マクギリス「インフィニットストラトス…胸が踊るな」

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57 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/02/02(土) 17:53:35.88 ID:Xof2pr7u0
>>55
マクギリス「それしか無いのか、と近所を回ったらナックル部分だけのパーツがあってな。購入出来たぞ。運命か…」


マクギリス「さて、待たせてすまない、諸君。本日深夜より投稿しよう」

マクギリス「そういえば、次が最終刊の筈の本家はいつになったら出るのだろうな」

マクギリス「あの状況下から風呂敷を畳む技量が、彼にあれば良いのだがな」

マクギリス「とりあえず、更識姉妹とゼフィルス、黒騎士のAGPを私は待ち続けるぞ」

マクギリス「では同志達よ、時を待て」
58 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/02/02(土) 17:57:17.58 ID:Xof2pr7u0
>>56

マクギリス「彼女の巨大なナックルにはスプリングを利用したパイルバンカー機能がある。彼女らの出来は素晴らしいの一言に尽きる、バンダイ製に比べて組みやすさに難はあるがそれを補って余りある子達だ。君も是非、組んでみたまえ」
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/02(土) 20:44:49.36 ID:a4dM2mMK0
本人が望んだ形かどうかは別として、白騎士事件で力を示したISは認められて世界は変わった
マッキーがやろうとしていた事の一部、純粋な力で世界が変えられると証明してしまった世界でもある
60 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/02/03(日) 01:11:58.69 ID:oXjDLUXa0
>>59
マクギリス「確かにその通りだ。しかし、未だ世界は性別による差別が残っている。私は証明せねばなるまい、生まれも性別も所属も関係無く、人が己の力を研ぎ澄ます事で、誰であろうと退屈な世界に変革を齎す事が出来るのだ、と」

マクギリス「では諸君、いよいよはじめるとしよう」
61 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/02/03(日) 01:26:53.80 ID:oXjDLUXa0
鈴の背後から、出席簿が振り下ろされた。意外と硬いのだが。

千冬「ホームルームが始まる。クラスに戻れ」

鈴「ち、千冬さん…失礼シマシタ!」

マクギリス(彼女は、織斑千冬に苦手意識を抱いているのか)

つつがなく進んでいく日常…時折、セシリアと箒が出席簿による制裁を受けていたが。

セシリア「貴方のせいですわっ!」

まったく、困った子だ。

マクギリス「身に覚えが無いが…とりあえず、食事に行くとしないか。話はそこで聞こう」

一夏「あ、俺も一緒に行くぞ」

マクギリス「ああ、構わない。皆で食べた方が、美味しくなる」

セシリア「私は構いませんわよ、織斑さん」

一夏「箒ー、一緒に行こうぜ」

なにやら難しい顔をしていた箒。あの鈴という少女が気になるのだろう。
62 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/02/03(日) 02:08:13.60 ID:oXjDLUXa0
食堂に着けば、件の少女、凰鈴音が我々を待ち構えていた。

鈴「待ってたわよ、一夏!」

一夏「鈴、そこすっげえ邪魔だぞー。食券出せないし」

鈴「アンタを待ってたんだっての!」

周りが見えにくいタイプらしい。

マクギリス「我々は別の方が良さそうだな。ここまで大所帯では邪魔だろう」

セシリア「ですわね。行きましょう、マクギリスさん」

マクギリス「ああ。ところで、君はさきほど何かが私のせいだと言っていたな。あれはどういう意味かな」

セシリア「…なんでもありませんわ、ええ。なんでも」

マクギリス「そうか。私が何か失礼を働いたのでないなら良いさ」
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/03(日) 02:46:45.46 ID:aZYj3XzKO
この世界でマッキーが「俺」と言う日が来るのか目が離せない+720アグニカポイント
64 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/02/03(日) 02:49:36.66 ID:oXjDLUXa0
セシリア「時にマクギリスさん、放課後は何か予定はお有りですの?もし宜しければ特訓などは…」

マクギリス「すまない、放課後はグリムゲルデの開発元が私に会いに来る予定でね。長い話になりそうだ」

セシリア「それは、残念ですわね」

マクギリス「機会があれば、お相手しよう」

セシリア「はい、是非!」

随分と嬉しそうな顔をするものだ。

食事を済ませ、午後の授業をこなす。放課後には、石動との面会も控えている。さしたる支障もなく、授業は進んでいく。
65 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/02/03(日) 03:07:48.20 ID:oXjDLUXa0
放課後。案内された一室に、彼は居た。

マクギリス「…待たせて、すまないな。…石動」

石動「…いえ。准将との別れからすれば、些細な時間です。お久しぶりです、准将」

マクギリス「やはり私の知る石動のようだな。…君には、詫びねばなるまい。君を死なせておきながら、この様だ」

石動「謝罪は結構です。私は、貴方の理想に夢を見たのです。たとえ世界が変わろうとも、それは変わらない。…准将、また貴方は夢を見せてくれるのでしょう?」

マクギリス「…今度は夢では終わらせんよ。現実に、変えてみせる。…ところで石動、君はこの世界をどう見る」

石動「どう、とは」

マクギリス「この歪な世界であれ、厄祭戦前の年号、国家群。私もいろいろ調べてみたのだが、結論を出しかねている。これから厄祭戦が起こるのか、とな」

石動「なるほど…准将の危惧はもっともかと。我々もこの世界に来た当初は困惑しました」

マクギリス「…もしや、あの戦いで戦死した者たちも、か?」

石動「はい。ライザ・エンザ以下革命軍戦死者は、ほぼ同時期にこちらに。とある人物の協力を得て、こちらでの生活基盤を取得、革命軍メンバーで企業を起こし、私が取り纏めております」

マクギリス「個人でそこまでの影響力となれば、…彼女、か。」

石動「はい。篠々乃束、インフィニット・ストラトスの開発者です」
66 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/02/03(日) 03:19:17.81 ID:oXjDLUXa0
マクギリス「彼女の技術提供を利用したのが、グリムゲルデやグレイズか」

石動「はい。こちらからの見返りは勿論…」

マクギリス「エイハブリアクター、だな。この世界に無く、我々が提供出来る技術となればそれしかあるまい」

石動「お察しの通りです。…准将、貴方には再び我らの指導者として代表の座に就いて頂きたいのですが」

マクギリス「…いや、それは少々不味いな。あらぬ勘ぐりを世間に招きかねん。私の名は、既に売れ過ぎてしまっている。様々な不都合を鑑み、君がそのまま代表で居てくれ。無論、必要な指示は出そう」

石動「はっ。承りました」

マクギリス「それと、革命軍メンバーにISの適正者は居ないか確認しているか?」

石動「現状、我々革命軍、ならびに鉄華団のメンバーに男性適正者は居ません」

マクギリス「…そうか。となれば、私に適性がある理由の推論としては、これしかないな」

石動「真の阿頼耶識、ですね」
67 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/02/03(日) 03:32:31.50 ID:oXjDLUXa0
マクギリス「他には無い物として明確なのはこれだけだ。鉄華団の諸君にも適正者が居れば阿頼耶識、というだけで納得出来た物だがな」

石動「ならば、誰かに施術を行うというのはいかがでしょう」

マクギリス「…いや、良い。要らぬ争いの火種になるかも知れん。しばらくは様子見だ」

マクギリス「それと、学園に貸与されているグリムゲルデを、私の専用機にしたい」

石動「いえ、その必要は無いかと。既に准将に相応しい機体をこちらで製造中です。完成までは、自由に乗れる様に手配しておきます」

マクギリス「助かる。申請を出さねばならないのは骨折りだからな」

石動「では、その様に。准将、他に何かご要望は」

マクギリス「…いや、良い。忙しいところにすまないな。君達の忠義には必ず応えよう」

石動「准将、御武運を」
68 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/02/03(日) 03:40:18.78 ID:oXjDLUXa0
次回予告
マクギリス「石動との会談を終え、グリムゲルデを自由に扱う許可が下りた。そんな矢先のクラス対抗戦」

マクギリス「一回戦の相手は、二組の凰鈴音。激闘の最中に、想定外の乱入者が現れる」

マクギリス「次回、インフィニット・マクギリス。交差するリーグマッチ」

マクギリス「新たなる戦いに胸が踊る」
69 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/02/09(土) 02:37:10.51 ID:8R85I3nM0
マクギリス「待たせてすまないな、諸君」

マクギリス「今回は少々立て込んでいてな、時間がない上に疲労も酷い。あまり書けるコンディションではないが、少しずつ書かせて貰う」

マクギリス「明日から私も活躍するコードギアス 復活のルルーシュが公開となる。私も観に行く」

マクギリス「ジョーシンにロボ魂の予約をしに行ったらまだ受け付けていなかった。田舎は困るな」

マクギリス「では、果たすべきを果たすとしよう」
70 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/02/09(土) 03:10:22.84 ID:8R85I3nM0
第4話 交差するリーグマッチ

マクギリス(なるほど、厄介なものだ)

私と凰鈴音の試合は、若干の不利へと傾きつつあった。

マクギリス(パワーではあちらが格段に上。近接戦闘では不利、その上に砲身、砲弾が不可視の衝撃砲)

パターンを作らない様に縦横無尽に回避運動を取る。外れた衝撃砲が砂塵を巻き上げる。

マクギリス(機動力で勝負に出ようにも、青龍刀の薙刀形態のリーチの長さで対応されてしまう)

山田「ファリドさん、押されてますね…」

千冬「無理もあるまい。グリムゲルデの強みをことごとく潰し易い機体が相手だ。衝撃砲がナノラミネートが無い部分に当たれば格段に不利に繋がるのに、その砲身砲弾は不可視で予測が難しい。…だが、奴ならその程度は物とはせん」

マクギリス(ならば)

ヴァルキュリアライフルで遠距離から回避運動を続けながら狙撃を続ける。…その裏で、イグニッション・ブーストの準備に掛かる。

鈴「やるじゃ無いの、初見でこうまで躱すなんて!」

千冬「遠距離戦ならば、ファリドの技量であれば凰に対抗出来る。…この勝負、ファリドが衝撃砲の直撃を受けるのが先か、凰が痺れを切らすのが先かで勝負が決まるな」
71 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/02/09(土) 03:43:24.29 ID:8R85I3nM0
鈴(こいつ、強い…!乗り始めて一カ月経ってない癖に、ここまでやるなんて…)

マクギリス(回避にパターンが見え始めたな。余裕が無くなってきたのならば、あと一押しか)

鈴(また当てられた…!?このままじゃこっちが不利になる、戦況を変えないと)

鈴のIS、甲龍が加速、接近してくる。

それは、こちらの目論見通りだった。

マクギリス(今ならば、!)

