【Another】恒一「……中村青司?」

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324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/23(土) 22:37:57.31 ID:mQm9OJvR0
「……ごめんごめん、つい。――質問攻めは嫌い、だったよね」

「これ以上は拒否します、ってわけじゃないけど……わたしだって榊原くんに訊きたいこと、あるのに」

「そうだよね。じゃ、交代しよっか? ……見崎、質問をどうぞ」

ぼくがそう言うと、鳴はぼくの目をじっと見つめ、唐突にこう言った。

「いやだ」

「えっ」

鳴の方から言い出したことなのに? と思ったが、これにはまだ続きがあった。
325 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/23(土) 22:38:36.39 ID:mQm9OJvR0
「『いやだ』……って、あの時言ったよね、榊原くん。わたしが<死者>のこと、覚えてないって言った後に」

「……ああ。えっと……」

「それとももう、忘れちゃった?」

「……どうだったかな」

言い淀むぼくに、鳴は更に質問を重ねる。

「そんなに嫌だった? 今年の<死者>……<もう一人>のことを、忘れてしまうのが」

「……」

「榊原くんは、その人と仲が良かったとか? ――それとも、その人のことが好きだった?」

鳴が口にした"好き"という言葉に、ぼくの胸がちくりと痛んだのは事実だ。
けれども、ぼくがあんな風に言った理由はもっと別のところにあった。
あの時は自分でもどうしてそんなことを言ったのか分かっていなかったけれど、今なら分かる。
326 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/23(土) 22:39:14.47 ID:mQm9OJvR0
もし怜子さんのこと、今年の<死者>にまつわる全てを忘れてしまうのなら、その時はきっと。
きっと、鳴と一緒にそうなるのだと、ぼくはそう思い込んでいたのだ。

だけど現実はそうじゃなく、ぼくは置いていかれた。
だからそれが嫌だった。
ただそれだけの……まるで子供が駄々をこねるような、そんなくだらない感情。

今思えば大した思い上がりだ。
大体、ぼくと鳴が怜子さんの死に深く関わったといっても、
その本当に最期、その締めくくりは、鳴ではなくぼくがやったこと。
そういう意味では、ぼくと鳴にしてもその関わり方は違う。
ならば、そこに差が生まれるのも当然というものだろう。

実際にそうなってしまうまで、ぼくはそんなことにも気づいていなかったのだ。
327 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/23(土) 22:39:57.93 ID:mQm9OJvR0
……こんなこと、正直に言えるわけがないし、何よりぼくが恥ずかしい。
だからぼくは、

「うん、そうだね。……そうだったのかもしれない」

と、はぐらかすことしかできなかった。

「……ふうん」

そうは言いつつ、どこかすっきりしないといった様子の鳴。
その左手がすっと上がったかと思うと、眼帯に触れるかどうかといったところでまた下りた。

眼帯を外そうとしたのだろうか?
<死の色>が見えるという、鳴の<人形の目>。
その目には人がついた嘘も見える、なんて話は聞いたことがないけれど……。
今もし鳴が眼帯を外して、<人形の目>でぼくを見つめていたら。

ぼくの下手な嘘なんてきっと、いとも簡単に見抜かれていたことだろう。
そんな気がした。

「ま、別にいいけどね。わたしだって、なんとしてでも知りたい、なんて思わないし。……あなたと同じで」

――あるいはもう、彼女はとっくにお見通しなのかもしれない。
328 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/23(土) 22:40:37.51 ID:mQm9OJvR0
言いたくない、知られたくないことは、ぼくにだってある。
それに触れてしまわぬように、鳴はそっと手を引いてくれた。

「……ありがとう、見崎」

と呟いたぼくに、

「でも……そうね」

と微笑みながら、鳴はいつの間にか空になっていたティーカップを持ち上げる。

「せっかくだしもう一杯、ごちそうになっちゃおうかな。――今度は、ミルクティーで」

ああ、喜んで手を打つとしよう。
それに今日に限れば、最初からぼくの返事は決まっている。

「――かしこまりました」

ぼくは右手を挙げ、知香さんを呼んだ。
329 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/23(土) 22:41:11.91 ID:mQm9OJvR0


