P「海外版牧場物語」

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1 : ◆nvrVoonYD. [sage]:2019/05/23(木) 21:46:52.42 ID:wp9B7Xi70

目の前に広がる数字の羅列

止むことのない電話

更新され続ける目標(ノルマ)


ここは、ブラックウェルカンパニー


あなたは高校を卒業後、上京してこの会社に就職

順風満帆の人生が、あなたを待っているはずでした

…しかし、その会社はあなたの想像を遥かに超えて


黒い会社でした


黒井「ハーハッハッハッハッ!無理というのは、嘘つきの言葉だ!」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1558615612
2 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/23(木) 21:50:01.36 ID:wp9B7Xi70

心も身体も疲弊したあなたは、机の中にある手紙を手にします

それは、上京する前におじさんから渡された、一通の手紙でした


『君がこの手紙を読んでいるということは、今の生活に耐えきれなくなったということだろう』

『私も若いころはピーンときたことを行い、様々なことにチャレンジしたものだ』

『私の従兄の電話番号を書いておく、そこに連絡して私の名前を伝えるといい』

『君の新しい生活を、応援しているよ!頑張ってくれたまえ!』


あなたの物語が、今、始まろうとしています
3 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/23(木) 21:51:39.53 ID:wp9B7Xi70

ルンファク5制作発表記念(大遅刻)

元ネタはありますが、知らなくても問題ありません

ミリマス(ミリシタ・ドラマCD)がメイン、選択肢は気が向いたら

一応ラブコメ路線でいきますが、変更する可能性あり
4 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/23(木) 21:52:53.42 ID:wp9B7Xi70

【春の月、一日目】

長い旅路を経て、青年はとある町にたどり着いた

停車したバスから降り、辺りを見渡す

ここは、ナムコタウン

山と海に囲まれた自然豊かな町である

どこかに看板はないか、歩き出そうとしたその時…


「こんにちは!あなたがプロデューサーさんですよね?」


可愛らしい女性が声をかけてきた、彼女候補だろうか
5 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/23(木) 21:53:46.07 ID:wp9B7Xi70

P「…プロデューサー?」

「あ、あれ?違いましたか…?」

「町長さんからこの村をプロデュースする方が来るって聞いていたんですけど…」


…そう言えばそのようなことを電話で聞いたような気がする

イマイチ何をするのかピンと来ないが、その職業名を指す人物は俺だろう


美咲「よ、良かったぁ…あ!私、美咲って言います!」

美咲「この町の役所で事務員をしていて、プロデューサーさんを家まで案内するよう頼まれたんです」


それはありがたい、遠慮なく案内してもらおう
6 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/23(木) 21:54:51.94 ID:wp9B7Xi70

美咲「町長さんはプロデューサーさんのお家で準備をしているみたいですよ」


美咲さんに連れられて新しい自宅へと移動する

…しかし、実に可愛らしい人だ

年も近いだろうし、小動物系の癒しも感じる

だが、残念ながら攻略対象ではないらしい


美咲「到着しました!」


…ここが新しいマイホームか

決して大きくはないが、一人暮らしには十分な一軒家がそこにあった

庭もすっかり荒れているが、追々綺麗にすればいいだろう
7 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/23(木) 21:55:49.31 ID:wp9B7Xi70

<ガチャッ

労せず手に入れた土地と家に感動していると、扉が開いた


「おぉ!君がP君かね?」


俺の顔を見て、名前を言い当てた人物

おそらくこの真っ黒の人が、俺の叔父の従兄でこの町の町長さんだろう


町長「いやーよく来てくれたねぇ!君のことを町民皆が首をながーくして待っていたんだ!」

町長「この町に人が引っ越すなんて、ここではそうないことだからねぇ!ちょっとした大イベントだよ!」
8 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/23(木) 21:56:44.68 ID:wp9B7Xi70

