【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―7―

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243 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/12/24(木) 18:59:12.10 ID:01mrACZZ0
「捕まえたの!」
「わっ! ピ、ピエリさん、脅かさないでくださいよ」
「そうなの、ピエリなの。こんなに早く来てくれるなんて、ピエリとっても嬉しいの!」

 ピエリの腕の中に収まったリリスをもっとぎゅうぎゅうすると、だんだんぽかぽかと暖かくなってきた。

「ちょ、ちょっとピエリさん、その、あ、当たってます」
「ぎゅうぎゅうしてるから、体が当たるのは当たり前なのよ」
「いえ、その、体の一部分が問題というか、と、とりあえずもうぎゅうぎゅうは大丈夫ですから」

 しぶしぶ離すとリリスはこちらを向いてくれた。なんだか顔が少し赤くなっていた。寒い外にいたからだと思う。視線をゆっくりと下ろすと手には小物入れがあって、そこからひょっこりとリボンが見えた。ピエリのお気に入りのリボンと同じ柄だからすぐに目に入った。

「リリス、それって」
「はい、例のものですよ」
「これで完成なの。リリス、早くピエリの部屋に行くのよ!」

 リリスの手を握って階段へと駆け出す。握った手は最初冷たかったけど、少ししたら暖かくなっていった。

「ピエリさんの手、暖かいです」
「リリスは外にいたんだから手が冷たくて当然なの。ピエリがいっぱい温めてあげるの。ぎゅーっなの!」
「ふふっ、ありがとうございます、ピエリさん」

 さらに暖かくなった手を強く握って、ピエリは部屋に戻った。
244 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/12/24(木) 19:02:52.09 ID:01mrACZZ0
 部屋に戻ると、リリスが来たという言葉を聞いた使用人がすでにドレスの最終チェックの下準備を済ませて待ってくれていた。今日の衣装にはある物が必要で、それを今日のパーティー開始前にリリスが届けてくれる手筈になっていたのだ。

「えへへ、これでドレスが完成なの。リリス、持ってきてくれてありがとうなの」
「いえいえ、出来れば昨日届ける事が出来てば良かったのですけど」
「ううん、今日間に合ったからとっても良かったの。それじゃ、それを貸してほしいの」
「はい」

 リリスは小物入れの中から箱を取り出して、ピエリに差し出して来る。でも、それはリボンが付いた箱じゃなかった。それが予想外で、ちょっとだけ固まった。

「はい、ピエリさん。まずは開けて中身を確認してみてください」
「う、うん」

 受け取った箱を開けると、ドレスに着ける赤と青の宝石をあしらったブローチが入っている。ピエリの青い髪の色とピエリの好きな色が揃ったこれが、特製ドレスの最後の装飾品だからだ。

「これで間違いないの。リリス、ありがとうなの」
「どういたしまして、間に合って良かったです」

 必要な物を受け取った。でも、だからこそ、未だに小物入れに残っている箱が気になって仕方なかった。

「え、えっと、リリス。そっちの箱はなんなの?」
「決まっています、ピエリさんへのプレゼントですよ。皆さんも色々なプレゼントを用意しているみたいですから、中々悩みました」

 その言葉になんだかとてもうれしくなる。

「ありがとうなの」

 そして手を差し出す。だけど、いつまでたっても小物入れから箱が出てこなかった。

「……今くれないの?」
「駄目です。これは他の皆さんが揃った時にお渡しします。私だけ抜け駆けするわけにはいきません」
「いいの。ピエリがいいって言ってるから今すぐ渡すのよ!」
「いいえ、こればっかりは駄目です」
「むー、リリスのケチ!」
「私がケチなのではなくて、ピエリさんが我侭なだけですよ」

 そう言い返して来るリリスを見ながらも、そのきちんと用意された箱の中身がピエリへの贈り物だとわかってとても満足だった。頼まれた荷物を運んでリリスはすぐに帰っちゃうかもしれないと思っていたから。だから、それだけで今は十分だって思えた。
245 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/12/24(木) 19:04:56.55 ID:01mrACZZ0
「わかったの。今は我慢するの」
「えらいですよ。ピエリさん」
「子ども扱いしないでなの」
「ふふっ、安心してください。時間が来たらきちんとお渡ししますから」
「もう、リリスは融通が利かないの」
「よく言われます。でも、やっぱりこういうのはみんなで一斉に渡したい物なんですよ」

 そう言ってリリスは柔らかい笑顔を浮かべて、ピエリのことを見つめる。

「誕生日っていうのはみんなで一緒にお祝いしたいじゃないですか。特に一番大好きな友達の誕生日っていうのは」

 そう恥ずかしげもなく伝えてくるリリスになんだか恥ずかしくなる。

「そういうわけですから、プレゼントはその時間までお預けです」
「わかったの。でも、待たせた分だけプレゼントには期待しちゃうから覚悟するのよ」
「うーん、そう言われると中々にプレッシャーが掛かりますね」
「えへへー、どんなものが飛び出すのか楽しみにしてるの」

 そうして、ピエリはリリスを連れて自室を出ることにする。ブローチの取り付けは使用人がやってくれるし、このドレスに身を包むのは、恐らくリリスのいうその時間になるはずだからだ。

「あ、そうでした」

 突然リリスが立ち止まる。なにかあるのかなって振り返るとリリスは嬉しそうに笑みを浮かべた。

「ピエリさん、お誕生日おめでとうございます」

 ピエリだけに向けられたお祝いの言葉、それは確かにピエリの中に届いた。

「うん、ありがとうなの」

 足取り軽く、ピエリはその時間が来るのを楽しみに待つことにする。
 いっぱいいっぱいのプレゼントと、いっぱいいっぱいの言葉が待ってるその時間を。

     ―終わり―
246 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/12/24(木) 19:10:24.71 ID:01mrACZZ0
今日はこれだけ
 
 リリスや他の仲間たちと一緒に楽しい誕生日、ピエリお誕生日おめでとう!
247 : ◆OrJMce4ivfbv [sage saga]:2021/01/20(水) 21:54:06.90 ID:XBaJ3Bkz0
◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・渓谷出口の村『中央区・東側魔道砲台周辺・左側』―

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「はぁはぁ……ぐぅ、うううっ……」

旧暗夜軍ブレイブヒーロー(ちっ、仕留め損ねた上にこの様とはな……)

 ポタタタタッ

旧暗夜軍ブレイブヒーロー(左腕はもう使い物にならない。だが、向こうも無事というわけではない。あと一息で殺せるはずだ……)

 チャキッ

ルーナ「はぁはぁ……」ポタタッ

ルーナ(っ、結構深く入ってる。一緒に来てくれたみんなが奮戦してくれてるおかげで、どうにか持ちこたえられてる。でも、ジェネラルが結構やられちゃってるから、そろそろやばいわね)

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「どうした観念する気にでもなったか?」

ルーナ「そんな気さらさらないわ。むしろあんたを倒してこの状況、ひっくり返すつもり満々なんだから」チャキッ

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「そうか。ならば、ひっくり返す暇など与えずこのまま潰してくれる!」ダッ

ルーナ「!」ダッ

 ガキィンッ!

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「っ!」

ルーナ「っ!!!!」

ルーナ(さすがに重い。片腕が使えなくてもこの重量の差は馬鹿にできないか)

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「どうした! ひっくり返して見せるという威勢の良さはどこへ行った!」ブンッ

 キィンッ

ルーナ「今から見せてやるんだから!!!」ググッ

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「ふん、そんなものを見る義理はないのでな、このまま死ね!!!」グッ

ルーナ(剣を振り上げた、なら、ここで仕掛ける!)ダッ!
248 : ◆OrJMce4ivfbv [sage saga]:2021/01/20(水) 22:00:26.74 ID:XBaJ3Bkz0
旧暗夜軍ブレイブヒーロー「はあああっ!」ブンッ

  ドスッ!