「考えてたことっていうのはね」

白い湯気が立ちのぼるカップを口元に近づけたまま、鳴が言う。

「わたしは確かに、<死者>についてのことは忘れてしまった。でも、それ以外のことはちゃんと覚えてるの」

「うん」

「例えば、どうすれば<災厄>が止まるのか、とか」

「……うん」

――<死者>を、"死"に。

「今も覚えているってことは、年が明けても……ううん、わたしたちが卒業して、新しい年度が始まってからもまだ、覚えていられるかもしれない」

「……」

鳴の読みは、おそらく当たっている。
<災厄>を止める方法は、<死者>の正体に直接関わっているわけではない。
だとすればこれもきっと、<災厄>による記憶の改変・調整の範囲外となっているはず……。
330 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/23(土) 22:42:12.02 ID:mQm9OJvR0
だからこそ、かつて<災厄>を止めた松永さんの残したテープが、十五年もの時を経てぼくらの元へと流れ着いたのだ。
確かにぼくらが松永さんと会った時、彼自身は合宿で起きた一切を忘れてしまっていた。
けれどもし<災厄>が、それを止める方法まで隠蔽してしまうのだとすれば、
それほどまでの間、テープが無事だったはずがない。

ならばそこには、大なり小なり、見逃されうる余地があるのではないか。
そう考えるのは自然な流れだろう。

「だからね、来年……もしもわたしがまだ、止める方法を覚えていて……そして次の三年三組が、<ある年>だったら」

「<ある年>だったら……どうするの?」

答えなんて訊くまでもない。けれど、訊かずにはいられなかった。

鳴が静かに頷き、カップを置く。
その白い指が、眼帯の縁をそっと撫でる。


「――止める、と思う。<災厄>を。この<人形の目>で、<死者>を見抜いて」

「……」

……それが鳴の「答え」だった。
331 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/23(土) 22:43:00.51 ID:mQm9OJvR0
予想していなかったと言えば、もちろん嘘になる。
むしろ……とうとうこの日が来たか、という感覚が――ややもすれば鳴が<死者>の記憶を失ったと知った時以上に――強くあった。

「わたしの記憶だと、<人形の目>のことはまだ、榊原くんにしか話していないはずだけど……。これって、榊原くんの記憶でもそう?」

「うん。千曳さんには、そのことはまだ。……未咲さんのことも、学校で知ってるのはぼくだけだよ」

――言うべきかどうか、もう少し考えさせてほしいの。

かつてぼくが、千曳さんに今年の<死者>について話しに行くと、鳴に告げた時。
彼女は自分の<目>や藤岡未咲のことについて、そう言って保留したのだ。
だから今も記録上、今年の<災厄>は「何らかのイレギュラー」によって、五月から始まったことになっている。
そうしなければ、何の<対策>も講じていない四月に犠牲者が出ていないのはなぜなのか……と、疑いを持たれてしまうおそれがあったから。

当然、ぼくは鳴に何も言わなかった。
未咲が<災厄>なんてわけの分からないもののせいで死んでしまったなんて、信じたくない――。
そう吐露した鳴の心情や、妹を喪った彼女の悲しみは、ぼくにも痛いほど分かっていた。

<人形の目>にしてもそう。
例え千曳さんに伝えたところで、彼はそれで鳴に何かを強いるような人ではない。
だが<災厄>に対抗する手段として、<人形の目>の存在は、従来の<対策>とは比べものにならないくらい強力なのだ。
だからこそ、その存在を知らせることには慎重になる必要があった。
332 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/23(土) 22:43:47.46 ID:mQm9OJvR0
正直なところぼくは、もし鳴が沈黙を望むならば、誰も何も知らないまま終わってしまってもいいと、そんな風に考えていた。
あるいは鳴のことを思えば、その方が好ましいのではないか、とも。

しかしそう思う一方でやはり……いつかこうなる予感はしていたのだ。
それも、想いを馳せる必要もないくらい身近な未来で。

「来週、学校が始まったら……わたし、千曳さんに言うつもり」

「何を?」

「全部。卒業しちゃったら、学校に入るのも簡単じゃなくなるもの。千曳さんの助けが必要になると思うし、その前に説明しておかなきゃ」

「……本気、なんだね」

「うん。……だって、こうするしかないでしょ?」

確かにそうだろう。
<災厄>を止めるには、鳴の力が、彼女の<目>が、絶対に必要だ。
それは鳴にしかできないこと。
だから、彼女がやるしかない。
そうしなければ……不確かな<対策>に縋るしかない三年三組ではまた、人が死ぬ。
これからもずっと。

ぼくですら分かることだ。
だから、鳴の選択はどこまでも正しい。

――正しいからこそ、納得できるはずがなかった。
333 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/23(土) 22:44:15.99 ID:mQm9OJvR0
「……どうしてなのかな」