イグニッション・ブーストを発動。甲龍とグリムゲルデが急速に接近する。

マクギリス(懐に飛び込み、イグニッション・ブーストと奴の加速を利用した一撃ならば)

勝負を決めるには、十分だろう。目論見に気付いた鈴の顔に驚愕が浮かぶ。

二機がぶつかり合う…直前に、爆発が巻き起こる。グリムゲルデの軌道を逸らし、甲龍とぶつかるのを避ける。

マクギリス「何…!?」

状況から見て、どちらかの攻撃では無い。予想だにしなかった、乱入者の存在を認識する。
72 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/02/09(土) 04:17:08.05 ID:8R85I3nM0
マクギリス(今のはビーム兵器…しかもアリーナの遮断フィールドを容易に破壊する威力とは…)

爆煙の中に、敵機体の反応を確認。即座に射撃を行う。

鈴「ちょ、アンタ警告も無しに」

マクギリス「無意味だ。この場に武力を持って介入している以上、奴に話し合う気も、勿論降伏するつもりもあるまい。それに、奴の火力は野放しには出来ん」

晴れた煙の中から敵機体が現れる。無骨かつアンバランスな歪な形状の、全身に鎧を纏った機体。

鈴「アンタのと同じ全身装甲…?」

マクギリス(最新のマッチングリストには該当しない。ならば、秘密開発機か。どこの組織かは知らないが、愚かにも程がある)

山田「凰さん、ファリドさん!すぐに教員部隊を送り込むので退避を!」

マクギリス「それは出来ません。奴の火力が観客席に向けば、不要な被害が出る。そちらの準備と観客の避難が終わるまで、私達で奴を惹きつけるしかないでしょう」

マクギリス「協力してくれるだろう?」

鈴「当たり前じゃない!あんな奴、コテンパンにしてやるわ」
73 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/02/09(土) 04:36:59.37 ID:8R85I3nM0
二機で連携し、射撃戦へと移行する。

マクギリス(重厚な機体形状に反して機動力は高いな。パワーとスピードを兼ね備えた厄介な機体だ)

鈴「なんなのアイツ、全然当たらない!)

マクギリス「仕掛けて来るだけの技量はあって然るべきだろう。下手に攻め入る必要は無い、増援が来れば我々の勝利だ」

マクギリス「そちらの状況は」

千冬「アリーナのシステムがロックされている。避難も突入もままならん、まだまだ掛かる…奴の仕業だな」

マクギリス「了解した。ならばこちらで、なんとかしよう」
74 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/02/09(土) 04:37:52.51 ID:8R85I3nM0
マクギリス「今回はここまでだ。では、夜に体力があればまた会おう」
75 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/02/09(土) 23:01:20.01 ID:ISzIhRA60
マクギリス「待たせてすまなかった、諸君」

マクギリス「なかなかに興奮冷めやらぬ身でな。筆もそれなりに乗りそうだ」

マクギリス「彼らもまた、アグニカの魂を受け継ぐ者達なのだろうな。とりあえず、今日はルプスレクスを0030から作成予定だ。その合間に書かせて貰おう」

マクギリス「では諸君、しばらく待っていてくれ…というか、待っている人間が居るか定かでは無いがな」

76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/09(土) 23:23:51.90 ID:CMhGspIs0
<●><●>
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/09(土) 23:47:56.44 ID:hDTky3000
待っている人がいること…そんなことも分からないのか…!?
78 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/02/10(日) 01:17:13.91 ID:1jD6DcvU0
>>77
マクギリス「では、私も果たすべきを果たさなければならんな」

マクギリス「では、本格的に書かせて貰おう」
79 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/02/10(日) 01:57:18.98 ID:1jD6DcvU0
鈴「アンタ、どうするつもりよ」

マクギリス「我々だけで奴を破壊するしかあるまい。出来なければ、間違いなく死人が出る」

マクギリス(しかし。我々と戦いながらハッキングとは、器用な奴だな…いや、やはり…」

鈴「なんか、打つ手は無いの?」

マクギリス「策はある。博打に近いがな…それより、奴の回避パターン…気付いているか?」

鈴「どれも似たようなパターンよね。まるで機械みたいに」

マクギリス「正解だ。奴はおそらく、無人型だろう」

鈴「はあ?んなわけ無いじゃない…って言いたいけど、人間味が無さ過ぎるよね、アイツ」

マクギリス「君の衝撃砲が鍵になる。最大限にチャージしておいてくれ」

鈴「了解」
80 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/02/10(日) 03:52:52.15 ID:1jD6DcvU0
マクギリス「さて、時間稼ぎの必要があるな」

グリムゲルデで接近しながらヴァルキュリアライフルで射撃を行う。当たる事に期待しない牽制程度だが。

マクギリス(イグニッション・ブーストのチャージだな。さて、どこまでやれるか)

鈴「行けるわよ、チョコレート!」

マクギリス「最大拡散で奴にかましてやれ。体勢を崩せば私がやる」

ダメージは低いが、拡散された衝撃砲を躱し切れず、敵機体が体勢を崩す。

マクギリス(イグニッション・ブースト…!)

隙を逃さず、グリムゲルデが疾走する。すれ違い様にヴァルキュリアブレードで一閃する。

マクギリス(まだ終わりではない)

機体を反転、再度イグニッション・ブーストで加速、背後から突き刺しながら吹き飛ばす。

そのままヴァルキュリアブレードを幾度となく突き刺す。最後の一突きが、敵機体を串刺しにした。

マクギリス「やはり無人型か」
81 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/02/10(日) 04:03:33.05 ID:1jD6DcvU0
マクギリス「とりあえず、無人機を駆逐したところで今回はこれまでだ」

マクギリス「レクスネイルの塗装に手間取ってしまったな…明日の予定もあるので中途半端だが眠らせて貰おう」

マクギリス「では諸君、また明日
82 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/02/11(月) 02:09:21.15 ID:cK1j0kmi0
マクギリス「待たせてすまない、読者諸君」

マクギリス「フレームを組み終わったら存外装甲を着けるのが楽しくてな、時間を忘れてしまっていた」

マクギリス「少しずつ描いていくので、しばし待っていて欲しい」

マクギリス「では。バエルの元へ集え!」
83 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/02/11(月) 02:23:17.31 ID:f6Nu+/Ue0
無人機の撃破直後。私は、学園地下の秘密施設へと招かれた。

マクギリス(なかなかの規模だな。しかし、私にわざわざ明かすとは)

千冬「来たか。…ファリド、機体の残骸のデータだ。何か解るか」

マクギリス「…自律型という事だけ、だな。機能中枢は私が潰してしまったから判然とはしないが、遠隔操縦ではあるまい。おそらくは撃破される事も前提として、繋がり足り得る物は無いだろう」

千冬「…ファリド、もしこの手の技術が流出すれば…」

マクギリス「厄祭戦に繋がる火種の一つにはなりかねないな。現状コアの能力への依存度が高い故に、そう簡単には行かないだろうが、コアに頼る事なくISの技術を十全に扱える様になれば、状況は加速的に悪化するだろうな」

千冬「…打開策は」

マクギリス「もはや後手に回るしかあるまい。現れ次第、なんとしても潰す。民間人を誘導して機械化風潮を抑制しようが、軍事機関、企業の秘密裏での開発は止められないだろうからな。人は実際に痛い目を見ねば学習するのは困難だ。まして、力が絡むとなれば多少の危険があろうと手を伸ばしてしまうのが人間だ」
84 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/02/11(月) 02:32:07.42 ID:tjM0Np7z0
千冬「何処の馬鹿者かは知らんが、やってくれるな…」

マクギリス「遅かれ早かれ、この手のモノは作られるだろう。我々で真っ先に対処出来たのを幸運と思う他あるまい」

マクギリス「このデータを石動に送っておいて欲しい。もしかしたら製造元が掴めるやも知れんしな」

千冬「わかった、送っておく。あと、この施設の事は…」

マクギリス「言われずとも分かっている」

千冬「…なら良い。部屋に戻って、ゆっくり休め。今回はご苦労だったな」

マクギリス「私は、果たすべきを果たしたに過ぎんよ。何か解れば、また連絡を」
85 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/02/11(月) 03:53:42.57 ID:O5mdlsnc0
一人になった部屋で、千冬は一人呟く。

千冬「…コアの製造、無人型インフィニット・ストラトスの開発。そんな事が出来るのはお前しか居ない。…お前は何を望んでいるんだ、束…」

その言葉は、誰に届く事なく虚空に消えた。

次回予告
マクギリス「無人機による襲撃の熱冷めぬIS学園に、二人の転入生が現れる。果たして彼らの目的は。」

マクギリス「次回、インフィニット・マクギリス。アグニカ・ミーツ・バエル!」

マクギリス「いっそ親しみ易くする為に、口調とか変えちゃったりしとくぅ〜?…いや。やはりないな」
86 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/02/16(土) 11:59:11.17 ID:YcHkv3v70
マクギリス「諸君、ようやく週末だ。待たせてすまないが、また今夜書かせて貰おう」

