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貴方「安価でヒロインを攻略するまどか☆マギカ?」

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215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/10/23(水) 00:17:35.23 ID:Y/Gl8JDO0
1
それに昨日の写真の部長たちの感想を聞きたいしね
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/23(水) 00:17:41.00 ID:Fcexp+ga0
1
217 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/10/23(水) 00:22:24.70 ID:Pa70fiM00
---------------------
今回はここまで。
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/10/23(水) 00:28:43.64 ID:Y/Gl8JDO0
乙です

普通に学生としての日常を満喫しておりますねぇ
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/23(水) 00:37:36.29 ID:AExOtBSe0
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/23(水) 01:11:39.47 ID:AExOtBSe0
221 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/10/23(水) 21:05:19.34 ID:Pa70fiM00


 俺もどうするか決めてなかったから聞いたんだけど、暁美さんに聞き返されてしまった。

 でも、わざわざ聞くのはこういう意味なんだけどな。


貴方「暁美さんが寄るなら」

ほむら「あ、だったら……私も寄りたいなって思ってます。入部したてですし……」

貴方「そうだね。いこっか」


 二人で部室に向かう。

 そしてその中へ足を踏み入れると、部長をはじめとした写真部の面々が出迎えてくれた。


部長「おお、きたきた。見たよー、昨日の表紙用の写真。いいの撮ってこれたんだな」

貴方「恐縮っす。よかったね、暁美さん」

ほむら「は、はい」

貴方「今回のは俺も自信あったから。実際に雑誌になるのが今から楽しみですよ」

部長「提出用データ以外のも見たけど、やっぱ素材が良いから外れがないな。これからもよろしく頼むよ、暁美さん」

ほむら「えっ、ええと、はい……が、頑張ります」

貴方「一仕事終えたけど、今日はどうする?」

ほむら「今日は……せっかく写真部だし、撮るのもやってみようかなって……」

ほむら「最初に少し教わったけど、あまりよくわかってなくて壊したりしたら怖いし、【貴方】くんがいてくれるなら助かるなって」

貴方「俺が使えるくらいのやつなら、そんなにビビらなくてもいいとは思うけどな……?」

部長「ああ、やってみればいいじゃないか。歓迎だ。まずは簡単なのから教えてやってくれ」



 部長からもそう頼まれて、とりあえず二つ分カメラを借りる。

 撮影対象をどうするかだな……。



どこに行こうか?
1校舎周り
2校内
3外に行く?(自由安価)

 下2レス
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/23(水) 21:07:40.05 ID:+t/JKeQC0
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/23(水) 21:08:55.27 ID:MAeJVUk30
2
224 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/10/23(水) 22:04:34.31 ID:Pa70fiM00

貴方「じゃあ、とりあえず廊下に出て校内を回ってみようか。この時間だとまだ色んな人も残ってるはずだし――」

貴方「人でも物でも、気を引かれたものがあったら撮ってみよう」

ほむら「はい」


 カメラを持って廊下に出る。クラスメイトなのに、こうしてるとなんだか後輩が出来たみたい。

 それは多分、彼女の知らないことを自分が経験しているというだけでなく、

 同級生に向けるにしては謙虚すぎる態度もそう思わせてるんだろう。


貴方「……暁美さんって、誰に対しても敬語だよね」

ほむら「ええと、どう話したらいいかあんまり慣れてなくて……すみません」

貴方「また謝った。別に責めたりしてないよ」


 廊下をゆっくりと眺めながら話す。

 運動部文化部問わず、校内からも校外からも、部活にいそしむ人たちの活発な声が聞こえてくる。

 同じ場所なのに、昨日の夕焼けみたいな綺麗で少し寂しげな景色とは別物だ。


 一枚、廊下から見下ろした校庭をカメラに収めてみる。

 すると俺を真似するように暁美さんもカメラを起動して、その手中の小さな機械を色んな方向から覗きこんで戸惑っていた。



1……機械苦手だったりする?
2鹿目さんたちのとこに寄ってみる?
3自由安価

 下2レス
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/23(水) 22:06:23.28 ID:MAeJVUk30
1+3よく顔を見る金髪の巻き髪の先輩がいた
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/10/23(水) 22:45:52.29 ID:AhJYhUB8O
安価↓
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/23(水) 23:01:48.65 ID:6XekwJxp0
2
228 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/10/23(水) 23:30:50.59 ID:Pa70fiM00


 こんな時こそ出番だ。


貴方「撮るのはここ。あとは、こっちがズームで逆が縮小だよ」

ほむら「は、はい……あ、撮れました」

貴方「うん。じゃあ、ここ押すと撮ったの見られるから」


 ひとまず最低限の機能だけ一緒に操作をして教えてみる。


ほむら「少しブレてる……」

貴方「こうやって持つとブレにくいよ。あとはどっか置いてみるとか。部室には三脚もあるから必要なら持ちだして」

貴方「まあ当然だけど、落としたりしなきゃいいから。ボタン押したくらいじゃ壊れないよ。データの削除だってワンクッションあるし」

ほむら「そ、そうですよね……でもなんだか変なことしそうで心配で」

貴方「……とりあえず落とすのだけは気を付けてね?首から提げとくのが確実だから!」

ほむら「は、はい。気を付けます」


 暁美さんはアドバイス通りにカメラについた紐に首を通して手に持つ。

 記念すべき一枚目の写真を撮るとこんな提案をする。


貴方「鹿目さんたちのとこに寄ってみる?手芸部って言ってたよな」

ほむら「はい。手芸部と園芸部をかけもちしてるらしいです」

ほむら「そんなに頻繁に顔を出すわけじゃないみたいだけど、最近はたまに行ってるみたいだからいるかな……?」

貴方「いるといいな」


 鹿目さんのことは暁美さんのほうが詳しい。

 さっきのはおためしだ。やっぱり、どうせ撮るなら暁美さんが気の乗りそうなところがいい。

229 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/10/23(水) 23:54:53.15 ID:Pa70fiM00


まどか「――あれ?ほむらちゃんと【貴方】くんだ。撮影に来たならどうぞ」


 服やふわふわした小物の展示物が並ぶ教室。

 家庭科室を覗いてみると、こっちに気づいた鹿目さんが真っ先に出迎えてくれた。


貴方「ああ、実はそうなんだ。暁美さんが撮るのにいいものがあるかなと思って」

ほむら「鹿目さんも今日は部活に来てたんですね」

まどか「うん。そっか、ほむらちゃんも部活デビューかあ。【貴方】くんと同じ写真部なんだよね。どう?新しく友達とかできた?」

ほむら「よくしてくれる人ならたくさん……」

貴方「鹿目さんは何作ってるの?」

まどか「ええっとね、これなんだけど……」

ほむら「刺繍?きれい」


 シンプルな真っ白のハンカチに可愛らしい桃色の花の刺繍が咲いている。

 なるほど、これだけでぐっと高級感は増す気がする。こんなのを自分で施せるなんてそれはすごいな。

 これが手芸部か。


まどか「ひさしぶりだし、先輩たちに教えてもらわなかったらできなかったよ」

ほむら「あの……もしよかったらそれと鹿目さんのこと一緒に撮ってもいいかな?」

まどか「うん!ずっと残るのかなって思うとちょっと恥ずかしいけど、上手く出来たから記念に残すのもいいね。ほむらちゃんが撮ってくれるなら」


 そう言われると暁美さんも張り切ったように見える。

 暫くそんな二人のやりとりを眺めて、その風景も写真に撮ってみた。

230 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/10/24(木) 00:22:16.34 ID:IPRQee550