知らず知らずの内に、ぼくはそう声に出していた。
表情が翳るのも、止められそうにない。

「どうしてきみだけが、こんな……」

独り言のように呟くぼくに、鳴はほんの少しだけ右目を細める。

「……優しいのね、榊原くんは」

……ああもう。何をやっているんだ、ぼくは。
鳴にこんなことまで言わせて。

何も言えないでいるぼくに、鳴は続けて言う。

「でも……あなただったら、どうしてた?」

「えっ?」
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/23(土) 22:44:56.64 ID:mQm9OJvR0
「もしも三組に増えた<もう一人>が、あなたにだけ分かるとして……榊原くんなら、どうしてたと思う? ――たぶん、わたしと同じようにしてたんじゃない?」

「……それは……」

あまりにもずるい質問だ。こんなの、答えられるわけがない。

唇を噛んで、ただ俯く。
そうやって沈黙で回答することが、精一杯の抵抗だった。

「それでね、わたしはもし榊原くんがそんな風になってたら、きっとこう思ってた。――どうして榊原くんだけがこんなことをしなくちゃいけないんだろう……って」

そう言って、鳴は微笑む。まるでぼくを安心させるように。

「<死の色>が見えるなんて、べつに望んだわけじゃない。でもね、わたしはこれで良かったと思ってるよ。<災厄>で死んでしまう人や、それで悲しむ人――わたしや榊原くんみたいな人がいなくなるのなら、それで」

「……」
335 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/23(土) 22:45:33.24 ID:mQm9OJvR0
<災厄>で犠牲になる人を無くす。
<人形の目>をもってすれば、それもあながち夢物語ではない。
少なくともこの先、鳴は多くの人を救うことになるだろう。それだけは確実だ。

……だがそれでも、彼女が本当に守りたかったはずの人はもう、守れないのだ。

それすらも分かっていて、鳴は――。

もどかしさが募る。
何かをしなければ。
何かを言わなければ。

この時ぼくが抱いていた感情は説明が難しい。
ただ、何かに追い立てられるような焦燥感だけははっきりと感じていた。
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/23(土) 22:46:00.08 ID:mQm9OJvR0
「……さっき、千曳さんに全部話すって言ったよね」

「うん。……そうだけど?」

「それって、未咲さんのことも?」

一瞬、鳴の動きが止まる。
けれどそれは本当に一瞬のことで、彼女はすぐに頷いた。

「……ええ。本当のことを言うべきだって、そう思うから」

「ぼくはさ、無理に言うことはないと思うんだ。別に今のまま、五月から始まっていたことにしても影響は――」

「だめ。……今年の<災厄>はもう、四月に始まっていたの。誤魔化したって何にもならないよ」
337 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/23(土) 22:46:31.59 ID:mQm9OJvR0
「それに」と鳴は続ける。

「このまま五月から<災厄>が始まったことにしていたら、五月に<対策>が失敗して、それで始まったことにされちゃうよ。……転校してきた榊原くんが、わたしに話しかけたせいで<災厄>が始まったんだ、って。そんなの――」

ぷいと窓の方に視線を向け、しかしはっきりと鳴は言った。

「――そんなの、わたしは嫌」

「見崎……」

ぼくはそんなこと、まるで気にしてなんかいないというのに。
だがそれを口にしたところで、鳴が心変わりするはずもないと分かっていた。

鳴はもう、答えを出しているのだ。
動けないままのぼくとは違う。
338 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/23(土) 22:47:03.24 ID:mQm9OJvR0
「本当はね、やっぱり信じたくない。でも、見ないふりしてやり過ごせるものでもないもの。例えわたしが未咲のことを誰にも言わないでおいたって、<災厄>が見逃してくれるとも思えないし」

「それって……?」

<災厄>が見逃す?
いったい何から――という反射的に浮かんだ疑問に、答えはすぐ与えられた。

「未咲だって<死者>になるかもしれない、ってこと」

「!」

<死者>となりうるのは、これまでの<災厄>で犠牲になった人間。
ならば三年三組の生徒ではなくとも、藤岡未咲がそうなってしまう可能性だって、もちろんある。

「考えたくはないけど……覚悟はしておかなきゃって思うの」

「でも、<災厄>で亡くなった人はこれまでたくさんいるんだし……」

「だから大丈夫って、本当にそう思う? 単純に、何十分の一の確率でしかない……って」

「それは……」
339 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/23(土) 22:47:35.46 ID:mQm9OJvR0
「じゃあ、逆に訊くね。榊原くん――あなたのお母さんが<もう一人>として三組に紛れ込む可能性、あると思う?」