マクギリス「とりあえず、昼からアグニカポイントを稼ぐ。アグニカバエル馬鹿という岐阜県のプレイヤーを見たら、お手柔らかに頼むぞ」

マクギリス「さて、諸君に問いたいのだが、今後の展開に悩んでいてな。君たちの望む理想を提示して欲しい」

マクギリス「シャルロットとラウラに関してだ」

マクギリス「流石にヒロインが増えすぎるのも如何か、と思うので彼女達は原作ルートにするか、はたまた私の傘下に加えるか。というのを決めかねてな」

マクギリス「原作ルートを希望するならば「そんなもの、偽りの幸せだ…」と」

マクギリス「私の傘下に加えるならば「バエルの元へ集え!」と書き込んで欲しい」

マクギリス「無論、彼女らが減る場合には他のヒロインの描写を増やす事を約束しよう」

マクギリス「それでは。君たちの意見が、世界を変える…!」

87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/16(土) 12:06:52.26 ID:78e0rqs/o
原作知らずに読んでるのでうーん
個人的には本筋進めて欲しいから原作ルートとやらかな
多分原作長いだろうしあまり人数増やすとなかなか本筋進まなそうな気がする
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/16(土) 16:37:07.52 ID:pmwKKoU5O
マクギリス…今のお前ならば、彼女たちに本当の幸せを与えてやれると、俺は信じている
だから、友としてこの言葉を贈ろう!「そんなもの、偽りの幸せだ…!」
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/16(土) 18:16:39.53 ID:wMFvzEyb0
ISはアニメの序盤見ただけだからあまりわからんが
シャルロットって男装してる子だよな確か
あの子が一番可愛いと思うんでバエルの元へ集え!
90 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/02/16(土) 21:40:01.87 ID:49t3iCUJ0
マクギリス「少々、伝わりにくかったみたいだな。すまない」

マクギリス「原作ルート、つまりは織斑一夏が彼女らの問題を解決し、彼女達と交友を深めた場合だ。その場所、私と彼女らの接点はほとんど無くなってしまうと言って過言ではない。つまり、多少の共闘時以外はほとんど彼女らは出てこなくなるだろう。現状の箒、鈴に近い物になる」

マクギリス「次に、私の傘下に入った場合。一夏とのイベントや一部本来一夏がかかわらなかったイベントにも変更点が加えられ、私との交友が深められるだろう。彼女達の魅力を見てみたいならばこちらになるだろう」

マクギリス「原作ルートの場合はセシリアや今後の展開により増えるヒロインの描写が優先される。反面傘下ルートでは各ヒロインの描写が平等になるであろう、と言った具合だ。話の大筋等は変わらない」

マクギリス「選ばれなかったルートは書くつもりも気力も無いので、自らの選択に悔いのない様にして欲しい」

マクギリス「では。本日0030辺りからルートを完全に決定して書き始める。諸君らは、吟味して選択してくれ」

マクギリス「しかし、グレイズリッターを1/100化しないとはな。グレイズから改造で作るしか無いな…」
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/16(土) 21:43:45.22 ID:pmwKKoU5O
そういうことでしたか
>>88ですが、そういうことなら「バエルの元に集え!」
92 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/02/17(日) 00:44:04.01 ID:DnN0IO46O
第5話 アグニカ・ミーツ・バエル

マクギリス(こんな状況下で、転入生…?しかも二人、このクラスにだと)

無人機による襲撃から日も浅い中で、山田先生より告げられた二人の転入生。その上…

金髪の少年「シャルル・デュノアです。こちらには、僕と同じ境遇の方が二人も見えるとのことで転入する事になりました。よろしくおねがいします」

マクギリス(男子の操縦者だと?それに、デュノア…デュノア社の関係者か?)

完全に意識を金髪の少年…シャルルに向けている中で、教室に乾いた音が響いた。

その音源は、銀髪に眼帯をした小柄な少女…ラウラ・ボーデヴィッヒ。彼女が、一夏の?にビンタを見舞ったのだ。

マクギリス(…いろいろと、面倒が舞い込んで来た物だな)

千冬「ファリド。デュノアとお前は同室になる。ついでに色々と面倒を見てやれ」

ホームルームの終了と同時にそう告げられる。

マクギリス「了解しました。…私はマクギリス・ファリド。とりあえず、女子が着替えを始めるので、移動しながら話をしよう。私に着いて来てくれ」

シャルル「うん、ありがとう。僕の事はシャルルって呼んで」

マクギリス「私にも、敬称は不要だ。同じクラスメイトなのだからな」

アリーナの更衣室に向かう。なかなかに察しの良い少年だ…本当に少年なのかは疑わしいが。
93 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/02/17(日) 00:53:42.56 ID:DnN0IO46O
一夏「二人とも、早く着替えろよ。織斑先生は怖いぞ」

マクギリス「ああ、分かっている」

制服の上着を脱いだところで、シャルルが小さく悲鳴を上げた。

マクギリス「…どうかしたのか?」

シャルル「あ、いや、ごめん。悪いんだけど、二人ともあっち向いててくれない?」

マクギリス「すまない、配慮に欠けていた」

同性とはいえ、他人に裸を見られるのには嫌悪感を抱く場合もあるだろう。…判断材料としては薄いか。

専用スーツを着用し、グラウンドに走る。
94 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/02/17(日) 01:30:27.26 ID:DnN0IO46O
二組との合同授業が始まると、セシリア、鈴の二人と山田先生が模擬戦を行う事になった。

マクギリス(第二世代型のリヴァイヴでああもやってのけるか。二人が直情的とはいえ、なかなかに優秀だな)

山田先生に翻弄され、呆気なく地に伏す二機。教師は伊達ではない、という事か。

千冬「教員の技量は理解出来たろう。これからは敬意を持って接するように。では各員、専用機持ちを中心として班をつくり、訓練機を用いて実習だ」

一夏、シャルルの元に密集するクラスメイト達。

マクギリス「そこまで集まっては訓練は難しいだろう。出席番号順に各専用機持ちにバラけるとしよう」

私の一声で、クラスメイト達は均一に分かれていった。グリムゲルデではなく、打鉄に乗る事になった。

マクギリス(やはり違うな。こうも動かし難い物か。一般的なISは)

昼。私はセシリアに誘われて、共に昼食を摂る事になった。
95 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/02/17(日) 02:17:36.17 ID:DnN0IO46O
シャルル「僕も同席して良かったの?」

マクギリス「構わないさ。君とは親睦を深めておきたいのでな」

セシリア「ええ、遠慮なさる必要はありませんわ」

セシリア「ところで、私お弁当を作って参りましたの。良かったら如何ですか?」

彩り豊かなサンドイッチだな。食欲が踊る…!

マクギリス「頂こう」

シャルル「ありがとう、セシリア」

二人同時に、サンドイッチを口に入れた。
96 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/02/17(日) 02:39:14.68 ID:DnN0IO46O
マクギリス「すまない。そろそろ眠気の潮時のようだ。諸君らも、夜更かしはほどほどにな」

マクギリス「ではまた会おう」
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/17(日) 08:32:02.65 ID:z1d0w3Me0
98 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/02/23(土) 22:00:11.55 ID:y/lqLw110
マクギリス「今週も労働、ご苦労だったな諸君。もしくは学業か」

マクギリス「土曜日出勤は辛い。いや本当に」

マクギリス「ところで、私のグレイズリッターを作ろうとグレイズを買ったのだが、グレイズ改の方がパーツ揃っていたと知り絶望したぞ。仕方ないのでグレイズ改も買ってきたが、一機余るので何かにしたいのだがなにが良いと思うか意見が欲しい」

マクギリス「では、とりあえず必要なパーツを組みながら書かせて貰おう」
99 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/02/23(土) 22:25:42.55 ID:y/lqLw110
マクギリス(不味い。非常に)

シャルルも固まっていた。私の味覚が彼女らからズレている訳ではない、と思うが…試してみるか。

マクギリス「私ばかり食べてしまっては申し訳ない。君も、食べるといい」

セシリアに一つ差し出してみる。

セシリア「では、ご一緒に」

サンドイッチがセシリアの口に運ばれる。直後、セシリアの表情が困惑、そうして驚愕へと移り変わった。

セシリア「な、ななな、何ですのこれは、っ」

マクギリス「私の味覚がおかしい、訳では無いようだな」

セシリアの?に、涙が伝う。

セシリア「申し訳ありません、この様な物を食べさせてしまうなど…直ぐに処分を、」

駆け出そうとする彼女の手を掴み、制止する。

マクギリス「落ち着くといい。…君はただ、純粋な厚意で作ってきてくれたのだろう?ならば、それを私が蔑ろにする訳にはいかないな」

セシリア「こ、好意!?い、あ、その、そうですけれども…」

マクギリス「ここから先は、私の出番だ」

サンドイッチを、次々と口に放り込む。正直なところ、味さえ気にしなければ特に問題は無いのだから。
100 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/02/23(土) 22:29:23.36 ID:y/lqLw110
マクギリス「すまない、何故かほお、という漢字が書き込むと誤変換される様だな。この掲示板の問題と思われるので、読者諸君は脳内変換をお願いしたい」

マクギリス「?。何故だ?」
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/23(土) 22:40:28.45 ID:9weNhM1n0
難しい方の『頬』は環境依存文字だぞマッキー!
102 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/02/23(土) 22:59:46.37 ID:y/lqLw110
セシリア「マクギリス、さん…」

