりでマトモに書く余裕がなくてな」

マクギリス「では、HGシナンジュスタインを組みながら書かせて貰おう」
293 :エングレービング塗るの面倒くせえ… ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/07/27(土) 02:09:22.04 ID:05OPc4Mt0
マクギリス「キャノンボール・ファスト…確か、国際競技の一種だったか」

楯無「でもって、このIS学園のあるこの地では市の行事の一環で毎年開催されてるのよ」

マクギリス「…またしても、催事とはな。多過ぎでは無いだろうか」

楯無「まあ、今年は特に、ね?」

マクギリス「どう考えても事件の匂いしかしないんだが、警備は万全と言えるのか?」

楯無「むーり。野外競技だしね」

マクギリス「…困った物だな」

楯無「で、競技の自信の程は?」

マクギリス「速さを競うなら、バエルの相手になりうるのは白式と紅椿だな。もっとも、単純なレースではないので一概には言えないがな」

楯無「で、終わったら一夏君ちで誕生日パーティーでしょ?」

マクギリス「だからこそ、無事に終わって欲しいんだ」
294 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/07/27(土) 16:21:03.91 ID:we4mKa7b0
キャノンボール・ファスト当日。

マクギリス「専用機持ちによるバトルレース…流石の観客数だな」

シャル「だね。楽しみだよ」

マクギリス「…セシリア。随分、気合が入っているな」

セシリア「え、ええ。良い試合にしましょう」

マクギリス(…随分、根を詰めていたようだが…やはり以前サイレント・ゼフィルスを取り逃がしたのが大分堪えたみたいだな)

三日月「あー…つまり、別に攻撃はしてもいいんだよね?」

マクギリス「ああ。もっとも、回避した方が距離は稼げるだろうがな」

三日月「ふーん…」

マクギリス「さて、そろそろ時間だな」

周りは全て競い合う相手となる。各自は切り札を隠し、勝負に臨む。
295 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/07/28(日) 06:58:28.26 ID:rzYm1S8Q0
戦いの時間となり、一年専用機持ちが並び立つ。

マクギリス(壮観だな。私のバエル、三日月のバルバトス。セシリアのあれはストライクガンナーか。強襲離脱用装備だったか)

マクギリス(鈴のは初めて見るタイプだな。横向きの衝撃砲からして、完全にキャノンボール・ファスト仕様と言ったところか?)

アナウンスに従い、スタート地点まで移動する。 シグナルランプが点灯し、カウントが始まる。

スタートと同時に、セシリアが先頭に踊り出る。

コーナーを過ぎ、鈴が勝負を仕掛ける。衝撃砲を用いてセシリアを牽制、回避に余裕を割いたセシリアを鈴が抜き去る…それを更に、鈴の背後にスリップストリームを用いて機会を窺っていたラウラが先に出た。

シャル(バエルが先頭になれない筈がない。何か仕込んで…いや、悉く先手を取るしかない!)

鈴が対応するより早く、ラウラの大型砲の弾丸が鈴を捉える。直撃ならずとも、大きくコースを外れる。

マクギリス(では、そろそろ行かせて貰うと…!)

混戦しだした前方を一気に抜くべく力を込めようとした私を、白式が襲撃する。

一夏「マクギリスを自由にさせといたら間違いなく首位を取られるからな」

マクギリス「挑んでくるか。その心意気、買わせて貰おう!」

バエルソードと白式のクローが交差する。
296 :エングレービングが上手く塗れない ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/07/29(月) 01:01:13.11 ID:5PloX0Zz0
箒「背後が空いている!」

紅椿の奇襲。それを白式を弾いた反動で避け、双方にレールガンの弾を見舞う。…掠めた程度。被害は殆どない。

マクギリス「今の連携は悪くなかったな。即席か?」

一夏「いや、打ち合わせ通りさ」

マクギリス「何…!?」

二人に気を取られている私の頭上から、バルバトスが強襲を掛ける。辛うじて、バエルソードを交差させて受ける。

三日月「やっぱチョコの人は厄介だな。先に潰さないと」

マクギリス「まったく、随分と目を付けられた物だな」

混戦模様なったバトルレース。だが、そこに一石を投じたのは参加者達では無かった。
297 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/08/04(日) 19:33:58.56 ID:ojJH8IZD0
降り注ぐ、上空からの砲撃。見覚えのある機体が、次々と先頭を駆けるシャル達を撃ち抜いていく。

マクギリス「つくづく暇な連中め…!」

三日月「アイツ…この前の」

セシリア「サイレント・ゼフィルス…あの機体は、私が!」

一方的に通信を切り、セシリアがゼフィルスに突撃を掛ける。

シャル「行って、マクギリス!」

マクギリス「大丈夫か、シャル。機体の損傷は」

シャル「僕もラウラも鈴もスラスターをやられた。このままじゃセシリアが…!」

マクギリス「わかっている。私が必ず、彼女を連れて戻る。三日月、君達はここの防衛を。奴一機とも限らない」

三日月「わかった。アンタも気をつけて」

市街地に抜けたであろう二機に向けて、スラスターを最大限に使用し空を駆ける。
298 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/08/04(日) 19:43:28.55 ID:0r9HHt9D0
マクギリス「見えた…!」

ゼフィルスと、セシリア。状況は劣勢。

ゼフィルス「…ようやく、白馬の騎士様のお出ましか」

マクギリス「何…?このエイハブウェーブは…!」

敵の狙いはセシリアではなく、セシリアの身を案じ追撃に出た私自身、というわけか…!

迫り来るキマリス。応戦の隙を、ゼフィルスが付け狙う。

マクギリス「くっ…セシリア、即席ではあるが後ろは任せる。良いな?」

セシリア「あ…はい、お任せを!」

まずはナノラミネートアーマーを持つキマリスを狙う。キマリスのランスとバエルソードが甲高い音を立てぶつかる。互いに引かぬ押し合いに、セシリアの援護とゼフィルスの妨害。一進一退の攻防が飛び交う。
299 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/08/04(日) 20:04:04.18 ID:YosvRcI00
私の隙をセシリアが。セシリアの隙を私がフォローする。

ゼフィルス「ちいっ…」

対して、ゼフィルスとキマリスは互いに協力するのではなく、目の前の敵を叩く事を優先しているが故に、互いに邪魔をし合う結果になっていた。

キマリスの頭部に、バエルソードが突き刺さる。その隙を狙うゼフィルスを、セシリアのライフルが妨害する。

ゼフィルス「使えん木偶人形が…」

互いに心を通わせた連携こそが、戦局を覆す。そう、我々の戦いは一人ではないのだ。

キマリスの膝のドリルを蹴り折り、機能中枢にバエルソードを突き刺さす。沈黙するキマリス。

ゼフィルス「この…!」

セシリアの射撃を躱し、突撃してくるゼフィルス。

切り結ぶ私の背後から、高出力ビームが放たれた。回避は不可能に近い。損害を覚悟し、ゼフィルスへの攻撃を優先する。

セシリア「マクギリスさんっ!」

そのビームを、セシリアが身を呈して庇った。

「引き上げだ、エム。これ以上は消耗戦になる」

ゼフィルス「…ちっ」

赤い、金の装飾の施された機体。それの指示で、ゼフィルスは引き上げていく。

マクギリス「セシリア、無茶をし過ぎだ」

セシリア「マクギリス、さんは…無事、でして?」

痛みに呻くセシリア。右腕に痛々しい傷。

マクギリス「ああ。君のおかげだ。感謝する」

セシリア「良かっ、た…」

気を失い、機体が待機状態に戻ったセシリアを抱える。

マクギリス「…私だ。敵機を破壊した。コアは無事だろうから、回収を頼む」

千冬『キマリスとかいう無人機か。良くやった。オルコットは』

マクギリス「負傷はしているが、命に別状はない。治療の手配を」

予定外の事態ではあったが、乗り切る事は出来た。
300 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/08/04(日) 20:29:44.79 ID:CjNh4cnT0
セシリア「マクギリスさん、次はケーキをお願いしますわ」