「……ぼくの?」

ぼくの目を見つめたまま、無言で鳴は頷いた。

ぼくを産んですぐに帰らぬ人となってしまった母親――榊原理津子。
その死もまた、<災厄>によるものだった。怜子さんが三組の生徒だった<ある年>の。

素直に考えれば当然、母も<死者>の候補ということになる。
しかし――。

「……いや。それはない……気がする」

「どうして?」

「どうして、って……」

「べつにわたし、否定してるわけじゃないよ。というか、わたしもそう思う。――でも、それはどうして?」
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/23(土) 22:48:08.65 ID:mQm9OJvR0
「だってそれは、なんていうか……」感覚的にしか考えていなかったから、表現するのが難しい。「大変じゃない? その、<災厄>がさ」

亡くなった時、母は二十六歳だった。もし生きていれば、現在は四十一歳だったことになる。
仮に<死者>として三組の構成員になるとすれば、教師としてだろう。怜子さんのように。

だが、母はまだ学生のうちに父と出会い、そして結婚した。
教師として働いていた経験などあるはずもない。

もし<災厄>が母を教師の<死者>として復活させようというのなら、<災厄>は存在するはずのない「教師としての榊原理津子」の記憶を、丸々でっちあげる必要に迫られる。
それも数十年分を、である。
そのために必要な改竄は、もともと美術教師だった怜子さんの比ではない。

そして、母を三組の「教師」ではなく「生徒」として復活させる――なんて考えはそもそも論外だ。
そんなことをすれば、息子であるぼくよりも年下になってしまう。

だからやはり――ぼくの母が<死者>となる可能性はゼロに等しい。
そういうことになるのだろう。

ぼくが結論に達したタイミングを見計らったように、ここで鳴が大きく頷いた。
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/23(土) 22:48:45.59 ID:mQm9OJvR0
「そう、障害が多いの。大人の人だけじゃない。生徒として亡くなった人だって、何年も前の人なら環境が変わってしまっていることだってあるでしょ? 家の場所が変わったり、他のきょうだいに年齢を追い越されたり……」

「じゃあ、<死者>になる可能性が高いのは……」

「一番は、直近の<災厄>で犠牲になった人、ってことになると思う。だから次の<ある年>で<死者>になるのはきっと……今回の<災厄>で死んでしまった人」

つまりは、ぼくらのクラスメイト……か。
いったい誰が……なんて考えても意味はないと分かっているけれど、どうにもやるせない気持ちになってしまう。

「だからそうやって考えていくと、未咲が<死者>になる可能性は決して低くないって、そう思う」

「……」

「あ、でもね」と、ここで鳴はわざとらしく明るい声を作るようにして。「じゃあ可能性が高いのかって言われると……そうでもないのかな、って感じもするの」

「それは、今年の<災厄>で亡くなった他の人と比べると、ってこと?」

「うん。未咲はそもそも夜見北の生徒ではなかったし、後はやっぱり……美津代叔母さんたちも、ここからいなくなるわけだから」
342 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/23(土) 22:49:31.32 ID:mQm9OJvR0
「ああ、さっき言ってたよね。美津代さんが来月に引っ越すって」

「そう。未咲を<死者>にするとしても、来年以降は帰る家が無くなってしまうことになるでしょ? 引っ越した先から通ってる、なんて改竄をするのもやっぱり大げさになるし」

「そっか……確かに」

「だから叔母さんたちが引っ越してくれて、かえって都合が良かったのかもね」

言い切るような口調。
隣で聞いている身としては、なんだか心配になってしまう。

「……見崎は、寂しくないの?」

「どうだろ。別にこれまでだってほとんど会ってなかったんだし、それでどうこうってのはないと思うけど。二度と会えなくなるわけでもないし」

窓の外、景色の更に向こう側を見通すような目つきで、鳴は言う。
まるでその視線の先に、美津代さんの向かう先があるかのように。

「それに……もし本当に『つながってる』のだとしたら、そのくらいでどうにかなるものじゃない、でしょ? ……困ったことにね」
343 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/23(土) 22:50:08.72 ID:mQm9OJvR0
口では困ったと言いながら、どこかそれを愛おしく思うような響きが伴っている気がしたのは、ぼくの勘違いではないだろう。
こちらに向き直った鳴の顔は、微かな笑みをたたえているようだった。