町長「では、早速みんなに挨拶を…と言いたいところだが、長旅で疲れただろう」

町長「今日はもう休むといい」

P「ありがとうございます」

町長「うむ、明日になったらまずは町役場に来るといい」

町長「そこで今後の方針を話し合おうじゃないか」

P「はい!」

町長「うん、いい返事だ!ではまた会おう!」
9 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/23(木) 21:57:50.41 ID:wp9B7Xi70

一日目、終了

【人物紹介】

P(プロデューサー)
主人公、この世界ではアイドルではなく町人の人生をプロデュースする模様
ブラック企業を辞めて田舎に引っ越し、牧場(農場)の経営は…未定
良くも悪くも平均的な能力だが、人を育てる力は一流

順二朗(町長)
言わずと知れた我らが社長、この世界では町長にジョブチェンジ
イベントの企画から結婚式の神父まで幅広く活動、おかげで真っ黒
残念ながら非攻略対象

美咲(事務員)
なんと!劇場の事務員は町役場の事務員に
趣味で服屋(仕立て屋)をやっている、副業ではないのでセーフ
残念ながら非攻略対象
10 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/23(木) 22:20:29.33 ID:wp9B7Xi70

【春の月 2日目】

朝、早々に就寝したおかげかとても良い目覚めだ

いつもなら胃を満たすためだけの朝食も、ここでは至高の時間に感じる

朝食を食べ終わり、着替えて家を出る

まだ時間には余裕があるが、どうせなら町の様子を見ながら行くのも悪くないだろう
11 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/23(木) 22:21:10.18 ID:wp9B7Xi70

【海岸】

潮の香りに誘われて海岸に来てしまった

まだ少し肌寒く、泳ぐには流石に早い

だが、あのようにトレーニングをするには最適な時期だろう

「……!」

砂浜で走っていた人物がこちらに気づいたようだ

…こちらに向かって走って来ているような気がする

いや、確実にこちらに向かって……!?
12 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/23(木) 22:21:35.59 ID:wp9B7Xi70

ズサァァァァ!!


「ねぇねぇ!もしかしてあなたが昨日引っ越してきたっていう人!!??」


あと少しでぶつかろうという距離で停止し、息を吸う間もなく質問してきた少女

…元気な子だ、少し戸惑いながらも肯定する


「やっぱりぃ!!こんな時間にここを歩いてるの私くらいだからさ、絶対そうだと思ったよ!」
13 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/23(木) 22:22:05.16 ID:wp9B7Xi70

海美「私、海美!海が美しいって書いて海美だよ!よろしくね!」


元気よく彼女はそう自己紹介してくれた

こちらも暗い話は避け、仕事のためにこの町に来た要点だけを説明する


海美「へープロデューサーかぁ…プロデューサーってなに?」

P「いや、俺も詳しいことは聞かされていないんだ…当面は雑用でもするのかもしれないな」
14 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/23(木) 22:28:46.75 ID:wp9B7Xi70

海美「ふーん…じゃあさ!暇な時でいいから一緒に運動しようよ!」

P「運動?」

海美「うん!サイクリングとか、水泳とか、球技や体操もいいよね!」

両手を上下に振りながら、前のめりに勧誘してくる


運動か…そういえば久しくしていないな

健康のためにも、悪くない提案かもしれない


P「そうだな、生活が落ち着いたら声をかけるよ」

海美「うん!約束だからね!」
15 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/23(木) 22:29:45.59 ID:wp9B7Xi70

【街中】

海美と別れて町の中を散策する

早朝のためか、はたまた人口が少ないせいか、町の中を歩く人物は見当たらない

しかし商店や診療所、図書館や喫茶店など…ある程度の施設はそろっているようだ

採算は取れているのだろうか?


