まどマギ ほむら「悪魔になった私は、この先どうなるのかしら」

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14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/15(月) 23:12:05.61 ID:62yo3lcY0
「それはいいかも」

と、まどかも同調し、皆で輪を囲むことになった。

佐倉杏子が言った。

「しっかし、一人暮らしなんて。

何でまた、そんな生活してるんだ?」

「それは、まぁ自分を鍛えるため、というか…いろいろね。

一人で生活するのは大変だけど、偶にこうして、自分のやりたいことをできるから、悪くもないわよ」

「あなた達と、こうして一緒にいたら、寂しくもないし」

と、巴マミは言う。

美樹さやかが、少し申し訳なさそうに言った。

「私は、家族と一緒に生活してるから、
あんまり、一人暮らしのこととか考えたことなかったかな。

さっきは、勝手に、お弁当の見せ合い、とか言って、よかったですか?」

「構わないわよ」

と、巴マミは言う。

「こうして賑やかで居ると、楽しいから。

あなた達も、せっかくだからお弁当を分け合いましょう。

そうね、佐倉さんは、どんなお弁当を持ってきたのかしら」

「あ?…あたしは…りんご、だけだよ」

「まぁ、なんですって?」

巴マミは手で口を押さえる。
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/25(木) 22:29:33.51 ID:OG5WUFXp0
「佐倉さん、それは健康にあまり良くないわ。

りんごは栄養はあるけど、もっとお米やお肉やお野菜を食べないと」

「しゃーねぇだろ。りんごが美味しいんだよ」

「あっはは。まぁそりゃあ、そうだけどさぁ」

美樹さやかが、少し困ったように笑う横で、まどかも言う

「杏子ちゃん。私も、もっと色々なもの食べた方がいいと思う」

「佐倉さん、まさか、いつもりんごだけってことは無いわよね?」

巴マミが問いかけると、佐倉杏子は少し言葉をドギマギさせる

「いや、そういうわけじゃぁねぇけどな」

その後もみんなが口々に、佐倉杏子に話をするなか、私は思った。

そういえば、わたしも、佐倉杏子がどんな風に生活しているのか、とか知らなかったわ

改ざんした世界でも、一人一人ののデータが分かっているわけではなく、

世界を改ざんする前のことを、覚えていた美樹さやかの記憶も、

私が記憶を作り変えて、半ば無かったことにしたようなものだ。

世界を改ざんする前のみんなは、どんな風に生活していたのか、良くは知らなかったわね

私は少しそう思った。

そのとき、佐倉杏子が、私に聞いた

「おい、暁美ほむら。あんたの弁当見せてみなよ」

「えっ?」
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/25(木) 23:10:30.82 ID:YnacLZ2e0
「あんた、少し不思議な性格してっからな、あんたも、どんな弁当持ってきてるのか、気になって仕方がねぇ」

「たしかに、言われてみれば」

美樹さやかも頷くなか、巴マミも私を見る

「そうね、他の人のお弁当もあるし、暁美さんのお弁当も、見せてもらえないかしら」

「えぇと、わたしは…」

言葉を詰まらせると、まどかが言った

「ほむらちゃんのお弁当、とってもきっちりしてるんだよ

おかずも入ってるし、お野菜も入ってるし、綺麗に分けられていて、とても、健康だと思う」

へぇ、そうか、と、佐倉杏子が少し目を丸くさせ、

巴マミが、私の弁当をふっと覗いて見る

「ほんとうねっ」

と、巴マミは言った。

「暁美さん、とても、健康的ね。これは身体に良いと思うわ」

「うわー。ほんとだ」

美樹さやかも呟くなか、巴マミが興味深そうに私に聞く

「これは、私も見習いたいわ。御両親から作ってもらったのかしら」

「いえ、これは…」

私は少し言葉に詰まる

私は、世界を改ざんしてから、ある程度自由に生活するようになった。

だから食事も、半分は自分で作っているようなものだし、

魔法の力で、ある程度、食材を出すこともできる。

でも、そんな私は、一応自分で、普通に食材を用意して、食事を作っていた。

だから、普通に答えても、良いわよね

「私がつくりました」

すると、「まぁ」、と、巴マミは口を開き、

佐倉杏子が、少し声を上げて言った

「はぁー!?

ほむら、あんたも弁当自分でつくってたのか」

「ほむらちゃん!?、ほんとに?」

まどかも、びっくりしたように私に聞く

巴マミが心身深そうに言う

「これは、たしかにすごいわね。私もびっくりしたわ。

今日は色々と、みんなのことが知れて良いわ」

「そうですね」

と、美樹さやかが頷くと、

「私は少し気分悪いけどな」

と、佐倉杏子は言う。

すると、巴マミが言った。

「まぁまぁ、佐倉さん。そんなに気を悪くしないで。

そうだ、今日こうして、一緒に集まれたし、
今度みんなで、お出かけに行くのはどうかしら?