「じゃあ結局、どうなるか分からないってのが結論になるのかな」

とはいえ鳴の話を聞く限り、決して高い確率ではないのでは……。
そんな風に考えつつ、ぼくはこうまとめた――のだが。

「……」

鳴は何かを考えこむようにして、テーブルの一点を見つめたまま微動だにしない。
その直前まで浮かべていたはずの微笑みも、とうに消え失せていた。

「見崎?」

ぼくが呼びかけると、彼女はすぐに顔を上げる。

「……ごめんなさい、ちょっとぼんやりしちゃった。でも、話はちゃんと聞いてたよ。――そうね。わたしの杞憂でしかないのかもしれないし、そうじゃないかもしれない」

弁解のようにそう言い、カップを口に運びかけ――途中で中身が空だと気づいて、また戻す。
344 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/23(土) 22:50:44.63 ID:mQm9OJvR0
いったい、どうしたんだ?
鳴の様子が明らかにおかしい。
重大なことに思い当たり、愕然としているという感じだ。
まるで……そう。
<死者>についての記憶を失ったと気づいた、あの時のよう。

何か、大変なことに気がついたのだろうか? だとしても、何に?
今までぼくらが話していたことと言えば――藤岡未咲が<死者>となってしまうかもしれない、ということだけど……。

だとしても、それはやはり鳴の言う通りでしかないだろう。
そうなるかもしれないし、そうはならないかもしれない。
ぼくから見ればむしろ、例え来年が<ある年>だったとしても、よほどのことがない限り彼女が<死者>となることはないのではないか、と感じるのも事実だ。
そしてそれさえ乗り切れば、その次の<ある年>にはもう別の<死者>が――。

待てよ。
来年が<ある年>だとして、鳴はそれを止めるつもりなのだ。
おそらくは始業式の段階で、一人の犠牲者も出すことなく。
そしてそれを、彼女はずっと続けていこうとしている。
345 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/23(土) 22:51:25.93 ID:mQm9OJvR0
ならば当然、<災厄>による犠牲者がこれから増えることはない。
裏を返せばつまり……<死者>の候補となる人間も増えない、そういうことになる。
加えてぼくらはついさっき、こんな仮説を立てたはずだ。
<死者>になる可能性が一番高いのは、直近の<災厄>で犠牲になった人ではないか……と。

だとすれば。
<災厄>で人が死ぬのを、1998年で最後にしてしまうのならば。
これからの<ある年>に<死者>として復活するのはずっと、1998年の<災厄>で亡くなった人間となる可能性が極めて高い。
そういうことになりはしないか。

――鳴も、同じ考えに行き着いてしまったんだろうか?
これから先の<災厄>を防ぐということはすなわち、死んでしまったぼくらのクラスメイトを縛り付けてしまうことになるかもしれないと。
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/23(土) 22:52:45.61 ID:mQm9OJvR0
それだけじゃない。
1998年の犠牲者が<死者>になり続けるとするなら、「あのこと」がいよいよ現実味を帯びることになる。
鳴が恐れる事態――藤岡未咲に<死者>の順番が巡ってくることが。

夜見北の生徒ではないから。夜見山に家がなくなってしまうから。
だから大丈夫だろう。
そんな考えは、きっと気休めのお守りにもならない。
ぼくらは初めからこう考えるべきだったのだ。
その上で藤岡未咲を<死者>とするなら、<災厄>は一体どうするだろう――と。
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/23(土) 22:53:23.71 ID:mQm9OJvR0
意気込んで考えたい内容では、決してない。
それなのに、思考はぼくの意思とは無関係に突き進んでいく。

もともと夜見北の生徒ではなかったとしても、三年三組に加わることは簡単だ。
三年生になって「転校」してきたことにすればいい。
他ならぬぼく自身がそうだったではないか。

そして、家の問題。
美津代さんたちは夜見山を去り、藤岡未咲が<死者>となるころには、彼女が過ごした場所はもうない。
それこそが彼女の復活を妨げる防壁になるのだと、鳴は言う。
……それも砂上の楼閣でしかないのだと、ぼくは思う。

引っ越した先から通うなんて、そんなまどろっこしいことをする必要なんてない。
なぜなら……あるのだから。
<死者>という「死」そのものが宿るにふさわしい場所が、ここ夜見山には。
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/23(土) 22:54:01.87 ID:mQm9OJvR0
もちろん、三年三組のことではない。
ぼくが想像している場所、それは――<夜見のたそがれの、うつろなる蒼き瞳の。>。
またの名を"夜見山の人形館"。
異形の建築家が生み出した、「死に近い場所」。
藤岡未咲が<死者>として甦るのなら……彼女の"家"はきっと、そこになるのだ。