「……」

P「…?」


ふと、視線を感じて振り返ると…少女がこちらを見ていた
16 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/23(木) 22:30:20.43 ID:wp9B7Xi70

「…うちに何か御用ですか?」

P「え?あ、いや…」

「準備の邪魔なので、用がないならどいて下さい」


取り付く島もなく、少女は【最上商店】と書かれた店の中へ入っていった

失敗した、どう考えてもファーストコンタクトとしては悪い方だろう

次会うときにはちゃんと話せればいいが…
17 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/23(木) 22:31:46.71 ID:wp9B7Xi70

【役場】

少し気落ちしながら、役場へと辿り着く

昔ながらの建物といった印象で、趣のある様子だ

中に入ると、緑の服を着た女性が出迎えてくれた


「おはようござピヨッ!?若い男の人ぉ!?」


なかなかユニークな方のようだ
18 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/23(木) 22:33:58.48 ID:wp9B7Xi70

小鳥「す、すみません…先ほどは大声を出してしまって」


彼女は美咲さんと同じくこの町の役場職員で、小鳥さんという名前らしい

何でも今日俺が訪ねてくることは知っていたが、年上だと思っていたそうだ


小鳥「そ、それにまさかこんなにいい人だなんて…!」


これはチャンスよ小鳥!と小さく呟いているが、残念ながら攻略対象外である
19 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/23(木) 22:35:25.03 ID:wp9B7Xi70

町長と美咲さんは別の用事で遅れるとのことで、小鳥さんと話を続けることにした


小鳥「町長から話があると思いますけど、Pさんにはプロデューサーとして働いて頂きます」

小鳥「といっても町長の思いつきで役職名がそうなっただけで、やって頂くことは町のお仕事全般ですね」

P「というと…何でも屋のような?」

小鳥「はい!なので、まずは住人の皆さんと仲良くなることがお仕事です!」

P「なるほど…」

P「…あ、そうだ」
20 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/23(木) 22:38:45.19 ID:wp9B7Xi70

ここに来る前に会った少女のことを思いだし、小鳥さんに聞いてみることにした


小鳥「最上商店の…なら、その子は静香ちゃんですね」

P「開店前に邪魔をしてしまって…悪いことをしました」

小鳥「あー…いえ、機嫌が悪そうに見えたならプロデューサーさんのせいじゃないと思いますよ」

小鳥「ちょっと今…いろいろあるみたいで」

P「…そうですか」


誰しも何かしらの悩みは抱えているものだが、彼女もまたその一人ということだ

…俺に、何か出来ることはあるだろうか?
21 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/23(木) 22:42:26.66 ID:wp9B7Xi70

その後、町長と美咲さんが合流し、今後の俺の活動について話し合った

小鳥さんの言っていた通り、当面は住人の依頼をこなすことが仕事らしい


町長「まずは挨拶まわりだ、すべての住人に声をかけて君の名前と顔を覚えてもらおうじゃないか」


すべて…といってもこの町の住人は20人前後しかいないため、さほど苦労はしない

…そう思っていた時期が、俺にもあった
22 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/23(木) 22:43:41.33 ID:wp9B7Xi70

【人物紹介A】

海美(????)
筋肉の声を聞いて!スポーツと女子力をこよなく愛す少女
祖父母と住んでいるのは彼女の希望、両親はともに健在
攻略対象、難易度はやさしい…が、一筋縄ではいかない様子
表面上の言葉や動きだけで、相手の底を知ることはできない

小鳥(事務員)
ナムコタウンの役場事務員その2、2X歳
美人で愛想も良く、少々抜けているところも男心をくすぐる
本人の結婚願望は強いが、残念ながら攻略対象外

静香(店員)
最上商店の看板娘、少々キツイ性格をしているが素直になれないだけ
両親と上手くいっておらず、お店の手伝いよりも剣術の特訓の方が好き
攻略対象、難易度はやや難しい、だが中盤を乗り越えれば楽
あなたは彼女の心に隠された本心を、見抜くことが出来るでしょうか?
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/24(金) 00:52:06.95 ID:CfbNl8gc0
あのゲームかw
確かに海外版牧場物語と言って良いやつだな。
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/24(金) 00:56:23.34 ID:7vhd2SIl0
ミリオンだしstarry valleyかな?
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/24(金) 02:53:26.93 ID:8lxQ1jGB0
裏ルートで事務員も攻略対象に出来るようにお願いしたいピヨ!!
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/24(金) 18:40:08.15 ID:OP5LgDGu0
あのゲーム同性婚出来るんだよな
27 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/24(金) 22:48:16.29 ID:EpGo/l8a0