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「なにっ!?」

旧暗夜軍ブレイブヒーロー(くそっ、狙いが逸れて剣が地面に!)ググッ

ルーナ(このチャンス逃さないわよ!)ダッ

旧暗夜軍ブレイブヒーロー(側面に回り込むつもりか。こちらの左手が動かないからと攻撃を仕掛けるつもりだろうが、その程度予想していた)

 チャキンッ

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「捉えたぞ!」グッ

旧暗夜軍ブレイブヒーロー(剣が地面に刺さったのは予想外だったが、それでもこちらの方が先だ)

 チャキッ

旧暗夜ブレイブヒーロー(勝った。私はこの先もあいつの戦う意味を見守り続けられる。そうだ、お前を殺し私はあいつを――)

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「はあああああっ!」ブンッ

ルーナ「!」ダッ!



 ザシュンンッ‼‼‼‼‼
249 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2021/01/20(水) 22:03:16.61 ID:XBaJ3Bkz0
今日はここまで
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/02/06(土) 02:12:23.74 ID:jyOmvaICo
乙でした ルーナの力成長率はマジで低かった
251 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2021/02/16(火) 21:31:11.50 ID:FLGSVjCI0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

旧暗夜軍ブレイブヒーロー(自分のために戦うことこそが私の戦う意味だった。何よりもそれ以外にしたいことなど見つかりもしなかったし、望むものもなかった)

旧暗夜軍ブレイブヒーロー(ましてや誰かのために戦うということを理解することなどできなかった。それは対象が祖国になって同じことだ。私にとって暗夜王国は所属している国以外の意味は持っていない、暗夜王国の勝利のために戦うという考えなどなかった。だからこそ、テンジン砦での敗北の一件そのものに私は何も思うことなどなかったのだ)

旧暗夜軍ブレイブヒーロー(テンジン砦で多くの仲間が命を落としたことも、新生暗夜軍が無限渓谷に防衛線を築き始めたという話も、それがどうしたというくらいのものだった。そして、気づいたころには離反する兵士たちも増えた。旗色は確実に悪くなっていたからこそ、多くの兵士は負ける戦いに身を置くことをやめ、静かに消えていった)

旧暗夜軍ブレイブヒーロー(本当なら私もその一人になっていたはずだった。なにせ、この戦いで得られるものなどもう何もないと理解していたからだ)

旧暗夜軍ブレイブヒーロー(なのに、そんな場所でこうして死にかけながらも戦っている。無様に息を切らせて、満身創痍になりながらも戦っているのは、同じ戦場で戦うあいつがいるからだ)
252 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2021/02/16(火) 21:32:51.34 ID:FLGSVjCI0

旧暗夜軍ブレイブヒーロー(思い返せば、あいつは猫かぶりな女だった)

旧暗夜軍ブレイブヒーロー(初めてテンジン砦でともに行動した時のあいつは馬鹿真面目な兵士だった。それはランサーが共に過ごしてきた隊はとてもまじめな者たちの集まりだったこともあってああいう馬鹿みたいにまじめな兵士であったのだと思うし、それがあいつにとっては仲間と育んだものだったのかもしれない)

旧暗夜軍ブレイブヒーロー(それをテンジン砦の一件は崩していった。真面目な兵士の下にいたのは在り方を無くした一人の女、暗夜のために戦うという仲間との誓いだけがしか残らなかった女だけだ)

旧暗夜軍ブレイブヒーロー(そこで放っておけばよかった。関係ないと何も言わずに立ち去ればよかった。戦場で多くの仲間を失うことなど珍しいことではないのだから)

旧暗夜軍ブレイブヒーロー(だというのに……支えたい、そう思ってしまったのだ……)

旧暗夜軍ブレイブヒーロー(縋るために何かを求める女を支える。そんな何の足しにもならないことを私は選んだ)

旧暗夜軍ブレイブヒーロー(この女の傍にいよう、支えてみよう、そう思っていた)

旧暗夜軍ブレイブヒーロー(……だが、そうではなかったのだな)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
253 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2021/02/16(火) 21:34:55.97 ID:FLGSVjCI0
旧暗夜軍ブレイブヒーロー「……」

ルーナ「……」

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「……っ」ポタッ ポタタタッ

ルーナ「……」チャキッ

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「……ああ」

旧暗夜軍ブレイブヒーロー(まったく、もう少し早くに気づけばよかった……)

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「ランサー……」

旧暗夜軍ブレイブヒーロー(単純なことだというのに、自分のこととなるとわからないものだ。そして、それに気づくのがこんな時だというのも、なんとも愚かなことだ……)

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「は……、はは……」

旧暗夜軍ブレイブヒーロー(本当は、私がお前に傍にいてほしいと……)

 カランッ……
  ドサリッ……

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「」
254 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2021/02/16(火) 21:37:42.59 ID:FLGSVjCI0
今日はここまで

 いろいろと更新が遅くて申し訳ないです
255 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2021/03/14(日) 10:26:19.11 ID:S4z9fDAI0
ルーナ「……はぁ……はぁ……、なんとか勝てた……」

ルーナ(あそこで踏み込んでなかったらこっちが倒れてた。本当、紙一重ね)

ルーナ「次に行かないと……っ!!!!」ズキンッ

ルーナ(っ、思ってた以上に体中が痛い。なんでもいいから痛みを和らげないとまともに動けないじゃないの)

ルーナ「ん?」

 タタタタタッ

旧暗夜軍兵士「た、隊長! 貴様、よくも隊長を‼‼‼」チャキンッ

ルーナ「ちっ、こんな時に!」スッ

旧暗夜軍兵士「取らせるか!」ブンッ

 ガキィンッ
  カランカランッッ

ルーナ「しまった!」
256 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2021/03/14(日) 10:29:30.42 ID:S4z9fDAI0
旧暗夜軍兵士「隊長の仇だ、死ね!」グッ

ルーナ「お断りよ!」グッ

 ドゴンッ

旧暗夜軍兵士「がっ!」

ルーナ(ううっ、蹴りするだけでもめちゃくちゃ痛いけどなんとかなった。今のうちに剣を!)ググッ
 
 ズキンッ‼‼‼

ルーナ「っ!」

ルーナ(ううっ、剣まであと少し――)ググッ

旧暗夜軍兵士「させるか!!」ダッ

ルーナ「この、届けぇ……」フルフル

 チャキッ

ルーナ(届いた!)