貴方「――――いい写真は撮れた?」

ほむら「はい。少しだけ写真を撮る楽しみっていうのも分かった気がします」


 手芸部の様子を撮って、それからまたいくつか校内を回ってみてから自分たちの部室に戻ることにした。


ほむら「今まではそれも理解しようとしないで撮ってもらってたから……」

貴方「俺も暁美さんを撮って、こうやって一緒に撮影に出かけて、なんかわかった気がする」


 家庭科室で撮った二人の写真を見せる。

 カメラ片手に鹿目さんと向き合う暁美さんは珍しく笑っていた。

 レンズに目を合せて笑顔を送るのは暁美さんが苦手とすることだった。今まで撮った写真の中じゃ初めてかもしれない。


ほむら「あれ、いつのまに……?」

貴方「いい風景になりそうだなって思ったからさ」

ほむら「今日は撮る側だって思ってたから全然気づきませんでした……」

ほむら「気付かなかったからなんだろうけど、私……写真の中でも笑えてたんですね」


 今までモデルしてもらってたのとはまた少し違うけど、この写真も自信のある一枚となった。

231 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/10/24(木) 00:31:13.80 ID:IPRQee550

 ――カメラを返しに部室に戻ると、帰り際に部長から尋ねられる。


部長「そうだ、【貴方】暁美さんの連絡先知ってる? 暁美さんもうちの連絡グループに入れないと」

貴方「ああ、そうですね」


 何気に家とか知ってるんだけど、俺は暁美さんと連絡先を交換したことはなかった。

 連絡グループのメンバーに暁美さんが追加される。

 グループは基本的に部内の連絡用だけど、これからは連絡を取り合うこともできるな……とふと思った。




▼ほむらの連絡先を手に入れました。


【貴方】 9日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・鹿目さん様様
・美樹さやか・・・意外な一面ある?
・志筑仁美・・・クラスメイト
・暁美ほむら・・・教室でも部活でも仲間
・佐倉杏子・・・みんなで一緒に遊んだ

[顔見知り]
・巻き毛の女子生徒・・・なんか色々すごそう

[攻略済]
なし
232 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/10/24(木) 00:31:40.53 ID:IPRQee550
--------------------
今回はここまで
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/24(木) 18:23:21.48 ID:/hdOCu+C0
巻き毛の女子生徒「出番が欲しいわ」
234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/24(木) 18:31:59.16 ID:tBNbqyoO0
>>233
俺も出したいんだけどなぁ……どうすればいいの?
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/24(木) 19:28:38.17 ID:QTOaU+qso
被写体探しで偶然発見しろ
236 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/10/24(木) 21:52:23.48 ID:IPRQee550
ほむら攻略が落ち着いたら出番も増えるんじゃないかな…うん
高嶺の花だからね…しょうがないね
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――――
10日目 教室



 一週間の最後の日。今週はなんだかいろんなことがあった気がする。

 暁美さんの写真を撮ったり、それがきっかけになって入部してくれたり。


まどか「おはよう、【貴方】くん」

さやか「おはよー」

ほむら「おはようございます」


 思い出を振り返りながら席につくと、今朝も暁美さんたちがやってきた。

 そろそろ慣れてきたけど、暁美さんが髪を下ろしたのも今週では大きな変化だった。


 そして、朝のHRではついにあの冊子が配られた。


まどか「あれ?これって…… え!?」

さやか「ほむらじゃん!なんでいるの?」

ほむら「…………」
237 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/10/24(木) 22:12:46.82 ID:IPRQee550


 やっぱり驚くよな。クラス中も似たような声で賑わっている。

 暁美さんはやっぱりどこか恥ずかしそうにしていた。


 普段だったら大して目もくれない程度の雑誌。

 内容は校内のイベントごととか先生のコメントとか、いたって真面目で面白みのない内容だ。

 しかし見慣れた教室で夕焼けの中に佇む暁美さんが映った表紙はやはり特別にみんなの目を引いていた。


「そうそう、うちのクラスの暁美さんが表紙を飾ってくれてます」

「担任として誇らしいことですね。先生も聞いた時は驚きましたよ。とても美人に映っていてグッドです!」


 冊子を配り終えてから早乙女先生が言った。

 HRが終わると暁美さんの席のまわりを生徒たちが囲んでいた。


*「どういうことどういうこと?」

ほむら「じっ、じつは写真部で表紙用の写真を撮ることになって……」

*「えー、可愛い!写真部ってこういうのも撮るんだあ」


 その様子を見て、撮った俺に対しての話題がまったく上がらなかったのはちょっと寂しかったけれど。

 一気にクラスの中心みたいに囲まれて暁美さんはまだ気恥ずかしそうにしてるけど、みんなの反応も当然だよなって思った。

 やっぱそのポテンシャルを持ってる。


まどか「ねえねえ、これも【貴方】くんが撮ったの?」

貴方「ああ。みんなのこの反応を見ると俺も嬉しいもんだな。前々から表紙は撮ってるけど写真部で今までこんなに目立ったことないし」

貴方「鹿目さんも今度また写真撮るのはどう?よかったら入部するのも歓迎だよ?」

まどか「手芸部のほかに園芸部もやってるからこれ以上は難しいかな。でも気が向いたら覗きにいくね」



 ……鹿目さんがこうして自分の方に話を向けてくれたのはちょっと嬉しかったりする。


238 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/10/24(木) 23:13:16.53 ID:IPRQee550


 ――――授業開始のチャイムが鳴る。

 早乙女先生の英語の授業だ。


「I like English most in all subjects」

「私は全ての教科の中で英語が一番好き。みなさんもそうですよね? Aren't you?」


 それに対する反応は人それぞれだけど大多数が苦笑い。


「では、Takashi is tallest in this class. これは?――さん」

*「タカシくんはクラスの中で一番背が高い?」

「その通りです!-estとmostはどちらも最上級ですが、使い分けに注意してください」


 まだ英文に関しての問いかけならまあわかりやすいわけだけど。


「……そうそう、ところで。女子の背たけは高い方がいいと思いますか?低い方がいいですか?【貴方】くん!」



貴方(だからなんでこっちにくるんだよ……)



 先生は小さい方だけど……。



1高いほうがいい
2小さい方がいい
3普通がいい
4スタイルが良いのがいい

 下2レス
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/10/24(木) 23:15:53.23 ID:tBNbqyoO0
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/10/24(木) 23:19:30.34 ID:pYAgk8xH0
3
241 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/10/24(木) 23:46:50.75 ID:IPRQee550