【診療所】

役場を後にし、まずは町の中から声をかけていくことにした

美咲さんに頂いた地図を頼りに建物の位置を確認する

最初に入ったのは、健康を守る要である診療所だ

ここには2人の住人が働いているらしいが…はたしてちゃんと機能しているのか


「おはようございます!あら、あなたは…?」 


扉を開けて入ると、きれいな女性が出迎えてくれた

ナース服を着ている受付の女性…おそらく、彼女が風花さんだろう
28 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/24(金) 22:48:48.54 ID:EpGo/l8a0

風花「男性と話すことはあまりないので、少し緊張しちゃいますね…」


照れる彼女に可愛らしさを感じながらも、こちらも緊張していた

目の位置を固定させるのが辛いと感じたのは、人生で初めてかもしれない


風花「あ、それともっと砕けた話し方で良いですから、私の方が年下…だと思いますし」

P「…そう、ですか?なら…そうさせてもらおうかな」
29 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/24(金) 22:49:38.11 ID:EpGo/l8a0

風花「ちょっと待っててくださいね」

頃合いを見てもう一人の住人を呼んでもらう、何とか平静を装えた…と思う

しかし、服の上からあそこまで主張できるのは相当の…


「随分と疲れた顔してますね、まぁだいたい予想はつきますけど」


メガネを少し上にあげながら、にやりと嫌な表情を浮かべた白衣の人物


P「…君がドクター律子か、随分若いな」

律子「その言い方は褒め言葉として受け取りにくいのでは?」

P「そうか、それはすまなかった」
30 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/24(金) 22:50:12.65 ID:EpGo/l8a0

その後もしばらく軽口の押収があったが、一区切りをつけ改めて自己紹介をする

彼女がこの診療所の主治医であり、薬学・科学にも精通しているというドクター律子その人だ

開口一番含みのある発言で話しかけてきたが、おかげでこちらも素で話しやすかった


律子「ま、困ったことがあったらいつでもどうぞ。なんでもは出来ないですけど」

律子「…そうそう、夜になったら合わせたい子がいるので、また寄ってください」

律子「ちょっと変わった子なんで、プロデューサー殿にぴったりかもしれませんね」
31 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/24(金) 22:51:47.98 ID:EpGo/l8a0

医療機関に来たはずだが、なぜか疲れて診療所を後にする

一通り内装も確認したが、診療所の設備としては十分に見えた

…それよりも、謎の機械や薬品の方が気になった

地下室もあるようだったし、あの診療所には秘密がたくさんありそうだ


風花「プロデューサーさんって噂と違っていい人ですね、全然見られなかったんですよ」

律子「あー…まぁ、そうですね…あはは」
32 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/24(金) 22:52:26.24 ID:EpGo/l8a0

【図書館】

さて、気を取り直して次にやってきたのは図書館だ

落ち着きを取り戻すにはちょうどいいだろう

司書の方に挨拶して中へと入り、辺りを見渡す

…いた、この時間に机に座って作業している人物

おそらく彼女が、俺と同じように最近移住してきた子だろう

集中しているようなので少し悩んだが、タイミングを見て話しかけてみることにした
33 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/24(金) 22:53:10.07 ID:EpGo/l8a0

「……え?」

声をかけ、顔を上げた瞬間に固まってしまった

邪魔をされたことに腹を立てている様子ではない、何かまずいことでもしたのだろうか


「……イファイ」


突然自分の頬を引っ張り、現実であることを確認している

かわいそうに、おそらく残念な子なのだろう
34 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/24(金) 22:54:18.38 ID:EpGo/l8a0