一夏の家での、誕生日パーティー。…人数、やけに多い気がするのだがな。

マクギリス「ああ。どうぞ」

セシリアの口にケーキを運ぶ。まさに至福、といった顔のセシリア。

シャル「ずるいなぁ…僕が食べさせてあげようか?」

マクギリス「いや、私の仕事だ。彼女には救われた借りがあるからな。この怪我も、私の責任だ」

シャル「マクギリスは本当にそういう所生真面目だなぁ…」

セシリア「マクギリスさん、私はもう大丈夫ですから一夏さん達とお話しなさっては?」

マクギリス「本当に良いのか?では、御言葉に甘えよう」

マクギリス「…ん?君は、確か一夏の友人の妹さん、だったかな?」

蘭「は、はい!マクギリス・ファリドさんでしたよね!五反田蘭です!ご活躍はかねがね伺っております!是非サインを…あいたっ」

鈴が背後から蘭を小突く。

鈴「なーに誕生日パーティーでサインなんてねだってんのよ。大方クラスの連中に頼まれたんでしょ」

マクギリス「ふむ、なるほどな。あまり慣れてはいないが、私ので良いなら構う事はないぞ、鈴」

蘭「ありがとうございます!」

鈴「そう?アンタがそういうなら良いけど」

楯無「人気者ねえ。少しジェラシー、かしら」

マクギリス「物珍しいだけだろう。では、失礼」

サインを渡し、このパーティーの主役の元へ向かう。

一夏「お、マクギリス。セシリアは大丈夫そうか?」

マクギリス「ああ。義理深い少女だよ、彼女は。傷よりも友の誕生日を祝いたいとはな」

一夏「まあ、セシリアも皆も良い奴だからな」

マクギリス「同感だ。では改めて一夏、お誕生日おめでとう。受け取って貰いたい」

プレゼントを渡す。

一夏「これは?」

マクギリス「バエルだ」

一夏「…えっ?」

マクギリス「正確には発売中のフルメカニクスのガンダム・バエルだ。出来は凄まじく良いぞ」

一夏「あー、プラモデルか。ありがとな」

マクギリス「何、悩んだ末に私が貰って嬉しい物を、とな。気楽に作ってくれ
301 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/08/04(日) 20:37:01.40 ID:g79FQiCn0
マクギリス「…飲み物の消費が激しいな」

一夏「人数居るしなぁ…買ってくるよ」

マクギリス「いや、私が行こう。主役に雑用をやらせる訳にはいくまい。君は友人に希望を聞いて来てくれ」

一夏「なんか、悪いな」

マクギリス「気にするな。私も少々、外の空気を吸いたいのでな」

セシリア、シャル、ラウラに箒に楯無、鈴の希望を書き留め、一夏の友人達の分のメモを受け取り、外に出る。

マクギリス(この分ならばスーパーの方がいいか)

手早く仕入れ、一夏の家に戻る…その行く手、街灯の下に佇む小柄な少女。

マクギリス「君、どうかしたのかな…!?」

その容貌は、織斑千冬の生き写しと言わんばかりの、瓜二つだった。
302 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/08/04(日) 20:53:37.69 ID:g79FQiCn0
次回予告

楯無「ねーえ、私の見せ場全然無いんだけど?」

マクギリス「唐突に何を言いだすんだ。君は散々好き勝手して来たろう」

楯無「私も暴れたいの!」

マクギリス「勘弁してくれ」

楯無「次回、インフィニット・マクギリス。失敗作とガンダム。ガンダムは…敵ぃいい!」

マクギリス「近いが違うだろう君はっ!?」

「誰が失敗作だ、誰が出来損ないだ!」

マクギリス「君の事ではない、下がれ」
303 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/08/04(日) 21:07:51.68 ID:q+DkI2SO0
第十八話 失敗作とガンダム

マクギリス「君は、一体…」

「織斑マドカ、だ。マクギリス・ファリド」

マクギリス「織斑…なるほど、その声はゼフィルスのパイロットか」

マドカ「ほう、流石だな。腑抜けた学生どもとはやはり違う」

マクギリス「何用だ。まさか、軍門に下りに来た訳ではあるまい」

マドカ「バエルを差し出せ。そうすれば、貴様には手出ししない」

マクギリス「良いだろう。君にバエルを差し出そう」

マドカ「ほう?話が解る奴で何よりだ」

差し出すは、フルメカニクスのバエル。

マドカ「…貴様、馬鹿にしているのかっ!?」

律儀に受け取り、一度しまってからの発言だった。

マクギリス「違ったか?私の直感では、君もアグニカとバエルが好きだと思ったが」

マドカ「違わないが違うっ!しかも初回限定ではないではないかっ!」

マクギリス「すまない、初回限定のバエルは一夏に渡したのが最後でな」

マドカ「おのれ織斑一夏め、またしても…覚えておけっ!」

ゼフィルスを展開、逃げる様にして飛び去って行った。

マクギリス「……本当に何をしに来たんだ…?」

流石に、困惑せざるを得ない。
304 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/08/04(日) 21:17:10.82 ID:5/WSKqLM0
翌日。自室に戻ると待ち構えていたのは更識楯無。

マクギリス「お引き取りいただきたい」

楯無「扱い雑すぎないかしらっ!?」

マクギリス「私は少々疲れていてな。君の企みに付き合う余裕は無いんだ」

楯無「背中流してあげるから、話を聞いて貰えないかしら?」

マクギリス「そういうところだぞ楯無。…で、用件は」

楯無「襲撃…ぽいの受けたんでしょ?護衛、つける?」

マクギリス「結構。生半可な戦力で対処出来る相手ではあるまい」

楯無「そうよねー…あと、もう一件」

マクギリス「なんだ?」

楯無「うーん、と、その、ね?」

珍しく、歯切れが悪いな。

楯無「妹を、お願いします!」
305 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/08/04(日) 21:35:08.89 ID:b0O4HNJd0
マクギリス「更識簪。君の妹で、四組の専用機持ち、か」