マクギリス「君の涙を、私は望まない。だから、笑っていてくれないか」

サンドイッチを全て完食し、セシリアにハンカチを差し出す。

セシリア「申し訳、ありません…」

マクギリス「気にするな。失敗は誰にでもあるものだ。いくらでも挽回の機会はある。今度は美味しいサンドイッチを食べさせて欲しいな」

セシリア「はい、必ずや。セシリア・オルコットの名に懸けて」

マクギリス「さて、私は満腹でな。君たちで、食べるといい。購買の物ですまないな」

パンを二人に渡す。
103 : ◆hr.zeVR57. [saga]:2019/02/23(土) 23:04:17.49 ID:y/lqLw110
>>101

マクギリス「頬だと、書けるのか。すまなかった。報告に感謝する」


マクギリス「少々、やる事があるので一旦これまでだ。続きは0030辺りから、書かせて貰おう」
104 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/02/24(日) 00:43:47.84 ID:y8EL+b3n0
放課後。私は石動に連絡を取った。

マクギリス「忙しい中すまないな、石動。調べて欲しい事がある」

状況を手早く伝える。

石動『フランスとドイツの代表候補生、しかもフランスの方は男でしたか。たしかに奇妙な話ですね。解りました、こちらで調べておきます』

マクギリス「頼む。それと、私の専用機の進捗はどうだ?」

石動『申し訳ありません、作業が難航しておりまして…今暫く、お待ち下さい』

マクギリス「そうか。最近妙な事態が多い、出来る限り早めに頼む」

石動『はっ』
105 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/02/24(日) 00:59:24.17 ID:y8EL+b3n0
次回予告
オルガ「ってちょっと待て、何で一度も出てねえ俺が予告やんなきゃなんねえんだ!?しかもまだこれから書くんだろ!?」

三日月「仕事だよ。それに、区切りをわかりやすくしないと書きづらいってチョコが言ってた。あと様式美とかどうとか」

オルガ「なんだそりゃ…まあ、仕事ってんなら仕方ねえ」

オルガ「次回、インフィニット・オルフェヒギュッ」

三日月「ダメだよオルガ、それはダメだ。他人のだし、そこはチョコの人の場所だから」

オルガ「ああわかったよ、ちゃんとやるよ!ちゃんと次回予告やりゃ良いんだろ!」

オルガ「次回、インフィニット・マクギリス。ルームメイトはアグニカバエル馬鹿」

オルガ「っておい、タイトルなんか合わなくねえか?ルームメイトになんのはあの美少年だろ?なんでマクギリスなんだよ」

三日月「美少年じゃないでしょ?」

オルガ「は?何言ってんだミカ…つか金髪イケメン…どっちもマクギリスじゃねえか…」
106 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/02/24(日) 01:27:12.10 ID:y8EL+b3n0
第6話 ルームメイトはアグニカバエル馬鹿

マクギリス「ここが、私達の部屋だ。何か困った事があれば、遠慮無く言って欲しい」

シャルル「ありがとう、マクギリス。ところで、さっきは誰と話してたの?」

マクギリス「私の専用機の件でね。確認程度のものさ」

シャルル「へー…グリムゲルデって、専用機じゃないんだよね」

マクギリス「ああ。現状では、私は許可無くの使用を許されているだけだ。君も乗りたければ、申請するといい」

シャルル「話題だもんね。CMIのグレイズやグリムゲルデは。独自の技術を持ち、第2世代型ながらポテンシャルは第3世代にも匹敵するシリーズだって」

マクギリス「そう言って貰えれば、彼らも鼻が高いだろうな」

シャルル「それだけじゃないよ。かなりピーキーなグリムゲルデを高い技術で扱いこなすマクギリスも話題なんだよ」

マクギリス「一目置かれている、ということかな」

シャルル「うん。だから明日、模擬戦に付き合ってくれないかな?是非戦ってみたいんだ」

マクギリス「ああ、受けて立とう」
107 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/02/24(日) 08:06:36.62 ID:NAY8rC+YO
マクギリス「すまない、よもや寝落ちしてしまうとは」

マクギリス「お詫びに、少し書いていく。暇があれば読んでくれ」
108 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/02/24(日) 08:32:58.19 ID:NAY8rC+YO
マクギリス(なるほど、良い腕だ)

グリムゲルデの有利な近距離戦を避け、連射性の高い武装で確実にグリムゲルデのシールドエネルギーを削る。

マクギリス「だが、君の思惑通りにはさせんよ」

ライフルで応射する。対してシャルルは、武装の高速切替を利用した、パターンを読ませない戦闘機動でグリムゲルデから逃げ回り続ける。

マクギリス(ミラージュデザート、だったな。実に高い練度だ。最近発覚しだした男性操縦者にしてはやはり熟達し過ぎている)

シャルルの射撃を回避しながら予測したポイントに狙いを定める。

マクギリス(だが、まだ甘い)

スラスター部に直撃して、リヴァイヴが体勢を崩す。チャージしておいたイグニッションブーストを解放。一気に距離を詰める。

マクギリス「今回は、勝たせて貰おう」

銃を弾き飛ばし、剣を突き付ける。以下に高速切替であっても、対処は困難なはず。

シャルル「やっぱり凄いね、マクギリスは。とても最近乗り始めたばかりとは思えないよ」

マクギリス「君こそ、素晴らしい技量だ。私は機体性能に頼っているに過ぎないさ」

マクギリス「では一夏、今度は君が…?」

アリーナの周りで訓練していた他の生徒が一点を見てざわつき始めた。
109 : ◆hr.zeVR57. [saga]:2019/02/24(日) 08:59:51.78 ID:NAY8rC+YO
マクギリス(あれは、ドイツの…ラウラ・ボーデヴィッヒか。しかも最新鋭機まで用意してのお目見えとはな)

その彼女…ラウラ・ボーデヴィッヒの視線は、一夏にのみ注がれていた。

一夏「なんだよ、何か用かよ」

流石に初対面で頬を打たれたのだから警戒していたようだった。

ラウラ「織斑一夏、貴様も専用機持ちだそうだな。ならば話は早い。私と戦え」

一夏「お断りだ。理由がねえよ」

ラウラ「貴様に無かろうと私にはある。理由が無ければ戦えんと言うなら、理由作りくらいはしてやろう!」

ラウラが右肩側に装備された、巨大なレールガンを一夏に向け、発砲した。

マクギリス(愚かにも、程があるぞ…!)

即座に間に割り込み、跳弾を避ける為ヴァルキュリアブレードで弾丸を地面に叩きつけられる軌道に強引に変更する。着弾した弾丸が、盛大に砂埃を巻き上げる。

ラウラ「何…邪魔をするな、部外者が」

マクギリス「邪魔以前の問題だと気付けないのか?模擬戦用に貸し切りにしている時間帯ならばまだしも、今は既に周りに起動テストや調整を行ないに来た生徒もいる。彼女達に万が一今のが当たっていればどんな事態を招くのかすらわからないほど、ドイツ軍人とは愚鈍なのか」

ラウラ「貴様…マクギリス、と言ったな。私を邪魔するのならば、貴様から…!」

スピーカーから、咎める教師の声が響いた。

ラウラ「…今日の所は引いてやろう。だが、私の前に立ち塞がるならば、貴様から潰してやる」

そんな捨て台詞を吐きながら、彼女は去っていった。
110 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/02/24(日) 09:10:59.60 ID:NAY8rC+YO
シャルル「随分、傲慢な人だったね…」

マクギリス「ああ。厄介な事だ…」

だが、あの目。あの言動に、少なからず私は既視感を覚えていた。

マクギリス(まさに過去の私だな。力に固執し、それのみを求め、歪んだ道と知りながら突き進んでいった私に…)

シャルル「マクギリス?どうかした?」

マクギリス「いや、なんでもない。教員に、説明の必要があるだろう。私がしておくので、君たちは先に戻るといい」

一夏「ありがとな、助かったよ」

マクギリス「礼は不要だ。やれたからやった、それだけだ」

困った案件は、増えてしまったがな。
111 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/02/24(日) 09:22:13.31 ID:NAY8rC+YO
次回予告

アイン「ラウラ・ボーデヴィッヒの攻撃を退けたファリド特務三佐。民間人も居る場での発砲とは野蛮な…!」

アイン「その直後、ファリド特務三佐は彼女の過去、そしてシャルル・デュノアの真実を知る」

アイン「次回、インフィニット・ファリド特務三佐。じゃなかった、インフィニット・マクギリス。アグニカ・デイズ/阿頼耶識スイッチ」

アイン「清廉なる真道を理解しようとしない、野蛮な獣…この俺が、悔い改めさせて見せ…え?俺の出番は、無いのですか?」
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/27(水) 23:16:16.56 ID:Q4P7TzeXO
おつ
113 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/03/03(日) 00:51:25.83 ID:mg+d85L00
マクギリス「同志達よ、執筆の時は来た!」

マクギリス「エク2での階級が上がったので今日はかなり筆が乗りそうだ。バエルはやはり素晴らしい」

マクギリス「しかし。デカールというのはいまいち敷居が高い気がしてならないが、そろそろ色々貼ってみたい。もし技術アドバイスがあればアグニカポイントを委譲しよう」

マクギリス「では諸君、しばし待っていて欲しい」
114 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/03/03(日) 01:07:53.46 ID:mg+d85L00
同日、夕刻。寮への帰路の中、聞き覚えのある声を耳にした私は、自然と物陰に潜んだ。

ラウラ「何故この様な僻地で、教員などと…!」

千冬「何度も言わせるな。私には私の役割がある。それだけだ」

ラウラ「ここでは貴女の能力は半分も活かされないというのに役割などと!?お願いです教官、再びドイツにて御指導を!この学園の、ISをファッション程度にしか考えていない様な腑抜けどもに時間を割かれるなど…」

