天道総司「雛見沢村?」

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19 :カブトムシ [saga]:2019/09/30(月) 00:21:32.57 ID:8yeTSM4b0

雛見沢村の夜道は街灯自体は要所要所にあるものの、基本的には視界はよろしくはない。

天道「…」

レナ「…」

天道「…」

レナ「…(高身長でハンサム…しかも料理もできるってきっとモテモテなんだろうなぁ…って私には圭一君がいるじゃない!)」

天道「ん?…なんか言ったか?」

レナ「!?(もしかして心の声聞こえちゃってた!?) い、いや…天道さんの料理凄く美味しかったから余韻に浸ってたの!」

天道「そうか」

レナ「あ、あの…天道さんって付き合ってる人とかいるのかな? かな?」

天道「ん? いないが?」

レナ「ちなみにどんな人がタイプなのかな? かな?(私はいったい何を聞いてるんだ!?…)」

天道「タイプと言われてもな…強いて言うなら俺の器を受け止めれる度量を持った奴か」

レナ「へ、へぇ!…そういう人が現れるといいね!(かなりの俺様キャラ…)」
20 :カブトムシ [saga]:2019/09/30(月) 00:23:01.83 ID:8yeTSM4b0

天道「お前は好きな奴はいないのか?」

レナ「いるよ?」

天道「ほう…どんな奴だ?」

レナ「いつも前向きで、明るくてカッコよくて、優しくて、えっと、それから…」

天道「フッ…本当に好きなんだな ソイツのこと」

レナ「うん 多分、レナだけじゃない みんなが大好きだと思う」

天道「ソイツとは両想いなのか?」

レナ「う〜ん…それはちょっと分からない でもレナはねその人に何があっても最後まで信じる自信がある!」

天道「なるほど…おばあちゃんが言っていた…恋愛で本当に大事なのはどう愛されたかじゃない、どう愛したかだってな…」

レナ「天道さん…」

天道「その気持ちを大切にするんだな…ところであれか? お前の家は」

レナ「うん! ここまでで大丈夫!」

天道「おう じゃあな…」

レナ「あ! 天道さん、今度レナにも料理教えてくれないかな?」

天道「俺は暫くはこの村にいるつもりだ 暇があれば教えてやる」

レナ「やった! 今日はありがとう! おやすみなさい!」

天道「おう」

レナを見送り、帰路につく天道。

天道「…(やはり付けられてるか…狙いは俺かレナたちか…とりあえず梨花の家に戻るとするか)」
21 :カブトムシ [saga]:2019/09/30(月) 00:25:36.51 ID:8yeTSM4b0
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ガチャ

天道「今、帰った」

梨花「遅かったじゃない」

天道「…」

梨花「な、何よ?…」

天道「お前…口調が毎回違いすぎて違和感しかないんだが?」

梨花「余計なお世話ですぅ!」

天道「それより、誰かに尾行されている…気づかなかったか? お前ら下校中から付けられてたぞ?」

梨花「尾行!?…誰に!?」

天道「さぁな…だが俺がこの村に来たのは本当にさっきの話しだ…となるとやはりお前らの誰かを監視し、尾行してる奴らがいる…」

梨花「気持ち悪い話しね…」

天道「と思っていたんだが…」

梨花「??」

天道「俺がレナを送った帰り道、やはり尾行されていた…」

梨花「つまり?…」

天道「もしかしたらお前の親しい人間が全員が尾行されている可能性がある」

梨花「あなた、それを分かってたからレナを送ったの?…」

天道「その通りだ…暗い夜道 もし何か危害を加えるなら絶好の機会だったはず…だが奴らは何も行動を起こして来なかった 奴らの狙いが見えない」

梨花「どんな格好してるとかも分からないの?」

天道「あぁ…気配は感じるんだが中々、尻尾は出さない…そこから推測するとかなりそう言ったことに慣れている奴らの可能性が高い」

梨花「…(やっぱりこの男、タダ者じゃないわね…)」

天道「安心しろ…俺が必ず守ってやる だがその為には情報がいる 雛見沢についての詳しい情報がな だから知ってることを話してくれ」

梨花「言われなくてもそのつもりであなたを家に呼んだのよ…まぁそこに座って…どこまで羽入から聞いた?」

天道「さぁな」
22 :カブトムシ [saga]:2019/09/30(月) 00:28:02.03 ID:8yeTSM4b0
梨花「さぁなって…そこはぐらかされたらどこから話したらいいか分からないじゃない」