百合子「す、すみません!変なことばっかりして…」


しばらく顔を見合せているとハッと意識を取り戻し、謝罪された

彼女の名前は百合子、俺と同じく都市部から引っ越してきて一人暮らしをしているらしい

ようやく話が通じるようになったため、呆然としていた理由について聞いてみると、少し言い淀んだ後…


百合子「じ、実は…今書いている小説の主人公のイメージに、Pさんがそっくりでして…」

百合子「もしかして、妄想が現実になる力でも目覚めたのかと思っちゃいました!」

P「な、なるほど…ちなみに、どんな話なのか見せて貰えないか?」

百合子「えぇ!?だ、ダメです絶対!恥ずかしくて死んじゃいます!」

P「…そうか、残念なような…ほっとしたような」
35 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/24(金) 22:54:48.40 ID:EpGo/l8a0

百合子「でも…もし作品の資料集めに協力して頂けるなら…」

百合子「完成した小説を…見てもらえますか?」


なぜか頬を赤らめながらお願いされてしまった


P「…分かった、大したことは出来ないだろうけど協力するよ」

百合子「ほ、本当ですか!ありがとうございます!!」


小説の資料集めか…何をするのかよくわからないが、なるべく協力してあげよう
36 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/24(金) 22:56:04.68 ID:EpGo/l8a0

【人物紹介B】

風花(ナース)
本業復帰、初期案は医者役だったが律子に献上
自身の一部に気になる部分があり、コンプレックスとなっているらしいが…?
攻略対象、難易度はやさしい、誠実に対応すれば特に苦労する部分はないが、色々と我慢が必要
自身をどう評価するか、それが問題である。あなたは彼女を、どう見たいですか?

律子(医者)
正確には医者兼科学者、薬の調合等も出来る万能の人、原作の眼鏡の子と医者のキメラ役
趣味でロボットを作ったり、怪しい薬を勧めてきたりもする、ゲーム好きの義理の妹がいるらしい
攻略対象、難易度はノーマル、だが奥手なため少々強引にいく必要がある
刺激的な日々を過ごしたい?なら、その夢は叶うはずですよ

百合子(小説家)
妄想炸裂ガール、小説家になることを夢見て執筆中、恋愛脳
ゲームや漫画なども好きで守備範囲はかなり広い
攻略対象、難易度はやさしい、というかチョロイン
あなたの物語は、彼女によって書き進められ、彩られていきます
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/24(金) 22:59:19.31 ID:UercU2us0
聖槍爆裂ボーイになろう
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/25(土) 18:58:34.13 ID:jATIjIWtO
百合子がエリオット枠かな
39 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/25(土) 20:34:43.15 ID:I2XdEZo10

【街中】

P「…何か本でも借りていけばよかったかな」

話すことに集中していたせいで図書館の本を確認するのを忘れていた

…まぁ、また行く機会はあるだろう

そう考え他の住人を探そうと、移動しようとしたその時

「〜♪」

歌声と、ギターの音が聞こえた
40 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/25(土) 20:35:17.75 ID:I2XdEZo10

「…♪」

P「…すごいな」

今まで様々な音楽を聴いてきたが、彼女の歌とギターはどこか違うと感じた

月並みだが、心に響くというか…とにかくずっと聞いていたくなる音だった


「…ふぅ」


音が止み、辺りに自然の音が戻る

余韻に浸っていると、目が合ったので声をかけてみることにした
41 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/25(土) 20:38:56.18 ID:I2XdEZo10

P「いい音だった、聞き惚れたよ」

「サンキュ、観客がいてくれたおかげかもな」

P「失礼だが、所属は?」

「まさか、フリーに決まってるだろ」

驚いた、これほどの腕の持ち主がどこにも所属していないなんて

「…色々あってな」
42 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/25(土) 20:39:57.65 ID:I2XdEZo10