千冬「そこまでにしておけ、小娘。何に意義を見出すかは私が選ぶ。それに、此処には随分と面白い奴も居るしな」

ラウラ「…あの男、マクギリスとやらですか」

千冬「さあな。それより、さっさと寮に戻れ。門限に間に合わなくなるぞ」

ラウラ「…失礼します」

悲痛な表情の中に怒りを混ぜ合わせながら、彼女は走り去った。

千冬「…立ち聞きとは、感心せんぞ」

マクギリス「失礼。だが、この様な通り道で話されては、素通りもしづらいのでな。彼女は私に敵意を抱いてしまっている様でもあるからな」

千冬「…お前なら、アイツをなんとかしてやれるかもな…」

マクギリス「…かもしれない。彼女と私は、案外似た者同士な様だからな」

千冬「何…?それは、どういう…」

マクギリス「失礼する。そろそろ、門限だろうからな」

千冬「あ、ああ。ではな、ファリド」
115 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/03/03(日) 01:24:57.89 ID:3gt5sVRg0
自室に戻る道すがら、石動からの報告に目を通す。

マクギリス(ラウラ・ボーデヴィッヒの方は…遺伝子強化試験体。兵器として産み出された親なき子供。なるほど、彼女にとっては、ドイツで教官をしていた織斑千冬こそが唯一絶対という訳だ)

マクギリス(シャルルは…該当なし?近年までデュノア社には御曹司などは確認出来ていない、か。ますます、怪しくなって来たが…)

戻った自室に、シャルルの姿は無かった。

マクギリス(まだ、戻っていないのか?まあいい、今のうちに浴室用品を補充しておこう。そろそろ、切れてしまうだろうしな)

補充物資を持ち、浴室へと繋がる脱衣所の扉を開ける。

そこには、服を脱ぎかけていたシャルルが居た。ただし、露出した裸身は、どう見ても女性としか言い様のないものだったが。

マクギリス「…すまなかった。物音がしなかったので居ないものと思っていた。これから入浴するのならば、これの補充が必要な筈だ」

足元に補充物資を置くと、彼女の裸を視界に入れない様にしながらドアを閉める。

シャルル「あ、あの、その…」

マクギリス「まずは、入浴をすませると良い。互いに、落ち着く必要があるだろう」

失態だな。ここまで事態を火急にするつもりは無かったのだがな
116 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/03/03(日) 01:46:28.26 ID:2EToQ7P00
しばしの時を置き、彼女はジャージ姿で脱衣所から現れる。その豊かな胸の膨らみが事実を再認識させる。

マクギリス「…まずは、茶でも飲むと良い。市販品だが。」

シャルル「…ありがとう。」

マクギリス「…本題に入るとしよう。何故、男性と偽っていた?」

シャルル「…デュノア社の社長である、僕の父さんの命令、なんだ。」

マクギリス「私や一夏、その搭乗機のデータ収集か。デュノア社は近年、業績の悪化が著しい様だからな」

シャルル「流石マクギリス、察しが良いね…」

マクギリス「何故、そんな命令に従う。親とはいえど…」

シャルル「僕はね、マクギリス…愛人の子、なんだよ。母さんが死んで、二年前に引き取られたんだ。父にあったのは、たったの二回程度。IS適性が高い事がわかって、テストパイロットをやる事になった。普段は別邸で生活してたんだけど、一度だけ本邸に呼ばれてね。本妻の人に殴られたんだ。泥棒猫の娘が、ってね…母さんも、少しくらい教えて置いてくれたら、身構えれたのにな…」
117 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/03/03(日) 01:52:23.24 ID:uiIr91ER0
シャルル「そんな中で、デュノア社は
118 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/03/03(日) 02:06:19.15 ID:V0wr/aew0
シャルル「そんな中で、デュノア社は経営危機に陥ったの。リヴァイヴは所詮第二世代型だから、フランスは欧州の統合防衛計画から外された上に、第二世代のシェアですら、急激な隆盛を遂げたカミーチェ・ミリタリー・インダストリーのグレイズに奪われつつあるんだ…」

シャルル「第二世代でありながら、基本スペックは第三世代にも比肩し、半永久動力であるエイハブリアクターと、それに反応して他にはない防御性能を誇るナノラミネートアーマー。その技術が独占されている上に、グレイズ自体の拡張性の高さでリヴァイヴは完全に時代遅れになりつつあるんだよ」

マクギリス「だから、第三世代機である白式と、私が操るグリムゲルデ。そして貴重な我々男性パイロットのデータが必要だった訳か」

シャルル「貴方達に近付く為に、そして広告塔代わりって訳なんだよ…僕が男性パイロットとして、送り込まれたのは…」

シャルル「…話したら、気分が楽になったよ。ありがとう…今まで騙していて、ごめんなさい」
119 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/03/03(日) 02:17:15.71 ID:V0wr/aew0
マクギリス「…君は、これからどうする?もはや企業スパイとして成り立つまい」

シャルル「…本国に連行されて、良くて牢獄行きかな…デュノア社は、庇ってはくれないだろうから…」

マクギリス「…君はそれで良いのか?生まれだけで、未来を左右されるなどと」

シャルル「…もう、どうしようもないんだよ。僕には道は無いんだ」

マクギリス(…そんな道理が、あってたまるものか。親だからと、未来を奪われるなどと。使い捨てて構わないなど)

マクギリス「君は、どうしたい?」

シャルル「…さっきも言った通り、牢屋行きなんだろうね、僕なんかは…」

マクギリス「違う。君がどうなるべきかではなく、君がどうしたいかを、私は聞いているんだ」

シャルル「…自由に、なりたいよ…友達に、仲間に、嘘なんてつきたくない…」

その言葉で、私の取るべき道は決まった。
120 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/03/03(日) 02:32:42.89 ID:V0wr/aew0
マクギリス「ならば、私が君の道を作ろう」

涙を流す彼女の頬を、ハンカチで拭う。

シャルル「え…?」

マクギリス「この学園には、外部干渉は許されない。如何なる組織だろうと、だ。それに、私がこの事を明かさなければ、事は露見しない。三年間の間に、新たな手段を見つければ良い」

シャルル「でも…良いの?僕は貴方を騙して…」

マクギリス「本意で無かったのだろう。君を断罪する理由にはならない」

シャルル「…僕は、ここに居ても、良いの…?」

マクギリス「ああ。君の居場所は、此処にある。たとえどの様な事態になろうとも、君は私が守る。君が理不尽な運命を受け入れる必要はもうない。だから、安心するといい」
121 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/03/03(日) 02:43:18.16 ID:V0wr/aew0
シャルル「なんで、そこまで…」

マクギリス「私も君と、同じだったからだ」

シャルル「同じ…?」

マクギリス「ああ。私は…ファリドという名は、本来の名ではない。本来の親の顔すら、私は知らない。孤児であった私は、自身を慰み者として扱う男に引き取られ、その唾棄すべき存在を父と呼ばねばならなかった。成長して、奴の性癖の範囲外となってさえ、奴を排除するまでは政略の道具にされてきた。」

シャルル「そんな、そんなのって…」

マクギリス「だからこそ、君を捨て置く訳にはいかない。」

シャルル「…強いんだね、マクギリスは…」

マクギリス「心の支えが、あったからだ。君にも、その支えを分けよう」

一冊の本を差し出した。

シャルル「ライフ オブ アグニカ・カイエル…?」
122 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/03/03(日) 03:07:30.08 ID:dor2AoBD0
マクギリス「混迷を極める時代の中で、圧倒的な力を持ち、人が人らしく生きられる世界を築きあげた伝説の英雄、…という題材の空想伝記小説だ。私はアグニカ・カイエルに、人生の指針を見出した」

この世界では、だがな。

シャルル「良いの?大事な物なんじゃ…」

マクギリス「構わないさ。君の助けになれば、それは本望だ」

シャルル「ありがとう…マクギリスは、優しいんだね」

マクギリス「そう思って貰えるなら、私の人生も無駄では無かったのだろう。それに、君はどうやら抱え込み過ぎる性分の様だ。少しは、甘える事を覚えた方がいい」

そう言ったところで、部屋のドアがノックされる。

セシリア「マクギリスさん、デュノアさん?お食事がまだのようですが、如何なさいました?」

間が悪い事だ。

マクギリス「シャルル、少しベッドに隠れていたまえ。応対は私がしよう」

ドアを開け、顔を見せる。

マクギリス「ああ、心配させてしまったかな。すまないな。どうも、シャルルの調子が悪いようでな。様子を見ていた」

セシリア「まあ、それは大変ですわね…大丈夫なのですか?」

マクギリス「心配には及ばないだろう。これから彼の食事を持ってくるつもりでな。君はどうする?」

セシリア「私もこれからですので、ご一緒しますわ。デュノアさん、少しマクギリスさんをお借りしますわね」

シャルル「ご、ごゆっくりどうぞ…ごほっごほっ」

演技が雑だったが、見抜かれる事なく切り抜ける。
123 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/03/03(日) 03:13:01.21 ID:dor2AoBD0
食事を手早く済ませ、部屋に戻る。

セシリア「では、デュノアさん。お大事に。マクギリスさん、また明日」

マクギリス「ああ。気遣いに感謝しよう。ではまた明日」

マクギリス「シャルル。食事だ。定食でも、問題は無かったかな」

シャルル「ありがとう、マクギリス。ごめんね、早速頼っちゃって」

彼女の表情が、一瞬曇る。

マクギリス「気にするな。
124 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/03/03(日) 03:20:49.29 ID:dor2AoBD0
マクギリス「…どうかしたのか?」