天道「羽入との会話を思い出そうとすると激しく頭が悼むからな」

梨花「何よそれ…」

天道「羽入に残された力は僅かだったんだろうな…歴史から見た俺は異物以外何者でもない 異物をここに送ったはいいが力が不足して完全な状態のまま送ることができなかったのかもしれないな…」

梨花「そう…じゃあまずこの村について話すわね?」

天道「おう」

梨花「まずこの村はその昔、鬼ヶ淵村という名で他の村から恐れられてた…村の水源である鬼ヶ淵沼は地獄と繋がってて、そこから人喰い鬼が現われて人間を襲うと言われていたから」

天道「…」

梨花「そこにオヤシロ様と呼ばれる存在が現われ、人類と鬼を和解、共棲させ、それ以降、オヤシロ様は神として奉られ、古手家が宮司を務める古手神社の主神として信仰される事になったの…」

天道「そのオヤシロ様とやらは羽入か?」

梨花「その通りよ…慈悲深い神とされる一方、オヤシロ様は村に対して祟りを起こす事があるとも言われててね、村民たちはオヤシロ様の怒りを鎮めるべく、鬼ヶ淵に生贄として生きた人間の臓器を捧げる事もあった」

天道「昔にありがちな風習だな」
23 :カブトムシ [saga]:2019/09/30(月) 00:29:52.19 ID:8yeTSM4b0

梨花「そうね…もちろん現代では生贄を捧げる事は無いわ その様子を再現した綿流し祭が毎年6月の20日に開催されているの」

【そこで毎年、必ず人が死にます…】

天道「少し思い出してきた…6月20日に必ず人が誰かしら死ぬと…」

梨花「えぇ…始まりはダムの建設現場の監督が殺害されたところからよ」

【殺した現場監督の遺体を切断し一人一人がその箇所を隠した事件から始まりました…】

天道「そのバラバラ殺人は羽入も言っていた気がするな…遺体の右腕だけ未だに見つかっていない事件があると」

梨花「しかも主犯格も捕まっていない」

天道「…」

梨花「次はダムを推進していた夫婦が老朽化した落ちて亡くなって、その次は古手神社の神主が病気で亡くなった そして…」

天道「北条悟史が叔母を殺害した事件だろ?」

梨花「知ってるんじゃない…」

天道「思い出したんだ 少しずつだが会話の内容が蘇ってきている」

梨花「そして悟史は沙都子の実の兄よ…」

天道「だろうな…その後、悟史はどうなった?」

梨花「行方不明よ…生きてるのか死んでるのかすらもわからないわ…」

天道「なるほど…4年続けて人が死んでるのか まぁオヤシロ様を畏怖している村人たちであれば祟りだと恐れるのも無理はないな」

梨花「そうね…だからずっと歯がゆかった…羽入は何も悪くはないのにって…」

天道「…」
24 :カブトムシ [saga]:2019/09/30(月) 00:41:55.19 ID:8yeTSM4b0
>>18
天道ならってのがありますよね!
25 :カブトムシ [saga]:2019/09/30(月) 11:12:56.39 ID:8yeTSM4b0
梨花「いや、誰も悪くないのよ…悪いのは…悪いのはこの村に蔓延する病気…」

 

天道「雛見沢症候群か?」

 

梨花「えぇ…感染したら最後、治療法はないわ」

 

天道「どんな症状なんだ?」

 