楯無「そうなのよ。だけど、専用機は未完成で実戦段階じゃ無いのよ」

マクギリス「なるほど、キャノンボール・ファストに四組の専用機持ちが居なかったのはそれが理由か。それで、私に何をさせたいんだ」

楯無「それでね、昨日の襲撃事件を受けて、全体の練度を上げる為に全学年合同でタッグマッチをするんだけど…そこで、簪ちゃんと組んであげて欲しいの!」

マクギリス「それは構わないが…何故、私なんだ?」

楯無「それは簪ちゃんに会えばわかるわ。それじゃ…よろしくお願いします」

マクギリス「…ああ。私としても、学園の戦力増強は必須と考えていた。その為ならば引き受けるさ」

楯無「ありがとう。遅くにごめんなさい」

マクギリス「気にするな。必要な話であるならば問題はない」

楯無「それじゃ、おやすみなさい」

マクギリス「ああ、おやすみ」
306 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/08/04(日) 21:59:30.44 ID:gAvxjO9M0
眠りに着いた頃に、緊急通信で叩き起こされた。

マクギリス「エネルギー波、だと?」

千冬『お前が現れた時と同じ物だ。第2アリーナだ』

マクギリス「わかった、急行する」

バエルを使い、上空から無人の筈のアリーナを見下ろす。倒れている人影を捕捉、近くに降り立ちバエルを解く。

そしてその顔に、絶句せざるを得なかった。

マクギリス「…ガ、エリオ、?」
307 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/08/04(日) 22:14:01.00 ID:83/OqVzb0
間違いだ。他人の空似の筈だ。此処に居る筈がない。居て良い筈がない。

そう、否定しても、目の前の現実は、自分の認識は。かつての友の姿を、如実に捉えていた。

マクギリス「…何故だガエリオ、何故、何故お前が現れた!?」

ガエリオを揺さぶる。ゆっくりと開かれたその眼は、やはり間違えようがないものだった。

ガエリオ「う、俺は…」

マクギリス「答えろガエリオ、何故お前が此処に来る!?」

ガエリオ「な…マク、ギリス…なのか…?」

マクギリス「…やはり、ガエリオ、なのか。向こうで、何が起きた…何故、お前が…」

ガエリオ「ば、化けて出たのか!?いや偽物か!?此処は何処だ!?」

マクギリス「…何を言っている。私は私だ。お前こそ、何故この世界に来た」

ガエリオ「…本当に、マクギリス、なのか?…どういう事だ…?」

千冬「ファリド、そいつがそうか。…知り合いか?」

駆け付けた織斑千冬。それに背を向け、ガエリオから視線を外す。

マクギリス「ああ。私の友じ…いや、顔見知りだ。悪い男ではない、説明して丁重に扱ってやるといい」

ガエリオ「マクギリス…?何故、今…」

千冬「…ファリド?」

マクギリス「私も明日は早いのでな。失礼する」

ガエリオ「な、待て、マクギリス!マクギリス!」

その呼びかけに応えぬまま、私は部屋へと逃げ帰った。

マクギリス(今更、どのような顔をして接しろと言うのだ。否、接するだけの権利は、もはや私にはあるまい)
308 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/08/04(日) 22:36:20.41 ID:Hh2JQZcd0
翌日。転入生という扱いで、ガエリオは一組に入る事となった。

ガエリオ「ガエリオ・ボードウィンだ。事故で記憶喪失でな。すまないが、色々と知らぬ事ばかりなので手助けしてくれると有難い」

三日月「ね、良いの?あれ、ガリガリでしょ」

マクギリス「気にする必要は無い。遺恨などは引きずるなよ、要らぬ波風になる」

三日月「俺は別に…けど、アンタは?」

マクギリス「既に終わった話だ。気遣いは無用だ」

三日月「そう。」

そう、既に終わった関係でしかないのだ。奴と、俺は。

放課後。早速、更識簪の元へ…向かわんとする私の前を、ガエリオが遮る。

マクギリス「…すまないが、通して貰えないか。私は忙しい身でね」

ガエリオ「先に話を付けるべきは俺ではないのか、マクギリス」

マクギリス「先約がある。それに、君と話す事はない…君とて、本当は私と顔を合わせるのも嫌だろう」

ガエリオの脇を、強引に通り抜ける。

ガエリオ「…マクギリス…」

一夏「えっと…ガエリオ、さん?マクギリスと知り合いだったりするのか?」

ガエリオ「…ガエリオで構わない。奴とは幼馴染だ」

一夏「そうなのか」

シャル(ガエリオ…確か、マクギリスの…)


309 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/08/04(日) 22:42:49.51 ID:Hh2JQZcd0
マクギリス「失礼、更識簪さんは居るかな?」

簪「何か、御用ですか?」

マクギリス「今度のタッグマッチ、是非とも私と組んで貰えないかな?」

簪「…何故、ですか?」

マクギリス「タッグマッチの目的は、全体の練度を上げる事だ。私としては、君との連携訓練も積んで置きたい。勿論、必要な助力はさせて貰おう」

簪「…一つ、条件が、ある」

マクギリス「何かな?」

簪「バエルの写真、沢山撮らせて。色んなポーズで」

マクギリス「あ、ああ。分かった」

楯無の言っていた事を、ようやく理解した。
310 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/08/04(日) 23:02:20.62 ID:5vQJi9sD0
マクギリス「では、まずは君の専用機の完成から目指…」

簪「必要ない。一人で完成させる」

マクギリス「な、待ってくれ。君の機体は…」

簪「姉さんにも出来た、私にだって…!」

駆け出してしまう、簪。

マクギリス「…困ったものだ…」

彼女を追う。曲がりなりにも、パートナーなのだから。

アリーナに着き、簪を探す。…飛行試験中の様だった。

マクギリス(基本形は出来ていたのか。ならば完成は近いはずで…む、?)

簪の機体のスラスターの一基が不自然に明滅、爆発した。制御を失ったらしく、墜落していく簪。

マクギリス「不具合か!?」

バエルを緊急展開、簪に追い付き、壁に激突する寸前でバエルを割り込ませ、簪を受け止める。

マクギリス「くっ…」

簪「マ、マクギリス、さんっ!?」

マクギリス「怪我はないか、簪」

簪「わ、私は平気。でもマクギリスさんが…」

マクギリス「マクギリス、と、呼び捨てで構わない。バエルはこの程度では傷一つつかない」
311 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/08/04(日) 23:07:55.51 ID:5vQJi9sD0
簪「その、ごめんなさい。ありがとう、助けてくれて」

マクギリス「気にするな。だが、今後は一人で無理をするな。こんな事故で怪我をしては、勿体ない」

簪「は、はい…」

マクギリス「では、私は報告を上げておく。事故が起きた以上、必要だからな」

簪「本当に、ごめんなさい…」

マクギリス「何、謝罪は不要だ。ゆっくりと休め。明日から、皆で完成を目指そう」

簪「はい…本当に、ありがとう」

マクギリス「ああ、では、また明日」

報告を上げて、自室に帰る…待ち構えるは、ガエリオ。
312 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/08/04(日) 23:15:00.74 ID:qDoxBy9m0
簪「本当に、ごめんなさい…」

