P「海外版牧場物語」

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1 : ◆nvrVoonYD. [sage]:2019/05/23(木) 21:46:52.42 ID:wp9B7Xi70

目の前に広がる数字の羅列

止むことのない電話

更新され続ける目標(ノルマ)


ここは、ブラックウェルカンパニー


あなたは高校を卒業後、上京してこの会社に就職

順風満帆の人生が、あなたを待っているはずでした

…しかし、その会社はあなたの想像を遥かに超えて


黒い会社でした


黒井「ハーハッハッハッハッ!無理というのは、嘘つきの言葉だ!」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1558615612
2 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/23(木) 21:50:01.36 ID:wp9B7Xi70

心も身体も疲弊したあなたは、机の中にある手紙を手にします

それは、上京する前におじさんから渡された、一通の手紙でした


『君がこの手紙を読んでいるということは、今の生活に耐えきれなくなったということだろう』

『私も若いころはピーンときたことを行い、様々なことにチャレンジしたものだ』

『私の従兄の電話番号を書いておく、そこに連絡して私の名前を伝えるといい』

『君の新しい生活を、応援しているよ!頑張ってくれたまえ!』


あなたの物語が、今、始まろうとしています
3 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/23(木) 21:51:39.53 ID:wp9B7Xi70

ルンファク5制作発表記念(大遅刻)

元ネタはありますが、知らなくても問題ありません

ミリマス(ミリシタ・ドラマCD)がメイン、選択肢は気が向いたら

一応ラブコメ路線でいきますが、変更する可能性あり
4 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/23(木) 21:52:53.42 ID:wp9B7Xi70

【春の月、一日目】

長い旅路を経て、青年はとある町にたどり着いた

停車したバスから降り、辺りを見渡す

ここは、ナムコタウン

山と海に囲まれた自然豊かな町である

どこかに看板はないか、歩き出そうとしたその時…


「こんにちは!あなたがプロデューサーさんですよね?」


可愛らしい女性が声をかけてきた、彼女候補だろうか
5 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/23(木) 21:53:46.07 ID:wp9B7Xi70

P「…プロデューサー?」

「あ、あれ?違いましたか…?」

「町長さんからこの村をプロデュースする方が来るって聞いていたんですけど…」


…そう言えばそのようなことを電話で聞いたような気がする

イマイチ何をするのかピンと来ないが、その職業名を指す人物は俺だろう


美咲「よ、良かったぁ…あ!私、美咲って言います!」

美咲「この町の役所で事務員をしていて、プロデューサーさんを家まで案内するよう頼まれたんです」


それはありがたい、遠慮なく案内してもらおう
6 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/23(木) 21:54:51.94 ID:wp9B7Xi70

美咲「町長さんはプロデューサーさんのお家で準備をしているみたいですよ」


美咲さんに連れられて新しい自宅へと移動する

…しかし、実に可愛らしい人だ

年も近いだろうし、小動物系の癒しも感じる

だが、残念ながら攻略対象ではないらしい


美咲「到着しました!」


…ここが新しいマイホームか

決して大きくはないが、一人暮らしには十分な一軒家がそこにあった

庭もすっかり荒れているが、追々綺麗にすればいいだろう
7 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/23(木) 21:55:49.31 ID:wp9B7Xi70

<ガチャッ

労せず手に入れた土地と家に感動していると、扉が開いた


「おぉ!君がP君かね?」


俺の顔を見て、名前を言い当てた人物

おそらくこの真っ黒の人が、俺の叔父の従兄でこの町の町長さんだろう


町長「いやーよく来てくれたねぇ!君のことを町民皆が首をながーくして待っていたんだ!」

町長「この町に人が引っ越すなんて、ここではそうないことだからねぇ!ちょっとした大イベントだよ!」
8 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/23(木) 21:56:44.68 ID:wp9B7Xi70

町長「では、早速みんなに挨拶を…と言いたいところだが、長旅で疲れただろう」

町長「今日はもう休むといい」

P「ありがとうございます」

町長「うむ、明日になったらまずは町役場に来るといい」

町長「そこで今後の方針を話し合おうじゃないか」

P「はい!」

町長「うん、いい返事だ!ではまた会おう!」
9 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/23(木) 21:57:50.41 ID:wp9B7Xi70