梨花「不安やストレス、人間不信や疑心暗鬼が増大して最終的には幻覚が見えるようになり、首に凄まじい痒みを覚えて自傷しながら死んでしまう…」

 

天道「原因はなんだ?」

 

梨花「寄生虫…そしてその寄生虫は空気感染から人へと移る」

 

天道「それを聞くに寄生虫が脳、もしくは寄生して幻覚を見せてるという可能性が一番高そうだな…しかし空気感染ならこの村に住む奴ら全員、雛見沢症候群な感染の可能性があるんじゃないか?…」

 

梨花「そうよ?…この村全体、いや雛見沢村に入った人間はほぼ発症してると言っていいわ」

 

天道「それが祟りの正体か…じゃあお前やレナ、沙都子も感染している可能性があるな…」

 
26 :カブトムシ [saga]:2019/09/30(月) 11:14:52.13 ID:8yeTSM4b0

梨花「可能性?…感染してるわよ…沙都子に至ってはLEVEL-5 末期感染者…注射を1日に2回は必ず打たないといけない体…でも注射はあくまでも症状を緩和させるだけで完治することはないわ」

 

天道「そうか…だがお前やレナが感染してるようには見えないが、お前らも注射で症状を和らげてるのか?」

 

梨花「いや、私はともかくレナたちはこれからどんどん症状が悪化していく」

 

天道「…」

 

梨花「まずは圭一が富竹ジロウというカメラマンにバラバラ殺人のことを聞かされて雛見沢症候群を発症…それからはドミノ崩しのように皆が連鎖して死んでしまう…」

 

天道「ほう…その情報が恐怖心を煽り、疑心暗鬼を生み出した…だがそれは引き金になった瞬間にすぎない 惨劇を回避するには引き金になる前の伏線があるはずだがそれが何かは分かるか?」

 

梨花「…さぁね…私達を救うんでしょ?…ここから先は自分の力で何とかしたら?」

 

天道「随分と投げやりなんだな」

 
27 :カブトムシ [saga]:2019/09/30(月) 11:18:11.87 ID:8yeTSM4b0
 

梨花「私は…いや、私と羽入で何度も惨劇を止めてきた でもね、惨劇を回避したと思ったはまた違う惨劇が起こる いつもその繰り返しで私達は皆で7月を迎えられない 」

 

天道「…」

 

梨花「私達の皆の時間は永久に6月末で止まってるの 6月最後の夜から7月1日に昇る朝日を見ることができないんだから」

 

天道「…」

 

梨花「あなたにその負の連鎖が止められるの? もし止められたとしても羽入がいないなんて論外よ」

 

天道「甘いな…お前は自分からも運命からも逃げているだけだ そんな奴に運命は味方しない」

 

梨花「な、何ですって!? もう一回言って見なさいよ!!」

 

天道「あぁ 何度でも言ってやる お前みたいな奴に運命は味方しない」

 

梨花「あなたに何が分かるのよ!!」

 

天道「…」

 
28 :カブトムシ [saga]:2019/09/30(月) 11:21:43.75 ID:8yeTSM4b0
梨花「私達はね、何回、いや何百回も歴史を、世界をやり直してきたの! でもどんなに頑張ってもいつも結末は同じだった! 運命なんてもう決まっていることなの!! もう無理なのよ!!」

 

天道「…なら聞くが、お前は俺じゃなく羽入を信じたんじゃなかったのか?」

 

梨花「そ、それは!…」

 

天道「お前は一番の友である羽入を信用しないってことでいいんだな?」

 

梨花「だって…だって羽入は逃げたじゃない!? 羽入はあなたに押しつけて…」

 

天道「いい加減にしておけ…今まで惨劇を回避できなかった理由をはお前にある」

 

梨花「私の何が悪いっていうの!?」

 

天道「それはお前自身が一番、惨劇を回避することを諦めている…いや、信じていないことだ」

 