マクギリス「気にするな、事故では仕方ない。君に怪我が無くて良かった」

簪「でも…」

マクギリス「ならば、私の言う事を一つ、聞いては貰えないかな?」

簪「私に出来る事なら、なんでも…!」


マクギリス「皆で、君の機体を完成させよう」

簪「えっ、?」

マクギリス「一人では出来ない事は当然ある。だからこそ、人は助け合う。こんな事故で怪我をしても仕方ないのだから、な?」

簪「は、はい…」

マクギリス「では、私は報告に行ってくる」

簪「そ、それは私が…」

マクギリス「いや、そう行った事は得意でな。君はゆっくりと休め、そして明日から、完成を目指そう」

簪「ありがとう、ございます」

マクギリス「ああ。また明日」

簪「はい、また明日」

報告を上げて、自室に帰る。待ち構えるは、ガエリオ。
313 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/08/04(日) 23:20:04.08 ID:qDoxBy9m0
マクギリス「書き込み出来ていないと思ったら書き込まれていた罠。」

マクギリス「では、キリも良いし一時中断だ、また土曜日に余裕があれば書き始めよう」

マクギリス「しかし、近頃は暑過ぎて死ねるな。諸君はくれぐれも熱中症などには気をつけてくれ」

マクギリス「さて、階級は中尉まで上げる事が出来た。准将までは遠いな…」

マクギリス「スターウイニング、強いな。とはいえ散々たたかったら慣れたおかげで取れなくはない部類になったが」

マクギリス「諸君もまた、頑張ってくれ。私も色々と頑張るのでな」

マクギリス「バエルの元へ集え!」
314 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/05(月) 16:16:09.43 ID:LAAZcnxz0
おつ
315 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/05(月) 16:25:13.81 ID:h6e4p1RtO
一度マッキーとガリガリで殴り合い宇宙なり芝生ゴロゴロなりやってもらいたいものだ
316 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/08/11(日) 20:57:11.26 ID:3fffBpEc0
マクギリス「随分と、暇なようだな。ガエリオ」

ガエリオ「友の為ならば、時間を割くのは当然だ。そうだろう、マクギリス」

マクギリス「友、か…誰の事だ?」

ガエリオ「…また目を逸らすつもりか、マクギリス」

マクギリス「お前こそ、今更なんのつもりだ。俺を友などと…」

ガエリオ「確かに、今更なのかもしれないな。友と呼んでいた男がどんな扱いを受けていたかも知らず、本心も知らず。挙げ句その心を救えずに死なせた。その汚名すら良しとして生きるしか無かった俺には、お前の友である資格も無いのかもしれない」

マクギリス「何を言っている。…隠したのは私だ。そして、利用し、切り捨て、殺したのも私だ。そんな私を君は友と呼ぶつもりか?」

ガエリオ「ならば俺とて、お前を殺した。そんな俺を、お前はあの時…」

マクギリス「それを否定したのは君だろう、ガエリオ。…全ては、終わった事だ。」

ガエリオ「違う、まだ終わっていない、いなかった!此処でこうしてお前と話す機会があった、話さなければいけないんだ!今度こそ、お前を…俺は…!」

マクギリス「私には必要ない。…許されるつもりも、ない」

ガエリオ「お前は死んでもなお足りないと言うのか!?それだけの罪を背負うのが当たり前だと言うつもりか!?」

マクギリス「今更何を言う、ガエリオ。それが、私の道だ」

ガエリオ「愚直にも程があるぞ、マクギリス…お前を慕うあの子たちはどうなる!?彼らにすら背を向け、目を逸らすのか!」

マクギリス「彼らは知らないだけだ。私という人間を。知れば嫌悪するだろう」

ガエリオ「…本気で、そう思うのか、マクギリス…」

マクギリス「失礼する。私も、忙しい身なのでな」

自室に逃げ込む。…そう、今更なのだ。切り捨てた身でありながら、今更その暖かさに浸る資格など、あるはずが無い。
317 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/08/11(日) 21:08:25.48 ID:3fffBpEc0
翌日、放課後。

マクギリス(やるべき事は、やらなくてはな…)

4組に、簪を迎えに行く。道中、整備を手伝えそうな人員に声をかけて。

簪「大丈夫?なんか、疲れた顔してる、ような…」

マクギリス「心配は無用だ。君の機体を完成させねばならない。その為に、何人かに手を貸してもらう事にした」

簪「ありがとう…」

マクギリス「それは彼女らに言ってやれ。私では、基礎的な事しか担当出来ないからな」



ラウラ「貴様は知っているのだな、何故マクギリスが我々を避ける様になったのか」

セシリア「教えて下さい、あの方に何があったのか」

シャル「僕はあの人の口からしか聞いた事はないんだ。だから、知りたいんだ。あの人を、もっと」

ガエリオ「わかった。だが、約束して欲しい。マクギリスを、あいつが過去に何をしていようと、見捨てないと。見限らないと」
箒「無論だ。マクギリスは、私達のかけがえのない仲間だ」

鈴「胡散臭かったのは昔だけだしねー。今では大切なライバルよ」

一夏「俺はあの人を超えたい。教えてくれ、あの人を」
318 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/08/11(日) 21:27:20.60 ID:3fffBpEc0
タッグマッチ前日。本音や新聞部の黛らの手助けもあり、実戦には耐え得る完成度へと、簪の機体…打鉄二式は仕上がった。

楯無「どう?私の機体のデータ、役に立ったでしょ?」

マクギリス「ああ。これならば、明日の試合には問題ないだろう」

その会話をとある少女が聞いていた事に、誰も気付く事は無かった。

楯無「で、貴方はいつまで避けるの?あの子達を…」

マクギリス「…なんの話だ、楯無。避けていたのではなく、彼らに割く時間が無かっただけだ」

楯無「嘘ばっかり。ただ、私の考えを述べるなら…一度死んだなら、もう良いじゃ無い。終わった事だって、開き直っても」

マクギリス「君は要らない事を知り過ぎだな。…私に、そんな資格はない。今更なんだよ」

楯無「それこそ今更よ。貴方がそうして勝手に抱えたまま生きるのをあの子達は誰も望んで無いわ。自覚しなさい、モテ男」

マクギリス「…やれやれ、愚かな事だ…」

楯無「それは、誰に対してかしら?」

マクギリス「…」

楯無「ま、良いわ。タッグマッチが済んだら、きっちり話しなさい。あの子達と」

そう言って、私の部屋を後にして行った、更識楯無…困った女だ。
319 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/08/11(日) 21:39:35.73 ID:3fffBpEc0
タッグマッチトーナメント当日。

マクギリス(簪、一体何処に行った…既にアリーナに向かって居るのか?)