ルーナ「これで!」スッ

旧暗夜軍兵士「こちらが先だ、死ね!」ブンッ

 ザシュンッ‼‼‼
257 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2021/03/14(日) 10:35:30.91 ID:S4z9fDAI0
 ポタッ ポタタタッ

旧暗夜軍兵士「……は? なんだこれ……どうして、斧が刺さって……」ポタタタッ

ルーナ(え、なに何が起きて……)

 タタタタタッ

シャーロッテ「おい、何ボケっとしてんだよ! 死にたいわけ!?」

ルーナ「!」

旧暗夜軍兵士「っ、しねえ」グッ

ルーナ「はああああっ!」ブンッ

 ザシュリッ

旧暗夜軍兵士「がっ」ドササッ

ルーナ「はぁはぁ………本当、タイミングばっちりね。狙ってたみたいだわ」

シャーロッテ「おい、こっちはとっさに助けたっていうのにそれはないだろ」

ルーナ「ごめんごめん、助かったわシャーロッテ」

シャーロッテ「最初から素直にそう言えっての。それで大丈夫?」

ルーナ「体中、どこもかしこも痛くて最悪よ」

シャーロッテ「そう、ならこれ使いなさい」ポイッ

ルーナ「ん、これって治療薬?」

シャーロッテ「そう、サクラ様からあんた宛にね。負傷してるかもしれないからってね」

ルーナ「さすがサクラ様ね、助かったわ」ピチャピチャッ
258 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2021/03/14(日) 10:37:36.33 ID:S4z9fDAI0
ルーナ「それで、あんたがこっちに来てるってことは中央は問題ないってこと?」

シャーロッテ「問題ないわ。重装部隊も追いついたし、敵は右翼の攻撃に集中してるみたいだからね。こっちは、結構やられたみたいだけど」

ルーナ「本当にね、半数はやられたわ」

シャーロッテ「半数ね。まぁ、半分残ってれば何とかなるわ。これからあの魔道砲台を奪いに行くわ」

ルーナ「それが次の作戦ってことね」

シャーロッテ「そういうことだけど、何か思うことはないわけ?」

ルーナ「別に、こうやって敵の指揮官を一人倒して準備は済んでるんだから、その作戦に何の不満も意見もないだけだし、この作戦サクラ様の案でしょう?」

シャーロッテ「そうだけど、なんでわかるのよ」

ルーナ「いや、こんな作戦あんたは考えないでしょ?」

シャーロッテ「そうだけど、なんかむかつくわその言い方。なら話は早いわ、さっさと片付けに行くわよ」

ルーナ「ええ。ところで一応聞いておくけど、サクラ様は?」

シャーロッテ「右翼の敵を限界まで引きつけるって」

ルーナ「そう……。こっちに合流してもいいっていうのに、本当に頑固っていうかあたしたちのこと信じてくれてるっていうか」

シャーロッテ「ふふっ、怒るに怒れないっていうのはこういうことかもしれないわね」

ルーナ「まったく、その通りだわ」

 チャキッ

シャーロッテ「こっちの部隊はもう準備が整ってるから、あとはルーナの準備だけよ」

ルーナ「大丈夫、あたしも準備万端よ」

シャーロッテ「よし、行くわよ」

ルーナ「ええ」

ルーナ(こっちが砲台を抑えるまでなんとか耐えてよね、サクラ様)

 タタタタタタッ
259 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2021/03/14(日) 10:54:08.22 ID:S4z9fDAI0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

サクラ「はい、これでもう大丈夫です」

新生暗夜軍兵士「ありがとうございます、サクラ様」タタタタッ

リンカ「どうにか治療も間に合ったみたいだな」

サクラ「ええ、どうにか間に合ってよかったです」

リンカ「しかし、本当によかったのか? あたしたちも合流してもよかったと思ったが……」

サクラ「いいえ、私たちまで合流したら戦力方ですし、シャーロッテさんとルーナさんのお二人ならきっと成し遂げてくれるって信じてますから」

リンカ「ふっ、そうか」

サクラ「はい、だから私たちは二人が成し遂げてくれるその時まで耐え抜くだけです」チャキッ

リンカ「ああ、その通りだ。サクラ、今度はきちんと周囲に気を配ってお前を守るよ。同じ失態をしてシャーロッテにどやされたくないからな」

サクラ「ふふ、よろしくお願いします」タッ

新生暗夜軍兵士「サクラ様、敵は攻勢をかけてくるつもりのようです」

サクラ「わかりました。このまま、敵を引き付けて機を待ちます。だから、その時まで耐えてください。その時が来れば、私たちの勝ちです!」

新生暗夜軍兵士一同『おーーーっ!』



 ザッザッザッ

旧暗夜軍兵士「敵の士気、衰える気配がありません」

旧暗夜軍ランサー女「構わないよ。叩き潰してしまえばいいだけのことなんだ。どうせ、すぐにブレイブの部隊が側面にやってくる。挟み撃ちにして終わりだよ。それでブレイブの方はどうなってる?」

旧暗夜軍兵士「それが、出した伝令は帰ってきていません。かなり乱戦の様相なので、戻るのに手間取っているのかもしれません」

旧暗夜軍ランサー女「まあいい、あいつが来るよりも先に私があいつを仕留めるだけのことだからね」

旧暗夜軍ランサー女(邪魔が入ったけど、今度はそんな邪魔はさせないし、邪魔ができる隙なんて与えるつもりもない。さっさと殺して、手柄をブレイブに見せつけつけるんだ。そしたら……そしたら?)

旧暗夜軍ランサー女「……」

旧暗夜軍兵士「副隊長?」

旧暗夜軍ランサー女「なんでもない。さぁ、一気にせめて奴らの壁に大きな穴をあけてやるんだ!」

旧暗夜軍兵士一同『おーーーーっ!』

旧暗夜軍ランサー女「これで終わりだ、全員進めぇ‼‼‼」グッ ブンッ!

 ドドドドドドドドッ!
260 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2021/03/14(日) 10:54:42.42 ID:S4z9fDAI0
今日はここまで
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/14(日) 11:24:40.39 ID:ZjCJnGMVO

次回も期待してます
262 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2021/04/13(火) 23:37:56.17 ID:eAzDdIPj0
◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・渓谷出口の村『中央区・東部』―

旧暗夜軍兵士「はあああっ!!!」ダッ
 
 ザシュンッ???

新生暗夜軍兵士「が、くそぉ……」ドサッ

旧暗夜軍兵士「よし、ここをこのまま切り崩せば!」
 
リンカ「させるか! はあああああっ!!!」バサバサッ

旧暗夜軍兵士「なに!?」チャッ

リンカ「遅い、くらえ!」グッ ブンッ???

 ドゴンッ!

旧暗夜軍兵士「っ、ぐあああぁぁぁ!」ズササーッ

リンカ「はぁはぁ……。何とか間に合ったか」
 
新生暗夜軍重装兵A「助かりましたリンカ様。ここは我々に任せてほかの援護に向かってください。すぐに隊列の穴を塞げ、敵に付け入る隙を与えないようにするんだ!」

新生暗夜軍兵士「はっ!」タタタタタッ

新生暗夜軍重装兵B「敵、側面に展開しています。端の援護に回れ!」

新生暗夜軍兵士「わかりました!」タタタタタッ

リンカ「くそ、敵が勢い付いてやがる」

リンカ(このままじゃ、包囲されて潰されるのも時間の問題だ……)
263 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2021/05/10(月) 20:50:09.20 ID:hDhY8y3t0
サクラ「リンカさん、大丈夫ですか?」

リンカ「ああ、なんとかな。ただ、敵の攻撃は激しくなっている。次はどうなるかわからないぞ」

サクラ「はい、このままだといずれ崩され分断されかねません。どうにかしないと……」

リンカ「ちっ、一度上に上がって敵の動きを見るしかないか。こっちがあいつらに唯一対抗できる手段ってなるとそれくらいしかないからな」

サクラ「すみません、お願いします」

リンカ「ああ、一度確認したら降りてくるよ」グッ

サクラ「はい、わかりました!」

 ヒヒーンッ
  バサバサッ

リンカ「さてと……」

リンカ(……ちっ、こっちを囲むように展開してやがる。後ろの奴らはどうだ?)