梨花「!?」

 

天道「羽入は自分の命を削ってまで俺をここに送った…何故、あいつがそこまでしたのかお前は一瞬でも考えたか?」

 

梨花「…」

 
29 :カブトムシ [saga]:2019/09/30(月) 11:24:15.33 ID:8yeTSM4b0
 

天道「お前に明日への希望を持って進んでほしかったんじゃないのか? お前を一番大事に思っている羽入からお前たちを惨劇から守るために残り僅かな力を振り絞ってまで俺は送るべきだと思われた」

 

梨花「…」

 

天道「それは羽入は運命を変えようと戦ってるからだ…」

 

梨花「…そうね…天道、あんたの言うとおりね…」

 

天道「これが最後のチャンスかもしれない それならダメ元でもいい…最後の最後まで諦めずに運命と戦えば必ず道は拓ける 何故なら太陽であるこの俺がついているからな」

 

梨花「…天道、あんた怖くないの?…」

 

天道「何を恐れる必要がある?」
30 :カブトムシ [saga]:2019/09/30(月) 11:26:16.48 ID:8yeTSM4b0

梨花「雛見沢村症候群にあなたも感染するかもしれない…人を殺したり殺されたりするかもしれない…何でそんなに冷静でいられるの?」

 

天道「理由はいくつかあるが、一番は俺は俺自身を信じているからだ だから運命は俺に絶えず味方をする」

 

梨花「そう…分かったわ…もう一回、がむしゃらにやってみようと思う…羽入の想いは絶対にムダにはしない」

 

天道「フッ…随分いい顔つきになったな…」

 

梨花「てか、もうこんな時間!?」

 

時刻は深夜1時を回っていた。

 

梨花「天道、私は学校があるけどあなたは明日どうする?」

 

天道「近くに図書館はあるか?」

 

梨花「図書館? 何でまた…」

 

天道「お前が語っていた雛見沢村の歴史と事件についてより詳細な情報を集めようと思ってな その後は明日考える」

 

梨花「まぁ図書館なら興宮に行けばあるけど…」

 

天道「興宮?」

 

梨花「雛見沢村の麓の町よ 毎時間1本バスが出てるからそれに乗っていけばすぐに着くわ」

 

天道「そうか…」

 

梨花「じゃあ私は寝るわね…」

 

天道「おう」

 
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/09/30(月) 12:13:25.11 ID:7VOBedNnO
着替えや金は死活問題だなw
32 :カブトムシ [saga]:2019/10/03(木) 15:15:57.62 ID:HFILCflM0
時間は午前8時…

天道は雛見沢村のバス亭で…興宮行きのバスに乗り込む

 

天道「…」

 

鷹野「隣、空いてます?」

 

天道「…」

 

鷹野「ダメかしら?」

 

天道「いや…別に構わないが」

 

鷹野「では失礼…」

 

天道「…」

 

鷹野「貴方、雛見沢村の人間ではないようですが?」

 

天道「あぁ そうだが?」

 

鷹野「通りで見かけないお顔だと思いました…お名前は?」

 

天道「人に名前を聞く時はまず自分から名乗るのが礼儀というものだ」

 

鷹野「これは失礼…私は鷹野三夜 雛見沢の診療所に勤めてる者です」

 

天道「…天道総司…」

 

鷹野「天道さんはどうして雛見沢村に?」

 

天道「これと言った理由はない…」

 

鷹野「そう…天道さん、この村は…」

 

天道「呪われている…とでも言いたそうな顔だが?」

 

鷹野「あら嫌だ…天道さんは面白いことを言う方ですのねぇ…」

 

天道「…」
33 :カブトムシ [saga]:2019/10/03(木) 15:17:36.36 ID:HFILCflM0
鷹野「ただ…」

 

天道「ただ?…」

 

鷹野「ただ、この村には…」

 

運転手「え〜まもなく興宮、興宮です 本日もこのバスをご利用頂きありがとうございました」

 