彼女はジュリアと名乗った、何でも芸名らしく本名は秘密らしい


ジュリア「へぇ、アンタがあの噂のやつか」

P「…噂?」

ジュリア「あぁ、面白いものからきな臭いものまで、いろいろ流れてくるぜ」

P「…ろくでもなさそうだな」


試しに一部聞いてみると、未来からやってきたアンドロイド…とか

伝説の勇者の子孫とか、ヴァンパイアの末裔とか、石油王とか

ミシロ帝国のスパイなどという噂まで流れているらしい
43 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/25(土) 20:45:48.73 ID:I2XdEZo10

ジュリア「そうだ、もしあたしの妹に会ったら仲良くしてやってくれ」

ジュリア「ちょっと素直じゃないところもあるが…まぁ可愛いやつだよ」

ジュリア「身長はこれくらいで、髪は茶色、名前は…」


別れ際にジュリアの妹のことを聞いて、別の場所に移動する

この時間は隣町の学校へ通っているらしいので、また帰ってきたら話しかけてみよう

…さて、次の場所だが


P(早めに行った方がいいよな)
44 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/25(土) 20:52:34.68 ID:I2XdEZo10

【最上商店】

店の前に立って息を整え、ゆっくりと中へ入る

店内は食料品から雑貨品まで、幅広く揃っている様子だった

この町で買い物をするならここか…もう一つの場所しかない

おそらく、俺が買い物をするのはここだけだろうが


P「こんにちは」


レジに立っていた女性に声をかけ、簡単に自己紹介をして相手の名前を聞いてみる

女性は最上商店の店主の奥さんで、お店のレジや品出しを担当しているらしい

ご主人と奥さん、そして娘さんが一人いるらしいが…
45 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/25(土) 20:56:35.19 ID:I2XdEZo10

ご主人は商品の仕入れで出ているらしく、娘さんの話へ移る

少しだけ緊張しながら、2階にいるという娘さんを呼んでもらった


静香「…何?母さんも同じことを…」

静香「…!」


小さな足音とともに朝の少女が一階へと降りてきた

静香の目が奥さんから俺へと移り、警戒した様子になる

俺はあらかじめ用意していた挨拶と朝の謝罪を伝えて、相手の反応を見た
46 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/25(土) 21:01:43.76 ID:I2XdEZo10

静香「…そうですか、あなたが」

静香「それならそうと言ってくれれば良かったのに…」

静香母「静香」


奥さんが静香をたしなめ、俺に謝罪をしている

こちらも不審であったことを改めて謝罪した


静香「…」


空気が重い、さっさと自分の仕事について話してここは帰ろう
47 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/25(土) 21:10:28.21 ID:I2XdEZo10

P「何か悩みとか、こうして欲しいという要望があったら聞かせてください」

P「可能な限り、お手伝いしますので」


町役場の前にある掲示板についても説明して、より良い町作りに役立てて欲しいと伝えた

匿名で投稿できる要望箱を設置することも付け加えておいた


静香「…それは、どんな内容でも良いんですか?」

P「はい、お仕事はもちろんプライベートなことまで、もちろん秘密は守ります」

静香「…そうですか」
48 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/25(土) 21:11:36.29 ID:I2XdEZo10

何か言いたいことがあるのか、静香は少し悩んでいる様子だった

しかし、俺が帰るまでそれ以上何か話す様子もなく

取り留めない話を彼女の母親と話して、店を後にした


…こちらから聞くべきだったのかもしれないが、何となくそれは悪手のような気がしてやめた

今は、自分のやるべきことに集中しよう
49 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/25(土) 21:13:54.81 ID:I2XdEZo10