 ドドドドドドッ
 
リンカ(こっちの側面に向かっているのが殆どだが、中央にも少なからず残ってる奴らがいるか。この様子だと同時に攻撃を仕掛けるつもりかもしれない……)

リンカ「ちっ、このまま上空に待機してサクラに伝えるしかないか……」

 ヒュンッ!

リンカ「っと!」チャキッ ブンッ
 
 ガキィンッ!
264 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2021/06/07(月) 21:19:10.91 ID:kcFLTn3y0
旧暗夜軍ランサー女「ちっ」チャキッ

リンカ「あんたが狙ってくることくらいは、さすがに予想済みだよ」

サクラ「リンカさん、大丈夫ですか!」

リンカ「あたしは大丈夫だ。それよりも迂回して側面から仕掛けようようとしてる一団がいる。まずはそいつらをどうにかするんだ!」

サクラ「わかりました。リンカさんも一度下に降りてきてください、上にいたらずっと狙われ続けてしまいます」

リンカ「いいや、このまま上で奴らの動きを探り続ける。ここで下がったら二度と上がれない気がするし、なにより」ブンッ
 
 ガキィンッ!

リンカ「あいつにサクラを狙わせるわけにはいかないからな」

サクラ「リンカさん……」

リンカ「そういうわけだから、下のことはサクラに任せたよ」

サクラ「はい!」

 バサバサッ

サクラ(よし、敵は側面から迫っているということでしたね。まずは側面を厚くして、それ以外の敵にも対処できるようにする。なら……)

サクラ「あなた方は左翼の援護に向かってください。残りの皆さんは私と待機して、敵の次に備えます」

新生暗夜軍重装兵C「はっ、わかりました。よし、行くぞ!」

新生暗夜軍兵士たち「はっ!」タタタタタッ

サクラ(必ず防ぎきってみせます!)
265 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2021/07/04(日) 11:53:36.31 ID:FPpWZa2R0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

旧暗夜軍兵士A「っ、副隊長。第一波の攻撃が防がれています。第二波の攻撃も対処されつつあります」

旧暗夜軍ランサー女「わかっている。くそ!!!」チャキッ ブンッ

旧暗夜軍ランサー女(なんでだ、なんで当たらない。さっき、一度は届きかけたんだ。なら、次もきっと届くはずだ。届くはずなのに、なんで!)

 ガキィンッ

リンカ「はぁはぁ……まだまだっ!」バサバサッ

旧暗夜軍ランサー女「くそっ!」

旧暗夜軍ランサー女(なんで落ちないんだ。くそ、)

旧暗夜軍兵士B「くそ、砲台の連中は何をしてるんだ。敵の重装兵に対して援護しないばかりか、さっきから沈黙したままで何もしてないぞ」

旧暗夜軍兵士A「まさか砲台はすでに敵の手に落ちているんじゃ……」

旧暗夜軍ランサー女「あるわけない、そんなことあるわけない!」

旧暗夜軍兵士A「副隊長……」
266 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2021/07/04(日) 11:58:56.03 ID:FPpWZa2R0
旧暗夜軍ランサー女(後方の砲台を攻めるにはどこかを突破する必要がある。少数先鋭でというのも考えられなくはない、でもそんな敵の動きに気づかない状況はない。それにこっちの敵は足を止めてるし、ブレイブなら問題なく対処できてるはず。だから、砲台がすでに敵の手に落ちているなんてことあるわけがない!)

旧暗夜軍ランサー女「今は混戦状態で援護ができないだけ、援護できる場所があれば砲台の部隊も動くはず、だから無用な心配はしないでいい」

旧暗夜軍兵士A「は、はい、副隊長。申し訳ありません」

旧暗夜軍ランサー女「それよりも第三波の部隊をに部隊に分けて行動させるわ。上にいるあいつにこっちの動きが筒抜けになってるなら、対処できない攻撃で一気にねじ伏せるだけのこと。あんたたちにそれぞれ指揮を任せるから、左右からそれぞれ奴らの脆そうな場所を強襲しておいて。残りの部隊は私が指揮を執る、それで敵の戦線を崩して終わらせるわ」

旧暗夜軍兵士A「わかりました」タタタッ

旧暗夜軍兵士B「ああ、わかったよ」タタタッ

旧暗夜軍ランサー女(もともとこっちの兵力の方が上なんだから敵全体は包囲できる。敵は第一波の対応に多くの兵力を使って、小出しでこっちの第二波以降に対処しているから、最後の攻撃を突破口にできるこっちに分はある。どんなに向こうがうまく対処しようとしても、最後の最後は兵力差でこっちが勝つのは目に見えているんだからね)

旧暗夜軍ランサー女「ふふっ」

旧暗夜軍ランサー女(そうなればあとは逃げ惑う白夜の王女を殺すだけ、あの小柄な体を切り刻めれば死んだみんなも満足してくれる。そうすればブレイブだって、きっと……)

旧暗夜軍ランサー女(……きっと、安心してくれる……)

  ドドドドドドドッ

旧暗夜軍ランサー女「よし第三波組が動いた。次で最後だよ……白夜の王女」タッ
267 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2021/07/04(日) 12:00:38.43 ID:FPpWZa2R0
今日はこれだけ

 更新滞って申し訳ないです。
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/07/18(日) 19:37:13.26 ID:uPVPg0T4o
乙 
269 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2021/08/01(日) 10:55:01.91 ID:e8hxrXd00
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

新生暗夜軍兵士「サクラ様、敵の第三陣は二手に分かれたようです」

サクラ「はい、二か所を同時に攻めるつもりみたいです。こちらも部隊を分けて対処します。防御陣を築いているこちらの方に分はあるから大丈夫なはずです」

新生暗夜軍兵士「わかりました。お前たちは左翼の敵部隊を、お前たちは右翼だ。残りはここに待機せよ」

新生暗夜軍兵士たち『はっ!』

 タタタタタタタッ

新生暗夜軍兵士「左翼の部隊が接敵、続けて右翼にも敵が近づいていますが、この程度ならば持ちこたえられるはずです」

サクラ「はい、後方の敵の動きはどうなっていますか?」

新生暗夜軍兵士「はい、見た限り集団の形成しているものはありません。敵も三度の襲撃で落ちないこちらを見て動くのをためらっているのかもしれません」

サクラ「そうですか……」

サクラ(リンカさんからも敵の動きについて指示はありません。これなら、なんとか――)
270 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2021/08/01(日) 10:57:20.07 ID:e8hxrXd00
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

旧暗夜軍ランサー女「……どう?」

旧暗夜軍兵士「はい、予想通りに敵は部隊を分けて対処するようです」

旧暗夜軍ランサー女「そう。それで、どっちが薄い?」

旧暗夜軍兵士「目測ですが、右です。この距離なら敵が対処に回るより先に到達できるはずです」

旧暗夜軍ランサー女「わかった。それじゃ、右に向かうよう残りの奴らに合図を出して」

旧暗夜軍兵士「はっ!」チャキッ ググッ パシュンッ!

 キィィィンッ‼‼‼‼

旧暗夜軍ランサー女「ここで、一気にたたき崩す、行くよ!」ダッ

旧暗夜軍兵士「はっ、行くぞ!」

旧暗夜軍兵士たち『おーーーーっ!』
 
 ドドドドドドドドッ
271 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2021/08/27(金) 20:35:52.27 ID:AeJhD3hJ0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

リンカ「なに!?」

リンカ(後方の奴らが動きを変えやがった!)