 と言われても、特にこだわりはないしなぁ。どちらと答えても後でとやかく言われそうだ。


貴方「平均でいいんじゃないでしょうか……」

「なんとも面白みのない答えですね……しかし平均……平均というと大体160手前だなんていいますけど」

「くれぐれも、ヒールを履いた女子に対して『無理してる』なんて言わないでくださいね!」



 まあ、言われたんだろうなぁ。

 教室ではこの授業で『一番』の苦笑いが起きていた――――。



さやか「普通かぁ。確かに無難な答えだけど、実際のとこどうなの?」


 授業が終わってから美樹が話を蒸し返しに来ていた。とはいえ、あまり面白そうな答えを期待されても困る。


貴方「いや、特に気にしたことないよ」

まどか「先生くらいで小さいならわたしはどうなるんだろう……」

ほむら「先生は大人だから……私達もきっとこれから伸びますって」

まどか「そうかなぁ。そうだよね?」

貴方「そういう女子たちのほうがどうせ男の身長に関してはうるさいんだろ」

さやか「ん、まぁ普通くらいあれば困ることはないんじゃない?」

まどか「あんまり高いと見上げるのが辛いかな……?」


 まあ、すぐにはどうにもできないことだ。けど一応俺たちは成長期である。


1牛乳のもう
2身長差とか気にするの?
3自由安価

 下2レス
242 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/10/24(木) 23:50:42.22 ID:tBNbqyoO0
安価↓
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/10/24(木) 23:53:43.01 ID:pYAgk8xH0
2
一応俺も男だから、自分より背が圧倒的に高い女子は・・・とは思うけどさ
たださ、それでも好きになった相手ならそんな事は気にならなくなると思うな
高かろうが低かろうが惚れた相手なんだ、気にするなんて馬鹿馬鹿しいと思うけど?
244 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/10/25(金) 00:05:27.75 ID:09bqbZpV0
------------------------
今回はここまで
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/25(金) 01:50:13.59 ID:YN9MUmHBo
>>243
なんでそないセリフぱっと書けるんや
裏山
246 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/10/26(土) 21:54:01.39 ID:SspL5YDd0


貴方「身長差とか気にするの?」

まどか「わたしに合わせると小さくなっちゃうよ。でも、男子も女子もすらっとしたのは憧れるよね……」

さやか「足長っ!みたいなモデル体型っての?」

ほむら「美樹さんは十分だと思いますけど……?」


 美樹が一瞬ちらっと見た先には志筑さんがいた。志筑さんは確かにクラスのマドンナのような存在だ。

 絵に描いたようなお嬢様で、誰にでも優しい上に振る舞いが上品ってのもある。背に伴うように発育もかなりいい。


 ……でも、暁美さんの言う通り背に関しては美樹はこのくらいで丁度いいと思うけどな。高すぎないくらいで。

 モデルのような高身長だとそれはそれで並んだ時に男心を削られるのだ。

 その上ヒールなんて履いてたら追い抜かれてしまう。


貴方(……まあ、志筑さんと並べるような男はそれこそルックスも家柄も完璧中の完璧の男なんだろうな)


貴方「一応俺も男だから、自分より背が圧倒的に高い女子は……とは思うけどさ」

貴方「たださ、それでも好きになった相手ならそんな事は気にならなくなると思うな」

まどか「じゃ、じゃあ低いほうには問題なし?」

貴方「まあ女の子らしくて良いって思う人はいるんじゃねーの」

貴方「高かろうが低かろうが惚れた相手なんだ。気にするなんて馬鹿馬鹿しいと思うけど?」

まどか「う、うん。そうだよね! でも、これからも牛乳はたくさん飲んでみるね」


 鹿目さんはちょっと嬉しそうにしていた。


――――
――――


*午前の授業は滞りなく終わりました。
1美樹たちに声をかけてみる
2購買に飯買いに行かなきゃ
3教室の外へ
4自由安価

 下2レス
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/26(土) 21:59:28.34 ID:ik3gfb2c0
3
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/26(土) 22:00:18.61 ID:dcmGoT3c0
【まどかマギカ】身長比較画像色々
http://www.matomagi.com/archives/25567788.html
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/26(土) 22:06:20.52 ID:WyV96dYcO
1
250 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/10/26(土) 23:33:55.72 ID:SspL5YDd0
昼休み



 チャイムが鳴ると、教室全体がざわめきだす。

 朝から続いてまだ暁美さんの周辺には人が集まって話していた。

 いつもならそろそろ弁当袋を持って教室を出る準備をするところだけど。


さやか「……ごめん、あたしたちはそろそろ行くわ」

ほむら「え、えっと……」

さやか「ん?それとも今日はほむらはこっちで食べる?それなら連絡しとくけど?」

ほむら「ええと……いえ、私もいきます」

*「あ、うん。約束してるなら優先しなよ。むしろ気を使わせちゃってごめんね?」

*「そういえば誰と食べてるの?部活の先輩?」

まどか「部活じゃないけど……」


 そこそこ話は盛り上がっていたらしい。

 少し名残惜しそうにしながらも、いつも通り三人でここを離れるようだ。


貴方「あれ、いくのか」

さやか「うん。あれ、もしかして今日も一緒に食べたかった?」

まどか「昨日は一緒に食べてたんでしょ?最近、ほむらちゃん【貴方】くんの話よくするんだよね」

ほむら「そ、そうですか……?」


 そうなのか?――暁美さんも自分じゃそうは思ってなかったみたいだけど。


 俺は鹿目さんの話をするときはよく話すなって思ってた。

 でももしかしたら、あっちだと俺のことも同じように思われてるんだろうか?

 ちょっとだけ気になった。

251 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/10/27(日) 21:18:41.03 ID:E8iR4a2Z0


貴方「ほかには女子だけだとどんなこと話してんの?」

まどか「お昼だと美味しいものの話とか、最近流行ってることとか?」

さやか「うん。まあ色々あるけどあとはヒミツね!」


 色々――そういわれると更に想像を掻き立てられるような。



1暁美さんの話についてさらに聞く
2流行ってることってどんなの?
3美樹は本は返しに行ったのか

 下2レス
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/27(日) 21:20:55.41 ID:38/Z+i9c0
1+2
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/10/27(日) 21:22:09.75 ID:Pc/rItWY0
123
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/27(日) 21:22:50.13 ID:3sjsM0Ww0
2
255 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/10/27(日) 22:06:52.23 ID:E8iR4a2Z0
【Tips】一つの時間に選択する話題が少なければその分内容を深く話し、多いと1つ1つは浅くなります
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貴方「まあ色々気になることはあるけど……俺のことはどういうふうに言ってた?流行ってることってどんなの?」

まどか「昨日はお弁当作ってきたって聞いたよ。【貴方】くんはお料理もできるんだって」

さやか「うん、あとインテリアも一緒に見てくれたって。流行ってることといえば最近できた雑貨屋とかかな?」

貴方「なにそれ?」

さやか「やっぱり言ってもわかんないんじゃん」


 ……好意的に話されているようで、ちょっとむずがゆい気持ちになった。

 雑貨屋はわかんなかったけど。


さやか「じゃ、そろそろ行かないと」

貴方「……あ、そうだ、美樹は本は返しに行ったのか?まだなら返せよ。俺はちゃんと伝えたからな?」

さやか「わ、わかってるってー!」


 そんな会話をしてから、三人は教室の外へと出て行った。



――――
――――



*午後の授業が終わると待ちに待った放課後です。
1帰宅
2写真部
3暁美さんに撮影を頼む
4寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。