シャルル「う、ううん。なんでもないよ」

そう言いながら握られた箸は、ぎこちない動きで魚を掴もうとして失敗する。

マクギリス「すまない、配慮が足らなかった様だな。今スプーンを…」

シャルル「そんな、良いよ!持って来て貰えただけで十分だよ、これで頑張ってみるから」

マクギリス「先程も言ったが、君は抱え込み過ぎる。もう少し、私を頼りにして欲しい。君と私は、秘密を共有する者なのだからな」

シャルル「…えっと、じゃあ…マクギリスが、食べさせて…?」

マクギリス「わかった。引き受けよう」

シャルル「じゃあ、そのお魚からお願いするね」

マクギリス「ああ」

シャルルに食事を食べさせる。存外、こういうのも楽しい物だと感じた。
125 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/03/03(日) 03:37:49.33 ID:mbyXL3l+0
翌日。事態は更に、加速していった。

アリーナで、なにやら騒ぎ。嫌な予感と共に、駆け足で向かう。

シャルル「こんな、酷い…」

一夏「なんだよ、なんでこんな…」

そこには、既に戦闘続行困難にも関わらず、ラウラから嬲る様な攻撃を受ける鈴とセシリアという、凄惨極まる惨状だった。

マクギリス「これ以上は不味いな。一夏、緊急時だ。アリーナの防壁を零落白夜で破れ。二人を救出する」

一夏「わかった!」

グリムゲルデを用意し、一夏、シャルルと共に内部に突入する。ヴァルキュリアライフルの威力を以って、ラウラを二人から引き離す。

ラウラ「貴様…また貴様か、マクギリス・ファリド…!」

殺意と憎悪を滾らせ、此方を標的に切り替えるラウラ・ボーデヴィッヒ。

マクギリス「どうやら、話し合う気は無いようだな。正に狂犬か。戦うだけの戦闘マシーンの様だな、君は」

ラウラ「黙れっ!貴様と織斑一夏さえ居なければ!」

二人を医務室に運ぶ様一夏にプライベートチャンネルで指示を下しながら、ラウラを挑発し、此方に惹きつける。
126 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/03/03(日) 03:55:31.24 ID:l0wS69Mu0
マクギリス「君は少々、悪戯が過ぎるな。灸を据えてやろう」

ラウラ「貴様ごときが!」

一夏達と離れる軌道を取りながら、ヴァルキュリアブレードを展開する。ラウラの迎撃は正確なれど、グリムゲルデに掠りもしなかった。

ヴァルキュリアブレードを突き出したし、突進…ラウラの顔が、不敵に歪む。その瞬間、グリムゲルデはその動きの一切を封じられた。

マクギリス「何…?」

これが、ラウラ・ボーデヴィッヒの機体、シュヴァルツェア・レーゲンに搭載されたアクティブイナーシャルキャンセラーの力という訳か。

ラウラ「噂ほどでは無かったな。この私の、停止結界の前では貴様など!」

シャルル「マクギリスッ!」

シャルルの背後からの銃撃により、AICが解かれ、自由の身となったグリムゲルデを一度後退させる。

マクギリス「すまない、助かった」

シャルル「気にしないで。援護は任せて」

マクギリス「頼む」

ラウラ「この…雑魚風情が!」

レーゲンとグリムゲルデがぶつかり合う。数度刃を交え、互いに距離を取る。加速し、互いに距離を詰めぶつかり合う…寸前で、黒い影が間に割って入り、レーゲンのエネルギーブレードを受け止める。咄嗟に、此方も剣を引く。
127 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/03/03(日) 04:12:55.02 ID:AS0PoRD/0
千冬「やれやれ、手間の掛かる馬鹿どもめ」

IS用ブレードを生身で扱い、介入とは。何という剛腕か。

ラウラ「きょ、教官…」

千冬「織斑先生、だ。模擬戦をやるのは構わないが、アリーナの防壁を破る様な事態は教師として黙認しかねる。この決着は、学年別トーナメントでつけろ」

ラウラ「教官の御命令とあらば、異論はありません」

千冬「お前たちも、構わんな?」

マクギリス「了解した」

シャルル「僕も、異論はありません」

千冬「では、学年別トーナメントまで私闘の一切を禁じる。各員解散」

彼女達が気掛かりだ。医務室に向かわねば。
128 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/03/03(日) 04:28:57.19 ID:yz0CGEW00
マクギリス「傷は…残る物でも無さそうだな。何よりだ」

セシリア「ご迷惑を、お掛けしましたわね…」

鈴「別に、もう少しで勝てたっての…」

一夏「いやいや、無理だろあれ。」

マクギリス「しかし、君らしくないな。あんな戦いを引き受けるなど」

セシリア「乙女として許してはならない事を言われましたので、つい…」

マクギリス「そうか…ともかく、体を休めるといい」

途端、医務室に女子生徒が雪崩込む。曰く、次の学年別トーナメントではタッグでの参加を必須とする、と。

一夏「シャルル、俺と_

それは、させられないな。彼女の正体が露見しかねない。

マクギリス「シャルル、私と組もう」

シャルル「うん、僕もマクギリスと組みたいな」

女子集団から歓声が上がる。何故だろうか。

セシリア「そんな、マクギリスさん、私と組んでくださいな!」

鈴「一夏、あんたもアタシと…」

マクギリス「君達のISのダメージレベルもかなりの物だろう。学年別トーナメントへの出場は許されまい」

鈴「そんなぁ…」

セシリア「ぐぬぬぅ…」
129 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/03/08(金) 21:29:39.17 ID:DhHfA5qG0
マクギリス「待たせてすまない、諸君」

マクギリス「まずは謝罪をさせてもらおう。寝落ちした挙句日曜日には更新無しだったな」

マクギリス「少々、心が折れてな。フレズヴェルクアーテルにデカールを貼ってアーマーを着けたら、見事にデカールが剥がれた。スーパークリアーのトップコートではいけないんだろうか…」

マクギリス「剥がれた部分は青で塗り直して事なきを得たが、分解して素体にするのに躊躇する羽目になってしまった…」

マクギリス「ままならぬ物だな」

マクギリス「では、階級も再び上がったので気をとりなおして深夜辺りにまた書き始める。今暫く、待っていてくれ」
130 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/03/09(土) 02:23:58.38 ID:XSow05im0
マクギリス「では、我々は退室するとしよう。君達も、怪我人の近くであまり騒ぐものではないよ」

女子集団に連行されていく一夏を尻目に、医務室を後にする。

マクギリス(すまない一夏、今は君を救えない)

部屋に戻ると、シャルルに礼を言われた。

シャルル「マクギリス、さっきはありがとう。助けてくれて」

マクギリス「気にするな。事が露見すると私にも飛び火しかねんからな。それに、私達は秘密を共有するパートナーだ。必要な事があれば、遠慮なく言って欲しい」

シャルル「パ、パートナー…う、うん。ありがとう」

マクギリス「では、着替えるとしよう。私は浴室で着替えている。終わったら声を掛けて欲しい」

シャルル「うん、わかったよ」
131 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/03/09(土) 02:37:47.19 ID:fF7zdGwX0
大会当日。

マクギリス(まったく…運命、とでも言わせたいのかな、これは)

一試合目から、ラウラ・ボーデヴィッヒと箒のペアと対決となった。

マクギリス(一夏を取られて組む相手が居なくなってしまったのか。同情を禁じ得ないな)

ラウラ「一試合目から貴様らか。ちょうど良い、織斑一夏の前に貴様から叩き潰してやろう」

マクギリス「残念だが、君の望みは叶わない。私がここで仕留めよう。…シャルル、援護は任せたぞ」

シャルル「うん、任せて!」

箒(…どうしてこうなった)

試合開始と同時に、グリムゲルデとレーゲンが相対する。AICによる停止結界が、グリムゲルデの自由を奪う。

ラウラ「開幕からの機動性を活かした近接攻撃。悪くはないが、貴様では私には届かん!」

マクギリス「いいや、届いているさ。君が私の攻撃を躱すのではなく、私を止める事を優先した時点で、な」

ラウラ「なっ!?」

背後から躍り出たシャルルのリヴァイヴの銃火器が一斉に火を噴く。AICを解除して回避行動に移るラウラだが、少ない直撃弾受けた筈。
132 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/03/09(土) 02:46:07.52 ID:fF7zdGwX0
次回予告

名瀬「あ?もう終わり?やる事が出来たから明日の夜に本格的に、だと?ファリド公も大変だねえ」

名瀬「さて、ではクイズと行こうか。花を育てるのに必要なのは?…そう、太陽の光に、水に、栄養のある土だ」

名瀬「では、子供が育つのに一番重要なものはなんだ?」

名瀬「美味い飯?寝所?確かにそれも必要だが、一番じゃねえ」

名瀬「答えは愛情、だ。親にしろ兄弟にしろ、愛情を貰えない子供ってえのは悲惨なもんだからな」

名瀬「さて、ファリド公はそれをあの子供に与えてやれるのか、ね」
133 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/03/09(土) 02:54:16.27 ID:L52JUree0
名瀬「次回、インフィニット・マクギリス。ファインド・アウト・マイ・マインド」

名瀬「これ見てるお前らも、子供は大事にな。大人の一方的な事情で、傷付けたり食いモンにしたりするモンじゃないんだからな」
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/10(日) 08:49:39.83 ID:XHxnhoqo0
おつおつ
135 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/03/10(日) 09:57:40.10 ID:BTVFYw0y0
第8話 ファインド・アウト・マイ・マインド

マクギリス(戦局はこちらが有利。焦りが見えるな)

箒(やはり、マクギリスは強い…私が知る、誰よりも…)

ラウラ「たかが、第二世代機の寄せ集め風情が…!」

マクギリス「君を倒すには、十分だ」

ラウラ「貴様ぁああ!」

激昂と共に、肩の上に配置されたアーマーからアンカーが発射される。その軌道はワイヤーにより、まるで生物のようにうねる。

マクギリス(モビルアーマーのテイルブレードに近い武装か。だが、奴ほどではないな)

舞うように、発射されたアンカーを斬り捨てる。

136 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/03/10(日) 10:00:47.49 ID:BTVFYw0y0
マクギリス「すまない、書いている最中に寝落ちてしまった。疲れが溜まっているのだろうか…」

マクギリス「とりあえず、今日の夜には書く、はずなので見捨てずに待っていて欲しい」

マクギリス「では、また夜に」
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/10(日) 19:59:18.42 ID:jTs4OaKuo
お疲れ。待ってるよー
138 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/03/10(日) 20:49:15.03 ID:dZx2YQhsO
>>137
マクギリス「君の言葉が、私の励みになる。期待には応えさせて貰おう」


マクギリス「しかし、生涯初めてセミスクラッチに挑戦したが、存外難しいものだな…アンテナと肩の延長だけでこれほど気力がなくなるとは。しかし、諦めるわけにはいかんな。1/100の私の機体コンプリートの為にも頑張らねばな」

マクギリス「完成したら、こちらにもアップロードしよう。素人なので、あまり期待しないで欲しいが」

マクギリス「では、少しずつ作業しながら書いていかせて貰うぞ」
139 : ◆3DtvXoE6Vc [sapa]:2019/03/10(日) 21:05:52.28 ID:dZx2YQhsO
箒(ラウラは冷静さを失っている…ならば!)