私たち、こうして集まることはあっても、まだ、休日に遊んだことなんてなかったから」

「たしかに、そうかも」

まどかも頷く。
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/25(木) 23:16:52.16 ID:YnacLZ2e0
「たしかに、そうですね」

と、美樹さやかも頷くと、

巴マミは佐倉杏子に、改めて聞いた。

「どう、佐倉さん。みんなでお出かけに行きましょう」

すると、佐倉杏子は、少し機嫌を治したように笑った。

「ふっ、まぁ、あたしは構わないよ」

「そう、良かったわ。暁美さんも大丈夫かしら?」

「はい、大丈夫です」

「よし、決まりね!」

巴マミは、ひと段落ついたように、ポン、と手を叩いた。
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/18(土) 06:47:08.12 ID:+DPBjVZOo
まだか
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/21(火) 20:29:28.44 ID:b20+6i9/0
最近更新できていませんでしたが、自由気ままに更新して行こうと思っています。
しかし、また更新しようと思いますが、最後まで完結するかは分かりません。

次、更新した時はスレを上げます。
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/28(金) 22:08:22.39 ID:VfbQGEGn0
朝、空は明るかった。
心地よく涼しい風が吹き、燦々と降り注ぐ日差しが頬を照らした。

私は待ち合わせ場所である、とある駅へと歩いた。

「ほむらちゃん!?」

「えっ?」

声がした方を見ると、少し私の様子を伺い、私の方へと手を振る人がいた。

「やっぱりほむらちゃんだ」

「ま…まどか?」

手を振っていたのは、まどかだった。
まどかは私の方へと駆け寄る。

「ほむらちゃんも今待ち合わせ場所に向かってたんだね。
こっからは一緒に行こう」

「え、えぇ」

いつも制服の姿しか見ていなかったからか、
まどかが最初誰なのか分からなかったわ

私はそう思った。

「行きましょう」

そう言って、私は駅の方へと歩く
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/28(金) 23:07:01.51 ID:VfbQGEGn0
「こうして学校じゃないところで話すことって、あんまりなかったね」

「そうね」

歩きながら、まどかは話した。

「学校に転校して、ほむらちゃんも、みんなも、学校では仲良くしてたけど、休日に遊んだりすることはなかったから、今日は楽しみにしてたんだ」

「ええ、私もよ」

まどかは続ける。

「今日は何処にいくんだろうね、マミさんが駅に集合しようってみんな賛同したけど、行き先とかは聞いてなかったなぁ」

「きっと、みんな集まったら教えてくれると思うわ」

「そうだね、えと、駅はこっちだったね」

まどかと私は、駅まで歩いた。
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/28(金) 23:43:43.44 ID:VfbQGEGn0
駅に着くと早々、私とまどかを呼ぶ声がした。

「おはよう、あなたたち!」

声色から、すぐに巴マミだと分かった。

見ると、巴マミは、華やかな白色の服に落ち着いた茶色の服を着て、丸っぽい帽子を被っていた。
ふんわりとしたパン屋さんのように、ふわふわとした雰囲気が漂っていた。

私服だと、みんなこんなに雰囲気が変わるのね

私はそう思った。

「おはようございます!マミさん」

まどかは元気に巴マミに挨拶した。

「おはよう、鹿目さん。
美樹さんと佐倉さんは、一緒じゃないのね」

「はい、私もほむらちゃんとさっき道端で偶然一緒になって」

「なるほどね、じゃあ美樹さんと佐倉さんは今から来るのね…と、美樹さんが来たわ…こっちよ!」

巴マミの呼ぶ先に、美樹さやかが居た。
美樹さやかは少し小走りになりながら私達のところに来る

「いやー、おはようみんな」

少し照れたように頭に手を置きながら、美樹さやかは笑った。

美樹さやかは髪の色に似た水色の服を着て、何処かすっと風が吹いてきそうな晴々とした姿をしていた。
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/29(土) 00:18:58.24 ID:A2WaJmmv0
「みんな、元気な格好をしてるわね!」

巴マミは、うんと頷く。

「休日に、元気なあなたたちの姿を見れて嬉しいわ」

えっへ、と美樹さやかは声高になる

「そりゃーあたしも女の子ですから!」

「うん、私もみんなとても明るい格好をしてると思う」

まどかも頷いて同意する

みんながそれぞれ話す風景は、
学校で集まって話すのと何処か似ていて、何処か新鮮なようにも見えた。

まどかがふと言った。

「うーん、あれ、杏子ちゃんはまだ来てないのかな」

巴マミはちらっと時計を見る

「そうねぇ…もうそろそろ来てもいい頃だと思うんだけど

もしかして、今日は来ないのかしら。ぜひ、みんなとお出かけしたい場所があったんだけど…」

巴マミが少し心配そうな顔をすると、美樹さやかがそれを否定するように言う

「そんなことはないと思いますよ、何だかんだ、あいつも楽しみにしてましたから」

そのとき、少し遠くから安堵したように私達を呼ぶ声がした

「いやー、探したぞ!」
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/29(土) 00:42:08.37 ID:A2WaJmmv0
見ると、佐倉杏子が少し息切れしたように歩いて来ていた。