 下2レス
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/27(日) 22:11:48.26 ID:38/Z+i9c0
4
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/27(日) 22:11:54.51 ID:3sjsM0Ww0
さやかが言ってた雑貨屋に行く

攻略のヒントかもしれないからね、新しいキャラと知り合えるかも
258 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/10/27(日) 22:34:22.08 ID:E8iR4a2Z0
名前判明してない人は居ますがキャラは出尽くしてます。
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放課後



 ――――帰りのHRが終わってチャイムが鳴る。



貴方「美樹、今帰りか?」

さやか「そうだけど?本のことなら帰ってから探すって。あ、どっか寄る?」

貴方「それなら…………――――」


 帰り道を駅前の方向に寄り道する。

 この辺の通りは良く知ってるつもりだ。けど今日は美樹に案内されていた。


さやか「てかマジで雑貨屋いくの?ファンシーな感じだよ?楽しめなくない?」

貴方「まあ……たまにはゲーセンとかスポーツ以外の場所を回ってみるのもいいかなってさ」

貴方「美樹は楽しめるだろ。一応、友達同士で話してるくらいなんだし」

さやか「そんな気の遣い方されてもうれしくねーっつの」


 通りは知っていても店が入れ替わることはそこそこ多い。

 その全部までは把握してなかった。特にあまり興味のない店となると情報が入るのも自然と遅くなる。

 その中のごてごてと飾られた外装の店の中へと入っていく。


 ……美樹は楽しめるかと思ったけど、正直あんまり美樹のイメージにもないな。

259 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/10/27(日) 22:47:48.71 ID:E8iR4a2Z0


さやか「じゃ、あたしは普通にショッピングするけど?折角来たんだし」


 着いていきながら美樹の見ているものを見る。

 ぬいぐるみや髪留め、インテリア、ちょっとした生活に使えそうなものも売っている。

 が、どれもファンシーすぎて確かに自分用にするには興味は惹かれない。


さやか「こういうとこ知ってたらプレゼントとかにはいいかもね。あげたい相手がいるのかは知らないけど」

貴方「プレゼント……か」



1何か買ってみる
2美樹に何か買ってあげる
3別のとこいこう
4自由安価

 下2レス
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/27(日) 22:49:28.56 ID:Ta4+cuC50
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/27(日) 22:58:56.79 ID:KbyxtlM5o
4.暁美さんに合いそうなの探してみようかな
262 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/10/27(日) 23:19:27.19 ID:E8iR4a2Z0


貴方「……何か買ってみようかな」

さやか「え、マジ!?」


 言われた通りプレゼント用で考えてみる。

 すると……自然と暁美さんに似合いそうなものを探していた。


貴方(これなんて持ってたら合いそうだ)


 黒猫のぬいぐるみがついたキーホルダーを手に取ってみる。

 なんの記念でもないけれど、これだけ買うことにした。



さやか「――――ねえ、当ててみようか。それ、ほむらにあげるんでしょ?」



 店を出たあと、美樹は少しからかうようにこんなことを言ってきた。

 ……正解だった。やっぱり、それだけ暁美さんのイメージに合ってるんだろう。


貴方「わ、わかるのか?」

さやか「わかるよそりゃ!猫はまどかも好きだけど、なんとなくそんな感じするしなにより最近仲良いじゃん」

貴方「はは……そっか」


 そう言われると照れてしまった。どこか甘酸っぱいような気持ちになる。


貴方「美樹はなにも買わなくてよかったのか?」

さやか「こういうのは見てるだけでも楽めるの」


 そういうものなんだろうか。

 存分にショッピングしたあとの満足げな姿を見て、それから互いの帰路へと手を振って別れていった。

263 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/10/27(日) 23:32:40.46 ID:E8iR4a2Z0

【貴方】 10日目終了

[知り合い]
・鹿目まどか・・・鹿目さん様様
・美樹さやか・・・意外な一面ある?
・志筑仁美・・・クラスメイト
・暁美ほむら・・・教室でも部活でも仲間
・佐倉杏子・・・みんなで一緒に遊んだ

[顔見知り]
・巻き毛の女子生徒・・・なんか色々すごそう

[攻略済]
なし



・二週目の結果

[好感度] to貴方
暁美ほむら★★>美樹さやか★>鹿目まどか>佐倉杏子

★…フラグ一段階目 「気になる」
※大抵の場所なら誘ったらOKしてくれると思います。
※放課後行動では勝手についてくることもあるかもしれません。

★★…フラグ二段階目 「特別」
※【貴方】との行動を優先します。
※ここまでくればあとは流れに乗るだけだ!


▼[ほむらルート]に入りました。なにもしなくても好感度の上がるイベントが進みます。
 個別ENDの準備はできてます。ゴールインするかは安価次第。



貴方(週末、誰か誘おうかな……?)


1ほむら
2さやか
3今週は一人で過ごす

 下2レス
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/27(日) 23:35:27.01 ID:38/Z+i9c0
1
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/10/27(日) 23:35:41.16 ID:Awfy/i230
1
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/27(日) 23:36:24.45 ID:3sjsM0Ww0
1
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/27(日) 23:37:18.77 ID:3sjsM0Ww0
乗るしかない、このビッグウェーブに
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/27(日) 23:38:15.78 ID:3sjsM0Ww0
すごい一体感を感じる
269 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/10/27(日) 23:48:35.00 ID:E8iR4a2Z0
-----------------
今回はここまで。
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/10/27(日) 23:50:42.00 ID:Awfy/i230
乙でした

ついにほむらルート突入か・・・
271 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/10/29(火) 22:21:07.99 ID:bmcyIzop0


 ……決めた。暁美さんを誘ってみよう。

 部活の連絡グループから連絡先を辿ってメッセージを送った。



――――
――――
二週間目 週末
自宅



ほむら「おじゃましま……す」

貴方「ああ。いらっしゃい、暁美さん」


 扉を開けると、うちの愛犬が熱烈な出迎えをしにいった。

 今日は前に言っていたとおり暁美さんを家に呼んでいた。


貴方「ごめんね。噛んだりはしないけど興奮してるみたいで。嫌だったかな」

ほむら「あ、いえ、大丈夫です……」


 しっぽをぶんぶんと左右に振って近づいてきた犬に暁美さんは少したじろいだ様子だ。

 そのまま舐め回すような勢いだったので少し下がらせる。

 少しずつ落ち着いてくると暁美さんが遠慮がちに背中を撫でた。


ほむら「最初はちょっとびっくりしちゃったけど……可愛いですね」

貴方「おう、よかったな!暁美さんに気に入ってもらえて」

貴方「じゃ、上がって。部屋こっちだから」


 自分の部屋まで暁美さんを案内する。

 今日暁美さんを呼んだのも、前に部屋を見せるって約束してたからだ。

 昨日のうちに念入りに掃除しといたからいつもりマシになってるだろう。そうそう疾しいものも出てこない……はずだ。
272 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/10/29(火) 22:59:14.80 ID:bmcyIzop0