リンカ「サクラ右だ!!! 奴ら右に向かってるぞ!」

サクラ「え!?」

リンカ「右に残りの敵が雪崩れてやがる。このままだとまずい!」

サクラ「! みなさん、行きましょう!」タッ!

新生暗夜軍兵士「はっ、行くぞ!」

サクラ「はぁ、はぁ!」タタタタッ

サクラ(お願い、間に合って!)

サクラ(あと少し、あと少しで魔道砲台をシャーロッテさんたちが抑えてくれるはず! だから、だから!!!)

 グアアアアアアッ‼‼‼‼

サクラ「!」
272 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2021/08/27(金) 20:40:25.85 ID:AeJhD3hJ0
旧暗夜軍兵士「これでどうだ!」ブンッ

 ズビシャ‼‼

新生暗夜軍兵士「ぐあああっ」ドササッ

新生暗夜軍兵士「っ、く、くそ!!! 数が多すぎる!!! このままでは――」

 タタタッ

旧暗夜軍ランサー女「邪魔だよ」チャキッ ドスンッ

新生暗夜軍兵士「がっ……」ドサリッ

新生暗夜軍重装兵「軽装のものは下がれ、ここは我々が――」

旧暗夜軍ランサー女「今だ!」

旧暗夜軍兵士「はっ!」チャキッ

新生暗夜軍重装兵「っ! アーマーキラーか!?」グッ

旧暗夜軍兵士「遅い!」ダッ ブンッ

 ガキィィィィィンッ! ズビシャアアアッ

新生暗夜軍重装兵「うぐおおおおっ」フラッ

旧暗夜軍ランサー女「死ね」ドスリッ

新生暗夜軍重装兵「……」ガシャンッ

旧暗夜軍ランサー女「ふふっ、ここは崩した。このまま一気に殲滅するよ!」

旧暗夜軍兵士「おおおおおっ!!!」

 ドドドドッ
273 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2021/08/27(金) 20:45:49.95 ID:AeJhD3hJ0
サクラ「……っ」

新生暗夜軍兵士「サクラ様」

サクラ「一刻も早く、皆さんの援護に向かいましょう」

新生暗夜軍兵士「はっ。孤立しかけている味方の援護に入れ! どうにかして戦線を立て直すんだ!」タタタタッ

サクラ(まだ戦いは終わっていません。突破されたことよりも、それをどうにかするために動かないと!)

サクラ「よし」タッ

旧暗夜軍ランサー女「はああっ」ブンッ!

サクラ「っ!!!」サッ

 ドスンッ‼‼‼

旧暗夜軍ランサー女「ちっ、外したか。まぁ、あっさり終わるのも味気ないからいいけどさ」グッ チャキッ

サクラ「あなたは……」

旧暗夜軍ランサー女「白夜の王女、あんたは殺せばみんな喜んでくれる。隊のみんなも、ブレイブもね」チャキッ

サクラ「……」

旧暗夜軍ランサー女「二回も見逃したけど、三度目はもうない。そうだね、無様に命乞いでもしたら、ちょっと考え直してあげてもいいけど。どうかな?」

サクラ「……そんなことはしませんし、私はあなたになんて殺されません」チャキッ

旧暗夜軍ランサー女「ははっ、この状況でも怖がらないんだね。見た目と違って強情で、心底むかつくね」ギリッ
274 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2021/08/27(金) 20:50:28.61 ID:AeJhD3hJ0
サクラ(この人から感じる物。ユキムラさんがカムイ姉様に向けたものと同じもの。きっと、この人も多くのものを失ってしまったのかもしれません)

サクラ(だけど、だとしても私は、そのために命を明け渡すことはできません。多くの人が私に託してくれた思いを無駄にするわけにはいかないから)

旧暗夜軍ランサー女「本当にむかつくよ。これから切り刻まれるのに、震えもしないなんてさ」

サクラ「怯えるわけにはいかないんです」

旧暗夜軍ランサー女「……なに?」

サクラ「この先、私のために命を賭してくれた方々を覚えて生きていくためにも、そしてあなたのその執念にきちんと向き合うためにも。怯えて震えているわけにはいかないんです」

旧暗夜軍ランサー女「……そうかい、なら向き合うついでに死んでよ。そうだけでこっちは満足なんだ。ああ、殺してやるよ、今回は絶対に逃さない」ググッ

サクラ「受けて立ちましょう。白夜王国の人間である私が――」

「あなたのその思いを終わらせてみせます」チャキッ
275 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2021/08/27(金) 20:52:05.65 ID:AeJhD3hJ0
 今回はこれだけ
276 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2021/09/25(土) 13:27:21.20 ID:md9FNWgS0
サクラ「……」

旧暗夜軍ランサー女「……そうかい、終わらせてみせるねぇ。たしかに終わらせられるよ。もちろん――」

 グッ

旧暗夜軍ランサー女「お前が死ぬっていう結果でな!」ダッ

サクラ「!」

旧暗夜軍ランサー女(奴の武器は弓、この距離ならこっちの方が早い!)

旧暗夜軍ランサー女「はあああっ!」ブンッ

サクラ「っ!」サッ

旧暗夜軍ランサー女「逃がすか!」チャキッ ブンッ

 ザシュッ!

サクラ「っ!!!!」タッ
 
旧暗夜軍ランサー女「ほら、どうした白夜の王女、さっきの言葉はどこ行ったんだい?」

サクラ「!」チャキッ

 シュパッ!

旧暗夜軍ランサー女「はっ、その程度!」ブンッ

 カキィンッ!
  カランカランッ

サクラ「はああっ」ググッ

 シュパッ!
  シュパパッ

旧暗夜軍ランサー女「っ」

 キィンカキィンッ

旧暗夜軍ランサー女(次のタイミングで一気に距離を詰めてやる)

サクラ「これで!」チャキッ

旧暗夜軍ランサー女「そこだ!」ダッ!

サクラ「!」パシュッ

 ズビシャッ!

旧暗夜軍ランサー女「っ!」

旧暗夜軍ランサー女(っ、一本もらったけど、この程度なら!)

 ググッ

旧暗夜軍ランサー女(この距離、殺せる)チャキッ ググッ!

旧暗夜軍ランサー女「死ねぇぇぇえええ!」ブンッ‼‼‼‼

サクラ「!」

 ズビシャアアアッ‼‼‼‼


277 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2021/10/17(日) 10:24:12.68 ID:TqeFzA9b0
サクラ「あああっ!!!!」 フラッ

サクラ(っ、だめここで体勢を崩したら!!!)

旧暗夜軍ランサー女「ふん、しぶといね。だけど――」チャキッ

 ドゴンッ

サクラ「きゃああっ!」ドササッ

旧暗夜軍ランサー女「これで終わりだ」ダッ

旧暗夜軍ランサー女(誰かわからないくらいに、その顔をぐちゃぐちゃにしてやる!)

サクラ(まだ、ここで死ぬわけにはいかないんです。私は見届けないといけない。リョウマ兄様やヒノカ姉様、そしてスズメさん達が繋げてくれた未来を見届けること、それを諦めるわけにはいかない)

 グッ

サクラ(いかないんです!)

旧暗夜軍ランサー女「死ねえええ!」スッ

 ブンッ

サクラ「!」サッ

 ズシャリッ

旧暗夜軍ランサー女「!!!!」

旧暗夜軍ランサー女(こいつ、こっちが顔を狙ってるって読んで――)

 チャキッ

サクラ(この距離、外しません!)ググッ

旧暗夜軍ランサー女「っ、この――」スッ

サクラ「……ごめんなさい」

 パシュンッ!