「この駅広いから見つけんのに苦労しちまった」

「まぁ!そうだったのね」

巴マミはふふっと笑った。

「確かに駅が少し広かったかもしれないわね、ごめんなさい」

「まぁええぞ」

ふぅっと佐倉杏子は一息つく

佐倉杏子は、学校でのややガサツな態度とは違って、上品な服を着て、落ち着いていた。
もふもふとした、そんな雰囲気だった。

みんな、学校にいるときとは違った一面があるのね

私はそう思った。

佐倉杏子はすっかり息を整えて言う。

「それで、今日は何処へ行くんだ。あたしゃなんにも聞いてなかったからまだ知らないんだ」

「そういえば、私もまだ聞いてない」

美樹さやかも、うん?とした顔をする

まどかが巴マミに聞いた。

「今日はどこに行くんですか?」

「そうねっ」

巴マミは一区切りついたようにすっと息を飲んだ。

25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/29(土) 01:03:30.39 ID:A2WaJmmv0
「あんまり行ったことがないけど、初めて5人揃ってお出かけするとしたら、やっぱりここがいいと思うわ」

巴マミは言う。

「行くわよ!遊園地に!」

美樹さやかは手を後ろに組んで

「はい!」と返事をし、

まどかは、

「わぁっ」

と両手を前に握って

佐倉杏子は、腰に手を当てて清々しい顔をした。
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/29(土) 01:08:33.36 ID:A2WaJmmv0
「さぁ、行きましょう!」

美樹さやかが高く声を上げ、みんなも楽しそうに笑う。

あたりにはそよそよとした風が流れていた。
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/06/17(木) 22:58:02.05 ID:LjSmvmR20
「ねぇねぇ。ほむらちゃんはどんな遊びが好きなの?」

「え?」

遊園地で、ちょっとしたゲームコーナーや遊具などが集まってる遊び場で、まどかは私に聞いた。

「学校でいつもお話したり、一緒にお弁当を食べたりしてたけど、普段ほむらちゃんがどんなことしてるのかとか、どんなことが好きなのか、とか聞いてなかったから」

いつも学校のことについて教えてもらってばかりだったし、とまどかは付け加える。

「そうね…」

私は考えた。

いつも学び舎で問題事が起きないように気を配ってばかりで、普段こういう場所に来ることもなかったし…

私はどんなものに興味があるのかしら

周りのコーナーを見渡すと、美樹さやかや佐倉杏子、そして巴マミが一緒に何か入れ物のようなものを覗いていた。

その横に、何か飾ってあるのが目に入った。

「あれ。あれがいいわ…」

「ん…?」

まどかは指をさした方向を見て、にこっと笑った。
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/06/25(金) 21:18:12.82 ID:W6sHmHUt0
「綺麗な花が飾ってあるね」

まどかはわぁっと目を開いて花を見る。
近づいて売り場に置いてある箱に触れながら

「あみだくじだよ」

とまどかは言った。

「景品が当たったらあのお花が貰えるみたいだね。ほむらちゃん、やってみよう」

「え?…あ、うん」

私は言われるがままにまどかからくじを受けとり、くじを開いた。

なんだか、おもしろいあみだくじね

私はあみだくじに描いてある線を眺めながらそう思った。
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/11/18(土) 22:40:52.93 ID:YBEVF7ZF0
占い…。

それとは違うかもしれないけれど、あみだくじも似たようなものを思わせる。

私にとって、くじに書かれている結果は、ただの運試しに過ぎない。言ってしまえば、お遊びのようなものだった。

こんなもの…1人では引くことはないのだけれど…

まどかがふっと微笑み、私は紡がれた線を辿って、上へと指をなぞっていった。

何が書かれているのだろうか

なぞりきるよりも先に、まどかが顔を覗かせて言った。

「大吉!? すごい、大吉だよ!ほむらちゃん」

「え、ほんと…?」

そこには確かに大吉という文字が記されてある

「おっ、縁起がいいねぇ、嬢ちゃん」

見かねた店主さんがはっはと笑って言った。
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/11/18(土) 22:52:40.23 ID:YBEVF7ZF0
「ほら、景品だよ」

店主さんは飾ってある花を手に取って、私の胸元へと渡した。

手にとった花からは、ほのかな甘い香りがして、つい花びらへと目を移した。

「…造花?」

よく見ると、花はしっかりとした形を保っており、線でなぞられた模様が描かれていた。

そうだよ、と店主さんは返事をした。

「えっ? ほんとうに?」

まどかは目を丸くして、まじまじと花を見た。

「私…ほんものかと思っちゃった」

「えぇ、そうね」

…私も、渡されるまでほんとうの花かと思ったわ

私は、しばらくその花を眺めていた。
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