開会の挨拶に立つ楯無との姉妹仲は良好では無かったのは知っていたが、よもやこれまでとは。

その姿を探し、走る。…突如走る衝撃と、警告。

マクギリス「なんだ、一体…」

胸騒ぎに従い、アリーナへと駆ける。

目にしたのは群れと言うべきであろう、視界内だけで40は下らない、おそらくかつてグリムゲルデで下した無人機の発展型。それに抵抗する、専用機持ち達。

マクギリス「状況は最悪か…ならば、バエルで斬り開くのみ」

迷う事はない。ただ、力を示せば良いのだ。それだけが、俺に許された真実、俺にあるべき全てなのだから。

バエルを顕現させて、突喊する。さながら、かつてアリアンロッドに単独で挑んだ様に。
320 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/08/11(日) 21:57:40.67 ID:3fffBpEc0
推奨BGM One Way

そう、孤独とは自由なのだ。自由である事こそが、最大の力を発揮し、最強の力となる。

独り、敵機の群れを蹂躙する。袈裟斬りにし、刺し貫き、抉り、刎ね、叩き伏せる。残骸を投げ付け、敵の注意を引く。暴力を見せ付け、本性を剥き出しにし、暴れ狂う。残骸の山を築きあげ、更なる残骸を作り上げる。

マクギリス「これこそが、唯一絶対の力だ!」

甲高くスラスターを吹かせ、敵の群れをすり抜け様に斬り、裂き、蹴り、刺し、抉り、断つ。

そうして暴れ回る最中に、簪を見付ける。…恐怖に竦み、打鉄を着ける事すら出来ていない。敵の魔手は、既に簪に届かんとしている。

敵の只中に居ることも忘れ、ただ全力で簪の元へ飛ぶ。攻撃が掠め、行く手を阻む。しかし、なおも飛ぶ。この身を動かす想いが、何なのかわからぬままに、簪と敵機の間に割り込み、攻撃を簪の代わりに受け、壁に叩き付けられた。

321 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/08/11(日) 22:04:40.19 ID:3fffBpEc0
簪「え、っ、?嘘、そんな、マクギリス、っ?」

マクギリス「が、はっ…絶対防御やエネルギーバリアを無効化しているとは…無事か、簪…」

簪「わたしは、…でも、貴方が…!」

マクギリス「気に、するな。早く打鉄を、」

遅れながら打鉄を展開した簪を見ながら、機体状況を確認する。…攻撃を受けた部分の肉体へのダメージが酷い。骨折は間違いないだろう。

意識が、遠のく。…かつて、ラウラと起こした、他者と意識を共有する感覚。それに似ていた。
322 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/08/11(日) 22:37:14.99 ID:3fffBpEc0
マクギリス《これは…あの時の…》

間違いない、かつてラウラと意識を共有したような感覚。…そこに現れたのは、彼女達だった。

ラウラ《マクギリス…お前は、私の嫁だ。たとえ、かつては悪鬼羅刹であろうが、今のお前は違う。私は知っている、お前の優しさを、暖かさを》

セシリア《私は知っていますわ、貴方の誠実さを。貴方がこの世界に来る前がどうであれ、今の貴方にも私にも、関係ありませんわ》

シャル《僕は知ってるよ。マクギリスがどれだけ優しくて、後悔を抱えてるか。それでも、他人に優しく出来る人なんだって》

箒《私はマクギリスを尊敬している。その気高さと、ただ力だけではない強さを。過去に囚われ、今から目を背ける男ではないはずだ》

鈴《アンタらしく無いわよ。過去でうじうじ悩むとか。アンタは大人なんだから、悩みを聞く側でしょ?》

一夏《皆、マクギリスに助けられた。マクギリスは俺達の仲間だ。前の世界だとか、罪だとか。そんなもん今のマクギリスには関係ないんだ。俺達にとって、マクギリスはバエル馬鹿なだけの大事な友達なんだ!》

楯無《言ったでしょ?此処にいる誰も貴方に苦行なんか求めてない。貴方と一緒に楽しい未来を過ごしたいの》

マクギリス《馬鹿な…俺の、本性を知った上で、そんな事を…》

ガエリオ《これが、彼らの本心だ。見縊るな、目を背けるな。…お前はもう気付いて居たはずだ、友情、愛情、信頼。それがいつしか自分にとっても大切になっていたことを》

マクギリス《そんな資格、俺には…》

ガエリオ《ええい、うじうじとお前らしくない!お前は俺の友だ!お前がなんと言おうがな!拒否権はこの全員が認めん!》

マクギリス《強引にも、程がある…》

ガエリオ《カルタや、アインの為に。そして友として、今度こそお前の心を救ってみせる》
323 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/08/11(日) 22:44:01.46 ID:3fffBpEc0
マクギリス《まったく、困ったお人好し連中だな…》

ガエリオ《お前とて、俺が来るまで随分お人好ししていたじゃないか。今更目を逸らすな、馬鹿》

マクギリス《言ってくれる。だが…そうだな。ここまで言われて、目を逸らし続ける訳にもいかんな》

ガエリオ《わかったならさっさと働け。まずは…》

マクギリス《この窮地、乗り切るぞ。我々全員の力でな。見せつけてやろう、心なき機械では、我々には勝てぬとな》

ガエリオ《それでこそだ、親友》

その一言を皮切りに、意識は現実へと引き戻される。
324 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/08/11(日) 23:02:27.98 ID:3fffBpEc0
目を開けば、簪の目前…簪を庇ったと思しき、倒れ臥す楯無。重傷ではあるが、まだ助かるはずだ。

簪「だ、誰か…助けて…」

既に損害は甚大。しかし、屈する訳には行かない。痛む体を、機体を無理矢理に起こす。

簪「だ、ダメ…そんな怪我で…」

マクギリス「簪。自ら立ち上がれ。この世に、都合良く助けてくれる英雄は居ないんだ」

簪「え…?」

マクギリス「かつて英雄と呼ばれた者たちが英雄足り得たのは、自ら困難を打ち破り、立ち上がって見せたからだ。彼らに、都合良く助けてくれる英雄は居なかったからこそだ」

簪「そんな…それじゃあ、どうしたら…」

マクギリス「自らの手で、仲間と共に、道を斬り開く。それを成し得た者だけが、英雄となりえるのだ。さあ、立ち上がれ。大切な物を、共に守ろう」

簪「大切な物を、共に…」

マクギリス「足りない分は、皆で補おう。さあ、目覚めの時だ」

簪の瞳に、強い力が宿る。
325 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/08/11(日) 23:12:30.48 ID:3fffBpEc0
マクギリス「とはいえ、戦況は悪い。覆す一手が必要だ」

簪「何でも言って!お姉ちゃんを、皆を助ける為なら!」

マクギリス「良い答えだ。…幸い、その一手がある、いや、出来たと言うべきか。道を開けてくれ。バエルが高く飛び、全てを見渡せる位置まで」

簪「わかった!」

打鉄二式のミサイルハッチをフルオープン。マルチロックオンシステムの開発に難航し、手動で動かさざるを得なくなった多弾頭ミサイル〈山嵐〉その全てを解放した。

ミサイルの、まさに嵐を受け、敵の群れに穴が空く。

マクギリス「良くやった。此処から先は…私の出番だ」

バエルが、白き羽根を広げて舞い上がる。それは正に、見る者に可能性と希望を見出させる英雄の姿だった。
326 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/08/11(日) 23:25:19.63 ID:3fffBpEc0
次回予告

ガエリオ「状況は最悪。敵は多数。正に地獄絵図と化す寸前の戦場で、遂にバエルが真の力を解き放つ」

シャル「天高く舞い上がる白き悪魔は、人を狩らんとする心無き天使たちに反撃の狼煙を上げる」

ラウラ「次回、インフィニット・マクギリス。アグニカの魂を継ぐ者の条件」

セシリア「これこそが、真の英雄足り得る者の力ですわ!」
327 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/08/11(日) 23:45:17.56 ID:3fffBpEc0
マクギリス「うーむ…なかなかにやはり、構想を文字にするには難しいものだな」