 ドスッ!
278 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2021/11/11(木) 19:52:04.76 ID:kb0nTWaU0
◆◆◆◆◆◆

旧暗夜軍ランサー女「ぐっ、あああああああっ!!!!!」ググッ

旧暗夜軍ランサー女(っ、胸が熱い! っ、なんで、なんでだよ、なんでこうなるんだよ!)

旧暗夜軍ランサー女「ぐ、うあああああっ」ブンッ

サクラ「っ!」タッ

旧暗夜軍ランサー女「っ、くそ、くそくそくそ!!!!」

旧暗夜軍ランサー女(どうして殺させてくれない、白夜の人間の一人や二人どうして殺させてくれないんだ。私には、その機会さえも与えてくれないっていうのか?)

旧暗夜軍ランサー女「っ、ううううっ」ググッ

旧暗夜軍ランサー女(大丈夫、まだ立てる。武器だって握れる、まだ、まだやれる……)

 ポタタタッ

旧暗夜軍ランサー女「はあ…、はあ…、っ、この程度でどうにかなると思ってるなら、大間違いだよ」ズズッ ズズッ

サクラ「……」

旧暗夜軍ランサー女(なんだよ、なんでそんな目をするんだよ。なんでそんな、悲しい顔をする? そうか、そうだよな。先の攻撃でこっちを殺すつもりだったからだ。それがこうして動いてるから……敵わない……って……)ズササッ

 ドサリッ

旧暗夜軍ランサー女「……え?」

旧暗夜軍ランサー女(なんでこっちが倒れてるんだ? 目の前に敵がいるのに何で倒れるんだよ。あと少しでみんなの仇も取れて、あいつにもブレイブにだって安心してもらえるのに、なんでこんな……)

旧暗夜軍ランサー女「……ごふっ」ビチャッ
279 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2021/12/05(日) 13:59:29.75 ID:T32zM8N40
旧暗夜軍ランサー女(くそ、こんな矢の一本、この程度で……)

旧暗夜軍ランサー女「こ、こんなもの、ぐううっ……」グッ

旧暗夜軍ランサー女(こんな程度で諦められるわけがない。こんな、こんなもの……)

 ググッ グッ

旧暗夜軍ランサー女「なんで、なんで……抜けないの……」

旧暗夜軍ランサー女(力が入らない、目の前に殺したい奴がいるのに……。なんで、なんで――)

サクラ「ごめんなさい」

旧暗夜軍ランサー女「?」

旧暗夜軍ランサー女(なんだよ、なんで謝るんだよ。謝るくらいなら今すぐ死んでくれてもいいだろ。私が失った分、少しでもいいから……何か……示せるものを、手に入れさせてよ)

旧暗夜軍ランサー女「ブレイブ……が、安心……できる、何か……かはっ……」ビチャチャッ

旧暗夜軍ランサー女(体が寒い、手が震えて矢を握ってられない……。ああ、死ぬんだ、私はここで……何も示せないまま)

旧暗夜軍ランサー女「う、ううううっ……」ポタ……

旧暗夜軍ランサー女(ブレイブ……私、何も得られなかった……。結局、私は救われただけで、何も返せなかった)

旧暗夜軍ランサー女「ご、めん……よ……」

 クタリッ
  カランッ……

旧暗夜軍ランサー女「」
280 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2022/01/01(土) 12:16:12.59 ID:lkqcOjlS0
サクラ「はぁ……はぁ……、っ」

旧暗夜軍ランサー女「」

サクラ(……)

 バサバサ

リンカ「サクラ!」

サクラ「リンカさん……」

リンカ「くそ、すぐに治療するから一度下がるぞ。誰でもいい援護してくれ!」

新生暗夜王国兵士「はっ、ここは我々に任せてください」

リンカ「ああ、任せた。サクラ歩けるか?」

サクラ「はい、大丈夫です。っ……」

リンカ「すまん、シャーロッテに任されたっていうのに、あたしは肝心な時に……」

サクラ「でもこうして一番に駆けつけてくれたじゃないですか。リンカさんが私のことを助けようとしてくれているのはわかってますから」

リンカ「だが――」

サクラ「ふふっ」

リンカ「な、何で笑うんだ」

サクラ「いいえ、リンカさんは頑固だなーって思って」

リンカ「……サクラも同じくらい頑固だと思うけどな」

サクラ「ふふっ、そうかもしれませんね」

リンカ「急いで駆け付けたっていうのに、まったく」

 ザッ ザッ

リンカ「とりあえずあれだ、無事でよかった」

サクラ「はい、リンカさん」
281 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2022/01/23(日) 12:28:04.70 ID:NhP3hUch0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・渓谷出口の村『中央区・東部』―

旧暗夜軍兵A「おい、副隊長はどうした!?」

旧暗夜軍兵B「左翼からの敵陣に入ってから姿を見ていない」

旧暗夜軍兵A「どうするんだ!? このまま押し合いへし合いしてても落とせるわけない!」

旧暗夜軍兵C「くそ、後方の砲台班は何をやってるんだ!? もう敵陣は射程に入ってるのになぜ援護しない!?」

旧暗夜軍兵A「ん、ちょっとまて」

 シュオオオオオオンッ

旧暗夜軍兵A「砲台に動きがあるぞ。敵はさすがにこの逃れるような回避行動はとれないはずだ。魔道砲台の援護射撃に合わせて一気に打ち崩す」

旧暗夜軍兵A(よし、そのまま敵陣をなぎ倒して―――)

 ヒュオオオオオオオオッ ドゴオオオオンッ

旧暗夜軍兵B「はっ?」

旧暗夜軍兵C「馬鹿、目測を誤ってどうるするんだ!? そっちには誰もいないからよかったものの、もしも部隊がいたら――」

旧暗夜軍兵A「………まて、なんだあれは?」

旧暗夜軍兵A(あれは狼煙? 狼煙の合図など聞いていない。あれは一体……)

 シュオオオオオンッ

旧暗夜軍兵C「また発射準備に入ってるが、あの狼煙はなんだ!?」

旧暗夜軍兵B「っ、おい、敵がこちらを圧し始めてるぞ!?」

旧暗夜軍兵A「なに!?」

旧暗夜軍兵C「お、おい。どういうことだ!? 今さっきまで攻勢に出られるような素振りなんてなかったはずだ。砲台のことが見えてないのか?」

旧暗夜軍兵A「……ま、まさか……」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
―白夜王国・渓谷出口の村『中央区・東部』魔道砲台―

ルーナ「威嚇射撃はこれで終わり、次からは直接狙っていいわ」

新生暗夜軍兵A「はっ」

シャーロッテ「これで敵を撤退させればこっちの勝ちね」

ルーナ「ええ、だけどまだ戦いは終わってないから気を抜かないで行くわよ。なにせ、敵本陣はまだ生きてるんだからさ」

シャーロッテ「そうね。でもまずはサクラ様の援護からしないと」

ルーナ「ええ、かなり待たせちゃったからね。まずはサクラ様の救出に向かうわ」

シャーロッテ「わかったわ。数名を防衛に残して。残りはサクラ様を助けに行くわよ」

新生暗夜軍兵たち『はっ!』

 シュオオオオオオッ

新生暗夜軍兵A「準備整いました」

ルーナ「いいわ、始めちゃって!」

新生暗夜軍兵A「了解、砲撃開始します!」シュオンッ

 ゴオオオオオオッ!