【森】

商店を出て町の中心から少し離れた場所まできた

木々や草花がより多く見えるようになり、より自然を身近に感じる

…確か、この辺りにいると聞いたんだが


「んー…悪くないですけど、エッジ(鋭さ)が足りませんね」

「もっとシャープ(鮮明)なインプレッション(印象)にするには…」


向こうの方から大きな独り言が聞こえる

どうやらこの声の主が、目当ての住人のようだ
50 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/25(土) 21:20:21.03 ID:I2XdEZo10

声の方向へ歩いていくと、何やら奇妙な絵や彫刻?のようなものが辺りに散らばっていた

それらに導かれるように進んだ先に、彼女は一人でキャンパスへ向き合っていた


「むー…このバック(背景)に映えるラディカル(先鋭的)なシーン(情景)は…」

P「…あの、ちょっといいかな?」

「…?、はい、なんでしょう?」


彼女の横に立ち、声をかける

集中しているところ悪いが、話を聞いてもらおう
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/25(土) 21:20:58.95 ID:jATIjIWtO
いったいなに子なんだ…
52 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/25(土) 21:22:34.67 ID:I2XdEZo10

ロコ「ほほう、あなたが例のニューフェイス(新人)ですか!ルモアズ(噂)は聞いてますよ」


彼女はロコと名乗った、彼女も少し前にナムコタウンに移住してきた人物らしい

移住した、と言っても彼女は森にテントを張って暮らしているとのことだが…


ロコ「ロコアートを思う存分作るには、マーベラスな(素晴らしい)環境なんです!」

P「ロコアート…というと、これのことか?」
53 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/25(土) 21:46:36.31 ID:I2XdEZo10

近くに落ちていた手のひらサイズの小物を拾ってみた

…確かに、見ていると何やら引き込まれる何かがあるような


ロコ「…!、分かりますか!?ロコの込めたパッション(情熱)とエクスプロージョン(爆発)が!」

P「…あぁ、確かに何か感じる」

ロコ「〜〜〜〜!!」パァァ


お世辞ではなく、本当に何かあるような気がする

具体的に何かと聞かれたら、言葉に出来ないが…
54 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/25(土) 21:47:58.54 ID:I2XdEZo10

その後、機嫌を良くしたロコに一通り作品を説明してもらった

何かを感じる物とそうでない物もあったが、ロコも俺の意見に賛同していた


ロコ「ここまでロコナイズ(ロコナイズ)を理解してくれる人に会えるなんて…感動です!」


どうやら自身の作品を理解してくれる人物に会えてうれしいようだ

セッションしましょう、と作品制作に誘われたが、まだ挨拶周りが終わっていないため丁重に断った

別れ際に、今日の出会いの記念にと、小さな星の形?のロコアートを貰った
55 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/25(土) 22:16:27.24 ID:I2XdEZo10

【喫茶店 スタードロップ】

ロコと別れて町へと戻ってくると、ちょうど昼になった頃だった

家に帰ってもいいが、せっかくなので唯一の飲食店に顔合わせも兼ねて行ってみよう


ドアを開けると、チリンチリンと昔懐かしいベルが俺を歓迎する

店内はなかなかの広さで、バーカウンターや個室らしき部屋も確認できた

昼になったばかりだからか、店内にまだ客は見えない

代わりに、テーブルを拭いていた彼女が俺を迎えてくれた


「いらっしゃいませ!お好きなテーブルにどうぞ」
56 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/25(土) 22:45:32.86 ID:I2XdEZo10

せっかくなので、カウンターへ座って挨拶をする


「こんにちは、はじめて来て頂けましたよね?」


彼女は歌織さんというらしい

この空猫喫茶店のオーナーであり、副業で音楽の先生もしているとか


歌織「普段はあまりお店には出ないんですけど、今日はちょっと人手が足りなくて」

歌織「でも、おかげでPさんにお会いできましたし、これも縁かも知れませんね」
57 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/25(土) 22:46:00.99 ID:I2XdEZo10