東京での手術を終えて退院した後、生まれ育った夜見山での生活を望んだ彼女は、
"姉"である鳴が暮らすこの家に身を寄せ、転校生として三年三組の一員となる――。
そんなかりそめのストーリーが容易に浮かぶ。
いつか必ずそれが起こるという、圧倒的なリアリティを伴って。

――いつの日か鳴は、その<人形の目>で<死者>の"妹"に<死の色>を見るのだろう。
そして悟るのだ。
救われたはずの彼女の命が、既に奪われているということを。

……その時、鳴は一体どうするのだろう?
349 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/23(土) 22:54:43.85 ID:mQm9OJvR0
――覚悟はしておかなきゃって思うの。

彼女は確かにそう言った。
それは藤岡未咲が<死者>となることへの「覚悟」なのだろうか?
それとも、それから先のことも含めての?

だとしても……鳴にできるのだろうか。
<災厄>を止めるため、<死者>とはいえ妹を"死"に還すことが、本当に。

ぼくがそれを考えても仕方がない。
そんなことは分かっていた。
けれどやっぱり、ぼくの頭は考えることをやめようとはしてくれなくて。


そして……ああ、どうしてだろう。

――人が死ぬのさ。青司の館では。

どうしてぼくは、こんな時に島田さんの言葉を思い出してしまうんだ?
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/23(土) 22:55:26.85 ID:mQm9OJvR0
……これも同じだ。そういうものだと受け入れるしかない。
中村青司の館では人が死ぬ。"夜見山の人形館"でも、きっと。
その予言の成就が、避けられないものだとすれば。

――あの"館"では一体、誰が死ぬ?

<死者>として甦った藤岡未咲が、再びあそこで"死"へと還るということなのか。
あまりにも酷な運命だが、それでもまだ「良い方」ということになってしまうのだろう。

むしろ――と、ぼくは思う。
ぼくらは、"そういうこと"にしなければならないのだ。何としてでも。
さもなければ、あの館で命を落とすことになるのは――。
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/23(土) 22:56:04.23 ID:mQm9OJvR0
「…………」

頭の中から無理矢理引きはがすようにして、ぼくはようやくそれ以上の想像をやめた。
しかしそれでも、そんな未来が存在する事実は変わらない。

ぼくは、どうするべきなんだろう?
いや、そもそも……ぼくに何ができるのだろう?
彼女――鳴のために。

分からない。
そもそも考えたところで分かるようなものでもない。
これもきっと、ぼくには解けない問題なのだ。
だけど……。

「……見崎」

ぼくの声に、鳴が顔を上げる。
不安げな……なんて言い切るのはためらわれるけど、しかしやはり憂いを帯びた表情。

「……どうしたの?」

――あれこれ考えるのはもう、やめだ。

「ぼくも手伝うよ。きみがやろうとしていること」
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/23(土) 22:57:10.33 ID:mQm9OJvR0
「手伝う?」

何ができるかは分からない。
それでも……彼女のそばにいよう。

「<人形の目>で<死者>が分かったって、"死"に還さなきゃ<災厄>は終わらないんだよ? ……きみ一人じゃ、不安だ」

「……わたし、その時は千曳さんに助けてもらうつもりだったけど」

「千曳さんだって、万一のことがあるかもしれないじゃないか。手は多いほうがいい」

実際にはたぶん、ぼくなんかより千曳さんの方が数倍頼りになるだろう。
だが、これはそういう問題ではない。

「でも……榊原くん、来年から東京に行くんでしょう?」

「うん。だから夜見山には、始業式の日にまた帰ってくるよ。来年も再来年も、ずっと……。きみと一緒に<災厄>を止めて、それからまた東京に戻ればいい」

「……そんなこと、できるの?」

「できるさ。というより、やる。授業があっても休めばいいし、家族――父さんだって説得するよ」

結局は、ぼくがそうしたいからやるのだ。
鳴の言葉を信じようと思ったあの時と、何も変わりはしない。
そして、その時が――"彼女"の番が回ってきた時に、少しでも力になることができたら。
353 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/23(土) 22:57:49.19 ID:mQm9OJvR0
「ずいぶんと自信満々なんだ。……わたしだったら、東京にいる時点で諦めちゃうけど」

いまだ話半分、といったところなのだろう。
テーブルに組んだ腕を置き、下から覗き込むようにして鳴はぼくを見る。

「そりゃあ、実際にその時になってみなきゃ分からないことだってあるけど……でも」

「?」

「やってみる前に諦めちゃうのは、かっこ悪いと思うんだ」

――大事なことよ、かっこいいか、かっこ悪いかって。

そんな優しい声が、ぼくの脳裏に甦る。
354 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/23(土) 22:58:26.44 ID:mQm9OJvR0
……ああ。
ぼくはまだ、憶えている。
彼女の言葉を。
彼女との生活を。