ルーナ(東部はこれで抑えられた。あとは敵の心臓部―――)

(中央部の戦いがどう動いていくのか、それ次第ね……)
282 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2022/02/21(月) 19:56:08.64 ID:7goda/Av0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・渓谷出口の村『中央区』―
 
 パカラパカラッ!

マークス「はああああっ!」チャキッ

 ブンッ

マクベス「ふん、そこです」シュオンッ

 ヒュオオオッ

マークス(この風の流れ、まずい!)

マークス「はああっ!」ググッ‼‼‼

 ヒヒーンッ! ダッ

マクベス「エクスカリバー!!!!!」

 ヒュオオオオオオッ‼‼‼‼

マークス「っ、うおおおおおおっ」

 パカラパカラッ!

マクベス「ふん、逃げ切られましたか。さすがはマークス王子だ」

マークス「……マクベス」

マクベス「ですが、次は避けられますかな?」パラパラパラッ

マークス(っ、マクベスめ、予想以上の攻勢だ。ここまでの力を持っているとはな。だが――)

マークス「避けるか、それは貴様の方だ!」チャキッ シュオンッ

 バシュンッ!

マクベス「!」サッ

 タタタタタッ

マークス「逃がさん!」シュオンッ

 バシュ! バシッ! ヒュオンッ!

マークス(このままジークフリートで追い込めば!)

マクベス「追い込まれるつもりはありませんよ、マークス王子」ググッ

 ダッ‼‼‼

マークス「!?」

マークス(距離を詰めるか、マクベス!)チャキッ ググッ

マクベス「今です!!!」

 ザザッ

旧暗夜軍ソーサラー「いけっ、ここでマークス王子を仕留めろ!」

マークス(敵の援軍!? くっ、これが奴の狙いか)

マクベス(マークス王子、あなたは少し素直すぎます。それはある種人を惹きつけるものかもしれませんが、同時に付け入る隙でもあるのです)

マクベス「さぁ、どう動きます、マークス王子……」シュオンッ
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/21(月) 21:08:20.04 ID:KfenuVEbo
マークスww
284 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2022/03/20(日) 09:55:30.80 ID:E5c2lRbW0
旧暗夜軍ソーサラー「この機会、絶対に逃すな。この孤立してる今が最大の勝機、マクベス様からの援護もある。行くぞ!」

旧暗夜軍兵士A「うおおおおっ!」タタタタッ

マークス「……」

マークス(マクベスがこうして私の前に現れた時点で、私を孤立させる算段をしていたことを考慮すべきだったな。だが、それが歩みを止める理由になどなりはしない)

マークス「そちらが策を弄するならば、正面からすべて切り捨てるまで。はああああっ!!!」チャキッ

マクベス「ライナロック!」シュオンッ

マークス「!」サッ

 ドゴンッ!

旧暗夜軍兵士A「そこ、もらった!」チャキッ ブンッ!

 ガキィンッ

旧暗夜軍兵士A「っ!」

マークス「狙いはいい、だがその程度で私は倒せんぞ」チャキッ

旧暗夜軍兵士「しまっ――」

マークス「はああっ」ググッ!

旧暗夜軍ソーサラー「させるか。ファイアー!」シュオンッ

マークス「!」キィン ダッ

 ボウッ

旧暗夜軍ソーサラー「未だ、距離を取れ!」

旧暗夜軍兵士A「は、はいっ、すみません」

旧暗夜軍ソーサラー「気にするな、それよりもすぐに仕掛けられるよう息を整えておけ」

マークス「……」

マークス(敵の士気、練度が今までの者たちとは桁違いに高い。……マクベス、これほどまでの者たちを従えているとはな)
285 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2022/04/17(日) 18:23:17.36 ID:5777HfI00
マークス(いや、この者たちが優れているだけではない。戦う意味、その力量、あらゆるものが異なる者たちをまとめ導く力があるからこそ……)

マークス「……父上はお前を軍師の席に置いていたのだろうな」チャキッ

マークス(……今ここにいるすべての敵は父上が育て上げてきた暗夜王国、その理想なのかもしれん)

マークス「だからこそ、越えねばならん。父上と異なる道を歩む以上」ダッ

旧暗夜軍ソーサラー「ライトニング!」シュオンッ

 バシュンッ! バシュンッ!

マークス(おそらく、奴の攻撃はこちらをキルゾーンに誘い込むためのもの。ならば――)ググッ

旧暗夜軍ソーサラー「今だ!」

旧暗夜軍兵士A「はい、これで!!!」チャキッ

旧暗夜軍兵士A(このまま槍を投擲して足止め、一気に距離を詰めれば!!!)

旧暗夜軍兵士A「くらえ!」ググッ ビュンッ

マークス「そう来るだろうと、思っていたぞ。はああっ!」ググッ
 
 ズササッ ダッ

旧暗夜軍ソーサラー「なに!」

旧暗夜軍ソーサラー(こちらに向かってきた!? 馬鹿な、まだこちらの放ったライトニングは生きているというのに、死ぬ気か!?)

 バチンッ

マークス「っ!!!」グラッ

旧暗夜軍ソーサラー「自棄になったみたいだな、次で終わりだ」シュオンッ

マークス(一発はもらった、だが――)

マークス「この距離はお前だけの攻撃距離ではないぞ」シュオンッ

旧暗夜軍ソーサラ―「ライトニ――」スッ

マークス「ジークフリート!」

 バシュッ! ズビシャ!!!!

旧暗夜軍ソーサラー「がっ、ぐっ、くそぉ……」ドサッ

286 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2022/05/15(日) 11:26:51.63 ID:EENJIum/0
マークス「はぁ……はぁ……」ポタタタッ

マークス(どうにか凌いだ。だが……)

 タタタタタタッ

旧暗夜軍兵士B「マクベス様!」

旧暗夜軍兵士C「指示をお願いいたします」

マクベス「上出来です。彼らが作ったこのチャンスを逃す手はありません」シュオンッ

旧暗夜軍兵士たち『はい!』

マクベス「あなた方は私の後ろへ、マークス王子の動きは私が止めます。そこを挟撃するのです」

旧暗夜軍兵士B「はっ!」

マクベス「行きますよ」ダッ

 タタタタッ

マクベス(先ほどの我が身を顧みない戦い方には感服いたします。ですが、この状況を覆すにはまだまだ足りませんよ、マークス王子!)

マクベス「ライトニング!」シュオンッ

 バシュンッ! バシュンッ!

マークス「はあっ!」ググッ

 サッ

旧暗夜軍兵士B「そこだ!!!!」チャキッ

 ブンッ

マークス「させん!」チャキッ

 ガキィンッ‼‼‼

旧暗夜軍兵士B「ちっ」サッ

旧暗夜軍兵士C「くらえ!!!」ブンッ

マークス「甘いぞ、はあああっ!」グググッ

 ブンッ ガキィンッ

旧暗夜軍兵士C「うおっ! くそ、届かないか」

マークス「はぁ……はぁ……はぁ……」

マクベス「ここは凌ぎますか、さすがです。ですが……もう長くは持たないようですねぇ、マークス王子」

マークス「……」
287 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2022/05/15(日) 11:28:53.02 ID:EENJIum/0
今回はこれだけ、更新が鈍足過ぎて申し訳ない。

闇リリスが実装されて、最高でした。
288 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2022/06/11(土) 10:50:52.53 ID:/LcD5X4D0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
―渓谷入口の村内部『中央西区域・魔道砲台周辺』―