唯一の訓練機、箒の打鉄がグリムゲルデの前に割り込む。

箒「一度、手合わせ願おうか!マクギリス、覚悟!」

マクギリス「まったく、人気者というのは多忙なものか」

ラウラ「貴様、私の邪魔をするなっ!」

レーゲンが箒を巻き込む事を厭わない砲撃が放たれようとして、その砲身が吹き飛ぶ。

ラウラ「何っ…貴様…」

シャルル「皆してマクギリスに群がるなんて感心しないなー。僕も相手してくれなきゃ、さ!」

マクギリス「そちらはしばし任せるぞ、シャルル」

シャルル「任せて!」

打鉄とグリムゲルデの刃が、幾度と無く打ち合わせられる。

箒(やはり強い!これがまだ一年にも満たない奴の動きだというのか!?)

マクギリス「良い腕だな、箒。こんな状況下でなければもう少し遊びたいところだが、そんな時間は無いのでな」

箒「くう、っ!」

箒(届かない…一太刀も…これでは、一夏達に近付く事さえ出来ない…)

打鉄の刀が弾かれ、グリムゲルデの刃に平伏する箒。打鉄は、完全に沈黙した。
140 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/03/10(日) 21:58:16.86 ID:dZx2YQhsO
マクギリス「すまない、待たせたな」

AICに捕まったシャルルを、ヴァルキュリアライフルによる銃撃でレーゲンを弾き飛ばす事で抜けださせる。

ラウラ「くっ…マクギリス・ファリド…!」

マクギリス「そうだ。怒りも、憎悪も、全て私にぶつけるといい。君の相手は、この私だ」

ラウラ「うああああっ!」

両腕のブレードを展開、突撃してくるラウラ。ヴァルキュリアブレードで猛攻をいなし、レーゲンのシールドを着実に削る。

ラウラ(何故だ、何故届かない!?こんな男にすら負けると言うのか!?)

ラウラ(またあの頃に戻るというのか!?嫌だ、もっと、もっと力を!このままでは、私は…!)

レーゲンに、変化が訪れた。
141 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/03/10(日) 22:31:31.79 ID:dZx2YQhsO
マクギリス「なんだ、これは…?」

シュヴァルツェア・レーゲンが、ラウラを呑み込む様にしながら変貌していく。もはや機械的なそれでは無く、生物の様に。危険を感じ、距離を取る。

シャルル「これは、いったい…」

やがてそれは、人に近しい物を象る。見覚えのある形状、右手に一体化した雪片。かつての織斑千冬と、その乗機である暮桜。それを醜悪に模した存在へと、シュヴァルツェア・レーゲンは成り果てた。

シャルルが、反射的に銃口を向ける。それに反応し、暮桜擬きの右腕が一閃してリヴァイヴが吹き飛ばされる。

マクギリス「シャルル、手を出すな。奴は攻撃行動に反応している」

シャルル「なんなの、これ…」

周りを取り囲むように展開された教員部隊も、攻めあぐねている。

マクギリス「エネルギーが尽きるのを待つしかあるまい。もはやラウラの意思で動いてはいないのだろう。下手に手出しをする必要は無い」

だが、突然に暮桜擬きの挙動が変化する。グリムゲルデに、暮桜擬きが襲い来る。

マクギリス「何!?どういう事だ…!」

ヴァルキュリアブレードを用いて暮桜擬きの攻撃を捌く。
142 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/03/11(月) 00:53:36.58 ID:jQtMw6icO
千冬「ファリド、離脱しろ!そいつは危険だ!」

スピーカーから、織斑千冬の声が飛ぶ。だが、その指示を遂行するのは困難だった。

マクギリス「そうしたいのはやまやまなのだが、っ!」

暮桜擬きの執拗な追撃。距離を離す事を許さず、苛烈なまでの攻撃を向けてくる。

マクギリス(近過ぎてシャルル達は援護もままならないか。自分一人で切り抜ける必要があるか)

ヴァルキュリアブレードを操り、暮桜擬きと本格的に斬り結ぶ。その速さ、巧みさに舌を巻く。

マクギリス(これが、この世界の最強の力か!)

幾度も、幾度も。数えるのが億劫な程に剣をぶつけ合う。

マクギリス(このままではジリ貧か。ならば、防御を捨ててでも!)

ヴァルキュリアブレードを盾から外し、手持ちに変えて斬り結ぶ。更に盾を投げつけて暮桜擬きに死角を作る。

投げつけた盾は、暮桜擬きに両断される。
143 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/03/11(月) 01:41:19.52 ID:jQtMw6icO
その隙に、剣先を突き出す。だが、届く事無く弾かれる。一本は、だが。

マクギリス「心なき機械になど、負けられんな」

雪片の腕を斬りとばす。残った左腕を掴み、逃げ道を塞いで再度剣を振るう。沈黙し崩壊した暮桜擬きから、ラウラがこぼれ落ちる。それを受け止めた瞬間に、奇妙な感覚に襲われる。まるで、ラウラと意識が一つになるような。

マクギリス《これは、いったい…?》

ラウラ《マクギリス・ファリド…何故、貴様が…これは、なんだ…》

マクギリス《私にもわかりかねる。…これは、君の記憶、か》

ラウラ《違う、と言っても信じないだろう。そうだ、私は軍で作られた。最強だった、ISが世に出るまでは。しかし、そのISに適応し切れず、出来損ないの烙印を押された。そんな私を、再び最強の座に帰り咲かせたのは、織斑教官だった。私を見てくれたのは、織斑教官だけだった。私の唯一の救いだった》

マクギリス《だが、一夏が誘拐された事で、その織斑教官はモンドグロッソ…IS世界大会の、二連覇を逃した。だから、彼を快く思っていなかった訳か》

ラウラ《そうだ。奴だけは…》

マクギリス《そんな物は、お門違いというものだ。彼を傷付けて、織斑千冬は喜ぶと思うのか?そんな人間か?》

ラウラ《それは…》

マクギリス《君は、正しい方法で、彼女を喜ばせるといい。…君が間違った道を行くのならば、私が正してやる。私が見ていてやる》

かつて、私の友が私を正してみせた様に。大切な物から、眼を逸らさないように。

ラウラ《お前は、私を…見ていてくれるのか。遺伝子強化試験体でなく。黒兎部隊の隊長ではなく。ただの、ラウラ・ボーデヴィッヒとして》

マクギリス《ああ。かつて、私も道を誤った。共に探そう、正しき道を》
144 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/03/11(月) 02:11:34.21 ID:jQtMw6icO
ラウラ「ここは…」

千冬「医務室だ。…しばらくは動けないだろ、無理するな」

ラウラ「私は、いったい…」

千冬「VTシステムは知っているな?」

ラウラ「ヴァルキリー・トレースシステム…過去の大会上位陣のデータを使い、操縦者にそれに匹敵する力を与える…」

千冬「強引に他人の動きをさせるが故に、負荷も大きく禁止されている技術だ」

ラウラ「それが、私の機体に…?」

千冬「ああ、おそらくな。ファリドに感謝しろ。執拗に狙われながらも、お前を助けてみせたんだからな」

ラウラ「…マクギリス、が…」

千冬「…発動条件は、おそらく…」

ラウラ「私の意思、ですね…私が、望んだから…」

千冬「…良い機会だから言っておく。お前は私にはなれんぞ。…お前はお前だ。お前であれば、それで良い。自分の道を歩め。迷ったならば、頼れる男がいるだろう。仲間と共に歩んでいけ」

ラウラ「…マクギリス…」

千冬「ではな。ゆっくり休め」

織斑千冬が、医務室から出て来る。

マクギリス「…あれが、ヴァルキリー・トレースシステムだったのか。資料としては見た覚えはあったが、あれ程苛烈とはな」

千冬「それだけではないだろうな。あのシステムは、執拗過ぎる。何かわかったら教えてやる…ラウラの事を、頼む。私の教え子でな」

マクギリス「わかっている。彼女と、約束したからな」
145 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/03/11(月) 02:15:42.21 ID:jQtMw6icO
マクギリス「キリも良い、今回はここまでだ。では、諸君。また来週」

マクギリス「しかし、後は胸部と肘に爪先、剣。未だにやる事が多すぎる…キマリスヴィダールに取り掛かれるのはいつになるのか…」
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/12(火) 22:29:07.87 ID:kdwmwVjEO
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/15(金) 00:47:18.88 ID:xc+yPvyMo
続きが気になるぜ
148 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/03/16(土) 08:15:26.34 ID:MgGmT6f40
>>147