ほむら「綺麗に片付けてるんですね……」

貴方「さすがに呼ぶ前に片づけたからね!ていうかそこ?雰囲気とかどう?」

ほむら「えっと……いいと思います。落ち着いてる感じがして。あんまり他の人の部屋とか見たことないんですけど……」


 まぁ、聞いてみたけどなんてことはない部屋だと思う。そこまで内装凝ってるわけじゃないし。

 だからこそ他の人から見た印象は気になったけど、悪い感想が出てこないならいいだろう。

 あまり彼女が悪い感想をずけずけ言う人じゃないというのもあるけど……。


貴方「お茶持ってくるよ。適当に座ってて」

ほむら「はい」


 立ったままそわそわとしていたのを見かねて、とりあえず座らせるついでに飲み物を持ってくことにする。

 それからコップを持って部屋に戻ってくると、隣に腰掛けた。


1暁美さんちはあれから模様替えした?
2暁美さんは休日どうしてる?
3自由安価

 下2レス
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/29(火) 23:07:56.92 ID:1fFTklXF0
1
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/29(火) 23:12:55.25 ID:RxHXQMOR0
3指輪について
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/10/29(火) 23:13:07.01 ID:8f7/GLK00
276 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/10/29(火) 23:23:30.44 ID:bmcyIzop0


貴方「そういえば……暁美さんの私服って初めて見た。この前スーパーで合った時も学校帰りだったし」

ほむら「そ、そうですね。私も【貴方】くんのはじめて見ました」

貴方「指輪してるんだね」

ほむら「あ、えっと…………」


 暁美さんはどこか言いづらそうにしている。……なにかまずいこと言ったかな。


ほむら「学校でも、してるんですけど…………」

貴方「え!あっ。ごめん!そっか」

ほむら「い、いえ!イメージにないですよね。私なんかが指輪なんて着けていて……」

貴方「そ、そこまで卑下しなくてもっ」


 褒めるくらいのつもりだったのにな。ちょっと失敗した。

 服のことを褒めてフォローしようか、もしくは話題変えようか?



1暁美さんちはあれから模様替えした?
2暁美さんは休日どうしてる?
3私服について褒める
4自由安価

 下2レス
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/29(火) 23:26:00.90 ID:1fFTklXF0
1
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/29(火) 23:27:43.43 ID:gJUksOcQ0
3
279 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/10/30(水) 00:41:59.04 ID:r4TPi1ki0

貴方「服、いいね。似合ってるね」

ほむら「そ、そうでしょうか……?」


 淡い秋色のカーディガンにロング丈のスカート。

 決して華やかさはないけれど落ち着いた雰囲気にまとまっていて、暁美さんの印象によく合っていた。


ほむら「今までずっと病院にいたから、あまり服もないし流行とかお洒落も気にしたことがなかったので……」

ほむら「こんな感じでいいのか、鹿目さんや美樹さんを見習いながら勉強中なんですが」

貴方「二人とも結構方向性違いそうだけどなあ」

ほむら「そうです、ね……。でも二人ともお洒落です」


 話しているうちにコップが空く。


貴方「あ、お茶おかわりいる?持ってこようか?」

ほむら「えっと、じゃあお願いします……」


 再びコップを持って立ち上がる。

 ついでに何かおやつでも持ってこようかな。

 なにかいいものがあったかと棚を探っていると、部屋から暁美さんの声が聞こえた。

280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/30(水) 02:14:52.46 ID:n9R2MxdD0
気になるところで終わったな
281 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/10/30(水) 20:44:04.35 ID:r4TPi1ki0

ほむら「き、聞いてないよ……? そんな急に言われても」


 こっちに向けたものではないっぽい。

 だが話し声のようだ。


貴方(……電話かな?)


ほむら「とにかく今日は無理よ。今その……と、友達の家にいるからっ」

ほむら「ううん……そういうのじゃないけど、大事な人だよ」

ほむら「……うん。……うん。じゃあわかった。明日ね」


 ちょうどおやつを探し終えて、電話も終わったようなので部屋に戻る。


貴方「電話終わった?」

ほむら「あ、はい。えっ、えっと……聞こえてましたか?」


 暁美さんはちょっと恥ずかしそうにしていた。

 いつもと違って敬語じゃない相手――俺やクラスメイトよりも気兼ねなく話せる相手。家族か、それとも?


貴方「ごめんね、聞くつもりはなかったんだけど……もしかして彼氏とか?」

ほむら「い、いないですそんなのっ!」


 慌てたようにいつになく強く否定される。

282 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/10/30(水) 20:54:07.12 ID:r4TPi1ki0


ほむら「いたことないし、それに、いたらさすがに来てないです……」

貴方「ああ、そうだよね」

ほむら「……親から電話がきて、急に今から家に行ってもいいかって。心配してくれてるんだろうなって思うけど、こういうのは困りますね……」

貴方「そっか。はい、お茶と適当におやつも持ってきたよ」

ほむら「お、おやつまでありがとうございます」


 持ってきたおやつを一緒に食べはじめる。

 確かに一人暮らしなら親も心配するだろうな。


ほむら「さっきの……聞こえてたってことは、あの……」

貴方「さっきの?」

ほむら「あ、いえ、なんでもないです……っ」




1明日親来るの?
2家族って聞いて安心した
3自由安価

 下2レス
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/30(水) 21:00:21.29 ID:52qa3ZeA0
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/30(水) 21:01:49.01 ID:tW7LcsXu0
1
285 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/10/30(水) 22:09:49.91 ID:r4TPi1ki0

貴方「明日親来るの?」

ほむら「そう、ですね。たまに来てるんですけどいつも結構急です」

ほむら「この前片づけたから、少しマシになったかな…………ごちゃごちゃしてたものを収納して少しすっきりしました」

貴方「あぁ、あの時買ったやつか」

ほむら「はい。これからきっと、ああいうものも合うような部屋に……できたらいいんですけど」

貴方「明日来た時も驚くかもね。綺麗になってたら」

貴方「俺もまた暁美さんちにも行ってみたいな。あの時とは変わってるんでしょ?」

ほむら「い、一応。少し、だけど」


 暁美さんはやっぱり控えめな言い方だったけど、前とは変わったらしい部屋は気になる。

 ――おやつを食べたり雑談したりして、帰り際になってから昨日買ったプレゼントのことを思い出した。


貴方「あ、そうだ。暁美さんに渡したいものがあるんだった」

ほむら「え?」

貴方「これ。開けてみて」


 小さなラッピングを手渡す。


ほむら「黒猫……?」

貴方「うん。……暁美さんに似合いそうだなって思って」

ほむら「い、いんですか!?」

貴方「もちろん。そのために買ったんだから」

ほむら「あ、ありがとうございます……! わ、私も今度こそなにかお礼…………」

貴方「い、いいよ気にしなくて!ああいや、もしなにかしてくれるならそれはそれでもちろん嬉しいんだけど」

ほむら「え、えっと、じゃあなにかほしいものってありますか……?」


 ……改めてそう言われると、なんだろう。


1今度の部活でよろしく
2なんか奢ってくれ
3暁美さんの作った弁当食べてみたい
4本当に気にしなくていいよ
5自由安価

 下2レス
286 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/30(水) 22:10:38.78 ID:tW7LcsXu0
3
287 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/10/30(水) 22:13:47.45 ID:GQmtEBwO0
3+今度犬の散歩に付き合って
288 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/10/30(水) 22:38:14.26 ID:r4TPi1ki0