鷹野「残念…着いてしまいましたね…またゆっくりお話ししましょう」

 

天道「…」

 

鷹野「では、ご機嫌よう…」

 

天道「…(何かを企んでいそうだが…まぁいい、とりあえず図書館に行くか…)」

 

ー興宮図書館ー

 

天道「雛見沢村に関する歴史か…かつて雛見沢村旧鬼ヶ淵村には隕石が落石し、そこから大量の蛆虫が沸きだした…隕石と蛆虫か…ワーム?…いや、まさかな…」

 

天道はさらに詳しく雛見沢村について調べるべく、席を立つ。

 

天道「ちょっといいか?」

 

店員「はい、何でしょう?」

 

天道「昭和50年6月20日から昭和57年6月20日付近の新聞と週刊誌は置いてあるか?」

 

店員「あぁ、それならありますよ こちらになります」

 

店員が天道の元に新聞と週刊誌を持ってくる。

 
34 :カブトムシ [sagas]:2019/10/03(木) 15:19:24.75 ID:HFILCflM0

天道「ご苦労」

 

店員「はい、では失礼します」

 

天道「…」

 

ペラペラ…

 

天道は用意された新聞と週刊誌を一通り読み終え、一息つく。

 

天道「やはり鍵を握っているのは警察か…とりあえず最低限の情報は得た さて、次のステップへ移るか…」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

午後3時半…雛見沢分校

 

魅音「今日の部活動のゲームを発表します! 本日のゲームはガンマン気分でタイマン水鉄砲ゲーム!!」

 

レナ「楽しそう!」

 

沙都子「ちなみにそれはどういうゲームですの?」

 

魅音「ルールは至ってシンプル! 背中合わせに5歩相手に背を向けて歩いて振り返って命中すれば勝ち!」

 

圭一「それって要するにタダの水鉄砲…」

 

魅音「圭ちゃん、それは甘すぎる ちなみにこの水鉄砲タダの水鉄砲じゃないんだなそれが」

 

圭一・レナ・沙都子・梨花「?」
35 :カブトムシ [saga]:2019/10/03(木) 15:21:06.80 ID:HFILCflM0

魅音「実はこの水鉄砲の水、すっっっっっっごく臭い! 何故なら、カメムシが死んで浮かんでた水を使ってたから!」

 

レナ「うわぁ…」

 

梨花「魅ぃ…罰ゲームも別にあるのですか?」

 

魅音「当たり前でしょ! 負けたら恐怖の罰ゲームが待ってるよぉ」

 

沙都子「中々、ハードなゲームですわねぇ…」

 

圭一「みんな情けねぇなぁ…勝てばいいんだよ勝てば!」

 

魅音「そう! 圭ちゃんの言うとおり勝てばいいのよ勝てば!」

 

圭一「それはそうと、なんかいい匂いしねぇか?」

 

沙都子「確かに先程からソースのいい匂いが…」

 

レナ「あ! 窓の外見て!」

 

梨花「ちょっ!?(あのバカ何やってんのよ!?)」

 

梨花は慌てて教室を飛び出す。
36 :カブトムシ [saga]:2019/10/03(木) 15:22:57.21 ID:HFILCflM0

梨花「ちょっとあんた何してんのよ!?」

 

天道「見れば分かるだろ? 焼きそばパンを作っている 一個百円だ」

 

梨花「そうじゃなくて、何でこんなところで焼きそばパンを売ってんのかって聞いてんの! しかも有料って有り得ないから!!」

 

天道「惨劇を回避する為には必要なことだ」

 

梨花「どこがどう必要なのよ…」

 

天道「何百年も生きてる割りには考えが浅いな…」

 

梨花「何ですってぇ!?」

 

天道「もう少し、先のことも見据えてみろ そうすれば意味のなさそうなことでもそれが重要になってきたりすることはかなりある」

 

梨花「相変わらず上から目線だし、意味もよくわからない…」

 