マクギリス「すまないな、夜勤明け故に全く書けていない。だが、今夜には書くのでしばしバエルに乗って待っていて欲しいな」

マクギリス「そういえば、ライトニングは実装から下方を受けたのか?最近見かけない気がするな。当初はリンクライトニング二体に手も足も出なかったが…」

マクギリス「とりあえず、また今日もアグニカポイントを稼ぐとするか」
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/16(土) 12:03:57.37 ID:7swe7t67O
実装から一週間で下方されたよ
具体的にはレバサブの誘導弱体と特格の移動距離短縮、ブースト消費量増加、特射のリロ増加、前格の発生と誘導弱体と前格から直接下派生出来なくなった
変形時の武装には一切弱体入ってないから気をつけてね
150 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/03/17(日) 01:13:16.14 ID:EH2OEr5i0
山田「男子の、大浴場です!」

マクギリス「先生、唐突に何事ですか」

一夏、シャルルとの食事中に山田先生が駆け寄って来ての開口一番がそれだった。

山田「えーっとですね、今日から男子も時間配分で、大浴場が使えるようになったんです!」

マクギリス「今までは女子だけでしたね」

山田「はい!ですので、時間を見て大浴場を堪能して下さい!」

一夏「そりゃ良いな。マクギリス、シャルル、一緒に入ろうぜ!」

シャルル「うええ!?ぼ、僕は遠慮するよ!」

まあ、そうなるだろう。私とて、背中の阿頼耶識を見られるのは余り良くは無いだろう。

マクギリス「私も遠慮しよう」

一夏「つれない事言うなよ二人共ー。たまには、一緒によ。裸の付き合いって奴でさ」

マクギリス「あまり、他者に強要するものではないぞ、一夏。同性であろうとそこまでしたくない人間も居るものだ。例えば、体に見られたくない傷を持つ者や、自分の体にコンプレックスを抱く者、とかな。…とはいえ、せっかくの大浴場だ。入らぬのも不粋、ならば時間をずらして入るとしよう」

一夏「俺はそんなこと気にしないんだけど…」

マクギリス「君が気にせずとも、本人が気にしてしまう事もあるのだ。君はもう少し、デリカシーを弁えるべきだな」

マクギリス「さて、一夏。一番風呂、というのは君に譲ろう。次に私、最後にシャルル。それで良いかな?」

一夏「ああ、わかった」

シャルル「う、うん。了解」

シャルルが最後ならば、以前の様な間違いは起こるまい。
151 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/03/17(日) 01:16:50.41 ID:EH2OEr5i0
>>149
マクギリス「なるほど。道理で随分と追いやすくなったものだった訳だ。正直、リンクリンクで延々連打されて気分がかなり萎えたのでな。あれでは修正も止む無しか。情報提供、感謝する」
152 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/03/17(日) 01:43:52.92 ID:fI9RhJc20
なるほど…大浴場。開放感に満ち溢れ、心身共に癒される。

マクギリス(一夏の喜びようにも、納得が行くものだな。本音を言えば、裸の付き合いというのも悪くはないのだが…)

背中の阿頼耶識。他者には、感性次第ではグロテスクにも見えるであろう代物。

マクギリス(まったく。付けた当初は、こんな後悔を抱くとは思いもしなかったな。力に固執した代償、か)

物思いに耽って居ると、控えめながら大浴場の扉の開閉音が響く。

シャルル「お、お邪魔します…」

マクギリス「!?……!?」

馬鹿な、まだ交代の時間には早かったはず!

マクギリス「す、すまない。交代の時間だったか。すぐに上がる。出来れば入る前に声を掛けて欲しかったが」

シャルル「ち、違うよ!その、マクギリスと、話したい事があって…」

マクギリス「ここここの様な場所でなくとも自室でも良かったのではないかな!?」

シャルル「僕と一緒じゃ、嫌かな…?ていうか、動揺してる?」

当然だ。こんな状況は初体験だぞ、いくらなんでも。

シャルル「マクギリスって、恋人とか居なかったの…?」

マクギリス「…婚約者は、居た。政略結婚で、まだ9歳ではあったが立派な女性だった。もう二度と、会う事は叶わないが…」

アルミリア…また、泣かせてしまったのだろう、かな。

シャルル「…ごめん。要らないこと聞いたね…その、ね?マクギリスが、ここに居れば良いって、力になってくれるって言ってくれて、凄く嬉しかった」

マクギリス「…当然だ。君は、酷い扱いを受けるべき人間ではないのだから」

シャルル「そんなマクギリスが居たから、僕は心から此処に居たいって、思えるんだ」

マクギリス「そ、そうか。それは、なによりだ」

シャルル「だから、マクギリスには、僕の本当の名前を呼んで欲しいんだ。二人っきりの時だけで良いから」

マクギリス「本当の、名前…」

シャルル「うん。シャルロット。僕の、お母さんが付けてくれた名前」

後ろから、抱き着かれただと…!?
153 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/03/17(日) 02:04:45.62 ID:zjZv98iv0
マクギリス「そ、そうか。わかった、シャルロット」

シャルロット「うん。ありがとう、マクギリス…所で、この背中に突き出てるのは、いったい…」

気付かれて、しまった…いや、これ以上、彼女に隠し事を続けるのも、問題か。

マクギリス「…阿頼耶識システムさ。モビルスーツを動かす為の、な」

シャルロット「えっ?それって、アグニカの…?」

マクギリス「…君には、空想伝記小説と説明したが、実際には違う。あれは、これから起きる、もしくは別の世界で実際に起きた記録なのだよ」

シャルロット「それって、いったい…」

混乱するのは仕方ない、か。

マクギリス「口外は控えて欲しいが、私は本来此処に居る筈のない存在なのだろう。厄祭戦から三百年後の時代の存在が、この私なんだ」

シャルロット「…石動さん達もなんだね。なるほど、マクギリスが強いのは実戦経験があったからなんだ」

マクギリス「…信じるのか?こんな荒唐無稽の話を」

シャルロット「信じるよ。マクギリスの言葉だもん。嬉しいな。僕にはちゃんと、話してくれたんだ」

マクギリス「…君に、隠し事をしたくない。そう思ってな」

今度は、友を裏切らない。同じ過ちを繰り返す訳にはいかない。

マクギリス「すまなかったな、あまり気分の良くない物を見せたな」

シャルロット「ううん。全然平気だよ。それも含めて、マクギリスだから」

いつか、彼女の様に一夏達も受け入れてくれるだろうか。

シャルロット「そろそろ、上がろう?時間だろうし…また、マクギリスの話を聞かせて欲しいな」

マクギリス「ああ、約束しよう」
154 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/03/17(日) 02:20:41.95 ID:zjZv98iv0
山田「えーっと、デュノアくんは、デュノアさん、という事でした…」

翌日のホームルームで現れた、女子の制服を着たシャルロット。その事実に、クラスが一瞬静まり返る。

箒「…は?」

一夏「…はあっ!?」

セシリア「どういう事ですのマクギリスさん!?貴方同室でありながら知らなかった訳ありませんわよね!?」

「つまり、どういうこと?」「ファリりん、どーゆー事なのー!説明してよー」

ファリりんとは私の事だろうか。

「てか昨日男子が大浴場使ってたわよね!?」

不味い、非常に不味い。

箒「一夏貴様もしや、女子と入浴したというのか!?」

一夏「してないしてない!皆時間をずらして…」

教室の壁が、突き破られた。二組の鈴の甲龍によって。

鈴「一夏あんた女子お風呂入ったんですって!?何してんのよ!」

甲龍が衝撃砲の発射態勢に入る。…いや待て、こんな所でそんな物を…!?
155 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/03/17(日) 02:38:14.17 ID:Cfiy03XG0
甲龍から放たれた衝撃砲を、窓から飛び込んだラウラがAICで無効化する。

マクギリス「…すまない、助かった」

ラウラ「気にするな。少し、顔を貸せ」

マクギリス「構わないが、何を…?」

言うやいなや、ラウラの唇が私の唇に重ねられる。いやいきなり過ぎるのでは。

ラウラ「おまえはわたしの嫁にする。決定事項だ、異論反論は認めない」

セシリア「…えっ」

シャルロット「ええっ!?」

マクギリス「…婿ではなく、嫁?どう言うことだ?」

ラウラ「日本では、気に入った相手を嫁、というらしい。故に嫁だ」

マクギリス「そうか。そんな風習があったとは」

一夏「いや無いから!誰だよそんなデタラメ言った奴!」

マクギリス「…そういえば、身体はもう大丈夫か?」

ラウラ「ああ。問題無い。しかし、夫の気遣いとはやはりお前は出来た嫁だ」

マクギリス「そ、そうか。ならば良いが」

まあ、彼女が嬉しそうなので、構う事もあるまい。
156 : ◆3DtvXoE6Vc [saga]:2019/03/17(日) 02:46:58.29 ID:2fgNjh830
放課後

マクギリス「石動、例の件はどうだ?」

石動『VTシステムの件ですが、事件の当日中には開発、研究していた組織は消滅したようです』

マクギリス「消滅?なるほど。証拠を隠滅した訳か」

石動『いえ、どうやら外部からの攻撃により、人員以外が消滅させられた様です』

マクギリス「外部からの…つまり、施設ならびに研究データそのものが他者に抹消された、と?」

石動『脱出した人員も酷く怯えた状態の様で、これ以上は調査も困難かと…』

マクギリス「そうか、わかった。なにかあれば、また連絡する」

石動『はっ』

マクギリス(VTシステムの研究施設の抹消…我々に、調べられたく無い事が…つまり、VTシステム以外にも何かあったというのか?)

行く末に、暗雲が立ち込め始めた気がした。
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