貴方「……暁美さんの作った弁当食べてみたい」

ほむら「えっ?弁当……ですか?」

貴方「あとじゃあ、今度犬の散歩に付き合ってよ。してほしいことと言ったらこのくらいかな?」

ほむら「わ、わかりました……けど、弁当のほうは本当に期待しないでくださいね?が、頑張ってみますけど……!」

貴方「うん。無理しない範囲で。楽しみにしてるから」



 見返りを求めてしたことじゃないけど、そう言ってもらえるとやっぱり嬉しかった。




― 二週目休日 終了 ―
289 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/10/30(水) 23:16:30.68 ID:r4TPi1ki0
――――
11日目 教室



 自分の教室に入ると、周囲に向けて挨拶しながら鞄を置く。


さやか「おはよ」

まどか「おはよう、【貴方】くん」

ほむら「おはようございます」


貴方(あ、あれは…………)


 暁美さんが教室に入って来てすぐ、バッグについてるストラップに気づいた。

 自分があげた黒猫のぬいぐるみのストラップだ。つけてくれたんだな。


 ついでにもう一つ目に入ったものがある。


貴方「美樹、その本が借りてたやつ?」

さやか「あー、そうだよ。HR終わったらさくっと返してくる」


 頼まれてたことも一件落着だ。



1恋占いってどんなんよ?
2暁美さん、昨日はどうだった?
3自由安価

 下2レス
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/10/30(水) 23:22:55.87 ID:tW7LcsXu0
2
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/30(水) 23:42:32.08 ID:n9R2MxdD0
2
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/30(水) 23:55:44.24 ID:n9R2MxdD0
もっと書くスピード早くならない?
293 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/03(日) 21:34:13.12 ID:TLAR08sZ0


貴方「暁美さん、昨日はどうだった?」

さやか「昨日?なんかあったの?」

ほむら「昨日は親が家に来てて……」

まどか「久しぶりに家族と会ったんだね」

ほむら「はい。特に何かあったわけじゃないんですけど……インテリアの話とか、普段とは違うことも話せました」

さやか「内装凝りだしたのかぁ〜。そういうの興味持ち始めたの?」

ほむら「す、少しだけ…………」

まどか「ほむらちゃんの両親ってどんな人なの?」

ほむら「普通の人だよ。えっと……でも、鹿目さんのお母さんお父さんとはちょっと違う感じ」

さやか「んー、まあそれはまどかの家は変わってるっちゃ変わってるとこもあるからねぇ」


 それから家族の話なんかをしたりして、朝のHRが始まるまで雑談して過ごした。

 ……鹿目さんの家はお母さんが働いて、お父さんは主夫をやっているらしい。



貴方(……全然しらなかったな)



――――
294 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/03(日) 22:07:00.86 ID:TLAR08sZ0
――――
放課後



 ……放課後になって部室に顔を出してみると、女子部員たちと一緒になにやら知らない女子がいるのが目に入った。

 先に来ていたらしい暁美さんも一緒にいる。

 なんだろうと思って眺めていると、後ろから声をかけられる。


*「あのー、写真部の人ですか? 入部希望なんですけど」

部長「ああ、それならこっちこっち。俺が部長だからね。入部届は持ってきた?」

*「これでいい?」


 なんと、部員が増える現場の一部始終に立ち会ってしまった。

 それほど人気のある部活でもないし、この時期に写真部に部員が増えること自体珍しい。

 新入生が入る時期でも毎年2,3人増えればいいほうだったはずだ。


貴方「……もしかして、部員増えました?」

部長「うん。実は今ここにいる人みんな部員なんだよね。なんかこの前の校内雑誌の影響で入部希望が増えたみたいでさ」


 今入部を希望しにきた人も含め、あまり今までの写真部にはいなかった雰囲気の人たちが増えていた。

 一言で表すと、キラキラとした雰囲気だ。

 しかし、知名度が一気に増えて部員が増えたとなればもっと喜んでいてもいいはずだが、部長の声色は弾んだものではなかった。

295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/03(日) 22:07:43.50 ID:85DKMjkt0
ほむほむモテモテだな
296 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/03(日) 22:39:48.98 ID:TLAR08sZ0


*「モデルやりたくて来たんですけど、すぐにできます?」


 先輩の女子部員が答える。


「あぁ、ちょっと待って。まだこっちもあるから……」

部長「最近入った部員、みんなモデル志望の人なんだ」

部長「校内雑誌の暁美さんの件で、写真部でそういうのもやってるっていうのが広まったんだって」

貴方「そうすか。どおりで……」


 そう聞くとこのキラキラした雰囲気の正体も、部長が素直に喜んでない理由も想像がついた。

 今まで写真部に入る人は、暁美さんは特別だったが、写真を撮りたくて入った人がほとんどだ。

 機材の使い方の説明も飛ばしてモデルだけやりたい人が増えたとなれば、カメラ趣味の部長が拍子抜けしてしまうのもわからないでもない。


 すでに暁美さんという前例はあるから断るわけにはいかないし、被写体にできる人が増えたと思えば喜ぶべきなんだろう。


「これだけモデルがいるんだから本格的に雑誌つくっちゃおうって企画が出てて、今順番に撮ってるんだ」


 女子部員たちで部室内に簡易的なスタジオを作って撮影しているみたいだ。

 しかし、モデルの数に比べるとカメラマンは少ないな。他の人たちは出払ってるんだろうか。

 普段から何人も活動してるわけではないが。

297 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/04(月) 00:13:51.44 ID:1mZl2i7Z0


部長「【貴方】も手伝うか?」

女子部員「スタジオ狭いしこっちは大丈夫。こっちはちょっと時間かかるから、先にその子連れて撮ってきたら?」

貴方「俺が……すか?」

*「この人?」

女子部員「この人があの表紙を撮った人だよ」


 モデルが暁美さん以外にもできるとは思わなかったし、ほかの人を撮るとは思ってもみなかったからちょっと困惑する。


*「その前に、ちょっとそっちも見てもいいかな?」

貴方「あ……じゃあ俺も見てみようかな」


 暁美さんのことも気になっていた。

 今までは似たように大人しめの人だけだったが、自分とは違う雰囲気の人に囲まれて委縮しはじめているのが見てとれた。

 自らモデルを志望しにくるだけあって、入部してきた人は積極的だったり派手だったりする人ばかりだ。

 それに確かに美人揃いでもある。


部長「はは、両手に花だな」

貴方「からかわないでくださいよ」

「ねえねえ、これって見滝原の中でもかなりレベル高い人集まってるよね?」

「思いつきなんだけど、せっかくだしミス見滝原とかやるのはどうよ?もちろん制服でっていうのもつまんないしちゃんとお洒落してさ!」

ほむら「えっ……?」

「いいね、盛り上がりそう!」

部長「まあ盛り上がるだろうな。でも一番ってどうやって決めるんだ?」

「投票でいいんじゃない?ちょうどこれから文化祭があるんだし、審査員には困らないと思うよ?」

部長「文化祭のイベントか……アリだな」

部長「好評だったらますますモデルのほうにしか日が当たらなくなりそうで怖いケド…………」

「じゃ、決定!今日は何にも用意してきてないんでいきましょー」

「とりあえず撮影期限だけ決めておこう。編集もあるから今週いっぱいでどう?」


 一人が提案すると、他の人も賛成して流れるようにイベントが決まっていった。

 ……ただ、暁美さんはやっぱり困惑しているようだった。
298 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/04(月) 00:48:33.92 ID:1mZl2i7Z0


 新入部員の女子に連れられて撮影に行って、それから部室に帰ってくる。

 結構時間がかかってしまったから、彼女はもう帰るそうだ。


貴方(まだ暁美さんいるかな……?)