一日目、終了

【人物紹介】

P(プロデューサー)
主人公、この世界ではアイドルではなく町人の人生をプロデュースする模様
ブラック企業を辞めて田舎に引っ越し、牧場(農場)の経営は…未定
良くも悪くも平均的な能力だが、人を育てる力は一流

順二朗(町長)
言わずと知れた我らが社長、この世界では町長にジョブチェンジ
イベントの企画から結婚式の神父まで幅広く活動、おかげで真っ黒
残念ながら非攻略対象

美咲(事務員)
なんと!劇場の事務員は町役場の事務員に
趣味で服屋(仕立て屋)をやっている、副業ではないのでセーフ
残念ながら非攻略対象
10 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/23(木) 22:20:29.33 ID:wp9B7Xi70

【春の月 2日目】

朝、早々に就寝したおかげかとても良い目覚めだ

いつもなら胃を満たすためだけの朝食も、ここでは至高の時間に感じる

朝食を食べ終わり、着替えて家を出る

まだ時間には余裕があるが、どうせなら町の様子を見ながら行くのも悪くないだろう
11 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/23(木) 22:21:10.18 ID:wp9B7Xi70

【海岸】

潮の香りに誘われて海岸に来てしまった

まだ少し肌寒く、泳ぐには流石に早い

だが、あのようにトレーニングをするには最適な時期だろう

「……!」

砂浜で走っていた人物がこちらに気づいたようだ

…こちらに向かって走って来ているような気がする

いや、確実にこちらに向かって……!?
12 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/23(木) 22:21:35.59 ID:wp9B7Xi70

ズサァァァァ!!


「ねぇねぇ!もしかしてあなたが昨日引っ越してきたっていう人!!??」


あと少しでぶつかろうという距離で停止し、息を吸う間もなく質問してきた少女

…元気な子だ、少し戸惑いながらも肯定する


「やっぱりぃ!!こんな時間にここを歩いてるの私くらいだからさ、絶対そうだと思ったよ!」
13 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/23(木) 22:22:05.16 ID:wp9B7Xi70

海美「私、海美!海が美しいって書いて海美だよ!よろしくね!」


元気よく彼女はそう自己紹介してくれた

こちらも暗い話は避け、仕事のためにこの町に来た要点だけを説明する


海美「へープロデューサーかぁ…プロデューサーってなに?」

P「いや、俺も詳しいことは聞かされていないんだ…当面は雑用でもするのかもしれないな」
14 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/23(木) 22:28:46.75 ID:wp9B7Xi70

海美「ふーん…じゃあさ!暇な時でいいから一緒に運動しようよ!」

P「運動?」

海美「うん!サイクリングとか、水泳とか、球技や体操もいいよね!」

両手を上下に振りながら、前のめりに勧誘してくる


運動か…そういえば久しくしていないな

健康のためにも、悪くない提案かもしれない


P「そうだな、生活が落ち着いたら声をかけるよ」

海美「うん!約束だからね!」
15 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/23(木) 22:29:45.59 ID:wp9B7Xi70

【街中】

海美と別れて町の中を散策する

早朝のためか、はたまた人口が少ないせいか、町の中を歩く人物は見当たらない

しかし商店や診療所、図書館や喫茶店など…ある程度の施設はそろっているようだ

採算は取れているのだろうか?


「……」

P「…?」


ふと、視線を感じて振り返ると…少女がこちらを見ていた
16 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/23(木) 22:30:20.43 ID:wp9B7Xi70

「…うちに何か御用ですか?」

P「え?あ、いや…」

「準備の邪魔なので、用がないならどいて下さい」


取り付く島もなく、少女は【最上商店】と書かれた店の中へ入っていった

失敗した、どう考えてもファーストコンタクトとしては悪い方だろう

次会うときにはちゃんと話せればいいが…
17 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/23(木) 22:31:46.71 ID:wp9B7Xi70

【役場】

少し気落ちしながら、役場へと辿り着く

昔ながらの建物といった印象で、趣のある様子だ

中に入ると、緑の服を着た女性が出迎えてくれた


「おはようござピヨッ!?若い男の人ぉ!?」


なかなかユニークな方のようだ
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