天道「そうか まぁ後で分かる 6月末にな」

 

梨花「…」

 

圭一「お〜い梨花ちゃん!」

 

梨花「!?」
37 :カブトムシ [saga]:2019/10/03(木) 15:25:02.30 ID:HFILCflM0

沙都子「驚きましたわ? 梨花が慌てて教室を飛び出すものだから…」

 

梨花「あ…えっと…だって急に天道がいて驚いたのです」

 

レナ「そんなにお腹が減ってたのかな? かな?」

 

魅音「でもホントにいい匂いね」

 

天道「匂いだけじゃない 味も一級品だ」

 

レナ「天道さんの料理は本当に美味しいんだよ だよ」

 

圭一「え? レナたち知り合い?(めっちゃくちゃ男前だけなんですけど…)」

 

沙都子「確か梨花のお父さんの友達が働いてた3つ星料理店の人の息子さんでしたっけ?」

 

魅音「へぇ…何でそんな人がここで焼きそばパンを売ってるの?」

 

天道「あぁ、雛見沢で料理店を出そうと思っててな それの予行練習みたいなものだ」

 

梨花「…(ちゃっかり私の言った設定覚えてるし!)」

 

レナ「あちゃ…100円持ってなかった…」

 

魅音「今、お札しかないからなぁ」

 

沙都子「梨花、100円あります?」

 

梨花「丁度スッカラカンなのです」

 

圭一「よし! じゃあこうしよう! 天道さんでしたっけ?」

 

天道「あぁ」

 

圭一「もしこの水鉄砲対決で俺が勝ったら焼きそばパン全員分無料にしてくれませんか?」

 

天道「ほう…」
38 :カブトムシ [saga]:2019/10/03(木) 15:26:45.05 ID:HFILCflM0
魅音「ちょっと、圭ちゃん さすがにそれは失礼だよ…」

 

梨花「いや、それはいい提案なのです!(もしかしたら偉そうな天道の泣きっ面が見れるかも!!)」

 

天道「俺は構わないぞ?」

 

魅音「天道さん、この水鉄砲実は… 」

 

天道「ん?」

 

梨花「あぁ!! いや何でもないのです!」

 

圭一「そうと決まったら早速やろう!」

 

魅音「あんたたち腹黒すぎ…」

 

天道「何を企んでるかは知らないが、ハンデをやろう」

 

圭一「ハンデ?」

 

天道「俺は2本先取、お前は1本先取で勝ちにしてやる」

 

圭一「随分と自信があるみたいですけど、それが命取りになっても知りませんよ?」

 

天道「御託はいい…とっとと始めようか」
39 :カブトムシ [saga]:2019/10/03(木) 15:30:48.51 ID:HFILCflM0
魅音「じゃあお互い、背中合わせに立って」

 

天道「…」

 

圭一「…(ここは絶対に勝つ! このままでは俺の人気が全部天道さんに流れてしまう)」

 

レナ「圭一君頑張って!!」

 

沙都子「圭一さん、負けたら許しませんわよ?」

 

梨花「圭一、絶対に勝つのですよ!?」

 

魅音「圭ちゃん、ファイト!!」

 

圭一「おう! 任しとけ!」

 

魅音「よし、じゃあ始めっ!!」

 

1、2、3、4…

 

圭一「…(どんなに凄いか知らないけど、絶対に負けねぇ!)」

 

5!!

 

圭一「行くぞ!! うはっ!?」

 

天道の水鉄砲がいち速く圭一の心臓部を捉える。

 

天道「どうした?…もっと早く撃たなければ俺には勝てないぞ?」

 

圭一「今のは様子見! 次は容赦しない!」

 
40 :カブトムシ [saga]:2019/10/03(木) 15:34:43.36 ID:HFILCflM0
1、2、3、4、5!!