「だから……ね? ――ぼくのこと、信じてほしい」

それを忘れてしまうまでは、と思っていたけれど。
ちょっとだけ早く、歩き出してみよう。


――それでもいいですよね? 怜子さん。
355 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/23(土) 22:59:03.94 ID:mQm9OJvR0
「……」

テーブルから身を起こし、鳴は前髪を軽く払う。
無言のまま、返答はない。

「だ、だめ……かな?」

たまらずそう声に出すと、不意に彼女はこう言った。

「帰ってくるのは、始業式の時だけ?」

「えっ?」

「だから、始業式の時にしか帰ってこないつもりなの? 榊原くんは。<災厄>を止めたら、それで終わり?」

「えっと……いや、お盆の時とか冬休みとか、他にも帰ってくる機会はあると思うけど。おばあちゃんたちも寂しがるだろうし」

「……ふうん」

「あ、もちろん帰る時は見崎にも連絡するよ」

――って、ぼくはどさくさに紛れて何を言ってるんだか。

取り繕う言葉を並べようとした矢先……鳴が頷いた。

「うん。……そうして」

「えっ?」

今、何て?
356 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/23(土) 22:59:43.29 ID:mQm9OJvR0
「わたしも東京に行くことがあったら、前もって連絡するね。――入れ違いになったら困るし」

「……東京?」

「約束でしょ? 美術館巡りするって。そう遠くない内にはしたいと思ってるけど」

確かに以前、そんなことを言ったけれど。

「あのさ、見崎。その……さっきぼくが言ったことは……?」

「ああ」と言って、こともなげに鳴は頷く。

「まだ言ってなかったっけ。……うん、分かった。榊原くんのこと、頼りにする」

そしていつものように、彼女は淡く笑むのだった。


「だから――これからもよろしくね、榊原くん」
357 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/23(土) 23:00:27.07 ID:mQm9OJvR0
……願ってもない言葉だ。
当然、ぼくの返事は決まっている。

「……ああ、もちろんだよ。任せて」

何度も縦に首を振るぼくを見つつ、鳴は「それにしても……」と呟いた。

「さっきの言葉は、誰の受け売り?」

「え。……さっきの言葉、って」

「『やってみる前に諦めるのはかっこ悪い』、ってやつ」

「ああ。……どうして分かったの? 受け売りだって」

「だって、榊原くんらしからぬ台詞だもん。すぐに分かったよ」

そう言って鳴はくすくすと笑う。
じゃあ「ぼくらしい台詞」とはいったい何なんだ、と思ったけれど、ぼくの身の丈に合っていない言葉なのは否定しようがない。
358 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/23(土) 23:01:05.48 ID:mQm9OJvR0
「……でも、いい言葉ね。教科書にでも載ってた?」

興味ありげな様子で、鳴は質問を重ねる。

「いや……。これは、違うんだ」

「そうなの?」と、首を傾げる鳴。


――ここで"彼女"の名前を出しても、鳴はきっと、不思議そうな顔をするだけなのだろう。

それでもいい。
どうか憶えておいてくれ。
359 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/23(土) 23:01:45.08 ID:mQm9OJvR0
「この言葉は――」

……ぼくがそう口にした、その瞬間。
それまで穏やかにカーテンを揺らしているだけだった窓に、一際大きな風が吹き込んだ。
風はカーテンを大きくはためかせ、ぼくの視界を覆う。
一面が白く染まり、何も見えなくなる。

これはカーテンの……いや、違う。
それとは明らかに異質の、塗りつぶすような白。

――闇だ。
真っ白な闇が、すべてを――。




                                  ――どくん。
360 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/23(土) 23:02:33.36 ID:mQm9OJvR0


「――ああ、ごめんなさい。急に吹いてきちゃったみたいね」

知香さんがぼくらのテーブルに駆け寄り、窓を閉めていった。
なんだか寒気がする。たぶん、さっきの風に体温を奪われてしまったのだろう。
予報にはまるでそぐわない、ひどく冷たい風だったから。

身ぶるいをひとつしたぼくに、鳴が言う。

「それで?」

「……うん?」

不意の問いかけに、ぼくは首を傾げる。

「だから、誰の言葉なの?」

「ああ」そういえばさっきまで、そんな話をしていたんだっけ。「えっと――」

言いかけた言葉は、そこで途切れてしまう。

「…………」

――あれ?
361 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/23(土) 23:03:07.77 ID:mQm9OJvR0
「どうかした?」