カザハナ「ライブ! はい、これで大丈夫だよね」シュオンッ

カミラ「ええ、ありがとう。西側の魔道砲台周辺は制圧できたみたいね」

アシュラ「ああ、何とかな。ただ、中央にある弓砲台周辺の防護は厚い。ここにたまってる竜騎兵の動きをけん制してやがる」

ニュクス「魔道砲台で援護したいところだけど射程はぎりぎり敵の弓砲台には届かないわ。きちんと計算しているみたい」

カミラ「さすがに抜け目はないということね」

ニュクス「そうね。ん?」

 タタタタタッ

旧暗夜軍兵士「失礼いたします。他戦線の情報が来ました」

カミラ「聞かせて頂戴」

旧暗夜軍兵士「はっ、中央での戦線は現在拮抗、東側魔道砲台の制圧もほぼ完了しているとのことです」

カミラ「そう、順調みたいね」

ニュクス「ええ、あとは中央の弓砲台を抑えることができれば、敵は下がるしかなくなるはずよ。ここは慎重に動いて弓砲台の制圧に向かうのが得策だと思うけれど

カミラ「確かにそうね、だけど……」

アシュラ「ん、どうした?」

カミラ「……中央の戦線は拮抗しているそうね」

旧暗夜軍兵士「は、そのように聞いております。カムイ様にマークス王子がおりますから」

カミラ「でも、同時に敵の狙いが集中する場所でもあるわけね。マクベスが前に出ていたことを士気の高揚を狙ってのことかと思っていたけれど……そういうことね」

 タッ

カミラ「マクベスはこの戦いの狙いを定めているわ。私たちにとっての暗夜王国を導く人を殺すこと、それが今のマクベスたちの狙い。こちらから攻めている状態だから勘違いしていたわ」

ベルカ「カミラ様?」

カミラ「ここの守備は最低限にして、中央の敵を強襲するわ。敵の戦力が中央に纏まりつつある以上、今マクベスはその狙いを遂行するために動いているはずよ」

ニュクス「敵の狙いはマークス王子……ということね」

カミラ「おそらくね。マクベスの狙いはこちらの殲滅でも、ここを守ることでもない。ただ一点――」

「お兄様を討つことよ」
289 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2022/07/10(日) 12:41:47.85 ID:uOO2z5RW0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◆◆◆◆◆
―渓谷入口の村内部『中央区域・弓砲台周辺』―

旧暗夜軍アドベンチャラ―「それで状況はどうなってんだ?」

旧暗夜軍兵士「はい、西区域の敵にまだ動きはありません、東区域はだんだんとですが押し込まれつつあります」

旧暗夜軍アドベンチャラ―「だとしても東のことは東の奴らに任せるしかねえさ。こっちはこっちで、横やりが入らねえよう戦うだけだ」

旧暗夜軍兵士「はい。マクベス様の策、うまく行くといいのですが」

旧暗夜軍アドベンチャラ―「そのために俺たちがいる。マクベス様の策がうまく行くようにフォローするためにな」チャキッ

旧暗夜軍兵士「アドベンチャラ―殿?」

旧暗夜軍アドベンチャラ―「至急だ、弓砲台の奴に連絡しろ。西の奴らが動き出しそうだってな」

旧暗夜軍兵士「はっ!」タタタタタタッ

旧暗夜軍アドベンチャラ―「………」

旧暗夜軍アドベンチャラ―(まったく、本当に焼きが回ったっていうのはこういうことを言うんだろうが……)

旧暗夜軍アドベンチャラ―「はぁ、金銀財宝を奪うこと以外にやりがいのあることなんてないって思ってたが、悪くねえもんだな――」

旧暗夜軍アドベンチャラ―(誰かのために、戦うっていうのはさ……)

 チャキッ

旧暗夜軍兵士「弓砲台に伝達完了しました。全員、戦闘準備整っています」

旧暗夜軍アドベンチャラ―「よし西からくる奴らを迎え撃つ、誰一人もマクベス様の下に行かせるんじゃねえぞ!」

旧暗夜軍兵士たち『おおおおーーーーーーっ!』
290 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2022/08/07(日) 19:46:52.36 ID:uuRAI2j60
旧暗夜軍アドベンチャラ―「おい、伝令を一人メイドちゃんに出しておけ、こっちの敵が動き出したってな」

旧暗夜軍兵士「了解しました!」

旧暗夜軍アドベンチャラ―「さてと……」

旧暗夜軍アドベンチャラ―(迂回してくるつもりはないってことは、こっちの狙いがそれなりにわかってるってことか……)

旧暗夜軍アドベンチャラ―「たく、簡単に勝たせてくれねえな……」

旧暗夜軍兵士「敵の竜騎兵隊を確認。こちらに向かって前進してきます」

旧暗夜軍アドベンチャラ―「よし、弓砲台はまず牽制だ、奴らの隊列を崩せ。残りは当たらなくてもいい、撃ちまくって相手の動きを鈍らせろ。まずはそそれからだ」

旧暗夜軍兵士「はっ!」タタタタッ

旧暗夜軍アドベンチャラ―(奴らの機動性は馬鹿にできねえ。だが、少しでも動きを止められれば勝機はある。マクベス様が敷いた上空の見えない毒霧の所為もあって、あいつらだって好き勝手に動ける状況じゃないはずだからな)

旧暗夜軍兵士「敵先陣、弓砲台射程に入ります!」

旧暗夜ぐアドベンチャラ―「よし、放て!」

 バシュシュッ‼‼‼‼‼
291 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2022/09/03(土) 10:57:50.98 ID:WrAmG3Cl0
旧暗夜軍兵士「こちらの攻撃に合わせて敵が散会します」

旧暗夜軍アドベンチャラ―「上々だ、とりあえず無理やり抜けようとする奴がいたら優先的に叩き落してやれ。それと杖が仕える奴は各部隊の後方に付いて敵の妨害、奴らの機動力を奪い取る。だが、あくまでもこっちは迎撃に徹しろ、奴らの誘いに乗って前に出すぎるんじゃないぜ」

旧暗夜軍兵士「はっ!」

旧暗夜軍アドベンチャラ―(頭数は向かってくる敵に仕掛けに行ってどうにかなる数じゃねえ。奴らの誘いには乗らないようにしねえと簡単に突破されちまう)

旧暗夜軍アドベンチャラ―「いいか近くの仲間に意識を配って前に出そうになってる奴がいたら静止させろ。状況はギリギリ、俺たちにとって正念場だからよ」

旧暗夜軍兵士「はい!」

旧暗夜軍兵士アドベンチャラ―「よし、砲台前に展開――」

「行くぞ!」タタタタタッ
292 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2022/09/30(金) 19:12:21.59 ID:GzISjoTG0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 バサバサッ

新生暗夜軍ドラゴンマスターA「敵部隊、砲台前に展開していきます」

カミラ「こっちの動きはさすがに読んでいるわね。だけど、こちらも退くわけにはいかないわ。ベルカ、ニュクスと一緒に敵をかき乱しなさい。敵に隙が生まれたら一気に畳みかけるわよ」

ベルカ「わかったわ。ニュクス、かなり動きが激しくなるわ、しっかりつかまっていて」

ニュクス「ええ」

アシュラ「俺とツバキも相手の攪乱に徹する。突破は任せるぜ」

カミラ「ええ、お願いするわ」

新生暗夜軍レヴナントナイトA「カミラ様、私が先行します」

カミラ「任せたわ」

新生暗夜軍レヴナントナイトA「はっ! 行くぞ、何としてでも中央部への道を切り開くのだ!」

新生暗夜軍レヴナントナイト部隊『おーーーっ!』

 バサバサササッ!
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