マクギリス「理解し難かったり多少突飛、強引な部分には済まないが脳内保管での対処を頼む。私の文才はこの程度らしいのでな…」

マクギリス「次は風呂から上がり次第、書くつもりだ」

マクギリス「想像を文字にする、というのは案外ままならないな」

マクギリス「一応、描写されていない部分は基本的に原作やアニメとは相違ないので足りない部分はそちらを参照して貰えるとありがたい」

マクギリス「では、しばらく待っていてくれ」
328 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/08/12(月) 01:06:45.25 ID:N+ciMqK/0
第十九話 アグニカの魂を継ぐ者の条件

マクギリス(やはり、押されている。この物量、尋常ではないな)

学園全体を襲う百を優に超す無人機。対するは専用機持ちと、戦闘教員。どちらが不利かは見るまでも無く明らか。

マクギリス(だが、目を背ける訳にはいかない)

この状況、覆さねば未来は無い。そして、覆す為の最初の一手は既に手にしている。

マクギリス(敵はエネルギーバリアと絶対防御に干渉、阻害している。不利な一番の原因はそれだ)

技量で勝る教員、専用機持ちが押される原因。

マクギリス(後はエネルギー問題。長期戦によるエネルギーの損耗が更なる不利を呼び込む)

その前提を覆せれば、勝機はある。高く舞い上がり、学園全域を見渡せるポジションに着く

マクギリス「さあ、お前の力を見せろ、バエル!」

ハイパーセンサーのリミッターを解放、味方機を細かく精査する。
329 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/08/12(月) 01:16:52.82 ID:N+ciMqK/0
推奨BGM Crescent Moon

「もう駄目だ…こんなの、勝てる訳が…」

絶望に負けそうな声を、塗り潰す。

「戦いは終わっていない!」

味方機と、敵機。その全てを視界に収め、的確に識別する。

「諸君らの輝かしい未来を、決して閉ざさせてはならない!」

正に道化。しかし、悪くないとさえ思えてくる。

「アグニカ・カイエルの魂は、常に我々と共に在る!」

全ての味方が、バエルに注目する

「ギャラルホルンの真理は此処だ!皆、バエルの元に再び立ち上がれ!」

剣を掲げ、その威光を示す。同時にバエルのワンオフアビリティーが発動、味方機のエネルギーを全回復させ、敵機からの干渉への抵抗性を付与。戦況を覆す準備は、整った。
330 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/08/12(月) 01:29:55.77 ID:N+ciMqK/0
押し負けようとしていた学園の戦力に、活力が戻る。

マクギリス「そうだ。これが始まりの一手。そして…」

当然、敵は無人機とはいえ、一番厄介な敵を今、理解したはず。

マクギリス「陣形も何もあったものではないな。正に烏合の集だ」

バエルを最優先の排除対象と認定した無人機の群れが、我先にと迫る。

マクギリス「今は機嫌が良くてな。勝利の凱歌を盤石にさせて貰おう」

再び、突喊。だが、かつてとは違う。仲間が居るのだ。それだけで、力が込み上げてくる。その力のままに、無人機を斬り伏せ、道を開いて行く。

マクギリス「各員は私に群がる敵を背後から撃て。奴等はもはや烏合の集、恐るるに足らず!」

刺突、貫手、殴打、蹴り、斬撃、砲撃、投げ。ありとあらゆる技を駆使して、死線を潜り、敵機を擦り抜け、攻撃を敵を利用して防ぎ、同士討ちをさせる。…オレンジの、閃光。かつて自分に向けられ、部下達を無慈悲に屠った光が、背後から迫る敵機を一瞬にしてガラクタに変える。光が駆け抜けた穴を、一機のISが飛び込んでくる。
331 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/08/12(月) 01:37:45.70 ID:N+ciMqK/0
マクギリス「なんだ、…」

飛び込んで来たのはキマリス。

ガエリオ「生きているか、マクギリス」

マクギリス「無論だ。まだ、終わる訳にはいかない」

ガエリオ「そうか。ならばちょうどいい。背中は任せろ、マクギリス。代わりに、俺の背中は任せる」

マクギリス「フッ…良いだろう。足を引っ張るなよ、親友」

ガエリオ「馬鹿を言うな、怪我人に遅れは取らん。無理するなよ、親友」

マクギリス・ガエリオ「「行くぞ…!」」

バエルの刃が、キマリスの槍が。敵を貫き、打ち据え、叩き伏す。レールガンの一撃が、キマリスのダインスレイヴが。敵に風穴を開けて行く。
332 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/12(月) 11:48:56.28 ID:RVUrUNju0
おつ
333 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/08/31(土) 20:25:22.29 ID:eHxv+uTd0
マクギリス「すまない、だいぶ待たせたな」

マクギリス「階級が上げられない…というか、ヴェルティゴ色々と酷すぎではないかな…」

マクギリス「ハイニューと組まれたら勝ち目が見えない…ライトニングの再来なんて次元ではないのだが…」

マクギリス「とりあえず、ゲージは八割か…残り二割が辛い」

マクギリス「親友から貰ったハイネデスティニーも組めたし、そろそろFAガールも組まねばな…」

マクギリス「首尾良くゲーム攻略が進めば、深夜にも書かせて貰う。あまり、期待しないで待っていてくれ」
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/09/01(日) 11:45:12.23 ID:CoRYqpsTO
ベルティゴだ二度と間違えるな
335 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/09/22(日) 01:29:34.11 ID:F8IRYo2D0
マクギリス「待たせて申し訳ない。色々、やりたい事を済ませていたらこんなにも時間が空いてしまった」

マクギリス「ベルティゴだったか。済まなかった。にしても、即消えてて流石に失笑を禁じ得なかったな。まあ、そんなものか」

マクギリス「階級をようやくあげる事が出来た。特に、やたらと強いヴァサーゴのお陰だがな。感謝する」

マクギリス「では、HGCEストライクを組みながら書かせて貰おう。というか、ストフリと言いこのシリーズハズレが無さすぎるな。素晴らしい。このようなクオリティで、是非ともMGバエルに臨んで貰いたいな」
336 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/09/22(日) 02:19:43.86 ID:F8IRYo2D0
三日月「コイツら、結構弱いな」

バルバトスのメイスに、無人機の一機が叩き潰される。

ガエリオ「信念も理想も無い、ただの機械か。俺たちの敵では無い!」

キマリスのランスが、敵のコアを貫く。

マクギリス「そうとも。いくら数を揃えようが、我々の敵でない。それを証明させて貰おう」

バエルの剣が、敵を両断する。

ガエリオ「…不思議な気分だ。懐かしいものだ、こうしてお前と肩を並べて戦えるとはな!」

バエルの背後を狙う敵機を、マシンガンが風穴を開けて行く。

マクギリス「私も、君と再び肩を並べるとはな。望むべくもないと思っていた…だが、悪くない」

キマリスに襲い掛かる敵を、イグニッションブーストで加速した刺突で串刺しにする。沈黙した敵機を剣を振り、別の敵に叩き付ける。

一気に覆された戦局。ガンダムフレームによる蹂躙の嵐。敵が全滅するまで、さほど時間はかからなかった。

セシリア「お、終わりましたのね…」

鈴「みたいね…つっかれた…」

一夏「皆、大丈夫か?」

箒「こっちは大丈夫だ。なんとか、だがな」


337 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/09/22(日) 03:07:40.74 ID:F8IRYo2D0
マクギリス「…く、っ…」