「いや……」

――あれは、誰が言ったことだったろう?
いつかどこかで、誰かに、確かに言われたことがあるのだけど。
そしてついさっきまで、ぼくはその"誰か"を具体的にイメージできていた……気がするのだが。

しかし今となってはもう、それを思い出せそうな気はまるでしなくて。
362 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/23(土) 23:03:35.93 ID:mQm9OJvR0
「……ごめん、なんかど忘れしちゃったみたい」

ぼくがそう言うと鳴は、

「そう。じゃあ仕方ないか」

とだけ言い、それで興味を失ったようだった。
もともと会話の流れで訊いてみただけの、言ってしまえば些細な質問だったのだろう。

でもまあ……仮に鳴が食い下がってきたとしても、どっちみちぼくは思い出せないと思うけれど。
それほど見事に忘れてしまっていた。

そしてぼくの経験上、こういう時はさっさと諦めてしまうに限る。
あまり気にしすぎない方が案外、後々になって思い出せるかもしれないというものだ。
363 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/23(土) 23:04:05.72 ID:mQm9OJvR0
そう考えてぼくはひとつため息をつき、それを頭から追い出そうとしたのだが……。
ぼくの思いとは裏腹に、こめかみの辺りが徐々に、鈍く痛み出すのだった。
まるで頭の中では未練を断ち切っていても、それを諦めきれない無意識の部分が必死に記憶を探っているかのように。

「大丈夫?」

鳴の言葉で我に返った。
じわじわと増していく痛みに、いつの間にか手で頭を押さえていたらしい。

「……うん、大丈夫。ちょっと頭痛がね」

気を遣わせまいとぼくは鳴に微笑んでみせたのだが、彼女はそれでも心配げな眼差しでこちらを見ている。
――そしてなぜか、申し訳なさそうにこう言う。

「……ひょっとしてまだ、傷が痛むの?」

「えっ?」

傷?
364 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/23(土) 23:04:38.50 ID:mQm9OJvR0
それでようやくぼくは気がついた。
ぼくがいま額に当てている右手、そのちょうど指先のあたりに残る――ひとつの傷痕。
これは――。

「それ、わたしのせいで榊原くんが怪我した時にできた傷……だよね。やっぱり、まだ痛い?」

――ああ、そうだった。

これは<死者>の疑いをかけられた鳴が辻井に襲われ、それをぼくが庇った時にできた傷痕。
そしてある意味ではぼくにとって、誇らしくもある傷痕。

だが、その時の傷はとうに癒えているのだ。
こんなものが今さら痛むはずもない。

……いい加減にしよう、これ以上は鳴を心配させるだけだ。
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/23(土) 23:05:16.77 ID:mQm9OJvR0
「違う違う。本当にもう大丈夫だから、気にしないで」

ぼくはそう言って大げさに両腕を広げ、オーバーなくらいにおどけてみせる。
それでようやく、鳴が笑った。彼女が笑ったから、ぼくも笑う。



鈍い痛みはもう、とっくに消えていた。




――了
366 : ◆8D5B/TmzBcJD [sage]:2019/02/23(土) 23:06:43.33 ID:mQm9OJvR0
以上で終了です。
読んでくださった方、ありがとうございました。
今年こそは、「Another2001」が出るといいですね。
367 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/23(土) 23:21:44.13 ID:rvVbyp7U0
乙です
両作品のファンとして楽しく読ませていただきました。
368 : ◆8D5B/TmzBcJD [sage]:2019/02/24(日) 21:43:40.02 ID:sqRycsxRO
>>367
ありがとうございます。
長さ的に誰からも読まれない覚悟はしていたので、
そう言って頂けるのは本当に嬉しいです。
369 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/24(日) 23:36:50.83 ID:a1JViRsP0
ありそうでなかったクロスで、個人的に読みたかったし待ってた。
館もアナザーも好きってのが伝わってきたし、島田潔の立ち位置とか、鳴と恒一の距離感とか、個人的に大満足です。
370 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/25(月) 06:15:22.01 ID:EnG9Jy5H0
凄く良かった
乙でした
371 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/25(月) 22:13:40.53 ID:NbYXg5NgO
凄い面白かった!
書いてくれてありがとう!
372 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/28(木) 15:58:10.78 ID:umZ0bpym0
久々に面白いSSだった
懐かしい気持ちになれた
ありがとう
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/08(金) 12:10:06.10 ID:5TDA34Y20
おつおつ
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