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タイトルを書くと誰かがストーリーを書いてくれるスレ part7

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192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/04/02(木) 00:21:34.81 ID:BXPvmphL0
>>81「死を待つ天使」

重い、鈍色の錠に繋がれながら、けば立ち汚くなった翼に涙して考えた。おれが女と交わることが、いったいどうしてそんなに甚大なことなんだ。
ああ、確かに良いことではないさ。それでもだ、それでも、だ……両方の性器を破壊した上に首を切り落とすって、あまりに残酷じゃないか。しかも天使が手を下す。名目では正義の下での裁断は構わぬ、ということ。いうには、父なる存在の思し召しの通り、だとよ。そりゃもちろん知ってはいるんだがな、だからといって全員が全員、父なるを骨の髄まで信奉し心酔せねばならない、というのには違和感があるんだ。何故かって、父なるが必ず真理を透徹していると、誰が保証できるというんだ?

 あの女は、天国にあって似つかわしくない、いかにも煉獄から這い上がることのない者の典型みたいな、おどおどした態度で岩陰に隠れていた。
他の住人は暢気に水辺をとことこ散歩したり、花を眺めて口笛を吹いているのによ、そいつはこっそり座り込んだまま、俯いて、時折辺りを見回しては肘を縮こませたりと、明らかに挙動が怪しいんだ。掟に触れなきゃ、誰をガイなんて与えないのに……。
 ――なぜ踏み出して歩かない? ここは天国だ、お前を捕まえて食おうなんて、とこにもいやしねえ。おれは言った。
 ――あなたがいるじゃありませんか……。驚くことに、女はそう返したんだ。
 
 まさか、と純粋におれは狼狽えたね。こいつは天使を何だと思っていやがる、そんなに見下げたものとお前の目には映っていたか、そんな憤りを隠さずに女の前に立っていた。
 新たな声は聞かれなかった。妙だな、謝罪の一つもできないのか、と女に目を向けると――ここでおれは初めて女の姿をしっかり認識したわけだが――、震えて歯を鳴らせているんだな。ビビッて声が出ないくらいに腰が抜けてんだよ、情けないことにさ。しかも白衣の股間のあたりがしみになって、土もだんだん濡れていくしな。どんな顔してんだ、と興味が湧いてそっちに目を移すと、案外大きな目をしていて、睫毛も長い。そこにたっぷり涙を貯めて、唇が蜃気楼みたいに波打って曖昧な輪郭をしていた。すげえ怯えようよ、あれは。滅多なことじゃお目にかかれんぜ。あの感じだと、畏怖が先だって心を埋め尽くしていたから、漏らしていたことはちっとも気づいていなかったろう。                                     一旦ここまで
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