敵の全滅を確認し、バエルを収める。同時に、膝をつく。

マクギリス(少し、無茶をし過ぎたか。力が入らんとは…)

ガエリオ「無茶をするな、マクギリス。今医務室に連れて行く」

ガエリオの肩を借り、立ち上がる。

マクギリス「まさか、君に肩を借りるとはな…楯無は、無事か…?」

ガエリオ「先に妹が連れて行った。お前はお前の心配をしていろ。…今度は生きろ。なんとしても」

マクギリス「フッ…ああ、解っているさ。彼らを、悲しませたくはない…」

ガエリオ「…そうだ。ちゃんと、目を逸らさずに向き合ってやれ。それがお前のすべき事だ」

友に…親友に担がれ、医務室に運ばれる。傷は痛むが、何か温かいモノが、私の心を満たしていた。
338 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/09/22(日) 04:11:16.14 ID:F8IRYo2D0
次回予告

マクギリス「全く…つくづく、君とは縁があるな」

楯無「あら、不満?人の胸を見ておいて?」

マクギリス「不可抗力だ。カーテンが破損し落下するなど予想外にも程がある」

楯無「責任、取ってね☆」

マクギリス「困った女だ…」

楯無「次回、インフィニット・マクギリス。辿り着いた先」

マクギリス「私を振り回せるのは君くらいだ」

楯無「特別って事かしら。照れちゃうわ」

マクギリス「勘弁してくれないか」
339 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/06(日) 00:48:36.34 ID:vBjYcJxo0
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 08:47:57.58 ID:RbrEXGpl0
アーキタイプ・ブレイカー・・・
341 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/10/19(土) 15:55:08.57 ID:cdSxNF+rO
マクギリス「随分待たせてしまっている。申し訳ない」

マクギリス「なかなかに、書く余力も時間もなくてな…」

マクギリス「今日も名古屋に今から遠征せねばならないのだ。夜には共闘。深夜帯、書ける余力があれば書かせてもらいたい」

マクギリス「果たすべきは果たす。完結は必ずさせるので、気長に待って欲しい」
342 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/10/27(日) 21:44:53.41 ID:paBSzhzv0
第二十話 辿り着いた先

マクギリス「まったく、負傷者である身を鑑みて欲しいのだがな」

千冬「すまない。だが火急の事態なのは理解しているだろう」

地下の秘匿施設。そこに集められた、私とガエリオ。

ガエリオ「奴等の機体、何か解ったのか」

千冬「…ああ。エイハブリアクターの搭載、それに登録の為されていないコア。厄介な案件と言わざるを得ん」

マクギリス「待て、待ってくれ。エイハブリアクターだと?」

ガエリオ「どうした、マクギリス?エイハブリアクターがあると不味いのか?俺たちの機体も同様だろう」

マクギリス「今現在、エイハブリアクター、そしてコアの技術。そのどちらをも持ち得るのは、ただ一人なんだ」

千冬「無論、コアの作製を行える者は他にいたとて可笑しくはない。だが、エイハブリアクターは…」

マクギリス「そう、ギャラルホルン製しか現存し得る筈がない。製法を知るのは、協力関係にある束博士…無論、コア技術はギャラルホルンを持ってしても解明出来ていない」

ガエリオ「待て、それでは…いや、まさか」

マクギリス「仮想敵の最有力候補に、あの天才がなってしまうのだ」
343 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/10/27(日) 22:00:15.13 ID:paBSzhzv0
ガエリオ「待て、それは流石に…妹である篠ノ之箒も居るんだぞ!?そんな施設を襲わせる筈が…」

マクギリス「私とて、世界のパワーバランスを簡単に変え得る人間が分別が付かない、そんな存在である可能性というのは認め難いし、寒気すら覚える」

千冬「まだ、奴であるという可能性は五分だがな」

マクギリス「確かに、あの女が本当に敵に回ったのならば、キマリスの件が可笑しな話しになる」

ガエリオ「確か、テロリストが無人機として使ったのだろう?奪った機体を改造して」

マクギリス「ああ。コアもエイハブリアクターも、わざわざ奪取された物。本当に束博士が奴らと繋がりがあるならば。奪取せずとも、キマリスを作るくらい簡単な筈だ。それをしたのは…」

ガエリオ「無人化技術との親和性テスト、並びにエイハブリアクターのデータ収集の為の試作品だったという訳か、このキマリスは」

マクギリス「そう考えるのが自然だろう。事実、以前襲撃を仕掛けて来た無人機にはエイハブリアクターは搭載されていない。そして何より、奴はバルバトスルプスレクスを手掛けている。つまり、今更エイハブリアクターを奪わずとも、自力で作製出来るのは間違いない」

ガエリオ「…となると、エイハブリアクター、そしてコアの作製出来る第三者か…」

千冬「もしくはカムフラージュか、だな。いずれにせよ、確定的な証拠にはなり得んか…」
344 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/10/27(日) 22:17:47.58 ID:paBSzhzv0
マクギリス「だが、少なくとも彼らはこちらの動きを完全に把握しているのは間違い無いな」

千冬「内通者、か…」

マクギリス「亡国企業、そして無人機。どちらをも警備の穴を的確に突き、かつ我々の行動に邪魔を入れている。内通者無くして、ここまで我々の動きが抜ける筈がない」

ガエリオ「問題は、どこの誰か、ということか…」

マクギリス「職員か、生徒か。代表候補生に裏切り者が居る、とは考えたくはないがな…」

ガエリオ「…そうだな。俺とて彼らを疑いたくはない」

マクギリス「ともかく、こちらは奴等に対して、後手に回るしかないな。本来であれば、我々が対処するのは可笑しな話なんだが、な…」

千冬「すまない、迷惑を掛ける」

マクギリス「気にしなくて良いさ。こちらは襲撃を受ける身だ…降り掛かる火の粉は、払わなくてはな」

マクギリス「…そう言えば修学旅行の件は?流石に中止になったとは思うが…」

千冬「最悪だが、決行だそうだ。上層部はテロには屈するつもりはない、などと息巻く馬鹿どもが多いようでな…」

ガエリオ「馬鹿な、本拠地であるIS学園でこれだというのにまた警備の手薄にならざるを得ない行事だと?」

マクギリス「あるいは、業を煮やしたのかもな」

ガエリオ「なんだと?まさか…」

マクギリス「釣り餌、という事かもしれん。奴らを釣り上げ、駆逐する為の」

ガエリオ「生徒を危険に晒して、か」

マクギリス「まだ、上の真意は測りかねるがな」
345 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/10/28(月) 04:18:08.67 ID:E0AHWxav0
マクギリス「ちょっと仮眠のつもりが、こんな時間まで寝てしまうとは…やはり最近疲れているのか…」