ほむら「あ、【貴方】くん……お疲れ様です」

貴方「ああ、お疲れ」


 暁美さんは顔なじみの女子部員と一緒にセットや機材の後片付けを手伝っているようだった。


貴方「他のモデルの子たちは?」

*「自分の撮影が終わったらもう帰ったよ」

*「でも……なんか思っちゃうよね。私は顔も可愛くないし、ただの裏方としか思われてないのかなってさ」


 ……それは前からいる部員たちが感じているもやもやの代弁なんだろう。

 いきなり違う雰囲気の人たちがやってきて、一気にメインを乗っ取られてしまったかのような気持ちはあった。


ほむら「そ、そんなことないですよ……」

*「うん、暁美さんは私たちのことも仲間だと思ってくれてるのはわかってるよ」

*「私もそういう人を支えて輝かせられるようになりたいと思うんだ。……これからやるミス見滝原、私は暁美さんが一位を取ってほしいな」

ほむら「えっ、そ、それは…………私なんかじゃ……」

*「もうわかったでしょ。みんなあなたのこと綺麗だって認めてる」

ほむら「でも、みなさんすごい美人なんですよ?私よりオシャレだし、私より写真写りだって……」


 ……たしかに今日撮った子は暁美さんの時とは違ってカメラ目線や笑顔を作るのが得意そうだった。

 撮り慣れてるというか、どう撮れば自分が綺麗に写るかをわかっているんだろう。


貴方(その分注文も多かったんだよなぁ。俺はプロじゃないんだ。正直荷が重いよ……)
299 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/04(月) 00:59:13.12 ID:1mZl2i7Z0

*「じゃあ、そこはがんばらなくちゃね」

ほむら「え、ええと…………」


 暁美さんは困ったようにこっちを見た。


貴方「……やるなら俺も暁美さんに一位になってほしいかな」

ほむら「じゃ、じゃあ……やれるだけ…………やってみます」



 ――自分が促したけれど、俺は暁美さんの言葉に驚いていた。

 前の暁美さんだったらこう言われても無理だって返してたと思う。

 暁美さんがこの部に入った時に言った目標のように、少しずつ変わってきたのだろうか。

300 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/04(月) 01:26:04.77 ID:1mZl2i7Z0
帰り道



貴方「今日はどうだった?」

ほむら「他にもモデルがいるってことなかったから緊張しました。一緒に撮る時には一人だけ笑えてなくて迷惑かけちゃうし……」

ほむら「金曜にも撮ってもらったんですけどやっぱりちょっと慣れなかったです」

貴方「そっか……」


 最後に見た時も緊張した顔してたのを思い出した。


ほむら「とりあえず、今日は家に帰る前にファッション雑誌でも買ってみます」

ほむら「あと、今度鹿目さんたちにもついてきてもらって服とか買いに行こうかな……」


 今回、撮影に使う服は自前だ。きっとほかのモデルたちもとっておきの衣装を身にまとってくることだろう。

 前に見たような服でも悪くはないけれど、衣装にするには質素に見えるかな。


貴方「お、お金とか無理しない範囲でね?」

ほむら「はい、それはわかってますけど……」



1俺もついていこうか?
2どんな写真になるか楽しみにしてるよ
3自由安価

 下2レス
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/04(月) 01:36:48.94 ID:peBdeoRH0
1
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/04(月) 01:38:41.96 ID:o/bTTA8T0
1
303 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/04(月) 23:21:32.02 ID:7Br4to2S0

貴方「俺もついていこうか? ファッションのこととかはてんでわからないけど……何かしたいんだ」

ほむら「ええと!その気持ちは嬉しいんですけど……そのことは私達に任せて待っていてくれませんか?」

ほむら「きっと少しは今までよりお洒落に、綺麗になってきますから。……その姿を見せたいんです」

ほむら「その代わり、【貴方】くんには撮影の練習に付き合ってほしいんです」

ほむら「多分何枚も付き合ってもらうことになると思うけど、他の人に撮ってもらうよりも緊張しないで済むと思うから」

貴方「……わかった。それが俺のできることだもんな」


 暁美さんがそう言うのならそっちは本人を含む女子たちに任せようか。



貴方「準備期間は今週までか〜……」

ほむら「それまでに身だしなみの勉強をして、服を揃えて、写真写りも磨いて…………できますかね?」

貴方「きっとなんとかなるさ。暁美さんなら」



 それに、俺も少し楽しみになってきた。

 ……そうだ。暁美さんも頑張るなら、こっちも撮影の技術も上げる努力をしたほうがいいか?



 暁美さんを勇気づける言葉をかけて、少しの間関係ない雑談もしたりして、それぞれの家に帰って行った。



――――
――――
【貴方】 11日目終了


★ほむらルート★

304 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/04(月) 23:38:41.99 ID:7Br4to2S0


 ――――それから、放課後には写真部らしく部活にも精を出して、

 今まで本格的にはやることのなかった撮影にも力を入れたりした。

 一人での撮影に出かけるのもいいが、なんだかんだでモデルが増えたことで、写真慣れした彼女たちを撮るのは人物を撮る練習になっていた。



――――
――――
13日目 教室



 朝、教室に入ると変化に気づいた。


貴方「あれっ? 暁美さん、眼鏡は?」


 暁美さんはいつも通り美樹たちと一緒にいる。


貴方「コンタクトにしたの?」

ほむら「い、いえ……実は、ちょっと“治療”をしてもらいまして」

貴方「えっ?レーシックってやつ?」

ほむら「え、えっと、そうですね……」

さやか「視力悪いのは生まれつきじゃないわけだし、“怪我してる”ようなもんでしょ?」

貴方「眼鏡も別に悪くないと思ってたけどな……でも、視力悪いのは不便だろうしそのほうがいいか」


 それはかなり驚いたけど。

305 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/04(月) 23:56:33.49 ID:7Br4to2S0