歌織さんと話をしつつ、腕利きのシェフが作ったという料理に舌鼓を打つ


歌織「お昼は喫茶店としてランチやコーヒーを提供していますが、夜はバーとしてお酒も出しているんです」

歌織「ぜひ夜にも来てみてくださいね」

P「はは…分かりました」


約束ですよ?と少しいたずらっぽい笑みでお願いされてしまった

意外と強かな人のようだ
58 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/25(土) 23:59:03.99 ID:I2XdEZo10

食事を終える頃には、店の中にはたくさんの人が座って談話や昼食を楽しんでいた

見るとそのほとんどが武器を携帯している

彼らは一体…


歌織「あぁ、冒険者の方たちですよ」

P「冒険者?」

歌織「はい、この町の近くに洞窟があるんですけど、そこに眠る秘宝を探しにきているのだと思います」

P「秘宝、ですか…」
59 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/26(日) 00:00:58.04 ID:TQKr8W2s0

【人物紹介C】

ジュリア(ギタリスト)
あたしの歌をきけぇ!ロックを愛しロックに生きる系女子
ロック歌手を目指しバンドを組んだこともあったが…
攻略対象、難易度はふつう、惚れさせるというより惚れさせられる可能性が?
一生懸命に何かを頑張る子は、お好きですか?

ロコ(芸術家)
インスピレーションが湧いてきました!
特別な感性を持った女の子、その才能は本物だが万人向けではない
攻略対象、難易度はやさしい、承認欲求に飢えているため優しさが重要
理解するということは、同時に理解されようとすることである

歌織(喫茶店オーナー)
私の料理…食べてみたいですか?原作における酒場の主人と子供たちの先生のキメラ役
空猫喫茶店オーナー兼音楽の講師もやっているらしい、弱点は朝
攻略対象、難易度はやや難しい、謎の組織が彼女を守っているとか何とか
普通の出会い、普通の友情、普通の恋愛…それらが最も難しい
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/26(日) 04:21:16.06 ID:Y74upMZw0
ロコ語初球の俺にはロコ語訳があって助かるわ…
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/26(日) 09:56:16.14 ID:O/dkhCRBO
路子かわいいやいね…
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/26(日) 10:18:53.02 ID:u5LDrnSBo
これ安価なの?
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/26(日) 10:27:58.89 ID:UDwTfjzyO
選択肢は気が向いたら書いてるし、気が向かないとないんじゃない?
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/26(日) 11:49:00.97 ID:u5LDrnSBo
なるほど
65 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/26(日) 23:28:39.60 ID:TQKr8W2s0

【ミリオン洞窟】

P「…ここか」


町の中心から見て北東の方向に歩くこと数十分

木々に隠されるように、その洞窟はあった

一見どこにでもある普通の洞窟に見えるが、何でも入るたびに地形が変わったりするらしい

また、下層に行くほど凶暴なモンスターも住み着いており、今のところ誰も最下層に辿り着いていないとか…


P(どんな願いでも叶える秘宝『ミリオンスター』…か)

P「まぁ、俺には関係のない場所だな」

「それはどうでしょうか?」

P「え?」
66 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/26(日) 23:29:31.46 ID:TQKr8W2s0

先ほどまで誰もいなかったはずだが、木の横にローブを纏った女性が立っていた

何やら周囲の空気も不思議な感じがする…


「その洞窟は多くの縁(エニシ)が集いし場所、様々な点と点が繋がる地なのです」

「道筋によっては、貴方も交わる可能性はあると思われます」

「もし中に入られる時には、十分にお気を付けて…」
67 : ◆nvrVoonYD. [saga]:2019/05/26(日) 23:30:11.22 ID:TQKr8W2s0

それだけ言って、ローブの女性は後ろを向いて歩きだそうとする

とっさに相手の名前を聞くために呼び止めた


「…私の名前ですか?」

「…ふふ、それは…トッ」

「貴音、やっと見つけたの!」


唇に指を当て、何か決め台詞のようなものを言おうとしていた彼女を遮るように

金髪の少女が茂みから現れた


貴音「…」
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