マクギリス「すまないが、今日はここまでだ。来週は夜勤明け故、更新にはあまり期待しないでくれ」

マクギリス「では、また次回」
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/30(水) 22:51:20.46 ID:MtAGNX8d0
347 : ◆3DtvXoE6Vc [saga sage]:2019/11/14(木) 22:08:50.59 ID:SxHM8GK5O
マクギリス「ヤークトアルケー…なんだか楽しそうだな。だがバエルに乗る(決して散らない鉄の意思)」
348 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/12/07(土) 23:09:51.32 ID:9d1nOlc60
マクギリス「長らく待たせてしまってすまない」

マクギリス「残念だが、現状かなり忙しくてな…土曜出勤ラッシュの11月が終われば、もう年の瀬だ。大掃除にクリスマスのプレゼントの作成等、書く時間がなかなか取れないのだ…」

マクギリス「月末まで、あまり余裕は無さそうだ。今しばし、待っていて欲しい」

マクギリス「ところで、クロスレイズ…楽しいのだろうか?戦略ゲームは好まないタイプではあるのだが、やはり私としてはバエルが気になる。まあ、やる暇が無いのだが」

マクギリス「最近、寒くなって来ている。風邪やインフルエンザには気をつけて欲しい。今年も残りわずか、共に駆け抜けよう」
349 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/08(日) 17:23:27.22 ID:fb7+QhWJO
楽しいも何もあんたクアンタやらストフリやらに乗ってめっちゃ楽しそうにしてましたやん
350 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/12/31(火) 19:34:46.87 ID:oMQt9e620
マクギリス「使わせて貰うぞ、イオリア…」

マクギリス「クリスマスにクロスレイズを貰ってしまった。バエル、やたらと使い勝手が良くて良いな。フェイズシフトなど、バエルソードの前には無力…!」

マクギリス「さて、諸君。大変待たせてしまったが、のんびりと書きながら年越しをさせて貰おう」

マクギリス「では諸君、来年もバエルの元に集え!」
351 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/12/31(火) 19:48:47.23 ID:oMQt9e620
マクギリス「それで、いくつ確保出来たんだ?当然、秘匿するのだろう?」

ガエリオ「なに?それはなんの話だ」

千冬「やはり、気付くか。お前ならば。確保したコアは14機分だ」

マクギリス「それだけの数を悪戯に晒せば、水面下での奪い合いに繋がりかねない。とはいえ、隠せば学園を危険に晒す」

ガエリオ「…面倒な事だな。いっそ壊してしまえばいい。そうすれば、要らぬ争いにはならない」

マクギリス「事はそう簡単ではないのさ、ガエリオ。戦力が必要なのは諸外国だけではない。…この学園も、戦力が必要なのさ。特に、事態が混迷しつつある現状には、な」

ガエリオ「だから使う、ということか」

千冬「ああ、そういう事だ。本来なら学園に戦力なんぞ要る事態になる方がおかしいんだがな…」

マクギリス「致し方ないさ。我々の様なイレギュラーに、一夏。火種は撒かれてしまっている。…ともかく、機体の手配はこちらでしよう。ギャラルホルンならば、秘密裏の輸送が出来る。ガエリオ、君の力を借りたい」

ガエリオ「いいだろう。何をすれば良い」

マクギリス「レギンレイズのデータだ。覚えている範囲で構わない。多少なり、性能を向上させる事が出来れば御の字だ。アリアンロッドに居た君ならば、多少は目にしただろうしな」

ガエリオ「なるほど、それを量産して学園の護りにとするわけだな」

マクギリス「ああ。この場所は、失うには惜しい…いや、失う訳にはいかない」
352 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/12/31(火) 20:16:25.27 ID:oMQt9e620
ガエリオ「…ふっ」

笑われた。何故だ。

マクギリス「…笑う所だったか?」

ガエリオ「いや、すまん。お前も随分と良い方向に変わったものだと、な。…夢にも思っていなかったからな」

マクギリス「夢ではないさ。彼らとの生活は、決してな」

千冬「…ともかく、明日には事情聴取もある。今日はもう休め。ファリド、機体の方は出来る限り急いでくれ」

マクギリス「ああ、解っている。行くぞ、ガエリオ」

ガエリオ「…ああ。行こう、マクギリス」
353 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/12/31(火) 22:02:57.01 ID:oMQt9e620
翌日。事情聴取の為に部屋を出た私の前に居たのは簪だった。

マクギリス「…何故、私の部屋の前に?」

簪「ま、ママ、マクギリスも、行く、でしょ?」

マクギリス「ああ、事情聴取かな?無論だとも。共に行こうか…ところで、楯無の具合は?」

簪「お姉ちゃんは…しばらく、医療室で経過観察…」

マクギリス「無理もない。彼女に見舞いの差し入れが必要だな。楯無は何が好きなんだ?」

簪「けん玉。」

マクギリス「確か、玉を木槌で突き上げるなどして遊ぶ玩具だったか。意外だな…後は編み物などはどうかな」

簪「お姉ちゃん、編み物は…下手」

マクギリス「ふむ…良い機会だ、編み物もついでに入れておこう」

簪「マクギリス、いじわる…」

マクギリス「ささやかな仕返しさ。彼女には散々振り回されているんだからな」

簪「ふふっ…」

マクギリス「ところで、その紙袋は?」

簪の抱える紙袋が、気になり始めた。
354 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2020/01/01(水) 00:24:15.37 ID:4z+dM3RH0
簪「これは…マクギリスに、見て欲しいの…」

マクギリス「ふむ、これは…」

中身は、この時代のデータ記録媒体…アニメーションを記録したDVDだった。

簪「良かったら、見てみて…欲しい」

マクギリス「この国の文化なんだったな。ちょうど良い、学ばせてもらおう。アニメ文化というものを」

マクギリス「にしても、これほどの種類とは…よほど、好きなんだな」

簪「う、うん。…好き…」

マクギリス「これは…ロボット、か?興味深いな」

簪「あ、の…」

マクギリス「ん?どうした、顔が赤いが…」

簪「だっ…大好き…!」

マクギリス「あ、ああ…」

簪「そ、それじゃ…!」

そのまま、走って先に行ってしまった。

マクギリス「…よほど、アニメが好きなんだな。そんな簪が勧めるのだから、とても素晴らしいんだろう」

紙袋を抱えたまま、聴取の現場たる指導室へ。…何故だか、嫌な予感がする。
355 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2020/01/01(水) 00:32:12.22 ID:4z+dM3RH0
マクギリス「さて、すまないが明日は所用でな。朝早くから出掛けねばならんのでここまでだ」

マクギリス「明日も夜には書きたいと思う」

マクギリス「では諸君、明けましておめでとう。今年もまた、読んで貰えると嬉しい」

マクギリス「ところで、正月特別編とか…やはり、読みたいかね?読みたいと思うのであれば「さあ、目覚めの時だ…」と、本編、早く進めろ!と思うのならば「アンタ何言ってんの?」と書き込んで貰いたい」

マクギリス「では、また明日の夜に」
356 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/01(水) 01:35:22.18 ID:xmJQCDOG0
あけおつ
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