貴方「……眼鏡外したら何も見えないって言ってたもんな」

さやか「それに視力がそれほど悪くないってことは、かけるかかけないか選べるってわけですよ」

貴方「なんでさっきから美樹が偉そうなんだ?」

さやか「い、いや? そんなことないし!」

まどか「ほむらちゃん、肌綺麗になった?」

ほむら「あ、ありがとうございます。昨日塗った化粧水の効果かな……」


 その姿はクラスのみんなにも好評で。暁美さんは慌てたり照れたりしながらも嬉しそうにしていて。

 ……ちょっとだけ遠い存在になったようにも感じた。


ほむら「あの……!今日、撮影の練習に付き合ってくれませんか?」

貴方「! ああ、もちろん」



 それからも一緒に撮影の練習をしたり、一人でカメラの勉強をしてみたり、少ない日数でやれることをやった。

 他の人は、最終日を待たずにもう提出した人もいるらしい。けど他の人は関係ない。こっちはこっちのペースでいい。


 ――――そして、期限の金曜日になる。

306 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/05(火) 00:31:27.58 ID:rKkbiLJU0
放課後



 撮影は私服だから、更衣室として部室の隣の空き教室を貸し切っている。

 この一週間は放課後になると毎日貼り紙をしてあった。

 暁美さんがそこから出てくる。


ほむら「……着替え、終わりました」


 前に見た時の私服はどちらかというとぼんやりとした色で揃えていて大人しめの印象を持ったが、

 今回はシンプルながらもややはっきりとした色合いで構成された服だった。


ほむら「ど、どうですか? 雑誌に書いてあったことを参考にしながら、鹿目さんたちとも相談して選んだんですけど……」

貴方「な、なんか……前見た時とは印象が違ってて驚いちゃった。すごくいいと思う」


 ゆったりとした白色のトップス。裾の両側についた紫のリボンが控え目だがワンポイントになっている。

 ひらひらとしたミニスカートを穿いているが、スカートと同じ色の黒いタイツのおかげで露出は少ない。

 暁美さんの素の容姿の端麗さを活かしつつ上品にまとめられているといった印象だ。


ほむら「あ、ありがとうございます……素直に喜んでいいんですよね? でも、他の人を超せるのかなぁ……」

貴方「他の人、か……」

ほむら「もしかして、他の人の写真ももう見てる……?」

貴方「一応出てるのは見たよ。うん、まあ……綺麗だった。そういや中には胸元開いた服で釣ろうとしてるのもあったなあ……」

ほむら「や、やっぱり、私なんかじゃダメですかね!? ずん胴に見えないようにゆったりとしたものを選んだんですけど」

貴方「いや、色気やスタイルも長所ではあるけどそれだけで決まるわけじゃないと思うよ?」
307 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/05(火) 01:19:46.94 ID:rKkbiLJU0

 この時間だけは化粧も許されているし、してないモデルも少ない。

 暁美さんも薄くメイクを済ませているようで、普段よりもやや血色がよく見えている。きっとこれも練習したんだろう。


 今まで見た中でも一番といってもいいくらい、暁美さんは間違いなく綺麗だ。短い期間ではあるけど努力したのも知ってる。

 ……でも、他の人と比べてやっぱりなにかが足りない気がしていた。


ほむら「そ、そう……ですよね。もう撮影に行きますか?」

貴方「……ちょっと待って」

ほむら「ど、どこかおかしいですか……? それとも、カメラのほうで何か調整が必要とか……?」

貴方「いや、足りないのは外見じゃなくて」

貴方「暁美さんは最初の頃からすればすごく自信がついたと思う。でも、まだあともう少し自信を持ったほうがいいと思うんだ」


 他の人は自分を綺麗だと思っている。暁美さんと他の人との違いはそこだった。

 それは一歩間違えれば自意識過剰なとこもあるかもしれないけど……身に纏うオーラというか、その違いが見る人にも影響を与えることは確かだ。


貴方「だから、撮影する前に……自分は一番綺麗だって自信を持ってほしい」

貴方「撮って暁美さんが気に入らなかったら何回でも撮りなおすし、もっとこうしてくれっていう注文があればその通りにするよ」

貴方「暁美さんの控え目なところは素敵な個性だと思ってる。でももう少し堂々としていいんだよ」

ほむら「【貴方】くん……」

貴方「まずは……そうだな。敬語、やめてみない?クラスメイトだし、俺たちはただの友達――以上だと思ってるよ」


 その上は『親友』だろうか。

 暁美さんにとって鹿目さんは親友だ。それと同じ……? それとも、『友達以上恋人未満』ってヤツを指したのだろうか。


貴方「あ、無理にとは言わないけどね!?」

ほむら「……うん。うん、今だけはちょっと張り切ってみる!」



 無理なお願いをしてしまったかと心配になったが、暁美さんはいつになく強い口調で返してくれた。

 ……勇気づけることができたのかな。


 これで準備は整った。もう足りないものはないはずだ。胸を張って撮影に向かおう。

308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/11/05(火) 01:28:30.04 ID:lggZ3UdJ0
なかなかの殺し文句をさらりといってますねぇw
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/05(火) 01:29:07.80 ID:yoakWvuZ0
これもう告白だろ
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/11/05(火) 01:36:38.79 ID:lggZ3UdJ0
外見はクーほむに近くても中身はメガほむだからなぁ
張り切るのはいいが右手と右足が同時に出てたりしてw
311 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/11/07(木) 22:04:20.03 ID:rH+rV0y40


*「あの子すごい綺麗」

*「あれってこの前の表紙の子じゃない?」

*「実際に見たほうが迫力あるね」


 廊下を歩くと、周りの人たちが暁美さんを見て話していた。

 普段だったらこんなことからでも不安になって縮こまってしまうだろう。でも、今は違った。


ほむら(大丈夫。きっと悪いことは言われてない)

ほむら(みんなも協力してくれて頑張ったんだもの)


 背筋を伸ばし、表情を変えずに行く。

 周りの目もカメラのレンズも敵じゃない。そう思えるようになったら自然と堂々としていられたようだった。



ほむら「――――き、緊張したぁ…………」

貴方「お疲れ様」


 ――――更衣室から、今度は見慣れた制服姿で出てくる。

 撮影を終えて服を着替えると一気に力が抜けたようだった。撮影の間の隙を無くした雰囲気とは大違い。

 素が綺麗なだけあって、そういう人は堂々と振舞っているだけでも迫力がある。


貴方「暁美さん、やっぱ堂々としてるとすごいね。別人みたいだった」

ほむら「そ、そうですか……?」

貴方「着替えてる間にも写真見てたけど、良いのいっぱいあってどれを出そうか迷うな」

貴方「納得できる写真はいくつかあるって言ってたけど、本当に出すのは俺が選んでいいの?」

ほむら「はい。私のこと一番見てくれてるのは【貴方】くんだと思うから……」


 しかし、気が抜けたと同時に敬語まで戻ってしまったのは少し残念。


貴方「……ところで、ため口もさっきだけで終わり?」

ほむら「あっ、本当だ……!」



 もう一度撮った写真を見返す。どれを選ぼうかな。

1微笑を浮かべた写真
2にっこりと笑った写真
3凛とした表情の写真

 下2レス
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/07(木) 22:07:53.24 ID:JNoQK98/0
2
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/11/07(木) 22:22:16.64 ID:DyjVGG950
2
314 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/11/07(木) 22:51:34.52 ID:o7BPHNZ40
落差が可愛いな
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