 

圭一「もらった!!(まだ後ろを向いてる!)」

 

梨花「圭一、ナイス!!」

 

天道「フッ…甘いな」

 

圭一の放った水を間一髪で身体を斜め横に捻らせ、華麗に回避してから天道は圭一目掛けて水鉄砲を放つ。

 

圭一・梨花「!?」

 

魅音「スゲ…」

 

レナ「か、カッコいい…」

 

沙都子「ダサイですわ…圭一さん…」

 

圭一「そ、そんなフギャァッ!? く、クッセェェェェェェェェェェェ!! うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!! し、死んじゃうぅぅぅぅぅぅ!!」

 

天道「👆」

 

梨花「…(チッ…ホント何者なのよ天道総司…)」

 

天道「しかし強烈な臭いだな…やはりこういうことか…まぁいい、せっかく作ったからな 今日だけは焼きそばパンをタダにしてやる」

 

魅音「えっ!? ホントに!? あ、ありがとうございます!」

 

天道「遠慮はいらない」

 
41 :カブトムシ [sagas]:2019/10/03(木) 15:36:31.17 ID:HFILCflM0
ムシャムシャ、パクパク…

 

魅音「激ウマ!! こんな美味しい焼きそばパン初めて食べた!!」

 

沙都子「あなた、ホント何でも美味しく作れるのですわねぇ」

 

レナ「もう一個いいかな? かな?」

 

天道「もう一個?」

 

レナ「お父さんにも買っていってあげたい」

 

天道「なら、いいぞ ほら…」

 

レナ「天道さん、ありがとう!!」

 

天道「さて今日はここまでか…」

 

梨花「あのボクと圭一の分がまだもらってないのです」

 

天道「あぁ…お前らのはもうない 品切れだ」

 

梨花「後ろに後2個見えてるのですが…」

 

天道「お前らは俺を陥れようとしてたからな…」

 

梨花「ご、誤解なのです!!」

 
42 :カブトムシ [saga]:2019/10/03(木) 15:38:49.64 ID:HFILCflM0
テクテク…

 

知恵「あのぉ、どちら様ですか? 何かご用でしょうか?」

 

天道「お前は!?…(ウカワーム!?)」

 

知恵「?」

 

天道「間宮麗奈…」

 

知恵「はい?…誰ですか? 私は知恵留美子ですけど…」

 

天道「…いや、何でもない…(よく考えたら間宮麗奈がこの時代にいるわけがないか…)」

 

知恵「単刀直入に言いますとこんなところで焼きそばパンを売らないでもらえますか? 一応、学校の敷地内なので」

 

天道「そうだな…それはすまなかった」

 

知恵「分かってもらえればいいですので」

 

天道「俺を期間限定でこの学校の調理師として雇ってくれないか?」

 

梨花「!?」

 

知恵「…はい?…」

 

レナ「レナは大賛成!!」

 

沙都子「3つ星料理店の味が給食で食べられるのなんて贅沢ですわねぇ」

 

知恵「3つ星料理店?」

 

魅音「先生、何でもこの人は梨花ちゃんの知り合いらしくて3つ星料理店で働いてる人らしいですよ」
43 :カブトムシ [saga]:2019/10/03(木) 15:41:13.00 ID:HFILCflM0
知恵「いやでも…」

 

梨花「身分はボクが保証するのです」

 

天道「小学校、中学校は一番食事のバランスに気を付けなければならない時期だ 金は取らない だから俺を雇ってくれないか?」

 

レナ「いいんじゃないかな? かな? 期間限定って言ってるわけだし」

 

沙都子「そうですわね 悪い人ではないのですから」

 

知恵「う〜ん…まぁそこまで言うのなら…ではお願いできますか?」

 

天道「あぁ 損はさせない」
44 :カブトムシ [saga]:2019/10/03(木) 15:43:00.84 ID:HFILCflM0
>>31
いえいえw
運命は絶えずに天道に味方しますからw
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/23(土) 22:07:28.30 ID:mENXUNHo0
エタるなら最初からやるな
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